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2017年9月6日 第106回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成29年9月6日(水)15:58〜17:37


○場所

厚生労働省2階講堂


○議題

1.平成30年度予算概算要求等(報告)
2.審査支払機関・データヘルス改革(報告)
3.次回の診療報酬改定に向けた検討
4.その他

○議事

 

○遠藤部会長

 まだ定刻まで若干時間がございますけれども、委員の皆様全員御着席ですので、ただいまから第106回「医療保険部会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。久しぶりの開催になりますが、またよろしくお願いいたします。

 まず本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は岡崎委員、福田委員、樋口委員、和田委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りをいたします。

 福田委員の代理として小竹参考人、樋口委員の代理として新井参考人の出席につき御承認いただければと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 次に、前回の医療保険部会以降、事務局に人事異動がありましたので紹介をお願いしたいと思います。

○依田課長

 保険局の総務課長を拝命いたしました依田と申します。

 私から御紹介させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 保険局長の鈴木でございます。

 大臣官房審議官医療介護連携担当の伊原でございます。

 大臣官房審議官医療保険担当の渡辺でございます。

 保険局保険課長の田中でございます。

 国民健康保険課長の鳥井でございます。

 医療課企画官の古元でございます。

 どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 よろしくお願いいたします。

 それでは、議事に入らせていただきます。本日の議題は、まず報告事項としまして「平成30年度予算概算要求等」「審査支払機関・データヘルス改革」の2つ。また、審議事項としましては「次回の診療報酬改定に向けた検討」以上の3件となっております。

 初めに、平成30年度予算概算要求等について事務局から報告をお願いしたいと思います。

○依田課長

 お手元の資料1−1、資料1−2について御説明申し上げたいと思います。

 おめくりいただきまして、まず予算の関係でございますけれども、1ページ、平成30年度の厚生労働省予算概算要求の全体のフレームでございまして、図になっておりますが、一番左の箱でございますが、年金・医療等に係る国庫負担の経費でございまして、高齢化等に伴う増加額、全体で6,300億円ということでございます。このうち医療費の関係は約3,100億円ということでございます。これが全体の絵姿でございます。

 続きまして保険局の関係の概算要求を御説明申し上げたいと思いますが、2ページのところでございます。今、申し上げました医療費の関係の国庫負担、各制度、公費負担医療も含んだ額でございますけれども、全体で117,512億円ということで、前年の114,458億円から3,054億円のプラスということで、先ほど申しましたように約3,100億円ということでございます。

 平成30年度は診療報酬改定、これは介護、障害も含めた同時改定でございますけれども、改定の取り扱いにつきましては予算編成過程で検討することになっております。

 続きまして、国民健康保険の財政支援でございますけれども、平成30年度から国民健康保険制度の改革で都道府県単位化ということでございまして、あわせて実施される財政調整機能の強化、また、保険者努力支援制度の実施等のための経費を確保していくということで、ここは事項要求となっております。

 これも国民健康保険の関係でございますが、一億総活躍社会の関係で少子化対策を推進するということで、自治体を支援する観点から未就学児までを対象とする医療費助成の国民健康保険の減額調整措置を行わないということを、平成30年度から実施していくということでございまして、この必要な経費を確保するということでございます。所要額につきましては年末までに精査していくということでございます。

 続きまして、被用者保険の拠出金等の負担に対する財政支援ということで、これは後期高齢者支援金の総報酬割の実施に伴う負担が重い被用者保険の負担を軽減するための財政支援でございまして、837億円を計上させていただいております。

 おめくりいただきまして、各個別の事項でございますけれども、テーマに分けて分類しておりますが、まず予防・健康管理の推進ということで、1はデータヘルスの効果的な実施の推進ということで、レセプト・健診情報等の分析に基づいた保健事業の推進ということで、これは平成30年度からの第2期データヘルス計画に基づく本格的な実施に合わせて、各般の取り組みを推進していくということで14億円計上させていただいております。

 イといたしまして、保険者協議会における保健事業の効果的な実施に伴う経費、1.2億円を計上しております。

 2といたしまして、先進事業等の好事例を横展開していくということで、アでございますが、糖尿病性腎症患者の重症化予防の取り組みへの支援ということで、6,300万円が計上されています。

 イでございますが、広域連合における後発医薬品の使用促進対策ということで、後発医薬品利用差額通知の実施等の経費ということで3.5億円でございます。

 おめくりいただきましてウでございますけれども、重複・頻回受診者等への訪問指導対策。また、高齢者の低栄養防止等の推進ということでフレイルと言われている対策でございますが、合わせまして12億円ということでございます。

 エでございますが、歯科口腔保健の推進ということで10億円でございます。

 3は保険者の予防・健康インセンティブの取り組みへの支援ということで、日本健康会議における取り組み等ということで1.3億円でございます。

 続きまして医療分野におけますICTの利活用の促進ということで、1でございますが、これは医療保険のオンライン資格確認システムの導入に向けたシステム開発等の経費でございまして、160億円ということでございます。

 それから、先般、7月でございますけれども、データヘルス改革の推進計画が厚生労働省において取りまとめられましたが、それに基づく対策でございますけれども、ビッグデータの利活用の促進ということで健康、医療、介護のビッグデータを連結させて、保健医療データプラットフォームを構築していくということで、そのための経費ということで16.6億円でございます。

 おめくりいただきまして医療分野のイノベーションの推進でございますけれども、医療技術評価推進の関係経費ということで10億円でございます。

 一番下でございますが、東日本大震災、熊本地震からの復興・復旧支援ということで、これは復興庁計上ということで医療保険制度の特別措置を継続させていく費用といたしまして、76億円でございます。

 最後、6ページ、参考のところでございますが、これは「社会保障の充実」の関係でございまして、社会保障と税の一体改革の関連経費ということで、これは予算編成過程で検討するということでございまして、29年度予算の額を参考までに記載させていただいておりまして、これを予算編成過程で検討していくということでございます。

 以上が平成30年度予算概算要求の保険局に係る主な事項でございます。

 続きまして、資料1−2をごらんいただきたいと思います。「経済財政運営と改革の基本方針2017」等についてでございますが、いわゆる骨太方針と言われているものでございますけれども、保険局の関係部分につきましてポイントを絞り、御説明を申し上げたいと思います。

 おめくりいただきまして、これはそのものの抜粋でございまして、基本的な考え方から始まり、地域医療構想の実現等々から始まった各項目がございますが、医療保険部会にかかわる課題を後ろのほうに整理しておりまして、13ページをごらんいただければと思いますが、これまでもこの医療保険部会でも鋭意御議論いただいておりますけれども、改革工程表に記載されております医療保険の給付と負担に係る事項を中心に記載をさせていただいておりまして、上からいきますと後発品のある先発品の患者負担のあり方の問題、高齢者医療確保法第14条の診療報酬の特例。これは県ごとに特例が定められるという措置の実際の活用方策の話。また、外来受診時の定額負担のあり方ということで2つに分かれておりますが、大病院に受診した場合の定額負担。これは現行の選定療養による定額負担をする仕組みがございますけれども、その対象の見直しを含めた取り扱いの話。また、下の箱でございますが、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担の導入のあり方等でございます。それから、後期高齢者の窓口負担のあり方の問題。薬剤自己負担の引き上げということで、市販品、医療用医薬品との間の価格のバランスだとか、医薬品の適正使用の促進の観点から検討していくことが掲げられております。

 一番下でございますけれども、金融資産等の保有状況を踏まえた負担のあり方ということも課題でございまして、検討期限につきましては29年のもの、また、30年度結論というものもありますが、いずれも関係審議会等で検討して結論を得ることになっておりますので、医療保険部会の場で御議論をいただきたいというようなことで考えておりまして、年末までにまた御議論をいただきたいと考えている次第でございます。

 その他、種々の項目がありますし、議題2のデータヘルスの関係等も盛り込まれております。予算等に関連した事項といたしましては以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ただいまの報告内容につきまして御質問、御意見等あれば承りたいと思います。いかがでございましょう。白川委員、どうぞ。

○白川委員

 大変ありがとうございました。

 まとめて3点、意見・要望をさせていただきたいと思います。

 最初に資料1−1の1ページに高齢化に伴う増加額6,300億円という表記がございますが、御案内のとおり一応、1年5,000億円というめどがあって、その差が1,300億円ある。29年度はたしか1,400億円ぐらいあったと思いますけれども、これを年末にかけてどうしていくかということを財務省等と多分これから議論が始まるのだと思います。本年度の例で言いますと1,400億円を埋めるために医療保険制度の改革だけではなくて、介護納付金の総報酬割のような、要は税の不足分を保険料につけかえるような政策を打たれて我々は憤慨しているわけですけれども、来年度の予算要求の中の差の1,300億円について、そういうことは二度とやっていただきたくない。あくまでさまざまな医療保険制度の改革あるいは診療報酬とか介護報酬の改定等々の中で、この1,300億円を埋めるような工夫をしていただくようにというのが1点目でございます。

