ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(職業安定分科会雇用対策基本問題部会)> 第76回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会議事録について(2017年2月24日)




2017年2月24日 第76回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会議事録について

○日時

平成29年2月24日(金)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 共用第8会議室


○議事

○阿部部会長 おはようございます。ただいまから、「第76回雇用対策基本問題部会」を開催します。議事に先立ち、当部会に所属される委員の交代がありましたので、御報告申し上げます。当部会の労働者代表委員として、近藤委員に代わりまして日本基幹産業労働組合連合会事務局次長の石橋委員が就任されております。また、昨年6月に事務局の異動があり、坂根雇用開発部長が就任されております。本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の鎌田委員、労働者代表の小倉委員、石橋委員、使用者代表の川上委員が御欠席です。また、村上委員は遅れて到着とお伺いしております。

 それでは議事に入ります。本日は、「次世代育成支援対策推進法施行規則等の一部を改正する省令案要綱(青少年の雇用の促進等に関する法律施行規則の一部改正部分)について」、「介護労働安定センターに関する指定法人制度の在り方等について」、「介護雇用管理改善等計画の実施状況について」を議題とさせていただきます。

 最初に、「次世代育成支援対策推進法施行規則等の一部を改正する省令案要綱(青少年の雇用の促進等に関する法律施行規則の一部改正部分)について」です。213日付けで次世代育成支援対策推進法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について、厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛てに諮問がなされております。このうち、次世代育成支援対策推進法施行規則及び女性の職業生活における活躍の推進に関する法律施行規則の一部改正部分は、213日の雇用均等分科会において審議されたところです。

 今般は、次世代育成支援対策推進法施行規則等の一部を改正する省令案要綱のうち、青少年の雇用の促進等に関する法律施行規則の一部改正部分について、当部会において審議を行うものです。

まず、事務局から資料1について御説明を頂き、その後質疑に入ります。では、説明をお願いします。

○平岡派遣・有期労働対策部企画課若年者雇用対策室長 若年者雇用対策室長の平岡です。どうぞよろしくお願いいたします。次世代育成支援対策推進法施行規則等の一部を改正する省令案要綱(青少年の雇用の促進等に関する法律施行規則の一部改正部分)について説明します。資料1-11枚目が諮問文となります。次のページの縦書きの資料を御覧ください。こちらは省令案の要綱となります。省令案の内容については、資料1-2で御説明します。

 「1見直しの趣旨」を御覧ください。過重労働問題が発生した企業がくるみん認定を受けていた事例があり、くるみん認定制度の認定基準等について、真に子育てのサポートをしている企業を対象とするよう見直しを進めています。

 くるみん認定制度の認定基準等の見直しに当たっては、長時間労働が恒常化している企業を認定しないよう、労働時間に係る認定基準を厳格化することとしており、同様の観点から、ユースエール認定制度についても認定基準を見直す必要があると考えております。

 なお、「くるみん」、「プラチナくるみん」、「えるぼし」認定制度の見直しについては、213日に雇用均等分科会で審議されました。これらの詳細は、資料1-4としてお手元に配布させていただいた、「厚生労働省認定制度の見直しについて」に記載がありますが、時間の関係上、説明は割愛させていただきます。

 また、ユースエール認定制度については、平成2710月の制度開始から約1年半が経過いたしました。平成291月末時点でユースエール認定企業は162社となっています。都道府県労働局やハローワークを通じて把握した中小企業の御意見を踏まえ、認定制度の趣旨を損なわない範囲でその他の認定基準の見直しも行いたいと考えています。

 具体的な見直しの内容について、御説明いたします。以降、資料の左部分が現行、右部分が見直し後となります。「2労働時間」を御覧ください。現行の労働時間に係る認定基準は、直近事業年度で、「正社員の所定外労働時間の月平均が20時間以下、又は正社員のうち週平均の労働時間が60時間以上の者の割合が5%以下」としていました。今後は、「正社員の所定外労働時間の月平均が20時間以下、かつ、月平均の法定時間外労働60時間以上の正社員がいない」へと見直すこととしてはどうかと考えています。なお、「月平均の法定時間外労働60時間以上の正社員がいない」という基準は、「くるみん」、「プラチナくるみん」認定制度でも導入することとしています。

 次の「3新規学卒等採用者の離職率」を御覧ください。現行の離職率に係る認定基準は、「直近3事業年度の正社員の新規学卒等採用者の離職率が20%以下」としていましたが、同期間の採用者数が3人又は4人の場合は、「離職者数が1人以下」と見直すこととしてはどうかと考えています。

 次に、「4有給休暇」を御覧ください。現行の有給休暇に係る認定基準は、直近事業年度の正社員の有給休暇の「➀年平均取得率が70%以上又は➁年平均取得日数が10日以上」としていましたが、これらの有給休暇には、「有給休暇に準ずる休暇として厚生労働省職業安定局長が定めるものを含むこと」とし、その日数は「労働者1人当たり5日を上限と見直すこと」としてはどうかと考えています。

 このページの一番下に記載していますが、「厚生労働省職業安定局長が定めるもの」とは、「企業の就業規則等に規定する、有給である、毎年全員に付与する、という全ての条件を満たす休暇とすること」としてはどうかと考えています。

