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2017年7月19日 第七回地域医療構想に関するワーキンググループ

医政局

○日時

平成29年7月19日(水)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 中央合同庁舎第5号館 省議室(9階)
東京都千代田区霞が関1-2-2


○議事

○原澤課長補佐 それでは、定刻より少々早いのですけれども、構成員の先生方もおそろいですので、ただいまより第7回「地域医療構想に関するワーキンググループ」を開会させていただきます。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、まことにありがとうございます。
 本日は、相澤構成員、邊見構成員より欠席との御連絡をいただいております。
 また、参考人として、国立がん研究センターの石川先生をお呼びしております。
 なお、前回に続き、自治財政局公営企業課準公営企業室より、森山課長補佐に出席いただいております。
 続きまして、前回のワーキンググループ以降、事務局に人事異動がありましたので、御報告させていただきます。
 医政局長の武田でございます。
○武田医政局長 7月11日付で医政局長を拝命いたしました武田でございます。これから、どうぞよろしくお願いいたします。
○原澤課長補佐 医政局総務課医療政策企画官の長房でございます。
○長房総務課医療政策企画官 医政局総務課医療政策企画官の長房と申します。7月10日付で着任いたしました。よろしくお願いいたします。
○原澤課長補佐 続きまして、医政局総務課保健医療技術調整官の木下でございます。
○木下保健医療技術調整官 よろしくお願いします。
○原澤課長補佐 なお、医政局総務課長の榎本でございますが、本日、他の公務の都合上、欠席とさせていただきます。
 また、武田と椎葉につきましては、他の公務の都合上、途中退席させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。お手元に、議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1から2-2、参考資料1から2までをお配りしております。不足がございましたらお知らせください。
 それでは、以降の進行は尾形座長にお願いいたします。
 なお、報道の方で冒頭カメラ撮り等をしておられる方がおられましたら、ここまででお願いいたします。
(冒頭カメラ撮り終了)
○尾形座長 おはようございます。
 それでは、早速、議事に入りたいと思います。
 まず、議題の1つ目の「公的医療機関等改革プラン(仮称)(案)について」を議論したいと思います。資料1の説明を事務局からお願いいたします。
○伯野医師確保等地域医療対策室長 事務局でございます。
 資料1「公的医療機関等改革プラン(仮称)(案)について」をごらんいただければと思います。めくっていただきまして、2ページでございます。地域医療構想調整会議での議論の進め方についてでございますが、1のアの(ア)にございますとおり、構想区域における将来の医療提供体制を構築していくための方向性を共有するため、特に救急医療などの政策的な医療を担う医療機関、具体的にはこちらに掲げているような公的医療機関や国立病院機構等の役割を明確にしていくことが必要としているところでございます。
 次の3ページをごらんいただければと思います。公的医療機関については、開設者の範囲は都道府県や市町村以外にも、日本赤十字社や済生会など、こちらに示しているものが開設者となっております。その役割ですが、医療法上、地域医療対策協議会への参画に努めなければならないとされているほか、地域医療対策の実施に関して協力しなければならないとされているところです。また、地域医療構想関連では、都道府県知事の権限が、公的医療機関等に対しては命令・指示など、他の医療機関より強い権限が付与されております。
 次の4ページは、独立行政法人地域医療機能推進機構、いわゆるJCHOについてでございます。1にございますとおり、設立目的は救急医療・災害医療・僻地医療等の政策医療等の確保を図ることとなっております。
 5ページは、独立行政法人国立病院機構についてでございます。左上の概要の業務のところにございますが、政策医療の実施を目的としておりまして、左下のように、他の設置主体では必ずしも実施されないおそれのある結核や重心等の分野の医療を提供し、また、右下のような政策的な医療も実施しているという実態がございます。
 6ページですが、独立行政法人労働者健康安全機構でございます。こちらの目的でございますが、職場における労働者の安全及び健康の確保を図ることなどが目的とされておりまして、設立等のところをごらんいただきますと、前身が特殊法人の労働福祉事業団ということもありまして、国の関与が非常に強くなっておりますし、多くの労災病院で、実態として政策的な医療が実施されているところでございます。
 次の7ページは、地域医療支援病院でございます。趣旨にございますとおり、地域医療を担うかかりつけ医、かかりつけ歯科医等を支援する能力を備え、地域医療の確保を図る病院として創設されまして、都道府県知事が個別に承認しております。役割のところを見ていただきますと、救急医療の提供などがございます。
 8ページは、特定機能病院制度の概要でございます。一番上の趣旨にございますが、高度の医療の提供などを備えた病院について、厚生労働大臣が個別に承認するものでございます。
 9ページは、地域医療支援病院・特定機能病院について、少し整理をしたものでございますが、役割についての、その他のところを見ていただきまして、医療法上、地域医療対策協議会へ参画するよう努めなければならず、地域医療対策の実施に協力するよう努めなければならないとされておりまして、地域医療構想における都道府県知事の権限についても、命令や指示など、ほかの医療機関に対するものよりも強い権限が付与されているということでございます。
 10ページは、参考までに、向かって左側が地域医療支援病院の都道府県別の数でございまして、向かって右側が特定機能病院の一覧でございます。
 11ページは、地域医療対策協議会についてでございますが、医療法において、救急医療等確保事業に係る医療従事者の確保その他都道府県において必要とされる医療の確保に関して必要な施策を策定することになっておりますが、その施策を策定する上で、これらの関係者との協議の場を設けることになっております。また、これらの医療機関の方々は参画に協力するよう努めなければならないとされているところでございまして、さらに、定めた施策について実施するように努めなければならない等の義務等が定められているというところでございます。
 12ページをごらんいただければと思います。これまでの御意見でございますが、こうした公的医療機関などに求められる役割を踏まえ、関係審議会等においても御意見をいただいております。1つ目のポツをごらんいただきまして、特に公的医療機関や国立病院等が担う医療機能として、僻地医療などの不採算医療をしっかりやっていただきたいという意見でございます。2つ目のポツでございますが、公立病院以外の公的医療機関でも、こういうガイドラインが策定されるべきという御意見。もう一つ、3つ目でございますが、さらに、国立病院機構だとかJCHO、労災病院といった独立行政法人についてもガイドラインをつくって、ぜひ模範を示してもらいたいという御意見がございました。
 次の13ページは考え方を整理したものでございますが、1つ目の○でございますけれども、公的医療機関は、地域医療対策協議会のメンバーに含まれておりまして、また、地域医療対策への協力義務が課されているなど、地域における医療確保を担うこととされております。
 2つ目の○でございますが、公的医療機関と共済病院や健保組合、地域医療機能推進機構等が開設する医療機関については、地域医療構想の達成を図るために都道府県知事が行使することができるとされている権限の位置づけが、命令・指示など他の医療機関に対するものより強い権限が付与されているということがございます。
 3つ目の○でございますが、国立病院機構等の独立行政法人が開設する医療機関についても、その設立の経緯と、現に地域において医療確保に果たしている役割を鑑みると、今後も、地域における医療確保に一定の役割を果たすことが期待されているものと考えられます。
 4つ目の○でございますが、地域医療支援病院、特定機能病院についても、公的医療機関と同様、地域医療対策協議会のメンバーに含まれているなど、地域における医療確保の役割を果たすよう努めることとされております。
 こうしたことから、点線で囲っているところの2つ目の○をごらんいただきまして、これらの医療機関に対して、地域における今後の方向性について記載した「公的医療機関等改革プラン(仮称)」の作成を求めることとしてはどうか。また、策定したプランを踏まえ、地域医療構想調整会議においてその役割について議論することとしてはどうかとしております。一番下の※に、このプラン作成の対象医療機関の案を示しております。
