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2017年9月13日 医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第11回)

医政局医事課

○日時

平成29年9月13日(水) 17:00〜19:00


○場所

厚生労働省省議室(9階)


○出席者

新井 一 (全国医学部長病院長会議会長)
今村 聡 (日本医師会副会長)
小川 彰 (岩手医科大学理事長)
片峰 茂 (長崎大学学長)
神野 正博 (全日本病院協会副会長)
権丈 善一 (慶應義塾大学商学部教授)
羽鳥 裕 (日本医師会常任理事)
三根 浩一郎 (全国老人保健施設協会副会長)
福井 次矢 (聖路加国際大学学長)
堀之内 秀仁 (国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科病棟医長)
本田 麻由美 (読売新聞東京本社医療ネットワーク事務局次長)
森田 朗 (津田塾大学総合政策学部教授)
山内 英子 (聖路加国際病院副院長)
山口 育子 (認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)
渋谷 健司 (東京大学大学院医学系研究科国際保健政策教室教授)

○議題

1.新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会報告書に関するヒアリング
2.年末までに検討する医師偏在対策の主な論点について

○議事

  ○堀岡医師養成等企画調整室長 定刻となりましたので、ただいまから「医療従事者の需給に関する検討会 第11回医師需給分科会」を開催いたします。

 構成員の先生方におかれましては、本日は大変お忙しい中御参集いただきまして、まことにありがとうございます。

 初めに、今回、構成員の追加がございましたので、御紹介をさせていただきます。

 国立がん研究センター中央病院呼吸器内科病棟医長、堀之内秀仁構成員でございます。

 聖路加国際病院副院長、山内英子構成員でございます。

 続いて、本日の御出欠について御連絡させていただきます。

 北村構成員、鶴田構成員、平川淳一構成員、平川博之構成員、松田構成員から、所用により御欠席との御連絡をいただいております。また、平川博之構成員の代理といたしまして、三根浩一郎全国老人保健施設協会副会長に御出席をいただいております。

 次に、資料の確認をいたします。

 資料1、資料2、資料3と、それぞれ資料を机上に置かせていただいております。

 不足している資料、乱丁・落丁などがございましたら、事務局にお申しつけください。

 ここでカメラは退室をお願いいたします。

 以降の議事運営につきましては、座長にお願いいたします。

 では、片峰座長、よろしくお願いいたします。

片峰座長 それでは、早速、議事を始めたいと思います。

 最初の議題は「 新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会報告書に関するヒアリング 」ということであります。本日は、この検討会の座長を務められました、東京大学大学院教授の渋谷健司先生に参考人としておいでいただいておりますので、まず渋谷先生から御説明をいただいた後に意見交換をしたいと思います。

 それでは、渋谷先生、よろしくお願いします。

渋谷参考人 どうもありがとうございます。

 まず初めに、こうした機会をいただいて、本当に感謝申し上げます。

 それから、需給分科会のほうもようやく再開したということで、これまでのプロセスにおいて御迷惑をおかけしたことも多々あると思います。それも私が座長として15回も数を重ねてしまったというのは不徳のいたすところです。それは置いておいて、きょうからまた次に進める機会をいただいたということと理解しております。我々の検討会、名前自体が長いので「ビジョン検討会」というふうに略称で呼んでいますけれども、それを簡単に御報告させていただきます。

 ページをめくっていただいて、ビジョン検討会ですが、かなり多くの構成員と、それから15回という、短期間でかなり密なスケジュールでやりました。

 2ページを見ていただいて、なぜ働き方ビジョンが必要かということですが、2016年6月の医師需給分科会の中間的取りまとめの際に、やはり医師・看護師数を検討する際の前提として「我が国が目指す医療の在り方」をまず検討しなければいけないだろう。今までの延長線上で増減、偏在というものを検討する前に、どういう方向になっているのか。

 その際に、新たな医療のあり方、そして、働き方について検討するに当たって、現実に起きている変化。それは需要側も医療供給側も、そしてテクノロジーとか、そうしたものをファクトとして拾い上げ、さらに医療提供者の置かれている環境等も考えなければいけない。

 そういうことで、これは座長の希望で突っ走ったところもあるのですけれども、厚労省の提案した論点に基づいて机上で解決策を提示するという従来の検討会の進め方ではなくて、構成メンバーが、最初にそれぞれの思うイシューを3つ出していただいて、それに対して議論して、そして、その仮説を立て、仮説を検証するためにファクトを集めるというやり方をしました。

 3ページ目を見ていただくと、ビジョン検討会の目的としては、単なる需給の話、偏在の話だけではなくて、いわゆる医療政策の「背骨」となるようなビジョン。それから、医療を取り巻く大きな社会経済的な構造的変化に対応できる方向性を打ち出すこと。さらに、ここはかなり私が強調したのですけれども、やはり数字とかファクトを示してくださいということでした。そのために、初めて、医師の働き方に関する実態調査も実施しています。

 それで、メンバーの皆さんから出していただいたイシューによって、そもそも需給・偏在というところから始まったのですけれども、やはり医師の働き方、医療・介護の連携、それから、住民・患者など、需要側のヘルスケア意識なども含めて、かなり幅が広がったのですが、その分、議論に深みが増したと思います。

 働き方実態調査について、簡単に御説明します。「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」、5ページ目にありますが、これは10万規模の調査で、2つの質問票があります。医師に対して個別に送る調査票と、それから、病院の施設ごとに送った施設票です。実際に医師個人からの回答に関しては、医師個人から直接返却してもらうことにしました。病院ごとに何か調整するようなバイアスを防ぎ、あるいは、プライバシーの問題もあると思いますので、医師調査票に関しては個別に返却してもらいました。

 実際の回収数は1万6,000弱なのですが、回答者の分布を三師調査と比較し、年齢、それぞれ科別の分布を比較しましても比較的相関していましたし、回収率は比較的低いのですけれども、代表性あるものとして活用しました。

 調査項目としては、医師のプロフィールというものをかなり綿密にとって、実際に医師が、都市とか僻地に働いて、では、次にどこに行くのか。年代別、科別、収入、それから、家族構成。そうしたものが前提にあったときに、どういうように医師が行動するのかというプロファイリングをかなり詳細にとりました。もう一つはタイムスタディーということで、1週間、医師がどういうものに時間を費やしているかというものを具体的に記してもらいました。

 あとは、医師のやることでほかの職種に分けることができる、あるいはシェアできる、そうしたタスクシフト、タスクシェアということに関して調査もしました。それから、偏在ということも一つの論点でしたので、将来の勤務地に関する意向等も調べました。

 6ページにありますように、医療調査票、医療施設票ということで配付して、回収しました。

 7ページ以降、簡単に調査結果を御説明させていただきます。

 まず勤務時間ですけれども、そこに表がありますが、年代別、平均値、診療+診療外、それから、当直・オンコールという形に分けていますが、基本的には過剰勤務、超過勤務というものが恒常化しています。

 特に、20代の勤務医の勤務時間というのは、週平均55時間ですが、これに当直・オンコール、男性の場合は平均16時間、女性の場合は12時間程度と、年代が上がるにつれてだんだん減っていきますが、それでもやはり超過勤務というものは恒常化している。

 8ページ目は科別に見た勤務時間ですけれども、想像できるように、救急、外科、臨床研修医は勤務時間が非常に長い傾向があるということです。

 9ページ目ですが、常勤勤務医の週当たり勤務時間です。これは年代別、家族の構成別に見たものなのですけれども、男性・女性医師、子供がいる場合・いない場合と比較していますが、やはり既婚の女性の常勤勤務医は勤務時間が短くなってしまう。他方、既婚の男性の常勤勤務医は勤務時間が長くなる傾向があって、ここに明らかに、子供を持つ場合の女性医師に対するジェンダーギャップというものがあるだろうと考えます。

10ページ目を見ていただくと、ここは育児中、休職・離職した女性医師が専門医資格を取得する率はどうかというのを見てみると、やはり休職・離職をした場合に専門医の取得というものが有意に低いということが出ております。

11ページは偏在に関する意識、意思について聞いた結果なのですが、地方に行く意思はありますかと尋ねると、平均すると全体で44%が、今後、地方で勤務する意思がある。この44%の人たちは既に地方に行っている人ではないかという意見があったので、都市部にいる人だけに絞って分析をしても四十数%あるので、これは44%というのは妥当な値であると考えます。さらに、20代では60%以上が地方に行ってもいいということを言っています。

 そして12ページですけれども、では、地方に行った場合、何年勤務するのか。半年とか1年とか、あるいは2〜3年なのか。そうすると、50代以下の勤務医のうち約半数がかなり長い、2年以上行ってもいいということを言っています。ですから、むしろ半年、1年というのは少数派であった。

13ページも同じような傾向を示しております。

 実際、それだけ行くということを、地方に行ってもいいと意思を示しながらも、では、なぜ実際は行かないのか。それをきちんと調べて、それに対して対応策を打っていくことが偏在対策にとってはファクトベースだということを考えまして、では、どうして地方に行かないのかというのを年代別に詳細に調べました。

20代では、やはり予想どおり、医局関係とか医局人事のために選択の余地がない。それから、専門医の取得というものも大きな要因です。やはり一人前になりたいわけですね。それから、労働環境。20代では本当に医局の関係とか専門医の取得、一人前になりたいという、ある意味では当たり前のそうした希望があって、それができないから地方に行かない。

15ページに行くと、これは30代・40代になると、やはり家族ができて、子供ができるわけですね。そうすると、右から4つ目の柱です。子供の教育、それから、家族の問題。右から2番目ですけれども、そうしたものが20代に比べては増えてくるということです。

16ページに行きますと、50代以上になりますと、希望する内容の仕事ができないこと、労働環境への不安とか、家族の理解が得られない。それから、ここでは介護というものも出てきます。そうしたことを鑑みますと、20代は専門性の追求、3040代は家族・子供の問題、それから、50代になると家族・介護の問題とか、ほかのセクターと余り変わらないような状況になってくるわけです。

17ページでは、1日の中で5つ、タスクシェアができるものに関して、どれだけの割合がほかの職種に分担できるかということを調べますと、240分のうち20%弱ということで、50分ぐらいがほかの業種にタスクシフト可能です。これはあくまでも非常にシンプルな、医療事務的な作業とか患者の運搬とか、そうした比較的シンプルなものでこれぐらい分担できるのではないかということです。

 この実態調査に関して、18ページに簡単に主な結果をまとめていますけれども、基本的には多くの医師で過重労働や超過勤務が恒常化している。それから、家事・育児負担、男女でバイアスが存在する。

 地方偏在に関してですけれども、44%の医師が地方勤務の意思あり。それで、20代では60%です。10年以上勤務の希望は実に50以上に上るということです。ですから、行ったら長く行ってもいいという希望を持っている人が多いです。

 実際に地方勤務に行くと言いながら行かない障壁は何かというと、やはり「労働環境への不安」というものが一番大きいわけです。それから、20代は専門医等の資格取得に関しての懸案、30代・40代は子供の教育環境と、ほかのセクターとほとんど変わらないわけです。

 そうしたことから、19ページにありますけれども、このビジョン検討会の報告書の中にもそうしたことを書きまして、下から2番目のポツです。地方勤務をする意思がない理由については、年代によって変化するが「労働環境への不安」「希望する内容の仕事が出来ない」の2つは、どの年代にも共通の障壁となっている。ですから、医師の負担を減らし、経験を積むことができる環境の整備が非常に重要である。

