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2018年9月5日 診療放射線技師学校養成所カリキュラム等改善検討会(第2回) 議事録

医政局医事課

○日時

平成30年9月5日(水)16:00~18:00

○場所

主婦会館プラザエフ B2F クラルテ(東京都千代田区六番町15)

○出席者

阿部 容久 (国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院放射線技術部副部長)
井上 優介 (北里大学医学部 教授)
遠藤 啓吾 (京都医療科学大学長)
釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会 常任理事)
北村 聖 (国際医療福祉大学医学部長)
金高 雅輝 (医療法人社団慈恵会神戸総合医療専門学校学科長)
熊代 正行 (公益社団法人日本診療放射線技師会副会長(公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院放射線技術部技師長))
桑山 潤 (日本医療科学大学保健医療学部放射線学科学科長)
西山 篤 (日本医療大学保健医療学部診療放射線学科学科長)
本田 浩 (九州大学大学院医学研究院臨床放射線科学分野教授)
松尾 浩一 (東京慈恵会医科大学附属病院放射線部技師長)
 

○議題

・第1回検討会の主な意見について
・カリキュラム等の改善について
・その他

○議事

 

〇松田医事専門官 定刻になりましたので、ただいまより第2回「診療放射線技師学校養成所カリキュラム等改善検討会」を開催いたします。
構成員の先生方におかれましては、本日は大変お忙しい中、御出席を賜り、まことにありがとうございます。
会議の前に事務局で人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。
このほど着任いたしました医事課長の佐々木でございます。
〇佐々木医事課長 佐々木でございます。よろしくお願いいたします。
〇松田医事専門官 続いて、文部科学省医学教育課の福島です。
〇福島文部科学省医学教育課・薬学教育専門官 福島でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〇松田医事専門官 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。
まず議事次第、座席表、資料1~3、参考資料として1~3とあります。
あと、ファイルにつきましては前回の資料でございます。資料の不足等ございましたら、お申出いただければと思います。
以降の進行は座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
〇北村座長 皆様こんにちは。きのうは台風で、きょうでなくてよかったとは思いますが、もし被害に遭われた方がいらっしゃいましたら、本当に心からお見舞い申し上げます。
それでは、議事を進めてまいります。
前回は3月29日と随分あいたので、思い出していただいてからと思っております。第1回検討会の主な意見について、事務局から御説明をお願いします。
〇松田医事専門官 事務局から御説明いたします。
右上に「資料1」とある資料をごらんください。「第1回検討会の主なご意見」でございます。論点ごとにまとめてございます。
まず「1.総単位数の見直しについて」でございます。画像診断・技術学(新設)の名称について、何が適切な名称か決めかねているため、当該検討会で検討していただきたいという御意見がございました。
あと、新たな名称につきまして、具体的に何をするのかイメージが湧かないという御意見がございます。
画像診断・技術学では、正常画像と典型的な救急画像は学んだほうがいいという御意見。
あと、いいデータを提供するために、その画像から病態が疑われるかしっかりわかってもらいたいと。ただ単に何なのか判断するだけでは、なかなか難しいところがあるという中身の御意見でございます。
同じく中身の意見としまして、解剖学、病理学、病態学を含めて、その画像を撮ったときにどういったものが見えるのか、その先、医師がどういう判断をするのかを予測しながら写真を撮ってもらいたいということです。
そのほかについては、技師会、施設協議会様からいただいた中では、総単位数95単位から102単位という御意見をいただいております。
また、ページをおめくりいただいて、臨床実習の単位数については、10単位から12単位、うち病院等については8単位以上から10単位以上にすべきではないかという御意見をいただきました。
続いて「2.臨床実習の在り方について」でございます。
学生が行う臨床実習のレベルを、見学から侵襲性の低い行為といった段階、ⅠからⅡ、Ⅲというレベルで前回、教育施設協議会と技師会から御提案いただいた中身でございました。その中で、水準Ⅰの助言・指導とは具体的にどのような行為を指しているのか。
あと、水準Ⅰ~Ⅱについて区別がわかりにくいという御意見がございました。
ほかは割愛させていただきまして、3ページをごらんいただきたいと思います。その中で、臨床実習指導者講習会の受講を義務化すべきではないかという御意見。
あと、実習指導者については、指導講習会を修了した診療放射線技師であるべきではないかという御意見がございました。
「3.専任教員の要件について」でございます。専任教員の要件については、最低限の人数ということであるが、専門学校等で最低限の人数で対応することを考えると、なかなか厳しいことから、最低限の人数を引き上げてはどうかという御意見がございます。
「4.その他」としまして、教育上必要な機械器具、標本等について見直しすべきとの御意見がございました。主なものでは、人体ファントムの個数について足りないのではないかという御意見が第1回検討会でございました。
〇北村座長 どうもありがとうございました。
第1回は前年度になるのですが、思い起こしていただけたでしょうか。論点はかなり絞られていたと思います。特に名称というか、画像診断・技術学の内容は、もともと0単位のものを4単位にしようということでしたので、ここに関してはまだ議論のあるところだと思いますが、そのほかの点に関しては、余り大きな食い違いはなかったように思っております。ぜひ、これからの議論で、このチームとしていい提案をできればいいなと思っておりますので、忌憚のない御意見をお願いしたいと思います。
それでは、資料2の説明をお願いいたします。総単位数の見直しについての御説明になります。
〇松田医事専門官 事務局から御説明いたします。資料2をごらんください。
2ページ「1.総単位数の見直しについて」。前回第1回の検討会の意見を踏まえまして、事務局で整理したものでございます。
国民の医療へのニーズの増大と多様化、チーム医療の推進による業務の拡大など、診療放射線技師を取り巻く環境の変化に伴い、診療放射線技師の質の向上を図るために、臨床実習等の拡充、新たなカリキュラムを追加すべきではないかということでございます。
下に行っていただくと、専門分野の中で新規として、画像診断・技術学を新たに4単位増やす。あと、臨床実習につきましては、現行10単位から12単位の2単位増加。医療安全管理学としまして、現行1単位でございますけれども、案としまして2単位、1単位増加させてはどうかということでございます。全体は95単位から102単位、プラス7単位増加させてはどうかということでございます。
参考までに3ページを見ていただきたいと思いますけれども、101単位は、理学療法士、作業療法士の単位数でございます。これは昨年、93単位から高齢化の進展に伴い、医療需要の増大や地域包括ケアシステムの構築等に向けてPT(理学療法士)、OT(作業療法士)の役割と知識の変化が出てきていることから、前回御意見としまして93単位から100単位の見直しを検討会でまとめさせていただいたところでございます。今回これに向けて省令改正等を進めさせていただいているところでございます。
あん摩マッサージが100単位、柔道整復師が99単位と、看護師につきましては97単位でございます。
今回、専門分野について中身の分野はこれから詰める必要がございますけれども、まず総単位数の増加について構成員の皆様の御意見を賜りたいと思っております。
〇北村座長 ありがとうございました。
3ページの表で95単位が102単位にふやしてはいかがですかという御提案で、多職種があります。理学療法士(PT)、作業療法士(OT)が101単位ですから、ほぼ同じくらいです。現行の95単位に臨床検査技師などが入っていますし、看護師は97単位ということになっています。ただ、看護学校が97単位で、看護大学になるといろいろな取り組みがやられているようにも思います。
