ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会(疾病対策部会難病対策委員会) > 厚生科学審議会疾病対策部会 第48回、49回難病対策委員会 議事録(2017年7月5日)




2017年7月5日 厚生科学審議会疾病対策部会 第48回、49回難病対策委員会 議事録

○日時

平成29年7月5日(水) 15:00〜17:20


○場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンターホール14A


○議事

(第48回 難病対策委員会)

 

○徳本難病対策課長補佐 ただいまから第48回厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会を開会いたします。委員の皆様にはお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日の委員の出席状況です。駒村委員、鶴田委員から欠席の御連絡を頂いております。カメラの撮影はここまでとさせていただきます。以降の議事進行につきましては、千葉委員長にお願いいたします。

○千葉委員長 それではまず、資料の確認をお願いします。

○徳本難病対策課長補佐 資料の確認をいたします。本日の資料は、資料1「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針に対する取組状況」、資料2「患者からの申出等を起点とした指定難病の検討について」、参考資料1「今後の指定難病の選定に関する検討の進め方について」です。資料の欠落等ございましたら事務局までお問合せいただければと思います。

○千葉委員長 はい、ありがとうございます。よろしいでしょうか。今日は会議が続いて行われますので、要領よくさせていただきたいと思います。

 まず、議事の1ですが、難病対策の現状、基本方針の取組状況について事務局から説明をお願いします。

○徳本難病対策課長補佐 それでは、資料1に基づきまして、御説明申し上げます。こちらにつきましては、難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針を平成279月にまとめさせていただきましたが、その進捗の御報告です。前回は、昨年7月に御報告させていただいたものの進捗報告となっております。

 まず、第1の部分に関しましては、基本方針の概要ということで、ここに記したとおりでございます。

 続きまして第2、医療費助成制度に関する事項の(2)今後の取組の方向性についてのア「指定難病に係る適合性の判断や診断基準の見直し等」の2ページです。国は指定難病について要件を満たす疾病を対象とするよう、疾病が置かれた状況を踏まえつつ、指定難病の適合性について判断となっております。こちらに関して右側のカラムを見ていただきたいのですが、平成294月から新たに24疾病を指定難病に追加いたしました。また、627日に指定難病検討委員会を開催し、平成30年度の指定追加に向けた検討を行っているところです。イ「指定難病患者データベースの構築」、また右に移っていただきまして、平成29年度中の運用開始に向け、指定難病患者データベースの稼動に向けた準備を行っているところです。

 第3、医療提供体制に対する事項です。(2)のア「モデルケースの提示」です。こちらは難病対策委員会にて御議論いただき、昨年、平成2710月に報告書を取りまとめました。また、その同報告書に基づき、具体的なモデルケースにつきまして、平成29414日都道府県宛て通知いたしました。次、3ページに移ります。イ「必要な医療提供体制の構築」です。こちらに関しても右側に移っていただきまして、平成29年秋頃に各都道府県の検討の進捗状況をフォローアップする予定としております。また、国は都道府県における新たな難病医療提供体制構築の支援を行うこととしております。ウは医療機関等の取組ですので、飛ばさせていただきます。エ「難病医療支援ネットワークの構築」です。右に移りまして、第4647回難病対策委員会で御議論を頂きました内容を参考に、平成30年度を目途として体制整備の支援を行うこととしております。オ「小児慢性特定疾病児童等に係る医療従事者の連携」に関しては、この次の委員会の議題となるものです。右に移りまして、平成27年度から小児慢性特定疾病児童成人移行期医療支援モデル事業を実施し、平成28年度には移行期医療支援モデルを構築いたしました。平成29年度は、構築したモデルを踏まえたガイドについて小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会において検証し、都道府県の移行期医療の体制整備を促進するとしておるところです。4ページ目です。カ「早期診断の体制づくり」として、遺伝子診断等の特殊な検査を実施できる体制作りに努めるとなっております。右に移りまして、第4647回難病対策委員会での議論を参考に、必要な体制整備の支援を行うこととしておるところです。

 第4、人材の養成に関する事項のア「医療従事者の養成」、ウ「介護職員等の養成」は、従前に引き続き研究班による検討及び保健師については研修を行い、また喀痰吸引等の実習の促進を進めているところです。

 続きまして5ページです。第5、調査及び研究に関する事項です。ア「難病患者の実態調査等」の右に移っていただきまして、データベースの平成29年度中の運用開始に向けて準備を行っていること、また難病患者の実態調査について、平成29年度及び平成30年度の2年にわたり、難治性疾患政策研究事業により実施することとしておるところです。

6ページです。第6、医薬品等の研究開発の推進に関する事項です。こちらに関しても引き続き研究事業等を実施し、必要な取組を進めていきます。

7ページ、第7、療養生活の環境整備に関する事項です。ア「難病相談支援センターへの支援」、イ「センター職員のスキルアップ等」、ウ「センター職員のスキルアップ」、エ「ピア・サポート人材の育成」等に関して、引き続き難病相談支援センターの運営支援、研修等を通じた取組を進めていくこととしております。8ページです。オ「難病対策地域協議会の活用方策検討」に関しまして、各地における難病対策地域協議会の取組状況等を調査し、好事例の周知、問題点の把握等を行うこととしております。カ及びキの取組につきましては、引き続き取組を進めていくこととしております。

 第8、その他の関連する施策との連携に関する事項のア「障害者総合支援法の対象疾病の見直し」につきまして、引き続き障害福祉サービスの対象疾病の見直しを検討することとしておるところです。9ページのエ「治療と就労の両立」につきまして、ここに書いてありますように平成29年、本年6月、いわゆる成長戦略及び骨太方針、そして今年の3月の働き方改革実現会議におきまして、いわゆるトライアングル型支援、トライアングル型サポート体制について取り組むこととしておるところです。

10ページです。第9、その他難病に関する重要事項としまして、こちらに書いてある内容を引き続き取り組むこととしておるところです。駆け足ですが、御説明とさせていただきます。

○千葉委員長 ありがとうございます。現在の取組状況について御説明を頂きましたが、この点について御質問、御討議ありますでしょうか。

○西澤委員 2点お尋ねしたいと思います。1点目は指定難病の追加の在り方のことですが、今年4月に24疾病を取り上げられた中に、具体的な名前として、進行性ミオクローヌスてんかんという病名が挙がっています。実際にはその中に更にまた10疾患以上の、遺伝子で分けていけばそれぐらいの疾患が含まれる疾患群として指定されているわけですけれども、これまでには例えばチロシン血症であれば、1型、2型、3型それぞれを指定してこられて、分子病態が分かって、遺伝子に基づいて、個別具体的に指定をしていく決め方と、ある程度の中くくりをして中選挙区型というか、幾つかの疾患群が含まれるような形の決め方が今は混在をしているように思うのです。この点、基本的な方針としてどのように整理をしていかれるのか。そうでなくても330疾患までいっていますので、ある程度まとめてという考え方も私は必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか、それが1点目です。

○徳本難病対策課長補佐 まず、1点目の御質問に関して、基本的にこれまでは指定難病の疾病単位に関しては、専門家の皆様から疾病単位のくくりとして妥当なものというもので頂いてきたところですが、今、西澤委員からのお話がありましたように、330まで実際は増えてきており、必ずしも学術的に細かく分けて対応することが妥当かどうかというのは、いろいろ御意見を頂いているところです。そうした御意見に関しては、指定難病検討委員会でも御議論になっているところです。後で御報告申し上げますけれども、平成30年度実施分の募集を今始めているところですけれども、そのディスカッションの中で更に議論を整理していきたいとは考えているところです。今のところ一律にこうすべきという結論までは出ていないと認識しております。

○西澤委員 基本的なスタンスはまだお決めになっていないということになりますか。

○徳本難病対策課長補佐 そうです。学術的には1つの疾病単位で分けるのが妥当なのかもしれませんが、実際の運用上、今はもう指定難病が330に増えてきており、行政施策として進める中で、現場に負担がかかっているというのも実情だと聞いておりますので、改めてどのような進め方がよいのかに関しては、指定難病検討委員会の先生方に御意見を賜りながら進めていきたいと考えております。

○千葉委員長 よろしいでしょうか。私も指定難病検討委員会の委員ですので、追加させていただきます。今、徳本課長補佐が言われたとおりですけれども、可能であればまとめる方向でいったほうがやはり、実際の運用上もいいのではないかという話が一方である中で、個々の疾病を見ていると、必ずしもそうするのがいいとは限らないものもあったりして、そういう意味でも必ずしも方向性として集約させるところまではいっていないのが現状だと思います。しかしながら、現在その点についてはおっしゃるとおりで、問題のあるところですので、検討を進めているというのが現状ではないかと思っています。大澤委員、お願いします。

○大澤委員 今、千葉先生がおっしゃったとおりでございますが、例えば遺伝子が分かっているもので同じ遺伝子異常でも症状が異なっていたり、臨床の病名からいきますと、病名が異なっているものもございます。そのようなことも踏まえまして、原発性免疫不全症候群などもかなり多数のものが含まれていますけれども、そこの辺り非常に難しいかなと思います。

○千葉委員長 よろしいでしょうか。重要なポイントを御指摘いただいたと思いますので、今後の検討をということだと思います。はい、もう1つ。

○西澤委員 もう一点は、医療提供体制のことです。先ほどの第7の最後のキの所に、「レスパイト入院先の確保」という項目が挙げられておりまして、引き続き国は在宅難病患者一時入院事業を実施していく、とあります。この事業を実施するために難病医療専門員という職種が一旦用意をされたと思うのです。それを今はコーディネーターと言い換えていて、特に医療提供体制について今回は難病医療の窓口を各県で用意するようにという中で、その相談を受ける最初の職種としては、やはりコーディネーターが想定されると思うのですけれども、この辺りについての位置付けが出てこないのですね。現場の方たちからはその点について非常に要望が強いところで、是非基本方針にそれを書き込んでいただきたいという声をよく伺うのですが、今までコーディネーター、あるいは難病医療専門員という言い方をしてきた職種について、これからどのように位置付けていかれるのか、が2点目の質問です。

○千葉委員長 この点、いかがでしょうか。

○徳本難病対策課長補佐 大方、こちらの御説明の内容は今お話の中にあったかと思います。従前は難病医療専門員として、平成10年から、事業としてやらせていただいており、平成27年度以降はこの難病医療コーディネーターの形で事業をしてきたところです。今御指摘いただきました第7のキのレスパイトなりの記述の所の在宅難病患者一時入院事業に関しては、引き続き対応させていただくというところです。恐らく今頂いた御質問は、キの所の更に2つ上の、難病対策地域協議会の取組状況とかこうしたものを明らかにしていく中で、難病医療コーディネーターの業務内容など、何をやっていただけるのかも、ある程度見えてくるのかなと思っていますので、そうした様々な情報を集めた上で、今後どのように位置付けていくのかは、また議論ができていくのかなと思っているところです。

