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2017年5月23日 平成29年度第1回血液事業部会運営委員会議事録

医薬・生活衛生局血液対策課

○日時

平成29年5月23日(火)
17:00~19:00


○場所

新橋会議室8階 8E会議室
(港区新橋2-12-15 田中田村町ビル)


○出席者

出席委員:(6名)五十音順、敬称略、◎委員長

大平 勝美 岡田 義昭 ◎田野崎 隆二 花井 十伍
室井 一男 山口 照英

日本赤十字社:

佐竹 正博 豊田 九朗 飯田 俊二 平 力造
中西 英夫 千葉 広一

事務局:

一瀬 篤(血液対策課長) 山本 匠(血液対策課長補佐)
菓子野 慧(血液対策課長補佐) 三浦 勲(血液対策課需給専門官)

○議題

・感染症定期報告について
・血液製剤に関する報告事項について
・「献血血液の研究開発等での使用に関する指針」の一部改正案について
・血液事業の実態に関する調査報告について
・血液製剤等の輸出規制のあり方について
・その他

○議事

 

○山本匠血液対策課課長補佐 それでは、定刻となりましたので、「平成29年度第1回血液事業部会運営委員会」を開催いたします。

 なお、本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。

 本日の出席状況ですが、山口委員におかれましては、所用により到着がおくれるとの連絡をいただいています。

 現在、運営委員会委員6名中5名の委員に御出席いただいていることを御報告いたします。

 本日は、日本赤十字社血液事業本部より、佐竹正博血液事業経営会議委員、豊田九朗技術部参事監、飯田俊二技術部次長、平力造技術部安全管理課長、以上4名に参加いただいています。

 また、事務局で異動がありましたので、御報告いたします。

 血液対策課課長補佐の菓子野です。

 血液対策課需給専門官の三浦です。

 血液対策課課長補佐の山本です。よろしくお願いします。

 以上、事務局からの報告とさせていただきます。

 カメラの頭撮りは、ここまででお願いいたします。

(報道関係者退室)

○山本匠血液対策課課長補佐 それでは、以降の進行を田野崎委員長にお願いいたします。

○田野崎委員長 事務局から審議参加に関する遵守事項について報告をお願いいたします。

○山本匠血液対策課課長補佐 本日、出席いただいた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金等の受け取り状況を報告いたします。

 本日の検討事項に関して「薬事分科会審議参加規程」に基づいて利益相反の確認を行いましたところ、議題3に関して、岡田委員が関連企業より一定額の寄附金・契約金等の受け取りの申告がなされておりますので、岡田委員におかれましては議題3の検討に当たっては、意見を述べることはできますが、議決には参加いただけないこととなります。

○田野崎委員長 ただいまの説明につきまして、御意見・御質問はございますか。

 特になければ、競合品目・競合企業の妥当性を含めて御了解いただいたものとさせていただきます。

 それでは、議題に入る前に、事務局から資料の確認と前回の議事録について御説明をお願いします。

○山本匠血液対策課課長補佐 事務局から資料の確認をさせていただきます。資料は1~6まであります。

 資料1-1、感染症定期報告(研究報告概要一覧表及び個別症例報告概要)です。合計で9ページあります。

 資料1-2、感染症定期報告(研究報告詳細版)です。こちらは41ページまであります。

 資料2-1、供血者からの遡及調査の進捗状況についてです。合計で7ページあります。

 資料2-2、血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等についてです。こちらは計11ページあります。

 資料3-1、「献血血液の研究開発等での使用に関する指針」の一部改正案について(概要)です。こちらは1ページです。

 資料3-2、「献血血液の研究開発等での使用に関する指針」の改正案です。合計で10ページあります。その後に新旧対照表をつけております。

 資料4、平成28年度諸外国における献血血液の安全対策調査報告概要です。こちらは合計6ページあります。

 資料5、血液製剤等の輸出規制のあり方に係る検討の視点です。1枚めくっていただいて大平委員の意見書があります。

 資料6、フィブリノゲン納入先医療機関の調査結果についてです。こちらは1ページとなります。

 机上配付資料として、ユーロサーベイランスによる文献を配付しております。

 資料1-2ですが、傍聴者への配付はしておりません。

 以上です。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、議題1「感染症定期報告について」、事務局から説明をお願いします。

○山本匠血液対策課課長補佐 それでは、資料1-1の3ページをごらんください。平成29年2~3月までに報告された感染症定期報告のうち、文献資料の概要です。合計で7件報告されており、その詳細は資料1-2にあります。

 それでは、資料1-1の概要を説明します。

 文献番号1は、E型肝炎についてです。日本国内の心・腎移植患者におけるE型肝炎ウイルス感染の全国実施調査の中間報告です。アンケート調査と患者血漿を用いてHEV抗体検査及びHEV-RNA検査を実施しております。IgG陽性率は914例中41例で4.5%でした。HEV-RNA陽性率は443例中1例で0.2%でした。

 山口委員より、「心・腎移植患者におけるHEV実施調査、免疫抑制状態の患者ではHEVが慢性肝炎を引き起こすリスクが高いことが示された。学会発表などで詳しいことは不明であるが、ユーロサーベイランスの情報もあわせて考えれば、早急に臓器移植患者への血液製剤のHEV安全性対策をする時期に来ていると考えられます」とコメントをいただいております。

 続いて、文献番号2~4は、ジカウイルスについてです。

 文献2は、米国におけるジカウイルスによる免疫不全状態でなくても劇症型を発症し、死亡に至った73歳の男性の症例と、その症例の汗か涙からの二次感染が疑われた38歳男性の症例についてです。こちらの報告に関して山口委員より、「高いバイレミアが起こっている患者では、汗や涙液にもウイルスが存在している可能性が示唆されています。SARSでも汗にウイルスが存在している可能性が示唆されており、ジカウイルスのアウトブレークが起きた場合には、蚊や性交渉というこれまでの感染ルートとは異なる伝播が懸念される。問診でもこの点は考慮する必要があるのでは」とコメントをいただいております。

 続いて、文献番号3です。こちらはジカウイルスに感染した症例の血漿、全血、唾液、膣粘膜のスワブを発症後11週以上採取した症例報告です。血清では発症後8日までジカウイルスRNAを認めましたが、全血では発症後81日目までジカウイルスのRNAを認めました。ウイルス分離を行い細胞培養検査を行ったところ、発症後14日目ではウイルス力価は評価できましたが、発症後64日目では認められませんでした。

 続いて、文献番号4は、ジカウイルスで死亡した小頭症の乳児の脳組織と、胎盤より検出したCDCよりの報告です。ジカウイルス感染後7カ月経過した胎盤及び胎児の脳にジカウイルスのRNAの存在を見出しております。さらに、出生後2カ月で死亡した小頭症の乳児におけるウイルス複製のエビデンスも示されました。妊娠初期のジカウイルス感染は危険性が高いことが示されております。

 続いて、文献番号5です。こちらはセントルイス脳炎と確認されたアリゾナ州の腎移植症例の感染経路の調査報告です。こらちは初の輸血関連のセントルイス感染が疑われた症例です。

 続いて、文献番号6は鳥インフルエンザについてです。CDCより中国での2015年9月から2016年8月までの4度目の流行に関する報告です。家禽からA型インフルエンザウイルスの感染力の増加、環境からヒトへの暴露、持続したヒト-ヒト感染のエビデンスは示されませんでした。

 続いて、文献番号7は、バベシア症についてです。2012年6月より2014年9月に米国で供血献体のバベシアミクロッティのスクリーニングとして、抗体を検出する蛍光免疫アレイ法とPCRを行った報告です。8万9,153検体を調査して335検体、0.38%が少なくとも一方で陽性でした。

 以上です。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 今回2ヶ月で少し量が少なかったと思いますが、先生方何かコメントなどをお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。

 室井委員どうぞ。

○室井委員 岡田委員にお聞きしたいのですけれども、鳥インフルエンザの流行は4回流行があって、2月にピークの山があるのですが、これはどのような理由が考えられますか。○岡田委員 インフルエンザが人にうつるときには、乾燥しているという条件もあるんです。水蒸気があるとウイルスはあまり拡散しません。乾燥していると、ウイルスが拡散しやすかったり、寒いので暖房して人が密集したりという理由も考えられると思います。

 ただ、乾燥しているだけでは説明できないのもあって、例えば、10年ぐらい前に豚の新型が日本で流行したときは5月ですので、必ずしも2月ということは言えないと思いますが、ウイルスからすれば乾燥しているというのが拡散しやすい理由の1つだと思います。

○室井委員 鳥インフルエンザも2月ごろ流行していて、それが人にうつるというので2月にヒト感染のピークがあると考えてよろしいのでしょうか。

○岡田委員 それはわかりません。

○室井委員 あとは、流行の地域というのも論文には書いていなかったような気がするのですけれども、特別に地域というのはおわかりになるのですか。ちょっとわからないかもしれませんけれども、このウイルスは将来パンデミックになる可能性があると書いてあるので、大変要注意なウイルスかと思って論文を読んだので、中国のどのあたりで流行したのか興味を持ったものですから。もし、後でおわかりになれば教えてください。

 以上です。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 ほかはございますか。岡田委員どうぞ。

○岡田委員 新種のインフルエンザができるのは、人と鳥と豚が共存している地域で大体起こるんです。そうなると、中国だと南のほうの地域が一番考えられます。

 日本ですと鶏肉というのは解体された、冷やされた状態で流通しますけれども、そういう冷凍施設がないようなところは生きたまま移動しますので、そうすると、その鶏がインフルエンザに感染していれば、かなり人と接してしまうということで感染しやすいということは考えられます。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 ほかはいかがでしょうか。岡田委員どうぞ。

