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2018年3月29日 診療放射線技師学校養成所カリキュラム等改善検討会(第1回) 議事録

医政局医事課

○日時

平成30年3月29日(木)13:00~15:00

○場所

主婦会館プラザエフ 9F スズラン(東京都千代田区六番町15)

○出席者

阿部 容久 (国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院放射線技術部副部長)
井上 優介 (北里大学医学部 教授)
遠藤 啓吾 (京都医療科学大学長)
釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会 常任理事)
北村 聖 (国際医療福祉大学医学部長)
金高 雅輝 (医療法人社団慈恵会神戸総合医療専門学校学科長)
熊代 正行 (公益社団法人日本診療放射線技師会副会長(公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院放射線技術部技師長))
桑山 潤 (日本医療科学大学保健医療学部放射線学科学科長)
西山 篤 (日本医療大学保健医療学部診療放射線学科学科長)
本田 浩 (九州大学大学院医学研究院臨床放射線科学分野教授)
松尾 浩一 (東京慈恵会医科大学附属病院放射線部技師長)
 

○議題

・診療放射線技師学校養成所の現状と課題について
・その他

○議事

 

○佐生医事専門官 それでは、ただ今より第1回「診療放射線技師学校養成所カリキュラム等改善検討会」を開催させていただきます。
本日は、お忙しい中、構成員の皆様におかれましては本検討会に御出席を賜り、まことにありがとうございます。
私は、医政局医事課で医事専門官をしている佐生と申します。これより座長を選出するまでの間、議事進行を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、開催に当たりまして、椎葉審議官より御挨拶を申し上げます。
○椎葉大臣官房審議官 皆さん、こんにちは。大臣官房審議官の椎葉でございます。このたびは構成員をお引き受けいただきまして、まことにありがとうございます。また、構成員の皆様方に関しましては、日ごろから医療行政の推進に御理解、御協力をいただいていることに関しまして、この場をおかりして御礼を申し上げたいと思います。
さて、厚生労働省でございますけれども、医療の質や安全性の向上、また高度化・複雑化に伴う業務の増大に対応するために、業務を分担するとともに、お互い連携・補完し合うチーム医療というものを推進しているところでございます。近年、技術の進歩により、放射線治療や画像検査が一般的なものとなるなど、放射線に関する業務が物すごく増大する中で、診療放射線技師がその専門家として果たす役割は大変大きくなっているという認識を持っているところでございます。そのため、診療放射線技師を取り巻く環境の変化に対応し、国民の皆様の信頼、御期待に応える質の高い放射線技術の提供につなげるための対策を講じるべきものと考えているところでございます。
医政局におきましては、本日、この「診療放射線技師学校養成所カリキュラム等改善検討会」を開催いたしまして、質の高い人材の養成に向け、カリキュラム等の改善に向けて御議論いただきたいと考えているところでございます。構成員の皆様方には、さまざまな観点から忌憚のない御意見を賜りまして、活発な議論をお願いしたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
○佐生医事専門官 続きまして、構成員の皆様の御紹介をさせていただきます。資料1の別紙としまして、構成員の名簿を付けさせていただいております。この名簿に沿って御紹介させていただきます。
国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院放射線技術部副部長の阿部容久構成員でございます。
○阿部構成員 阿部でございます。よろしくお願いいたします。
○佐生医事専門官 北里大学医学部教授の井上優介構成員でございます。
○井上構成員 井上優介です。よろしくお願いします。
○佐生医事専門官 京都医療科学大学学長の遠藤啓吾構成員でございます。
○遠藤構成員 遠藤でございます。よろしくお願いします。
○佐生医事専門官 公益社団法人日本医師会常任理事の釜萢敏構成員でございます。
○釜萢構成員 釜萢と申します。よろしくお願いいたします。
○佐生医事専門官 国際医療福祉大学医学部長の北村聖構成員でございます。
○北村構成員 北村です。よろしくお願いします。
○佐生医事専門官 医療法人社団慈恵会神戸総合医療専門学校学科長の金高雅輝構成員でございます。
○金高構成員 金高と言います。よろしくお願いします。
○佐生医事専門官 公益社団法人日本診療放射線技師会副会長の熊代正行構成員でございます。
○熊代構成員 熊代です。どうぞよろしくお願いします。
○佐生医事専門官 日本医療科学大学保健医療学部放射線学科学科長の桑山潤構成員でございます。
○桑山構成員 桑山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○佐生医事専門官 日本医療大学保健医療学部診療放射線学科学科長の西山篤構成員でございます。
○西山構成員 西山です。よろしくお願いします。
○佐生医事専門官 九州大学大学院医学研究院臨床放射線科学分野教授の本田浩構成員でございます。
○本田構成員 本田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○佐生医事専門官 東京慈恵会医科大学附属病院放射線部技師長の松尾浩一構成員でございます。
○松尾構成員 松尾でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○佐生医事専門官 続きまして、事務局を紹介いたします。
椎葉審議官でございます。
○椎葉大臣官房審議官 よろしくお願いします。
○佐生医事専門官 武井医事課長でございます。
○武井医事課長 よろしくお願いいたします。
○佐生医事専門官 長島医事課長補佐でございます。
○長島課長補佐 よろしくお願いいたします。
○佐生医事専門官 なお、オブザーバーとしまして、文部科学省より高等教育局医学教育課の平尾係長でございます。
○平尾文部科学省医療技術係・薬学教育係長 よろしくお願いいたします。
○佐生医事専門官 それから、あらかじめ御連絡申し上げますが、本日、椎葉審議官につきましては、別の公務のため、途中で退席させていただく予定としております。また、釜萢構成員につきましても、途中で退席と連絡をいただいております。
それでは、本日の資料を御確認させていただきます。
次第が1枚ありまして、その後に右上に資料番号を振っておりますが、資料1から資料4までの4つの資料。それから、参考資料としまして、参考資料1から6までの6つの資料を御用意させていただいております。
不足の資料等ありましたら、お申し出いただければと思います。
それでは、まず座長の選出をさせていただきます。資料1をご覧下さい。資料1は、検討会の開催要綱でございます。
まず、目的でございますが、診療放射線技師の学校養成所のカリキュラム等については、平成13年以降、大きな改正を行っていないが、この間、国民の医療へのニーズの増大と多様化、チーム医療の推進による業務の拡大など、診療放射線技師を取り巻く環境も変化している。
また、診療放射線技師の質の向上を図るために、必要な単位数や臨床実習の在り方等の見直しが求められている。
このような状況を踏まえまして、質の高い放射線技師を養成するため、診療放射線技師学校養成所の指定基準の見直しなど、診療放射線技師学校養成所のカリキュラム等の変更を行うとなっております。
次に、検討内容でございますが、「診療放射線技師学校養成所指定規則」、それから「診療放射線技師養成所指導ガイドライン」の見直しについてということで、4つほど挙げております。
1つ目は、総単位数の見直しについて。
2つ目が、臨床実習の在り方について。
3つ目は、専任教員の要件について。
それから、その他でございます。
次に、構成員でございますが、構成員は先ほど御紹介のとおりでございます。
また、運営でございますが、座長は構成員の互選とする。
