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2018年2月6日 第3回労働政策審議会人材開発分科会議事録

○日時

平成30年2月6日(火)15:00〜


○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)


○議題

(1)働き方改革実行計画を踏まえた「多様な選考・採用機会の促進」に関する検討状況等について
(2)専門実践教育訓練の指定基準に関する施行後3年後における見直しについて
(3)平成30年度予算案の概要について
(4)職業訓練指導員の養成等に関する検討概要について

○議事

○小杉分科会長 定刻となりました。定足数には達しておりますので、ただいまから第3回労働政策審議会人材開発分科会を開催いたします。本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。はじめに、厚生労働省における審議会等のデータベース化の取組推進に伴い、本日の分科会の説明は試行的にタブレットで行わせていただくことになります。タブレットの操作方法について、事務局から説明をお願いします。

○志村人材開発総括担当参事官 それでは、タブレットの操作方法について説明します。お手元にはタブレット、スタンド、スタイラスペン、カラーの操作説明書を配布しております。スタイラスペンは指の代わりにタブレットをタッチできるもので、指かスタイラスペンかで御操作いただきたいと思います。それではローマ数字1〜ローマ数字4について御説明いたします。

 まず資料を確認するということについてです。ローマ数字1のカラーの資料でファイルのアイコン、電子的に見たら黄色っぽくなっている所を押していただくと一覧になります。その中で開きたい資料のアイコンをタップしていただくことになります。

 次のローマ数字2の会議資料をめくる関係についてです。資料2-240ページぐらいありますので、これで案内させていただきます。めくり方につきましては、指又はスタイラスペンを使って、会議資料の画面上に触れたまま上下にスライドするか、矢印ボタンを使うかでページをめくることができます。あと、ページ番号を指定するというやり方もあります。これはページ番号が「会議資料をめくる」の所に何分の何という所、カラーのほうは4が表示されていますが、そこを指で押していただくとキーボードが出てきます。最初は、あいうえお順のキーボードが出てきますけど、それを数字のほうにしていただいて、例えば44とか入れてエンター(矢印が横になっている所)を押していただくと、取りあえず確定が出て、それをもう1回押すとそのページに飛びます。これが会議資料をめくるということです。

 ローマ数字3ですが、資料の拡大、縮小ということで、これはスマホ等で慣れている方も多いかと思います。資料の拡大、縮小の際は、2本の指を画面に置いた状態で、開くと拡大、閉じると縮小です。そして、画面の中央上部にある+−ボタンをタップしていただいても、拡大、縮小が可能です。

 最後に、縦書き、横書きと書いてありますが、これは縦置き、横置きということでして、資料のタブレットを縦に置くと縦置き、横に置くと横置きになります。ここにスタンドがありますので、これは好みに応じてお使いください。なお、現時点ではメモ機能には対応しておりませんので、メモが必要な場合は、配布用紙を御活用ください。また、今後の本格実施に向け、よりよい環境整備のため、御出席委員の皆様にアンケートの御協力をお願いしています。机上配布しておりますので、御退室前に御回答をお願いいたします。不明点等がございましたら、随時挙手いただければ事務局側が対応いたしますので、よろしくお願いいたします。資料の説明は以上です。

○小杉分科会長 ありがとうございました。それでは議事に先立ちまして、当分科会に所属されます委員の交代がございましたので、御報告いたします。労働者側委員の田口委員に代わりまして全国健保労働組合総連合中央執行委員技術対策部長の小倉委員です。

○小倉委員 小倉でございます。よろしくお願いいたします。

○小杉分科会長 最新の委員名簿は参考資料として配布といいますか、このタブレットに入っているみたいです。本日の出席状況ですが、橋本委員、上野委員、高田委員、臼田委員、美野川委員が御欠席です。なお、臼田委員の代理として、全国中小企業団体中央会労働政策部の菱沼部長代理に御出席いただいております。

○臼田委員代理菱沼氏 よろしくお願いいたします。

○小杉分科会長 それでは議事に入ります。まず議題1、「働き方改革実行計画を踏まえた「多様な選考・採用機会の促進」に関する検討状況等について」です。内容について、事務局から説明をお願いいたします。

○伊藤若年者・キャリア形成支援担当参事官 若年者・キャリア形成支援担当参事官室でございます。それでは、お手元のタブレット上の資料1に基づきまして、議題1について御説明申し上げます。恐れ入りますが、先ほど説明申し上げました方法に従いまして、資料1をお開きください。働き方改革実行計画を踏まえた「多様な選考・採用機会の促進」に関する検討状況等についてです。

 次のページ、表題に働き方改革実行計画とありますけれども、御案内のように、昨年3月に働き方改革実行計画が、働き方改革実現会議決定をされています。この柱の1つに、就職氷河期世代や若者の活躍に向けた支援・環境整備の推進という項目がありまして、その中でこの資料にもありますように、多様な採用機会を拡大し、単線型の日本のキャリアパスを変えていくという対応の方向性があります。資料の中段に、これに係る具体的な項目といたしまして、「希望する地域などで働ける勤務制度の導入等を促進するため、若者雇用促進法の指針を改正し、経済界に要請をする」という記述があります。また、その下にあるロードマップの一番左側、この後に御説明いたしますが、検討会における取りまとめ、指針改正といったことが、本年度の取組予定事項として位置付けられています。本日御説明を申し上げますのは、この検討会取りまとめに対応する部分でして、本人材開発分科会におきまして、若者雇用、単独の事項について御報告を申し上げるのは、この議題が初めてということになりますので、前提となります若者雇用促進法、また、今ほど申し上げました指針とはどのようなものかということについて、簡単に御説明を申し上げたいと思います。

 同じ資料のタブレットのずっと下に移っていただきまして、最後の2枚に若者雇用促進法、また、その指針に関する解説資料があります。こちらにお移りください。後ろから2枚目、若者雇用促進法という資料です。若者の雇用の促進等を図り、能力を有効に発揮できる環境を整備するため、適職選択、能力開発向上に関する措置を総合的に講ずる等の目的の下で、平成27年に「勤労青少年福祉等の一部を改正する法律」という形式によりまして、青少年の雇用の促進等に関する法律、略称、若者雇用促進法が制定、平成2710月から順次施行されています。ちなみに同法に基づき、職業能力開発促進法についてもキャリコン登録制度創設等の改正がなされており、これらの内容については前身の能力開発分科会でお諮りをしたところです。若者雇用促進法については、資料にありますように、職場情報の積極的な提供、ハローワークにおける求人不受理、ユースエール認定制度といった、ただいま申し上げた法制定の目的に即しての、いわば情報開示等に関わる基盤的な仕組みを整備したところです。

 次に指針について説明申し上げます。同法第4条におきまして、事業主が講ずべき措置について規定をした上で、更に第7条におきまして、厚生労働大臣が今ほど申し上げました第4条に定める事項などについて、必要な措置に関し事業主等の関係者が適切に対処するために必要な支援を定め公表することになっています。この若者雇用促進法第7条に基づく指針、私どもは若者法指針等の言い方をしておりますけれども、この指針が平成27年に告示、公布をされており、具体的にはその下にありますように、事業主等が青少年の募集・採用に当たって講ずべき事項等、大きくは3つの柱について、この告示により、それぞれ講ずべき事項が定められています。

 検討会の開催というページにお移りください。先ほど御説明した検討会というのが、この多様な選考・採用機会の拡大に向けた検討会です。より具体的には、この働き方改革実行計画におきまして、先ほど申し上げました若者指針に関わる内容に加えて、上の開催経緯の下から3行目ですが、関連する課題として、「年齢にかかわりない多様な選考・採用機会の拡大に向けて、転職者の受入れ促進のための指針を策定」するとあり、こちらの指針に関しましては、雇用対策法に基づく新たな指針を念頭に置いたものです。

 この2つの課題に関わりまして、厚生労働省とJILPTが連携をする形で、多様な選考・採用機会の拡大に向けた実態把握、論点整理などを目的として、本検討会を開催したもので、その下に委員構成、また、昨年8月来の開催実績をお示ししています。このような枠組の下で、個別事例の把握、新卒者・転職者の採用・就職の実態把握、それらを踏まえた議論等を行っていただき、昨年末にこの検討会の報告書がまとめられました。

