ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 医政局が実施する検討会等 > 医療放射線の適正管理に関する検討会 > 第3回医療放射線の適正管理に関する検討会(2017年9月4日)




2017年9月4日 第3回医療放射線の適正管理に関する検討会

医政局

○日時

平成29年9月4日(月)14:00〜16:00


○場所

厚生労働省省議室(9階)


○議事

○稲木課長補佐 それでは、時間となりましたので、ただいまから「第3回医療放射線の適正管理に関する検討会」を開会させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席くださいまして、まことにありがとうございます。

 議事に入ります前に、新たに構成員になられた方の御紹介をさせていただきます。

 公益社団法人日本歯科医師会の三井博晶構成員です。

○三井構成員 三井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○稲木課長補佐 なお、本日は、川上純一構成員、渡邊直行構成員から欠席との御連絡をいただいております。

 また、茂松直之構成員につきましては、所用のため、15時半ごろ退席されるとのことです。

 続きまして、事務局の人事異動について御紹介いたします。

 医政局長、武田でございます。

○武田医政局長 武田です。よろしくお願いいたします。

○稲木課長補佐 地域医療計画課課長補佐、鶴田でございます。

○鶴田課長補佐 鶴田です。よろしくお願いします。

○稲木課長補佐 なお、本日は、原子力規制委員会原子力規制庁長官官房放射線防護グループ放射線防護企画課の寺谷企画調整官にも御参加いただいております。

○寺谷企画調整官 寺谷です。よろしくお願いいたします。

○稲木課長補佐 なお、医政局経済課の金光課長補佐におかれましては、少々おくれるという報告を受けております。

 また、武田局長、椎葉審議官におかれましては、別途公務がございますので、途中退席をさせていただくことを御了承いただけたらと思います。

 もし、報道の方で、冒頭カメラ撮りをしている方がおられましたら、ここまででお願いいたします。

○稲木課長補佐 それでは、以降の進行は、米倉座長、お願いいたします。

○米倉座長 それでは、本日もどうかよろしくお願いいたします。

 最初に、事務局から資料の確認をお願いします。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 議事次第、座席表、開催要綱、資料1〜資料3、そして参考資料1、参考資料2をお配りしております。不足がございましたらお知らせください。

○米倉座長 よろしいでしょうか。

 それでは、議事次第に従って進めさせていただきます。

 まず、議題の(1)「医療被ばくの適正管理のあり方について」。資料1が事務局から神田構成員への依頼で作成された資料と伺っています。

 それでは、神田構成員より説明をお願いできますでしょうか。

○神田構成員 神田でございます。

 本検討会において検討が必要な課題の1つに医療被ばくの管理のあり方が挙げられておりますけれども、この医療被ばくを管理する、あるいは適切に防護するにはどういった方法があるのかを検討するに当たって、やはり海外の先行事例が参考になるだろうと思っております。こうした取り組みが先んじて進んでいる国々では、医療被ばくに関する情報を記録し保管するということが行われております。また、記録した情報を集めてエビデンスベースで放射線診療を行う、このプロセスの中で放射線防護が明確に位置づけられております。そうした海外の社会基盤を中心に御紹介をさせていただきたいと思っております。

 では、早速、下のスライドをごらんください。まず、医療被ばくの特徴についてまとめてみたいと思います。

 国民線量から見ますと、人工放射線被ばくの大半を占めています。これが医療被ばくです。そして、技術の進歩や多様化により世界的にも増加していることが国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書などでも確認をされております。そして日本では、世界的に見ても、また医療先進国と比較しても医療被ばくが多いと言われております。

 医療被ばくの特徴の2つ目、線量範囲が広くて、単純エックス線撮影のようなごく低線量のものから、Interventional Radiology(IVR)のように、場合によっては急性影響のような副作用が出るような線量まで含まれます。被ばくする集団の中には、男性、女性、年齢もさまざまです。こういった放射線検査全体を1つのルールで規定するということは大変難しくて、エックス線検査ではこうすべき、IVRではこうすべきといったモダリティーごとの規定や、子供ではこうすべき、妊婦ではこうといった患者の種別の規定というものも必要になります。

 医療被ばくは人体に意図的に放射線照射をすることが合法的に許されている唯一の行為であります。意図的に放射線を照射するわけですから、照射条件も制御可能ですが、診断や治療といった医療目的があって照射しているわけですから、線量が低ければいいというものではありません。こうした医療被ばくの防護に関しましては、そのほかの被ばくの防護とは少し異なる点がございます。

 スライド2の右の図を見ていただいて、放射線防護の原則についてお話をさせていただきます。「正当化」「防護の最適化」「線量限度の適用」というのが防護の三原則と呼ばれております。このうち「正当化」というのは、放射線を使う行為は、もたらされる便益が放射線のリスクを上回る場合にのみ認められるという原則であります。2つ目の「最適化」というのは、そうやって正当化されて放射線を利用する際には、そのために受ける被ばくというのが、社会・経済的なバランスも考慮しつつ、できるだけ少なくなるように努力するというものであります。3つ目が「線量限度」です。これは個人が被ばくする合計量の上限を定めたものです。職業による被ばくですとか公衆の被ばくには適用されますけれども、医療被ばくに関しては線量限度が適用されません。医療被ばくに線量限度を適用してしまうと、必要なのに診療を受けられないケースが生じまして、患者さんの便益を損なうおそれがあるからであります。その分、患者さんお一人お一人について、これから行おうとする放射線検査が最適な検査なのかどうかをお医者さんが判断いたします。そして、検査をするとなったら、その患者さんに適切な線量を用いて検査をするということになっています。つまりは、放射線検査の正当化と防護の最適化をきちんと行うというのが医療被ばくの防護であります。

 日本には、この医療被ばくの正当化や最適化を推進する法的根拠は明確には存在していないのですけれども、ヨーロッパなどでは欧州連合(EU)指令がかなり法的拘束力のある形で機能しております。

 次のページをごらんください。放射線防護の国際的な枠組みをざっくりと御説明させていただきます。

 原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)では、放射線影響に関する科学的知見を取りまとめています。そして、国際放射線防護委員会(ICRP)では、放射線防護に関する勧告を行って、国際原子力機関(IAEA)ではそれを安全原則、要件、指針という形でまとめて、それを各国が履行するという流れになっております。

 日本はUNSCEARIAEAの加盟国でありますので、当然、こうした機関の見解は我が国に強い影響力を及ぼしています。

 医療放射線に限って見ていただきましても、UNSCEARでは、国連加盟国の協力を得て、医療被ばくに関する調査を定期的に行っていますし、ICRPでは、第3専門委員会が中心となって医療放射線防護に関する勧告を行っています。そしてIAEAでは、国際基本安全基準(BSS)の中に医療放射線に関する内容を盛り込んでいます。

 また、IAEAは、後ほど御説明いたしますけれども、医療被ばくを記録し、履歴を追跡するシステム、いわゆるスマートカードプロジェクトというものも先導しております。2001年からは患者さんの防護に関する国際行動計画を作成するといった活動が行われていますが、こうした活動は世界保健機関(WHO)と協調して行われております。2013年にはWHOIAEAは「Bonn Call for Action 次の10年において医療放射線防護を向上させる10の行動」というものを共同で発表しております。大変薄い冊子でして、これはWHOIAEAのサイトからダウンロードすることができます。

 具体的にどういうものが書かれているかというのが下のスライド4に書いてあることです。「医療放射線防護を向上させる10の行動」とありますとおり、1つ目が正当化、2つ目が最適化といった、10のアクションが書かれています。これを見ますと、今、医療放射線防護に関して国際的には何が望まれているのかということがよくわかります。本日の御説明においてはここまでとさせていただきます。

 次のスライド5をごらんください。先ほどのスライド3の続きですけれども、こうした国際的機関の決め事を受けて各国での対策が考えられております。

 右側の各国のところを見ていただきます。まず、EUについて御説明しますが、EU諸国では連携して防護に取り組んでおります。それには欧州委員会の指令の存在が大きな役割を果たしております。

 点線で囲んだ部分をごらんいただきますと、1997年に医療被ばくに関してEU指令というものが出されておりまして、その中では、放射線検査の目安とも言うべき診断参考レベルの利用が明記されています。それから20年たった最近になりますと、欧州の8割近くの国が診断参考レベルを設定しております。

 また、2013年には、IAEAの新しいBSSを受けて、欧州基本安全基準が発表されております。中を見ますと、患者の線量の記録に関して明記がされています。こうした内容をEU加盟国は2018年2月までに法令に取り組むことが求められております。

 今度はアメリカのケースです。アメリカですと、子供の体格に合わせて照射条件を工夫し、最適された線量で撮影するよう働きかけが行われています。このキャンペーンは「イメージジェントリー」と呼ばれております。

 それと比べて、日本の状況を申し上げますと、2015年に日本でも学術コミュニティが中心となりまして診断参考レベルを策定いたしましたが、先ほど御説明いたしました欧州委員会の指令から20年近くおくれているという事態です。これは一例にすぎませんけれども、概して、日本の医療放射線防護は欧米に比べるとおくれていると言ってよろしいかと思います。

 下をごらんください。先ほども申し上げました診断参考レベルに関しての内容です。これは、放射線検査で用いる線量の目安値と言うべきものですが、国や地域ごとに調査されたデータから設定される数値で、実態調査の線量分布の75パーセンタイルの値を用いることが一般的です。決して平均値ですとか中央値ではございません。ですので、目安といっても、検査にちょうどいい線量というよりは、各機関で見直しをするための目安の線量に設定されております。よって、診断参考レベルを超える線量を使って検査を行っている施設では、線量が最適化されているのかどうか見直してくださいというふうにこの目安値は利用されるべきものであります。

 診断参考レベルは、防護の最適化の有効な方策として、ICRPの勧告ですとか、IAEABSSでも利用が推奨されております。

 点線で囲んだところの上のほうは、2014年に改定されたIAEABSSからの抜粋で、大変大事なところですのでオリジナルの原文そのままを引用しておりますけれども、診断参考レベルの確立は国が保証することと記載をされております。

 また、欧州ですが、1997年、欧州委員会が欧州の加盟国に対して診断参考レベルの確立を利用・推進しなければならないという指令を出していますので、既に欧州の76%の国が診断参考レベルを設定しているといった報告があります。

