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2017年7月6日 第1回職域におけるがん検診に関するワーキンググループ(議事録)

健康局がん・疾病対策課

○日時

平成29年7月6日(木)17:00〜19:00


○場所

田中田村町ビル 8階 8E会議室(東京都港区新橋2−12−15)


○議題

(1)座長選任について
(2)職域におけるがん検診に関するガイドライン策定について
(3)その他

○議事

○事務局 定刻となりましたので、ただいまより第1回「職域におけるがん検診に関するワーキンググループ」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 本ワーキンググループの開会に当たり、厚生労働省健康局長から御挨拶申し上げます。

○健康局長 健康局長の福島でございます。

 本日は大変お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 第1回「職域におけるがん検診に関するワーキンググループ」の開催に当たりまして、一言、御挨拶申し上げたいと思います。

 まず先生方には大変お忙しいところ、この構成員をお引き受けいただきまして、まことにありがとうございます。

 先日、国民生活基礎調査、平成28年の結果が公表されましたけれども、これは資料3にありますが、がん種にもよりますけれども、がん検診受診者の3〜6割が職域でがん検診を受けているという現状にありまして、職域におけるがん検診というのは国民のがん検診受診機会を提供する非常に重要な役割を担っていると言えると思います。しかしながら、職域におけるがん検診につきましては任意で実施されているということで、一定の基準がないことや制度管理が十分でないという御指摘もございまして、第20回のがん検診のあり方に関する検討会でもガイドラインを策定し、職域におけるがん検診を実施する際に参考とすることが望ましいとされたわけでございます。

 これを受けまして、職域におけるがん検診に関するガイドラインなどについて御検討いただくために、がん検診のあり方に関する検討会のもとに、この職域におけるがん検診に関するワーキンググループを設置して、まずワーキンググループにおいて十分に御議論いただき、それを検討会に報告することにさせていただいたわけでございます。

 委員の先生方には、ぜひこのがん検診の項目あるいは方法を初め、精度管理あるいは受診率の向上のための方策あるいは実態を把握する方策等々について、幅広く御議論をいただきまして、今後の職域におけるがん検診に関する施策に私ども反映させていきたいと考えておりますので、それぞれのお立場から有意義な御意見をいただきますようにお願い申し上げまして、簡単でございますけれども、冒頭の御挨拶にさせていただきたいと思います。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

○事務局 初めに資料の御確認をお願いいたします。

 まず初めに座席表、議事次第。

 資料1「『職域におけるがん検診に関するワーキンググループ』開催要綱」。

 資料2「『職域におけるがん検診に関するワーキンググループ』構成員名簿」。

 資料3「職域におけるがん検診に関するガイドライン策定に向けたこれまでの議論と今後の論点」。

 資料4「『職域におけるがん検診に関するガイドライン(仮称)』の策定に向けたスケジュール(案)」。

 参考資料1「健保組合のがん検診実施の現状」。

 参考資料2「全国健康保険協会におけるがん検診受診率の現状と問題点」。

 参考資料3「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(抜粋)」。

 参考資料4「健康診査管理指導等事業実施のための指針について」。

 参考資料5「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」。

 参考資料6「がん検診のあり方に関する検討会における議論の整理」。

 以上でございます。資料に不足等ございましたら事務局までお申し出ください。

 以上をもちまして、カメラをおさめていただきますよう御協力のほどよろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

○事務局 初めに、本ワーキンググループの開催要綱について御説明いたします。資料1をご覧ください。本ワーキンググループにおける開催要綱であります。

 ワーキンググループの趣旨といたしましては、平成25年国民生活基礎調査でがん検診を受けた者の4〜7割、今年発表された平成28年国民生活基礎調査でも3〜6割程度が職域におけるがん検診を受けておりまして、職域におけるがん検診が我が国のがん対策において非常に重要な役割を担っております。

 がん検診のあり方に関する検討会における議論の整理でも、職域におけるがん検診を効果的に行うため、職域におけるがん検診に対するガイドラインを職域でのがん検診関係者の意見を踏まえつつ策定し、保険者、また、事業主が実施する際にこれを参考にするということが望ましいとされました。

 これを受けまして、職域におけるがん検診に関するガイドライン等についての検討を行うため、本ワーキンググループを設置し、ここでの議論を検討会に報告することといたします。

 続きまして、構成員の紹介をさせていただきます。資料2をご覧ください。

 東北大学客員教授・名誉教授 大内憲明構成員。

 全国中小企業団体中央会事務局次長 小林信構成員。

 健康保険組合連合会保健部長 小松原祐介構成員。

 大阪大学医学系研究科環境医学教授 祖父江友孝構成員。

 東海大学医学部基盤診療学系公衆衛生学教授 立道昌幸構成員。

 東京大学医学部附属病院放射線科准教授 中川恵一構成員。

 日本人間ドック健診協会理事長 那須繁構成員。

 日本医師会常任理事 羽鳥裕構成員。

 聖隷福祉事業団専務執行役員 福田崇典構成員。

 福井県健康管理協会副理事長 松田一夫構成員。

 全国健康保険協会保健部長 守殿俊二構成員。

 日本労働組合総連合会雇用対策局長 吉住正男構成員。

 続きまして、事務局を紹介させていただきます。

 健康局長の福島でございます。

 健康局がん・疾病対策課長の渡辺です。

 同じく、がん対策推進官の丹藤です。

 同じく、主査の安藤です。

 私、がん検診対策専門官の田中です。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議題「(1)座長選任について」に入りたいと思います。本ワーキンググループは資料1の開催要綱3.(2)にございますとおり、構成員の互選により座長を置くこととしております。

 御推薦がございましたらお願い申し上げます。祖父江構成員、どうぞ。

○祖父江構成員 大内構成員が厚労省の研究班等の主任研究班もされておられますし、また、親委員会の座長でもありますので、本ワーキンググループの座長としても適任かと思います。推薦いたします。

○事務局 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、大内構成員にお願いすることでよろしいでしょうか。

(拍  手)

○事務局 全員一致のようですので、大内構成員に本ワーキンググループの座長をお願いいたします。大内座長、よろしくお願いいたします。

(大内座長、座長席へ移動)

○大内座長 ただいま本ワーキンググループの座長ということで御推薦いただきました。改めまして、東北大学の大内でございます。

 この職域におけるがん検診といいますのは、かねて重要な案件でございまして、がん検診のあり方に関する検討会、その前の検討会、垣添忠生先生が座長をされていたときにも検討されておりましたが、なかなか具体的な内容まで踏み込むことができなかったという経緯がございます。

 先ほど事務局から説明がありましたように、あるいは健康局長からお話があったように、親委員会でありますがん検診のあり方に関する検討会第20回の取りまとめの中にも、職域に関するがん検診について記載がございます。何よりも国が今、検討に入っておりますがん対策推進協議会の第3期の項目の中に、職域におけるがん検診についての項目、後ほど説明があると思いますが、明記されているところでございますので、本ワーキンググループは大変重要なものと思っておりますので、この構成員でもって日本のがん検診に関する大部分を占める職域について一定の見解を出せるように詰めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 それでは、本日の議題に入りたいと思います。

 初めに、議題「(2)職域におけるがん検診に関するガイドライン策定について」、事務局より説明を願います。

○事務局 まず初めに資料3、資料4について事務局より説明させていただきます。

 まず資料3ですが、2ページ目に平成28年国民生活基礎調査の結果を載せてあります。がん検診の受診機会についてのデータですが、前回、平成25年の調査では4〜7割が職域でがん検診を受けておりましたが、今回の平成28年の調査でも、がん検診受診者の約3〜6割が職域でがん検診を受診していることが明らかとなり、職域でのがん検診が我が国でのがん検診において非常に大きな役割を担っていることが明らかとなりました。

 3ページ、4ページに、平成2712月に策定されましたがん対策加速化プランの概要をお示ししております。加速化プランの中では、国が今後実施していくべき具体策を幾つか挙げておりますが、その1つにがんの予防が掲げられております。その中でも保険者に対する検診ガイドラインの策定についても、この加速化プランの中で言及されております。