 次の14ページ以降でございますが、こちらからは、何を書いていただくかという内容についてでございます。新公立病院改革ガイドラインの内容でございますが(1)にございますとおり、地域医療構想を踏まえた役割の明確化をすることと、(3)の3)にございますとおり、地域医療構想等を踏まえ医療機能の見直しを検討することが掲げられているところでございます。
 15ページは参考までに、以前も出しておりますが、熊本市民病院の再建計画を載せております。2で、医療圏と市民病院の現状と課題を整理して、3で基本方針を記載して、4で今後の診療科の構成や病床数などを記載しております。
 次の16ページをごらんいただければと思います。記載事項(案)のマル1でございます。1つ目の○でございますが、今後、各医療機関が地域医療構想を踏まえてみずからの役割を明確にすることが必要であるということでございます。2つ目の○でございますが、そのためには、マル1にございますとおり、構想区域ごとの医療提供体制の現状を把握して、マル2のように、各医療機関が地域において担っている役割を確認することが必要でございまして、3番目の○にございますが、新公立病院改革プランにおいても、地域医療構想を踏まえた当該医療機関の果たすべき役割を記載することとされているところでございます。点線囲みをごらんいただきまして、公的医療機関等改革プランにおいても、構想区域の現状と課題、その現状と課題を踏まえた当該医療機関の現状と課題と、今後、地域においてその医療機関が担うべき役割について記載することを求めてはどうかとさせていただいております。
 17ページは、記載事項(案)のマル2でございます。2つ目の○をごらんいただきまして、当該医療機関が今後、地域において担うべき役割について、調整会議においても共有し、構想区域ごとの医療提供体制の整備方針とそごがないかどうか、確認が必要であるとしております。3番目の○にございますとおり、調整会議で議論する上では、提供する予定の医療機能等について明確にしておくことにより、より具体的な議論が可能となりますので、下の点線囲みをごらんいただきまして、公的医療機関等改革プランにおいて、4機能ごとの病床のあり方等、今後提供する医療機能に関する事項や、病床稼働率等の具体的な数値目標を記載することを求めてはどうかとさせていただいております。
 次の18ページは、今、申し上げた項目を目次にしたものでございます。
 19ページは策定のプロセスについてでございますが、点線囲みの1つ目の○をごらんいただきまして、策定過程でも地域の関係者からの意見を聞くことなどにより、構想区域ごとの提供体制と整合的なプランの策定が求められます。2つ目の○にございますが、プラン策定後でございますけれども、調整会議にそのプランを提示して、関係者から意見を聞いて、調整会議での協議の方向性とのそごが生じた場合には、策定したプランを見直すこととするとしております。3つ目の○にございますが、さらに、プランの対象となっていない医療機関においても、現状を把握して、今後の方針を検討することは大変重要なことでございますので、まずはそれぞれの医療機関が自主的に検討するとともに、地域の関係者との議論を進めることが望ましいとさせていただいております。
 以降は、参考資料になります。
 事務局からは、以上でございます。
○尾形座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明がありました資料1につきまして、御意見、御質問等をお願いいたします。
 野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 
 公立病院改革プランにつきましては、総務省がガイドラインを示した上で、都道府県の助言や関与等のもとで策定しているところでございますが、今回、お示しをいただきました公的医療機関等の改革プランにつきましては、今後、厚生労働省のほうでガイドラインを示すということで理解してよろしいのかというのがまずは1点でございます。
 もう一つは、都道府県の関与でございますけれども、あくまでも調整会議等を通じて公的医療機関の自主的な取り組みを支援していく役割と理解してよろしいか。
 この2点が御質問でございます。
○尾形座長 2点の御質問ですが、事務局、お願いします。
○伯野医師確保等地域医療対策室長 御質問でございますが、1点目の、今回の公的医療機関等改革プランのガイドラインについては、厚労省でお示しするという形になるかと思っております。また、都道府県の自主的な取り組みを支援するということについてでございますが、御指摘のとおりであります。
○尾形座長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。
 今村構成員。
○今村構成員 質問というか意見なのですけれども、17ページの公的医療機関等改革プランの例示の中に、人件費とか経営に関する項目が入っているのがすごく気になります。公的病院の改革ガイドラインは、もともと地域の公的病院の経営が悪化したことに対して、その支援対策としての面があったと思うので、あのガイドラインにそれがたくさん載っているのはよくわかるのですけれども、地域医療構想で、地域の医療をどうハーモナイズさせるかということと、それぞれの病院の経営状態とかを報告することは別の問題だと思うので、自主的にぜひそれは報告して議論したいというところはやってもらうべきだと思うのですが、ガイドラインに全部載せて議論に付しなさいというところまで踏み込んでいくのはどうかなと思います。
○尾形座長 事務局、どうぞ。
○伯野医師確保等地域医療対策室長 御指摘のとおり、今回、公立病院のほうは恐らく経営的な視点が先にあって、改革プランをつくる過程があったのだと思います。今回の公的医療機関等改革プランは、まさに地域医療構想が目的でございますので、経営に関する項目は附帯する事項というところでございますので、御指摘を踏まえてどのようにお示しするか検討してまいりたいと思います。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 今の17ページの点線の枠の中のことを言っているのでしょう。伯野室長、今村先生の発言に対して、あなたはこれを見直すと言っているのですか。こういう項目例を見直すと言っているのですか。
○伯野医師確保等地域医療対策室長 恐らく今村先生も、項目自体が不要という趣旨ではなくて、重みづけが違うのではないかという御趣旨かなと思ったのです。
○中川構成員 どういう意味ですか。
○今村構成員 基本的には、この改革プランをつくるべきだと思うのですけれども、逆紹介率とか紹介率と全く同じレベルで人件費率とかを求めていくのは順番が違うだろうから、必ず出してもらわなければいけないものと、出せるのだったら出してもらったほうがいいものとはちゃんと分けたほうがいいと思います。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 新公立病院改革ガイドラインはどうなっているのですか。
○尾形座長 事務局、どうぞ。
○伯野医師確保等地域医療対策室長 入っております。
○中川構成員 私が公立病院以外の公的医療機関もガイドラインをつくって、改革プランを示すべきだと言ったのは、公立病院と同じラインに並ぶべきだという意味です。特に公的病院には、民間の病院と違った税制優遇といった特別な措置もあるわけだし、地域医療構想の役割においては、やはりこれは大事なことだと思います。
 そういう意味で、私は、17ページのこのままでいいと思います。地域医療構想において、参加するプレーヤーとしての公的医療機関が、経営が悪いからその経営改善のために努力をするということではないのです。もし経営が非常に厳しいのだったら、それはそれなりにみずからの出処進退を明らかにするというか、地域医療提供体制を構築するプレーヤーとしては、公的医療機関としての立ち居振る舞いがあるだろう。そういう意味でこの改革プランをつくるべきだと申し上げているので、17ページの下の点線は、これはこれでいいと思います。
○尾形座長 17ページのこれを変えるという意味ではないということですね。
 今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 もともと公的病院の改革プランそのものは、各病院が経営状態が悪化して、それに対して総務省としてもどう補助金を出していくかということがベースにあったことなので、経営がベースにあれはつくられていますね。BS、PLをいろいろつくって、それぞれのところでそれを出していきなさいという、会議議事まで出したものだと思うのです。だから、経営が主体になっていると思うのです。
 それに対して、今回、地域医療構想そのものをしていくのに、絶対に必要な項目かといったら、私はちょっと温度差があると思うので、そこは温度差をつけるべきだと思います。
○尾形座長 事務局、どうぞ。
○佐々木地域医療計画課長 実は、これは今村構成員の御指摘も一つあると思うのですけれども、地域で議論していただく中で、医療介護総合確保基金をどの医療機関に充てるかを毎年調整会議の場で議論していただくことになっています。その際に、各病院が今後、きちんと運営ができるのかどうかという視点も大事ではないかと私は思っておりまして、そういう意味では、特に基金の活用について念頭があるような医療機関については、こういった経営に関する方向性とか見通しも記載していただいて、議論していただくことが必要ではないかと事務局としても考えているところでございます。