 それが右の欧州の地図になります。薄い青の国は自国の調査で診断参考レベルを設定している国、濃い青の国はよその診断参考レベルを使っている国で、これを合わせると欧州の76%に相当いたします。

 診断参考レベルの設定に当たりましては、国ですとか地域ごとに調査したデータが必要なので、日本同様、ここがハードルになっている国も結構あるわけですけれども、線量データさえ集めることができれば診断参考レベルは設定することが可能でもあるわけです。

 おめくりください。スライド7ページ目、患者さんの線量の記録について、我が国の法令と2014年に公表されたIAEABSSの書きぶりについて比較をしてみたいと思います。

 照射録は診療放射線技師法に規定されていますが、法律の記載では、保管に関しては明確には規定されておりませんし、照射方法を「具体的にかつ精細に記載すること」という記載にとどまっております。こうしたことに関しては私よりも先生方のほうがよく御存じで、実際には保管もしていますよといったことがあるかと思いますが、法令上はこのような規定になっております。

 一方、IAEABSSでは「医療被ばくに関する記録を規制当局が指定した期間、保管し、利用可能にしなければいけない」となっております。また、医療被ばくの記録について検査の種類ごとの規定がございまして、例えばエックス線検査では遡及的線量評価に必要な情報を記録すること、IVRや核医学等では個別の記載がなされています。日本もIAEA加盟国ですので、この2014年に発表されたBSSの取り入れについてはぜひ御議論いただきたいと思っております。

 それはさておきまして、下のスライド8をごらんください。ここでお示ししたのはIAEAのスマートカードプロジェクトです。これは、線量の記録という意味では最終形態に近いのではないかと思いますので、御紹介をしたいと思っています。

IAEAのスマートカードプロジェクトは、患者個人の医療被ばく歴を追跡できるシステムの構築を目指しているプロジェクトであります。カードにそのデータを直接書き込むか、あるいはカードをアクセスキーにするかといったどちらかのイメージで検討されていますけれども、右上の写真のように確たるカードがあるわけではございませんで、カードを使うというイメージで議論がされているところです。

IAEAは加盟国に対して、政策の確立の補助ですとか、また産業界にも働きかけて、医療被ばく歴の追跡に必要なハードやソフトの開発を助けるという活動をしています。また、WHOやアメリカ食品医薬品局などいろいろな機関がこのプロジェクトには協力をしているところです。

 実際に患者さんの医療被ばく歴を追跡しようと思いましたら、まず必要となるのが患者さんのID番号です。2つ目は、情報系のインフラを整備する必要があるということになっておりますので、このあたりが各国の大きな課題となっています。

 このIAEAのスマートカードプロジェクトが始まってもう10年ぐらい経過するわけですけれども、この中で追跡システムができたという状況にあるというよりは、多くの国で、初めは何か夢物語みたいだったプロジェクトが現実味を帯びてきたといった段階にある状況です。事実、IAEA2010年に、その世界地図に緑で示されている76カ国を対象にアンケートを実施しましたところ、追跡システムがあると答えた国は1つもなかったのですけれども、8カ国が医療被ばく歴を追跡するシステムの導入を計画していると答えております。

 こうしたシステム構築にはIAEABSSですとか各国の法令が強力な後押しになっているケースも確かにあるのですけれども、文化的な背景も関係しているように感じています。2010年にECでは、患者さんが自分で電子カルテにアクセス可能にするような計画を発表したのですけれども、その際の担当者が、欧州では医療は人間の権利ですというふうに発言したそうです。こうした文化的な背景というものが大きく効いてきているのではないかと感じております。

 今度はスライド9をごらんください。最適化の御説明に続いて、今度は正当化のお話です。医療被ばく以外の領域では、リスクとベネフィットを直接比較するのはかなり難しくて、正当化の原則というのは概念なり理念に近い部分もあるのですけれども、医療被ばくに関しては、ベネフィットもリスクもどちらも健康に関することということで、それを比較する具体的なツールが示されています。それが「3つのA」と呼ばれるものでございます。

 1つ目のA、Awarenessは、医療関係者と患者の双方が線量やリスクに関して正しく認識をするというもので、具体的にはコミュニケーションやインフォームド・ディシジョンが推奨されております。

 2つ目のA、Appropriatenessは、検査が患者にとって適切であることを保証するということで、具体的には照会ガイドラインと呼ばれるガイドラインを使うことが推奨されております。

 3つ目のA、Auditは、正当化が適切に実施されていることを点検するための医療監査が方策として考えられています。

 こうした方策は、現段階では推奨はできても、先ほどの診断参考レベルに比べますと、法的に規定しにくいのか、IAEABSSではっきり規定されているのは照会ガイドラインだけなのですけれども、欧州委員会の指令のほうでは、1997年の指令から、情報提供、照会ガイドライン、医療監査ともに規定をされております。こうした長い歴史があって、実際に欧州ではこうした方策が積極的に取り入れられて、その有効性が検証されているという段階にございます。

 では、日本でも同じようなことをすればいいのかと申しますと、これにはいろいろなお膳立てが必要であります。つまりは、本日のテーマである基盤が必要となっております。例えば、正当化に直結しているツールである照会ガイドラインというものはどこの国でも同じというわけではございません。

 下のスライドをごらんください。照会ガイドラインとして有名なものは英国や米国の放射線専門医会が作成したものですが、具体的にどういうものかといいますと、患者さんの臨床症状から見て、こういう臨床症状の患者さんには適切な検査方法はこれだということを検索するためのツールであります。これは、文献情報ですとか専門家の意見に基づいて決められていて、そういう長い歴史をヨーロッパやアメリカは持っています。

 スライド10で見ていただいているのは英国王立放射線専門医会のガイドラインの翻訳版の一部分ですが、数年前に、関係者の先生方に照会ガイドラインというものがどんなものか知っていただくために私どもで訳したものでございます。オリジナルは、写真のような書籍版だけではなくてオンライン版もあるのですが、翻訳版の出版に当たって放射線科医の先生方に中身を監修していただいたところ、やはり日本の状況とは異なるところが結構あるということがわかりました。

 表で見ていただいているのは食道がんに関する検査のところですけれども、このセクションは特に違いが大きくて、日本の現状とは異なることが多いということを監修者の注として書いておかないと誤解されるという御指摘を受けました。「地方や地域による差異を念頭に置きながら」というのは、医療被ばく防護にはよくあるのですけれども、英国の実態に基づいたガイドラインもそのまま日本で使うことはできないということであります。そこで、日本で照会ガイドラインをつくろうといたしますと、エビデンスとなる文献情報の収集ですとか専門家の意見を集約する作業が必要になります。

 おめくりいただきまして、日本で医療被ばく防護を推進するためにとはどういった課題があるのか、ハードルがあるのかをまとめさせていただきました。ここまで医療放射線防護対策は国によって異なっている状況を御説明させていただきましたが、医療放射線防護に関係する法令のあるなしですとか、情報収集をしているか否か、防護のツールがつくれるかつくれないかといったものが大体リンクした関係にございます。

 1つ目の○のところをごらんください。照会ガイドラインは海外で正当化のツールとして用いられていて、よい効果を上げているからといって、海外のガイドラインはそのまま使えませんので、日本のガイドラインをつくらなければならないということになります。それには検査の適切性の根拠となる文献情報を収集し、専門家の御意見を集約することが必要になります。また、診断参考レベルの設定にも全国の線量情報が必要になります。

 2つ目の○です。本当に全国の線量情報を集めようと思ったら、法令がなくても、学協会が中心になって診断参考レベルを設定できたのでしょうと言われそうですが、これは問題意識の高い先生方が忙しい中頑張って対応してくださった成果であって、こういった医療従事者の先生方の意識頼みでは継続性に問題があると思っております。医療現場の負担を減らすためには、情報収集のための基盤整備が必要で、技術的には放射線の検査撮影をするたびにそのときの線量情報を自動的に収集することができるのではないかと思いますが、それには機器開発とリンクさせる必要があろうかと思っております。

 3つ目の○です。たとえ診断参考レベルや照会ガイドラインができても、これを広く利用していただくには、別途、推進方策が必要となります。現状、診断参考レベルやガイドラインを使っても、医療現場に直接のメリットが何かあるかというと、そういうわけではありません。もちろん、長いスパンで見れば、患者さんからの信頼が得られるといったメリットはあることはあるのですけれども、主な直接的な受益者というのは不要な被ばくを受けずに済む患者さんであり、社会全体であります。また、学協会がこれまでに行った調査の結果では、CT検査で用いている線量の施設格差が10倍以上もあるといった報告もなされておりますので、医療の均てん化も進むといったこともあると思いますけれども、これも社会全体のメリットと考えられます。

 4つ目の○です。情報を収集するにも、そして放射線防護を医療現場で使ってもらうにも、ある程度の強制力もしくは動機づけがないと、忙しい医療現場で継続的に御対応いただくのは難しいと思っております。その点、欧州ではEU指令や各国の法令等による規定が強制力となっております。

 5つ目の○です。では、そこまで医療放射線の防護を進めるとしたらどのぐらいの効果があるのかということに関しては、政策の優先性にかかわることだと思うのですけれども、日本ではエビデンスベースでお答えをすることができません。欧州では医療監査がなされているので、不要な検査の重複がどのくらいあるかということがわかっているわけです。そういうケースでありますと、このぐらい検査が削減できますよとか、被ばくが低減できますよとか、計算できるかと思いますけれども、日本の場合は、まず実態を把握しないと、という段階にあろうかと思っております。

 最後のスライドです。そこで、我が国で真っ先に着手すべきことは、赤い部分、患者さん個人の線量の記録と保管を義務化する点にあるのではないかと思っております。これを確実に行おうといたしますと、CTとかエックス線検査とか核医学検査といったように検査ごとに事情が違うと思います。比較的にすぐできるモダリティーと検討が必要なものとあると思いますが、方向といたしましては、医療機器の性能をアップして、機器から患者さんの線量情報を放射線科情報システムや照射録、電子カルテに記録される機能を持つようにすることが必要なのではないかと思います。産業界の取り組みによって線量の測定・記録・集計機能を診断機器に組み込むことができれば、診療の現場の負担が少なくなって実施が可能になると考えております。