 それに加えて、20代の若い世代では「医局の人事により選択の余地が無いため」、あるいは「専門医等の資格取得が困難であるため」の2つが非常に大きな障壁になっています。先ほど申し上げたように、30代・40代になると「子供の教育環境が整っていないため」というものが非常に大きな障壁になっている。こうしたものをなるべく障壁を取り除いてあげるというのが、やはり偏在に対して非常に大事な対応策ではないかというのが我々は考えた次第であります。

2022ページですけれども、これは我々の考える医師需給あるいは偏在対策のあり方に関する我々の見解というものを少し示しました。

 医師の需給・偏在対策ですけれども、これまでは、ともすると県別の人口当たり医師数とか行政単位等の地理的区分に基づいた極めて外形的な従事者数や施設等をどう配置するかという点に論点が強く置かれていたと思うのです。

 そもそも「医師不足」というものは何なのですかと私は座長としてメンバーに聞いたのですけれども、明確な答えがなかったのです。人口当たり医師数がほかと比べて多い県や地域であっても、個別の医療機関では忙しいから医師が足りないとか、過疎化が非常に進んでいて、現状を維持するために医師が必要だとか、そういう議論になるわけです。

 でも、人口減少が進んで労働力制約の高まる日本で、「医師不足」の定義が非常に曖昧で、判断基準が行政単位の地理的区分によって決められているということでは真の課題解決につながらないでしょうというのが我々の見解です。

 それから、22ページに行きますと、では、どうするかということなのですけれども、今後は、そうした外形的な、人口当たり何人ということで均てん化というよりも、やはり住民・患者にとって必要な機能を地域ごとにどう確保していくのかという点に着目して、きちんと必要な医師とかリソース配分をしていきましょうということです。だから、単純に全国に保健医療のリソースを均てん化するとか、人材養成数をふやすことで労働力を確保するとか、不足する地域に強制的に人材を振り分けるという発想に必ずしも頼るべきではないというのが我々の見解であります。

 さらにそのためには、先ほど実態調査もありましたけれども、やはり個々の医師、医療従事者の意欲・能力を引き出して、生産性と付加価値を高めて、国民の求める保健医療サービスの価値を提供するためにはどうしたらいいかということを考えなければいけないと思います。

22ページの下のポツにありますけれども、やはりこうした地道な努力をすることなく、ある意味では規制的手段によって強制的に医療従事者を誘導し配置すれば足りるとか、僻地等に「当てがう」という発想に依存するべきでもないですし、やはり相談支援体制や経済的インセンティブを一時的に誘導することだけでも足りるとすべきではないと思います。

 報告書にも書いたのですけれども、やはり土壌を耕さなければ、花を植えかえても花は実らない。だから、土壌をきちんと耕しましょうというのが我々としての見解であります。

23ページ以降、具体的な施策をかなり書いたのですが、24ページにはそれをまとめたものが載っております。

 ビジョンとしては3つ挙げました。1つは、個々の医療・介護従事者が持つ力量を最大限に発揮できる環境の整備。2つ目が、やはり住民・患者のニーズ等にあわせて多様なサービスを設計していく。最後は生産性です。付加価値を高めるということを挙げました。

25ページ以降は、それぞれについて報告書に書いた内容を、かなり字が多いスライドで読みにくいかもしれませんが、簡単に御紹介して終えたいと思います。

 特に偏在対策に関するものとしては、まず能力と意欲を最大限発揮できるキャリアと働き方のフルサポートということで、まずは新しい箱をつくるよりは既存のものをうまく使いましょうということです。実質、地域医療支援センターとか医療勤務環境改善支援センターというものはあるのですけれども、ほとんど認知されていなかったり、機能していないわけです。ですから、そこを改めててこ入れする必要があるのではないかということです。

 それから、26ページに行って、医師の柔軟なキャリア選択と専門性の追求を両立できる研修のあり方ということで、これは当時大きな議論になり、今はかなり方向性の出た専門医制度に関する議論を念頭に入れて書いたものであります。

 特に27ページに書いてありますけれども、1のマル4の2つ目のポツです。出産・育児・介護等が、研修受講やキャリアの確立の妨げとならないよう、一定期間内に研修を集中して修了するとか、再度研修できるような柔軟な選択肢、それから、大学病院とか都市部の病院に研修機関を集約するのではなくて、地方でもそうした基幹病院というものはあるだろう。それらは地域医療に関する検討会のほうで議論されていると思います。

28ページに行きますと、先ほど申し上げたように、県で平均化して、人口当たり何人というものを均てん化するのではなくて、地域において、地域の主導によって、リソースをマネジメントしましょう。例えば霞が関、私は東京都文京区から来ていますけれども、東京大学病院、順天堂病院、東京医科歯科大学病院、ちょっと離れて日本医大と、救急が4つもあるわけですよ。それで、多摩地方へ行けば非常に手薄なところがある。本当にそうしたリソースマネジメントでいいのか。それぞれ大学が単体にあるという状況があって、医局単位でやっているような状況がある。

 ですから、都道府県というものが代表的な地域のディシジョンメーカーということで「都道府県」と書いたのですけれども(1)のマル1の2つ目のポツです。単に地域ごとの施設数とか人員の数をそろえるという発想に頼らず、住民・患者にとって必要な機能をどう確保するかということで、2829ページはそうしたものを書いております。

 それから、30ページにおいては都道府県における主体的な医師偏在是正の取り組みの促進ということで、やはり一番下のポツに書いてありますけれども、僻地等の地方勤務に伴う負担や生活とか、キャリア等に与える支障を取り除くには、受け入れ側地域の自治体、医療機関、住民が一体となって自助努力と健全な切磋琢磨。これはモデルを見つけて全国に一律に広めるというよりは、いろんな実験、いろんな試みが行われていて、地方であっても研修医が殺到する病院とかが結構あるのです。

31ページ目ですけれども、ここには今、言ったことが書かれています。各地域、各医療機関では、すぐれたリーダーシップのもと、独創的な取り組みやアイデアにより、いわゆる医師不足に的確に対応している例も実は多いというのはヒアリングを通して知った次第です。ですから、とにかく医師不足である、それから、均てん化のために強制的に向けるということではなくて、あくまでも土壌を耕して、そのための環境を整備して、年代ごとに違う障壁があるから、それを何とか解消してあげようということを明確にいたしました。

32ページも、都道府県が中心となって、専門医数とか研修といったものをきちんとリードしてやっていきましょうということを書いております。

33ページへ行くと、病院ということでかなり地域包括ケア、それから、病床機能分化ということが進んでいますけれども、外来医療においてもそうした地域における最適化に向けた枠組みをやっていったらどうでしょうかということも入れました。

34ページも、外来医療の最適化に向けた枠組みの構築ということで、いきなりそうしたことは難しいので、そういう場をデータに基づいて、ニーズとリソースをマッチさせるような場をつくっていきましょうということを述べています。

 これで我々としては医師の働き方改革という話から日本の医療のあり方というものを出して、そして実態調査をして、その調査に基づいて解決策を出した。そういうプロセスについて御説明をさせていただきました。ありがとうございます。

片峰座長 ありがとうございました。簡潔に御説明いただいたと思います。

 それでは、御質問・御意見等があったら、どうぞお願いいたします。

 どうぞ。

小川構成員 小川でございます。

 資料の11ページで、要するに都市部以外で勤務する意思ということについて、例えば県庁所在地等の都市部以外で勤務する意思があるということなのですけれども、この都市部以外に関してはかなりいろんな、物すごいバリエーションがある。要するに僻地で、本当に村でお医者さんが1人ぐらいでやっているところもあるし、それから、都市部のすぐそばにサテライトの町家なんかがあって、そこで働く方々もいらっしゃるでしょうし、この辺の定義はどうなっているのですか。

○渋谷参考人 ありがとうございます。

 地方というものの定義に関して、公的な定義を含め、いろいろ模索したのですけれども、我々としてはここに落ちついたということです。

 それから、先生おっしゃるように、では、この定義に基づく地方というものも実はバリエーションは非常に大きい。例えば地方の県庁所在地以外の都市部といっても大きい都市、10万単位から非常に数千というのはあるかもしれないのですが、そこは我々としては今後、プロファイリングを見ながら、本当に僻地みたいなところ、人口別に何%とか、そういうものを見ていく分析は必要だと考えます。ここではあくまでも平均ということで44%だということです。

 もう一つ、申し上げましたように、都市部にいても、それ以外のところに行ってもいいという人が40%以上いることがエンカレッジングなメッセージだと思いますし、もちろん、必ずしも全員が全く人がいない過疎地域に行きたいということではないかもしれませんが、少なくとも44%、それから、20代が60%以上、行ってもいいというのが、我々はこれは見過ごすことはできないメッセージかなと考えております。

○片峰座長 どうぞ。

小川構成員 現実のイメージと全く違うのですけれども、私のいるところは岩手県でありますから、南北に200キロで、東西に150キロ、四国4県にほぼ匹敵する県土があって、非常に遠いところですと盛岡から片道3時間かかるような広い県土です。やはり岩手県の中にも地域偏在がございまして、盛岡医療圏では開業医の先生方も含めて、全国平均よりも多い、10万人単位医師数を持っているわけです。

 やはり距離が離れれば離れるほど、それがどんどん下がってくるという状況です。もし田舎・へき地で働くという意思が今までずっとあったとすれば地域偏在という状況は起こらなかったはずなのです。現実には地方でもそういう地域偏在が起こっているということは、この意思がちゃんと反映されていないのではないかと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○渋谷参考人 先生は多分、2点ほどおっしゃったと思いますけれども、まずは、必ずしも平均で見るのではなくて、地域によってバリエーションは非常に多いということですね。ですから、先ほど我々のビジョン検討会でも出した基本的な考え方にもありますけれども、県で人口レベルで割って全国平均に合わせるということは必ずしもそれが目標ではなくて、やはり地域によって全然状況が違う。それをまず認識した上で、では、どうしていくのかということを考えましょうと。

 もう一つは、先生おっしゃるように、こうした意思があるにもかかわらず行かない。実際に偏在があるではないか。だからこそ、その障壁を取ってあげようということを我々は申し上げているのです。その障壁というものは、実は当たり前のことなのです。20代なら本当に専門家になりたい、一人前になりたい。30代・40代は家族ができて、子供ができて、その家族の環境に合わせた生活をしたい。50代になったら、先も見えてきますし、親の介護もあるだろうし、自分の生活、健康もあるだろう。そうしたほかのセクターで当たり前のことを、医者だから本当に我慢してやらせるとか、とにかくここに行きなさいというだけではこれからもたないのではないかというのが私たちの考えであります。

 ですから、先生がおっしゃることは全くそのとおりですし、それに対して我々としては変えていくというメッセージを出した次第であります。

○片峰座長 どうぞ。

○福井構成員 先生が提言されたことも、今、おっしゃった僻地に行くときのバリアにつきましても、この医師需給分科会でも実は随分出ていた話です。

 ビジョン検討会では、この医師需給分科会とは違うことを提言されているのでしょうか。つまり、データを集めて、提言を裏打ちされたことは評価できると思いますが、どういう点で異なる提言なのか。たくさん項目がありますが、ほとんどは今まで話し合ってきたことのように正直なところ思いますが、いかがでしょうか。