○尾形座長 ほかにいかがでしょうか。
 伊藤構成員。
○伊藤構成員 今の17ページの件ですが、私も同様に人件費率だとか経営に関する項目は非常に重要な項目だろうと思っております。ここのところがうまく回らないからといって、いわゆる民業圧迫という言葉は変ですけれども、民間が行うべき、あるいは行っているところへ、その業務が拡大するようなことがあってはならない。地域医療構想の根幹に係る問題があると思っておりますので、その形で検討されるべきだと思います。
 もう一点が、12ページで示されています公的な病院の担う機能として、高度専門的医療と僻地医療と不採算医療の3つがあるわけですが、高度専門的医療といいますのは、定義はどういうことになっているのかを教えていただきたい。といいますのは、地域において不足している高度で専門的な医療あるいは機能をどう担っていくかということになるのか、あるいはそれぞれの病院個々の戦略的な位置づけで高度専門的な医療を整備するという考え方なのか。同様に不採算の医療も定義がはっきりしていません。これは言い方を変えますと、公立病院が実施をしていれば不採算だけれども、そうではない主体がこれを行えば採算性が合うようなことはよくある話で、この定義を明確にしないと、高度専門的医療だとか不採算医療という名目だけで、公立病院が新たに機能を強化するということはあってはいけないと思います。
○尾形座長 後半が用語の定義についての御質問かと思いますが、事務局、どうぞ。
○木下保健医療技術調整官 事務局でございます。今、特定機能病院の高度な医療に関する御質問がございました。8ページに特定機能病院制度の概要をお付けしているところでございます。役割は、高度な医療に関しましては3つございまして、まず、自ら高度な医療を提供すること。2つ目としまして、高度な医療の技術の開発・評価、3つ目としまして研修というこの3つをもって高度な医療を行っているということをしているところでございます。高度な医療は、中身にはいろいろなものがございますけれども、例えばということで、下にありますように、新規の技術とか未承認薬を用いた医療の提供を可否する部門で決定し、そこで提供することを確実にすることでありますとか、一番下にありますように、開発・評価におきましては、英語の論文の件数が何件以上とあることによって、承認要件を求めているという状況でございます。
○尾形座長 伊藤構成員。
○伊藤構成員 特定機能病院は、まさにそういう機能を持っているものだと思いますが、一般の公立病院にこれを全部適用するものかどうかということです。逆に言うと、こういう名目でもって過去にかなり税金の投入等が行われ、機能の整備が行われてきたと理解しています。ここを今後、地域医療の構想会議の中で、どのように調整するかということになると、過去の踏襲は非常にぐあいが悪いのではないかと思うところです。
○尾形座長 今のは御意見ということですか。
○伊藤構成員 意見として、いわゆる名目上の高度専門機能でもって、そこに設備投資等をされるようなことが、今までと同じ形で続いては困るという意見です。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 確認ですけれども、公立病院に補助金、税金が投入されているのは、趣旨としては、高度な医療を提供するためではないですね。総務省の方が来ているから答えてもらってもいいのです。
○尾形座長 とりあえず事務局、どうぞ。
○伯野医師確保等地域医療対策室長 基本的には、政策的な医療を提供するために補助金等が投入されている場合が多いかと思います。
○中川構成員 総務省の方、何かないのですか。せっかくいらしているのですから、言ってくれないと意味がない。
○尾形座長 もしよろしければ。よろしいですか。
○森山総務省自治財政局準公営企業室課長補佐 公立病院に対して、一般会計のほうから繰り出しをして税金を投入しているという考え方につきましては、基本的に公営企業として病院事業を実施するに当たって、もともとこれは法律に、地方公営企業法第17条の2の中で、病院のほうで負担すべきではないものと、病院のほうで一生懸命努力をしながら経営をしても、なかなか収支相償できない部分につきましては、一般会計から繰り出しをすることになっておりまして、これに対して繰り出しがなされているということでございます。
 なぜ収支相償ができないかといいますと、政策医療でありますとか、不採算地域において、どうしてもほかの民間等の医療機関に参入していただけない、医療機関がほかにないため、収支相償がなかなかできないような状況があるということで、繰り出しがなされている状況でございます。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 この際はっきりしておいたほうがいいと思うのですけれども、実態は、政策医療は採算がとれないから税金を投入しているわけではないですね。経営が非常に悪い。やっていけないということで、当初の趣旨とは大分かけ離れた実態になっているので、私は新公立病院改革ガイドラインという結構厳しいものをつくったのではないかと高く評価しているのですけれども、違いますか。
○尾形座長 今のお答えは、よろしければどうぞ。
○森山総務省自治財政局準公営企業室課長補佐 先生が御指摘のとおりでございまして、経営状態が非常に厳しい中であって、しかも、それに対しては先ほど申したとおり、制度上は公費を投入しているわけですから、そこはしっかりと見直していただく。また国の、地域の医療提供体制がこれからどんどん変わっていく中にあって、そこに沿うと同時に、公立病院においてもその地域の医療をどう確保していくか、その中でどういう役割が果たせるのかということをしっかり議論していただくという趣旨で、新公立病院改革ガイドラインを定めているところでございます。
○中川構成員 ありがとうございます。そういう意味で、17ページの下の点線の枠内は、これでいいと申し上げているのです。
○尾形座長 織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 実際、地域医療構想に関することに関しましては、公的・民間イコールフッティングで議論することになっていますね。そういう意味では、経営状態とか、そういうものはディスクロージャーをしていくというのは当然のことだと思います。どれぐらい交付金が入っているのか、一般会計から繰り入れられているのかをディスクロージャーすることによっていろいろな議論がまた深まっていくのだろうと思います。
○尾形座長 ほかにいかがでしょうか。
 伊藤構成員。
○伊藤構成員 今、御議論いただいている、政策的な医療ということになりますと、本来の地域医療構想の考え方は2025年に向けて、それぞれの機能が集約し、かつ、地域の中で、いわゆる完全な形になっていくという方向を目指しているとするならば、公立病院の本来果たすべき役割は、2025年に向けてどうしても最終的にその地域に必要な医療が整備できないというところを、税金を投入してでもやっていくというのが本来の姿だろうと考えているわけでして、そうなると、途中、14ページ、15ページあるいは19ページに書いてございますように、本来、公的を含めて公立病院が目指すべきプランというものを、地域医療構想会議の中で他の医療機関と協調的に話し合ってすり合わせをした上で、最後の最後、最終的に整備できない部分を税の投入で機能を整備するということが本来あるべき姿です。民間病院等がそれぞれの経営努力で、不足している機能を整備していくということを先行させて、その後、少し推移を見ながら2025年に向けて公的が補完をしていくべきだと思います。
 この点は、そういう考え方でよろしいでしょうか。
○尾形座長 事務局、どうぞ。
○佐々木地域医療計画課長 この点は、いろいろと御意見があると思いますけれども、まずは各病院に、2025年に向けてどういう形で今後、病院を運営していくかを示していただいて、それを各構想区域の調整会議で見ていただいて、その内容が地域の全体の中で少しそごを来すというか、整合性がないということであれば、これは公立病院のプランと同じでございますけれども、各公的医療機関等に調整会議での御議論を伝えて、参加していただくという場合もあると思うのですが、その内容についても少し見直していただく。そういうことで考えておりますので、そういう意味では、御指摘のとおり、調整会議での議論と調整しながら、最終的にどうしていくかを各病院に検討いただく。このようなことだと理解しております。
○尾形座長 今村構成員。
○今村構成員 公的病院の改革ガイドラインの位置づけなのですけれども、どちらかというと、私はこれを最初に見たときに、公的病院も民間病院と同様のレベルで頑張りなさいという数字に見えました。稼働率も低いのだったら上げなさい、平均在院日数が短いのだったら短くしなさいと。その上で、政策医療の部分を行うのだったら出しますということですけれども、これは民間の普通の病院と同じことは最低限やりなさいというガイドラインだったと思うのです。そのために、公的病院の多くは民間と肩を並べてやることになったという経緯があると思いますので、それを政策医療に特化して、そうするためのガイドラインと位置づけられてしまうと、大分意味が違うかと思います。ですから、ガイドラインそのものが政策医療や不採算医療をということをやるわけです。こちらそのものの趣旨とは違うものになってくると思うので、そこは検討していただく必要があると思います。