 これに相当する内容がEU指令には記載されておりますし、さらに先駆けてカリフォルニア州法の例などもございますので、こういったものが日本での制度設計の参考になるのではないかと思います。こうした基盤をまずはつくって、そこから診断参考レベルの定期的な見直しや普及という方向につなげていくのが、我が国のように誰もが放射線検査の恩恵を受けられる国には適しているのではないかと思います。

 御報告は以上でございます。

○米倉座長 どうもありがとうございました。

 かなり膨大な内容ですけれども、比較的わかりやすくまとめていただきました。それでもいろいろと難しい言葉が出てきて、なかなかわかりにくい部分もあるかなと思います。

 まず、今の御説明、それからこの資料1につきまして皆さんからの御質問がありましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。あるいは、一般的な議論でも結構です。

 山口構成員、どうぞ。

○山口(一)構成員 山口です。資料の12ページのところで今後の緊急課題を挙げていただいているのですけれども、日本の特徴としてWAZA-ARIというツールがあって、放射線医学総合研究所でつくっておられます。そういったものを活用するのがよいかなとは思うのですが、WAZA-ARIは考慮されているのでしょうかという質問です。

○米倉座長 神田構成員、どうぞ。

○神田構成員 CTの場合は、WAZA-ARIのような、患者さんごとに臓器の線量が計算できるようなシステムがあって、技術的には検査ごとにそういった情報を集めるシステムができていますけれども、これを広く使っていただくことに関しては、やはり社会的な議論なり後押しが必要だろうと思っています。技術的なことに関してはいろいろなパーツがそろってきている段階にあると考えております。

○米倉座長 要するに、今のお話は、日常でやっているCT検査を初めとするいろいろな検査のときに、線量をどのようにして評価するかというのが直接現場ではやりにくい。その一つの手法としてWAZA-ARIというのがCTの場合には開発されているので、これを使ったらという話なのですが、今、神田構成員から御説明があった、今後、線量を記録するという場合には、どの線量を、何をもって記録していくのかというのが一つ大きな問題になるかと思うのですが、何か御意見ありますか。

○神田構成員 これはモダリティーによってかなり差があるのではないかと思っております。CTのようにかなり整ったもの、それから、核医学検査のように投与量のように決まっているものばかりではないと思っていますので、それに関しては学術コミュニティでの議論が必要であろうかと思っています。現実的な話と理想的な話をどこかで折り合わせなければいけないという観点から、広く御議論いただければと思っております。

○米倉座長 山口構成員、どうぞ。

○山口(武)構成員 山口です。

IVR等に関しては線量が非常に多くなると思うのですが、こういうものに関して、先ほど治療に関しては制限がないのだという話でしたけれども、測定して、ある程度実際に出てきますと、かなりの量を実際に使っていますので、上限を定めるような方向になる可能性はあるのでしょうか。

○米倉座長 神田構成員、どうぞ。

○神田構成員 IVRでも診断参考レベルを定めておりまして、現時点では線量率という指標で診断参考レベルが定められています。これについては、また今後見直しの方向で検討しているところでけれども、やはり何らかの基準は設ける必要があろうかと思っています。

○米倉座長 ありがとうございます。

 どうでしょう。ほかに御意見ございますか。

 眞島構成員、どうぞ。

○眞島構成員 ページ6の防護の最適化ですけれども、こちらのほうで「診断参考レベルの利用」ということが掲げられております。欧米ではこのようなものが既に入っているというお話だったのですが、日本ではこれに関しての導入はまだという理解でよろしいのでしょうか。

○米倉座長 神田構成員、どうぞ。

○神田構成員 2015年に学術コミュニティが診断参考レベルを定めました。それから2年経過して、今、線量についてどういった傾向が出ているのか、診断参考レベルが定めた後、果たして線量分布が変わっているかどうか。あるいは、どれだけの方々が診断参考レベルのことについて御存じなのかといった調査をしている段階です。恐らく今年度中にはそういった調査結果がまとまってきて、その次のアクションにつながると思っています。

○眞島構成員 そうしますと、目安としては、日本ではこれは導入されるということで、何年か後には実現するという理解でよろしいのでしょうか。

○神田構成員 既に学術コミュニティで数値は定めたのですが、それに拘束力があるわけではないので、意識の高い先生方は、その診断参考レベルと自分の施設でお使いの線量を比べていただいて、自分のところがもうちょっと最適化をする必要があるのかどうかといった使い方をしてくださっていると思っています。ただ、それは拘束力があるわけではないので、どのぐらい利用されているのかというのを、今、調査している段階でございます。

○米倉座長 よろしいですか。

 市川構成員、どうぞ。

○市川構成員 全体の流れとしては、まず、どのくらいの線量を個人で受けているかということを調査するということから始まる。そのためには、どういうような。先ほどあったスマートカードみたいなものを日本でもつくるとか、そういうことになるのですか。私、わからないものですから、そこのところ。

○神田構成員 一足飛びにそこまでは難しいと思っております。ただ、今、照射録のような形で記録するという法律はあるわけですから、それをもう少し踏み込んだ形にして線量情報を利用する、今、記録しているだけなのが、それをフィードバックして、よりよい医療につなげるための仕組みをもう少し踏み込んで考えていく時期にあると思っています。

○市川構成員 照射録がありますね。モデルケース的に何人かを選んで、それを各医療機関でやった場合、それをチェックしていくということか。どのような方法で。

○米倉座長 私が理解している範囲で簡単に御説明させていただきたいと思うのです。

 まず、照射録というのは確かに義務づけられているので、照射の条件については記録を残さなければいけないことになっています。ただし、これはそのままでは線量には結びつかない。各医療機関では、例えばCT検査のようなものですと、ある条件のもとで照射したときにどのような被ばく線量になるかというある種のパラメーターは自動的に出てまいります。今、こういったものを、個人の線量ではなくて、学会レベルでそれぞれの検査法でどのような条件で検査が行われているかというのを取りまとめて、そこから診断参考レベルをつくったという段階です。直接それが個人の線量には結びついていない。ただし、線量の指標にはなっているということだと思います。

 今後まず取りかかれるのは、この診断参考レベルで使ったようなパラメーターを記録することを義務づけることができれば、これが我が国における1つのデータベースとして、今後、診断参考レベルをよくしていく、義務づけるということの1つのステップにはなるかと思うのです。

○市川構成員 今、診断参考レベルというのは、まだ日本では現実的には動いていないのですか。

○米倉座長 国としては動かしていません。あくまでこれは、日本における専門家団体が集まって、学協会としてそれぞれの学会等が調査したデータに基づいてこれぐらいであろうということを決めたということで、国の関与は一切ないというふうに今の段階ではなっています。

○市川構成員 わかりました。

○米倉座長 これがEU指令によって動いている欧州各国との大きな違いです。

○市川構成員 その国の関与の部分をある程度ここで話をしようというわけ。まだそこまでは行っていないですか。

○米倉座長 まだそこまでの話ではなくて、実態として、世界各国の状況の中で日本がどういう状況かというのを説明していただいたということです。

 佐々木課長、お願いします。

○佐々木地域医療計画課長 今の市川構成員の御質問に関連してお答えいたします。

 この検討会では、我が国の現状とか、諸外国の状況をまず示させていただいて、今後我が国でどのように進めていくべきかということを御議論いただきたいと思っております。どうすると本日決めてしまうのはなかなか難しいと思いますので、御質問なり御指摘いただいたことを踏まえて、次回以降、議論をしていただけるような資料を用意していく予定です。そういう意味ではで、キックオフの段階という理解でよろしいかと思っております。

○市川構成員 我々としてはこのような方向で線量の照射規制的な部分を検討していこうという理解でよろしいですか。

○佐々木地域医療計画課長 以前お示しした資料にありましたけれども、我が国は医療被ばくが大変多いと言われています。これは国際的にもよく知られているところでございます。その中で、諸外国の状況などを見ながら、我が国としてどのような形で適正な管理をしていくかということ、まさにさまざまな方法とか課題とかあると思いますので、その点をこの検討会で議論していただきたいと思います。その結果、例えば法改正が必要であれば、放射線審議会や医療部会という審議会でもご審議いただくことになるかもしれません。まず、どのような対応が必要かを含めて、今後、検討会で何回か議論していただきたいと思っています。

○市川構成員 今のお話だと、11ページのこの流れがそれに当たるという理解でよろしいのでしょうか。

○米倉座長 神田構成員、どうぞ。

○神田構成員 11ページは、こういう問題を一つ一つクリアしなくてはいけないので、最初に着手すべきところは患者さんの線量の記録ではないかという私の個人的な見解だと受けとめていただければと思います。

○米倉座長 私が説明をきちんとしなかったためにいろいろ混乱させてしまって申しわけありません。現段階で国としてこういうふうにしたいということではなくて、あくまで実態としてこういう状況にあるということを神田構成員から説明していただいたという状況です。

 今後こういうものを取り入れていくとすれば、まずは国が実態をきちんと把握することが第一、出発点だと思うのですけれども、現在はそれすらできていないという状況です。先ほど神田構成員から説明がありましたように、UNSCEARではグローバルサーベイとして、医療被ばくの実態を国連加盟国各国に求めてきています。ところが、それに対応する我が国のデータはない。結局、いろいろな検査機器の台数であるとか、検査件数であるとか、そういうところから推定をしてデータを出しているという状況ですので、せめてこれに答えられるような実態のデータがまずは欲しいかなというふうに感じています。

 青木構成員、どうぞ。

○青木構成員 日本医学放射線学会でもこれは問題だということで、まず、2015年に診断参考レベルを学会レベルでは示しています。ただ、診断参考レベルというのは、定義から言うと非常に難しいところがありまして、診断するのに必要だと思っている線量がその施設でどのぐらいですというのが診断参考レベルです。すると、重い病気がたくさん来るところは(細かいところまでよく見る必要があるため)たくさん線量を浴びせてもよくて、軽い病気しか診ないところは、細かく診なくていい方が多いのだったら、画質を少し下げて見られるというところはありますので、それで規制というのはまた難しいかもしれない。神田構成員もおっしゃったように、まず、どのぐらい被ばくがあるかというのを、当てた量ではなく、患者さんが被ばくした量としてきちんと記録して、それをデータとして集めていくのが大事なのではないかと考えて、今年から学会として日本医療研究開発機構(AMED)の予算をいただいて、そういうプロジェクトを動かして、今、阪大では全ての被ばく量を記録して、もし来年以降も予算が続けば、学会の中の大きな代表的な施設でそういうのを集めていこうという動きはあります。