○岡田委員 腎移植患者のE型肝炎の感染ですけれども、全国に医療施設があるので、どこが陽性が高いかというのはわからないのですけれども、例えば、IgGの陽性率4.5%といっても、たしか関東の献血者のE型肝炎の抗体陽性率は8%ぐらいあるので、必ずしも腎移植患者さんに特に高いというのは、これだけのデータでは言えないのと、あとは、何パーセントぐらいの方が輸血を受けているかは見てもわからないので、これだけでなかなか言えないのですけれども、1つは肝機能異常があった場合にE型肝炎の感染を考えるのが必要だと、この人たちはそう言っているのですけれども、そういうものが必要だと思います。

 それから、2番目のジカウイルスですけれども、バイレミアの期間は短いのですが、そのときには涙からもたしかウイルスは検出されます。それが必ずしも感染性を持っているかどうかはわかりませんけれども、極端にウイルス血症が高いような場合には、見えないような傷があったりすると、この例のように感染することがあるのではないかと思います。

 それから、3番と4番ですけれども、ジカウイルスは血中からは大体10日ぐらいで消えてしまうし、あとは中和抗体が出てくるのですけれども、違う論文ですと中枢神経やリンパ節にかなり長期間存在するようです。ですので、血液の安全性もそうですけれども、例えば、臓器移植やジカウイルスに感染した人が何カ月かたって、実際に臓器移植に提供したりとか、骨髄を提供したりしたときに、移植した臓器の中に本当にウイルスがいるかいないかは、これから問題になるのかなと思っております。

 以上です。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 あと、E型肝炎に関しましては机上配付の参考資料などもありまして、各国の状況などが書かれていますが、E型肝炎についての情報はまたリポートがあると思いますが、日本赤十字社において何か新しい動きがございましたら、御報告いただければと思います。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 大きな状況は特に変わっておりませんけれども、選択肢としまして、慢性化のリスクのある患者さんへセレクティブにNATをした血液を供給する方法、それから、ユニバーサルに全ての血液についてスクリーニングする方法の現実的な問題を検討していて、現在それを感染症研究所、厚労省と話を詰めているところです。

 それから、どれが実際に可能かということにつきましても、試薬のメーカー等とも検討を重ねています。それは少しずつ進めてきております。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。

 岡田委員どうぞ。

○岡田委員 この論文で一番の注目する点は、オランダでスクリーニングを開始すると、今までオランダは非常に多いのでやらないと言っていたのが、急に方向転換されているのが大きいのですけれども、コストはもちろんかかりますが、そんな無茶な状態ではないということが書いてあるようなペーパーが出たりして、試験も導入やむなしかなという論文が出ているので、こういう結果に方向転換したのかなと思うのですけれども、試薬ですが、実際ヨーロッパで使用している試薬の情報はあるでしょうか。

 例えば、今3つのウイルスあります。BCIは1つの試薬で検出していますけれども、そこに例えばEを加えた4つの試薬が出始めているとか、そういう情報はないでしょうか。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 ヨーロッパのほうでは、コンビネーションの試薬の4つというのは聞いておりません。向こうでそのような必要性の話が出ているということは我々は全然聞いていないです。

○岡田委員 ヨーロッパの背景としては、この論文の3ページにありますけれども、非常に幹細胞移植とか臓器移植の患者さんがいるので、その人たちにセレクティブスクリーニングをするためには、かなりの量をスクリーニングしなくてはいけないということで、コントロールするための煩雑さなどを考えると、全面的にやっても余り変わらないのではないかというのは結構書かれているのですけれども、圧倒的に血液を使う診療科は血液内科ですが、実際日本でもかなりの患者さんがいます。そうなると、例えば日本でも、セレクティブと言っても実際はかなりの血液をやらなければいけない。そうすると、流通とか管理を考えると、全面的にやらざるを得ないのかなというのは思うのですけれども、その辺は日本赤十字社はどうお考えでしょうか。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 おっしゃるとおり、その辺も含めて。一番難しいのは、本当に正確にやるときにどのくらいの患者さんが必要になるか。一応我々は考えることは考えていますけれども、イギリスが全くそれに当てはまらなくて、どんどんふえてきてユニバーサルにならざるを得ないといったことがあって、実際にふたを開けるとどのくらいの陽性があるかというのは予測がかなり難しいです。ですので、今、岡田委員が言われた方策のユニバーサルも当然我々も考えております。そのためのテクノロジーもいろいろ検討しているところです。

○田野崎委員長 室井委員どうぞ。

○室井委員 今のこの表で、HEVの輸血感染症のことが載っているのですけれども、レポートがない国は、例えばデンマークとかギリシャ、アイルランド、イタリアがあります。これは実はあるけれども、検査をしていないから見過ごされていると考えるのでしょうか。それとも、実際に少ないのでしょうか。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 全くの推定ですけれども、これは多かれ少なかれどこでも起こっていることだろうとは思います。

○室井委員 検査していないけれども本当はあるんだと。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 検査以前に、そういうことをやろうと思うか、思わないかというところかと思います。

○室井委員 そういう事例はないにもかかわらず、そういう検査をしろというのは結構あるみたいなので、結構前向きに考えているのだなと思いました。

 あと、もう一点は、この論文を読んでいてディスカッションに、HEVの感染を予防するためには母集団の経口感染を防ぐことが重要だと書いてあるんです。たしか日本でも前、厚労省で食肉か何かの生の規制をされたと思いますけれども、ああいうものが実際、人口集団のHEV感染の予防に結びついたかどうかという検証が将来要るのではないかと思って質問します。母集団のHEV感染を減らせば、多分、輸血による感染も減ってくるのではないかと論文に書いてあるんです。

○山本匠血液対策課課長補佐 担当課とも協議して考えさせていただきます。

○田野崎委員長 E型肝炎に関しましても、引き続きいろいろ御検討いただければと思います。

 それでは、厚生労働省におかれましても、今後とも引き続き、感染症の定期報告の収集等をお願いいたします。

 議題2に移らせていただきます。「血液製剤に関する報告事項について」になります。遡及調査の進捗状況や副作用感染症報告の状況、これまで報告された事例のその後の状況につきまして、事務局から御説明をお願いします。

○山本匠血液対策課課長補佐 それでは、資料2-1の説明をします。

 3ページをごらんください。供血者から始まる遡及調査の実施状況になります。表の右端が平成28年4月1日より平成29年3月30日までのものです。調査対象になった献血件数が3,195件、輸血用血液製剤が3,606本あり、医療機関に情報提供を行った本数は3,123本です。

()のマル1には平成26年8月からスクリーニングで個別NATが導入されていますが、そのスクリーニングをプールNATで行っていたときの検体が遡及調査対象となった場合に、個別NATを行い陽性になった件数を載せております。合計11例があり、平成28年度は受血者の陽転事例はありませんでした。

 次に、資料2-2に移ります。「血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等について」です。

 1ページです。平成29年2~3月の感染症報告事例のまとめについてです。報告があったのは輸血用血液製剤で15件です。内訳としてHBVが4件、HCVが4件、HIVは0件でした。HEVが1件、サイトメガロが1件、細菌等が5件ありました。

 5の()の細菌等感染報告事例ですが、無菌性試験で陽性になったものが1件ありました。

HBVHCV感染症報告事例において、保管検体の個別NATが陽性になった症例はありませんでした。

 濃厚血小板製剤よりラクトコッカスが検出されたものが1例あり、後ほど詳細は報告いたします。

 2ページをごらんください。報告のあった症例で、細菌等で5件のうち2件が死亡例でした。2ページが1例目です。

 大動脈基部置換術後の70歳の患者です。術後1日目に血腫除去術を受けており、照射濃厚血小板を10単位、計2本投与されております。術後6日目に敗血症による多臓器不全にて死亡しております。

 該当患者の血液培養より緑膿菌が認められており、今回被疑薬となった血小板製剤の1本と同一採血番号の血漿で、無菌試験は適合でした。また、残りの1本の血小板製剤と同一採血番号から分割した血小板製剤は、他の医療機関で使用されており、その受血者は細菌感染を疑う症状はありませんでした。

 3の()担当医のコメントでは、副作用、感染症と輸血用血液との因果関係はないと考えるとコメントをいただいております。

 3ページです。死亡症例のもう一例です。こちらは、骨髄異形成症候群、慢性骨髄単球性白血病、免疫性血小板減少性紫斑病、肝硬変、ヘモクロマトーシスのある70代の患者です。

 プレドニゾロンを内服しており、輸血依存状態でした。

 平成29年3月に、血小板減少症、貧血に対して濃厚血小板液10単位と照射赤血球液2単位を投与された後、帰宅しております。

 その後39℃台の発熱があり、再度来院されており、白血球の増加、炎症反応の上昇があり、腹水の貯留も認めて、細菌感染症の疑いで入院・加療となっております。その際、血液培養と尿培養を提出しております。

 入院後に状態が悪化して、呼吸停止、心肺停止状態となり、輸血終了後2日目、骨髄異形成症候群、慢性骨髄単球性白血病、敗血症性ショックにて死亡しております。

 患者の血液培養及び中間尿の培養は陰性でした。

 3の()投与された製剤についてですが、当該輸血用血液製剤と同時に製造した製剤の無菌試験は陰性でした。

 続いて、5ページです。HEVの症例についてです。A3の2ページ目、一番上の症例です。こちらは60代の血液腫瘍の患者さんで輸血を受けている方です。肝酵素の上昇があり、検査したところHEV-RNAが陽性となっております。

