ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会))> 平成29年度第6回入院医療等の調査・評価分科会・議事録(2017年8月24日)




2017年8月24日 平成29年度第6回入院医療等の調査・評価分科会・議事録

○日時

平成29年8月24日
13:57~15:59


○場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール13B(13階)


○出席者

【委員】

武藤分科会長、池端委員、石川委員、岡村委員
尾形委員、神野委員、菅原委員、武井委員
田宮委員、筒井委員、林田委員、藤森委員
本多委員、牧野委員

【事務局】

医療課長、企画官、保険医療企画調査室長、薬剤管理官、歯科医療管理官他

○議題

1.一般病棟入院基本料について(その2)
2.入退院支援について(その2)
3.地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料について(その2)

○議事

○武藤分科会長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから平成29年度第6回「診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会」を開催させていただきたいと思います。

 まず初めに、本日付で委員の交代がございましたので、事務局から御紹介のほど、お願いしたいと思います。

○事務局

 事務局でございます。

 島委員の後任として、本日付で就任されました旭川赤十字病院院長の牧野憲一委員でございます。

○牧野委員

 委員の皆さん、こんにちは。北海道の旭川赤十字病院の院長の牧野です。

 今回、病院会のほうから島先生の後任として委員になりました。いろいろと私なりに頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 それでは、きょうの委員の出欠状況ですけれども、池田委員が欠席となっております。

 それでは、本日の議題に移らせていただきたいと思います。本日の議題は3つございます。1つは「一般病棟入院基本料について(その2)」、2番は「入退院支援について(その2)」、3番が「地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料について(その2)」でございます。

 まず、事務局のほうから一括して説明していただいた後、各議題に分けて議論をしていきたいと思います。

 では、よろしくお願いします。

○事務局

 事務局でございます。

 入-1の資料をごらんください。本日の議題は3つありまして、それぞれ6月の分科会と7月の分科会で取り上げたテーマの続きということでございます。幾つか前回お出しした資料と重複するものもありますので、そのあたりは割愛して御説明させていただきます。

 まず、一般病棟入院基本料についてですが、4こま目は、一般病棟入院基本料、7対1と10対1の主な要件ということですが、きょう追加で用意しております資料が、重症度、医療・看護必要度に関するところで、左側の7対1につきましては、下から3つ目のカラムにありますように、該当患者割合が2割5分以上というのが要件となっておりまして、一方、右側の10対1の入院基本料のほうは、上から3つ目、4つ目あたりのところに看護必要度加算1、2、3とそれぞれございまして、10対1のほうは加算の評価になっているということでございます。

 5こま目は、7対1の基準のそれぞれの測定期間等の概要ということで、これは以前もお出ししているものでございますが、この基準値の扱いについては、施設基準の届出基準ということなので、この基準値を満たすか、満たさないか、いわばカットオフの値ということになっております。

 6こま目は、10対1のほうの看護必要度加算1、2、3についてでございますが、それぞれの要件が表の右側の欄、基準値というところにありまして、1が2割4分、2が1割8分、3が1割2分ということになっていて、段階的なものになっていて、それぞれに点数がついているということです。下の円グラフは、左側がそれぞれの届出医療機関数の内訳、右側が届出病床数の内訳ということになっております。

 7こま目は、7対1病棟の必要度の該当患者割合別の分布ということで、以前もお出ししております。

 8こま目が10対1の該当患者割合の分布ということでございまして、15%以上20%未満のところが一番多くなっておりますが、その横の横、25%を超えているというところも一定割合存在するという状況です。

 9こま目、10こま目は、7対1と10対1の棒グラフをそれぞれ並べて、上が医療機関ベース、下が病床数ベースということで、その実数が出ております。

 11こま目は、縦軸を平均在院日数、横軸を該当患者割合でプロットしたもので、ダイヤの形のほうが7対1で、三角のほうが101という形になっていて、7対1のほうは25%という基準がありますので、25%以上のところに大体固まったような形になっていまして、10対1のほうは先ほどのヒストグラムにありましたように、全体的にばらついたような形になっていますが、当然7対1が集まっているあたりにも三角の10対1の病棟のところが重なっている部分があるということでございます。

 12こま目は平均在院日数の分布を見ているものですが、棒グラフが2種類ありますのは、下の注の欄にありますように、病床数を届出病床数に対して利用率が80%と設定した仮定の稼働病床数に対しての看護必要数を置いた場合、それに対して実際に配置している看護職員数の調査結果をいただいているので、それを計算して115%以上か、未満かということで分けて見ています。1割以上多く配置しているところが多いということなので、事務局のほうで「115」という数字を置いて、115以上手厚く配置しているところとの比較で、これは仮定で置いてみたということです。

 上の棒グラフは101ということで、平均在院日数で見ますと1520のところに山がありますが、下のグラフは7対1になっていまして、510のところと1015のところがあります。ヒストグラムは、前に参考資料でもお出ししているので、今回は13こま目にありますように箱ひげ図のほうでも出しております。

 箱ひげ図を念のため御説明しますと、箱の中につきまして、真ん中の太い線が中央値になっていますが、それぞれ箱の上が75パーセンタイル、下が25パーセンタイル、さらに最大値、最小値がひげの端のほうになっているということでございます。点は外れ値です。

 左の7対1のところを見ますと、中央値が上のほうにありますが、115%以上が10.8115%未満が11.710対1のほうも中央値がそれぞれございます。

 ひげの部分で10対1のほうも平均在院日数がかなり短い部分にもデータがあるということで、これは先ほどの散布図にもあったので、このように出ているということでございます。

 14こま目は、同じ2種類のデータについて該当患者割合の分布をヒストグラムで見たものです。

 15こま目は、それを箱ひげにしたというところで、同じように中央値がそれぞれ出ておりまして、10対1の右側のグラフでひげの部分を見ますと、左側の115%以上、手厚く置いているところですと、該当患者割合が高いという病棟の分布もあるということです。

 16こま目、病床利用率のほうで見ますと、17こま目の箱ひげで見ていただきますと、手厚い配置のほうが病床利用率も高い傾向にあるということでございます。

 18こま目は、看護職員1人当たりで稼働病床数を割ったものというデータの分布を見ておりまして、ヒストグラムのほうと箱ひげと両方出ています。ヒストグラムのほうは、右に行くほど人が多い、密度が高いという形になるのですけれども、大体1.6ぐらいで、箱ひげは左右が逆になっているのですが、箱ひげにするとこういうふうに見えるということで、中央値は1.62ということでございました。

 19こま目をごらんいただくと、次に患者データのほうが、nで言いますと、9万2,000データあるものについて、各患者さんはそれぞれ在院日数が違いますので、在院日数が1日目、2日目、3日目、4日目というふうにそれぞれの在院日数で分けたときに、重症度、医療・看護必要度の該当している方が何割いるかというのを見たデータですが、在院日数2日目が一番多くて、2日目以降徐々に減っている。一番右、12日目以上ということなので、重くて長くいる方がここに入ってきますので、全体として在院日数がたつほど改善してきますので、当然ですけれども割合は減ってくるということでございます。

 以上が評価軸と評価手法ということでしたが、20こま目以降が重症度、医療・看護必要度の測定方法、測定項目と今、データ提出加算でいただいているデータということについてのまとめです。

 21が重症度、医療・看護必要度、一般病棟用のものの一覧ということで、今、A、B、Cという3種類の評価項目があります。

 22こま目は、データ提出加算でいただいているデータセットの概要になっていまして、主には真ん中のD、EFあたりが診療報酬請求情報ということで、特にEF統合ファイルというものは、医科点数表に基づく出来高点数の診療コードが入っているというものになります。

 28年改定からはその下のHファイルと呼んでいるものですが、重症度、医療・看護必要度、21こま目のA、B、C項目それぞれの該当状況がデータになって入っておりますので、Hファイルを計算すれば該当患者割合などが出せるというデータのセットになっております。

 23こま目は、データの様式1の中にはADLスコアが入っておりまして、重症度、医療・看護必要度のB項目は、一部ADLスコアと類似の項目が入っているということで、参考までにお出ししていますが、データ提出いただいているデータセットのほうは、ADLスコアは毎日測定ではなくて、入院時と退院時に測定するという違いがあります。

 24こま目と25こま目は、重症度、医療・看護必要度のA項目と主に関連性が高いと考えられる診療報酬区分の主なものを例として挙げておりまして、例えばということなので、これで全て網羅しているという意味ではございませんが、例えば左の一番上「創傷の処置(褥瘡の処置を除く)」のところは、報酬算定区分で言いますと、J000の創傷処置というものがありますねということで、参考までに並べてみたものです。

 25こま目は、A項目のうちの専門的な治療・処置のところですので、これは専門的なものということでいろいろ入っているのですが、右の報酬区分で見ますと、薬剤の算定ということで、薬剤の種類ですから、薬のコードなどのデータという形になってくるような例示ということになります。

 2627は、C項目につきまして同じように主なものということの例としてお示ししているもので、左が手術の項目で、右はKコード、主なものが入っております。

 以上、データ提出でいただいているデータセットと重症度、医療・看護必要度というところの比較ということを主なものとしてお示ししたのですが、28こま目にありますように、 これは完全一致はしておりませんで、それぞれ目的が違うわけですから、ずれもあるということで、主なずれというものを例示したものが28こま目です。

 28こま目の上、定義の違いということで、必要度の項目と報酬区分とでは定義が違う。例として1つ目に「点滴ライン同時3本以上の管理」というA項目がありますが、報酬区分だと、3本かどうかというのは出てこず、注射の行為として点滴注射というものがありまして、3本かどうかというところではなく、1日当たりの薬剤の総量などということになってくるということで、3本かどうかというのは、請求報酬区分ではわからないという形に相違があるではないか。

 例2としましては、「専門的な治療・処置の抗血栓塞栓薬の持続点滴の使用」というところの定義は、「血栓・塞栓が生じている(疑われる)急性疾患の患者に対し、血栓・塞栓を生じさせないもしくは減少させることを目的とし、持続的に投与した場合」ということで、対象と目的と持続でやっているというやり方、3つあるのですけれども、右の報酬区分は、単に抗血栓塞栓薬を処方したということだけなので、ここは一致はしないですねということです。