 4ページ目が、そのがん対策加速化プランの職域におけるがん検診に関する部分の抜粋をお示ししております。

 現状の課題について説明させていただきます。先ほども何度か説明させていただいておりますが、がん検診受診者の中の多くの方が職域でがん検診を受診されており、その多くを占める保険者の提供するがん検診は、非常に大きな役割を担っております。一方、国が定めておりますがん検診に対する指針というものは、主に市町村向けとなっておりまして、保険者に対する指針は現在のところありません。また、保険者が提供するがん検診の実態も正確につかめていないというのが現状として挙げられました。こういったことから実施すべき具体策として、下に示す項目を挙げております。

 1つ目に、保険者と協力して職域において保険者が提供するがん検診の実態を早急に把握すること。

 また、職域においても健診の受診率のみならず、精密検査受診率等に関する目標値を設定すること。

 それらの目標値を達成するには、モニタリングが非常に重要であり、各保険者のがん検診の受診率や受診率向上に向けた取り組みを比較可能な形で公表すること等が挙げられております。

 また、5ページ、6ページがセットになっていますが、ここではがん検診のあり方に関する検討会で出された議論の概要をお示ししております。この中でも職域におけるがん検診の質の向上が議論されており、検討会の中でも今後の方向性として職域におけるガイドラインの策定や、また、職域を含めた国全体のがん検診のデータを把握するための仕組みについて、今後議論すべきであるといったことが話し合われました。

 6ページがその議論の整理の抜粋であります。今後の方向性として、がん検診のあり方に関する検討会では、以下のようなことを方向性に挙げております。

 まず1つ目に、国は職域におけるがん検診の位置づけについて検討する必要がある。また、保険者や事業主は、職域におけるがん検診の実態をより一層把握するとともに、その質的な充実に努める必要がある。職域におけるがん検診に対するガイドラインを策定した際は、がん検診関係者の意見を踏まえつつ、これを保険者や事業主ががん検診を任意で実施する際に、これを参考とすることが望ましい。また、検診データフォーマットの統一やガイドラインの策定に加えて、職域でがん検診を受ける機会のない者に対して市町村におけるがん検診を受診するよう情報を提供するなどして、市町村におけるがん検診と職域におけるがん検診の連携を強化する必要があるといったことが議論されました。

 続いて7ページ目ですが、現在、策定に向けた議論が大詰めを迎えている第3期がん対策推進基本計画におきましても、職域におけるがん検診について言及されております。この中ではがん検診のあり方に関する検討会や、がん対策推進協議会での議論も踏まえ、ガイドラインの策定や制度管理を可能にするためのデータ収集の仕組みを検討するといったことが、取り組むべき施策として具体的に挙げられております。

 8ページには、データヘルス改革推進本部についてという資料をお出ししております。大規模な健康や医療、介護等の分野を連結した情報推進技術インフラを将来的に稼働させるべく、厚生労働省内にデータヘルス改革推進本部が設置されました。これは健康や医療、介護のビッグデータを分析することで保険者機能を強化し、データヘルスの推進を図ることを掲げております。

 具体的には自治体、保険者や医療機関などが保有する健康や医療、介護データを連結し、予防医療の促進や生活習慣病対策等を行うことが具体的なその中身でございまして、疾病の予防という観点から、がん検診もここに含まれるものと捉えられております。

 9ページと10ページをご覧ください。これは平成28年7月に第2回のがん検診受診率等に関するワーキンググループで、健康保険組合連合会から提出いただいた資料の抜粋でございます。ここでは健保連でのがん検診の実施方法の概要が示されております。

10ページには、電子データでの保管に関する現状が示されておりまして、健保連でのがん検診の現状としましては、個人データの管理は行っておらず、要精検者への受診勧奨等を実施できる体制がないといったことが課題として挙げられております。

11ページ、12ページがセットになっておりますが、こちらは同じ昨年のがん検診受診率等に関するワーキンググループで、全国健康保険協会に提示していただいた資料でございます。全国健康保険協会の加入者が受診する検診の概要を示しており、こちらでは被扶養者に関してはがん検診の項目が含まれていません。

12ページ目の全国健康保険協会におけるがん検診に関する問題点としましては、保険者にがん検診実施の義務はないということ。また、被扶養者に関してはがん検診が項目に入っていないといったこと。また、データの管理に関する問題等々が挙げられております。

13ページ目に進みますが、以上のような今までの職域におけるがん検診に関する課題を整理し、さらに事務局で今後議論すべき点の案をお示しさせていただきます。

 現状と課題におきましては、繰り返しになるかもしれませんが、職域におけるがん検診は任意で実施されており、対象とするがん種や検査項目、対象年齢、健診の実施間隔等に関して一定の基準が示されていないこと。また、保険者や事業主ががん検診の実施状況や健診の結果などを把握するための統一された仕組みがなく、がん検診の受診率や精密検査の受診率の算出、また、制度管理が十分にできていないこと。職域におけるがん検診を受診していない、あるいはできない者が、市区町村が実施するがん検診をどの程度受診しているか把握できていないこと。被用者保険の被扶養者は、被保険者と比べるとがん検診の受診率が低いこと等が挙げられました。

 続きまして、今後議論すべき点について御説明させていただきます。こちらに関しては参考資料3「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(抜粋)」も並行してご覧いただきたいと思います。

13ページ目の1つ目のチェックですけれども、対象とするがん種や検査項目、対象の年齢や検診の実施間隔等に関しては、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」を参考にしてはどうかということを挙げております。

 参考資料3に示すとおり、これは国が市町村に対して定めているがん検診実施のための指針であります。対象とするがん種は胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がん、また、それらを組み合わせた総合がん検診。対象者に関しましては、胃がんが50歳以上、子宮頸がんが20歳以上の女性、乳がんが40歳以上の女性、肺がん、大腸がんが40歳以上の男女となっております。

 方法に関しましては、胃がんでは問診に加えエックス線検査あるいは胃の内視鏡検査。子宮頸がん検診におきましては問診、視診に加え、子宮頸部の細胞診や内診。肺がんにおきましては問診、胸部エックス線の検査及び喀痰の細胞診。乳がん検診におきましては問診及びマンモグラフィ。大腸がん検診では問診及び便潜血検査を方法として掲げております。実施回数に関しましては、胃がん、子宮頸がん、乳がんが2年に1回、肺がんが年1回というふうに指針に定められております。

 また、参考資料3のページをめくっていただきますと、指針においては3ページの実施体制、また、4ページの受診指導。これは精密検査を必要とされた者に関する指針を含んでおります。

 また、5ページですけれども、それらを行うに当たっての事業評価を、チェックリスト等を用いることで状況を把握するといったことを指針に盛り込んでおります。

 資料3の13ページに戻りまして、議論すべき点のチェックの2つ目でありますが、がん検診の受診率、また、精密検査の受診率の算出や精度の管理のため、検診データが把握できる仕組みについて議論してはどうか。また、3つ目ですが、職域におけるがん検診を受診していない、あるいはできない者に対してどのようにすればそういった方々が受診できるようになるか、今後議論してはどうか。

 最後に、職域における効果的ながん検診の受診方法や、がん検診を受診しやすい環境の整備等について今後議論してはどうかということを事務局として挙げさせていただきました。

 資料3についての説明は以上です。

 続きまして、資料4を御確認ください。資料4には職域におけるがん検診に関するガイドラインの策定に向けた今後のスケジュールの案をお示ししております。今までのスケジュールと今後の予定に関しまして説明させていただきます。

 平成29年3月に第21回のがん検診のあり方に関する検討会におきまして、本ワーキンググループの開催要項が策定されました。また、現在、議論を進めております第3期のがん対策推進基本計画の素案には、国は1年以内に職域におけるがん検診に関するガイドラインを策定し、職場での普及を図るとされており、ガイドラインの発出は、これはめどでありますが、平成30年の夏ごろを予定しており、今回のワーキンググループを7月6日から行い、定期的に議論した後、それらの結果をがん検診のあり方に関する検討会に報告するといったことを考えております。