 次の「5経過措置」を御覧ください。今回の見直しは、厚生労働省の他の認定制度と同様に平成2941日からの施行を予定しています。施行日前に認定を申請している企業や認定を受けている企業が、新しい認定基準の適用により直ちに不認定や認定取消となることのないよう、これから御説明する経過措置を設けてはどうかと考えています。

 認定申請について、平成29331日以前の申請は旧基準、41日以降の申請は新基準をそれぞれ適用することとしてはどうかと考えています。

 次に、認定後の報告についてです。ユースエール認定制度は認定の期限はありませんが、認定事業主は、毎事業年度終了後1か月以内に所轄の都道府県労働局長へ認定状況報告書を提出することが義務付けられており、この報告により都道府県労働局は、認定基準に適合しているかを確認しています。平成29331日以前に認定された場合、平成29331日以前に申請し、かつ、41日以降に認定された場合は、平成29年度中の報告に係る認定基準は、新基準を適用することとしますが、旧基準を適用することも可能とし、平成30年度以降の報告は、新基準を適用することとしてはどうかと考えています。なお、平成2941日以降の申請は、報告時期にかかわらず認定基準は新基準を適用することとしてはどうかと考えています。私からの説明は以上です。

○阿部部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明に関して、御意見、御質問があればお願いします。

○北野委員 情報労連の北野です。ユースエールの認定基準の見直しに関して、説明のあったとおり、中小企業の実情に合ったものに見直したいという方向性は、十分理解はできるのですが、労働時間に関する認定基準については、厳格にするということで、異論はありません。ただ、離職率の緩和と、とりわけ有給休暇取得10日以上の中に有給休暇に準ずる休暇を含むことについて、中小企業の実情に合わせた見直しとのことですが、求職する若者と雇用管理のしっかりした優良な中小企業をつなぐというユースエール認定企業制度の導入主旨を踏まえれば、あまり認定基準を緩和するのはいかがなものかと感じるところです。この要件緩和が適切であるかについて、各委員の御意見を伺いたいと思っています。意見として申し上げます。

○阿部部会長 ありがとうございました。

○森戸委員 今話に出た有給休暇について1点確認ですが、今度新しく入る有給休暇に準ずる休暇として、(例:夏季休暇)と書いてありますが、夏季休業のようなもの、そもそも会社が休みの期間とか、正月休みもそうかもしれませんが、そういうものは、これとは別だという理解でよろしいですかね。そこを確認したいのですが。

○平岡派遣・有期労働対策部企画課若年者雇用対策室長 今回、有給休暇に準ずる休暇に含むこととしてはどうかと考えているものについては、「企業の就業規則等に規定する」、「有給である」、「毎年全員に付与する」という全ての条件を満たす休暇を対象とすることとしています。そして、この休暇とは、「所定労働日でありながら、労働者が申請することによって、使用者の指揮・命令の下に労務を提供する義務が免除され、かつ、この日分も給与が支給されるもの」とするような形で考えたいと思っています。

○阿部部会長 森戸委員、よろしいですか。

○森戸委員 はい、大丈夫です。

○阿部部会長 関連して何かありますか。

○坂下委員 一言申し上げさせていただきたいと思います。ユースエール認定ですが、資料1-3にあるとおり、元々の趣旨は、若者の適職選択とか、人手不足で悩んでいる中小企業の人材の円滑な採用を支援するというもので、新たに作られたものです。この認定にしっかり合致した企業がどんどん増えていって、こういった環境が更に広がっていくことは非常にいいことだと思いますので、こういう会社はどんどん増えたほうがいいと思っているのですが、今、実績で162社という状況でもあって、少し寂しいかというところもあります。

 経団連としても非常にいい制度だと思っておりますので、様々な機会を通じてこの制度の周知とか呼び掛けをさせていただいておりますが、厚労省においても引き続き周知等を強化していただき、この認定制度が目指す環境の実現に向けて努力していただければと思います。その際、もし規定の見直しをするならば、先ほど労側の委員からも入口の規制を緩めるのはどうかという問題提起がありましたが、状況を見ながら必要な検討をしていただければよろしいかと思っております。以上です。

○阿部部会長 ありがとうございました。

○小林委員 JAMの小林です。先ほどの有給休暇取得10日以上の件について、先ほど有給に準ずる休暇の御説明をいただきましたが、子の看護休暇や介護休暇など、有給・無給の判断が企業により異なる休暇について、有給としている中小企業もあります。内容には毎年全員に付与することが条件に入っていますが、そうした、取得対象者が限られている有給は含めないと、そういう有給・無給は企業の判断によるような有給は、有給休暇に準ずる休暇の5日には含まれないという判断でよろしいのでしょうか。

○阿部部会長 質問ですので、お願いします。

○平岡派遣・有期労働対策部企画課若年者雇用対策室長 毎年全員に付与するというものを考えておりますので、個々の労働者に応じて付与される子の看護休暇、配偶者出産休暇については、今回、算入するものとしては考えておりません。

