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2017年9月28日 第3回 厚生科学審議会 臨床研究部会 議事録

医政局研究開発振興課

○日時

平成29年9月28日(木)
11:00〜13:00


○場所

三田共用会議所 講堂


○議事

○森光研究開発振興課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第3回厚生科学審議会臨床研究部会を開催いたします。本日は部会の定数14名に対しまして、14名全員の方の御出席を頂いておりますので、厚生科学審議会令第7条に定められております定足数に達していることを御報告申し上げます。

 続きまして、本日の会議資料の確認をお願いいたします。配布資料の資料1として、第2回臨床研究部会での主な御意見について、資料2として、疾病等報告・定期報告について、資料3として、臨床研究に関する資金等の提供について、資料4が経過措置について、資料5が臨床研究法に伴う他の法令等の改正についてです。お手元にありますでしょうか。参考資料につきましては、お手元の青いファイルにまとめておりますので、適宜、御参照いただきたいと思います。なお、参考資料は会議終了後も、そのまま席に置いていただきますようお願いいたします。

 よろしいでしょうか。それでは、円滑な議事進行のため、撮影はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。以後の進行につきましては、部会長にお願いいたします。よろしくお願いします。

○楠岡部会長 早速、議事に入らせていただきます。議題1は、第2回臨床研究部会での主な御意見についてです。前回の議論で頂きました御意見に関しまして、事務局より資料1の説明をお願いいたします。

○吉高研究開発振興課長補佐 それでは資料1に基づき、前回の部会で頂きました御意見への対応について御説明させていただきます。まず、前回資料1-2(実施基準第1)、実施体制の関係になりますが、第1回部会の御指摘で、新たに追加いたしました「分担研究者」につきまして、実施医療機関の管理者に届け出るといった規定を設ける必要があるのではないかといった御指摘がありました。こちらにつきましては、下の箱の右側、臨床研究法施行規則()2つ目のポツの部分になりますが、赤字の見え消しのとおり、研究責任者は認定臨床研究審査委員会の意見を聴いた後、分担研究者の名簿その他、実施医療機関の管理者が求める書類を提出した上で、当該管理者に当該臨床研究の実施の承認を得なければならないとさせていただきたいと考えております。

 続いて、2ページになります。前回資料1-2(実施基準第3号関係)、モニタリング・監査の関係になりますが、こちらの定義を省令で規定するのかといった御指摘を頂きました。こちらにつきましては、GCP省令を参考に定義を置きたいと考えておりますが、具体的な規定ぶりにつきましては、省内法令審査を踏まえつつ検討していきたいと考えております。

 その下に「参考」として、GCP省令におけるモニタリング監査の定義を抜粋しております。GCP省令におけるモニタリング監査につきましては、治験依頼者や自ら治験を実施する者が指定した者によって、実施計画書のとおりに治験や製販後調査が行われているか、あるいは行われたかどうかの調査と定義されておりますが、今回の臨床研究法においては、モニタリング監査の責任者は研究責任者としていたり、モニタリングに関しては、対象である業務に従事する者に当該者が直接担当する業務のモニタリングをさせてはならないこととしているなど、細かい違いなどもありますので、技術的な規定ぶりにつきましては、事務局にて検討させていただければと思います。

 続いて3ページです。前回資料2-2(実施基準第6号関係)、その他の関係になりますが、倫理指針の第1に定められている、臨床研究を実施するに当たって遵守すべき基本方針を入れ込むべきではないかといった御指摘を頂きました。こちらにつきましても、入れ込んでいく方向で、省令においてどこまで書けるかを含め、具体的な規定ぶりについて省内法令審査を踏まえつつ検討してまいりたいと考えております。

 その下に倫理指針の基本方針を抜粋させていただきました。1社会的及び学術的な意義を有する研究の実施、2研究分野の特性に応じた科学的合理性の確保、3研究対象者への負担や予測されるリスクと利益の総合的評価、4独立かつ公正な立場に立った倫理審査委員会による審査、5研究対象者への事前の十分な説明と自由意思による同意、6社会的に弱い立場にある者への特別な配慮、7個人情報等の保護、8研究の質と透明性の確保とあります。2や3、7など、前回の部会でお示しした事項と少し重複する内容もありますので、その点も踏まえつつ、書きぶりを検討させていただきたいと考えております。

 続いて4ページです。前回資料3の認定臨床研究審査委員会の委員の構成要件の関係になりますが、「生命倫理に関する識見を有する者」又は「法律に関する専門家」とした場合、生命倫理に関する有識者がいない委員構成となる場合が懸念されるので、再検討が必要ではないかといった御指摘を頂きました。こちらにつきましては、生命倫理に関する有識者を担保するため、「法律に関する専門家」としていた者を、「医学・医療分野における被験者保護や人権の尊重に関して識見を有する法律に関する専門家」とさせていただくことを念頭にして、具体的な規定ぶりについて検討してまいりたいと考えております。

 続いて5ページです。先ほどと同じく、前回資料3の認定臨床研究審査委員会の委員の構成要件の関係になりますが、技術専門委員として御提示させていただいた「臨床薬理学の専門家」につきまして、一口に臨床薬理と言っても臨床研究のタイプによって、必要となる専門領域が異なるため、毒性学、薬力学、薬物動態学と書き分けた方がよいのではないかといった御指摘を頂きました。こちらの御指摘につきましては、海外の臨床研究を審査する委員会においても、毒性学、薬力学、薬物動態学等を包含した学問分野であるClinical Pharmacology(臨床薬理学)の専門家の意見が求められている現状と、その一方で御指摘のとおり、臨床薬理学の中でも、臨床研究のタイプに応じて必要となる専門領域に配慮しつつ評価を行っていただくという観点も重要であることから、「毒性学、薬力学、薬物動態学等に精通した臨床薬理学の専門家」という形に修正させていただきたいと考えております。事務局からの説明は以上になります。

○楠岡部会長 ただいまの御説明に関しまして、何か御意見、御質問はありますか。

○山口委員 最後の御説明の5ページのところですけれども、この臨床薬理学というものが、日本では余り知られていないということですが、海外においては広く認知されと書いてあります。私は全くの素人なので、よく分からないのですけれども、この臨床薬理学の専門家であるということは、毒性学、薬力学、薬物動態学ということに、そもそも精通している方なのでしょうか。といいますのも、これだけピックアップしないと、こういうことに精通した方を臨床薬理学の中から抽出することができないということで、ここに書いてあるのか疑問に思いました。臨床薬理学というだけで、この3つの学問に精通しているということであれば、あえてこれだけを入れると、特別な専門家がいるのではないかなと、素人目には見えてしまいましたので、そこのところをちょっと御説明いただいて、もし含まれているのだとしたら、あえてここを3つ書き出す必要があるのかなと疑問に思っています。。

○井本治験推進室長 御質問ありがとうございます。臨床薬理学につきましては、海外では、Clinical Pharmacologyとほぼほぼ統一したイメージをお持ちになられていると思います。我が国においても、実は臨床薬理学講座は文科省ではないので網羅的にその講座の設置部門を全部調べられたわけではないのですけれども、医学部においても幾つかの大学では臨床薬理学講座という形で、臨床薬理学という形で標榜している医学部も10個以上あるようです。また、薬学部においても同数ぐらいの薬科大を中心に臨床薬理学、単なる薬理とか動態学以外に、臨床薬理学と標榜している講座名が、もう10個ずつ以上は意味付けられるということ。それから臨床薬理学につきましては、教本もかなり出ていまして、御指摘のような毒性や薬力、薬物動態学というものを、網羅的に履修するようなセッションとして、全体の学問として教本や、教科書が出ているということなので、一般的には毒性学、薬力学、薬物動態学を網羅した形で、臨床薬理学が構成されていると理解して差し支えないのではないかと考えております。

○山口委員 だとすれば、この毒性学、薬力学、薬物動態学等に精通したということを、わざわざ書く必要がないのではないかと、私は思ったのですけれども、いかがでしょうか。

○鹿野委員 これは前回、私がコメントさせていただいたのですけれども、臨床薬理学というのは非常に広い分野で、その中でも特に毒性学的側面に重点を置いて評価をする方と、動態、また薬力学的側面に重点を置いて評価する場合とがあるのですけれども、対象となる臨床研究の内容に応じて、それぞれの専門家を選ぶべきという、そういう視点から、この文言を加えていただきました。

○楠岡部会長 ほかに御意見ありますか。今、鹿野委員からの御指摘もありましたように、臨床薬理学だけですと、かなり広い範囲を含んでいるので、臨床医学の専門家で、特に薬の効き方等に関して研究するというような分野の方も臨床薬理学者になりますし、そうではなくて、いわゆる動物実験とかの結果を見て、これをヒトに適用するときに、どういうような点を注意しなければいけないかとか、あるいは最初に投与する場合の薬の量を決めるとか、あるいは副作用の中で特にどこを見なければいけないかということを検討するのも、やはり臨床薬理の分野です。そういう意味では、今回、ここで臨床薬理の専門家を必要としているのは、特に第1相試験というか、これから初めて人に薬を投与しようとするような場合とか、あるいは適応外であっても疾患が異なることによって従来と同じ投与量でいいのかとか、そういうところを主に検討するというところがポイントになると思われます。そうすると、広い臨床薬理のどの分野でもよいというわけではなく、特に毒性学とか薬力学というような縛りを付けたほうが、本来の趣旨からいいのではないかと思います。

○山口委員 私が意見を申し上げた理由は、生物統計家と同じで、日本では研究に対して必要な専門家が知られていないと思うのです。これが海外で広く認知されているということからしますと、日本でも研究するに当たっては、こういう専門家がいるのですよということを一般の人たちにも、やはり広く知ってもらう必要があると思いますその場合、抽出することで、臨床薬理学と言ったときに、こういうことは特別に学んだ方でないと知らないことなのかなと、ちょっと理解の上での誤解ということを生じるかなと思ったものですから、意見を申し上げました。

○羽鳥委員 一般的に81ある大学の中でも、臨床薬理学講座というのは、薬理学の専門というよりは臨床系講座の方が多いですが、主任教授になれなかった人がなっている場合があるのではないでしょうか。純粋にPharmacologyとしての毒性、力学、動態学に、精通していなければいけないのか、その辺はどうなのでしょうか。臨床薬理学の教授であれば、薬理学講座の教授であれば、どなたでもいいと考えてよろしいでしょうか。

○楠岡部会長 事務局の御意見を。

○井本治験推進室長 前回もちょっとお話させていただいたのですが、今回はコンセプトという意味で、座長からお話もありましたが、ファースト・イン・ヒューマンみたいな、初めて人に展開するときの毒性なり、あるいはリスク評価という観点で、ここに挙げたような知識を持った方がレビューをしてほしいと。また、検証試験みたいな生物統計的な検証結果をもたらすようなものについては、数理的な生物統計学的な有識者が必要だということで、御説明させていただきました。