 本症例に投与された血小板製剤の保管検体で、HEV-RNAが陽性となっております。本症例と保管検体より検出されたHEV-RNAの塩基配列がほぼ一致していることより、輸血用血液製剤による感染が極めて高い症例です。ジェノタイプは3でした。

 肝障害は経過中に改善しており、この血小板製剤を含め当該献血者より7回の献血を行っております。

HEVが陽性となったものは当該血小板製剤の献血以外に一度あり、赤血球と原料血漿が製造されております。この赤血球の受血者にはHEVの感染はありませんでした。

 続いて、6ページの一番下の症例です。ラクトコッカスが検出された症例ですが、濃厚血小板製剤よりラクトコッカスが検出された症例です。80代の血液腫瘍の男性で、照射濃厚血小板液を投与中にルート内に異物の付着があり、輸血を中止しております。その後、患者は体温39℃台となり、悪寒戦慄を認め入院・加療となっております。翌日には軽快しております。

 当該製剤のセグメントチューブと輸血ライン、患者の血液培養より、ラクトコッカスが検出され、遺伝子検査でも差異はありませんでした。

 なお、前回、運営委員会で花井委員からちょうだいした血液製剤に関する感染症定期報告について、院内感染対策担当部局に情報共有すべきとの示唆について御指示いただきまして、担当部局である医政局と健康局に対して情報共有済みであることを御報告申し上げます。

 続いて、9ページをごらんください。輸血用血液製剤で感染が疑われる事例についてです。

 残る3名の来訪はありませんでした。

 平成29年5月時点で過去5年分ですが、前回と変わりはありません。

 本年で5年となり、今後も日本赤十字社が経過を見るということなので、今後は来訪されていない供血者3名が来られた際に報告するようにしたいと思います。

 また、「エイズ動向委員会」の開催が半年に一度となりましたので、今回は献血件数及びHIV抗体核酸増幅検査陽性件数についての書類はありません。

 続いて、10ページをごらんください。これは北海道で行われている試行的HEV-NATについての報告です。

 平成28年は252,151件の献血に対してHEV-NATを行っております。114例の陽性例があり、男性が97件、女性が17件でした。陽性率は0.045%でした。ジェノタイプ3が94件、ジェノタイプ4は18件でした。

 平成29年1~3月は、現在6万2,175件検査しており、陽性が36件です。ジェノタイプ4が14件となっております。

 以上となります。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。何か御質問・コメントなどお願いいたします。

 E型肝炎陽性例があって、死亡例があったり、ラクトコッカスの検出がありました。あと、E型肝炎のHEV-NATでは、ジェノタイプ4が割合としては少し多い感じもしてきておりますけれども、コメントなど特別あればお願いします。

 岡田委員どうぞ。

○岡田委員 血小板製剤でラクトコッカスが検出された症例があるのですけれども、この場合セグメントチューブからも陽性に出るというと、かなり菌の数が多かったのではないかと思うのですが、例えば、この方の経過を見ると途中で滴下不良とかあると、凝集みたいなものができていた可能性もあると思うのですけれども、もちろん、出庫するときは一応スワーリングを確認したり、凝集塊があるかないかは確認しますよね。この医療機関では、そういうことは実際に現場で確認しているのでしょうか。私たちは今結構、血小板製剤はまれだけれども細菌のコンタミがあるから、スワーリングとか凝集塊がないことを確認してから投与するようにと学生にも言っているのですけれども、これを見ると、もしかしたらスワーリングを確認していればとか、凝集塊があるかないかを輸血する直前に確認していれば、見つかったのではないかという気がする症例だったので。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 大変重要な御質問だと思います。これは実は、先ほどおっしゃられましたように、初期濃度が非常に高かったことは間違いないです。それから、実はこれは輸血セットを血小板製剤にくっつけて流し始めたところで流れが止まったのです。流れが止まるというのは非常に重要な所見で、実は目には余り見えないのですけれども、血小板のフィルターに詰まって流れが止まりましたので、これは所見として非常に大事なものだと考えております。このように血小板の細菌汚染が見つかったものは、実はこれが3例目です。ほとんどは肉眼でバッグの中に凝集が見つかったというので苦情が上がってくるのが多いのですけれども、3件がラインが止まったので、ナースが何だろうということで調べたら細菌汚染だと。ラインが流れないというのは非常に重要な所見ですので、こういうものは教えていただくと大変ありがたいです。実際に、本当に目に見えない小さなものが、ラインのフィルターのところに詰まってしまうことがあります。そういう所見かと思います。

○田野崎委員長 ありがとうございます。確かに、手順をちゃんと守れば防げた事例だった可能性もあるかなと思います。

 この症例は、ドナーの方に何か問題があったとか、そういうことは把握されていますか。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 ドナーの方にも面談しておりまして、一番言われているのは、ラクトコッカス・ガルビエというのは魚に非常に多く見られる菌です。ただ、このドナーの方は、そのことについては特に大きな所見があるわけではありませんでした。ただ、別のレポートでは、腸内に腫瘍を持っている方がこのバクテリアを持っている場合が多いということがありますから、この方は前回の献血よりも貧血が進んでいるということで検査したところ腫瘍が見つかったということで、現在治療を受けていると聞いております。

○田野崎委員長 貴重な御報告をどうもありがとうございました。

 室井委員どうぞ。

○室井委員 死亡事例の2例目なのですけれども、この方は、輸血をしてそんなに時間がたたないうちに血圧低下が起きて、頻脈になって、発熱されて、入院されて多分ショック状態で亡くなられたんですよね。いろいろな検査では細菌は出なかったということですけれども、感染症以外に輸血の原因として何かほかのものは考えられるでしょうか。例えば、非溶血性のアナフィラキシーショックというのは考えにくいですか。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 経過から見ますと、アナフィラキシーショックはちょっと考えられないかなと思います。炎症所見が前面に出ていますので、ちょっと考えづらいと思います。ほかに何かあるかと言われれば、基礎疾患が基礎疾患ですので、いろいろな方向からセプティックな状態になることは考えられるかとは思います。

○室井委員 提供者のドナーさんは、そのときには問題なかったのでしょうか。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 ドナーは全く問題ございませんでした。

○室井委員 もう一点、HEVの北海道での検査の陽性率ですけれども、シングルNATが導入されてからも陽性者がふえているようなんですね。平成26年から個別NATに変更されまして、その後検査されていますけれども、毎年毎年陽性者がふえて、ことし3月までで、4倍すれば百二十何人になるので、ずっと一貫して陽性者がふえているような印象を受けるのですけれども、食生活がちゃんとされていないので、健康人の方で感染者がふえているから献血者もふえているのだと考えられるようなデータだと思うのですが、何かコメントはございますか。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 常識的に考えれば、一般国民の陽性率が上がっているので献血者も陽性率が上がると考えるのが通常かと思いますけれども、では、一般の方で輸血と関係ないHEVの経口感染による感染がふえているかというと、報告数ではふえているようです。ですので、ドナー全体がふえてきているかもしれないです。

○日本赤十字社平血液事業本部技術部安全管理課長 現在、献血者での、喫食歴、食習慣の調査等をしていますので、そういうものをベースにして安全技術調査会等で御報告させていただきながら、次の対策を検討していきたいと考えています。

○田野崎委員長 岡田委員どうぞ。

○岡田委員 ことしに入ってジェノタイプ3と4の比率が接近してきたのですけれども、これはたまたま偶然なのか、それともジェノタイプ4が検出されたドナーさんが住んでいる地域に非常に偏りがあるとか、そういうことは検討されたことはありますか。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 その辺は、一番注意しなければならないなと我々も思っています。実際ジェノタイプ4は平成1725年までずっと毎年大体6.5%から7%のあたりで推移してきたのですけれども、平成26年には15%、平成28年には16%、ことしに入っては41%がジェノタイプ4ですので、岡田委員がおっしゃられたように、どこかでミニアウトブレークがあって、それがここにたまたま寄与しているのかというのは少しあるかもしれません。というのは、ことしの4型は14例ありますけれども、このうちの12例が4C株ということなのですけれども、12例のうちの11例がニューサッポロストレインという株で、1つのクラスターを形成しています。ただ、それほど狭いところのミニアウトブレークというよりは、札幌より南に集中して11例が起きています。ですので、新しいストレインがその辺で少し広まっている影響で、この比率が上がっていることは考えられるかと思います。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 大平委員どうぞ。

○大平委員 HEVの問題です。先ほど机上の参考資料の中で、各国のHEVの対応が盛んに行われるようになってきていますが、以前は、これまでE型肝炎についてはそれほど関心が寄せられていませんでした。最近特にヨーロッパでのスクリーニングが検討されるようになって、ヨーロッパ全体にいろいろと広まってきているところもあるのですけれども、背景は素人でわからないところもあるのですが、先ほど岡田委員が移植の問題が背景にあるのではないかとおっしゃられたのですが、疫学的な感じとしては、今後日本でもスクリーニング等に積極的に動かなくていけないかどうか、この疾患の背景として考えられるものはあるのでしょうか。今わかっているところで教えていただきたいのですが。