 あと、適正使用のガイドラインです。照会ガイドラインとおっしゃっていましたが、照会ガイドラインに関しても、エックス線検査を避ければ被ばくしないわけですから、そこはかなり重要なことと考えて、導入できるように、今、日本医学放射線学会の画像診断ガイドラインというのをシナリオごとに書きかえて、エビデンスベースのものをつくっているところです。今年度中には作成可能と思います。そうすると、そういうシステムを導入するときに、日本のシチュエーションに合ったガイドラインとして使用していただけるのではないかと思っています。日本医学放射線学会としては重要だと考えて少しは動いていますが、神田構成員のおっしゃるとおり、海外と比べると大分おくれているというか、画像診断の導入が進み過ぎているというか、そういうところなのではないかと考えています。

○米倉座長 ありがとうございます。

 渡部構成員、どうぞ。

○渡部構成員 最後のスライドです。患者個人の線量データを記録するという機能は私も非常に重要だと思うのですが、個人の情報を追跡するというところが非常に難しいと思います。日本はせっかくマイナンバー制度ができまして、マイナンバー制度の1つのアプリケーションとして医療情報というのをうたっているのですが、実質、その導入はうまくいっていないところがありますので、今後、厚生労働省は、このマイナンバー制度をこちらの個人情報の医療被ばくのほうにうまくつなげていければと思います。

○米倉座長 今の点は事務局のほうで何か御説明はありますか。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 先ほどから渡部構成員を初めとしましてさまざまな御意見がございました。方向性についてなかなか難しいところでございます。御指摘のとおり2点ございまして、記録の有無、するかしないかということと、診断参考レベルについてとれるかとれないか、そういったことがございますので、今回の検討会の中でいただいた御意見を取りまとめて今後の検討というふうに。これは今回だけでおさまるような問題ではないと考えていますので、今後の検討会の中で議論を進めていきたいと考えております。

○米倉座長 今、渡部構成員が言われたのは、そのときに個人を特定するための仕組みとしてマイナンバー制度を使えないか、たしか、現在、マイナンバー制度は医療には使わないということになっている、その点に関してどうでしょうかという質問です。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 マイナンバーについては個人情報保護等の観点から、御承知のとおり、利用可能な範囲・分野が法律で非常に厳密に規定されています。そういった問題に関しましては、マイナンバー制度自体は厚生労働省が持っているわけではございません。所管の総務省ともかかわってくる案件かと思いますので、今後、協議等を行うことも含めて検討してまいりたいと考えております。

○米倉座長 渡部構成員、どうぞ。

○渡部構成員 もう一点、コメントです。

 今回、こういうようなガイドラインをつくる上で、紙ベースだけではなくて、やはり人のリソースというのが大事でございます。欧米諸国、いわゆる医学物理士の役割として、コンサルティングという、医師に被ばくに関してのコンサルタントをするという業務があるのですが、日本ではそこまで医学物理士の役割はございません。そこら辺の制度もぜひ日本にも取り入れられていけばと考えております。

○米倉座長 重要なコメント、ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 眞島構成員、どうぞ。

○眞島構成員 少し後戻りして申しわけないのですが、先ほど青木構成員から、学会のほうで、今、現状把握のため調査をAMEDの予算でやっていらっしゃるというお話だったのですけれども、その調査の規模。その中には、例えばがん患者さんは入っているのかいないのか。そのあたりをちょっと教えていただければと思います。

○米倉座長 いかがでしょうか。よろしいですか。

○青木構成員 調査の規模ですけれども、予算が3億円ですので、それでできる程度。一応1年半で。

 やっていることは、診断参考レベルだけではなくて、チュージングワイズリーですね。オーダーのところの適正使用とレポートの標準化、画質の標準化、それから、画像のデータをデータベース化する。つまり、CTとかは、どこからどこまで撮ったかというのがわからないと正確な被ばく量がわかりにくいので、そこを人工知能(AI)などを活用して、肩から撮ったか首から撮ったか、どこから撮ったかで甲状腺の被ばく量は全然違うのですが、今だと多分わからない。そういうことまでわかるものをつくることを目標に、順天堂大学、慶應大学、九州大学、大阪大学、岡山大学の5大学でデータを集める準備をしているところです。それぞれの大学が担当を決めております。ガイドラインを利用した検査の適正化については、それを試しに順天堂大学で行う予定です。臨床のシナリオ(事柄)に関してコンピュータを導入してそのエビデンスを検査依頼時に依頼医師に見せたら、どの程度適正化する(検査が減る)かを見ます。まず子供の頭部外傷のCTでやろうと思っています。子供のCTの検査がどのぐらい減るかは重要ですので、それを調査していこうと思っています。

 だから、神田構成員のプレゼンで含まれていることはやろうとはしているのですけれども、少しスピードが遅いのかもしれません。

○眞島構成員 ありがとうございました。

○米倉座長 これに関して大阪大学のほうでデータ収集はかなり進んでいるということなのですか。説明していただけますか。

○畑澤構成員 今、青木構成員からお話がありましたように、今、そのデータを蓄積しているところであります。これは、病院の性格上、半分以上ががんの患者さんになっておりますし、その中で、我々自身がどういう被ばくの状況なのか、検査する側のほうもデータが十分にない状態でやっておりましたので、まずデータベースをつくるというのが一番重要なことではないかと思います。これはAMEDの支援で始まったということで、ある程度国が関与した施策の中で行われている大変重要なことのように思います。

 それから、私どもは核医学を担当しております。核医学のほうは学会レベルでデータ集めをしておりました。これに関して、診断レベルを見て一番驚きましたのは、小児の検査では特にばらつきが大きいということでした。これは核医学だけではなくて、ほかの検査の領域でも同じような傾向だと思います。これは何らかの適正化をしなくてはいけない。それから、欧州、米国との比較も行っておりますけれども、検査によっては、日本が世界の標準的な使用法とは特異的に違うところが見えてきておりますので、こういうことを今度はフィードバックしていかなくてはいけない。今、我々が経験していますのは、まず、データを持たなくてはいけない。それから、それを各国と比較しなくてはいけない。それをフィードバックしなくてはいけない。これを今、学会のレベル、それからAMEDが関与したプロジェクトで行っていますけれども、これをもう少し厳密にといいますか、そういう方向で進めていくべきではないかなとは思っております。

 以上です。

○米倉座長 ありがとうございました。

 5大学で始まっているということですので、まずはともかく、現場のデータをどのような形でためていけるのかというところのパイロット的な研究だと思います。非常に重要で、いずれこれが日本国内に広まればいいわけですので、いろいろな問題点を洗い出していただいて、次のステップに続けていただけたらなと思います。

 それ以外に関して。

 山口構成員。

○山口(武)構成員 今は、そういう研究レベルといいますか、最初のデータを集めているところですけれども、一般病院の医療現場できちんととっていくというのが最終的な目標になると思うのです。そのときの医療現場の負担削減ということに関して神田構成員も既に書いておられますが、ぜひともそういうところを留意していただきたい。

 それから、費用的な負担に関して、各病院、診療の現場でかかるということになりますと、そこをどこで担保していくかということもちょっと考えていただきたいと思います。

○米倉座長 これも実際に動かしていくときには非常に重要な問題だと思います。ありがとうございます。

 あと、よろしいですか。

 きょうは主に診断参考レベルを中心とした診断面なのですが、放射線治療の現場での取り組みというのが何かありましたら、茂松構成員にお願いしてもよろしいですか。

○茂松構成員 私、放射線治療を専門にしています。それで日本医学放射線学会にも入っておりまして、その日本医学放射線学会のほうで診断参考レベルのことをいろいろやっているのですけれども、勉強したところ、診断参考レベルというのはダイアグノスティックで治療には適用しないというのが教科書の1ページ目に書いてある。治療に関しては、放射線診断に比べると1000倍近い被ばくを治療患者さんは受ける。御存じのように、今、日本は2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなり、がんになっても5年生存率が60%近くあるという時代で、治療に関しても今後いろいろ考えていかなければいけないのですけれども、被ばく量が診断に比べて余りに大き過ぎて、どういうふうに評価していくかというのがまだ暗中模索の状態であることは確かです。

 欧米では日本よりも多くのがんの患者さんが放射線治療を受けているはずですので、それを合計すると、欧米の医療被ばくの線量はもっと上だろうというところですけれども、今、欧米も日本もそういうデータが全くないというのが現状だと思います。

○米倉座長 ありがとうございました。

 先ほど出ていた国民の平均的な線量の中には治療は入っていませんので、治療は、そういう意味では明らかにこれとはレベルの違う線量を受けていることになります。

 それでは、この問題につきましてはここで議論を閉じたいと思います。

 きょういろいろ御議論いただきました内容は一度事務局で整理していただいて、今後どのような形で議論を進めるかということを検討会でまた示していただければと思います。ありがとうございました。

 それでは、2番目の議題に移ります。

 「放射性医薬品を投与された患者の退出基準等について」という議題がありますので、事務局から説明をお願いいたします。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 それでは、お手元の資料2に沿いまして説明させていただきます。

 放射性医薬品を投与された患者さんの退出につきましては、平成10年に医療放射線安全管理に関する検討会におきまして退出基準指針を定め、運用しております。新規の放射性医薬品の薬事承認等にございましては、その都度、指針の改定等を行ってきていたところでございます。しかしながら、海外においては、国内治験の未実施とか未承認の放射性薬剤の治験が進んでおりますので、今後もこういった未承認放射性薬剤の国外の導入も検討されることになることが予想されます。

 それに先立ちまして、本日は、平成10年に定めた退出基準指針の妥当性に重点を置いて御議論いただければと思っております。

 1枚おめくりいただきまして、4ページになります。放射性医薬品による放射線治療でございますけれども、現在、左の写真にございますように4剤ございます。ラジウム223、ストロンチウム89、ヨウ素131、イットリウム90という放射性同位元素といったものを用いた放射性医薬品でございます。患者さんに内服あるいは静脈内投与等を行いまして、そういった放射性医薬品ががん細胞に集まる性質を利用して治療を行うということでございます。

