ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会薬価専門部会) > 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第132回議事録(2017年5月17日)




2017年5月17日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第132回議事録

○日時

平成29年5月17日(水)8:30〜10:10


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

田辺国昭部会長 野口晴子部会長代理 関ふ佐子委員 中村洋委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 宮近清文委員
加茂谷佳明専門委員 吉村恭彰専門委員 上出厚志専門委員
中川俊男委員 松原謙二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
<日本製薬団体連合会>
多田正世意見陳述人
<米国研究製薬工業協会>
パトリック・ジョンソン意見陳述人
<欧州製薬団体連合会>
オーレ・ムルスコウ・ベック意見陳述人
<日本医薬品卸売業連合会>
鈴木賢意見陳述人 中原岳志意見陳述人 村井泰介意見陳述人
<日本ジェネリック製薬協会>
吉田逸郎意見陳述人
<日本製薬工業協会>
畑中好彦意見陳述人

○議題

○関係業界からの意見聴取について

○議事

 

○中村部会長

 ただいまより第132回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。

 まずは、本日の委員の出欠状況について報告します。

 本日は全員が御出席です。

 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。

(カメラ退室)

○中村部会長

 それでは、議事に入らせていただきます。

 今回は、これまでの議論を踏まえまして、関係業界からの意見聴取を行いたいと思います。関係団体として、日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会及び日本医薬品卸売業連合会より意見を聴取したいと考えております。

 早速、意見陳述に移りたいと思います。

 まずは、関係団体の皆様よりプレゼンテーションをしていただき、その後に質疑とフリーディスカッションを行いたいと思います。関係団体の皆様は、最初に自己紹介を行った上で、プレゼンテーションをお願いいたします。

 最初に、日本製薬団体連合会よりお願いいたします。

○日本製薬団体連合会(多田)

 おはようございます。

 日本製薬団体連合会会長の多田でございます。

 本日は、このような意見陳述の機会を賜りまして、まことにありがとうございます。

 本日、日本製薬工業協会畑中会長、日本ジェネリック製薬協会吉田会長にも御同席をいただいております。

 初めに、薬価制度の抜本改革に向けた私どもの意見を述べます。

 イノベーションの推進と国民皆保険の持続の両立につきましては、私ども製薬業界といたしましても極めて重要な課題であると認識しております。そして、その実現には医療保険制度全体を俯瞰した議論が必要であると考えております。

 医薬品は、社会全体の財産であり、製薬産業は我が国の保健医療の向上のみならず、経済成長を図る上で重要な産業と認識しております。

 こうした中、医療の質の向上に貢献する革新的な新薬の創出に向けて、薬価制度においても後押しする方策を御検討いただきたいと考えます。

 また、新薬開発に要する時間に鑑みれば、製薬企業の経営は長期的な視点で考えていかざるを得ません。経営の根幹にかかわる薬価制度には、安定性、予見性を強く求めるものでございます。

 次のスライドをお願いいたします。

 こちらは、国内医療用医薬品市場の推移でございます。2015年度におきましては、画期的ながら高額な薬剤が数多く収載され、一時的に国内市場は大きく伸びました。そのうちC型肝炎の薬剤については、一定期間服薬することで治癒に至るため、2016年度においては、市場全体としてもマイナス成長となりました。

 スライド3をお願いいたします。

 ここから、今回の陳述において、最も強調したい新薬創出・適応外薬解消等促進加算について申し述べます。

 スライド4をお願いいたします。

 新薬創出等加算のコンセプトは、特許期間中の新薬の薬価維持によるイノベーションの推進でございます。つまり、特許期間満了後は、後発品への置き換えが進むことを前提として、薬価引き下げの一時的猶予により、前倒しで得られる収益を研究開発に再投資することによって、革新的新薬の創出を加速させようとする制度でございます。

 革新的新薬の促進に加え、医療現場で必要とされる未承認薬・適応外薬やドラッグ・ラグの解消を実現するための制度でもございます。

 近年、後発品への置き換えが加速度的に進み、国内市場は大きな構造変化が起きております。特許期間中の新薬から得られる収益は、将来に向けた研究開発への投資を継続的に行う上で、これまで以上に重要なものになっております。

 研究開発型企業は新薬創出に向け積極的に取り組んでおり、未承認薬・適応外薬の解消も順調に推移しております。イノベーションを推進し、医療の質の向上に資する革新的医薬の創出をさらに加速するためには、本制度のコンセプトをもとに、特許期間中の新薬の薬価を維持する薬価改定方式を制度化すべきと考えます。

 スライド5をお願いいたします。

 こちらは、先ほど申し上げた新薬創出等加算のコンセプトのイメージ図でございます。図の右側の部分につきましては、御承知のとおり、現在国を挙げて後発品使用促進策が進められております。加えて、置き換えが進んでいないものについては、追加的に薬価を引き下げるルールが既に制度化されております。まさに数量と価格の両面で対応がなされております。

 一方、図の左側の部分につきましては、試行継続のままでございます。右側部分の制度や政策が功を奏しまして、後発品への置き換えが急速に進む中、私どもにとって、新薬から得られる収益は、これまで以上に重要なものとなっております。

 施策のバランスといった点からも、特許期間中の新薬の薬価を維持する薬価改定方式を制度化すべきと考えます。

 私どもは、このような施策を期待いたしまして、今後ともハイリスクな研究開発を継続することによりイノベーションを生み出して、革新的な新薬を創生することに挑戦してまいりたいと思います。

 次に、スライド6をお願いいたします。

 こちらは、研究開発型製薬企業の新薬創出に向けた挑戦をイメージ図にしたものでございます。左半分から御説明いたしますと、近年、新薬創出のシーズは世界的に枯渇しております。研究開発に要する時間、コストともに以前と比べますと大幅に増しております。したがって、研究開発における効率性の向上は、研究開発型企業にとって最も重要な経営課題となっております。

 自社による研究開発を進めつつも、パイプライン充実のためにアカデミアやベンチャー企業との協力を進めるなど、様々な手段を通じて、開発成功確度の向上を追求しているところでございます。もちろん、人員削減を含めた事業の効率化、経営基盤の強化を進めていることは申し上げるまでもございません。

 右の表は、日本製薬工業協会の常任理事会社16社の国内でのフェーズ3試験の件数を示しております。1社平均のフェーズ3試験は10以上と、新薬創出に向けた国内研究開発を積極的に展開していることを御理解いただきたいと思います。

 スライド7をお願いいたします。

 こちらは、未承認薬・適応外薬の解消に向けた取り組みをまとめたものでございます。新薬創出等加算のコンセプトは先ほど紹介したとおりでございます。革新的な新薬の創出には各社とも懸命に取り組んでいる中、喫緊の課題であった未承認薬・適応外薬等解消に向けまして、各企業が鋭意対応してまいりました結果、開発要請を受けました303件のうち、246件が承認されたという成果がございます。残りの部分は、目下開発中でございます。