 一方で、資格という話になっていくと、世の中の権益とかにぶつかってくるのでなかなか難しいところがあります。例えば、国定免許みたいなものがある世界においては、医師とか薬剤師とか看護師とか、そういった者は、国定免許になりますので、国が責任を持って認定を行うのですけれども、こういった世の中の学術団体のものについては、それぞれがアカデミアの中で技術評価なり、一定の基準を使った研鑽はしているのですけれども、先生が御指摘のような、何か一定の閾値というものに要件を課してくると、かなり政治的に、あるいは社会学的な影響とかしがらみみたいなものを引っ張ってくるので、あくまでもここでは技術要件として、こういったものを分かっている方という形にさせていただきたいと考えております。

 委員構成の例でいえば、法律の専門家という話も、弁護士である必要は必ずしもあるのかとか、あるいは倫理の専門家については、倫理についてどこまでの履修をして単位数はどうなのかとか、誰かの権威に認められたのかという話になるといった非常に難しいことがありますので、その辺は概念として、お許しいただけないかと思っているところです。

○川西部会長代理 私は最初、余りこれを縛りにすると、日本に専門家といっていい人がなかなかいなくなる。先ほどの法律の問題も一緒なのですけれども、と思ったのですけれども、これからのこういう委員会ですか、構成としては、そちらに精通した人が、やはり必要なのだということのメッセージを伝えるという意味で、例えばQ&Aみたいなものに入れるということもあるかもしれないけれど、ここを「等」という形で弱めている部分がありますから、私はこういう形で省令が言いたいことを入れておいたほうがいいのではないかというのが、最終的に自分の中で落ち着いたところです。

○花井委員 ただいまの議論とも関係しますが、4ページの「生命倫理の専門家」というのを、このように対応していただいて、少なくとも生命倫理の専門家を欠いた審査が行われないような立て付けがあったことでいいのではないかと思います。ただ、今の議論と重なるのですが、結局、予算事業で認定するときも、何をやっているかというと、属人的なところをGoogleでその人の業績を調べて、「あっ、この人なら」ということで、結果的にやるわけですね。これは法律に基づいた、いわゆる形式要件になっているのです。そうすると、これは実務的な話なのですが、今、名簿を出すことになっていますが、そこにちょっと、この人はこういう人だということがないと、多分、国のほうがそれを審査するときに、もちろん今はインターネットもあるので、調べれば調べられるのでしょうが、出てこなかった場合にどうしようもなくなるので、何か予算事業をやるときよりも、ちょっと名簿の属人的な能力を証明というか、経歴というか、それをもっとリッチなものにするような対応をお願いできたらとは思います。

○森光研究開発振興課長 実際の運用のときに、どのように審査するかというところですとか、それからどのような情報公開をしていくかというところについては、御意見を参考にしてやっていきたいと思います。

○新谷委員 ただいまの御議論に関しまして、生物統計家についても、同じことが言えるのではないかと考えます。例えば、生物統計学の者と言っても、臨床試験は全くやったことがない方もいらっしゃると思いますので、臨床薬理学の専門家で書かれていることと、同様なことを書いたほうがいいのではないかなと、思います。ただ、そうすると縛りが強過ぎて、人数が足らないという問題も起きてくると思いますので、今の御議論と同様に、Q&Aなどでもよろしいかと思いますので、少し記載していただければと思います。よろしくお願いいたします。

○森光研究開発振興課長 そのようにさせていただきたいと思います。

○楠岡部会長 ほかに御質問等ありますか。3番目については藤原委員から御質問があったところかと思いますが、このような形でよろしいでしょうか。

○藤原委員 きれいに整理していただいてありがとうございます。

○楠岡部会長 ほかはよろしいでしょうか。そうしましたら、これに関しましては、今回お示ししていただいたような形で、修正等をしていただくということで、了承ということにさせていただきたいと思います。

 それでは、次の議題に移らせていただきます。議題2は、疾病等報告、定期報告についてです。資料2に関しまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○吉高研究開発振興課長補佐 それでは資料2に基づき、疾病等報告及び定期報告について、御説明させていただきます。まず、疾病等報告の関係になりますが、上の箱に臨床研究法の関係条文を抜粋させていただいております。認定臨床研究審査委員会への報告ということで、第13条第1項になりますが、特定臨床研究実施者は特定臨床研究の実施に起因するものと疑われる疾病、障害若しくは死亡又は感染症、これらを疾病等と定義しておりますが、この発生を知ったときは、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を実施計画に記載されている認定臨床研究審査委員会に報告しなければならないこととされており、第2項では、その報告を受けた委員会が特定臨床研究実施者に対し意見を述べたときは、当該意見を尊重して必要な措置を取らなければならないこととされております。

 それから、厚生労働大臣への報告ということで、第14条になりますが、特定臨床研究実施者は、特定臨床研究の実施に起因するものと疑われる疾病等の発生に関する事項で厚生労働省令で定めるものを知ったときは、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならないこととされています。

 これらの省令に委任されている事項の内容について整理したものが、その下の箱になります。まず、認定臨床研究審査委員会への報告事項・タイミングについてですが、薬機法上の副作用報告と並びを揃えてはどうかということで、未承認・適応外の医薬品等を用いる特定臨床研究においては薬機法上の治験の副作用報告並びで、それから、適応内の医薬品等を用いる特定臨床研究においては薬機法上の市販薬等の副作用報告並びで報告を求めてはどうかと考えております。

 また、厚生労働大臣への報告事項・タイミングにつきましては、1つ目の○のとおり、未承認・適応外の医薬品等を用いる特定臨床研究において、予測できない死亡・重篤な疾病等が発生した場合に報告を求めることとし、そのタイミングにつきましては、2つ目の○のとおり、薬機法上の治験の副作用報告並びとしてはどうかと考えております。

 なお、下の※書きにありますとおり、薬機法並びで医療機器・再生医療等製品の不具合につきましても、認定臨床研究審査委員会への報告を求めてはどうかと考えております。

 続いて2ページです。こちらは定期報告の関係ですが、上の箱の部分に臨床研究法の関係条文を抜粋しております。まず、認定臨床研究審査委員会への報告ということで、第17条第1項になりますが、特定臨床研究実施者は、厚生労働省令で定めるところにより、定期的に研究の実施状況について、実施計画に記載されている認定臨床研究審査委員会に報告しなければならないこととされており、第2項では、その報告を受けた委員会が、特定臨床研究実施者に対し意見を述べたときは、当該意見を尊重して必要な措置を取らなければならないこととされております。

 それから厚生労働大臣への報告ということで、第18条第1項になりますが、特定臨床研究実施者は、厚生労働省令で定めるところにより、定期的に、研究の実施状況について、厚生労働大臣に報告しなければならないとされており、第2項では、厚生労働大臣は、前項の規定により報告を受けたときは、当該報告を取りまとめ、概要を公表しなければならないとされております。

 これらの省令に委任されている内容につきまして、下の箱になります。まず、報告事項については、以下の事項等としてはどうかということです。当該特定臨床研究に参加した研究対象者の数、疾病等の発生状況及びその後の経過、省令又は実施計画への不適合事案の発生状況及びその後の対応、安全性と科学的妥当性についての評価、利益相反管理に関する事項を挙げております。なお、括弧書きの部分は、後の議題であります経過措置にも関連しますが、経過措置が適用された臨床研究につきまして、定期報告を初めて受ける場合には利益相反管理計画も含めて報告していただくことも考えております。

 最後に、この報告のタイミングについてですが、1年ごとに報告を求めることを考えておりますが、下の※書きの部分にありますとおり、研究の終了時においても、認定臨床研究審査委員会や、厚生労働大臣への報告を求めていきたいと考えているところです。事務局からの説明は以上です。

○楠岡部会長 ありがとうございました。これに関しまして御質問等ございますか。

○藤原委員 2つあります。1つはこの13条の1項の所の、「特定臨床研究の実施に起因するものと疑われる」というところの解釈を、この省令あるいは、その後の通知でもいいのですが、通常の薬機法の対応だと、この「起因するものと疑われる」というのは、因果関係が否定できるもの以外であるとともに、因果関係が不明なものも含んでいるということが通知の中で書かれているので、その辺をちゃんと明示していただきたいというのがあります。

 もう1つは、今の医学系研究に関する倫理指針は、実施に起因するものと疑われるという縛りがなくて、通常の有害事象、因果関係判定前の段階の有害事象を収集するような立て付けになっているのですが、昨今の薬機法の状況とか、あるいはアメリカFDAのセーフティーレポーティングの内容とか、EMAClinical Trial Regulation下でのSUSARの重篤な有害事象の報告などを見ていると、かなり限定的に有害事象の判断を、因果関係の判断をある程度した上で取扱いをしているところがあるので、医学系研究に関する倫理指針も、例えばICH-GCPに倣って、この際に変更するなどしておかないと、現場のほうが医学系研究に関する倫理指針では、今は何でも有害事象報告を、共同研究者であったり、医療機関の長などに報告する流れになっているので、どこかで是正する必要はないかというのが2つ目です。

○森光研究開発振興課長 1つ目の通知等に関しては、通知、QA等で示していきたいと思っております。

2つ目の倫理指針については、今回の臨床研究法の施行に伴って一緒に改正するかどうかというのはまた別だと思うのですが、倫理指針の対象というのは非常に幅広いものを含んでいますので、それも含めた形で別途、倫理指針を見直す時期がまたやってまいりますので、その際の検討項目の1つになると思っています。

○藤原委員 お願いします。私も医学系研究の倫理指針とか、従前から自分の頭の中では、有害事象が起きたらどんどん報告するのが筋かなと思っていろいろ勉強してきたのですが、2012年のFDAのレポートなどを見ていると、それをやり過ぎると、事務局サイドとか、規制当局サイドで、皆が膨大な数の書類を見ることで非常に負担がかかるのでということで、かなり限定的にいろいろな人たちが、有害事象関係の情報を共有するというように舵が切られているので、そこは日本も将来的に少しそういうことを考えていただきたいと思っています。

○花井委員 いわゆる薬機法横並びというところで、これは重複規定と平行規定と、何かよく分からないところがあって、例えば薬機法上では、PMDAのほうから大臣に報告というように法律上の立て付けになっているのですかね。そうすると、大臣報告事項は、薬機法上の報告をしても大臣に報告したことになるので、窓口はどうなるかという問題が生じるかと思います。今、薬機法上とは少し違うというお話もありましたけれども、認定臨床研究審査委員会へ報告しつつ、そのときに当然、薬機法上は今あったように有害事象を報告するようになっているので。つまり今までは理屈として、全部薬機法上報告されていたという理屈になっているのですが、実態は実はそうではなく、そうすると委員会には報告したけれどもPMDAに報告していないとか、そういうことが生じると、私としてはあまりおもしろい話ではないので、加重規定なのか重複規定なのか分かりませんが、倫理委員会に報告するに当たっては、PMDAにもちゃんと報告したということが確認できるようなことを、この法律の対象範囲から外れますけれども徹底していただきたい。それから、大臣報告というときは、窓口を変えるという話ですか。

○井本治験推進室長 ありがとうございます。疾病等報告に関しては、既に薬事法において既承認品目については、かなり手厚く副作用報告という形で制度設計がされていて、副作用について知った場合には企業は承認されている医薬品等であれば、承認の範囲内であっても、範囲外であっても、流通品についての副作用についてPMDAに報告することになっています。つまり、それは国に報告することになっているわけです。そういう意味では、通常の診療であっても、臨床研究であっても副作用の発現を知り得た場合には企業からであってもPMDAが一元的に収集して分析して、安全対策を講じる仕組みになっています。