○尾形座長 確認ですけれども、今、おっしゃっていたのは、既存の新公立病院改革ガイドラインについてですか。
○今村構成員。 新公立病院改革ガイドラインそのものは、民間病院と同じレベルで頑張りなさいということが前面に出ていて、PL、BSを全部つくって、普通の稼働率と普通の平均在院日数と、普通の外来数をまずはこなした上で、補助金を求めてくださいというような、そのような構成だったと思うので、そこは位置づけとしてはちょっと違うのではないかと思いました。
○尾形座長 織田構成員。
○織田構成員 政策医療とか不採算医療は、地域によって何を指しているのかよくわからないところがあります。今、実際に民間病院でも僻地医療をやっていますし、不採算になる救急だってやっています。そういう意味では、特に地域医療構想の議論のところでは、繰り返しになりますけれども、イコールフッティングです。
 先ほど御説明いただきましたように、19ページの下の点線の四角の○の2番目なのですけれども、これは非常に、私としては評価しているといいますか、多分、この病院のプラン策定は、グループである程度方針を決めて策定してくるのだろうと思います。それが構想区域の中でちゃんと適合するのか、整合性があるのかを議論した上で、最後に齟齬が生じた場合は、策定したプランを見直すというこの項目は、今後、各県に伝えたときに、しっかりと伝えていただきたいと思います。
○尾形座長 ほかはいかがでしょうか。
 中川構成員。
○中川構成員 今村構成員がおっしゃったことがどうも気になるのですけれども、公立病院が民間と同じようなことで、経営を頑張りなさいという趣旨は、新しいガイドラインは違うと思います。そんなに無理に頑張らなくてもいい。ただし、自分の身の丈に合った生き方を模索したらどうだというのが新公立病院改革ガイドラインで、例えばその一例は、ダウンサイジングだとか、ほかの民間病院がやっているところをわざわざ税金を投入して頑張る必要はないのだということを大人の言葉で優しく示しているのではないかと私は理解しているのです。ですから、これからも公立病院は経営を頑張りなさいということではないのだと思います。そういう意味で、公立病院以外の公的医療機関も、そういうものをつくるのだという趣旨の資料だと私は理解しているのです。
○尾形座長 今村構成員。
○今村構成員 中川構成員の御指摘のとおりだと思います。それはダウンサイジングも含めて公的病院も考えるべきだということなのです。でも、実際は、求められている数字としては、普通の病院が求められているような稼働率レベルのことはちゃんとやりなさいと。それができるかどうかをちゃんと自分でやってみなさいということを言っているわけですから、一定の割合で、全部不採算でもオーケーというようなことを言っているわけではないと思うのです。
○中川構成員 稼働率を維持しなさいということは、患者を今以上に入院させるとか、それは地域医療調整会議の結論とか方向性と齟齬が生じる可能性があるのです。毎回言いますが、地域医療構想は不足する病床機能をいかに手当てするかですから、そういう状況の中で、病床削減の機能はないということを、何回も確認して議論を進めてきましたけれども、そういう中にあって、公立病院はみずから厳しくするのだと。改革プランを出すのだという意味は、ダウンサイジングを含めてそういう方向性を出すのだと。税金が入っているのだからと。それに加えて、公立病院以外の公的病院もそうあるべきだということを私は申し上げて、こういう方向性に資料をつくっていただいたと理解しているのです。
○尾形座長 今村構成員。
○今村構成員 構想の中での議論は中川構成員がおっしゃるとおり、ダウンサイジングも含めて考えるべきだということはそのとおりだと思うのです。でも、公立病院改革ガイドライン、総務省が出したほうのところでは、それを強く求めているわけではなくて、実際には稼働率の改善とかを求めているわけですから、その部分は、純粋に地域医療構想の地域調整会議の話の部分とは大分違いますということを指摘されたのだと思います。
○尾形座長 佐々木課長。
○佐々木地域医療計画課長 事務局の説明が不足しているところがあったと思うので、申しわけないと思うのですが、これはもともとのガイドラインというかつくり、項目、柱などは確かに新公立病院改革ガイドラインを使っておりますので少し混乱があるのですが、実際に通知などで自治体に出していくもの、各病院団体に出していくものについては、基本的に地域医療構想の議論にきっちり資するようなことで、各病院がつくってくれておりますので、そういうことでやっていく。お示ししようと思っていますので、そういう意味では、今、出ております公立病院のガイドラインをそのまま引き写しで使うということではなく、項目は引用しますが、きょう、会議で御指摘いただいた点も含めて、きちんと趣旨が伝わるような形で通知等にして出していきたいと思っております。
○尾形座長 よろしいでしょうか。
 中川構成員。
○中川構成員 公的病院に加えて、国立病院機構とJCHOもというように私は提案したのですけれども、その辺はどうなっていますか。
○尾形座長 これは確認ということでお願いします。
○伯野医師確保等地域医療対策室長 13ページをごらんいただきまして、一番下の※にございますが、先生が御指摘の医療機関についても対象とさせていただいています。
○中川構成員 ありがとうございます。
○尾形座長 よろしいですか。
 本日、いろいろ御意見をいただきましたので、少し事務局において整理をしていただきまして、公的医療機関等の開設者に対する要請と所要の手続をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次の議題に移ります。2つ目ですけれども「平成28年度病床機能報告の結果について(その4)」でございます。まず、資料2-1について事務局から説明をいただいて、続けて資料2-2の説明を石川参考人からお願いしたいと思います。
 よろしくお願いします。
○伯野医師確保等地域医療対策室長 まず、事務局でございます。資料2-1をごらんいただければと思います。2ページ目以降が病床機能報告についてのこれまでのワーキングの主な議論の内容でございまして、3ページをごらんいただければと思います。
 平成28年度から、御承知のとおり病棟ごとに医療の内容を集計することができるようになりましたので、下のほうにございます赤で囲んだところにございますが、本ワーキンググループにおいて、こうした医療内容の結果を活用しながら、病床機能報告について少し定量的な観点からの基準についても検討することとしております。
 4ページは、これまで本ワーキンググループにおいて出させていただきました資料でございますが、一番下をごらんいただきまして、病棟ごとの分析について、どの機能を選択しているのか、主たる診療科は何か、どのような診療実績となっているのか、分析が必要とさせていただいております。
 次の5ページからは、これまでもお示ししたデータでございますが、例えばこんな分析ができますというものでございます。まず、5ページは、病床機能ごとの病床当たりの看護職員数についてグラフにしております。
 6ページをごらんいただきますと、病床機能ごとの平均在院日数について整理をしているというものでございます。
 7ページでございますが、主たる診療科を病棟ごとに聞いておりますが、慢性期を除いては大半が複数の診療科で活用というものを選択しているという実態がございます。
 8ページは、過去にもお示しさせていただいておりますが、高度急性期を報告している病棟で「循環器内科」もしくは「複数の診療科で活用」というものを選択していて、かつ、1番に循環器内科を選択している病棟が全部で764病棟ございましたけれども、このうち103の病棟がPCIの実施件数がゼロという結果だったというものでございます。
 9ページは診療科別、看護単位別に手術件数や全身麻酔の手術件数を比較したものでございます。
 10ページの病棟ごとの病床機能と医療の内容に関する分析については、今村先生の研究班において研究を進めていただいているところでございます。
 11ページは、病棟ごとの病床機能報告と医療の内容について、関連性が深いものについて整理をしていただいている表でございます。
 12ページは慢性期機能についてでございます。真ん中の○にございますとおり、慢性期機能を担う医療機関の実態の分析について触れておりますが、慢性期については、医療内容とのひもづけがなかなか難しいという実態もあり、各病棟における入院患者の状態や入退院の状況、平均在院日数等を参考にしながら検討を進めるとしておりまして、本日、石川先生に参考人として来ていただいておりますので、慢性期に限らず検討状況についてお話ししていただけるものと思っております。
