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2017年8月23日 第32回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

平成29年8月23日(水) 16:00~18:00


○場所

田中田村町ビル8F 会議室8E
東京都港区新橋2-12-15


○出席者

出席構成員

新構成員、五十嵐構成員、伊藤構成員、小国構成員、落合構成員
北田構成員、合田構成員、後藤構成員、佐藤構成員、鈴木構成員
友池構成員、西川構成員、平安構成員、堀田構成員、村島構成員
横谷構成員

出席参考人

安藤参考人、勝野参考人、山本参考人

○議題

第II回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
要望品目の医療上の必要性について
開発要請品目の公知申請への該当性について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 定刻となりましたので、ただいまより第32回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議を開催いたします。本日は、岩田構成員、岡部構成員、藤原構成員、山本構成員より御欠席との御連絡を頂いております。また、北田構成員、鈴木構成員におかれましては、まだ御出席いただいてないようですが、遅れて来られると思います。現在のところ14名の先生に御出席いただいております。また、ワーキンググループの検討状況を御報告するに当たりまして、各ワーキンググループのメンバーから安藤参考人、勝野参考人、山本参考人に御出席いただいております。続きまして、事務局に人事異動がありましたので、御報告いたします。医薬・生活衛生局長の宮本でございます。

 

○医薬・生活衛生局長

 厚生労働省のこの夏の人事で医薬・生活衛生局長を拝命いたしました宮本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。旧薬務局を通じますと3度目ということになりました。また色々とお世話になると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。本日は、大変お暑い中、お忙しい中本会議に御出席いただきまして、皆様ありがとうございます。冒頭ですが、御挨拶も兼ねて少しお話をさせていただきたいと思っております。私ども医薬行政は、これまで長い歴史の中で、医療現場のニーズにどう答えていくか、どのような形で迅速に新しい技術を提供するかと、安全性をどう確保していくかということに苦心して参ったつもりではあります。国民の皆様の健康問題であるとか、医薬品あるいは医療に関する関心の高まりの中で、そういったニーズもますます高まってきているのかなということを感じているところではあります。このような中で、国内で承認されていない医療上の必要性の高い医薬品あるいはその適応につきまして、医療現場で早期に使用でき得るようにするということは、非常に重要だと私どもも思っておりますので、このような会議を設けさせていただいているところでございます。既に今回で32回ということで、非常に多くの成果が現実に出てきていると思っております。正にこの点につきまして、先生方に多大なる御協力あるいは御支援を頂きましたことに感謝を申し上げております。

 本日も数品目、御審議、御議論いただきたいと思っておりますが、検討に長く時間を要する品目も多くあるかと思っております。なかなか難しいステージに入ってきているのかなということを感じております。先生方のお力をお借りいたしまして、臨床現場で必要とされている、また患者さんから必要されている薬が迅速に臨床現場に届くように、引き続き御支援、御協力を賜れればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 ありがとうございました。医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長の山本でございます。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長

 山本でございます。よろしくお願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 最後に申し遅れましたが、医薬品審査管理課課長補佐の荒木でございます。よろしくお願いいたします。カメラ撮影につきましてはここまでとさせていただきます。それでは、堀田座長に以後の議事進行をお願いいたします。

 

○堀田座長

 皆様こんにちは。記録的に雨が続いた東京で、今日は雨なしで過ごせるかどうか、まだちょっと分かりませんけれども、御参加いただきありがとうございます。それでは、本日の配布資料の確認を事務局からお願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 配布資料の確認をさせていただきます。本日席上に座席表、議事次第、配布資料一覧、資料1、検討会議における検討の進め方、資料2-1、第II回要望に係る専門作業班の検討状況の概要等について、資料2-2、第III回要望に係る専門作業班の検討状況の概要等について、資料2-3、第IV回要望に係る専門作業班の検討状況の概要等について。資料3-1から3-3ということで、医療上の必要性に関する専門作業班の評価、資料4-14-2、公知申請への該当性に係る報告書、資料5-1、企業から提出された開発工程表について。企業から提出された開発工程表の概要等について、資料5-2、第I回要望関連、資料5-3、第II回要望関連、資料5-4、第III回要望関連、資料5-5、第IV回要望関連、資料6、開発企業の募集を行った医薬品のリスト、資料7-1、アーティカイン塩酸塩・アドレナリン酒石酸水素塩の歯科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔としての開発について、7-1の裏面ですけれども、資料7-2としてパクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型)の乳癌に対する用法・用量の追加に関する開発について、以上の資料を配布しております。

 また、参考資料につきましては、ひとまとめにして配布しております。参考資料1、開催要綱、参考資料2、構成員名簿、参考資料3-1、ワーキンググループの設置について、資料3-2、ワーキンググループメンバーの名簿、参考資料4-1、医療上の必要性の評価の基準について、参考資料4-2、開発要請企業の指定の考え方について、参考資料5、人道的見地から実施される治験の制度該当性基準について、参考資料6、執行部に所属している学会についてです。参考資料6は各構成員の先生方が執行部に所属している学会についてお示しさせていただいており、前回会議の資料を本日現在に更新した内容になっております。本検討会議の公平性の観点から、当面は構成員のうち、当該学会の執行部(理事会メンバー以上の場合を想定します)に該当する者は、当該要望に係る背景事情等の説明は行うものの、議決には参加しないこととすることになっております。本資料の内容に誤り等がございましたら、この時点でお知らせいただければと思います。

 

○堀田座長

 ありがとうございます。それでは、資料の方はよろしかったでしょうか。落丁等ありましたら、この場でお申し出いただきたいと思います。特にありませんね。では、前回のこの会議は517日に開催されております。それ以後の進捗状況につきまして事務局から説明をお願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 資料1を御覧ください。前回から変更いたしました部分を御説明いたします。変更した箇所は資料の右下にあります開発要請の件数に関するところです。本年7月末までに新たに開発要請した品目がありますので、件数の更新を行っております。企業に開発要請を行ったもののうち、第IV回要望につきましては、前回1件と報告しておりましたが、3件追加されまして、計4件に更新されております。それ以外の箇所については変更ありません。資料1の裏面につきましても同様な箇所について変更を行っております。資料1については以上です。

 

○堀田座長

 ありがとうございます。それでは、これまでの進捗につきまして何か御発言、御意見がありましたらよろしくお願いします。いかがでしょうか。特によろしいですか。ありがとうございます。それでは、続きまして、第II回、第III回、第IV回の未承認薬・適応外薬の開発要望について事務局から説明をお願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 資料2-1を御覧ください。第II回要望については、前回会議までに1ページ目の上段の表の右上の合計欄の未承認薬26件、適応外薬78件の合計104件について、医療上の必要性が高いとの評価を頂いております。その下に前回会議時点で検討中であった品目が2件書いてありますが、小児WG1件が検討対象外とされております。具体的な品目は資料2-14ページを御覧ください。要望番号II-173、人免疫グロブリンで血液型不適合溶血性黄疸の効能・効果で、日本新生児成育医学会より要望があったものです。当該要望については、要望のあった学会より、本療法に関係する現状を考慮して、要望を取り下げる旨の連絡がありましたので、検討の対象外としました。