 あと、先生が御指摘のように、どうして知り得るのかということに関連することですが、医療機関から直接副作用報告することはできます。また、医療機関から企業に副作用の情報を提供するということにより、企業から副作用を報告するというスキームもあります。今回、後ろのほうの資料の中で、企業から研究資金の提供を受けて研究する場合にあっては、そういった情報を企業に情報提供されるスキームを薬機法を後押しするような形での補強規定として別途考えることによって、市場流通品については、一元的に企業に集約・管理できるような状態を生み出しますし、薬機法の規定によって、一元的にPMDAに情報が集まるようなスキームにできればいいかなという根本姿勢で考えています。

 また、重複の話は、藤原委員からもありましたが、ホワイトノイズというのは、作業効率を極めて低下させますし、また関係者が疲弊するということもあって、FDA2010年にCFRの改定を行っています。、そういう意味からすると、臨床研究法を根拠とする報告と薬機法を根拠にする報告が、同じ情報でありながらあちこちから違う番号で報告されるような事態を非常に懸念しておりまして、そこはduplicationにならないような形での集中管理ができるようなことを考えています。

○楠岡部会長 ほかにございますか。

 私のほうから、2ページ目の定期報告の報告事項で、以下の事項についての中の一番目お参加した研究対象者の数についてです。参加したという定義の問題と、参加したといっても、今まだ薬であれば薬の投与中なのか、投与が終了して観察期間に入っているのか、プロトコールの全ての期間が終了しているのか、あるいは途中で脱落中止になったとか、もう少し細かい内訳まで求めるのか、それともざっくり何人参加しましたという、そういう数字なのかというところ。少し運用面での細かい話になりますが、問題は結局、脱落者が多いとか、中止者が多い研究というのは、やはり何らかの問題があるということがあるわけですから、多少の内訳的なものもないと、倫理審査委員会としても判断のしようがないというところがあります。

 それから、もう1つはタイミングですけれども、1年ごとという形になっているのですが、これは表現上の問題なのですが、1年ごとというと、本当にぎりぎり1年みたいな話になってしまうのですが、1年を越えない範囲の方がよいのでは。実際に運用してみると、1年以内に報告するつもりだったら、倫理委員会が1年と1日目に開催されて、本来ならば11か月で出さなければならなかったところを失念していて、結果的に1年越えてしまったみたいな違反が生じるようなこともあるので、そういうことも含めて、「ごと」という所をどういうようなことにするのか、少し細かいですが、その2点に関していかがでしょうか。

○井本治験推進室長 ありがとうございます。御指摘のように、定義であるとか、安全管理についての細かい細則については、そういった観点で盛り込ませていただきたいと思います。

 あと、「1年ごとに」という規定なのですが、実際に規定を省令として制定するときには、内部の法令審査等の手続を経て表現が具体的に煮詰まってくるわけですが、一般的にはこういったものを落とし込むときには、期日を決めた後、一定の作業時間を置いて、1年ごとにその日を期日に、1か月以内に提出するとか、2か月以内に提出することという規定を置くのが一般的ですので、作業期間を留保した上で、その周期のタイミングが1年ごとにカットオフするということで規定することを念頭に置いておりますので、そういう意味で捉えていただければと思っております。

○藤原委員 もう1つ質問なのですけれども、疾病等報告に関係しては、医師主導試験等をやっていると、未承認薬であっても海外でたくさんの治験が行われていたりとかして、その安全性情報を企業と一緒に集約して考えるというのは非常に大変な業務になっています。この臨床研究法案にある臨床試験については、企業の持っていらっしゃる安全性定期報告であったり、あるいは論文などについては、企業の安全部門は世界中の学術雑誌を見て重篤な有害事象の発生が疑われるようなものがないかを常にウォッチしているのですけれども、そういう研究報告とか、その辺りはどのようにinvestigator側と企業とは交渉して共有、取得していけばいいのかだけ、教えていただきたいのですが。

○井本治験推進室長 こちらも後ろのほうの資料に出てくるのですが、企業から資金提供を受けて研究受託する場合、あるいは支援されて一緒に臨床研究が実施されるような場合については、契約の中で、そういった情報提供について担保する形で実際に契約いただければよよいと考えています。

 また、公的研究資金だけで臨床研究が実施されるような場合については、別途、公的研究資金の助成機能を一元化されたAMEDのほうに、公的研究費で実施される臨床研究について試験に用いる医薬品等による副作用の情報について該当する企業への情報提供というようなことについて公募要件に設定する等も今後検討していただくようお願いしているところです。基本的には、研究者も現場での過度なワークロードにならないこと、一方で安全性が失うことがないように、情報については効率的に収集、あるいは提供できるようなことを調整して、できるような形で考えていきたいと思っています。

○新谷委員 定期報告の内容につきまして、質問がございます。アメリカの場合は、例えば第3相試験以上のものは、独立したデータ安全性モニタリング委員会というのが必須となっております。それは倫理委員会ではなく研究独自に、研究者が委員会を組織しまして、かなり密に定期報告の内容を見てまいります。例えば、研究対象者の数というのも、ターゲットに対して何パーセント、どの段階で入っているかと。例えば、これは2年終わっている、あと5年の研究で、あと3年やっても、もうターゲットにはいかないのではないかと考えられたときに研究をストップするのか、施設数を増やすのか等の細かい議論などもなされます。又は科学的な妥当性のところも、無作為化がうまく機能しているかというところで、背景票の比較を行ってみたり、そういうことも細かくやっております。

 あとは、有効性の評価というのも、盲検化を保持した上で行いまして、ここまで効かないものはこれから先やってもしょうがないのではないかという中止勧告のルールも決めた上で、定期報告で見ているというのが現状です。

 今は日本の場合は、個々の委員会を置けないので、倫理委員会でやるということなので、そこまで詳細にはマンパワー的には無理だろうと思っていますが、将来的にはそこまでを目指そうというところで、今、スタート地点という意味で、これをお考えなのか、もうここぐらいでいいのではないかというお考えなのか、どちらかをお聞かせいただけますでしょうか。

○井本治験推進室長 御質問ありがとうございます。先生が御指摘のものは、多分NIHが、2000年にパブリッシュした、Data safety monitoring boardDSMB)の話ではないかと思われます。アメリカにおいては、かなり前から生物統計家の導入とか、Clinicalpharmacologyを育成してきましたし、DSMBの設置規定もかなり進んできているので、今となっては、その適用範囲を拡大していく段階になってきているでしょうけれども、我が国においては、先ほど御議論いただいたように、臨床研究を取り巻く関係者の育成、あるいはそのマンパワー自身の確保というのも、まだ急務という状態であり、完全に確保できていないので、方向性としては、世界と伍していけるような質を担保できるような試験を実現化する意味でも引き続き、育成・教育等に努めていきたいと思いますが、現時点でそこまでの重厚な設置規定を置いてしまうと、臨床研究ができなくなる状態に陥るので、今回実施すべきことは、技術専門員制度を導入する方法としては倫理審査委員会の審査のプロセスの中でその分野の専門家のコンサルを受ける形で取り入れていくことだと認識しています。法律等については定期的に見直しがありますので、その時々において、その状況も含めて見直し、より良いものにしていければと考えています。

○楠岡座長 よろしいでしょうか。今の御指摘の点に関しては、今回、法律として定めるものではないわけですけれども、臨床研究審査委員会のほうで、この研究ではそういうものを置いたほうがいいという判断をするのであれば、指摘事項のような形で、別途そういう委員会を置きなさいと言えます。安全性評価委員会なり、あるいは多施設の場合は当然、何かSteering Committeeのようなものを持つとは思うのですが、そういう所でこういう点も見るようにという、臨床研究審査委員レベルの指示という形では可能です。また、認定された倫理審査委員会の協議会みたいなものができるでしょうから、その間での情報交換で、ブラッシュアップを高めていくというようなことは可能なのではないかと思います。

○清水委員 今、楠岡先生が言っていただいたように、正にそのとおりだと思うのですが、逆に言うと、法律上は各研究者側が、そういうものが必要であって、研究グループの中で、IDDMを作って、そういうことで進めていきましょうという、これは逆に別に禁止されているわけではなくて、テイクオフの中で、そういった議論の結果、こうしましたということも、きちんと報告していただければ、大変スムーズで、数限りある認定臨床研究審査委員会で全てそこまでやろうとすると事実上実施できないと思いますので、むしろそういうのは、研究者側が必要と感じて、あるいは運用上でそういうものがあることが望ましいということであれば積極的に作っていただいて、実際かなり規模の大きいフェーズ3試験のような形のものではそうされているのが普通だろうと思うし、そこまでいかないものであっても、当然そういうメカニズムを内部で持っているということは、むしろ望ましいのではないかと思います。

○渡部委員 すみません。疾病等報告に戻らせていただきたいのですが、薬機法と並んでということなのですが、報告までの日数ですとか、どこまで横並びで厳密にするのかというのを今後御議論いただきたいと思いますし、今回PMDAのほうに報告ということなのですが、PMDAのほうでは、新規に申請するときに、事前にそういった情報を確認していたかというのをお伺いしたいのです。というのは、報告が突然上がってきて、そこで迅速に対処できるのかなど、そういうことが少し気になりましたので、お伺いしたいと思いました。

○井本治験推進室長 ここに書かせていただいていますように「並び」でと、お話しさせていただいたのは、基本的には治験については7日、15日報告。市販後の承認品については15日、30日報告と言われていますので、報告期限の整合性という形を基本的には表現したものと理解しております。大臣への報告については、先ほど御議論いただきましたけれども、似たような情報を多方面から報告してもらうと、重複を起こすまで、一体何件発生したのか分からなくなることを避けたいので、基本的には大臣報告という形でPMDAに持ってきていただくものは、未承認適応外薬の未知のものだけに限定していただこうと考えております。それ以外の副作用につきましては、臨床研究審査委員会には全て報告してもらいますが、企業との契約関係の中で、薬機法に基づく企業報告の中での報告にできるだけ一本化できれば、重複報告により報告件数が実際の3倍、4倍に膨れ上がることもありませんし、個別の症例の確認については、最終的には同じ調査をすることになりますので、そういう形で一本化できれば省力化も図れるのではないかというような構想でおります。

○渡部委員 もう1つお伺いしたかったのは、そういう情報をあらかじめPMDAでも、そういう試験が行われているということを把握しているかということだったのですが。

○井本治験推進室長 そちらについては、前回の会議のときに、臨床研究の実施基準の要件の6号で、公開データベースの御説明をさせていただいたと思います。今までは指針に基づいて、UMIN、あるいはJAPIC、あるいは医師会のデータベースに入力していただくことにより、保健医療科学院のデータベースに統合化してポータルサイトとして公開しているのですが、これを発展的に進化させることを想定しています。今回、臨床研究法の施行により厚生局に研究計画を届け出ていただきますので、その研究内容をもとに、一元的に特定臨床研究を御覧になることが可能になるようになりますので、PMDAに限らず、広く国民の方々が今国内で臨床研究で何をやられているのかというものについては必ず分かるような形でお示ししていきたいと思っております。