 2点目は、2ページ目の一番下のところですけれども、被用者保険の拠出金等の負担に関する財政支援。29年度とほぼ同じ額を要求していただいているということは感謝申し上げます。ただ、問題が1つございまして、詳しい制度の中身を御説明するとややこしい話なのですけれども、簡単に申し上げると、拠出金の負担割合、負担率が特に高い保険者に対して特例的な上限を設定するという仕組みがございます。上限を設定した上で、それを超えた部分は当該保険者の支払いから免除をして、その分を再配分するという仕組みがございます。29年度からそこに公費を100億円入れていただくという仕組みを入れていただいて非常に感謝しておるのですけれども、100億円で残りは再配分ということになるのですが、この100億円が多分固定された形になっていると思います。

100億円の公費を入れて拠出金負担割合の高い、上位7.5%ぐらいの組合が対象になっているわけですけれども、どう見ても拠出金負担率というのはどんどんふえていく。高齢者の医療費がふえていきますので、今年度は拠出金が2,400億円もふえまして、来年度はよくわかりませんけれども、同じようにふえるとすれば拠出金負担率が一定の割合ふえる、超すところが随分ふえるということで、要は言いたいのは、来年度は100億円では足りないでしょうというのが私どもの試算でございます。今のところ100億円というお考えで要求されていると思いますが、ぜひ増額について御検討をいただきたいというのが2点目でございます。

 3点目は資料1−2なのですけれども、13ページに今、総務課長から改革工程表について御紹介がありまして、これ自体は国で決めたことなので医療保険部会等で議論していくことでよろしいかと思いますが、この中で下から3つ目の後期高齢者の窓口負担のあり方は、平成30年度末結論となっております。御存じかと思いますけれども、現在7074歳の方、70歳に到達した方から順次2割負担となっておりますが、その方々が75歳に到達したときに、1割負担ではなく2割負担を継続していただくようなことができないかというのが財制審等のお考えだと承知しておりますけれども、それを検討しようという話だと思います。

 申し上げたいのは、かなり大きな問題で政治的にも相当論議を呼びそうなテーマということでございますので、30年度末に工程表はなっておりますけれども、医療保険部会における議論だけは少し早目に、29年度中にスタートするぐらいでやらないと間に合わないのかなという感じがしておりますので、検討開始を早めていただきたいというのが3点目のお願いでございます。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。御要望として承りました。

 ほかに何かございますか。望月委員、お願いします。

○望月委員

 平成30年度は、経済財政再生計画における集中改革期間の3年目にも当たる重要な年であります。資料1−2の5ページの骨太の方針2017にも明記されているとおり、平成28年、29年度に続きまして、平成30年度の予算編成過程に向けて社会保障関係費の自然増を毎年5,000億とするという目安については、引き続き達成できるよう社会保障制度の適正化、効率化に資する改革をぜひ貫徹していただきたいと考えています。

 これに関連しまして資料の13ページですけれども、改革工程表の主な指摘事項のうち、本年中に結論とされている事項については、これも当然、確実に措置されるように精力的な議論をお願いしたいと思っています。また、このページには掲載されていないのですけれども、改革工程表で2017年度末までに結論を得る事項として、生活習慣病治療薬の処方のあり方等について、費用面も含めた処方のあり方等の検討も掲げられております。経団連としましては、この事項も医療給付の適正化、効率化の観点から極めて重要であると認識しておりますので、ぜひこれについても積極的な議論をお願いしたいと考えています。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 お待たせいたしました。渡邊委員、どうぞ。

○渡邊委員

 2点ほどお願いをしたいと思います。

 まず第1点は、30年度の予算概算要求の関係についてです。今ほど説明がありましたように、国民健康保険への財政支援ということで、これまでの議論を踏まえながら、国民保険制度改革に当たっての財政調整機能の強化や、保険者努力支援制度の実施のための必要予算を確保するという前提で、非常に前向きな概算要求に臨んでいることについて、まず評価をさせていただきたい。あわせて市町村国保の場合、これまで子どもの医療費助成に関する国民健康保険の減額調整措置について、今の市町村の実態から減額措置は好ましくないのではないかということを前提として、これまで御意見を申し上げてきたわけでありますが、これについても前向きな御理解をいただきながら、あわせて未就学児までについて必要な経費を確保する、所要額を確保するという前提に立って概算要求されていることについても敬意を表し、評価させていただきたいと思います。

 その中で、4ページの医療分野におけるICTの利活用の促進等ということで、2にデータヘルス分析関連サービスの構築に向けた整備として、17億円もの予算が計上されております。また、資料2−2も「国保の健康保険のためのビッグデータ活用推進に関するデータヘルス推進計画・工程表」というものが出ておりますが、保健医療データプラットフォームの構築について、詳細は今後データヘルス改革推進本部で協議すると記載されております。詳細は同本部で決定するとのことでありますけれども、国保保険者にとってはどのくらいの財政面での影響が見込まれるのかについては、協議過程において十分検証し、お示ししていただかないとなかなか理解しがたい面がある。

 来年度の概算要求においては、新たにデータ分析環境の整備やセキュリティーの検証などに係る予算が計上されております。開発等に係る初期費用だけではなく、運用、改修に係る費用についても中長期的に見ていただく必要があるのではなかろうか。これまでいろいろな面でコンピューター化された場合、市町村が交付税で見るとか、さまざまな形で初期データの方はある程度交付金がないか見てくれる場合もあるのですけれども、結果としてその後の対応については、非常に財政面で厳しい対応が迫られるということもあります。

 また、個人情報の保護については、住民と接する上で自治体が非常に気にされる部分であります。安心して運用できるようにセキュリティーの検証を徹底するとともに、国民全体へのわかりやすい情報提供に努めていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。

 資料1−2の「経済財政運営と改革の基本方針2017」についてでありますが、その中の1ページ目の2の地域医療構想の実現、医療計画・介護保険事業計画の整合的な策定等の2つ目のポツで、いわゆる普通調整交付金の見直しについて記載されております。この件につきましては、前回の部会の際にも普通調整交付金が担う所得調整機能は重要であり、見直しは新制度の円滑な施行を妨げることにつながると主張させていただきました。

 骨太の方針には、普通調整交付金の所得調整機能は維持しながら、また、新制度への円滑な移行に配慮しつつという文言が加わっております。部会の場で主張した思いを皆さんにも御理解いただいたものということで受けとめております。

 しかしながら、骨太の方針には速やかに関係機関で見直しを検証するとも記載されております。新制度の移行によりさまざまな対応に追われている中で検討が始められることとなれば、現場にさらなる混乱をきたすことは明らかではないかと考えております。仮に見直しを含めた検討を行うのであれば、新制度の移行によってどう変わったのか十分に分析した上で、また、検証した上で、制度が落ちついた状態で検討を始めるべきではないかということを再度、申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。市町村からの御意見ということで受け取らせていただきました。

 ほかにございますか。それでは、小竹参考人、お願いいたします。

○小竹参考人

 全国知事会の関係を含めまして要望ですが、資料1−1の2ページのところです。国民健康保険への財政支援については、事項要求ということで今後の交渉の中で決まっていくという説明がありましたけれども、昨年度、平成29年度の予算編成過程におけます社会保障全体の財源調整の中で、当初予定されていた財政支援が危ぶまれるような事態となったこともあります。追加公費の部分に関しましては、国保基盤強化協議会事務レベルワーキングなどで議論を重ねて、新年度へのスタートの基本的な合意に至っているということもありますので、ぜひとも約束どおりの財政支援拡充をきちんとやっていただけるよう、ここで要望しておきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 予算関連、また、大きな工程表関連ということでございますが、直接ここに書かれていることに関してイエス、ノーとか修正案というわけではないのですけれども、現場の国民健康保険や健康行政、後期高齢者医療を担っている立場から日ごろ感じていることを幾つか提案させていただきます。今すぐでなくてもいいのですが、今後必ず必要になることだと思いますので、ぜひ御勘案いただければと思います。5点あります。

 1つ目は、健全な日本国の財政は、健康な日本国民の状態なくしては達成できないような医療費の状況になっていますので、このことをより啓発いただくことがとても大事と思います。日本健康会議に私も参加させていただいておりますが、残念ながら未だに総理はお見えになっていませんけれども、ぜひ来ていただいて、あのような場で国民に向けて発信をすることをしていただくのが大切ではないかと感じています。

 2つ目は、PHRPersonal Health Records)です。個人の健康データについて、スマートフォンや携帯デバイスを使って非常に簡便に見ることができるようになりましたし、データをストックして、その分析も簡単に利用できるようになってきました。そこでPHRですが、こういったことが今後全国に展開されると思います。ぜひそういったことの促進をお願いしたいなと思います。特に若い子育て世代の皆さんや、いわゆる中年世代より未満の方は自由にこれらの機器を使っていらっしゃる方が圧倒的に多いようですので、そういったことも想定していただきたいなと思っています。多久市では、小さい自治体でもできることとして、AMEDのサポートもいただきながらPHRの実証的な実験も始めているのですけれども、ぜひそういったことを願っています。