 報告書概要については、その後に2枚にわたる資料があります。次のページの資料が検討会報告書概要ということで、今ほど申し上げました2つのテーマに関わりましての検討会の議論、全体に関わるまとめ資料です。したがいまして、その下の基本的な考え方、具体的な取組も、新卒者等に係る部分、また、転職、再就職者に係る部分ということで、大きな2つの枠で整理をしております。

 今日は時間の関係もありまして、さらにその次の資料、今ほど申し上げました、左側の枠にある新卒等に関連する部分に絞って概要をまとめたもので説明します。この議論を通じ、新卒者等を対象に多様な選考・採用機会の拡大を図ることについて、新卒者等自身にとっては、「希望する地域等で働ける」、「仕事と生活の調和が図れる」、また、翻って企業の立場では、「各地域で人材確保の機会が広がる」、「採用後の職場定着が期待できる」といった効果について、議論を通じ確認を頂いた上で、これに関わる現状について、この検討会を通じての新たな調査、あるいは既存の関連する調査を通じ、左にありますように新卒者等の就職の現状ということで、地域限定といった形での就職を希望する方は相当数に上るけれども、そうした働き方での就職が実現する方は少数にとどまっている実態にあること。また、別途の調査により、結婚・育児・介護などの生活と仕事の両立が可能な働き方に関する新卒者のニーズが高まっているといった点を確認しました。

 他方、その右側にありますが、これに関わる企業の現状・課題といたしましては、新卒・正社員採用予定人数に占める、今ほど申し上げましたような意味での地域限定の正社員の割合は少数にとどまっていること、これも含めた若者・新卒者にとって、魅力ある地域の雇用の受け皿が量として不足をしているのではないかということ、ただ、少数ながらこのような仕組みを導入している企業側の理由として、地域密着型の経営のためとする企業が2割弱あること、地域特性・地域ニーズに対応できる人材ニーズというものも一定存在しているということも御確認を頂きました。

 こういった現状把握・分析も踏まえた上で、働き方改革実行計画に位置付けられた多様な選考・採用機会の拡大に向けた方策として、企業、新卒者、また、国等に求められる取組としてまとめられた内容が下の部分です。企業においては、ここにありますように、新卒者等の中長期的なキャリア形成が可能な拠点を有する大企業にあっては、地域における選考・採用活動の実施、当該地域に限定して働ける勤務制度など、新卒者が希望する地域でキャリア展望が描ける募集・採用の仕組みを積極的に検討すること、また新卒者等が適切に企業・採用区分を選択できるよう、具体的なキャリア展望などに関わる情報開示に積極的に取り組む等の提言がなされております。また、新卒者等自身に対しても、今、申し上げたこととの裏腹ですが、採用後のキャリア展望に係る情報を収集し、企業だけでなく、働き方にも着目をして、継続的に、また主体的にキャリア選択を行うことが求められるといった提言もなされております。

 さらに、ただいま申し上げたような企業、新卒者等自身の取組を後押しするという観点から、右側にありますように、国も好事例の収集、地域の中堅・中小企業の魅力発信等の取組が、この検討会の提言としてまとめられました。冒頭、御説明を申し上げましたように、これら検討会での議論の方向性も踏まえた上で、先ほど申し上げました若者法に基づく指針の改正により、こうした内容を盛り込んでいくことを予定しております。

 今、申し上げました検討会報告内容をベースとしながら、この指針の体系の中で、こうした取組の意義・着眼点が明確に分かりやすく示されるようにという観点で、現在、指針改正案について事務局として検討中でございます。本日、申し上げましたこの検討会報告等に関わりました委員の皆様方の御意見も伺った上で、可能であるならば、次回に具体的な指針改正案という形でお諮りをできればと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○小杉分科会長 ありがとうございました。それでは今の説明について、皆様から御意見、御質問を伺いたいと思います。いかがでしょうか。

○松井委員 1点あります。多様な選考・採用機会ということで、地域を限定して採用するという区分を設けることを奨励していくということだと思うのです。以前、厚労省で多様な正社員制度ということで、懇談会を設けて検討された経緯があるかと思います。その際にも、勤務地限定で合意の上で採用に至ったとしても、勤務地に事業所がなくなる場合とか、事業所閉鎖の場合の対応については、整理解雇の四要件がきちんと該当するというような留意事項が記載されていたかと思います。是非、指針の制定の際には、そういったことも留意して記載していただければと思っております。

○小松委員 今回は地域限定正社員制度を推進するということですが、まず地域限定を希望する方が72.6%あるということに結構驚いています。どういった理由でここまで多いのか。チャレンジ精神が欠けているという理由であれば、この先の社会に対する影響も気になります。けれども当社は中小企業なので中小企業の立場から申しますと、日本商工会議所の調査からも、今は6割の企業が人手不足という回答をしている中で、中小企業の雇用の情報というのは、発信力からしたら弱いのが現状です。

 従来、中小企業は地域に根ざしているというところがあると思います。本社自体が地域にあるとか、工場があっても地方に23工場です。そういった中で中小企業が採用したら、地域限定の働き方になっているのが主流だと思います。企業側も工場がたくさんあっても、経費の面などで頻繁に異動はさせないし、技術的に成長した者を異動させるというのは、社内的にもかなり影響が大きいので、そうそう異動させることも少ないです。

 ただ今回、国のほうでこういった地域限定正社員制度を設けるということで、制度が広まることによって、逆に地域の中小企業がクローズアップされて、仕事を探す方が、中小企業に就職するきっかけが広がるという意味では、かなり期待できると思います。この制度を広めるというのは、中小企業としては期待しているという意見があります。

○小杉分科会長 中小企業にとって、プラスになるような方向でということですね。

○大久保委員 地域の問題は非常にいろいろな観点が絡んでくるので、どういう形で指針なりメッセージを発信していくかというのは、多面的に考えておかなければいけないところだと思うのです。いわゆる情報開示の話と、就業規則なりのルールを変更する話と、両方にまたがった話をしていると思いますが、地域に限定してというところで1つ言えば、最初の配属地がどこになるかという情報と、その後の転勤の可能性がどうなるかという話は、結構別の話です。これは多分、人によってこだわるポイントが違います。

 あと、転勤に関しては、就労中の人も含めて転勤したくないというアンケート結果が、いろいろな所であるのですが、地元にこだわるというのとも、またちょっと違います。一定期間どこかに配属されて継続してそこに住んで生活していると、そこに住居や教育など、いろいろなインフラが出来上がります。その状態でまた「ほかの地域に行け」と言われるのは、ワークライフ的に相当被害が大きいので代わりたくないというニーズとか、いろいろなものが錯綜していると思います。

 学生の場合、地域限定を希望するのは単純に地元にいたいだけでなく、例えば奨学金をもらっているときに、それでまた東京などで一人暮らしをすることになると、返済のときに経済的なやり繰りが非常に苦しいので地元を希望するという背景もあります。多分いろいろな面があるのだろうと思うのです。そういうことを全体的に視野に置いた上で、どういう指針を出すのか。まずは情報開示ということで言えば、最初は配属地とその後の転勤可能性に関して、しっかり書くというのが大事なことなのかなと思います。

 もう1つは、「地域限定正社員」と書いてあるのですけれども、いわゆる転勤のない雇用と地域限定正社員というのは違います。地域限定正社員は、転勤プレミアムで2割程度給料が安いもので、単純にそれが促進されてしまうと賃金水準を引き下げる効果を生み出してしまうというのが気になるのです。そういうことも視界に置いたときに、これは割と単純な問題ではなくて、結構複雑な要素を含んでいると思いますから、それら全体に目配りをした上で考えていただきたいと思います。

○小杉分科会長 ほかに御意見はありますか。よろしいですか。

○遠藤委員 幾人かの委員からお話がありましたように、どの場面をどういう形でクローズアップするかによって、いろいろな方向が出てくると思います。ただし、今回は多様な選考・採用機会の拡大に向けて、企業サイドから言えば、どこまで寄せていけるかというところが、どうしてもポイントにせざるを得ない事情があります。