 5ページでございます。患者さんへ放射性医薬品を投与しますと、投与した後に関しましては、放射線が出てくる線源といいますのは基本的に患者さん本人に限られます。ですので、治療した後は、真ん中の絵にございますとおり、線量を何らかの形で評価して、次のページ以降で説明しております退出基準を満たした時点で退院できますし、退出基準を満たさなかった場合には退出基準を満たすまで入院していただく必要があるということになります。

 それでは、この退出基準について少し説明してまいります。7ページをごらんください。退出基準が規定されている理由です。放射性医薬品による治療を受けている患者さんは、医療法施行規則第30条の15に規定されますとおり、治療を受けている患者様は放射線治療病室に入院する必要がございます。逆に、放射性医薬品による放射線治療を受けていない患者さんは放射線治療病室に入院してはいけないという規定になっております。

 なぜかと申しますと、患者様が放射線源ですので、患者さんから出てくる放射線が周りの方に当たって公衆被ばくになりますので、それを低減もしくは防止するためでございます。ですので、入った後の退出の基準もございまして、こちらについては、下にございますとおり、退出基準指針という形で出ております。

 これは3つの基準がございます。まず1つは、投与した量に基づく退出基準。2点目としまして、患者様から出てきた放射線を実測することによって、この値に基づく退出基準。3点目としましては、患者様に投与した後の放射能がどれだけ減衰していくかに基づく退出基準。この3つの基準が定められております。

 この退出基準と申しますのは、8ページにございますとおり、放射性医薬品の治療を受けている患者さんが退出した時点で、周りの方への被ばくについて一般公衆の場合は年間1ミリシーベルト、介護者につきましては、患者様の治療1行為当たり5ミリシーベルトを上回らないことを担保している基準となります。

 9ページをごらんください。退出基準指針のこれまでの流れが書いてございます。一番初めに申し上げましたとおり、まず、平成10年6月にヨウ素131とストロンチウム89。この時点ではまだ薬事承認はおりていませんでしたけれども、ストロンチウム89についても退出基準指針が提示されております。その後、平成20年3月にイットリウム90の放射性医薬品が薬事承認を取りましたので退出基準指針が改正され、平成22年にはヨウ素131の治療が外来治療で行えるように退出基準指針が改正されています。直近の改正は平成28年5月、昨年度でございますけれども、ラジウム223の放射性医薬品の薬事承認に伴いまして退出基準指針が改正されております。

 こういった退出基準につきましては、先ほど申し上げたとおり、一般公衆と介護者の被ばくの推定を行っているわけでございます。これに関しましては、下の10ページにございますとおり、一般公衆、介護者の被ばくそれぞれにおいて、外から放射線が当たったことによる外部被ばく、患者様に投与したお薬が何らかの形で第三者の体内に入ったことによる内部被ばく、この2つを想定して、先ほど示しました値を上回らないようにしています。

11ページには、現行の承認済みの放射性医薬品4剤につきまして、どのようなシナリオを想定して第三者の被ばくを推定しているかを記載しております。

 外部被ばくに関しましての一般公衆につきましては、患者様が病院におられまして待合室に座っている、たまたま居合わせた第三者、全く関係ない方が同席した場合を想定して、外部被ばく線量を計算する。あるいは、公共交通機関を利用されている場合、ここに関しましてたまたま乗り合わせた方に関して外部被ばくを推定する。あるいは、介護者につきましても外部被ばくを推定するということを行っております。

 内部被ばくにつきましては、患者様の排泄物、尿・便等が下水処理を経て河川へ流入する場合の飲料水を介した推定被ばく量。あるいは、患者様の代謝。例えば呼気に出てくるお薬の場合は、それを第三者が吸入することによって受ける内部被ばく等をシミュレートして計算することになっております。

13ページにまいります。こういった退出基準指針と申しますのは、国際的な勧告に基づいて取り決めておりまして、ICRP及びIAEAに関しましては、ICRP96年(平成8年)勧告、IAEAは同じく96年のBSSに基づいて現在の退出基準が定められております。ICRP96年勧告につきましては、一般公衆は年間1ミリシーベルト、介護者は1件数ミリシーベルトという記載になっております。IAEAに関しましましては、介護者、慰安者も含めてですけれども、こういったものに関しまして線量拘束値、つまり1行為当たり5ミリシーベルト、子供に関しましても1行為当たり1ミリシーベルトという形で規定されております。

 これは1996年までの勧告になっておりまして、これに基づいて退出基準が定められておりますけれども、それ以後もICRPは勧告を出しております。その後出てきた勧告としましては、14ページにございますとおり、2004年勧告があります。まず、これに関しましては、前回の96年のIAEABSSに取り入れまして、乳幼児、若年、小児等に関しましては年間1ミリシーベルトと規定されております。なぜかと申しますと、IAEABSSにつきましては、特に理由は書いていなかったのですけれども、ICRP2004年勧告には理由が書いてございます。こちらに関しましては、乳幼児、若年はそもそもインフォームドコンセントできないということですので、一般公衆に準じて規定するべきであるという形になっております。

 その後、2007年勧告につきましても、同じく乳幼児、若年に関しましては年間1ミリシーベルトという形で規定されております。

15ページをごらんください。これがこれまでのまとめになります。まず、放射性医薬品による治療を受けている患者様といいますのは、退出基準を満たした場合には放射線治療病室から退出できることになっております。現行の退出基準と申しますのは、先ほど申し上げましたとおり、一般公衆及び介護者についてそれぞれ考慮が必要なシナリオを想定した計算を行っております。現行の退出基準と申しますのは、ICRP96年勧告で定めている以下の線量限度及び線量拘束値を下回ることによって安全性を担保していることになります。

 こういった現行の退出基準がございますけれども、安全側にとって想定しているものでございますので、こういった被ばくシナリオが妥当であるかどうかにつきまして、今回、構成員の先生方にもう一度お伺いしたい。

 実は現行の退出基準につきましては、子供の線量はIAEABSSにございますとおり1件1ミリシーベルトの規定になっておりました。今回、最新のICRP2007年勧告を取り入れるに当たりまして、年間1ミリシーベルトという小児の線量を取り入れるべきであると考えております。これにつきましても先生方の御意見を賜れればと考えております。

 以上です。

○米倉座長 ありがとうございました。

 各種放射性医薬品を投与された患者さんの退出基準等について現行のシナリオ、それから、どのような基準で決めてきたのかということについて御説明をいただきました。それとともに、ICRP及びIAEAで出されてきた基準についても説明をしていただいたわけです。

 では、御意見を伺いたいと思いますが、全体を通していかがでしょうか。

 茂松構成員、お願いします。

○茂松構成員 放射線の治療に関してこの退出基準ですけれども、日本は厳し過ぎる状況があると思います。このストロンチウム、ラジウム、イットリウムに関しては退出基準が問題になることは少ないのですけれども、ヨウ化ナトリウムの甲状腺機能亢進症の治療では退出基準を大分満たすようになって入院が不要になってきているのですけれども、がん治療に関しては退出基準が厳しいためにそういう特殊な管理病室に入らなければいけない。また、この管理病室の管理が病院にとっては非常に大変で、お金がかかるので、ヨウ素の治療をやる病院がどんどん減っているのが現状です。ヨウ素そのものも保険点数が安くて見合わないということで、やめていってしまう病院がふえているというのが現状ですので、そこら辺が一つ大きな問題かなと思います。

 あとは、放射性医薬品ではないのですけれども、前立腺がんのヨウ素125の永久刺入の管理です。前立腺の中にヨウ素125の粒を50個とか100個とか入れる。これにも厳しい退出基準がある。欧米では1日でやってその日に帰れるという治療なのですけれども、日本では入院が義務づけられていて、厳しい退出基準があるために、入れられる個数に限界があるのです。ですから、前立腺肥大により前立腺が大きい人にはできない。男性ホルモンを使って小さくする、何カ月か待っていただいてからしかできないという非常に厳しい基準があって、欧米とはかけ離れたところにあるというのが現状でございます。

 以上です。

○米倉座長 ありがとうございました。

 今の問題につきましてどなたか御意見ありますか。

 山口一郎構成員、お願いします。

○山口(一)構成員 今の議論に対してですけれども、必要な医療が行えるようにルールは改正してきたのですが、管理が大変なので安全の基準を変えますという議論は通じないと思われます。安全をちゃんと確保して行うことを前提にすべきであって、もしも今の管理で過大な負担がかかっているのであれば、その管理の基準そのものに関して何か無駄がないか見てはどうかと思いました。

○米倉座長 現場では皆さん苦労していらっしゃるのは私もよく知っているのですが、片方で、ここに書かれているような線量限度を担保するということをどのようにして確認していくのかという作業だと思います。

 実は同じような問題は、ICRPのほかの放射性薬剤を使った治療に関する勧告の中でもいろいろ議論しているのですけれども、投与量で決めるのか、あるいは実測値を何らかの形で測っていくのか、いろいろなシナリオが考えられています。要するに、一般公衆の線量限度がきちっと担保されるということさえ保証できれば、合理的な数値にすることは当然あり得るのかなとは思っています。

 いかがでしょうか。

 中村構成員、どうぞ。

○中村構成員 今のお話ですけれども、確かに、日本の場合、先ほどもおっしゃられたヨード以外でも結構厳しいと思うのです。平成10年に初めてヨード131。今でいえばアグレッシブではない一般の治療のほうですね。それと、ストロンチウム89(メタストロン)というものに対して決められたのですけれども、そのときに大議論になったのが、ここにある被ばく係数。例えば介護の人は1日にどのぐらい接触するかというところですが、実は、大まかに言いますと、欧米の倍を使ったと聞いております。それには幾つかの理由があるかと思うのですけれども、欧米の生活事情と日本の生活事情が違うから、やはりちょっと厳しくしておこうかなというのがあったかと思います。そういったことも含めて、今、茂松構成員からもあったヨード125のシードといったものも前立腺は非常に多くなっておりますので、検討を始めているところと聞いております。比較的世界的なレベルで考えていければいいかなと思います。

 もう一つ、これは規制全体の話かもしれませんけれども、実は退出基準というのは一般のRIの管理と同じようにして、まず、最大限どのぐらい使って、それで排水で、医療法でいうと1000分の1が飛散したとかということが決まって、それで結局、絶対に1ミリシーベルトを下がらなければいけないというシナリオで計算させられます。これが厳しいのです。