○渋谷参考人 ありがとうございます。

 正直言って、需給偏在に関しては、そんなに新しいことは多分、ここにいらっしゃる皆さんが出した知恵とは変わらないかもしれないですが、今、先生がおっしゃったように、まず実際にファクトとしてバックアップしたということが1つ。

 もう一つは、強制配置ということではなくて、行く意思がある。でも、やはり行かないための障壁がある。だから、その障壁をどうしようかという方向性について出したということ。

 それから、やはり将来の医師の働き方に関する構造的変化というものを取り上げて、それを医師需給の推計を含め、そうしたものに反映すべきだというメッセージですか。ですから、おっしゃるとおり、需給偏在に関する介入に関してはそんなに変わらないのではないかということはそのとおりだと思います。ただし、需給偏在問題は、ビジョン検討会が扱った論点の一部ということもご理解いただけると幸いです。

 繰り返しになりますが、きちんとしたデータ、1万6,000と少なかったのですけれども、現場の先生が1週間、タイムスタディーに参加されて、それについて真摯に回答していただいたことを全部受け取って、それをやった上でも先生方が出した、強制配置以外に関しては一緒だったということが私は非常にエンカレッジングなメッセージだと思います。

 むしろここから、本当にこれは私の不徳のいたすところで、15回も会議をやってしまって、皆さんの時間をちょっと待っていただいたというか、そうしたプロセスの問題もあったかもしれませんが、双方の提案をアラインして、やはり医師の働き方というものを本当に現場で頑張っている人のためにも、ぜひここで今年度内にぜひ結果を出して、制度化して、本当に疲弊している医師の働き方を希望づけるようなメッセージを出していただければと思っております。

片峰座長 ほかにいかがですか。

 どうぞ。

○山内構成員 私は本日から参加させていただいていますけれども、渋谷座長と一緒にビジョン検討会のほうの構成員もさせていただいて、一緒に議論を重ねてまいりました。確かに先生方がずっとやってこられたことといろんな意味で同じ方向というか、そういったことも確認できましたことと、ただ、今後の医療、先生方もそのように考えていらっしゃったのを、この検討会でもそのように考えていらっしゃったのだとは思うのですけれども、例えばAIとかIoTなどが入ったときに、その後、どういうふうに医療が変わっていくかということも考えて、いろんな、そちらの到達点、先の保健医療2035などのそういったデータなども見まして、到達するところからどういったものをしていけばということを一つは考えさせて、ファクトからというのはそういった形での考え方もさせていただいたということ。

 あと、こちらの抜粋にはなくて、皆さんのお手元にある資料のほうでも以前、報告書も読んでいただいたとは思うのですけれども、報告書の中で幾つかほかにもタスクシェアリング、タスクシフティングの話とか、あと、そういったAIなどを今後どう活用していくかということにおいても議論させていただいて、タスクシェアリング、タスクシフティングやAIなどを用いることによって、また地域医療が今後変わってくる可能性ということもいろいろと議論をさせていただいたということも少し報告させていただきます。

○片峰座長 どうぞ。

○渋谷参考人 24ページのスライドにビジョン検討会報告書の概要を全部書いたのですけれども、今回御説明いたしましたのは偏在に関する議論であって、それ以外の部分で働き方改革やタスクシェアとかタスクシフトとかテクノロジーの活用による生産性の向上、先ほど山内先生がおっしゃったようなこととか、そうしたもろもろも含めていますので、必ずしもビジョン検討会が全く偏在対策だけをやっていたわけではないということを御理解いただければありがたいと思います。

 ただ、偏在に関しては、ここにいらっしゃるそうそうたるメンバーが出したアイデアと変わらなかったという、私にとっては逆にベンチマークさせていただいて、ある意味ではお互いにWin-Winになったということで、プロセス的にはいろいろ皆さんには不快な思いをさせた経緯があったかもしれませんけれども、結果オーライで、ぜひ前に進めていただければと思っています。

○片峰座長 どうぞ。

○神野構成員 過去の医師需給分科会にあって、そしてビジョン検討会になかったものと、ビジョン検討会にあって、医師需給分科会になかったものの両方を見ると、まさに10万人調査に関しては過去のこの会になかったものです。両方ともあったのは、例えば女性医師の働き方とか、卒業後、どういうところへ行きたいかという部分でしょう。

 一方、逆に、分科会にあって、ビジョン検討会にないものは、地域医療構想の病床数をベースにして需給推計をやっているわけですね。先ほど先生のほうから、外形基準だけではないという話があったのですけれども、この地域医療構想にのっとった需給推計については、先生、どう思われますかといいますか、それまでこちらではさんざん議論してきた内容なのですが、それがここでは、今度はビジョン検討会のほうでは触れられていないわけです。その辺の関係はどう思われますか。

○渋谷参考人 その辺は新たなパラダイムという、ビジョンのことで、医師の需給・偏在に関しての我々の見解は出しております。特に報告書の中のセクション4ということで書いております。

 基本的に、先ほど申し上げたように、これから地域包括ケアに向けて、2025年に向けて動いていることもあると思いますけれども、ただ、同時にやはり世の中はすごく変わってきていて、テクノロジーの変化とか、あるいは新たなニーズ、それから、地域に行く際に介護士さん、看護師さんの活用とか、タスクシェアとか、そうした予見できない要因は非常にあると思うのです。

 我々としては、正直申し上げて、報告書の13ページに正直に書いたのですけれども、今後必要となる医師数のあり方については、以下のような考え方から、一概に増減の必要性を判断することは困難である。要は、医師の需給、医師の数というものに関して神学論争になりがちなのですけれども、そうではなくて、やはり需要側の変化、人口構成とか疾病構造。それから、プライマリーケアが確立されたらどうなるか、タスクシフトされたらどうなるか。供給側においては、やはり働き方改革によって離職した女性医師が戻るようになったらどうなるか。

 それから、AIが入ったことによって、ワトソンが入ったらむしろ、臨床の現場においては臨床決断の時間が延びたという話もありますし、逆に画像診断においては短くなる。だから、一概にAIで医師が不要になるということは言えません。こうしたいろんな要因も鑑みながら、今までの仮定に基づいた需給推計を外挿するよりは、その時々で需給に関わる要因を検討しながら、ちゃんと実態のエビデンスに基づいてやるべきだということをきちんと書いたつもりではあります。

 ですから、今の推計が妥当であれば、それはそれで構わないですし、また、それを見直すことによって需給というものは、ある固定した仮定に基づいて外挿するのではなくて、その時々の関連要因も検討しながら、現場と余り齟齬がないような形で、ファクトベースでやるべきだということなので、先生がおっしゃったこととビジョン検討会で出したことは必ずしも相違があるとは思っておりません。

○片峰座長 座長として1つだけ。

 働き方実態調査というものは物すごく大事な、初めての全国規模の調査で、分析で出されたのは、属性としてはまず年代がありますね。それから、ジェンダーと子供があるかなしかというのがあって、今後のこの検討会の議論で物すごく大事だと思うのは、例えば働かれている地域ごとの属性で分析されたデータがあるのかどうか。あるいは診療科別ですね。そういった分析はされたのでしょうか。

○渋谷参考人 実は余りにも変数が多いので、ここに出すときは非常に簡単な表で、先生がおっしゃったような3つぐらいの変数でしか見ていない、層化していないのですけれども、実際はある年代で子供のあるなし、どの地域にいて、次にどこに行くかとか、そういうプロファイルをちゃんととっていますので、まずこういう条件が、例えば30代で、男性で、子供がある。そして、都市部にいた。では、その人が次に地域、しかも10万人とかではなくて、非常に過疎地域へ行く確率はどうなのかとか、そうしたものも今、実際に分析しておりますので、そうした実態調査において重要と思われる知見に関しては今後、積極的にシェアしていきたいなと思っています。

○片峰座長 ほかにいかがですか。よろしいですか。

 どうぞ。

○本田構成員 質問というか、定義というか、教えていただきたいのですけれども、先ほど強制的な部分だけが、ビジョン検討会報告と需給分科会の中間とりまとめの内容と違うという御発言があったと思うのですが、強制的というのはどこのことを指していらっしゃるのでしょうか。

○渋谷参考人 需給分科会の議論の中では保険医の管理者要件に関して地域勤務が必要であるということの提案があったと思います。そうしたことに関して、例えばとにかく人を地方に、偏在対策のために送るということを強制的と申し上げました。強制的という言葉は聞こえが悪いのかもしれないですが、やはり我々としては働く環境の整備とか、そうしたものをやろうということを明確に言った次第なので、今までの議論の中で違う方向性としては、環境整備、医師の自発的なやる気を引き出すような環境整備というものを重点ということを申し上げたので、強制的配置という言葉が必ずしも的確かどうかはわからないですが、メッセージとして、そうしたものは今回の実態調査とはそぐわないということを申し上げた次第です。

○本田構成員 ということは、具体的に需給検討会が出している中間とりまとめの中で、ここの部分は強制的だねという具体項目があるわけではないのですね。

○渋谷参考人 その中の管理者要件の議論の中でのということです。

○片峰座長 よろしいですか。あと1つぐらいは大丈夫かもしれません。

 なければ、渋谷先生、ありがとうございました。

 それでは、次の議題に移らせていただきます。

 次は「 年末までに検討する医師偏在対策の主な論点について 」ということで、偏在対策の本格的な議論のきょうはスタートということで、まずは事務局のほうから論点整理をお願いしたいということだと思います。

 それでは、事務局から御説明をよろしくお願いいたします。

久米地域医療計画課長補佐 地域医療計画課の久米でございます。

 お手元の資料3をごらんください。「 年末までに検討する医師偏在対策の主な論点について 」という資料でございます。

 こちらの資料の中で、まず時間もあいてしまったという事情もございますので、これまでの経緯を簡単に御説明した後に、法案も視野に入れた今回の医師偏在対策のパッケージの概要を御説明させていただければと思っております。

 おめくりいただきまして「1. 医師偏在対策に関するこれまでの経緯について」でございます。今、渋谷先生からも御説明いただいた内容と重複もあるかもしれませんが、御説明いたします。

 まず、こちらの需給検討会につきましては、平成27年6月、2年前の「骨太の方針」の中で、地域医療構想との整合性の確保や地域間偏在等の是正などの観点を踏まえて需給について検討するということが示され、こちらに基づきまして検討会が立ち上げられました。

 そして、昨年度の需給分科会の中間取りまとめの中では、医師の偏在対策が十分図られなければ、地域の医師不足の解消にはつながっていかない。また、自主性を尊重した対策だけでなく、一定の規制を含めた対策を行っていくということが盛り込まれたところでございます。

 少しおめくりいただきまして、こうした記載の背景になったところを3ページ、4ページを使って御説明させていただきます。

 まず、このときに、暫定的な推計ということではございますが、医師の需給推計について、もう皆様方に御議論いただいた内容でございますが、2033年には大きく見積もっても医師が過剰になっていくというのがそのときの結論でございました。

 その上で、ただ将来的に過剰になるといっても、それが診療科、地域ごとのミクロの領域での需要が自然に満たされることを意味しないということでございまして、これまでインセンティブを推進する対策を実施してきましたけれども、一定の改善はあったものの、地域の医師不足の指摘は根強いということがございまして、そういった観点から、今後、一定の規制を含めた対策を行っていくという、これまでより少し強い書きぶりになったということでございました。