1ページに戻っていただければと思います。検討中の品目は、現在、精神・神経WGの残り1件で、こちらは引き続き検討中という状況です。品目の詳細については3ページを御覧ください。成分名はチオペンタールナトリウムで、要望効能・効果は痙攣重積症です。

2ページを御覧ください。こちらは開発要請又は開発企業募集を行った品目の状況を示したものですが、こちらは前回会議から進捗はありません。個別品目の詳細については5ページの別添2となっており、グレーの網掛け部分については前回会議から変更・更新がなされた箇所となります。

 

○堀田座長

 一度区切っていただけますか。多分、2件のうち1件の取下げについてだと思いますが、伊藤構成員から発言を求められています。

 

○伊藤構成員

 これは私が以前に要望したものです。第II回要望からで長いこと掛かっています。臨床の現場において現在も使用されておりますが、結局エビデンスが足らないということで、一応、取り下げた方がいいのではないかということです。1つの潮目になったのは、バイアス評価のほうでローリスクバイアス、ハイリスクバイアスと分けて検討したときに、γ-ガンマグロブリンを使ったときにそれが交換輸血の率を減らさない(Louis D et al. Arch Dis Child Fetal Neonatal ED 2014; 99: F325-31)という結果が出ており、アメリカの教科書(Nelson Textbook of Pediatrics 20th edition) などもそれに準じて変えておりますから、今のところ様子を見た方がいいということで取り下げたと思います。取下げに関して私は関与しておりません。

 

○堀田座長

 というわけで、取下げの状況について御説明いただきました。続いて、資料2-2をお願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 続きまして、資料2-2を御覧ください。1ページの上段の表の右上の合計欄になりますが、第III回要望については、前回会議までに未承認薬で13件、適応外薬で34件の合計47件について、医療上の必要性が高いとの評価を頂いております。下段の表になりますが、前回会議時点で検討中であった22件のうち、抗がんWGにおいて、3件が医療上の必要性が高いと評価されております。具体的な品目は資料3-3で御報告いただきます。引き続き検討中のものについては19件あります。詳細については、3ページの別添1の表でお示ししており、グレーの網掛け部分については、前回会議から変更箇所があるものとなっております。

2ページは開発要請又は開発企業募集を行った品目の状況をお示ししているものです。資料の中ほどにありますが、前回会議時点で検討中のものは23件あります。この23件のうち2件は「公知申請が妥当であるもの」と評価されて、また3件は承認申請済みのため、「既に開発に着手しているもの」に分類されて、残りの引き続き検討中のものについては18件という状況となりました。検討中のものの詳細については、資料の7ページの別添2で表にまとめております。表のうち、グレーの網掛け部分が前回会議からの変更箇所となります。今回、「公知申請が妥当であるもの」とされた2件については、資料4-1及び資料4-2で御報告いただきます。

 また、「既に開発に着手しているもの」の3件については11ページを御覧ください。「既に開発に着手しているもの」として、要望番号III-(1)-80、レボチロキシンナトリウム、要望番号III-(4)-3、ミダゾラム、要望番号III-(1)-76.1、要望番号III-(1)-76.2、リツキシマブのそれぞれの要請内容に係るものです。これらはいずれも治験相談を実施済みであるということで、既に開発に着手したものと取り扱っております。以上で資料2-2の説明を終わります。

 続いて、資料2-3は平成2771日から平成281231日までの第IV回要望についての進捗状況を取りまとめたものです。第IV回要望については、前回会議までに1ページ目の上段の表の右上の合計欄の未承認薬2件、適応外薬4件の合計6件について、医療上の必要性が高いとの評価を頂いております。下段の表になりますが、前回会議時点で検討中であった21件のうち、循環器WGにおいて1件、精神・神経WGにおいて2件の計3件が医療上の必要性が高いと評価されております。具体的な品目の概要については、資料3-1、資料3-2で御報告いただきます。引き続き検討中のものは18品目あり、詳細については3ページの別添1の表を御覧ください。同じくグレーの網掛け部分が前回会議からの変更点となります。

2ページは開発要請又は開発企業募集を行った品目の状況をお示ししているものです。資料下段の「4.前回検討会議から本会議までの開発要請と公知申請の妥当性の確認に係る進捗状況について」の1つ目のポツですが、前回会議で医療上の必要性が高いと評価された3品目について、平成2968日に開発要請を行っております。現在は、これら3品目について、試験や公知申請の妥当性を検討しているところです。説明は以上です

 

○堀田座長

 ただいまのものを含めて、何か御発言、御意見がありましたら、どうぞよろしくお願いします。ここまでは特によろしいでしょうか。ありがとうございます。続きまして、要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況について、それぞれのWGから御報告いただきます。最初に、循環器WGから山本先生、よろしくお願いします。

 

○山本参考人

 資料3-11ページ、Defibrotideについて、日本造血細胞移植学会から類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症;VOD)の適応に関する要望書が提出されております。類洞閉塞症候群は、造血幹細胞移植後の重篤な合併症の1つとして知られ、重症の場合は腎不全、呼吸不全等の多臓器不全を引き起こし、死亡に至ることもあることから、適応疾病の重篤性は、「ア」生命に重大な影響がある疾患に該当すると判断しております。また、医療上の有用性ですが、本薬は米国、英国、ドイツ、フランスで、類洞閉塞症候群に関して承認されており、海外ガイドラインにおいても類洞閉塞症候群の治療法として推奨されております。本邦においては、現在、類洞閉塞症候群に関する効能・効果で承認された薬剤はなく、有効性及び安全性が確立された治療法は存在しないことから、医療上の有用性は、「ア」既存の療法が国内にないに該当すると判断しました。以上より、本薬の医療上の必要性は高いと判断しております。循環器WGからの報告は以上です。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。医療上の必要性は極めてクリアというか、重篤性、有用性の他に代替治療がないという点でははっきりしているということですが、この点について何か御発言や御質問がありましたらよろしくお願いします。実際に発症してからではなかなか対応が厳しい状況で、本来ならその前に使っておきたい薬ではあろうと思いますが、今回の要望は、あくまで治療としての要望だということでよろしいですね。

 

○山本参考人

 はい。

 

○堀田座長

 よろしいでしょうか。それでは、このDefibrotideについては、WGの報告を了としたいと思います。ありがとうございました。続きまして、精神・神経の勝野先生からよろしくお願いします。

 

○勝野参考人

 精神・神経WGの勝野でございます。資料3-2を御覧ください。精神・神経WGにおいて、今回、検討が終了したものが1品目あり、医療上の必要性の基準に該当すると判断しております。要望は2つ番号がありますが、こちらは成人と小児で、内容は同じとなっております。資料の1ページ、日本神経学会からタウリンのMELASにおける脳卒中様発作の再発抑制についての要望が提出されております。MELASというのは、ミトコンドリア脳筋症の1つのタイプです。医療上の必要性に関するWGの評価の欄を御覧ください。適応疾患の重篤性についてですが、「イ」の病気の進行が不可逆で、日常生活に著しい影響を及ぼす疾患と評価しました。MELASにおける脳卒中様発作では、頭痛に伴って痙攣発作や意識障害が出現し、運動機能、視力などへの影響も認められます。また、反復する脳卒中様発作により、機能障害が進行し、予後が悪化すると考えられていることを踏まえると、病気の進行が不可逆で、患者の日常生活に著しい影響を及ぼすことが想定されるため、「イ」と判断しました。