皆様の御意見を分けて聞きます。新規の画像診断・技術学は後に置いておいて、ほかの科目で増やすことに関して御意見・御質問をいただきたいのですが、いかがでしょうか。
まず、医療安全管理学の1単位を2単位にするというのは、社会を賑わしている画像診断報告書の確認不足のために患者さんに不利益になったという報告が幾つか立て続けにあって報道もされているので、千葉大など社会にインパクトのある病院でもそういうことがあったという報告があって、診療側が悪いのか、放射線側が悪いのかという問題ではなくて、画像診断の流れ、一体の中で二度とこういう報告がきちんと行かないために診断が見逃され、患者さんの不利益になることがないようにしたいということで、この時期1単位を2単位にするということには特に問題はないかと思うのですが、いかがでしょうか。まだ少ないという御意見もあるかもしれませんし、2単位で何を教えるのだということもあるかもしれないですが。
こういうことに詳しいのは本田先生ですか。九大病院でも取り組まれていると思うのですが。
〇本田構成員 詳しいかどうかは別にして、社会の要求といいますか、社会情勢から考えると、安全管理にウエートを置くというのは重要なことだと思います。
〇北村座長 松尾先生も現場で、やはりそうですか。
〇松尾構成員 そうですね、慈恵医大でも同様の事例がございましたし、今後、しっかりと患者さんも一緒に医療の一員としてやっていかなければいけないとか、そういう考え方も学ばなければいけないので、やはり医療安全管理学はふやしてもいいと思います。
〇北村座長 ありがとうございました。また議論があったら戻っていただいて。
〇釜萢構成員 済みません、よろしいですか。前回3月のときも少し話が出たかと思いますが、1単位を2単位にすることによって何がふえるのかを、もう一度確認したいと思います。
〇北村座長 事務局、何かアイデアはありますか。具体的にこれをこういうふうにするという。
〇松田医事専門官 具体的な中身については、前回の3月のときに施設協議会様と技師会様のほうでまとめていただいた案がございますけれども、もし現場として問題ないようでしたら、その方向で進めていきたいと考えているところでございますが、その点は学校側さんのお考え等はいかがでしょうか。
〇釜萢構成員 前回出たことは私も承知していて、多分前のファイルの3ページの医療安全管理学の下の部分が追加されたものだろうということですが、そこを確認して、ただ単位をふやすということではなく、何をやりたいのかをこの会ではきちんと皆さんで合意を得ておくことが必要だと思って、あえて申し上げた次第でございます。もう必要なければ、それはそれでよろしいのですが、ちょっと御確認をいただきたいと思います。その部分に触れていただいて、皆さんの共通認識になればよいのかなと思った次第です。
〇松田医事専門官 前回提案いただいた資料の中で、ファイルの過去の資料をもう一度見ていただきたいと思います。「診療放射線技師関連法令および臨床実習のあり方」ということで、教育施設協議会、技師会で3月29日にまとめた案でございます。この3ページに医療安全管理学の太文字になっているところでございますけれども、「医療機器等に関わる関係法規及び医療安全の基礎的知識や技術を学習し、医療事故等の発生原因とその対策について学習する」と、この点を新たにつけ加えたことによって1単位ふやしてはどうかということだと考えております。
〇北村座長 ありがとうございます。
太いところだけ読みますと、追加のところだと思いますが、「医療機器等に関わる関係法規及び医療安全の基礎的知識や技術を学習し、医療事故等の発生原因とその対策について学習する」ということですが。
〇井上構成員 これは認識していましたので、先ほどのお話とは内容が少し違う、報告書とは違うことがここでは想定されていることを確認できたのだと思うのですけれども、ただ、これを見てもなおわからない点として問題点なのですが、後ろのほうについている別表に必要な機器があるわけですが、放射線安全管理学から下全部ですけれども、必要物品が一切書かれていないので、医療安全の技術を学習するのにどのようなことをするのかがわからないんです。これは大きな問題だと思います。技術を学ぶためには、具体的に物品が必要なのだろうと思います。それが具体化されていないということだと思いますが、余り詰められた案ではないのかと思いました。
〇北村座長 どうぞ。
〇西山構成員 今の井上先生の御意見ですけれども、実は後ろの器具・備品、前回もファントムが足りないという発言をさせていただいて、見直しをしてファントム以外にも直していただきたいところが幾つかありまして、それはまた改めて提案させていただきたいのですが、今、井上先生がおっしゃった医療安全管理学で使う器具・備品は、例えば、今、看護領域で使っているものを借りて大学ではやっているのですけれども、例えば、今回入った抜針・止血とか、それをいかにして安全管理上学生に教えるか。あと、患者さんの安全を考えて、例えば、実習の一環として学生に目隠しをして、または重いものを持たせて、年寄りのような、妊婦さんのような疑似体験をさせて、それをもとにして教えるというのも医療安全管理学の一環かなと思っています。それを今、撮影領域のほうで一部やっているところもあるのですが、それを医療安全管理学のほうでやりたい。
2単位ですが、最初の1単位の提案を2単位に増やした。1単位というのは、大学で授業をやると90分授業が8回なんです。8回ではちょっと少ない。せめてその倍の15回は必要だろうということで、2単位という提案をしたと思います。
そこの単位数と実際の器具・備品のところは、改めて提案させていただきたいと思っています。
〇井上構成員 釜萢先生がおっしゃっていたように、最初にまず何をやるかの共通認識がないと議論しても始まらない。提案するのであれば、具体的な提案がないままでは議論にならない。今おっしゃったような医療安全管技術の学習というのは確かに価値のあるものだと思いますが、それであればそういう案を具体的に記載していただきたかったと思います。
〇北村座長 ありがとうございました。
ただ、医療安全に関しては学問体系としても十分できていないので、これとこれを覚えればいいというものではないと思います。むしろ、学校の環境にもよりますが、多職種で1つの模擬課題に向かって看護師と医師と放射線技師で協力するような練習をしたり、演習みたいなものをやっていただいたほうがいいかもしれないですね。
放射線領域で一番多い事故は、門外漢から考えると、造影剤のショックなどは頻度が多そうですし、あとはMRIに鉗子が飛んでいったとか、酸素ボンベが飛んだというのも聞いたことがありますし、そういう機械と関連したものもあります。ただ、今話題の報告書関係、報告書がちゃんと読まれていないとかいろいろな事故は、それぞれ病院を見ればヒヤリ・ハットなどでたくさんありますので、そういう事例に対して原因や、どうすれば防げるというのを具体的にやってもらうのがいいかなと。全部ではないですが、半分はしっかりした座学などがあって、あと半分は演習で実際こういう事例の場合どう対応すればよかったのかみたいなことを多職種で考えてもらったりしたらいいと思います。
それにしてもモデルケース、この2単位をこんな形でやるのが1つの案ですみたいなものがあると、カリキュラムを組み立てやすいとは思います。そんなことをやっていますと、2単位でも足りないかもしれないですけれども。ぜひ多職種連携をお願いしたいと思います。医師と放射線技師と看護師と、これくらいは、ぜひ登場していただきたいと思います。
では、次が、4単位ふえる画像診断・技術学の名称、一番いろいろ御意見のあるところですが、事務局から御説明をお願いできますか。
〇松田医事専門官 資料2の4ページをごらんください。画像診断・技術学を新設するとした場合、具体的に何を学習し、ほかに適切な名称はあるのかという前回の御意見でございました。
その中で、何を学習するのかというところで、正常像と典型的な救急画像は学んだほうがいいのではないかと。
あと、放射線技師が放射線の診断学までやるには、とても時間が足りない。
ほかの適切な名称はあるのかという御意見で、名称としては「画像診断・技術学」というよりは「画像解析学、画像評価学」と言うほうがいいのではないかという御意見でした。
また、「画像診断・技術学」とすると、診療放射線技師が画像診断できると誤解されてしまう懸念があるという御意見もございました。
今回改めて第2回の検討会の中で、この表記について、具体的に何を学習するのかというところも先ほどございましたけれども、これを含めて名称、どういったものが適切なのかという御意見をいただきたいと思います。
〇北村座長 ありがとうございます。
ここで熊代先生から御提案が出ております。日本診療放射線技師会を代表しての御提案を御説明していただけますか。
