ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 障害保健福祉部が実施する検討会等 > 視覚障害の認定基準に関する検討会 > 第4回 視覚障害の認定基準に関する検討会(議事録)(2017年7月28日)




2017年7月28日 第4回 視覚障害の認定基準に関する検討会(議事録)

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成29年7月28日(金)13:00〜14:30


○場所

AP新橋虎ノ門会議室A(11階)


○出席者

石橋達朗構成員、久保田伸枝構成員、竹下義樹構成員、田中雅之構成員、仲泊聡構成員、中村耕三構成員、松本長太構成員、湯澤美都子構成員

○議題

(1)視覚障害の認定基準等について
(2)その他

○議事

○峯企画課長補佐 それでは定刻になりましたので、ただいまから第 4 回視覚障害の認定基準に関する検討会を開催します。皆様方におかれましては、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。本日の出席状況についてご報告します。白井構成員はご欠席です。議事に先立まして、障害保健福祉部長の宮嵜よりご挨拶申し上げます。


○宮嵜障害保健福祉部長 障害保健福祉部長の宮嵜です。
7 11 日付けで着任しました。どうぞよろしくお願いいたします。


○峯企画課長補佐 カメラの撮影は、ここまでとさせていただきます。よろしくお願いします。傍聴される皆様方については、傍聴される方の留意事項の遵守をよろしくお願いします。ここからは、中村座長に議事の進行をお願いします。


○中村座長 中村です。本日もよろしくお願いします。まず初めに、事務局から資料の確認をお願いします。


○峯企画課長補佐 事務局です。資料の確認をいたします。表紙の議事次第に続いて、資料
1 「視覚障害の認定基準に関するこれまでの論点整理」、資料 2 「視覚障害障害程度等級表の見直し案 ( 視野関連抜粋 ) 」、資料 3 「視覚障害認定基準の見直し案 ( 視野関連抜粋 ) 」、資料 4 「視覚障害認定要領見直し案 ( 視野関連抜粋 ) 」、資料 5 「竹下構成員からの意見書」、資料 6 NPO 片目失明者友の会 提供資料」。参考資料 1 「開催要綱・構成員名簿」、参考資料 2 以降は、いずれもこれまでの検討会で出した資料を再掲しています。参考資料 2 「眼科学会・眼科医会の合同委員会の報告書」、参考資料 3 「日本盲人会連合 視力に関する意見書」。参考資料 4 「日本盲人会連合 ヒアリング資料」、こちらは第 2 回の検討会で出した資料です。参考資料 5 「視力障害の障害程度等級表」、こちらは第 3 回の検討会の資料 3 として出しているもので、上側が現行等級表、下側が合同委員会で第 1 回に出していただいた改正案のものを示しています。以上、お手元にありますでしょうか。不足等がありましたら、事務局までお知らせください。

 なお、本検討会は公開のため、資料、議事録は厚生労働省のホームページに掲載されます。あらかじめご了承くださるようお願いいたします。事務局からは以上です。


○中村座長 ありがとうございます。検討会の運営に当たり、構成員の皆様にお願いがあります。いつものことですが、視覚、聴覚障害をお持ちの方などへの情報保障の観点から、ご発言をされる場合には発言者は挙手をお願いします。そして、挙手をされた発言者に対して、私から指名をしますので、指名を受けた発言者はお名前の後に発言をするという流れで進行したいと考えていますので、ご協力をお願いいたします。

 それでは、本日の議事に入ります。まず、 1 つ目の議事ですが、視覚障害の認定基準について議論いただきます。第 3 回までの検討を踏まえ、視覚障害の認定基準の論点を事務局で整理いただいたものが資料 1 となります。ご説明をお願いします。


○峯企画課長補佐 事務局です。資料
1 をご覧ください。こちらは、視覚障害の認定基準に関するこれまでの論点整理として、事務局で取りまとめさせていただきました。

1 番、おおむね方向性が確認できている事項として、まず視力障害について、現行の視力障害は両眼の視力の和で認定されることとなっていますが、良い方の眼の視力をベースに判定することとしてはどうかとしています。

 視野障害について、現行はゴールドマン型視野計による認定基準しか内容が明記されていませんが、自動視野計による認定基準を新たに設けてはどうかとしています。また現行では、周辺の視野狭窄が進み中心部の視野も欠損した場合、また周辺視野に異常がなくとも中心視野が重度の障害を呈している場合については、視野を評価する方法が明確にされておりませんが、これらの場合についても更なる視野判定に進められるように新たに基準を設けてはどうか。これらの事項については、第 3 回目までの検討会で、おおむね方向性が確認できている事項としました。

2 番の検討事項で、 (1) 視力障害について、 (2) 片眼失明者やその他視力・視野以外の理由で見づらさを来している方について、手帳制度での対応及び手帳制度以外での対応をどうするか。この 2 つを本日の検討事項として挙げています。

 まず、 1 ページ目に戻りまして、 (1) 視力障害についてからご説明します。これまでの議論についてまとめてみました。第 1 回の検討会に提出された、眼科学会・眼科医会の合同委員会による改定案ですと、小数視力 0.1 以下の視力について、より細かく数値的な取扱いを行うために、「 logMAR 値」の 0.6 1.7 の範囲を、 0.6,0.7 1.6,1.7 と計 12 段階に細分化して、 3 段階ずつ 2 5 級の各障害等級に割り当て、その結果を日常診療で用いられている小数視力値に換算することで、客観性・公平性を期したものとなっていました。この案によりますと、良い方の視力が 0.04 かつ他方の視力が 0 の場合、現行 2 級ですが、改定後に認定を受けると 3 級となります。また、良い方の視力が 0.08 かつ他方の視力が 0 の場合、現行 3 級ですけれども、改定後に認定を受けると 4 級となります。

 次ページ、第 3 回検討会にご提出いただいた日本盲人会連合による改定案、こちらは今回、参考資料 3 としましたが、良い方の視力が 0.04 かつ他方の視力が 0 の場合に 2 級とする。また、良い方の視力が 0.08 かつ他方の視力が 0 の場合に 3 級とする現行基準が妥当であるという前提で、良い方の眼の視力をベースに見直したものとなっています。この案によりますと、改定後に障害等級が下がる視力区分がないものとなっています。

 一方で米国のアメリカ医学会 (AMA) の推奨する評価法である Functional Vision Score( 以下、 FVS という ) が、視力と視野を統合してスコア化するものですが、諸外国において QOL との関連性を示すデータがあり、米国・カナダ・オーストラリアなどで用いられています。