 その後、ビジョン検討会が立ち上げられまして、今、渋谷先生にお話しいただいたような内容が報告書に盛り込まれたということでございます。働き方実態調査に基づきますと「地方での勤務を希望する」という趣旨の回答をした方が相当程度存在するということを踏まえ、キャリア形成や生活への支障を来す要素が取り除かれれば、地方で従事する可能性がこういった方は多く秘められているということからすれば、規制的手段によって強制的に医療従事者を誘導・配置すれば足りるとか、僻地等に「当てがう」との発想に依存すべきではない。こういったことが盛り込まれたわけでございます。

 こうしたビジョン検討会の報告書が4月に取りまとめられましたが、その後、同じ4月に医療従事者の需給に関する検討会が再開されまして、ことしの6月には「早期に実行可能な医師偏在対策について」が取りまとめられまして、例えば地域枠のあり方ですとか、キャリア形成プログラムといったところについて、早期に対応できる部分についてまとめていただき、第7次の医療計画の中に各都道府県で盛り込んでいただくということで、今、各都道府県に作業をしていただいているということでございます。

 それで、本日が医師需給分科会の後半戦のキックオフで、こちらについては一番下でございます。抜本的な地域偏在・診療科偏在対策を検討するという、ことしの「骨太の方針」にも基づくものであるということでございます。

 それ以降のページはしばらく、これまで見ていただいたようなものでございます。

 5ページは、中間取りまとめの14項目と言われる、昨年の6月にまとめていただいた偏在対策でございます。

 6ページは、今、渋谷先生に御説明いただきましたビジョン検討会の偏在に関する概要でございます。

 7ページは「骨太の方針」でございます。

 これ以降、これから検討していただく偏在対策について簡単に御説明していきたいと思います。まず「2.都道府県主体の実効的な医師確保対策」でございます。

 おめくりいただきますと、まず都道府県における計画的な医師確保対策が必要ではないかという論点を提示させていただいております。

 こちらは昨年9月の段階でも少し目出しをさせていただいた部分もあるかもしれませんけれども、10ページを見ていただきますと、今、医療計画には「医療従事者の確保に関する事項」については定める旨が規定されておりますけれども、実際には現状分析・目標・対策の立て方はばらばらになっているということでございます。

12ページを見ていただきますと、記載が十分ではないと考えられる都道府県の例を幾つか挙げさせていただいております。

 現状分析のところには、人口10万人当たりの医師数。これだけを書いているということですとか、あとはこれまでの取り組みを単語ベースで書いているというところがあります。一番上のところは、その現状分析を踏まえた目標になっていなくて、マッチング数の向上といったような、現状と目標との間にどういう間接的な関係があるのかというのがよくわからない目標が立っていまして、また、対策についても、そことの関係がよくわからない。かつ対策は定性的な列挙がしてあるということでございます。

 マル2などを見ていただきますと、明確な目標設定をしておりませんし、次の13ページにつきましても目標が定性的でありとか、対策が抽象的な列挙になっているということでございます。

 そういうことがありまして、10ページに戻っていただきますと、なぜ、こういうことになっているのかということを考えたところ、医師が、これは都道府県ベースでも二次医療圏ベースでもそうですが、医師が多い少ないというところを十分把握できるような十分な指標がないところがやはり一つ大きな問題であろうと考えております。こういったところをこれから導入していただくということにいたしまして、各都道府県がPDCAサイクルを通じて医師確保ができる仕組みがこれから必要ではないということを考えております。

 例えば、医師が多い地域、医師が少ない地域。これが例えば二次医療圏別にわかるようになるといったことになりますと、では、多い地域から少ない地域にどうやって医師に行っていただくとかということが議論できるようになるということでございまして、これがまた将来的に診療科別とか、そういった議論ができるようになればもっと深い議論ができるようになるでしょうし、また、これに基づきますと都道府県別の議論もできるようになると思いますので、それに応じて、例えば今後、これから説明します養成の関係で定数をどうするかといったことも議論ができるということでございます。

 ただ、こういうPDCAサイクルを回して指標に基づく目標をつくり、目標を達成するための対策を立て、対策を実施し、対策の効果を評価しという形で進めていくにしても、対策をどの程度、都道府県が自分のところで対策を立ててやっていけるかというところで、その実効性ですとかメニューをもうちょっとてこ入れしてやる必要があるのかなと思っております。

 現在、都道府県が実施できる実効的な医師偏在対策解消のツールが少ないということでございまして、特に都道府県は医師確保・定着に重要である医師養成の仕組みにおいて関与がやや少ないのではないか。医学部については基本的には大学が決めておりますし、臨床研修については厚生労働大臣、それから、専門研修については日本専門医機構というところで決めることになります。こちらをまず、今、申し上げましたような指標を導入し、医師が不足する区域、医師が多数いる区域というところが見える化されたときに、そこからどういうふうな効果のあるような対策ができるかということをこれから考えていくべきである。その中には養成の観点も必要ではないかということでございます。

 次に14ページに進んでいただきまして、今ご説明したことは都道府県の中で指標とか目標とか対策を書いて、それをPDCAで回していくということですが、実際にこれを実行していくとなったときに、各都道府県の中の実行主体が合意して、しっかり、着実にそれを実行していく枠組みも必要だと思っております。

 現状としましては、こうしたことを行う機関として地域医療対策協議会。これが法定でつくられておるわけでございます。この中には、例えば大学病院でありますとか、地域医療支援病院、公的医療機関とか、主に主要な県内の医療機関なんかも多数入っている。それから、市町村だとか、地域住民を代表する団体。そういったところもも入るようになっているわけでございますが、こちらは実は今、開催や活用がなされていないという実態にある県もございます。実際、この過去5年の中で開催を全くしていないところが7県あるという状況にもございまして、しっかりと議論できるメンバーが入っているのにこれを開催していないということで、かつ、そこで決めるべき医師確保対策みたいなものがちゃんと定められていないという、この現在の実態を変えていかなければならないと思っております。

 また、今、この地対協のほかにももろもろ、医師確保に関係するような協議会が多数ございます。例えば地域医療支援センターの運営委員会、僻地の医療に関する協議会、それから、新専門医制度の開始の準備に向けて、今、専門医の関係に偏在が起きないかどうかということを議論する専門医の協議会を立ち上げて動かしてほしいということを言っておりますが、こういったもの。それから、間接的に関係するものとしまして、地域医療構想の調整会議といったものもございます。これから地域によっては地域医療構想を進める中で、例えば病院の集約とか、そういった議論があるかもしれませんけれども、そういったところと医師確保、例えば医師の派遣とか、そういったところをどういうふうに合わせていくのかといった議論ができなければならないでしょうし、あとは医師偏在の関係で言いますと、勤務環境がひどいので地方に行きたくないという話があったときに、では、医療勤務環境改善支援センターがどういうふうに役割を果たすのかといった議論も必要かと思います。

 こういったことを踏まえまして、検討の方向性でございますが、医師養成を含めて、医師確保対策には管内の医療機関とか、医療機関だけではなく行政機構も含めてですが、協力・合意形成が不可欠だということがございますので、こうした地域医療対策協議会を中心に、医療機関が主体的に役割分担・協議をする体制を再構築していく必要がある。その中で、関係する協議会等については整理・統合していくという方針も必要かと思っております。

16ページ以降は条文でありますとか、これまでの経緯、それから、各センターとか協議会の概要ですので、割愛させていただきます。

 続きまして「3.外来医療提供体制の在り方」、26ページ、27ページでございます。

27ページを見ていただきますと、現在、入院医療については基準病床数制度というものがございまして、こちらは、二次医療圏ごとに、設置できる病床数の基準を設けておりまして、これ以上の病床をつくろうとした場合、もし、それがこの基準を超えていた場合には、都道府県知事が医療審議会の意見を聞いて、つくりたいといった申請に対して中止命令または中止勧告をすることができるということになっています。

 これに反対して病床をふやしたりとか病院を建てたりといったことがあった場合には、その医療機関が保険医療機関の指定を申請してきた場合に、それは認めない。厚生労働大臣がそうしないということができる。こういった制度がございます。これによって、地域において病床の数を一定数に抑えるということになっておりますが、これが実は間接的に入院医療に携わる医師の数にきいているということでございます。

 左下のグラフを見ていただきますと、病床ごとに医師がどれぐらい張りついているか。病床規模ごとにどれぐらい医師が働いているかということを示しておりますが、これを見ていただくと大体、比例関係にあって、要は病床数が一定程度に抑えられていれば、これに比例する医師数になっておりますので、大体、入院医療に関する医師数は一定になっている。

 かつ、次の28ページを見ていただきますと「地域医療構想について」でございますが、この地域医療構想に基づきまして、将来、2025年の医療需要に基づいた必要病床数を出しまして、これに基づいて地域ごとに入院体制・医療体制を機能分化・連携させていくという方針で今、取り組みを進めているということでございます。

 一方、29ページを見ていただきますと、無床診療所に関してはそういった規制と申しますか、制度が今はございません。実際、無床診療所に従事する医師数は今、約115,000人といったところでございます。一方で、例えば人口10万人単位の無床診療所数を見てみますと、これは都市部にかなり多く偏っている現状にあるということでございます。

 また、診療所の純増数を見てみますと、全体としては大きく伸びているということで、そのうち伸びているのは指定都市とか特別区、それから、中核市といったところで、その他の地域については減っている状況ということでございます。

 こういったことを踏まえまして、この外来の医療の部分について、どのような対策といいますか、医師の偏在対策ができるのか、必要なのかということを、こちらは論点を提示しておりませんので、御議論いただければと思います。

 それから「4.医師養成過程と医師偏在対策」ということで、ここから医師の養成の関係でございます。

31ページは既に御承知のことかと思います。医学部6年間、臨床研修2年間、専門研修3〜5年間。こういった過程を経て医師が必要な能力を身につけていくといったことでございますが、結局、この医学部から専門研修を通じて、研修を積んだ土地で定着をしやすいということがございますので、そういったところをこれらの仕組みの中でどう組み込んでいくかという議論でございます。

 まず医学部について、33ページを見ていただきますと、これまで医学部については平成20年度以降、医学部定員を過去最大規模まで増員してきたということでございます。増員枠に、医師の地域への定着を目的とした地域枠を設定し、医学部定員、その下の表を見ていただきますと、平成19年には7,625人であったものが9,262人まで平成28年にふえ、その過程で地域枠の割合も2.4%から17.5%までふえているといった状況でございます。

 ただ、地元の県と別の県に地域枠で入学してしまいますと、臨床研修の修了後に35%しか大学所在県に定着しないといったことでございますとか、その地元出身者というのは地域枠の中の約半数程度になっているということでございます。このため、もっと定着ということでございましたら、医学部に地元出身者の入学生がふえるような工夫が必要ではないかという論点を提示させていただいております。

 ただし、相対的に医師不足でない都道府県にまでそういったことをしてしまうことはどうなのかということでございますとか、人口に対して医学部定員が非常に少ないといった都道府県に対する対応。こういったこともいろいろ考えていく必要があると思っております。