〇熊代構成員 資料をごらんいただきたいと思います。3月29日の提案に対しまして、私どもは「・」がほかのカリキュラムを見ても、余り登場していませんものですから、「・」をとってもいいのではないかと。逆にわかりにくくなっているところもありましたので「・」をとった提案です。
それから、教育目標につきましても、読影補助と、さらに画像評価技術と画像診断支援技術という2つのキーワードを入れさせていただいております。趣旨は、診療放射線技師にとって、医師が診断しやすい画像を提供するということというのは基本的なことと存じます。これは間違いないと思っております。しかし、近年、チーム医療を推進していく上で、医療職種間のコミュニケーションが非常に求められております。特に、医療安全上のコミュニケーションは必要になっております。前回も発言させていただきましたけれども、臨床検査のパニック値であるとか、画像の中に含まれている異常なサインといったものを見つけて、速やかに診断オーダーを出されている医師に伝えることは、医療安全上極めて有効だと思います。先ほど、座長がお話しになっておられました、読影されているにもかかわらずオーダーを出した先生が見落としているということも、我々も少しお手伝いできるのではないかと思っているところです。
そのためには、画像の中にどのような情報が含まれているのか、医師が何を求めていらっしゃるのかを、医学的な情報を読み取って評価する能力を養わなければならないと思っております。そのためには、臨床画像を扱う臓器や疾患の医学的性質について、知識が必要ではないかと思っています。対象とする疾患を理解していく上で、異常を来しているとか、正常像を理解しなければ、特に超音波であるとか、MR検査をやっていく上で、技師がある程度画像の評価をしながら検査をすることによって、放射線科の先生方により情報が提供できるといったような現場の技師たちの意見が非常に多くございます。
特に、4月に早速、国家試験があって、既に知れ渡っているところでございますので、そういった技師たちが、いきなりこういった知識もなく、そこに異常があるのかないのかというレベルで写真を撮るよりも、こういった知識を持って現場に行っていただければ、放射線科の先生あるいは医師に少しでも有効な情報が提供できるのではないかということで、この画像診断技術学という4単位を示させていただいております。
具体的には、どのようなカリキュラムかというのは既に持っているのですけれども、まだ協議会の先生方とも詰めておりませんし、もし機会がございましたら、そのあたりを詰めさせていただければと思っています。
以上でございます。
〇北村座長 ありがとうございました。
まず名前ですが、「・」をとると、どっちがいいかもわかりませんが、意味が変わるということはありますか。
〇熊代構成員 我々が画像診断をするわけでもありませんし、読影するわけでもございませんので、あくまでも読影の補助という学問だというところで、私は「・」をとっても何ら支障はないと思っております。
〇北村座長 どうぞ。
〇遠藤構成員 画像診断・技術学については、施設協議会と技師会側で随分議論があった事項でございます。熊代構成員がおっしゃったような教育ですが、現在はやっていないかといったら、現在も既にやっているわけです。だから、ここへあえて新しく出すかどうかが、また一つ議論になると思います。教育が必要というのは私も認めるのですけれども、あえて今現在既にやっているではないかという議論はあるのではないかと思います。
内容ですけれども、基本は医師が診断するに適した画像を提供することです。そのためには、正常像あるいは典型的な大きな病気を知っていることは大事ですし、あるいは画像解析、CTで心筋梗塞の血管がどれだけ細くなっているかというのも、技師が操作して画像解析するものですから、そういう教育は必要だと思っていますけれども、現在もやっているから新設が必要かと言われますと、議論のあるところかと思っております。
〇北村座長 やっているとしたら、どの科目でやっていることになるのですか。
〇遠藤構成員 診療画像技術学です。
〇北村座長 ただ、診療画像技術学だと、やはり機械がメーンな書き方もあるようにも思いますが。
どうぞ。
〇熊代構成員 大学によっては、既に診療画像技術学の中でこのような異常画像、正常画像、典型的な画像を示されている大学があるとお聞きしておりますけれども、基本的に診療画像技術学というのは、カリキュラムの大項目を見させていただきますと、診療放射線技師の役割や診療画像機器、エックス線撮影技術、診療画像検査、画像解剖学、そこは正常解剖が主なのですけれども、そういった講義でありまして、画像の中から読み取るような評価や異常であるとか正常である、あるいは今、非常に盛んに行われている手術支援等に必要になってくるような知識を、この中から切り分けて、画像診断・技術学という名称になっておりますけれども、この中でしっかり病態生理学であるとか、臨床解剖学であるとか、しっかり勉強していく必要があると思っております。
〇北村座長 出すことの意義は多分どこもやっているのだけれども、あえて外出しにすると、万が一やっていないところは絶対にやらされますよね。今は診療画像技術学でほとんどがやっていても、やっていない大学があっても存在は許されているのですが、ここに4単位書き出すことによって、画像を典型的なもの、あるいはパニック値くらいはちゃんと読めるようにしないと卒業させてもらえないというメリットはありますね。
〇井上構成員 明記すること自体は意味があるのだと思います。ただ、系統的に学ぶときにどこに配置するのがよいのかということもあると思います。結論としては、診療画像技術学の中に画像解剖を学ぶとか、代表的な異常所見を学ぶということを追記するのが最もよいと思います。結果の解析と評価に本来包含されると思うのですけれども、それで必ずしも確実ではないということであれば、後に画像解剖及び代表的な異常所見を学ぶということを書くのが最もよいと思います。
放射線科医が画像診断するときには、臨床情報を見て、検査データを見て、いろいろなモダリティーの情報を組み合わせて画像診断をやります。今想定されているのは、CTを撮っている、単純写真を撮っていると。そのときに、これはまずいぞというのを速やかに、これは先ほど主治医にとおっしゃっていましたけれども、放射線科医にすぐに対応したほうがいいのではないかと伝える能力。それは、もちろんあるにこしたことはないわけです。それを学ぶときにはモダリティー単位なんですね。単純写真の所見を見ると、組み合わせの診断ではない。ですから、単純写真に非常にたけた先生が一連の講義の中で教育していくというのが、系統的ですぐれていると思います。画像技術学の中に取り込まれているのでしょうから、それを明示することには意義があると思います。分離してしまうことは非効率だと思います。
また、事の軽重のバランスからいっても、本来、診療放射線技師にしか担えない仕事が大量にあるわけです。画像技術どんどん進歩して、学ばなくてはいけないことがふえている。いろいろな機器が発展しているわけです。それを学んでほしいというのが一方にあるわけです。読影の補助という言葉が出たときと同時に、放射線検査等に関する、説明・相談を行うことというのもチーム医療の一環で推進されるようにということがあります。こちらについては特別今回拡充されていませんので、ここだけを特別に肥大させる理由はないと思います。
〇北村座長 ただ、4単位を17に足すと21になって、1つの科目としては大き過ぎるかなということもあるわけですよね。
〇井上構成員 むしろ診療画像技術学の中で異質なのは最後の文で、「また、患者接遇の基礎能力を養う」。これはとても大事ですが、異質です。ここを取り出すのがよいと思います。参加型になる臨床実習を拡充したいということが一方にあるわけで、その前にもちろんOSCEのようなもので実技能力、態度の問題、知識、技能を確認しなくてはいけないということは共通認識だと思います。その前に、技能、態度を教えるようなコースが独立してあるのが望ましいのではないかと思います。医学部だと臨床実習入門で大抵やっていると思うのですが、そういう科目がないんですね。これを独立させるのが正攻法だと思います。
〇本田構成員 いいですか。私は井上先生の御意見に賛成です。繰り返しになると思いますが、診療画像技術学の中に「撮影・撮像に必要な知識・技術及び結果の解析と評価について学習する」というのがありますので、この中に先ほどの画像診断・技術学の内容のほとんどが含まれるのではないかということが1点。
2点目として、患者接遇の基礎能力というのは診療画像技術学から若干遊離している。さらに、
先般の医政局長通知で、読影の補助と並んで検査の説明ができるという項目がありましたが、検査の説明ができることに関する新たな教育は全くなされていない。だから、検査の説明ができる、患者接遇の基礎能力を養う、これを一緒にして、2単位ぐらいが適当だと思いますが、ここに入れてはどうかという御発言だと理解していいですね。私はそれに賛成します。