 眼科学会・眼科医会の合同委員会においても、 FVS に準拠する形で日本の障害者の認定を行う可能性も含めて当初検討いただいていましたが、大幅な改正となることなどから、報告書では「とりあえず、変更できるところは変更し、理想の形を次に導入する 2 段構えで行けたらどうか」という検討結果となっています。

 また、関係団体でのヒアリングでも「国際基準に準拠した認定基準を確立すべき」という要望がありました。

4 ページ、これまで FVS について説明する機会がありませんでしたので、参考資料としてお付けしています。 FVS は、 2002 年の国際眼科学会で国際標準として採択され、その後アメリカの身体障害者基準に掲載されているものです。 FVS は、視力から得られる機能的視力スコアと、視野の状態から得られる機能的視野スコアの積算によって得られるスコアとなっています。このうち、視力から得られる機能的視力スコアは、両眼の視力スコア、右眼の視力スコア、左眼の視力スコアから求められるスコアで、両眼の視力スコアに 6 割、右眼の視力スコアに 2 割、左眼の視力スコアに 2 割のウエイトが与えられています。各視力スコアは、 logMAR 値によって求められる数値で、例えば小数視力が 0.01 以下の場合、視力スコアは 0 、小数視力が 1.0 の場合は視力スコアが 100 と、視力が良いほど視力スコアの値も高くなるものです。

 一方、視野の状態から得られる機能的視野スコアは、両眼の視野スコア、右眼の視野スコア、左眼の視野スコアから求められるスコアです。両眼の視野スコアに 6 割、右眼の視野スコアに 2 割、左眼の視野スコアに 2 割のウエイトが与えられています。各視野スコアについても、例えば正常視野ですと視野スコアが 100 前後、視野がない場合は視野スコアが 0 と、視野の状態が良いほど、視野の値も高くなるというものです。

 このように視力・視野を統合して求められた FVS には、 QOL と関連があることを示す文献が複数あります。

2 ページに戻ってください。これらの状況を踏まえて、 2 ページ目の下半分に論点としてまとめています。視力障害の認定基準の見直しを行うために必要な基礎データを蓄積する必要があるのではないか。その際、視力と視野を統合してスコア化し、諸外国において QOL との関連が示されている FVS の導入も選択肢に含めた検討を行うこととしてはどうか。そのために、数年単位での調査研究を行うこととしてはどうか。今回は、データ蓄積等による本格見直しの前段、すなわち当面の見直しとして、以下の考え方に基づき、最小限の見直しを行うことが考えられるかとしています。

 以下の考え方ですけれども、1.視力障害の各等級の境界値については、客観性・公平性を期した合同委員会の案を基本としてはどうか。2.は、今申し上げた1.の例外として、良い方の視力が 0.04 かつ他方の視力が 0 の場合、また、良い方の視力が 0.08 かつ他方の視力が 0 の場合、これらについては、日常生活の困難度という観点から、等級を下げるべき強い根拠が現時点であるわけではないということを踏まえて、経過的な取扱いとして新規認定分も含め現行の等級を維持することとしてはどうかとしました。

3 ページ、 2 つ目の論点に移ります。 (2) 片眼失明者や、その他視力・視野以外の理由で見づらさを来す者について、手帳制度での対応及び手帳制度以外での対応をどうするかということで、論点です。身体障害の認定対象を拡大するには、客観的・合理的な根拠、特に日常生活の困難度が、障害認定が必要な程度以上であり、なおかつ、その障害が永続することを示す根拠が必要となってきますが、現状ではこのような根拠が十分あるとは言えないのではないか。先ほど 1 つ目の論点で申し上げた調査研究を通じて、更にデータの蓄積を行うこととしてはどうか。このほか、手帳制度以外での対応について、今申し上げた調査研究と並行して、日常生活の困難などを踏まえた支援策を引き続き検討してはどうかとしています。

 本日は、資料 1 にまとめた検討事項をご確認いただきながら進めていただきたいと思います。事務局からは、以上です。


○中村座長 ありがとうございました。それでは、資料
1-2 検討事項の (1) 視力障害、 (2) の順に議論をいただきたいと思います。

 まず (1) の視力障害ですが、今回、竹下構成員より意見書を頂き、視力障害に関する内容も含まれていると思いますので、ご説明をお願いいたします。資料 5 です。


○竹下構成員 ありがとうございます。日本盲人会連合の竹下です。資料
5 で示した意見書にほぼ尽きますが、 2 点に絞って私たちの意見を詳しく説明いたします。第 1 点目、あくまでも視力の判定基準は、私たち視覚障害者の生活における困難性、あるいは就労における困難性が判定基準になるべきものだと思っています。ときには福祉の利用、福祉行政のサービス内容にまで大きく影響することを考えれば、そうした生活困難を抜きにした基準は妥当性があるとは到底言えないのではないかと思っています。もちろん、近年言われている社会的モデル、すなわち日常生活や社会生活における困難度だけで判断することにも無理があることを心得えていますので、その点では医学的な根拠、ないし医学的な材料と社会生活、日常生活における困難を加味したものによって、視力の認定基準がされるべきであると思っています。

 このことは、近年、法律の上で考えても、障害者権利条約を批准したこと、更にはそれに基づいた各種の法律の整備、例えば障害者差別解消法、障害者雇用促進法、障害者総合支援法といった福祉行政にまで及ぶ法律の構成全体が、そうした流れに沿っていることを考えれば、本来福祉サービスの提供の最も根幹と言いますか、基準となるべき等級認定においては、そうした福祉行政や視覚障害者の日常における困難度を抜きにした基準の見直しは、やはりあってはならないと強く思っています。

 もう 1 点だけ強く思っていることは、これまでの等級において両眼の視力の和は、どう考えても不合理であることは、私のような素人のたくさんの方にもご理解いただけていると思っていますし、今回、合同委員会から提案された内容が、そうした見直し、すなわち良い方の眼を基準にするという、最も実態にも即し、我々視覚障害者の生活実感からも、そのことを大きく見直していただいたことは、大きな感謝であり、是非、実現していただきたいと思います。

 それに当たっては、現在の等級基準とされている、例えば 2 級の 0.04 、あるいは 3 級の 0.08 というものが、なぜ、そこに線を引かれたかまでは、残念ながら私は理解できていません。ただ、私たちの仲間内で見ている限りは、この 0.04 0.08 という 2 級、 3 級の基準が、それなりに 70 年間定着したこともあり、我々は非常に、その基準での分け方において 1 つの納得を得た受け止め方をしてきました。そのときに、これまでの 0.04 なり 0.08 に妥当性が、その根拠は分かりませんが、妥当性があるからこそ 70 年間の長きにわたって、それが実施されてきたことを考えれば、それを変更する場合には、変更するにふさわしい根拠や合理性がなければならないと思っております。どのような法律改正や、あるいは制度改正においても同じだと思いますが、現行制度に不合理があるということが明確である場合、あるいは変更しようとする内容に合理性があるという根拠がないままに、基準を変更するのは有り得ないことだろうと思っています。