 3つ目のC項目の開頭手術というのは、必要度の評価をするときは術当日から7日間ということなのですが、報酬は手術料ということなので、当然手術を実施した日ということで、もし置きかえるとその日だけという形になるので、単純な置きかえでは7日というのが反映されないというような違いがあるということもわかっておりますということでございます。

 29こま目は、ちょっと視点が違いまして、重症度、医療・看護必要度の測定に関してということで、28年度改定の見直しで入力作業がふえて負担になったとか、研修が負担となったということで、これは改定の影響の調査のアンケートですので、そのあたりなのですけれども、毎回変えると、研修するとか、その分の作業がふえるということで、一定の現場には負荷になっているということがうかがえるかと思いまして、こちらを出させていただきました。

 30こま目は、前回この測定項目に関して出させていただいた資料なので、参考までということです。

 一般病棟入院基本料に関して、31こま目でサマリーをまとめていますが、以上の評価項目、評価方法として今、取り上げましたのは、7対1と10対1の重症度、医療・看護必要度についてでございます。測定方法については、いただいているデータ提出のデータセットと必要度というものの類似する点と違う点を挙げさせていただきました。その上で、矢印の下が論点です。

 1つ目の○、一般病棟入院基本料の評価は、必須の基準値による施設基準、7対1は施設基準ですということと、10対1は段階的な加算になっているということについて、これは評価方法が違うということですが、より的確に医療ニーズを反映する等の評価目的や診療実績を反映するといった視点からは、より適切な評価手法についてどう考えるかということで、それぞれ違っていいのだという御意見もあろうかと思いますし、患者さんの状態によって日々変わるものなので、どういう評価が適しているかといったことについて御意見をいただければと思います。

 2つ目の○としましては、必要度の測定項目と診療報酬請求区分、データ提出いただいているデータセットとの項目については、関連している部分もありますが、それぞれ使用目的も違いますので、定義など違いもあるということですが、データセットは3カ月ごと、特に7対1は要件として全ての病棟からデータをいただいておりますので、例えば事務の効率化・合理化の観点からは、定義や算出方法の違いの部分について一定の条件を置くということで、例えば点滴ですと、点滴処置が出ていたときの薬剤料幾ら以上とか線を引いてみる、あるいは線を引かずに全部あると仮定してみるとか、あとは、その薬については投与対象、目的、使用法とあるのですが、そこまで見ずに、とりあえずその薬を使っていれば置いてみるというような一定の条件を置いてみて、その上で、今、データセットにはHファイルが入っていて、それぞれ重症度、医療・看護必要度のデータがあるわけですから、例えばそれで置いてみた上で見たら、妥当性はずれるのかどうかということと、それが相関するのか、全然違うほうに行くのかということをちょっと検証してみてはいかがかというのが御提案というか、論点ということなので、この点について、いや、こういう仮定を置いてみるというのはなかなか難しいのではないかという御意見もあれば、ちょっと置いてみて、見てみてもいいのではないかという御意見もあろうかと思いますので、その点について少し御示唆いただければと思います。

 以上が1つ目の議題です。

 2つの目の議題は入退院支援ということです。33こま目以降です。

 入退院支援についての診療報酬の変遷を34こま目にまとめました。歴史的には入院治療計画を入院時につくるということで、退院指導なり退院に向けていくということだったのですが、真ん中の左、平成18年に医療機関の連携を推進ということで、地域連携パスと呼ばれておりますが、それの点数。平成20年には真ん中の右の退院調整加算、総合評価加算といった加算で退院に向けた取り組みの評価というがあって、それぞれ似たような要素の評価ですので、平成28年には退院支援加算という形でまとめたということで、こういう報酬の変遷がございまして、特に退院支援加算は前回改定でこの場でも議論いただいているところです。

 35こま目をごらんいただくと、おさらいしますと、退院支援加算にしたときに、35こま目の下の表にありますように、退院支援加算1を新たに導入しまして、退院支援加算1は、入院早期、3日以内とか7日以内にかかわるといった要件も入りましたし、退院支援職員の配置ということも要件に入っておりまして、そこが従来型の退院支援加算2との違いということでございます。

 そういう要件のもとに退院支援加算1というのもできておりましたが、地域連携パスの要素というのは、38こま目の表を見ますと、退院支援加算の中にさらに地域連携パス加算がとれるという扱いになっているのですが、この概要、要件を見ていただくと、地域連携パス加算がとれるのは、退院支援加算1、2、3とあるうちの1と3ということで、2ではとれないという条件になっているということでございます。

 39こま目につきましては、それ以外の退院指導等にかかる点数で、これだけの種類がありますということです。

 40こま目、それぞれ算定回数の推移を見ますと、全体的にふえているのですが、退院調整加算から退院支援加算になって、回数自体は全体が伸びているような状況でございます。

 41こま目、退院調整加算と退院支援加算ということで、算定期間と算定件数を見ますと、退院支援加算1、2の合計は、それぞれどちらもふえているのですけれども、内訳を見ますと、退院調整加算から退院支援加算2のほうはちょっと減っていて、1と2で少し分かれているという状況であります。

 42こま目、退院支援加算1、2の有無で平均在院日数を各病棟種別で見ていますが、回リハ病棟以外は退院支援加算1をとっているほうが平均在院日数は短いような傾向がございます。

 43こま目は、退院支援加算1を算定している病棟につきまして、平均で何人受け持っていますかということを聞くと、退院支援加算1をとっているほうが平均で受け持っている患者の数が多い傾向がありまして、いずれの病棟の種類でも30人以上というところになっている。

 44こま目、退院支援加算1・2の算定ありなしで、医療機関なりそれ以外の連携機関の種類別に何カ所と連携していますかという質問をしていますが、いずれも退院支援加算ありのほうが連携しているところの数は多い傾向がありまして、連携先としては、左から2つ目の診療所ですとか、右から3つ目、4つ目あたりの介護事業者や施設サービス事業者などがあるということでございました。

 45こま目以降が調査結果でございます。

 46こま目、退院支援加算の算定要件としては、退院困難な要因を有している方を抽出して退院支援するということで、46こま目の上の欄のアからケの方というのがあります。ケは、その他の患者の状況から判断してアからクまでに準ずるという要件になっています。

 47こま目が、それぞれ何人に該当したかということの内訳になっていて、主に急性期の病棟のA票については、上から2つ目マル2の緊急入院が多く、C票、慢性期の病棟あたりは、マル4の入院前に比べてADLが低下して、退院後の生活様式の再編が必要ということが高くなっていて、病棟の機能でそれぞれ困難な要因も少し変わってくるということでありますが、今回の調査では、一番下のマル9、その他の状態について、具体的にどういうものがあったかというのを聞きましたら、48こま目の真ん中の囲みですが、例えば家族からの虐待や家族問題、あるいは未婚等により育児サポート体制がない、生活困窮による無保険、保険未加入など、いわゆる医療以外の福祉的なサービスですとかさまざまな問題があり、いろんな関係機関との連携が必要になりそうな方というのが浮かび上がってきましたということと、右下にあますように、入院早期から入院前に利用していたサービスというところをきちんと把握する必要があるという方もいらっしゃるということでございまして、新たな状況も分析されているということでございます。

 49こま目以降は、連携先分けの分析でケアマネジャーとの連携の部分を見ると、担当のケアマネがあるというお答えの割合を見ると、真ん中の13対1、15対1、地域包括ケア病棟あたりが4割近いような割合で出てきておりますが、大体ある、ないというところが出ているということでございます。

 50こま目は、ケアマネからの情報提供について、情報伝達の方法別に見ますと、カンファレンスに直接出るというところはどちらかというと少なく、文書などがあるということですが、情報提供を受けていないというところの割合も一定程度あるということでした。

 51こま目、ケアマネとの連携状況で、連携が有用だったかどうかというのを伺うと、「有用だった」「多少有用だった」を合わせますと、半数近くがいずれの病棟もある。特に回復期とか慢性期とか、そのあたりは重要ですし、特に有用性というところもいろいろ御意見があるかと思います。

 52こま目、自治体との連携ということを見ますと、連携ありというところが3割とか4割とか半分、6割といったような状況でございました。

 53こま目、地域ケア会議に参加していますかというところですが、参加したという割合が4割、5割、6割ということで多いのですけれども、「開催案内がきていない」というのも一定割合ありまして、「開催の案内がきたが参加していない」というところは少ないということでございました。

 54こま目、地域連携パスの関係で回復期リハビリテーション病棟が多くはなっているのですが、55こま目、疾患の内訳を見ますと、回復期リハビリテーション病棟は脳卒中が圧倒的に多いのですが、7対1病棟とか地域包括ケア病棟では大腿骨頸部骨折も3割近く出ているという状況でした。

 56こま目、地域連携パスに関係する加算の算定件数なのですが、棒グラフの一番左が地域連携診療計画管理料ということで、これは改定後の地域連携パス加算のほうでも評価できるようにしたということで、この管理料自体はなくなっているのですけれども、真ん中の棒グラフが地域連携パスの加算の退院調整加算についていた加算ということです。一番右側が改定後の地域連携パス加算ということで、このパス関係の加算のほうの算定状況を見ると、改定前に比べて減少しているということで、この点に関しての分析など御意見をいただければと思います。

 57こま目以降は、前も出していますが、入退院支援について、入院中にかかわることが主ではございますが、当然入院前は外来・在宅していますし、入院後は外来・在宅に帰るということで、外来・在宅の部門との連携というのも要るのではないか、重要ですねということでお出ししていまして、58こま目、実際入院の理由を見ますと、治療のためということが多いのですが、回リハ病棟ではリハビリテーションのためというのも出てきています。

 59こま目、もし入院前にかかわるとすると、それは予定入院の方だろうということで、予定入院の割合を聞きますと、回リハ病棟や療養病棟は、予定入院の方が8割ぐらいいらっしゃるという状況でもございます。

 60こま目、外来通院の方が入院するというときに、外来と入院部門で連携する窓口があるか、あるいは窓口でなくても、決められた担当者がいるかといったことを伺うと、連携する部署が決まっているというのが63%で、主として地域連携室などがやっている。窓口はないけれども、担当者がいるということでは、担当となる職種は医師や看護職員が多いということで出てきております。

 61こま目以降は、在宅復帰率についてでございます。前回、名称や再入院率についても見てはどうかといった御意見がありましたので、改めて整理しますと、62こま目にありますように、入院から在宅に向かった流れですので、それぞれ機能が違うところの連携みたいなことも要素としては見ている指標になっています。