 このうち、小児適応、希少疾病用、指定難病といった患者数の少ない領域の開発要請にも数多く応えてきております。

 また、未承認薬等検討会議からの企業への開発要請が大幅に減少していることに鑑みますと、本制度は成功裏に進んでいると考えております。

 スライド8をお願いいたします。

 続きまして、新薬の適切な薬価算定と評価について申し述べます。

 現行の薬価算定ルールにおきまして、原則として用いられている類似薬効比較方式につきましては、市場での公正な競争を確保する観点から、新薬の一日薬価を既存類似薬の一日薬価に合わせるという考え方であり、妥当なものと認識しております。

 一方、類似薬が存在しない場合に、限定的に用いられる原価計算方式については、医薬品の価値を十分に反映することには限界があると認識しております。また、原価計算方式において、薬価算定に用いる製造総原価は、まさに企業秘密であり、市場競争への影響も考慮いたしますと、一般に公表することはできないというのが基本的な考え方でございます。

 しかしながら、現在、中医協において、薬価算定の透明性について議論されていることは十分承知しております。実際に、薬価算定組織に対しては開示していることでございますので、薬価算定の透明性の向上に資する検討に私どもも前向きに取り組んでまいりたいと考えております。

 さらに、世界に先駆けて上市される新薬については、その評価を充実させるような新たな算定方式について検討が必要であると考えます。

 スライド9をお願いいたします。

 ここからは、薬価制度の抜本改革で取り上げられている、個別の重要項目等について申し述べます。

 スライド10をご覧ください。

 中間年の薬価改定につきましては、元来、薬価改定は制度改革の効果の検証や診療報酬体系とのバランス確保などの観点から、2年に1度実施することが基本であり、中間年の改定は対象を限定的にすべきと考えます。

 再算定につきましては、効能追加等によって大幅に市場規模が拡大した場合に、柔軟に対応するルールを検討すること、そして薬価算定時の前提条件に著しい変化があったかどうかを判断する基準を明確化することによって、特例拡大再算定については、廃止を含めた見直しを検討すべきと考えます。

 スライドの11をお願いします。

 外国平均価格調整につきましては、算定薬価の補正措置として、主要国の価格と比べ極端な乖離が生じた場合のみに限定的に適用する方向で検討すべきと考えます。

 基礎的医薬品につきましては、今般の抜本改革の課題には明示されておりませんが、薬価を下支えする制度といたしまして、平成28年度改定におきまして創設されました新しい制度でございます。資料の後ろに添付いたしましたが、日薬連加盟各団体からの要望にもございますとおり、長期間にわたって医療現場で必要とされている医薬品の安定供給を継続していくために、本制度の対象範囲を拡充すべきと考えます。

 最後に、後発品について申し述べます。

 薬価改定の際には、銘柄ごとの市場実勢価格を適切に反映した制度とすべきであります。

 中間年改定についても、対象を価格乖離の大きな品目に限定し、価格乖離の小さな品目と大きな品目とをひとまとめにしないなど、適切に実施すべきであります。また、初収載の薬価については、現行の水準を維持すべきと考えます。

 私の陳述は以上でございます。御静聴、ありがとうございました。

 引き続きまして、PhRMAのジョンソン委員長より陳述をいただきます。

○米国研究製薬工業協会(パトリック・ジョンソン)

 おはようございます。

PhRMAのパトリック・ジョンソンです。よろしくお願いします。

 きょう、このように薬価制度抜本改革につきまして、第1回目の意見陳述をさせていただきますことを大変にうれしく思っております。

 このような規模の改革におきましては、多くの関係者が大きなインパクトを受けるということになるわけです。それは日本の患者及び業界も含まれているわけです。そういったことで、我々はこれから先、このプロセスをやっていくにおきまして、外部の関係者の意見を取り込むというのが非常に重要な部分になると考えております。

 スライド2を説明させていただきたいと思っております。

 新薬開発は、今まで以上に非常に難しくなってきました。平均の研究開発コストは、13億ドルかかるようになってまいりました。一方市場の年平均成長率は、この5年間におきまして、アメリカでは6.7%、EU3.7%、そして日本が0.9%と少し下がってきています。

 日本は低成長市場と位置づけられていて、そうしますと通常の場合、投資が抑制されるわけですが、製薬会社は、新薬創出等加算の導入のおかげで日本市場を、研究開発を加速化するべき魅力的な市場と捉えることができていました。新薬創出等加算によって特許期間中の薬価の安定性を確保することができるからです。

 我々はこのシステムの維持が薬価の安定性のために重要だと思っております。そしてまた、特許期間中にグローバルの価格レベルと同様な状況に保つということが大変に重要だと思っておりますし、それが、ドラッグ・ラグ等を排除し、日本における研究開発をさらに刺激、加速するために大変に重要なやり方であると考えております。

 スライド3です。

 新薬創出等加算導入前には、日本の薬価制度に多くの問題があったわけです。投資回収がなかなかできないという遅れもその一つです。特許期間中に投資を回収することが難しかったのです。特許切れの後における投資回収は長い期間がかかります。ですので、日本で新薬開発を成功させ、そしてまた競争力を持つということが大変難しかったのです。

 スライド4です。

 中医協の2013年の記録にあるとおり、新薬創出等加算は2つの側面を持っています。

 1つは、革新的な新薬開発を促進、加速化するということ。そして、もう一つは、適応外薬等の問題解消を促進することです。

 スライド5です。

 新薬創出等加算は、日本における新薬開発において非常に大きなインパクトをもたらしました。こちらのスライドでご覧いただけますように、20042009年におきまして、日本における新薬開発の数というのは、年率2%しか伸びていませんでしたけれども、しかしながら、この新薬創出等加算を導入した後、20102016年におきましては、日本における新薬開発はこの期間に倍増しています。2010年に600化合物であったのが2016年におきましては1,200化合物に増えているわけでありまして、これはまた、外資からの直接投資が増加したということも意味しています。

 スライド6です。

 新薬創出等加算はドラッグ・ラグの縮小にも貢献しているということができます。2009年におきましては、日本の患者さんはアメリカ、ヨーロッパに比べまして、新薬のアクセスを得るのに3年間待たなければなりませんでしたけれども、現在、日本の患者さんは、ほとんど待つ必要がないということになります。

 しかしながら、この薬価制度の改革の結果いかんによりましては、このようなすばらしい進捗というのが危険にさらされる可能性があるわけです。

 スライド7です。

PhRMAはこの抜本改革を、現在行われている投資を維持しながら、そしてまたドラッグ・ラグを再び招くことのない形で行うことができると思っております。そうするためには、新薬創出等加算を継続することが必要だと私どもは強く信じております。特許期間中に薬価を維持し、特許期間満了後には大幅な薬価引き下げを行うとともに、後発品の使用を増やすことが必要だと考えております。それによってさらに後発品の使用が進むと思っております。