34ページは、今、申し上げました地域枠を含めた医学部定員の暫定増を進めてきているという図表でございます。

 次が地域枠の中で、特に基金を使って奨学金を出している仕組み。

36ページ、37ページは、どれだけ地域枠の定員があり、そのうち、どれぐらいが地元出身枠なのかということを大学ごとに示している表でございます。

38ページ以降は地元出身者がどれぐらい定着しているのかという表で、これは今までも御説明しておりますので、割愛させていただきます。

 続きまして、臨床研修についてでございます。43ページで、臨床研修は幅広い診療能力の習得等を目的としまして、平成16年に必修化されました。

 臨床研修病院の指定とか、募集定員の設定はそれ以降、厚生労働大臣が実施しているわけですが、先ほども申し上げましたように、非常に地域の定着に関係するような部分でございますので、そうした地域の医療に責任を有する都道府県がもうちょっと関与してもよいのではないかということで、都道府県が管内の臨床研修病院の指定・定員設定に主体的にかかわる。こういう仕組みにしていってはどうかという論点を出させていただいております。

 また、都市部への研修医の集中抑制のために、これまで全国の研修希望者数分の全国の募集定員というものを毎年圧縮している状況にございます。

 こちらは何かと申しますと、46ページを見ていただきますと、平成22年以降、この定数を1.25倍から平成32年に向けて1.1倍にしていこうという取り組みを進めております。こちらは研修定員が結局多くなってしまいますと、都市部にその分、集中してしまうという傾向にございまして、これを抑えるような取り組みとして、これを進めているわけでございます。

47ページを見ていただきますと、左のグラフで、平成22年以降、都市部の6都府県の研修医が減り、逆にその他の道県について研修医がふえているといった状況にあるということで、こちらをもっと進めていくということでございます。

 また、43ページに戻っていただきますと、臨床研修の地域定着ということで、臨床研修の際に出身県以外に出ると、出身県への定着率が大きく低下するといったデータもございます。こちらも以前に御説明した部分があるかと思いますが、こういったことがございますので、臨床研修修了後に出身地や出身大学の都道府県に定着するような仕組み・工夫が必要ではないか。ただし、こちらについても医師不足でない都道府県などに対する仕組みが必要ではないかということでございます。

 最後に、専門研修についてでございます。51ページを見ていただきますと、専門研修につきましては、これまで学会が独自に専門医の認定基準を設定し、認定し、かつ逆に医師側も自由に診療科を選択するといった仕組みを設けてやってきております。

 こちらが自由意思に基づいてやっているということで、結果としてといいますか、左下のグラフを見ていただきますと、これまでずっと非常に医師はふえてきているわけですが、その医師の確保がしっかりできている診療科とそうではない産科、外科のような診療科もあるということになってきております。

 また、右の表を見ていただきますと、こちらは診療科ごとの労働時間でございますが、外科、産科、それから、救急科については非常に多い労働時間になっている。こういった状況も今の働き方改革を進めていく中で問題点として掲げられる部分であるかと思います。

 こうした状況にある中で、今、専門医制度の準備を進めているところで、診療科偏在の是正策が十分組み込まれていないといったことでございます。そもそも、そういったことを考えるに当たっては、診療科ごとの専門医の需要、これから、どれぐらい、どの診療科が必要なのかということが必要でしょうし、また、この専門医制度については、これまでも地域偏在に非常に影響を与えるのではないかと言われながらも、なかなか地方自治体の意見を十分に酌み取って、それを地域偏在の対策に反映していくといった仕組みが担保されていないといった状況にございます。

 こうしたことを踏まえまして、右側に黄色い3本線を引いておりますが、まず医師が、将来の診療科別の医療需給を見据えて、適切に診療科選択ができる情報提供の仕組みが必要ではないか。将来、自分は眼科を目指しているけれども、この地域では眼科がどれぐらいふえて、どれぐらい必要になるのかといったこと、もしかすると競合がふえてしまって、ということをしっかりと判断できるようなことが必要ではないか。また、働き方改革の観点からも、診療科の偏在を是正する仕組みが必要である。それから、地域医療に大きな影響を与える専門研修が、これ以上、偏在を助長しないような仕組みとする。

 こういったことが必要だという観点から、専門研修体制構築に当たっては、将来の診療科ごとの専門医の需要を明確化していくといったことが必要だと思いますし、また法律上、地方自治体の意見を踏まえる仕組みが必要ではないかということでございます。

 これ以降の資料は、これまでの専門医の仕組みがどういうふうな経緯を経てきたかという資料でございます。簡単に御説明させていただきます。

 新たな専門医の仕組みにつきましては、平成25年4月に厚生労働省のほうで「専門医の在り方に関する検討会報告書」が取りまとめられまして、その1年後に日本専門医機構が設立されました。その後、機構において、プロフェッショナル・オートノミーのもとで準備を進めていただいたわけですが、平成28年1〜2月ごろから地域医療の関係者から、医師偏在の懸念が示され、それに対応するような仕組みを構築していくべきだということで、厚生労働省の中に検討会などを立ち上げながら検討していたわけでございます。

 本当は29年度から開始ということでしたが、昨年6月に一旦立ちどまり、再検討するということになりまして、日本専門医機構のガバナンス体制なども見直しが行われ、また、ことしには今後の医師養成のあり方と地域医療に関する検討会が開催されまして、その中でもしっかりとした対応をしていくということで、日本専門医機構からの説明もあり、今、その開始に向けた準備が進められているということでございます。

 これに至るまでにも、次の53ページ、54ページにおきましては、日本医師会・四病院団体協議会の要望書や地方自治体からの要望などがありまして、例えば上のほうですと、日本医師会・四病院団体からは、都道府県の協議会においてしっかりと了解を得るようなことが必要である。ただ、それはプロフェッショナル・オートノミーは尊重されるべきであるというのは書かれておりますけれども、そういったことが言われている。また、知事会のほうでも、国、日本専門医機構、都道府県及び関係機関の役割や権限を法令等で明確に規定するといった要望が出されております。

 また、54ページの下のほうでございますが、国と専門医機構、基本診療領域学会は、責任を持って、研修施設や定員の設定等を行うといったことが必要と要望されています。

 それ以降も、専門研修に関して関係者から要望が出され、また、56ページにも今の要望の前提にあるような考え方について、地方自治体からいろんな意見が言われているということでございます。

 そういったことを踏まえて、この8月に、前厚生労働大臣ではございますが、談話を出されて、この57ページの下のほうの下線を引いてあるところで、万が一、新たな専門医制度によって地域医療に影響を与える懸念が生じた場合には「国民に対し良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制」を確保する医療法上の国の責務に基づき、厚生労働省からも日本専門医機構及び各関係学会に対して実効性ある対応を求める。プロフェッショナル・オートノミーは当然尊重しつつも、国や都道府県の責任と権限に基づき、そうしたことを行っていくという内容の談話が出されているということでございます。

58ページは、もしプログラム制という中で日本専門医機構が新たな専門医の仕組みを進めていく場合に、どういうふうに流れていくのかということを示した図でございますが、厚生労働大臣が将来の診療科ごとの専門医の需要の明確化を仮にした上で、それに対応した形でプログラムの審査がなされ、最終的に右側でございますが、都道府県がしっかりと、地域医療確保の観点から、専門医養成に関与できるようにするといったことが必要だということでございます。

 あと、59ページにつきましては、今ほど大臣談話にもありましたようなプロフェッショナル・オートノミーと、国や都道府県の責任の関係。こちらについて御説明をした資料としております。

 少し長くなりましたが、以上でございます。

○片峰座長 ありがとうございました。

 論点が多岐にわたりますので、3つぐらいに分けて議論させていただきます。資料の2.で都道府県の役割に関する部分、3.で外来医療提供体制に関する部分、それから、4.で医師養成過程に関する部分という、この3つに分けてやりたいと思います。

 最初は資料の2.で、25ページまでです。マル1の「 都道府県における計画的な医師確保対策の実施」、それから、マル2の「都道府県における医師確保対策の実施体制の強化」。この部分について、まず御議論いただきたいと思います。

 どうぞ。

○山口構成員 ありがとうございます。山口でございます。

 この資料を拝見しますと、かなり都道府県が中心になって確保していくということが書かれていますけれども、都道府県によって力量やいろんな面で差がかなりあるのではないかと思っています。例えば一定の医師確保ができていればPDCAサイクルをしっかりとツールをつくって回していくこともできると思うのですけれども、やはり地域によっては一定の医師確保すらできていなくて、回したくても回すことができない地域があるのではないかと思っています。つい、この間、私も岩手県の沿岸部に伺いましたら、明らかに2030人、医師が足りない。そういう状況だということをかいま見てまいりました。

 そういうことからしますと、今まで各都道府県にいろいろと地域医療支援センターや、あるいは地域医療対策協議会ということが言われてまいりましたけれども、例えばこの数字を見ていて、これまで数年間で6回以上開催しているという私がかかわっている地域医療対策協議会ですら、そんなに機能しているとは思えなくて、今、国で話し合われている現状がどうなっているのかの把握すら不十分だということを見ております。

 そういうことを考えたときに、これはさっき再構築するという都道府県のいろんな協議会の話があったのですけれども、これまでできていなかったことがなぜできていなかったのかという現状だとか理由だとか原因をしっかりと把握して、本当に権限を持つとしたら、どういったことが必要なのかということをしっかり考えないと、単にいろいろ変えて1つに集約したとしても意味がなくて、例えば大学と基幹病院とをきちんと結んでいくという機能を十分果たせるだけの役割にならないのではないか。そんなふうに思いましたので、本当に都道府県にかなりそのあたりを委ねるのだとしたら、もう少し掘り下げた考えをつくっていく必要があるのではないかなと思います。

○片峰座長 どうぞ。

○神野構成員 全く賛成でございます。

 それで、15ページの右下にありますように、今、山口構成員からもお話がありましたけれども、これは整理・統合しないと、私もどれかに出ているのですが、よくわからないのです。しかも地域の医療審議会なんかと一緒にやられたら余計わからなくなってしまうので、この医師に関して、それから、専門医の地域医療協議会なども新専門医制度の中で定員等に関して非常に強い権限を持たさなければいけない部門なので、この医師需給、医師確保対策に関する都道府県の協議会というものはできれば一本化して、そしてきちんとミッションを与えて、どういうことを議論してくださいといったことを、ある程度、国からも指針を出す必要があるのではないかなと思います。

○片峰座長 関連ですね。どうぞ。

○今村構成員 全くお二人の御意見に賛成です。

 県に限らず、今、とにかくやることが多くて、県の業務がかなり増えていますが、先ほど話があったように、県行政の処理能力に差があって、これから格差が拡大するおそれがありますので、義務という言い方はおかしいけれども、県がやるべきことと、それから、権限も与えてあげないとできないので、どういう法的な位置づけをするのかということも改めてしっかりと御検討いただきたいと思います。

 今、神野構成員からもお話があったように、ただ、協議体を1つにまとめろといっても、なかなか県のほうでは、なぜ、それを1つにするかという意図が理解されないままにただ会議を1つにしても、実効が伴わないおそれがあります。また、私が、ちょっとこだわりがあるのは、今、働き方改革の中で医師の働き方という話がありますけれども、もともと勤務環境改善支援センターというものがあります。それで、ビジョン検討会にお招きいただいたときもお話し申し上げましたし、渋谷先生の先ほどのお話の中にも、そういう仕組みはあるのだけれども、機能していません、周知もされていません。これは法律に位置づけられていることなのに、それを知られない。それで県が行っている。これも何かおかしな話です。