 63こま目で1カ所訂正がございます。申しわけございません。「7対1病棟」という枠の分子のところの下に米印で「死亡退院・転棟患者(上記を除く)」とありますが、「上記」を「自院」と訂正してください。分母のほうの米印が「転棟患者(自院)」となっていますので、この分母と分子は同じでございますので、ここは同じ表現に直していただければと思います。

 ここの通知の書き方などが複雑なもので、それをわかりやすく整理したものという目で見ていただければと思うのですが、分母は、基本的には評価対象の病棟から出る人、そのうち死亡や再入院は除くということなのですが、出る人が分母で、分子を見ていただくと、7対1については、自宅に直接帰る方以外は、それ以外の病棟なり医療機関なりを通るので、それ以外もカウントしている。

 地域包括ケア病棟は、地域包括ケア病棟から自宅等への退院に向かう機能が予想されている療養病棟を含むということなのですが、地域包括ケア病棟については、地域包括ケア病棟を持っている病院が療養も持っていれば、その療養、院内での転棟でもカウントしますという形で、ほかの病院の外に行くのではなくて、病院の中でもカウントしますという扱いがここだけなっていて、回リハ病棟は自宅などだけということで、扱いがちょっと違うということで、それぞれ意図があってこうなっているのですが、これを今、一緒くたに在宅復帰率と言っているので、なかなか混乱もあるので、まずこの定義がどうかということと、名称はどうかというところが御指摘いただいている部分でございます。

 64こま目、再入院率を見てはどうかということで、これはDPCデータで見たもので、上のグラフが、DPCデータの1年分で見たときに、1年間にデータ識別番号で重複があった割合ということで見ますと、30%未満のところが多くなっているということです。

 下のグラフは、同一疾患で6週間以内で重複があったというのを見ると、そういう条件を置くと10%未満ということでございました。

 以上をまとめますと、65こま目、入退院支援についてということです。矢印の下の論点を見ていただくと、入退院支援の報酬の評価と算定状況を見ると、退院困難な要因に係る分析というのが出てまいりました。入院前あるいは入院早期からの効果的な支援の取り組みなどについて、今回の調査・分析についてどう解釈するかというところ。

 2つ目、地域連携パスの関係は改定前後で変化がありましたが、この要因などをどう考えるか。

 3つ目の○、在宅復帰率について、病棟の種類で定義が違うということで、それぞれ何を評価するかという目的など、医療機関の連携というところもあると思いますので、そういうのを考えると、整理が必要ではないか。その際に、より適切な表現になるような名称というのもあわせて検討すると、どういったものがあり得るかといったことについて御意見をいただければと思います。

 最後、地域包括ケア病棟入院料ですけれども、前回自宅とそれ以外ということで分析をいたしました。69こま目にありますように、前回、自宅以外といったときに、自院の急性期から来た人と他院の急性期から来た人でちょっと違うのではないかということで、分析をしてはどうかという御意見がありましたので、それを分析いたしました。

 71こま目以降は前回の分析結果で、疾病別、72こま目が医学的な入院継続や医学的な理由等と医療の状態。

 75こま目が検査の実施状況。

 76こま目で包括範囲ということで、検査に関しては包括ということになっているということです。

 77以降が追加の分析ということです。

 78をごらんください。左の2つがどちらも7対1、10対1から来ているということなのですが、一番左が自院、左から2つ目が他院ということです。疾患別に見ると、自院の7対1、10対1のところで下から2番目のデータ、骨折というのがありますが、ここが多い。これは自院と他院でちょっと違っていましたということです。

 79こま目、医療的な状態を見ますと、「自宅等」というところが上から3つ目ですが、「安定している」が67.1%で、その上の病棟から来ているというところと比べると少ないような状態。

 80こま目は、医学的な入院継続の理由ということですが、医療が必要であるという方はそれぞれのパーセンテージいますが、自院の7対1、10対1を見ますと、左から3つ目の「医学的には外来・在宅でもよいが、他の要因のため退院予定がない」というところが17.3%で、この割合がほかよりもちょっと多いかなと。

 81こま目は、医学的な理由の詳細ということを聞きますと、状態が不安定で、治療を行っているためという割合が、「自宅等」が26.7%で、ほかよりは多く出ていました。

 82こま目は検査の実施状況で、これは過去7日間にその検査をやっていたかということで、左側の検体検査を見ますと、「自宅等」は53.7%で、半分以上はやっている。右側が生体検査のほうで、「自宅等」は13.4%で、ほかより多かったです。

 83こま目は、左側はエックス線単純撮影で、余り変わりないのですが、右側のCTMRIを見ますと、自宅等のほうが多いような傾向が見えたということです。

 84こま目、地域包括ケア病棟については、入院から14日以内、病院の外から入院した方について加算がとれるとなっていて、これは急性期の病院からでも、自宅や介護施設等からでも、どちらも一緒で、とれるということになっているのですが、件数ベースで見ると左側のような状況、回数ベースでいうと右側のような状況ということでございます。これはどちらも同じ評価になっているということで、御参考と。

 85こま目、矢印の下ですが、分析しますと、入棟前の居場所別に見ると、自宅からと急性期病棟から転棟・転院ということを区分すると、患者さんの状態、疾病、入院の理由、検査の実施状況は一定の差があるのではないかと見えるのですが、このあたりの分析をどう見ればいいかというところについて御意見をいただければと思います。

 説明は以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 それでは、個別に分けていきたいと思います。まず1番、一般病棟入院基本料に関して議論していただきたいと思います。いかがでしょうか。本多委員、どうぞ。

○本多委員

 論点の議論の前に、重症度、医療・看護必要度のA、C項目の該当状況や、この基準に該当しない残りの75%の患者像について、また、ケアミックス型の7対1病棟とそれ以外の7対1病棟の平均在院日数の比較等について、これまでデータ要求をしてきましたが、まだ示されていないという状況です。そもそも28年度改定の答申書附帯意見に盛り込まれている、一般病棟における重症度、医療・看護必要度の見直しの影響と、特に平均在院日数に与える影響について、当分科会でほとんど議論されていない中で、今回、このような評価手法のあり方等を検討することについては、時期尚早ではないかと思います。

 今回7対1入院基本料の評価方法を検討する前に、まずは今申し上げたような28年度改定の見直しの影響を検証して、評価手法自体の妥当性、合理性を見極めることが不可欠だと思いますが、この点について、事務局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○武藤分科会長

 事務局、どうぞ。

○事務局

 御指摘ありがとうございます。

 入院医療分科会の主眼といいますか、テーマ、役割は、入院医療分科会でお諮りした調査票を使って実態調査をさせていただいて、入院医療のさまざまな関係するデータが上がってきますので、それについて評価・分析をしていただくということでございますので、診療報酬改定そのものの附帯意見、報酬の評価のあり方というところは、基本的には中医協総会マターでございまして、附帯意見に関係して検証部会というところで行っている調査とその結果の分析というところも全体のものということで、中医協総会で議論するところでございます。

 ただ、この入院分科会の調査に絡めまして、今、御指摘いただいたようなデータで評価指標とか評価項目の妥当性を検証するというのは、この分科会マターでありますので、その関係で適宜検証・調査の結果でも分析可能な部分は、こちらの分科会にお示しするということは可能でございますので、今、御指摘いただいたような評価の評価項目やその妥当性みたいなことに関連するデータというのは、分科会はあと何回かございますけれども、工夫して御提出できるように準備させていただきたいと思います。

○武藤分科会長

 よろしいですか。

○本多委員

 可能な限りデータを出していただいて、改定の議論そのものは中医協本体で議論するということは十分承知していますが、いずれにしろ入院医療の基礎データになるものは当分科会に出していただいて、その上で評価基準などを検討すべきだと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。神野委員、どうぞ。

○神野委員

 今回の課題の最初のほうが一般入院基本料の評価という話ですので、それが1点と、2番目の課題が重症度、医療・看護必要度の話ですので、それが1点ということで発言したいと思います。

 まず、1点目の入院基本料のほうですけれども、4ページにありますように、7対1と10対1の間の入院基本料の差が約2,600円で、非常に大きな差があるわけです。第1回だったか第2回のこの会で、手術料とかいろんなものを含めて単価を見ましても7対1と10対1に非常に大きな差があるという数字が出ていたと思います。そういった意味では、病院側のビヘービアとしては、7対1をとっていらっしゃるところはなかなか離れたくないというのが本意であります。

 その中で、今回10対1について、いろんな加算のこと、あるいは今、データを見せていただいて、平均在院日数が短い患者を見ているという10対1病棟も少なからずあるという事実がわかりました。そこは多くは看護師を加配しているということもデータとして見せていただいたわけであります。これは鶏と卵の話であって、加配しているから重症を見ているのか、重症だから加配せざるを得ないのかという話があるとは思いますけれども、ただ、事実としてそういうところがあるということですので、看護必要度加算1、2、3の中身というのを少しさわることによって、もしかすると、7対1と10対1の加配をしていて、しかも重症の患者を見ていて、平均在院日数の短い患者を見ている10対1病棟については、もう少し加算点数というところでいろいろさわるシミュレーションをしてはいかがかなという気がいたします。

 2つ目の重症度、医療・看護必要度のところになりますが、今回とても思い切ったというか、DPCEFファイルとの相関という提案が出てきたわけであります。ただ、実際相関があるかどうかというのはこれからでしょうから何とも言えないところなのですが、ただ、現場の看護師さんたちは毎日毎日つけるのに苦労していらっしゃるというのは現実問題であります。重症度、医療・看護必要度というのは、筒井先生を前にして言うのも何なのですけれども、研究とか看護師さんの仕事量とか病棟の配置とか、あるいは夜勤の人数とか、そういうものを見るときには非常にすばらしい見方だと思う。ただ、診療報酬ということになって、しかも精緻な数字をとれということになると、今、タスクシェアリング、タスクシフティングの話を一方でしながら、過重な負荷がかかっているというのも事実である。そういった意味では、EFファイルと相関しているかどうかをこれからお調べになるということに関しては、全面的に賛成するというか、それをやるべき話なのかなと思います。

 その中で、御指摘のとおり、ADLスコアとB項目のところについて、現在のADLスコアが入院前と後だけですので、途中点、例えば、今、高齢患者が非常にふえていて、術直後あるいは化学療法の直後に譫妄を起こして、看護師さんたちの手が非常にかかるという事態も発生しますので、ここについてはもう一工夫必要なのかなと。DPCのデータだけに加えて何らかのものは必要なのかなという気がいたします。