 ただ今、大久保委員がおっしゃったように、場面場面で見るこだわりの部分とか、その人の状況いかんによって左右される部分も多々あると思います。人材確保が経営課題の中でトップランクに位置付けられている状況下では、どこまで出せるかというギリギリのところで考えている部分もありますので、その辺の落としどころと言いますか、これも欲しい、あれも欲しいというのでは、発信する側の事情等を考えると難しい部分もあります。どこまで多くの企業が寄っていけるのかという視点を、是非忘れないでお取組いただければと思います。

○小杉分科会長 皆様からそれぞれいろいろな視点を提供いただきましたが、事務局としてのお答えはありますか。

○伊藤若年者・キャリア形成支援担当参事官 それぞれ大変重要な点の御指摘をありがとうございます。ただいま、各委員の御指摘にもありましたように、この多様な選考・採用機会については、新卒者自身のニーズや企業側の活用方法、様々な着眼点もありますし、留意点もあります。もとより私どもは、この検討会の議論に参加して認識しております。ただいま各委員から御指摘いただいた上で、そうした点を改めて認識している部分が多々あります。

 御指摘いただいた点に関しては、指針そのものの中に明確化することが求められる事項もありましょうし、指針そのものの性格からして全てをそこに書き込むのか、いわば指針を解説する文章、広報的な素材の中で留意点、着眼点あるいは事例などを整理したほうが、より分かりやすい、運用しやすい部分もあるのではないかとも思っております。そうした点も勘案しながら、次回に向けて更にふさわしい諮問案という形で、私ども事務局としての整理を進めたいと考えているところです。

○小杉分科会長 この事案については、ここまでとさせていただきます。それでは議題2、「専門実践教育訓練の指定基準に関する施行後3年後における見直しについて」です。内容について、事務局から説明をお願いいたします。

○伊藤若年者・キャリア形成支援担当参事官 説明資料自体が、少し多岐にわたっておりますけれども、できるだけ資料自体の行き戻りを少なくしながら御説明したいと思っております。

 最初に、「専門実践教育訓練の指定基準の見直しについて」ということで、2-1の資料からお開きください。前回までの本分科会においても、審議の過程で事務局としての考え方を何度か御報告しているところです。この資料の柱書きにもありますように、専門実践教育訓練給付制度は、平成2610月に当時の能開分科会での審議を経て創設された仕組みです。当時の能開分科会において、施行から3年をめどに訓練の実施状況、成果等を把握・分析をした上で、指定基準の見直し議論を行うこととされています。これに向けて私どもは雇用保険データなどを用い、この間の指定基準見直し審議の際に御指摘いただいた事項も踏まえながら、分析のために必要な作業を進めてきたところです。この度、一定の雇用保険データ等分析材料がそろい、3年後の見直しの、位置付けとして、今回以降本分科会において御審議いただきたいということで、今日幾つかの資料を準備させていただきました。

 このうち最初に開いていただいている資料2-1は、指定基準の見直し、御議論いただきたいポイントということで、今回以降御審議いただきたいと私ども事務局として考えている項目を、取りあえず一定網羅的にお示ししたものです。そのうち(1)にあるのが、今ほど申し上げた課程類型、目標資格別の教育訓練実施状況、成果、効果等の把握・分析で、○の部分にある雇用保険データをはじめとする幾つかのデータを、事務局において整理させていただきました。

 はじめに、これらのデータについて、資料2-2をご覧ください。大部な資料ですので、できるだけポイントをかいつまんで御説明したいと思います。

1ページ移って、はじめに専門実践教育訓練の指定状況そのものに関してです。その次に折れ線グラフがあります。専門実践教育訓練は毎年4月・10月、年2回の指定を行っています。大きく2つのグラフがありまして、半年ごとのそれぞれの時期での新規指定講座数が赤の折れ線グラフ、累計の指定講座数が青線のグラフです。この資料では平成2910月までの指定状況をお示ししております。平成2910月のアクティブな講座数は2,200余りですけれども、平成294月の指定講座数を起点として、その後新たに指定されたものを付け加えたという意味での累計講座数は、2,600弱となっております。

 この内訳については、以下の資料でお示ししております。「課程類型ごとの専門実践教育訓練指定状況」という表をご覧いただければと思います。この資料はいわゆる第一類型、業務独占・名称独占の養成課程以下、現在講座指定の実績が出てきている5つの課程類型ごとに、平成2910月時点の指定講座数と当該課程類型に該当する、いわば講座の母数を併記した資料です。一例を挙げれば、第二類型の職業実践専門課程については、文科大臣が認定している課程そのものは2,700余りあって、現在厚労大臣が指定基準を満たすものとして指定しているのが770という関係性です。

 母数には含まれているけれども指定を受けていない講座の理由は、個々に聞き取り等を行う中で把握をしているものなど、多岐にわたっております。一番多い理由として、それぞれの課程類型ごとに設定している資格の受験率・合格率、あるいは就職・在職率といった講座指定要件を個々に満たさないものがあります。それから、課程類型ごとに期間の要件設定をしているわけですが、その期間を上回るような設定になっているということで、対象になっていないものがあります。あるいは就職・在職率というのは、そもそも実績があって初めて算出可能なわけですけれども、全く初めての開講で、そのような実績を示さない等々の理由により、母数の課程類型には含まれるけれども、現在指定を受けていないものが相当数あるということを、この資料をもって御確認いただければと思います。

5ページの資料が、開講形態別指定講座数です。平日昼間、夜間、土日、通信といった開講形態別に、どのような内訳になっているかです。現在2,400のうち、圧倒的に多いのが平日日中で、2,060余りです。ただ、それぞれの支給実績を見た場合に、1人以上の支給実績がある講座の比率としては、昼間が40%余りに対して、夜間、土日中心については6080%です。また、1コース当たりの実受給者数についても、平日昼間が3人にとどまっているのに対し、夜間、土日、通信については2桁のかなり大きな人数になっているという状況です。

7ページに、今申し上げた「1のまとめ」というポンチ絵を示しております。4月開講の講座が多いということで、指定講座数は常に10月を上回っているという状況があります。それから、先ほど母数と指定講座の差分で申し上げましたけれども、課程類型には属するけれども、様々な理由により指定を受けていない講座が一定数あります。また、開校形態という観点で言うと、在職者が受講しやすいと考えられる土日、夜間講座の支給実績が高い一方で、指定講座が少数にとどまっているという特徴もお示ししております。

8ページ以下が、雇用保険データによるものです。2が受講・受給者の属性です。この対象は、平成299月までの実受給者15,000人余りが対象ですが、平成27年度から受講受給を開始している方が5,000人余り、平成28年度に受講受給を開始した方が約1万人ということで、受講・受給者については伸長傾向にある中で、総計が15,000余りです。

 この受講・受給者の具体的な属性を、9ページ以下でお示ししております。円グラフにありますように、女性が6割弱、男性が4割強です。在職・離職という観点では、在職6、離職4です。年代別では20代、30代、40代がそれぞれ2030%台で多数を占めているという状況です。

10ページが課程類型別です。先ほど御紹介した第一類型、国家資格の養成課程が12,000人余り、第三類型の専門職大学院が2,600人ということで、この辺りが多数を占めているという状況です。

 さらに11ページに、横の棒グラフがあります。資格別受給者という観点では、看護師、社会福祉士等の医療福祉系の資格取得を目標としたものと、専門職学位のうちのビジネス・MOT系が多数を占めているという状況が見て取れます。

 その後数ページにわたり、類型別の円グラフが示されておりますが、これらをまとめたものが16ページの「各課程類型の典型的な受講者イメージ」です。第一類型の国家資格の養成課程については20代、30代が中心で、女性の受講が多いといった傾向があります。第二類型の職業実践専門課程については20代、30代の若年の離職者が多い傾向、第三類型の専門職大学院については30代、40代の男性在職者が多い傾向、第四類型の職業実践力育成プログラムについては、一部重なっておりますが、30代、40代の在職者が多いという課程類型別の特徴が示されております。その上で2のまとめについては、今ほど申し上げた内容と重なっておりますので、17ページにあるとおりということで御確認を頂ければと思います。

 次の大きな3点目からが、効果に属する部分です。離職者の訓練受講・受給を通じての就職実績に係るデータです。具体的には15,000人余りのうち、受講開始時点では離職者であった方で、昨年3月までに訓練を修了した方が1,900人余りおります。これらの方々の昨年9月末時点での雇用保険適用就職、正社員就職、追加給付受給率です。この追加給付受給率というのは、専門実践教育訓練給付上定められた資格を取得し、1年以内に雇用保険被保険者として雇用されている場合、従前は4割プラス2割、現行は5割プラス2割ということで、2割の追加給付がなされます。この2割の追加給付がなされるというのが、もともとの目的に沿った資格取得・就職に至っているということであり、1つの追加指標になるのではないかという考え方です。