○楠岡部会長 それでは、疾病等報告及び定期報告の事項につきましては、ただいまの御議論をいただきました内容で、部会として承認ということにさせていただきたいと思います。

 次の議事3ですが、臨床研究に関する資金等の提供についてです。これにつきまして御説明をお願いします。

○阿部経済課長補佐 資料3の第4章臨床研究に関する資金等の提供について御説明いたします。第32条は、製販業者と子会社が特定臨床研究を実施する者に対して、お金を渡す場合に契約締結義務を課しております。そこで、どういう契約にするかの内容は省令で定めることになっております。具体的な規定ぶりは、ほかの法令と整合を踏まえて定めることとしておりますが、案としてお示ししております。基本的には、日にちが特定されること、期間と内容、製販業者等の名称、資金の額・内容、公表に関する事項、成果の帰属についても記載します。また、副作用・有効性・安全性に関する情報、データベースの登録に関する事項と補償に関する事項、最後に利益相反を想定しております。財団等の団体等の契約については、3ページ目以降で後ほど御説明いたします。

 ページをめくりまして、第33条です。第33条は、お金を渡すときに、どこまで公表するかということについての規定です。図の一番下の研究責任者にお金を入れれば、それに関しては公表していただきますが、その上位の組織、いわゆる附属病院や大学等に資金が流れる場合にも、全て公開という整理にしております。ただし、下の注釈にもあるように、他学部・他研究に回すことが確定的な場合は対象外という方向で検討しております。

 ページをめくりまして、企業から財団等の団体にお金が入る場合についてイメージ図を示しております。企業と団体が、まず契約いたします。その後の流れについては団体と医療機関等で契約していただく方向で考えております。これは飽くまでも企業は団体と一時契約をしてもらって、更にその後の二次契約を一次契約の中でひも付けてお金の流れを追えるようにしてもらうことが目的です。これによって、どこに研究資金が流れるかを特定できるようにする。団体に流す場合は、一次契約と二次契約との関係で整理していく方向で想定しております。二次契約、すなわち団体から先の契約ですが、どのように捕捉していくのか。団体がいつ医療機関のABCであったり、契約締結のタイミングであったりとか、報告時期をどうするかの細部設計は今後必要かと考えておりますが、概念としては迂回方式を止めていただく方向で考えております。

 あとは公表の対象ですが、寄附金、講師謝金、原稿執筆料を公表対象として、研究終了後2年も対象とします。少なくとも年に1回更新する方向で、5年間を公表し続ける。あとインターネットを想定しておりますが、閲覧しやすい方法で公表してもらうということです。最後に公表する時期ですが、システムの準備を加味する必要がありますので、201810月以降に始まる事業年度で、翌年公開という方向で考えております。資料の説明は以上です。

○楠岡部会長 御質問はありますか。

○国忠委員 3ページ目の財団等に絡むところなのですが、結局これについても今おっしゃられたように、企業が財団に渡した後の資金の流れを全部見た上で、それを報告しなさいということに見えるのですが、それが完全にできるかどうかというのはちょっと我々だけでは判断がつかないところがあるのですが、厚労省としては今そこまで求めているという理解でよろしいのですか。

○森光研究開発振興課長 この関係については、まず財団にお金を出す際にどういうお金の使われ方か、いわゆる臨床研究の対象となるようなお金の使われ方かどうかということに関してきちんと報告をしてもらう。契約に基づき法律で公表義務となる資金の提供に関しての情報を財団から提供してもらう。そういうことによって担保をしていただくことにより、スムーズに動くのではないかということで考えているところです。

○清水委員 今の点に関わることなのですが、結局、どういう情報を公開していただくかということをもう少し明確にしたほうがいいと思うのです。財団等にお金を提供する場合に、提供契約なり何なりのときに、こういう3ページ目のスキームであるような中心的な医療機関というのは大抵定まっていて、ここを中心にして、こういう研究をすると。そういうことは一次契約の中で、こことここにもこういう機関が参加しますという形で、多分契約はされると思うのです。全くそういうものがない状態でというのは、余りないかもしれない。あるかもしれないですが、財団としてはそれで資金を得た上で、こういう研究をするので、参加するところを募りますという所もあるかもしれない。ただ、残りの大部分の参加施設ABCと書かれているものというのは、その一次契約の段階では、どこが最終的に参加するか分からないという状態だと思うのです。契約の中で、参加施設が定まって、資金がどこへ行くということが分かった時点で報告をしてくださいというような形の契約を多分、想定されているのだろうと理解しました。そうなったときに、当該年度中にそういう所に資金が行きましたという報告があったら、それを含めて公開してくださいと、そういう意図だと理解しましたが、それでよろしいですか。

○森光研究開発振興課長 そのとおりです。

○花井委員 この3の「研究資金の管理をする財団等」なのですが、法律上で、これを規制しているのは特殊関係者でしたか、子会社はそれに当たっているわけですね。この財団は、法律でそういう形で規定して規制しているのかどうかというのがちょっと気になるのです。というのは、一つその論点が顕在化するのは、このポンチ絵では、いわゆる医療機関というか、アカデミアが持っている財団というイメージと、それと別に企業寄りの財団があって、その企業がお金を引いたらたちまち倒れるという、要するに丸抱えの財団が存在していて、そこからという場合もあるわけですね。理屈の上では両方とも中立の何か一般社団みたいな形式であっても、性質を異にしていて。なので、法律で規制して、その特殊関係者でしたか、対象かどうかというとの整理を教えてもらえますか。

○井本治験推進室長 まず、特殊関係者は、製造販売業者と特殊関係にある者、つまり、資本関係にあることが想定されると思います。一般的には子会社関係のにあるものを想定しています。営業活動を行う、民事的な商行為を行う団体の一群として捉えています。資料にあるこちらの団体は、それとは違うものを意識しています。基本的には、特定臨床研究は製造販売業者等から資金提供を医療機関に直接受けて研究することを想定した法律なのです。通常は、そういう場合には個別に契約されると伺っております。しかし、特殊な条件においてはやむを得ずこの資料にあるように団体を経由せざるを得ないケースもあり得ると伺っております。

 では、どういうときにそういうことが発生するのかですが、例えば、国の組織であったりすると、研究資金としてお金を国の機関に入れてしまいますと国庫に入ってしまうので、収入については国庫に入ってしまって、支出については別途予算要求しなくてはいけない制度になってしまいます。このような場合には直接研究機関である国の組織に研究費を納金してはうまく臨床研究をじっ知ることはできないということになります。あるいは、臨床研究の開始前に実施する医療機関を特定することができないような場合や学会を通じて広く参加施設を募るような形式で実施するような場合があげられます。このようなケースでは企業があらかじめ医療機関を特定して契約を締結することができなくて、学会活動の中で参加医療機関が増えていくようなイメージになると思われます。結果的には団体に丸ごとそういう契約をお願いした上で参加される機関が増えていくというスキームが、この3ページになるわけです。

 一方で、法律においては製造販売業者等が契約を締結しなければいけない規定になっていますので、最初の契約が法定の契約となりますが、この契約においてスキーム全体のお金の流れを把握できるようにしないと、実は2ページ目のように、清水委員から御指摘いただきましたが、このお金がある医療機関に行っている、だから、この先生に原稿料や執筆料を出したときに公開するといった一連の法的義務を履行することができなくなってしまいます。したがって、このスキームでお金が流れる、3ページのスキームで研究費が流れる場合は、まずは主契約である企業と団体との契約の中で、二次契約、三次契約で増えていく医療機関も捕捉できるように、契約を結んでいただかないと、捕捉不能になるという問題を解消しようというものです。ですから、1ページ目の契約内容という規定の項目の案ですが、下から2つ目に、財団等が行う研究資金との提供に関する事項というところで、主契約である製造販売業者と団体との間での契約の中にどのような形でお金を分配するのか。また、団体から更に研究に参加する施設を増やす際には、契約を締結し、当該医療機関への資金提供の内容等の情報を主契約を締結している企業にバックしてもらう形を一次契約の中で契約しておいてもらうことによって、言い換えると団体と参加施設との契約、二次契約の情報を一次契約で担保することによって結果的に、このような経緯で臨床研究機関へのお金が流れたものについても参加施設を特定し、提供した研究資金を特定することが可能になり、結果として2ページ目のような個別対応が可能になるという整理で考えております。

○花井委員 ということは、まず3ページですが、医薬品の製造販売業、先ほどからの説明で、この財団を通す場合にはそこも含めて提供者側を縛っていて、こういうことをやってくださいと決まっているということですね。そうすると、いわゆる特殊関係者として子会社以外の財団ということも想定はしていないというイメージなのですか。そうすると、どちらかと言うと本来、提供側に入りそうなのだけど、中立なふりをしているというところはどこに落ちるかというのが、ちょっとこれでは見えないというか。偏見なのですが、僕らから見ると、これはプロモーション財団じゃないの、みたいに見える組織があって。そこから出るときは、逆に提供者側ではなくて受け側に整理になるのか、立て付けはどうなのか。

○井本治験推進室長 立て付けは、基本的に製造販売業者が中心的なステークホルダーになっていますので、研究資金の振出しは製造販売業者という法律の設計になっています。製造販売業者と特殊関係にある者、つまり製造販売会社とその意を酌んで動けるその直属の者という意味で子会社を想定していますが、そこからお金を振り出していって、研究に影響を与えるおそれがないかどうかを確認する形になっています。財団の目的が企業活動と関係なく、別法人になってしまうと、もはや財団を設置した企業の手から離れている形になっているかもしれませんが、基本的には研究資金を振り出した企業の資金管理を公開していただくという制度になっていますので、基本的な製造販売業者が公開する義務を負っているものと理解しております。どこまでの人が公開するのかと言ったら、この左側の白い人たちが公開してくださると。だから、あくまでも財団を経由しているのであって、振出し人が公開するという制度設計になっていることになります。ですから、どこまでの範囲が白いところのゾーンで、どこまでがオレンジ色のゾーンかということからすると、振出し人とみなせるところが公開義務を負っている所という整理をすることになると思います。製造販売業者の関連企業はどのくらいあるかというような見極めも難しくなりますが、基本的には特殊関係者はとても身近な状態であって、製造販売業者とみなしうるような、そういうような行動を取れるような範囲内に限定した上で、そこに公開用の作業をお願いするという設計になっています。

○花井委員 今回のは今の御説明でよく分かりましたし、ある程度visibleになってきて、いいと思います。ちょっと今の段階でこういう場合は大丈夫かなみたいなところも思いつかないではないのですが、取りあえず、これでどれだけ透明性が高まるかというのを見ていって、今後もし問題があれば、また再検討いただいたらいいかと思います。ありがとうございます。