 スライド8です。

 ですので、このような観点から、過大な薬価差を放置しないということが大変に重要だと私どもは考えており、中間年における薬価改定は、薬価と市場実勢価格との乖離率が著しく大きい品目に限定するべきであると考えております。

 スライド9です。

PhRMAは、年4回の新薬収載の機会に柔軟性のある改定を行う考え方は受け入れ可能であると考えております。特に、売り上げが一定規模以上へと急速に拡大した場合などの薬価算定時の前提条件が明らかに変化している品目に限るべきだと考えております。非常に大きな財政的なインパクトがあるものに関しては必要だと思いますけれども、薬価算定時の前提条件が変わっていない品目に関しまして、それを適用するのは不適切であると考えております。

 スライド10です。

 アメリカは、非常に新薬創出国として、世界をリードしております。ですので、このような大きな市場を鑑みまして、そしてまた、研究開発に寄与していることを考えますと、外国価格の参照国から外すべきではないと考えております。もし現在、アメリカの参照価格で使われておりますAWPが適切ではないということが考えるのであれば、アメリカの公的医療制度であるメディケア・メディケイドの償還価格の算定のために使われておりますASPNADACの採用を考えるのも一案ではないかと思っております。

 きょうは短い時間ではありましたけれども、我々の意見を述べさせていただく機会を得ましたことを大変ありがたく思っております。我々は皆様方と同じように、医療制度の長期安定に寄与し、同時にイノベーションを促進、加速するプロセスをぜひ達成したいと思っております。そして、我々の提案をこれから先のプロセスを考えるに当たり、ぜひお考えの中に入れていただきますことを強く望むものであります。

 ありがとうございました。

○中村部会長

 ありがとうございました。

 次に、欧州製薬団体連合会より、お願いいたします。

○欧州製薬団体連合会(オーレ・ムルスコウ・ベック)

 おはようございます。EFPIA Japanの会長のオーレ・ムルスコウ・ベックでございます。また、ノボ ノルディスクの社長でもございます。

 本日、EFPIA Japanといたしまして、こうして意見陳述の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 ただいま、各団体から既に十分に新薬創出加算によります価格維持の意味、意義につきましてお話があったかと思いますので、EFPIA Japanとしての意見は、ここで繰り返すことは避けたいと思います。

 ただ、あえて強調させていただきたいのは、EFPIAといたしましても、本制度があったことにより、日本の患者さんに対して、今日大きな恩恵をもたらせてきたわけでありまして、そして海外と同じように日本の患者さんに対しても、より新しい、よりすぐれた医薬品というものが届けられるようになってきたということは申し添えたいと思います。

 ということで、私どもといたしましても、もしもこれがなくなってしまい、そしてまた日本の患者さんが何年も新薬の治療を受けるまでに待たなければならないようなことになれば、これは非常に大きな後退になってしまうということを言わざるを得ないと考えております。日本における薬剤開発のエコシステムというものを、今後も維持していかなければなりません。そして、海外と同じように、日本の患者さん対してより新しい、すぐれた治療法というものがきちんと届けられる制度にしていかなければなりません。

 次のスライドをお願いします。

 先ほど製薬協の御発表にも入っておりましたけれども、2010年の制度改革により、薬剤費というものはそれ以来、非常に安定した推移を示してきているわけであります。ただ、2015年、16年におきまして、2つの例外的な事例があった。そのインパクトを除外していきますと、全体の薬剤費といたしましては、昨年ではマイナス3.6%という縮小傾向になっております。そしてた、ことしの年初におきましても、その下落傾向が続いておりまして、第1四半期におきましては、薬剤費マイナス7%となっております。

EFPIA Japanといたしましても、QuintilesIMSとともに今後の薬剤市場の推移を分析しているわけであります。そこでの前提としましては、まずこの新薬創出加算制度によります薬価の維持というものが今後も続いていくということ、その一方におきまして、加算の対象にならない医薬品におきます薬価とのかい離率が大きいものについて毎年改定が行われていくという前提、それからまた今後も後発品の使用促進が続いていき、結果、2020年には80%が後発品になるということが前提に入っております。

 私ども、この分析がなされたばかりのところを、今、速報として受け取ったところでありますけれども、それによりますと、今後10年間を見据えまして、日本におきます薬剤市場というのが、今後マイナス1.5%という縮小傾向を続けていくという予想になっているわけであります。同じ時期、今後10年間におきまして、その他世界における医薬品市場は、実に年率3〜6%の成長をおさめていくということになっているわけであります。これはフルに分析の結果を報告書といたしまして、今後公表していきたいと考えております。

 今後、さらなる精査が必要な研究ではありますけれども、これによりますと、ある一定の条件のもとに毎年改定が行われていき、その一方におきまして、後発品のさらなる使用促進が今後も続いていくということによりまして、現行の新薬創出加算制度による薬価維持制度が、現行レベルにおいて維持することが可能な財源が確保できるということが示されております。

 3枚目です。

 今回の薬価制度改革におきまして、EFPIA Japanとしまして一番主張したい4つの基本原則は、以下のようなものであります。

 まず、皆保険制度を維持していかなければならない。そしてまた、日本の患者さんにとって、より早期の革新的な医薬品へのアクセスを担保していかなければならないということ。それから、日本の市場に対する予見性、安定性というものが確保されなければならない。そしてまた日本における医療の質をさらに向上させていく、そのためのイノベーションの評価が必要であるという考え方であります。

 このような市場予見性が必要であるというのは、産業界にとってのみならず、支払側にとっても重要な課題であると考えております。したがいまして、この新規の効能追加によりまして、大幅に市場が拡大した際に、そして売り上げが大幅に増大した際に、そこがすぐ薬価改定の対象にならねばならぬということにつきましては、EFPIAとしましても支持いたしたいと考えております。

 そのためには、非常にクリアな、そして効率性のあるプロセスというものに全てが合意したものがなければならないと考えております。そして、あくまでも近年見ました非常に例外的な事例においてのみ、これが適用されるべきでありまして、市場全般に適用されるべきものではないと考えております。

EFPIA Japanといたしましても、今後外国平均価格の参照国といたしまして米国の参照価格を維持していかなければならないと主張いたしております。ただ、米国におきます薬価算定制度というものがまた異なっておりますので、先ほどPhRMAのほうからも説明がありましたような、適切な参照価格というものを参照することが重要になってまいります。

 最後の点、EFPIA Japanといたしましても、現行の新薬の薬価算定制度でありますが、これも本当に新しい医薬品を待つ患者さん、それから社会に対するその医薬品の持てる価値に基づいた算定がなされなければならないと考えているわけであります。結果、現行の原価計算方式にかわる方式というものが明らかにされていかなければならないと考えております。新薬の薬価算定というものは、あくまでもその価値に基づいて算定されるべきでありまして、新しいからといって高い価格がつくような制度になってはならないわけであります。