19ページに具体的な棒グラフがあります。今ほど申し上げた1,900名余りについて、ほぼ6か月の間で就職したかどうかです。雇用保険就職率は76.8%、正社員に限ると54.7%、追加給付率は今申し上げた定義の下で65%余りです。ただ、これはハローワークに手続をしなければ出ないものなので、調査時点で未手続の方が一定数いるのではないかという見立てをしています。

 このデータについて2つほど、比較対象データを設定させていただきました。1つは、1年前の平成289月末までに修了した方の、ほぼ1年タームでの就職状況という見方です。対象数が490名余りです。前のページと比較いただくと、雇用保険就職率は81%です。先ほど申し上げた6か月時点に比べて、5%ほど伸びているという状況です。正社員就職率は約55%で、余り大きな差はありません。追加給付率は70%で、少し増えております。

 さらに20ページが、専門実践給付受給者と、この訓練を受講受給していない雇用保険被保険者全体です。これは極めて多数なので、単純に比較できるかどうかというのはありますが、参考値として御覧いただければと思います。専門実践受講受給者のほうがえんじ色で、雇用保険被保険者で離職されていた方との比較で言うと、ある意味当然のことですが、雇用保険適用就職率、正社員就職率ともに、相当程度高くなっているという状況です。以下男女別、年齢別、課程類型別等、幾つかの切り口で分析をした棒グラフ等があります。

27ページに、「3のまとめ」があります。ここにありますように、受講者の修了後の雇用保険就職率は属性によって多少の差はあるけれども、概ね高い水準と言えるのではないか。正社員就職率についても、受けてない方と比べると高い数値となっているということが言えるのではないか。資格の取得につながらない、例えば第二類型の職業実践専門課程のようなものであったとしても、職業実践性が高いものについては就職のパフォーマンスが上がっている。第三類型の専門職大学院については、詳しい説明は割愛いたしましたが、ほかの課程類型に比べると就職率は低くなっております。ただ、N数が大変少ないということで、今後更に分析をしていきたいと考えております。

 次に、今ほど申し上げたような方が、その後に定着しているかどうかが4にあります。これに関しては、平成289月末までに就職した300人の1年後の定着率状況を見ております。29ページの円グラフですが、1年後に定着している方が92%という状況です。ちなみに、この92%には一旦離職をして再就職した方は含めておりません。少なくとも、その事業所で1年間は就職し続けている方が92%いるということです。これも男女別、年代別等、幾つかの分析がありますけれども、「4のまとめ」に関しては正に今申し上げたとおりで、少なくとも安定雇用に結び付くという観点では、一定の効果が出ているということが言えるのではないかということです。

33ページの5です。この間の分科会でも何度か問題提起を頂いている非正規雇用の方のキャリアアップという観点で、どのような分析が可能かということです。ここでは平成293月までに訓練を修了した本給付受給者5,600名のうち、訓練を経て再就職した方で、かつ雇用保険データにより、前職が非正規雇用であることが確認された方が600名弱おりました。

 この方々の再就職時の雇用形態を把握したのが、34ページの表です。対象者は567名です。ちなみに、ここでは派遣に関しては雇用保険データ上の登録型派遣、パートタイムについては週の就業時間が30時間未満等という定義の下で補捉されております。567名の再就職者のうち、正社員として再就職をした方が347名、61%といった状況です。訓練期間が異なりますので、もとより単純比較はできませんけれども、ハロートレーニング受講者についても、以前同じような分析を行っています。ここにありますように、雇用形態によっても若干の相違はありますが、3割弱あるいは30%台という水準と比較すると、一定の正社員に向けてのキャリアアップ効果は出ているのではないかといったデータが示されていると考えております。

 以下の資料では男女別の上位資格とか、数ページ後には雇用保険データではありませんが、女性受給者のうち、子供のいる方がどのような講座を受講しているかというアンケート調査の結果なども提示しております。これは後ほど御覧いただければ有り難いと思います。

 資料2-3では、この間、本分科会でもお示ししているこの制度そのものの全体像資料とか、今回の分析に関しては、平成2910月指定分までということで分析しておりますが、直前に平成304月の講座指定をしており、その発表資料もあります。今回は前回御審議いただいた経産大臣認定第四次産業革命スキル習得講座16講座も含め、新規で172の講座を指定しており、そういった資料を御提示しています。

 最後にもう1回、資料2-1にお戻りください。今、御説明したことは、資料2-1で申しますと(1)の雇用保険データを中心とした分析資料です。資料2-1ではこの間、時々に御説明していた政策・制度的観点からの新たな課題、例えば文科省において創設準備を進めている専門職大学の位置付けの問題、また制度運用上の検討課題として(2)(3)でお示ししております。本日は時間の制約等もあり、主に(1)のデータを中心に御説明申し上げましたが、次回以降は(2)以下の政策・制度、あるいは運用上の検討課題に関わる様々な判断材料となるようなヒアリング結果や関連制度等についても、御報告申し上げたいと考えております。

 本日、(1)に関して申し上げたデータについて、様々なお気付きの点、今後、更にこういった分析が必要ではないか、こういった論点が考えられるのではないか等々の点について御意見も頂き、これを次回以降の資料又は審議事項に反映したいと考えているところです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○小杉分科会長 ありがとうございました。雇用保険データに基づいた詳細な分析で、大変参考になると思います。では、ただいまの説明につきまして、皆様から御質問、御意見を伺いたいと思います。

○村上委員 資料2-2について、幾つか質問と意見をさせていただきます。まず14ページ、特に第三類型についての質問と意見なのですけれども、数字をお持ちでなければ次回以降でも構わないのですが、まず第三類型の受講者属性については、在職者が圧倒的多数を占めておりますけれども、このうち受講時点での正社員の割合というのはどれぐらいなのかということを確認したいと思います。何が申し上げたいかというと、専門実践教育訓練が、本来、非正規雇用の方のために、教育訓練機会が十分でない労働者のために、中長期的なキャリア形成を支援する目的で創設されたと理解しております。そうしたことを踏まえれば、正社員で引き続き企業に在籍する方のキャリアアップについては、本来企業などで実施すべきであり、またその企業に対する支援という形でのキャリア形成支援をしていくという、この専門実践教育訓練ではない方法も考えられるのではないかと考えております。今後もこの第三類型のような類型について、専門実践教育訓練の枠組みで行うことが、より適切なのかどうかということについて検討していく必要があるのではないかという意見です。

 それから、また第三類型について意見と質問なのですが、24ページには就職率に関するデータが出されておりまして、類型別で見ると、やはり第三類型のところが、もともと在職者が多いということもあって、雇用保険適用就職率や正社員就職率は、いずれも大変低い状況にあります。これについては更にヒアリングなどしていかれる、調整されていくということだと思うのですが、この要因として、今どのようなことを考えられるのかということについて御質問したいと思います。

 その上で、専門職大学院を所管する文科省においても、「社会との連携」、つまり卒業後の社会とか企業とミスマッチが生じているということが課題とされているところであります。指定講座の受講というものが、単なる学び直しにとどまるものであってはならなず、専門実践教育訓練というのは、やはり次の就職につながっていくとか、次のキャリアにつながっていくということを支援するという視点であるので、そういった観点から見直していく必要があるのではないかと思います。

○小杉分科会長 ありがとうございます。質問を伺っていますので、事務局お願いします。

○伊藤若年者・キャリア形成支援担当参事官 第三類型に関わり、幾つかの御意見又は御質問を頂き、主に御質問に属する部分について、現時点でお答えできる範囲で申し上げたいと思います。まず、第三類型の受講受給者の就業形態について、次回以降に何らかの形をお示ししたいと考えております。その上で、今、資料上も御確認いただきましたように、第三類型は在職者が圧倒的に多いというのは1つの特徴です。したがいまして、本日は主に離職中の方についての就職・定着という観点で御報告申し上げておりますので、今日の報告内容だけでは、この第三類型をはじめとする在職者についての成果というものは、十分まだお示しできていないという自覚を、私どもも持っているところです。