 3点目はデータのことです。以前のこの会議でも出たのですけれども、なかなか医療データが蓄積されていないのが我が国の弱点ではないかと個人的には感じています。例えば生まれる前の母子健康医療に関すること、乳幼児に関すること、幼稚園、保育園、小中高、それぞれ健康データがとられ、社会人になったり大学生になったりして健康データ、健診を受けていますけれども、学校保健法などのいわゆる縦割にぶつ切りするようなルールがあってしまうために、それぞれリンクされていません。とても残念に思います。

 生涯を通じてどのような健康状態であるかということを個人も知りたいはずですし、医療に関わってくださる医師会を初めとした先生方も、「あなたはこういうときに、こういうことをしたほうがもっとよかったんだよ」と啓発をいただければ、家族としてもちゃんと認識できる。これはデータをつなぐだけでかなり可能になると思うのですけれども、そういったデータリンクについても省庁は別だとしても、ぜひ連携をしてお願いできればなと思っています。

 今年度から文部科学省とか厚生労働省の後押しがあると思いますが、がんに関する教育を多久市でも始めようとしていますし、いろいろな自治体でも始まっていますが、教育啓発のみならず、そういった具体的な個人の健康に関するデータのリンクというものが絶対に必要になると思いますので、ぜひ検討をお願いしたいと思っています。

 4点目は身近な医療や健康を保つ方法として、この中の予算にも出ていますが、歯科医療がとても大事だと個人的にも思っています。理由は感染症の予防になるということもありますし、歯のかみ合わせが悪いと神経系にも影響を及ぼして、腰が曲がったり背中が曲がったり、体のどこかに痛みが出たり、あるいは口腔内衛生が悪いと入院した場合に今度は肺炎にかかってしまって、死因は肺炎となってしまったりすることをよく聞きます。そういった意味でも身近に歯みがき、ブラッシングでできる、ほとんどの方が毎日されている習慣をより徹底することで、結果的には医療費の削減や長寿健康100年、人生100年時代を実現できるという意味でも、国からの広報もお願いしたいと思います。

 最後は国民健康保険に関することです。近々、国民健康保険の運営は市町村だけではなくて都道府県も入って、都道府県単位の運営になっていくわけです。現場では国民健康保険税の設定のことや仕事の分担、連携などでいろいろ議論が詰められているところでございますが、その方向性の中に「都道府県も主体的に経営にかかわる」ということがあったと思うのです。ぜひこの趣旨を生かせるように国のほう、厚生労働省におかれましても促進やサポート、場合によったらガイドをしていただければと思っています。

 単純に全国の市町村を集めた、国保の料金を集めて完納すれば済むという話ではなくて、保健行政を担っていただいている都道府県でもありますので、日ごろの健康とか保健に関する行政とリンクをしながら国保に関する財政的なもの、あるいは指導的なものをぜひしていただきたいという期待が多くありますので、そういったことへの後押しもお願いしたいと思っています。

こういったある意味でソフト的なことをしながら今回、説明がありました具体的な予算あるいは新たな事業というものをうまくかけ合わせて、よりよい健康医療になっていくと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

 以上です。

○遠藤部会長

 貴重な御提案ありがとうございました。

 ほかによろしゅうございますか。それでは、松原委員、どうぞ。

○松原委員

 皆さんのいろいろな意見をお聞きして、確かに今、我が国は財政的に大変ですし、景気もまだ上向きつつあるところであります。しかし、ここは厚生労働省の管轄の審議会でありますので、そういった観点だけではなくて、国民の健康、そして幸福を所管する厚生労働省さんとされては、そこのポイントを重く見ていろいろな御判断、決定をいただきたいと思います。

 以上であります。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 大体よろしゅうございますか。それでは、次の報告事項に移りたいと思います。

 審査支払機関、データヘルス改革につきまして、事務局から御説明をお願いしたいと思います。

○田中課長

 まず資料2−1から御説明させていただきたいと思います。こちらにつきましては去る7月4日に、厚生労働省において公表した支払基金業務効率化・高度化計画・工程表でございます。概要について簡潔に御報告させていただきたいと思います。

 なお、現在これにつきましては、支払基金においてさまざまな御意見をお聞きしながら、計画・工程表がより実効性のあるものとなるよう、ブラッシュアップに向けて取り組んでいるところでございますが、本日は7月4日に公表された計画のアウトラインに沿って御報告をさせていただきたいと思います。

 1ページ、工程表の概要でございます。まずこの工程表の概要でございますが、1ページの一番上にあります有識者検討会報告書というものが本年1月に出されまして、審査業務の効率化とか、審査基準の統一化、こうした御指摘をいただきました。こうしたことを踏まえまして具体的な取り組みをまとめたものでございます。項目に沿って簡潔に御説明させていただきたいと思います。

 まず1点目でございますが、目指すべき審査支払プロセスということでございまして、これにつきましてはなるべく人的プロセスからコンピューターを活用していく方向で、例えばコンピューターチェックの高度化といった取り組みを進めていくことを記載させていただいてございます。

 2点目でございます。審査支払新システムの構築ということで、これにつきましては1つ目のポツにございます例えば受付、審査、支払機能のモジュール化、こうしたことも含めて審査支払新システムを構築していくことが2点目でございます。

 3点目が審査業務の効率化でございます。これにつきましては1つ目のポツにございますようなコンピューターチェックに適したレセプト様式の見直し、こうしたことを含めて審査業務を効率化していこうということを、3点目として記載させていただいているところでございます。

 2ページに移りまして4点目が支部間差異の解消ということで、これにつきましては47の都道府県支部があるわけですが、その支部ごとに審査に差異があるのではないかという御指摘もございましたので、これにつきましては2番目のポツに、例えば診療報酬点数に係る審査基準(告示・通知等)を明確にすること等によって、そういった差異の解消に向けて取り組みを進めていくということでございます。

 5番目、審査委員会のガバナンス強化ということでございますが、審査委員会の皆さんにおいてはさまざまな御負担があるということで、右側の図にございますとおり、支部における審査委員会の負担軽減も目的として、記載にありますようなさまざまな取り組みを行っていくことが5点目でございます。

 6点目は組織・体制の見直しということで、まず1点目でございますが、支部組織、今ほど申し上げました支払基金は47都道府県支部あるわけですが、この見直しに向けてまずはモデル事業を実施して、支部集約化について問題点を検証するということで、これを遅くとも平成30年度までに実施するということでございます。

 2つ目のポツでございますが、今ほど申し上げたような取り組みを進めることによって、支払基金の人員体制について、現行で約4,300人おるわけですが、この定員の20%、800人程度の削減を計画的に進めていくなど、組織・体制を見直していくことが6点目でございます。

 一番下に※で書いてございますが、申し上げるまでもなく支払基金は被用者保険の審査支払でございますが、当然、改革を進めるに当たっては、国保中央会等についても同時並行的に支払基金における改革と整合的かつ連携をして取り組みを進めるということで、両者一定となって見直しを進めていくということを記載してございます。

 私からは以上でございます。

○黒田課長

 続きまして、連携課長でございますが、資料2−2に沿いましてビッグデータ活用推進に関するデータヘルス改革推進計画・工程表の内容の御説明をさせていただきます。

 1枚おめくりいただきまして1ページでございます。これは医療保険分野以外も含めた省内のデータヘルス改革推進本部で検討している項目のリストでございまして、計7項目ということでございます。そのうち医療保険分野に直接関係があるのは、この中の真ん中の部分の3と4の2つでございますので、その2つについて次の2ページで別の資料を御用意しておりますので、そちらに沿って御説明を申し上げます。

 この図には2種類のサービスが書かれておりまして、国が保有をしている目的別につくられているデータベースについて、連結をして解析ができる基盤をつくれないかというのが左側。それに対しまして右側は、保険者が持っているデータを活用して個人あるいは経営者、事業主等々について役立てることをもう少し進められないかというタイプのものでございまして、性質に応じて2区分されているということでございます。

 左側ですが、レセプトのデータ、特定健診のデータを匿名化して収載しておりますナショナルデータベース、NDBというものがございますが、このNDB、それから、介護保険の要介護認定あるいは介護レセプトのデータを集積している、これも匿名化をした上で収載をしている介護データベースほか、国が幾つか目的別に保有しているデータベースがございますが、それらについては根拠となる法令等も別々になっておりますし、データベースの管理もそれぞれになっているということでございます。

 データベースはそれぞれで持った状態で、目的に応じて連結して解析できるという基盤を御用意した上で、それを今までよりも第三者提供のウイングを少し広げまして、さまざまな目的に、例えば自治体に、例えば保険者に、例えば医療の現場の方々にお役立ていただけないかということでの検討をしていこうというのが左側でございます。