 次のスライドをお願いいたします。

EFPIA Japanといたしましても、このようにして薬価が改定されていくこと、そしてまたこの長期収載品からのさまざまな節減が可能になることによりまして、新薬の今後の加算制度によります薬価維持というものが可能になると考えているわけであります。そして加算制度の対象になっている期間におきましては、最初の算定価格というものが維持されるように主張したいと考えております。これによりまして、日本の医薬品産業というものが、長期にわたって計画を立てることができ、それにより、今、直面しているさまざまな医療の課題というものに解決策を見出すことができると考えており、それはまだがんの領域でも、それから精神疾患のアルツハイマー、認知症、糖尿病、腎疾患、さまざまなそうした課題が残されていると感じております。

 その一方において、全体の財政に対して、突然非常に大きなインパクトをもたらすような、そして例外的な事例が生じた場合に、それをどうやってマネージしていくのかということについての公式なメカニズムというものが確立されるべきだと考えております。

 それから、現行の医薬品の卸というのが非常に重要な役割を果たしているということで、そのための十分な財源を確保していくことも重要だと考えております。そのためには、理にかなったマージンというものが許容されていかなければならないわけで、その際に、医薬品の価格の調整というものも、こうしたリベートというものが妥当なマージンを超えた場合においてのみ調整されるべきだと考えておりまして、これは毎年改定であっても、隔年改定であっても、このことを考えていかなければなりません。

そして、EFPIA Japanといたしましても、ぜひ現行の原価計算方式に対してかわる新規の算定方式というものについて、十分に今後検討されることを願っております。

 終わりに当たりまして、先ほど日薬連、製薬協のほうからのお話にもありましたけれども、EFPIA Japanといたしましても、内資であれ外資であれ、これから医療の問題解決のために非常にポジティブな貢献を続けて行っていきたいと考えておりますけれども、やはりそこにおきまして、イノベーションに対するインセンティブがあってもがなだと考えております。

 きょう、このような機会をありがとうございました。

○中村部会長

 ありがとうございました。

 次に、日本医薬品卸売業連合会よりお願いいたします。

○日本医薬品卸売業連合会(鈴木)

 日本医薬品卸売業連合会の鈴木でございます。

 本日は、薬価制度の抜本改革に関する意見を述べる機会を賜り、中医協及び厚生労働省の皆様に感謝申し上げます。始めさせていただきます。

 スライド1をごらんください。

 初めに、薬価制度と市場環境の急激な変化に対応する医薬品卸の現状について説明し、薬価制度の抜本改革の検討に当たって、ぜひ御留意いただきたい点について意見を述べさせていただきます。

 当連合会の会員卸各社は、年1回実施を前提に、医療機関、保険薬局への医療用医薬品の納入価格を全て提供して、薬価調査に協力しております。また、医薬品卸は医薬品の安全、安定供給を社会的使命として、全国の医療機関、保険薬局に対しまして、必要な医薬品を迅速かつ的確に供給しつつ、薬価調査の信頼性確保のため、人的資源を最大限に投入して、早期妥結を念頭に置いた価格交渉に努めており、国民皆保険制度の安定的な運営に協力させていただいております。

 次に、医療用医薬品市場につきまして、昨年の高額な薬剤の緊急的対応や、後発医薬品の急激な市場環境により、マイナス成長となっております。

 このような状況から、昨年度の主要卸の決算も急激に悪化しており、医薬品卸の役割を果たすための一定の利益の安定的な確保が難しくなっております。

 医薬品卸は、災害時やパンデミックのときに安定した流通を可能とする強靱な備蓄、配送体制を維持、継続し、将来にわたって医薬品の安定的な供給を行っていく必要があると考えております。今後も市場の急激な変化に対応しながら、災害時等の対応強化や、流通改善の推進にも積極的に取り組んでいかなければなりません。

 現在進められている薬価制度の抜本改革の検討に当たりましては、このような医薬品卸の現状を勘案していただき、慎重な検討をお願いいたします。

 次に、スライド2をごらんください。

 昨年12月に、4大臣合意によって決定した薬価制度の抜本改革の検討に向けた基本方針に盛り込まれた課題については、当連合会として、真摯に受けとめております。基本方針には、薬価制度の抜本改革の課題の検討に合わせて、安定的な医薬品流通の確保や流通改善のための効果的な施策について結論を得ることが盛り込まれております。このため、中間年の調査を含む薬価制度の抜本改革を進めるに当たっては、基本方針に示したとおり、安定的な医薬品流通が確保されるよう、流通改善のための効果的な施策が必要です。

 今回は、1点目、中間年に大手事業者等を対象に調査を行い、価格乖離の大きな品目について、薬価改定を行うとされたこと。

 2点目、2年に1度実施される薬価調査の結果の正確性を検証するとされたこと。

 3点目、改革に合わせた今後の取り組みで、単品単価契約の推進と、早期妥結の促進について、効果的な施策を検討することとされたこと。

 この3点の課題について、意見を述べさせていただきます。

 スライド3をごらんください。まず、中間年の調査についてです。基本方針では、「価格乖離の大きな品目について薬価改定を行う」と明記されておりますので、調査はその趣旨を踏まえて、価格乖離の大きな品目を改定するために実施し、改定の範囲は極力限定されるべきと考えております。

 一方、中間年の調査につきましては、大手事業者等を対象に調査を行うとされておりますが、特定の卸業者のみを調査対象にして、あらかじめ公表した場合には、調査の対象とならない卸業者へ取引先が変更されるなど、流通にゆがみを生じかねません。

 また、当連合会加盟の卸業者のみを調査対象とした場合には、取り扱いのない品目について、価格を把握できないケースが出てきますので、品目の漏れがないような調査をしていただく必要があります。

 さらに、中間年の調査は薬価の全面改定から半年後の調査となるため、可能な限り卸業者の負担を軽減していただくよう、お願いいたします。したがいまして、中間年の調査はあくまで価格乖離の大きな品目の薬価を改定するための調査としていただき、薬価改定の範囲は極力限定していただくようにお願いいたします。

 スライド4をごらんください。

 「2 薬価本調査の検証・見直しについて」です。基本方針では、薬価調査結果の正確性の検証が課題とされております。薬価調査は関係者の任意の協力により行われております。また、医薬品卸は2年に1度の薬価調査において、医療機関、保険薬局への納入価格を全て提供しており、提供する情報は会社にとって、経営、営業上の秘密情報に属するものです。提供データの取り扱いは慎重にお願いいたします。

 次に、2年に1度の薬価調査では、平均乖離率等が公表されておりますが、平均乖離率等は価格交渉の際に指標とされ、一部の外部コンサルタントによる利益のみを追求した交渉に活用される場合があります。このようなケースは、価格交渉の難航によって妥結が長期化するなど、流通改善に悪影響を及ぼしております。したがいまして、薬価調査結果の正確性の検証とは直接関係がなく、価格交渉に重大な悪影響を及ぼしかねない薬価調査結果の公表事項の拡大につきましては、反対といたします。