 次に、医療上の有用性についてですが、「ア」既存の療法が国内にないと評価しました。エビデンスとして提出された国内で実施された医師主導治験において、一定の有効性が確認されていること及び安全性に大きな問題はないと考えられることから、有用性が期待できると考えられます。その上で、適応疾患に承認を有する薬剤がないことから、「ア」と判断しました。精神・神経WGからの報告内容は以上です。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。ただいまの報告に御意見、御質問がありましたらよろしくお願いします。

 

○小国構成員

 小児領域でもMELASは大変重篤な病気で、適応疾患の重篤性についても「イ」でなくて、「ア」でもいいような気がします。Stroke-like episodesを繰り返しながら、寝たきりになる、あるいは亡くなるということで、かなり重篤な疾患なのです。ただ、日本初の薬ということもあって、(2)の有用性のエビデンスがまだ日本だけなのですが、希少難病という形から、是非こういう新しい薬を承認していただければと思っております。確か10例で60%の有効性という、なかなか希少難病で、こういうよいデータを出すのは非常に難しいと思っております。

 

○堀田座長

 ありがとうございます。これは現状で、承認適応の薬はないというわけですが、日常的にはどういう対応をされているのでしょうか。

 

○勝野参考人

 現在、この疾患に対しては、こういった脳卒中発作を予防する薬はありませんので、経過観察したり、通常の全身ケアをすることがメインになると思います。

 

○堀田座長

 あくまで発作が起こってからの治療対応ということなのですね。

 

○勝野参考人

 はい。

 

○堀田座長

 分かりました。他によろしいでしょうか。

 

○佐藤構成員

 ちょっとお伺いしたいのですが、医師主導治験で一定の有効性が確認されているということなのですが、それにしてはどうして普通のトラックではなくて、この検討会議に上がってきたのでしょうか。

 

○勝野参考人

 具体的な状況は細かいところまで把握してはおりませんが、国内で行った我が国初の医師主導治験ということもあって、我が国からのエビデンスをなるべく早く患者さんに届けたいというところではないかというように察しております。

 

○堀田座長

 この辺りは、事務局側で何か補足説明することはありますか。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

 過去経緯について、私の方からお話したいと思います。未承認薬検討会議は、当初は海外で承認されていて、国内で承認がないものを対象としてきました。迅速化スキームは後から拡幅した範囲となります。この範囲は国内外初ということになりますので未承認薬・適応外薬ではありません。国内外初ということにはなるのですが、その時にも従来と同様に開発要請をして、可能であれば承認に繋げていこうという話になっていたものです。

 こちらについては、開発の可能性の観点から一定の要件を満たすものでないと歩留まりが悪すぎるし、要請された企業も困りますので、ある程度の科学的根拠のあるものという形で、今から10回ぐらい前の検討会議で御審議いただいてルール化したものです。このルールでは、医師主導治験で検証試験が終わったもの等が対象となっていますので、そのまま企業が引き継いで申請されれば、恐らく先生のおっしゃるように企業による治験等の開発段階が何もないまま、承認への道を歩んだはずなのですが、例えば企業がすぐに承認申請しないとか、あるいはPMDAとのコンサルティングをしていないとか、あるいは何らかの障害等があったときに、学会等から開発の後押ししてほしいという場合には、学会あるいは患者団体が要請することは可能というルールに変更されておりますので、それでこちらのような形になったのではないかと思われます。個別事例としては承知しておりませんが、ルールの概要としてはそういう経緯で変遷しております。

 

○堀田座長

 補足説明いただきましたが、もともと医師主導治験では、最終的に企業、すなわち製造販売承認を得た企業が申請をする必要があります。医師主導治験だけで薬事承認が得られるわけではないのですが、その辺りのつながりが十分でなかったということなのでしょうね。ありがとうございます。その他、特別なことはありませんか。それでは、抗がんWGの安藤先生、よろしくお願いします。

 

○安藤参考人

 資料3-3を御覧ください。抗がんWGから、3つの薬剤が1つの効能・効果で要望が出ております。オキサリプラチン、フルオロウラシル、レボホリナートカルシウムが小腸癌に対して、日本臨床腫瘍学会から要望が出ております。これらの薬剤は、3剤が併用されて治療が行われますので、1つにまとめて発表します。

 疾患の重篤性については、該当性について「ア」小腸癌は致死的な疾患で、適応疾患の重篤性は「ア」に該当すると判断しました。医療上の有用性について、該当性は「ア」と判断しました。ここの特記事項を御覧いただいて、欧米等の6か国では小腸癌に対しての承認はありませんが、診療ガイドラインと、教科書の記載内容と、海外で小腸癌に行われた臨床試験成績等から、フルオロウラシル、レボホリナートカルシウム及びオキサリプラチンの併用投与は、小腸癌の患者さんに対して欧米等で標準的治療に位置付けられていると考えられました。また、対象がん腫に対して承認されている薬剤は、国内にはありません。そのために、「ア」に該当すると判断しました。以上です。

 

○堀田座長

 これは3剤併用で、ひとまとめに審議ということで御検討いただいているわけですが、もともと大腸癌で使っているものについての小腸癌への適応拡大という形だと思います。有用性については問題ないということでしたが、いかがでしょうか。問題ないでしょうか。小腸癌は非常に稀な疾患なものですから、これだけで単独に取り出して、なかなか治験等、難しい状況があるかと思います。森審議官、こういうものの取扱いということについて、何かコメントはありますか。

 

○大臣官房審議官

 オキサリプラチンの適応の拡大に関して、例えば胃癌とか、もう少し数の多い癌腫については、これまでも臨床治験をきちんとやって、そのデータを評価してというようにやろうとしてきてはいるのですが、それでもやはり公知の臨床試験の結果を利用して、適応を広げたということを、他の癌腫でももうやってきており、そうしたものに比べても、これは更に患者が少ないので、堀田先生がおっしゃるように、このやり方しか対応できないのではないかと思います。

 藤原構成員からも、そういった非常に希少な癌のケースが、どうしてもこの場での検討によらざるを得ないのではないか。そのための取扱いをもう少し明確化できないのだろうかというお話も、何度か頂いているところですし、こうした事例が大分積み上がってきているものですから、これをもう少し整理できないかなと。そういったことも、これまでの検討会で何度も何度もやっていただいているものの実績を基にして、我々としても検討の課題としてあるのではないかと思っているところです。

 御要望のあったものについては、もう大分対応してきていますので、今はこのような形で順次やっていくということで進めておりますが、ある程度の一般化もできると、むしろ今後こうした希少な癌に対する、それはオーファンドラッグ、希少疾患、全てに共通するところがあると思うのですが、そうしたものに対する開発の道筋となる、そうしたことを、今の時代のいろいろなインフラをベースにして考えられないかということも、また次なる課題として出ているかと思います。