○田野崎委員長 何かございましたら、お願いいたします。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 背景としましては、ヨーロッパでは移植患者での慢性化例が非常に大きくクローズアップされているところがあります。大体腎移植患者ですと60%ぐらいが慢性化するというデータが出ています。ですので、日本でも同じようなスタディーが公表されたわけですけれども、意外なことに日本では、少なくとも腎移植、心臓移植の患者さんではヨーロッパのような慢性例は非常に少ないです。IgGの陽性率も一般の健康人と全く変わらないです。この違いは何なのかよくわかりません。しかも、ほかの血液疾患での免疫抑制をされている患者さんでのHEVの症例、慢性化した例が2例日本では知られているわけですけれども、これもヨーロッパに比べると非常に少ない。どんなベースがあるのかはちょっとわかりません。

 あと、こちらで考えていることは、ヨーロッパと同じようにどのようなストラテジーがいいのかということは先ほども申し上げましたけれども、主に3つぐらいの場合を想定して、かなり細かく今計算しているところです。

 それから、もう一つは、日本人でのIgGや陽性率の現在持っているデータは、もう10年近く前のデータですので、日本全国の献血者8,000人のサンプルを年齢別・階層別に分けまして、全部サンプルを集めました。今、感染研にお送りしまして、感染研で現在の新しい陽性率、IgG、これはA型肝炎も含めてですけれども、その陽性率を感染研の先生方が一生懸命されているところですので、それも含めて検討することができるのではないかと思っております。

○田野崎委員長 山口委員どうぞ。

○山口委員 おくれて来て申しわけございません。HEVについては多分かなり議論が進んだのだろうと思っておりますが、EUの有料サーベイランスと、もう一つはEUのガイドラインもそうなのですけれども、輸血用血液製剤だけではなくて、血漿分画製剤に対しても一つの警鐘を鳴らしているところがあるので、日本赤十字社だけが一生懸命やるだけではなく、もう少し広く考えないといけないのかなという気がしております。

 というのも、5年前にE型肝炎とパルボB19のどのような検査をされているか、国内のサーベイランスを運営委員会でやったと思うのですけれども、もう5年たっていますので、その辺も含めて。そして、国内に海外メーカーの血漿分画製剤が入ってきておりますので、例えば、EUで採血されたものが今のEUの基準だとどういう対応をしているのかというところも、少し検討してみてもいいのかなという気がいたします。

 1つ日本赤十字社のほうにお伺いしたいのですが、今、陽性率の形で北海道で出していただいているのですけれども、EUのガイドラインの中ではHEVが一番高濃度だと、例えば10の7乗くらいになるというので、いわゆるノンエンベロープの血漿分画製剤を考えたときに、必ずしも十分ではないのではないかという書き方をしていると思います。そうすると、北海道で個別NATをやっているときに高濃度のタイターの方は見られるのでしょうか。それとも、それほど高濃度のタイターの方は日本ではいないという理解でよろしいでしょうか。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 一般には、ほとんどが104乗どまりなのですけれども、実は先ほど申しました、ことし出た14例の4Cというタイプの中の数人が、実は10の7乗ぐらいの非常に高いものが出まして我々には驚異だったのですけれども、そういったものはまれに見られるようです。そういうものが出ますと、血漿分画製剤での不活化のレベルも、その他と総合しましてもなかなか難しいということがあるかと思います。そういう点で、メーカーによってはそこでちょっとログ数が足りないかなというところは、スクリーニングをしていくところもあるということだと思います。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 先ほどのことで確認ですが、血漿分画製剤でも感染するということですか。

○山口委員 考え方としては、10の7乗あって、例えばその中に200ccの血漿があって10の7乗あるということは、10の9乗以上のタイターのウイルスが血漿分画製剤の原料として入ることになりますので、もちろんいっぱいの血漿の中で希釈というのはもちろんあるのですが、ノンエンベロープは場合によっては10の4乗とか10の5乗のクリアランスしか得られていないケースがあるので、必ずしも十分なマージンがとれていないということを想定してのガイドラインだと思っています。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。HEVは引き続き議論が必要になるかなと思いますので、時間も限りがありますので、よろしくお願いします。

 それでは、議題3「『献血血液の研究開発等での使用に関する指針』の一部改正案について」に移りたいと思います。事務局から資料3-1について御説明をお願いします。

○山本匠血液対策課課長補佐 では、議題3「『献血血液の研究開発等での使用に関する指針』の一部改正案について」です。資料3-1をごらんください。

 本指針は、平成24年に施行されて平成29年で施行後より5年を経過したことから、献血血液の研究開発等への使用状況を踏まえ、本指針の改正をすることとなりました。

 資料3-1「主な改正内容」の1~4に、主な改正内容を記載しております。

 1、本指針の趣旨が一般に販売されていない献血血液等の有効利用であることから、一般に販売されている血液製剤は本指針の対象としないことを明記いたしました。

 2、疫学研究に用いられる献血血液等の量の予測が平成24年時点で困難であったことから、平成24年の本指針では研究者を限定していましたが、平成25年以降の本指針の対象となる献血血液等の状況をかんがみて、今回この文を削除することとしました。

 一方で、今後、本指針の対象となる献血血液の数量が限定された場合に備えて、3を追記いたしました。こちらは、指針の対象となる献血血液等の数量が限定される場合は、公的補助金を受け実施される研究または国内標準品作製等行政上必要な検査のための使用等に対し優先的に提供することを、第1「基本的な考え方」の4に追記いたしました。

 4、研究成果の報告の頻度、また継続して提供を希望する場合の手続を指針に明記いたしました。

 そのほか、今後11年保管検体を研究等に使用する可能性も踏まえ、インフォームド・コンセントの部分の修正や文書の整理を行いました。

 以上です。

○田野崎委員長 ありがとうございました。あと資料3-2と新旧対照表などありますが、以上に関しまして、御質問等ございましたら。前にも少し指摘があったところが直されているというのが2番目だと思います。

 よろしいでしょうか。それでは、時間もありますので、議題4「血液事業の実態に関する調査報告について」に移りたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山本匠血液対策課課長補佐 それでは、資料4について説明します。血液事業の実態に関する調査報告です。

 平成25年に国内で発生したHIV感染例を受け、献血時の虚偽申告に関する罰則規定や、HIV等の供血血液の安全対策について、諸外国の状況を調査しております。

 平成28年度は、米国、カナダ、台湾について調査しております。今回調査した3カ国は、問診時の虚偽申告に対する罰則規定、判例があります。米国、カナダでは、問診時の虚偽申告により法的措置がとられた事例がありました。

 一方で、5ページの参考5にあるように、虚偽申告の罰則はMSMへの差別として違憲性を問われた事例もありました。

 台湾では、虚偽申告の罰則規定はありますが、その罰則規定ではなく刑法を適用した事例もありました。

 続いて、2~3ページに各国のHIV対策に関しての表をまとめております。3カ国とも看護師や有資格者による問診、NATを導入しHIVの匿名検査体制を整備し、ハイリスク集団への施行など総合的な対策がとられています。

 続きまして、6ページの事務局のまとめをごらんください。HIVの虚偽申告の罰則規定には、虚偽申告を抑止する効果を一定程度有しているともとらえることができますが、MSMへの差別に当たらないか、罰則の適応、文言などの問題もあります。

 各国ともにHIVの感染防止に関しては総合的な対策を行っており、また、採血における虚偽申告の罰則を設けることは世界の主流ではありません。

 今年度は、虚偽申告の罰則規定のある国を調査するとともに、虚偽申告の罰則規定を導入する場合の課題に焦点を当てて調査していきたいと思っております。

 以上です。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 以上に関しまして、何か御質問やコメントはございますか。花井委員どうぞ。

○花井委員 MSMの供血停止期間ですが、これはどの国も特定、非特定かかわらずという理解でよろしいですか。MSMの場合は、特定、非特定かかわらす半年、日本は多分そうだと思います。ヘテロセクシャルの場合は非特定で、あったらそれはだめということになっていて、そこが差になっているのですけれども、ほかの国もMSMに関しては同じと考えてよろしいですか。

 すぐにわからなかったらいいのですけれども、何が言いたいかというと、最近セクシャルマイノリティーに対してヨーロッパ、アメリカを中心にいろいろな人権問題が出ている中で、ヘテロセクシャルと同様の権利をという観点が結構クローズアップされているので、通常のパートナー関係というか、異性愛者であれば婚姻関係みたいなものは特段配慮しなくても大丈夫という考え方もないことはない。実際問題としては、いろいろビヘイビアのことを考えれば同じリスクとは言えないのですけれども、そういう議論はこういうところに影響がなかったのかなというのが気になったので質問しました。今わからなければ後でもいいです。

 それから意見ですけれども、これは毎回言っているのですが、問診体制について今回も調査でいろいろ出ているのですが、日本の問診について、もちろん医師が問診することは前提としても、基本的に献血者の健康を守るという観点が医師の場合は多分強いと思います。ヨーロッパの問診のトレーニングをされた方、カナダは知らないですが、どちらかというと、血液製剤の安全性でリスクをはじくという観点の訓練を受けた人たちで、視点は若干違うというのが実態としてあります。日本においても、問診はもちろん医師なのですけれども、安全面からはじいていくというトレーニングをした人と、両方やってもいいのではないかと。何か資格をつくればそこで何かあるとか、そういうことは検討すべきではないかと思います。制度との関係があるのでなかなか難しいと思いますが、問診医の先生もその辺もトレーニングをされている先生がいると思いますが、多くの場合は献血者の安全を一番の視点で持っておられる例が結構多いですし、あと、問診の先生は高齢な方も結構おられるので、ゲイカルチャーなどに造詣が深くない人もいるでしょうし、そういったところも含めて引き続き検討をお願いしたいと思います。