 資料4に関しましての説明は以上です。

○大内座長 ただいま事務局から資料3と資料4を用いて説明がございました。参考資料はそれぞれ現状と実態でがありますが、資料3の中に抜粋されている部分もございます。職域におけるがん検診に関するガイドラインの策定に向けた議論が今までされてきて、その整理を示されたところでございますが、今後の論点についても一応この資料3の13ページ、課題と議論すべき点ということの案が示されているところであります。

 資料4では本ワーキンググループのスケジュールについて示されているところですが、まず構成員の皆様におかれましては、それぞれお立場がおありかと思います。それから、これまで取り組んでこられた課題等もございますので、御意見をいただければと思います。

 きょうは議題としましては、「(2)職域におけるがん検診に関するガイドライン策定について」ということで、これ1点に集中して皆さんからスタートラインに立った上で議論を開始したいと思っております。それぞれが例えば本構成員の出身母体を拝見しますと、健保連あるいは協会けんぽ、人間ドック、中小企業等々、代表として参画されておりますので、忌憚のない御意見をいただければと思います。

 では、今の事務局の説明について御意見がございましたらどうぞ。羽鳥構成員。

○羽鳥構成員 日本医師会で常任理事をしています羽鳥と申します。

 私自身、前は神奈川県の予防医学協会というところで人間ドック部長をしていたりということで、職域のこともわかるつもりです。一方、今は川崎で実地医家として診療所を開いていますので、市町村対策型検診を主にしています。 私の実感としては、がんの受診率を計算するのに、会社勤務の方の任意型検診をあわせればもっと年代あたりの受診率は高いのではないかという印象をもっています。そこで提案なのですけれども、第一に、市町村対策型検診と職域における任意型検診のデータベースの構造をそろえていく。市町村の特定健診データベースと職域の事業主検診から抽出した特定健診のデータベース構造がそろっていますので、比較が容易です。まずデータベース構造をそろえることがとても大事なのだろうと思います。

 我々日本医師会で行っている保健者管理協議会では、健保連とか皆さんに参加していただいて、日医標準フォーマットという、標準フォーマットという言葉でここの親委員会では道永先生に説明していただいたと思うのですけれども、そういう標準フォーマットを使用することによって、例えば診断名、再検精検なしの指示も統一できて言葉を最低限そろえていくことが実際の受診率、精検率、診断的中率とか検診の良し悪しの判定基準となりので、ぜひ御検討いただきたいと思います。

 第二に、事業主健診や人間ドックのような任意型検診は、報告をしなかったからといって事業主に対して罰則がないと、受診しなかったらといっても調べてないと思います。券を渡すから行ってらっしゃいという感じだと思うのですけれども、少なくとも受診した方に関して結果がどうであったか。二次健診というか精密検査を受けたかどうか。これを把握するシステムをつくらなければ有効な評価につながらないです。もちろん個人情報保護か問題とする人がいるかもしれませんが、あくまでも公衆衛生上の公共的な意味が強いわけですから、ぜひその辺をクリアして、事業主あるいは保険者に精検を受けてもらう。そういうものを義務づけるとか、そこまで言い切らないとだめなのではないかということで、受診率の向上にはつながらないと思いますので、それを提案したいと思います。

 以上です。

○大内座長 ただいま羽鳥構成員から、今まで指摘されていることを現場の視点から話が出ましたが、言われるように職域におけるがん検診については、健康増進法で定められている対策型がん検診と違って任意で行われていますので、例えば今、言われました精度管理の問題あるいは結果を受診者に網羅的に知らせるといったこと、あるいはデータフォーマットについても統一されているわけでございます。それが今回、本ワーキンググループの大きな目途になると思っておりますが、ただいまの件に関しまして、これが1つのきっかけとして意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。

○福田構成員 少し自分のことを申し上げますが、私はもともと肺外科医でして、大学で15年間ほど肺がんの手術、これは30年ぐらい前のことですから正直申し上げてほとんどがインオペで、放射線治療と肺がん手術併用しておりましたが、残念ながらほとんど半年以内に戻ってきてしまう。場合によったら1年以内に命がなくなってしまう。そんなことの連続でした。内科から紹介されてくる患者さんはほとんどインオペの件数が多くて、ぎりぎりのところで放射線でがんをたたいていた。

 そういう経験を毎日やってきて、これはもうおかしいだろうと。それで何とかできないものだろうかということで、今度は企業の専属産業医になりました。というのは勤労者が一番困るのです。勤労者の方ががんになってしまうと、たちまち家も、家計も破綻状態になる。今のように希望があればがんの告知をきちんとして、治療の選択もある程度個人に任せられるのですが、当時はがんという宣告すらできなかった。がんイコール死でしたから。御本人にがんなんてことはとても言えない。ですから肺真菌症であるとか、あるいは肺のちょっとした炎症がこじれたものであるとかの説明をするわけです。これを15年もやっていますと自分がおかしくなっていく。ということで、もっと勤労者に近いところに行きたいということで、日本ビクターという会社の専属産業医になりまして、そこで健康保険組合の理事も仰せつかったものですから、保健事業の一環として健保がお金を出して、従業員に総合健診、いわゆる人間ドックを積極的に受けていただくということに取り組みました。 その後、健診に興味を持ち今の仕事、これは大規模な健康診断センターを6つ持っておりますが、そこで年間40万件の健診をさせていただいております。

 先程の説明で一番気になるところは、そもそも論ですが、ガイドラインを作って任意型の検診に介入する何らかの根拠があるのかどうか。今、羽鳥構成員がおっしゃられたように、法的根拠があれば一番よろしいかと思うのですが、事業主あるいは健保組合のおのおのの考えでやっていることにどうやって国が介入するのかこの辺を教えていただきたいと思います。

○大内座長 ただいま福田構成員から現在、職域のがん検診というのは具体的な言葉であらわしますと、労働安全衛生法の中にがん検診の項目はありませんので、保険者あるいは事業主の任意により、よかれと思ってやっているということで、法的な義務が存在しないということです。それをここの議論を深めていく上で何かの一定のガイドラインをつくった場合の罰則等をつけるためには、法的なことまで踏み込む必要があるのではないかということでよろしいでしょうか。何か事務局で用意されているかということでよろしいですか。

 では、事務局にお尋ねしますが、いかがですか。

○がん対策推進官 先ほど座長に御説明いただいたとおり、それが現状でございまして、現時点で我々で何かそうしたものを検討しているわけではありません。ただ、このワーキングの中でいろいろ先生方に御議論をいただくことで、今後そうしたことを含めて我々として何ができるかということも考えていきたいと思っています。

○大内座長 では、小松原構成員。

○小松原構成員 福田先生の御意見はまさしくそうだなと思っておりまして、健康増進法の中でがん対策というのは市町村に義務づけをされているわけです。我々保険者は今、何を義務づけられているかといいますと、高確法の中でメタボ健診を義務づけられております。その中でペナルティーやインセンティブという話が出てきています。

 このワーキングで、職域におけるがん検診のガイドラインをつくるということは、我々健保連・健保組合としても望んでいることで、ぜひ作成していただきたいと思っていますが、対策型検診として職域に実施させるがん検診のガイドラインの作成となると、私は反対です。あくまでも今の法律のたてつけの中で任意型検診として職域が実施するガイドラインの議論をしていただかないと、そもそもの立ち位置が変わってきてしまいます。そこは福田先生おっしゃったように、厚労省から法を変えない中で任意型検診としてどういうガイドラインをつくるのかということで、このワーキングを設置したと言っていただかないと議論が先に進まないのではないかと思います。