 そもそも、地域医療支援センターと勤務環境改善支援センターというものは一体的に運用するから初めて効果が出てくることで、そういうことが現場の県によく理解されていないし、勤務環境改善支援センターも医政局と労働基準局の2つの予算の中で社会保険労務士と経営コンサルタントの業務が2本走っていて、それがばらばらに行われているというところも結構ある。ですから、そういうことを国として、こういうものはこういうふうにして活用することで初めて機能するという具体例をしっかりと示しながら集約化を図っていただくことが必要なのではないかなと思っておりますので、ぜひとも、その点も御検討いただければと思っています。

○片峰座長 都道府県の権限と責任ですね。その上でPDCAサイクルをどう回していくか、仕組みの問題とか、そういう御質問だと思うのです。

 どうぞ。

○新井構成員 新井でございます。

 今、3名の先生の話されたこと、そのとおりだと思うのです。

 例えば12ページから13ページの、不適切、不十分な記載です。これは多分、県の担当するお役人の力量にかなり依存しているのではないかと思います。実際的に形だけで整えても、やはりそこは担当する人材が良質でないと事は進まないので、ぜひ厚労省には優秀な人材を地方に配置するぐらいの覚悟を持ってやっていただきたいと思います。また熱心な方がいても、その人がいなくなってしまうとまた下火になるなどという実例もあるやに聞いています。仕組みを作っても、魂を入れるためにも人材というものは非常に重要ではないかなという印象を持っていますので、御検討いただければと思います。

○片峰座長 まとめて、厚生労働省のほうから何かコメントはございますか。

○久米地域医療計画課長補佐 ごもっともな意見ばかりで、それをどういうふうに実現していくかというところで、指針も当然考えたいと思いますし、人材がまだ不十分なところもあるという御意見もありましたが、そういったところにも地域医療構想のように、ちゃんと研修をしていくとか、とにかく国の意思がしっかりと伝わって、それがうまく機能するようにするということがこの部分は一番大事だと思っておりますので、そういった方向になるように検討していきたいと思います。

○片峰座長 どうぞ。

○山内構成員 この10ページのことに関するといいますか、都道府県の中にそういった対策を落とし込むということは、やはり都道府県によって非常に特徴がありますので、それらをきちんと把握してもらうという観点では大切だと思うのですけれども、医療においては昼間の働いている人口と住居との人口の流入・流出というものがあると思うのです。

 例えば三重県の四日市市は人口が多いけれども、人口10万対の医師数にすると医師の過疎地だという報告を聞いて、ただ、四日市市とかそういったところ、例えばその辺の三重県のそういう周辺のところは名古屋で仕事をしている人たちのベッドタウンになっていて、昼間の人口は名古屋にいてということがあって、都道府県をまたいだ形での医療というものは人の動きについていくものですから、昼間に医療を受ける場合と、例えばその家族が、子供がいた場合、小児科は三重県だけれども、昼間に仕事場で診療を受ける人たちは愛知県で受けるという、その辺の県をまたいだ動きというものもあると思います。都道府県で全く分断されていない点もあるので、その辺も近隣のところとの情報の交換などということも検討にひとつ置いていただきたいと思います。

 もう一点は、そういった意味で、例えば10ページの指標というふうに簡単に書いてあるのですけれども、福井構成員もQIとかをやって、指標を設定するということは物すごく大変なことだと思うのです。そういった中で、簡単なものが人口10万人に対する医師数ということで、非常にそれが簡単に皆さんが使われていて、そういった具体的な指標を都道府県がもっとどのようにしたらいいのかということが多分もっとわかりやすいように、例えば何歳以下の子供の人口がどれくらいなので小児科医はこの地域に、子供は県の中でもどこに分布しているので小児科医はこの地域に何人必要だ。例えば高齢者の、心臓の病気といっても高血圧の治療と心筋梗塞の急性期の心臓外科医が必要な場合と、全く疾患によっても必要な医療の中身が違います。そういった観点からの分析をしてほしいという、ある程度の指標のテンプレートというか、そういったものもきっと都道府県に、ある程度、おろしていかないと多分、非常にわかりにくいのではないかなとは思いました。

○片峰座長 どうぞ。

○本田構成員 同じ10ページのところなのですけれども、私もこの医師の多寡を全国的に客観的に把握できるような指標をつくるということはとても重要だと思っていますし、そういうことをきっちりできたらとてもいいと思っています。

 ただ、なかなか指標というのは完璧なものはないと思いますので、試行錯誤できるような、1回つくって終わりとかではないような、そういう柔軟性のある指標作成過程を設けていただきたいと思います。また、これからの高齢化のあり方とか、いろんな勘案しなければいけない事項があると思いますので、そういう議論もきっちりしていただく形に、勝手にどこかでつくってしまうのではなくて、見えるような形で議論をしていただければと思っています。

 それともう一つ、10ページの下のほうに書いてあることですが、そうした全国ベースで比較可能な指標を作成して、地域ごとの医師の多寡を客観的に評価、位置づけし、都道府県が実効的な医師偏在解消のツールとして用いることは、とても大事だと思います。それにより、それぞれの地域の臨床研修の人数とか専門研修の人数とかを決めていく場に、都道府県が関与できるようにするということも、私は重要だと思います。

 ただ、杞憂かもしれませんし、これから検討されることだとは思うのですが、都道府県ごとの能力の差といいますか、投入できる職員数や体制も違うでしょうから、こうした問題への対応も考えなければと思います。また、重要だと思うのは、例えば専門研修の人数について交渉する際、困っている都道府県と専門医機構だけで話し合うといった仕組みであれば、密室の議論となり、結局「できない」という結論になってしまい、全く意味がないものになるのではないかと心配しています。個々の都道府県が個別に交渉するようなものではなく、きちんと全国ベースで医師数の配分を議論できるような場を設けるべきだと思います。全国的にどうなっているのかを議論ができる会議体も設け、議論や対策の透明化をきっちりする必要があると思います。そういう仕組みをどのようにつくるのかということを、これから検討していければいいと思います。

○片峰座長 どうぞ。

○久米地域医療計画課長補佐 今、指標の関連のお話を幾つかいただきましたので。

 指標については、まさにおっしゃるとおり、人口の流出入なども考えなければならないと思いますし、あとはちゃんとそれを勝手に密室で決めないというお話も重要だと思います。

 実は、指標については次回以降に、どこまで細かいところまでをここで御検討いただくかというのはあるのですが、骨格などについてはしっかりと検討していただく、御意見をいただくということも考えておりますので、その部分については次回以降、ぜひ御意見をいただければと思います。

 あと、細かい指標というか、例えば心臓疾患とか、いろいろなお話がありましたが、実際、入院医療については地域医療構想のほうでしっかりやっている部分もありますので、そことのバランス、そちらの話とこちらでどういうふうにバランスをとっていくのかということを考えながら検討すべきかと思っております。

○片峰座長 どうぞ。

○羽鳥構成員 日本医師会の羽鳥です。

 先ほどの10ページのこと、そして、後で議論されるかもしれませんけれども、20ページに地域医療に関する各種会議体の設置根拠というものがあります。前回の分科会でも議論されましたが、それぞれ同じような内容を討議する会議がそれぞれの法根拠が違うために合同会議として開催できないなどの無駄が指摘されています。法定であったり、予算であったり、通知であるもので、例えば専門医における都道府県協議会は各地域で何のための会議かわかりにくかったり、おざなりになっています。これは単なる通知であって、義務ではないと言われてしまうこともあるわけです。

 この辺も含めて、やはり一度、法的な整理もして、かなり緊急性も要するものでありますから、しっかり都道府県に対して、こういう根拠があるから開けるのだということを通知してもらわないといけないのではないかと思います。先ほども専門医の専攻医の調整をする都道府県協議会の話も新たに設置するなど現場の混乱をおこします都道府県に対してプッシュをする厚労省のサポートが欲しいと思います。

 以上です。

○片峰座長 どうぞ。

○権丈構成員 この検討会を初めとして医師確保の問題は、地域医療構想を精緻化してしっかりつくっていっても、そこに医師がいなかったら話にならないだろうというところから始まっていると思いますので、これに関するデータは各都道府県での人口10万人当たりとかというようなかつてのラフなデータをスタート地点とするのではなく、地域医療構想のデータをスタート地点として議論するべきものだと思います。

 ですから、先ほど神野構成員からもありましたけれども、医師の将来の需給の問題も、地域医療構想をベースとして、今後は、人口の移動であるとか、あるいは診療科の分類とか、いろんなものを考慮した上での議論になっていきますので、スタート地点というのはそこから始まったほうが議論は整理しやすいと思います。

 そして、各都道府県のほうでどういう議論をしていくか。そして、権限を与えていくとかという議論もあるわけですけれども、今、知事会のほうで地域医療研究会というものをやっております。そこでみんなで勉強しながら、担当部署の人たちが勉強しながら、いろいろやっているわけですが、どうしても出てくる話は、地元にいる、自分の県にいる医師数に限りがある中で、自分たちで幾ら議論して幾ら活動しても限界がある。

 先ほど岩手県の話もありましたけれども、そういう状況もあれば、私のところは医師数に恵まれておりますので、こういうことをすることができますという報告が知事会の地域医療研究会の中であるわけです。多くの都道府県の人たちがそれはうらやましいという話で、全体的に知事会のほうでやっている地域医療研究会というものは、国保の都道府県化と並行して都道府県では今後勉強しながら担当部署の人たちがしっかりやっていくけれども、国のほうには都道府県の間でマンパワーのしっかりとした配分ができるような仕組みを考えてくれないだろうかという状況に大体なっております。

 どうもありがとうございました。

○片峰座長 ありがとうございました。

 どうぞ。

○堀之内構成員 堀之内でございます。皆様、よろしくお願いいたします。

 指標の点について、次回以降ということですので、ぜひ、そのときに議論の土台になるようなデータが御提供いただけると思うのですが、コメントさせてください。今回、論点の整理をしていただいた中でも、医師の需給というものは、若い時期にどこで研修するか、どこで専門研修するかとかというのは結構影響して、恐らく最初の10年ぐらいのところで、どこで仕事をしていたかが結構影響するのではないか。私の同世代の医師の動向を見ても実感が湧くのです。指標の中に、今まで先生方が御議論いただいたような地域医療構想等の定性的なデータとプラスアルファで、やはり医師養成のところで集まってくるようなデータというものもぜひ取り込んでいただきたい。

 具体的に言うと、今回、渋谷先生がされたような10万人調査でも、医師に自分で書かせて集めると15%ぐらいしか集まってこない。一方、専門医をとるためには例えば外科であればNCDを一生懸命登録していたりとか、今度、内科でも恐らく自分でどういう患者さんを研修したかというのは登録されるようになりますから、そういった、どのぐらいの患者さんを誰が、どこの地域で治療しているかというデータが大切です。データが多分、医師になって8年から10年目までの分は今後入手できるようになる可能性が高いと思いますので、いろんな制度的な障壁はあるかなとは思うのですけれども、そういったところもうまくミックスできるようにできれば、より実効性が高まるのではないかなと思います。

○片峰座長 では、最後に。

○小川構成員 大変びっくりしたのですけれども、18ページの地域医療対策協議会の開催実績ということで、ゼロの県がこれだけあるという、ほとんどやっていないところもたくさんあるということでありまして、これを、20ページを見ますと、地域医療対策協議会は設置根拠が法定で、そこに医療法の30条の中にちゃんと「必要な施策を定め、これを公表しなければならない」。こういう法律でちゃんと決まっているのに、それがされていないというのはどういうことなのですか。