○田野崎委員長 岡田委員どうぞ。

○岡田委員 実は私も問診をやっているのですけれども、これは現実的になかなか難しいです。受付をやってしまうと、本人がノーと言えば通さざるを得ないのが現状で、これはかなり問題だと思います。

 その一方で、3ページに書いてあります表4ですけれども、匿名検査の実施体制ということで、日本は多くの場合が保健所で行われているのですが、保健所ですと受付時間が限られているとか、周りに知られることなく検査を受けたいなと思うと、保健所は結構地域に密着していますので難しいかなと思うので、米国やカナダみたいに医療機関でも検査できる体制があると、匿名で検査できれば意外に行くのではないかと思います。そのときにHIVの検査と言うとなかなか受けてもらえないので、複数の項目があって、その中の1つにHIVがあるような、例えば、今、肝炎の無料検査を自治体でやっていますけれども、その中でHIVを加えるとか、若い世代であれば風しんや麻しんの抗体もその中に入れて、ただにしなくても半分ぐらいは自己負担ということで、そういう項目を使えばHIVという検査が薄められるので、結構来てくれるのかなと。

 特に、日本ではHIVの拠点病院が各県に複数存在していますので、そういうところでやれば、身に覚えがある人だとホームページか何かで検索すると、例えば、あの病院は土曜日でも普通の診療をやっているというと比較的来やすいのではないかと思います。そうなると、献血に来て400とか成分採血をするよりも、数ccで済むような医療機関を選ぶようになるのではないかと思います。そういう面では検査体制を保健所以外でもできるようなシステムをつくることが、献血血の安全を保つためには必要ではないかと思います。

 以上です。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 佐竹委員どうぞ。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 今、岡田委員がおっしゃったことは、昔から我々日本赤十字社としても強い願いで、献血に来るよりも敷居の低いところをつくっていただきたい、それに尽きるわけです。献血に来て検査希望だと、検査さえ終われば感謝されて帰ってしまうわけですから、それでは困るわけですので、献血に行くよりも敷居の低い、行きやすい検査の体制をつくっていただきたい、これが我々の願いです。

 以上です。

○田野崎委員長 大平委員どうぞ。

○大平委員 この表を見させていただくと、米国、カナダと台湾と日本と、特に米国との比較というのは、感染者の背景等から見ると余りにもかけ離れているところがあるので、参考にということではいろいろな制度の見方はとても有益だなと思いました。実際に献血の施設として運営する機関としては、今回まとまりました報告書について、特に先ほど問診者の問題ですとか、ドナーへの通知方法、署名欄、匿名検査の実施体制の問題としての保健所と医療機関のあり方の差がいろいろと出てきていますけれども、これは実際に取り扱っている日赤としては、今回の報告書はどのような評価なのかお聞きしたいと思います。

○田野崎委員長 何かコメントがございましたら、お願いいたします。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 この報告書に対する全体的な評価ということですが、罰則に関しましては我々がどうのこうの言うところでは全然ありませんけれども、本人の確認方法等につきましては、やはりきちんとしていかなければならない。我々もステップ・バイ・ステップでかなり厳しくしてきましたけれども、その辺をきちんとしなければならない。

 それから、個人のナンバーを何らかの格好で、もう少しユニバーサルなナンバーを設定できればと考えております。

 それから、献血・供血停止期間等が一番短くなってしまったわけですけれども、これは実際のウインドウ期のこと、検査制度等を考えれば、ほかのところは12カ月であるからといって我々がこれを長くすることはおそらくない。今の期間で十分だろうと考えております。

 問診のシステム等、献血者を最初から疑ってかかる問診をすべきなのか、あるいはそうではない問診なのか、そのバランスは本当に難しいのですけれども、現実に起きていますのは、採血時の副作用が数としましては圧倒的に頻繁に起こっているわけですので、どうしても現場はドナーの安全性を見た問診にならざるを得ないところがありますけれども、疑ってかかるという見方も必要だと、先ほど花井委員からもお話がございましたが、そういったファクターも考えなければならないということでは、現在医師の問診ではない、トレーニングされたインタビュアーの制度も考えて進めておりますので、そういったところでカバーしていくことも考えております。

○田野崎委員長 では、大平委員どうぞ。

○大平委員 今、疑ってかかるというところは避けようということで、そのための方法として、検査をするために医療機関や保健所にどんどん行けるような背景をつくらないといけないのではないかと思うのですけれども、そういう方向も日本赤十字社からも積極的にぜひ打ち出してほしいなと思います。そうしないと、全体としては運営委員会などでも、保健所だけではなくて医療機関での対応もするようにということは盛んに提案されているわけですけれども、それがまだうまくいっていないところがありますので、そういうことも含めて、ぜひ日赤からも意見として出していただければありがたいなと思います。

○田野崎委員長 ほかはいかがでしょうか。室井委員どうぞ。

○室井委員 今の議論とも関係するのですけれども、表の1、2を見ると、台湾はすごく特殊な国のような感じを受けました。例えば、新規のHIVの感染数が日本の約10倍、9.53ですよね。10万件当たりの献血血液の陽性者も日本の80倍ぐらいあって、台湾というのは検査目的に献血に来ている方が結構いるのではないかということがうかがえるデータではないかと思うんです。しかしながら、台湾のレギュレーションはそんなに厳しくないみたいなんです。確かにMSMの献血・供血停止期間以外は、ほかの国と余り変わりがないようなレギュレーションなので、この辺の台湾の事情を知っていたら教えてほしいのですが。陽性者が多くて、もしかしたら検査目的に来ている方が多くて、台湾の日赤は困っているのではないかということがうかがえるデータだと思うんです。もし情報があったらですが。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 ちょっと手元にないのでわかりませんが、わかれば。

○室井委員 インタビュアーは看護師さんがしているみたいですね。これももしかしたら、そういう意味があるのかなと思って聞いていたのですけれども、わかりました。

○田野崎委員長 山口委員どうぞ。

○山口委員 この調査の目的がもともと罰則規定の有無から始まっているので、それに焦点を当ててというのはやむを得ないと思うのですけれども、実際に各国で最終的な結論として罰則規定があるから低いのだという話にはなりそうにないような、今までの調査の結果を見ているとそんな気がします。多分、体制としては今まで議論になっているみたいに、1つのことで達成できるのではなく複数のこと、例えば問診であったり、公的検査機関であったり、あるいはドナーをきちんとやっていくとか。できれば、調査に行かれるときに、低いところはなぜ低いのかとかそういうところを調査していただいたほうが、全体としての社会システムみたいなところも含めて調査していただけると、より有用な答えが出てくるのではないかという気がいたしました。

○山本匠血液対策課課長補佐 ありがとうございます。意見を参考にさせていただいて、調査を行いたいと思います。

○田野崎委員長 この調査に関しましては、また次年度以降も同じような形で進められる予定になっているのでしょうか。

○山本匠血液対策課課長補佐 今年度計画していることを達成して、また報告をして検討してきたいと思っています。

 現状、台湾に関しては、台湾血液委員会及び所属する血液センターはHIV検査の結果を供血者には通知しないと規定しております。

 あと、台湾での検査目的の献血の状況に関してですが、報告書では台湾血液基金及び衛生福利部疾病管理管制署は、HIV等の検査目的献血に関する状況の統計やNAT検査によるモグネット効果についての議論は公表していないとしていますので、台湾での検査目的の献血の現状はこの調査ではわかりません。

○室井委員 データは十分あるんですよね。ありがとうございました。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 ほかの海外の状況というのは、次の議題にも少し関係するのかなと思いますが、議題5「血液製剤等の輸出規制のあり方について」に移りたいと思います。本議題については、日本赤十字社からの出席者が変更になりますが、事務局から出席者の御紹介、資料の御説明などをお願いしたいと思います。

○菓子野血液対策課課長補佐 本議題に関連いたしまして、日本赤十字社血液事業本部より佐竹正博血液事業経営会議委員、中西英夫血液事業経営会議委員、千葉広一経営企画部長、以上3名に御参加いただいております。よろしくお願いします。

 それでは、資料5について事務局から説明いたします。

 お手元の資料5をごらんください。前回の委員会におきましては、規制改革実施計画や現行の血液法の基本方針の記載事項を事務局から紹介いたしまして、委員の皆様に御議論いただいたところでございます。今回も引き続き議論を行っていただきまして、御意見をちょうだいしたいと考えております。御議論に当たっては、今お示ししています視点も踏まえた上で御議論いただきたいと考えております。

 では、検討の視点について御紹介させていただきます。

 まず1番目、輸血用血液製剤について。輸血用血液製剤は、有効期間が短く、我が国の医療需要に応じた供給がタイムリーに確保される必要がある点に留意する必要があると考えております。

 2つ目、血漿分画製剤について。血漿分画製剤の輸出には、輸出を通じた経営基盤の強化による将来の安定供給の確保、海外の医療需要に応じることによる国際貢献といったメリットが考えられるものの、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律に定める国内自給の基本理念との両立についてどのように考えるか。また、規制改革提案に記載のある輸入された血漿分画製剤の在庫管理の一環としての輸出についてどのように考えるか。

 3番目、原料血漿について。血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針や規制改革提案事項に記載のある原料血漿を一旦海外へ輸出して、外国の工場において製剤化して日本に輸入することと、国内自給の基本理念との両立についてどのように考えるか。