 まず、以上です。

○武藤分科会長

 御意見ありがとうございます。

 藤森委員、どうぞ。

○藤森委員

 ありがとうございます。

 28ページの重症度、医療・看護必要度とDPCデータのところ、繰り返しになりますけれども、例3に出ている該当日の違いというのは、システム的に全く対応可能なので、ここは大きな問題ではないと思っています。

 例1、例2に出ている定義の違いですが、これはむしろ現行の重症度、医療・看護必要度をEFデータでとれるか、とれないかという議論ではなくて、むしろ現行の医療看護必要度のA項目の2点あるいは3点というものが相対としてEFファイルとしてスコア化できないかどうかという議論にしたほうが多分なじむのだろうなと思います。個々に置きかえるということは確かにできないけれども、結局、A2点なりA3点なりという患者像なり看護、業務量なりがEFファイルの中の幾つかの項目を組み合わせてとれれば、それで目的は達するのだろうなと思いますので、ぜひそういう視点でお考えいただければ、またちょっと違う発想が出てくるかなと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 ちょっと教えてもらいたいのですが、7、8と11のところで、先ほど神野委員がおっしゃったことに関連するのかもしれないのですけれども、7と8について言えば、7対1、10対1の赤枠でくくってあるところ、例えば7対1だと該当患者割合が30%を超える医療機関も全体の3割弱存在するという評価、そして10対1のところは、該当患者割合が25%を超える医療機関も一定数存在する。これというのは11の表を説明する。要するに、11というのは、真ん中辺に三角とダイヤモンド形が重なっているところがありますね。こういうことを説明したいということなのでしょうか。重症度、医療・看護必要度というのは、7対1、10対1で見ていくと、そのパーセンテージが重複する部分がある。これは評価分科会ですから、これをどういうふうに評価するか。この赤枠のままが評価なのかどうかということなのですよ。それが一般入院管理料、先ほど言いました2,600円違うということについてのこれと不公平感があるということを言いたいのかどうなのか。この表ですね。それをちょっとお聞きしたいと思います。7、8、11の評価について、あるいはこれを出したということについてです。

○武藤分科会長

 事務局、どうぞ。

○事務局

 事務局が提出させていただいたデータの趣旨は、あくまでも評価の項目として平均在院日数とか必要度とか幾つかある中で、きょうは主に必要度の評価項目についてで、評価手法として、7対1は施設基準、届出の基準ということで、1点ですけれども、10対1については加算という形で、3段階ということと、手法として違う使い方をしているという前提のもと、実際7対1と10対1について、このパーセンテージの分布ですとか、平均在院日数の分布ですとか。おっしゃるように、11こま目は、どちらかというと重なっている部分もある中で、評価のやり方としては違うやり方をされているということについて、それぞれそういうものだからそうなのだというふうにとればいいのか、ちょっと御意見をいただければという趣旨です。

 ここでは点数の高低について説明のところで余り触れなかったつもりなのですけれども、評価のやり方の違いと実際出ているデータの分布とどういうふうに捉まえればいいかということですとか、逆にこういうところをもっと別の評価で見たら、こういう見え方をするのではないかということも御意見をいただければという趣旨でお出ししております。

○武藤分科会長

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 そうすると、7枚目のスライドについては、ようやく25%を超えて30%。それでも30%、重症のところを見ているというふうに我々は評価するし、一生懸命やっているなと。25%を超えるために相当苦労したというのを我々は聞いていますし、私のところもそうですし、それはそういう評価でございます。

 8については、10対1のところについても、看護師さんのいろいろな体制によって、それだけ重症の者も引き受けざるを得ないというのが私などの評価だったということです。それを11ページ目のように書けば、こういうふうに重なっているところもあるという単純なことになって、ここのところを細かく仕事の重さとかそういったことについて分類していくかどうかということなのですけれども、私は、これ以上いろんな加算でごしゃごしゃするというのは反対です。それは反対だということです。だから、この意味はどういう意味だったのか、ちょっとお聞きしたかったということでございます。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。岡村委員、どうぞ。

○岡村委員

 議題1の一番最後、31こま目の矢印の下で「事務の効率化・合理化の観点から」というのが出てくるのですけれども、先ほど看護必要度と報酬の区分のことに関してももう少し統一性があったほうがいいのではないでしょうか。要するに、シリンジが3本以上というのと診療報酬のほうでは違うというのを統一してほしいというのが一つです。

 5こま目の7対1の施設基準による評価で、評価期間が患者単位はいいのですけれども、病棟単位での評価が、看護必要度は直近1カ月、平均在院日数は直近3カ月、在宅復帰率は6カ月。これを例えば3カ月なら3カ月に統一していただいたほうが作業が楽です。

 29こま目で、28年度の改定、見直しで研修が負担になったというアンケートの結果が出ていると思います。指導者研修に参加しなければならないというのが、例えばeラーニングのDVDとかウエブで対応すればよいと思いますが、院内のウエブで対応できる施設が少ないのではないかという意見もありますので、その辺をちょっと検討していただければと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 牧野委員、どうぞ。

○牧野委員

 私も重症度、医療・看護必要度に関してのところですが、29こま目、このデータをとるために、先ほど神野先生がおっしゃったように、現場の看護師がすごい苦労しているのです。それが29こま目のグラフにもあらわれているということ。ですから、ただでさえ看護師さんは忙しいわけですから、そういった負荷を減らすという努力も我々としては大事ではないかなと思います。

 もう一つが、研修を受けるということの苦労があると書いていますが、逆に研修を受けなければ正しい評価ができないということは、かなり評価にばらつきが出てくる可能性がある、客観性に欠けるということの裏返しでもあると思うのです。そういったことを考えると、診療報酬にかかわるデータをうまく利用しながら、より客観的なデータをとるという工夫が必要かなと思います。

○武藤分科会長

 本多委員、どうぞ。

○本多委員

 論点にある、7対1と10対1では、重症度、医療・看護必要度の評価基準が必須の基準値による評価と段階的な評価という形で、異なっている点については、患者の状態に応じた評価といった観点で捉えれば、7対1も10対1と同様に患者の重症度に応じて段階的に評価するという手法も考えられるのではないかと思います。

 2点目の論点に関して、事務の効率化・合理化の観点から、既存の重症度、医療・看護必要度の測定業務を、現在7対1などで要件化されているデータ提出の内容で代替することが可能であれば、これに置きかえることに異論はありません。ただし、現在の測定方法との齟齬がどれぐらい生じるのかということを十分に検証し、データを示していただいた上で、現行の評価項目とDPCデータとの相関等を検証していくという方向には、全く異論はないと思います。よろしくお願いします。

○武藤分科会長

 では、尾形委員、どうぞ。

○尾形委員

 先ほど7枚目と8枚目をどう見るのかというお話だったので、これは明らかに制度によって規定されていると思います。つまり、7枚目のほうはカットオフ値なので、25%というところに非常に大きく塊がある。それに対して、8枚目のほうは段階的に設定しているので、正規分布とは言いませんけれども、かなりきれいな分布になっているということで、恐らく7対1についても、段階的なものを入れれば、25%以上のところでもう少しこういう分布になるのかなと思います。

 確認というか、基本的なことでお聞きしたいのですが、そもそもなぜこういう2つの異なる評価方法をとっているのか。合理的な理由があるのか、それとも単なる経緯の話なのかというところをちょっと確認させてください。それが1つです。

 もう一つは、31枚目の課題のところの後半の部分ですが、後半はかなり違う話かなと思っていて、抽象論としてどういう測定方法が適切かという議論は別途あるかもしれませんが、ここで提案されているのは、恐らく事務負担を軽減するということだろうと思うので、そういう観点からすると、測定方法を変更したときにどういう影響が出るのか、そこは十分踏まえる必要があるのかなと思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 では、事務局からその経緯について、何かございますか。

○事務局

 私以外の委員のほうが詳しいところもあるかもしれないのですが、前回、少し経緯の資料を出させていただいたように、7対1入院料ができた後、さらにその前から必要度については、ICUの治療室でそういった手間を評価するものとしてトライアルされてきていて、7対1ができた後に、議論もある中で、そういう手厚い配置に対して、そういった患者さんを見ているかということで入ったということでございます。

 ただ、7対1については、データ提出できる体制ですとか、病床規模も大きな医療機関が多いということなので、今、要件にして入っているということなのですが、10対1については、7対1よりも規模も小さい病院さんが多いですし、データ提出のための体制は、またそれはそれで必要になるので、そうすると、今は測定するという要件が入っていますけれども、確実ではない。であれば、加算でというような形で少しずつ広まってきているという考え方の違いで違いが出ていると考えております。

○武藤分科会長

 では、武井委員、どうぞ。

○武井委員

 いろいろな先生から看護必要度についてのお話があったのですが、現場の視点から少しお話をさせていただきます。

 まず、スライド23ADLスコアについてです。様式のADLスコアは、入院時と退院時に看護師が評価して入力しています。B項目も入院時から退院時まで評価しているので、できればADL評価は、ADLスコアとB項目、2種類評価するのではなくて、現場としてはB項目に統一していただければありがたいと思っています。Hファイルを提出しているので、様式1のADLスコアは中止を検討してもいいのではないかと考えます。

 重症度、医療・看護必要度についてですが、まずスライド29の重症度、医療・看護必要度の見直しの影響のところの結果から、現場の負担は、新項目の対応で研修とか作業が負担になっていることが示されています。2年に1回の診療報酬の改定で毎回項目を変更していることの現場負担はやはり大きいと思われます。それについては、前回突然のようにC項目というのが出てきたのですが、そのようなことがないよう、配慮が必要であるのかと考えます。

 また、多くの病院の看護部の声を聞く機会があるのですが、A項目の評価というのは、ある程度定着をしているのですが、C項目については現在でもかなり混乱している状況や、評価が難しいという声が聞かれています。なので、資料で示されているようなC項目を、データでとるということも検討していただければいいかと思います。 あと、多くの声を聞いていく中での感覚でのお話ですが、負担というのは、一つ電子化してあるない、にも大きく左右されていたり、看護部だけで重症度、医療・看護必要度をやっている病院と、病院全体で連携しながらやっている、その差もこの負担の差があるいうのは、現場の声として聞いているところであります。