 もう一方で、ある程度いけば、実測というのがあるわけなので、今後そういった実測におけるデータも重要なものとして使っていければ、改善と言うとまた語弊を招くかもしれませんけれども、数値見直しが変わってくるのではないかなと思っております。

○米倉座長 御説明ありがとうございました。

 要するに、いろいろなシナリオが考えられるということから、安全を担保するためにかなり厳しい基準で今まで決めてきたというお話ですが、ほかに御意見ありますか。

 山口構成員、お願いします。

○山口(一)構成員 今の点に関して、退出する際にどういった安全管理をするのか明確にしておけばよいのかなと思いました。その文脈では、こういった退出基準を設ける際にはいろいろな方の懸念に答える必要があるのだろうと思います。いろいろな方が実際に疑問を持たれていまして、医療機関でも、放射線診療従事者以外の方、例えば看護師さんや事務の方からいろいろな御質問が参ります。治療だけでなくて、PETの検査着等でも、事務の方が検査した方の検査着をさわることに関して心配されている例もありますので、なるべく包括的なシナリオで安全評価をしたというアピールが重要だと思います。

 その文脈で1点コメントしたいのですけれども、今回の資料では、11ページのところで必要なシナリオということがございました。これはどこで考慮するかなのですが、昨年、参議院のほうの質問主意書でそれに関して火葬のことが書かれておりました。このことは、前の放射線審議会でも獣医のことで議論があったのですけれども、ICRPのほうでは、日本のことも考えて、Publ.94では火葬のことも議論されているのですが、そこでは公衆の被ばくだけの言及なので、寄与は小さいのは明白なのですけれども、それを明示的に示すことを考えてもいいのかなと思いました。

○米倉座長 ありがとうございます。

 火葬の場合に関する考え方というのは考えておく必要があるのではないかなというお話ですが、いかがでしょうか。

 事務局。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 火葬につきましては、先ほど山口構成員から御指摘のとおり、昨年度主意書が提出されたということです。その際はラジウムに限定した主意書だったのですけれども、その際には、専門家の先生に計算していただいて、十分妥当であるという形で御回答申し上げたというふうに聞いています。亡くなった方の火葬の取り扱いに関しましては、しかるべき部局等がございますので、今回問題が提起されたということを事務局のほうでそちらの担当部局にお伝えして、何らかの形でこの検討会の場でまた御回答申し上げたいと考えております。

○米倉座長 どうもありがとうございます。

 いろいろなシナリオを考えて、それに対応するということも重要ですので、ぜひ。それぞれ出てきた薬剤によりますね。薬剤と核種の性質によってどういうシナリオを考えなければいけないのかということを検討すればいいのかなと思います。

 その他、御意見ありますか。

 中村構成員、どうぞ。

○中村構成員 先ほど御説明いただきました退出基準の第1、第2、第3。第2は線量ですので違うのですが、第1と第3はそれぞれベクレルで決められています。ただ、第1というのが、歴史的に平成10年で一番古い。例えばヨウ素131500メガベクレルですよと単一的に決められたものです。第3は、この資料をよく読んでみればわかるのですけれども、これは患者ごとなのです。例えばヨウ素131のアブレーション(残存破壊)の場合には1,110メガベクレルとなっているのですが、1,110メガベクレル以下は退出して良くて、超えた場合は退出できないと示しているのではなく、患者ごとに1ミリシーベルトないしは5ミリシーベルトが守られれば退出可能である。「ただし」があって、とはいうものの、それだけでは全く運用できないので、1,110メガベクレル以下の場合にはそれが守られていることという意味になっておりますので、そういう意味では、これはがちがちに決まった数字ではない。

○米倉座長 ありがとうございます。

 まずは、投与量でもってある一定のところで基準をつくってあるけれども、実際の個々の患者さんにおいては年間1ミリシーベルトという公衆被ばくの線量が担保されるようなことを実測で確認すればいいということですね。

○中村構成員 はい。ただし、それが病院とか医師の責任となりますので、恐らく、今回ここで出てきたというのは、今の退出基準におけるシナリオが正当かどうかを先生方に御判断いただいて、かつ、今度はそれによって、第3法でやったときの患者さん個人のパラメーターを入れて計算する手法が比較的簡単に示されるといいかなと考えております。

○米倉座長 ありがとうございます。

 いかがですか。

 山口構成員、どうぞ。

○山口(一)構成員 15ページのまとめのところの2番目の項目に関しての議論ですけれども、方向性としては、IAEABSSの取り扱いをどうするかという議論に帰着するのだろうと思います。線量拘束値は、労働者に対しては事業者が決める、公衆に関しては国が決める必要があって、こういった方はどうするのかと。間に入ると思うのですけれども、お子さんに関してBSSで言っているのは、子供の治療をするときは、親は利益を受けるかもしれないので、それを考慮した基準を設けてもいいのではないかという話をしているのですが、多分、大人が治療を受ける際に子供が受ける利益というのは多くないので、公衆の基準を当ててもよいのかなと思いました。

○米倉座長 ありがとうございます。

 子供さんに関しては、一般公衆の線量限度に合わせるということでいいのではないかという御意見ですね。

○山口(一)構成員 はい。

○米倉座長 ありがとうございます。

 それに関してはそのとおりですね。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

 きょういろいろ議論いただきましたので、これにつきましては、また次回の検討会で御説明をいただく。特に火葬の問題については後から御説明いただくということでしたか。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 今、まとめのところにございました下の小児のことに関しましてはおおむね妥当であるという形で、構成員の先生方の合意を得られたかと思います。

 上の現行の被ばくシナリオに関しては次の参考資料の17ページにございまして、どういった形で、どういう条件で計算しているかという記載がございます。距離1メートルという形です。先ほど御指摘ありました被ばく係数に関しましても、示しております。基本的に、規制という考え方からしますと、万人がどういう状況であっても、公衆被ばく1ミリシーベルト未満、介護者が5ミリシーベルト未満というのは、海外、IAEAICRPでこれが妥当であるという形で示されておりますので、こういった計算条件をもとに、現行の線量値が妥当であるかどうかにつきましては、先生方の現状の御意見としましては、厳し目にとってあるという御意見はいただいていたところでございます。これに関しましては、取りまとめさせていただけたらと思っております。

○米倉座長 ありがとうございます。

 それでよろしいでしょうか。

 ここを見ていただいたらわかりますように、例えば17枚目のスライドにあります、外部被ばくに関して一般公衆0.25というのはどういうことかというと、1日に6時間その方のすぐそばにいるということですので、かなり高目に計算してあるのは明らかです。ただ、これをそう簡単に変えられるものかどうか。いろいろなシチュエーションがあり得るので、それを考えた上で検討する必要があるかと思います。

 よろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○米倉座長 ありがとうございました。

 それでは、これにつきましてこの議論はここで終了したいと思います。

 次に、議題の(3)、放射線審議会での検討状況に移りたいと思います。こちらのほうは資料3に基づいて原子力規制庁から説明をお願いたします。

○寺谷企画調整官 原子力規制委員会原子力規制庁長官官房放射線防護グループ放射線防護企画課の寺谷でございます。私から放射線審議会の最近の動向についてお話をしたいと思います。

 2ページ以降からお話をしていくことになりますが、実は4月19日もこの検討会におきまして原子力規制委員会原子力規制庁から御説明させていただいたところでございます。私の所属する放射線防護企画課に組織変更が多少ありましたので、それを最初にお話ししていきたいと思います。

 4月19日に御説明差し上げたときには放射線対策・保障措置課というところから御説明させていただきました。そちらの課は放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(RI法)を所管しております。RI法は医療法と非常に密接な関係があります。それから放射線審議会も所管していたところです。この放射線審議会を所管していた部門に私が所属しているところなのですが、原子力防災課と合併しまして、放射線防護企画課となっております。これは4月1日付です。

 現在、放射線防護企画課におきましては、放射線審議会の他に、ICRPIAEA、経済協力開発機構/原子力機関、UNSCEAR等の国際機関との連携なども所管しておりますし、また、原子力災害指針や被ばく医療も所管させていただいております。同時に、この防護グループの筆頭課として、RI法を所管している放射線規制部門と連携する、そのような立場にもなっております。

 では、放射線審議会の機能強化についてお話をしていきたいと思います。2ページ目でございます。

 まず、経緯です。放射線審議会は「放射線障害防止の技術的基準に関する法律」に基づく審議会です。役割としましては、放射線障害の防止に関する技術的基準の斉一化を図るものです。これは、長らくいろいろな歴史的な経緯の中で、事務局は、原子力規制庁ができましてから文部科学省から移管された原子力規制委員会に設置してあります。ただ、こちらは法律に基づく審議会でありまして、独立性が非常に高いものになっておりまして、斉一化を図る対象というのは原子力規制庁のRI法、「 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律( 炉規法)」関連施策も対象になりますので、決して原子力規制委員会の下部組織に属しているものではございません。

 この放射線審議会というのは、長らく、関係行政機関から諮問を受けて答申を行う機能のみを有していました。ただ、こちらに関しては、ICRP2007年勧告などについての国内取り入れがうまくいっていないという課題もありましたので、平成29年4月14日に法改正をしまして放射線審議会の所掌事務がかわりました。みずから調査・審議を行うことができるようになりまして、必要に応じて関係行政機関の長に意見を述べることができるようになりました。

 下に図があります。これまでは、向かって左側にあるように、関係省庁から諮問があれば答申をしていたという関係性でした。右側につきまして、「+」と書いてありますが、放射線審議会みずから調査する。調査する対象は、ここでは国際的な知見と書いてありますが、それ以外のいろいろなことを調査して、みずから意見が言えるようになったというのが今年度4月14日からの動きでございます。

 1枚おめくりください。こちらは機能強化した後の放射線審議会の委員構成でございます。それまで諮問答申を受けるだけでしたので、少ない人数構成だったのですが、今後、新たに調査し、提言をすることになりましたので、人数をふやしましたのが平成29年6月1日。任命権者が原子力規制委員長になりますので、こちらに任命していただいて、このような委員構成になっております。本会でありますと、神田先生にも御参画いただいているところでございます。見てのとおり、放射線から人を守るという保健物理の関係者にもたくさん入ってもらいますが、同時に、医療関係の方にもたくさん入っていただいている状態になっております。