○羽鳥委員 僕も、この3ページの財団の話ですが、子会社だけではなくて特殊な関係にあるものに近いものが幾つかあるのではないかと思います。そういう意味では、この研究に参加される患者さんが、それら財団の透明性が必要で研究資金の流れや契約関係がきちんと見られるようにしておくというのも大事だろうと思うのです。いくつか疑念のある臨床研究のホームページを見ても、メーカーからどのくらいの研究費が入っているかなどは明らかになっていませんでした。どういう財団の構成なのかというものが、患者さんからは少なくとも見えていないので、その財団の収入支出の状況、企業からどういうふうに流れているのか、そしてどういうふうに研究者、中心となる医療機関というのは多くは大学だと思いますが、どう流れているのか。その金銭の流れをやはり明らかにして、それが患者さんに見えるというのが大事だろうと思います。恐らくこのシステムがこれからの臨床研究では、中心になっていかざるを得ないと思うので、それが見えるようにしてあげないと、患者さんも研究に参加するのに躊躇するのではないかと思います。

 もう1つ質問させていただきたいのですが、3ページ目で公表する事項に、寄附金、講師謝金、執筆料とありますが、そのほかにもう1つ、ここに「等」というのが入っていないので、交通費も結構大きいと思います。欧米へ出張発表するとか、あるいは、ある会社が、ある薬をオーストラリアにたくさん使った人を皆御招待したとか、そんなようなこともありました。研究者をまとめて御招待したということもありました。それから、特定臨床研究終了後2年の支払いまでということですが、本来は先発メーカーが特許を持っている間、10年なら10年、2年の支払いではなくて、特許を持っている間、ジェネリックが出てくるまでの間ぐらいの、少し長くしていかないと、やはりここもまた不正が起こりうると思うので、もうちょっと長くしていただきたいと思う。僕の希望としては、先発品の特許が切れるまでにしていただきたいと思います。

○森光研究開発振興課長 患者さんに対する情報提供の基本的な枠組みとして、この図の中でいうと、医薬品等製造販売業者が臨床研究に関する資金提供をしているということに関して、厚生労働省への届出においても、こういう財団を経由して、この企業が資金提供しているという形で届出していただきます。また、これらの情報については、患者さんに対する同意説明文書の中で、資金の提供の状況について記載いただいて説明していただくという文書になると思います。

○羽鳥委員 分かりました。それは分かるのですが、その財団の資金提供がどういうふうに行われていたか。今実際に私がこの研究に入っているのだけれど、実際には、この社からほとんど流れていて、そういうふうになっているということが分からないと、この財団をもって第三者的なイメージにすることは出来ないでしょうか。それが分からないで患者さんがその研究に進んで参加する気になれないのではないでしょうか。そういう意味で、研究の透明性を高めるために、やはり財団の仕組みをオープンにしていただきたいと思います。

○森光研究開発振興課長 基本的にはどこの企業からもらったお金で実施されているかということは、きちんと患者さんに対して分かるような形にしたいと思っています。要するに、間に財団が入ったりする可能性はあると思うのですが、結局は、もとはどこから資金が流れているのかというところが大事だろうということで、私どもとしては法律も作っている。

○羽鳥委員 実際にその様な事例があることは御存じですか。

○森光研究開発振興課長 もちろん承知しておりますので、そういうふうにしたいと思っております。それから交通費等については、実は今までも私どものいろいろな厚生労働省の審議会における委員の利益相反管理としても、交通費はやはり基本的には入れずに、執筆料それから講師謝金等とさせていただいているところなので、先生のおっしゃるところについては理解をさせていただくのですが、そこまで含めますとかなり今までの枠組を超えた形で、いろいろなものの調査等も含めると非常に幅広くなります。申し訳ございませんが、今後の課題ということで受け取らせていただきます。

○羽鳥委員 分かりました。ただ、学会の発表で本当に12日でヨーロッパへ行ってきたと言うなら分かるのですが、1週間オーストラリア御旅行というのも入れていいのかどうかというのはやはり疑問だと思います。

○藤原委員 寄附のところで、詳細に書いてほしいところが一点あって、申し上げます。私どもの治験審査委員会の医師主導治験の審査で経験した事例なのですが、最近医師の治験は公的研究費だけではなくて、例えば企業から資金をいただいてやっている場合もあるのです。その際に、GCPの運用のガイダンス等に従って、ある医療機関に対して企業からどんなお金が入っているかというのを治験審査委員会で審査させてくださいとお願いをしたら、企業との守秘義務契約があるので、契約内容の詳細を教えられませんという回答をもらいました。大きな病院ですよ。そういうのを見ていると、この資金の額とかを公表する、公表するのは一般に対しての公表ですが、せめて認定臨床研究倫理審査委員会とか、そういうクローズなところに対しては、資金の額ではなくて、その詳細が適正に運用されているかどうかという内訳、それをちゃんと示していただけるようにどこかで書いていただかないと、医師主導治験でも、そういうことが今、既に起きているのです。臨床研究法ができた後にも、一般に公開しなくてもいいですが、認定臨床研究審査委員会に対しては契約内容を詳細にくださいと。昔ほかにも経験しました。これは研究倫理審査委員会のほうですが、ある財団からと契約して、臨床試験をやっている研究グループが、その財団との契約の中でどういう資金を運用されているかということを研究倫理審査委員会として聞いたら、守秘義務があるから詳細は答えられませんと。皆さん、そういうふうに言うので、それだと永遠に、あぶく銭が入っていても分からないですね。だから資金総額を一般に公表するのと同時に、研究倫理審査委員会とか治験審査委員会とか認定臨床研究審査委員会には、その臨床試験の運用経費が適正かということが分かるような資料をちゃんと開示させるように、省令あるいは通知の中に書き込んでいただきたいと思うのです。

○森光研究開発振興課長 通知なり、それから実際の運用の中で、検討させていただきたいと思います。

○掛江委員 先ほどの羽鳥委員からの御指摘の件について、少し戻らせていただきたいのですが、患者さんから見えるというのは非常に重要なことだと私も感じています。先ほどの御説明だと、企業のほうを介して公表という形の御説明だったと。ではないのですか。3の黄色のほうの、自分が参加している臨床研究の中から、どこまでどこが資金提供しているのかが見えるような形での情報公開を想定されているということになりますか。

○森光研究開発振興課長 同意の説明文書の中に、特定臨床研究に用いる医薬品等の製造販売をし、又はしようとする医薬品の製造販売業者及びその特殊関係者の当該特定臨床研究の関与に関する状況というのを、説明文書の中に書く必要があります。この場合は、この企業のほうに当たりますので、この企業から出された資金でやっていますということを患者さんに説明した上で同意を取る必要があるということになります。それから、私どもも研究実施計画を届出てもらったときに、その届出てもらう内容は当然この企業からお金を受けて、この財団を経由して行なわれている研究ですという形で届けていただきますので、そういう意味で、「見える化」すると思います。

○掛江委員 ありがとうございました。

○清水委員 この3の図というのが、実は非常に誤解というか、コンヒューズしている方がおられると思うのですが、原則はそのイメージ図の2ページの図のように、直接、幾ら、どの大学に、あるいは、どの研究者に入っているということを公開しなさいというのが前提です。ただ、それを、いわゆるダミーを使って、その団体を経由してお金を入れたときに、団体からお金が入っているようにしか見えないと、実質的に、要するにそれですら、もし本当にそこで切ってしまうと特定臨床研究にすらならないことになるわけです。それを防ぐ意味で、この3のスキームが作られているのだろうと理解しておるのですが。そのときに最終的に、契約の中で、だから実施する参加する医療機関側のほうはどこから来たお金を財団からもらっているのかということを今度は明示してもらわないと、特定臨床研究かどうかが判断できないので、そこもきちっと契約で明らかにしなさいということですよね。要するにAという業者さんからBという団体を通って、この研究をするようにお金が来ているのだけれども、これはもともとAという企業から来ているお金なのですよということを明示した上で、参加機関に渡してくださいと。そういう情報が最終的に参加機関に、こういう機関にこれだけ渡しましたということが、今度はAの側から見たら分かるように、一次契約を作っておいてくださいと。そういうふうにしなさいというのが、この意図だと理解しているのです。そうすると、各委員の方から、御指摘があったように、今までだと、このBという財団からもらったお金でやりますとしか説明してないものが、結局 AからBを経由してもらっていますということを明示しなくてはいけなくなるので、要するに、その関係団体が非常に明らかになることを想定されていると理解しております。若干、問題なのは、そこがきちっとワークしないと、Aの側のほうが結局Cという医療機関に行ったのか、Dという医療機関に行ったのかが分からないと、公表のしようもないし、その財団等が直接ひも付けせずにプールしたようなお金にしてしまって、その中の一部しか行ってないというような手を取られると非常に訳が分からなくなるのです。このところの契約の作り込み方をきちっと、この目的で出された研究で、この目的でこの資金が行きますということを明確にするような作り込みを是非、お願いしたいと思います。一番危ないのは、この団体がそういう形でいろいろなところから資金を集めて、実際にはA社の薬の研究をやってもらっているのだけれども、ABCDいろいろなところからもらったお金の一部を渡しているだけです、直接ひも付いていませんというようなことをされると、結局ロンダリングになってしまうので、そこのところの制度設計をしっかりお願いしたいと思います。

○楠岡部会長 よろしいですか。ほかに御質問はありますか。

○清水委員 全体的に、ちょっと直接的な事例ではないかもしれないですが、結局幾ら全体のお金が入って、そのうち幾らがこちらに来ていることが分からないと、適正かどうか分からないという話になるので、そこのところなのだろうと思います。

○藤原委員 清水委員のおっしゃるとおりで。ただ日本は、COIの公表って行き過ぎているところもあって。アメリカなんかの法令を見ると、COIは一般に公表するのではなくて、FDA、あるいはIRBに対して公表するのが非常に厳しく規定されている。そこは何でもかんでも一般に見せればいいというものではなくて、研究倫理審査委員会とかには、しっかりそれが見えるようにせよと。先ほど課長がおっしゃったように、通知の中で、研究倫理審査委員会が求めれば、その財団の財務状況が分かる。うちでも、研究倫理審査委員会の中で、財団がどういうところから金をもらっているのかを教えてくださいと言ったら、拒否する財団もありました。そういうのが通知の中にきちんと書いていただければ、わざわざそれを全部公開する必要はないにしても、どこかできちんと第三者が見ているという体制にするのがいいかと思います。

○楠岡部会長 よろしいですか。ここに関しては今、幾つか御指摘あったように、財団がいろいろな研究を、このスキームでやる中で少しずつ研究費が余ってきた分をプールして、独自に何か研究を公募でやったような場合は、今までもらっているところ全部に対してそういう報告というか、あるいは開示みたいなものが必要なのかどうかとか、ちょっと複雑なスキームも出て来る可能性があると思います。これは運用しながら、順次、問題点があれば改善していくという必要性が出てくると思います。ほかにありませんか。よろしいですか。

 そうしましたら、臨床研究に関する資金等の提供については、これで承認という形にさせていただきたいと思います。

 続きまして、次は議事の4です。その他、臨床研究法の施行に向けて検討が必要な事項について、資料4について説明をお願いいたします。

○吉高研究開発振興課長補佐 資料4に基づき、経過措置について御説明します。箱の部分になりますが、臨床研究法の円滑な施行に向けて、新たに始める臨床研究及び臨床研究法の対象に切り替わる現在進行形の臨床研究について、経過措置を2点設けたいと考えております。それが1の施行日前の認定臨床研究審査委員会での実施計画の審査と、2の法施行前から実施している継続研究の経過措置期間における審査になります。