○阿部部会長 小林委員、よろしいですか。

○小林委員 はい、分かりました。

○阿部部会長 ほかにはいかがでしょうか。今、ずっと有給休暇に関して議論がありますが、その他の点でも御質問、御意見はありませんか。

 北野委員から有給休暇について御意見がありましたが、それに対して坂下委員からも、今後の推移を見て、また、この点についても、あるいはその他の点についても、見直しをしていくことが望ましいのではないかという御意見もありました。実際のところ、ユースエール認定制度がまだまだ利用されていないのが正直なところではないかということでありますので、今後もユースエール認定制度が世の中に認知されて、より使えるような制度になっていくことと併せて、それとともにこの制度の基準自体がこれでいいのかどうかというのも、今後も見直していくと。今回、有給休暇に関して北野委員からも御意見がありましたので、この点も含めて今後も推移を見守っていくということで、今回は当部会の意見として集約したいと思いますが、よろしいでしょうか。

 

( 異議なし)

 

○阿部部会長 ありがとうございます。それでは、次世代育成支援対策推進法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について、当部会としては妥当と認めることとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 

( 異議なし)

 

○阿部部会長 では、その旨を職業安定分科会長宛てに報告したいと思います。では、報告文案の配布をお願いします。

 

( 報告文案配付)

 

○阿部部会長 では、お手元の案のとおり職業安定分科会に報告することとさせていただきたいと思いますが、これでよろしいでしょうか。

 

( 異議なし)

 

○阿部部会長 ありがとうございます。それでは、次世代育成支援対策推進法施行規則等の一部を改正する省令案要綱については、37日に予定されております職業安定分科会に、このとおり報告をさせていただきます。ありがとうございました。

 

 続いて、「介護労働安定センターに関する指定法人制度の在り方等について」に進みます。まず、事務局から説明をお願いします。

○福岡能力開発課主任職業能力開発指導官 職業能力開発局能力開発課の主任指導官の福岡です。2番目の議題は、公益財団法人介護労働安定センターの組織に関する報告についての御検討ということで、お手元の資料2-1と資料2-2、この2つが関連資料です。本日は、資料2-1の一枚紙を使って説明を申し上げます。「経緯」ですが、1つ目の○について、平成2212月に厚労省の委員会報告で、厚労省の指定法人、全ての法人の制度の在り方を全面的に見直すことが決定されました。この検討については、関係する審議会等で行うこととされており、当部会において御検討いただくことになりました。

 資料には記載をしていないのですが、実は当部会で既にこの関係で議論していただいたのがもう2法人あり、1つは港湾労働法に基づく港湾労働安定協会、もう1つが高年齢者雇用対策法に基づく全国シルバー事業協会になるのですが、いずれの法人も既に現行の指定法人制度の在り方は継続するということで結論が出ております。

 「経緯」の2つ目の○ですが、介護労働安定センターの在り方に関しては、当部会において、平成2311月に別途設置する検討会の結論を踏まえた上で検討することが決定されました。具体的には、この検討会の報告書が最終的に妥当かどうかを御審議いただくということになったものです。

2番目、「検討会中間報告」です。平成2410月に検討会の中間報告が出されましたが、2つ目の○、交付金依存体質改善に向けて、交付金が年間収入の3分の2を下回るよう「自主事業の拡大」等に重点的に取り組むということが、検討会の中間報告で出されたところです。この検討会は既に8回開催されており、昨年8月にようやく最終報告になったわけですが、この交付金の依存体質改善、つまり国の交付金の収入の割合が3分の2をなかなか下回ることができなかったという状況が続いて、ここまで時間がかかってしまったという状況です。

 お手元の参考資料3を御参照ください。交付金依存体質の改善についてという横の一覧表です。ちょうど中段の青の「決算」を御覧いただきたいのですが、平成21年度、交付金の収入割合は、この当時76%を超える状況でした。これが平成27年度、一番右の直近の状況は60.44%ということで、ようやく3分の2を下回る結果となり、これを受け、昨年8月に検討会で最終報告が取りまとまったという経緯があります。

 資料にお戻りいただき、資料2-1を御覧ください。3つ目の項目、「中間報告を受けた取組等」ですが、中間報告を受けて、介護センターでは、次の幾つかの取組について重点化を図ってきているところです。

1 つ目がセンターの事務・事業の見直しということで、大きく4点あります。1点目が国の代替機能として、1つ目のポツは、雇用管理相談援助の対象の事業所を小規模事業所等に重点化すること。2つ目のポツは、能力開発事業で実務者研修をやっておりますが、この実務者研修について、再就職あるいは職場定着に資する職場実習等を加味したものとするという取組をまず行ってきたところです。1つ飛ばして3つ目、地域における関係機関との連携ですが、これについては各地域における介護労働の現状等について、関係機関と情報交換・議論を行う場として「介護労働懇談会」を介護労働センターが主催し、全国で開催をしてきたところです。

 また、中段の交付金依存体質改善ですが、これについては、自主事業を拡大するという取組が大きなところですが、そこにありますとおり「専門的かつ高度な研修の拡充」、「都道府県等で行う事業の積極的な受託」を進めて自主事業の拡大を図ってきたところです。