 下の4ページをごらんください。機能強化をしてからどのような動きがあったかです。具体的には、まず第134回総会が6月16日にありました。ここでは、新たに機能が追加されたため、今後の方針等の議論がありました。これは次のページでお伝えしたいと思います。

135回におきましては、この議論を継続したこと、それから、後に詳述しますが、眼の水晶体の放射線防護検討部会を立ち上げることを決めました。あとは、諮問答申行為としまして、昨今の獣医療について農水省から、動物にPET検査をするようなときに退出基準をどうするかみたいなことについての諮問答申がございました。

 では、5ページをごらんください。これは135回の議論の様子をまとめたものです。今後、機能強化をされてきたら、当然、諮問答申はやっていくのですが、みずから何をするかということがまとまっている過程にございます。

 大きく3つあります。

 1つ目が総論的な議論です。「防護に係る基本的な考え方を整理し、ガイドライン等を策定する必要性があることを踏まえ、内容及び対象等についての議論を深めた上で、骨子及び鍵となるメッセージを明確化」とあります。これは、時期はまだ明確になっていませんけれども、ガイドライン等をまとめていく。これは何が言いたいかというと、放射線防護の考え方の理解が多くのポリシーメーカーなどにうまく理解されていないのではないかなどの問題意識が委員の中にありまして、このような格好のガイドライン等をまとめていきたいという動きがあります。

 2ポツは、東電福島事故を踏まえたことです。現存被ばく、緊急被ばく状況下でいろいろな基準ができてきたけれども、このような基準はフォローアップが必要ではないかという意見がございました。そのフォローアップについてはデータまたは事実に基づいて検証していく必要性があるのだということで、放射線審議会で諮問答申した基準を中心に、データに基づいて現状を整理していこうという方向性を打ち出しております。

 3つ目は、原子力規制庁というのが事務局としてしっかり機能しなさいということもいただいております。

 これが1つ目の総論的な議論です。

 2つ目がICRP2007年勧告の取り入れです。先ほど、神田先生から診断参考レベルの話、退出基準の話もありましたが、2007年勧告の中にもこのようなことは含まれておりまして、ICRP2007年勧告で多岐にわたってこのようなことをやりなさいよと言っているところでございます。これ自体は、放射線審議会がまだ文部科学省の下にあったとき、2011年1月に中間取りまとめをしておりまして、現状はこうです、今後このようにしていったらいいですねということを取りまとめているのですが、これをさらにフォローアップしていこうという動きがございます。

 最後、3つ目です。新たな眼の水晶体の等価線量限度の取り入れでございます。こちらにつきましては、専門的な事項であるから部会を設置し、実質的な議論を進めていこうという御指示をいただいておるところです。こちらに関しては非常に多岐にわたる議論が予想されますが、一方で、スピード感を持ってやるべきという神谷会長からの御指示をいただきました。実施に向けた具体的な検討と将来的な検討を大別し、拙速な議論は避けなければなりませんが、前者、実施に向けた具体的な検討は年度内を目途にまとめなさいという御指示をいただいて、現在この作業を進めているところでございます。

 では、眼の水晶体の放射線防護検討部会についてお話をしたいと思います。早速、1回目を7月25日に開催したところです。目的は資料のとおりです。構成委員は、保健・物理に精通している藤田保健衛生大学の横山先生にやっていただきまして、神田先生にも部会長代理として入っていただいております。

 専門委員としましては、大きな大事な現場として医療現場がありますし、核燃料等もありますので、赤羽先生は医療の観点から、JAEから辻村先生に入っていただいています。それから、計測するということが非常に重要になりますから、大きなメーカーであります千代田テクノル、長瀬ランダウアの関係者であります大口先生、壽藤先生に入っていただいております。最終的には労働衛生・労働管理の問題でもありますので、山口先生と同じグループだと思いますけれども、厚生労働省の国立保健医療科学院の欅田先生にも入っていただいているところでございます。このような委員を決めるときからも厚生労働省とは密接に連携をさせていただいているところでございます。

 最後のページをごらんください。こちらも眼の水晶体の放射線防護検討部会で使った資料から抜粋しているものでございます。当面の課題としては、水晶体の等価線量限度が高い、または著しい不均等被ばくを伴う可能性がある方はどういう方々か、実際どのような被ばくをしているかという実態を把握しましょうということでございます。ここで特出ししておりますのは、放射線を扱う方々は原子力事業者やRI事業者です。例えば非破壊検査もそうですし、医療現場もありますが、中でも、国際的に言われていることですし、有識者から言われることの1つは、福島の現場というのが普通の現場と違ってベータ線の被ばくが多くて、考えるのが非常に難しいであろうと言われています。それから、IVRの関係者は散乱線として出たものは受けているし、線量自体も大きくなっているのではないかということを大きく指摘されていますので、これをまず2つ特出しをさせていただいているところでございます。

 あとは、実態把握をした上でどうはかれるのか、はかるとしたらどうやってやるのか、評価をどうするのかということを確立していく方法。それから、はかるだけではだめで、実際どうやったら減らすことができるか。このようなことを当面の課題として整理するところです。

 他方、中長期的な課題としましては、その教育をどうするか、知識の普及をどうするか、もっと人をふやすにはどうするか、等々あります。このようなことを年度内にまとめていくことは難しいので、前者におきまして当面の課題ということにフォーカスを当てて年度内にまとめていこうという流れになっているところです。

 今のところ、医療現場の話のヒアリングなども内々に始めているところでございます。これは、最終的には労働管理であります作業環境管理や作業管理というところに話が落ちていくことなのですが、そもそも眼の水晶体が実際にどのぐらい被ばくしているかということもありますし、それをはかるときに、胸につけているバッチからの換算でいいのか、首につけなければいけないのか、眼につけるか、つけるとしたらどうするのかという問題もあります。また、医療現場では、IVRなどでの遮蔽をどうするか、眼鏡をつけるかつけないか、防護衝立をどうするか、そのようなことも課題になってくるかと考えております。

 このように、解決が容易な問題ではないと思っておりますので、年内におきましては、関係者からの、特に学会関係者からの聞き取りをしていく予定となっています。早速あしたの9月5日に第2回があります。ここは東電福島第一原子力発電所を中心としますが、それ以降にやるものに関しましては、医療関係者、医療関係学会からのヒアリングをしっかりしてまいりたいと思います。年明けには日本医師会などを初めとしまして、職能団体からもしっかり意見を聞きながら年度内に報告を取りまとめていく、そのような流れになっているところでございます。

 引き続き、有識者の皆さん、ここにいらっしゃる方々にも連携しておりますし、厚生労働省ともしっかり連携して、我々、基本的には放射線審議会の事務局として大きな考えや技術的なことを述べるところでありますが、他方、社会実装できないことを言っても仕方ないと思っていますので、そういうことにも配慮しながら進めていきたいと思っています。

 現状としては以上となります。ありがとうございました。

○米倉座長 どうもありがとうございました。

 今、御説明いただいたように、1つは放射線審議会自身の機能として、これまでの諮問に対する答申だけではなくて、みずからいろいろ議論をしていただくという仕組みになったということ。それから、具体的な問題点として、眼の水晶体の問題が挙がってきているというお話でした。

 何か御質問ありましたら、お願いします。

 渡部構成員、お願いします。

○渡部構成員 放射線審議会の機能強化に関しては大変結構だと思うのですが、ちょっと見えてこないのは、実際に審議会で議論する内容というのは国民の声を吸い上げるのか。当然、交通整理は必要だと思いますが、どういう議題をするのかというところは何か入り口があるのでしょうか。

○寺谷企画調整官 はい。ここは少し難しいというか、問題意識は理解するところです。

 一方で、放射線審議会というのは、もともとどういう役割を持っているかというと、2ページをごらんいただければと思いますが、放射線障害の防止の技術的基準に基づいて斉一化を図るとあります。つまり、何が言いたいかというと、直接施策をつくるというよりは、施策をつくっている、もしくは施策のもとになる規制法等の斉一化、基準をしっかり守っていきましょう、見守っていきましょうというのが役割分担でありますので、そういう意味で、国民に直接的にヒアリングをすることは余り想定していなくて、どちらかといえば、委員の先生方の御見識の中からそういうものを拾っていく、もしくは関係省庁との連携におきまして、関係省庁が拾っている国民の声を拾い上げていくことがメーンになるように考えているところです。これは決まったことではないのですが、放射線審議会は、もともと置かれている立場や根拠法となっていることを解釈しますれば、そのような役割と理解しているところです。

○米倉座長 よろしいですか。

○渡部構成員 はい。

○米倉座長 ほかにいかがでしょうか。

 特にこの水晶体の問題は、医療現場、特にIVR等、透視を伴う作業をやっている方々の実態がどうなのか。それから、新たな基準をもし取り入れるとすれば、それをどのようにして担保していくのかという問題があると思うのですが、何か御意見ありますか。

 一番問題になるのは、やはりIVR、特に長時間の透視を伴う作業に従事する方々でしょうね。眼の防護措置というのは現場でどの程度されているのか、実態を教えていただけるとありがたいのですが、いかがでしょうか。防護ガラスとかゴーグルとか。

 どうぞ。

○小田構成員 日本診療放射線技師会の小田です。

 今、実態は、IVRのほうは基本的に防護眼鏡をかけて水晶体の被ばくを少なくはしているという状況です。眼鏡ですね。

○米倉座長 ありがとうございます。

 現場では防護眼鏡はもうかなり使われているということですね。

 その場合には何でもってモニターするのかというところで、防護眼鏡の影響を加味してそこを担保するということなのでしょうか。

 どうぞ。

○寺谷企画調整官 実態という意味でいうと、実は我々もちょっとはかりかねているところはありまして、我々の安全研究の中でも実態把握をやるための研究というのは組んでおります。今のところ、我々がいろいろ調べているところによりますと、少なくとも個人線量測定機関協議会からのデータだけを見ても、今すぐ基準を引き下げて年間150から20もしくは50というところまで持ってくると、場合によっては数千人の方がひっかかってしまう可能性があります。さらにしっかり測定すると、それはもう少し多くなる可能性があります。つまり、今すぐ規制を強化すると、数千人の方々が今やっている治療行為ができなくなってしまう可能性もあります。これは医療従事者にとってもよくないことかもしれませんし、患者さんにとってもよくないことでもあります。