 4番目、中間原料について。貴重な献血を有効利用する観点から、連産構造の中で生じる中間原料を国際貢献に活用することや、国内外の他の血漿分画製剤の製造販売業者等の製剤需要に応じることについて、どのように考えるか。

 あと、今後の議論の紹介といたしまして、血液製剤産業の将来ビジョンについて考えていく必要があるのではないかと考えております。ワクチン・血液製剤タスクフォース顧問からの提言に血液製剤産業の将来ビジョンの策定について言及があったところです。今、御議論いただいている輸出規制のあり方の議論も踏まえた上で、血液製剤産業の将来ビジョンについて御審議いただきたいと考えております。

 以上でございます。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、委員の先生方から御質問・御意見をお願いしたいと思いますが、大平委員から、よろしくお願いいたします。

○大平委員 きょう配付させていただきました意見書を読み上げさせていただきます。

 平成28年5月19日「規制改革会議」答申の「2各分野における規制改革 4.投資促進等分野 ()具体的な規制改革項目 マル4その他民間事業者等の要望に応える規制の見直し セ 血漿分画製剤の輸出に係る規制の見直し」を受けて、厚生労働省から提示された「血液製剤等の輸出規制のあり方に係る検討の視点」において示された検討内容について、薬害エイズ感染被害者として意見を述べます。

 結論としては、「血液事業部会運営委員会」において、今回の献血による血液製剤、原料血漿の輸出要望を検討するに当たっては、まず、国がこれまで怠ってきた献血による国内自給の理念に基づく日本国内の血液製剤製造体制の再編・増強のグランドプランを構築することが不可欠です。その上で、要望対象の輸出の必要性自体や需給計画などの管理体制について、慎重に検討すべきです。結論ありきで拙速に輸出容認することは、あってはならないと考えます。

 理由1、規制改革会議に提出された本要望は、民間団体からの要望であり、「欧州製薬団体連合」(薬害エイズ被告企業も加盟する)からのものと推測されますが、外国売血由来の血液製剤による薬害エイズ感染被害の反省を踏まえれば、加害製薬企業が加盟する団体の輸出要望については、将来的な我が国の血液事業のあり方に与える影響等を含め、慎重に検討されなければならない。

 2、そもそも規制改革会議の答申は「検討し結論を得る」というだけで、検討の方向性は何ら特定されていないし、結論を何ら拘束するものではない。あくまでも「関係者意見を聞いて」検討することと結論を得ることを求め、それぞれの時期を定めているだけです。したがって、本件を関連部会等で検討する際は、「規制改革会議」の答申が要望者の要望を丸のみする「結論ありき」ではないことにつき、十分に留意して検討しなければならない。

 3、しかるに厚生労働省は、我が国の血液事業のあり方や献血血液の管理について十分な検討を行うことなく、海外民間企業団体の誘導的な要望に応じていると言わざるを得ない対応をしている。結論ありきで、事の本質を見ず、十分な検討をすることなく、彼らの要望に応えて、マル1日本の国民運動たる善意の無償による「献血血液」からなる血漿分画製剤の輸出や、マル2献血原料血漿の輸出(及びこれを使用した海外メーカー製剤の日本への輸入)を容認することは、売血由来の血漿分画製剤からの薬害エイズ感染被害事件の反省を全く踏まえていないと言わざるを得ません。

 4、いまだ被害者は進行性の病状悪化や、医療現場ですら払拭できない社会的差別・偏見などに苦しみ続けています。国は、薬害エイズ感染被害訴訟の和解における恒久対策の一環として「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」を立法し、同法第3条2項は、「血液製剤は、国内自給(国内で使用される血液製剤が原則として国内で行われる献血により得られた血液を原料として製造されることをいう。以下同じ)が確保されることを基本とするとともに、安定的に供給されるようにしなければならない」と定めており、同法により、国は血液製剤の献血血液による国内自給という基本理念にのっとった施策を策定し、実施する義務を負っていることを忘れてはならない。

 5、したがって「血液事業部会運営委員会」において、今回の献血血液製剤・献血原料血漿の輸出要望を検討するに当たっては、まず、国がこれまでに怠ってきた献血による国内自給の理念に基づく日本国内の血液製剤製造・供給体制の再編・増強のグランドプランを立てることが不可欠であり、その上で、要望対象である輸出の必要性や需給計画などの管理体制について、慎重に検討するべきである。したがって、結論ありきで拙速に輸出容認することについて私は強く反対します。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 こちらに関して、何か御意見・コメントはございますか。ほかの委員の先生方はいかがでしょうか。花井委員どうぞ。

○花井委員 まず、議論の前提として、大平委員の意見書はほぼ全面的に賛同するものなのですけれども、何が言いたいかというと、輸出貿易管理令だけをとりあえず検討しようという検討の流れの整理が、つまり、この前のタスクフォースの提言を見ていただいたらわかると思うのですけれども、輸出の見直しは当然入っているのですが、全体の日本の血液事業の方向性の中に、これもこういう理由で要りますよと整理して、大事なのは資料5の一番最後で、いわゆる産業の将来ビジョンを考えて、こういう問題もありますね、こういう問題もありますねと。その中で、例えば採血事業者が新規参入するのかとか、輸出貿易関連はこうだからこうなのではないかという文脈があるわけです。先取りしてこれだけをとりえず議論するとなると、全体の将来ビジョンとどう関係あるのですかというのがわからない議論になるので、多分、大平委員の正論の意見書になると思うんです。

 事務局の都合を聞きたいのですけれども、これだけを特出しして先に決めなければいけないということがあるかどうか。というのは、全部説明する長くなりますのでざっくり言いますけれども、タスクフォース的には貿易管理令を外すメリットがなければいけないわけです。そのメリットは何かというと、1つは既に余剰になっているものがあるでしょうと。連産品だから献血者の献血が余っていて、これを人道的な支援などにも今まではできなかったのだけれども、これを外したらできるようになりますよということと、安定供給の観点から国内のディストリビューターにトラブルがあったときに、海外にも国内献血のディストリビューターが生まれることによって安定供給に寄与しますよという2つのメリットを一応タスクフォースの提言ではうたっていると思うんです。あくまで全体の文脈ではそういうことであって、後者が妥当かどうかというのがまさに3に落とし込まれた論点になるのですけれども、つまり相当な各論だけがここに出てきているので、ちょっと難しくなっているのではないかと思います。

 なので、事務局に確認したいのは、一番最後の将来ビジョンにおいていろいろな問題がありますよねと。何かの理由で、この件に対してはこのタイミングでこのくらい検討しなければいけないという整理のペーパーがないと、輸出規制だけを検討しますよという前提でやると、いろいろな意見が出てしまうのは当然かなと思うのですが、そこは事務局的な整理としてはどうですか。くどいようですが、もう一回言います。正論的に言えば一番最後の話を先に決めて、その流れの中に輸出貿易管理令はここにメリットがあるよねという話が1つとか、幾つか提言していると思います。国内産業の振興の話とかいろいろなことが書いてあるのですけれども、そういうものが本当は筋なのだけれども、今、特出ししてこれが先行しなければいけないことをまず正当化しないと議論がとまるのではないかと。いかがですか。

○田野崎委員長 今の御意見に事務局から何か御回答をいただけるのであれば、いかがでしょうか。

○菓子野血液対策課課長補佐 まず、規制改革会議の実施計画には規定があるという点があって、多少そういう点は心配しているというのはあります。ただ、グランドプランがどこまでの範疇かという議論もあるのかと思いますけれども、結局、全てを議論するとなると、基本方針そのものを動かしているような形になりますので、輸出のほうに議論のフォーカスが当たらないのかなという心配をしていたところではあるのですが、ただ、今、大平委員からも花井委員からも貴重な御意見をいただきましたので、こういった意見を踏まえて事務局内で引き続き検討を続けていきたいと思っております。

 あと、大平委員からの意見の内容もさることながら、きちんと運営委員会で議論して結論を得るべきということで承りましたので、その手続といった面についてもきちんと検討を引き続き行っていきたいと思っております。

 以上です。

○田野崎委員長 どうもありがとうございます。

 このことについては、運営委員会でのいろいろな議論をここで挙げてということだったと思うので、グランドプランやいろいろなことがまだ整理できていないというところで、もう少しいろいろ議論すべきところを今この場でしてもいいのかなとは思いますが、花井委員どうぞ。

○花井委員 まず1つの議論として、各論中の各論になりますけれども、グランドプランは置いていて、さすがにここは不合理だねという点を考えるのであれば、2の「また」以降だけ。すなわち1回輸入されたものは海外品であっても、通常の企業活動としての戻しができないというのは、普通に考えて大変だろうなと。これは管理令があるがゆえのある種とばっちり的な構造なので、ここだけについては、だれもがそれは大変でしょうということは、テクニカルに可能であればそれはそうでしょうと。そういうことは、ここでそんなに大きく問題にならないと思います。

 まずもって大事なのは、国民とってどれだけこのことが利益になるかということですけれども、1つ質問したいのは、まず、現時点において、原料血漿が輸出可能になって、製品も輸出可能になるということは、国内のプレーヤーも海外のプレーヤーも同じ土俵で戦えますよと。その意味は、今まで国内のプレーヤーにとっても封印されていた輸出を得ることによって、よりいい戦略が立てられますよということは考え得るのですが、現実問題として、もし本当に献血由来だけれども全部外資系ですとなったら、プレーヤー自体が減ってしまうので、結果としては安定供給を損ねると思います。献血由来の輸入品しかないと。そうなるおそれはないのですかというところが一番生々しい疑問のその1です。