 スライド5をごらんください。改革と合わせた流通改善への取り組みです。

 薬価基準制度は、市場実勢価格を踏まえた銘柄別収載を実施しておりますので、薬価調査によって市場実勢価格を把握するためには、単品単価契約を一層推進し、医薬品ごとの価値に見合った価格が決定されることが重要です。

 平成26年度診療報酬改定で導入された未妥結減算制度によって、妥結率は大幅に向上し、遡及値引きが解消するなど、一定の効果がありました。しかしながら、減算対象となる50%以下の妥結水準を見据えて、特定の卸や特定の品目または特定の期間のみ妥結するといった流通改善に逆行する妥結が見られております。

 未妥結減算制度は4月から9月までの取引が対象となっておりますので、価格交渉におきましては、9月までの短期間で妥結せざるを得ない状況です。このため、単品単価契約が行いづらいことや、4月から9月までの半年契約で、10月以降の納入価格を改めて交渉しなければならないケースがふえております。

 したがいまして、薬価調査の信頼性が損なわれないように、単品単価契約が推進されるような施策や、9月までに妥結した価格が年度後半の価格交渉で大きく変動しないような仕組みについて検討をしていただきたいと考えております。

 以上でございます。

○中村部会長

 ありがとうございました。

 一通りの御説明をいただきましたので、これより質疑及びフリーディスカッションに移りたいと思います。なお、質問のほうは日本語でお願いいたします。

 幸野委員、お願いします。

○幸野委員

 詳細な説明、ありがとうございました。

 単純な質問とコメントを申し上げたいと思います。

 まず、製薬3団体に質問させていただきます。3団体とも新薬創出等加算に対して強いこだわりがあるというのは、よくわかりました。

 支払側としましては、新薬創出等加算によって創薬の原資を得ているというところは理解できるのですが、1つ気になるのは、例えば、新薬創出等加算の対象になっている医薬品が、類似薬効比較方式の比較対象薬になった場合、新薬がこの加算の対象とならなくても、比較薬と同じ薬価が算定されるという構図になっていることです。新薬がこの加算の対象である場合は、加算されている薬価にさらに加算がつけられるため、薬価全体の水準を引き上げているのではないかという疑問があるのですが、これに関してどうお考えでしょうか。

○日本製薬団体連合会(多田)

 類似薬の薬価は公定で定められ、その後市場における様々な条件下において変わってくる。いわば市場実勢価というものをベースに決められているということですから、最初は項目ごとに様々な形で薬価がつくわけでございますけれども、最終的には市場実勢価格の中で検証され、検証されていく中で類似薬が出てくるわけですから、その類似薬をベースとした薬価をつけるというのが、公正競争上、適切な仕組みなのではないかと私は理解しております。

○日本製薬工業協会(畑中)

 ただいま、多田会長から言われたとおりでございます。類似薬効比較方式を基本として薬価をつけていくということになりますと、一番近くにある類似薬の薬価をベースにするというのは適切な競争を確保する観点からも非常に合理的であると私どもは考えております。

○米国研究製薬工業協会(パトリック・ジョンソン)

PhRMAは先ほどの2人のスピーカーと同じ意見です。

○欧州製薬団体連合会(オーレ・ムルスコウ・ベック)

 私、ここで強調していきたいところでありますけれども、最初に上市された新薬の薬価と、その後に上市された新薬の薬価というものを区別していくことが重要ではないかと考えておりますので、最初の算定薬価ということにつきましては、あくまでもその薬自体のメリットに基づいているということになってくるわけで、その後に上市されたよりすぐれた有効性、安全性、それから患者さんにとっての便宜性を高めて、コンプライアンスを上げるといった薬剤では、それらを十分に反映した薬価が算定されていくべきだと考えております。

○中村部会長

 幸野委員、コメントのほうをどうぞ。

○幸野委員

 薬価というのは、薬の真の価値を比較して算定されるべきだと思います。新薬創出等加算は医薬品の価値に対してではなく、創薬のための原資として充てられていることを考えると、この加算の対象となった医薬品が、類似薬効比較方式の比較薬となる場合は、その薬の価値の部分を比較して、新薬の薬価を算定するのが妥当ではないかと思います。

 もう一点、3団体に質問があります。原価計算方式に関して言及されているのですが、私もこれに非常に疑問を持っています。以前も発言しましたように、原価計算方式における営業利益率と一般管理販売比率は、政投銀の製薬企業34社の過去3年の平均値を用いているのですが、これが非常に高いという印象がございます。一般的な企業では、営業利益率が2桁になれば一般的には成功と見なされると考えますが、製薬企業34社利益率はここ10年で徐々に低下してきても、10%を割ったことがないようです。

 リーマンショックで日本全体の景気が落ち込んで、一般的な企業の営業利益率が4%程度になった際も、製薬34社は18%でした。日本の景気が非常に悪いときでも、薬価には18%の営業利益率が反映されていたというのは、我々国民から見て納得感が得られません。また、この34社は、11年連続で上場した企業ですので、いわゆる優良企業の平均値を用いているということも、薬価を高くしている一つの要因ではないかと思います。以上から、営業利益率に関しては、日本の景気動向や他の産業の営業利益率の推移などを参考にして補正できるような仕組みを検討する必要があるのではないかと思うのですが、製薬団体はどうお考えでしょうか。

○中村部会長

 これは質問ですね。質問の御回答をお願いします。

○日本製薬団体連合会(多田)

 現在の我々の持っているデータでは、2007年ごろまでは非常に高い、20%という営業利益率を確保しておりましたが、実はそれ以降、毎年のように利益率は下がってきております。今、大体13%とか14%だと思います。

 一方で、研究開発費用の比率というのは、18%とか19%とか、先ほど、他の産業との比較をおっしゃいましたが、昨今、全産業の中でこれだけ高い研究開発比率を負担している産業はございません。そして、この比率だけの研究開発投資を行わない限り、新薬は出て来ないのです。我々のデータでは、今のトップ10社が年間平均で1,300億円ぐらい投資しておりますが、そこから出てくる新薬は0.86個という数字もございます。このような多額の研究開発投資というものを維持していくためには、利益を確保しなければやっていけないわけでございます。他の産業と比較して高いという議論については、他の要因も他の産業と比較していただきたい。この産業の特質性という視点で御理解いただければと思います。○日本製薬工業協会(畑中)

 もう一つは、現在の薬価算定方式で、私どもも原価算定方式にはまだまだ改善の余地があるということを今般、述べさせていただいておりますけれども、現行の制度の中では、類似薬のないケースとして、この原価計算方式が採用されるということになっております。したがいまして、そこに医薬品産業の平均の営業利益率あるいは一般管理販売費比率というのを採用して考えていくということは、一定の合理性はあると考えております。