 特に第三類型に関しては、現在、具体的な指定講座プロバイダーからのヒアリングなども進めているところで、特定のヒアリング対象プロバイダー限りということではありますけれども、その受講受給者についてのキャリアアップに関わり、少なくてもこのようなエビデンスがあるのだという説明を受けている部分もありますので、そのようなものを整理しながら、この点については、まず次回以降お示ししていきたいと思います。

2点目ですけれども、N値が少ないとはいえ、この第三類型、専門職大学院に関し、24ページ辺りにありますように、他の課程類型に比して就職率が低いというデータが示されているということは事実です。これについては私どもも、今、申し上げましたヒアリングなどを行う中で、仮説を形成している途上というのが率直なところです。

1つ、例えば考え得ることという意味では、この専門職大学院は長期にわたり、また給付があるとはいえ、相当な自己負担を伴うような大学院課程を受講される方に関しては、その修了後の就職希望のスペックというものも、他の課程に比べて相当程度高い方が含まれている可能性が高いのではないだろうか、そのように、例えば賃金その他の観点で高いスペックを設定して就職活動をされているとするならば、決定までそれに応じて、一定時間、期間がかかっている可能性があるのではないか、という見立てをしているところです。

 こうした点に関しまして、もちろんプロバイダーが全てそういったことを把握していることにはならないかと思いますけれども、どの程度の信憑性があるのかということは、私どもなりに更に検証していきたいと考えております。

 専門職大学院の在り方という意味では、最後にお話があった点については、当然のことながら、この専門職大学院という課程制度そのもの、また実態としての講座が、この専門実践教育訓練が狙いとしている中長期キャリア形成に資する可能性が高いという前提で、この制度に位置づけているという考え方ですけれども、今現在の実態に関しては、必要に応じ、文科省などにも現状認識など把握をする、見解を求めるなどしながら、こうした専門職大学院の在り方について、必要な御審議を頂く材料を御提示申し上げた上で、更に継続的に御検討いただければと考えているところです。

○小杉分科会長 よろしいですか。

○荘司委員 同じ資料、右下20ページ、参考1というところで、訓練修了1年後の就職率といいますか、この中で雇用保険適用就職率81.6%という数字があるのですけれども、専門実践教育訓練としての講座指定を受けるのに、80%以上の就職・在職率が必要となっておりますが、ここの81.6%といった就職率が、ほぼ同じような意味合いであるかどうかという質問が1点です。

 また、意見として、昨年4月の高卒者の就職率が98%であったり、あるいは大卒の方の就職率が97.6%というようなことを踏まえると、なかなかこの数字が高いとは言い切れないのではないかと思っております。第一類型の関係、国家資格の取得というような目標を持った養成課程ですけれども、資格ごとに状況が異なるとはいえ、今後、より詳細に分析するためには、また検討が必要ではないかということが意見です。

○小杉分科会長 では、事務局お願いします。

○伊藤若年者・キャリア形成支援担当参事官 就職率に関わりまして、今、2点お尋ねを頂きました。まず、この資料の19ページ、20ページ、ここで雇用保険適用就職率、ほぼ6か月、ほぼ1年のタームでの76%、81%というデータを示しております。これと指定要件の就職・在職率80%の関わりですが、現行の就職・在職率に関して、教育訓練プロバイダーとしては、雇用保険被保険者としての就職如何ということを正確に把握し、申告をすることは難しいとの状況も踏まえ、現行の指定基準上は、雇用保険被保険者としてのというところまでは求めておりません。定義上は、今日御報告を申し上げております雇用保険データを用いた雇用保険適用就職率のほうが、若干厳しく見ているという側面もありますので、そこは必ずしも単純には比較できないところです。これが1点目です。

2点目の高卒就職率との比較ですけれども、この点に関しては、我が国における学卒一括採用慣行の下で、もちろん景気による影響というのは多々ありますが、新規高卒・大卒者に関しては、学校卒業時に、その間の学校あるいは職業安定機関の支援等を踏まえて、大多数の方が就職が決まるという実態慣行がある中で、なかなかこれとは単純に、今日御説明申し上げたデータを比較できない。むしろ非学卒、私ども学卒に対して一般というような言い方もしばしば使いますけれども、こういった方々が就職にどの程度の期間を要しているのかといったことが、この専門実践教育訓練給付受給受講者との比較対象という意味では、より適切なのではないかという観点で、今回幾つかの比較対象も設定させていただいているところです。

 いずれにしても、この数字が高いのか低いのかということは、物差しの当て方によるところもあります。より多面的な分析が可能な比較の視点として、どのような点があり得るのかということは、今日多くの委員から御意見を頂戴した上で、更に工夫をしてみたいと思っております。

○小杉分科会長 ありがとうございます。

○三村委員 ただいま、村上委員から御指摘がありました専門職学位課程に少し触れていきたいと思います。専門職学位課程につきましては、これから創設される専門職大学や専門職短期大学にも関わることですので、お話をさせていただきたいと思います。

 やはり、在職者が多いのはデータとして挙がっております。本来の趣旨、制度設計の趣旨から若干は外れるかもしれませんけれども、やはりこうした機関を通して、キャリアアップをしたいという一定数はおりますと同時に、これはちょっと調べていただきたいのですけれども、専門職学位課程は、学費が一般の大学院の大体1.5倍か2倍ぐらいしています。そういった意味で、やはり経済的な負担が大分掛かっているということも勘案しながら、こうした制度の在り方とか意義というものを御検討いただければと思います。以上です。

○小杉分科会長 御意見ということで。ほかに御意見ありますか。

○遠藤委員 私自身の個人的な受留めだけで申し上げさせていただくと、8割を超える就職率に対する評価は、よく頑張っていらっしゃるという思いです。皆さん御案内のとおり、抽出調査で見れば、大卒見込みの方の就職率は大変高い数字が出てきますけれども、全数調査である学校基本調査を見れば、7割強の数字であります。一定程度評価できる数値が出てきたのではないかと思います。

 ただし、これからどうしていくのかというところが、問われているのではないかと思っておりますので、すぐということではないですけれども、今後お調べいただければ有り難いということで幾つか述べさせていただければと思います。

1つは、このような形で受講修了して再就職された方々が、実際に活用してみて、こんなところを直してもらったらいいなという改善に向けた生の声が、もし拾えるのであれば、お聞きしたいです。

2つ目としては、現在の講座の設置状況を見たときに、例えば4月の開校が多くて、10月がそれと比較すれば少ないということですが、では、4月に受講されている方々が、どのぐらい待ったのか、同じように10月受講の方が、どのぐらい待ったのかという、その待ち時間、インターバルがどのぐらいあるのか。講座ごとに差異はあるにしても、何か傾向的に調べられるものがあれば、それは一度見てみたいと思います。

 それから、在職者をイメージすれば、夜間・土日講座の希望は高くなると思いますが、離職者の方々を想定したときに、もし土日や夜間があれば、受講したいと思われた方がどのぐらいいるのか。今後の制度の見直しを図る上では、必要なデータかと思います。

 あと2つあります。若干名ではあるとは思いますが、リタイアされた方もいるので、リタイアされた方がどんな事情でリタイアされたのか、データとして出てくればと思いおります。

 最後に、キャリコンが必須になっています。例外的には会社の推薦があればというところですが、そのキャリコン自体がどう生かされているのか。実態が見えてくるのであれば、今後の展開で参考にできると思います。

○小杉分科会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

○大久保委員 専門実践教育訓練については、この制度を議論した当初から、どういう形でその成果を図るのかということに関して、様々な議論があったと思います。これは趣旨が中長期的なキャリア形成に資するということでしたので、一体どういう数字で評価をしたら、政策効果があったのかどうかを見られるのかというのは、なかなか有効なアイディアも十分に練り切れなくて、そのときから3年後の見直しのときに継続課題とするということでやってきたのだと思います。

 ということで考えると、やはり改めて中長期キャリア形成ということに関して、どういう形でそれを具体的にブレイクダウンして評価していくかということを考えなければいけないと思っていまして、いろいろな視点があるのだろうと思います。