座長は座長代理を指名することができる。
3つ目として、検討会の議事は別に検討会で申し合わせた場合を除き、公開とする。
4つ目、検討会の事務は医政局医事課において行う。
5つ目、その他、検討会の運営に関して必要な事項は、検討会において決定するとございます。
施行は、本日より施行とさせていただいております。
以上でございますが、4の(1)にあるとおり、座長は構成員の互選となっておりますので、座長をお諮りしたいと存じます。自薦、他薦、どちらでも、どなたかございますでしょうか。
○熊代構成員 推薦ですけれども、国際医療福祉大学の北村先生にお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○佐生医事専門官 ただいま熊代構成員より、北村構成員の座長への御推薦がございましたが、構成員の皆様、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○佐生医事専門官 それでは、異議がないようですので、北村構成員に本検討会の座長をお願いしたいと思います。
北村構成員におかれましては、座長席に移動していただきまして、今後の議事をお願いしたいと思います。
(北村委員、座長席に移動)
○北村座長 ただいま座長という大役を仰せつかりました北村でございます。構成員の皆様、先生方に御協力をいただいて、活発な議論、そして円滑な運営に努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事を進めてまいりたいと存じます。先ほど事務局から資料1について御説明がありましたが、開催要綱4の(2)において、座長は座長代理を指名することができると規定されております。この規定に基づき、私のほうから座長代理を御指名させていただきたいと思います。
座長代理は、九州大学の本田構成員にお願いしたいと存じます。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 よろしくお願いいたします。
それでは、議事を進めてまいります。資料について、事務局から御説明をお願いします。
○佐生医事専門官 それでは、資料について、説明させていただきます。
資料1につきましては、先ほど御説明させていただきましたので、省略させていただきます。
次に、資料2、御検討いただきたい事項(案)でございますが、4つほど挙げております。
まず、1つ目は、総単位数の見直しについてでございます。臨床実習などの必要なカリキュラムの追加等、総単位数の見直しについて、どう考えるか。
2つ目は、臨床実習の在り方についてでございます。臨床実習の単位を追加すること、臨床実習指導者の要件、臨床実習で学生が行える具体的な内容の明確化等について、どう考えるか。
3つ目は、専任教員の要件についてでございます。専任教員の要件等について、どう考えるか。
最後は、その他でございます。
その次の資料3でございますが、これにつきましては、全国診療放射線技師教育施設協議会、それから公益社団法人日本診療放射線技師会において事前に検討いただきました案でございます。内容については、後ほど遠藤構成員より御説明いただければと考えております。
資料4につきましては、検討会のスケジュールについてでございます。スケジュールにつきまして、箇条書きにさせていただいております。第1回目は、本日でございます。2回目、3回目、4回目につきましては、1~2カ月に一度開催しまして、論点について御議論いただきたいと存じます。5回目につきましては、秋ごろをめどに最終報告書をとりまとめていただきたいといったスケジュールで進めていただきたいと考えております。
括弧のところですが、施行については、31年施行、33年度の入学生から適用してはどうかと考えておりますが、施行時期につきましては、改めまして、見直し内容を踏まえて御議論いただきたいと考えております。
その後、参考資料をおつけしております。参考資料1、2、3については、関係の法令、それから通知でございます。
参考資料2が、学校養成所の指定規則となっておりまして、これが文部科学省所管の大学、厚生労働省所管の専門学校、両方が満たすべき基準となっております。
参考資料3の指導ガイドラインにつきましては、厚生労働省の専門学校に対する基準になっております。
次に、参考資料4としまして、授業時間等の変遷をつけております。
1ページ目にありますが、昭和44年に診療放射線技師の資格ができたときでございますが、その当時は2,985時間という授業時間数でございました。昭和57年に改正がありまして、全体で2,900時間という見直しがされております。それから、平成13年度に大綱化ということで、単位数になりまして、合計93単位。それから、平成27年度に業務拡大がありまして、2単位増やして現在の95単位となっております。
2枚目以降は、それぞれの改正の概要になっております。
それから、参考資料5でございますが、学校養成所数、定員数の年度別推移ということで、1ページ目が学校養成所の推移でございます。
下のグラフを見ていただきますと、22年度までは学校数は横ばい状態。23年度から少しずつ増えておりまして、現在では47校で定員数は約2,900人となっております。
おめくりいただきまして、上のグラフですが、国家試験合格者、合格率の推移でございます。29年度では、合格率は85.4%、合格者は約2,500人となっております。
その下が医療従事者の推移になります。青いほうが病院、赤が診療所で従事している方。26年度、合計で約5万1,000人の方が従事されている状況になっております。
次のページがいわゆる専門学校における各分野別の実際に行われている時間の分布になります。真ん中の合計時間数のところを見ていただければと思いますが、2,231時間から2,750時間のところが4校。逆に、3,271時間以上行っている学校が2校ということで、学校によって少しばらつきがあるといった状況になっております。
次のページは、夜間部の学校の分布になります。夜間部は、3,000時間近く、3校ともやられている状況になっております。
参考資料6につきましては、免許取得までの流れを参考につけさせていただいております。
簡単ですが、資料の説明は以上になります。
○北村座長 ありがとうございました。
今の御説明について、何か御質問ございますでしょうか。
現在、95単位で、1単位何時間という規定はあるのでしたか。ないですね。
○佐生医事専門官 講義は、1単位15時間から30時間。それから、演習とか実習については、30時間から45時間ということになっています。ただ、臨床実習については45時間となっています。
○北村座長 ということで、単位を決めても時間が2倍違うので、表にあったように、講義や教育の時間はかなりばらつきがあります。1単位を15時間とするか30時間とするかで、かなり大きな違いですし、実習も入れるとよくわからなくなるのですが。ただ、今は単位で規定していこうという流れのようです。本来、規則のほうですと時間でしたね。
○佐生医事専門官 現在は、単位で95単位以上です。
○北村座長 ずっと前の昭和のころは。
○佐生医事専門官 昔は時間数です。
○北村座長 時間でしたね。今は、文科省と厚労省を合わせて、単位で規定していくということになっています。
平成27年に2単位ふえたとき、少しここでかかわらせていただきました。たしか業務拡大で、造影剤の静注が診療放射線技師の方もできるようになったというときで、2単位ふえた。また、既に就職されて仕事をされている人にも、後追いで幾つかの講習会がなされたと記憶しております。それでよろしいですね。という経緯です。
ほか、御質問、何でも。きょうは、年度末にもかかわらず、全メンバーが出席というすばらしいことなので、ぜひ自由に御質問とか御意見いただけたらと思います。
それでは、また後でもありますので、先ほどおっしゃっていただいた全国診療放射線技師教育施設協議会並びに診療放射線技師会において、指定規則などの改正案をまとめていただいております。遠藤構成員から御説明をよろしくお願いいたします。
○遠藤構成員 それでは、資料3について説明させていただきます。全国診療放射線技師教育施設協議会というのは、学校側です。もう一つ、公益社団法人日本診療放射線技師会、技師会と言いますけれども、学校側と技師会との間で、これまで10回にわたって会合を重ね、合意を得たものです。ちょうど1年前の3月29日にこの案がまとまりました。