 13ページは、これまでの病床機能報告に関する主な意見でございますが、1つ目の○にございますとおり、定量化・精緻化していくことは客観的なデータという観点からも必要という御意見がございましたし、14ページの1つ目の○にございますが、病床機能報告に関しては、どう考えてもおかしいというものは少し考えるべきという御意見だとか、あるいは2番目の○にございますとおり、高度急性期と急性期の区分けは難しいといった御意見をいただいているところでございます。
 15ページからが病床機能報告の整理を行ったものと、今後の課題のようなものを整理したものでございます。16ページをごらんいただきまして、今後、整理すべき事項について機能ごとに記載させていただいております。先ほどの御意見のところにもございましたが、高度急性期、急性期については、区分けすることは難しいという御意見がありますが、2番目のポツのとおり、高度急性期については、特定入院料との関連性を示すこと等で、一定の整理ができているのではないかと考えております。3番目のポツでございますが、急性期については、病床機能報告の内容などを踏まえて、その報告のあり方等について整理することが必要としております。回復期については、現状の病床機能報告の内容が適切かどうかについての検討が必要。最後の慢性期については、先ほども少しございましたが、入院患者の状態や入退院の状況、平均在院日数等を参考にしながら検討を進めるとしております。
 一番下の点線囲みをごらんいただきまして、今回、特に急性期機能について、これまで整理してきた項目に加えて、現状の病床機能報告における医療機能と、実際に提供している医療の内容の関係について、検討を進める必要があり、まずは具体的な医療の内容に関する項目を含めた情報の整理を進めることとしたいと考えております。
 次の17ページは、こちらの赤い囲み部分が、今回、新たに病棟ごとに把握できるようになった医療の内容の項目でございます。
 18ページは、17ページでお示しした医療の内容の項目と病床機能との関連を、あくまでも仮定でございますが、事務局で少しひもづけをしてみましたというものでございます。
 19ページをごらんいただきまして、分析をしてみたものでございますが、向かって左側を見ていただきますと、現在、急性期病棟と報告している病棟は、全体で1万1,459ございます。例えば一番下の「8.全身管理の状況」がございますが、この具体的な項目は右のほうにございます。例えば呼吸心拍監視とか酸素吸入などがございますが、これらの項目で全て実績がないという病棟が、一番下にございますが、急性期を選択した病棟の中でも610病棟あったというものでございます。
 次の20ページは、現在、高度急性期または急性期を報告している病棟のうち、診療科として「外科系」、外科系というのは、下に※で書いておりますが、これらの診療科もしくは「複数の診療科で活用」を選択していて、かつ、上位1位に外科系、※の診療科を選択している病棟が2,031病棟ございます。そのうち向かって左を見ていただくと、手術件数の実績がゼロという病棟が148病棟ございました。向かって右側の、全身麻酔の手術件数についてはゼロというところが360病棟あったというものでございます。
 21ページは、高度急性期または急性期と報告している病棟のうち、診療科として「呼吸器内科」もしくは「複数の診療科で活用」を選択していて、かつ、上位1位に呼吸器内科を選択している病棟が681病棟ございます。そのうち呼吸心拍監視というものが向かって左側で、実績がゼロという病棟が40病棟。向かって右側の酸素吸入の実績がゼロという病棟がトータルで31病棟あったというものでございます。
 さらに、22ページをごらんいただきまして、今後の分析として、ある機能を選択した病棟に対して「その機能らしい」医療の内容に関する項目を複数選択し、例えば、それら全てに「該当しない」病棟の機能について、調整会議で確認するなどで対応する方法があるかと考えております。
 23ページをごらんいただければと思います。一番上のポツでございますが、報告した病床機能や主な診療科と医療の内容を組み合わせることで、議論に活用できる可能性が示されており、2番目のポツにございますとおり、回復期、慢性期においては、石川参考人がお話しするかと思いますが、具体的な医療の内容以外の項目についても検討が必要である。
 3番目のポツでございますが、今後こうした分析を進める上で、一定程度定量的に評価することができるのではないか。また、こうした分析については、入力エラーの可能性は否定できませんし、病床機能によっては、その機能らしい医療の内容に関する項目が少ないということもありますので、そういった限界を把握した上で、一番下の点線囲みにございますが、具体的な医療の内容に関する項目について、先ほどお示ししたような内容も含めて、さらに分析を進めることとしてはどうか。一番下のポツにございますが、重複しますけれども、医療の内容とのリンクが難しい機能もございますので、入院患者の状態や入退院の状況などについても、引き続き分析を進めてはどうかとさせていただいております。
 こちらからは、以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 引き続き、石川参考人、よろしくお願いします。
○石川参考人 それでは、資料2-2につきまして、私、石川から御説明をさせていただきます。本来であれば、この資料は私どもの研究代表者となっております産業医科大学の松田晋哉教授から御説明をすべきところなのですけれども、所用のため、今回は出席ができないということで、私から代理で御説明等をさせていただきたいと思います。
 資料2なのですけれども、非常に少ないページの資料となっておりますが、お伝えしたい内容は3つの項目がございます。それぞれ約2ページずつ、資料ができ上がっていると思っていただければと思います。
 1つ目の御報告の内容なのですけれども、資料の2ページ目をごらんください。御報告の内容の1つ目なのですけれども、これは何かといいますと、病棟ごとの病床機能と医療の内容に関する分析です。まさに今、厚労省側から御説明があった件につきましては、本日、構成員になっていらっしゃいます奈良県立医大の今村先生のところの厚労科研の中で、松田グループとして行わせていただいているものがございます。こちらは、病床機能報告のデータを用いて、福岡県のデータで定量的な基準を作成するための医療行為に関しましてどのような特徴があるのかを見てきた結果でございます。
 概要は、3ページ目の資料に挙げさせていただいているのですけれども、高度急性期、急性期、回復期、慢性期という4つの機能を見ていった場合、この表は上側に入院基本料・特定入院料という項目と、下側に具体的な診療行為を出させていただいているのですが、4つの機能区分の部分のうち、高度急性期や回復期、慢性期に関しましては入院基本料等で特徴的なものがございますので、それで分析が可能だというのと同時に、診療行為に関しましても、それぞれの機能によって特徴的に評価をできるような項目があるということを検討してまいりました。
 こうしたことを考えた上で、特に高度急性期や急性期で、本来起こるべき診療行為が起きていないのであれば、やはり見直しが必要だというところが、今、厚生労働省のほうから資料2-1の中で御説明があった内容ではないかと思っています。
 ただ、資料2-1の説明にもありましたとおり、4つの機能がこれだけで全てきちんと明確に定量的に把握ができるかというと、そういうわけではなくて、恐らく診療行為等だけではない評価の方向性も考えなければいけないということで、私どもは検討させていただきました。それが後に続く2つの分析になります。
 4ページ目なのですけれども、入棟・退棟患者の経路に関する分析をきちんと行ってはどうかというのが私どもの今の着目点でございます。4ページ目の内容につきましては先ほどの研究とは異なりまして、松田晋哉教授が行っている研究代表の厚労科研、別のものの中で私どもが分析をしているものです。方法等のところにも書いてありますが、平成27年度の福岡県の病床機能報告データにおいて、患者の入棟前の場所あるいは退棟後の場所の組み合わせを見ていった場合、特徴的な病院の機能が見えてくるのではないかということを、私どもは検討させていただいております。
 こうした福岡県の平成27年度の病床機能報告データを用いた上で、多変量解析の分析の一つであるクラスター分析をさせていただいて、どのような病院が特徴的に選ばれるのかを検討してみました。なので、この2つ目の御報告の内容は、病棟の機能というよりは、病院が持っている機能の組み合わせがどのようなパターンになるのか。それを入退院経路から明らかにしようという形になります。
 実際に、5ページ目で行った結果を言葉で示させていただいているわけなのですが、クラスター分析を行いますと、4つの病院区分に大きく医療機関が分けられると私どもは考えております。それぞれのクラスターのところ、1番から4番まであるわけなのですが、入院前の場所から、どのような退棟先の場所に行っていらっしゃるのかということを考えていきますと、クラスター1となる部分、この群の病院に関しましては、家庭から7割が入院してきて家庭へ退院していく方がほとんどで、恐らくこれは回復期、慢性期といった急性期の後のところを提供するというよりは、高度急性期、急性期のところで、主な目的として、治療を掲げていらっしゃるところがあるだろうと思います。