2つ目に、交付金の用途の特化や重点化がありますが、この間、組織のスリム化・合理化等も図った上で、交付金収入の縮減を図って、先ほど申し上げたとおり、平成27年度において、ようやく60.44%ということで3分の2を下回る結果となったという状況です。

 この検討会の最終報告の結論ですが、それが一番最後にあります「指定法人制度について」です。大きく3つあります。1つ目が指定法人制度の在り方についてです。そもそも介護労働の事業を指定法人制度でやるべきかどうかという論点ですが、これについては、1つ目のポツにありますとおり、国が直接実施するよりも、専門的知識・経験を有する団体での実施が適当であるというのが、検討会の最終報告です。2点目、指定基準の在り方についてです。これについては、現在の指定基準を特段触ることなく維持することが妥当ではないかというのが、結論になったところです。最後、指定法人としての介護センターについてです。指定法人の中で、介護労働安定センターをそのまま指定していいのかどうかの議論ですが、これは大きく3点論点があり、1点目に、介護労働分野に関して、介護労働安定センターは蓄積されたノウハウを有しているということ、2点目に、介護労働講習修了者の就職率の高さであるとか、介護労働安定センターは一定の成果を上げているということ、最後3点目に、全国斉一の事業展開が求められる中で、47支部を有する介護労働安定センターは全国規模の体制を整えているということ。以上、3つの論点から、介護労働安定センターが引き続き指定法人として指定されて事業を実施することが妥当ではないか、という結論になったところです。私からの説明は以上です。

○阿部部会長 ありがとうございました。ただいまの御説明に関して、御質問、御意見等がありましたらお願いします。

○紺谷委員 私は国公連合の紺谷と申します。よろしくお願いいたします。存続に反対ということではなく、積極的に利用していただきたいという立場から、1点確認をさせていただきます。介護労働安定センターが行う業務の中に、調査事業がありますが、調査結果に対する分析や、分析を行った後の政策提言は行っているのでしょうか。国の代替機能ですから、そういった専門的見地から、例えば所管の厚労省に政策提言という形まで、介護労働安定センターが行っているかどうかを確認したいのですが。

○源内介護労働対策室長 職業安定局雇用政策課介護労働対策室長の源内です。私からお答えします。介護労働実態調査のデータについては、本部あるいは支部から発信されておりますが、私どもがそのデータを分析し、例えば委託事業で必要な予算を確保していくなど、検討を行う上での基礎データにしております。また、有識者においても、基礎的なデータとして御活用いただいていると伺っております。いずれにしても非常に貴重なデータで、経年的に取れるデータでもありますので、そうしたデータがしっかり活用されるように、介護労働安定センター、そして私どもとしても周知に努めてまいりたいと思います。以上です。

○玄田委員 参考資料3についてお伺いします。平成27年度決算の自主事業収入は10.5億円、前年度に比べて3億円の増加と大変大幅な増加が見られるということは、理解しました。一方、資料2-1で大きく3つのことが自主事業の拡大という項目で挙がっておりますが、実際、この自主事業の増益の背景について、どの部分が特に効果的であったとか、少しお教えいただけますか。

○福岡能力開発課主任職業能力開発指導官 最近、自主事業を大きく伸ばすところに非常に力を入れているのですが、一番大きくは、事業主に対する雇用管理改善に関する指導援助・相談援助です。これは都道府県若しくは都道府県労働局からの委託事業として実施しているのですが、介護労働安定センターの知見を是非この事業でいかそうということで、積極的に入札に手を挙げていただいております。なお、この委託事業については競争入札ですので、非常に競争性のある中で、介護労働安定センターが積極的に手を挙げているのです。ただ、残念ながら不落札になった所もあるのですが、こういった雇用管理改善の関係の委託事業に手を挙げているところが、自主事業収入の増加の主たる理由かと認識しているところです。

○阿部部会長 玄田委員、よろしいですか。

○玄田委員 はい、ありがとうございます。

○阿部部会長 ほかにいかがですか。特にないようでしたら、介護労働安定センターに関する指定法人制度の在り方等について、当部会としてはこの報告書を妥当と認めることとし、その旨を職業安定分科会長宛てに報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。

 

( 異議なし)

 

○阿部部会長 ありがとうございます。それでは、報告文案の配布をお願いします。

 

( 報告文案配付)

 

○阿部部会長 それでは、お手元の案のとおり職業安定分科会に報告することとさせていただきたいと思いますが、これでよろしいですか。

 

( 異議なし)

 

○阿部部会長 ありがとうございます。それでは、介護労働安定センターに関する指定法人制度の在り方等については、37日に予定されております職業安定分科会に、このとおり報告をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

 