 これは世界的な流れとして、RCTで全てデータを取って検証するのが困難な領域もあるというのが認識されてきていますし、実際にそうした患者さんに対する治療を行った場合に、どんな有効性・安全性のデータが得られたのか、これを現場でリアルワールドのデータとして集めて、それを基にして更なる評価をしていくという動きもあります。これを我々の薬事規制の中でも取り入れていこうというのが今の全体的な流れになっていますので、またその辺りの展開がこれから出てきましたら、こちらでも御紹介できるかなと考えています。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。今はまだ閣議決定には至っていませんが、次期がん対策推進基本計画の中でも、希少がんとか難治がんといったものがかなりクローズアップされております。実際に世界的な潮流でも、メジャーな癌よりは、むしろ希少癌へシフトしているというところもありますから、そういった位置付けの中で、今後こういうものをどう扱っていくかということを、しっかりと議論していきたいと思います。ありがとうございます。他に何か御発言はよろしいですか。続いて、公知申請への該当性に係る報告について、循環器WGの山本先生からお願いしたいと思います。

 

○山本参考人

 循環器WGの山本でございます。資料4-1を御覧ください。日本核医学会等より、フルデオキシグルコース(以下、本薬)の大型血管炎の診断に対する適応追加の要望が提出されております。本薬の医療上の必要性ですが、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)からなる大型血管炎は、主に全身の循環動態の根幹部分である大動脈本幹又はその主要分枝に発症する疾患であり、進行すると重大な循環不全に直結し得る病態となり、合併症から死亡に至ることもありますので、適応疾患の重篤性は、「ア」に該当すると判断しております。

 医療上の有用性については、本薬を用いたPET検査は、大型血管炎に対する既存の画像診断法では評価が困難な、炎症部位の特定及び炎症の程度の評価が可能であるとされ、本要望に関する内容について、英国、ドイツ、フランスでは承認されていること、欧米等のガイドラインにも記載があること、臨床試験で大型血管炎の診断における本薬の有用性が示されていることから、「イ」に該当すると判断しております。

 次に、本要望の公知該当性について説明します。資料4-117ページから18ページを御覧ください。有効性についてですが、国内外の臨床研究において、本薬を用いたPET検査の大型血管炎の診断における炎症部位の特定に関する有効性が示されております。本薬は、英国、ドイツ、フランスでは、大血管の血管炎における炎症範囲の検出に関する効能・効果で承認されており、国内外のガイドライン及び教科書に高安動脈炎及び巨細胞性動脈炎の診断における炎症部位の特定に、本薬を用いたPET検査が有用である旨が記載されております。また、本邦でも大型血管炎の診断等において、炎症部位の特定に関する情報を得るために、本薬を用いたPET検査が使用されているという実態があることも公表論文から確認できております。

 安全性については、大型血管炎に関する国内外の公表論文等では、本薬はおおむね既承認の用法・用量の範囲内で用いられており、特段の懸念は記載されておりません。また、本邦において、本薬は医薬品として承認されていることに加え、本薬を医療機関で合成する装置が医療機器として承認されておりますが、それらを含む放射線医薬品の副作用事例に関する調査において報告された本薬の副作用は、いずれも非重篤であり、臨床上、問題とはならないようです。さらに、2005年の本薬の承認以降、これまでに開発企業が入手した本邦での副作用・感染症症例報告のうち、大型血管炎に対して本薬が投与された症例での副作用の報告はありません。これらのことから、本薬は使用目的にかかわらず、本邦において、安全性に特段の問題がなく使用されているものと考えました。以上より、本要望内容に対する有効性及び安全性は、医学薬学上、公知であると判断しました。

 次に、効能・効果について、18ページ、19ページを御覧ください。英国、ドイツ、フランスにおける効能・効果、国内外のガイドライン及び教科書における記載内容、公表論文の内容、本邦における使用実態等から、本薬を用いたPET検査は、炎症部位という大型血管炎の診断において、有用な情報を提供するものと考えます。したがって、本薬の効能・効果は、大型血管炎の診断における炎症部位の可視化とすることが妥当と判断しております。

 用法・用量については、19ページ、20ページに記載してあります。本薬を用いたPET検査の有効性が示された報告における本薬の投与量は、おおむね185370MBqです。また、日本人高安動脈炎患者を対象に本薬を用いたPET検査の感度及び特異度を検討した報告では、本薬3.7MBq/kg、すなわち体重50kgの場合は185MBqを投与したときの有効性が示されております。以上を踏まえて、大型血管炎の診断時の本薬の通常用量は185MBqとすることが妥当と考えております。

 最大用量ですが、国内の使用実態において、本薬の投与量は、おおむね既承認用法・用量の範囲内であったことを考慮すると、既承認用法・用量で最大用量とされている370MBqを投与可能な用量とすることは妥当と考えました。また、最小用量についてですが、上述した日本人高安動脈炎患者を対象として、本薬を用いてPET検査の診断能を検討した報告において、1ベッドポジションあたり2分間撮像しておりますが、日常診療における撮像時間を考慮すると、1ベッドポジションあたり5分間の撮像を行うことも想定され、その場合は体重50kgであれば本薬74MBq投与で上述の報告と同様の撮像が可能と考えることから、本薬74MBq投与時における有効性が期待できるものと考えます。さらに、本薬は放射性医薬品であり被ばくを必要最小限とする観点から、既承認の用法・用量で最小用量とされている74MBqを投与可能な用法・用量とすることが妥当と考えております。

 安全性については、先に申し上げたように、本薬は本邦において多くの疾患のPET検査で使用経験がありますが、大型血管の診断時の副作用等は特段報告されておらず、既承認用法・用量での使用においての新たな懸念は特段見出されていない状況です。加えて、炎症細胞と腫瘍細胞の集積の機序が同じであること、欧州では大血管の血管炎における炎症範囲の検出に対して、他の効能・効果と同一の用法・用量が設定されていること等を踏まえると、大型血管炎の診断における炎症部位の可視化に関する用法・用量は、本邦における既承認用法・用量と同一とすることが妥当と判断しております。

 以上より、WGでは説明した効能・効果及び用法・用量は、医学薬学上、公知と判断しております。報告は以上です。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。ただいまから御発言、御意見を頂きますが、村島構成員におかれましては、リウマチ学会からこの件が提出されている関係で決議には参加しないでいただきたいと思います。よろしくお願いします。それでは、御質問、御意見を頂きます。いかがでしょうか。

 

○小国構成員

PETというのは解像度がそれほど良くないのですが、感度と特異度というのは血管炎に関してどの程度なのでしょうか。

 

○山本参考人

 資料4-14ページ、5ページ、6ページ、7ページと、論文で大体、感度、特異度をいろいろ見ておられるのですが、低いもので50%内外、高いものでは90%と。患者さんの対象、それからプロスペクティブかレトロスペクティブかというところで、若干の差異はございますが、おおむね良好な感度、特異度が報告されています。

 

○堀田座長

 よろしいですか。

 

○伊藤構成員

 子供の方もあると思いますけど、子供の方の開発の方はどうなのでしょうか。PETで診断したというのは論文や学会発表などで、結構、あることはあると思いますが。

 

○山本参考人

 現在でも、特にPET検査で小児に使ってはならないということは、確かないという状況だと思います。

 

○伊藤構成員

 成人がこのように認められた時に、子供に方向性はあるのでしょうか。

 

○山本参考人

 特段、添付文書に注意書きとか、小児には例えば安全性、有効性が確立されていないとか、そういう記載がなければ成人に決まっていたものを小児に使っても、特段、確か問題はなかったと記憶しています。今回は成人だけで出てきていまして、巨細胞性動脈炎はそもそも余り国内では多くないのですが、高安動脈炎も、小児と言っても10代後半ぐらいから20代ぐらいが一番多いピークになっていますので、その辺りのところで特段、使うことに問題はないかなと考えます。