 一方、これの対極になるようなクラスター2の部分に関しましては、自分の病院に対しては他院から患者が7割入ってこられた上で、死亡退院等で診療が終了する患者が7割という病院群がございまして、これは恐らく慢性期を中心とした医療機能を持っている病院だろうと思われます。
 そうした形で、急性期と慢性期、その両極端のところはわかるわけなのですが、残りの病院がどのように分けられるかといいますと、大きくわけてクラスター3とクラスター4となります。クラスター3の部分は何かといいますと、他院や院内から、家庭からも患者は入ってこられるのですけれども、基本的には家庭に退院されたり、他院転院あるいは終了というなど、さまざまなパターンで混在しているという状態があります。ただ、必ずしも診療が終了するような確率は高くなくて、恐らくこうした病院では、急性期や回復期などを含めた上で、地域のニーズに応じて必要な医療をできる限り医療機関完結型で提供しているようなグループが存在しているのではないかと考えられるのが、クラスター3でございます。
 これに対して、クラスター4に関しましては、家庭/他院/介護福祉施設から30%ずつ患者が入ってこられまして、退院先はといいますと、介護老人福祉施設あるいは診療が終了するようなパターンが3割ずつのところを占めていて、恐らく地域のニーズの中で、急性期・回復期もやっているのですが、最終的に慢性期の部分までを含めて対応されているところがあるのではないか。このように今、見えてきているところになります。
 これはまだ福岡県の平成27年度のデータということで、試行的な分析ではあるのですが、今後、入退院の経路の部分を見ていくことによって、患者の構成から病院が持つ医療機能を類推できるのではないかというのが私どもの2つ目のところの検討の結果でございます。
 口頭で細かく御説明をさせていただきましたが、グラフとして見ていただくのであれば6ページ目のレーダーチャートをごらんください。右上の黄色い部分が入棟前の場所、左下に退院後の場所があるわけなのですけれども、資料によっては白黒の印刷の方もいらっしゃるかもしれませんが、緑色のクラスター1の部分に関しましては、最大のスケールところが80%になっているわけなのですけれども、7割は家庭から入院してきて、7割ぐらいが家庭に退院されてくる。実は、そのほかのパターンの入退院のところがないということで、高度急性期、急性期を中心とした機能であろうかと考慮しております。
 一方で、クラスター2のところに関しましては、他の医療機関からの転院症例が非常に多くて、これが7割程度を示していて、結果としてその患者に関しては「退院_終了」のところの率が高いという形になってくるようなところがあります。これは慢性期的な機能のところでやっていらっしゃるところではないか。
 残りのクラスター3とクラスター4に関しましては、機能が混在しているので、これほど明らかに方向性が出てくるわけではないのですが、クラスター3とクラスター4を分けるところは何かといいますと、介護老人福祉施設への退院であるとか、あるいは死亡退院を含むような終了の部分の比率が高い病院と低い病院があります。かつ、入院の経路に関しても、他の医療機関から受け入れてくるのか、それとも、介護福祉施設を含めて医療機関からではない受け入れがあるのかというところが、最後の3番と4番の違いではないかというように見えてきている形になります。
 ということで、平成28年度の報告書までの段階では、こうした病床機能報告を用いた入退院経路に従って、病院の機能の組み合わせがどうなっているのかを見てまいりました。最後のところ、3つ目の報告事項として、今回、御報告させていただきますのが7ページ目の追加的な研究の領域になります。
 これまで病院の機能の組み合わせを見てきたわけなのですが、具体的に、今の病床機能報告で報告されている病棟ごとに機能を見ていった場合、本当に入退院経路がパターン化されて見えてくるのかということを改めて確認させていただいております。
 7ページ目では、データが変わりまして、平成28年度の福岡県分の病床機能報告データを使っております。各病棟につきましては、医療機関から報告された医療機能に従って分析をさせていただいておりまして、入退院の経路に関しましては平成28年6月1カ月分の入院患者の状況が出ておりますので、それをもとに構成割合を計算しています。
 結果なのですけれども、高度急性期の病棟に関しましては、家庭あるいは院内の他の病棟から転棟してきて、それがまた家庭あるいは院内に戻るというような形で、高度の機能の部分をきちんと対応していくものについては、院内の転棟も含めて対応していくという形式になっています。一方で、急性期の部分に関しましては、院内の転棟だけではなく、他院や施設等のところも含めた上で、病院外とのやりとりが認められるような病棟になっていて、ある意味高度急性期というのは、急性期の中、院内での対応の部分を特徴的に扱っているようなものであって、外とのインターフェースの部分は急性期のところの病棟が担っているというようにも見えてまいります。
 一方、回復期と慢性期の部分の機能なのですけれども、回復期に関しましては、実は、ケア・ミックス等の病棟がございますので、院内の他の病棟から転棟されてくるところが非常に多く、半数を占めております。それに他院ないしは家庭からの入院、外から直接受け入れる部分は3割ないし2割程度あるというのが入り口の構成になっておりまして、結果としてこうした回復期の病棟では、7割が家庭に退院されるほか、他院、院内あるいは施設のところにおよそ同じぐらいの程度ずつ、病院の外に出ていかれる。また、終了する可能性は大体3%になるという形になります。
 慢性期に関しましては、院内からの転棟も当然あるわけなのですが、医療機関からの入院と院内の他の病棟からの転棟及び家庭からのところがほぼ3割ずつで、均等に入ってくるような状態に見受けられます。退院先の部分なのですけれども、回復期とは異なりまして、慢性期は家庭に帰れる方が7割ではなく4割。終了する死亡退院を含めた部分が3割。残りのところで、他院に転院されるあるいは院内の他病棟ないしはその他の介護施設等に転院されるという形になってきております。
 ですので、これまでに行われてきたような診療行為の特徴と同時に、可能であれば患者の治療を行っていくスパン、時間経過の中での位置づけとして、どのようなところからの患者をどのような形でお世話した後に、社会ないしは他の病院等にお返ししていくのかということで、病棟の持つ医療機能を推測することが可能ではないかと考えている次第でございます。
 先ほどの6ページ目と同じような形で、入退院のところの構成をレーダーチャートで見ていった場合、どのような特性で見えるのかは8ページ目にお示ししたとおりです。これまでにもよく議論されていることなのですが、高度急性期と急性期の部分は、実は非常に似通っていて、これは入退院経路のところでも、分別することは困難です。ただ、高度急性期に関しましては、直接の社会とのやりとりよりも、院内の他病棟からの転棟のところが大きいということを見ていただけるかもしれません。
 一方、右上のところにあります回復期に関しましては、院内の転棟あるいは他院等のところから入ってきた形で家庭等に帰っていただくという形になっているわけで、下にあります慢性期のところとは、少し退院先の状況であるとか、入棟前の場所に関する構成が違ってきていると見受けられる形になります。
 今回の御報告で、入退院経路を使うことによって、すべからく病棟機能を判別できるというものではございませんが、これまで厚生労働省側から御説明がありました資料2-1の中で、不適切な機能が選択されているという部分とあわせて、こうした位置づけのところを見ていただくことによって、より精度の高い議論が可能になるのではないかと思っています。特にこうした入退院の経路に関しましては、地域ごとあるいは地域の中の医療機関の役割によって大きく異なることが想定されますので、改めましてこうした入退院経路に着目していただいた上で、地域医療構想等の調整会議の中でも、各医療機関の役割について御議論いただければと考えている次第です。
 以上をもちまして、私からの御説明を終わります。ありがとうございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明がありました資料2-1及び資料2-2について、一括して御意見、御質問等をお願いしたいと思います。
 伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 資料2-1の5ページです。これは以前も出していただいたデータですが、このときに私のほうから質問として、いわゆる看護師の傾斜配置によって、例えば13対1の病棟でも、ある程度高度あるいは急性期の疾患を病棟で見ていくことは可能ではないか。それに対して、何かデータとして出てくるようなものはないかということをお尋ねしたのですが、これはいかがでしたか。
○尾形座長 事務局、よろしいですか。
○伯野医師確保等地域医療対策室長 現時点では具体的にこれというものは挙がっていないのですが、また御意見をいただければと思います。