 それに対して右側につきましては、先ほど横尾委員からお話がございましたが、日本健康会議で医療関係の先生方、保険者、自治体等々が集まって健康寿命を延ばしていこうという取り組み。経済産業省の健康経営の取り組みとも連携をして、関係者が意識合わせをして進んでいく取り組みをしておりますが、その中で日本商工会議所から御提案をいただいて、健康経営に役立つような保険者単位あるいは事業者単位の健康の状況をスコアリング、通信簿のような形で提供するというサービスをしてくれれば、それが保険者サイドから事業主、企業に提供されれば健康経営にも役立つという話をいただきまして、それを実現していこうというのが右側に書いてある2の健康スコアリングという部分でございます。

 また、保険者のデータを個人に対して開いていくことができないだろうかというのが、1のPHRの関係ということでございます。

 いずれにしましても、今までの目的別あるいは使われているデータの対象範囲が開かれていくという点は共通しておりますので、その下にございますように、セキュリティー対策というものは前提になろうかと考えておりますし、そのために必要となる人員、それから、先ほど渡邊委員からもお話がございましたが、それぞれに必要なイニシャルコスト、ランニングコストがどうなのかということもつぶさに検証した上で、最終的には費用対効果等も含めて合意形成が欠かせないものでございます。それぞれにつきまして、その次のページにございますが、平成32年度の稼働に向けてまずはデータのパフォーマンスを上げる等々の取り組みを始めたいということでございまして、関係者の方々ともよく御相談をしながら、実現に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ただいまの支払基金の効率化の話とビッグデータ活用推進の話、御質問、御意見等あれば承りたいと思います。いかがでしょうか。

 では小林委員、新谷委員の順でお願いします。

○小林委員

 まず支払基金の改革工程表について、私ども協会けんぽは支払基金の取り扱うレセプトの4割以上に当たる年間約4億件のレセプトの審査支払業務を委託しており、非常に密接な関係にあると考えております。

 今回の改革においては、工程表にもありますとおり、コンピューターチェックを最大限活用した審査業務の効率化の徹底、地域ごとの審査基準の差異の見える化、統一化をはじめとして、ぜひともスピード感を持って進めていくべきであり、この部会でも定期的に進捗を確認していくべきだと思います。

 今後は支払基金法の改正についても検討していくことになるかと思いますが、従来の発想にとらわれることなく、組織のガバナンスが十分発揮できるような体系に見直していくべきだと思います。

 さらに、データヘルス改革の工程表についてもコメントをさせていただきたいと思います。工程表にある保健医療のビッグデータの活用や健康スコアリングなどは、ぜひとも進めていくべき施策ではありますが、その実施主体として支払基金が適切かどうかについては、十分な検討が必要であると思います。また、システム構築をはじめとして、多額の費用が発生するものですので、システムの専門家を交えてその財源やサービス提供に係る費用対効果にも十分留意の上、検討を進めていくべきだと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 お待たせしました。新谷委員、どうぞ。

○新谷委員

 資料2−2のデータヘルス改革について、1点質問と要望を申し上げたいと思っております。

 このデータヘルス改革については、個人情報を確実に保護するというセキュリティー対策を講じていただくことを前提に、人生100年時代を見据えて医療と介護が一体となったデータ分析を進めるということは、この資料にも書かれておりますけれども、質の高い医療と介護のあり方という点では、非常に期待が大きいと思っております。

 我が国は世界で一番早く高齢化が進み、かつ、高齢者の比率も非常に高いという超高齢社会が本格化していくわけでありますけれども、この高齢化に伴う課題を克服する課題克服先進国に我が国がなるというためにも、こうしたビッグデータを活用した予防対策も大事だと思っております。

 その上で、資料の1ページのところにも書かれてありますけれども、健康、医療、介護のビッグデータを個人単位で連結し、それによって疾病、要介護状態の回避に結びつける早期予防を展開していくことが記載されておりまして、これは非常に大事だと思います。

 その際に、2ページの左に絵が描いてありますが、NDBと介護DBの連結をするということなのですけれども、今この介護DBの方は介護のレセプトデータであるとか、要介護認定のデータ等が収納されていると思うのですが、日常の介護行為がどのように影響を与えるかといったことの分析も非常に大事だと思っております。

 医療のデータと日常の介護行為を一体的に分析するといったときに、介護の行為をどのようにデータ化していくのかということが大事だと思うのですけれども、この検討の中で日常の介護行為についてどのようにデータベース化をしていくのか、現時点のお考えを教えていただきたいというのが質問の1点目です。

 資料の1ページの一番下に書いてありますけれども、この取り組みの具体的な運用に当たっては、厚労省、支払基金、国保中央会の合同プロジェクトとして位置づけるということが書かれておりますが、審査支払機関がそれぞれ機能を強化できるように、また、現場が混乱することのないように関係者間で合意形成を図りつつ、具体的な検討を進めていただきたいということの要望を申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、事務局お願いします。

○黒田課長

 先ほど御説明を省略してしまいましたが、資料2−2の1ページにあります表をごらんいただきますと、担当は省内ですと老健局になりますが、5の科学的介護、先ほどまさに委員からお話がありましたように、要介護認定のデータとレセプトのデータだけではなくて、介護行為を行う、リハビリとか特にそうですが、ビフォアとアフターの情報をうまくくみ取って、それがデータベース化できると、先ほど委員のお話にあったようなことがもう少し深く分析できる可能性があるのではないか。これもほかのプロジェクトと同様で、費用対効果等々もよく見きわめた上で吟味しなければなりませんが、そんなポテンシャルがあるのではないかということで、この本部の中で別のプロジェクトとして検討していこうということを考えております。

 ですのでそういうことが形になってくれば、将来的にはほかのものと組み合わせることが視野に入ってくることも考えられますので、きょうのお話は老健局にお伝えしながら、全体として自治体の皆様や保険者の方々はじめ、関係者の方々に使っていただけるようなものでなければ、最終的にはさまざまな合意形成が難しいと思いますので、お役に立てるようなものにまず仕上がっていくのかどうかという話を先行して検討したいと思います。ありがとうございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員

 支払基金の資料でございますけれども、資料2−1でございますが、今回は報告ということでございますが、ここの部分の審査のあり方等に関しましては、医療提供にかなり大きな影響の出る部分でございます。若干意見を申し上げたいと思います。

 今回の議論の中でも、他国の制度を参考にした議論とかいろいろあるわけですけれども、日本の皆保険制度の特性を生かした議論というか運用にしていただきたいということでございます。日本の制度は皆保険であると同時に、皆給付という全て原則として保険で給付するという仕組みになっておりますけれども、こうした中では少数の例外事例にも対応できないと困るということがあります。診療報酬の審査に当たっては柔軟性が必ずこれは必要であり、最終判断は診断能力のある臨床経験の豊富な医療の専門家が当たるべきというふうに考えております。

 例えば2ページのところに、先ほど少し説明がありました審査基準の明確化ということがあります。もちろんICT化による効率化は必要なことではあるが、レセプトの大半は問題なく認められるわけで、ごく一部が問題になるわけですけれども、そういった際の明確化ということですが、場合によるとこれはある診療行為がはじかれる可能性があり、また、ある例外的な患者さんがはじかれる可能性もあるわけで、単純にものづくりのようにはじいていいということはなりませんので、そのところの融通性というのは診断能力を持った臨床経験豊富な方が当たらないと、うまく回らない。日本のような皆保険制度は、なかなか諸外国はまねができないと言われているのが、それなりに運用されているというのは、そういった現場における審査の部分での融通性、また、それが実際の医療にマッチしたような判断ができるということが大変重要だと思っておりますので、ぜひそのような運用の方向でやっていただきたいと思います。

 また、審査のところの審査委員のあり方の中の三者構成につきましても、審査委員会の中は労使交渉の場とは少し違うと思うのです。推薦母体が三者でありますけれども、審査委員としては医療の専門家としてそれぞれの見識の中で審査に当たっている。私も審査委員の一人ですけれども、そのように当たっているわけで、労使交渉をやっているわけではございません。そういう意味での解釈を適切にお願いしたいと思います。

 また、支部間差異についても全国一律のルールでございますので、大きな差が出ては困るわけでございますけれども、地域の特性もあったりとか、それぞれの審査委員の医療としての判断、それに若干の差異が出るということでございますが、実際の医療費の中で言えばごく一部、査定と言っても1%台とかその辺の率でございますが、さらにその数分の1程度のところで判断されるところだと思います。そういった中で医療を潰さないような方向で、ぜひこの議論はやっていただきたいというのが意見でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。重要な御指摘だったと思います。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 支払基金の業務の効率化並びに高度化については、やらねばならないことだと思っています。ただ、質の高い医療の実現に向けた有識者検討会、私は委員の一人でございました。物すごく深い議論を長い間いたしました。そのときに出た問題点から、簡単な話だけではないということをよく理解いたしました。つまり簡単にできることと、もっと深い議論が要ることと、多々ございます。先ほどそういう意見がありましたが、工業製品のように人間を判断した形でやると結局は国民は幸福になりません。基金の仕組みは国民皆保険制度を支える大きな柱の1つであります。勘違していると思われることが多々あるという指摘を検討会で申し上げましたが、社会保障審議会に出す以上はもう少し深い議論をしていただきたいと思います。

