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2017年6月20日 薬事・食品衛生審議会 指定薬物部会 議事録

○日時

平成29年6月20日(火)16:00~


○場所

厚生労働省専用第21会議室


○出席者

出席委員(9名)五十音順

 池 田 和 隆、○石郷岡   純、 遠 藤 容 子、 桐 井 義 則、
◎鈴 木   勉、  関 野 祐 子、 花 尻 瑠 理、 松 本 俊 彦、
 宮 田 直 樹
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(2名)

青 山 久 美、 成 瀬 暢 也

行政機関出席者

武 田 俊 彦 (医薬・生活衛生局長)
伊 澤 知 法 (監視指導・麻薬対策課長)

○議事

○監視指導・麻薬対策課長 ただいまから薬事・食品衛生審議会指定薬物部会を開催いたします。本日は大変お忙しい中、委員の先生方には御出席いただき誠にありがとうございます。

 本日は、青山委員、成瀬委員から、欠席の御連絡を頂いております。また、松本委員、関野委員からは、少し遅れるとの御連絡を頂いております。現在のところ、当部会の委員数11名のうち7名の御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。また、松本委員におかれましては前回御欠席のため、今回が初めての御出席となります。関野委員におかれましても、所属変更に伴う委嘱手続が終了いたしましたので、本日の部会よりの御出席となっております。お二人が御到着次第、一言ずつ御挨拶を賜りたいと思っております。

 続いて、本部会の公開、非公開の取扱いについてご説明いたします。総会における議論の結果、会議を公開することにより、委員の自由な発言が制限され、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると判断されたことから、非公開とされております。また、会議の議事録の公開については、発言者氏名を公にすることで、発言者等に対して、外部からの圧力や干渉、危害が及ぶおそれが生じることから、発言者氏名を除いた議事録を公開することとされておりますので、あらかじめ御了承いただきたいと存じます。それでは、以後の議事進行は、鈴木部会長にお願いします。よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 最初に事務局より、資料の確認をお願いいたします。

○事務局 資料1から資料3、参考文献が1から14、さらに参考資料が1から3となっております。以上です。

○鈴木部会長 資料がお手元にない場合にはお知らせ願います。よろしいですか。

 本日の議題は、「指定薬物の指定について」です。審議物質について、事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 今回御審議いただきたい4物質については、国内外で流通実態が認められた物質になります。資料1は各物質の名称、通称名、構造式を記載しております。これらの物質について、指定薬物として指定し、規制対象とする必要があるか否かについて御審議いただきたいと思っております。資料2は御審議いただく物質のほか、構造が類似する指定薬物や麻薬等について一覧表にまとめたものです。資料3は、国内外の基礎研究や動物実験の結果等について、中枢神経系への影響を中心に取りまとめたものです。まず、資料2の説明をいたします。その後、物質1と物質2について説明いたします。

○監視指導・麻薬対策課長 ここで松本先生が御到着されました。早速で恐縮ですが、今回初めてということで、一言御挨拶をお願いいたします。

○松本委員 遅れまして、どうもすみません。国立精神神経医療研究センターの薬物依存研究部で部長を務めさせていただいている松本と申します。不慣れでありますが、どうぞよろしくお願いいたします。

○監視指導・麻薬対策課長 では、事務局から説明を続けます。

○事務局 資料2は、審議物質及び審議物質と構造が類似する物質や作用が類似する物質について、文献資料や過去の指定薬物部会の資料から確認できたデータを取りまとめています。まず、資料2-1には、フェネチルアミン系の審議物質1の4-CMAに構造が類似する指定薬物や覚醒剤について、症状観察、自発運動量への影響、マイクロダイアリシスのデータ等をまとめております。

 審議物質1は自発運動を増加し、マイクロダイアリシス試験ではモノアミンを有意に増加させており、過去に指定した指定薬物と同種の作用を有することを確認しております。

 資料2-2には、カンナビノイド系の審議物質2のCUMYL-4CN-BINACAに構造が類似する指定薬物や麻薬について、自発運動量への影響、カンナビノイド受容体に対するデータ等をまとめています。審議物質2は自発運動を抑制し、ヒトカンナビノイド受容体への活性を有しており、過去に指定した指定薬物と同種の作用を有することを確認しております。