〇北村座長 患者に検査の説明ができるというのは、どこにありますか。
〇本田構成員 医政局長通知で、診療放射線技師に関するチーム医療の推進に2点ポイントがあって、1つは読影の補助、もう一点が、検査の説明を技師が患者に対してできるということがありました。ここには文章は出ていません。
〇北村座長 それをまとめて、例えば2単位なり4単位を何というタイトルにしますか。〇本田構成員 強いて言えば「臨床実習入門」となるのでしょうか。それを2単位にして、4単位のうちの残りの2単位を診療画像技術学に持っていって、19単位にしてはいかがかなと思います。
〇北村座長 どうぞ。
〇西山構成員 診療画像技術学の17単位の中には撮影関係、患者対応、患者接遇も含めて、撮影なんですね。患者さんの呼び込みも含めて、この中には検査説明も入るかもしれません。要するに、撮影をして画像をつくって、その過程の中で機器、画像技術学の中には撮影学と機器学が入っています。今回、画像診断・技術学、名前は私はそんなにふさわしくないと思っているのですけれども、内容は今、本田先生の言われました検査の説明といったものも、この4単位の中に含めてもいいのではないかと思っています。
〇北村座長 確かに、患者接遇はむしろ新しくできるほうに行ってもいいような気がしないでもないですね。新しくできる4単位は、今までにない名称のほうがいいかもしれない。実習入門でもいいですが、もうちょっと患者さんに近いような名前でいいものがあれば。
どうぞ。
〇熊代構成員 先ほど申し上げたように、診療画像技術学の中の最初の項目に、診療放射線技師の役割と義務がございまして、今、診療放射線技師の役割は何かと申しますと、先ほどからお話しいただいているように、読影の補助と患者説明だと思っています。特にこれは、チーム医療を推進する上で必要な項目として挙がってきていますので、ここを少し膨らませて新しく独立させて、評価や画像の正常や異常というものがこの中では見えてきませんので、それを含めたカリキュラムとして4単位を独立していただければよろしいのではないかと思っています。
〇北村座長 ただ、正常というのは一番難しいですよね。これは正常ですと言うのは、よほどの力がないと。異常は、これはおかしい、おかしい、おかしいは言えるのですが。
〇熊代構成員 現在、画像解剖学では、正常画像が出てきていますし、国家試験の中でも問題が作成されていますので、何ら問題はないような気がいたしますが。
〇北村座長 名前でなくて内容で随分御意見が出たので、もうちょっと17単位の診療画像技術学と新しく提案された4単位がきれいに分かれるような、これはこっち、これはこっちという感じで内容が決まると、名前も決まってくるような気がしますが。
どうぞ。
〇西山構成員 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、17単位のほうは撮影なんですね。写真を撮って画像を取得する、そして、解析というのは画像上の、昔の画像工学というコントラストをつけるとか、血管をわかりやすくするとか、そういった画像処理が17単位、技術学であって、そこからさらに、それが正常なのか異常なのか、今、正常は難しいとありましたけれども、異常なところがあるのかないのか。その結果が医師の診断に役に立つのかどうかというところだと思います。ここで解剖学として正常画像、異常画像というものをしっかり教え込まないと、医師の診断に役に立たないのではないか。決して、ここで診断をするとか読影をするということではないと思っています。医師の診断にかなうためにどういうことをやればいいのか、教えればいいのかというところだと思います。私は、そのために4単位が必要だと思っています。
〇井上構成員 よろしいでしょうか。まさに今のお話から結論されるのは、診療画像技術学で異常所見の抽出をやるべきであるという結論になるのだと思います。つまり、どのような画像が出てきたら、どのようなことを考えると、どのような画像処理をすれば、どのように医師の診断に適したものになるというので撮影方法がまた変わるわけですよね。そこがループなわけです。したがって、診療画像技術学の中でどんな画像が出てくるのか、どんな画像処理があるのか、どのようにして医師は診断していくのかということを知っておくことが大事なのだと思います。
〇西山構成員 ここで17単位と4単位を分けたのは、17単位の方は撮影で終わっているんですね。画像を表示してコントラストをつけるとか、解像度を上げるとか、17単位のところでは正常画像か異常画像かというところまではやっている学校もあるかもしれませんけれども、そこと分けて、でき上がった写真を見て、正常なのか異常なのかというところが4単位だと思います。
〇北村座長 お二人が言っていることは大体よくわかるのですけれども、17単位は撮影するところで、4単位は独立。ただ、井上先生がおっしゃるには、それにはループがあるでしょうと。読影するところを見たら、空気をちゃんと吸っていないとか、CTで真っ直ぐに寝ていないと。これは撮り方に戻って、ちゃんと息を吸って写真を撮らなければいけないとか、ちゃんと垂直に寝てもらわなければだめではないかと戻るから、そういう意味では一つかなという御意見と、確かに、きちんと撮った上で読影しないといけない部分、きちんと撮るのは当たり前で、これは技師さんがしっかりやってもらって、読影に値するかちょっと読んでみるとか、そういうところが4単位部分かなという気もするので、お二人がおっしゃっていることはほぼ同じなのだけれども、分けるか、くっつけるかという話ですよね。
〇井上構成員 診療放射線技師が病院の中で絶対担わなくてはいけない役割が何かということを踏まえるべきだと思います。
〇北村座長 ただ、それも時代で変わるので、放射線技師は撮った瞬間に何かパニック画像が出たら、それはその瞬間に電話をとってほしいんです。
〇本田構成員 先生、それはだれに対する電話ですか。
〇北村座長 放射線の先生でしょう。1時間後にレポートを書くというのでは、まずいのではないですか。先生、見に来てと。
どうぞ。
〇阿部構成員 現場の我々のがんセンターで、新規の職員や実習に来る学生を見ておりますと、当然、多職種とのチーム医療というのも当たり前に今もやっていることではあるのですが、現場での診療放射線技師の業務として、先ほど言っています診療画像技術学というところにきっとカテゴリーされる撮影を行うというステップと、第三者であろうが、人数が少ないところであれば当事者かもしれませんけれども、今はフィルムにすることは余り多くない、多分PACS(パックス)等に送るというカテゴリーになるのですが、検像して、その画像がしっかりと役に立つという意味合いを撮影の延長ではなくて、撮影とは切り離したところでの検像で画像を出していくというところで、先ほどの単位数で言うならば、どことどういうふうに一緒にすべきか、別にすべきかというのはまた別の議論になるのですが、現場のほうとしては、実際にやっている部門からしっかりと画像が出ていくときには、撮影の延長ではなくて、一度切り離して検像して、第三者の目で出していくというステップが今普通に行われているのではないかと思っていますので、そういう意味で、一連ではなく別立てのほうが私もよろしいと思ってはいました。
〇北村座長 確かにそうですね。昔はレントゲンを撮って現像機にかけて、物理的なフィルムを袋に名前を書いて、間違いなくIDを書いて、患者の名前を書いて、袋に入れて送り出すのが仕事であって、レントゲンを1枚1枚シャウカステンにかけて見ていたかというと、恐らくそういうものはなかったですものね。そんなことをやっていたら、仕事がはかどらない。
〇本田構成員 技師は検像業務はやっているでしょう。撮影した後に第三者が。
〇阿部構成員 写真の自現機から出てきた、待っていてというところが、撮影室で交代でやっているところもあれば、自現機をやっていたところと別立てで一連で見ているとか、いろいろなことをやっていたはずなのですけれども、今現在PACS(パックス)に送るなり何なりということで検像という1つの部門がしっかりと今動いていくところだと思っているのですが、それは先生方では御意見が違いますか。
〇北村座長 現場の細かいところはわからないけれども、イメージとしては現像機から袋に入れて送り出す仕事であって。
〇本田構成員 先生、技師はきちんと検像していましたよ、それは誤解ですよ。
〇北村座長 シャウカステンにかけてですか。
〇本田構成員 もちろん。これは依頼診療科へ送っていいフィルムかどうかというのは、技師がちゃんと確認していましたよ。
〇北村座長 何か酸素だけ入っていれば。
〇本田構成員 それは東大だけではないですか。
〇北村座長 どうぞ。