 まず1に関して、下のほうに条文を抜粋させていただいたとおり、臨床研究法の施行日前においても臨床研究審査委員会としての認定を申請し、認定を受けることができるという法律の附則規定がございますが、正式な認定は法施行日付けとされているところです。このような中で、法施行日前における審査をどのように進めていくかに関してですが、法施行日前に認定を受けた委員会にあっては、法施行日前から実施計画の審査を行うことができる運用とした上で、施行日以降に認定臨床研究審査委員会として計画を正式に承認するということで、施行日前から実施計画の実質的な審査を可能としてはどうかと考えております。

 続きまして2ページ、2つ目の経過措置である2に関してでございます。継続研究の認定臨床研究審査委員会での再審査事項ということで、倫理指針等に基づいて倫理審査委員会の承認を得て実施している研究については、法の施行後1年以内に認定臨床研究審査委員会において実施計画の審査を受ける必要がありますが、ここで再度確認すべき事項を研究の進捗状況に応じて限定するとともに、審査については開催までは求めずに、書類によることを認めてはどうかというものです。具体的な内容に関しては、その下に実施計画の記載事項について、1〜4のグループに分類の上、研究の進捗状況に応じて、何を確認すべきかをまとめておりますが、こちらについては、次のページに図で詳細をまとめておりますので、3ページを御覧ください。

 図の見方になります。縦軸に実施計画の記載事項、つまり認定臨床研究審査委員会における審査項目を記載しており、横軸に研究の進捗状況を記載しております。その上で、研究開始から症例登録の終了までの期間を1、症例登録終了から観察期間終了までの期間を2、患者さんの投薬後の観察期間終了からデータ固定の終了までの期間を3、データ固定から総括報告書の受領までの期間を4とし、研究の進捗状況に応じて、実施計画のどの項目を確認すべきかをまとめております。

 まず、右側の方から御説明させていただきますが、4の段階にある研究については、既にデータの固定が終了しており、残る大きな作業としては、統計解析や総括報告書の作成になりますので、この段階で確認すべき事項については、臨床研究の実施体制、統計解析、利益相反管理に関する事項としてはどうかと考えております。

 次に、その左側の3の段階にある研究については、データ固定がまだ終了していないので、先ほどの審査事項に加えて、臨床研究の品質管理及び品質保証、つまり、モニタリング・監査に関する事項を追加してはどうかと考えております。

 さらにその左側の2の段階にある研究については、研究対象者に対する医療行為が全て終了していない状況であることから、先ほどの審査事項に加えて、研究対象者の保護に関する事項、つまり、臨床研究の対象者に対する治療、安全性の評価、倫理に関する事項を追加してはどうかと考えております。

 最後に、その左側の1の段階にある研究については、全ての研究対象者が決定していない状況であることから、先ほどの審査事項に加えて、研究の参加に関する事項、つまり、研究対象者の選択基準、研究期間、インフォームド・コンセントに関する事項を追加してはどうかと考えております。

4ページは御参考として、先ほど御説明したそれぞれの研究の進捗状況に応じた審査内容に関して、包含関係を図で示したものです。事務局からの説明は以上です。

○楠岡部会長 御質問はいかがですか。

○清水委員 おおむね、このようにならざるを得ないのかなとは理解しているのですが、1の研究が現在進行中のもの、これから登録もされるといったものに関して、主に見るべきところは確かに、選択基準と対象者に関する治療の部分だろうと思います。研究が進行中であることを鑑みると、それをきちんと見ようとすると、やはりその目的やデザイン、そういうところも含めて評価をしないと、実質的にここが正当なことがされているかどうかと。極端な話で、デザインが滅茶苦茶なものが始まっていたとしても、それは何らかの形で、このデザインでは駄目ではないかと指摘してあげないとまずいのではないかということになる。もちろん見るべき中心は、治療と選択基準や安全性のところだと思います。これからまだ治療はされる予定の方がいることを考えると、有効性の部分やデザインの部分も加味して評価せざるを得ないので、○を付けるべきかどうかというところまで踏み込む必要はないのかもしれませんが、そこはやはりきちんと見ていただくべきではないかと思います。

 それ以降のところについては、終わってしまっているものを、後から評価して変えてくださいと言っても変えようがないので、この方式になるかと思います。

○森光研究開発振興課長 先生の御意見はごもっともだとは思いますが、基本的には、今動いているものというのは、今の告示の指針である医学系倫理指針に従って審査をしていただいていますので、確かに実際においてはいろいろな研究があるとは思いますが、そこは尊重したいと思っております。

 ただ当然、委員会の中でアドバイスされることに関しては、それが駄目というわけではないと思います。基本的には確認するべき事項として、そこは責任を持って確認をしていただくという事項を○としております。ただ実際は経過措置1年間で、たくさんの審査をしていただくこともありますので、審査委員会の負荷、研究者にとっての負荷等があまりかからないようにしたいと考えております。研究がスタートする前でしたらいいのですが、ある程度研究が進んで患者さんの登録が入っているのであれば、患者さんにそれだけ提供していただいたということもありますので、そういうことも含めて○印を付けさせていただいたということです。

○藤原委員 今の課長の言葉を聞いて安心したのですが、個情法改正のときも、うちは2か月間、研究倫理審査を止めて、個情法の改正に対応したので、ああいう浮き目はもう一遍遭いたくないと思いますので、この経過措置については、猶予期間をもう少し長めに持っていただきたい。そうしないと、今やっている医学系研究に関する倫理指針の審査がいい加減だという話になってしまいますので、我々はそんなことは思っていなくて、今の医学系研究倫理指針でも十分対応できるように、どの医療機関も多分やっていると思いますので、それは信頼してあげた上で、この臨床研究法への対応の施行については、猶予期間は少し長めに取っていただければという希望があります。

○新谷委員 私はどちらかというと清水先生の御意見に賛成です。今走っている研究を尊重したいというお気持ちと、今の走っている研究は指針にのっとってやっているだろうということで、なるべく止めないほうがいいという御意見は理解するのですが、企業資金が付いているものは、結構きちんとされていると思うのです。多施設の臨床試験などもきちんとされているとは思いますが、単施設で未承認薬・適応外などで行われている研究で1,700も日本中に倫理委員会があると、その中の1つが「よし」と言ったら進んでいるということで、私は今回の臨床研究法の施行に基づいて、ある程度、意味がない研究が棚卸しされるべきであると。そこに臨床研究法がかなり効果的になってくるだろうと考えております。

 例えば、目的やデザイン、私たちがよく目にする研究は有効性を評価すると言っておきながら、コントロールがないもので未承認・適応外をやっているとか、全くこれは論文にもならないのではないかというものも多く目にします。現在、倫理委員会という名前が付いておりますので、科学的な統制よりも倫理ばかりを審査して、科学的に本当にこれは目的がきちんとしているのか、妥当なのかというところが置きざりにされているような研究も走っている印象は感じております。やはり、上から2番目、3番目、4番目の所も審査することを入れていただいて、変な研究は棚卸しをしていただく。施行前に止めていただくということがあっても良いのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○森光研究開発振興課長 基本的には、今の倫理指針の内容というのは、正にこの法律ができる契機となったディオバン事件を受けて、この中にいらっしゃる先生も交えて相当議論して、目的やデザインについての科学的な倫理性についても、しっかり倫理審査委員会で見てもらえるように改正しており、今、進んでいる研究はその倫理指針に従って実施されているものだと思っております。それはそれとして、新しい法律ができたからその法律でということはあるのですが、一応、段階を追って日本の臨床研究を良くしていくということで、きちんと信頼性を確保するために指針を直し、それを法律的な枠組みで担保するという形で、この臨床研究法ができておりますので、指針での審査をもう一回棚卸しというところまでは、正直、私どもとしては少しそこは難しいのではないかと思いますし、一定の質の担保というのは徐々に上がってきていると思います。ただ先ほど申し上げましたように、少しこれはというものについてアドバイスをすることに関しては否定するものではありません。委員会の中で、ちょっとこれは、というところがあれば、それは是非、アドバイスをしていただければと思います。ただ患者さんの安全性に関しては、絶対に譲れないものでありますので、そこはしっかり見ていただこうと思いますのでよろしくお願いします。

○楠岡部会長 今のに追加ですが、○の付いた所しか審査してはいけないという話ではなく、そこは必須で、それ以外の所も審査できるのですね。当然、プロトコールは付いて上がってくるわけですから、そこは目に付くわけで、審査したところで問題点があればそこは指摘するという、結果的に棚卸しになるかもしれません。適応外で、1つの病院の中で、少人数を対象に行うような研究も実際あって、それはそこの病院のIRBは通っているのですが、そんなにきちんとは検討はしていなかった。あるいは生物統計家とは相談していなかったとか、デザイン的にかなり偏りがあるというのも実際は通ってしまっている可能性もある。それが今回、適応外ということで、認定臨床研究審査委員会に上がってくると、これはちょっと、というものは出る可能性はあると思いますので、ある意味、そういう間接的な牽制効果はある。あくまでも、この○は必須項目であって、それ以外を審査してはいけないという話ではないということです。もう一点、書類の審査で構わないということは、研究代表者に臨席までは求めないという意味ですか。

○森光研究開発振興課長 はい。

○花井委員 今の部会長の説明でいいかと思います。下から4番目の「補償及び医療の提供」というのは全部−になっているのですが、これらの医療提供というのは、医療補償の話を書いているという趣旨ですか。

○井本治験推進室長 御指摘の「補償」というのは、正に補償保険を想定しておりまして、医療の提供というのは、その医療機関でフォローアップしてもらうことを想定しております。

○花井委員 ということは、これはもう契約の話なので、途中からは難しいということで、全部切っているという理解ですか。

○井本治験推進室長 御指摘のとおり、ここのものについては動き始めてしまうと、2つの問題があってなかなかいじれないと考えています。1つ目は、契約の段階で補償内容が固定されていること。通常保険商品の購入という形で補償を具現化することを考えると、後から追加補償契約ができないということ。2つ目は、統一プロトコールにおける被験者の差別をしないという原則を考えると、ある一定以下の患者さんだけは優遇して、ある一定の者だけは優遇しないという形で臨床研究を実施するこはなかなか倫理的にも問題があるので、基本的にはそのままで行かざるを得ないのではないかと思います。

○花井委員 ということは、ほとんどないでしょうが、こんなリスクのあるのを、こんな無保険でやっているのかみたいな研究が見つかったとしたら、それはそこで意見を言うことは変わらないということですか。まずは、ないとは思いますが。