 あと、重症度、医療・看護必要度A、C項目の突合と、診療区分との関連についてですが、DPCデータで突合で評価できるところは実施していっていただければと思うのですが、現実難しいところがあって、C項目で言うと、Kコードに加え細かい判断基準があるので、Kコードに簡単に置きかえられない事とか、現在、DPCデータというのは3カ月に1回の提出であるのですが、この評価のタイミングやデータ提出期間はどうするのか、例えばデータ提出を1カ月にするなどということになると、かなり事務レベルの負担が大きくなるのではないかと、多くを調整する事が必要となりますので、安易な改善ではなく、じっくり検討していく必要があると思います。

 また、A項目についてですが、管理という項目があります。この管理というのは、医師の指示に対して、看護師が看護の役割である診療補助を実践いることについて評価をしているのですが、これはなかなかDPCデータからは見えないと思います。また、今では医療・看護必要度は医療現場の実態を示す大事なデータになっていると思いますので、十分な検討をしていってほしいと思います。

 ただ、最後の評価の視点にあります検証とは、進めていただいて、前向きに考えていければいいのかと思っています。

 以上です。

○武藤分科会長

 筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

 今回の30枚目を読んで、31枚目は、看護必要度の話になっています。最初に本多委員がおっしゃったよう、この議論の進め方については慎重さが足りないなということをまず申し上げたいと思います。入院医療分科会の役割というのは、先ほど本多委員も質問されていましたが、ここで分析の議論をする際に分析に関する意見を我々のような研究者や、団体を代表された先生方がおっしゃる場合には、これだけ制度設計の不特定要素があるところでは安易に話せないと思います。このことは、すべての先生方が思っておられるところだと思います。それから、重症度、医療・看護必要度で、先ほど負担が重いということをおっしゃられたのですけれども、負担の重さの原因というのは、昨年、突然、C項目が出てきて、それをやれと言われて、混乱をしながらも現場はやってきたという経緯があります。これは資料に示されているように新規項目に負担があったと回答されていることからもわかります。先ほど武井委員もおっしゃっておられましたが、C項目について実際やっているのは看護師でして、システムがないとできないですし、このことが負担になっていると聞いています。そして、この負担について問題なのは、医者が看護師に丸投げしているとだとも伺っております。「負担だ、負担だ」という意見を医者に言って、医者が協力しているという話にはなっていないということがむしろ問題であるともいえます。そこは多職種連携という観点からいえば、これができていない病院、つまり、臨床の協力体制がよろしくないところの意見が通ってしまうのかなとも思います。

 それから、経緯についても問題ということを申し上げます。診療報酬の算定のツールとしてDPCというのはやっと定着してきているとは思うのですが、出来高と包括と2種類を比較しながら、請求区分を決定するということをだいたいの病院はやっております。つまり、包括範囲でそもそも出来高算定できないものを適切に算定しているかということを担保できるかという問題もあります。

一方、看護必要度というのは、10年前に建議が出まして、人員さえあれば7対1がとれるというので看護師を集めた。そういう病院に実際は軽い患者がいるではないかという意見があって、重症な患者というか、医療資源を投下しなければいけない患者がいるので看護師も要ることを示さねばならなかったにも関わらず、ここをきちんとしないで、人員配置だけでやってしまったのです。そのときに建議が出まして、これは困るのでというので看護必要度という施設基準を利用するということになりましたが、そのときに実際に7対1をとっていた病院から、これをやめさせることはなかなかできませんでした。ですから、7対1病棟の調査を実施し、その実態を把握して、そのとき重症患者がどのぐらいいたかというのを参考にして、カットオフ値というものが選定されているのです。

 ですから、10年かかっても、なかなか適正化がすすまないという状況となっているわけですが、これは厚労省のミスだったと思います。こういうミスを犯したために、これを何とかフォローするというので今日まできているのですが、基本的には、10年間で随分、よくなったなとは思います。在院日数も短くなったし、先ほどの25%というのもほとんどがクリアして、機能分化も徐々に図られてきてはいるようです。

したがって、これを今後もこの方法を踏襲すべきだと思いますが、ここでさらに重要なことは、重症度、医療・看護必要度というのは、患者さんの日々の変動を配慮した人員を確保しなければいけない、そういうことが急性期病院には求められている。それを評価するために日々日内変動を評価するようなことをやっているのだということを十分に理解することです。多分、看護師にとっては、この評価は負担というよりは、自らの病棟の実態を評価する指標になっている。これは看護師だけでないと思います。先ほど、申し上げたように、これは、結論的には医師とほかのパラメディカルとの協働の医療サービスの投入の実態を我が国ではかなり丁寧に評価していることを示す指標となっています。このことは、わが国の医療の質の向上という観点からも重要なことなのではないかと思っています。

 今の感じだと、手続きの話、評価手法としての妥当性の話、そして、現実的なこととして、例えば来年度にどうするのかという3つの観点から話さなければいけないわけですが、本日の資料と議論というのは、この3点のいずれも明確でない中で、しかも全く整理されずに資料が出てきているので、順番を決めていただいて、どういうところからこの分科会で話すかという焦点を絞って出されたほうがよかったと思います。これは意見です。

 以上です。

○武藤分科会長

 御意見ありがとうございます。

 では、池端先生、どうぞ。

○池端委員

 私は、主に療養病床を中心とした立場でこの分科会に参加させていただいているかと思いますけれども、重症度、医療・看護必要度は、一緒とは言いませんが、療養病床の医療区分と少し関連があるかと思うので、意見を1つ言わせていただいて、あと御質問を1つさせていただこうと思います。

 今、筒井委員がおっしゃっていたことは、確かにそうだなと納得したところですが、ただ、重症度、医療・看護必要度とこの資料に出されたA、C項目との対比ということに関しては、先ほど冒頭に本多委員あるいは藤森委員がおっしゃったように、重症度、医療・看護必要度の整合性を今どうこうということよりも、例えば25%のカットオフの中の75%が決して病棟を飛び回っている元気な人ではないということを改めて検証するという意味でデータをつくるということは、非常に意味があることではないかと思っています。

 それで、なおかつ重症度がある程度整合性があるというデータが出て、もし使えるものがあれば簡素化で使うという方法で、決してこれが全部置きかわるということではなくて考えていけばいいのかな。そういう制度設計をしながら、では、来年までどこまで行く、次の改定でどこをするということを少し考えていただければ、これは非常に意味があることかなと思っています。

 カットオフなのですけれども、全体として25%のカットオフということは一つありますけれども、C項目のカットオフもあるのです。術後7日以内とか以上とか、ここで7日たったら必ず退院できる患者かと言えば、そうではない患者さんもいる。そこもひょっとしたらDPCデータでデータをとればあぶり出せるのではないか。そういう意味での患者像が少し明確に見えてきて、7対1は重度の患者がこれくらいいて、比較的軽度の患者がこれくらいいるよということがわかれば、一般の方々ももう少し理解していただけるのかなということを感じていますので、そういう意味でもこの検証はやっていただけるといいのかなと思っています。

 もう一点はADL関連項目。先ほど武井委員がおっしゃいましたように、B項目とDPCADLスコアも統一したらどうかということで、これは療養病床もADL区分も近いので、これはほとんど変わらないと思うので、全部一気通貫に統一していただけるという方向で考えていただいてもいいのかなと。これは意見です。

 一つ質問なのですが、11ページにあります分布図ですが、非常に外れ値に近いところ、例えば重症度が40数%で、平均在院日数が4日とか3日とか、こういう10対1の病棟がある。前回出した13対1、15対1でも非常に外れ値が多い。これは科が違う。例えば整形とかで手術をどんどんやっているとか、眼科でやっているとか、こういうところも一緒に入っているので、非常に外れ値が多くなってしまう。一方で、7対1はある程度収れんされているということがあるので、10対1の膨大な外れ値を持っている、これを何とかしようというのは非常に難しい。もしそれをするなら、科の分析とか、13対1、15対1と同じような分析もしながら考えないと、間違った加算とか間違った方向に持っていくのではないかと思うので、その辺も少し分析できたらしていただけるといいのかなと思いますが、その辺、いかがでしょうか。10対1の科とか規模とか。小さい、単科で手術だけどんどんやっているところがあるのではないかということなのですけれども。

○武藤分科会長

 では、事務局、よろしいですか。どうぞ。

○事務局

 御質問の部分ですが、6月21日のときに病床規模別というのも出させていただいたのですけれども、きょうは筒井委員からも御指摘いただきましたが、評価手法として同じ評価尺度なのですけれども、この場合、手法と言っているのは、施設基準ということと加算ということで、それぞれの違いというところは、0か1かという使い方と、階段状にして合うところを選ぶというやり方の違い以外何かありますかということについて、少し御意見をいただきたかったという趣旨で出しているので、11こま目の10対1をさらにというところは、今回10対1も含めていろいろお出しさせていただいているので、規模は、前回出したときに、200床未満の100床のところが多いというところが、7対1との違いということでは出てきている。

○武藤分科会長

 時間配分の関係から、そろそろ次の項目に移りたいと思います。では、最後に。

○石川委員

 済みません。115%で区切った看護職員配置というのがありますね。115%というのは、数値的にはちょっと恣意的なものがあるのではないかなと思っています。

 それから、DPCとの突合ということで、測定方法をいろいろ簡略化しようという試みはいいのですけれども、これは余りにもアバウトで、まだ実験段階だなということなので、これはもう少し詳細に研究をされたほうがいいのではないかなという意見でございます。

 以上です。

○武藤分科会長

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 ちょうど電子カルテの使い道について、いろんな病院と検討会をやっているのですが、重症度、医療・看護必要度、看護の負担だけではないのです。実際に看護師さんがつけたものをもう一回事務が見て、あるいは薬剤師が見て、それを電子カルテで共有しながら再提案するとか、チームかがりでやらないとなかなか25%をクリアできないというところがたくさんある。15のときには楽勝だったから皆さんのんびりやっていたのが、25になった途端にぎりぎりになってしまったものだから、病院がかりでないとなかなかできないという状況になって、それはチーム医療としてはとてもいい話なのですけれども、ただ、その中で、もしDPCでかわれるものならかわっていただきたい。ただ、そのときに1対1で、重症度、医療・看護必要度のこの項目をDPCのこの項目に当てろというのは絶対無理に決まっているのでありまして、そこでどれぐらいの上ぶれがあるのだとか、どれぐらいの下ぶれがあるのだということを考えながら、上ぶれがいっぱいあるならば、25を多少上げてもいいかもしれないし、下ぶれがいっぱいあるならば25を下げるとか、そういう広い意味で検討いただきたいなと思いました。