まず、「はじめに」はバックグラウンドで、これまで皆さんが話をされたことです。
指定規則の単位数を、現行が95単位、改正案として102単位としております。変更がある点は太い黒字で書いています。
基礎分野は14単位のままです。専門基礎分野も13単位と18単位のままで、専門分野、診療画像技術学が17単位のまま、核医学検査技術学が6単位のまま、放射線治療技術学が6単位のまま、医療画像情報学が6単位のまま、放射線安全管理学が4単位のままです。医療安全管理学が、現行が1単位ですけれども、2単位にふやすという案です。もう一つ、画像診断・技術学が4単位、新設です。臨床実習が現行10単位を12単位とするので、トータルで現行の95単位から102単位へ7単位ふやす案になっております。
最も議論のありましたのが「画像診断・技術学」という名前で、なかなか意見がまとまりませんで、「画像診断」と「技術学」の間にポツを入れて持ってまいっております。本検討会で検討してくださればと思っております。
なお、臨床実習については、12単位でうち10単位以上は病院等において行うこととなっております。これは、現行が10単位のうち8単位以上は病院等において行うことになっておりますので、2単位、病院実習をふやすという案です。
表2が指導ガイドラインに載っている教育内容と教育目標です。
変更したところだけ申し上げますと、医療安全管理学が2単位となっておりまして、「医療機器等に関わる関係法規及び医療安全の基礎的知識や技術を学習し、医療事故等の発生原因とその対策について学習する」のが加わっております。
画像診断・技術学の4単位新設につきましては、「診療放射線業務を行う上で必要な画像診断における読影補助について学習する。さらに、画像処理・画像解析、画像診断に伴って必要な病態生理学、臨床解剖学を理解する」となっております。
臨床実習が10単位から12単位になっており、「医療安全や感染症対策についての適切な対応を学ぶとともに、チーム医療の一員として責任と役割を実践できる能力を養う」として、合計で102単位となっております。
単位数がふえたものですから、専任教員の要件がふえております。教員が現行の6人以上だったものが7人以上となっております。そのうち、診療放射線技師である専任教員の数が、最初の年度にあっては5人で、現行4人が5人にふえております。
診療放射線技師等である専任教員のうち、現行は3人以上は免許を受けた後5年以上実務経験のある人ですけれども、案では1人ふえて4人以上とふえております。
臨床実習ですけれども、これまでは細かい規定はなかったのですけれども、新しく基準を設けるようにしております。侵襲性が低い医療行為を学生が患者に行うというものでして、診療放射線技師養成のための臨床実習において、一定条件下で許容される基本的行為の例示について表3に示しています。一定条件下で許容される基本的行為の具体的な内容の水準I、水準Ⅱ、水準Ⅲについて、それぞれ表4、5、6に示しております。
それから新しく追加ですけれども、臨床実習の前に各施設が責任をもって学生を評価し、「臨床実習を行う基本的行為にかかる能力を有する」学生のみ臨床実習を行うものとする。
「臨床実習を行う基本的行為にかかる能力を有する」学生の評価については、施設協議会において、将来的には全国統一の評価方法になるよう検討するということで、医学生で行われているOSCEを診療放射線技師にも行えば、という案です。
次に水準I、水準Ⅱ、水準Ⅲの一定条件下で許容される基本的行為の例示を示しております。
水準Iで学生が補助的に実施できる行為というのは、X線撮影とかCTとか核医学検査を主に見学する。
水準Ⅱは、実習指導者の指導・監視のもとに学生が実施できる行為、学生が患者にする行為でございます。また、後ほど説明させていただきます。
水準Ⅲは、ハイレベルと言ったら何ですけれども、学生単独での実施は許容されず、実習指導者の実施を見学する行為。患者に侵襲が強い行為を見学でございます。
それで、※が書いてありますけれども、実習指導者とは、水準Iで5年以上の実務経験及び業績を有し、十分な指導能力を有する診療放射線技師。
それから、※2の水準Ⅱは、臨床実習指導教員は、教員の資格を有する診療放射線技師、又は5年以上実務に従事した後に厚生労働省の定める基準に合った「診療放射線技師臨床実習指導者講習会」を修了した診療放射線技師であることとなっております。
それから、※4は、また後ほど説明いたします。
議論になったのは、X線撮影、X線透視、X線CT検査は、学生が患者に放射線を照射するものなので、この案では行わないようになっております。一方放射線被曝のない、MRI、核医学検査、超音波検査は、患者への侵襲性が余り高くないので、これは実習指導者の指導・監視のもとで学生が実施できる行為、学生が実際に行う行為と分けております。ただ、この検討会において、これでいいかどうか、検討してくださればと思っております。
水準Ⅲはもっと侵襲性の強い、例えば放射線治療、血管撮影、インターベンショナル・ラジオロジーなどでございますけれども、これは臨床実習指導教員が行うのを見学する行為です。
実習指導者は、5年以上の実務経験を有し、十分な指導能力を有する放射線技師で、これは先ほども述べましたけれども、教員の資格を有する診療放射線技師、又は5年以上実務に従事した後、講習会を修了した診療放射線技師であることとなっております。
12ページからは、施設に備えるべき装置などでして、ポイントの1つが、施設にはX線コンピュータ断層撮影装置を置かなければいけないという、大きな改訂点です。X線CT装置を学校内に置かなければいけない。これまでもX線撮影装置は置かなければいけなかったのですけれども、新しくCT装置も置かなければいけないとなっております。
一方、MRI装置については、望ましいというので、必須ではございません。
まとめますと、総単位数が現行の95から案では102単位になって、医療安全管理学は1から2単位、画像診断・技術学が新しく4単位の新設、臨床実習が10単位から12単位になっております。
臨床実習の在り方については、臨床実習指導者の講習会受講が義務化になっております。
臨床実習前の評価としてOSCEを行って、評価方法は将来的には全国で統一しなければいけないと思っております。
それから、臨床実習で学生が行える行為については、明確化したものでございます。
また、専任教員につきましては、現行から1人ふえるようになっております。現行は6人以上が、この案では最低7人以上となっておりますし、そのうち、診療放射線技師は現行3人以上が4人以上となっております。
それから、備品等の見直しとして、CT装置が養成施設には必ず置かなければいけないというのが加わっております。
以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
今の御説明について、どこの部分でも結構です。御質問とか御意見。
熊代先生。
○熊代構成員 遠藤先生の御説明の中で、6ページの水準Iでございますけれども、これを先生は、見学と御説明されましたけれども、そこに書いてございますとおり、実習指導者1の助言・指導により、学生が補助的に実施できる行為でございますので、例えばX線撮影であれば、患者さんをお呼びする行為であるとか、更衣室まで御案内する行為であるとか、あるいはそこの下に書いてございます医療機器の点検を、指導者と一緒に機器の点検あるいはモニターの点検をする行為であると認識しておりますが、このあたりはいかがでございましょう。
○遠藤構成員 水準Iと水準Ⅱの区別がわかりにくくなってくるのではないかという印象です。水準Ⅱのほうは、学生が実際行えることですので、曖昧な点はあるかもわかりませんけれども、水準Iは主に見学と考えておりますが。
○北村座長 Ⅲじゃないですか。
○熊代構成員 メーンは先生、Ⅲです。
○北村座長 Iは、指導者の助言・指導により実施できる行為で、一番低侵襲の行為。Ⅱはちょっと侵襲度が上がり、Ⅲは一番侵襲度が高いものと理解します。
○熊代構成員 見学型の実習から参加型の実習として、水準Iの見直しを行ったときに、何らかの形で学生が患者さんにかかわる行為ということですので、いわゆる参加型の水準Iということで議論したと思うのですが。
○遠藤構成員 それでいいと思います。
