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2017年6月1日 第2回アレルギー疾患医療提供体制の在り方に関する検討会 議事録

健康局がん・疾病対策課

○日時

平成29年6月1日(木)14:00~16:00


○場所

厚生労働省3階 共用第6会議室


○議事

○斎藤座長 それでは、「第2回アレルギー疾患医療提供体制の在り方に関する検討会」を開催いたします。皆様方におかれましては、お忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。本日ですが、現在15名の構成員の方々に御参集いただいておりまして、会議の定足数に達していることを御報告いたします。なお、独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター副センター長の海老澤元宏構成員、公益社団法人日本薬剤師会常務理事の村松章伊構成員からは御欠席の連絡を頂いております。松本構成員におかれましては、5分から10分程度遅れるとの連絡がございました。

 それでは、事務局から資料の確認をお願いします。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 本日は、健康局長の福島が急な公務のため欠席させていただきますことを御報告いたします。それでは資料の御確認をいたします。貸し出し資料として、基本法、指針、研究班報告書、初回資料をとじたフォルダ、及び「アレルギー総合ガイドライン2016」を配布しております。こちらは会議終了後、机の上に置いたまま、お持ち帰りになりませぬよう、よろしくお願いします。今回の「第2回アレルギー疾患医療提供の在り方に関する検討会」資料として用意しておりますのは、議事次第、座席表、アレルギー疾患提供体制の在り方に関する検討会委員名簿、及び資料1「アレルギー疾患医療提供体制の在り方について(たたき台)」です。資料に不足、落丁等がありましたら事務局までお申し出ください。

○斎藤座長 ありがとうございました。それでは、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。これより、本日の議事に入ります。第1回の検討会におきましては、「アレルギー疾患医療提供体制の在り方」について、その前から行っておりました研究班での検討内容を基に御議論いただきました。そこで御議論いただいた内容を基に、資料1にあります「アレルギー疾患医療提供体制の在り方について(たたき台)」を事務局で作成いただきました。本日は、このたたき台の内容について御議論していただきたいと思います。

 それでは事務局から、このたたき台について御説明をお願いします。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 御説明いたします。先ほど座長からもお話がありましたとおり、前回、1回目の検討会で、医療体制の絵を研究班で御検討いただいたものをお示ししまして皆さんに御議論を頂きました。その絵を簡単に言いますと、少し文書にしたものを今回御用意しておりますので、御説明いたします。

 目次から説明します。1.アレルギー疾患医療体制の基本的な考え方-各医療機関の連携協力としまして、先ほど申し上げた医療体制の絵をオーバービューというか、ざっくりとしたまとめ的な内容を1.に記載しております。2.アレルギー疾患医療に携わる医療機関やかかりつけ医等に求められる役割ということで、各疾患医療に携わる医療機関、かかりつけ医等に求められる役割を4つのカテゴリーで記載しております。1)中心拠点病院。これは成育相模原のことですが、そこの役割。2)都道府県拠点病院の役割、3)かかりつけ医の役割、4)薬局・薬剤師の役割を図の中に入れております。アレルギー疾患に関しては、薬局・薬剤師の役割も重要であるということで入れております。3.都道府県拠点病院の選定についてということで、まず、1)拠点病院を選定する主体についての御説明、2)選定するに当たって、どういう病院がふさわしいのかという要件について記載しております。4.都道府県地域連絡協議会の設置ということで、1)協議会をどういうメンバーで構成するのかという例示的なものですが、その構成、2)協議会の役割という構成にしております。別紙1として、1回目の検討会でも少し示しておりますが、医療提供体制のイメージ図を付けております。別紙2は、都道府県の拠点病院に求められる役割のもう少し具体的な内容例です。

 では内容について御説明いたします。2ページの1.アレルギー疾患医療提供体制の基本的な考え方-各医療機関の連携協力です。アレルギー疾患の重症化の予防のためには、正確な診断に基づく適切な治療と管理が行われることが重要である。ここからがかかりつけ医のお医者様に少し関わる部分ですが、そのため、診療所や一般病院で発症早期や軽症の患者の多くの診療を担うかかりつけ医に対し、科学的知見に基づく、適切な医療に関する情報が常に提供され、それに基づき、適切な治療が決定される環境が構築されることが重要であると書いております。

 その次の段落が都道府県拠点病院の関わり方です。一方、かかりつけ医や、かかりつけ医と一般病院との連携等による診断や治療では病態が安定化しない場合、適宜、各都道府県の拠点となる医療機関である「都道府県拠点病院」が関与することが必要となる。その後、病態が安定化した場合や治療方針に大きな変化がない場合は、患者の利便性も鑑み、かかりつけ医による診療を中心に行うことが望ましいとしております。