○中村部会長

 幸野委員、お願いします。

○幸野委員

 御回答、どうもありがとうございました。

 意見ですが、今言及された研究開発費に関して、これも調べたところ、確かに突出して高いのですが、それにもかかわらずこれだけの営業利益率を確保できているのは、研究開発の原資は新薬創出等加算などで補填されていることも一因だと捉えることができるのではないでしょうか。景気が低迷した際に、業界が大きな影響を受けるのであれば理解もできますが、ここ十何年間、景気の動向に関わらず、営業利益率が2桁を割ったことがないということも踏まえると、原価計算方式において営業利益率を用いること等の考え方については見直すべきではないかと思います。

○日本製薬団体連合会(多田)

 利益率が高い、一方でその利益がどういう形でその後処分されているかということでございますけれども、1つは、担税能力という意味で、税金はそこから支払われているわけでございます。また一方で、我々としてこの産業の特殊性の一つとして、内部留保が非常に高い。これは財務諸表を見ていただいたらわかるのですけれども、ではなぜ内部留保を高くしているかというと、これはこの産業が特殊に抱えるリスク、非常に大きな多種のリスクがございます。数年前に某社が米国で訴訟を受けまして、何千億の和解金を払ったということがあったわけでございますけれども、我々として一番恐ろしいのはこういうリスクです。それから開発途上でうまくいかないようなリスク等、諸々のリスクというものが我々の事業特有にあり、それに備えるために内部留保を非常に高くしておかなければならないということになるわけでございます。ここはぜひ、事業の存立基盤としての財務構造の重要性ということを御理解賜りたいと思います。

○中村部会長

 幸野委員、お願いします。

○幸野委員

 これでもう最後にしますが、どの企業にも研究開発に関してはリスクがある一方で、製薬企業は景気に変動されないという面もございますので、製薬業界だけが特別にリスクが高いとは言えないと思います。

○中村部会長

 吉森委員、お願いします。

○吉森委員

 ありがとうございます。

 今の原価計算方式の詳細のお話についての考え方で、関連の質問でございます。これは事務局に対して、今、製薬企業さんがおっしゃったような企業の詳細な財務バランス、PL等々のデータについては開示できないというのも理解できますし、いろいろな特殊要因によっての景気変動、でこぼこが毎年あるというのも理解できます。そのようなデータを基に、薬価算定組織において当該企業からデータの提出を求めて算定している。これを前提に考えますと、やはり発表にもございましたように、中身、製造総合原価等々、一般公表はできないのだというのもよく理解できます。

 そうすると具体的に事務局で、詳細の数字は別にしても、薬価算定組織には個別企業のどのような提出様式でどのような要件設定、ひな形的なものを御提示いただいて、こういうふうに算定しているのだというようなことが分かれば、我々も一定の理解もしますし、正確性、妥当性、透明性とも担保できて議論ができるのではないかと思いますので、次回、原価計算方式についての議論の際には、事務局でそういう資料の提出をぜひお願いして、議論を深めていければと思っております。これは要望、意見でございます。

 それと、先ほど幸野委員からもありましたように、皆さん一番こだわっていらっしゃいます新薬創出・適応外薬解消等促進加算についてですが、イノベーションに対するインセンティブということでの算定方式だというのも理解しますし、これが試行して、今後もずっとR&Dへの投資の活性化について効果があったというのもよく理解をしますが、患者サイドの感覚で申し上げると、コスト負担という意味からいけば、当該新薬のコスト負担については、やはり安定供給に対するコスト負担については納得感があるのですが、企業のR&Dに対する将来に向けたインセンティブ的なコストが上乗せされて患者として負担しないといけない、これについてはなかなか納得感というのが持てないのではないかと考えております。

 もう一方では、先ほどもありましたように、収載の際にそれぞれインセンティブ的な補正加算として、類似薬効でもあり、原価計算方式でもあり、それぞれの加算要件というのが設定されるということを考えれば、企業の皆さんのR&D投資への活性化というものを担保するために、この方式は試行でありますから、抜本的改革ということで、そろそろ違う方式を要件として考えて算定していく時期なのかなと個人的には考えております。

 先ほど、発表の中にそれぞれ方式を見直してというようなことも触れられておりましたので、ここで質問ですが、製薬企業の皆さん方については、新薬創出加算にかわる、イノベーションに対するインセンティブについてのアイデアとか、これをきちんと担保できるような方式という考え方があれば、開示いただければと思います。

○中村部会長

 では、まずは前半のほうは、薬剤管理官、どうですか。

○中山薬剤管理官

 原価計算方式についてでございますけれども、既に中川委員からも以前御指摘いただいたところもありますので、原価計算方式についてどのような内容、手順で実施されているかということについては、今後の原価計算方式についての議論の際に御提示申し上げて、議論をさせていただきたいと考えております。

○中村部会長

 では、後半のほうは、業界の方々、何か。

○日本製薬工業協会(畑中)

 先ほど来、企業の投資の意思決定あるいは事業の意思決定に対しまして、最終的に我々の長期的な収益を予想するのに、その出口たる、日本で言いますと薬価、各国では薬の価格というのは極めて重要な要素になります。

 したがいまして、先ほど来各団体からありましたように、2010年のこの制度の試行導入のときには、特許が切れた後は、維持していただいた分も含めてお返しする。さらには、後発品への置きかえ促進もあわせて、制度の試行を決めていただいたという理解でおります。

 したがいまして、私どもにとりまして、2年に1度必ず循環的に薬価が下がるという日本のマーケットから脱却して、薬価制度の予見性と安定性を高めることによって、私どもの本来すべき活動であります新薬創出へのR&D投資の決断、あるいは未承認薬、ドラッグ・ラグの解消というものを図ってきております。したがいまして、私どもとしては、新薬創出加算のコンセプトを維持しながら、新たな形で薬価制度を構築していただければと、このような意見を持っております。

○中村部会長

 では、中川委員、お願いします。

○中川委員

 きょうは、外国平均価格調整について御質問したいと思います。

 日薬連の多田会長さんの資料で11番、「算定薬価の補正措置として、主要国の価格と比べ極端な乖離が生じた場合のみに限定的に適用する方向で検討すべきである」という表現がありますが、「極端な乖離」というのはどの程度のことをおっしゃっているのですか。

○日本製薬団体連合会(多田)

 4カ国のどの国よりも高い、最も高い国よりも高い。あるいは、最も低い国よりも低い。そういったケースを「極端な」という表現をさせていただいております。

○中川委員

 そうですか、わかりました。

 それではPhRMAのジョンソンさんにお聞きしますが、10番のスライドで、参照する外国価格として、米国のAWPが不適当ということであればという表現があります。我々も、メーカー希望小売価格であるAWPを使うことは非常に問題だと再三申し上げてきました。これには納得されているのでしょうか。まず、それをお聞きしたいのです。

○米国研究製薬工業協会(パトリック・ジョンソン)