○大内座長 貴重な御意見ありがとうございました。

 法律があって、それを変えるということまで踏み込むわけではない。あくまでこれはワーキンググループですから、皆さんの御意見を踏まえて、それを提言する形で親の検討会に上申した上で、さらに恐らくはこれは健康局長の諮問委員会ですので、健康局と関係する保険局とか、仮に特定健診の話が出ましたけれども、特定健診になるとこれはもっと大きな話になりまして、財務省とのすり合わせも必要になるかもしれませんし、とにかく公的な根拠が求められるとなると、このワーキンググループの所掌を超える可能性もあります。ただし、皆さんがやはりここまで踏み込まないと、きちんとした職域におけるがん検診ができないだろうということであれば、そういったことを書き込むことはできるというふうに私は考えておりますけれども、祖父江構成員、いかがですか。

○祖父江構成員 ガイドラインをつくる際に、どういう前提でそれをつくるのかというのは非常に重要なところですね。小松原構成員おっしゃるように、対策型検診としての位置づけはなかなかしづらいというのは、確かにそのとおりなのです。

 ただ、私の思いとしては、がん対策全般から考えて、今の状況は市町村が行うがん検診は高齢者がほとんどであって、がん対策として検診をやる場では恐らくないのです。むしろ職域の検診ががん対策として行うがん検診の主たる場になるべきだと私は思っています。その点でいくと、今のは物すごくねじれているわけです。法のたてつけがない状態で職域の検診を対策として行うというのは無理があるのですが、そこのところがこのガイドラインをつくれということなので、頭がひねられた状態でつくらないといけないことになっているのだと思います。素直な感想です。

○大内座長 どうぞ。

○那須構成員 私は若いころから人間ドックや生活習慣病健診を中心にやってきました。がん検診は検査の「検」で、メディカル・チェック・アップでがんを見つけるという話で、私どもは健保連さんと1959年からずっとやってきたのは健康の「健」、ヘルス・チェック・アップということで、もちろん病気を見つけるということは大切ですが、病気にならないような禁煙とかの一次予防、それから、一人一人のリスクに応じたテーラーメード、オーダーメードの健診を目指してずっと長年積み重ねてやってきたわけで、健診の受診率とか精検の受診率をきちんとやっていこうということは全く異論はないのですが、「検診」か「健診」というところも、ガイドラインに織り込んでいただきたいというのが一番の思いでございます。

○大内座長 松田構成員、どうぞ。

○松田構成員 私がおります福井県では福井県健康管理協会が、市や町の健診を100%行っています。ですからメーンは対策型検診なのですが、一部職域の検診も行っています。ただ、それは私の施設で行っているので数千人と微々たるものなのですけれども、やり方としては市や町の検診と全く同じです。ただ、違う点は何かというと、施設には若い方が来られるということです。がん検診の対象になっていない若い方も来られますし、乳がんですと2年に1回という対策型検診の指針とは異なって毎年受診方も何人もいらっしゃるということです。先生方のところもそうだと思いますが、自分たちの目の前に来られている人は基本的にはがん検診を受けているのですが、がん検診に来られていない方たちがたくさんおられます。がん検診を受けられる恵まれた人と、全くがん検診を受けられない人がいる、またどこに行っていいかわからない人たちがいるというところが大きな問題だと思います。先ほど祖父江構成員がお話になった若い年齢の人たちにがん検診を重点的に行うことはもっともな話だと思いますが、そこで受けられる人、受けられない人と大きく分かれてしまいます。受けられる人は何をやってもいいわけではないし、受けられない人たちはそのまま放置してもいいわけではありません。市区町村の検診、職域の検診であっても、受けられ検診は同じものであることが本来あるべき姿なのかなと思っているわけです。ですから職域についても対策型検診と同じようなものが行われることが必要だと私は考えています。

○福田構成員 ただし、対策型になってしまいますと正直言って内容的にはプアです。対策型にも胃の内視鏡検査を採用されましたが、私どもでは今、内視鏡検査は半年待ちになっています。1年、2年待ちの内視鏡だったら早期のものも進行がんになっています。 婦人科検診もそうです。子宮頸がん、今、スメアは婦人科医が行っていますが、全然足りません。細胞診断士に少し権限を与えたらどうかというアイデアも出したのですが、やはり医療法上まずいということで、これは医師に限られている。実際の現場では医師が足らない、読影医が足らない、内視鏡医が足らない、婦人科医が足らない。そういう現状でもって対策型が入ってきてしまったら、それこそ我々はお手上げになります。なおかつ内容がプアにならざるを得ない。

 もう一つ申し上げれば、乳がんの検診で今、問題となっているのはマンモグラフィの見落としです。これは健診機関側は前から申し上げていました。超音波のほうが日本人は向いているのではないか。今、国のほうもそれを検討しているという段階のようです。私は乳癌学会の理事から、あれはどうして決めたのですかと聞いたらエビデンスがあったからとの答えです。しかし、そのエビデンスは全て欧米のエビデンスなのです。日本人のエビデンスというのはない。ですから欧米のエビデンスを持ってきて、マンモグラフィを2年に1回にしたということなのです。ですから一見そのエビデンス、EBM、聞こえはいいのですが、本当にそのエビデンスが日本人に根差したエビデンスかどうか。そこまできちんと検討する必要があると思います。

 お上が決めたことに対し現場の意見を申し上げましたが、私としては対策型のものを職域に持ち込むのは、かえってスタンダードを下げることで、要するに下にそろえるという考えになってしまうと思います。ですから対策型は対策型、任意型は任意型。そして任意型をよりよいものにするために何をすべきか。そういう観点に立つべきだと思います。

 以上です。

○大内座長 ただいまの福田構成員の御意見に関しては、お上が決めたと言われますけれども、私は検討会の座長を預かっておりますので、例えば胃がん検診の内視鏡については、データをバージョンアップして2年前に内視鏡検診を入れたわけです。もちろん現場では内視鏡をされる専門医が少ないのはもちろんわかっていて、だからこそ胃の透視も残しておりますし、隔年というのを逐年でも可としてあります。これは当面の間ということで。

 それから、乳がん検診についてのマンモグラフィは日米との比較等もやっていまして、50歳以上においてはほとんど問題ないのです。問題なのは40歳代ということで、それも超音波を使った検診が有効かどうかということは今、10年ほど前からJ-STARTで今、検証中ですが、世界中に死亡率を下げたというデータはまだないわけです。

 基本に戻ってがん対策基本法の理念に、科学的根拠に基づくがん医療ということが最初にうたわれています。ですのでこのワーキンググループ、職域においても、この基本理念は崩せないと思います。ですから対策型検診のレベルが低いということはあり得なくて、それはかなり精緻な調査をした上で、それで時代に合ったデータに即して、5〜10年に一度見直しておりますので、それは確固とした死亡率減少効果を持った検診ということで今までやってきております。その点をまず御理解いただきたいことと、今後この中で議論していくものも、がん対策推進協議会あるいは加速化プランの中で書かれていることも、これもあくまでも科学的根拠ということがベースになっておりますので、そこから逸脱するものに関してはきちんと確認した上で進めていく必要があると思っています。

 したがって、対策型と任意型ということで切り分けるのではなくて、何が国民にとってふさわしいのかということ。これは事実を照らし合わせていくべきものと思っていますので、この点は多分、今まで検討会でも議論を交わしてきた松田構成員とか祖父江構成員も同じだと思います。事務局に確認をしたいのですが、このワーキンググループ設置に当たって、あくまでもがん対策基本法あるいは国の協議会から提案されている基本計画の中で行われているという位置づけでよろしいでしょうか。

○がん対策推進官 はい、座長御指摘のとおりでございます。

○大内座長 ということで、福田構成員におかれましては、その点、理解していただけますか。

○福田構成員 はい。

○大内座長 では、そのようにお願いいたします。

 どうぞ。

○中川構成員 私はがんの臨床医でありまして、放射線治療や緩和ケアをやっておりましたが、福田構成員と同じで、やはり一次予防、二次予防のところをやっていかないと、がん治療だけでは全体としての不幸は減らせないという思いで、こういったがん検診を含めたことにも関心を持ってまいりました。

 そういう意味で産業医の資格も取りまして、また、がん・疾病対策課の事業であるがん対策推進企業アクションにもかかわらせていただいて、会議の座長をさせていただいております。