○西澤委員 御存じのように、全国の自治体でその難病医療コーディネーターがどのぐらい配置されているのか、その数や勤務実態、雇用の条件、待遇あるいは研修の状況などはすでに調査をして報告書を上げてありますので、それを見ていただいた上で、大事な職種の1つとして位置付けていただく方向でお考えいただけないかということです。

○徳本難病対策課長補佐 今頂いた御意見は、直ちにこういう人をどう位置付けるかというのは、なかなかお答え難しいところでございますので、引き続き我々のほうでも勉強させていただきたいと思います。

○千葉委員長 今、資料等々は作成していただいて。

○西澤委員 調査はもう何回も、いろいろな形でされていますので、それも御存じだと思います。

○千葉委員長 それを活用していただいて、また進めていただいたらと思います。ほかに。

○森委員 基本方針の2ページのイの所、指定難病患者のデータベースの構築では、「医療費助成の対象とならない指定難病の患者を含むデータベースを構築する」とあります。これはほかの5ページなどの調査や研究のところにも関係しますし、また6ページの創薬などのところにも関係してくると思うのですが、ただ、申請すればデータベースに登録しますというだけでは、わざわざ臨床調査個人票の記載を依頼し、手続きに必要な多くの書類を取り寄せて費用負担までして登録しようとする患者さんは、ごく少ないと思います。登録できるシステムになっているわけですから、医療費助成の対象とならない方が登録したときには、登録証明書のようなものを発行していただきたいと思います。

 例えばこれは重症度分類の基準を満たすようになったときや、軽症高額に該当するようになった時点で速やかに医療費助成が受けられるようにする。また福祉サービスの利用を申請するときも、対象疾病であることを証明するために、一回一回診断書を取ったりするようなことをしなくてもいいような証明書となるものにしていただきたいと思います。患者にやはり得るものがなければ、わざわざ手間や費用負担を負って登録はなかなかしないと思いますし、基本方針に示すようなデータベースの構築も進みません。積極的に症例を収集すると、この基本方針にもありますけれども、これにも現状の方法では該当していないように思います。

 既に更新手続がもう今行われておりまして、患者団体にも多くの相談や問合せがきているところです。特定医療費の管理票にしてみても、ある県では自己負担上限額に達した場合は、それ以降は記載の必要はありませんと書かれている所もありまして、また、自己負担額は金額で記載しますけれども、医療費総額の所を点数で記載しているような都道府県も幾つかあります。これではなかなか患者側は軽症高額などの特例制度があったとしても、これも理解できず申請もできません。また、臨床調査個人票を医師に依頼したときも、今既に重症度基準に達しないから医療費助成は受けられませんと言われてしまい、そこでもう申請をあきらめるというような患者さんも生まれている次第です。今年7月にも一斉更新を行っている都道府県があります。すぐにでも登録者証を発行することを決めてアナウンスしないと、貴重なデータが今年で消えてしまうことになるかと思います。是非これは早急に決めていただき、その御回答を頂きたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○千葉委員長 軽症患者さんの登録につきましては、以前からいろいろ議論されてきたところなわけです。御意見のポイントが幾つかあって、まずは証明書を発行してほしいということ。それからやはり軽症患者さんの登録に関しては、福祉サービス等々が受けられるようなシステムということと、軽症患者さんも含めたデータベースをきちんと作る、そうした2つの目的が大きくあろうかと思います。

 もう一方で、今の意見は、都道府県によっては軽症患者さんは登録しなくてもいいよというようなスタンスも見受けられる、という問題点を御指摘になったわけです。取りあえず厚労省側としての御意見というか、お返事はいかがですか。

○徳本難病対策課長補佐 まず、今お求めいただいた何らかの証明書的なものに関して、どういう対応ができるのかに関して、我々事務局で丁寧に検討しているところということで回答させていただけたらと思います。幾つかお話のあった中で、きちんと普及啓発をやっていかないといけないという話もあるかと思っています。厚生労働省としてはこれまで政府広報を通じた普及啓発とかいろいろな周知用のパンフレット、リーフレットを作成したり、ツイッターを活用したりとそういうもので普及啓発をしてきたところですが、なかなかそれでも足りない部分があることも一部皆さんから御指摘いただいているところですので、平成28年度の後半からですけれども、普及啓発にかかる研究班も立ち上げて、いわゆる患者団体なり患者さん側に、そして医療者側にどのような普及啓発手法があるのか、今検討いただいているところでございます。そうした切り口でもって、お医者さんとか学会側に直接的にアプローチできるような手法を考えていきたいと考えているところです。

 あともう1つ、やはり患者さん側にメリットがなければ情報登録しないというお話もございましたけれども、こちらに関しては、我々もそのように思わせてしまっているところは大変残念というか、いけないと思っています。今までの登録された難病データベースなどもしっかりと研究班などで活用していただいて、その研究成果をしっかりと世にアピールしていただいて、皆様方に登録いただいたデータがしっかりと活用され、その後の研究につながっていることをもう少しアピールというか、発表できるように、我々も研究者にお願いしていきたいと思っています。

○千葉委員長 いかがでしょうか。1つはおっしゃられたとおり、厚労省としても研究者としても、どちらも軽症の方のデータはしっかり取れるようなシステムを築きたいというのは共通して、患者さんと同じように思っているわけです。一方で、1つとしては、臨床調査個人票を整備と言いますか、ブラッシュアップしていって、そういう軽症の人も含めたデータが取れるような個人票を作りましょうと、そういう流れは研究班の中で1つあって、そういう作業が進んでいることはあります。

 しかしながら、もう1つ御指摘されたのは、多分そういうものがものができていっても、入口の所できちんと入れてもらわないことには困るというところだと思うのです。これにつきましては、何らかの方法で各都道府県に軽症の方もきちんと登録してもらうというか、そのようなことを通知する。あるいはある種の制度として、そういうことができるというようなことができればいいと思うのです。この点について何か御意見はございますか。

○渥美委員 私は全身性エリテマトーデスをやらせていただいているのですが、前のSLEの場合は治療はある程度できますので、軽快をして落ち着いたら医療費の補助はないけれども、森さんがおっしゃられたように、悪くなったときに速やかに手続ができて、そして元の医療費補助に戻ることができるという制度があったはずなのです。これは実は大変有効で、一旦よくなった方もそういうことですねと同意を頂きますから、患者さんは診断書を書いていただくと費用が発生しますので、通常メリットがなければ希望しないわけです。だけども、そういうきちんと目に見えるような形で、たとえ寛解、軽快しても次のメリットがあって、もし悪くなったらまた元の状態に戻れるというのがあって、これはデータベースが維持できたわけですが、今の状態ですと、もう軽症になってしまったから申請してももう駄目ですね、あきらめますかと診察室でそういう話をして終わってしまうという、これは非常に大きな問題だというのはおっしゃるとおりです。ですので、恐らく軽症の方も森委員がおっしゃるように証明をして、その上で悪くなったらまた元に戻るような体制は、前にやっていましたから、そんなに難しくないはずだと思っています。

 もう1つ問題は、データベースはそれぞれの年で独立したデータにはなっていると思うのです。例えば今年、北海花子さんという方が申請をして、次の年にまた同じ方が申請をする。でも、平成28年の北海花子さんと平成29年の北海花子さんは紐付けになっていないので、これはデータベースとして大変使いづらい。縦の流れが全然分からないので、マイナンバーを上手く組み合わせると、恐らくそういうデータベースで、縦の流れはできるので、これは研究者にとっては大変有用ではないかと思います。コメントでございます。

○千葉委員長 はい、どうぞ。

○福永副委員長 臨個票の制度の問題というか、ボリュームの問題というか、そういうのも今後、特に疾患の多い病気、例えば私の領域ではパーキンソン病とかそういう病気では、軽症者も含めて書くとなると、今の臨個票というのは非常に時間が掛かるのですね、かなりボリュームがありますので。だから、軽症者も含めてもしやる場合に、非常に細かいことになりますけれども、その負担、病院側からすればこれだけの時間を費やして、臨個票を書いたらそれなりの負担はしてもらわないとという気持ちは当然あるわけですね。患者さんにとっては実際に医療費助成もなければ、メリットはないわけですので、だからそういうのまで受けるかというと、なかなか受けないのではないかなと思います。私は臨個票を自分で書いてみて、こんなに詳細な臨個票が要るのかと。これは最初に難病対策委員会で議論したことですけれども、各疾患のデータベースを充実させたいという方向で、これをどうするかというのが非常に大きな問題になったのですが、今の例えば疾患の多い病気、パーキンソン病とかで言えばちょっと詳細すぎるのではないかと、今更ですけれども。そこが軽症者の問題を含めたときには、大きな問題になってくるように思います。

○千葉委員長 後の御意見については、臨個票の在り方というところで、より記載しやすいあるいは簡潔にできるという、そういう方向での検討はなされていることはなされていると私自身も認識しております。ですから、非常にそこは重要なポイントだと思います。それから、先生の言われた御意見につきまして、継続での申請のときに、軽症になった場合でも継続して申請できるような方策というか、そういうことが非常に重要だという御指摘だったと思います。したがって、その新規と継続という両方の面から考える必要があるかと感じた次第です。よろしいでしょうか。

○本間委員 今の福永先生のお話は確かにもっともだと思うのですが、逆に希少難病になればなるほど、一人でも多くの患者のデータベースを欲しいという医療関係者の方は多いのですね。ですから、できるだけその門前払いはやめて、どの程度の線引きをすればいいかはまた議論が分かれるかと思うのですが、十万人、何万人単位の患者さんがいる病気と、数百人単位の病気とは自ずから考え方が違っていますから、1人でも多くのデータを集める。これは患者のためにもなりますし、その辺を少し医療側にも考慮していただきたいと思います。

○千葉委員長 今のも非常に重要なポイントで、希少疾患と、かなり患者さんの数が多い疾患とではやはり臨個票の在り方も変わってくるというところで、これは研究班等でしっかり今後もんでいくということが必要だろうと思います。

 いろいろまだおありかと思いますが、今日はあとたくさん控えておりますし、次の議題もございますので、次に移らせていただきます。それでは、議事2「患者からの申出等を起点とした指定難病の検討について」を、事務局から御説明お願いします。

○福井難病対策課長補佐 資料2「患者からの申出等を起点とした指定難病の検討について」を御覧ください。現状ですが、指定難病の検討に当たっては、厚生労働科学研究費補助金事業における研究班及び関係学会で収集、整理された情報を基に、医学的見地より、個々の疾病について指定難病の各要件を満たすかどうかの検討を行っております。一方で、難病は極めて種類が多いことから、疾病によっては、当該疾病の研究を行う研究班が存在しないものもあり、その場合には、指定難病の検討の俎上に上がりにくいといった不公平感が声として我々の所に届いていました。

 前提条件として、指定難病とされるためには、➀発病の機構は明らかでない、➁治療方法が確立していない、➂長期の療養を必要とする、➃患者数が人口の0.1%程度に達しない、➄客観的な診断基準等が確立しているといった5要件を満たすことが必要であり、各疾病がこれらの要件に該当するか否かについて審議会で審議するために必要な情報の収集が必要となります。