 私どもが聞いている限り、基金の理事会でもかなりの議論があって、まだこれは十分なものではないという意見がかなりあったとお聞きしています。まだ少しこの会議で議論するのは早いのではないでしょうか。そこのところを踏まえた上で、出たものが全てこれで進むということでは私ども納得できません。この改革をきちんとやるためにも丁寧な議論をしていただき、そして社会保障審議会でさらに議論をしていただきたいと思います。

 皆さんよく御存じだと思いますけれども、基金自体が皆保険制度のかなめの1つです。これを崩すと最終的には難しいことになるということを何度も申し上げたところであります。御理解いただきたいと思いますので、事務局も十分、基金の中で議論をして、深い議論をしていただいた上で出していただきたいと思います。ずるずると出して、決まったこととすることは認められないと思います。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。堀委員、どうぞ。

○堀委員

 ビッグデータ活用推進に関するデータヘルス改革推進計画工程表についての意見を述べさせていただきます。

 基本的に保健医療、ビッグデータの利活用、ご説明で、左側の部分とおっしゃっているところと右側の保険者のデータヘルス支援というところ、いずれの方向性に関しても将来的に日本にとって必要なことであると思いますので賛同いたします。また、先ほど横尾委員がデータの蓄積について、あるいはPHRのヒストリカルなデータの蓄積方法について意見を述べられていましたが、私も教育機関に所属しておりますので、子供の頃からのデータ蓄積が重要なのかと考えます。データヘルスという意味では、保険者による健康増進ですので、社会人になってからの健康増進で良いですし、非常に重要だと思いますが、子供のころから生活習慣というのはできておりますので、例えば食べることにしても、運動習慣にしてもそうですが、生涯を通じた健康増進という視点が重要かと。現時点では、文部科学省とか所管であり難しいと思うのですけれども、少なくとも義務教育である学校保健のデータなどは活用できるでしょうし、教育機関で健康増進を図ることもできるかと。国民全ての、高齢者から子供まで一人一人の健康寿命をどう延ばすかというところが重要であと配布資料にもありますし、大人になってからでは手おくれになるような部分も生活習慣のところではあるかと思いますので、すぐには難しいと思いますが、将来的には、法整備も含めそういう視点も今後御検討いただければと思います。

 以上、意見です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 横尾委員、お待たせしました。

○横尾委員

 今のところはまさにそうでして、学校保健法とそうでないところで切れてしまっているのですけれども、ぜひつないだらいいと思いますし、たしか5〜6年の保存期間とかがあるのですが、ちゃんと保存していけば生涯使えるなと思います。実際、私たちも現場から聞いていますけれども、子供たち、小学校、中学校でいわゆる生活習慣病的な状況の件数がだんだん増えてきていますので、非常に重要なことだと思っています。

 さて、私の意見は、1つは支払基金改革のところです。7ページにイメージ図として、大体このような方向になっていくよう平成33年度、34年度ということが出ていまして、AIの活用とかデータの活用があるのですが、ぜひこういったものはオールジャパンでしてほしいなと思っています。これを都道府県別に、別々にカスタマイズしてくださいなどというコストばかりかかる方法ではなくて、より合理的な方法がいいと思います。

 また、海外のこういった医療関係の情報に詳しい方、情報を扱うことに詳しい方に聞きますと、日本国は非常におもしろくて、47都道府県別にそれぞれチェック機関が2つもあって、しかもそれぞれ同じ法律と同じルールで動いているのに同じアプリが動いていなくて、それぞれ別に動いていて非常にコスト高ではないかという御指摘を受けたことがありまして、まさにそうならないような改善をぜひ厚生労働省なり政府でガイドいただくのが大事かなと思っています。

 2つ目のデータヘルスについては、先ほど委員もおっしゃっていただいたようなことで思うのですけれども、個人情報保護のこととかもちろんあるのですが、ちゃんとそのためにも国民が安心して信頼できる情報の扱いを、政府がやってくれる、自治体もやってくれるという、個人情報に関する新たな立法的な措置もするなどが重要です。そのためにも、総務省とか関係省庁と協議いただきたいのです。それを実行した上で、こういった有効なデータ活用、それに伴う健康の保持や医療の改革、改善につながっていくことを期待しています。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 大体よろしゅうございますか。岩村部会長代理、どうぞ。

○岩村部会長代理

 1点だけですが、データヘルスのほうで資料2−2の2ページの保険者のデータヘルス支援のところの2で、経営者や保険者に、加入者やその家族に健康情報を提供して、健康経営等に活用してもらうというところがあります。これはそれ自体としては非常に妥当なものだと思いますが、諸刃の刃でもあって、こうした情報は場合によっては差別や排除に使われかねないものでもありますので、その辺のところについてきちんとした配慮をしておくことが必要かと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 大変有意義な御意見、御提案等々をいただけたと思います。大体よろしゅうございますか。ありがとうございます。

 それでは、次に審議事項になりますが、次回の診療報酬改定に向けた検討を議題としたいと思います。事務局から資料の説明をお願いします。

○黒田課長

 お手元に資料3−1、資料3−2を置いていただいて、御説明を申し上げたいと思います。なお、参考資料3に関係の資料を抜粋したものがございますので、御参考にということで御用意をしております。

 まず資料3−1でございます。30年度の診療報酬改定のスケジュールでございます。これは委員各位、御案内のことと存じますが、平成18年改定以降、この紙のルールで運営をされておりまして、中医協での1月以降の具体的な診療報酬点数の議論に入る前に社会保障審議会医療保険部会、医療部会で議論をしまして、基本方針を策定することを前提にして作業スケジュールを組むというやり方になっておりまして、そのような進め方で今回もお願いをしたいということでございます。

 資料3−2にまいりますが、具体的な検討ということですが、まず3ページをごらんいただければと思います。この方式は平成18年度改定からでございまして、基本方針が策定をされて過去に6回策定されて、今回が7回目の作業となってまいります。

 これまでの基本方針の策定のされ方ですが、この一覧表に御用意しておりますのは、平成18年度改定で設定された医療機能の分化・連携の推進から効率化できる領域の適正化に至る、大きく分けますと4つのグループが基本的に継承されながら、連続性にも配慮されながら、これまでの基本方針の中に反映されているという点が1つ。

 もう一つは、その中で平成20年度改定、22年度、24年度と続いておりますが、病院勤務医の負担の軽減ということが位置づけはそれぞれでありながら、少し場所なり位置づけを変えながら、医療従事者の負担軽減というテーマにつながる形でここまで行われてきているということがありますので、この4分野プラス医療関係の方々の負担の軽減ということが比較的、継続的なテーマとしてこれまで取り上げられてきて、現在に至っているというのがこれまでの状況でございます。

 1ページにお戻りいただきまして、今回の素材にということで御用意したものでございます。一番上の四角囲いには、先ほどからごらんいただいたものをまとめてございます。これまでの基本方針の定め方、継続性にも配慮をしつつということでやってまいりましたということ。それから、今回は6年に1回の同時改定だということもございますので、地域包括ケアシステムの構築という観点で考えますと重要な節目ではございます。また、医療従事者の負担軽減につきましても、これまでも取り上げられてきておりますし、また、政府が掲げる働き方改革というテーマにも合致をするテーマだろうということでございます。ということがございましたので、事務局でまずはたたき台といいますか、例としましてこのような資料を御用意したということでございます。

 まず(1)改定に当たっての基本認識でございます。これは前回の28年の改定の際にもこのような体裁になっておりますが、これはその次の2ページにあります基本的な視点や具体的な方向性を議論する上でのいわば前提となる認識というもので置かせていただいております。こちらには大きく3点、例として掲げさせていただいております。

 まず1つ目が健康寿命の延伸。人生100年時代を見据えた社会の実現という点でございます。これは前の議題でもお話が出ておりましたが、これから高齢化社会を迎え、人生100年時代になっていく。その中で健康寿命を延伸するための取り組みについては、医療関係者の方々、それから、保険者、自治体、さまざまな関係者のお力をいただきながら理解が進んできているところでございます。こういったことの中で国民皆保険を維持して、制度の持続可能性を確保していくことも肝要だと考えますし、また、国民一人一人の状態に応じた質が高くて効率的な医療を実現していくことも重要だろうということで、こちらに例として掲げさせていただいております。