 そうしますと、現時点で 2 級の 0.04 3 級の 0.08 というものが不合理であるということの何らかの根拠付けが、何らかの調査によって出てくるとか、エビデンスとして何らかの提示がある場合には、変更せざるを得ないでしょうし、更には、それを 0.03 0.07 に変更することの合理性を裏付ける根拠が示されること、そこに一定の科学性があることがない限りは、そうした基準を導入することは決してやってはならないと思っています。その点で、現行の 0.04 を将来的に何らかの調査研究の結果、整合性を持った根拠の下に変更されることにまで反対するものではありませんが、まだそうした知見やエビデンスがない状態で変更することは、是非避けていただきたい。

 ちなみに、例えばで申しますと、 0.03 で片方が 0.02 の方が、今回は仮に等級を 0.03 を基準とすることによって 2 級になりますが、逆に、仮に 0.04 を基準で考えたときに、片方が 0.04 で片方が 0.01 とします。この 2 つのカテゴリの方は、従来は両方とも和でいけば 0.05 ですから 3 級なわけです。この 2 つのカテゴリの方々が、今回仮に 0.03 を基準にして片方が 2 級になって、片方が 3 級になるということがあったとすれば、それは非常に一方において不利益をもたらすことは、数字の上でも十分ご理解いただけると思います。

 だからこそ、先ほど申し上げた、そこには合理性なり整合性がなければならないと強く思うわけです。その点でも、まずは現在の基準を変更するのであれば、是非とも 0.04 に不合理性があること、あるいは 0.03 に整合性があることを、何らかの形で調査結果が出ることをもって変更していただくことを、私たちは強く願いたいと思っています。

 最後に、私たち自身が内部で議論をしていても出てくることですが、 0.03 の方と 0.04 の方との差がどれだけあるのかというのは、非常に個人差があることは確かなようであります。ただ、もう 1 つ言えることは、 0.04 で片一方が 0 の方と、 0.04 で片一方が仮に 0.01 0.02 の方にお話を伺うと、悪い方の眼という言い方でいいんでしょうが、悪い方の眼を使って生活をするのは、ほとんど有り得ないんだそうです。 0.04 0.03 の方はお会いできていませんが、 0.04 で片一方が 0.01 の方は、非常に極端なほどにまで悪い眼では、生活はできないし、悪い方の眼を使っての作業はできないようでして、結局は、良い方の眼である 0.04 が、その方の QOL 、あるいは ADL のほとんどを支配していることを最後に付け加えておきたいと思います。以上です。


○中村座長 どうもありがとうございました。今、ご説明がありましたことは、事務局の論点とは少し異なる点もあろうかと思います。事務局から補足はございますか。


○峯企画課長補佐 事務局です。先ほど一部の説明で重複する内容もありますが、もう一度説明いたします。事務局が論点としたのは、各視力障害の等級表の境界値については、
logMAR の等間隔という形で客観性・公平性を期した合同委員会の案を基本とする。すなわち基本的な線引きとしては、良い方の視力が 0.04 の方は原則 3 級。良い方の視力が 0.08 の方は原則 4 級と、基本的な線引きはそのようにしてはどうかということです。ただし、この中でも特に、良い方の視力が 0.04 、かつ他方の視力が 0 の場合と、良い方の視力が 0.08 、かつ他方の視力が 0 の場合については、日常生活の困難度という観点から等級を下げるべき根拠は、これまでに出てきていないと認識しています。そのような状況も踏まえ、経過的な取扱いとして、これらの方については例外的に新規認定分も含め、現行の等級を維持する。すなわち、良い方の視力が 0.04 かつ他方の視力が 0 の方は引き続き 2 級。良い方の視力が 0.08 かつ他方の視力が 0 の方は引き続き 3 級としてはどうかと示しているところです。以上です。


○中村座長 どうもありがとうございました。事務局の補足説明も踏まえて、ほかの構成員からご意見をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。石橋構成員、お願いできますか。


○石橋構成員 石橋でございます。基本的には、今、事務局から言われたことに賛成いたします。少しだけ意見を言わせていただきますと、そもそも論として手帳の
1 6 級というのは、例えば視覚障害の方に、社会生活上こういう困難がある人というきちんとした定義にはなってないのです。例えば、 2 級は 1 級の下で 3 級の上という感じになって、等級も今のところは単なる数字の区切りにしかなってないのです。我々としては logMAR 視力というものを等間隔に分けて、 2 5 級に割り当てたのが基本になっているのです。それについての妥当性は、一応国際的にも認められていますので、そこはきちんと認めていただくと。

 その上で現在のことを考えた場合に、今の状況、 0.04 0.08 の方が、今の等級よりも下がられることについては、事務局が言われたような案でしていただいて、将来的には FVS という形も含め、もう少しデータを集めてきちんとやるという方向性で。だから今の段階では、これが一番の結論めいたことになるのではないかと、私自身は思っております。


○中村座長 では、田中構成員、お願いできますか。


○田中構成員 田中です。全体として、良い方の視力で等級を決めるとか、視野の中心暗点の人たちの救済をしていくというところには賛成なので、この部分を進めることについては賛成しています。今回の変更で当面見直しがされなくなることが心配でしたが、今回の事務局提案では継続協議について明記されたのも評価します。論点の
3 段目に、「数年単位での調査研究を行う」と書いてあるのですが、具体的にどれぐらいまでにという年数の目標は、きちんと定めていただきたいと思っております。あと、 0.04 0 とか 0.08 0 という組合せの部分で、「経過的取扱いとする」とあるのですが、ここの部分についても次期改定まで継続するということを書いてほしいと思います。

 今回の事務局からの提案だと、取りあえず視力の部分については現状が維持されるということなので、着地点としては妥当と考えます。ただ、これまではどちらかと言うと視力の数値やどのぐらいの変動があるかというところを中心に話されてきていますが、障害者手帳というのは、今の制度の中では受けられる福祉サービスの量を決めるものです。現在、様々な機器が出てきたり、日常生活用具の品目も増えたり、視覚障害の方の就労状況や就労に対する希望も変わってきているという中で、今の 1 2 級の人が受けられるサービス、 4 級までの人が受けられるサービスというのが妥当なのかについて調査もした上で、次の改定で見直していただけると良いと思っています。