 今、この企業アクションでは2,300社がパートナー企業として登録いただき、総従業員数としては630万近く。これは全就労人口の1割近くとなります。この企業健保の現場に伺うことも実は多々ありまして、その中で一番感じますのは、資料3の13ページの中で議論すべき点が4つリストされてございますが、この2〜4項目について、これはそれぞれ非常に重要で、必要なことだと思っています。ただし、これが現場でなかなか進まないわけです。その進まない最大の理由は個人情報の取り扱いというところです。これはがん登録推進法の中でも最も重要な論点だったと思うのですけれども、先ほどの資料3の10ページ目にあります健保組合が例えばがん検診の結果を受領しない。こういったところにもその影響が非常に強く出ていて、ここをしっかりさせないと13ページの目標は進まないのだと思うのです。

 先ほど法律の話も出ておりましたが、この短期間で法律を変えるというのは事実上、難しいことはよくわかります。ただ、将来的にこれは祖父江構成員がおっしゃったように、職域検診ががん検診の主戦場であることは恐らく間違いなく、しかも女性が働き、また、長く働くわけですから、より一層重要になってくるはずなのです。ですので法律についての報告書といいますか、レポートの中には将来の展望は必要だと思いますし、その意味ではがん登録と同様に、個人情報についての扱いをどこか明記するような方向性の議論を始める準備が必要なのかなという気がしています。

○大内座長 中川構成員、大変貴重な御意見ありがとうございました。

 この健保組合でのがん検診結果の保管・管理、これは個人情報についての意見もありましたが、具体的にかかわっておられる構成員の中で御意見はありますか。守殿構成員、いかがですか。

○守殿構成員 協会けんぽの守殿でございます。

 協会けんぽとしては、先ほどありましたように職域という話になると、被保険者に限りましても1,400万人が被保険者でおられるわけで、基本的にはこの1,400万人の健康度を上げることが我々としては今、第一義という形で活動をしているわけなのですが、そんな中で健診制度も先ほど労安法の健診、それから、保険者には特定健診が義務づけられているわけで、事業主さんとお話をしている中で、まず健診がいろいろあるというところがなかなか理解不能なところが、健診を受けていますかという一言で終わらないというのが正直なところでございます。

 協会けんぽとしてはここに資料をつけていますように、生活習慣病予防健診という形で、当然、特定健診もカバーして、労安法の健診もカバーして、さらにがん検診も同時に実施をするということを一義的に行うことによって、労働者といいますか、働いておられる方の健診環境を何とか拡大していきたいと考えているところでございます。

 とにかく健診を受けていただくというところが、私どもとしては一番、今、重点テーマかなということで、論点としましては下2つ、受診していない、あるいはできない。この辺も以前、検討会でも申し上げましたように、事業所の規模によりまして健診の受診率というのは大きく変わります。大規模事業所は50%を当然超えているところなのですが、小さな事業所では2割を切っているという現実もありまして、事業主さんに対して健診の意識を周知するというところが我々としては一番、今、苦慮しているところでございますので、テーマとしてはその辺のところで少し御議論いただく時間をいただいてもいいのかなと考えております。

○大内座長 そこら辺、健保連の小松原構成員いかがでしょうか。個人情報の扱い方も含めてもし御意見がありましたら。

○小松原構成員 感覚的な話になって申しわけないのですが、中川先生おっしゃったように個人情報という観点はあることは間違いないと思います。

 それよりも実は大きいなと思っているのは、会社側に「がん」であることを知られたくない従業員がたくさんいるということが1つあります。そこに配慮して企業側があえて結果をとらない。受診機会の提供でとどめてしまうという、ある意味、配慮的なものがあります。もう1点は、全く逆のパターンもありまして、本人は結果を提供してもいいと思っているのですが、もらうことによって企業の責任がすごく大きくなってしまい、その対策ができないがためにもらえないというパターンです。義務ではなく任意で実施しているもので、どこまで責任を負うかというところになってくるのだと思うのですが、非常に難しい問題だなと私は個人的に感じています。

○大内座長 立道構成員、どうぞ。

○立道構成員 私はもともと産業医でありまして、職場における社員の健康管理を行ってまいりました。現在では産業医を育成するということで大学におりますけれども、今おっしゃられた中でも幾つか論点があるのですが、会社として見ると、中川先生もおっしゃられたように個人情報が扱えるのは安衛法で定められた健診データのみでありまして、それ以外のデータを扱う場合には、全て個人同意が必要になるということもあります。さらに今、事業所における治療と仕事の両立支援というものが進んでおりますけれども、そこで実はがんであるということを本人が会社に告知することを推奨しているわけなのです。しかしながら、それを進めるには会社の側としてがんという病気の本質かわかっていないと担当者が、なかなか進められないというようなこともございます。

 ここで言いたいのは、職域という一言で言うと1つのまとまりのようなのですが、先ほども出ましたように、大企業もあれば中小企業もあれば零細企業もあって、大企業に今の例えば対策型検診というのはほとんど必要なくて、大企業ではほとんどそれ以上の検診をやっているのです。問題は中小零細企業にどうするかということと、もう一点は産業医がいれば個人情報の保護というのはそれで何とかなりますけれども、産業医がいない事業所になったら、それは人事担当者あるいは労務担当者が情報を扱うことになるので、ここは全然違ってくるのです。ということは産業医制度の問題とも絡めながら議論をしないと、この問題は解決できないのではないかと考えています。

 以上です。

○大内座長 ただいま企業の中身によってもそれぞれ立場があるでしょうということと、がん検診を行ったとして結果を通知する際に、従業員である方々にそのことを伝えることがかえってはばかれるという面もあるだろう。あるいは従業員が逆に会社のほうにそれを知らせたくないといったこともあるかもしれないということを以前にもお聞きしたことがあるのですが、本日、日本労働組合総連合会の雇用対策局長であります吉住構成員もおられますので、現状についてもし御意見がありましたら。

○吉住構成員 今ほど立道構成員が言われたことについて、かなりの部分で同感です。我々も労働組合があるところは大手のところが多くて、規模の大きなところにつきましては、ほぼ対策もできています。それから、治療と職業生活の両立支援について、厚労省も一生懸命に進めていこうとされていますが、それと歩を合わせるようにこの間、例えば企業の中でも病気休職できるだとか、通院するための時間が確保できるだとか、仕事の面でも残業や休日出勤を制限するなどの配慮が、多くの企業で進められています。そういった対処ができないところというのは、どうしても規模が小さい企業になりがちです。日本の労働組合組織率は2割弱であるものですから、労働組合がない職場で適切な労使関係を形づくることができているのかどうか、よくわからないところもあります。先ほどの産業医のところでも毎回出てくる話でありまして、事業場も50人を境に50人以上・未満と分けられており、50人未満規模の事業場については、ほとんど産業医による保健活動がなされていないということで言いますと、50人未満の事業場の対策というのが非常に大事ということであります。

 合わせまして、労働組合から考えますところで言うと、職域におけるがん検診を進めていくというのが一番有効なのではないかと思っております。法規制など、余り厳しいことをするのは難しいという意見もありますけれども、先ほど言いました規模の大小に関係なく、地域などのいろいろな事情に関係なく、広く一定の水準まで何かの義務を課すというのは、何らか法的な裏づけがないと難しいのではないかという感じもしております。

 以上です。

○大内座長 貴重な御意見ありがとうございました。

 本日、皆さんから御意見をいただいておりますけれども、事務局から示されました13ページの議論すべき点として4項目がございます。これに関して、それぞれのお立場で意見をいただいた上で、きょうは何かを決めるわけではなく、第2回のワーキンググループに向けてたたき台としたいと思っておりますので、どうぞ御自由に発言してください。

 恐らく今、吉住構成員が言われましたように、企業の中でも大きく50人以上、以下で分かれますが、産業医の問題もありますけれども、産業医がつくというのはかなり規模の大きな企業でありまして、私どもに求められるのは日本国民全体です。しかも働いている方々のがん予防といいますか、がんに対して私どもが戦略を立てなければいけないということなので、そういうことからしてどうあるべきか。今、吉住構成員が最後に言われたようなことでまとめることができれば、法律的なことについて我々は所掌ではないのですが、こういうことも望ましいぐらいのことは書き込むことは可能と思っております。まずここに書いてある現状と課題、それから、議論すべき点に即して進めてまいりたいと思いますが、よろしいでしょうか。どうぞ。