 例えば1つは、中長期的なキャリア形成というのは、雇用の安定に資するものだと考えるのであれば、今回ここにデータを出していただいているように、例えば定着率だとか、あるいは正規の転換率だとかということになるのでしょう。あるいは中長期のキャリア形成を賃金の上昇というように見ることもできるかもしれませんし、例えば、役職の変更などを伴う、より自分にとってやりがいのある高度な仕事、チャレンジできる仕事に就くと、結果的に職務満足度が上がるということかもしれませんが、そういうものも1つの中長期的なキャリア形成かもしれないと。

 あるいは、自分のキャリア選択の可能性を広げるような新しい専門性を自分で獲得したということが実現できたという評価がそうかもしれませんし、あるいは、自己啓発の比率が大変低いということに関して、今回の専門実践教育訓練が自己啓発の比率に貢献するものであるということもあるかもしれません。

 まず、どういうものが中長期のキャリア形成という範疇に含まれるものなのか、もう少し一旦議論をクリアにしたいと思うことと、その中で雇用保険データから分析可能なものが何で、教育機関とかプロバイダーを通じて、アンケート調査の形で評価できるものは何かという、その全体の構造を可能な限り、一旦この議論の俎上に乗せていただきたいと思っております。

○小杉分科会長 ありがとうございます。ほかに皆様から。

○荘司委員 もう1つお願いがありまして、資料2-34ページ、PDF5ページにありますように、e-ラーニングの関係で昨年の10月から通学不要な講座も指定対象に拡充がされておりますけれども、今後、特に利用者のニーズであるとか訓練効果について、どの程度を見込めるのかということを注意すべきと思うのですけれども、できれば今回の見直しの際にでも、いろいろなデータ関係をそろえていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○小杉分科会長 よろしいですか。ほかにありますか。事務局のほうから、何かお答えがありますか。

○伊藤若年者・キャリア形成支援担当参事官 ただいま、各委員から大変幅広く重要な点について問題提起いただきました。それぞれ、どのような形で実態なり考え方をお示しできるのか、これも工夫してみたいと思っております。

 冒頭に申し上げましたように、次回以降、こうしたファクトベースの資料だけではなく、この専門実践教育訓練の考え方に属するような御議論を頂くための資料も準備すべきであると考えておりましたので、そうした資料、また事実関係についても、今、お話がありましたように、なかなか雇用保険データではストレートに出てきにくいものもあります。

 例えば賃金データなど、1つの例として申し上げますと、雇用保険資格喪失時と取得時で、同じ条件で個々人、被保険者ごとの賃金を取ることはできない等、いろいろな制約がありますが、そうであるならば、どのようなアプローチをすれば肉薄できるのかといった辺りは、当然検討の余地はある部分です。それぞれの点に関して、次回に間に合うもの、もう少し時間がかかるもの、少し形を変えるもの、それぞれあるでしょうけれども、事務局として工夫してみたいと思っております。ありがとうございます。

○小杉分科会長 私からも一言、今回、1年定着率が90何%というのは、すごくいい数字だと思います。この辺は大変に評価されるべきだと思います。また、大久保委員がおっしゃるように、これはもう少し長期的に取っていくことが大事ではないかと思います。

 それから、効果というところでは、かなり慎重な分析が必要だろうと。今回も非常に慎重にやられていると思いますけれども、今回の対象といたしましたのは、一般の雇用保険受給者の方との比較なのですが、就職につながるかとか、正社員につながるかというのは、訓練以外の様々な要素が入っています。性別、年齢だけではなくて、その方のこれまでのキャリア、目指している方向性とか、いろいろなものが組み合わされてくるので、なかなか簡単に効果測定はできない。

 そもそもその人が、もしこの仕事の訓練を受けなかったらどうだったかという、そういう仮定の比較というものが必要になってしまって、つまりその人とほとんど同じような条件の人が、この訓練を受けなかったらどうか、そのようなこともしなければ、本当の効果というのは分からないので、多分あちこちから効果のことを求められると思いますが、そう簡単に求められるものではなくて、ここで外形的に幾つかの観点から効果を審議したという、効果の現状については、非常に慎重な言い回しをされたほうがいいのではないかと思いました。以上です。

 では、この議題はここまでとさせていただきまして、次に議題3です。「平成30年度予算案の概要について」です。事務局から説明をお願いいたします。

○志村人材開発総務担当参事官 それでは、平成30年度予算案の概要について、資料3を御覧ください。まず1ページ目、予算案の総括表を見ていただきますと、下の合計欄、平成30年度予算案は総額2,527億円となっており、対前年度比478億円の増額となっております。内訳といたしましては、一般会計については、予算は131億円、対前年度5.7億円の減額となっております。これに関しては、新卒者の就職環境の動向等を踏まえたジョブ・サポーターの人数見直し等による減でございます。

 労働保険特別会計についてですが、そのうち労災勘定の予算案は15億円、対前年度21億円の減額となっております。これにつきましては、東京障害者職業能力開発校の建て替え工事完了に伴う減です。

 雇用勘定の予算案は2,381億円、対前年度505億円の増額となっております。主な増加要因は、離職者等の再就職に資する職業能力開発プログラムの推進の要対人員の増、長期訓練の量を増やしております。また、人材開発支援助成金につきましても、要対人員の増による増額によるものでございます。

2ページ目、人材開発統括官における平成30年度予算案の主な施策ということで、働き方改革実行計画、未来投資戦略2017などを踏まえ、1番目として働き方改革の着実な実行や人材投資の強化等を通じた労働環境の整備・生産性の向上、2番目に女性、若者、障害者、高齢者等の多様な働き手の参画、3番目に人材育成を通じた国際協力の推進を掲げ、これらを3つの柱としております。

 次のページに進みまして、この3つの柱について、より具体的な施策の内容を記載しております。ポイントを絞らせていただきます。第1の大きな柱、働き方改革の着実な実行等ですが、881億円を計上しております。このうち、真ん中のほうですが、生産性向上に資する人材育成の強化では、ハロートレーニングにおいてITリテラシーの習得メニューの新設や、4ページのマル2人手不足となっている業界への若者等の定着のため、業界主導で育成支援団体及び協力企業が一体となって、基礎的知識・能力の形成から一人前レベルの取得まで、一貫して継続的に支援する新たな能力開発や、非正規雇用労働者等を対象として国家資格の取得等を目指し、正社員就職を実現する長期の離職者訓練を推進するための経費や、マル3の企業内の人材育成を支援するため、人材開発支援助成金を活用した企業内訓練等の推進や、建設業については離転職者、新卒者、未就職卒業者等について座学、実習等の訓練から就職支援までをパッケージとして行い、建設業界の人手不足解消を支援するための経費として、855億円を計上しております。

 次に4ページ目の下のほう、職業能力の見える化の推進では、職業能力の「見える化」の観点から技能検定やジョブ・カードの強化・活用促進を図るため、若者が技能検定を受験しやすい環境を整備し、各都道府県におけるものづくり分野を支える必要な人材の確保・育成を支援するため、受検料の減免を行う都道府県等に対し国の支援を講じるとともに、ジョブ・カードを活用した雇用型訓練実施企業の開拓、当該企業へのジョブ・カードの作成、キャリアコンサルティングの実施等に係る支援に取り組むための経費として、46億円を計上しております。

5ページ目に移ります。第2の大きな柱、女性、若者、障害者、高齢者等の多様な働き手の参画では1,675億円を計上しております。このうち、1、女性の活躍促進に向けた職業能力開発の推進では、子育て女性や社会人のためのリカレント教育講座や土日・夜間講座、e-ラーニング講座等、専門実践教育訓練対象講座の多様化、利便性の向上等を図るための研究・開発や、ハロートレーニングにおいて育児等による時間的制約がある方向けに託児サービス支援の提供や、保育分野について求職者の特性・ニーズに合わせた訓練コースの設定等のための経費として、427億円を計上しております。

 次に2のところ、若者や就職氷河期世代の活躍促進として、(1)地元就活支援コラボプロジェクトの推進では、希望する地域で働ける勤務制度の導入等を促進するため、若者雇用促進法に基づく指針を改正し、社会的機運の醸成を図るとともに、文部科学省と連携し、より早期からの職業意識形成支援と就職ニーズの把握に取り組むことで、大学生等が望む働き方・地域での就職の実現を図るための経費として、84億円を計上しております。