○中村座長 今、調査研究の時期についてご質問なりご意見がありましたが、確認しますと、数年ではなくて決めたほうがいいということでしょうか。


○田中構成員 目標設定をしないと、どういうように進んでいくのかが見えないのです。


○中村座長 この点は事務局、いかがでしょうか。


○峯企画課長補佐 現時点で調査デザインなど、具体的にはご提案できるものがありませんので、次回に向けて調整させていただきたいと考えております。


○中村座長 分かりました。それでは田中構成員、これは少し検討させてくださいということでよろしいでしょうか。


○田中構成員 はい、分かりました。


○中村座長 ほかの構成員の方々からご意見はありませんか。


○湯澤座長代理 事務局案は妥当であると思います。根拠は石橋先生もおっしゃったのですけれども、良い方の眼の視力で判定するということが、基本的に一番大事な変更点で、この点を行いたいということです。視力に関して言うと、視力が日常生活あるいは社会生活の困難さにどれだけ関係するかということを言うのは、とても難しいのです。どうしてかというと、視力のほかに中心暗点が生活の質と程度にすごく影響するからです。ですから竹下構成員が言われたように、遠くない将来に改正するということを考えると、視力と視野を一緒に組み合わせた
FVS というものを、日本でもきちんと運用していく必要があるだろうということになると思います。しかし、この前からお話をお聞きしていると、変更によって現状から不利益になる方たちがいらっしゃる 0.04 0.08 については、はっきりとした生活の質、生活の程度の差異を現時点では明確に示せないので、現行の視力をそのまま適用されれば良いかと思います。


○中村座長 それはご意見ということでよろしいでしょうか。


○湯澤座長代理 はい。


○中村座長 仮に次回検討するとした場合には、そういう意見があったということを事務局のほうでご勘案いただきたいと思います。そのほかの構成員の方々からはいかがでしょうか。竹下構成員、いかがでしょうか。


○竹下構成員 竹下です。
1 つは意見であり、 1 つは質問です。 1 つは、今回の事務局案で出てきたことに高く評価していい部分を感じているのは、不利益を作らないということ、いわば 0.04+0 という視力の方について、不利益を被らない二重基準、すなわち 0.03 を良い方の眼を基準にする部分と、 0.04+0 については、これまでどおり 2 級として認定することをご提案いただいたのは、これまでの議論を踏まえた非常に大きな前進だろうと、率直に思っております。

 ただ、非常に残念というか、考え方の上でどうしても理解しにくいのが、例えば 0.04+0.01 の方で言いますと、その方は 3 級で、 0.04+0 2 級だというのを見たときに、やはりプラス、いわゆる両眼の視力の和というのは生きているじゃないかというのが残ることに、強い懸念を持っているわけです。今回の合同委員会の報告書で良い方の眼を基準にするという、大原則と言うのか大前提と言うのか分かりませんが、そういうものを打ち出したことに、私は非常に素晴らしい大きな前進を見ているのに、不利益を生まさないがために事務局が提案された形を導入したがゆえに、結局は両眼の視力の和というのが考え方として残って、その方については 3 級になるという格好になっている。言葉は不適切かもしれません。中途半端な言い方は良くないのかもしれませんが、不徹底なものが残ることは、将来の大きな課題かと思いました。これが意見です。

 もう 1 つは質問です。私は今回、 FVS というのを大分勉強させてもらいました。非常によくできているなと、私も文献を読みながら思いました。いろいろなものを読んでいると、アメリカでは等間隔で 4 分類しているときに、 ADL ないし QOL と医学モデルとをきちんと組み合わされていて、それはそれなりに非常によくできた基準だということがよく理解できました。ただ今回、 1 級と 6 級が抜けたところで等間隔にしたことが、どれだけ生活実感や ADL と一致しているかが検証されてないことを考えると、今後の調査研究は絶対に不可欠だろうと思うわけです。

 そういう意味で質問です。今後の研究の範囲の問題です。合同調査報告書にも出ておりますように、当然 FVS を考慮したときには、片眼の人とか羞明の人も含んだものをということです。私も今回勉強して初めて知ったのですが、「眼球使用困難症」という日本語があることを知らなかったのです。私は、そのグループに入る人たちから手紙をもらいました。今、ここに持っています。私も眼が悪いからということで、 CD にまで焼き付けて送っていただきました。こういう人たちの問題をどこまで取り上げるかというのが、本来あるかと思うのですが、率直に言ってここでも十分な議論をされているとは思いません。

 そうすると、今後は FVS を是非基本に置いた研究をしていただく。そのときは視力に限定しないところで、視覚に伴う困難、色覚障害、昔で言う色盲の人たちの問題も含めた範囲の研究になるのかどうか。そして私は勝手に理解しているのですが、そういう研究をやるとすれば、当然のことながら厚生労働省から眼科医会なり眼科学会なりに、そうした研究を委託になるのか助成になるのか知りませんが、きちんと厚生労働省が主導した形でやっていただけると理解していいかどうかについて、ご質問させてください。


○中村座長 ご意見とご質問でしたが、事務局からお願いできますか。企画課長、お願いいたします。


○朝川企画課長 企画課長でございます。ご意見は承りました。表現はいろいろあったかと思いますけれども、中途半端である、あるいは二重の基準であるという点は、私どもも提案をする中で、そういう側面があることは重々承知をして、今回ご提案申し上げております。非常に苦渋の決断をしながら、今回ご提案申し上げているということを是非ご理解いただければと思います。

2 つ目としてご質問いただいた点ですが、これも竹下委員がおっしゃるとおり、今回の基準が生活実感や生活の困難さと一致しているかという検証が、必ずしも十分されていない、データの蓄積が不十分であるという認識を持っております。したがって、今後数年かけて調査研究をするというご提案を、併せてさせていただいております。その際に調査の範囲、どの範囲で行うかという点については、もちろん視力がメインのテーマになりますが、先生もおっしゃったとおり、今日の資料でいきますと資料 1 3 ページの (2) 、片眼失明の方あるいは、それ以外の視力でないところで視覚に困難さを抱えている方も含めて、調査研究をしていく必要があるだろうと考えています。また、その調査研究を進めるに当たっては、当然のことながら厚生労働省が、しっかり関与しながら進めていきたいと考えております。


○中村座長 今の企画課長のご返答も含め、構成員の方々からほかにご意見等はありますか。ないようでしたら、これから調査研究を行っていくということ、また、経過的な取扱いとして合同委員会の案を基本としつつ、良い方の視力が
0.04 かつ他方の視力が 0 の場合と、良い方の視力が 0.08 かつ他方の視力が 0 の場合については、現行基準を維持するという形で見直すという方向で、今回の検討結果としたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。