 2点目は、地域包括ケアシステムの構築でございます。住民の目線に置きかえますと、どこに住んでも適切な医療・介護を安心して受けられるという言葉で置いております。これはこれまでの改定で継続的に掲げられている重要なテーマということでございますが、右にございますように今後の医療ニーズや生産年齢人口の減少等々も踏まえました将来を見据えた提供体制の構築、イノベーションの推進、切れ目ない提供体制といったことを視野に置きますと、ここも引き続きの重要なテーマだという認識ではいかがかということで、2番目に掲げさせていただいております。

 3点目は、医療・介護現場の新たな働き方の実現、制度に対する納得感の向上ということで掲げさせていただいております。予防健康づくりを含めてさまざまな方針がことし定められました骨太2017、未来投資戦略、一億総活躍プラン等々でも掲げられておりますし、こういったものの中で医療従事者の業務負担の軽減、働き方改革の推進は重要な課題だと考えますし、また、下にありますように、その原資として医療資源の効率的な配分と適切な医業経営の確保が重要な課題だということで、以上のような点をまずは基本認識として置かせていただいております。

 2ページにまいりますと、改定の基本的視点と具体的な方向性ということで、これまでの議論との継続性、それから、新しい課題というものを踏まえまして、視点の例としては4点、左側に掲げさせていただき、右側にその視点を踏まえた方向の例として、まずは置かせていただいているものでございます。

 まず1点目が地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点でございます。これは前回の指針でも重要課題として明記されているところでございまして、右側にございますように病床機能の分化・強化、連携に合わせた入院医療の評価。地域包括ケアシステム推進のための多職種連携による取り組みの強化。質の高い在宅医療・訪問看護の確保。外来医療の機能分化・強化。かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師・薬局の評価等々を挙げさせていただいておりますし、また、同時改定だということもございますので、医療介護連携、重症化予防の取り組み等々も例として置かせていただいております。

 視点の2点目の例が、新しいニーズにも対応できる安心・安全で質の高い医療を実現・充実する視点でございます。これは従来の2つ目と3つ目の視点を組み合わせて、こういう形でいかがかということでございまして、従来の項目として掲げられておりました重点的な取り組みが必要な医療の分野に係る取り組みを書かせていただいておりますのと、あわせて新しい技術を活用するということも、こちらの欄に書かせていただいておるところでございます。

 3点目の視点の例が、医療従事者の負担を軽減し、働き方改革を推進する視点ということでございます。先ほどの基本認識のところにも少し触れさせていただいておりますが、この点が重要だということでございまして、チーム医療の推進、勤務環境の改善、業務効率化・合理化の取り組みを通じた負担の軽減というのが1つの例かと存じますし、また、ICTの活用によって負担の軽減が現場の先生方も納得されるような形で達成できるのであれば、ということで例として掲げさせていただいております。

 4点目が効率化・適正化を通じて制度の安定性・持続可能性を高める視点といたしまして、右側の例といたしましては薬価制度の抜本改革の推進、後発医薬品の使用促進、費用対効果、退院支援等の取り組みによる在宅復帰の推進、残薬の扱い等々、こちらに掲げさせていただいているような例をまずは記載させていただいております。

 これらの例の記載に当たりましては、過去の基本方針の記載、それから、骨太2017等の政府の方針、中医協等で行われております議論、これは医療と介護の連携の促進のための意見交換会も含めまして、拾わせていただいておりますが、こうした点につきましても幅広い御意見をいただきながら、肉づけの作業をしていきたいと考えております。

 また、この場とあわせまして社会保障審議会医療部会でも御審議いただきながら、年末にかけてこの作業を具体化していきたいと考えているところでございます。

 当方からは以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 事務局から説明がありましたとおり、基本方針は当部会と医療部会とで合同で決めるということで、今回は本年度初めてということでありますけれども、事務局からたたき台を出されております。御意見等いただければと思いますが、いかがでございましょうか。どうぞ。

○藤井委員

 ただいまの資料3−2の2ページ目、4つ目と5つ目のあたりですが、まず後発医薬品の利用を熱心に促進していることは大変よいことだと思いますが、今後は特に多剤の投薬をいかに減らしていくかということが、むしろ大きな課題になるのではないかと思います。

 処方箋を介した医師と薬剤師の連携による重複投薬の防止や、多剤投薬の適正化を評価する仕組みが昨年度からスタートしているわけですが、その実態と実績を精査していただく必要があると思っています。

 また、日々服薬に関する問い合わせを受けている立場から申し上げますと、多剤投与については患者さんが複数の医療機関にかかっている場合に、当事者間でどう調整するかというのが明確になっておりませんで、大分混乱している例もございますので、かかりつけ薬局の役割というのは大変重要なのですが、生活者みずからが自身の投薬の意味を理解していただく必要があるのではないかと思います。

 もう一件、データヘルスの推進に関する所感でございますけれども、データヘルスが目指すべき成果というのは、国民一人一人が健康を維持増進させるために行動変容を促すことだと考えます。一方、個々人の行動変容を促すには保険者努力もさることながら、最終的には健康管理というものが従業員一人一人まで浸透していくものでなくてはなりません。そういった意味では経営者の意識改革とともに、ヘルスケアサービスというものをいかに個々人に密着した形で日常生活に入り込ませるかということが課題だと思います。

 ヘルスケア、IoTなど民間事業者の役割に期待される部分も多いと思いますが、例えばセルフメディケーション税制の適用拡大など、個人が実感できるインセンティブは何かという点を含めて、個人への浸透方法を研究する必要があると考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 後者の話は、診療報酬とは直接関連する話ではないという理解でよろしいですか。

○藤井委員

 そうですね。なので私の所感でございます。

○遠藤部会長

 御意見として承りました。

 森委員、どうぞ。

○森委員

 ありがとうございます。

今、藤井委員からかかりつけ薬局の話が出ましたので先に手を挙げさせていただきました。

 まずは基本方針全体についてですが、先ほど事務局からも説明がありましたが、今回の改定は6年に一度の介護報酬との同時改定ということで、2025年に向けて重要な改定だと思います。また来年から新たな医療計画、介護保険事業計画等がスタートすることもあって、非常に重要な改定だと思います。

 具体的なことは次回以降また発言をさせていただきたいと思っていますけれども、地域包括ケアシステムということを考えると、その中で薬剤師・薬局がきちんと機能するためにもかかりつけ薬剤師・薬局の推進を図ることが重要だと思っております。前回の改定からそのような方向性でスタートをしてきました。かかりつけ薬剤師・薬局を推進して、服薬の一元的・継続的な管理を行って個別最適化した調剤を実施し、患者の医療安全の確保、医療保険財政の貢献に取り組んでいきたいと思っております。

 藤井委員からお話がありました、薬局で一元的・継続的に薬歴を管理する。そしてかかりつけ医等と連携をしながら、例えば重複投与の防止やポリファーマシー、そういうことの調整も積極的にやっていきたいと思っています。

 かかりつけを進めるという反面、最近それと真逆の動きが進んでおります。資料3−2の2ページ目をごらんいただければと思います。一番下の効率化、適正化を通じた制度の安定性、持続性を高める視点の6つ目のポツのところに書いてありますけれども、最近、医療機関の敷地の中に薬局を誘致するというようなかかりつけと真逆の動きが進んでおります。ここではいわゆる門内薬局という表現になっていますが、中医協ではいわゆる敷地内薬局という記載になっており、どこかで統一したほうがいいと思いますが、いわゆる敷地内薬局は通常の保険薬局とは明らかに異なって、かかりつけの機能を果たせるとは思えません。そうした薬局は、それに見合った評価、適正化をすべきだと思っています。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょう。菊池委員、どうぞ。

○菊池委員

 今回、事務局から示されました基本認識と、改定の基本的視点と具体的方向性に例示されている内容については、おおむね賛成です。特に改定の基本的視点に医療従事者の負担を軽減し、働き方改革を推進する視点が挙げられておりますことは、医療現場の勤務環境の厳しさ、看護職員の夜勤の深刻さなどから非常に適切と考えます。

 次に、2ページの具体的な方向性の例に挙げられていることに関連しまして、3点、意見を申し上げます。

 地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点の中で、3つ目に質の高い在宅医療・訪問看護の確保についてということが挙げられております。医療と介護の連携に関する意見交換の場でもテーマの1つに取り上げられましたように、これからの地域包括ケアシステムの構築に当たって医療と生活、介護の連携の役割も担う訪問看護の拡充を進めるべきと考えます。退院後の在宅療養や看取りなど、24時間365日、在宅療養者を支えるために、機能強化型の訪問看護ステーションをさらにふやしていく必要があると考えます。高齢者だけではなく、医療的ケアを必要とする小児の在宅療養にも対応できるような訪問看護ニーズも高まっております。これからは訪問看護ステーションの量的確保だけではなく、機能強化も求められていると思います。

 なお、訪問看護の医療保険のレセプトがまだ電子化されておりません。診療報酬の話ではないかもしれませんけれども、医療計画など今後さまざまなデータを政策に利活用していく必要がある中で、訪問看護の医療保険分の電子化は早急に進めるべきと考えます。