 もう一つは、ここの20ページの、さまざまな会議があるのですけれども、先ほど来、多くの構成員の方々から御指摘があったように、私もこの中のたくさんの会議に入っているのですが、全然わけがわからないのです。どこで何をやっているかというのが全然わかっていないので、やはりこれはもうちょっときっちりと国のほうで整理をしていただかないと、これは都道府県ではできない話だと思います。

 それから、12ページからの、記載における問題点というものがあるのですが、これはやはり国がある程度、ガイドラインを決めて、均てん化をして、方向性をきっちりと出して、こういう方向で、地域の違いはあるだろうけれども、最低限、こういう方向性でやりなさいという指導をしなければ全然、各都道府県でばらばらになって、何をやっているかわからないということになると思いますので、ぜひよろしくお願いします。

○片峰座長 ありがとうございました。

 ここでちょっと切らせてください。次に大きなものが残っています。いずれにせよ、次回以降、この議論はまたありますので、よろしくお願いします。

 次は、外来診療にかかわるところ、26ページ以降のところについてです。

 それでは、今村先生、お願いします。

○今村構成員 まずは5ページに戻っていただいて、外来のいわゆる「自由開業・自由標榜の見直しを含めて検討」という、かなり踏み込んだ書きぶりになっています。多分、議論のときはこんな話もあったのかなとは思います。

 先ほど渋谷先生のお話の中で、40代・50代になると子供さんの教育の問題があって、やはり地方に行きたくなくなるというお話にも直結するのですけれども、大体、病院の勤務医をしていて子供さんが大きくなってきて、そろそろ子供の教育も考えなければいけない。そして、その後、自分の跡継ぎというか、医師にぜひなってほしいということになると、学費の問題などさまざまな問題もあって、勤務医からそろそろ開業しようかということになる。そして、自分が診ている患者さんを連れて開業するというケースがあろうかと思います。こういう話になると当然、都市部の開業が多くなってきてしまうわけです。今の診療報酬というのはとても自分で建物を建てて、そこで医業経営が成り立つような点数設定にはなっていないので、いわゆるビル診になって、結局、ある一定の外来時間だけ診て、在宅はなかなかできないという悪循環になっているような感じを受けます。

 そういったときに、今、開業される方は、自分も含めてそうなのですけれども、結局、情報が十分なくて、コンサルタントみたいな方たちに誘導されて、正しい情報がないままに開業して結局苦労する人を私はたくさん見ています。なので、強制的に、ここはこれだけの医師がいるのだから、一昔前のように実質的に医師会が適正配置するなどということはもうできません。このような状況においては、まずはきちんとその地域の自治体なり住民なり、医師会もそうなのですが、一緒になって、今のこの地域の患者はこれぐらいの人数、これから高齢化が進むと、このぐらいの数の医師がいれば適切な医療提供が可能であるというような情報をまずはしっかりと開示して、その開業する先生方に、その意向のある医師たちにそういうことを見せていくことが大事なのではないか。そういうこともやらないでいきなり規制的なことをすることは、私は好ましいことではないと思います。まずステップとして、そういうことをまず考えていただきたいということです。

 それから、地方で父親がドクターをされていて、子供さんが都市部の勤務医をしている。そのときに、自分のふるさとに戻って開業医を続けようといったときになかなか、教育の問題ももちろん大きな問題なのですけれども、患者さんがこれから少子化、だんだん地方が過疎化して減ってくるとか、それから、税制の問題もあるということを伝えることなども必要だと思います。税制については厚生労働省が税制要望の中に取り上げていただいて大変感謝しているのですけれども、やはり地方で開業するときの何らかのインセンティブというものが考えられないとなかなか難しいかなというのが実感です。どういうインセンティブがいいかというのは、具体的なイメージがあるわけではないのですけれども、やはりペナルティーだとか強制だとか、そういうことだけで地方で開業していただくのは、これからなかなか難しくなってくるのかなというのが正直なところです。

 済みません。長くなりました。

○片峰座長 どうぞ。

○神野構成員 まさに今回の資料の27ページ以降で、特に27ページは基準病床数、入院を担う病院・有床診療所の基準病床数制度が載っているわけでありまして、ここで、先ほど説明があったとおりですけれども、医療法上は医療審議会の意見を聞いて、許可を与えるなり、それから、保険医療機関の指定の申請を却下できるわけであります。また、この医療審議会というところに地域の医師会とか病院団体とか、あるいは住民の方が入っていらっしゃる。そういう意味では、地方の意見を聞くという制度が基準病床数制度にはあるわけですよ。

 とすると、私はやはり無床診療所も同じであって、もちろん、自由開業制を拒むものではないですけれども、この医療審議会等で検討した上で、この地域には多過ぎるねという話であったときに、保険医療機関の指定を行わないというのはありなのかなと思います。これが入院病床と同じ流れの原理原則というものはありなのかなと思います。

○片峰座長 どうぞ。

○今村構成員 神野先生がおっしゃることで、前回のこの5ページの(4)のところにそういう記載があるのだと思います。

 ステップの問題だと思うのですけれども、患者さんが外来にどのぐらい来るかというのは、単純な割り算でできない部分がありますので、特に病院等、例えば病院の勤務医の先生の過重労働を減らすために、本来、病院で診る必要のないような外来患者さんは、例えば地域に出して機能分化したほうがいいということになると、これは外来患者さんの数も大きく変わってしまうので、単純になかなか計算できない部分はあると思うのです。

 だから、そこまで保険医を認めないという厳しいものをいきなり検討するのではなくて、さっきも申し上げたように、まずはきちんとした情報を提供する。先ほどの渋谷先生ではないけれども、ファクトに基づくことをきちんと開業しようと考えられている先生にお知らせをしてあげることによって、かなり私はそういうところでの開業というものをやはり考えられる人は多いのではないかなとは思います。

○片峰座長 どうぞ。

○山口構成員 29ページの診療所の純増数の推移というものを拝見していて、やはり都市部で開業医の方がふえてきているということが見てとれて、例えばビジョン検討会で行われたアンケート調査で、アンケートだと地方に行くことに賛成という回答を出していたとしても、現実はやはりこういう、実際に自分の問題になってくると、地方に行くよりも都市部で開業というのが現実の姿なのかなと感じながら見ていました。

 それを考えたときに、この診療所のことを出してこられたという、事務局にちょっとお聞きしたいのですけれども、5ページのところを見ますと「(8)管理者の要件」の中に、病院だけではなくて診療所等の管理者になるためには一定期間、特定の地域・診療科で従事するということが1つ項目にあるのです。

 こういったことも開業するときのいろんな情報を、今村構成員のおっしゃったように、しっかり現実を見て開業していただくことがとても大事だと私も思うのですが、やはりこういうハードルというか、一つ地域ということを視野に入れて考えるときに、ここで地域偏在ということも少し念頭に置いて、この資料を出してこられたのかというのをちょっと確認したい。

 あと、一定の期間というのがどれぐらいの期間のことを想定されているのでしょうか。例えば2〜3週間とか2〜3カ月では偏在にはほとんど影響というか、充足しないと思うのですけれども、この一定期間ということをここにお書きになっているのはどれぐらいの期間というふうに考えればよろしいでしょうか。

○片峰座長 どうぞ。

○久米地域医療計画課長補佐 まず、この無床診療所の資料を出させていただいたのは、去年の前半戦の議論であったかと思うのですが、要は勤務医の勤務がかなり厳しいので開業してしまう。今、今村先生からもお話がありましたが、そういう状況の中で、それが結局、都市に集中してしまうということは、それが偏在もしくは勤務環境の観点からよろしくないのではないかという観点で、この資料を出しているということでございます。

 それは地域だけではなくて診療科の観点からも、検討すべきですし、今、外来の関係では、入院医療と違って何も規制がないという状態で、そのことをどういうふうに考えるかという観点からお示ししているということでございます。ですので、先ほど5ページの管理者要件の話との関連でという御質問をいただいておりますけれども、もうちょっと広い視野でというか、どういったことができるのかということを論点として、問題提起させていただいているということでございます。

 また、一定期間というところは、このときの段階ではどうだったかということですが、恐らくそこまでの合意はできていなかったと思います。ですから、これは去年の6月の中間まとめの中で一定期間というふうに書いていたと思いますし、それは今後検討するという性質のものとして当時取りまとめたと記憶しております。

○片峰座長 確認しますけれども、この5ページの管理者要件に関する部分は今後の論点になりますか。

○久米地域医療計画課長補佐 いろいろ御意見をいただければと思います。

○片峰座長 どうぞ。

○新井構成員 新井でございます。

 都市部での開業を規制する、制限するということで、結局、何を得ようとしているか。例えば都市部で開業ができないようにしたら、勤務医でそのまま今の職場に残るのか。あるいはさっき今村先生がおっしゃったように、地方で開業することを誘導しようとしているのか。そこがいま一つ見えないように思います。もし変なほうに事が進むと、例えば東京の周りのドーナツ現象、東京に近い千葉や埼玉でどんどん開業医が過剰に増えるといったことが起きないのか、いびつな現象が生じないのか心配です。やはりその辺は慎重に検討した方が良いように思います。

○片峰座長 どうぞ。

○久米地域医療計画課長補佐 済みません。繰り返しになりますが、今回、我々が方向性をお示ししているというよりは、どういった方向で議論を進めるべきかということも含めて提示をさせていただいております。先生のおっしゃられることはもっともだと思いますので、どういった方向がよいかということもぜひ御意見をいただければと思います。

○片峰座長 では、渋谷先生、最後にどうぞ。

○渋谷参考人 済みません。先ほど本田構成員から強制配置云々というのはどこにあるのかという定義のお話をいただきましたけれども、ビジョン検討会の中では、この管理者要件というものが、ある意味ではそうした方向性なのかなと。要するに、地域に行かないとそうした認定が得られない。それはあくまでも、やはり自律的な方向性と、それから、環境整備というもので対応すべきものかなという検討をいたしましたので、実態調査からもむしろそうした、ある意味では規制的な配置というよりは環境整備並びに自発的な方向ということでやっていただければいいのかなというのは我々からの、ビジョン検討会からの見解であります。

○片峰座長 では、最後にどうぞ。

○本田構成員 今後議論されるということなので、本当に一言だけ申し上げたいのですけれども、私は何らかのルールが必要だと考えています。ぜひ、そのルールについても今後議論するという中の一つの議題として、管理者要件についても取りあげていただきたいと思います。

○片峰座長 では、最後にどうぞ。

○羽鳥構成員 山形県のある先生から、都市部から離れた地域で、田舎のほうで開業されていて、無床診療所で在宅往診をしている。高齢化して、施設に入ったり転居されたりと患者さんがいなくなってしまって、往診されている先生なので、息子さん娘さんも医師になって勤務医でいるのですが、地元に帰ってきて欲しいと思っても、地域における患者さんの激減を見たら、とてもこの地域に戻ってきて欲しいとは言えない。そういう実態もあるので、やはり人口構成とかそういうこともしっかり見ながら議論していかないと、一律に制限というのは難しい。

 ですから、同一の診療報酬体系でしか地域の先生も都会の先生も収入を得るすべがないわけですので、ほかのインセンティブ、やはり町から、県から、ここの地域で開業したら毎年補助するなど別の収入を得る仕組みがないとなかなか難しいのではないかなと思います。