〇熊代構成員 画像の評価というのは、これまでも診療放射線技師が物理的な評価で評価していたんですね。粒状性だとか、コントラストだとか、我々のころは自現機を使って、真っ黒い写真なのか、薄い写真なのか。あるいは今、先生は検像とおっしゃいましたけれども、肺底が切れていないとか、肺尖部が切れていないとか、ちゃんと息が止まっているか、そういうところの評価をしていたのですけれども、今我々に求められている読影の補助というのは、読影をする先生方に有効な情報をお伝えすることだと私は認識しております。それはどんな情報か、それぞれ職場の裁量の中で決められてやっていらっしゃると思いますけれども、この前、本田先生は、読影の補助というのは優良な画像を医師に伝えることだとおっしゃっていましたけれども、まさしくそのとおりだと思います。それに必要な情報を我々がしっかり勉強して、最良の画像を提供する、物理的にすぐれた画像だけではなくて、臨床的にすぐれた画像というのがあると思います。MRであるとか、エコーであるとか、だれがどう見てもこれはこうだねと診断がつくような画像を提供するためには、医学的な知識がこれからの診療放射線技師に求められるのではないかと思っています。
放射線医療が今後発展していくかどうかというのは、遠藤先生はよく日本の診療放射線技師は非常に優秀だとおっしゃっていただいているのですけれども、そういったプラスアルファのことが診療放射線技師ができることによって、放射線科の先生方を中心にやっている放射線医療というのは進展していくのではないかと思います。そういう意味で、我々診療放射線技師もお手伝いさせていただければと思っています。そういったものを学生に教育できるようなカリキュラムを、ぜひオールジャパンでつくっていただければと思っています。よろしくお願いします。
〇北村座長 どうぞ。
〇遠藤構成員 私は、世界中の放射線技師を見ていますと、日本の放射線技師が世界で一番優秀なので、今まで診療放射線技師の教育はよくできていたと思っております。
それから、もう一つは画質の評価ですけれども、医療被曝が問題になっていて、線量は少ないほどいいのですけれども、診断に絶えられない画像だったら幾ら低くてもだめなので、最適化が診療放射線技師と放射線科医の仕事で、特に診療放射線技師の仕事です。ですから、ぜひ画像評価、画質評価はやらなければいけない。これは撮影条件でかなり決まってしまうところがあるものですから、現在のものでしたら診療画像技術学に入れてもいいのではないかと。むしろ、エックス線撮影とかCTとかMRIとか超音波は、一気にそれでやったほうが教育効果がいいのではないかと考えた次第です。例えば、単純撮影だったら、機械のことから画像のことから、あるいはCTだったら線量のことから画像のことから、一気にやってしまったほうが、むしろいいのではないかと。わざわざ切り離す必要があるかなと今思っている次第です。
〇北村座長 ほかにございますか。どうぞ。
〇西山構成員 今、遠藤先生がおっしゃった17単位の中に、エックス線撮影、CT、MRI、超音波、眼底これが全部入っているんです。そこにまた画像評価、画質評価、または読影の補助にかなうような知識を追加していくと、先ほど17プラス4という御意見がありましたけれども、ちょっと膨らみ過ぎではないですかね。
〇北村座長 私もそう思います。17のところは撮影する技術、下手をやったらこうなるとか、患者さんが動いてしまったらこうなる、明るくしようが、暗くしようが、患者さんが動いた画像だったら読みようがないわけだから、そういうことを教えていただいて、新しい4単位はイメージとしては画像のシャワーというか、画像が1000枚くらいあって、それを全部見て、この中で電話に飛びつかなければいけないのはどれだとか、そういうトレーニングをしっかりしてほしいなという気はしますけどね。撮り方ではなくて。毎日毎日仕事で100枚、1000枚見るのは当たり前だから、すぐにはそうなるのでしょうけれども、学生時代にもある程度の枚数を見て、本当におかしいものにはすぐに反応するようにして出してほしいような気はしますが。
〇本田構成員 それって、2単位、4単位ぐらいのわずかな教育で、療放射線技師が飛びつけばいいけど、飛びつかなかったとき、仮に放射線技師が連絡しなかったときには、技師の責任になるのですか。そこまで教育課程で求めるのは無理だと思います。検査のパニック値というのは数字で出ますから、自動的にパニック値をセレクションできますが、画像検査は人の目を通すわけですから無理だと思います。そんなことは要求するべきではないと思います。
〇北村座長 試験に通すか通さないかは別として、教育課程で普通の単純は1000枚で、CTは何百例分とかMRIも何百例分くらい見てから出てきてくれたら、それが理想という気はしますけれども。技師になってからの教育かもしれないですが。
〇熊代構成員 今、本田先生がパニック値と異常画像の違いをおっしゃっていましたけれども、先生方より知識を持っていませんから我々も間違えることがありますので、まず最初に放射線科の先生にコンサルします。先生こういう画像が出ているのですが、これはどういたしましょうと聞いたら、僕のほうから主治医の先生に伝えておくからという程度もありますし、放射線科の先生はなかなかお忙しくて、多分そこだろうと思いますから技師さんから電話しておいてということでお伝えすることもあります。
検査値と同じように、異常があれば伝えるというのは医療安全上非常に有効ですし、また、施設によるかもしれませんが、仮にそれを間違えたとしても、施設側が責任は問わないという形が当院ではとられています。それよりも、間違えてもいいから何か異常があれば伝えることが、さっきコミュニケーションスキルと言いましたけれども、それが今、我々診療放射線技師にも求められているということは事実だと思っています。
○本田構成員 先生がおっしゃるとおり、読影者に有効な情報を提供する、あるいはパニック値、異常を発見したときに主治医なり、あるいは放射線科医に連絡するというのは理想的なことだと思います。ただ、それは臨床現場での信頼関係に基づくものであって、それと学生教育は必ずしもリンクしない。それは、それぞれの臨床現場において技師に対する信頼度に応じて行われるべきものであって、学生教育とは切り離さないと、いろいろな問題が生じてくると思います。
○熊代構成員 実際に、放射線科の先生や当院のように大病院の場合は、医師のカンファレンス等を通じて技師の教育はしっかりできるのですが、実際1人職場であるとか、今の医療の現状はおわかりいただけると思いますけれども、そういったところに卒業し立ての技師がポイッと行ってしまうわけです。そういったところで、学生のときから異常所見であるとか、正常・異常のある程度の基礎的なところで結構だと思いますけれども、それを少しやっているかやっていないかは非常に変わってくると思います。
前回の第1回のときに、私はSAH(くも膜下出血)を見落とした病院からの写真でお話をさせてもらいましたけれども、やはり典型的な写真を見ていなければ、そこに出血があるのかどうか、彼らがうちの病院に送られてきて初めて、そこでSAHであったことがわかってしまう。そこで、放射線科の先生がいらっしゃらないような病院でも、技師さんがある程度基礎的な知識を持って診療に当たっていただければ、放射線医療も少し変わるのではないか、救急医療も変わるのではないかと思っております。
○北村座長 どうぞ。
○釜萢構成員 私は、日本医師会から出てきておりまして、私の担当はきょうの診療放射線もそうですが、医療関係のいろいろな職種の方々のカリキュラムの検討にほとんど携わっているのですけれども、今回ここで考えなければいけないカリキュラムは、国家試験を受ける前の段階で到達すべきものであって、卒後、診療放射線技師として経験を積んでいって到達するレベルで求めるものではないわけです。熊代先生の今のお話はよくわかるのですけれども、国家資格を取って1人でフッと赴任するような人にそれを求めるのであれば、医学部のカリキュラムと同じくらいの時間をかけないととても無理な話で、むしろ診療放射線技師を目指される方には、こういうことを先々身につけてもらうための種を植えつけるものだと思いますから、そういう意味では、余りレベルが高くなり過ぎるのは、他の職種もそうですけれども、私は学生に大きな負担をかけ過ぎてしまうのではないかと懸念しております。
それから、これは今回の分野だけでなく全ての関係職種共通ですが、この養成カリキュラムというのは非常に大事でありまして、それはその後の業務範囲と大きくかかわってくることなので、間違ったメッセージにならないように十分注意しなければいけないということを私はずっと心がけてまいりました。その点で、先ほど井上先生がおっしゃられたことは、私はまさに我が意を得たりでありまして、本来やるべき業務が何なのかというところをしっかり踏まえて、それは北村座長がおっしゃるように、時代の要請で変わってきますけれども、本来やるべきものをまずしっかり身につけさせた上で、その後、資格を取得した後にさらなる努力によって必要な領域をカバーするということでないと、決められた年数の中で国家試験受験レベルを求めるのは、私はとても無理だと思いますので、そこは診療放射線技師さんと放射線科の医師との間で少し認識が違うような感じで今受けておりますが、そこはもうちょっと元に戻って考えて、学生にとって無理のないカリキュラム、このカリキュラムは非常に大事ですので、そのような共通認識を何とかつくっていけたらと思って、あえて発言いたしました。