 最後の議題ですが、「介護雇用管理改善等計画の実施状況について」、事務局より説明をお願いします。

○源内介護労働対策室長 職業安定局雇用政策課介護労働対策室長の源内でございます。介護雇用管理改善等計画の実施状況について、資料3-1と資料3-2にて説明します。その前に、介護雇用管理改善等計画について、簡単に説明します。介護雇用管理改善等計画は、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律第6条に基づき、厚生労働大臣が介護労働者の雇用管理の改善、能力の開発及び向上等に関し、重要な事項を定めた計画です。現在の計画は、平成27年度から平成32年度までの6年間ですが、その中で計画の実施状況を労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会に御報告することとしており、今回はその初めての御報告となります。それでは、資料3-1と資料3-2について説明します。この改善等計画には、実現すべき目標を示した部分と、そのための取組内容についてまとめた部分がありますが、本日の御報告では計画の目標に関する実施状況と、それを踏まえた今後の取組を中心に説明いたします。

 早速ですが、計画の目標の実施状況について、資料3-1にて説明します。雇用管理改善等計画の第3に、計画期間中に一定の到達目標を掲げているところです。1ページ目ですが、「一層の職場定着を図る」として、介護職員の離職率と全産業の離職率との差を縮小させる目標を掲げております。平成27年度の介護職員の離職率は、平成26年度に比べて変わらなかったのに対して、全産業の離職率が低下しており、平成26年度と比べると平成27年度は乖離が拡大しておりますが、このページの真ん中にグラフを示しているとおり、大きな傾向としては、この乖離差は縮小してきている状況にあります。

 同じページの下、2「相談業務の成果を出す」の1つ目、介護労働安定センターの雇用管理改善に係る相談援助事業の目標があります。介護労働安定センターが相談のため訪問した事業所における離職率を14%以下にするという目標になっておりますが、平成26年度実績が12.6%ということで、目標を達成しております。また、介護労働安定センターの小規模事業所又は開設3年未満の事業所への相談訪問割合は54.8%ということで、目標は50%でしたが、その目標を超えております。

2ページ目です。3「能力開発業務の成果を出す」という部分です。介護労働安定センターが行う介護労働講習について、講習修了後3か月時点の就職率を継続的に85%以上とするというものです。平成27年度の実績が92.7%ということで目標を達成しており、またかつ、過去最高の実績となっております。

4「雇用管理責任者の選任を促す」について、ここでは2つ目標があるのですが、雇用管理責任者として選任した事業所の全事業所に占める割合を50%以上とするというものに対して、平成27年度実績は37.6%ということで、これは目標の未達成となっております。他方、雇用管理責任者講習、これは私ども国のほうで委託事業としてやっているものですが、この講習の受講を契機として雇用管理責任者を選任することとした事業所の割合を80%以上とするという目標を置いております。これに対して、実績が82.2%ということで、目標を超えております。

5「教育・研修計画の立案を促す」というところで、そういう計画を立てている事業所の割合を60%以上にするという目標に対して56.2%、差は小さいものではありますが、目標の未達成となっております。

6「仕事と生活の調和」として、年次有給休暇取得率を指標としておりますが、こちらは国の全産業についての目標です。また、平成32年を目標達成年次としておりますので、現時点では参考の数値を掲げております。

3ページです。先ほど説明した施策の実施状況についての評価と、それを踏まえた今後の方針について記載しております。最初の○です。先ほど説明しましたが、介護職員と全産業の職員の平均的な離職率ですが、平成27年度は全産業の離職率低下のために乖離が若干開きました。介護職は現状維持でした。しかし、平成19年度からのグラフでも示されているように、近年は大きく見て介護職員の離職率が低下傾向にあり、その乖離は縮小傾向にあります。各種施策の実施を通じて、介護事業所における雇用管理改善の取組が進んでいるものと考えております。

2つ目の○は、介護労働安定センターの雇用管理改善のための相談援助について記載しております。介護労働安定センターの相談援助については、事業所訪問を主体に実施しております。また、課題の把握から具体的提案までを行うため、複数回の相談を基本としております。こうしたきめ細かな対応が離職率低下につながっているのではないかと考えております。

3つ目の○は、雇用管理責任者についてです。雇用管理責任者を選任した事業所が目標を大きく下回っている状況にあります。このため、私どもとしてもより積極的な取組をしていかないといけないと考えているところです。この資料3ページ目にあるように、雇用管理責任者講習の積極的な受講勧奨や、介護労働安定センターによる相談援助の中で、雇用管理改善の重要性や雇用管理責任者を選任した積極的な取組を促していきたいと考えております。また、職場定着支援助成金、これは私どもが実施している助成金ですが、その中に介護労働者の身体的負担の軽減を図るために介護福祉機器を導入した場合の助成である介護福祉機器等助成や、介護労働者の賃金制度を整備した場合の助成である介護労働者雇用管理制度助成があり、その助成金の支給要件として、雇用管理責任者の選任を定めております。したがって、助成金の積極的な活用を通じて、雇用管理責任者の選任を促進していきたいと考えております。

4つ目の○は、介護労働講習についてです。介護労働安定センターの実施する介護労働講習においては、通信レポートの添削から就職支援まで、非常にきめ細かく充実した内容の訓練をやるように努めてきており、受講後の就職率の目標を達成するなど、成果が見られます。また、「教育・研修計画を立てている」事業所の割合が未達成となっております。介護労働安定センターが実施する能力開発に関する相談援助等を通じて、教育・研修計画の立案を促進していきたいと考えております。