○井本治験推進室長 正に先生方の御懸念であるのは、結局この経過措置で確認しなければならないのは、なお従前の例でそのまま放置するのではなく、漫然と放置するわけではないと言うことだと思います。一方で折角、合意や手続きを取って実施されている臨床研究についての継続性、そこに参加を既に頂いたものの御努力とかも生かさなければいけないという中で、2つを具現化したいと思っております。1つは臨床研究の品質保証として間違った結果が流布されないようにすること。もう1つは、一番重要なことですが、被験者保護です。この2つの観点を具現化したい。ですから、期間を切って、何ができるのか、何を最低限しなければいけないのかというのを臨床研究の進捗状況に応じて、データ処理しか実施していない段階の試験と患者さんが入っているフェーズでは区別されるべきと考えます。最低限どこだけは確認してくださいという設計でミニマム・リクアイメントの観点で、この○−表を作成しました。先生方御指摘のように、その項目を審査するに当たって、他の項目をリファーしなければ分からないものについては、当然ながらプロトコールなどフルセットを見ていただいて加不足なく議論を頂くことはもちろんですが、基本的にはそのコンセプトを具現化しつつ、数が非常に多くなってきて、経過措置の中で新規の研究も落とさないようにしなければいけないというバランスを見ると、書面の評価も可能にすることでお願いしたいし、必要最低限のことはやってくださいという形で構成をさせていただいたと理解しております。

○山口委員 書類審査でも構わないということですが、例えば、こういう場合は書類審査でも構わないという基準を設定するのかどうか。私も幾つかの倫理審査委員会等に委員として関わっていますが、書類だけでは本当に見えないことは結構あって、やはり直接、申請者の話を聞いて、書類では出てこなかったことが明らかになることは結構あると思っています。書類でも構わないが、例えば疑問が出てきたときにはしっかり確認することが望ましいとか、何かそういうものを入れておかないと、何でも書類で構わないという処理をされてしまうと少し困るかと思いましたので、もし何か基準を発表される御予定があるならば、そこは聞かせていただきたいと思います。

○森光研究開発振興課長 正直言って、この場合はどういうものが疑わしいという形では基準を作れないので、ただ実際は、先ほどのアドバイスと同じような形で、基本的に審査上、書類で見た上で、この点は詳細に書かれていませんねというときに、追加で情報をもらうのか、それとも来てもらって話すのか、そういうことは委員会の判断ということになるかと思います。それは別に否定するものではないです。

○掛江委員 1の所の、先ほどの議論に戻るのですが、やはり被験者保護、安全性の確保にフォーカスを置いて確認という作業をする。今までの指針に基づいて審査しているものを尊重したいという厚生労働省の姿勢というのは非常に分かるのですが、ただ、きちんと指針に基づいて審査されているのであれば、ここを確認されたところで大した問題もないのだろうし、きちんと計画されたものであれば、確認だけであればそれほど委員会に負荷はかからないと思います。

 特に今回特定の新しい委員会でということになると、最初の審査を行った委員会と異なる委員会が審査をしたり、確認をする可能性のほうが高いわけです。そうすると、先ほど新谷先生が危惧されたように、私も「科学性が担保されていないものは倫理的ではない」と考えているのですが、科学性を余り見ないで、何となくインフォームド・コンセントの文章を御覧になって倫理的な審査をしたとおっしゃっているような委員会のものも存在したわけです。そこについては新しい委員会に負荷がかかったとしても、きちんとチェックすべきものではないかと。それが正に無駄な介入試験に被験者を危険にさらさないという意味では、安全性の担保になるかと感じたのですが、いかがですか。

○森光研究開発振興課長 確かにおっしゃることはよく分かるのですが、先ほど言いましたように、基本的にこれはミニマム、最低でもここは確認してくださいということになります。その上で、デザインや目的に関して、アドバイスを決して否定するものではないのですが、今、倫理審査委員会も認定という形で非常に良くやっている良質な委員会を認定したり、臨床研究中核病院は全部査察をしたりという形で確認をしているところでもあります。そういう委員会でやったものも、総ざらいで全部見ろというのは少し違うのではないか思いますし、私どもが確認していなくても、かなりの各地の委員会で真摯に審査いただいているところもあります。そういうことも全部一律、最初からやり直しということを宣言するような話になりますので、それは私どもとしては、この法律の趣旨から言っても少しやり過ぎなのではないかと思います。認定臨床研究審査委員会の確認という中で、プロトコールを隠して出してくるわけではなく、読んでいただいて、どうしてもという部分があれば問合せても構いませんし、先ほど言ったようにそれは委員会の権限ですので、どうしてもという部分に関しては書類だけではなくて、ここは聞かせてくださいという話はできるわけです。ただ責任として、ここの部分だけは確認をしてくださいということでお示しをしているので、決して委員会の権限を目隠ししてスルーしてくださいということを言っているのではありません。義務としてやらせるのか、それともプラスアルファで、どうしても気になるところについてはもう少し深く確認したいということを止める話でもないので、そこは少し御理解いただきたいと思います。

○増田委員 1点お願いしたいのですが、1番のところで、施行日前で認定が出せると、認定申請をして審査委員会の認定を受けることができるという形。認定を受けたところでは、臨床研究法実施基準に伴って計画の審査は行える。しかし、承認は出せない。法が施行されていないので承認が出せないという形になるとは思いますが、そうすると、審査はほぼ終わっているのですが、OKが出ないので、臨床研究が始められないという状況になる。そういう場合に、1つのやり方としては、法施行前ですので、倫理指針には合致しているはずであるということで、倫理指針で見るしかないので、それでやってくださいと。ただし、審査はしているので、施行日になったときには新しい臨床研究法で審査が終わったものとみなすということはできないのですか。

○井本治験推進室長 経過措置の考え方ですが、実は今の倫理指針に基づいて、審査が例えば今頃とか、あるいは12月、1月頃に審査が終わって試験が開始できるのであれば、実は2の法施行日、現に臨床研究を実施したものということで、経過措置の2を適用して、1年以内に積み換えればいいという猶予期間をもらえることになります。

 一方で、4月からどうしても研究を実施したいということになると、実は法律が4月上旬でアクティブになるので、その日以降に動き出すと、全ての手続がそれ以降にずれ込んで遅くなってしまう懸念があります。法施行日に近接したところでどうしても臨床研究を開始したいいう場合に限り、こういった経過措置があれば、ものすごく後ろにずれ込むことなく、予備的な審査を終えておいて、法律がアクティブになった瞬間に連動して実施可能になる。正に接合面をこれでつなぎ合わせるという認識です。法の施行の前であれば、今の法律が施行していないので、指針どおりやっていただくことで、次の載せ替えルールで動けるので、研究実施も実施できる状況にあります。ですから、研究者の御予定に合わせて、まさに施行日から臨床研究を実施するというのは混乱するので、施行日を外していただきたいという気はしますが、どうしてもそこだということについては、1のスキームによって正に4月なりの施行日にOKが出るというからくりです。もっと前であれば、逆に従前の方法でやっていただくことを想定しています。

○増田委員 従前の形でやるというのは変わらないですが、認定委員会で審査を受けている。受けていて、審査も受けているのだけれどもと言ったときに、今の経過措置の所でいくと、書面であろうが、もう一度審査を受けないといけないという形にはなると思います。ですから、そこを外すということはできないのでしょうか。

○清水委員 増田委員のおっしゃることはよく分かるのですが、実質的に、この部会が11月まであって、そこから多分パブコメがあって、省令などが実際に有効になって、認定が始まるのがどんなに早くても1月以降だと想定されます。その委員会の認定の作業が済んで、委員会が発足すること自体が年度内にできるかどうかと。大多数のところではそういう状況なので、御懸念は分かるのですが、移行に伴う特例措置の1のほうですが、4月より前に審査が完全に終わって、その段階で実施できるような状態になる、すごく時間的なラグが2か月も3か月もあることはとても想定できないので、御懸念は分かるのですが、そこを余りぎちぎち議論しても、実質的にそういうものが適用できる研究というのはほとんどないと思います。ということが現場の感覚です。

○増田委員 なかなか難しいとは思いますが、研究は研究者が進めたいというだけではなく、やはり、そこには被験者がいて、どうしても被験者を目の前にすると、延ばすことができないお医者さん、医療機関関係者も非常に多いという話も聞いておりますので、できるだけ早くしたいという声も上がっていますので、意見をお聞かせいただいたということです。

○新谷委員 この経過措置3についてですが、この項目の中に、定期報告に該当するような項目が入っていないのです。施行前に始まった研究に関しては、始まって開始後1年以上経過するものであっても、定期報告はしなくてもいいという理解になるのですか。

○森光研究開発振興課長 それは誤解です。全てのものに関して定期報告はやっていただきます。

○新谷委員 分かりました。定期報告もここに含まれるということですね。

○井本治験推進室長 この法律自体は、特定臨床研究については、厚生労働省に法律の手続を踏んで登録いただく手続法になっているのです。新規に始めるものについては、正に最初の作成、倫理審査委員会での審査、厚生労働省の研究登録については、当然登録されて認可されてスタートしてから定期的に報告いただくというスキームが動くのですが、経過措置の3については、既に前の体制で動いてしまっているもので、実は我々は捕捉していないのです。臨床研究は実施されていても捕捉されていないものなので、臨床研究法がアクティブになると、まずは捕捉することから法律は始まるので、臨床研究登録をしてもらわなければならなくなるのです。臨床研究登録をするためには、事前に倫理審査委員会で審査してもらわなければいけない。しかも、認定倫理審査委員会で審査してもらわなければいけない。したがって、この経過措置中に積み直しである再審査をしていただく手続が必要になるわけです。予備行為の積み換え時期という形として経過措置というイメージなので、ここに載ってきたら、当然、定期報告を頂きますが、まずはここに載せてもらう。次に載せてもらう手続が終わったら晴れて定期的に報告が来るというのが法律の括り方だと思います。

○新谷委員 ということは、まず審査をして、受けると。登録をした上で、1年以上経過するものに対しては、定期報告も速やかに行う。

○森光研究開発振興課長 いいえ、定期報告のタイミングの問題を気にされているのかもしれませんが、どうするのかというと、基本的には登録されて、通常1年ごとに見ていくということですから、いきなりこのチェックをしましたと。臨床研究法に登録されました。すぐに定期報告しましょうというふうにはなりませんので。

○新谷委員 ただ始まってから、もう2年も3年もたっているようなものであっても、しない。2年も3年もたって、まだ終わっていない継続中であるという研究に対しても、これに登録してから1年間たたないとしなくてもいいということですか。

○井本治験推進室長 しなくてもいいというのではなく、そもそも今の研究自体は順調に進めていただけるようにした上で、被験者の保護等最低限の確認事項を確認していただくということが求められていると思います。現場の混乱を避けるということが1つあるのですが、少なくとも、現在実施中の臨床研究については倫理指針に基づいてやっていただいているので、法律に基づいてやり直してもらう形で、transition stateが必要なのです。積み換えた後は法律がフルカバーして関わってくるのです。積み換え作業としては、認定審査委員会の審査、厚生局への登録、データベースへの公開という手続を踏んでいただかないといけません。そうすると、全ての法律がかかってくるので、晴れてそこの義務の履行の一部として基準の遵守、計画書の遵守、定期報告もしていただくということになるわけです。