○羽鳥構成員 先ほど大企業の方はいわゆる任意型検診のほうがいい。対策型検診よりももっとレベルの高いことをやっているのだからという話は、それも大変よくわかります。その一方で中小というよりも小企業の場合には、がん検診すら受けていないということがあるということですので、それだったら対策型検診の、いわゆる市町村でやっている検診を小企業の方には、市町村の検診を受けられるようにする。そういう仕組みであってもいいのではないかと思います。レベルをさらに上げるというよりも、受診率を上げる。最低限のところまではいくようにするために、実際には町の八百屋さんとか肉屋さんとか、そういう人たちは市町村国保に入っていて受けに来てくださっているわけですから、それと同じような仕組みをつくっていただければ、もうちょっと受診率がよくなるのではないかと思われます。

 あと、どうしてもこれは新しい法律をつくるのは難しそうだということならば、今、国のほうではホワイト企業ということで、受診率を高めればいろいろな褒賞を差し上げていると思うのですけれども、それと同じようにインセンティブ、ディスインセンティブ、要するに懲罰的な意味も含めて、それをもう少し明確にして全く受診させない。特に二次受診、精検をしていないところが非常に多いのが気になりますので、精検をしないところにはディスインセンティブをつけて社長さんの名前を明らかにしてしまうとか、そのぐらいのことをやっていかないといい方向に向かわないような気がしているので、その辺も御検討いただけたらと思います。

○大内座長 ただいまの羽鳥構成員からの御質問の中で、中小企業で職域におられても対策型検診を受けられる。これは妨げるものではないのですよね。特に事務局から今の御質問に対して回答はありますか。

○がん対策推進官 確かに御指摘のとおり、今、対策型検診と呼ばれるものは市町村に対してやってもらうという形で位置づけていて、どのようなものを職域でどのようにされようが、それについて何らかの規制とか、そういったものがあるものではないということは羽鳥先生おっしゃるとおりです。ただ、インセンティブ、ディスインセンティブについては保険局で今、検討されていまして、その状況につきましては次のワーキンググループや別の機会でも御説明できればと思っています。

○羽鳥構成員 例えば特定健診ですと、事業主検診からデータを抽出しますので、市町村の多くがHbA1cを採血しているのに、企業は血糖値を採血するなどと異なります。がん検診は義務ではないから受けないということになってしまうので、対象型検診に混ぜてミニマムセットをつくっていただきたいと思います。○大内座長 どうぞ。

○福田構成員 資料3の13ページ、議論すべき点です。対象とするがん種、検査項目、対象年齢その他をある程度示したらどうだろうかという論点があるのですが、これ1つとってみてもかなりな問題だと思います。例えば各企業においては高齢者が多いとか、若年者が多いとか構成人員が変わってきますから、果たしてこのようなことについて示すことができるのだろうか。もう一つは、対策型の受診率は余り高くないです。私も静岡県を全部調べたのですが平均しても30%いくかどうか。クーポンを配られても、そのクーポンがどこかに入ってしまっているのです。各自治体によって年度でオーケーだよとか、ある自治体は12月までですよとか、非常にばらばらです。そしてもっと悪いことには、全くフォローがされていないのがほとんどなのです。

 対策型であるところの住民健診ですらまだその状況であって、いわんや小企業のレベルで果たしてどこまで有効なものができるか。

来年の夏までに1つガイドラインをというお話なのですが、この1項目をとってみても来年までかかってしまうような気がいたします。

 以上です。

○大内座長 ただいま福田構成員から厳しい御意見がありましたが、では逆にお聞きしますけれども、どのような健診項目にするか、代案は持っておられますか。

○福田構成員 座長から大変厳しい御質問で、要するに理想的な健診というのはまだ存在し得ないと思うのです。それは先ほど那須構成員がおっしゃられたように、例えば体質に応じた健診が組めれば、きめ細かいことはできると思います。その1つのいい例は、原発性肝がんだと思うのです。やはりこれは発生集団がB型、C型の慢性肝炎あるいはNASHからの肝硬変からですので、そういう危険集団がございますから、これについては集中的に何らかの手を行う。あるいはPSAが問題になっている。これは死亡率を下げているものはないということなので、泌尿器学会はPSAPSAで使えるよという見解を持っている。ですから話がずれましたけれども、何をベストとするかと言われると正直申し上げて、私にもわかりません。それが正直なところです。

○那須構成員 死亡率低減効果という科学的根拠のある検診は本当に長年、大内先生初め、皆さんがつくり上げられたもので敬意を表しております。ただ、我々職域の検診では少しでも早期がんを見つけて、術後のQOLを高めて、1日も早く職場復帰、家庭復帰してもらいたいという考えの中で何十年といろいろ工夫し、やってきたわけです。ただ、残念ながら術後のQOLとか、早期がん率ということでの明確なエビデンスというのはないのが現実ではないかと思うのです。対策型の死亡率低減効果という科学的根拠もよくわかるのですが、そのあたりのところをどう織り込んでもらえるのか。逆にこれからのことも含めてお聞きしたいのですが。

○大内座長 ただいまの那須構成員、福田構成員の御意見はもっともなのです。それは一次予防ということを考えた場合には当てはまるわけです。ですからメタボ健診が特定健診になったのも理屈としてわかります。でも、がん検診は二次予防なのです。ですから検査の「検」が入っていて、健康の「健」ではないということも、もともとのそういういきさつがあってのことでございます。キャンサー・スクリーニングということで、これも国際標準的に見ればやはり科学的根拠ということがどうしてもベースにないといけないというのが、繰り返しますけれども、必要なのです。

 一方では、働く世代の方々には、もう一歩先んじて予防的なことも入っていいのではないかという御意見です。それは確かにわかります。ただ、先ほど申し上げたように、がん対策基本法の最初の理念にエビデンスがあることが前提と書いてあるのです。ですので、そこから逸脱してもいいのかということが、私からの皆さんへの意見なのですが、祖父江構成員。

○祖父江構成員 今、ですから市町村向けに行われている検診、いわゆる対策として行われている検診の項目あるいは対象年齢、間隔というのは根拠に基づいて定められているわけでありまして、これに追加的に何か加えることがサービスの向上につながるのかといったら、その根拠がないのでこういうことを定めているわけです。ですから不用意に余り追加することは、余り軽々しく行うべきではないし、そのことを検討する場としてここは荷が重いものだと思います。

 市町村に対するがん検診のガイドラインといいますか、指針に対してもきちんとしたプロセスを経て、研究班がガイドラインをつくり、リコメンデーションを定めて、それに基づいてこのあり方検討会等で検討して、そういう積み上げをされてきたものを超えるようなことをこのワーキンググループでできるかといったら、これは違うのではないかと思います。ですからこの議論すべき点の第1点に関しては、基本的に予防指針に従って職域のガイドラインを決めるんだという方針が一番適切だと私は思います。

○松田構成員 私も祖父江構成員と全く同感です。検討会から来ているということもありますけれども、科学的根拠に基づいたがん検診が、先ほども申し上げたのですけれども、全ての人たちに提供されるべきだと私は思っています。ですから市区町村の検診だけではなくて、職域においても科学的根拠のある、基本的には市区町村がやっている検診が行われるべきだ。プラスアルファしていいのかどうか、今後議論はあろうかと思いますが。 もう一つは、義務化をどのようにするかということなのですけれども、それは職域で受けさせるか、中小零細企業にように自前でがん検診の提供ができなければ、市区町村の検診を受けに行くことができるよう便宜を図る。すなわち検診を受ける機会を設けることを義務づける必要があると思っているところです。