 事務局として論点は、次の1及び2と考えております。1番、研究班が存在しないような疾病についてどのように申出を受け付けることが現実的に可能か。2番、本委員会における検討に必要となる客観的な情報をどのように収集するかとありますけれども、なお、本件については、右上にあるように、同様の内容を先月27日の第19回指定難病検討委員会でも御議論を頂いております。このうち2番に関しては、指定難病検討委員会における検討に必要となる客観的な情報をどのように収集するかとの観点から、指定難病検討委員会で主に御議論いただくことを考えております。一方で、1番に関しては、新たなシステムについて、都道府県、医療機関、患者団体等の関係者の議論の場である本難病対策委員会において、主に御議論いただくことを考えております。

 次ページです。具体的に御議論いただきたい内容を記載させていただいております。まず1番についてです。申出を行う者の範囲をどう考えるか。本人に限るのか。本人以外も含めて診療情報提供書を持参できる家族等も含むのか。申出を受け付ける施設をどう考えるか。かかりつけの医療機関で受け付けるのか。専門性のある医療機関等、例えば、特定機能病院、臨床研究中核病院、都道府県難病診療連携拠点病院等で受け付けるのか。

2番、誰が情報を整理するか。申出を行う患者本人が作成する場合には、メリットとして、本人の意思が尊重されやすい。しかし、デメリットとして、検討に必要な客観的な情報の質が担保されにくい。次に、申出を受けた施設の医師が作成する場合ですが、メリットは、検討に必要な客観的な情報の質は比較的担保される。研究班の立上げ等は不要であるため、速やかな対応が可能。デメリットは、申出を受け付ける施設がどこであっても、当該疾病に精通した医師であるとは限りません。最後に、研究班が作成する場合ですが、メリットは、検討に必要な客観的な情報の質が十分に担保される。デメリットは、研究班の立上げ等が必要となり、指定までの期間が長くなる可能性がある。研究班が作成する場合の注意として、当該疾病を研究中の研究班が存在しない場合には、既存研究班の研究対象疾病を拡大していただくことや、新規の研究班を立ち上げることについて、指定難病検討委員会で検討、判断してはどうかと考えております。

 第19回指定難病検討委員会で頂いた御意見を幾つか御紹介させていただきます。まず、1番、これは資料はありません。申出を行う者の範囲をどう考えるかについては、現時点で、日本において対象となる成人患者がいないとされる疾病については対象外であるので、関係のない第三者に関する申出、例えば、オーファンネットに掲載されてはいるが、日本人の患者さんが存在するかどうかが不明な疾病に関する申出等は対象外ではないか。

 次に、申出を受け付ける施設をどう考えるかについては、専門性のある医療機関等で受け付ける必要があり、施設の候補として、都道府県難病診療連携拠点病院がよいのではないか。2番、誰が情報を整理するかについては、複数の専門家による検討が望ましく、研究班による情報の整理が必要ではないか。新規に研究班を立ち上げるよりも、類縁疾病を研究する既存の研究班で情報を整理することが効率的ではないかといった御意見を頂きました。事務局からは以上です。

○千葉委員長 この点については、これも前から議論されてきたところですが、今までは基本的に、存在している研究班が研究している疾患について候補として上げてきたという経緯があります。しかしながら、そういう研究班がなくて、ないにもかかわらず、これは難病に該当するのではないかというような疾患が指摘されていたわけです。今回そういった疾患をどのようにして拾い上げていったらいいか。そして、拾い上げていって、指定難病検討委員会の検討課題に上げるところまでもっていくには、どういう方策をすればよいかといったことについて皆さんに御議論いただきたいということです。

2ページ目が具体的な質問と申しますか、どういう方策をすればいいのかということについて幾つか上げていただいているわけです。まず、1番、どのように申出を受け付けるのか。こういう病気がありますよというのを、どこにどのように上げていったらいいかということですけれども、申出を行う者の範囲ということについて、本人に限るか、本人以外であっても診療情報提供書を持参できる家族等を含む、この2つが○で書かれているわけですけれども、この辺りについて何か御意見はありますでしょうか。

 追記で先ほど、日本にはそういう患者さんはいない、だけれども外国とか、あるいは世界中の文献によったらこういう病気もあるではないかといったところで、そういう疾患が上がってくるというのが必ずしも好ましくないのではないかというお話が出たわけですが、そこら辺も含めて御意見はいかがでしょうか。

○小幡委員 まず、この申出という制度といいますか、このような考え方は大変良いことだと思います。というのは、難病というのは実際に一番苦しんでいる患者さんがいらっしゃるので、その方に申出の機会を与えるということが重要です。そうなると、現に患者さんがそこにいない状況で、お医者さんが文献で、外国でこういう症例があるらしいから、これを研究対象としたいというのは、ここでは取りあえず除いて、実際にそういう患者さんがいらして、ただ、御本人ですと、重篤な場合、なかなか御自分でということはできないので、当然、家族も申出者の中に含まれるのだろうと思います。

 一点、問題はその申出を受け付ける部署の対応についてですが、どういうように申出制度を仕組むかというところにも絡むわけなのですが、専門性がない所ですと、どのように対処してよいか分からないわけで、第1次的にかかりつけの医療機関に申し出て、それがきちんと専門性のある所に回るシステムになっていれば、第1次的にはどこに行ってもよいのかと思います。

 さらに少し気になるのは、こういう申出というものを作ると、それに対して、自分が申し出たことがどのように対応されているかということを、当然申出者は知りたいと思うはずです。もちろん申出があってからかなり時間は掛かるかもしれませんが、今、こういう途中ですといった途中経過でもよいのですが、そういうことを返答する仕組みも一緒に入れておいていただければと思います。

 あとはその上で、最終的にはやはり専門性のある所で情報を収集するということが必要になると思うのですが、そこはうまく連携できれば、最終的には専門性のある所で新たに研究班を立ち上げるということになるか、あるいは既存のものを拡大していくかというのは、この「注」の所で書かれているとおりかと思います。

○千葉委員長 ありがとうございます。今の御意見は、申出そのものは本人、若しくは本人の御家族というか、関係者ということです。それと、先ほどありましたように、病気のないものを文献上拾ってきて出してくるというのは、必ずしもそぐわないのではないかと。申出を受け付ける場所としては、必ずしも連携拠点病院に限らずとも専門性のある病院ということでよろしいのではないかという御意見だと。

○小幡委員 ただし、かかりつけの医療機関のほうで、専門性の所に回していただければよいのですが、そこら辺は、先ほど基本方針の医療提供体制のネットワークの構築とか、そういうところとも絡むと思います。

○千葉委員長 絡みますね。

○小幡委員 万一何もしないで放置されるという状況があるということであれば、最初からそういう申出は専門性のある所にということもやむを得ないのかなと思います。そこら辺は今の現状をどう評価するかということかと思います。

○千葉委員長 かかりつけの医療機関から専門性のある医療機関への橋渡しという問題点は、まずクリアしないといけないという、そういう御指摘だと思います。

○小幡委員 そうですね。

○千葉委員長 もう1つおっしゃられたのは、フィードバックですが、申請はしたけれども、それがどうなっているのか、どうなったのかということについては、きちんと返してほしいという御指摘だったと思います。羽鳥委員、どうぞ。

○羽鳥委員 かかりつけ医の先生は、患者さんから申出があって自分の守備範囲外であれば専門機関の先生に診てほしいと思うことが当然だと思うので、そこは余り御心配なさる必要はないかと思います。

 自分のこの疾患を申し出たのだけれども、専門医療機関で、どのように扱われることになったのか途中経過を知るという「見える化」は大事なことだと思うので、結果的には、これは対象外となるようになったとしても、途中経過は見えるような仕組みを作ってあげるのがいいのではないかと思います。

○千葉委員長 ありがとうございます。ほかにありますでしょうか。

○村田委員 この制度に関しての前提を伺いたいのですが、今、一時に比べると非常に難病が増えました。それは、ある時期、なりそうな病気に関して厚生省で提示されて、それに対して小さな班会議をたくさん作ったわけです。幾つかの疾病を出していただいて、それにアプライするような形で研究者が手を挙げて、私、こういう研究をしていますからということでさせていただいたわけです。ですので、普通に思い付くような病気はかなり入っているわけですよね。今回、このような患者さんからの申出を頂くようなものというのは、かなりレアなディジーズなのではないかと思います。きちんと診断が付いていないけれども、患者さんにとっては何らかの病気だけれども、まだ診断が付いていないというような病態もあるでしょう。これに関しては、ある程度疾患概念がきちんとしたものでなければそのルートに入っていかないわけですから。ということを考えると、非常にレアな病気で、なかなか診断が難しかったが、ある病院でよく調べて、初めて診断が付いたけれども今、特定疾患に入っていないという病気が対象になるのではないかと思います。

 そうすると、患者さんに行っていただくにしても、非常に精査を重ねてようやく診断が付いたというその病院でなければ対応できないと思います。それだけのことをした病院で、あるいはそこの先生、多分複数いらっしゃる病院、施設だと思いますが、そこでいろいろな情報を集めて初めて診断が付いたはずで、それを、例えば難病連携拠点病院ならできるでしょうと言われても、ちょっと無理です。やはりそこの基の診断を、難しい病気の診断を付けた病院に行っていただくのがいいと思いますし、そこが中心になって研究班を新たに立ち上げるのか、あるいは、今まである所の一部としてスモールグループを作るのかというような形でなければ。

 この5つの要件をするために、例えば、診断基準を私どもも結構作っていて、神経学会とかでこういう基準が出てきましたけれども、これで適切ですかということを幾つかやり取りして、ようやくこの基準を作っているのです。ということを考えると、かかりつけ医がどうとか、ちょっとした専門家がどうとかというレベルでは対応しきれないと思いますので、まずは申し出ていただく方は御本人、あるいはその御家族かもしれませんが、受ける所はその難しい診断を付けた病院であるべきだろうと私は思います。

○千葉委員長 いかがですか。

○大澤委員 今、御指摘になられたとおりだと思います。各学会にできれば厚労省のほうからご指導いただき「難病チャレンジプロジェクト」のようなものを1つ学会のセッションとして作ってもらい、そして、そのセッションに学会に属している先生方から発表してもらう。そして、その中で討議してもらうというのが1つの手段ではないかと思います。厚労省からでも各学会に、こういうセッションを持つことを要請する形で指令を出していただくと、学会も対応すると思います。あと、本人からの申出の部分で、患者会というか、似たような病気の患者さんのグループがあれば、そのグループから一緒に申請をお願いするということも1つではないかと思います。