 もう一つ、4つ目の外来医療の機能強化と、6つ目の重症化予防の取り組みの推進についても非常に重要と考えます。例えば糖尿病を初めとする生活習慣病の重症化の予防のためには、受診中断者など重症化しそうな対象者を早期に把握して、効果的に対応するために、医療機関が自治体や保険者と協働する地域連携が必要になると考えます。

 最後に、医療従事者の負担を軽減し、働き方改革を推進する視点について、1つ目、チーム医療の推進(タスクシェア、タスクシフト等)に関連する意見です。チーム医療の推進の観点からタスクシェア、タスクシフトは大変重要と考えております。看護の立場から言いますと、例えば先ほどの糖尿病の重症化予防を目的とした療養指導や相談支援の取り組みの拡充を図る役割が重要と考えます。また、特定行為研修を修了した看護師の活用を進めていくことで、より効率的、効果的なチーム医療を推進することができると思います。

 特定行為研修修了者の活用について言えば、研修修了者がその専門性を生かして看護実践を行った結果、これまで医師が行っていたカテーテル類の交換を研修修了者が実施することで、患者さんの医療処置をタイムリーに行うことで、その苦痛を早目に解消することができます。それと同時に医師の側からは外来を中断せずに済むようになったとか、外来中に病棟に呼ばれることが明らかに少なくなったというような評価も行われております。医療従事者の負担軽減、働き方改革を進める上でチーム医療の推進は重要だと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 3ページの28年度改定のところ、患者にわかりやすくQOLを高める医療ですが、最近いろいろな問題がある大学病院で起きたように、外からの目をきちんと入れないと、中だけで処理すると大変なことが起きてしまいます。そういうことがないように透明性を高めることが大事だと思います。したがいまして、第三者の評価をきっちりと義務づけて、外から医療を見ることを確立すべきだと思います。今年度におきましても同じような形でぜひ推進していただきたいと思います。

 2番目は、2ページ目の例の3つ目、遠隔診療も含めたIT等の活用ですが、離島などにおいてこれを行うということは患者さんにとってもよいことですし、問題はありませんが、遠隔診療の定義をきちんとしないまま、何もかにも遠隔診療だといって電話機のかわりのスマートフォンで何もかもできるというように主張されている方々がいらっしゃって、これが診察にかわるものだという主張をされていますけれども、私は大きな間違いだと思います。人と人とは対面してきちんと話をして、いろいろな細かい変わった点を把握して対応しなければなりません。遠隔診療の定義をきちんとしていただいて、それに基づいた上で議論していただかないと、全て遠隔診療の一部だという言い方をされますと、私は大きな間違いだと思います。

 また、例1のかかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師でございますが、これはそれ自体を評価するのではなく、そこにある働き、つまり機能を十分に評価していただきたいと思います。規定の中で考えるのではなくて、どういう機能を持つのか。例えば処方において重なっていないかどうかというのは、私は内科医の仕事であると思います。服薬指導と服薬管理は違います。そこのところを十分に御理解いただき、そこをかかりつけ医がやっているということに対しての機能を評価していただきたく思います。

 以上であります。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、望月委員、どうぞ。

○望月委員

 今回の基本方針の検討に向けた経団連としての基本的なスタンスを述べます。今回の改定は介護報酬との同時改定でありますので、2025年以降を見据え、質が高く効率的な医療・介護の提供体制を整備する上で、節目となる重要な改定と認識しています。その観点から特に重要であるという視点が3点ございます。

 1点目に、医療と介護との連携を一層強化して、患者、利用者の状態に応じた円滑な移行を促進するとともに、両制度を通じて提供されるサービスの効率化を図っていく視点が欠かせないと考えています。

 2点目に、地域包括ケアシステムの実現に向けまして、医療機能の分化・連携を推進して、医療資源の効率的な活用が図られる改定とすべきと考えます。

 3点目に、限られた財源の中で質が高く、効果的な医療提供体制の実現に向けて、一層めり張りのある報酬体系を目指すべきと考えております。

 これらの観点も踏まえ、今回の改定の基本方針の策定に当たりましては、基本認識において、前回と同様に、経済の成長や財政健全化との調和という観点を1つの柱として位置づけていただくよう、ぜひお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。新谷委員、遠藤委員、武久委員の順番でお願いしたいと思います。

○新谷委員

 確認の意味も含めまして3つ、要望を申し上げたいと思います。

 資料3−2の1ページ(1)改定に当たっての基本的な認識のところでございます。この2つ目の例として、地域包括ケアシステムの構築について記載をされております。ここの例として、どこに住んでも適切な医療、介護を安心して受けられる社会の実現ということが書かれておりますけれども、これは非常に重要な視点だと思います。

 日本は人口が減っていく、また、少子高齢化が同時に進行するという中で、制度の持続可能性の確保という観点も重要な視点だと思っております。そういった面から、例1のところには右のほうに、質が高く、効率的な医療の実現ということが書かれているのですけれども、これは地域包括ケアシステムの構築においても重要な視点だと考えております。一番上の例が総論的な書きぶりということであれば、質が高く効率的な医療の実現ということも2つ目の例にかかってくるのかもしれませんけれども、地域包括ケアシステムの構築という中にも、ぜひ「質が高く、効率的な」という文言を記述いただいたらよろしいかと思います。

 要望の2点目は、先ほど菊池委員も御発言がありましたけれども、例の3つ目に医療従事者の勤務環境の改善について記載がされました。今、政府が働き方改革を進めている中で、医療従事者についてもその対象にして進めていくことは当然のことでありますし、医師や看護職員を初めとする医療従事者に過重労働を強いる医療体制であってはならないと考えております。

 勤務医は、紛れもなく労働者でありまして、労働基準法上の労働時間規制が適用されることを大前提とすべきでありますし、看護職員につきましても夜勤負担の改善が以前からの課題でございますので、こうした勤務環境の改善や多職種連携の推進に資する改定となるよう、ぜひ今回の基本方針には医療従事者の働き方改革についても、ぜひ強調して盛り込んでいただきますように要望申し上げたいと思います。

 最後の点は、2ページ目にあります具体的な方向性についての内容でございます。この2ページに書かれてあります各項目は、例として書かれておりますけれども、おおむね網羅的に書かれておりましてよろしいかと思います。

 しかし、この資料の例の中に書かれていない点で、患者にとって安心・安全で納得できる、将来の新しいニーズにも対応できる質の高い医療を実現するという視点に関連いたしまして、レセプト電子請求のさらなる推進でありますとか、全ての医療機関における診療明細書の無料発行の推進をぜひ盛り込んでいただきたいと思います。そのことによって医療の透明化につながりますし、結果的には安心で質の高い医療の発展あるいは患者の納得の確保ということにつながると思いますので、この方針についてもぜひ盛り込みをお願いしたいということを要望申し上げます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 お待たせしました。遠藤秀樹委員、どうぞ。

○遠藤委員

 今回の改定の基本方針の流れ、スケジュール感は理解できるところですけれども、今回、特に医療と介護の同時改定という題目が当然ついているわけですが、医療保険と介護保険の改定をどうリンクさせるかというところが明確になっていればいいのかなと思うのです。特に医療保険、介護保険それぞれ法律も違いますし、扱う局も違うということで、なかなか統一的に扱うのは困難というふうに思われております。これまで2回ほど連携の協議会がされましたけれども、それぞれの意見が出された中で特に拘束はされないという中での議論。それらの議論を取り入れての改定ということにはなろうかと思いますけれども、もし同時改定がメーンテーマとして大きく出てくるのであれば、この基本方針とかスケジュール感の中にどうリンクさせるかということがもう少し明確に書き込まれるべきではないかと考えるのですが、事務局としてはその辺のところはどのようにお考えでしょうか。その点をお聞きしたいと思います。

○遠藤部会長

 連携課長、お願いします。

○黒田課長

 遠藤委員のお話は、私どももそのような認識でおります。

 それでどのように連携を図っていくのかというお話です。一例は先ほど遠藤委員からお話がありました、中医協と社会保障審議会介護給付費分科会の中で本格的な議論に入る前に意見交換をして、課題認識を共有しておこう。取り組みもその1つの例でございますし、あと私ども事務局の中では数年前に機構改革をやりまして、医療介護連携担当の審議官を筆頭にして関係局、医政局、保険局、老健局が常日ごろから顔を合わせて、伏せ札にするとかそういうことはしないで、かなり綿密なコミュニケーション体制をとっております。

 そういうお話の中で今お話のありましたような課題認識を共有しながら、議論の場所は別かもしれませんけれども、同じような課題認識をベースにして議論を進めていくことは省内でもきちんと体制をとっております。その中であとは老健局のサイドでもこれからスケジュールを設定していくことになりますが、いずれにしても課題認識を合わせながら、連携のテーマについてはそれぞれが共通の認識を持った上で議論を進めることは、必ず確保するという前提でこれからも議論を進めてまいります。ありがとうございます。