 もう一つ、先ほど小松原構成員がお話になったように、がんが見つかったときに不利に扱われない、がんがあっても就労を続けられるということがきちんと書き込まれる必要があると思います。がんが見つかったらきちんと職場にもそれを伝えることができ、仕事が続けられる、そういうことがセットにならないと、がん検診の受診率も上がらないし、精検受診率を含めた精度管理も成し得ない。ですから誰もがどこででもがん検診を受けられるというのが必要な体制だろうと思っています。

○大内座長 小林構成員、どうぞ。

○小林構成員 全国中央会の小林と申します。

 私は医者でもないですし、事業主の団体でございます。私どもの組織を若干御紹介申し上げますと、業種別の業者の方々が協同組合等を組織化し、組織でいろいろな事業展開をする団体を支援する組織でございます。日本に約4万程度の協同組合がありまして、地域の団地組合とか商店街組合とか、そういう組合を支援しており、全国の中小企業の約7割程度が加入いただいています。

 その事業主という方々がこういう組織に入っていて、大方は中小企業の中でも小規模の方が多いのですが、健康保険で言えば協会けんぽに加入されている方が大多数の組織です。ただ、先ほど申し上げた協同組合というのは印刷の組合等さまざまな業種別の組合がございますので、そういう組合は健康保険組合をみずからつくり、一部は健康保険組合のほうの連合会の傘下にいるという状況でございます。

 そんな中で、先ほど検診項目の追加の話があったのですが、健康診断自体の健診項目の追加のときもよく問題になったのですが、安易な追加というのはぜひともやめていただきたい。科学的な根拠に基づいた必要な項目についての追加であれば結構でございます。事業主にしてみれば、従業員の方ががんになって早期に職を離れることは大変つらいことでございますので、それなりに健康管理というのはどの経営者も必要性を十分承知していますが、お金がかかるものでございますので、これは健康保険の組合なり協会けんぽの両立にもかかってくる。また、重篤になってしまえばさらに健康保険料の負担というのはふえるわけですから、早期の発見と予防というのも重要だというのは、十分みんな認識していると思うのですが、今いろいろな問題になっているのが従業員のデータ管理です。小規模の企業では多分管理できないでしょう。もう一つ、個人情報の問題というのが多くありまして、従業員のデータである個人情報を事業主が預かって、その管理というのが徹底できるかというのも非常に問題がございまして、個人情報の問題でそう簡単には扱えないような状況になっているので、医療上の問題での個人情報問題はぜひとも検討していただきたいと思いますし、これは普通の健康診断も含めて考えていかなければならないところもあると思いますので、この件で1つ提言をお願いできればありがたいです。

 ○大内座長 貴重な御意見ありがとうございました。

 データの還元、結果の通知、従業員を守るためにどうすべきか。個人情報の観点も踏まえ整理していただきたいということです。

 小林構成員をもってこれで全員が発言されたわけですが、もう少し時間がございますので、きょうはこの案が提示されたということで、それを軸に意見をいただきながら、詰めていきますので、もしまた言い足りないことがございましたらどうぞ。

○祖父江構成員 暗い話ばかりなので、もう少しポジティブな話としては、職域が保険者が検診を提供するという形であれば、ぜひとも利用すべきデータがレセプトのデータだと思います。これは利用の仕方によっては非常に活用できるものであって、今、精度管理指標として重要なのが精密検査の受診率、がん発見率です。この2つは今、市町村が計測しようとすれば医療機関に問い合わせないとだめです。その行為をレセプトから何とか情報を抽出すれば、全くそれをしなくて済むのです。しかも自分のところにあるデータで済むのです。だからレセプトのデータをうまく使えば、がん検診の精度管理指標のうちの精密検査受診率あるいはがん発見率をきちんと計算できるようになる。これを進めていくような仕組みをつくれば、むしろ市町村がやっている精度管理よりももっと奥まったことができると思います。

○大内座長 レセプトデータを使うための制度設計は必要ですか。

○祖父江構成員 ですから企業者側との関係をきちんと区別するということなのだと思います。保険者の中であれば、健診のデータとレセプトのデータと突合することは可能でしょうし、そこのところの管理をきちんと企業側と仕分けをすれば、中に産業医がちょろっと入ったりしてアドバイス等をすれば、それほど無理なくいけるような気がします。

○大内座長 日医のほうでもデータフォーマットをつくっていますよね。

○羽鳥構成員 そうですね。これからまた次の会でも少し提示したいと思います。

 今の祖父江先生のお話で、レセプトデータを上手に活用するというのは結構いけると思うのですけれども、今、同じようなことで生活習慣病の糖尿病重症化予防ということで健診をやった。保険者はヘモグロビンA1cとか血糖とかいろいろな数値は持っている。ただ、その一方でレセプトが上がってこない。その人はA1cが例えば1112を超えているのに受診していない。だからそれをピックアップしていこうということをやっているのですけれども、今のがん検診は義務化されていないし、保険者もデータが今、持てない状況です。そうするとレセプトデータと合わせても、がん検診を受診されたのかどうかがわからない。

○祖父江構成員 多くの保険者が自分たちの事業としてがん検診をやっていると思うのです。

○羽鳥構成員 保険者がやっている、そうですね。だからその場合だったら受診がなかったら要するにがん検診は受けた。でもその後、受診されなかった。要するに二次健診を受けていないだろうということまではわかるけれども、一次健診の結果がどうだったかというのは。

○祖父江構成員 一次健診の結果は通常、健診提供者が持っていると思います。

○羽鳥構成員 要するにそこで出たものと二次受診がなかったということで、未受診を発見するということですか。

○祖父江構成員 そうです。

○羽鳥構成員 わかりました。

○大内座長 健保連のほうではどうですか。

○小松原構成員 事業主や健保組合の意識として、がん検診を実施しているというより、先ほどお話のあったヘルス・チェック・アップの「健診」、人間ドックの中にがん検診項目が入っているというたてつけなのです。目的がそもそも全然違い、その違う土俵で今お話し合いをされているので食い違いがあると思っています。ヘルス・チェック・アップは、御自身の健康度はどうかということに気づいてほしいという受診機会を提供し、健診機関側から勧奨して、あとはご本人が管理するという仕組みになっています。

 松田先生おっしゃるように、大腸がん検診や、胃がん検診を実施しますということであれば、それは追跡が必要で、要精検とか要再検が出ていれば、事業主あるいは健保組合は徹底的に勧奨しなければいけないのですが、もともとの目的が違うものですから、今はそういう形になっていません。

 福田先生がおっしゃった保険者の健診のレベルが下がってしまいますよというのは、私ももっともだと思っています。何が下がるかというと、対策型検診と同じガイドラインを任意型に持ってきて、受診対象や検査方法はこうですと定めると、今の人間ドック健診や保険者の実施している健診はみんなやめてしまいます。そうすると何が起きるかというと、健保の場合、対策型検診では胃カメラが入っていない時代から脈々と胃カメラを実施していましたし、今はまだ乳房のエコーは対策型では入っていないですけれども、任意型ではエコーを実施しているわけです。そういうものも排除するという形になってしまいます。私は対策型検診としてはエビデンスがあるものをガイドラインに書くということは間違いないと思うのですが、我々が期待していたのは、任意型検診のガイドラインは公的医療保険者として実施する場合、どこまでなら許容できる検査項目なのか、あるいは検査間隔なのか、そういうものを御議論いただけると思って参加しました。これが全部対策型に寄せますよという話になってしまうと、今、健保や事業主が実施しているがん検診を活用しましょうと言っても、任意型健診自体が萎縮してなくなる可能性があるということを御理解いただきたいと思います。

○大内座長 ただいまの小松原構成員のお話は、福田構成員とつながりますね。

 確かに対策型そのものをそのまま移行するわけではなくて、恐らく今、参考資料3を見ていただければ、ここに対策型のがん検診基準が書いてあるのですけれども、推奨グレードがA、B、C、Dの中のA、Bぐらいまでです。ですので今、小松原構成員あるいは福田構成員が多分イメージされるのはCですね。あるいはC1かもしれません。そういったことでの定めている以外の健診方法も記載した上で、ただし書きをつけてはどうかということでしょう。精度管理をしっかりしなさいということですね。そこまでの許容範囲があることを期待されているわけですね。