○竹下構成員 竹下です。私は専門的な言い方はよく分かりませんが、合同委員会の報告書が、今回事務局から出たものと大きく違ってきている部分が出ているのかという、私自身の理解があります。正に各構成員の先生方がおっしゃっているように、今回の合同報告書では、
2 級から 5 級を等間隔で割って、 0.03 0.07 という基準が導かれているわけです。しかし今回の事務局の案は、そこはある程度考慮しながらも、 0.04+0 0.08+0 が等級として 2 級、 3 級に残ることを考えると、言うならば合同委員会の報告書が大きな動機付け、ないしスタートになっていることは間違いないと思うのです。事務局案がある種、現時点における妥協案として提案されていることが、全ての出発点なのかと受けとめているのですが、それで間違いないのでしょうか。


○中村座長 事務局、お願いいたします。


○朝川企画課長 企画課長でございます。今おっしゃったことをうまく的確に受けとめられているかはよく分かりませんが、ほぼ同じだと思います。合同委員会でご提案いただいたものが、この議論の出発点としてあり、その案は
logMAR で等間隔に割り振るというところで提案を頂いたわけです。今回我々が資料 1 でご提案しているのも、まずそれをベースにしながらの案です。しかしながら、それでいくとまだ合理的な根拠のないところで等級が下がってしまう部分が 2 つありますので、それをなくす修正をしています。今後、もしこの案が成案となった場合には、これを出発点として更に調査研究を重ね、次のステージに向かっていくと考えております。


○竹下構成員 理解しました。


○中村座長 どうもありがとうございました。それでは検討事項
(2) 片眼失明者や、その他視力・視野以外の理由で見づらさを来している者について、議論を頂きたいと思います。第 2 回のヒアリングに引き続き、 NPO 法人片目失明者友の会会長の久山参考人から資料を頂いておりますので、ご説明をお願いしたいと思います。久山参考人はご着席の上、 5 分間を目安にご発言いただければ有り難いと思います。


○久山参考人 
NPO 片目失明者友の会代表の久山でございます。第 2 回検討会に続き、発言の場を設けていただきましたことに対し、厚く御礼申し上げます。今回も資料を 2 通り提出させていただいております。 1 枚目はお隣の国、韓国の視覚障害の認定基準です。 2 枚目は当事者の方がお困りになられている悲痛な声を、一部抜粋して掲載させていただいております。最初に、第 3 回の検討会を拝聴しましても、私たち片目失明者友の会のことが議事から外れる傾向にあるやに見受けられますので、絶対にそういうことのないように、私たちのことも含めた上で議論をしていただけますように、中村座長にお願い申し上げたいと思います。

 それでは本題に入らせていただきます。まず、第3回検討会の議事進行の中からはずされてしまいましたが、第3回視覚障害の認定基準に関する検討会、資料1、 4 ページの (2) ですが、「いわゆる片眼失明者について」とあります。どなたがこの資料を作成されたのか存じませんが、「いわゆる」というのがどういうことなのか、私にはよく理解できません。この文言は片眼失明者の方々にとって、大変失礼に当たる文言ですし、文言としては不適切だと思います。遊びでこの検討会がなされているわけではないと思っておりますし、私たちは真剣に障害者として認めてほしいということをお願いしているわけです。もう少し文言に気を配って、真剣に作成してほしいと思います。

 改定案でも現行基準と同様、片眼の視力が 0 であっても他方に 0.6 を超える視力がある場合は、認定対象外とされている。このような場合に関して新たに身体障害の対象とする場合、客観的、合理的な根拠が必要となるが、示せるかとあります。厚生労働大臣宛ての要望書しかり、アンケート調査の結果しかり、それらのことは第 2 回検討会の時の資料に色々と列記させて頂いております。今回も資料の中に一部列記しておりますが、いかに片眼失明者が置かれている現状が深刻であるか、言わずともお分かりいただけるところではなかろうかと思います。このことは日本眼科学会なり、日本眼科医会の名医である専門家の先生方がお分かりになられないわけがないと、私は思っております。なぜこのような文言が出てきたのか、私には理解できません。 (3) においても同様です。

 次に、第 3 回検討会の資料1、4ページの中の、「これまでの検討会における主な意見」の欄に、 5 項目だけ列記されております。義眼に関しては全然触れておられませんし、見える眼に負担が掛かることで、見えるほうの視力が次第に落ちていく恐怖感があるという回答数が多いにもかかわらず、列記されていません。それから最後の所に、これまでの検討会における主な意見として、 0.2 という視力は生活・仕事にかなり不自由を来すが、訓練など、一定の支援があれば十分働けるのではないかと記載されています。しかし片眼失明者は健常者扱いですので、何の支援も援助も受けることが出来ないのです。第 2 回の検討会の意見陳述のときも述べましたが、片眼が 0.7 以上見えれば運転免許も取れるし、学校教育でも裸眼視力が 0.7 までは眼鏡装用の矯正をしていないし、普通に生活できるからいいじゃないかという誤った考え方は、もってのほかです。

 同じく、第 2 回検討会意見陳述のときにも述べましたが、全部が全部そうだとは言いませんけれども、肢体不自由で障害者認定を受けておられる方で、高級車に乗っている方もおられますし、片眼失明者以上に普通に生活している方もおられます。これで障害者です。 7 級まで見ていただければお分かりいただけると思います。いかに片眼失明者がそういう部分において苦労させられているかというのが、非常によくお分かりいただけると思います。

 片眼失明者は視覚だけではなく、様々な生きるすべを失っているのも現実です。例えば、自動車の運転免許に関しても大型一種、二種全般、中型一種、けん引等が取得できなかったり、取り消されたりする制限が設けられております。また、希望する工業系の学校に行けなかったり、一般就職においても警察官、自衛官、消防士、航空関係、 JR ほか、片眼であることを理由に随分と制限されているのが現状です。このように片眼失明者に対して社会的に必要とされる制限が設けられているなら、逆にそれに対する社会的保障が設けられても、日本国憲法の理念に照らして当然と思います。

 今の日本の身体障害者程度等級表は、視覚障害者の部分に関しては非常に厳しい基準となっており、到底平等な障害者基準とは思えません。眼は 2 つがまともに機能して初めて健常者です。それが片方の眼しか見えない、機能しないということは、誰がどう考えても障害者なのです。それを障害者として認めようとしない原因の 1 つには、それを認めることによって、国は新たにそれ相応の財源を捻出しなくてはいけなくなるからです。昨年 5 月に高山課長補佐と事前打合せをした際にも、財源の問題を言っておられました。