○千葉委員長 患者会ということも1つあり得るのではないかということでした。その前の御意見については、私も個人的には賛成ですけれども、そういった疾患の診断が付けられる病院というのはやはり、かなり専門性の高い病院ということになりますね、実際には。ですから、そういう所も含めてという御意見だと思います。それから、大澤先生が言われたのは、患者さんサイドからの申出というものに加えてという、そういう御意見でよろしいのですね。つまり、学会。

○大澤委員 患者会というのは、おっしゃる通りです。あと、学会というのは、2番の客観的な視点をどのように明らかにするかというところで、学会に特別なセッションを設けて行うという形で、実際に研究班とかがそこからまた出てくるかもしれないですが、まずは、専門家がみんなで討論する場というのが必要なのではないかと思いました。

○千葉委員長 はい。西澤委員、どうぞ。

○西澤委員 どこから申し出があって、どこが受けてということは別にして、最終的にはやはり研究班が検討する必要があると思います。ここに既存の研究班が研究対象疾病を拡大していただくと書いてあるのですが、実は、ここが一番ポイントだと思うのですね。これまでは難しかったことではないかと思います。

 私が6年間、運動失調症の班会議をお預かりしたことがあって、運動失調症の場合には、新しい遺伝性の運動失調症を呈する病気がもし見つかった場合には、自動的に運動失調を研究している所が研究対象に組み入れることができたのです。でも、同じ時期に神経変性疾患を対象とする変性班は、新しい病気が見つかった時には、それを対象としていいかどうかの議論をしていたわけです。すぐに研究を始めることができない体制で、この班ではこの病気を対象とすると決めて初めて動き出すという状況だったわけです。だから、先ほど私が申し上げたように、広く対象にしてあればカバーしやすいわけですけれども、個別具体的な研究班がたくさんできたときには、そういう病気をどこで受けるかがアプローチしにくくなってしまうのです。具体的には、なるべく広い範囲をカバーできる政策班がすぐに検討を始められるような体制が担保されれば、こういうことはスムーズに動くのではないかと思います。そういう体制が必要だということだと思います。

○千葉委員長 ありがとうございます。今、出た御意見は、むしろ2番目のほうのポイントになるわけでして、したがって、2番目のほうに移らせていただきます。今度はどこで申出を受け付けるかというところから、出された疾患について、どこでどのように検討するのか、そういう最終的な検討は指定難病委員会ですけれども、そこまで上げてくるための検討をどこで行うかということについて御指摘いただいて、研究班が最終的に研究して診断基準等々も取りまとめたらいいということですが、既存の研究班なのか、新たに作るのかというところでの御意見だったと思うのですね。それでお話としては、可能であれば既存の研究班の関連性のある所で、より広く受け入れて研究対象とするというのがよろしいのではないかという御意見だったと思いますが、そこら辺について、何か御意見等はありますでしょうか。

○五十嵐委員長 小児慢性特定疾病の研究班での経験についてお話します。

 小慢は、数が難病よりもはるかに多く、700以上に今なっています。各疾病ごとの研究班というのはありませんでした。そして、厚生労働省に小児慢性特定疾患全体を検討する委員会の研究班を1つだけ作っていただきました。ところが、それは小児の内科系の方だけの研究班でしたので、小児の疾患全て、小児の慢性特定疾患としてふさわしい疾患が全部そこでは検討できませんでした。そこで、日本小児科学会が小児慢性特定疾患の検討委員会を作りました。そこでは、厚生労働省の小児慢性特定疾患の全体を研究する委員の各サブスペシャリティーの学会の代表プラス、小児系の外科の疾患の代表の先生方を全部入れて、大きな委員会としました。そこで小児慢性特定疾患として上げるべき疾患を各サブスペの学会、内科系も外科系も全部含めまして出していただきました。客観的な情報をできるだけたくさん集めたところ、診断基準があるものもないものもあり、いろいろでした。サブスペの学会ベースで小慢として認定して戴きたい疾病名を上げていただき、厚生労働省に提出する必要な資料も全部そこで作っていただきました。その結果として、今に至っています。成人に比べると、小児の関連学会は小児科学会の要請に対応してくれる姿勢がありました。成人の場合は、学会の数もたくさんあるので、サブスペの学会を内科学会が全部束ねることは難しいのかもしれません。しかし、公平性の担保あるいは客観性を保つためには、内科学会などがとりまとめ役として全体を統括するやり方を検討することも考えていただきたいと思います。

○千葉委員長 ありがとうございます。全体の統一性とか、そういったことも考慮に入れると、どこかでまとめるというか、そういう場所が必要といったお話だったと思います。いかがですか、ほかに何かありますでしょうか。

○福永副委員長 先生の言われたとおりだと思います。恐らく患者さんの申出と言われると、多くの場合には、私たちは客観的な診断基準を指定難病の要件の中心に置いているわけですけれども、申出となりますと恐らく症状とか、あるいは血液検査データがこれだけ悪かったとか、そういうことで言われることが多いと思います。だから、それをどういう形で整理して、1つの疾患単位にしてやっていくかというのは、やはり専門家ではないとできないわけです。だから、患者さんの直接のその訴えを受けた場合には、症状で来た場合に、その申出を受けた施設の先生方がどういう形で学会なりに反映していくかというシステムを作らないといけないのではないでしょうか。

○千葉委員長 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。その点について、ほかも併せて何か更に御意見はありますでしょうか。

 今、おっしゃられたことは、入口で受け付けて、これを検討課題として各研究班なり、学会なりの所で検討してもらうときに、まずは振り分け作業と言ったらおかしいですけれども、そもそもがこれは本当に検討課題に該当するのかどうかということも場合によっては含めて、それぞれ専門のほうに振り分けていく場所というのは私も必要だと思います。更にそれをそれぞれで検討していただいたときに、集めてきてある程度個々に検討すると同時に、全体として見ていくというか、そういう役割を持ったところが必要ではないかと思います。だからそれについては、この間の指定難病検討委員会でも議論が出ていて、やはり幾つかの専門の先生方がおられて、指定難病について非常に精通した方がおられる指定難病検討委員会辺りがそういう役割を担うのが、1つの方策としてあるのかという御意見が出ていたと思います。ほかにありますでしょうか。

○森委員 申出を行うときの入口としては、患者さんや家族、そして、患者団体というのは非常に有り難いと思います。今、患者団体でも希少な疾病の団体が非常にたくさん増えておりますし、そして研究班の先生がなかなか指定難病の検討のほうに向いてくれないというような声も聞いております。ですからやはり、患者団体、また患者さんのほうから申し出た先生を通して今、おっしゃっていたように研究班とか、学会のほうに是非つないでいただくというようなシステムを作っていただきたいです。そして、患者さんのほうから見ると、病名そのものが研究班の名前になっているわけではないので、どの研究班がそれに属するのかということは全く分からないので、そのようなきちんと結び付くようなシステムを是非お願いしたいと思います。

○千葉委員長 ありがとうございます。非常によくまとめていただいたと思います。おっしゃるとおり、この課題そのものが「患者からの申出等を起点とした」ということになっておりまして、やはり基本は、患者さんサイドからの申出に基づいてという考え方は非常に重要だろうと思います。ですから、先ほどから出していただいている意見は、大体集約できているように思います。それを実際に専門家集団で検討していく間の橋渡しをする役割を持った場所というのが1つ必要であって、実際に最終的にまとめるという所での研究班については、今、西澤先生が言われたように、できれば既存の所で可能であれば包括してやっていくのがよろしいのではないかといったような意見も出されました。したがって、入口から出口というところで、皆さんの御意見としては何となく集約されてきているかなという印象を受けました。春名委員、どうぞ。

○春名委員 今、お話を聞いていまして、日本の中で患者さんが1人だけしかいらっしゃらないとか、そういう方の場合にはどう指定するかという話にまで踏み込んだ検討なのかと思いました。そうすると以前は、例えば特定疾患に入れていくというときは、患者会でものすごいパワーを使って、努力して初めて入っていったものだったのです。今回、日本国内に1人しかいらっしゃらなくて、そういう方をどう拾っていくかとなると、拾うところから選別するところまで流れ作業のようにいくというよりは、診断した所でうまくそういう方も拾い上げていくような仕組みがないと、なかなか患者さんと家族だけで最初の申出をするというのは大変なのではないかと少し思いました。

○千葉委員長 非常に希少な場合はどうするかという御指摘だったと思います。よろしいですか、何かこれについて御意見はありますか。厚労省側から何かその点についてコメントはありますか。

○徳本難病対策課長補佐 本日、全て結論まで至る必要はないので、そのアイディアを頂いて、また次回以降の検討会で、更に議論を深めていただければと思っています。本日頂いた意見は、我々が先ほど御紹介させていただいた指定難病検討委員会の意見とともにおまとめさせていただきます。また、引き続きこの会議が終わった後でも事務局のほうに御連絡いただければ、参考としてまとめさせていただきまして、次回以降の検討会の場で議論をしていただければと思います。

○千葉委員長 幾つか建設的と申しますか、重要な御意見を頂いたと思います。時間になりましたので、本日頂いた御意見を基に、いろいろまた御検討いただきたいと思います。

 それでは、議題2については、一応終わらせていただきます。事務局から何かありますか。

○福井難病対策課長補佐 参考資料1の「今後の指定難病の選定に関する検討の進め方について」を御覧ください。

 今後の指定難病に係る検討に向けた整理についてです。平成29年度の実施分は、研究対象疾病のうち、検討の時点で指定難病に該当しない全ての疾病を対象として検討を行ってきましたが、627日の指定難病検討委員会での議論の結果、平成30年度実施分からは方針を変更し、指定難病の検討に資する情報が整理された疾病を検討対象とするとされました。この変更に伴い、研究班や、日本小児科学会の皆様の検討のために情報を整理する作業の負担を軽減し、効率的かつ丁寧な検討につながると考えております。この方針にのっとり、630日に、平成30年度実施分の指定難病及び小児慢性特定疾病の追加要望の募集を、研究班及び日本小児科学会に依頼させていただいております。以上です。

○千葉委員長 ほかに何か追加、御意見はありますか。よろしいでしょうか。本日、議題は2つありました。1つ目は、いろいろ御報告いただいた中で、特に軽症患者の登録の問題点の御指摘がありました。2つ目は、いろいろ御意見を頂いて、これを基に更に御検討いただきたいと思います。

 それでは、どうもありがとうございました。

○徳本難病対策課長補佐 どうもありがとうございました。それでは、5分程度の休憩後、引き続きこの会場にて、小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会との合同委員会を予定しております。事務局からは以上でございます。

(休憩)

(第49回 難病対策委員会・第19回 小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会【合同開催】)

○徳本難病対策課長補佐 ただいまから、第49回厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会と、第19回社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の合同委員会を開催します。委員の皆様にはお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日の合同開催は、第45回難病対策委員会におきまして、五十嵐委員から移行期医療に関して両委員会が合同で議論することの要望を頂いていました。その件につきまして千葉委員長の了解の下、本日開催させていただきます。委員会開催に際しまして、福島健康局長より御挨拶申し上げます。