 資料2-3にはフェンタニル系の審議物質3のアクリルフェンタニルに構造が類似する指定薬物や麻薬について、症状観察、自発運動への影響のデータを取りまとめています。審議物質3は、後ほど資料3で御説明いたしますが、多くの死亡事例を含む有害事象が報告されております。縮瞳や呼吸抑制など、オピオイド中毒で生じる顕著な症状も確認されており、過去に指定した指定薬物や麻薬と同種の作用を有することを確認しております。

 資料2-4には、フェンサイクリジン系の審議物質4のデスクロロケタミンに構造が類似する指定薬物や麻薬について、自発運動への影響、モノアミントランスポーター阻害、マイクロダイアリシスのデータ等をまとめています。審議物質4は自発運動量を増加させ、マイクロダイアリシス試験でもモノアミンを有意に増加させており、過去に指定した指定薬物や麻薬と同種の作用を有することを確認しております。

 ここからは資料3を用いて説明いたします。資料3-1の1ページを御覧ください。通称名4-CMAですが、指定薬物である3-FMA、4Cl-AMPと構造が類似する化合物です。

 まず、()行動・中枢神経症状の観察としてマウスに4-CMAを2、20100mg/kgを経口投与して、投与後の30分、60分、120分の行動及び神経症状を観察しております。

 2mg/kgの投与群では、攻撃性、触反応、痛反応、耳介反射、角膜反射、払いのけ動作の亢進、洗顔運動の抑制が、20mg/kgの投与群では、2mg/kgの投与群で観察された項目に加えて、外界反応の亢進と懸垂力の抑制、瞳孔の散大が確認されたと報告を受けております。100mg/kgの投与群は、さらに反復動作、自発運動、ふるえの亢進が見られ、スニッフィング、指間離開、流涎、皮膚の赤化も新たに確認されたと報告を受けております。また、100mg/kgの投与群においては、投与後約1時間30分から、飛び跳ね、挙尾、激しい痙攣の症状が現れ、1匹が死亡、翌日にも1匹の死亡が確認されたとの報告を受けております。

 2ページです。上段の表1に、4-CMAに関する行動及び中枢・自律神経症状観察における評価値の抜粋を載せております。数値は、各群マウス5匹のスコア平均値となっております。低用量群でも複数の観察項目において「生態影響あり」との結果となっております。ちなみに、写真1のマウスが投与後約1時間30分後に死亡したマウスです。

 下段の()で、自発運動における運動量の測定ということで、マウスに4-CMAを20mg/kgを経口投与し、投与後3時間まで10分毎の自発運動量を測定しております。3ページのFig.1とあわせて御覧いただければと思います。4-CMA投与群と蒸留水の対照群に対して、マウス4匹ずつを使用し、総運動量、大きい運動量、立ち上がり回数、総移動距離について、Wilcoxoan testを用いて有意差検定を行ったところ、いずれも投与後5060分~180分後まで、対照群と比べて有意な増加を示したとの報告を受けております。

 続いて、4ページ()にマイクロダイアリシス試験による、モノアミンの経時変化についての報告を載せております。コントロール()群に対して、4-CMA18mg/kg経口投与群のモノアミンの増加率の有意差を、ウェルチのt検定で求めたところ、Fig.2のとおり、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリン、いずれも有意に増加するとの報告を受けております。

 5ページの()に4-CMAのセロトニン受容体に対するアゴニスト活性EC 50 を測定した結果を載せております。いずれもEC 50 の値が1×10-5mol/Lを上回るとの報告を受けております。こちらについては、活性が弱いという結果となっておりますが、それ以外の試験結果を踏まえれば、4-CMAは中枢神経に作用する物質と考えております。

 最後に()の海外での流通状況ですが、2015年にベルギーとトルコ、2016年にクロアチアにおいて、流通が確認されております。

 続いて6ページの資料3-2、通称名CUMYL-4CN-BINACAですが、指定薬物であるCUMYL-5F-PINACA、CUMYL-PINACAと構造が類似している化合物です。()行動及び中枢神経症状の観察ですが、マウスにCUMYL-4CN-BINACA15mgを添加したマーシュマローリーフをタバコ両切さや紙に充填したものを燃焼、マウスを薬物にばく露させ、燃焼終了153060分後の行動及び中枢・自律神経症状を観察しております。