○新谷委員 そこから1年後。

○井本治験推進室長 そうですね。下にポツで書いてあるように、その後、無規制になっているのではなくて、それは移行期間なので、その期間中は指針での遵守はもちろんかかっているのです。当然ながら移行期間中に一斉に審査がかかったら混乱してしまいますし、新たに始める研究ができなくなりますので、新たな研究も認定臨床研究審査委員会でしっかり審査いただくとともに、現在実施中の臨床研究も途絶することなく進めていただきながら、うまくレーンチェンジをしてもらうための手続として、ここでの審査の手続を踏んでくださいというものです。ですから、指針に基づいて実施し続けていただいて、正式に、この審査を再度受けていただいて、更に登録いただいて、晴れて臨床研究法の管理下に置かれたものにスイッチされるということなので、決して義務をしなくていいと言っているわけではなく、積み替え後は定期的に法律の義務がかかってくる。タイミングだけの問題なので、そういうもので理解いただければ、現場の混乱も避けられるし、過度なストレスもかけないで、うまくスムーズに移行できるという設定で考えています。

○新谷委員 はい、ありがとうございました。あともう一点ですが、今、現場の声を聞いておりまして、例えば、経過措置が1年あるので、今から始める研究であっても、経過措置期間中に終えてしまうのでいいんだという意見を聞いたりするのです。そういうことを考えると、例えば期間1234に分かれておりまして、見てみますと、観察期間終了、前と後でかなりチェック項目が変わってくるのですが、1年間で急いで観察期間だけ終えてしまって、極力、34の期間に持ち込んだ上で審査をしようという研究も増えてくるのではないかと考えます。ですから、これは無理かと思いますが、1つの提案ですが、施行直後にこの状況にあるものは、全て審査を受けるというような、これは厳し過ぎると考えた上での御提案ですが、そういうことにしてはいかがでしょうか。

○森光研究開発振興課長 先ほど言いましたように、基本的には、今、全て動いているのは倫理指針に基づいて倫理審査委員会で審査をしていただいた上で進めているものなので、今年度中に終わるので、もうそれは倫理審査委員会の報告でいいですねというものを否定するものでは全然ありませんので、無理矢理、全部を臨床研究法で縛ることを目的とする法律ではありませんので、そこは御理解をいただきたいと思います。

○楠岡部会長 確認ですが、施行後1年以内の間に、終了の定義にもよると思いますが、研究終了してしまったものは再審査等の対象にもならないし、臨床研究法が求める義務の対象にはならないと。ただし、指針で行っているので、例えば資料の保管期間等は指針に基づいて全部行ってもらうという理解でよろしいですか。

○森光研究開発振興課長 はい、そうです。

○楠岡部会長 ほかによろしいですか。そうしましたら、経過措置については、ただいまの御議論を踏まえて承認とさせていただきます。資料5に関しては、当部会として議論いただく内容ではなく、事務局から当部会への報告事項と伺っておりますので、資料5について御説明をお願いします。

○吉高研究開発振興課長補佐 資料5につきましては、臨床研究法の施行に伴い、改正の必要がある法令等の御説明になります。これらの具体的な改正内容につきましてては、然るべき場において別途、議論いただく必要がありますので、ただいま部会長より御発言がありましたとおり、当部会においては御報告として、その方向性等について御紹介させていただきます。

 まず、臨床研究中核病院の承認要件に係る医療法施行規則等の改正についてでございますが、箱の中に、医療法等の関係条文を抜粋しております。臨床研究中核病院の承認要件については、医療法第4条の31項において、特定臨床研究に関する計画を立案し、及び実施する能力を有することとされており、この特定臨床研究の定義が同法の施行規則第6条の53において、治験と倫理指針に適合する侵襲及び介入を伴う臨床研究とされているところですが、臨床研究法の施行に合わせて定義を少し近づけてはどうかということで、倫理指針に適合する侵襲及び介入を伴う臨床研究を、臨床研究法に基づく特定臨床研究に改正していくことを考えております。

 次に2ページでございます。こちらも臨床研究中核病院の関係になりますが、医療法第16条の4において、管理者の責務が厚生労働省令に委任されておりまして、同法の施行規則の第9条の255号のイにおいて、特定臨床研究が倫理的及び科学的に妥当であるかどうかについて審査するための委員会を設置することが求められております。この委員会につきましては、その下にある施行通知において、倫理指針に基づき、臨床研究の実施又は継続の適否その他臨床研究に関し必要な事項について、倫理的観点及び科学的観点から審査するための委員会、つまり、倫理審査委員会としており、また、自施設のみならず、他の医療機関が実施する特定臨床研究に関する審査を適切に実施することが求められているところですが、この倫理審査委員会についても、臨床研究法の施行に伴い、臨床研究法に規定する認定臨床研究審査委員会としてはどうかと考えております。

 次に3ページでございます。その他、臨床研究法の施行に伴い、改正が必要と考えられる主な法令等を御紹介しております。1つ目の○に関してですが、再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則ということで、再生医療等安全性確保法に基づく再生医療等に関する臨床研究については、その実施基準や届出に関する手続が同法に規定されておりますので、臨床研究法に基づく実施基準の遵守や、届出の手続などについては適用除外とされております。その一方で、現在御議論いただいている臨床研究法に基づく実施基準や、認定臨床研究審査委員会の要件を踏まえ、再生医療等安全性確保法の制度の中でも、モニタリング・監査の導入や委員会における審査内容等の情報の公表、相談窓口の設置など、新たに取り入れるべき内容の検討をしているところです。

 また2つ目の○の倫理指針や、3つ目の○の遺伝子治療等臨床研究に関する指針についても、ガイダンスを含めて改正事項がないかの精査を進めているところです。

 最後に4ページでございます。御参考までに、先ほど申し上げた再生医療等安全性確保法と臨床研究法の対象範囲につきまして、少し複雑なので図でまとめております。再生医療等安全性確保法の対象になる臨床研究については、資金提供の有無に関わらず、臨床研究法第2章の臨床研究の実施、つまり、実施基準の遵守や実施計画の提出、インフォームド・コンセント等の規定が適用除外になっております。その一方で、再生医療等安全性確保法の対象とはならない、例えば再生医療等製品を用いた適応内の臨床研究については、当該再生医療等製品の製造販売業者から資金提供がある場合には臨床研究法上の特定臨床研究に、資金提供がない場合には臨床研究法上の臨床研究に該当することとなります。

 また、法第4章の臨床研究に関する資金等の提供、つまり契約締結や資金提供等の公表等に関する規定については、再生医療等安全性確保法には規定がないものですので、再生医療等安全性確保法の対象になる臨床研究と、再生医療等製品を用いた適応内の臨床研究のいずれについても、関係する再生医療等製品の製造販売業者から資金提供がある場合には臨床研究法が適用されることになります。事務局からの説明は以上です。

○楠岡部会長 御質問はありますか。よろしいですか。医療法における特定臨床研究の定義が変わった場合、臨床研究中核病院の承認要件の中の特定臨床研究に関する論文の数とか、実施試験数に影響します。過去3年間を評価しているのに対して、施行以降となってしまうと、向こう3年間はどこも承認できないということになります。移行措置に関しては何らかの手立ては投じるということで、よろしいわけですか。

○井本治験推進室長 あくまでも今回の臨床研究法の施行によって、いろいろな各種方面に対して、何らかのアクションをしなければいけないものが発生するので、そのキックオフ的な意味あいのものにしたいと思っておりまして、具体的には臨床研究中核病院の承認要件を議論いただく部会のほうで、具体的な細かいことは御議論いただこうと思っております。少なくとも御覧いただいたように、認定基準の中に倫理指針を引用しているところについては、臨床研究法が施行されたら、切り換えた上で数とか基準についても再度、再設定しなければいけません。移行期間中は、それぞれのものがちょうど前の指針に基づいて動いているものと、新たな法律に基づいて動いているものとミックスチャーになっているもので、その按分なのか、どちらかに寄せるのか、どちらかの指標で数え直すのか、何らかの方策を講じないと、実はうまくトレースできないので、そういった方策は何らかを設けていきたいとは思っております。

○楠岡部会長 よろしいですか。ほかに御質問はありますか。

○新谷委員 資料51ページ、これは文言についての確認だけですが、最後の2行目、「特定臨床研究の定義の整合」というところで、現行案と修正案というところですが、現行のところで、「人を対象とした医学系研究に関する倫理指針に適合する侵襲及び介入を伴う臨床研究」が、修正案では、「臨床研究法に基づく特定臨床研究」であるというところで整合性を図られるということですが、これは第1回部会のときに、臨床研究法に基づく臨床研究の定義というところで、長いディスカッションがあったと思います。これに基づいて、「侵襲及び介入を伴う臨床研究」が、「臨床研究法に基づく臨床研究」の定義であると簡略化して理解してもよろしいですか。

○井本治験推進室長 駄目です。この部会で詳しい御議論をお願いするつもりはないのですが、少なくとも臨床研究法を御検討いただく部会には、本部会での検討の結果を踏まえて関係部会に連絡させていただいて御検討いただく予定である旨の御報告をさせていただいたものです。新しい法律が施行された際には、現状の基準と異なり、新たな基準に基いて新しい枠組みでの特定臨床研究の件数の数え方や範囲を当てはめなければいけないので、座長から御指摘があったように、必ずしもこれが一致していないのは、そのとおりです。当然ながら、手術・手技を評価する介入・侵襲ありの臨床研究については、臨床研究法の臨床研究のスコープに入れてませんので、数は若干動くことは当然あり得ます。具体的な要件については別途、該当する部会において御検討いただくことを想定しております。

○新谷委員 分かりました。ありがとうございました。

○楠岡部会長 ほかにありますか。よろしいですか。

○井本治験推進室長 事務局から補足説明をさせてください。先ほどの説明において正確性において若干適切でない部分がありましたので訂正させてください。現在実施中の臨床研究について、臨床研究法施行を契機に、新しく積み換えという話を申し上げました。臨床研究法が施行される際、現に実施中の特定臨床研究については、手続を踏んで初めて臨床研究法がかかるという話を、すごくデフォルメしてお話しましたが、大方はそれで正しいのですが、法律の施行日から一斉に適用される条項も一部ありますので、そこについては、施行日現に実施中の特定臨床研究についても臨床研究法が適用される部分が存在することをお話しなければいけないということを訂正させていただきます。経過措置の3条の中に、新規症例を組み入れるときには、その症例に関して、個人情報、秘密の保護とか、あるいは同意説明、秘密保持の観点については、既に実施中の研究の新規症例に関しては自動的に適用されるので、私が申し上げたところの差分というのは、新しい手続を踏まない限り、新しい法律がかからないと言い切ってしまったのが必ずしも正確ではなく、臨床研究法のほとんどの規定は積み替えによって適用される形になりますが、手続きを取らなくても施行日から自動的に適用される条項も存在するという点です。正確に言うと、法施行後、ほとんどの部分については正規手続を踏んでアクティブになるが、手続きを踏まなくても自動的に適用される条項もあるというのが正しい説明になろうかと思います。訂正してお詫び申し上げます。

○楠岡部会長 ほかにありますか。よろしいですか。それでは以上で、本日予定されている議題は終了しました。そのほか事務局から連絡事項等ありますか。

○森光研究開発振興課長 次回の開催については、1026日を予定しております。開催場所、開催時間については改めて御連絡いたします。事務局からは以上です。

○楠岡部会長 よろしいですか。それでは、本日の臨床研究部会はこれで閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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