○熊代構成員 それで結構です。
○北村座長 いろいろな職種でも、同じように水準I、Ⅱ、Ⅲというものを分けられて、イメージとしては、水準Iは指導のもとで実際行う。Ⅱは、訓練を経た学生がちょっと行える。必ずしも行わなくてもいい。Ⅲは、原則行えない、学生はできないという理解だと思います。
はい。
○井上構成員 今の熊代先生の御説明でちょっとわからなかったのが、Iについて、患者さんの呼び入れは学生が行う。その次に、機器の点検のところでは、指導者と一緒にとおっしゃっていました。これは、指導者と一緒にだったら、水準Ⅱの指導・監視のもとということになるのではないでしょうか。指導者と一緒にやる必要があるのか、ないのかという区別が多分とても大事なポイントだろうと思います。
○熊代構成員 そこはまだ明確にはしていませんが、水準Ⅱは、むしろ患者さんに触れる行為。侵襲のある行為じゃないのですけれども、ポジショニングをするとかといった行為がメーンになっておりまして、下に同じような文言がありますが、品質管理とかモニターの品質管理等にちょっと水準としては上がっています。
ただ、水準Iの下に書いてあるのは、例えばMR検査室の機械室の温度が適温であるかとか、あるいはチラーがきちんと動いているかとか、そういったもう少し難易度の低い段階での点検項目を学生にやってもらうと私は理解しております。
○北村座長 はい。
○井上構成員 2つの別の問題をきちんと整理しておいたほうがいいと思います。行為の具体例、この行為についてという例示をしていく。それと、その行為はどのようにして実習に取り込むのか。監視が必要なのか、必要でないのか、その定義は全く別の問題です。例示とは別の問題で、そこをきちんとしておかないと、その後、議論しても何も意味がなくなると思います。
○熊代構成員 わかりました。下の2つの問題につきましては、水準Iがふさわしいのか、水準Ⅱがふさわしいのかというのは、また今後のこの会議の中で提案していきたいと思っていますけれども、今、この場で、これが水準I、これが水準Ⅱと決めるのは非常に難しいように思います。
○北村座長 具体的なものは後でいいと思いますが、水準Iとは何かという定義は一緒にしておいたほうが、皆さんの頭の中がすっきりすると思います。
水準Iは、全ての学生ができる行為だと思っています。ただ、そこは当然ですが、指導者の監督のもと。監督というのは、すぐ横にいないといけないのか、1m離れるとどうなのか、隣の部屋で見ていたのがどうなのかというのは、また御議論いただくとして、少なくとも学生が不安だと思ったときに、先生、ちょっと見てくださいといったときにいる距離というイメージですね。それで学生がやる行為。
水準Ⅱというのは、トレーニング、例えば1カ月、2カ月、実習に来た最後のほうで、先生のもっと密な指導のもとで行える行為みたいなイメージで、場合によっては、学習が足りない子は、12単位の実習の間、経験しなかったとしても仕方がない。無理やりやらせることはしない。
Ⅲは、どんな優秀な子であっても、資格にかかわることですので、やらせてはいけない行為。大体、そういう理解だと思いますが、御意見いただけますか。
はい。
○井上構成員 大事だと私自身が思うのは、監視があるもとなのか、ないのかということが大事だと思います。この文言でいうと、今、先生がおっしゃったようには僕には受け取れません。監視という言葉が水準Ⅱにはあるけれども、水準Iにはないので、これは監視がなくていいように解釈可能だと思います。それで、この資料を見て少し驚いたということです。
○北村座長 呼んだときに指導者がすぐに来てくれる距離でないと、ピッチで電話をかけてくれというのでは危ないのではないかと思いますね。
○井上構成員 はい。この文言はちょっとまずいだろうと思います。
○熊代構成員 御指摘いただいた件、よくわかりました。この文言は、もう少し練る必要があると思います。
今、座長から御説明いただいたように、水準Ⅱというのは、トレーニングを受けた上で実施できる行為。水準Iについては、指導者の監視のもと、あるいは近くにいる状態で学生ができる行為ということで、今後検討したいと思います。
ありがとうございました。
○北村座長 ほか、御意見とか御指摘ありますでしょうか。
本田先生。
○本田構成員 私も井上先生の御意見に全く賛成です。北村先生から密な指導のもとにという御意見がありましたが、何が密で、何が密でないのか。あるいは、ピッチで呼ぶのと、そばにいるのとどう違うのか。ここを曖昧にしているとまずいと思いますので、ぜひ水準Iは何か、水準Ⅱは何かというのを明確にしておいていただいたほうが、皆さん混乱しない。拡大解釈がされなくていいと思います。
○北村座長 どうぞ。
○阿部構成員 私は、実際に実習生を受けている立場から申しますと、確かに井上先生がおっしゃるように、水準Iと水準Ⅱがコンタミしているような状況にあるのですが、水準Iの中の内容、具体的な行為と書いてある7ページを見てみますと、実際に始業点検等につきましては、学生単独で書類を持たせてやらせて、その結果を後ほど見てあげる、あるいは実際にこれ自体が当日の機械の全てを左右するような要素にはなりませんけれども、単独で学生にやらせるという行為自体も中に含まれていると思いますので、実際にどの距離に指導者がいるかというところ。
それから、時間的な配分も少し御考慮いただいたほうが、より積極的なといいますか、せっかくの実務を伴う学生の実習という観点であるならば、単独でさせるということについての観点を少し入れていただければと思います。
○北村座長 はい。
○井上構成員 私の施設では、始業前点検を学生単独でやらせることは絶対にありません。やらせた場合には、もう一回やり直します。
○阿部構成員 もちろんそうです。
○井上構成員 そこを明確にする必要がある。始業前点検のトレーニングをする。例えば、異音がするか、これは書類を見ても絶対わからないわけです。それも、これだと非常に曖昧なので、有資格者が必ずもう一度やらなくてはいけないものということを明確に書くべきだと思います。
○北村座長 そこには私も異論があって、さっきおっしゃった診療参加型の実習というのは、ちょっとでもいいから本物をさせる。要するに、医者で言うと、学生に血圧をはからせる。その後、必ず研修医が、本当の医者が行ってはかるのだったら、学生はモチベーションが下がりますね。だから、学生にはしっかりとした血圧のはかり方を教えて、学生がはかった値をもってチーム医療が動く。きょうは150の100だったから薬を飲ませようという判断をみんながすると、学生は本物をやったという気がするので、その学生が始業前点検をした後、本物の技師さんが必ずやると決めてしまうと、学生のモチベーションは下がると思います。
むしろ、学生さんと一緒に先生がいて、一緒にやってくれて、学生が主体としてやって、その後ろを技師さんが歩いていって、オーケーだねと1カ所ずつオーケーして、終わったら、君が点検したのだから、このままスイッチを入れて始めるよとやったほうがモチベーションはいいと思うので、学生がやり終えたら、若手の1年生、おまえ、ちゃんとやってこいみたいだったら、学生はどんどんモチベーションが下がると思います。
○井上構成員 賛成です。ですから、そういうふうにやっています。もし、学生1人にやらせるとすれば、もう一度やらないといけない。これは、その日の診療に直接かかわる、安全性を担保するための重要な行為であります。侵襲性が低いとは決して言えないと思います。先生のおっしゃるとおりに僕らもやっています。
○北村座長 阿部先生。
○阿部構成員 井上先生がおっしゃっているような、それで全てを補完するということではなくて、私がお話ししたかったのは、これは教育・指導という行為と、それから技師が当日、装置の状態をしっかり確かめるという実務の行為とは別だと思いますので、それは当然、単独でやらせるならば、それ以前に装置自体の安全性は、そこの技師が担保するのは当然の話ですから、例えば影響がないということではなくて、学生に単独でさせてもいいようなレベルの行為というところの線引きをどういうふうにしてあげていくかというところで、今、座長の北村先生がおっしゃったような方法でもありだと思いますし、その辺は今後、問われていけばいいと思います。
ありがとうございます。
○北村座長 はい。