 7ページを御覧ください。CUMYL-4CN-BINACAをばく露したマウスは陰性対照であるマーシュマローリーフをばく露したマウスと比較し、消極性、洗顔運動、外界反応、触反応、痛反応、立ち上がり動作、自発運動、異常歩行、異常姿勢、筋緊張度、正向反射、角膜反射、懸垂力、払いのけ動作の抑制が見られております。また、攻撃性、反復動作、挙尾反応、痙攣の亢進が見られております。さらに、呼吸数、心拍数、体温の低下、瞳孔の散大が確認されたと報告を受けております。7ページの表2には、CUMYL-4CN-BINACAの吸入ばく露時の行動及び中枢・自律神経症状観察における評価値の抜粋を載せております。数値は、各群マウス5匹のスコアの平均値となっており、陽性対照と今回の物質は同程度の評価値となっております。

 8ページです。()にカタレプシー試験の結果を載せております。CUMYL-4CN-BINACAばく露後30分において、5匹中1匹が陽性を示しております。ばく露後15分と1時間は、全て陰性との報告を受けております。

()に、ヒトカンナビノイド受容体に対するアゴニスト活性EC 50 を測定した結果を載せております。CB 1 受容体に対するアゴニスト活性EC 50 の値は、7.51×10-10 、CB 2 の受容体は1.13×10-9mol/Lでした。

 参考ではありますが、ほかの文献で麻薬であるJWH-018の受容体親和性に関する報告値も載せております。直接の比較にはなりませんが、CUMYL-4CN-BINACAは非常に高い受容体親和性を有していると考えております。以上から、CUMYL-4CN-BINACAは中枢神経に作用する物質と考えております。

 最後に8ページ下段()の海外の流通状況ですが、2016年にハンガリーにおいて流通が確認されております。以上、2物質について、指定薬物として差し支えないと考えておりますが、御審議のほどよろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 事務局より説明のあった物質について、委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。まず、最初に、□□委員から流通実態をお願いします。

□□委員 □□□□で行っている危険ドラッグの流通実態調査においては、両化合物とも国内流入及び国内の流通製品から検出しておりません。

○鈴木部会長 ありがとうございます。委員の先生方より御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。ございませんか。

 最初の物質の行動変化は明確に出ていると思います。ただ、セロトニンに対する作用は明確ではありませんが、ダイアリシスの変化も出ております。2番目の物質は、明らかにカンナビノイド受容体1、受容体2ともに作用していますので、法的な指定薬物の定義は満たしていると思います。ということでよろしいでしょうか。

 それでは、まとめさせていただきます。ただいま事務局より説明のあった物質に関しては、医薬品医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、引き続きほかの2物質の御説明をお願いします。

○監視指導・麻薬対策課長 関野委員にお越しいただきました。私どもの所属変更に伴う委嘱手続の関係で、本日が初めての御出席ということですので、一言御挨拶を頂戴できればと思います。

○関野委員 東京大学薬学研究科の薬品作用学教室で特任教授をしております関野と申します。前職は、国立薬品食品衛生研究所の薬理部長をしておりまして、5年間こちらで委員をさせていただいていましたが、少し空白がありまして、今日初めてとなります。どうぞよろしくお願いいたします。

○監視指導・麻薬対策課長 ありがとうございました。引き続き、事務局から説明いたします。

○事務局 では、物質3、物質4について御説明いたします。資料3-3、9ページを御覧ください。通称名アクリルフェンタニルですが、指定薬物であるブチリルフェンタニル、麻薬であるフェンタニルと構造が類似する化合物です。まず、()オピオイド受容対に関する報告について載せております。ラットの脳を用いて、ナロキソン、ナルトレキソンと、アクリルフェンタニル、フェンタニル、そしてモルヒネとのオピオイド受容体に対する親和性を評価したところ、フェンタニルやモルヒネと同程度に親和性が高いことが確認されております。