6ページ目、(2)就職氷河期世代への支援では、いわゆる就職氷河期に就職時期を迎えた不安定就労者等に対し、職業訓練の実施や雇い入れた事業主に対する助成を行うとともに、担当者制によるきめ細かい就職支援等の実施のための経費として、71億円を計上しております。

(3)在職中の若者の定着支援では、在職者の職場への定着支援や非正規雇用労働者のキャリアアップに関する相談に専門性を有するキャリアコンサルタントの育成・企業内外での活用促進を図るための経費として、1.2億円を計上しております。

(4)若者無業者等の社会的・職業的自立のための支援の推進では、地域若者サポートステーションと関係機関との連携強化等による、高校中退者等をはじめとする若年無業者等に対する切れ目のない就労支援の推進に加え、就職氷河期世代の無業者の自立に向けた総合的サポートのモデル実施に係る経費等として、421億円を計上しています。

(5)技能五輪国際大会の日本国内への招致では、技能五輪国際大会の日本国内への招致に向け、招致活動、国内の青年技能者の競技力の向上、競技大会の活性化を図る経費として、5.6億円を計上しております。

7ページ目に移りまして、精神障害者など多様な障害特性に対応した就労支援の強化では、障害者職業能力開発校において、職業訓練上特別な支援を要する障害者に重点を置いた職業訓練の実施、職業能力開発校(一般校)において精神障害者を対象とした職業訓練をモデル的に実施し、精神障害者を受け入れるための体制整備を図るための経費として、62億円を計上しております。

4のハロートレーニング等によるセーフティネットの確保では、地域ニーズに対応すること等により、より安定した就職の実現につなげるため、公共職業訓練及び求職者支援制度を実施する費用として1,465億円を計上しております。

 第3の大きな柱、人材育成を通じた国際協力の推進では36億円を計上しております。このうち1の外国人技能実習制度の適正かつ円滑な運用では、技能実習法に基づき、外国人技能実習制度の適正かつ円滑な運用を図るために必要な経費として、35億円を計上しております。以上が、人材開発統括官の平成30年度予算案の内容です。

○小杉分科会長 ありがとうございました。それでは皆様から御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。

○村上委員 予算に直接関わることではないのですが、外国人技能実習制度についての要望です。1つは、この分科会の下にある監理団体審査部会において、現在、監理団体の許可について精力的に審査を行っていると承知しております。もうすぐ申請に関する処理が終わるのではないかと思うのですが、そういった全体の状況について、次回以降、監理団体審査部会自体が非公開なものですから、この分科会で御報告いただけないかというお願いです。

 もう1つは、昨年111日から技能実習法が施行され、どれぐらいたったら全体の状況がつかめるかということはあるのですが、監理団体からの事業報告など、一定程度期間を置いた段階で集約して公表していただけないかということです。労働者派遣や職業紹介事業について、事業報告の全体状況が報告されておりますので、技能実習についても広く全体状況が分かるようにしていただけないかというお願いです。以上です。

○小杉分科会長 いかがですか。

○澤口技能実習業務指導室長 ありがとうございます。許可のほうはお話のとおり、この分科会の下の監理団体審査部会で審査をしていただいて、それに基づいて許可をさせていただいているところです。数を申し上げますと、1月末現在で1,888団体の許可が済んでおります。申請が全体で約2,000件ということですので、かなり多くの許可をさせていただいている状況です。情報を整理して、この分科会でも情報提供させていただければと思います。また、事業報告についてもいろいろ分析をさせていただいて、データの状況等も情報提供させていただければと思っております。よろしくお願いいたします。

○小杉分科会長 ほかにございますでしょうか。ないようでしたら、この議題はここまでとさせていただきます。

 最後の議題です。「職業訓練指導員の養成等に関する検討概要について」です。内容について事務局から説明をお願いします。

○波積人材開発政策担当参事官 政策担当参事官の波積です。資料4を御覧ください。現在、職業訓練指導員がかなり足りなくなっていることを踏まえて、現状どうなっているか、今後どういう方向で対応すべきかという方向性が大分見えてまいりましたので、その説明をさせていただこうと思います。

 まず資料4-1、こちらは御案内のとおりかもしれませんが、まず1、現状ということで、かつて、行政刷新会議事業仕分け等々において指摘されていることを書いております。平成17年から21年当時、指導員の就職率が8%から41%ということで、指導員の就職が低いのではないかという御指摘、あるいは4年もかかっているのはちょっと長いのではないかという御指摘がございました。これを踏まえ、平成26年度以降、養成課程を見直す形で右側の四角枠にあるような現行制度になっております。

 まず、上の四角にございますとおり、指導員になる方の課程は、指導員になりたいという希望者に限った課程を作ったということです。基本は、まずマル1の長期養成課程ということで、4年制課程を廃止して最大2年の長期訓練で養成する。また、民間企業等の実務経験に応じた方を採用する枠組みとして、短期養成課程という、もう少し短い期間で養成する課程を設置しました。そのほか、総合課程ということで職業訓練指導員の基礎となる技能・技術を習得した方、学位を取得できるようなコースを設けるという、こういった枠組みで見直しを行いました。その結果、一番右側にございますとおり、この4年間の実績は268人と、ほぼ毎年70人ぐらい人員を輩出できた、指導員として輩出できたわけです。

 ただ一方で、今後どうなるかを見るということで、下の2を御覧ください。これから定年退職を迎える可能性が高い50代、60代の方が1,800人余り、あるいは欠員として埋まっていない方が167人と、今後10年間でおよそ2,000人が足りなくなる。言ってみれば、毎年200人新たに入れなければいけない状況になっているわけです。

 その上で、質の高い人材も養成しなければいけない、またなるべく早く現場に出したいというような課題がある中で、私どもとしては、毎年の200人のうち100人につきましては、現行の枠組みを何とかもう少し拡大して確保したく、残りの100人につきましては、正に現場で働いているベテランの方々に何とか手を挙げていただきたいということで、今、考えているところです。

 その上で方向性ということで、次の資料4-2を御覧いただければと思います。こちらにございますとおり、昨年度に職業訓練指導員の養成等に関する検討委員会を立ち上げ、メンバーや課題、あるいは検討事項に書いてあるとおりですが、半年ほど議論を進めてまいりました。

 その結果、まず検討事項の1として、そもそも知られていないなという話がありました。この辺、できるところはすぐやろうということで、例えば右側にありますとおり、予算措置でできること、今まで情報そのものが各都道府県バラバラに流れていたものを統一して提供することが可能であるということで、機構のほうに情報サイトを設置するという形で、平成30年度の予算措置ですぐ対応できることとして考えているところでございます。

 さらに運用による対応ということで、実際にイベントをやるとか、企業あるいは大学などでPRをする、あるいは昨年10月に愛称・キャッチフレーズを活用した広報をするということで、「テクノインストラクター〜技で未来を切り開く〜」という、私どもハロートレーニングに合わせた形で、これからより周知をかけていこうと。運用上、できることは今までもやっておりますし、これからもしっかりやろうではないかというところで方向性が出ているわけです。

 ただ一方、運用だけではなく、やはり省令の改正が必要な事項もあるだろうということで、取り上げている課題が検討事項のマル2マル3マル4です。養成課程の仕組みの見直しをする、指導員免許の取得要件の見直しをする、あるいは中長期的な形でどうやって指導員を育成すればいいのかということにつきまして、方向性を真ん中の赤い四角の中にあるような形で検討いたしました。具体的に、では何の省令改正が必要なのかということで、一番下、省令改正が必要な検討事項ということで取りまとめをさせていただいております。

 まずマル1として指導員の養成課程等の仕組みの見直しです。現行制度では、総合課程や応用課程等の修了時にすぐ免許が取れないという問題がある。あるいは長期養成課程において、言ってみればフルスペックの指導員を養成しようという考えでいるものですから、すぐ現場に配置ができないという課題があります。そういった中で、次のページで御説明いたしますが、短期養成課程の仕組みがありますので、これをうまく使いながら、あるいはフルスペックでない普通課程といったものを使いながら、現行の養成の仕組みを改正してはどうかという方向性を出しているところです。