○北村座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○西山構成員 先生のおっしゃることは十分わかりまして、この診療放射線技師の歴史が、技師法が昭和26年から始まって、その当時というのは機械中心で、技師というのは機械を扱う人だったと。それがずっと続いてきて、それがエックス線技師から放射線技師になって、いろいろ業務がふえて、直近の指定規則の改正が平成12年、13年、そのときには、今まで技師さんは機械中心にやってきたのだけれども、もっと病院の中で、医療チームの一員としてほかの職種とも一緒に考えようではないかということで、医学系の単位数をふやして今まで来ているわけですけれども、今、時代が変わりつつある中で、今、診療放射線技師がやらなければならないのは、機械も重要ですけれども、撮った写真が診断にかなうのか、患者さんに迷惑がかからないのかというところを考えると、撮った写真を医学的な評価をする、それは社会に出てからやればいいではないかということも一つでしょうけれども、その知識、医師が診断できるような画像の知識をもっとふやせればいいのかなと思って、そこで先ほどから17単位と4単位は別ということで言わせていただいているのですけれども、撮った画像をサイクルではなくて別立てとして評価する、解析するといったところをもう少し考えていただければと思っています。
○釜萢構成員 今、西山先生から御指摘があった点は私も理解しておりますけれども、一方で、単純写真しかなかった時代に比べると、本当に診療放射線技師が担わなければならない範囲が非常にふえて、例えば、私は専門ではありませんが、CTの画像やMRIの画像の解析をしっかりやるということを、とても国家試験のレベルでは十分には無理だろうと思います。しかし、そこに早く到達できるための種をまくというところは、過去のカリキュラムとは比べるべくもなく多くのことを教えなければならないと思うんです。それを限られた中でやらなければいけないから、ある程度優先順位が必要で、西山先生のおっしゃるような配慮も大事ですし、賛成ですけれども、しかし、本来医療のチームの中で何を担ってもらいたいのかというところを踏み外してしまうと、なかなかチーム医療も成り立たなくなるなという印象を強く持っているものですから、そのように発言した次第です。
○西山構成員 ありがとうございます。診療放射線技師はそのチーム医療の中の一員として、特に診療画像を重要視して、それが一番の柱になっているのではないかと思います。だから、カリキュラムもその柱に沿って考えていただきたい。従来は機械が柱だったものですから、今は診療画像にシフトしていただきたいと思っています。
○北村座長 どうぞ。
○井上構成員 一方で、機械の安全管理もとても重要視されていると思います。アメリカであれば医学物理士がそれを担っているわけです。残念ながら、日本では医学物理士が国家資格として認められていない。診療放射線技師が一手にそれを担っているわけです。機械の安全管理はとても大事なことであり、診療画像技術学の中でも保守管理法は明記されています。ここがよりややこしくなっているということも一方で留意していただきたいと思います。ここでの教育はおろそかにできない。これは、かわりをだれもやれないわけです。病院の中でかわる人がいないところですから、根幹業務だと思います。
○北村座長 ありがとうございました。
先生のおっしゃるとおり、機械の保守管理はもちろん技師さんしかできないですから、過去にも治療学ですけれども、計画の線量と違う線量が長年いっていたという大きな事故もありましたので、機械のケアはだれが考えても絶対やっていただきたいと。
さらに、機械のケアをするためには、機械が出してきた画像をある程度は見られないと、機械がちゃんと動いているかどうかもわからないので、イメージとしては今17単位でやっていることのうち、読むということや患者の接遇などは別枠に出して4単位にして、機械もふえたし、種類もふえたし、いろいろなことがあって機械で撮るところまでを従来の17単位で残しておくというようなイメージではないかと思うのですが。
○本田構成員 先生いいですか。そうではなくて、今お話が出ていたのは、結局撮影に関しては診断にかなうものを撮る必要があるだろうと。だから、ある程度の診断知識を持った上で撮影するべきだということで、診療画像技術学の中に含めていいのではないかということだと思います。これは機械だけの問題ではないと思いますよ。
○北村座長 ただ、17単位がもっとふえると21だ、22だとふえるので。
○本田構成員 ここから患者接遇の基礎を切り出す、そして今の17単位に2単位ふやして19単位にする。現場では画像の結果をもとに、あるいはどういう目的で撮影するのかをきちんと教育しながら撮影の仕方を教えているわけです。ですから、これはいわゆる画質の評価、画像検査の目的抜きに、撮影方法だけの教育というのはあり得ないと思いますが。
○北村座長 だから、本田先生がおっしゃるようにそれが離れられないものならば、名前で言えば診療画像技術学1と2に分けてもいいくらいなのでしょうけれども、1、2というのは1年生、2年生と使っていたりするので余りやりたくないので、できれば一体感がある、でも内容がわかる名前があればいいなとは思いますが。
○桑山構成員 ちょっとよろしいですか。私は教育する立場として皆様にお話ししたいことがございます。私は日ごろ学生に何を常に言っているかというと、まずは君たちが国家試験で困らないようにしてあげる、そして臨床実習に行って困らないようにしてあげる、そして新人で入ったときに1~2年はある程度困らないようにしてあげる。それぐらいの知識をみんなに教育するよ、ということを常々学生に約束しています。その辺を考えて、先ほど釜萢先生から、余りにレベルを上げると学生がかわいそうだというお話があったのですが、確かにそのとおりだと思います。しかしながら、実際に学生が臨床実習または新人で臨床の場に入ったときに、余りにも現在のカリキュラムレベルが実態と乖離しているのではないかと思わざるを得ないのが現実です。つまり、現行のカリキュラムに課せられている内容が、現在の臨床現場のレベルとは乖離しているのではないかということを、教育する立場としては感じております。
ですので、先ほど御意見で出た内容の中で、今本当に診療放射線技師の守備範囲が広いと。つまり、勉強しなければいけないことがたくさんあるということを踏まえると、診療画像技術学の中にMR、CT、エコー全部あり、機器工学もあって17単位というのは余りに単位に比較して教育しなくてはいけない内容が多いのかなと思います。
先ほど、座長からお話に出たような、例えば線量にかかわる事故とかその辺については、恐らく今までは放射線治療の領域の中で教えていたのかと思いますけれども、それぞれのモダリティーの中でもかなりボリュームがふえているのが現状です。そこでその辺の安全性の教育を担保するために、今回、放射線安全管理学という科目の単位を少しふやす、もしくはこれが平成27年からふえてきたと認識しております。それを踏まえて申し上げると、一応カリキュラム上、整理しやすいということを考慮すると、画像診断もしくは実際は画像診断もどきかもしれませんが、必要最低限の画像知識というのは、検査のクオリティーを担保したり、医療の現場の安全性を担保するにはどうしても必要なのではないかということで教育するという前提で申し上げると、診療画像技術学の中で全てを包括するのはかなり厳しいし、カリキュラムを構成する上でも分離していただいたほうがやりやすいのかなと認識しております。
以上です。
○北村座長 ありがとうございます。ほかにございますか。
○井上構成員 21という塊が大き過ぎるというのは理解できるのですが、患者接遇の基礎能力を養うというのは必要だと思います。例えば、呼吸停止にしても、呼吸を止めてもらって撮影します。まず、なぜ呼吸を止めていただくことが大事なのかをきちんと説明する力、また検査の流れ全体を理解していただいて、検査に協力していただく力はとても大事なことだと思います。その結果によって画像の質は大幅に変わってきます。また、患者さんの安心・安全ということでのコミュニケーションは重要性が増してきているところだと思います。実際に通知の中でもその話が出てくるところです。やはり、こここそ独立させる意義が大きいのだと思います。
○北村座長 ありがとうございます。
患者接遇というのは独立していない、そこもしっかり入れてみたいですね。それと、女性が男性の技師さんを嫌がるという時代にもなっていて、それもコミュニケーション不足かもしれないですよね。