○福島健康局長 健康局長の福島です。委員の先生方には大変お忙しいところ、また梅雨時の非常に蒸し暑いところ、御参集いただきましてありがとうございます。また、日頃から難病対策及び小児慢性特定疾患対策のみならず、健康行政全般につきまして御指導を賜り厚く御礼を申し上げたいと思います。

 難病の医療提供体制の在り方につきましては、難病対策委員会で御議論いただいた結果、昨年の10月に報告書を取りまとめいただき、今年の4月に手引きとして各都道府県に通知をいたしました。これを踏まえて各都道府県において、平成30年度に向けて新たな難病の医療提供体制の検討がなされていると考えています。この移行期医療に関しましてはその通知の中で、小児慢性特定疾患の支援の在り方に関する専門委員会での御議論を踏まえて別途通知をするとしましたが、この難病対策、それから小児慢性特定疾病対策、それぞれの観点から御議論を頂いたほうがよりよい御議論が頂けるのではないかと考えまして、本日は合同での開催という形で持たせていただきました。両委員会の委員の先生方に御検討いただきましたことを踏まえて、更に私どもとしては都道府県向けの移行期医療に関するガイドを作って周知をしていきたいと考えていますので、是非、先生方にはこれまで同様に精力的な御議論を頂きますようにお願い申し上げまして、合同委員会の開催に当たりましての御挨拶とさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○徳本難病対策課長補佐 本日の委員の出席状況です。駒村委員、鶴田委員から欠席の御連絡を頂いております。なお、石川委員からは少々遅れると連絡を頂いております。カメラの撮影はここまでとさせていただきます。本日の進行は、難病対策委員会の千葉委員長にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。それでは、以降の議事進行を千葉委員長にお願いいたします。

○千葉委員長 よろしくお願いします。それではまず資料の確認をお願いします。

○徳本難病対策課長補佐 資料の確認をいたします。本日の資料は、資料1「移行期医療における連携の推進のためのガイドの作成について」、資料2「小児慢性特定疾病児童成人移行期医療支援モデル事業について」、参考資料1「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」、参考資料2は、平成29414日付けの「都道府県における地域の実情に応じた難病の医療提供体制の構築について」の通知です。参考資料3「小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な方針」です。資料の欠落がありましたら事務局まで御一報ください。

○千葉委員長 よろしいでしょうか。それでは今日は、難病対策委員会と小児慢性特定疾患の専門委員会の初めての合同委員会開催となります。小児から成人への移行に関してはいろいろな意味で重要な事柄を含んでおりまして、皆さんで一緒に議論することが非常に大事だと思いますので、よろしくお願いします。したがいまして、移行期医療の内容について是非、活発な御意見を頂きたいと思います。まずは、移行期医療における連携の推進に関するガイドについて事務局から御説明をお願いします。

○遠藤難病対策課長補佐 よろしくお願いいたします。それでは資料1を御覧ください。「移行期医療における連携の推進のためのガイドの作成について」です。1ページ、移行期医療の課題として、平成26年に小児科学会からの提言を抜粋しております。提言の背景としまして、近年の小児期医療の進歩により多くの命が救われてきた一方で、原疾患が治癒に至らず持続したり、合併症が長期に継続したりしながら、成人期を迎える患者さんが多くなってきております。そして、継続診療が必要となっている場合、成人期医療への移行がふさわしい時期になっても、医療体制が整っていないために、あるいは本人の準備が整わないために、成人期医療への移行が円滑に行われないことがあると記載されております。医療体制上の問題点と課題として、患者教育、成人診療科医師の小児慢性疾患に対する知識・経験の蓄積、小児科医と成人診療科医師との連携、生殖医療、知的障害・発達障害を有する患者への対応が挙げられております。

2ページ、こちらは平成18年とやや古い調査になりますが、小児慢性特定疾患であった患者さんの20歳以降の通院先の調査です。18%が引き続き小児科を受診しており、疾患群別に見ますと膠原病、慢性心疾患、先天代謝異常では約40%がそのまま小児科に通院していることが分かりました。

3ページ、参考資料1の難病法に基づく基本方針における移行期医療に関する記述からの抜粋になります。国は移行期医療の連携を推進するためのモデル事業を実施し、都道府県、指定都市及び中核市は、これらの連携の推進に努めると記載されております。また、参考資料2、昨年度の難病対策委員会での御議論を頂きまとめた報告書を基に、今年の414日に「都道府県における地域の実情に応じた難病の医療提供体制の構築について」として都道府県宛てに手引きを発出しておりますが、その中で移行期医療の部分については、小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の検討の結果を踏まえ、別途通知することとするとしておりました。

4ページ、こちらは児童福祉法に基づく小児慢性特定疾病の基本方針の記述からの抜粋になります。国は移行期医療についてモデル事業を実施し、更にそれを踏まえ必要なガイドを作成し、都道府県等や医療従事者に周知するとあります。また、都道府県等はそのガイドを活用し、連携の推進に努めると記載されております。そこで本合同委員会では、この後、賀藤委員からモデル事業の報告を頂きますが、それを踏まえ、都道府県等が活用できるガイドについてどういったものを作成して周知していけばよいか、委員の皆様から御意見を頂ければと思います。

5ページ、モデル事業のポンチ絵になります。事業自体は平成27年度から開始しております。円滑に連携するためのツール等の開発や研修を行っていただき、その実証により移行期医療のモデルの構築、またそれらを通した課題の把握を行っていただきました。資料1の説明は以上です。

○千葉委員長 ありがとうございます。これはガイドの作成についての説明をしていただいたわけですので、特にここに御議論いただくことはないと思いますが、御質問等ございますか。よろしいですか。そうしましたら引き続き、資料2について国立成育医療研究センターの賀藤委員より御説明をお願いします。

○賀藤委員 成育の貨藤です。資料2を御覧ください。1ページから御説明をいたします。

1ページ、このモデル事業に参加していただいたおよそ7組の病院の紹介です。また後でこの病院名は出てきますので御覧ください。

2ページ、移行期医療の概念図と表しておりますが、2014年に小児科学会がステートメントの1つとして出した概念図です。一番大事なのはこの表の下から3つにありますように、小児診療科から成人の診療科へ移行するパターンを大きく3つに分けております。1つは、小児診療科から少しずつ併診をしながら成人診療科へ移っていくタイプ。あとは、小児診療科ではずっと大人になっても診ざるを得ないですけれども、やはり成人の病気は小児診療科はよく分かりませんので、成人の診療科と共同して小児科、成人科が一緒になって患者さんをケアしていくタイプ。あとは、これは成人科でなかなか難しい場合もありますので、患者さんにとってはいろいろなことを考えた末で、小児診療科で頑張って成人まで一緒に診ていく形。およそこの3パターンがあるのではないかとまとめてあります。また後で説明します。

3ページ、ここにありますように、移行期医療支援とは何ぞやということです。先ほど申し上げましたように小児期の小児診療科から成人の診療科へ、患者さんが大人になったから、では次は、今度からは成人診療科へ行って、お願いねとは簡単にいかないといういろいろな問題があることを示したものです。これはアメリカの資料を基にして作成したものです。まず、大人になって診療科へ移行する場合は、ある程度12歳前後からきちんと患者さん、又はその御家族と病気についていろいろ一緒に学んでいく。小児期の患者さんがきちんと自分の病気のことを理解し、それでもってきちんと自分で説明していく。自立に向かっていくことをきちんと育てあげていって、それでやっと成人診療科へ行くことができるのではないか。いわゆる診療科をパッと切って移行できるのではなくて、移行するためにはそれなりの準備が必要だということを書きました。

4ページ、ここにおよその移行期医療支援の考え方をまとめました。最初に申し上げておきますが、この問題は日本だけの問題ではありません。2002年にアメリカでは小児科学会、内科系の学会、あとはファミリードクターの学会が共同ステートメントを出しました。小児期の移行医療をきちんとしていかなければならないので、我々は協力していくというステートメントを出しております。約十数年遅れてやっと日本も動き出したということです。

 ですので、移行期支援に関しましては、きちんと小児期の病況に対応できる成人期の診療科があるかどうか。ないならないで整備していくという医療体制の整備。あとは、紹介するまでの患者さんたちのきちんとした自立に向けたリテラシー、患者さんが自分で自分の病気を説明できるようにする自立支援という2つの課題があります。ですので、医療体制をどうやって整備していくか。あとは、患者さんの自立支援にはどのくらいの支援制度が必要なのかをこの事業ではやってまいりました。自立支援といっても個人の患者さんだけの自立支援ではありません。社会的な就労関係もそうですが、その患者さんが自立してきちんと社会の一員として暮らしていけるようにするためには、患者さん自身の教育だけではなくて、社会的なサポートも必要だとして整備していく方向にならなければならないということが基本的な考え方です。

5ページ、ここに書きました「ガイド」という言葉を使っておきますが、これは2つです。アメリカの母子保健局(Matermal and Child Health Bureau)が主に後援して作ってきたものを訳したもので、それを参考にしております。移行期支援は患者さんの診療科、診療にかかわらず全ての患者さんに共通なガイドが必要だろうということです。あとは、その病気特異の支援制度、どのような形で支援していくかが必要だろうということで、2つに大きく分かれます。

6ページ、アメリカでは、6 core elementsが移行の指標、ガイドとして作られているのですけれども、このプログラム、モデル事業で参考になるかと思いまして、ガイドを作る場合の参考資料として翻訳している一部をここに掲げさせていただきました。

7ページ、疾患特異的に支援していかなくてはなりませんので、今、小児医科学会の各分科会に依頼して、各疾患別におよそ可能な範囲で、患者さんが大人の診療科に行けるような形でのガイドを依頼している最中です。

8ページ、今、申し上げましたように、小児科の各分科会、外科系の学会が移行のためのガイドを作って、だんだんと形にしております。例えば小児外科学会、左側がそうです。右側2つは小児腎臓学会と日本腎臓学会で一緒に作っていただいたガイドです。

9ページ、例えば、都立小児医療センター、九州大学病院、長野県立こども病院が独自で移行のための支援ツールを作ったもので、代表を少し掲げました。

10ページ、九州大学がきちんとトランジショナル外来を設けていますので、例として挙げました。

1112ページ以降は、施設によって、置かれた立場で移行のためのやり方が少し異なるものですから、それをパターンという形で例示させていただいております。例えば小児病院、国立成育医療研究センター、私どもの病院はスタンドアローンの小児病院ですので、どうしてもほかの病院、大きな病院に御紹介せざるを得ないことになっております。ですので、これは今のところ、ナショナルセンターの1つである国立国際医療研究センター等にお願いしまして、そこで今、移行できる人とできない人がありますが、移行できる方はお願いできないかということで少し一緒にやって考えている最中です。東京都立小児は隣に多摩医療総合がありますので、そこで一生懸命やっているということです。