7 20 日の新聞にも掲載されておりました。厚生労働省は社会保障費を抑制する傾向にあります。第 2 回の検討会のときに私どもの市川副代表も言っておりました。諸外国にいい格好をして出す財源を、ちょっと国内の社会保障分野に回してもらえれば済むことです。それが財源がないからという理由で片付けられても、非常に困ります。前任の和田係長は以前、厚生労働省障害福祉部企画課と NPO 片目失明者友の会は、せっかく友好関係ができたのだからと、「友好関係」ということを口にしておられました。そこまで私たちのことを思っていただいているのであれば、是非とも私たちの訴えをご理解いただき、障害者であるということを素直に認めていただき、片眼失明者あるいはそれに近い人たちに対して社会保障面での救済処置を、是非ともお願いしたいと思っております。

 資料の中にお隣の国、韓国の視覚障害者認定基準を添付させていただいております。ご存じかどうかよく分かりませんので、私どもから提出させていただきました。韓国も以前は日本と同じ視覚障害者基準であったようですが、その判定基準が見直され、新たな視覚障害者認定基準が 2003 6 26 日に制定されております。日本の場合は 60 数年から 70 年近く改定されていないわけです。その中の 6 級を見ていただいてもお分かりいただけるように、韓国の場合、悪い方の眼の視力が 0.02 以下の人となっています。悪い方の視力が 0.02 以下の人は、良い方の眼が幾ら良く見えても障害者なのです。日本の場合も韓国同様に改正させるべきであると私は思っております。

 専門家の先生方もいろいろと専門的な用語を使用されたり、数字を並べて図示されるのも結構ですが、私たちは決して間違ったことを申し上げているとは思っていません。私たちの訴えをよくご理解いただき、厚生労働省のほうに何らかの救済措置が必要ということを助言していただかないと、私たちのお願いしている問題は、いつまでたっても解決致しません。ここまでお願いしても、なおかつまだ何の救済措置も社会保障の手も差し伸べていただけないということになれば、最終的には、憲法第 14 条「全ての国民は法の下に平等である」、憲法第 13 条「個人の尊重・幸福追求の権利」、憲法第 25 条「生存権」などの観点から、司法の判断を仰がなくてはならないと思っております。そのようなことにならないように、この検討会を通じて片眼失明者あるいはそれに近い方々に対して、何らかの救済措置、社会保障の手を差し伸べられますよう、願ってやみません。


○中村座長 ありがとうございました。今、意見を頂きましたが、これにつきまして構成員あるいは事務局のほうから何か感想等ございますか。竹下構成員。


○竹下構成員 ありがとうございます。竹下です。私たちの意見書にも
2 の所で書きましたけれども、片眼失明者の方、羞明や複視、あるいは瞼が痙攣してうまく瞼が使えない方からいろいろお話を聞きながら、私、 2 つ思いました。 1 つは、どうしても差別の問題で、特に今、片眼失明者の方々が差別のことを強くおっしゃっていることについては、私は十分理解できているつもりですが、差別の問題とはちょっと切り離して、生活困難というところに視点を置いて考えたときに、片眼失明者の方や羞明の方といった視力以外の部分で、視機能に一定の困難を抱えている方々についての対応は不可欠だと思っています。

2 つの例を申し上げると、私が盲学校で生活したときに非常に面白い経験をしたのは、視力が 0.2 ぐらいで盲学校に来ている方は当然おられます。その方は日頃、私のような全盲を手引きしてくれます。ところが、正に太陽の照っている明るい所へ来ると私がその方を手引きする。これが現実です。それほどの大きな困難を抱えていることは、各構成員の先生方は言わずもがなでご理解いただいていると思いますが、そうした日常生活での困難や就労上の困難をお持ちの方々に対して、どれだけの福祉的な手当を講ずるのか。あるいは身体障害者として、きちっとした枠付けをした上で福祉行政を考えることが、長年、課題になっていると理解しています。今回、この FVS という素晴らしい 1 つの基準、視標が提示されて今後の調査研究の基礎に置く以上は、そうした片眼失明者の方や羞明の方などの困難を抱えている方々についても、是非、前向きな調査研究が開始されることを強くお願いしたいと思っています。以上です。


○中村座長 ありがとうございました。ほかにございますか。事務局、お願いします。


○峯企画課長補佐 事務局です。論点についてもう少し加えてご説明させていただきたいと思います。身体障害の認定対象を拡大するには、客観的・合理的な根拠が必要となりますけれども、現状、片眼失明による遠近感の障害の日常生活のしづらさについては、日常生活の困難度が障害認定を必要とする程度以上であるということについて、まだ十分には示されていない状況かと認識しています。また、眼瞼痙攣などにつきましても、障害が永続するということを示す根拠が、これまでの検討の過程でも十分には示されていない状況かと認識しています。そこで資料
1 でお示ししたとおり、まずはデータの蓄積を行い、手帳制度以外の支援策も含めて検討を継続してはどうかとさせていただいています。


○中村座長 企画課長、お願いいたします。


○朝川企画課長 企画課長です。加えまして、今、久山参考人にもお話をお伺いしましたことを踏まえて、少しコメントさせていただきますと、冒頭、おっしゃっていただいた前回の資料で「いわゆる」という言葉が付いていたことについては、十分な配慮が行き届かない表現をしてしまったことについて大変申し訳なく思っています。今回、今日の資料につきましては、そのような表現を別の場でご指摘を受け、改めさせていただいておりますのでご理解いただければと思います。

 第 2 回目のヒアリングも、そもそもこの会が始まる前からお話を伺ってきている中で、特に第 2 回目のヒアリングの場では詳しい資料も出していただいて、私ども全て読ませていただき、大変ご苦労されていることは十分理解させていただいているつもりでいます。その上で、今日の資料 1 3 ページにあるようなご提案に至っているのは、今、峯のほうからも申し上げたのですが、身体障害者手帳の認定基準ということですので、その身体障害者手帳制度でカバーできる困難さと、そうでない困難さがあるという悩みが 1 つあるわけです。今日も出していただいている、いろいろな困難さ、不都合、不利益というものの中には、我々の目から見て手帳制度でなかなか解決しきれないものも多く含まれているというのが、 1 つ目の率直な感想です。

 しかしながら、今のままの支援の状況でいいのかどうかという点については、我々も真摯に検討していかなければいけないと思っています。今日のご提案は、そういうことも含めてご提案をさせていただいているということで、手帳制度については、その範囲を決める、等級をどうするといったところは、他の障害のものもみんなそうですけれども、客観的・合理的な根拠に基づいて判断をしていかざるを得ませんので、片目失明者友の会から頂いたいろいろな困難も踏まえて、我々として今後、調査研究をする中でデータの蓄積をしていきたいというのが、 1 点です。