 

○伊藤構成員

 成人というように指定されると。

 

○山本参考人

 一応、年齢、体重により適宜増減というのがありますので。

 

○堀田座長

 今回の要望は成人の適応と出てきているので成人でいっているのですが、実際、これを公知申請なり治験に持っていくときに、小児への適応が必要であれば小児も含むということになるのではないですか。

 

○山本参考人

 現在の記載で、特段、小児で使えないという状況がないのではないかと思います。

 

○伊藤構成員

 それが確認されればいいと思います。一番心配するのは。

 

○堀田座長

 この件に関して、何か事務局側でコメントはありますか。

 

○山本参考人

 一応、PMDAの方では、特段、小児の記載がなくても、小児で使うことに問題はないはずと考えていると聞いています。

 

○堀田座長

 ということですので、よろしくお願いします。その他に、この件に関して御発言はありますか。これは部位を可視化するということですよね。

 

○山本参考人

 はい。

 

○堀田座長 これは炎症がアクティブな時と、そうでもない落ち着いたときでは、どうなのでしょうね。必ずこれは集積するものかどうかというのは。

 

○山本参考人

 一応、アクティブな時に集積が見られて、落ち着いているというか活動性のない時点では、余り集積がされないと。ですので、形態ではなくて炎症の活動性の多寡というか有無について、更に炎症の範囲とか程度を見ることができるということで非常に注目されている技術です。現時点では、ある程度炎症が進んでしまって形態的に異常が出たものをMRI等でチェックするという診断になっていて、まだ形態に異常がなくて非常に活動が高く、炎症所見は非常にあって疑わしいけれども、なかなか確定診断に至らないと、かなりそういう方が多いので、どうしても治療が後手にまわってしまうというのが、高安動脈炎の現状での問題になっています。ですので、これで炎症が高い時に積極的に診断ができて、早期に発見、早期の治療ということができますと、かなり予後が変わってくる可能性がございます。

 

○堀田座長

 ありがとうございます。いかがですか。よろしいですか。それでは、この公知申請に関してのワーキンググループの報告を、皆さんで了解したいと思います。よろしいですか。ありがとうございます。それでは、続きまして、抗がんWGの安藤先生、よろしくお願いします。

 

○安藤参考人

 資料4-2を御覧ください。公知申請への該当性に係る報告書()を御報告いたします。要望の薬剤はボルテゾミブで、日本リンパ網内系学会と日本血液学会が要望を出しています。効能・効果は原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫です。用法・用量は下記に示すとおりです。ボルテゾミブというのは、国内では悪性骨髄腫とマントルリンパ腫に承認されているプロテアソーム阻害剤です。プロテアソーム阻害剤とはどういうものかと言うと、細胞周期等の調整をしているいろいろなタンパク質がありますが、その不要となったタンパク質を分解するのがプロテアソームです、そのプロテアソームの働きを阻害することによって、細胞がアポトーシスを起こすという作用機序を持っています。

 今回、要望のあった効能・効果に関して、原発性マクログロブリン血症というのは、後ろに書いてあるリンパ形質細胞リンパ腫のうち、IgMを産生して骨髄やリンパ節に病変の首座がある病型です。低悪性度リンパ腫の一亜型と考えられています。

1ページ、「2.要望内容における医療上の必要性について」の(1)適応疾病の重篤性についての該当性に関しては、重篤で「ア」ということ。(2)医療上の有用性についての該当性は、欧米等6か国では承認されていないけれども、診療ガイドラインとか教科書の記載等、あと海外の臨床試験等から、ボルテゾミブというのは原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫に対して、欧米では標準的治療に位置付けられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても、国内において有用性が期待できると考えられたために、「ウ」に該当すると判断いたしました。欧米6か国等の承認状況に関しては、今回の要望に関しての承認はございません。多発性骨髄腫とマントルリンパ腫に対して承認されています。

 次、30ページを御覧ください。欧米6か国での標準的な使用状況ということで、アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリアのガイドラインでは、このボルテゾミブ若しくは多剤との併用のことが記載されています。

35ページを御覧ください。要望内容に係る国内外の公表文献・成書等について、無作為化比較試験において単剤と併用治療、あと、40ページ、Peer-reviewed journalの総説とか、メタ・アナリシスに関しても、いろいろなもので、このボルテゾミブの有用性が言及されています。

41ページには海外の教科書と、本邦ですね、42ページにいって日本血液学会編集の血液専門医テキストの中でも、本剤が選択薬として推奨されています。42ページ、(4)学会又は組織等の診療ガイドラインへの記載に関しても、アメリカの診療ガイドラインとか、3)のイギリスのガイドライン、オーストラリアのガイドラインでも記載がされています。本邦におけるガイドラインでは造血器腫瘍診療ガイドライン、これも日本血液学会が編集したものですが、これにもボルテゾミブのことが言及されています。

43ページ、6.(2)要望内容に係る本邦での臨床試験成績に関しては、単剤若しくは他の抗悪性腫瘍薬との併用が、学会報告等で8件報告されています。それが有効性で、あと、主な投与中止理由というのは、この薬剤の主な有害事象である末梢神経性のニューロパチーであったこと等が記載されています。

44ページ、「7.公知申請の妥当性について」ですが、これは海外の臨床試験成績ということで、44ページには単剤投与が3報と、引き続き併用投与が7報報告されています。今回の要望の用法・用量での有効性というのが主に示されていて、海外の臨床試験成績や教科書等の記載内容から、原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫に対してのボルテゾミブの有用性は、医学薬学上、公知と判断可能とワーキンググループは考えました。

45ページ、(2)要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における安全性の総合評価についてですが、本剤の単剤での主な有害事象として骨髄抑制と末梢神経性のニューロパチーがあり、今回の原発性マクログロブリン血症等に用いられたときに、大きく副作用のプロファイルが異なるという報告はありませんでした。

47ページ、(3)要望内容に係る公知申請の妥当性については、今まで御説明した公表論文及び診療ガイドライン・教科書等の記載から、原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫に対して、このボルテゾミブの一定の有用性は期待でき、医学薬学上、公知であると判断いたしました。要望内容である本薬1.3mg/2148及び11日目に投与した後、10日間休薬する用法・用量については、特に原発性マクログロブリン血症について非常に毒性が強いというような、はっきりしたものは認められませんでした。

48ページで、以上より、このワーキンググループは原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫に対して、ボルテゾミブ1.3mg/2当たりを148及び11日目に投与した後、10日間休薬する用法・用量の有用性は、医学薬学上、公知と判断いたしました。投与経路に関しては、静脈内投与と皮下投与が両方とも用いられていて、国内でも静脈内投与と皮下投与の両方が承認されています。

 以上から、今回要望の原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫に対しての有用性と、先ほど述べた現時点で多発性骨髄腫に承認されている用法・用量について、医学薬学上、公知であるとワーキンググループは判断いたしました。以上です。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。ただいまの報告につきまして何か御発言、御質問はございますか。よろしいですか。

 

○佐藤構成員

 公知なのは併用療法であって、単剤は公知ではないのではないでしょうか。

 

