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2017年6月6日 第3回 高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ 作業チーム

○日時

平成29年6月6日(火)14時00分~16時00分


○場所

厚生労働省 専用第21会議室


○議題

(1)ワーキンググループの経過報告
(2)平成28年度モデル事業の結果報告について
(3) 平成29年度モデル事業の展開及び平成30年度からの横展開に向けた検討課題について
(4) その他

○議事

1.平成28年度モデル事業の結果報告について(資料2)
 (評価の進め方)

 ・ 対象者数が多いと、ほんの少しの差でも検証において有意になるので、介入前後での値の変化量も見た方がよい。

 ・ 現時点では有意ではなくとも、例数が増えると有意になるものもあり、すぐに効果がないとはいえないことに留意する必要がある。

 ・ 同じ栄養指導でも、自治体によっては介入前の体重を絞り込みより低体重な人を対象にしており、評価に当たっては、どういう対象者に対して保健事業を行ったかという視点も必要である。

 ・ 今回、自治体は大変だったと思うが、評価できたということ自体が大きな収穫である。同じ取組を足して平均値を出すのではなく、個別の取り組みの中で良いものを横展開していくような方向で考えたらどうか。

 ・ 任意項目については、モデル事業で比較的多く収集されているものについて、類型別に紹介するのか。

→ 現時点では難しい。平成28年モデル事業の結果がまとまる夏以降、自治体に情報提供したい。(事務局)

 ・ 前後評価も大切であるが、加齢もあるので対照群はないのか。

→ 対照群を設定しているところもあるが、H28年度モデルは一部である。(事務局)
(フレイル状態の把握)

 ・ 原則として基本チェックリストを必須にするということであるが、イレブンチェックなどのフレイルチェックの活用は考えているのか。簡易なものもあるが、モデル事業間で比較するために、項目をそろえて実施することを徹底されたい。

 ・ 事業評価をする上では、予めフレイルを測定するための統一的な指標を収集した方がよい。

 ・ 糖尿病のガイドラインでもフレイル状況を把握した上で、治療目標を設定することとなっている。モデル事業では徹底してもらうようにしていただきたい。
(服薬指導)

 ・ 服薬について、薬の変更は飲みやすいか否かということも関係し、粒が減ったからといって健康に影響を与えているとは必ずしも言えない。

 ・ 何をもって多剤というかは非常にあいまいである。数より質ということで取り組んでいる先生もいる。粒数よりも種類を聞くことがいい。多剤の指導は飲みやすさの改善、飲み忘れの改善が大切。

 ・ 受診医療機関数が多いと処方薬剤数も多い。受診医療機関がゼロであれば多剤の指導はいらない。逆手にとって、最初のスクリーニングとして医療機関数を提案したい。

 ・ 薬剤の種類数は、KDBシステムを活用して把握することも必要。
(栄養指導)

 ・ 栄養指導は、体重以上に主観的健康感が上がると感じている。

 ・ 単に何を食べたらいいというのではなく、適切な食をどう入手するかの指導が重要。それを計る内容の質問票を介入前後に入れることも重要。

 ・ 栄養指導の医療費への影響ということでは、具体的に何の薬剤が減ったのかまで見てもらえるとよい。

 ・ KDBで薬剤の種類まで見るのは難しいが、注意すべき種類の薬で抽出することもあり得るのではないか。

 ・ 低栄養を改善することによって、何が改善できるかについて引き続き検討いただきたい。

   (口腔機能)

 ・ 口腔については、数値化できるデータが取れるようになるとよい。歯周病のポケット測定は歯科医師しか分からない。高感度CRPや舌圧計等のような医療者が共有できるデータを導入しないと評価は難しい。

 ・ 口腔についての物差しとして同じものを使えるとよい。平成30年度の特定健診から入る「噛んで食べるときなんでも食べられるか」という項目を入れていく可能性もある。

 ・ 客観的な体重等が増えればいいと思うが、実際には厳しい。任意項目で食材の種類の増え方は着目していきたい。


2.平成29年度モデル事業の展開及び平成30年度からの横展開に向けた検討課題について

 (1)資料3(高齢者の保健事業のあり方、対象者選定及び事業フロー等)

 ・ このフロー(資料3別添資料1)の位置づけはどのようなものか。

→ 行政として介護予防との一定のすみ分けを整理したものである。(事務局)

 ・ 介護保険の対象の人はこの事業の対象にはならないということか。

→ 基本的には介護の対応は介護に任せるが、場合によっては保健事業での対応もあり得る。介護を利用したら、保健事業はないという理解にならないようにフロー図は工夫する。(事務局)