 もう 1 つは、今、前段で申し上げたことですけれども、手帳制度でカバーしきれない問題も現にあるのは事実ですので、そういったことも踏まえて、今後、どんな支援策が考えられるかは引き続き検討していきたいというのが、最後に書かせていただいていることです。決して今までおっしゃっていただいたことを全部蔑ろにして、今日の提案をしているつもりでは全くありませんので、その点、ご理解いただければと思います。


○中村座長 ありがとうございました。ほかの構成員の皆様からご意見はございますか。竹下構成員。


○竹下構成員 今の課長のご説明で気になったことが
1 点あります。片眼失明者の方に限りませんけれども、手帳制度でカバーしきれない問題についてはうんぬんというくだりがあったかと思います。それはそれとしていいのですが、今後、研究をしていくときに、片眼失明者の方であろうが、他の視力あるいは視野の点を除いたところで困難を抱えている視機能障害の方について、何らかの 1 つの結論を得るべく研究をする。特に FVS 1 つの考え方の材料にしながら検討するときに、手帳制度の中も含めた検討として存在すると私は理解していたのですが、そうではないのでしょうか。


○朝川企画課長 私の表現が舌足らずで申し訳ないですが、そのとおりでございます。含んで検討します。


○中村座長 ほかにございますか。久山参考人、どうぞ。


○久山参考人 久山でございます。先ほど企画課長様からご提案いただきました。障害者手帳を発行する上において、それ以外のこともいろいろあるということですが、私たちは、今の視覚障害者基準が平等でないということの観点に立ってお願いしています。視力障害に関しては
1 級から 6 級までになっていますが、非常に厳しい判断の下に設定されています。だから、果たして他の障害者等級と比べて、視覚障害者の等級がどうなのかという部分を十二分に吟味していただき、片眼失明者が苦労されていることや客観的根拠と言われますけれども、では、それをどういうふうな形で、いつまでにそういうデータを取ろうと考えているのか。私自身、お聞きしたいと思います。


○中村座長 企画課長、何かご意見はございますか。


○朝川企画課長 調査については、この前段の議論でもございましたけれども、今日の時点では何年間でというのは、まだ調査設計も不十分ですのでそこは明言できませんけれども、そんなにいたずらに長い時間をかけるつもりもございません。ただ、複数年は必要だと思っているというのが
1 つです。もう 1 つは、片眼失明の方に限ってどんなことが調査でできるのかも非常に難しい。調査設計を考えていくことでも、いろいろ考えなければいけないと思います。良いデータが出てこなければいけませんから、その点も含めて皆さんの意見も聞いて考えさせていただき、やっていきたいと思います。


○中村座長 そのほか、構成員の皆様からご意見等ございますか。よろしいですか。それでは、視力、視野以外の問題についても、まずは調査研究でデータの蓄積を行うとしつつ、手帳制度以外の支援策も含めて検討を継続するといった方向性で、今回の検討結果としたいと思います。久山参考人におかれましては傍聴席にお戻りください。ありがとうございました。引き続き、事務局から資料
2 4 について説明をお願いいたします。


○峯企画課長補佐 事務局です。視野障害につきましては自動視野計による認定基準を新たに設けること。また周辺の視野狭窄が進み中心部の視野も欠損した場合や、周辺視野に異常がなくても中心視野に重度の障害を呈している場合についても、更なる視野判定が進められるよう新たに基準を設けること。これらにつきまして、第
3 回目までの検討会で眼科学会・眼科医会による合同委員会の先生方から、ご提示いただいた改定案どおりの形で、おおむね方向性を確認いただいていたところです。

 その内容を踏まえまして、視覚障害の中でも視力障害の関連記載は今回除かせていただき、視野障害に関する内容に絞って、資料 2 に障害程度等級表の見直し案、資料 3 に認定基準の見直し案、資料 4 に認定要領の見直し案をお示ししています。今回の検討会で記載内容について確定させるという趣旨ではございませんが、本日はこちらの見直し案をベースに引き続きご議論いただければと考えています。それでは、資料 2 から順に説明いたします。

 資料 2 は、等級表の見直し案で上半分が現行の基準となっています。現行のほうで視能率と記載している所は、下半分の見直し案の等級表によりますと、 2 級が、「両眼の視野がそれぞれ 10 度以内、かつ両眼の中心視野角度が 28 度以下のもの」としています。また、 2 番に新たに自動視野計のほうの等級として、「両眼開放視認点数が 70 点以下、かつ両眼の中心視野視認点数が 20 点以下のもの」としています。 3 級はゴールドマンのほうが 1 番で、「両眼の視野がそれぞれ 10 度以内、かつ両眼の中心視野角度が 56 度以下のもの」としています。 2 番は自動視野計のほうで、「両眼開放視認点数が 70 点以下、かつ両眼の中心視野視認点数が 40 点以下のもの」としています。 4 級の基準は、 1 番が「両眼の視野がそれぞれ 10 度以内のもの」、 2 番が「両眼開放視認点数が 70 点以下のもの」。 5 級の 1 番が「両眼による視野の 2 分の 1 以下が欠けているもの、または両眼の中心視野角度が 56 度以下のもの」、 2 番が「両眼開放視認点点数が 100 点以下のもの、または両眼の中心視野視認点数が 40 点以下のもの」としています。

 この等級表に基づき、さらに認定基準という形で具体化させています。資料 3 をご覧ください。論点に関連する所をかいつまんで説明させていただきたいと思います。左側の見直し案のほうのみ説明させていただきます。身体障害認定基準の第 2 の個別事項、一の視覚障害、 1 の総括的解説の (3) を説明いたします。視野はゴールドマン型視野計、あるいは自動視野計を用いて測定します。ゴールドマン型視野計を用いる場合は、1 /4 (いちのよん)の視標を用い、「両眼の視野がそれぞれ 10 度以内のもの」、これは 2 級、 3 級、 4 級の等級表に書いているものです。また、 5 級に書いてある「両眼による視野の 2 分の 1 以上が欠けているもの」、これは1 /4 (いちのよん)の視標を判定するということで明確化して記載しています。また、中心視野角度の算定には1 /2 (いちのに)の視標を用いることとしています。その次に自動視野計の場合の記載が追加されています。自動視野計を用いる場合は、両眼開放視認点数の算定には、両眼開放エスターマンテストにて 120 点を測定する。一方、中心視野視認点数の算定には、 10-2 プログラムにて中心 10 度内を 2 度間隔で 68 点測定するとしています。