○小松原構成員 そういうことです。それと5大がんのみならず、実は先ほどから議論があったPSAもかなりの被用者で実施しているわけです。これもいいかどうかは私も医者ではないので判断できないのですが、公的医療保険者として許容されるものなのかどうかということも我々は非常に興味あるところです。

○大内座長 例えば前立腺がん検診のPSAに関しては、過去に相当の議論もしています。ただし、このがん検診のあり方に関する検討会では、2003年から5年間の検討会でも正式に議論されたことはありませんでしたし、今回の私どもが仰せつかっている2012年から5年間でもまだないのです。ですのでかなり次元の違った領域に入りますが、そのような御希望があるということは承りました。検討材料にはさせていただきますけれども、祖父江構成員が言われたように国が定めている指針の中で、これをやはり基軸にしていかざるを得ないのではないかというのが私どもまず実感でありまして、プラスして幾つかの職域だからこそやるべき、このような検診項目はどうかということは、議論の余地があると思っております。

 例えば肝がんの対策については、これは随分とさかのぼりますが、平成13年度に当時このがん検診検討会ではなくて、久道班というものがございまして、そのときに厚生労働省としてまとめた中で、がん検診の中の項目として入れてあります。肝がん予防対策として肝炎ウイルス検査を推奨するということを打ち出して、それから17年たって肝がんの死亡率が激減しています。ですので、そういったことも先んじてやってきた事例はあります。これは言ってみれば二次予防であるがん検診とは違った一次予防的なところもありまして、ヘルスチェックなのか、キャンサー・スクリーニングなのかということの整理は必要ですけれども、特定健診の枠組みを含めてこれから広く議論していただければというのが私の思いではあります。

 私も正直申しまして、親委員会を預かっている者がなぜワーキンググループの座長なのかと、非常に難しい立場におりまして、それは大変つらいのです。ですので私がぶれると大変なことになりますので、その点は御容赦のほどお願いいたします。というか、正直に申しますと、そういう立場におりますので、皆さんが議論を活発化されて方向性が示されることについては、もちろん期待しております。ぜひ次回以降も御議論いただきたいと思います。

 事務局から示されましたこの案を軸にまずは進めさせていただくことでよろしいでしょうか。まだ決めてはいません。こういったことを議論してはどうかというところの書き出しですから、今、幾つか追加の意見もございました。

 どうぞ。

○立道構成員 今回このがん検診ガイドラインという位置づけなのですけれども、職域においてはがん対策ガイドラインという位置づけのほうが、合うと思うのです。例えば今の肝炎の部分においても、感染型のがんが減ってきているということは、感染症を撲滅すればがんは減るわけですので、一次予防をどうするかという部分にもう少し焦点を当てる必要があると思います。

 それプラス二次予防としてのがん検診があるので、例えばピロリの扱いをどうするのかということも含め、あるいは肝炎の検査をどのタイミングで入れるのかとか、検診だけではなくて、一次予防のところも踏み込んだ中でがん対策ガイドラインという形での出し方のほうが、職場としてはスムーズに受け入れるのではないかと思います。これは意見です。

○大内座長 こういう意見も書き留めていただいて、検討項目としましょう。次回以降もまたさらに検討します。

 どなたか、どうぞ。

○福田構成員 座長の苦しいお立場を察するに余りあるのですが、やはり私は小松原構成員と大体同じような意見で、対策型のものをそのまま持ち込んできてしまうと、サービスの低下につながるのではないかという懸念があります。これは中川先生に一度御講演いただいたのですが、2人に1人ががんになる時代で、特に今度、労働人口がどんどん減りますでしょう。要するにがんを抱えていながら働いていただく。いかに就労を支えるか。ここも1つ大きいポイントだと思います。

 そうなるとやはり、がんは私が医学生のころにはほとんど死の病だったのが、だんだんよくなって、それも早期発見が基本だと思うのです。となると対策型のものはエビデンスに準拠する。これは当然だと思いますが、任意型、各保険者あるいは協会けんぽさん、そういうところが自前でやるものに対しては、余り制限を加えていくというのはいかがなものかという考えが実際にあります。

 もう一つは、きょうが初日でいろいろな意見が錯綜していますが、これが実際のところだと思うのです。立道構成員がおっしゃったように、本来であれば一次健診から始まってくると思いますので、これはなかなかまとめていくのは至難のわざかなと。これは事務局の方々に期待するものであります。

 以上です。

○中川構成員 なかなか難しいですよね。つまり税金を使わずに、簡単に言うと自腹でやる任意型の検診の中で、ただやはりそうは言っても例えば私も現場に行きますとCEAとか、そういったものがまだまだ大企業でも行われていたりしているのです。PSAのことはさておき、何でもいいのかといったら、そんなことはないと思いますし、甲状腺がんの検診などはやめていただきたいと思います。ですので、ベースは対策型だと思いますが、それに対してどこまで踏み込んでいいのかというところの議論は大きい。

 例えば座長が科学的とおっしゃいましたけれども、科学的なところは疫学的なエビデンスだけが科学的なのか。例えばピロリ菌感染が胃がんの原因の95%なのかどこなのかあれなのですが、ピロリ菌感染がもともとない方が対策型検診に従って果たして1年に一度にしても、2年に一度にしてもやり続けることがいいのかというのはあると思いますし、恐らく対策型検診の中では、子宮頸がん検診はそれこそ性交渉経験がない方でもやるということに恐らくなっていると思うのですが、メカニズム的にはそれはほぼ不要だと思うのです。ですので、その辺は特に税金を使っていない任意型の健診の中で科学的なところをどこまで考えるのかというのは非常に大きな問題かなという気がします。

 それから、先ほど守殿構成員がおっしゃっておられました、特に企業規模が小さくなればなるほど対策がおろそかになっていくというのはあるわけです。ではどんな企業規模の職場でも産業医が関与できるかというと、なかなかそうもいかないと思います。

 そうなってくると、経営者ががんのことを知ってもらうことはとても重要だと思っておりまして、先ほど御紹介したがん対策推進企業アクションの中で昨年度、協会けんぽの方々を対象にしてインターネット調査をいたしました。その中で経営層の方々のリテラシー、例えば福田構成員おっしゃったように、2人に1人ががんになりますということとか、そういったことをどれだけ知っているのか。実はその経営層のリテラシーと企業でのがん検診実施率あるいは就労対策というのは見事に相関しているわけです。ですからやはりそういったとりわけ社員あるいはとりわけ経営層ががんのことを知るということを、ぜひ記載していただきたいと思います。

○大内座長 ただいま中川構成員から貴重な御意見がありました。

 本日は、いろいろな意見をいただいた上で、今後、議論を活性化させていきたいと思います。何より職域といいますのは働いている方々、若い人で国民の2人に1人ががんになる。

○中川構成員 男は3人に2人です。

○大内座長 その事実は確かで、しかも先ほど祖父江構成員が言われたように、これからは職域のがん検診のほうが主戦場になることも確かだと思いますので、これは大変重要な課題ですので、皆さんで知恵を絞りながら、日本のがん対策ということのかなめとして進めていただければと思います。

 本日は(2)の議題については時間の関係上、以上とさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 では、その他に入りますが、特段の意見はございますか。なければ一旦、マイクを事務局に戻します。

○がん対策推進官 長い間にわたって御議論いただきましてありがとうございました。次回のワーキンググループの詳細につきましては、また調整の上で御連絡をいたしますので、よろしくお願いします。

 事務局からは以上です。

○大内座長 本日は12名の構成員という、ワーキンググループとしては多いですね。私もどのように議論を進めていくか少し試行錯誤をしているのですが、それぞれお立場があって、皆さん代表として来られていることをもう一度わかっていただいて、後ろには国民の皆様がいらっしゃるということで、是非よい結果を導き出せるように頑張っていきたいと思います。

 本日はどうもありがとうございました。


(了)

健康局がん・疾病対策課

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