○片峰座長 ありがとうございました。

 それでは、次が一番議論が出そうなので、医師養成過程。専門医の問題も含めて、ここに移りたいと思います。

 それでは、御意見を。

 神野先生、どうぞ。

○神野構成員 これからの議論ということですので、いろいろ皆さんの意見と違うかもしれないので、言っておかなければいけないことを言っておきます。

 従来もお話ししておりましたように、地方にしても、あるいは都会の病院に聞いてもみんな、渋谷先生からは外形基準がどうだという話がありますけれども、医者が足らないと言っているのは間違いない。これは事実であります。

 その上に、例の労働基準法の一部改正による医師の働き方の話が出てきたときに、法的には2年後の平成31年。それから5年後に始まるので、平成36年ということですけれども、恐らく今の空気から見ていると、そんな話ではなくて、もっと早いうちにそちらのほうでの、いろんな動きがあるような空気が漂っているわけです。

 そうすると、医師の働き方の問題とこの医師数というものが物すごく関係してくるわけで、働き方で非常に、労働条件を厳しくすれば医師数は絶対に足らないのです。その辺のところの働き方の議論とここの議論を、年末までですけれども、働き方はそれまでに終わらないような気がするので、その辺のどこにバッファを置いて、どう考えるかということもちょっと念頭に置いておかなければいけないのかなと思いますし、事務局、もし何か考えがあったら教えていただきたい。

○片峰座長 ここはどうですか。

 課長、どうぞ。

○武井医事課長 御指摘ありがとうございました。

 今、先生がおっしゃったとおりで、医師の働き方と医師数というものの関連性については、関連性があるという御指摘だと理解しております。現在、働き方については、特別の上限規制のあり方ですとか、勤務環境の改善の支援策等について、別の検討会において検討中でございます。こうした議論も踏まえながら、医師の働き方改革を進めつつ、並行して、この場のようなところで実効的な医師偏在対策を強力に進め、それぞれの役割分担を踏まえて検討を進めていくことが重要と考えております。

 ほかの検討会の情報なども適宜御紹介していきたいと思いますし、それから、1年ちょっとさかのぼっていただきますと、やはり医師の偏在ですとか、それに対する対策というのは待てない状況であることも事実であろうと思います。若干、働き方で変わっていく要素もあると思いますけれども、この場でしっかり御議論をいただいて、医師偏在対策を取りまとめていくことが重要であると考えております。

○片峰座長 どうですか。

 どうぞ。

○福井構成員 今の課長のお話ともかかわりますけれども、労基署が求めていることを満たそうとすると、直ちに救急の医師が本当に足りないということが明白になります。先ほどの渋谷先生のデータなどにもありましたし、この資料にもありますけれども、一番、時間外勤務をしているのは救急でして、その時間を少しでも減らそうとすると専門医の偏在が直ちに前面に出てきます。ぜひ、その点についての検討をよろしくお願いしたいと思います。

 私は、個人的には専門医機構に任せても専門医の専門性の偏在の解決は実際上難しいのではないかと思っていて、厚生労働省が何らかの形で関与して、専門分野ごとの大まかな割り振りをやらない限りは医師の専門性の偏在の議論が進まないのではないかと思っています。

○片峰座長 どうぞ。

○今村構成員 お二人の御意見とも共通なのかもしれませんけれども、今、3つ関係する検討の場があって、それは以前にこの会で出たと思いますが、今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会、医師の働き方改革に関する検討会と、この医師需給分科会がそれぞれ密接にかかわっている部分と、ある程度、独自に話が進められる部分が多分あって、何を議論するかということをそれぞれの会で明確にしておかないと、密接に関係しているがばかりに違うところでまた同じような堂々めぐりの議論になるので、ぜひとも厚生労働省がそこは整理をしていただいたほうがいいかなと。

 そして、よその進みぐあいがまず結論が出ない前でもできることは、この会でやるというスタンスでないと、向こうの結論が出ないままに議論だけしていても、これはしようがない。ただの時間の無駄になってしまいますので、その辺はきちんと整理をしていただきたいなと思っています。多分、ここに御参加の先生でそれぞれの検討会に参加されている方もいらっしゃると思いますので、その辺はよく整理してやっていただけたらと思います。

○片峰座長 そこはどうですか。

 どうぞ。

○堀岡医師養成等企画調整室長 お手元に第10回分科会の資料が載っていまして、資料1「早期に実行可能な医師偏在対策について」の中の1ページ目に、今、今村先生に御指摘いただいた整理表というものを書いております。密接に関係する働き方改革や医師養成検討会のスケジュールとの連携を書いておりますけれども、いずれにせよ、この医師需給分科会でまず議論するべき医師偏在対策というものを今回は全体像でお示しさせていただいておりますので、働き方改革での検討はきちんと進めますが、それによって医師偏在対策を全体像として、まずやらなければいけないということは変わらないので、ここの今、お示ししているものをまず議論して、働き方は働き方できちんと議論するということを考えております。

○片峰座長 この58ページの絵の、結構踏み込んだ提案みたいに見えるのですけれども、ここは何かコメントはございますか。

 どうぞ。

○羽鳥構成員 この58ページ、それから、51ページにもありますけれども、51ページに「法律上、地方自治体の意見を踏まえる仕組みとすることが必要」と書かれていますし「将来の診療科ごとの専門医の需要を明確化していくことが必要」とあります。

 将来的に、国が都道府県に専門医の必要数を定めることはないでしょうね。

○片峰座長 どうぞ。

○堀岡医師養成等企画調整室長 今、御指摘の資料がどういうものなのか、ちょっとあれなのですけれども、いずれにせよ、本日の資料でお示ししているような「将来の診療科ごとの専門医の需要の明確化」というものがまず今回の議論の出発点なのかなと考えております。

○片峰座長 ほかに。

 森田先生、どうぞ。

○森田構成員 ちょっと間があいたので、どういう形の議論かなというふうに聞いておりましたけれども、これからの議論のためのリマインドというわけではありませんが、私自身が思いましたのは、昨年までは人口減少の中で医師数の総数をどうするか、大学の医師の養成数をどうするかということを議論してきたと思います。それについては、ある程度、抑制的にせざるを得ないだろう。そこは合意があったと思います。

 しかし、そこから先、偏在の問題をどうするかというところで、正直申し上げまして、地域枠も含めて、いろんな御意見が出たわけですけれども、万策尽きたとは言いませんが、なかなか今までの方法の延長では難しいのではないか。そこで少し強力な方法も検討せざるを得ないのかなというところで中断になったのではないかなと思っております。

 今回、それについてはどうかということはまだ御議論になっておりませんけれども、いろいろな意味できちんとしたデータに基づいてこれを考えていくということは非常に重要だと思いますし、ビジョン検討会における働き方、特に医師の先生方のお考えが明らかになったことは大変重要だと思っております。

 それで、ファクトそのものはそれで非常に明らかになってくるとは思いますし、それは進めるべきですけれども、そこから先をどうするのか。どういう方法でそれを実現するのか。きめ細かく、ある地域における子供の数を推計して、将来も推計して、小児科医の必要数がわかったとして、どういう形でその必要な小児科医をそこに配置するのか。猫の首に鈴をつけるかという話になるかもしれませんけれども、そこがこれからの議論のポイントになるのではないかなと思います。

 地方で働きたいという医師がたくさんいらっしゃる。これは非常にいいことだと思います。しかしながら、障害になっているのが子供の教育と家族とか親の介護だとします。その条件をどうやったら克服できるのかというのは、これは相当難しい話ではないかなと思いまして、その条件が克服できるならばそれに知恵を出すべきだと思いますけれども、そうでない場合にはもっと、ある意味ですと視野を広げて、いろんな策を考えていかなければならないのではないかというのがきょうの御議論を聞いていて感じたところです。

 そしてきょう、ちらっと羽鳥先生からお話が出たかと思いますけれども、要するに大きな問題点で触れられていないファクターとして、やはり診療報酬というか、医療費の限界というものがあろうかと思います。経済的インセンティブをどんどんつけられるならば、それにこしたことはないわけですが、それがなかなかできない。私も中医協に6年ほどかかわっておりましたけれども、今までの中医協でいろんな形で経済的インセンティブで医療の提供のあり方を誘導していく場合には、大抵プラスの方向でそれをやってきたわけですが、これからそれが可能になるのかどうか。あるところをプラスにするということはどこかをマイナスにせざるを得ないわけですけれども、そういうマイナスにするということについて、どこでどのように合意できるのか。

 中医協でということになるのかもしれませんが、そこはやはりしっかりとしたエビデンスに基づいた、またしっかりとした対策。それについての議論が、前提がありませんと、これはなかなか進まない気がいたしまして、その意味で言いますと、次回以降になるかもしれませんけれども、少しそうした、どうやって具体的に実現するかというところにもう少し焦点を当てて議論していく必要があるのではないかなと思いました。

 感想です。

○片峰座長 とても大切な御指摘だと思います。

 どなたか、関連してございますか。

 権丈先生、何かないですか。

○権丈構成員 先ほど地域医療構想をつくって、精緻につくっていって、そこに医師をどう配置していくかというところから始まったというのがありましたけれども、地域医療構想そのものにも大きな課題がまだいっぱいありまして、先ほどのところも外来の問題をどうするかとか、構想作成の技術の精緻化と、ビジョンの精緻化というものを同時並行していきながら、今、森田先生がおっしゃっていたような、私はこの地域医療構想と、医療保険の改革と、地域医療構想の医師配置版とも言える医師確保の問題というものを三位一体の改革と呼んでいるのですけれども、これを同時に進めていかなければいけない段階にあると思っております。

○片峰座長 大体よろしいですか。

 それでは、一応、ここまでということにして、先ほど申しましたように、きょうの御意見を次の回の議論に生かしていきたいと思います。

 とにかく、年内をめどに偏在対策をまとめるということですので、結構大変なのですけれども、今後のスケジュール等に関しまして事務局のほうからインフォメーションをお願いできればと思います。

○堀岡医師養成等企画調整室長 座長に先に言われてしまいましたけれども、9月から11月にかけまして、今、全体像でお示しさせていただきました、都道府県主体の実効的な医師確保対策、また、外来医療提供のあり方や医師養成過程に関する問題などを御議論いただいた後に、12月に医師偏在対策、可能であれば取りまとめたいと考えております。

 また、年明け以降について、平成31年度以降の医学部の定員のあり方について、まさに需給のほうの御議論をいただきたいと考えております。

○片峰座長 それでは、スタートとしては非常にいい議論ができたのではないかと思います。きょうはこれで閉じたいと思います。

 次回の日程はわかっていますか。

○堀岡医師養成等企画調整室長 この需給検討会は、恒例でございますけれども、次回の日程につきましては追って事務局から御連絡をさせていただきたいと思っております。

 なお、次回以降、在宅医療や医療機関内の医師の役割分担について、御専門の構成員について追加をしていただいて、活発な御議論をいただきたいと考えておりますので、前もって皆様方にお知らせをさせていただきます。

○片峰座長 それでは、皆さん、ありがとうございました。これで終わらせていただきます。

 


(了)

<照会先>
厚生労働省医政局医事課
(代表) 03(5253)1111(内線4127)
(直通) 03(3595)2196

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