○松尾構成員 一応確認したいのですけれども、水準I、Ⅱ、Ⅲというのは、もう決められた、まとめられたことなのでしょうか。というのは、水準Iは、ここに書いてあることはどう見ても単独に行うとしか見えないのですけれどもね。
○北村座長 まず、私の理解では、これがたたき台ですので、これが決まったものではない。今、お話ししたのは、水準Iとは何かというところを先に決めて、これはIに入らないとか、入るとか、こっちもⅡからIにおろしてもいいねというのは、今後のディスカッション次第だと思います。
○松尾構成員 そうなってきますと、学生に、例えば指導だけして、あれをやっておいてくださいとなりますと、具体的行為の中では、患者さんを呼び入れて検査室まで案内するというぐらいは、現状でもそうですけれども、患者さんに検査の説明、いろいろなリスクとか、そういう話をさせるのか。
それは、一緒にやらなければいけない行為だと思いますので、先ほど北村先生がおっしゃったように、1人でやるのだけれども、学生が主体でやると。我々がすぐそばにいて、何かあったときにはすぐアドバイスできるという感じがIで、Ⅱに関しては、実習の最初からやらせるのではなくて、ある程度訓練をするので、例えば実習の最後のほうでやらせるというのは非常にいい案ではないかなと思ったのです。
○北村座長 ほかに御意見ありますか。
学生が安全にできることは、案内する以外に何かないですか。間違っても大過ないというか、そんなことはないのだけれどもね。
医者の外科ですと、最後に皮膚を縫いますね。あそこは1年生にやらせます。失敗したら、やって緩いなと思ったら、ちゃんとやればいいので、何ら安全性に問題ない。でも、はさみは学生には絶対持たせません。どこか間違って切ったら大騒ぎですし、とんでもないことになりますけれども、縫うということは後で補修がきくので。だから、そういう安全性に問題がなく、阿部先生もおっしゃったように、診療の現場ですから、幾ら教育といっても、患者の安全と診療が第一に大事ですから。
されど、学生が本物をやったという気持ちになる。縫うのも学生がしっかり縫えたら、そのまま使うのです。そうすると、学生は次の日、消毒に行ったりすると、ここを僕が縫ったのですと言って、一生懸命消毒していますから、そのモチベーションは上がりますので、そういう安全なことですね。失敗が許されるというのはおかしいですけれども、そういうことからやらせたらいいかなと思います。
ちょっと戻っていただいて、遠藤先生がおっしゃった2ページ目の単位数の表で、4単位ふえている画像診断・技術学。名称にいろいろなディスカッションがあったということで、もしよかったら御説明というか。
○遠藤構成員 私の反省点は、水準IかⅡかという議論は十分できておりませんで、この検討会でもう一度検討してくださればと思っています。
この画像診断・技術学にポツがついたのは、チーム医療の一つとして、診療放射線技師による読影補助というものが平成22年に医政局長通知がございました。読影補助の内容について、多くの議論があったところです。名称についていろいろ案がございまして、画像診断学という案もございました。画像診断技術学という案もございました。ほかの人からは、臨床解剖解析学というのがいいのではないかという案もございました。もう一つ、理学療法・作業療法士の指定規則を見ましたら、画像評価学となっております。
この画像診断・技術学という、ポツがつくのはよくないと思うのですが、これまでの話し合いで2つの団体でまとまらなかったので、妥協案としてここへ出したというのが実情です。この検討会で議論してくださって、ここで名前を決めていいということになっております。
○北村座長 まだ理解できていません。画像診断解析学とか、何が対立点なのでしょうか。
はい。
○熊代構成員 平成22年4月30日の医政局長通知に関しましては、読影補助という行為でございますけれども、診療放射線技師が、チーム医療の観点から行える行為として明文化されたことですけれども、それ以来、約8年たちまして、多くの病院でこの読影補助を推進しているところです。
その中で、放射線科医の先生方を中心に一番懸念されているのは、診療放射線技師が読影、すなわち画像診断学を学ぶことによって、勘違いするのではないか、自分たちがいかにも画像診断、読影ができるのではないかといった御意見が、この協議会の中の先生方からもございましたけれども、我々はあくまでも読影の補助、つまりチーム医療を推進する上で行っているわけですね。
例えば、危機的な画像所見であるとか、よくパニック値と申し上げますけれども、先日も当院にくも膜下出血疑いの患者が来院されたのですけれども、前に撮った技師が気づいていないのですね。上のスライス出血所見があるのですけれども、それは画像診断学を勉強していないから、当然わからないと言えばそれまでなのですけれども、そうではないと思います。読影の補助を実施する上で技師が気づかないとまずいことと思われます。幸い、その患者さんは手術が実施されましたけれども、画像診断を行う先生方にアドバイスできる診療放射線技師を養成したいという点から、我々は基本となる画像診断学を教えていただきたいと思います。
今、世の中には画像診断学の書籍がたくさんあります。そういった放射線科医の先生方がおつくりになられた書籍で基礎知識を我々技師に教えていただきたいと思います。そして、画像診断を実施される先生方にアドバイスできるような優秀な技師を今後つくっていきたいと思っています。
以上でございます。
○北村座長 はい。
○遠藤構成員 診療放射線技師と医師とは職種が違うので、同じ目線で読影を行うというのはよくないことだと思っております。診療放射線技師の役割としては、診療放射線技師の専門性を生かして、いかに読影しやすい画像を提供するか。異常所見があれば異常所見をきれいに出す、正常だったら正常のように出すというのが一番いいことだと思っております。
また、実際に教育現場としてやることを考えておりましたら、例えば心臓の冠動脈CTがございますね。冠動脈CTで血管がどのぐらい細くなっているかという材料を提供するのは、診療放射線技師で、画像の解析というのは、診療放射線技師がきれいなデータを放射線科医あるいは循環器の先生に提供するという教育をするべきではないかと思っています。
○北村座長 これに関しては、本田先生、釜萢先生、御意見ございますか。
はい。
○釜萢構成員 今のところで、画像診断における読影補助ということについては、私の認識は遠藤先生が言われたとおりで、放射線科の医師が診断をするのに最も適切な、あるいは情報が得られる読影条件とか、あるいはその画像が提示されるというところを出していただくのが放射線技師さんの役割であって、それは日々の業務の中でいろいろ見ておられるわけですから、そこからこういう情報が得られるということもおわかりになるのは当然かと思いますけれども、あくまでも診断をして患者さんに今の状況をどのように伝えるかというのは、これは医師の役割であろうと思います。
ですから、技師さんの技量によって撮影された写真の条件が非常に悪いということもあり得るわけですが、それは避けていただいて、医師が判断するのに最も適切な条件の画像を撮っていただくことが、私は放射線技師さんに一番求められている役割だろうと思います。
確かに、22年の通知によって、業務が拡大されるという御認識があるかもしれませんが、チーム医療というのは、それぞれの職種がそれぞれのやるべきことをしっかりやって、それを連携をとっていくということですから、ほかの領域に出場っていくということでは決してないので、そこはそのように御理解いただくのが適切ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○北村座長 もう一人、本田先生、いかがですか。
○本田構成員 私も全く同意見で、画像診断・技術学のところに画像診断における読影補助について学習する。この読影補助という定義そのものが、とり方によってばらばらで、技師会では1次読影と言うし、私どもの国立大学の放射線部門会議で昨年、これは診療放射線技師長、それから放射線科医等が集まっている全国の大会ですが、そこでも読影補助の定義というのを話し合いました。それで出たのが、撮影時の情報、再構成情報、画像の解析情報を、画像診断をするに当たり適切な情報を提供する。これを読影の補助と言うという定義づけをしました。