 あるいは、実際にベテランの方々をどう使うか、どのように指導員に入ってもらうかというのがマル2の観点です。現行の指導員免許では、業界に広く認知されている資格があるにもかかわらず、なかなかその辺の資格が全て受験免除の対象になっていないということがあります。この辺をうまく解消できないかということで検討させていただいたところです。

 具体的な方向性は、次の2ページ目、2/2にあるとおりです。現行の仕組みが左側です。現状では長期養成課程2年、その中で今の総合課程、応用課程、あるいは一般大学を卒業した方が長期養成課程に来て資格を取る。短期養成課程では1年以内で資格を取るという形になっているわけです。この短期養成課程をうまく使うことで、例えば検討案にありますとおり、現行の総合課程の中に短期養成課程を組み込んで、言ってみればちょっとダブルスクール的な形になるわけです。そこでフルスペックの専門課程ではないのですが、普通課程ということで、習得する能力の所を網掛けしてあるので見ていただくと分かりやすいのですが、専門課程では指導力から技能、技術、コーディネート、キャリアコンサルティング等様々な能力が必要という形にしておりますが、普通課程につきましては指導力と技能・技術力、この2つでいいという形になっております。この部分をまず入れるということで、4年間でまず取れる課程を作る、あるいは応用課程や一般工科大の卒業生につきましても、普通課程の免許を取るのであれば短期で取れるという形で工夫をさせていただいております。

 ただ、もちろん我々としては、最終的にはフルスペックの専門課程を当然取っていただきたいものですから、それに対する対応として、右側にあるような長期養成課程に途中から入ることができ、結果的にスキルアップ、質を高めることも合わせて実現したいというのが、まず大きなスキームで、現行の制度をうまく利用しながらできるスキームなのかなと提案しているものです。

 さらに、ベテランの方々を受け入れる資格という形で考えているのが、一番下の部分、免許資格の拡大の部分でございます。まず、一番指導員が不足していると都道府県等から要望が上がっているのが溶接科の免許ですので、溶接科で説明をさせていただいております。例えば現行ではここに書いてある2つの資格が対象で、受験者数が2,000名ということですが、これを同じような形で技能ある資格、ガス溶接作業主任者免許等々ございまして、単純に受験者数を比べますと、10万人以上ということで、指導員の対象となる可能性のある方々が50倍に増えるという形になります。例えば、こういったことも使い、ベテランの方々に応募していただけるという環境を何とか作っていきたいということです。いずれにいたしましても、こういった形の仕組みを検討を深め、来年度以降、またこの場で御議論していただければと考えている次第です。以上です。

○小杉分科会長 ありがとうございました。

○角島委員 まず、指導員の養成については、これだけ絶対的な不足が将来起こり得るというところで、例えば、私どもの企業も退職者の方ということではなく、現役の社員を出向などの形態で派遣をして指導員をやっていただくような仕組みも作られたらどうかという提案なのですが、いかがでしょうか。

○波積人材開発政策担当参事官 今の御発言、現場の運用の形でそういうことができないかという話かと思います。私どもとしては、現時点では、まず制度的な見直しということで、今回提案をさせていただきました。そういった仕組みは恐らく、機構さんとか都道府県さんとの関係で決まるものかと思いますので、もちろんうまくそういうものが使えるようでありましたら、そういったアイディアもいかしながら対応したいと思います。お考えを披露いただきましてありがとうございます。

○小杉分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○荘司委員 指導員の訓練の現場の懸念事項といいますか、従前からも指導員よりも年齢が高齢の訓練者であったりとか、あるいは東大の工学部を出たような専門性が高い能力を持っているような訓練生がいたりということで、なかなか指導員との関係性などが懸念されている中、従来の指導員養成訓練から期間が1年なり半年短くなっていくということになると、十分な指導員の養成ができるかというのが、また懸念されていきます。そういったところも念頭に置いていただきたいと思います。

 もう1つ、指導員の質を維持していくのは非常に重要なことになっていくかと思いますので、教官の配置であったり転換という場合には十分配慮していただければと思います。是非よろしくお願いしたいと思います。

○波積人材開発政策担当参事官 御指摘ありがとうございます。正に、実際に現場でちゃんと教えられていることが大前提ですので、そういうことも、もちろんしっかりと考えながら制度設計を行ってまいります。御指摘ありがとうございます。

○小杉分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○臼田委員代理菱沼氏 菱沼です。今、御説明いただきました職業訓練指導員に関連し、職業能力開発大学校の件、職業大と言われていますけれども、3点ほど意見を申し上げさせていただきます。職業大につきましては、職業訓練指導員の資質の向上を目的にして、学士、修士の学位が取得できる体制にあるということですが博士の学位を取得するために、卒業生等が他大学へ行っているというのが現状だと伺っております。職業訓練指導員の養成につきましては、職業大の基幹業務として職業能力開発促進法で定められているとおりですが、養成指導する教員を職業大で博士の学位が取れるようになれば、自前で確保可能となるとともに、職業訓練全体の資質の向上や認知度向上につながると思われます。各省庁の大学でも博士課程を設置している大学校もありますので、是非、博士課程の設置の検討と、それに対する予算化をお願いしたいというのが1点です。

 もう1点、先ほど志村参事官から予算の関係で御説明いただきました点、第3の人材育成を通じた国際協力の推進に関わることなのですが、職業大において実施しています国費外国人留学生受入れ事業があるかと思います。我が国で培った技能や技術を、中国や東南アジアなどに移転する当該事業で学ぶ留学生が技能を取得して、送出し国で指導員になっています。近年、その留学生が減っているということも伺っておりますので、国際協力や国際貢献の観点から、本事業への予算措置をお願いできたらというのが2点目です。

 最後に3点目です。職業大は現在、小平キャンパス1つになっていると思いますけれども、かつて相模原キャンパスもあったということでした。ただ土地で6分の1、建物で4分の1と、ちょっと小さくなってしまったということを伺っております。各地域から来る指導員の宿泊施設に困っているとか、質の確保に困っているということでした。その辺、今年の予算というのは難しいかと思いますけれども、来年度に向けて是非検討いただけたらということでございます。今、雇用状勢が良くなっているというのは皆さん御承知のことですが、雇用状勢が悪化した時の準備や、今後を見据えた職業訓練の基盤強化に重要な時期と考えております。是非、御検討いただけたらと思いますので、意見として申し上げます。以上です。

○波積人材開発政策担当参事官 まず1点目の博士課程ですが、修士は今年はじめての卒業生が出るばかりですので、正にこの運用を何とか見た上で、今後どういうことが可能なのかを検討させていただく課題かと思います。

 予算につきましてはいろいろありますので、我々としてはできる限り努力は続けたいと思います。御指摘ありがとうございました。

○大久保委員 質問なのですが、この10年間に定年を迎える数が1,805人と書いてあるじゃないですか。60代の方も502人いるのですよね。これは何歳で定年して定年後に再雇用したりとか、全体の制度設計は現状どうなっているのでしたか。

○波積人材開発政策担当参事官 実際の再雇用みたいなものはございます。ただ、まずざくっとした数字として5060という数字を出して、需要としてできないものを入れた上で、少なくとも2,000人という数字が出てくるのではないかということで、この2,000という数字を出しております。

○大久保委員 実際には、定年年齢を迎えた人達も、できる限りは再雇用で継続的に活躍していただくような方向に持っていくのかと思うのですが、実際どのぐらいの人が、定年年齢を超えて再雇用で実際に指導員として継続するのでしょうか。

○波積人材開発政策担当参事官 すみません、今日はデータそのものとしては、機構以外、都道府県のデータなどもあるものですから、我々はそのデータそのものは、今把握しておりません。ただ、大事なことは、もちろん50代、60代の方の再活躍も大事なのですが、一方、都道府県の20代の指導員の比率が約4%とかなり少ないものですから、やはりなるべく若い方を補充したいという気持ちは、我々の制度設計上は考えているところです。

○小杉分科会長 ほかにございますでしょうか。ないようでしたら、この議題はここまでとさせていただきます。そのほか、委員の方々、何かございますか。

 ないようでしたら、本日の議論は以上といたします。また、次回ですが、第4回の日程につきましては、32()14時よりの開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。本日の議事録の署名委員ですが、労働者側は松井委員、使用者側は角島委員にお願いしています。

 本日はこれで終了いたします。皆様、どうも御協力ありがとうございました。


(了)

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