○遠藤部会長

 どうぞよろしくお願いします。

 お待たせしました。武久委員、どうぞ。

○武久委員

 資料3−2の改定に当たっての基本認識の2番目ですけれども、どこに住んでも適切な医療・介護を安心して受けられると言うのですが、皆さんも御存じのように最近、医療的なニュースの中で過疎地のお医者さんが何人どんとやめたとか、非常に困っているところが多いのです。これに関しては保険局で診療報酬で手当てする面もありますけれども、例えば医政局とか医療のほうで、例えば専門医制度で臓器別専門医ばかりを希望するよりは、どちらかというと後期高齢者の患者さんが8割近いわけですから、1つの臓器でなしにいろいろな臓器が悪いということで、総合診療医の割合をある程度ふやしていくとか、診療科目も自由に選んでいくと、実際の問題としては地域の中では過疎地では診療科目が十分診られない医師がいて、医療チームとして十分でないとか、いろいろな弊害が出てくると思います。これを保険診療で何らかの手当てをしないと非常に厳しい。

 ここに医療と介護と書いてありますが、介護は民間事業者は利用者が少ないところはまず出てこないのです。こういうことになってくるとサービスの選びようもない、サービスがないということで、その地域に住めないということにもなってきて、日本中の大きな問題になると思うので、例のどこに住んでもというところは非常に重要な視点だと思います。

 これについて保険診療である程度誘導していくとかしないと、本当に田舎の県の過疎地にいるような人は今後、医療も介護もなかなか都市部と比べると非常に厳しい状況になってくる。だけれども、診療報酬は同じであるということもあったりして、この辺のところは皆さんも御理解賜っていると思いますが、ちょっと見直していただければ大変ありがたいかなと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 医師の偏在については、診療科偏在については診療報酬で誘導して調整をすることは過去もやってきたわけでありますけれども、地域偏在については全国一律の診療報酬なのでなかなか有効でないということを、それについてもう少し切り込むべきだという御意見ですね。

 ほかに何か御意見ございますか。それでは、横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 診療報酬は今、武久委員もおっしゃったとおり医療の確保というのは非常に重要な地域がだんだん広がってきているなという危機感を持っておりますので、ぜひそういったポイントもモチベーション高めに見て、診療報酬制度が効果が出るのだったら非常に必要なことだと自治体としても思いますので、検討いただければありがたいと思います。

 私が御意見を申し上げたいのは、直接、本文の細かいところの基本認識や今後の方向性について、具体的項目については今後数回多分議論があると思いますので、そこで触れることがあるかと思いますが、その前に前提として例外かもしれませんが、中央社会保険医療協議会に上げる場合に座長の附帯意見というか、明確な意見をつけていただけないかなという気持ちを持っています。

 それはどういう意味かといいますと、財政が右肩上がりの場合は診療報酬がどんなに上がっていても、医療がどんなに上がっても心配なかったと思いますが、途中でそれは無理になり、経済もやや成熟社会になってしまっていますので、財政が厳しいというのが常に聞こえてきます。一方では国民の医療に関するニーズはどんどん高まってきて、特に人生100年時代になると、そういったものももっと高まってくると思います。

 そういった中で、日本人が健康な生涯を全うするときの状況を考えると大きく3つあると私は思っていまして、1つは死亡する原因としてがんが2人に1人かかって、3人に1人はがんだと言われています。残り3分の1ずつは大体心臓疾患か脳疾患が多いと一部聞いています。これはよく考えてみると、がん対策についてはいろいろな方法があると思いますが、まず私は健康診断を受けていただくことをもっともっと上げていかないと、どうしようもないなと思います。ごく最近親しい経営者の方とお会いしましたら、びっくりされたのは胃がんがわかった。全摘だとびっくりされておりました。今まで多分健康診断を十分受けていらっしゃらなかったと思うのですが、そういったことを啓発することによって御本人の健康への負担を減らすとともに、医療財政についても大きな支出を前もって抑制できる効果も出てくるわけですので、適正化もできるわけですので、そういった啓発も必要と思います。

 心臓や脳については、基本的には血管の疾患とも言うことができるという知見も聞いたことがありますので、ぜひこういったことは啓発をして、よりよいライフスタイルとか、QOLとかをしていかないと日ごろの不摂生が大きな疾患になる。ひいては自分の負担、そして国としても社会としても大きな財政負担で医療が大変困ることになりますので、こういったことも啓発が必要と思っています。

 3点目に思っているのが、先ほど御指摘のあった投薬です。多重頻回などがございますけれども、例えば海外ではそういったものを社会保障番号制度とリンクさせてワーニング、警報を出すというシステムがあるように聞いています。「この薬、あなたがもらっているものではない」とか、「これとこれを一緒に飲むと危ないよ」ということを、もちろん薬剤師の方や専門の方が窓口でちゃんと御指導されるわけですけれども、ちゃんとチェックして、それを抑制できるような方法とか、適正化できるような方法とか、そういったこともさきに出ていたデータに関するさまざまな改革があるならば、そういったシステムの開発とか新しいICTを活用した21世紀型のこういった制度ということもぜひ考えてほしい。

 それらを踏まえて単純に診療報酬のどこをどう配慮すべきで、当然必要だと思っていますが、より大きな観点からこの際、提言を申し上げないと大きな構造改革をしない限り、なかなか医療財政が健全化する、よい方向に行くとはなかなか思えないぐらい厳しくなっていますので、ぜひそういったことも厚生労働省の事務局で検討いただければありがたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにございますか。堀委員、どうぞ。

○堀委員

 資料3−2の改定に当たっての基本認識なのですが、ここに挙げられている一つ一つのことについては良いと思うのですけれども、例で挙げられている、例1の健康寿命の延伸、人生100年時代を見据えた社会の実現というところに、先ほどもほかの委員からも指摘がありましたが、質が高く効率的医療の実現とありますが、これらはほかの例のところにいっても良いようなものかと思います。例2に挙げられている医療・介護を安心して受けられる社会の実現のところにある1番目の「今後の医療ニーズ、生産年齢人口の減少、技術革新を踏まえた将来を見据えた提供体制の構築やイノベーションの推進」というのは、むしろ例1の健康寿命の延伸や人生100年という未来に向けた社会の実現というところにも入っていいものもあると思いますので、今後細かい文言等はこの委員会で議論していくことだと思うのですが、その前にもう少し内容を精査をしていただければ良いいのではないかと思いました。

 2ページ目に関しましても、同様ですが、例の2番目にある新しいニーズにも対応できる安心・安全で質の高い医療を実現・充実する視点と、例の4番目の効率化・適正化を通じて制度の安定性・持続可能性を高める視点ですが、人生100年時代といいますか、これからの時代を考えますと、この例2と例4の両方が実現できるような視点が必要なのかなと思います。

 過去の視点のところでは、「充実が求められる領域」、「効率化ができる領域の適正化」という形で区分されているので、この形ではこれはこれでわかりやすいと思うのですが、2ページに例として挙げられている「新しいニーズに対応できる安心・安全で質の高い医療を実現・充実する視点」と、「効率化・適正化を通じて制度の安定性・持続可能性を高める視点」というのは、本来、新しい時代を踏まえると同じものになっても良いのではないかと思います。ここに書いてある内容自体を否定するわけではありませんので、もう少し整理をしていただければと思います。

 以上、意見です。

○遠藤部会長

 もう少しを整理してという御要望でありますので、ぜひよろしくお願いします。

 事務局どうぞ。

○黒田課長

 今回のものはあくまでたたき台ということですので、いろいろな観点から整理をしていきたいと思います。

 これから御議論を深めていただく中で、恐らく今のお話のようなことが出てきます。こちらにも関係があって、別のところにも関係がある。その視点をまぜてしまうというよりは、ある程度区分をしながら、ただ、1つの取り組みが複数にも関係する。お互いに関係し合っているということなのかなと。過去の整理もそうでしたので、そのようなことも念頭に置きながら整理してみたいと思います。ありがとうございます。

○遠藤部会長

 よろしくお願いします。

 そういうことでもありますけれども、ほかに何か御意見ございますか。よろしゅうございますか。それでは、この診療報酬の基本方針につきましては、また引き続き議論をすることになると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 本日の議題は以上ですけれども、事務局から何か連絡はございますか。どうぞ。

○泉課長

 お手元の資料の一番最後に「第104回社会保障審議会医療保険部会資料正誤表」がございます。前回、4月に行いました医療保険部会で配りました資料の中に誤植がございました。ここでおわびしつつ、訂正させていただきたいと思います。大変御迷惑をおかけいたしました。

○遠藤部会長

 よろしゅうございますか。

 それでは、本日はこれまでにさせていただきたいと思います。

 次回の開催日につきましては、追って事務局より連絡をさせていだたきます。

 本日は御多用の折、お集まりいただきまして、非常に貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。

 


(了)

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