ですから、とにかく読影補助という定義を明確にしないと、混乱してくるのだろうと思います。私どもは、画像診断をする上において必要な正しい情報を提供していただくということを読影補助と理解しております。先ほどお話がありましたように、各医療機関で熟練した技師諸君が医師に対して何らかのコメントを出す。これは、それぞれの医療機関での信頼関係において行われるものであって、これを公に他の業務まで拡大するということが正しいことだとは私は思っておりません。
○北村座長 先ほど熊代先生がおっしゃったパニック値というのはどうですか。肺が縮んでいますと。早く言っていただかないと、患者さんは外来で帰ってしまう。確かに気胸ですという診断名をつけるのはまずいとは思いますが、臨床医としては、肺が縮んでいますというのに気がついたらすぐに言えよという気はします。
それは、先ほどの熊代先生のほうの肩をもってみると、検査部にいたのですけれども、パニック値というのがあるのです。血小板が2万以下だったら、とりあえず医者を呼んで、2万ですよと騒げという概念ですが、レントゲンのオーダーでもCTでも、すぐに知らせなければいけない。それを画像の質が悪いから、もう一回撮り直してと言っている場合じゃないというときに、技師が医者を呼ぶようなことがあると思うけれども、こういうものはどうですか。
○本田構成員 それは、決して妨げるものではない。そこにいる技師全員がそれができるとは思えないけれども、おかしいと技師が思ったら、すぐに医師に連絡して、そして医師が確認して、次に移るということですから、やってはいけないというわけじゃない。
○北村座長 教育に入れるというのは。
○本田構成員 あくまでも医療機関の信頼関係であるということだと思います。放射線科の専門医を取るのに、研修機関で2年、3年プラス2年で7年かかるのです。4単位でそれを補うのか。
○北村座長 何か余分なことを言ったのかも。
○熊代構成員 恐らく放射線科医の先生方が行っておられる読影という行為は、臓器別の知識あるいは画像診断学的知識を超えた、読影前後のことも把握された上で読影されていると認識しています。例えば、読影された結果がどのように反映されて、診断・治療に結びついていくか、あるいは手術に結びついていくか、あるいは検査する前に技師に明確なメッセージ、このダイナミックであれば2相だけでいいとか、きょうはこういうふうにしてくださいというコメントをされていると思います。
そういったコメントをされていく上で、我々、診療放射線技師があらかじめ気づくこともあります。当院では、先生に、この患者さんはこういった症状がありますし、前の病院の判断はこういうふうに書いていますけれども、それで、きょうはどのように撮りましょうかというアドバイスをしています。
それから、先ほどのパニック値につきましては、診療放射線技師の気づき、我々、気づきと言っているのですが、非常に功を奏している経験がたくさんございます。例えば、フォローアップの患者で、放射線科の先生方が読影される前の段階や、あるいは読影不要でオーダーされた患者さんがいます。きょうは、検査だけ受けてお帰りになる患者さんもいるわけです。そういう患者さんの中には、危機的な所見があることがあります。血栓がある、イレウスがあるといった異常所見に遭遇します。当院は、1,166床の病床数で、外来は1日約2,800人ぐらいですが、このうち、月に30人ぐらいいらっしゃいます。
そういった報告をすることによって、患者さんが自宅にお帰りになっているのを、我々が見つけて主治医の先生に連絡して患者さんに来院いただいて、また緊急手術になる事例もございます。そういったことを継承していくことが必要だということで、院内では危機的所見に関する規定が存在しており、診療放射線技師がそれを主治医に伝えなかったら、逆にペナルティーになる形になっていまして、さらにそれを伝えたことをカルテにまで記載しております。これは、医療安全上、非常に有効だということで、当院では推進しているところでございます。
○北村座長 松尾先生のところでは、このパニック値とか、どうですか。
○松尾構成員 パニック値といいますか、先ほどからおっしゃられているように、明らかに異常がありそうなものに関しては、すぐに放射線科の医者に相談して、依頼科のほうに返すようにしております。
先ほどから議論になっているのは、いいデータを提供してもらえばいいということですけれども、いいデータを提供するためには、その画像からどういうふうな診断というか、病態が疑われるのかということもしっかりわかっていないと、ただ単に何なのかの判断だけではなかなか難しいところもあると思いますので、どういう画像を提供すればいいかという学問を勉強させてあげたいなと私は思います。どういう画像がいいかどうかというのは、診療画像技術学とか、そういう学問がありますので、そちらで十分補えるのではないかなと私は思っています。
○北村座長 西山先生、教えるほうとしてどうですか。
○西山構成員 私も臨床を経験して、教育経験もあるのですけれども、教育現場から臨床を振り返ってみるといろいろな反省点があって、学生にはこういうふうに、こんなことを教えないと将来の医療を支えられないなということが多々あります。
その中の一つが、画像診断の病的なものの知識が非常に重要だと思っています。診療放射線技師、技師法が昭和26年にできて、そのときの技師教育の内容は、機械の安全とか被ばくとか、そういったものが主だったのです。それが随分何年も続いてきて、診療放射線技師法が改正されて、そして平成12年に大綱化された。そのときに、今までの器具・機械を中心とした診療放射線技師から、医学的な内容がもっとふえた教育内容に変換されたのです。医学的な教育もふえたのですけれども、今、考えると、もっとふえてもいいのかなと思います。
平成12年から既に18年ぐらいたっていますので、医学的な教育を中心として、その医学的な教育というのは、解剖学、病理学、病態学も含めて、その画像を撮ったときにどういったものが見えるのか。その先、医師がどういう判断をするのかというところも予想しながら写真を撮ってもらいたいなと思います。ですから、医学的な知識を学生に教えることで、放射線科医が画像診断の役に立って、それがまた放射線科医のお医者さんがいらっしゃらない施設もたくさんありますので、そういったところでも診療放射線技師が役に立てるような画像をぜひ撮ってもらいたいと思っています。
○北村座長 ありがとうございます。
この単位数あるいは名称、また議論になると思いますが、先生方が思っていらっしゃることは、大体同じと私は理解しました。放射線技師の人は、資格がある、ないにしても、ある程度のことは読めていないと、いい画像か悪い画像かの判断もできない。ただ、医療職というか、医師職の診断はもちろんできないということは間違いないことです。それをしっかり補助するというのは大事なので、教育のほうでは病気も学んでもいいのではないかという理解だと思います。
はい。
○井上構成員 今、西山先生がおっしゃったことはごもっともだと思いますが、そこでつけ加えるべきは、疾患各論をきちんとやるべきである。そうすると、専門基礎分野の人体の構造と機能及び疾病の成り立ちの充実。ここは非常に漠然としていて、学校によってやっていることが全然違っていると思います。現実のしつらえ等ではかなり制約がある。非常に浅いものしか学ばせない。疾患をまず勉強していなくて、診断も何もない。
一方、診療画像技術学のところには、ちゃんと結果の解析と評価ということがあります。恐らく、実際にいろいろな疾患について、典型画像等も勉強していると思うのです。教育していると思います。この2つの充実のほうが正攻法なのだと思うのですが、この新科目で4単位という限られた中で何をやるのか、イメージできません。
○北村座長 遠藤先生、何か御意見ありますか。
○遠藤構成員 名称は非常にもめました。何を学ぶかというのですけれども、正常像、典型的な救急画像は学んでいたほうがいいと思います。
ただ、議論になっている「画像診断・技術学」4単位といいますと、常勤の教員が教育することが望ましいのですけれども、実際に常勤の画像診断の専門医がどれだけ勤務しているかといいますと、国立大学には何人かいるのですが、専門学校にはゼロです。私立大学も、私が知っている限り、数人です。実際の教育は非常勤の講師ばかりになるのです。そのような中で、画像診断学を4単位も学ぶというのは矛盾があるのではないかという気がしております。