AWPに関しましては、非常に適切な参照価格ではないという議論というのは何回か上がっているかと思っております。ですから、きょう、私からも申し上げさせていただきましたとおり、AWPのかわりに、公的医療制度のメディケア・メディケイドにおいて使われています、そしてまたCMSCenters for Medicare and Medicaid Servicesが調査、公表しておりますASP、これは院内処方薬の医療機関への平均販売価格と、それからNADAC、こちらは外来処方薬の調剤薬局の平均購入価格、この2つを参照するということを検討すべきではないかと御提案申し上げております。

○中村部会長

 中川委員、お願いします。

○中川委員

 今まで、外国平均価格調整にこのAWP、レッドブックに掲載されたリストプライスを使っていたということはやはり問題であったというのは共通認識できたということで、皆さんよろしいですね。

 多田さん、どうですか。

○日本製薬団体連合会(多田)

 共通認識というよりも、アメリカにおける医薬品の価格には多種あって、その中で日本の制度に最もふさわしいのは、実態を踏まえますと業界としても今おっしゃったような方向かと思います。

○中村部会長

 中川委員、お願いします。

○中川委員

 そこでPhRMAのジョンソンさんにお聞きしますが、ASPについて、院内処方薬の医療機関への平均販売価格となっていますが、全ての医薬品のどのくらいをカバーしているのか、網羅しているのかということを教えていただきたいのです。

○米国研究製薬工業協会(パトリック・ジョンソン)

 私の記憶が正しければ、ASPに関しては大体1720%をカバーしております。それとあわせてNADACを用いることによりまして、大体40%をカバーするということになります。

○中川委員

ASPNADACを分けてお聞きしたいのですが、ASPの品目ですが、何品目ぐらい対象になっていますか。それと、注射薬と内服薬とを分けると、どのようなカバー率になっていますか。

○米国研究製薬工業協会(パトリック・ジョンソン)

 残念ながら、詳細なデータは持ち合わせておりませんけれども、このシングルペイヤーのモデルということで最もよい、代表的な価格になるのは何かというふうに考えましたときに、ASPNADACを合わせたときに、大体アメリカのヘルスケアの40%をカバーする、そしてまた代表的なシングルペイヤーモデルになるのではないかというふうに我々は見ております。そして、実際にこの価格を参照する公的保険の対象となる人口といたしましても、ヨーロッパの1つの国に相当すると考えております。

○中村部会長

 中川委員、お願いします。

○中川委員

 私どもが事前にいろいろ調べたところ、ASPというのは診療所で使われる注射薬のみ、540品目に限定されているということなのです。そうであれば、外国平均価格調整の参照する外国価格として使うというのは、無理があるだろうと思うのです。

 それで、NADACのほうですが、外来処方薬の調剤薬局による平均購入価格という御説明になっていますが、調剤薬局による平均購入価格と償還価格とを比べると、どのぐらい違っているのですか。それを教えてください。

○米国研究製薬工業協会(パトリック・ジョンソン)

NADACというのは、外来処方薬の調剤薬局の平均購入価格で、政府機関のCenters for Medicare and Medicaid Servicesによりまして調査、公表されているものです。

○中村部会長

 中川委員、お願いします。

○中川委員

 お答えがなかなか難しかったのかもしれませんが、最後の資料に、メディケイドの償還価格の算定基準として利用するとなっていますが、このメディケイドの償還価格の算定基準として利用しているのは、米国の全ての州を考えると、これは何州ぐらいで使っていますか。

○米国研究製薬工業協会(パトリック・ジョンソン)

NADACASPに関しまして非常にテクニカルな詳細についての議論ということになってしまうかと思います。現在、全ての情報を持ち合わせているわけではありませんが、背景といたしましては、AWPを使うということは、日本におきましては必ずしもそれが代表的な算定基準値を用いるものとしては適切ではないということであるので、では、日本の状況を鑑みまして、より適切なものは何かということを考えたときに、メディケア・メディケイドという、いわゆるこれも一つのシングルペイヤーのモデルでありますので、それに使われています算定基準としての両方の組み合わせがいいのではないかと思ったわけです。ただ、詳細な仕組み等につきましては、また厚労省側とも詳細を議論させていただくことが必要かと思っております。

○中村部会長

EFPIAの方、どうぞ。

○欧州製薬団体連合会(オーレ・ムルスコウ・ベック)

 私のほうからも2点付言させていただきたいと思います。私も来日してからまだ時期は短いわけですが、少なくともAWPというのが適切な参照価格にならないというところについては、共通の認識が生まれてきているかと思いますけれども、その他、外国価格の平均値といったものから大きく外れるという場合には、それが切り捨てられる、除外されるという方式になっております。

 それから、御指摘のように、米国におきましては、あくまでも自由価格、メーカーの価格申出がそのままAWPに載ってくるということになっているわけでありますけれども、米国におきまして、実際の取引価格とAWPでの収載価格との間のギャップというものが、近年になりまして非常に大きくなっているという米国での価格推移があるわけであります。したがって、今までより一層この問題につきまして手を打っていかなければならないという状況が喫緊の問題になってきているということで、その状況はここ5年から7年、そうした傾向が強まっているということが言えるかと思います。

○中村部会長

 中川委員、お願いします。

○中川委員

NADACも調査したところ、間違っていなければ、アメリカのごく一部の州でしか採用されていないということなのです。世界最大の医薬品市場のアメリカの価格を参照する外国価格として、できれば中に入れるべきだということは一定の理解はできます。しかし、適切な価格のリストがない以上、外国平均価格調整のときに対象とする外国価格の中に入れるのは難しいのではないかと、きょう、改めて思います。ぜひ、この辺のところを事務局は御検討いただきたいと思います。

○中村部会長

 実際に使用するに当たって、データの網羅性とか、利用可能性とか、あるいはインパクトについて、もう少し調べないと、実際に移行する場合には検討が必要という御意見かと思いました。

 では、安部委員、お願いします。

○安部委員

 まず、基礎的医薬品についてコメントをさせていただきます。日薬連資料の11ページに基礎的医薬品について対象範囲を拡充すべきという御意見でありますが、真に必要な医薬品の供給を継続していただくためにつくられた極めて重要な制度であると認識をしておりますので、その趣旨に沿った医薬品であれば、きちんとその価値を見て、対象範囲を考えるということは理解ができます。

 一方で、きょう、別紙で出していただいた各加盟団体の御意見の中には、軒並み基礎的医薬品の拡充を望む声がありますが、本来の基礎的医薬品を守るという趣旨からすると、制度の趣旨に沿った根拠でありますとか、節度を持った要求でなければ、この制度全体を崩すことにもつながりかねないと思いますので、そこはしっかり制度の趣旨を踏まえた要求にしていただきたいと思っております。

 それから、質問がございます。後発医薬品についてでありますが、初収載の薬価について現行の水準を維持すべきだという御意見でありますが、現在、御承知のように、初収載の際には一律の価格という形で新しい薬価がつくわけでありますけれども、その中で、初収載の際に、こういう一律の薬価のつけ方では開発が難しいような品目とか状況があるかどうか、これをお聞きしたいということであります。