 おめくりください。引き続きまして、 2 の各項解説、 (2) 視野障害のアの所で、「両眼の視野が 10 度以内」とは、左右眼とも視野が 10 度以内の意味である。 1) ゴールドマン型視野計を用いる場合は、1 /4 (いちのよん)の視標による視野が左右眼とも中心 10 度以内である。1 /4 (いちのよん)の視標による視野角度が 8 方向いずれかの角度ということですけれども、 10 度を超える場合は、 8 方向の視野角度の総和が 80 度以下であれば、 10 度以内とみなします。 8 方向の視野角度は1 /4 (いちのよん)の視標が視認できない部分を除いて算出します。1 /4 (いちのよん)の視標にて、周辺にも視野が存在するが、中心 10 度以内の視野と連続しない場合も含みます。1 /4 (いちのよん)の視標にて、中心 10 度以内に視野が存在しない場合を含みます。 2) 自動視野計を用いる場合は、視標サイズ3(さん)による両眼開放エスターマンテストで両眼開放視認点数が 70 点以下です。

 イ、ゴールドマン型視野計による両眼の中心視野角度、これは 8 方向の視野角度の総和です。ならびに自動視野計による両眼の中心視野視認点数は、以下の方法で判定します。 1) ゴールドマン型視野計を用いる場合は、1 /2 (いちのに)の視標による中心視野について、左右眼それぞれに 8 方向の視野角度を合算し、中心視野角度を求めます。 8 方向の視野角度は1 /2 (いちのに)の視標が視認できない部分を除いて算出します。さらに、両眼の中心視野角度を計算する場合は、中心視野角度が大きいほうの眼の中心視野角度が 3/4 のウエイト、中心視野角度が小さいほうの眼の中心視野角度が 1/4 のウエイトということで、両眼の中心視野角度を計算すると記載しています。1/ 2 (いちのに)の視標で中心 10 度以内に視野が存在しない場合は、中心視野角度は 0 度として取り扱います。

2) 自動視野計を用いる場合は、視標サイズ3(さん)による 10-2 プログラムで測定を行い、左右眼それぞれ感度が 26dB 以上の検査点数を数え中心視野視認点数を求めます。 dB の計算は、背景輝度 31.4asb で、視標輝度 10000asb 0dB としたスケールで算定します。さらに、両眼の中心視野視認点数の計算方法も、先ほど申し上げたとおりです。お配りしている資料ですから 3 ページの一番下の行に誤字がありますので訂正させていただきます。両眼の中心視野角度としている所が同じ行に 2 か所ありますけれども、ここは「角度」というのを 2 文字消して、いずれも「視認点数」に修正いただきたいと思います。ここで申し上げたいことは、両眼の中心視野視認点数が中心視野視認点数の多いほうの眼に 3/4 のウエイト、視認点数が少ないほうの眼の中心視野点数に 1/4 のウエイトがかかっています。

4 ページで、ウ「両眼による視野の 2 分の 1 以上欠けているもの」というのは、 5 級に記載があるものですけれども、こちらは、両眼で一点を注視しつつ測定した視野が、生理的限界の面積の 2 分の 1 以上欠損している場合の意味ということで、こちらも既存の記載を少し明確化したものとなっています。

1) 視野の生理的限界は、左右眼それぞれ上・内・内上・内下 60 度、下 70 度、外上 75 度、外下 80 度、外 90 度であるということです。

2) ゴールドマン型視野計を用いる場合は、左右眼それぞれに測定した1 /4 (いちのよん)の視標による視野表を重ね合わせることで、両眼による視野の面積を得ます。その際、面積は厳格に計算する必要はありません。

3) 自動視野計を用いる場合は、両眼開放エスターマンテストで視認点数が 100 点以下であるということです。

 資料 4 は、更に細かく記載した認定要領となっていますが、事務局から説明させていただきたいのは 2 点です。資料 4 をおめくりいただいて 2 ページの左下、見直し案のほうで、こちらは以前に論点になっていた所です。 2 障害程度の認定について、 (4) 視野の判定は、ゴールドマン型視野計あるいは自動視野計のどちらか一方で行うこととし、両者の測定結果を混在させ判定することはできません。 3 ページの (5) 自動視野計において等級判定上信頼性のある測定が困難な場合は、ゴールドマン型視野計にて再評価するとしています。

 資料 2 4 につきまして、事務局からの説明は以上になります。


○中村座長 ありがとうございました。合同委員会からの案を反映させたものということですが、合同委員会の構成員の方から今の事務局からのご説明に補足等ございますでしょうか。あればお願いしたいと思います。石橋構成員、お願いします。


○石橋構成員 資料
4 (1) のイの所ですが、これは糖尿病網膜症、緑内障性視神経萎縮、加齢黄斑変性等になっています。これは私もよく分からない。視神経萎縮というのは要るのですか。緑内障では駄目なのですか。その辺、松本先生、どうなのですか。


○松本構成員 松本でございます。ここの文面は改定前をそのまま反映しているだけで、特に意図があるわけではないのですが、確かにおっしゃるように緑内障ということで問題ないと考えます。


○石橋構成員 糖尿病網膜症と変えていますので、ついでにここも変えたほうがいいのではないか。緑内障だけで別に問題ないのではないかと思います。どうですか。


○中村座長 この点につきまして、ほかに意見はございますか。確認ができるのであれば文章を。


○峯企画課長補佐 事務局です。資料
4 の認定要領見直し案で、第 1 1 (1) のイ、緑内障性視神経萎縮というのは緑内障の 3 文字に変更と。


○中村座長 また確認して。


○峯企画課長補佐 そうですね。また合同委員会の先生とも改めて次回までに確認させていただきたいと思います。


○中村座長 分かりました。


○峯企画課長補佐 その方向性で確認させていただきたいと考えています。


○中村座長 是非、合同委員会と確認をして、変更するかどうかを決めていただき、また報告いただきたいと思います。ほかにございますか。ないようでしたら、ありがとうございました。今後につきましては、これまで頂いたご意見を基に更に議論を集約化していきたいと思います。調査研究を行うということですので、事務局のほうではなかなか時間は難しいかもしれませんが、調査研究のデザインなどについて可能な限り具体性を持った資料の作成の方向性ということで、お願いしたいと思います。これは先ほどの質問等々にもあったとおりだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。議事に「その他」とございますが、事務局から何かございますか。


○峯企画課長補佐 特にございません。


○中村座長 ありがとうございました。それでは、本日の議事はこれで終了といたします。次回の日程等について事務局からお願いします。


○峯企画課長補佐 事務局です。本日もご議論いただき誠にありがとうございました。次回以降の開催予定につきましては、各構成員の日程の調整もさせていただきつつ、また、今、ご指摘いただきました調査研究のほうの調整も含めまして、各構成員の日程の調整と併せて、事務局から追ってご連絡させていただきたいと思います。以上です。


○中村座長 それでは、これで閉会といたします。ご協力ありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部企画課認定係
電話03−5253−1111(内線3029,3021)

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