 続いて、10ページに()鎮痛作用に関する報告を載せております。マウスにアクリルフェンタニル、モルヒネ、フェンタニルを腹腔内投与し、鎮痛効果を確認するのに用いるhot-plateテストを行い、鎮痛効果やED 50 を検討しております。中央の表のカラムに、モルヒネを1とした際のアクリルフェンタニルの鎮痛作用の効力比が、169.5と示されております。このことからも、アクリルフェンタニルの鎮痛作用は、モルヒネの約170倍と非常に強力であることが確認されております。また、hot-plateテストを用いた別試験において、マウスにアクリルフェンタニルを50mg/kg腹腔内投与したところ、投与して1時間後に呼吸抑制により死亡が確認されております。

()の海外での流通状況ですが、2016年にデンマーク、スウェーデンにおいて流通が確認されております。

 最後になりますが、()の死亡事例に関してですが、2016年4月から9月の間に、アクリルフェンタニルの使用により、デンマークで1例、スウェーデンで39例の死亡事例報告があります。そのうち38例の体内からは、ベンゾジアゼピン、合成カンナビノイド、アンフェタミンなどの薬物も検出されていることが確認されております。

 今回、アクリルフェンタニルのオピオイドμ受容体に対する受容体親和性に関するデータを確認することはできませんでしたが、hot-plateテストより鎮痛効果が見られること、さらにマウスが呼吸抑制で死亡したこと、また何より海外での有害事象報告において、縮瞳、意識消失、呼吸抑制など、オピオイド中毒で生じる顕著な症状も確認されていることなどより、過去に指定した指定薬物と同等以上の作用を有すると考えております。以上から、アクリルフェンタニルについて、中枢神経に作用する物質と考えております。

 次に、資料3-4、11ページを御覧ください。通称名デスクロロケタミンです。指定薬物であるMMXEや麻薬であるメトキセタミン、ケタミンに構造が類似する化合物です。デスクロロケタミンはケタミンから脱塩素化したものです。()行動及び中枢神経症状の観察として、マウスにデスクロロケタミンを2、20100mg/kgを経口投与し、投与後30分、60分、120分の行動及び神経症状を観察しております。2mg/kgの投与群では、角膜反射の亢進が見られています。20mg/kgでは角膜反射のほか、反復動作、自発運動、異常歩行、筋緊張度、挙尾反応、ふるえの亢進、洗顔運動、立ち上がり動作、懸垂力、排尿、排便の抑制、加えて呼吸数、心拍数の増加、体温の低下、指間離開、瞳孔の散大が確認されたと報告を受けております。高用量の100mg/kg投与群は、20mg/kg投与群で観察された項目に関して、同等又はそれ以上の強度で確認されたことに加え、発声、痙攣の亢進、消極性、外界反射、触反射、痛反応、異常姿勢、正向反射、耳介反射、払いのけ動作の抑制も確認されたと報告を受けております。また、麻薬であるケタミンについても、これと同様の観察を行ったところ、ほとんどの観察項目においてデスクロロケタミンの平均評価値は、ケタミンを上回ったという報告を受けております。

12ページ上段の表3に、デスクロロケタミンに関する行動及び中枢・自律神経症状観察における評価値の抜粋を載せております。こちらも数値は各群マウス5匹のスコアの平均値となっております。下段の()ですが、自発運動における運動量の測定ということで、マウスにデスクロロケタミンを20mg/kg経口投与し、投与後3時間まで10分ごとの自発運動量を測定しております。13ページのFig.3をあわせて御覧ください。デスクロロケタミンの投与群と蒸留水の対照群、マウス4匹ずつを使用し、総運動量と大きい運動量、立ち上がり回数、総移動距離について、Wilcoxoan testを用いて、有意差検定を行いました。総運動量、大きい運動量、総移動距離で、投与直後から90分後まで対照群と比べて、有意な増加を示したとの報告を受けております。なお、立ち上がり回数は、投与後60分、70分、90分で有意な増加を示したと報告を受けております。こちらも、ケタミンに対しても同様の試験を実施し、有意差を検定したところ、自発運動量について有意差はほとんど認められなかったとの報告を受けております。