12ページ、例えば福岡市立こども病院の循環器ですと、やはり九大で全部移行。これは100%九大に移行しているパターンです。同じ医師のグループなのでこういうことができる。長野県立こども病院も信州大学とやっていくということで、ここもきちんと移行していく形です。ここの特徴は、お互いに外来をやり合いながら、それでもって患者さんの移行に対応しているところだろうと思います。

13ページ、これは逆に言えば、施設の中で小児から成人に移行できるパターンです。国立循環器病研究センターがそうですし、九州大学は逆に言えば小児科から成人診療科、東京大学も同じだろうということで、全てが必ず100%できるわけではありませんが、こういう形でやっていけるパターンです。

14ページ、個別移行パターンと書いてありますが、医療的ケアを必要とする、在宅ケアを必要とする方々がたくさんいらっしゃいまして、在宅ケアをしていただく地域の開業の先生は万が一のときに救急外来に行けるような総合病院、大きな病院との連携がどうしても必要です。ここになった場合はこういうパターンも必要になってくるということです。

15ページ、移行支援が必要な患者さんが一体どのくらいいるのだろうかをスポット的に調査しております。2016年から1年間、1617ページに掲げました5つの病院で、通院患者さん、入院患者さんで年代別の患者さんを調べております。18ページに結果をまとめてありますが、20歳以上が通院患者で2.57.2%、1419歳が15%弱です。全体で入院患者は0.93.7%が20歳以上で、1419歳が5.09.3%ぐらいいたと。人数で言いますと、通院患者は20歳以上で継続受診している患者は、5つの病院では4,800人、移行期支援対象者数は1419歳では11,700人程度です。

19ページ、成育は小児慢性特定疾病の医療データが全て集まってくる所です。これは小児総合医療施設協議会の36施設の平成25年度のデータで、小児慢性特定疾病の医療意見書からはじき出した数字です。19歳までですが、15歳から少しずつ、どんどん意見書自体の数は減っているということが出ています。これはどういうことかというと、成長ホルモンの人たちが、だんだん申請しなくなったりする影響もあるかと思いますが、数でいくと、15歳以上の約4,000人弱ぐらいが小児慢性特定疾病でいることになります。

20ページ、これは成育だけですが、移行できないのだろうか、移行できない理由は何かあるのかと思って少し調べさせてもらったものです。2016年時点で20歳以上だった患者さんが1年後にどのような形になっているかを調べてみました。ですので、65.4%の人が1年たってもまだ病院に、約90%ぐらいの人がまだうちの病院に、20歳以上の人がいたということになります。ここで単純に1つの診療科だけにいるのであれば移行しやすいのかもしれないのだけれども、まだ移行していないというのは何なのだろうかということで、この65.4%の人の移行できない理由を探っております。

 それが21ページ、理由が幾つかあったのですが、単純に1つにしたいために、これがあったので移行していませんということを分けて右側にいろいろ理由を書いています。一番多いのがやはり「現在、状態が安定しているのでもう少し様子を見ている」というものでした。次が、成人科の医師の経験が少ないのでなかなか移行できない。タイミングを見て移行とか、病状も不安定とか、いろいろ書いたものがあります。

22ページ、こういうことで都内の小児病院に移行をお願いしている場合、成人の先生方からお聞きすることをここにまとめていろいろ書いております。やはり診療科がない。あとはフォローを一緒にしてほしいとか、重症すぎる場合は病院機能として限界があるとか、診療経過がないのでなかなか難しいとか、こういうことが書いてあります。

23ページ、医療的ケアを必要とする人たちが移行していく場合にどういうものかということで、これは世田谷区医師会、玉川医師会に御協力をお願いしてアンケート調査をした結果です。大抵は結構な先生方が大丈夫、診てくれるよということで頑張ってくださるのですが、やはりそれなりの不安があって、ここに書かせていただいた4項目ぐらいが何とかしてほしいという医師会の先生方からの御意見です。

24ページ、移行できない場合はどこに原因があるのかです。これは患者さん側のことですが、小児科というのは、親御さんに説明するので、患者さん本人への説明の機会がなかなかなくて、一番はヘルスリテラシーの欠如です。なかなかうまくいかないということです。あとは、小児科の先生と患者さんと患者さん家族とのつながりが、ものすごい信頼関係がありまして、逆に言えば障壁になっている可能性があります。小児科のお医者さんからすると、最初からあきらめているということもありますし、自分しかこの患者は診れない、まあ僕は思い込みだと思いますが、そういう人たちもいます。成人科の先生はどうしても先天性の病気になりますと診たことがありませんので、自信がない。知的障害等の方々ですと慣れていないので不安だということがあります。

 ですので25ページ、今まで申し上げましたような問題があるということで、移行期支援のモデル事業では、26ページからずっと続くホームページを立ち上げておりまして、ここで記載しましたように各参加した病院で行っている事例のガイドとか、内容とか、あとは最後のページになりますと各小児科の分科会というものがありまして、疾患ごとのプログラム、移行支援のプログラムを全部できた順番からここで掲載して、何とかこれにうまくいくような形で整備している最中です。

 最後30ページ、まとめますと移行期医療には2つあります。1つは全体的な社会的な整備。あとはものが必要で、それは具体的な体制整備。連携手続等はきちんとまとめて行政的なことをお願いしなくてはいけないのかと。あとは患者さんサイド、全体の全ての患者さんに共通するもの。あとは疾患特異的なものの支援ツールを作成していく。今、行っている最中です。どうしても小児科医の学会だけでなくて成人の先生たちの学会の御協力がなくては絶対にできませんので、その辺の理解を得る努力もしなくてはいけませんし、逆に言えばなかなか、そうはうまくはいかないときもありますので、その方々へのケアもきちんと書いていかないといけないと思っております。

 最後に大事なことは患者さんが今度、本当に経済的にも自立できる、社会の一員として生活できるような体制整備もきちんとしていかなくてはならないということを重要な問題として考えております。以上です。ありがとうございました。

○千葉委員長 ありがとうございました。移行期医療における連携の推進のためのガイドの作成ということで御説明いただいたわけですが、正直、私もこういったお話をお伺いするのは初めてであり、小児科側でこのような検討をされていて、これは正に小児科の先生方とか小児科側だけでお話されていたのでは、多分話が進まないと思います。今日は難病対策委員会の委員の方々も一緒になっておられますので、是非、いろいろな御意見等々を頂きたいのですが、いかがですか。

 ですから、これはこういうモデルケースとして走っていただいていて、基本的には特定の病院から特定の病院へという形で組まれているわけです。最終的にはこれを全国レベルで展開していかなければならない。その1つのモデルケースということですので、このモデルケースについての御議論を頂くと同時に、多分、どのようにすればこれを全国レベルにもっと広く展開していけるかと、そういう方策についても御議論を頂く必要があると思います。ということで、いかがですか。いろいろな御意見があると思いますが。

○森委員 難病も小児発症の方も多くおられますので、とても重要なことだと思います。3ページの移行期医療支援ですが、この図では12歳前後くらいから、患者さんへの周知・理解が始まっているように書かれております。既に発症したときから患者となりますと、例えば全身性エリテマトーデスでしたら、紫外線を避けなければいけないとか、薬を飲まないといけないとか、関節の痛みなどがあると走れないとか、ムーンフェイスが起こってしまうことなどもあります。集団生活が始まるときからほかのお子さんと違うといったところが、保育園などでも起こっており、いじめにつながっているケースが、私どもの患者団体にも相談が寄せられています。やはり幼稚園や保育園、また学校の先生方の理解や対応が大きく関わってくるところでもあります。そして患児の年齢に応じた、また理解度に応じた、疾病の説明や必要な知識など治療に向けて一緒にやっていこうというところは非常に大事だと思いますので、発症から資料の12歳までの間も、何らかの形で書き込んでいただきたいとも思います。

24ページの移行医療の障壁で、患者側の要因が挙げられております。この障壁を解消する方法として、先輩患者さんの話を聞くというのが、例えば特別支援学校などでもよく行われているのですが、これが非常に効果的でして、私どもも子供ながらにもピア・サポートというものも大切に養成しており、患者同士の話の中で相談をしたり、先輩の患者さんの話を聞くことは、患者本人にとって非常に参考になると思います。

○千葉委員長 特に子供に照準を合わせたときのいろいろな問題点を御指摘いただいたと思いますが、ほかはいかがですか。

○小幡委員 小児科にかかっている方が成人になるときに、当然できるだけスムーズに移行することが必要だということで、こういう話になるのはよく分かります。その中で、多少分からないのは、いろいろな障壁の要因の中に、例えば成育医療センターの21ページの成人患者が移行できない理由の中に、成人科医師の経験が少ない疾患がありますが、これは小児特有の病気であったから、最終的にもそこの専門の医師が成人後もずっとフォローをしたほうがよいものがあるという場合は、必ずしも移行しなくてよくて、小児科が診続けるのはこういうものだということを明らかにすればよいということが、モデル事業とかそういうものの中に含まれているのかという点です。

 もう1つ、24ページの移行医療の障壁で「強すぎる信頼関係があり」という患者要因があります。これはある意味では、よいことでもある信頼関係で、小児のときから信頼できるお医者さんに巡り合っていて、というのは、ある意味非常にプラスのものですが、それでも成人後、さらにかなり年を取ってもそこに通い続けるのは、医学的に患者さんにとってデメリットがあると考えるべきなのか。ということですが、私は法律をやっている者なので、基本的なことをお伺いしたいと思います。

○千葉委員長 その点は、賀藤先生、お話いただきたいと思います。

○賀藤委員 最初の御質問で、成人科医師の経験が少ない疾患だということです。これは、例えば先天代謝異常は生まれつきの病気で、新生児から出る。これは全く成人期には発症しない病気ですので、成人の先生は全く分からないことになります。ですので、逆に言えば、そういう疾患の場合は、あえて成人の先生に診てくださいというよりも、これは小児科のお医者さんです。あとは、それ以外の成人期の疾患を、例えば生活習慣病とか、そういうのは全然分かりません。成人期で何かあった場合は困りますので、成人の先生と一緒に診させていただかないと、不安になるところが出てくるのではないかと思います。ですので、これは無理をして成人期に移行しなくてはいけないというものではありません。成育のほうでも書いたのですが、私たちはその患者さんにとって一番いい診療体制は何かということを患者さん側ときちんと相談して選択するということですので、強いることは全くないということです。

 あとは、24ページの信頼関係です。例えば、小児慢性特定疾病で成人でもある後発性、後天性、先天性ではない病気で、それで小児科の先生がきちんと一生懸命やってみえて頑張ってきた、でも成人でもたくさん経験のある先生もたくさんいらっしゃって、同じような病気を診ている先生がいらっしゃったら、どうしても成人以降は成人の先生方にかなわない部分が出てくることがあるのではないかと思っています。成人期に出てくる特徴的な病態、いろいろなことがありますが、同じ病気を成人のほうの先生がきちんと診られるのであれば、それで成人、304050歳になってきた場合は、それなりの考え方がありますので、それは小児科の先生は全然分かりませんので、それはどこかできちんと転科したほうがいい場合もあるだろうと思っています。繰り返しますが、患者さん、その御家族と一生懸命話合いしながら、その人にとって一番いい方法は何かということの選択だろうと思います。