なるべくなら診療放射線技師が教育してほしいという、私の希望ですけれども、診療放射線技師が教育するとすれば、名前としては画像診断学よりも画像診断技術学か、画像解析学、画像評価学という名前のほうがいいのではないかというのが1つ目の理由です。
2つ目の理由は、画像診断学を学んでいるから、診療放射線技師は画像診断ができるのではないかと世間の人が誤解するのではないかという気がしております。それで、画像診断学という名前は、望ましくないと、述べたわけです。
○北村座長 後半のほうはわかりませんけれども、前半のほうは、この業務拡大の話があるとかなりあります。要するに、今までやっていないことをふやすわけです。そうすると、今までの技師さんがそれを習っていないですから教えられない。そうすると、医師あたりが教えなければいけないけれども、そんなに学校に来られないわけで、新しい業務を誰が教えるのかというのが、どこの業種でもそうですね。看護師が採血するといったら、看護師は今まで採血していなかったので、誰が教えるのですかということになりましたし、新しい業務がふえるたびに、誰が教えるかというのが一番の問題になってくると思います。また、これも教員のこととも兼ねて考える必要があると思います。
2つ目、これが入ったからといって、世間一般の人は技師さんが読影できるとは思わないと思いますけれども、紛らわしいといえば紛らわしいかもしれない。
ほかに御意見ありますでしょうか。
あと、検討してほしいこととして、専任教員の要件についてということですが、いかがですか。学校側から今の提案。
○釜萢構成員 先生、済みません、先ほどの件ですが。今回の検討は、新たに診療放射線技師の方が資格を取っていただくのに当たって、必要なカリキュラムの検討ですから、診療放射線技師になられて、ずっと経験を積まれた方がいろいろなことができるというのは、それは当然なのですけれども、まず検討すべきは、試験を受ける時点でのレベルがどうかという話なので、むしろそこに絞って議論したほうがよいかなと思います。
その中で、先ほども申しましたけれども、それぞれの医療関係職種というのは本来の業務があって、これをやっていかなければいけない、最低、この部分は押さえなければいけないというものがあって、その点からすると、診療放射線技師の方が放射線の診断学までやるにはとても時間がないです。
それは無理な話なので、時代の要請を受けて、以前に比べてカリキュラムを広げていくという作業が今、続いていて、今回もその一環ですけれども、本来のそれぞれの職種が持っている業務が何なのかということをしっかり踏まえた上で線引きをしていく必要があって、それが医療安全にしっかりつながる、国民に対する一番責任の果たせる対応ではないかと思っておりますので、私はそのような意見を申し述べます。
○北村座長 ありがとうございます。
もちろん、ここで放射線技師の業務の範囲を決めるということは到底あり得ない。これは、学校の教育を決めることでありますので、釜萢先生がおっしゃったとおりです。
教員のことに行く前に、実習は水準I、Ⅱ、Ⅲで少し議論がありましたけれども、実習に関して何かほかに議論とか、まな板に上げておくべき話はありますでしょうか。
はい。
○遠藤構成員 臨床実習の1単位の時間です。現行は1単位45時間になっています。理学療法士・作業療法士の検討会でも議論になっていて、1単位が40時間となっています。診療放射線技師の場合も同じような問題があるもので、40時間プラスアルファのほうが望ましいのではないかと思います。
○北村座長 今、働き方改革でも8時間の5日で、5掛ける8は40で1週間と考えるのですかね。45時間だと1週間ではできない感じですか。
○佐生医事専門官 この前に検討しました理学療法士・作業療法士の臨床実習は、臨床実習の病院から学生に対して結構課題が出されるということで、学生が自宅に持って帰って課題をやっているという問題もあったものですから、臨床実習45時間から40時間にしまして、40時間以上で、自宅に持って帰ってやる課題も含めて45時間までにしてくださいという改正をしようということでした。
○北村座長 割と横並びでもよさそうな感じですね。
○遠藤構成員 結構です。
○北村座長 ちょうど1週間、1単位ということで。そうすると、臨床実習が12週間、3カ月。
はい。
○西山構成員 今までの45時間を40時間にするということは、文科省のほうでも大丈夫なのでしょうか。
○平尾文部科学省医療技術係・薬学教育係長 文部科学省のほうで、大学・短期大学につきましては、設置基準のほうで実習については30から45時間の範囲で学校で決められることになっていまして、既に45時間ではなく、40時間等で実際にやっている学校はあります。
○北村座長 ありがとうございました。
あと、細かいことですが、エコーとかレントゲンを撮るにしても、女性の患者は女性の技師にやってほしい。そうすると、男性の学生が実習できる範囲が限られるとか、そういうことはないのですか。
はい。
○松尾構成員 慈恵の場合を考えますと、女性の患者さんの超音波の検査には女性が対応しておりますけれども、学生の場合は、患者さんにちゃんと説明して同意を得てからやっていますけれども、教育ということなので、男性・女性、関係なく見せていただきますというお話をして、中には女性じゃないと、という方には女性という感じにしております。治療の場合は、どうしても女性の技師がいいという場合は女性の技師で対応しておりますけれども、学生の場合は、同じような感じで、患者さんに同意を求めて、男性・女性に限らずやっております。
○北村座長 マンモもですか。
○松尾構成員 マンモグラフィーに関しても一応そうですね。学生は教育ということで患者さんに説明していますけれども、それも患者さんがいいですよと言えば対応していますけれども、嫌だと言う場合にはやっておりません。
○北村座長 放射線の実習で、シミュレーターというのはどれぐらい導入されているのですか。
はい。
○阿部構成員 先生がおっしゃっているのはX線シミュレーターですか、CTシミュレーターですか。
○北村座長 どっちかというとX線。
○井上構成員 模型の話ですか。
○北村座長 模型で。
○阿部構成員 私は、国立がん研究センターで実際やっているところでは、人体模型等々で行っているというのは、何年か前に業務拡大で、抜針とか直腸への挿入というのは、モデルを借りてきて使っていますけれども、臨床側の施設でそういう模型を持っているというところ。マンモや何かの診断のほうでは、そういった機械で行っているところはありますけれども、学生にメーンでそういうものを使っているかどうか、うちではわからないです。
○北村座長 はい。
○遠藤構成員 「ファントム」と言っていますけれども、ファントムはたくさんありまして、大変役立ちます。学生同士ではX線照射できないものですから、CTにせよ、MRIにせよ、単純撮影にせよ、ファントムを使っての実習は、学生教育には非常に役立つと思っております。
○北村座長 そういうものの規定などももし必要であれば、機器には書いてありましたけれども、ファントムは必須の機器ですか。要するに、実習は参加型がいいのですが、かといって、何も知らない学生がぽんと患者が初めてですというのは危なくて仕方がないので、シミュレーターとかファントムなどを使うべきかなと思います。
○阿部構成員 実際に実務というところもあるのですけれども、私、放射線治療のほうの分野なものですから、放射線治療、先ほど男女別の患者さんと男女の学生というところもあるのですが、治療の場合、全ての患者さんに、男であろうが、女であろうが、学生がつきますよというのは全て許可をとって、本当に1%いるか、いないかの患者さんで、男であろうが、女であろうが、照射をする技師以外の人間が入ってこられるのは嫌だという方はいらっしゃいます。
その場合には、その担当の技師もなるべく変わらないようにという配慮はいたしますが、それ以外の患者さんは、担当する技師が女性じゃなければ嫌だという患者さんは非常に少ないですし、ちゃんとした治療をやってくれれば、男だろうが、女だろうが変わらない。むしろ、一部の方は、力があるから男性のほうが安心できるという方もいますし、そういった患者さんの声なり信頼を、現場のほうでちゃんと診てもらうとか、患者さんと人間味を持ったコネクションがちゃんととれるというところも、学生の臨床実習にとっては非常に大切だと思いますので、ファントム云々ということよりは、患者さんと生の触れ合いをすることが大切かなと思っています。
○北村座長 ありがとうございます。