13ページの下段()に、マイクロダイアリシス試験によるモノアミンの経時変化についての報告を載せております。コントロール()群に対して、デスクロロケタミン18mg/kg経口投与群のモノアミンの増加率の有意差をウェル値のt検定で求めたところ、14ページのFig.4のとおり、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリン、いずれも有意に増加すると報告を受けております。こちらもケタミンについて同様の試験を実施して有意差検定を行ったところ、ノルアドレナリンで有意な増加が確認されたが、セロトニン、ドパミンでは有意差は認められなかったという報告を受けております。

15ページの上段に()として、デスクロロケタミンとケタミンのモノアミントランスポーターに対する機能影響評価について報告を載せております。ドパミントランスポーターとセロトニントランスポーターに対するIC 50 を算出したところ、ドパミントランスポーターについては、デスクロロケタミン、ケタミンともに、1×10-4mol/Lを上回るとの報告を受けております。セロトニントランスポーターについては、デスクロロケタミン8.2×10-5mol/L、ケタミンが4.4×10-5mol/Lで、作用は弱いですが、麻薬であるケタミンと同程度のモノアミントランスポーター阻害作用があるとの報告を受けております。

15ページの中段の()には、デスクロロケタミンのセロトニン受容体に対するアゴニスト活性EC 50 を測定した結果を載せております。こちらは、いずれもEC 50 の値が1×10-5 を上回るという報告を受けております。

 今回、デスクロロケタミンのNMDA受容体におけるPCP結合部位との親和性に関するデータを確認することはできませんでしたが、行動及び中枢・自律神経症状の観察、自発運動における運動量の変化、マイクロダイアリシス試験の結果から、麻薬であるケタミンと同等以上の作用を有すると考えております。以上より、デスクロロケタミンは中枢神経に作用する物質であると考えております。

 最後に()の海外での流通状況ですが、2015年にスペイン、2016年にはイタリア、スウェーデン、ハンガリー米国において、流通が確認されております。

 以上、2物質について、指定薬物として差し支えないと考えますが、御審議のほどよろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 ただいま事務局より説明のあった2物質について、委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。最初に、□□委員から流通実態をお願いします。

□□委員 □□□□で行っている危険ドラック製品の流通実態調査の結果ですが、最初のアクリルフェンタニルに関しては製品から検出しておりません。しかし、その次のデスクロロケタミンに関しては、国内流通1製品から、粉末の形で検出しています。

○鈴木部会長 ありがとうございます。それでは、委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。

□□委員が、デスクロロケタミンのNMDA受容体に対するアフィニティに関するデータをお持ちという話を伺っているのですが、いかがですか。

□□委員 私ども□□□□で、デスクロロケタミンに関して、ケタミンの代表的な薬理作用点であるNMDA型のグルタミン酸受容体の拮抗作用をラットの初代培養海馬神経細胞を用いて調べています。その結果、グルタミン酸で刺激した際の細胞内のカルシウムイオンの濃度上昇をパラメータとして定量測定したところ、ケタミンのIC 50 値が2.84μMだったのに対して、デスクロロケタミンのIC 50 値が1.8μMと、麻薬であるケタミンと同等以上の作用を持っていることが明らかになっております。

○鈴木部会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。発言が出尽くしたと思いますので、審議をまとめます。ただいま御審議いただいた物質は、医薬品医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、引き続き事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 今後のスケジュール等について説明いたします。本件の結果については、次回開催の薬事分科会で報告させていただく予定です。本日の結果を受け、指定薬物を指定するための省令改正の手続を進める予定です。また、いわゆる正規用途について、今のところ確認しておりません。いずれにしても、可能な限り適正使用に支障を来さないように対応する所存です。

○鈴木部会長 本日の議題は以上です。事務局から、その他の連絡事項があればお願いいたします。

○事務局 次回の部会日程について、正式に決まり次第、御連絡させていただきます。

 また、本部会は資料を回収いたしますので、そのまま机の上に置いていただければと思います。

○鈴木部会長 これで平成29年度第1回指定薬物部会を閉会いたします。委員の先生方、本日は御審議ありがとうございました。 



(了)

備  考
本部会は、公開することにより、委員の自由な発言が制限され公正かつ中立な審議に著しい支障をおよぼすおそれがあるため、非公開で開催された

連絡先:医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課 課長補佐 佐々木(2779)

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