○安藤参考人

 海外でも幾つか有用性に関しての論文が報告されているので、併用だけでなく単剤も有用だと私たちは判断いたしました。

 

○佐藤構成員

 先ほどの説明だと単剤は3報で、併用療法は7報という話でしたね。海外のガイドラインで単剤での使用を推奨しているものというのはあるのですか。

 

○安藤参考人

 あります。初回の治療とかでは併用とかが推奨されていますけど、単剤のものも記載の中を見てみるとあります。

 

○佐藤構成員

 例えば、アメリカのガイドラインで推奨されているのは全て併用ですよね。ですから、公知と言うからには、記載されているものがあるというだけでは、判断としてはまずいのではないですか。標準的に推奨されているものでなければ公知とは言えないと思いますけれども。

 

○安藤参考人

 ただ、これは、米国でもNCIのガイドラインとかには、例えば31ページを見ていただくと「±リツキシマブ」と書いてあります。これはリツキシマブを必ず併用してということではなく、単剤の使用も許容されるという書き方がされているので、ワーキンググループとしては、患者さんの全身状態や年齢によっても単剤で用いられる場合があると判断いたしました。

 

○佐藤構成員

 ですから、もちろん単剤で使用できるというのは分かりますけれども、それは本当に公知だと考えていいのですか。

 

○堀田座長

 大丈夫ですか。答えられますか。

 

○安藤参考人

 例えば、先ほどお話したNCCNのガイドラインでも、必ずしも併用でないという記載の仕方はされていないのです。先ほど申し上げたように原発性マクログロブリン血症というのに、例えば年齢とか全身状態によっても単剤で用いられたり、リツキシマブも色々な属性ですね、インフュージョン・リアクションとかの毒性が強い薬剤なので、必ずしも併用だけで用いられるわけではないと。

 

○堀田座長

 この辺は、公知というのは海外で基本的には承認、あるいはガイドラインに載っているというものが基本になるので、そのときの使い方が一般的にどうなのかというのは1つの基準にはなると思います。先生のおっしゃるとおりなのですが、これに関しては基本的に薬事承認そのものが、国内では単剤になっています。ということですから、国内で運用しようと思うと単剤を基本にせざるを得ないのではないかと考えますが、どうなのでしょう。

 

○佐藤構成員

 先ほどの小腸癌のFOLFOXの場合は、3剤まとめてという感じでしたよね。

 

○堀田座長 あれは、そうですね。

 

○佐藤構成員

 今回、要望内容がボルテゾミブ単独なので、仕方がないのですが、そうすると単独では公知ではないという判断になるのではないでしょうか、単剤では。

 

○堀田座長

 その辺は、どうなのでしょう。

 

○安藤参考人

 先ほどお話したように、アメリカのガイドラインも必ずしも併用だけという記載の仕方はしていなくて。

 

○佐藤構成員

 それは分かりますけれども、併用だけの使用でなくて単剤でもいいということが、世界的に公知の使用方法なのかということを伺っているのです。

 

○安藤参考人

 先ほどお話したように、アメリカのガイドラインでは必ず併用で用いなさいという書き方はされていないので、そのように判断したのです。あと、この疾患はもともと非常に少ない疾患ですが、海外の単剤の臨床試験というのも、一応、データとしてありまして、それなりに有効性が認められるので、その内容からも私たちは問題ないと判断いたしました。先生がおっしゃるようにエビデンスレベルから言ったら、それは確かに併用のところと単剤のところのエビテンスの蓄積というのは低いと思います。

 

○佐藤構成員

 先生、そんなことおっしゃったら、ますます公知でなくなりますよ。やはり単剤で世界的に標準として認められている、公知である、ということを主張していただかないと。

 

○堀田座長

 審議官、どうぞ。

○大臣官房審議官

 安藤先生、42ページのところにガイドラインへの記載状況の記述がされていて、2)NCI-PDQの所にエビデンスレベルが3iii及びDiVという記述があり、この具体的中身が奏効率、反応の早さ及びIgM上昇の抑制の観点からというのが、単剤で使ったときのデータに対する評価として、具体的にどうだったかという話なのかなと思います。そこを佐藤先生にも御確認いただくといいのかなと思います。

 

○安藤参考人

 私はガイドラインが、この42ページのように記載されていると申し上げたかったので、それでワーキンググループとしては、併用も単剤も両方とも公知だと判断したのですが。

 

○堀田座長

 どうですか。

 

○佐藤構成員

 皆さんが納得されれば、それで私は。

 

○堀田座長

 公知というのは、少しおかしいのではないかという方はおられませんか。よろしいでしょうか。これは基本的には単剤でというよりも、単剤も併用もガイドライン上はあるので、併用も可とするという意味ですね。それでよろしいですか。この場はそのようにして、今度、公知申請をするときにどういうふうにするか、また、その時点で詰めていただきたいと思います。

 

○五十嵐構成員

 もう1つ質問、よろしいですか。

 

○堀田座長 どうぞ。

 

○五十嵐構成員

43ページの真ん中辺りに本邦におけるガイドライン等では、この薬は皮下投与するほうがいいと書いてありますが、1ページには静脈内も皮下投与も両方とも認めると、それでよろしいわけですね。

 

○堀田座長

 添付文書上はそうなっているのです。両方いいと。どちらかというと末梢性ニューロパチーは皮下の方が軽いというのは、臨床的には出ているのですが、皮下に打つと痛い、もしくは血小板が少ない方では皮下出血を生じるのです。そのようなこともあって皮下でなく静注が必要な人もいるというのがあるので、そこは両方認めるということでいいのではないかと思います。私がそんなことを誘導してはいけませんけれども。ということで、この場ではWGの報告を了としたいと思います。よろしいですか。ありがとうございます。

 続きまして、企業から提出されました開発工程表につきまして、まず事務局から説明をお願いします。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

 研究開発振興課から御報告いたします。資料5-1を御覧ください。冒頭の12行目辺りに変更がございます。2行目に、第IV回要望5件と書かせていただいていますが、前回の部会では2件だったので、3件の要望をさせていただいております。また企業より2017731日現在の報告ということで、これ以降の報告は前回426日現在のものを731日現在に刷新させていただき、報告させていただくことになります。資料5-2以降で具体的な品目についての御報告をさせていただきます。

 資料5-2は第I回要望における開発の工程表における進捗状況管理表になります。1番右のカラムに、承認済み件数が176件となっていますが、前回の会議では173件で御報告をさせていたただき、その下の承認申請済みというのが1件になっていますが、前回は4件ということで、ここの部分の3件が承認までこぎ着けたということになっております。なお、第3回開発要請分については、全ての品目が承認までこぎ着けましたので、グレーアウトする形で御報告させていただいております。具体的な品目については26ページにありますので、そちらのほうで御報告いたします。

26ページの一番下の行です。要望番号262番アステラス製薬のクエチアピンフマル酸塩につきましては、73日に承認となっています。前回は販売名についてビプレッソになっていましたが、承認時の販売名としては、徐放錠が付いておりますので、承認時のデータに全部書き直していただいているところです。効能・効果についても同じです。27ページの下段、268番にも2つ品目がございます。先発医薬品が複数ある場合には複数の企業へ要請がいくことがありますので、アッヴィとMeiji Seikaファルマ、フルボキサミンマレイン酸塩、それぞれがルボックス錠とデプロメール錠ですが、小児における強迫性障害ということで、こちらも73日に承認となっております。