はい。
○西山構成員 今の人体ファントムのことですが、今、遠藤先生がおっしゃったように、各学校には必ず備えつけてあって、しかも量が少ないのです。個数が少ないのです。例えば、後ほどまた議論になると思いますけれども、資料3の15ページの真ん中あたりに、人体ファントム(撮影用)、ここでは2式と書いてあって、学生20人に対して2式、最低限の個数だと思いますけれどもね。これは、実際に教育をやっていると個数が足りないのです。最低限だから、2式じゃなくて、4式でも5式でも。でも、こうやって規定されると、経営者は2式あればいいだろうとなる。これも、また後で議論していただきたい。
学校の中では、こうやって人体ファントムを使って、撮影の訓練、撮影条件とか、いろいろ授業の中で使っていますので、これと関連させて、臨床に行ったときにどういうリンクをさせるかということも、一つの問題かなと思います。
○北村座長 また検討させていただいて。
もう一つ、遠藤先生の御説明で、学生が基本的な能力があることを担保するために、協議会のほうで、OSCEを含め、何らかの試験を考えているということでしたが、我々が今、考えているのが、31年にやられて、33年の入学生から適用されると、その学生が実習に行くのが平成35年くらいですか。平成じゃないと思うけれども、35年くらいになるので、33年の入学生にはその試験が実施されるという理解でよろしいのですか。
○遠藤構成員 そのように考えております。実際、一部の学校ではOSCEがもう始まっておりますし、私どもの学校でも、来年2月には始めて、それに合格した学生を臨床実習に出す予定でおります。
○北村座長 そうすると、CBTとOSCE、2つですね。
○遠藤構成員 正式なCBTはちょっと無理じゃないかと思いますけれども、学内で何らかの学力試験をする。OSCEのほうは、新しい指定規則になったときには、全国統一の評価方法になるように、施設協議会で検討しなければいけないと思っております。
○北村座長 そうすると、トライアルが2年とか3年必要ですね。
○遠藤構成員 そうだと思います。既に始まっているところもありますし、今からOSCEを始める学校も多いものですから。
○北村座長 そういうインフォメーションを出していただくと、学校側も33年入学者から正式実施と思って準備できますかね。
○遠藤構成員 ことし6月に全国の施設協議会総会があるものですから、そこで議論するべく準備しております。
○北村座長 よろしくお願いいたします。
これに関して、異議とか御意見とかありますか。かなり準備が整えられている。
そうしたら、教員の要件について、お話しして終わりにしたいと思いますが、どうでしょうか。
5年の経験といったら、多くの指導資格がある方があると思いますし、講習会も十分行われていますから、大丈夫ですね。これを決めた途端に指導者がいないということになったら困る。よろしいですか。
では、エリア、何も関係なく、御意見、御質問等あったら、どうぞ御自由に。十分に時間はあります。
どうぞ。
○西山構成員 今の教員の人数のことですけれども、幾つか案があると思いますけれども、あくまでも最低限の人数だと思います。専門学校にしても、また大学にしても、6人、7人でやれるわけがないので、そういう最低限の人数の中で、できれば診療放射線技師の専門家を多く、また放射線科医を入れていただくとか、そういったことで最低限の人数を確保していただければと思います。
○北村座長 まさに最低限の人数ですから、これがあればすばらしい教育だというわけではないと思います。
○西山構成員 ただ、その最低限の人数を上げていただければ。大学などは15人というところがあるので、それはそれでいいですけれども、専門学校を見ると、私も専門学校にいたので、最低限でやりなさいというと、昔は4人とか5人とか、なかなかきつかった記憶があるものですから、最低の人数を上げていただければ。
○北村座長 ありがとうございます。
学校ではMRIは買わなくてもいいのですか。CTだけ。
○遠藤構成員 いかがでしょうか。専門学校のほうが。
○金高構成員 MRIに関しては、学校ではランニング等がありまして厳しい。CTも今度必須になるのですけれども、養成校の中で1校だけCTがないところがありまして、自衛隊さんですけれども、学校にはないので、自治体の病院のほうへ行って、そちらで実習等をしているという形で聞いています。
もう一つ、ちょっと話がずれるのですけれども、僕は兵庫ですけれども、関東の先生方は、男性・女性、関係なしにマンモの実習を見せていると言いましたけれども、昨年度も臨床実習指導者、20施設以上の方が来られたのですけれども、兵庫・大阪近辺では、女性のマンモグラフィーに対しては男性学生は一切つけていないという形で、男性は見られない。見られないですから、学生の男の子は学内での勉強だけにとどまりますからという形で、僕らの地域のほうでは学生に指導しているという状況。臨床実習で学生だからといって、男の子にマンモとか超音波とか、見る機会が少ない現状ではあります。
○北村座長 ありがとうございます。
機械で高いのはCTとMRIだけですね。ほかは。
○金高構成員 でも、CTも最近、中古だと下がってきています。
○北村座長 治療のほうは、特に機械は本物でなくていいわけですね。
○遠藤構成員 ひとつは治療装置は非常に高価なもので、何億円というお金がかかるのです。
2つ目は、診療放射線技師が卒業して仕事の9割が単純撮影、CT、MRIで、放射線治療に携わる技師はどっちかというと少ないものですから、どうしてもCT、MRIと単純撮影がメーンになるのが実情です。
○北村座長 はい。
○阿部構成員 確かに遠藤先生、おっしゃるとおりですが、放射線治療の今のチーム医療の在り方を見ていますと、専門医の先生方が非常に少ない割には、装置がかなり運用されているという現実がありまして、私たちも大学等々とちょっと話をしているのが、発生装置は無理でしょう。ただし、CTがあって、ファントムがあったら、治療計画装置ですとかなり手ごろに買えまして、そういう経験などをさせておいて。あるいは、現在、MRとかCTとか、いろいろな画像をうまく重ね合わせるとか、フュージョンさせてということ。
それから、画像自体の転送なり、画像の安全性なりというところも、現在は非常に必要ですので、そういったデータの取り扱いというところでは、治療計画装置を入れていただければ、今後、技師の将来には非常に役に立つのかなというお話をした覚えはあります。
○北村座長 ついでですが、核物質をつくったり、前立腺で打ち込むのもあったりするけれども、そういうものも実習でやるのですか。
○阿部構成員 あれ(RI)は、全部使用許可を取った場所でないとできませんので、恐らく大学では不可能だと思います。そういう許可を取って扱っておられる大学はないですね。
ただ、前立腺のシードの場合、メーカーさんに言うと、ダミー線源とダミーのファントムがあって、位置の配置というのはドクターサイドでできるのです。ああいうものを使ってCTとかを撮って、先ほどの治療計画等々に使うとか、そういったことは可能ですので、そういった意味ではそちらのほうも同じようなことはできるだろうと思います。
○北村座長 PETの薬品などは全部買うものですから、自分の病院で調製するものはないのですか。全然知らなくて済みません。
○遠藤構成員 PETは、放射線技師学校ではやっていないと思います。病院実習では携わるのですけれども、学校でやっているところはないと思います。
○北村座長 ほかにどうですか。
重粒子線は絶対ないですものね。
いろいろこの分野も発展して、どれだけが学生に教えるべきことかというのはもちろん難しい。何でも教えればいいというものでもないと思います。
きょうの議論をまとめていただいて、これからの議論に反映させていただきたいと思います。事務のほう、よろしくお願いいたします。きょうは、まな板に話をのせる段階で終わりということになりますが、最後に何か御意見とかありますでしょうか。
では、次回の日程等について、事務局からよろしくお願いします。
○佐生医事専門官 次回の日程等につきましては、構成員の皆様方に改めて御案内いたしたいと思います。
○北村座長 では、本日はこれで終わりにしたいと思います。
本当にどうもありがとうございました。

 

(了)
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