○武藤分科会長

DPCのデータを持っていくにしても、その検証が必要だということですね。

 では、また後ほど戻ってきてもよろしいので、次の入退院支援について移りたいと思いますが、いかがでしょうか。本多委員、どうぞ。

○本多委員

 この論点にある在宅復帰率については、これまでも急性期病棟を評価する指標としては形骸化しているため、見直しをしてほしいと申し上げてきました。今回、率の基準値は論点となっておりませんが、今後、仮に在宅復帰率を存続させて、効果的な指標としていくという観点ならば、当該指標は、生活の質を維持した形で、住みなれた地域の住まいへの患者の復帰を促進するという理念のもとで導入したという経緯を踏まえると、本来は自宅が最も評価される指標であるべきだと思います。

 また、在宅復帰率は一般病棟の施設基準として設けられておりますが、これを施設基準として考える必要があるのかと思います。

 今回のテーマが入退院支援なので、現行の退院支援加算におけるアウトカムの基準といった評価軸として活用するという考え方もあるのではないかと思うのですが、事務局の御意見を聞かせていただければと思います。

○武藤分科会長

 では、よろしいですか。

○事務局

 論点で在宅復帰率を出させていただいていますのは、この場でもそういう御指摘をいただいたということですので、またきょうそういう御意見をいただいたということで、中間取りまとめに向けて整理させていただきたいと思います。

○武藤分科会長

 牧野委員、どうぞ。

○牧野委員

 今の在宅復帰率に関係したところですけれども、一般病院、急性期病院の立場からいきますと、そこに入院している患者さんは自宅復帰というのが理想ではありますが、当然そういった患者さんだけではないわけでありまして、そういった患者さんをいかに高コストな急性期病棟、7対1病棟からそうでないところに移行させるということも非常に大事な話でして、ですから、そこは連携の評価ということになるのだと思うのです。

 ですから、「在宅」という言葉を使ってしまうからややこしわけで、むしろ連携も含めた評価というふうに考えていただいたほうがいいのかなと思います。

○武藤分科会長

 ほかにございますか。神野委員、どうぞ。

○神野委員

 全く私も同じ思いなのですけれども、急性期病院の在宅復帰率はナンセンスというか、平均在院日数と重症度、医療・看護必要度で十分ドライブしているわけですので、何ならやめてもいいのではないかというぐらいに思うわけであります。

 もしそうでないとするならば、これは全然深く考えておりませんけれども、退院・退棟率とかそういったものを評価につなげるかどうかという話でいくべきであって、相手が強化型かどうかとか、そんなことは関係ないわけで、とにかく短い時間で急性期医療が終わったら次のところに移っていただくということだけでよろしいのかなと思います。

 そういった意味で、例のクリニカルパスの計画については、事務局からいろいろお示しのとおり、実際減っているわけでありますし、今、こうやって連携の話をしている、あるいは転棟、退院の話をしているわけですので、今回の数字から見れば、2について認めないということをどこかで見直すべきなのかなと思うところであります。

 あと、入退院の話になりますが、特に地域にいますと、急性期といえども高齢患者がふえておりますので、前方連携の入院時と後方連携の転棟、退棟、退院時、前も後ろもなくなってきたというか、前からも要介護を持った方が紹介されて救急で入院してきて、そして要介護を持ったまま帰っていくということが非常に繰り返しになりますので、入るときからきちんと介護との連携等々をやるべきなのかな、評価すべきなのかなと思います。

 その中で、46ページの算定要件の退院困難な要因のケのその他について、今回48ページに原因として挙げていただいたわけですが、その中で下の2つ、「施設からの入院であり、施設での管理や療養場所の選択に支援が必要な状態」とか、「在宅サービス利用の再調整や検討が必要な状態」というのがその他として挙がっているわけですけれども、これはその他でなくて、ダブル改定でこれからの介護との連携が挙げられておりますので、明示すべき内容ではないのかなと思いました。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。尾形委員、どうぞ。

○尾形委員

 63ページの図ですが、非常にわかりやすく整理していただいていると思いますが、これを見ると、「在宅復帰率」という名称が極めてミスリーディングだと思います。回復リハ病棟を除いてどこが在宅なのかという感じがするので、やはり名称は少し考えたほうがいいのかなと思います。

 それから、ここですと、分子と分母、いずれも再入院患者が除かれているわけで、これは一つの整理だと思いますが、ただ、そのためには、一方で再入院の状況について別途評価しているということがあって初めてこういうことが成り立つのかなと思うので、早期退院とか、あるいは在宅復帰というのは望ましいことだと思いますけれども、あわせて再入院率が少ないといったようなサービスの質の担保というのも重要かなと思います。諸外国では予定しない再入院とか死亡については重要な指標となっていると思いますし、例えばアメリカのメディケアだと30日で見ていたりするわけで、もう少しデータを収集して、これは将来的な話としてですが、再入院率みたいなものを何らかの形で評価することはぜひ検討していただきたいと思います。これは要望です。

○武藤分科会長

 武井委員、どうぞ。

○武井委員

 入退院支援についてですが、入院早期の効果的な退院支援として、今、いろんな病院で設置が進められている入退院センターというものがあるのですが、看護師が入院前から身体的、社会背景の情報収集をしたり、介護保険が未加入であれば手続をしたり、ケアマネと早期に連携を開始したりと、在宅での生活状況を把握して、早期から計画を立ててサービス調整や在宅指導が進められて、在院日数の短縮や、患者さんの満足度向上にもつながっていると聞いています。

 また、入院前に薬剤師が内服薬の把握をして、入院治療にあわせた休薬や、患者への説明がを実施することで入院後の治療が安全で円滑になり、患者にとって安心で安全な入院医療の提供ということにつながっていると思います。また、患者、御家族の状態にあわせた在宅への移行支援も進んでいると思いますので、ぜひ入院前からの退院支援の取り組みについても検討していっていただければと思います。

○武藤分科会長

 菅原委員、どうぞ。

○菅原委員

 ありがとうございます。

 今、武井委員からお話があった後で、ちょっと申し上げにくい部分もあるのですが、退院支援加算によってさまざまなメリットがあることは十分わかるのですけれども、一方で、例えば42こま目の図を見ていただくと、7対1とか回復期リハビリテーションに関しては、退院支援加算をとっているところの在院日数が必ずしも十分短縮されているわけではない。一面的な見方ですので、これだけでは十分評価できないですけれども、そういう状況も見えてまいります。そうしますと、退院支援加算が導入後も十分機能していない、少なくとも平均在院日数の短縮につながっていない側面もどうやらありそうだという一端も見えていますので、そのあたりの背景についてもう少し掘り下げて分析していただきたいなという部分が1点でございます。

 それから、40こま目になりますが、全体として算定状況は伸びているという説明でありますし、そのとおりかと思いますが、一方で、下のほうで退院前の訪問指導料などは伸び悩んでいますというか、若干下がっているようなものもございます。たくさん退院に向けた支援・連携に関する評価項目も入っているのですが、中には十分使われていなかったり、使いづらかったり、あるいはニーズそのものがどうなっているのかわからないので評価しづらいというものも含まれているようですので、このあたりが伸びてこない背景、原因についても少し掘り下げた分析が必要かなと思います。

 最後なのですけれども、先ほど神野委員もちょっと触れられていましたけれども、46こま目、退院支援加算のケの部分が今回掘り下げられて48こま目ということになったわけですが、私は医療の専門家ではございませんが、外から見ていますと、退院が困難になっている状況の中には、医療とか介護の専門的なサービスの必要性により、それが十分担保できなくて出ていけないという側面と、もう一つ、患者さんの社会的な背景とかそういう要因によって出ていけない、どうも大きく2つの要因がありそうだということは十分わかってまいります。退院させていくということは医療機関にとって非常に大事なことだということは十分理解しますが、全く違う背景のものを「退院困難」という形でこれを支援し、医療保険の中で保険点数を加算するという状況は、若干これでいいのかなという気がします。

 先ほど説明にありましたが、福祉的な要因によって、例えば今回挙がっている、未婚により育児サポート体制がないからとか、生活困窮による無保険、支払い困難というのは、たまたま医療機関の中でそれが発現しただけであって、ほかの部分であれば、当然福祉的なサポートの中でケアされる部分なのです。それをどこまで医療機関の中でやるかということでもありますが、こういった方々がふえてくる中で、それをやったからといって、医療保険の中で医療機関に対して加算をつけるという考え方が本当にいいのかどうかについては、少し慎重に議論されたほうがいいのではないかなと思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 では、筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

 今のお話はそのとおりだと思うのですけれども、ただ、実態として社会的入院というのは今は少なくなりましたが、実際に退院できない理由は、この資料に示されている通りでしょう。本来、診療報酬でこういったことへの対応をしなければならないかについては、おっしゃる通りでしょうが、それでも診療報酬で何らかの手当をしなければいけなかったという社会的背景はあったし、今もあるということでしょう。それをやめられるかといえば、現状ではなかなか難しいだろうと思います。

 ただ、今回、新しく出していただいたデータで大変重要なデータが幾つもあって、49ページから53ページのところを見ていくと、15対1とか13対1の一般病院入院基本料をとっている病院は、結構、典型的な病院のあり方というか、連携の様子がこのデータからわかるのですけれども、ここは介護支援専門員との連携は割とやっているのですが、自治体との連携がちょっと難しいというデータになっているのです。地域ケア会議の参加とかが少なくて、地域の中で病院が信頼されていない、地域の病院であるというような実態を持っていないというか、きつい言い方をすれば、期待されていない病院になっている。だから、地域ケア会議にも呼ばれていないのだろうという結果が示されていると思うのです。

すでに介護保険制度においても保険者は在宅医療介護連携はやらなければならないわけですから、自治体との連携というところがきっとポイントになると思うのです。今回は、同時改定ですから、迫井さんは老健課長をやっておられたので、医療と介護をつなぐことができるような報酬、地域包括ケア報酬のような新たなものをつくっていただくことをお願いしたいです。