 進捗状況管理とは直接関係ないのですが、29ページの第2回要請分に、35番の大鵬薬品工業のパクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型)があります。こちらについては、後ほど資料7-2で御報告させていただく予定ですが、取下げがありましたので、本日の御報告以降は表から消える品目になります。資料5-2は以上です。

 資料5-3は、第II回要望の品目の工程管理表ですが、一切変更がないものですので資料についての御説明は割愛させていただきます。

 資料5-4は、第III回要望の進捗管理になっております。右の数字ですが、一番上の承認済み件数が10件、前回は9件でしたので、承認品目に1件こぎ着けたということになります。その下の2件、承認申請済みですが、前回も2件でしたが、こちらは出入りがありまして、1件承認に移行しましたが、1件承認申請されたということで、出入りがなく2件になったままになっております。その下の治験計画届提出済みにつきましては、前回6件でしたが、2件増えまして8件です。その下の公知申請予定については14件ありましたが、申請に至ったので1件減って13件になっております。その下の計画予定は3件が2件に、更にその他は5件が4件に動いております。

 具体的な品目については6ページを御覧ください。要望番号III-(1) -74全薬工業のリツキシマブ(遺伝子組換え)ですが、こちらについては慢性特発性血小板減少性紫斑病について、626日に承認されております。次の品目は8ページの、承認申請済みのもの、要望番号III-(1) -22.1と、22.2日本イーライリリーのオランザピン、抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)について、今回承認申請済みに移行しております。前回は公知申請予定という形でしたが、承認申請済みまで移行しております。

 次に10ページを御覧ください。2件ありますが、まず、上の要望番号III-(1) -76.176.2全薬工業の同じくリツキシマブ(遺伝子組換え)ですが、未治療のCD20陽性B細胞性非ホジキンリンパ腫等々の開発要請のものについて、治験計画届提出済みに移行しております。前回は公知申請を予定していたものですが、ワーキングの結論、つまり承認申請には臨床試験が必要という結論の下に、こちらに移行しております。その下、要望番号III-(4) -3シャイアー・ジャパンのミダゾラム、てんかん重積状態ですが、前回のその他からこちらの区分に移行しています。

 あと進捗管理に直接関係ないのかもしれませんが、19ページのその他の区分の、要望番号III-(1) -12デンツプライシロナのアーティカイン塩酸塩・アドレナリン酒石酸水素塩は、後ほど資料7-1で具体的なことを御紹介させていただきますけれども、取下げ要望が出ていますので、今回御報告した後は表から消えていくことになります。資料5-4は以上です。

 資料5-5、第IV回要望です。第2回開発要請分(20176)のカラムの部分が、新規に開発要請をした3品目の動きになります。一番右、公知申請予定の2件とその他の1件が新規に加わっております。具体的な品目については3ページを御覧ください。要望番号IV-25中外製薬のカペシタビンの膵神経内分泌腫瘍、それからその下のIV-26MSD株式会社のテモゾロミド、同じ開発要望になっています。

 次のページですが、その他として、IV-27藤本製薬のケノデオキシコール酸が、こちらの区分に追加という形になっております。資料5-5は以上です。

 最後に、公募状況の進捗についての御報告になります。資料6、第II回要望募集したものの7番、スルファジアジンがあります。こちらは進捗状況の変化があるわけではありませんが、前回まで、開発企業を日本アルコン株式会社で御報告させていただきましたが、今回は開発企業の変更ということで網掛けにさせていただいております。また3ページ、第IV回要望募集につきましては、網掛けされている所の変更ということで、前回は手挙げ企業がまだないということで、なしだったわけですが、今回は手挙げ企業が出てきまして、エア・ウォーター()が入りました。また、開発状況については、開発計画検討中という状況になっております。以上です。

 

○堀田座長

 ただいまの企業から提出された開発工程表に関する事務局の説明に、御意見、御質問がありましたらよろしくお願いします。いかがでしょうか、特にありませんか。ありがとうございます。

 それでは、資料7-1、資料7-2に移ります。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 資料7-1、アーティカイン塩酸塩・アドレナリン酒石酸水素塩の歯科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔としての開発についての紙を御覧ください。品目はアーティカイン塩酸塩・アドレナリン酒石酸水素塩です。日本歯科麻酔学会より歯科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔で要望を頂いていたものです。こちらは第23回の検討会議で医療上の必要性が高いと御判断を頂いており、該当企業に対して、平成27521日に開発要請を行ったものです。当該品目についての日本における開発を、開発要請した企業とは別の企業が開発を開始していることが判明しまして、当該企業が開発要請企業よりも早く承認を取得できると判断したことから、要望学会より、要望の取下げの申出を頂いたものです。以上です。

 続きまして、資料7-2の、パクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型)です。日本乳癌学会より、乳癌に対する4週間1サイクル投与の用法・用量の追加で要望があったものです。こちらは第5回の検討会議で医療上の必要性が高いと御判断を頂きまして、大鵬薬品工業株式会社に対し、平成221213日に開発要請を行ったものです。当該品目について、大鵬薬品工業株式会社において、要望内容に係る用法・用量について、国内第II相臨床試験を実施いたしましたが、主要評価項目を達成することができず、更なる開発計画の立案も困難と考えられたことを踏まえ、要望学会より要望の取下げの申出を頂いたものです。以上です。

 

○堀田座長

2つの案件で、1つはもう既に開発企業があって、そちらの方が早そうだということで、取り下げる。もう1つは主要評価項目が達成できなかったということで、開発を断念したという話ですが、何か御質問や御意見はありますでしょうか。2番目のパクリタキセルの方は安藤先生、どのような設定で、要するに優越性試験なのか、非劣性でやっているのか、用法・用量は分散しただけで、全体の用量は変わらないのか、その辺を少し説明いただけますか。

 

○安藤参考人

 進行再発の乳癌に対して、ドセタキセルとnab-パクリタキセルの週1回の投与の比較試験、優越性試験で第II相試験を行ったのですが、その優越性が残念なことに証明することができなかったということです。

 

○堀田座長

 それは副次的には、例えば副作用が少ないとか、忍容性が高いとかというのはあったのですか。

 

○安藤参考人

 そこも少し高い用量を使っていたので、有意にこの薬剤について毒性が低いということは残念なことになかったです。

 

○堀田座長

 でも、すでに日常診療では結構このスタイルでやられているのではないか、どうなのでしょう。そういうことはないですか。

 

○安藤参考人

 今は31回投与だけが承認されているので、乳癌においては、他の薬剤もあります。パクリタキセルはほとんど使われておりません。週1回投与とか。

 

○堀田座長

 ガイドラインどおりにやっているとということですね。分かりました。その他御意見を頂くことはありますでしょうか。よろしいですか。今日は時間が早く進んでしまいましたけれども、何か全般的に御発言いただくことがありましたら、よろしくお願いいたします。

 