 もう1つは、こういう制度だけでやると、日本の献血自給を全うして、その残余については有効活用という整理をしたところで、実際に血漿が行ってしまうと日本に優先的に供給されるという保証はどういう法的手続によって可能かということがあります。口約束とか信義則ではないではないわけですよね。それは結構、規制法としては難しい法技術のような気がするのですが、それは契約で可能なのか。

 さらに面倒くさくなるのは4で、中間原料になると、需給計画を立てる段階で中間原料も含めて考えて、中間原料は今や民間に1回渡った話なので、幾つかの民間から出るいろいろな規格の中間原料が海外に向かって流通するときに、需給計画という国内優先というルールを守りながら、中間原料の再配分について、それも優先的に日本に来ますよという形の制度的コントロールが今の制度の立てつけでは多分不可能です。でも、不可能だからといって、理念から言えばそれができなければ困るというところで、制度設計上でこのままいくと足りない制度があるんです。今、直感的に思うのは、全て民民の契約関係においてこれを整理することが可能かどうか。今時点の事務局のお考えを聞きたい。ここが整理されないと、実際問題として需給計画自体の政策的誘導が無効になる可能性がある。これが一番危険なことなので、それをどう整理されているのか教えてほしいです。

 以上です。

○菓子野血液対策課課長補佐 まさに御指摘いただいた点については、事務局としても輸出の議論は製剤の種類だったり、原料血漿だったり、扱うものごとに論点が違ってくる。さらには、在庫管理のように、ある程度スピード感を持って対応したほうがいいのではないかという点については、我々もそのように考えているところでございます。これについては、改めて論点を整理した上で当局で資料を準備して、その上で血液事業部会」で御議論をいただきたいと考えております。ありがとうございます。

○田野崎委員長 ほかはございますか。室井委員、お願いします。

○室井委員 今回の話は、血液法に関しては一応沿っていると考えてよろしいのですか。つまり、この法律は血液製剤の国内自給、安定供給、適正な製剤の製造、ユーザーは適正使用ということが多分問われていますよね。その法律のもとにでも運用できるような案であると考えてよろしいのですか。

○菓子野血液対策課課長補佐 当然、国内法を遵守した形での輸出になると考えられますので、御議論いただいた上でということにはなりますけれども、まさに法的な関係も含めて整理して。

○室井委員 血液法自身は、この後修正というか改編されるようなことはあり得るのでしょうか。

○菓子野血液対策課課長補佐 血液法の修正は現時点で全く考えておりません。

○田野崎委員長 では、岡田委員、お願いします。

○岡田委員 血液製剤の輸出ということですけれども、まず、輸血用血液は全く対象外と考えていいのではないでしょうか。あくまでも対象とするのは血漿分画製剤に関係するものだと思います。

 基本的な考え方として、国内で採血された献血血液を分画するときに、国内市場が狭いために製造しても売れないという分画、国内で供給するのがまず基本であって、そこで余剰が生じた場合に海外に出すというのが基本中の基本だと思います。そう考えると、資本は海外でも国内でも問いませんけれども、とりあえず国内に工場があって、国内で製造するということが、まず大事だと思います。

 アルブミンとかグロブリンというのは正直言って日本ではとても輸出する余裕はないと思いますけれども、例えば、フィブリノゲンなどもクリオでできてきていますけれども、今は需要がないということで廃棄されていると思いますが、そういうものを中間原料として海外に出すとか、連産品ですからいろいろなものができるので、国内では需要がないけれども海外では需要があるものを海外に出すというのは、献血血液の有効利用ということでは非常に重要かと思います。ですので、基本的には国内の需要を賄う。余剰があるものに関しては海外に輸出を認めるということが、恐らく基本中の基本だと思います。

 以上です。

○田野崎委員長 山口委員どうぞ。

○山口委員 大平委員の言われたグランドデザインの議論をするということ自体には賛成いたします。特に、ついきのうかアルブミンの適正使用のニュースが載っていたと思うのですけれども、アルブミンの適正使用を進めていって、結局、適正使用で低くなっているのだけれども、国内のパーセンテージはむしろ下がってきていると。これは多分、先ほど花井委員がおっしゃったみたいに、結局スケールメリットがないから価格が高いためにほとんど使ってもらえていないという問題点も多分あるのだろうと思います。そういうことを解決しないといけないというところは、今の問題意識としてはあるのではないかと。

 国内自給をできるだけ100%に近づけるというのは基本方針の中の一番大事なところだと思うのですけれども、今言ったような状況の中で技術的な面でもできていない部分があるので、その辺はどうしたらできるようになるのかも議論しないといけないのかなという気がいたします。

 もう一つは、先ほど岡田委員の言われたことにもつながるのですけれども、余剰という話もあるのですが、もう一つ、日本の国内でのみあるような製品で、しかも海外でどうしても欲しいというものは、アンメットニーズの観点から輸出を認める。もちろんそのことで国内で逼迫するようなことがあってはいけないのですけれども、やはりアンメットニーズのものはできる限り、余剰分に関しては世界の貢献という意味でもあるのではないかと。それはある意味、献血というところにも矛盾していないような気がいたします。

 あとは、中間原料という問題をどこまでやるかは順番にやらないと、かなり議論はコンフューズしてきてしまうような気がいたします。先ほど貿易管理令の中で、国内に入ってきたけれども、海外の製品で出すというケースの場合、もう一つ逆に、海外の製品を日本の技術でつくってほしいというようなケースも考えられる。恐らくその辺に関しては、貿易管理令のところからいけるのではないかという気がいたします。ただ、そのこと自体がみんなで共通認識になっていないところが多分問題かなと。要するに、そこができないのではないかという再確認は、少しあってもいいのかなという気はいたします。

○田野崎委員長 大平委員、お願いします。

○大平委員 ここの意見書の中では、明確に今の段階では反対ということで表明しているのですけれども、その中でまずは私たちいろいろ規制のあり方とか、それに対しての検討の土台として、日本の国内メーカーからの意見というのは聞く機会がないんです。これまでそういう機会を設けてほしいということは言った覚えがあります。そういったところで、日赤も含めてこういう問題について実際の本音や製造規模、これからの計画をきちんと明示してもらうためのプランを本来は聞いて、それをここで実際にこれではちょっと難しいのかなとか、どういう形がいいのかということを検討していかないと考えます。唐突に今回のような風穴を開けるということで「規制改革会議」はできているのかもしれないですけれども、これは私たち裁判の和解で国との約束事の1つの大きな柱なので、そこに穴を開けるというのは本当に乱暴な話だなと実際は感じたわけです。ですから、段階的にいろいろな形でグランドデザインを早急にスピード感を持ってつくっていくことが大事なのだろうと思います。ですから、そこを抜きに実際の具体的な、原料血漿が欲しいから海外でつくって戻しますよ、余ったものは自分のところで売っても構いませんよというような乱暴なやり方は、私はもっと議論が必要な話だと思います。

 本当は、日本の国内産業をきちんと育てるためにも、実際にここで日赤及び今の国内製薬企業の3社のお話をきちんと伺って、その推移によって私たちもいろいろな考え方が出てくると思います。ですから、そこはしっかりとやってほしいなと思います。

○田野崎委員長 ちなみに、このところで国内の企業の1つとしての日赤から何か御意見やコメントはございますか。

○日本赤十字社中西血液事業経営会議委員 本日、この場で私どもの意見を申し上げることは特にございません。

 以上です。

○田野崎委員長 花井委員どうぞ。

○花井委員 同じことを言っても若干の温度差はあると思うのですけれども、先ほど山口委員が言われたことを私も思っていて、つまり海外の血漿を日本のメーカーが分画して外に出す、逆に、岡田委員は基本国内生産とおっしゃったのですけれども、そもそも国内自給は国内生産を意味しないということなんです。そうなのですけれども、事実上国内企業だったということもあり、確かに少量の血漿を海外に持っていって、少量の血漿を間違いなく日本に返すということが海外のプレーヤーにとってどれだけのメリットがあるかは怪しいと思いますけれども、ただ、もし海外のメーカーが構わないのであれば、現状一部は有償採血のものが輸入されているのだから、それについて海外のメーカーがちゃんと献血血液で製造して、さっき優先供給が本当にできるかということがありましたが、結果的としては優先的に日本に供給し、それが国内自給に寄与するのであれば、それはもともと否定されるべきではないというのは思うので、これはそもそもできた話。だけれども、実現しなかったという問題なので、そこは整理しておいていいかと思います。

 問題はビジネスベースで、海外のメーカーが細かい商売をそれほどしたくないということであれば、それは仕方ない話だけれども、一応それは否定していなかったということですよね。逆に言えば、日本のメーカーもそういうことができると。このルールはもともとあったのだという理解はしておいたほうが、国内自給は国内生産を意味しないというのは、一応ルールはそうなっていましたと。もちろん国内企業はもっと頑張って、あと、前にも外国の企業が日本でもうちょっと工場を建ててやってくれる分にはいいよねという話もあったのですが、日本だけの市場のためにそんなに投資できませんという感じだったので、残念ですという議論の流れもありましたので、これは古くて新しい議論なのですが、もう一回その辺も確認して、事務局としては整理していただきたいと思います。