○尾形座長 伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 今、申し上げたように、現場では、13対1でも決して急性期が見られないという環境ではない。看護師の傾斜配置によって可能だということをお伝えしたいということと、これだけ見ると、13対1あるいは20対1だと急性期は見られないという形で判断されるというのは、避けていきたいということで、お話を申し上げました。
○尾形座長 要望ということで、受けとめさせていただきます。
 織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 これは今までと違った視点で、非常に興味深く聞かせていただきました。実際に入退院、どのような転帰をとっていくかは、重要なポイントだろうと思います。あとは病棟ごとの新規入院患者数が加味されれば、もう少し理解できる部分が出てくるかなと思いました。
○織田構成員 石川参考人、どうぞ。
○石川参考人 ありがとうございます。御存じのとおり、そうした意味では、病棟ごとの入退院の患者数に関しましては、1カ月分の患者数だけではなかなかうまくやることができないということで、今後は、可能であれば年間の患者数を見た上で、回復期、慢性期の部分に関しましても、病棟に関する患者の出入りのダイナミズムをきちんと把握できることが重要ではないかと考えております。
○尾形座長 ありがとうございました。
 伊藤構成員。
○伊藤構成員 石川先生にお尋ねしたいのですが、病棟機能ごとの入退院経路の患者構成を見ますと、各病棟機能を明確化できるということは非常によくわかって興味深いのですけれども、この数字を見ますと、各機能カテゴリーに属する実患者数が把握できると思いますが、その点はいかがでございましょうか。
○尾形座長 石川参考人、どうぞ。
○石川参考人 繰り返しになりますけれども、出入りの患者数に関しましては、現在の病棟、病床機能報告でもわかります。ただ、実際に、例えば回復期の病床が40床あって、1カ月間の出入りが、非常に数が少なかった場合、延べの病棟としてどのような形で病床が使われているのかの部分に関しましては、直接の病床機能報告のデータだけではなく、少し演算をしなければいけない部分があって、それに関しては、今後検討してみたいと考えております。
○尾形座長 よろしいですか。
 中川構成員。
○中川構成員 今、資料2-1と2-2を同時にやっているのですか。では、2-2が出ているので、2-2を聞きますけれども、石川先生、5ページは病院ごとですね。7ページは病棟ごとなのですね。5ページの病院ごとを見ていると、ケア・ミックスの病院も含まれているのです。
 私は、今村構成員が出した急性期指標のときに、もう大問題だと申し上げましたけれども、これもまた大問題です。どうして病院ごとでやるのですか。病棟ごとだけにしておけばいいのではないですか。データを使っておもしろがっているように見えます。
 これは、私は非常に重大な問題だと思うのです。こういうことを厚生労働科学研究としてやるということにおいては、全国の医療機関というか、提供体制を担っている関係者、行政も含めて、日々必死に考えているのですから、混乱を起こすようなものを出してはいけません。ケア・ミックスもそうではない病院も全部一緒になって、クラスター1、2、3、4とは、意味がないではないですか。現場がデータに翻弄されるでしょう。そう思いますけれども、いかがですか。
○尾形座長 よろしいですか。
 石川参考人、どうぞ。
○石川参考人 まず、御指摘のケア・ミックス病院の扱いなのですけれども、今回、真ん中の部分に関しましては、あくまでも病院の構成がケア・ミックスが含まれているかどうなのか、どのような形かということを明らかにするために行ったもので、ケア・ミックス病院自体のところの特性を論議するために行ったものではありません。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 7ページの病棟ごとについても申し上げたいけれども、どこから入院してどこに退院したということを精緻に分析することが一体何につながるのですか。何がわかるのですか。もしも患者の数まで分析したとして、地域医療構想区域内の医療提供体制を構築する上で、一体どういう結果になるのですか。そういうことをまずは考えなければいけないと思います。地域医療構想は、各医療機関が自主的に収れんするのです。せっかく、自主性を非常に重んじたシステムにしたのに、どこから入院してどこに退院して、患者数はどれだけだと各病院、病棟単位で精緻に分析して一体どうするのですか。これは大混乱を起こしますよ。
 ほかの構成員の先生方、少し冷静に考えましょう。こういうことをすると、データに翻弄されます。
○尾形座長 今のことは御意見ということですが、ほかの構成員の方、いかがでしょうか。
 織田構成員。
○織田構成員 一つは、定量的な指標というわけにはいかないのだろうと思います。一つの見方というか、あくまでもこれが全てという形ではないのだろうと思います。これはあくまでも一つの指標の一部というか、そういう使い方であれば興味を持って見られるかなと思ったのですけれども、今、中川構成員がおっしゃったように、これが全てとなると、大きな問題になってくるのだろうとは思います。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 こういうことは、各医療機関が自分の病院のことだけを考えるときに見ることです。構想区域内で全体として見ることではないのです。そうすると、あなたの病院は違うではないかと調整会議で言い出しますよ。それこそみんなで相談して一定の方向に収れんしましょうとしている仕組みが、これは本当に、どこかで書きましたけれども、言葉は悪いのですが、医療機関同士の殴り合いになります。そういうことをしないようにいろいろガイドラインをつくったはずです。ですから、精緻に分析すればいいという問題ではないのです。
○尾形座長 事務局、どうぞ。
○佐々木地域医療計画課長 少し今回の資料の位置づけのあたりで、事務局の御説明が不足しておった点があるかと思いますが、既に御議論にも出ておりますけれども、今回の研究の中間的な報告も、一応このような検討をしておりますというようなことをお示ししておりまして、またこのワーキングでいろいろ具体的な御質問、御指摘をいただいておりますので、そういうものを反映しながら、現場のほうで議論の参考になるようなものを少しつくり上げていけたらということでございますので、これで全て何か決めていくというようなものではありませんので、もしくは別にこういうお示ししているデータ以外に、今の病床機能報告を使って、このような分析はできないかとか、むしろそのような御提案などもいただければ、またそれもおいおいでき上がり次第、このワーキングでお示しするということも可能と思っておりますので、そういう意味では、これで全て決めていくという前提ではなく、こういう改良が必要ではないかとか、そのような視点でも御指摘を賜ればと思っています。
○尾形座長 織田構成員。
○織田構成員 これは前から気になっていたのですけれども、繰り返しになるのですが、病床機能報告自体は、あくまでもそこの病院の判断による定性的なものです。定量的なものと言ってしまうと、判断を誤ってしまいます。実際に、定量的に地域医療構想をしてしまうというのは難しい面がかなりあると思うのです。あくまでもそこの病院の自主的な判断の一つの目安というか、そこら辺ぐらいには使っていけるのだろうとは思います。ですから、定量的という言葉を余り表に出さないほうがいいのではないかと思います。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 今の織田構成員の意見に私は賛成です。そのようにつくったのです。
 資料2-1のところで、入院基本料の7対1とか、こういうものが分析に目立ち過ぎます。病床の必要量は、医療資源投入量から入院基本料は除いていますね。それなのにこのように分析すると、あたかもこういう入院基本料を取っていないとこう報告してはいけないというようなことに、がんじがらめにしますから、余り強調し過ぎないようにしてほしいと思います。特に9ページなどもそうですね。
 例えば18ページから23ページまでのこういう整理ですけれども、極端な外れ値みたいな報告はいかがなものかということは、私は賛成します。極端に値が外れた報告は問題なのですと。それ以外は自主的に判断するのですということを全国にアナウンスしなければならない。そういうアナウンスだったら、みんな現場も納得すると思います。気をつけないと、手術をやっていないとか、全身麻酔を何例以上やっていないと大変だとか報告できないのだとか、そのような間違った混乱を起こしますから、それは極力気をつけてください。
○尾形座長 本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 今、中川構成員からご意見がありましたように、資料19ページの分析結果を見ますと、やはり明らかに現状から外れた報告がされているということもありますので、地域医療構想を住民などに公表し、ご理解していただくためにも現状から外れた報告を行っているところは正していただけるような見なしを行うべきだと思います。23ページの最後のマルに、現在の分析方法に限界があるという注意書きもありますが、その上に書いてありますように、分析を進めることで、一定程度定量的に評価していくということは、今後必要だと思います。