○安藤参考人

 先ほど森審議官からお話があったのですが、例えば今回、抗悪性腫瘍薬WGで要望を出させていただいた、小腸癌とか、原発性マクログロブリン血症ですが、小腸癌に関しては確かに薬剤がない、今は小腸癌という病気に対して承認されている薬剤はないのですが、結腸癌というように保険病名を付けると、結腸癌に対しての一次治療ですが、先ほど出てきたオキサリプラチン5-FU、ロイコボリンと、それから二次治療でイリノテカン5-FU、ロイコボリンのような治療が行われているのが現状です。

 それから原発性マクログロブリン血症も、多発性骨髄腫が形質細胞の分化したものの腫瘍を起こしたものですが、もっと前の段階の、分化していく前の段階で腫瘍化したものなので、類縁疾患と言えないことはないと。そうすると例えば薬機法上の承認の範囲と、先ほど言った小腸癌とか原発性マクログロブリン血症というのは、医学上の診断の分類です。今後医療の適正化を目指していくのであれば、薬の承認の範囲というのは、最近の薬剤というのは抗がん剤の分野で言えば分子標的薬が多いので、そのようなところで医学上の診断の分類とほとんどリンクしていく形を目指していくのか。それとももう少し広い範囲で、先ほど言った小腸癌などは、結腸癌の中の1つとして、それは診断上はおかしいのですが、運用上、結腸癌の1つとみなして治療をしていくというような方向でいくのか、どちらが本当にいいのでしょうかと、私がこういう立場で申し上げるのもあれですが。

 

○堀田座長

 それに対して、先ほど森審議官がお答えいただいたつもりだったのですね。

 

○大臣官房審議官

 確かに悩みの多いところを御指摘いただいていると思います。実際に例えば癌腫について、この形で認めるのが、もう時代遅れではないのと。遺伝子変異で腫瘍がどこにできたかではなくて、癌の本体は、遺伝子変異に起因するのだから、このようなタイプの変異はどこで発生してようが、みんな同じではないかと、こういう御議論も一方ではされていて、現場における診療がどのように診断を付けて、どのようなものをひとまとめにして扱えるのかというのが、いろいろながんというか、診療科によってもかもしれませんが、変化しつつあるというその状況に、真っただ中にいると思うのです。そういう意味で、効能・効果の与え方が、非常に難しくなっていて、データに基づき実際にエビデンスが与えられたものに即して、きちんと承認をしようとすると、かなり狭くなってしまうという話もまた一方にあり、認め方によってはかなり幅広になってしまうというのも中にはあるということです。

 ただ実際に臨床の現場において一括りに扱えると考えて、実際にプラクティスも行われているものは、なるべくそのような範囲で承認を与えるようにした方がいいというのが基本的な考え方だと思うのです。そうした方向にできるだけ向かっていけるようにということが、私どもの基本的な考え方でありますし、先生方にもそのようにまとめていただいていると思います。ただ、承認時にこうでしたというのが、あるいはその承認時にある程度のスペキュレーションを含めて認めたというものについても、その後実際に使っていく中で、本当に有効性はどうだったか、安全性についてはどうかというのを、実臨床の中で個々の症例のデータをできるだけ正確に集めていくというやり方で、きちんと検証しましょうということです。これをセットにすることで、より承認をする際の判断が、迷いなくできるようにと。そしてその判断をした結果が、実際にどうであったかをきちんと検証し、それに基づいて、場合によっては一変をして修正をしていくということを随時やっていくような、そのようなアプローチが取れるのではないかなと。こういうところが今の私どもの考えているところです。

 これは癌の領域に限ったことではないと思いますし、そうしたことを踏まえた承認の在り方というのをできるだけ明確化をしていきたいということです。条件付きの早期承認制度というのを今検討しているのですが、その考え方の背景も、申し上げたようなところを踏まえて、PMDAでも検討していただいていますし、厚生労働省としても、検討し明確化をしようということでやっている状況でございます。

 

○堀田座長

 その他に何か御発言がありましたら、よろしいでしょうか。

 

○村島構成員

 私はこの会に途中から参加させていただいていますので、申請の件数が当初の段階にいなかったのですが、段々減ってきているのは、当初の目的がそれだけ達成できているからだと思うのです。この会があるということが本当に全般的な公知になっているのかというのを、最近少しそれを感じるところがございます。多分癌の領域とか、私のリウマチ学会とか比較的かなり狭い領域ですと知られているかなとは思うのですが、大分減ってきているので、どこかで公知の機会をされているのかなと思うのですが、どうでしょうか。

 

○堀田座長

 私がお答えする立場にはないと思いますけれど、事務局としてはどうでしょうか。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

 すみません、生き字引のようで恐縮ですが、過去経緯について御説明させていただいてよろしいでしょうか。資料1を使って御説明させていただきますと、先生が御指摘のように、昔は期間を決めて募集するイベント形でした。第I回は2009618日から817日の期間限定の公募ということで、こぞって各学会がこの期間に手を挙げて、そして要望をお出しいただいたという経緯がございます。その御要望が非常に好評でして、第II回は201182日から930日に実施させていただいたわけです。しかし、この期間限定募集方式は知名度が高まった反面で、「この時しか厚労省は要望を受けてくれないのか」という批判が非常に相次ぎまして、第III回からは募集期限を設けない、いわゆる「常時受付」方式に切り替えさせていただいたという経緯があります。「恒常的に受け付けて欲しい」という学会からの要望を受けて、現状のような常時受付可能な運用に変更したわけですが、逆にいつでも受け付けてくれるという安心感からか、学会における当該制度への関心が薄れてしまっているのかも知れません。現在は、随時受けている要望を定期的に集計してアップデートして御報告というスタイルになっております。

 そういう意味では、どちらかというと先生方の学会の要望を受けて今のスタイルになったのです、ということをお話させていただいた上で、かつ現状におきましても、いろいろなことに触れて、御照会があったときには、こういう枠組みがありますことを私どもも照会にお答えさせていただいていますので、どのくらい情報発信できるか分かりませんが、今後必要であればそういったものを更により分かりやすい形で努めたいと思います。何か御提案とかあれば検討したいと思いますので、また教えていただければと思います。

 

○村島構成員

 なぜそのようなことをお話したかといいますと、結構臨床の現場にいますと、これは適応外だけどということで、薬剤委員会などで通しているもので、これは公知申請すればいいのになというのが結構あるのですね。ただそこに踏み切るハードルというか、どうしたらいいのかというところで止まっているのではないかというのがありました。

 それとあと、抗がん剤に関しましては、どんどん新しいものが出てきて、欧米で使えているのに日本ではというのがあると思いますし、一方で、今回、特発性粘液水腫のような、昔から普通にチラージン行くでしょうというような疾患まで適応がないからと、努力して治験なさるようですけれども。ああ、そういうものまでこの対象になるのだというのが、意外に臨床の現場で知らない先生も多いのではないかなと、この委員会に出させていただいてずっと思っておりましたので、その辺御理解いただいて、今後お願いしたいなと思います。

 

○堀田座長

 学会保険委員会とか、薬事委員会といったものがあって、そういう所で各施設や評議員から要望を吸い上げてまとめていらっしゃるとは思いますけれども、引き続き、広報に努めてまいりたいと思います。ありがとうございました。その他はいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、少し早いですけれども、本日はこれで終了いたします。次回の予定等、ありましたらお願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 次回の検討会は122210時からを予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。御多用のところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○堀田座長

 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

03-5253-1111(内線 4165、4229)

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