とりあえず、きょうはこんなところで何も決めませんが、議論をいただいたということで、この組みかえも、ネーミングも、特に17単位の患者接遇の基礎能力を養うというのがここにあるのがいいのか違うところがいいのか、また検討して案をつくっていただくといいなと思いますが、何か御発言はありますか。
○松田医事専門官 今回、皆さんにいただいた御意見を踏まえまして、また次回までに整理させていただきたいと思っております。
○北村座長 では今度は、専任教員の要件について御説明をお願いします。
○松田医事専門官 事務局から御説明いたします。資料は5ページをごらんください。
カリキュラムの追加に伴い、授業時間数がふえるため、専任教員の人数要件を以下のとおり見直してはどうか。この数につきましては、施設協議会、技師会さんの3月29日の報告案をもとに数をふやしております。教員の数をふやす方向について、これで問題なのか御審議いただきたいと思っております。
○北村座長 これこそ私には十分わかりませんが、6を7にする、4を5にする、5を6にする等々書かれています。
○西山構成員 よろしいでしょうか。大学では放射線学科の教員が最低10人、多いところでは20人近くというところがあります。しかし、専門学校では指定規則に、これは最低限の要件ですけれども、この最低限の要件で専門学校を運営しています。今までが6人であったと。6人ちょうどでやっている専門学校はたくさんあります。6人でやっているからいいではないかという言い方ができるかもしれませんけれども、見ていて質が担保できているのかなという懸念もあります。私も昔、専門学校にいたものですから、ここをふやしてもらいたいという気持ちが前からずっとありまして、今回せめて1人ふやしていただきたいという気持ちがあります。
○北村座長 金高先生、現場は特に問題ないですか。
○金高構成員 人数がふえると単位数がふえますので、その辺は担当する科目がふえていきますので、それによって単位数が増加するに当たって教員の数が欲しいという形で、1という形でふえることに関しては専門学校で会議したときでも、この数に関しては何も議論にならなかったので、この数字は単位数がふえるから教員の数もふえるという形で、これといった反対意見も出ませんでした。
○北村座長 教員が世の中に少ないとか、あるいは経営上1人ふやすと学校がつぶれるとか、そんな話は全くないわけですね。
○金高構成員 そういうのはないです。
○北村座長 それがなければ大丈夫だと思います。
○遠藤構成員 国立大学のほうから要望がございまして、教員数が1人ふえることについては納得していただけるのですけれども、国立大学は定員削減が来ているので、1人ふえた人数、7人、5人、4人、資料の赤字の教員数でやっていただければ国立大学としてはありがたいということです。これ以上は国立大学は結構大変になってくるので、この人数でお願いできないかということです。
柔道整復師教育では単位がふえて、教員数が1人ふえたと思いますので、診療放射線技師教育についても教員数が1人ふえることについては学校側としては納得としております。
○北村座長 福島さん、こういう規則が変わったら定員はふやしてくれるのですか。
○福島文部科学省医学教育課・薬学教育専門官 そういうことにはならないと思います。
○北村座長 そうすると、各大学でうまいこと揺すって出してこいという話ですか。
○福島文部科学省医学教育課・薬学教育専門官 そういう形になっていきます。
○北村座長 ということになるみたいで、なかなか難しいみたいです。定員削減は本当にきついですね。
○西山構成員 大学教育で、放射線学科で7人の専任教員でやっている大学というのはあるのでしょうか。
○福島文部科学省医学教育課・薬学教育専門官 今手元にないのであれですけれども、ただ、基本的に大学の設置基準上、例えば、医療技術なら医療技術の分野で必要な専任教員の数は決まっておりますので、それ以下ということにはならないことになっていますので。
○西山構成員 設置基準で計算すると、定員数にもよりますけれども最低10人だと思います。ですから、ここで指定規則で6を7に変えても、大学は問題ないのではないかと思いますが。
○北村座長 ありがとうございます。では、大学は余裕で大丈夫ということで。
では、今度は設備のほう事務局から御説明はありますか。
○松田医事専門官 6ページをごらんください。その他としまして、先ほどの医療安全管理学でもございましたけれども、教育上必要な機械設備、標本等に対して見直すべきではないかということを含めまして、前回ファントムの数について御意見がございました。ただ、ファントムの数につきましては、ガイドラインでは最低限1個という規定がございます。ただ、入学定員20名を標準とした数になっておりまして、20名を超える場合につきましては、必要に応じて数量を増加することという弾力的なカリキュラムの条項がございます。このあたり備品等の数につきまして、今後ふやすべきなのかというところを今回御審議いただければと思います。
○北村座長 施設に関して、備品も含めて何かございますか。ファントムは2では足りないということでしたが、どうしましょうか。定員にもよりますが。
それから、安全の教育に必要な物品と言われても、カリキュラムが決まらないとなかなかものも決まらない感じはありますが、また、この会が終わってから検討していただくとして、もう一つあって、今度は実習の水準Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ。これはきょうでなくてもいいのですが、また見ていただいて、実習の水準Ⅰというのが「指導者の助言・指導により、学生が補助的に実施できる行為」。水準Ⅱというのが「実習指導者の指導・監視のもとで学生が実施できる行為」。水準Ⅲは「学生単独での実施は許容されず、実習指導者の実施を見学する行為」。ⅠとⅡの違いがわかりにくいのですが、Ⅰというのは指導・助言により学生が補助的にできる行為です。Ⅱというのは学生が実施できる行為で、具体的に見ていただければいいと思いますが、資料3の6ページになります。多少混乱もあり、これが実習で賄えるかどうかということにもなりますが。
○遠藤構成員 臨床実習の水準Ⅰ、Ⅱ、Ⅲですけれども、これは施設協議会と技師会との話し合いで十分検討できていませんでした。
水準Ⅰというのは学生単独でできることです。水準Ⅱが実習指導者の指導・監視のもとで学生が実施できる。水準Ⅲが見学で、学生にはやらせられないことです。ただ、水準Ⅰを見ますと、到底学生単独でできる項目ではないので、もう一回組み直しが必要だと思っております。例えば、エックス線CTが一番患者への被曝線量が多いので問題になっていますが、装置の始業前点検とか、あるいはCTの撮影条件の設定を初めての学生ができるわけではありませんし、させるべきでもありません。
例えば、看護師を見ますと、水準Ⅰは学生が単独で実施できることになっているのですが、ベッドメーキングや経管栄養を受けている患者の観察、自然な排尿・排便の観察、患者を車椅子で移送できるということで、これだったら学生単独でやってもいいかなと思いますが、診療放射線技師の水準Ⅰの内容は、学生単独で到底できる基準ではございません。したがって、これはもう一回組み直しが必要だと思っております。
医師の場合はなかなか上手につくっておりまして、必須項目とか推奨項目というように分けておりますけれども、そのほうがいいのかなとも思っておりますし、多分、北村座長が専門かなと。
○北村座長 釜萢先生ですね。釜萢先生、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの定義を。
○釜萢構成員 今、遠藤先生からお話をいただきましたとおりですが、医師の国家試験前に、いわゆる参加型の臨床実習で行う医行為についての整理がつい最近できまして、その前が前川レポート、これは皆さんよく御案内のとおりですが、その後今回は医学会の会長の門田先生が座長で、この間でき上がったところです。
ただ、医師の場合はちょっと背景が違いますので、そこを申し上げておきますと、医師の場合は、4年の時点でかなりしっかりした試験、全国共通の水準を保ったCBT・OSCEをしっかりやって、その合格が前提になっております。このCBT・OSCEについては今後、厚労省と文科省がよく協議されて、厚労省が試験のコントロールをするという形でしっかりと国民に対しての理解をいただく過程を経た上で、医学生になるべく医行為を積極的にしてもらいたいという思いの中でつくりました。難易度も比較的全員ができるようにしてもらいたいものと、指導医の指導・監督のもとにやるという2つのカテゴリーに分けました。