 最後の○ですが、年次有給休暇取得促進については、目標値70%、これは国としての全産業の目標です。介護事業所に対しては、介護労働安定センターの雇用管理改善に係る相談援助を通じて、年次有給休暇の取得を促していきたいと考えております。

 資料3-2にて、目標達成していくための取組の実施状況について説明いたします。こちらは項目が詳細で多岐にわたることから、主立った項目に絞って説明したいと思います。1ページ目の第4、雇用管理の改善、能力の開発及び向上施策の中で、1、雇用管理の改善の(1)です。各都道府県にある介護労働安定センターの支部(所)で、雇用管理のための相談援助業務をやっております。その援助件数の実績が平成27年度は33,923件でした。そして、先ほど説明しましたが、そのうちの54.8%が、比較的離職率が高いとされている小規模又は開設間もない事業所になっております。

(2)雇用管理の改善を支援する助成金等の活用促進ですが、真ん中に下線を引いている所です。介護事業所に特化した助成金として、ここでは介護福祉機器等助成金の実績を掲げております。平成27年度は1,597件、平成28年度は上半期において1,274件ということで、多くの介護事業所に御利用いただいております。

(3)雇用管理責任者講習の実施です。厚生労働省の委託事業として、平成27年度における実績です。受講者数が11,703人となっております。この講習ですが、雇用管理に関する基本的事項について全般的な講義を行う総合コースと、専門的なテーマで学ぶ専門コースがあります。

2ページ目、(4)好事例の活用にあるように、職場改善の好事例を介護労働安定センターのホームページに公開したり、(5)自己チェック機会の提供とありますが、自己チェックリストを提供したりするなど、介護事業所による自主的な取組に対して情報提供に努めているところです。

3ページ目、2、職業能力開発及び向上について説明します。(1)センター等による介護労働者の能力開発ですが、介護労働安定センターによる介護労働講習の実施回数が全都道府県で47回ですが、受講者数は1,566人、就職率92.7%となっております。また、(2)能力開発に関する相談援助ですが、介護労働安定センターが自らの計画に沿って相談援助やセミナー、講習会を実施しており、その実績をここに記しております。

5ページ目の第5、その他の人材確保・福祉増進施策の1、人材確保の所を説明いたします。主要なハローワークに福祉人材コーナーを設置しており、介護だけでなく、医療や保育も対象として、きめ細かい就業相談や職業紹介や、事業所情報等の提供などを実施しているところです。福祉人材コーナーを利用して福祉分野に就職した件数は36,951件、就職率は59.2%となっております。その他、資料3-2にあるとおり、様々な取組を行ってきておりますが、主なもののみ説明いたしました。私からの説明は以上です。

○阿部部会長 ただいまの説明に関して、御質問、御意見がありましたら、御発言をお願いします。

○玄田委員 御説明ありがとうございました。資料3-1について、1つお伺いさせていただきます。2ページ目、4の雇用管理責任者の選任に関する目標が未達だったところは、大変残念であったと私も感じました。その上で、今後の対応策についても、このような形で取り進めるということでよろしいのではないかと思いましたが、1点、雇用管理責任者を設置することによって、実際、事業所の状況はどのように改善されたのかということについて、どのような認識をお持ちなのかを伺いたいと思っております。と申しますのも、参考資料6の介護労働の現状を拝見しておりますと、例えば13ページ、介護の仕事を辞めた理由として、職場の人間関係に問題があったためとか、法人や施設・事業所の理念や運営の在り方に不満があったためというのが大変多くなっております。実際この雇用管理責任者を置くことによって、職場の人間関係が改善されたとか、こういう事業所の運営に関する不満が一部でも改善されたということがありますと、そういう事実を踏まえて、事業所も雇用管理責任者を設置していこうかということにつながるのではないかと思うのですが、実際、介護労働安定センターの相談援助の中で、そのような責任者を置くことによって状況が改善されたという声が聞かれるのかどうか。さらには、ここでなされた様々なアンケートの中で、それに近いような状況が見られるかということについて、今の段階でお分かりになることを教えていただければと思います。

○源内介護労働対策室長 お答えします。雇用管理責任者の有無との関係で、介護労働実態調査で離職率が示されております。平成27年度の調査においては、雇用管理責任者を選任している事業所の離職率は15.8%、選任していない事業所の離職率は17.2%となって、選任している事業所の離職率のほうが低い状況です。先ほど玄田委員から御指摘いただいた介護のデータで、介護の仕事を辞めた理由の中で、職場の人間関係に対する指摘は非常に多いのですが、雇用管理責任者がしっかり選任されて取組をやっている所においては、離職率の低下ということで取組の成果が出ているのではないかと考えております。

○玄田委員 分かりました。

○阿部部会長 その他いかがですか。

○北野委員 資料3-2でお伺いしたいことが2点あります。1点目が1ページの(2)の雇用管理の改善を支援する助成金等の活用促進の2つ目ですが、介護労働者の負担軽減を図るための介護福祉機器等助成が、平成27年度と比べると、平成28年度は半期でほぼ同数に近い実績が出ている状況ですが、助成実績が伸びた要因についてどのように分析されているかを教えていただきたいと思います。あわせて、3ページの(11)介護ロボットの開発支援について、介護ロボットの開発支援でモニター調査を19件実施したということですが、これから介護は国民共通のリスクですし、2025年には大幅に認知症の方も増える、介護を必要とする方も増えてくるということからすると、このような技術を使った支援が必要になると思っています。モニター調査で、どのような意見があったかなど、把握されていれば、お聞かせいただきたいと思います。以上です。