 それから、確認が1点であります。PhRMAさんのプレゼンテーションで、平均の開発経費は13億ドルと言われたように記憶しているのですが、正しいか確認をしたいと思います。

○中村部会長

 では、こちらは日本ジェネリック製薬協会の吉田委員、お願いします。

○日本ジェネリック製薬協会(吉田)

 御質問ありがとうございます。

 日本ジェネリック製薬協会会長の吉田でございます。

 先ほどの御質問に関しまして、私のほうから返事をさせていただきたいと思います。

 初収載の薬価の引き下げについての影響ということだと思います。特に、注射薬や外用薬につきましては、初収載の薬価の引き下げにより、ここ数年は収載されなくなる品目が増えてきている状況にあります。また、今後発売される見込みの外用薬については、気管支喘息治療剤の吸入剤など、デバイスコストや、臨床試験を必要として開発コストが非常にかかるものが主流になってきております。

 私の会社におきましても、この度重なる初収載薬価の掛け率の引き下げによりまして、そういった品目の開発を中止せざるを得ないもの、また、開発を見送らざるを得ないものが現実に出てきております。他社においても同様の状況と思います。こういう状況を踏まえまして、私のほうから後発医薬品の初収載の薬価について要望させていただきたいと思います。

 最初に、長期収載品から後発医薬品に置きかえる際には、これまで得ていた値引き額を確保したいという心理がどうしても働きます。したがいまして、初収載の乖離は掛け率が下げられたとしても、額としては大きく変わらず、一方で、掛け率を下げられるということは分母が小さくなりますので、率で見ると逆に大きくなるという傾向にあります。初収載の乖離率を見て掛け率を決めるという、これまでのやり方をこれ以上続けますと、最終的には値引き額を出せなくなった後発品への置きかえは進まなくなり、逆に、長期収載品に回帰する状況も考えられます。

また、成分、剤形に基づかずに、一律に設定されている初収載の薬価の掛け率をさらに下げ続ければ、成分、剤形によっては、後発医薬品が収載される機会が失われることになります。これは国民負担の軽減になりません。そもそも薬価は、銘柄ごとの市場実勢価格によって決められるべきものです。初収載の薬価は、いわば仮の薬価であります。収載後に市場で形成された実勢価格によって適切な水準になるものと思います。したがいまして、初収載の薬価はこれ以上の引き下げはしないでいただきたいと切に思う次第でございます。よろしく御検討をお願いいたします。

 以上でございます。

○中村部会長

 では、PhRMAの方、いかがでしょうか。

○米国研究製薬工業協会(パトリック・ジョンソン)

 実際の新薬開発の平均コストは、大体1.3ビリオンですので、13億ドルであります。そして、2010年から2015年におきまして、この新薬開発の伸張率というのは大体33%になっています。

○中村部会長

 安部委員、お願いします。

○安部委員

 後発医薬品についてですが、私の考えとしては、薬価差益という問題ではなく、物によっては原価が高いもの、先ほどおっしゃったようにデバイスコストなどで、新規収載の薬価では開発が難しいというものもあろうかと思いますので、そういった状況というか、実際にそういった事例があれば要望をすればいいのではないかと理解しております。

○中村部会長

 予定の時間をオーバーしていますが、ほかは。

 では、松原委員、お願いします。

○松原謙二委員

 意見であります。

 今、米国価格の調整につきまして、中川委員からもお願いしたところでありますが、今までAWPを使っていて、3倍になると外すというルールでやってまいりましたが、定価というのがおかしいという話を御理解いただき、今回新たなステップを踏み出して御意見をいただいたことを大変感謝いたします。

 ただ、民間医療保険の調査では、いろいろなバイアスがかかってデータが難しいということを私どもも理解しておりますし、ASPなのかNADACなのか、ここのところは厚生労働省さんにきちんと調査していただいて、適切な価格で正しく参照できるような仕組みにしていただきたいと思います。感謝申し上げると同時に、御協力をいただきたいというお願いでございます。

 もう一点は、新薬の創出加算というのは、財政的には確かに大きな負担でありますが、個々の患者さんにとって、自分の病気が治るということは何にもかえがたいものであります。ぜひここのところは御理解いただいて、費用をみんなで負担するというのが日本の健康保険のあり方でありますから、そのところの制度をきちんとしていくということは、新しい薬ができるためには大事なことだと、私ども医療機関としては考えます。そこのところはぜひ進めていただきたいと同時に、製薬会社さんのリスクというのも私どもよく理解し、一般の企業とは違うということもよく理解した上での話でございます。ぜひ、患者さんのためにいい薬をつくっていただきたいと思います。

 以上です。

○中村部会長

 では、幸野委員、お願いします。

○幸野委員

 済みません、予定時間を過ぎておりますが、卸売連合に質問があります。今回の薬価制度改革の基本方針では、全品を対象に毎年薬価調査を行って、価格乖離の大きな品目について薬価改定を行うとされています。そこで、卸売業者は負担の少ない方法での薬価調査を希望されておりますが、例えば客体数を減らすとか、具体的にどのようなことで負担軽減が図れると考えているのか、何か考えがあればお教えいただきたいと思います。

 また、もう一点言及された、未妥結減算制度について質問です。ルール上、9月までの妥結状況を評価することとしているので、年度前半に妥結した価格が10月以降の価格交渉で再度変動することを懸念されているのですが、これはルールを見直せば解決できる問題なのでしょうか。以上2点について、卸売連合の御意見をお伺いしたいと思います。

○中村部会長

 お願いします。

○日本医薬品卸売業連合会(村井)

 卸業者の負担の少ない調査について、村井のほうから答えさせていただきます。

 私どもは、今後、中医協で御議論いただきたいと思っているところでございますが、例えばということであれば、やはり私どもは調査客体数を絞っていただくということが一番公平であるし、合理的であると考えております。

○日本医薬品卸売業連合会(中原)

 卸連の中原でございます。

 2つ目のことでございますが、未妥結減算により9月でほぼ妥結するわけでございますけれども、9月の薬価調査が行われて、10月以降、余りにも大きな変動があり過ぎると、薬価調査の信憑性というものがいかがかなと思います。これも中医協と、これから先に行われる流通改善懇談会の中でもいろいろ意見が出てくると思いますが、その辺の意見を酌んでいただきながら、制度的なものができるならば、ぜひ前向きに進めていただきたいという形だと思っております。

○中村部会長

 では、どうもありがとうございました。

 予定の時間は過ぎましたが、大体の御意見、御質問は出尽くしたようですので、関係業界からの意見陳述につきましてはここまでとさせていただきます。

 本日の業界意見陳述の内容を踏まえまて、本件については引き続き議論をお願いしたいと思います。

 本日、予定された議題は以上になります。次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは本日の「薬価専門部会」をこれにて閉会といたします。

 どうもありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

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代表: 03−5253−1111(内線)3288

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