診療放射線技師の場合に、実習に入るまでのもちろん試験等はあると思いますけれども、医師の水準とは少し違うところがあるだろうということを皆様の共通認識にしていただきたいことと、看護師の場合もこのような水準をつくっておりますけれども、先ほど遠藤先生が御指摘になられたとおりで、まずカテゴリー1については基本的な平易なもので、安全性の担保できるものに限っています。したがって、ここにはこのように書かれていますけれども、今、遠藤先生が言われたような形でもう一回検討されて、理にかなった形で御提示いただけることを期待申し上げます。
以上です。
○北村座長 ありがとうございます。
ということで、水準Ⅰというのは、学生がもちろん指導・監督のもとでではありますが、1人でできるということです。だから「(補助)」というのが全部ついているのだろうと思いますが、水準Ⅱというのは、直接の指導・監督のもと指導医と一緒にできるというくらいですよね。水準Ⅲは、一応見学だけということになっていますが、業種をいろいろ見て新しいものを提案していただけたらと思います。
大体一当たり議題は出たのですが、こうやって話してみると、新しく出てくる4単位のところが議論がいろいろですが、話せば話しただけ、ある方向に行くように思います。放射線技師の行う業務が、西山先生がおっしゃるように、戦後すぐの昭和の時代から今は全然機械が変わって、MRIもCTも昔はなかったものですし、エコーもなかったものが出てきて、ましてや今は現像などというものはなくて、撮ったらすぐコンピューターで出てきて、それをどこまでどういう権限で扱って、どこまでやれば放射線技師がチームの中で一番役立つのかということを考える時期に来ているという話になると思います。できないことまでやらせるのは一番悪いと思いますが、できることはちゃんとやってほしいという気もします。
何か御意見ございますか。
○井上構成員 よろしいでしょうか。先ほどの臨床実習の水準のところですけれども、明らかに水準Ⅱでは指導・監視のもととあって、水準Ⅰはそれがないですから、指導・監視がなくてできる行為という提案にこれはなっている。それはあり得ないというのは前回の検討会でも共通意見だったと思うのですが、ただ、最初にこれが出てきたところで、これを背景に読影補助ということを考えるので、とても深い懸念を持ちます。本来の使用前点検といった非常に大事な業務が学生単独でできるものと認識されてしまっているのかなということを非常に懸念します。見聞きするところでは、始業前点検は通常規定されているとおりにやっていない施設があるということも聞きます。そういったことが常態化しているのではないかという懸念を持ちます。放射線技師に本当に期待したい根幹業務が今現在どうなっているのだろうかと。それを追認するようなことになったりしないだろうかということを深く懸念します。
あと、水準Ⅰ、Ⅱが不適切であるということと同じような話ですが、別表の物品に関しても整理が先にあったほうがいいと思う点があるので、述べさせていただきます。
別表1や別表1-5、1-6といろいろありますけれども、品名、数量、その他に備考とあったり、参考備品とあったりします。この言葉が統一されていないのと、備考とは何ぞやといった定義がありません。それが1つの問題。
あと、通常品名とは言わないのではないかというような大くくりの名前が書いてあったりします。備考、参考備品というのは必ずしもこれを入れなくてはいけないというものではないようなので、そうすると、ほとんど何が最低限必須なのかといった規定がなくなった状態になっている科目があります。本当にそれでよいのか。よいのかもしれませんが、よいのかという議論が必要だと思います。現行と非常に大幅に変える案になっていると。かつ定義がないので、本当に変わっているのかどうかよくわからないというのも問題だと思います。
以上です。
○北村座長 どうぞ。
○西山構成員 今、井上先生がおっしゃったことは、現行は結構具体的に品名が書いてありまして、それが最近カリキュラムの大綱化で科目名も外されて大項目だけ。それから、具体的な名称を書くと、学校によっては最低限それがあればいいのだということで、実際に授業を行うときに教員が困るんです。それ以上のものが欲しいので。それで今回、改正案としては「1式」という名前を使ったと思います。これが作成されたのが、もう10年近く前に原案が全国協議会で出されまして、それを今回の全国協議会と技師会の話し合いの中で多少修正されたのですけれども、それを見てまだ修正が必要かなと思っています。
それで前回、私からファントムの数量が足りないということを申し上げたのですけれども、足りないのはファントムだけではなくて、もう少しほかにも足りないものがありますので、もしできれば案を提示させていただいて、全国協議会と技師会さんのほうで検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○北村座長 ぜひ、お願いしてよろしいですか。全国施設協議会さんに施設の設備等の新しい案をつくって、次回に間に合いますか。
○西山構成員 きょう終わった後にお渡しすることはできます。また、説明もできます。
○北村座長 また水準Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに関しても事務局、もう一回見直していただいて、ほかの業種とのすり合わせ等も考えていただいて見直していただいて、西山先生もそれに参加していただいて。
○西山構成員 私は器具・備品のほうで、あと水準Ⅰ、Ⅱ、Ⅲは私もちょっとどうかなと、皆さんの意見をお聞きして、井上先生が先ほど発言されたように、ⅠとⅡぐらいでもう一回検討されたらいかがかと思っています。
○北村座長 ほかの業種を見れば大体見えてくるようには思います。ただ、法律的にいうと、本来資格のない人が放射線を発生させたりすることはできないわけですが、この表により実習の場合、それが阻却されるというような形になるものですから、しっかり吟味しておかないといけないかなと思います。
きょうの話題はこんなところで時間もぼちぼちですので、一旦終わりにしますけれども、年度内にあと2~3回開催できるやに聞いています。年度内にちゃんとしたチームとして、こういうものでというカリキュラムをまとめ上げたいと思いますので、またよろしくお願いいたします。
○釜萢構成員 よろしいでしょうか。きょうの資料の中に前回の資料4があって、3月29日にこれをお示しいただいたわけですが、このスケジュールに比べるとかなり作業がおくれているように感じます。いろいろ御事情はあると思いますけれども、平成31年度に施行して、平成33年度の入学生から適用するということを変えないのであれば、作業を急がなければいけないのではないかと思いますが、事務局いかがでしょうか。
○佐々木医事課長 間に合わせるように皆さんの御協力の上で進めるということだと思っております。
○北村座長 ありがとうございます。ただ、厚労省の方も働き方改革があって、そう残業とも言っていられない気はしますが、ただ、我々ももちろんしっかり議論して、みんなが納得したものをつくりたいと思っておりますので、しっかりとこの会、またいいタイミングでやっていただいて、収束の方向にやりたいと思っています。どうぞ。
○熊代構成員 きょうの議論にはありませんでしたけれども、例えば、専任教員の要件であるとか、先ほどの表3の※2の解釈の仕方等、先行しているOT・PTがございますので、そのあたりも参考にしながら事務局と一緒に御提案いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○北村座長 では、次回の会の日程調整するときに、議題で先生、ちょっと事務局に確認していただいていいですか。
○熊代構成員 ただ、これはあくまでも協議会との合意案でございますので、あくまでも我々と協議会の先生方と合意した上で厚労省に提案させていただきたいと思います。ただ、きょういっぱい宿題をいただきましたので、作業部会は少人数で何回か持たないと達成できないような気がしますので、協議会の先生方どうぞよろしくお願いします。
○北村座長 では、それも含めてよろしくお願いします。
では、今後のことを。
○松田医事専門官 次回の検討会の日程については、追って御連絡さしあげたいと思います。
○北村座長 いつごろになりますか。
○松田医事専門官 先生の日程を調整した上で御報告させていただきたいと思います。
○北村座長 では、協議会、技師会は時間がないこともあるかもしれませんが、よろしくお願いします。
他に御発言ありますか。
○西山構成員 この後、技師会、全国協議会のどなたか代表者の方に、器具・備品の説明をさせてもらってもいいでしょうか。もしよければ資料を持ってきましたので。では、時間があるようですので、お願いします。
○北村座長 では、また資料で検討するということにしていただいて。
他はよろしいですか。きょうは、どうもありがとうございました。
 

 

(了)
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