 ちょっと気になっているのはスライド50のところで、赤の「情報提供は受けていない」というところですが、7対1とか療養もこの回答は少なくないですが、結局、情報提供を受けていないと退院支援はできないのです。退院する場所がどういう状況か、入院時にどういう退院計画を立てるべきかといったことは、情報がなければ、そういう本質的なことができないということになる。

介護保険制度においては、医療との連携に関しては情報提供に関する報酬があるので、そちらのデータを加えたほうがより退院支援の実態はわかると思うのですが、現行では、制度は分断しています。

このあたりの整合性を医療課と老健課でとっていただいて、一方がついて、一方がついていなくてということがないような、包括的なことをぜひやっていただくのをお願いしたいし、そういう意気込みについては、ぜひ課長に聞きたいと思います。

○武藤分科会長

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 今、筒井委員がおっしゃったのは、全くそのとおりだと思っていまして、ここで以前お話ししましたように、福井県は入退院支援ルールをつくって、利用者が入院して3日以内に介護ケアマネは必ず連絡すること。病院側も必ず3日に情報をとることということを福井県全体のルールにしようということで、これは1年かけて、4つの医療圏ごとに多職種を全部集めて話をして、今、85%は1週間以内に情報提供ができているというデータが出ているのですね。

 ただ、一方で、今までなぜできなかったかというと、介護報酬上は入院時にケアマネさんは3回加算がとれるのですけれども、入院側は入院時に情報連携しても、1の施設基準を満たしていなければ全くとれないという現状なので、特に同時改定のときはチャンスだと思いますので、薄くてもいいですからここに何らかの加算がつく形で、それができると一気に進むような気がします。その情報があることで入院、退院がすごく早く進んだり、治療計画も変わってくることがあるのです。この方はどこまで上げれば退院できるかということを治療する前にわかれば、治療の内容も変わってくる。そうすると、退院直前に呼ばれる退院前カンファレンスでなくて、入院中のカンファレンスもケアマネが呼んで、そして治療も一緒に考えていくということができるようになってくるので、少し細かな連携加算みたいなものがあるといいなかと思うのです。

 せっかく入退院と書いてあるので、加算でも必ず入退院ということに。今、「退院」しか出ていませんから、「入退院」という言葉を入れていただけるといいのかなと思いました。

○武藤分科会長

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 49からの介護支援専門員との連携ということについては、まだ急性期医療の先生方が介護とかそういったところの連携に頭がなかなか進んでいない、昔からシフトできていないのではないかということのあらわれだと思うのです。こういう点では、7対1の先生方、10対1の病院、そういったところで連携の意味、特に介護に向けての重要性というものをもう少し意識していただく必要があると痛切に感じました。

 それと同時に、地域連携診療計画がこれだけ減ってきているというのはちょっと驚きでして、私たちが連携パスというのを非常に重視して、スムースに患者さんを治していくというところで非常に武器にしていたわけですが、こういうふうに少なくなってきてしまうということについて、もう少し分析をしていただいて、これがどうなのか、ちゃんと治せるのかということで、そういう調査方法を出していただきたいと思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 牧野委員、どうぞ。

○牧野委員

 まず、今の地域連携計画加算に関連しての話ですが、地域連携計画は、回復期リハビリテーションの病棟が回復期リハビリテーション入院料算定病床で多く使っているのです。54枚目です。ただ、42枚目のところを見ますと、回復期リハビリテーション入院料算定病床では、退院支援加算の算定がほかの区分に比べて少ないのです。特に算定要件というのが退院支援加算1に限定されているのです。2はだめなのです。1がとれているのは、42枚で見ますと、76施設中23施設。30%と非常に少なくなっている。これがかなり影響しているのではないかなと思います。

 退院支援1の要件というのは、退院までの準備期間の短い急性期病院にとっては、3日以内にいろいろ評価するというふうにスピード感が重要なのですけれども、ただ、回復期リハビリの病院というのは、最初からリハビリのために1カ月とか何週間かかけてということが決まっているときに、では、大急ぎでそういった退院支援をする必要があるのかというと、ここは現状に合っていないのではないかなと。ですから、そういったことを考慮した上で、1に限定するということは、地域連携計画加算が伸びない大きな理由になっていると私自身は考えています。

 もう一ついいですか。

○武藤分科会長

 どうぞ。

○牧野委員

 入退院支援に関してですが、入院時から退院困難者を抽出することで退院支援が間違いなく進んでいる。入院が決まった段階、入院前の段階で退院困難者の抽出を行うということは、さらに退院支援が円滑に進むと考えます。ただ、問題なのが、これは予定入院の患者さんに対してだけの効果しかないということなのです。

 59枚目のところを見ていただきますと、7対1の入院基本料の患者さんの6割が緊急入院なのです。予定入院は4割しかいない。4割の患者さんに対してしか効果がないということになります。ですから、全体で退院支援を進めて在院日数を短くする方向に動かそうとすると、緊急入院の人に対する配慮ということも必要になるのだと思います。

 43枚目を見ていただきますと、病棟配置の相談員の受け持ち患者数がここに書かれています。算定ありの病棟の相談員1人当たりの受け持ち患者数というのは、30.9から37.1。A票からD票まで大きな差はありません。ただ、この人数というのは、調査の方法として11月1日一時点での患者さんの数なのです。その日持っていた患者さんが急性期病院では2週間後にはいなくなっている。ところが、ほかの病棟ではかなりの方が残っているということで、1人当たりが1カ月間に持っている患者さんの数というのはかなり違うはずなのです。ということは、1人が処理できる数を大体30人台ということで考えると、より多くの処理をしようすれば、もっと人がたくさん必要になるということの裏返しにも見えるのかなと思いますので、そういったことも考えていただきたいなと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 時間の関係で、そろそろ3番の地域包括ケア病棟に移りたいと思いますが、御意見ございますでしょうか。本多委員、どうぞ。

○本多委員

 これまでの地域包括ケア病棟の議論の際も、急性期病棟からの受け入れと自宅等からの受け入れに係る評価を分けて考えるべきと申し上げましたが、地域に根差して、自宅からある程度の急性期患者を受け入れるといった本来の地域包括ケア病棟に求められる役割というものを踏まえると、論点にあるように、自院と他院で評価を分けるという考え方もあるかと思いますが、むしろどれだけ自宅等から患者を受け入れているか、また、簡易な手術でもある程度実施しているのかといったことなど、本来求められている機能の視点で評価のあり方も考えられるのではないかと思います。

 以上、意見です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。牧野委員。

○牧野委員

 地域包括ケア病棟の自宅から来た患者さんのデータ、特に検査とか画像といったものが、ほかの区分に比べると多いというのは明らかに見てとれるというデータが出ています。ですから、この部分はそういった患者さんを受け入れることで負荷がかかるということがあるわけですから、病院の立場としては、そこに何らかの加算を設けていただくとうれしいかなと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。藤森委員。

○藤森委員

 地域包括ケア病棟の関連で59ページのところに戻りますが、予定入院・緊急入院別で地域包括ケア病棟のところが緊急が6割弱いて、予定が4割ぐらいですけれども、緊急・予定というのは、直接地域包括ケア病棟に入ってきた患者さんですか、それとも転棟も含めてですか。というのは、nの1,395というのが70ページのnと全く同じなので、そうすると、自院の転棟も含むのか。そうすると、余り意味がない集計かなと思うのですが、いかがなのでしょう。

○武藤分科会長

 では、事務局、どうぞ。

○事務局

 こちらは、調査日時点で地域包括ケア病棟とか対象病棟にいる人が緊急入院であったか、予定入院であったか。

○藤森委員

 一般病棟に緊急入院した患者さんがこちらに転棟した人も緊急に入っていると。

○事務局

 緊急で入っていれば緊急です。

○藤森委員

 ここの集計は、ほかの病棟と比べるとちょっと意味が違うのだろうなという気はするのです。基本的に自院からの転棟は4割いるわけですね。そうすると、本来であれば、ここに入棟したときのイメージということなのだろうと思うのですけれども、違うのですか。

○事務局

 この調査のやり方が。

○藤森委員

 それはわかります。そうすると、この病棟に関しては、6割というのを余り素直に緊急と見ないほうがいいということですね。

○事務局

 そのデータの読み方としてはそういう前提で見ていただく必要があります。

○藤森委員

 そうですね。わかりました。

○武藤分科会長

 ほかにございますか。田宮委員、どうぞ。

○田宮委員

 少し前のところに戻ってしまって加算ともかかわるのですけれども、先ほどから話に出ている48ページにいろいろな退院困難な要因があって、かなり社会的なものが大きいと。これを診療報酬でやるのはどうかというのは、本当にそう思うのですけれども、筒井委員もおっしゃったように、現実は救急車で来たり、いろんなことで来たりして、こういう方たちが病院から出られずいるというのが現実でもあるので、バトンを渡す側の医療のほうでも何らかの評価をきちっとしてつなげるということにインセンティブを持たせることが非常に重要だろうと思います。

 それとかかわって、上にあるような問題は家から来る方に多いわけで、家から家に帰すときに非常にこういう問題が起きて、ほかのサービスにつなげるとしてもいろいろ大変なわけです。そう考えますと、加算とかかわるので63ページに戻るのですが、今度行く先のほうの在宅復帰率の算出方法というところで、これは介護にもかかわるのですけれども、自宅に帰す場合と居宅系介護施設に返す場合と全く状況が違います。居宅系介護施設は施設ですから整っているわけです。そういうところに入れない人が自宅に帰らざるを得ない状況というのもかなります。ここはここで話すことではないだろうと思うのですけれども、自宅という考え方は、48ページのときから、自宅から来た人の調整というのは違う意味があるということをわかっていただきたいし、そのゴールである介護のほうも、自宅復帰、在宅復帰といったときに居宅を在宅と同じに扱うのは、政策を議論するときにも、前からよくないのではないかなと思っていたので、これは介護のほうなのでしょうけれども、こういう観点からも申し上げたいと思います。