 以上です。

○田野崎委員長 山口委員どうぞ。

○山口委員 多分、花井委員のおっしゃったところは、ひょっとしたら添付文書の中に献血と書いて、そういう薬事的なカップリングをつけるという方策はあるのですけれども、その辺は後の技術論の問題なので、そういう前提は大丈夫ですねという上での議論になるかなという気がいたします。

 もう一つは、先ほど大平委員のおっしゃったところで、国内に3社のメーカーがあるので、そのメーカーの意見は聞いてもいいのではないかと。要するに、ここにお呼びしてどう考えているのか。逆に言うと「規制改革会議」から改革をしろと言われている人たちでもあるのかなという気がしていて、やはり各社それぞれ将来設計を持っているのだから、その辺も含めて御意見を伺う機会をつくっていただくのもいいのではないかという気がいたします。

○田野崎委員長 ほかにございますか。室井委員どうぞ。

○室井委員 一番簡単な血液製剤のことについて日赤の方にお聞きしたいのですけれども、例えば人道的支援、国際貢献との観点で、稀血というのがございますよね。あれは多分冷凍していて長い間とってあると思うのですが、これに関して、アジアの国に輸出するとか、または向こうからもらうということは今まであったのでしょうか。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 それは十分これまでもございました。非常に厳しく言えば、そういうところが管理令に触れるのかもしれませんが、それは我々が現在でも世界でわずかしかない血液をいただいているところがありますし、日本からも出ていくことがあります。

○室井委員 その場合は、いわゆる売っているわけではなくて無償提供なわけですね。人道貢献という意味で。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 人道で赤十字間あるいは向こうの血液センター、あるいは向こうの学会とこちらとの連絡の間で、我々がそれを仲介していく形になっています。

○室井委員 稀血を有償で提供している国というのはあるのでしょうか。

○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 それについてはわかりません。その辺についても、貿易管理令という法律ということであれば、この場できちんと整理しなければならないかと思いますけれども、整理されてそういうことはなしとなるのは本来のことではないかと思います。

○室井委員 アジア人地区の中で、稀血の需要はあるような気がするんですね。わかりました。

○田野崎委員長 いろいろ意見が出そろったとは思わないですが、結論はまだ出せないだろうと。グランドデザインをちゃんと明確にして、メリット・デメリットがあって、そういうものをちゃんと整理できるような形で提示して議論を丁寧にすべきではないかという意見だったのかなと思いました。アンメットのメディカルニーズとか、今の議論もありましたので、そういうものをはなから反対するという御意見ではなかったと思います。

 ただ、私も気になるところは、例えば、本当にトレーサビリティが確保できるのかどうか。例えば、外に出してまた戻ってきた血液が血漿製剤や何か、向こうではいろいろ製造過程で混ぜてしまってトレーサビリティどうのこうのというのはわからなくなってしまっている可能性もあるのではないかと。そうすると、今までやっていることは、そういうものがちゃんとできなくなってしまうのではないか。

 それから、例えば、最近のアルブミナーの話ですけれども、アルブミナーはラベルの問題がありましたが、一応問題がないように国内自給を増産したりしてうまくいったというお話も伺っていますが、そのところは非常にいいなと思うのですが、その一方で、ただラベルの印字がかすれているものが普通に入ってきてしまうような体制ができているということは、その時点で海外の企業をちゃんとこちらが製造元を管理できているとは思えないかもしれないわけです。今後そういうものを一旦OKとすると、たくさんの海外企業が普通に入ってきますので、統制がちゃんとできるのかどうかも押さえないといけないのではないか。

 それから、そのときに実際にアルブミナーを国内自給で増産して足りてしまったと。例えば、私どもの慶應病院では、アルブミナーは半分以上使っていたものがゼロになっているんです。ゼロになっていても、それが可能になってしまっていますので、結局無理すると少し何か調整すると、国内自給が可能になる可能性はないのかどうかをもう少し考えてもいいのではないかと。

 それから、例えば、血漿が余ったから海外に出すときに、ある企業は余っている、ある企業は余っていないと。そのときの判断や何かでうまくお互いにやりくりをするのであればいいですけれども、必ずしもそうではない場合には、余っていないけれども外に出してしまうとかそういうこともあり得るのではないかということなど、幾つかの問題点についてちゃんと回答ができる形で議論がされると、わかりやすいのではないかと思いました。

 花井委員どうぞ。

○花井委員 今、委員長が発言された件で、トレーサビリティの件は以前の高橋先生が座長だった検討会のときにも同じ議論があって、現行制度上は日本固有の献血・非献血表示と、原産・採血地表示のルールと、薬機法上の生物基と原料基準があるので、現行の制度上もそれは起こり得ないとなっていますが、現実に今までそれがなかったのですけれども、今のようなPMDAGMPのチェック体制で、ドナーリストについても完全に一ドナーまでさかのぼれない製剤は日本には一切流通していないというルールになっている、それは原料基準で決まっています。

 それから、承認書は直接参照できませんが、審査報告等々で恐らく承認書レベルでどこの国のものを使い、どこのものは有償、どこものは献血というのは多分全部書いてあるので、海外は一変申請ということになってくると思いますけれども、そういうときのGMPのチェック体制というのが、ルール上は完璧なのですが、その完璧なルールをちゃんと海外において遵守たらしめる能力を有しているかどうかが極めて重要なので、そこも薬機法上の話ですが、そちらをちゃんとできます、間違いありませんよということも出していただかないと、今、委員長がおっしゃられた懸念は払拭できないので、そういう説明も必要だと。これは論点の先取りで、3以降の話ですけれども、そういったことも整理していただいて、法律上はちゃんとできていますという説明がないと、なかなか理解が得られない。

 もちろん、こういったことを最終的には献血者に理解していただくという作業が一番重要かと思います。

 以上です。

○田野崎委員長 あと1点だけ言い忘れたのが、山口委員がおっしゃるかなと思ったのですけれども、再生医療に関係するようなものです。これは今ルールが余り明確になっていないようで、例えば、海外ではHuman platelet lysateは製品化されようとしていると伺っていますので、例えば、日本で期限切れの血小板が海外で製剤化されて戻ってくるとか、海外からの再生医療等製品などは普通に入りますので、それとも何となくダブルスタンダードになっているところもあるのではないかというところも、もし可能であればあわせて議論されてもいいのかなと思います。

 山口委員どうぞ。

○山口委員 多分、再生医療等製品は、日本はどちらかというと内閣府を挙げて輸出というストラテジーをとっているかもしれないなという気がするのですけれども、ニュージーランド、オーストラリアなどは再生医療等製品の貿易は認めないというスタンスをとっていますし、EUもトレードはふさわしくないと。ただし、先ほどいったアンメットニーズの場合には許されるというスタンスをとっています。その辺は輸血用血液製剤と近い国と、貿易をするのだという国とかなり分かれている状況になっているかと思います。

○田野崎委員長 よろしいでしょうか。

 そうしましたら、一応、議題5に関しましては以上で、最後、議題がもう一つありまして、「その他」について事務局より説明をお願いいたします。

○三浦血液対策課需給専門官 議題6「その他」としまして、先ほどちょっとお話がありました、CSLベーリング社のアルブミナー5%静注のバイアルのラベル印字かすれ現象に対する対応につきまして、報告をさせていただきます。

CSLベーリング社のアルブミナー5%静注のバイアルラベル印字かすれ現象に対する対応としましては、出荷調整や国内メーカーへの増産要請、一部医療機関における他社代替製剤への切りかえ依頼等により、欠品という事態は回避できる見通しとなったことを平成281214日開催の「血液事業部会運営委員会」で報告させていただいたところでございます。

 また、CSLベーリング社に対しましては、毎週、本製剤の在庫量及び供給状況を血液対策課に報告するよう指示したことにつきましても、同じく12月の運営委員会で報告させていただいておりました。

 今般、CSLベーリング社からいただいている週報によりまして、計画的な輸入等により一定程度の在庫数量の確保ができていること、また、CSLベーリング社から国内他社への代替要請に対する供給調整終了の説明が終了したとの報告を受けまして、CSLベーリング社から血液対策課に対する週報を終了させていただきますので、御報告いたします。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 これについて何かコメントや御意見ございませんか。よろしいでしょうか。

 では、資料6について事務局から説明をお願いいたします。

○山本匠血液対策課課長補佐 では、資料6をごらんください。

 平成25年度に実施したフィブリノゲン製剤納入医療機関の書面調査の結果についてですが、既に平成28年1月29日付で公表したところです。このたび平成281130日時点の調査結果内容ですが、変更はありませんことを報告させていただきます。

 以上です。

○田野崎委員長 室井委員どうぞ。

○室井委員 多分この時限立法がもうすぐ終ると聞いていますけれども、この後の予定や見込みに関して、もし、おわかりになれば教えてください。

○一瀬血液対策課長 特措法につきましては議員立法ですので、今、国会で御議論いただいていると理解しております。

○室井委員 延長される可能性も十分あると考えてよろしいのでしょうか。

○一瀬血液対策課長 国会での議論次第ということでございます。

○室井委員 わかりました。

○田野崎委員長 よろしいでしょうか。

 そうしましたら、これで全て終了です。

 それでは、事務局に議事を戻したいと思います。

○山本匠血液対策課課長補佐 田野崎委員長ありがとうございました。

 次回の運営委員会の日程は別途、御連絡をさしあげたいと思います。

 本日は、長時間にわたり委員の皆様、本当にありがとうございました。

 これにて「平成29年度第1回血液事業部会運営委員会」を終了いたします。

 


(了)

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