 ・ 対象者の選定と事業の実施フロー図を踏まえると、外来受診なしで健診ありのごくわずかな人を、高齢者の保健事業では対象とするということか。

→ それらの人に加え、医療機関を受診している重症化予防の対象となる人もいる。(事務局)

 ・ フロー図の中央に「検討内容」が挙げられているが、この位置は整理し、外来受診からの線を太くした方がよい。

 ・ 医療と連携しながら事業実施する体制が重要である。

 ・ 国保でもかかりつけ医との連携については苦労しており、実際に進める際は簡単ではないと思われる。

 ・ どこに焦点を当てて医師会と話をするかが重要。お互いにWinWinになれるか。治療をどのように支援していくかという視点で話さなければいけない。

 ・ 広域連合としては具体的に何をやるのかという話になり、基本チェックリストの話も含め、実務を考えた時には厳しいものがある。

 ・ 抽出が広域、実施は市町村、評価は広域・市町村というような棲み分けがあるということも示していけるとよいのではないか。

 (2)資料3(高齢者の特性に応じた取組・受け皿・検証等について)

 (支援について)

 ・ 企画段階で関係団体の助言を得るということは、どういうことか。

→ 医師会等の関係団体や主には国保連による支援を意識している。地元の大学等に相談している例もある。事業の進め方等で迷いがあったら相談できる先があるとよい。平成29年度のモデル事業、30年度以降の全国展開ともに対応していただければと思っている。(事務局)

 ・ 今年度のモデルから何かを評価するということもあるが、それを外部団体からの助言ということで良いのか。

→ モデル事業では評価指標の設定やPDCAが回っていない場合がある。個別の保健事業としてPDCAがうまく回るようにアドバイスをもらうということ、評価指標についての助言をもらえるとよい。(事務局)

 ・ 関係者にこのガイドラインを周知し、本事業について知っていただくことが必要である。

 ・ KDBシステムも見直しをしており、しっかりデータ提供できるようにしたい。

  (取組の工夫)

 ・ 介護予防との連動の中で個別アプローチと集団アプローチが組み合わさるとよい。

 ・ フレイルについては、社会参加が重要。週に何回か誰かと話をする、誰かと食事をする、友人とお茶を飲む機会が週1回以上ある等の項目を把握できるとよい。

 ・ レンジで温めればすぐ食べられるものを購入している人も結構いるので、そのような業界を巻き込んで簡単にバランスの取れた食事ができるような活動というのはどうか。

 ・ 1人の低栄養の人に訪問し続けることもできないので、ある程度体重が戻った人は、ハイリスクとポピュレーションを組み合わせて、介護予防であったり、サロンに紹介し、共食を進める。サロンに食材を開発している企業を呼んで講演をしてもらったりすることもある。

 ・ そういうところに出ていかない人をスクリーニングで拾い上げ、はじめは介入するが、そのうち地域につなぐというように、出口になる社会インフラを用意してくださいというメッセージを、発信していく必要がある。

 ・ 地域活動を含めたサロン等につないでいくための意識付けのツールとしてとして、介護予防手帳もある。
(フレイルチェックについて)

 ・ フレイルとしての対象者の抽出の定義を明確にしないと市町村に事業として実施いただけないと考えている。体重、アルブミンや指輪っかでもいいのであるが、統一した基準があるとよい。フレイルの基準の検討具合を教えていただきたい。

 ・ 研究レベルにおいてもフレイルについては多種多様である。保健事業での現場での定義が必要ではないかと思う。

 ・ 学問とは別として、事業としての定義があってもいいのではないか。予防できるフレイルと人生の最終章のフレイルとがあり、介入可能なフレイルを保健事業の対象にするということをしっかりと定義すべきである。

(エビデンスの検討)

 ・ エビデンスが必要である。基本チェックリストやイレブンチェックは必ずやるということを必須とする必要がある。ソーシャルフレイルを把握することが必要である。

 ・ 平成29年度のモデル事業の評価指標にフレイルの項目を入れることは可能であるか。

→ 本日の議論を踏まえて事務連絡を発出するので可能である。(事務局)

 ・ 介護では医療介護連携推進に取組んでおり、居宅療養管理指導で医師や栄養士による給付もある。医療の往診件数や介護の居宅療養と合わせて見ないといけないということでやっている。介護は介入という言葉はなじまないが、医療介護の給付のデータを見ることで評価が可能なところもある。

 ・ 医療保険、介護保険のデータをしっかり見て対象者を抽出するということを明記し、作業手順の可視化もPDCAが回ることにもつながる。(進捗管理シートは)使ってくださいではなく、定期的に確認をすると進捗のばらつきが減ることもある。


(了)

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