 最後ですが、64ページの再入院率のことは、いろんな評価で重要だと思います。なので、ぜひ再入院率も評価に入れたいと思うのですけれども、このときに重症度できちっとアジャストしないとならないことをお話したいと思います。必要のある人はもう一回再入院する率がどうしても高いわけで、再入院率を下げるためにそれを避けてしまうということが起きると、それはよくないわけです。緻密に再入院率の評価をするときには、アメリカもケースミックス、いろいろアジャストしていますけれども、そこをきちっとして、必要な再入院かどうかというところの区別ができる必要はあるかなと思います。これは加算を考えるときに全体に必要と思いますけれども。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 今回いろんなデータから地域包括ケア病棟に2種類あるという話は理解できました。ただ、地域包括ケア病棟の最初の設立のときに言われたのが、在宅医療を支援するということでしたので、それが例えば7対1、10対1から地域包括ケア病棟に転棟して、在宅医療のための準備という段階にいて、在宅に持っていくという方と、それから在宅で軽度急変みたいなときに見るということで、確かに投入医療資源は違いますけれども、目的としては同じはずなので、そこの差をどれだけつけるかということについては検討を要するのかなと思います。

○武藤分科会長

 武井委員、どうぞ。

○武井委員

 地域包括ケア病棟なのですが、現在は、地域包括ケア病棟の重症度、医療・看護必要度は、A、C項目だけでして、B項目は評価していないです。ただ、一般病棟、回リハ、療養はまたちょっと違う形ですが、ADLをとっている中で、地域包括ケア病棟もB項目を評価していったほうが患者さんの状態等が把握できるのではないかと思います。地域包括ケア病棟も在宅退院支援、生活期リハビリテーション、治療といろいろな機能が求められているので、患者さんの状態の把握、ADLの変化というところを可視化するためにも、評価をしていったほうがいいのではないかと思うので、御検討いただければと思います。

○武藤分科会長

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 私も皆さんの意見とほとんど同じなのですけれども、特に神野委員もおっしゃったように、本来地域包括ケア病棟の3つの機能というのがあるのを、今、確かにこの2つの機能が少しずつ違って、在宅は少し大変だ、少し加算を上げたいというところは非常に賛成するのですが、かといってそれをどんどん差別化していくと、以前のような亜急性期病院の1と2というふうに分かれてしまっては、それはまた先祖返りのような変な話になってしまうので、それぞれの病院、それぞれの地域によって多少温度差はあるけれども、3つの機能を使い勝手よくやれるのだよ、だから手術もできるようにしましたよということは、もう少し育てていく。地域包括ケア病棟を育てるという意味での加算ということであってほしいと思うし、それを分断するということはしないでいただきたいと思います。

 これは質問なのですが、今、急性期、7対1、10対1のDPCデータ等を少し評価しようとなると、ひょっとしたら地域包括ケア病棟のA、C項目と、あるいは地域包括のパフォーマンスを見るDPCデータ加算もどうなっているかというのを見ると、何か出てくるのでしょうか。余り意味がないのでしょうか。今、ふっと考えたのですけれども、医療課はその辺のお考えがあるでしょうか。地域包括ケアのパフォーマンスを見るために、7対1、10対1と今やろうとしているような重症度、医療・看護必要度と評価加算と。今、地域包括ケアの重症度、医療・看護必要度の10%のカットオフがありますね。それは特に今は考えていなかったですか。

○武藤分科会長

 どうぞ。

○事務局

 今、評価の仕方としてそういう評価もやってみてはどうかという御意見と承ったので、そういう議論もあったということで。

○池端委員

 はい。

○武藤分科会長

 では、筒井委員、どうぞ。

○筒井委員

 看護必要度A、B、Cは、患者調査で地域包括ケア病棟はとっていなかったのでしたか。全部とったのではなかったですか。

○事務局

 確認します。

○筒井委員

 もしとっているのだったら、地域包括ケア病棟の病態像と状態像、端的に言うと、B項目と先ほど武井委員がおっしゃったのは、7対1から退院するときの状態像と地域包括ケア病棟から退院するときの状態像が明らかに違うかどうかという分析が、もしB項目があればできるわけですね。それの違いを見ることによって、サブアキュートとポストアキュートの機能についてどういうふうに果たしているかということは、ある程度、解析が可能になってくるのと思います。つまり、AとBとCのつき方によって、その患者像がどうだったかということがわかるのです。なので、データがあれば出していただくということですし、地域包括ケア病棟協議会は独自にそういうデータをとっておられて、そのような参考になる資料もあると思うので、検討していただくとよいと思いました。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 そろそろ予定していた時間が迫っておりますが、全体として何か言い残されたことはございますか。林田委員、どうぞ。

○林田委員

 ありがとうございます。

 看護必要度に関して1点だけ。これに関しては、その役割とか目的に配慮しながら、負担軽減という観点からいろいろと代替可能性を検証することは非常に重要かなと思っていて、基本的に賛成なのですけれども、代替させる場合には、いろいろとクリアすべき課題があると思っています。その中で一つ申し上げると、このデータをどういうふうにつくっていくかということです。現時点では、EFファイル等のレセプトデータからつくるという話になっていますが、そうなると、毎日毎日データをつくっていくというのはなかなか難しいのかなと思っています。そうすると、看護必要度データに関しては、日々のマネジメントにおいて使っている部分、いろんな意味でのマネジメントにおいて使っている部分があるかと思いますので、その辺りに関して配慮していく必要がある、あるいはその課題をクリアしていかなければいけないのかなと思っていますので、ぜひその辺りはよろしくお願いします。

○武藤分科会長

 ほかにございますか。では、まず牧野委員、どうぞ。

○牧野委員

 最初の一般病棟入院基本料のところの話になるのですが、重症な患者さんの在院日数をいかに下げるかというのは、医療経済上非常に重要な問題で、そのために看護師さんの配置を基準値以上にふやすと在院日数が縮まる可能性があるということは、今回のデータで見えたと思うのです。ただ、これから看護師の配置だけでなくて、多職種連携、薬剤師とか栄養士、セラピスト、MSW、こういったほかの職種が入ったときにどう変わるのだということの評価もしっかりしなくてはいけないかなと。調査の中でそういった項目もあったと思いますので、こういったデータをぜひともつくっていただきたいなと思います。

○武藤分科会長

 では、本多委員。

○本多委員

 質問があります。先ほどの答申書附帯意見に関連して発言したことにも関係するのですが、支払い側として、中医協では、先ほど私が申し上げた在宅復帰率が急性期病棟の評価軸としては形骸化しているので、それをやめて、例えば地域医療構想で医療資源投入量といった考え方も出されておりますが、そのような診療密度といった指標を新たに加えるということについて、事務局はどうお考えかということを伺いたいと思います。

○武藤分科会長

 よろしいですか。

○事務局

 事務局としてというか、そういうことを例えばやってみたときに何が見えるかということも検討してはどうかという御意見と承りました。

○本多委員

 患者の状態について、以前示された地域医療構想に関するデータなどを見ると、医療資源投入量は入院してから最初の2~3日は高いので、その辺は当然診療密度も高いとは思いますが、一方で看護必要度とは乖離しているのではないかと思いますので、こういった内容を一つの指標として表すことはできないのかということで、御検討いただければと思います。

○武藤分科会長

 ほかに何か言い残されたこと。池端委員、どうぞ。

○池端委員

 一つ確認ですが、84ページの地域包括ケア病棟の救急・在宅等支援病床初期加算ですけれども、ここにあえてこの表を出されたというのは、これはポストアキュートも在宅支援も14日間全く同じ点数がついているということをどう考えるかという意味で出された資料と解釈してよろしいのかどうか。中医協マターになるのかもしれませんけれども。

○武藤分科会長

 どうぞ。

○事務局

 ファクトとしてこういう自宅から受けた方というところとは違うのですけれども、現状出せるものとして14日までつく加算というのがあるので、一応参考までにそういう方がどういう割合いるかというのをお示ししたということでございます。

○武藤分科会長

 そろそろ時間ですが、事務局から何か。あるいは課長からどうぞ。

○医療課長

 御指名もありましたので、最後に一言、二言話をしておきたいと思います。

 最初に、今回控えております同時改定でございますし、きょうだけでもいろんな御示唆をいただいていると思いますので、貴重な機会ですから、できるだけ工夫をしてよりよきものにしていきたいと思いますので、本日に限らず今後も、特に分科会では実態ベース、データに基づいていろんなアイデアをいただくというのも非常に重要な役割だと思いますので、引き続きよろしくお願いします。私としてはできるところからさせていただきたいということは申し上げておきたいと思います。

 冒頭、必要度のところの議論でいろんな御指摘をいただきましたし、進め方についても、ある意味手厳しい御指摘もいただいたと思います。特に筒井委員がおっしゃった例えば経緯論、それから評価のそのものの妥当性とか、学術的な意味も含めてだと思いますけれども、それと現実の現場のインパクトみたいな部分がいろいろ混在するのだと思います。御指摘はそのとおりでありまして、それを整理しながら御議論いただくのが事務局の役割ですので、我々として努力が足りなかったなと反省をしております。

 改めて申し上げますと、経緯といいますか、報酬設定そのものを中医協でやっていただく。これはいろんな議論の末に最終的に決断していただくということですので、それを積み重ねていった結果、後から見ればちぐはぐだったり、いろんな御指摘がある。これはこの件に限らず、絶えずあることだと思います。ですから、そのことを過去にさかのぼってということではなくて、むしろそこは所与のものとして御理解いただくとして、3つ目の現実論、現場のインパクトを踏まえつつも、いろんなデータを我々としてはお示しして、それを分析していただいて、必要な御提言なりお考えなりをまとめていただくというのが基本かなと思っておりますので、特に次回以降そういったことを意識してやっていきたいというのが1点です。

 もう一点、必要度の議論というのは回数を重ねていっていただいて、大体論点は出てきているように思います。先ほど林田委員もおっしゃいましたが、本来必要度が求めている、あるいはやらんとすることと、報酬設定でそれを活用して何をなさんとしているのかということが合致するのが一番望ましいのですが、それぞれに経緯もありますし、言ってみれば限界なり課題があるという御指摘を受けて今、議論していただいておりますので、方向としてそういったことをしっかり整理していただいた上で、中医協で議論していただく。こういうことを今後ともぜひお願いしたいなということでございます。

 貴重な御意見、御議論ありがとうございました。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 きょうは本当にさまざまな御意見、それから関連した資料提出の御要望もございました。次回以降、事務局と相談しながらこれらに対処していきたいと思います。

 それでは、平成29年度の第6回「診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会」は、これにて閉会とさせていただきます。

 どうも御協力ありがとうございました。


(了)

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