○小幡委員 分かりました、一応、確認したかったのです。そうすると、2番目の場合は、正に移行がうまくできるようなシステムを整えることが大事だということですね。

○井田委員 私は正に今話題になりました先天代謝異常症の専門家です。資料の2ページに図で小児期医療からの移行パターンがいろいろ書いてあります。1は完全に成人診療科に移行するパターン、2は両方で診ていくパターン、3はずっと小児科で診ていくパターン、というように3つのパターンがあるのです。例えば先天代謝異常症は、確かに疾患自体は小児科医しか診られないのです。ただ、その方が50歳になって、卵巣機能不全になったり、胃がんになったり、高血圧になっても、小児科医にはそういう知識はありません。

 ですから、先天代謝異常症であっても、一部の医療は成人診療科に補完していただかなくてはいけないのです。そういう意味で、多分100%ずっと小児科というわけにはいかないのではないかと思います。移行期医療は疾患や患者さんによりパターンがいろいろあると思います。御家族とよく相談しながら、どういうパターンがベストかを見付けていくことが臨床上重要なことだと思います。そしてパターン毎の医療体制の整備が本会議の大きな課題だと思います。

○千葉委員長 よろしいですか。これは私から思っても、多分、疾患によって異なるのでしょうね。ですから、最初のガイドの作成についての2ページを見ても、一番上の膠原病がどうしてこういうふうになっているのかは、私自身もよく分からないところもあるのです。例えば、糖尿病などは、小児の糖尿病は非常に大きく異なるものではないので、割と移行しやすいから、一番下に来ているのだと思うのです。今おっしゃられたように、例えば先天代謝異常などの場合だと、内科医で専門の方は非常に少ないこととか、いろいろな要因があると思うのです。ですから、ケース・バイ・ケースと言えばそうですが、疾患ごとにある程度のガイドが必要かと私自身も感じています。

○小林委員 小林といいます。今の小幡先生の信頼関係のことです。これは家族側にも患者側にも原因があると思いますが、医療側にも、両方に原因があると私たちは思っています。信頼が強すぎるというのは、ある意味とてもいいことですが、逆に今度信頼が強すぎることによって、例えば大きくなっていったときに、医師が親御さんに話をすることが1つあるのです。子供さんに話をしないために、これは小児科でよくトラブルになります。井田先生などはよく御存じだと思いますが、小児科では子供さんが自分の医療の説明を、自分の医療の決定に自分が関わらないで、親が全部決めたということで、よく医師や親とのトラブルになるケースが珍しくなくて、とてもたくさん見られると思います。

 もう一点は、今申し上げたように、例えば小児科医は親に対してよく説明をするわけですが、今度、内科に変わったときに、内科医は親が付き添って診察室へ入ってきても、親の顔は見ないで、子供さんに、患者さんに説明するわけです。そうしますと、今度は親御さんと医師との間にトラブルが起きたりということがよく見られたりします。こういう報告はよく聞くのです。

 もう1つは、小児科医が患者をなかなか手放さない。それは小児科医としては、患者さんをとても心配して、中には井田先生のように正直な方もいらっしゃるし、私はずっと大人の病気を診られるんだと、そういう方もいらっしゃったりするのです。診られないとは思いませんが、よく話を聞くのは、手放さないでずっとその患者さんを診ていると、こういう報告もよく聞いたりするわけです。冒頭にあったように、この3つのパターンがあると思います。私は小児科学会のワーキンググループにも参加させてもらってこの提言をまとめた中の1人だったのですが、パターンとしては、病気によってとか一人一人のケースによっていろいろなパターンが出てくることに配慮が要るのだなという印象を私たちは思っています。

○千葉委員長 正に内科と小児科では、説明する相手が変わってきますね。

○羽鳥委員 日本医師会常任理事で内科の羽鳥と申します。先ほど移行期医療において3つのパターンがあるという話がありましたが、循環器ですと、九州大学では、ACHD外来があり、子供の先天心の治療後も、成人の循環器外来で深慮をする、そういう外来もあると思うので、他の疾病についてもそのような診療体制も可能だと思うので、モデル事業として示すのも大事ではないでしょうか?

 小児科だけで4050歳の方を診ていくのは、何か不自然なのかもしれないので、もともと診ていた先天異常が得意な小児科の先生と、生活習慣病を診る大人の外来の先生の2人で診ていくという体制もあると思うのです。その辺をまた御検討いただければと思います。

○大澤委員 私は小児科で筋ジストロフィーの患者を多く拝見していますが、実際には2のパターンで拝見しながら、成人とも相談しながらみたいな部分もあるのです。例えば大きい病院で成人科と小児科が一緒に1人の患者さん、例えば脳出血を起こされて、成人の神経内科に入院されるなり、脳外科に入られるなりして、そのときに基礎疾患については、小児科のそれまでの主治医にコンサルテーションがあって、その小児科側も拝見する併診ということも起こるのです。実際、入院においては、2つの科が1人の患者さんの入院中に拝見することに関しての医療システムといいますか、医療経済的なバックアップは、今は特にないのです。ですから、できればそういうものもあったほうが良いと思います。

○千葉委員長 移行におけるバックアップということですね。

○及川委員 私は小児看護を専門にしている者なので、その立場からお話させていただきたいと思います。自立支援をしていく上では、今は医療が中心になってお話されていますが、子供たちが自立していく上では、もちろん身体的な部分だけではなくて、心理的・社会的な部分も含めて大人になっていくことを考えますと、そこに支援する者が、もちろん医師だけではなくて、ほかのスタッフたちも入っていくのだろうと思うのです。そうした場合に、今回、このプログラムというかガイドを作成する過程においては、どういう方々が入ってプログラムを作成していっているのかを聞きたいのが1点です。

 それから、もちろん小児医療の中でずっと診ていかなければいけない患者さんたちも、中にはいらっしゃるかと思うのです。ただ、そうしたときに、小児看護をしている者は、対象は子供という形で見てしまう。ですから、それが多少年齢が上がっていったときにも、相手をきちんとした大人として扱うかどうかに関しては、小児看護の中でもその辺をきちんと教えているわけでもありませんし、今、そういう形でやっている人たちは少ないかと思うのです。

 そうしたときに、大人の人たちが、大人の看護師がそこに入ってくることによって、大人としての扱い。扱いという言い方はおかしいのですが、どういうふうに患者さんに大人として対応していくことが必要かということを、教えてもらうというわけではないのですが、そういう対応の仕方をきちんとやっていかないと、自立を促していく、又は大人になっていった人たちに大人としての医療であったり、社会生活であったり、そういうことを含めて支援していくことは難しいのではないかと思うのです。ですから、看護だけではなくて、もちろん福祉面であるとか、そういうことも含めて是非検討していただきたいと思っています。

○千葉委員長 今の御意見は、治療の話が少しあったわけですが、それに加えてそれを取り巻く、特に看護師をはじめとするコメディカルの方々の関与は、このガイドの中でどうなっているかを、まず1つあったらお願いします。

○本田()委員 この移行期の教育の観点から考えますと、高校を卒業して進路を変えていくときに、場所を変わっていくことがあります。うちの学生でも小児のときからの病気を持っていて、それでうまく適応していって、新しい環境でやっている子もいれば、うまくいかなくて結局やめてしまう子もいるのです。移動がどうしても出てくる大学移行期の辺りの子供さんというか、青年期になってくるような方々に対しての医療のつなぎ方が、先ほどのモデルだと地域の近い所の大学病院だったのですが、広い関係での移行の連携の持ち方は、学会とかいろいろな委員会でも御検討されていると思うのですが、その辺りの連携の取り方は、何か方向性は見えてきているのかというのをお伺いしたいのですが。

○賀藤委員 まず移行に向けて医師が医療以外でどういうことをやっているかは、例えば111213ページに各参加した施設のパターンを書いているのですが、その中に「移行支援外来を設置」と書いてあります。これはわざわざ作っています。というのは、この移行支援外来の主人公はナースです。医師は診察に追われていますので、そこまでなかなか行きません。それに、自分の悩みは大抵医者には話さないので、私どもの施設でもそうですが、きちんと移行支援外来を作って、その担当のナースがまずは悩み事を聞いたりとか、いろいろなことでやっていきます。そこで大抵11時間掛かります。

 ですので、限られた人数しかまだできていない。そこで受診したときに、その予約もきちんとしてもらう形でやっていく。限られた時間ですので、何年も掛けて、結局は成人期に移行するために、きちんと自分の病気の理解とか、いろいろなプログラムをして、何歳まではこのくらい、何歳まではこのくらいと、細かくプログラムを作っていきます。それで先生がおっしゃったような形で、成人して自立していく形できちんと教育しながら移行していって、今この人はこれができる、あれができる、これもできると。だったら移行適合先を見付けて、できるねというところまで持っていくプログラムを今考えております。だから、結構大変です。ということで、そういうことも含めてのプログラムですので、そのガイドラインをきちんと筋道を立てたものを作ろうと思っています。それは疾患に関係なくです。ただ、今度は疾患別になりますと、それは疾患ごとなので、これはまた別のほうで言わなくてはいけないと思っています。

 あとは、本田先生から言われたことですが、なかなか難しい問題です。多分、一番進んでいるのは、成人先天性心疾患だろうと思います。術後の成人先天性心疾患の一番嫌なのは不整脈です。不整脈は重症不整脈ですと、大抵突然死します。あとは心不全が悪化してくる、弁が駄目になってくることが最近分かってきましたので、今、日本循環器学会が中心になって各施設基準を作り、手を挙げてくださいということをやっています。今、全国で36施設の大きな病院が手を挙げて、成人先天性心疾患を診ますと。その中には産科があることや、精神科があることとか、女性の場合はやはり妊娠した場合のことも大変重要なことになってきます。あとは、小児循環器があること、先天性心疾患の手術の実施者がいること、不整脈の専門家がいることなど、いろいろな細かい基準を設けていますが、36施設が手を挙げてくれています。こういう病気のこういう人は、ここに行けば診てくれますというマップを付けておきます。ですので、それは1つの例かと思います。

 そこまでできるかどうかは別にして、そういう形で地域をまたぐ形の連携はしなくてはいけません。多分疾患ごとにいろいろなことが変わってきますので。ただ、たまたま先天性心疾患は日本循環器学会、小児循環器学会の人たちが全部入り込んで作ったものですからうまくいっていますが、疾患ごとに全部特色が全く違ってきますので、それは各々の専門家の先生方が、今後考えていただかなくてはいけない大きな問題だろうと思っています。