○阿部部会長 それでは、お願いいたします。

○源内介護労働対策室長 お答えします。介護福祉機器等助成について、支給決定件数が増えておりますが、これについては、ここにありますように例えばストレッチャーとか、自動車に乗せるためのリフトとか、特殊浴槽など、ニーズの高いものを対象としていることや、この制度が認知されるに従って、導入費用の2分の1ということもありまして、支給決定件数が増えております。使い勝手のいいといいますか、非常に使いやすい助成金だということも聞いており、そういう観点から活用いただいて実績が伸びているのではないかと考えております。いずれにしても、介護労働者の身体への負担軽減というのは、離職率を下げて定着を図る上で非常に重要なものですから、この助成金については、引き続き私どもも運用の改善を図りながら、活用を促していきたいと考えているところです。

2つ目の御質問のモニター調査についてですが、本日、モニター調査の結果については聞いてはいないのですが、私どもが把握しているのは、平成27年度補正予算で介護ロボットの導入に関して、厚生労働省として補助事業をやって、平成28年度に今度はロボットの効果について実証するということで、これも平成28年度補正予算で付いているものですが、今年度、補正で付いたものについて関係局にて実施されると聞いているところです。私どもとしても介護ロボットについても、介護福祉機器と同じく、現場における介護の負担を軽減するという関係でも、しっかりフォローしていきたいと考えているところです。以上です。

○阿部部会長 北野委員、よろしいですか。

○北野委員 はい。

○阿部部会長 できたら、モニターの調査でどういうことがあったのか、どういう声があったのかなどは、まとめていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。ほかにいかがでしょうか。これは報告ですので、この後、特に分科会へ報告するといったことはありませんので、ほかに御意見がなければ、本日の議事は以上をもちまして終了とさせていただきたいと思いますが、委員の皆様から何か御意見、御質問はありますか。

○村上委員 資料3-2に関して、意見と教えていただきたいことがございます。先ほど北野委員が御指摘された、1ページの第4の雇用管理の改善を支援する助成金等の活用促進の部分で、雇用管理制度の導入、実施に対する助成金の記載があります。雇用管理制度の要素として、評価・処遇制度、キャリアパスなどと並んで、賃金体系、諸手当の導入も掲げられております。実際の介護現場では、定昇制度があるという法人に聞いてみても、4割は賃金表がないとの指摘もあります。また、評価基準や評価方法が明文化されているのは3分の1程度にとどまっているということがあります。離職防止のためにも、そういった制度をきちんと整えていくこと、また制度を整えて、何年勤続すれば、このぐらいの賃金水準になっていくということが分かることが、定着にとって必要かと思います。是非そういった点での助成金の活用もお願いしたいと思います。

 職業安定局として、介護事業所において賃金規定がきちんと整備されているのかについて、また賃金制度が整備されている介護事業者の割合がどのぐらいなのかについて、実態を把握されているのか、お伺いしたいと思います。

○源内介護労働対策室長 お答えします。介護事業所における、先ほど村上委員から御指摘がありましたキャリアパス、あるいは賃金制度の重要性は、私どもとしても認識しているところです。御質問のあったデータについてですが、平成25年度に別の局で実施したものがあるのですが、今、手元にないものですから、何パーセントと申し上げることはできないのです。先ほども一言触れましたが、私どもとして平成28年度に創設した助成金で介護労働者雇用管理制度助成というのがあり、こちらは介護労働者の職場定着の促進に資する賃金制度を整備した場合の助成ということで、今年度から実施しているものです。私どもとしても、この助成制度は始めたばかりですので、周知に努めながら、是非使っていただいて、より多くの事業所に制度を整備していただく、あるいはより良いものにしていただく、そのようにしていきたいと考えているところです。

○阿部部会長 村上委員、よろしいですか。

○村上委員 はい。

○猪熊委員 資料3-1で、1点だけ質問させてください。4の雇用管理責任者の選任を促すという所の2つ目の、雇用管理責任者講習の受講を契機として、雇用管理責任者を選任することとした事業所の割合が80%以上とあるのですが、この雇用管理責任者講習を受講した人がいる場合に、事業所においてその人が雇用管理責任者になるわけではないということなのですよね。受講者が全部、雇用管理責任者になれば100%となると思うのですが、これは受講した人でも、事業所において選任をするまでの手続はまた別にあって、そのハードルがあるから、100%ではなくて80%が目標になっているということなのでしょうか。

○源内介護労働対策室長 お答えします。講習の受講を契機として選任した事業所が100%でないという意味では、確かに選任していない事業所が講習を受けた後もあるということですが、その事業所、事業所において、手続上のハードルがあるかどうかというところまで、私どもで把握はしておりません。しかし、そんなに大きなハードルがあると思えませんので、私どもとしてはこの講習を受けていただいたことをきっかけとして、雇用管理責任者を置くように周知をしていきたいと思いますし、介護労働安定センターのほうでやっております相談援助業務の中においても、同様の働き掛けをしていきたいと考えております。