 一方では、はかり方が過大評価になっている可能性もありますので、もう少し実態を見ていく必要があります。ただ、大きな影響はあるであろうと考えています。

○米倉座長 ありがとうございます。

 青木構成員、どうぞ。

○青木構成員 日本医学放射線学会のほうで治療行為を行うIVRですけれども、今の、数千人がひっかかりますかね。IVR学会は5,000人もいないのですけれども。

○寺谷企画調整官 すごくざっくりした話で、個人線量測定機関協議会が持っているデータを見たりして、例えばそれをそのまま眼の水晶体に引き直してしまえばということなので、実際眼に当たっている量と違うでしょうし。

○青木構成員 要は、眼鏡をかけていればゼロかもしれないけれども、眼鏡をかけているという前提には立っていないということ。

○寺谷企画調整官 例えばそうです。今の放射線測定器でついている値だけをそのまま引き直してしまえばということですね。

 一方で、聞き取りをしていると、IVRの中でも、頭と胸のところに線量が多いという話もあります。今、体中のIVRが非常に盛んですし、それから、CTの付添人の問題などで、救命医、集中治療医のCTの付き添いなどもいろいろありますので、医療現場において被ばくしているのは想像よりも大きい可能性もあると考えています。当然、我々のほうも実態把握をしっかりしていきたいと思っています。

○米倉座長 ありがとうございます。

 それで先ほどちょっとお聞きしたのですけれども、現場では実際には防護眼鏡をつけているということですので、個人線量計の線量だけで評価すると実態ではないのだろうということです。ただ、そのときにそれをどのように担保するかというのはまた別の問題として出てくるかと思うのです。

 御意見いかがでしょう。

 眞島構成員、お願いします。

○眞島構成員 現場で眼鏡をかけると防護になるというのですけれども、済みません、素人で全然わからないのですが、それは実際にはゼロになるということでよろしいのでしょうか。

○米倉座長 放射線シールドできるような鉛入りのゴーグル、あるいは防護眼鏡というのができていまして、術者はそれをつけることが当然だというふうに今はなっているようです。

○眞島構成員 ありがとうございました。

○青木構成員 度が強い眼鏡は、昔はみんな鉛が入っていたのですけれども、一時期プラスチックになって入らなくなったのです。だから、昔の眼鏡と同じで、あとは脇からも入らないようにはなっています。

IVRのときは血が結構飛びますので、眼鏡をやることに関しては、IVRをやる方はそれほど違和感なく、この眼鏡の上にもう一個防護眼鏡というものをかけます。

○米倉座長 ありがとうございます。

○寺谷企画調整官 専門の先生には、ぜひこれを議論いただきたい。実は我々のほうでもその辺を考えていて、まさに実情を知るのと、防護のあり方もある程度示していく必要がある。防護の中にはいろいろあって、こういうデバイスに頼る方法もあれば、作業管理自体を変えていく方法もあります。そもそも上から当てる、下から当てるみたいな問題もありますし、防護衝立をどう使うかという話もあります。

 眼鏡に関していうと、遮蔽効果は何割ぐらいかというのがあって、多分6割とかそういう数字もありますので、必ずしもほぼゼロになるというわけでもなさそうなのです。かといって、ゼロを目指してとても厚いものをつけて医療行為ができなくなってしまっても仕方がないと思いますので、その辺の問題もあるかと思います。そういう意味では、何かデバイスさえ使えばいいというわけでもないかもしれなくて、これは結構重要な問題と我々も認識はしているところです。

○米倉座長 ありがとうございます。

 実態としてどれぐらいの遮蔽効果があるのかということを実測することももちろん大事だと思います。

 ほかにはいかがでしょうか。

 この水晶体に関しては、専らIVRかなと思っているのですが、それ以外の分野でこれが問題になるような被ばくというのは受けていないですか。直接はないですか。

 例えば標識薬剤など特にベータ線を出すようなもの等で、手の指の被ばくというのが非常に問題になるのですけれども、眼を近づけるということは余りないですね。

 そういういろいろなシチュエーションは一応考えておく必要があるかなと思いますので、よろしくお願いします。

 その他いかがですか。

 放射線審議会そのものの役割強化の話もありましたので、場合によっては、こういったことを検討していただきたいという問題点がもしあれば、そういうものをここで出していただくのもいいかと思うのです。

 特にないようですが、もし何かありましたら、きょうせっかく来ていただいていますので、後からでも直接お話をしていただければといいかと思います。

 どうぞ。

○寺谷企画調整官 私たち原子力規制庁としては、先ほど言ったように、もともとRI法を所管していまして、RI法から除外されているのは医療法及び 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 でございます。今後もしかしたら、薬によってはさらに炉規法の問題も出てくるかもしれませんが、そういう意味で、規制官庁としての役割。それから、放射線防護を企画する、放射線審議会の事務局であるというかかわりがありますので、厚生労働省には、実は医療分野、薬の分野、労働分野、いろいろなところで一番深くかかわっております。中でもここの分野というのは、まさにこれを平和利用していただいていると同時に、規制をかけながら利用するという意味で一番難しいことをやっているところだと思うのですが、そこと非常に密接に連携しているところでして、事務局でも非常に密に意見交換させていただいているところです。我々もこの検討会自体は非常に重視、注目しておりますし、神田先生は両方のところに所属していただいていますので、引き続きここはしっかり連携していきたいと思います。この検討会も注視してまいりたいと思います。

○米倉座長 どうもありがとうございました。

 以上できょうの3つの議題を終わりたいと思います。

 その他、全体を通して何か御質問あるいは御意見等ありますでしょうか。

 事務局、お願いします。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 議題(3)につきましてですけれども、先ほどお話があった眼の水晶体の被ばくあるいは手の被ばく等につきましては、基本的には労働安全関係になりますので、労働関係の部局とも相談していきたいと考えております。そうは言いましても、職業被ばくにつきましては医療法施行規則にも記載はあるということになっております。

 そういったことに関しまして、こういったICRP2007年勧告をどういうふうに取り入れていくか等につきましては、特に眼の水晶体被ばくにつきましては放射線審議会から提言をいただけることになっております。そちらを取りまとめた上で、本検討会でまた御議論させていただけたらと考えておりますので、また御協力のほどお願いいたします。

○米倉座長 ありがとうございます。

 それでは、全体を通しての議論に移りたいと思いますが、いかがでしょうか。どんな意見でも結構です。時間がまだ少しありますので。

 眞島構成員、お願いします。

○眞島構成員 神田構成員から医療被ばく防護の社会基盤ということで、その中で我が国は20年おくれであるというお話が出ました。先ほど来いろいろなケースも含めて、日本は保護の立場をとっていて、どちらかというと非常に厳しい法的規制があるのだというお話もあったのですけれども、我々患者側からしてみれば、本当にそうなのか見えないところもありました。今は現状把握だけれども、これからはもう少し国際的な基準にのっとった方向でいきたいというお話もあったかと思いますが、もし何かロードマップがあるのであれば、ぜひそのあたりも見せていただければ安心できるかなと思いましたので、よろしくお願いしたいと思います。

○米倉座長 神田構成員、御意見ありますか。

○神田構成員 学術コミュニティのほうではいろいろな団体が連携して、できるところは進めています。国際機関の情報も把握し、実態調査も各団体が頑張っているところでありますけれども、これ以上進めるにおいては、国の後押しもある程度必要な段階になっているのではないかと思いますので、その辺は、学術コミュニティと国が一緒にロードマップをつくれる形になれば、実効性の高いものができるのではないかと思っております。

○米倉座長 よろしいでしょうか。

 そういう意味では、今回、AMEDから日本医学放射線学会に出た取り組みは、国が積極的に関与してくれることを期待させるような意気込みだと思って、私は歓迎しています。

 青木構成員、いかがですか。

○青木構成員 先ほどの御質問の答えに多少なるかもしれないのですけれども、多分、核医学関係は非常に厳しく規制ができているような気がします。それは、いろいろな制度と先人たちの努力の賜物だと思うのです。

 特にCTが余りにも急速に普及したためか、比較的自由に使えるようになっていて、CTが役に立つほうが強調されましたので、そちらの被ばくが余り管理されていないというところがあるのだと思います。人口当たりのCTの台数は日本が一番多いということもあって、各国よりも管理ができていないというところになっているのだと思います。管理が一番いいと言われるイギリスはCTが非常に少ないわけで、それは管理しやすいというか、最初から国がCTの機械自体を管理しているようなところが感じられるわけです。その辺に差があるところを、できればアイソトープ並みにCTもやって、それに近い状態にできればいいかなと思っています。

○米倉座長 ありがとうございます。

 我が国独自の事情というのも、機器開発であったり、医療のレベルであったり、それぞれ違う部分はありますけれども、こうなってくると、世界の基準というのは一つにまとまりつつあるという状況も片方でありますので、そうそう遅れたことばかりやっておれないかなと、皆さん、そういう意識でおられると思います。これは、新しいさまざまな医療機器であるとか医薬品の開発についても同じようなことが言えるのですね。遅れている部分は追いついていかなければいけないという意識を私も持っています。ありがとうございます。

 全体を通して。

 山口一郎構成員、お願いします。

○山口(一)構成員 今の議論なのですけれども、多分、日本での問題点は、治験以外の臨床研究に対して規制が医療でちゃんと扱われていないという問題と欧米など諸外国とは同じではない廃棄物の扱いの問題です。減衰保管をどう導入するか、あるいは排水設備に関してどう効率的に評価するのかというところは欧米と違うところであって、そこを我々は議論して改善すべきだと思います。

○米倉座長 ありがとうございます。

 その他、よろしいでしょうか。

 それでは、そろそろ予定の時間になってきました。事務局のほうで特に何かございますか。このあたりで議論を終了したいと思いますが、もし事務局から御連絡がありましたらお願いします。

○稲木課長補佐 事務局でございます。

 第4回医療放射線の適正管理に関する検討会につきましては、詳細が決まり次第お知らせいたしますので、またよろしくお願いいたします。

○米倉座長 どうもありがとうございました。

 それでは、本日はこれまでとさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医政局地域医療計画課
直通電話:03-3595-2194

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 医政局が実施する検討会等 > 医療放射線の適正管理に関する検討会 > 第3回医療放射線の適正管理に関する検討会(2017年9月4日)

ページの先頭へ戻る