○石川委員 すみません、遅れまして大変失礼いたしました。私は日本医師会で小児科の部分を担当しています。羽鳥先生は内科で、私は小児科で循環器をやっているのですが、大変厳しく年齢制限をしている小児病院で勉強していました。先ほどありました筋ジストロフィーのデュシェンヌ型の方などは、ちょうど15歳を前後に大変危機的になります。移行ということで、ほかの成人の所に行きなさいとかなり無理やり言われて、親も子供も大変悲しい思いをしたというのは30年ぐらい前の話ですが、そういうことがありました。

 その後、中小の病院で小児科をずっとやっているのですが、そこで出てきたのは、要するに自閉症も含めて障害を持った子供たちもやはり大きくなりますので、この子供たちを診ていって、大人の病気とかそういうのになると、内科とか外科の先生にお願いするのですが、実に扱いは下手です。特に自閉のお子さんとか、障害を持ったお子さんに対しての扱いは、やはり今まで診ていた小児科の医者が関わらないと、どうしてもコミュニケーションが悪くなります。私は今はやりのファーストということで言えば、患者ファーストでその疾病に合わせて、年齢に合わせて、いっぱい疾病も変わりますので、そこでいくべきが方針だと思います。ですから、診療科が混合であってもいいし、余り基準を決めずに患者さんの病態、そういったものに合わせて、家族、子も含めた同意をもっていろいろ医療を当たっていくのが一番大事だと考えます。

○千葉委員長 今、小児科からの御意見が多いのですが、内科側からはいかがでしょうか、何かありますでしょうか。私も内科ですけれども、正に疾病によって違うのですが、併診というのが何となく好ましいのかという気はします。ですから、大人のほうに移行されてきた方も何らかの形でもともとの小児科の先生の所に一部足を根差しておいていただいて、一緒に診られたら一番いいと、これは内科の医者からの印象としては思います。

○坂上委員 坂上と言います。賀藤先生から成人先天性心疾患の話が出ました。昨日勉強する機会があったのですが、成人先天性心疾患を診ますと手を上げている医療機関が全国に36施設あるのですが、多くは東京にあり、地方にはほとんどないという現状があります。地方でも診てくれる医療機関を増やしてほしいです。先天性心疾患の患者さんは子供のときにいったん良くなって、病院に行かなくなるが、大人になって状態が悪くなり、あらためて病院を探さないといけないという事態もあります。その場合、どこで診てくれるか、ホームページでチェックすることができる、成人先天性心疾患の取り組みは、とても、ありがたいと思います。ほかの難病でも同じような事態はあると思うので、ある程度大人になってから、あらためて病院を探す場合、どのような病院が受け入れてくれるのかについて、国民が知り得る仕組みを作ってほしいと思います。

 もう一点要望なのですが、成人移行期医療において在宅診療という視点は、とても大切だと思います。14ページに個別移行パターンの中に在宅診療医が書かれてあります。例えば人工呼吸器を着けた症状が重いお子さんなどの診療の場合、子供の頃から在宅診療をしていただけるお医者さんがいると、とても心強いです。しかし、残念ながら難病患者の在宅診療を行っている医師は少ないので、是非ともそこを充実させてもらいたいです。成人移行期に考えると、在宅診療の先生が要となると思うのです。医療だけではなくて、学びの場や社会との接点をどうするか、などについては、地域の開業の先生や在宅の診療の先生が情報や知識を持っていると思います。

また、子どもを診ている病院から大人を診ている病院への引き継ぎは、書類だけによるものではなく、医療スタッフ同士が顔を合わせて行ってほしいと思います。患者や家族がどのような問題を抱え、それを解決するには、どのような支援が必要か、など、しっかり話し合ってほしいと思います。

○千葉委員長 ありがとうございます。大分時間がなくなってきました。ちょうど今御意見を頂いたポイントですけれども、これはモデルケースとしてしておられるわけで、基本的には大きな病院の小児科から内科へ、あるいは比較的大きな病院から大きな専門病院へというところでのモデルの提示がなされているようにも思います。これを最初に申し上げたように、いかに全体に広げるかというところで、そこが非常に大きなポイントになると思いますけれども、それについては、賀藤先生、御意見といいますか。

○賀藤委員 診療体制の整備については、やはりこれはきちんと行政側にもある程度はお願いせざるを得ないところがあるかと思っています。先ほど言っていました、どこが診てくれるのかも含めて、各地域できちんと話し合う場を設けていただいて、その音頭を取っていただくのは、やはりどうしても行政側にお願いする形を今考えてはおります。あと、それに向けて自立支援も大変重要なものです。これは逆に言えば、九大の方がありましたけれども、九大病院には自立支援の方が行っていらっしゃるのです。ちゃんとその人たちのことを含めて、就労支援も含めて、それをしないと、なかなかうまく行かないのです。そこも含めてお願いすることも今考えております。

 もう1つ、追加なのですが、先ほどおっしゃいました在宅のケアなのですが、私たちの所は地方もそうなのですが、小児科のお医者さんよりは内科の方々のほうが大変積極的でいらっしゃいます。最初は小児となると人工呼吸器が着いてちょっと戸惑うのですが、一緒に診ていって慣れますと、皆、一生懸命やってくださいます。内科の先生が一生懸命やってくださるので、そっちのほうがスムーズに行く可能性が高いかと思っています。

○千葉委員長 この点に関して、今の辺りでいかにモデル事業を広げるかというところでの御意見がありますでしょうか。これはこれからの問題になると思いますが。

○小林委員 今、賀藤先生からもお話が出たのですが、小児慢性疾病できていますので。小児慢性疾病では自立支援事業というのをやっていて、自立支援員が都道府県、指定都市におりますので、その自立支援員の業務の1つにもこの移行期支援を加えていただくことによって、自立支援員は一人一人の子供さんのサポートをやっておりますので、そんな取組も考えられるのではないかと思います。

○及川委員 移行期外来は私も存じていて、是非積極的に進めていただきたいと思うのですが、やはりそこを担う看護師の報酬といいましょうか、その辺をきちんと出していかないと、なかなか全国的に広げるのは難しくなる部分もあるかと思いますので、その看護師がどういう力量があれば、それができるのかというところも含めて、是非今回の検討の中に加えていただければと思います。

○千葉委員長 ありがとうございます。もう1つは、これはガイドラインの形態といいますか、どのような方向性でガイドラインを作ったらいいのか。先ほどのガイドなのですが、御説明では、総論があって、それぞれ疾患ごとの各論というお話を1つはされましたが、もう1つの問題として、対象者をどうするのか。医療ガイドを医療側だけのガイドとするのか、患者さん等のガイドも必要なのかといった辺りについては、何か御検討されておられるのでしょうか。

○賀藤委員 病気に関しては余りにも幅が広すぎますので、各専門学会にお願いしております。疾患に関しての医師側、患者さん側の気を付けることを含めて私どももよく検討します。また別途、移行期支援全体の共通項目、例えば移行期支援の外来のことや患者さんの側のことをやっていますが、疾患に関しては各学会でできる範囲でしか、まだ可能性はないかと思いますが、それはまとめていただくことにしたいと思っております。

○大澤委員 先ほど小林さんから自立支援のお話が出ましたけれども、実際には都道府県によっては医療費の負担を1か所の病院でしか認めてもらえないというのがあり、幾つかの病院にかかることが認められない現状もあるので、その点について特に移行期は複数の病院での医療費の負担を認められる状態を作っていただく必要があるかと思います。

○千葉委員長 それは重要ですね。小児科の先生は恐らく一括して診ておられるケースが多いと思うのですが、内科になってくると、この病気はこっち、この病気はこっちということになるので、他科に及ぶという問題が生じてくるでしょう。だから、そこら辺も1つのポイントだと思います。

○村田委員 難病に関しては幾つかの施設を認めている所が多いかと思いますが、1つの病院で、例えば私どもでほかの施設からの筋ジスの方を移行期医療する場合に、やはり1年ぐらいかけて、何回かはそちらの小児科の主治医にもいらしていただき、こちらの主治医と御家族と一緒にかなりの時間を取って、外来をするというようなことをします。私ども内科医にとっては、患者さんの御家族の信頼を勝ち取るのが一番重要なのです。そのためには当然、小児科の先生も一緒に来ていただいて、一緒に同じ意見を言わないと、なかなか信頼を勝ち取れない部分があります。そのときに今の診療費のことに関して言いますと、同一の日に1つの病気で2つの診療をしても、1つだけの1科診療報酬しか得られないので、それで1時間もかけて2人の医師が入ってもというような形になってしまうので、やはりそこには広める意味でもかなりの診療報酬を付けないと、現実的に動かすのは非常に難しいと思います。

○千葉委員長 大分時間がないので、簡潔にお願いします。

○安達委員 先ほど賀藤先生からありましたように、疾患別のガイドブックですが、現在、学校生活指導管理表というのがあります。これはお医者さんのほうで書いていただく主治医と学校との連絡帳的なものです。これを見て、学校としては教育上の配慮するべき点等を踏まえて、体育、あるいは食事、配慮を伴う学校行事等について行っております。今は心臓と腎臓、アレルギー、それと準じた形で糖尿病があるわけですが、こういう形で広げていただけますと、非常に学校サイドとしては助かります。是非、疾患別のガイドブック等を作成していただければと思います。

○春名委員 移行支援外来の自立支援で、例えば職場関係者に疾病の説明ができるように支援するとか、適切な自己管理ができるように支援することが課題となっているとのお話でした。これは大人の難病の方でも、医療提供体制の重要な課題となっています。医療機関では、治療の移行だけではなく、生活支援の体制の移行についても、子供のときから大人のところへと支援が移行できるような検討も必要ではないかと思います。

○千葉委員長 まだまだ御意見がおありと思いますが、そろそろ時間になってきましたので、一応、これで納めたいと思います。御議論を本当にありがとうございました。都道府県に対してどのようなガイドを作成するのかについて、いろいろな論点から御意見を頂いたかと思います。それぞれ疾病ごとに違いますので、一概にはなかなか難しいことがあろうかと思いますが、移行医療に関わる医療機能の情報の収集や提供、自立支援の提供などの機能が必要であるという点では皆さん御異論のないところであることで、一致を見たかと思います。事務局としましては、本日の議論を踏まえて、引き続き御検討のほどをよろしくお願いいたします。今後もこのような小児、成人との合同のディスカッションが継続して行えればいいと私自身としても感じた次第です。どうもありがとうございました。事務局から何かありましたら、お願いします。

○徳本難病対策課長補佐 それでは、難病対策委員会の次回の日程につきましては、決定次第、御案内申し上げます。小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会に関しましては、10分程度休憩の後、引き続きこの会場で第20回の委員会を開催いたしますので、お残りいただきまして、御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

○千葉委員長 どうもありがとうございました。私は内科でありますけれども、医師同士でいいましても、小児科、内科の連携は非常にこれからしっかりしなければいけないと感じた次第でございます。どうもありがとうございました。

                                    (休憩)


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会(疾病対策部会難病対策委員会) > 厚生科学審議会疾病対策部会 第48回、49回難病対策委員会 議事録(2017年7月5日)

ページの先頭へ戻る