○坂下委員 使側からもということで、全体的なものに対してなのですが、6年間の計画期間の中での目標ということで、資料3-1でまとめていただいていますが、残念ながら未達成の所があります。そういったものは引き続き取組を強化していただき、達成に向けて努力していただければなと思います。その上で、既に達成している部分については、恐らく目標設定の数値を期間中に変えるということはあまり想定していないのかもしれませんが、PDCAの観点から言えば、ある程度達成されたものについて、状況を見て更なる望ましい水準を設定し、それに向かって努力していくというのは望ましい在り方かなと思いますので、必要があれば検討していただくのがいいのかなという感想を持ちました。

 離職率の所なのですが、産業計のほうが改善した関係で、直近のところは少し広がってしまったということなのですが、介護事業者の倒産に関するデータなどを見ますと、かなり零細で、それでいて開設間もない事業所の倒産が結構多いという中で、それに伴って離職を余儀なくされている方もいるように思いますので、大分御努力されていて、介護職員の離職率も産業計とそう大きな差がないところまできておられますのは、素晴らしいなと思います。今後、さらに細かく離職率低下に向けて取り組んでいかれるに当たっては、介護事業者の特性、小規模でノウハウが少なく、開設して間もない企業の倒産が多いということも十分踏まえた対応をしていくことが、効果的なのかなと感じましたので、御指摘をさせていただきます。

○阿部部会長 1点だけ、PDCAサイクルの件で、目標設定値を今回変える予定があるかどうかだけ、私も気になりましたので、事務局にちょっとお尋ねしたいと思います。

○源内介護労働対策室長 お答えします。もちろんPDCAという考え方はそのようだと理解しております。私どもとしては、まず目標未達成の部分は達成し、目標を既に達成しているものについても、これを毎年、達成していかなくてはいけないという意味では、更なる上を目指すということで取り組んでまいりたいと思います。そのような取組の中で、目標値自体についてもより適切なものをという議論については、私どもで必要に応じて検討してまいりたいと思います。それは計画期間中、あるいは次の計画でというようになるかもしれませんが、いずれにしても御指摘のとおりで、PDCAの考え方から、そのように取り組んでまいりたいと思います。

○阿部部会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

○玄田委員 今、坂下委員のおっしゃるところは、大変重要で私も気になるところだと思っていて、雇用動向調査などでは、存続している事業所からの離職状況についてはかなり正確に把握できると思うのですが、事業所が廃止されたことに伴って生じた離職についての把握は、実際には相当難しいのではないかと認識しております。そういう問題意識については、必ずしも介護事業だけではないので、開業による雇用の創出と廃止による離職については、数年前から小野委員がいらっしゃる労働政策研究・研修機構で雇用創出・喪失指標の開発がなされております。その中で、詳細分類などを用いて、あれは雇用保険業務統計などを使っており、かなり精度の高いデータだと思いますので、できればその辺りも含めて離職の状況、また採用の状況について、多角的に把握しながら、PDCAにいかしていただければと思いました。以上です。

○小野委員 此の期に及んで1点確認をさせていただきたいのですが、資料3-12の相談業務の成果を出すという所で、介護労働安定センターが相談を受けるために訪問を行った事業所について、2職種合計の離職率を14%以下にするという所の離職率について、12.6%になってますが、平成26年度に相談援助を受けた事業所17,005事業所の一部1,520事業所と書かれています。これはどのようにサンプリングされたのかと、サンプリングの数としては少ないのではないかという気がするので、その辺が分かれば教えていただきたいです。

 もう1つ、これは私見ですが、介護労働安定センターに相談に来るということは、もう既に自分たちで問題を認識していて、何らか相談をしたいと思って来るわけですから、当然、離職率が下がって当たり前だと思います。介護労働安定センターには相談に来るという行動を起こす事業所だけではなくて、まだ悩んでいて、相談に行くまでいかないような事業所にも積極的に訪問していただいて、相談に乗ってあげるような体制が求められるのではないかと思います。交付金を3分の2もらっているということは、それぐらい積極的にやらなければいけないのではないかと思っております。1点目についてだけ、お答えいただければと思うのですが。

○源内介護労働対策室長 お答えします。まず、どのようにサンプリングしたかということですが、事業所数が多いということもあり、厳密にこのぐらいということではなくて、つかみといいますか、それで1,520という形になっています。サンリングの数が少ないのではないかという御指摘もありましたが、データの取り方については、引き続き私どもとしてもいろいろ考えていきたいと思います。以上です。

○阿部部会長 小野委員、よろしいですか。

○小野委員 はい。

○阿部部会長 ほかによろしいですか。特にないようでしたら、本日の議事は以上をもちまして終了させていただきます。次回の日程等については、事務局から改めて御連絡いたします。本日の署名委員ですが、北野委員と穗岐山委員にお願いしたいと思います。本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。


(了)

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