 先ほどご説明いただいた研究結果をそのまま当てはめるということではなく、いろいろな切り口で分析できるのであれば、あくまでもどの機能で報告するかは任意ですが、分析結果を踏まえた定量的な基準を示していただければ、医療機関も、自分のところは報告が間違っていたということも起き得るかもしれませんので、できるものについては定量的な方向を示していただくことを御検討いただければと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
 今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 病床機能報告の数字の中身の信憑性については、ぜひ考えていただきたいところです。特に、今回、19ページから22ページまでの数字を見ていると、急性期の病棟で酸素吸入も心電図も1カ月間誰もつけていないというのは、にわかに信じがたいところがあって、今まで病床機能報告のデータを見ていると、記入漏れとか記入間違いとかがたくさんあって、ある病院などは薬剤師が400人いるという報告をしているところもあって、にわかに信じがたいところがあります。
 ですから、外れ値を出していくのは賛成なのですけれども、本当に外れ値なのか、記入ミスなのかは慎重に考えていただく必要があって、常識に照らして外れているようなものは記入ミスの可能性が高くて、そこの部分は、出していく前にぜひワンステップを置いていただいたほうがいいと思います。
○尾形座長 ごもっともな御指摘だと思います。
 伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 私も同様に考えていまして、資料2-1の8ページになりますけれども、病棟ごとに提供されている医療の内容で、フキダシの括弧にありますように、48病棟(38施設)で実施件数ゼロというものがあるのですが、これは一体どれぐらいの期間でこれを測定されたかということ。特に循環器系の疾患は季節要因が大変大きいわけで、それを十分に加味した上でこういう数字が出ているのかどうかも確認したいと思います。
○尾形座長 これは御質問ですね。
 どうぞ。
○伯野医師確保等地域医療対策室長 期間としては、6月の1カ月間でございます。
○尾形座長 どうぞ、伊藤構成員。
○伊藤構成員 そうすると6月は比較的循環器系疾患の発生が少ない時期になるわけでして、これはきっちりした形である程度の期間、しかも季節要因を考慮して1年間の症例数を提示していただくことが必要ではないかと思いますので、よろしくお願いします。
○尾形座長 野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 資料2-1で具体的な医療の内容に関する項目の分析を、お示しいただきました。このように、より具体化されるということに関しましては意義があると考えておりますが、一方で、例えばこれまでも、本ワーキンググループなどでも、内科系の評価についての課題なども指摘されているところでございます。
 これらの大量のデータを正確に分析し評価をし、それを関係者、住民にわかりやすく説明するということが、地域医療構想調整会議を主催する都道府県には求められていると考えております。したがいまして、このような医療行為に着目した評価を行っていくということに関しましては、厚生労働省のほうからガイドライン等をお示ししていただければと考えているところでございます。また、比較的医療機関が少ないような構想区域に関しましては、これまでの既存の指標などでも一定の評価はできるのではないかと考えております。きょうは資料2-1、2-2で入退院という形でお示しいただきましたけれども、このようなシンプルでわかりやすいといった視点での評価についても、引き続き検討していただければと考えております。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 ちょっと違う視点で、資料2-1の18ページの病床機能のところで、2つ意見があるのですけれども、高度急性期と急性期の区分けはなかなか難しくて、実際にこの2つを厳密に分けていくというのは、データ上も非常に難しいというのを感じています。
 これはすごく混在していて、ICUとかはきれいに分けられるのかもしれませんけれども、そこから先はどこまでが急性期で高度急性期なのですかというか、なかなか分けにくい。特に高度急性期と一言で言ったときに、高度医療と言われているがん医療などのリニアみたいな話と、急性期医療と言われている、すぐに診るという部分と、高度で急性期な医療というこの3つが混在しているので、それをきっちり分けていくということが非常に難しいと感じています。ですので、区分けそのものを、高度急性期、急性期を厳密に分けていくということにエネルギーを使うのは、私は余りメリットがないと思います。
 その上で、18ページの図で気になったのが、9番目のリハビリテーションの矢印が、急性期とか高度のほうに行っていないのがすごく気になっていて、急性期リハといえば、急性期や高度急性期のところでやるのが急性期リハだと思うので、そういった意味で、この矢印は上に上がっていないとちょっとまずいのではないかと思います。
 以上です。
○尾形座長 事務局、どうぞ。
○伯野医師確保等地域医療対策室長 事務局でございます。恐らく早期リハみたいなものは急性期病院とかでちゃんとやるべきところなのではないかという御指摘かと思いますが、今回、矢印をつけたのは、我々が分析する上で、仮にこのようにひも付けしてみたというものですので、決してこれで全てとは思っておりませんし、いろいろ御意見をいただければと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかによろしいでしょうか。
 中川構成員。
○中川構成員 今村構成員の高度急性期と急性期を区分けするのは難しいというのは、そのとおりだと思います。18ページの資料の右の枠は3つしかないわけでしょう。高度急性期・急性期と書いてあるのだから、それはそれなりに考えているのですね。違いますか。たまたまこのようにしたわけではないでしょう。
○尾形座長 18ページの図ですね。
○伯野医師確保等地域医療対策室長 これはあくまでも事務局の整理の中で、この左の項目の中で、どうやって分けるかを考えたときに、厳密になかなか区別しづらい項目もありますので、こういった形で2つ合わせて出させていただいている状況でございます。
○中川構成員 一応4つの機能に分けて報告になってはいますが、今後はこのように柔軟な分析をする必要があると思います。先ほど今村構成員が言った早期リハのことですが、早期リハだけやっていて高度急性期というのはないという意味に、そのように理解したらいいのだという図だと思います。ほかのことをやらないで早期リハを、先生が言ったすぐやるのは、ほかの治療も同時にやっているわけですから、そういう意味の図だと思います。
○尾形座長 ほかによろしいですか。ありがとうございました。
 きょうはいろいろ御意見を賜りました。あくまでも地域医療構想を推進していくという観点に立って、今後、どういう分析ができるのかというあたりについては、引き続き整理をしていただきたいと思います。
 少し時間が早いですが、一応用意した議題は以上でございます。全体を通してでも結構ですが、何かございますでしょうか。
 どうぞ、織田構成員。
○織田構成員 今回の資料には出てきていないのですけれども、本当は、この機能報告はある程度曖昧にしておかないと、結果的に地域が混乱する部分が出てきますね。前回の資料に出ていたように、高度急性期を報告しているところは、大体ほとんど300床以上で、それに対し急性期を中心に出しているところはほとんど100床前後なのです。そういう意味で、病院の規模によっても、機能が分けにくい部分がありますので、そこら辺を加味しながら地域で話し合うようにしていかなくてはいけないのではないかとは思います。
○尾形座長 御意見として承っておきます。ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、特にほかに御意見もないようですので、少し早いですけれども、本日の議論はこれまでとさせていただきたいと思います。最後に事務局から何かございますか。
 どうぞ。
○原澤課長補佐 次回のワーキンググループにつきましては、また詳細が決まり次第御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○尾形座長 それでは、本日のワーキンググループは以上とさせていただきます。
 皆さん、大変お忙しいところ熱心に御議論いただきまして、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

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直通電話:03-3595-2194

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