 また、全国の中心拠点病院の役割ですが、アレルギー疾患に関する科学的知見に基づく適切な情報の提供や、各都道府県拠点病院の専門的な知識及び技術を有する医療従事者の育成は、全国の拠点となる医療機関である「中心拠点病院」が担うこととするとしております。かかりつけ医、都道府県拠点病院、中心拠点病院の連携のイメージについては、別紙1に示しております。

2.アレルギー疾患医療に携わる医療機関やかかりつけ医等に求められる役割です。アレルギー疾患医療全体の質の向上を進めるに当たり、前述のとおり、中心拠点病院(国立研究開発法人国立成育医療研究センター、独立行政法人国立病院機構相模原病院)都道府県拠点病院、かかりつけ医との間の連携協力が重要である。また、アレルギー疾患医療においては、適切な予防及び治療のため、かかりつけ医等と連携し、薬剤師が患者の服薬状況の把握を介した薬学的管理を実施する等、薬局の積極的な関与も必要である。これら医療機関や薬局に求められる役割を、診療、情報提供、人材育成、研究の4つの観点から以下のとおり整理するとしております。

3ページの1)中心拠点病院の役割です。ここは基本的には4つで、中心拠点病院に関しては「その他」を入れており、5つの小見出しを付けて整理しております。

 ➀診療です。中心拠点病院は、都道府県拠点病院と同様、一般的な診断や治療では病態が安定化しない重症及び難治性アレルギー疾患に対し、関係する複数の診療科が連携し、診断、治療、管理を実施する。➁情報提供です。中心拠点病院は、国民や医療従事者その他のアレルギー疾患に携わる関係者に対し、ウェブサイトや講習会等を通じ、アレルギー疾患に関する科学的知見に基づく適切な情報を提供する。また、関係学会等のウェブサイトに掲載しているアレルギー疾患に携わる専門的な知識及び技術を有する医療従事者やアレルギー疾患に関する医療機関の情報等の提供も行う。➂人材育成です。中心拠点病院は、都道府県拠点病院でアレルギー疾患医療に従事する専門的な知識と技術を有する医療従事者の育成を行うとともに、全国の都道府県や市区町村等で実施する地域住民、医療従事者その他のアレルギー疾患に携わる関係者向けの研修や講習会で活用できる共通教材等の作成、提供を行う。➃研究。中心拠点病院は、国が全国的な疫学研究、臨床研究等を長期的かつ戦略的に推進することに協力する。➄その他として、中心拠点病院は、全国拠点病院連絡会議(仮称)を開催し、全国の都道府県拠点病院との情報共有、意見交換等を行うとしております。

4ページ、2)都道府県拠点病院の役割も同じく、診療、情報提供、人材育成、研究の4つに分けております。

 ➀診療として、一般的な診断や治療では病態が安定化しない重症及び難治性アレルギー疾患に対し、関係する複数の診療科が連携し、診断、治療、管理を行う。➁情報提供としては、患者やその家族に対し、定期的に講習会等を開催することや、地域住民に対する啓発活動を行う。➂人材育成としても、都道府県でアレルギー疾患医療に携わる医療従事者の知識や技能の向上に資する研修の実施のみならず、保健師や学校、児童福祉施設等の教職員等に対する研修を行う。➃研究ですが、都道府県におけるアレルギー疾患の実情を継続的に把握するための調査・分析を行い、都道府県によるアレルギー疾患対策の推進を支援する。また、国が長期的かつ戦略的に推進する全国的な疫学研究、臨床研究等に協力するとしています。また、上記役割の具体的内容については、別紙2に例示したとしております。別紙2は後ほど御説明します。

 続いて、3)かかりつけ医の役割です。かかりつけ医は、定期的な処方や検査等の日常的診療を行う患者に最も身近な存在であり、日々の診療において科学的知見に基づいた適切な医療を提供することが期待される。そのため、都道府県地域連絡協議会等が開催する研修会等に積極的に参加し、最新の科学的知見に基づいた適切な医療についての情報を有する必要がある。また、通常の診断や治療では病態が安定化しない重症及び難治性アレルギー疾患患者については、適宜、都道府県拠点病院を紹介することが求められる。

4)薬局・薬剤師の役割です。アレルギー疾患において、かかりつけ薬局・薬剤師は、医師の処方に基づき、患者に対して有効性・安全性が確保された適切な薬物療法を提供することが重要である。そのため、医薬品や薬物療法に関して、アレルギー疾患医療に携わる医療機関等やかかりつけ医と連携を取りながら、最新の科学的知見に基づいた適切な情報提供及び指導を行う必要がある。また、薬学的専門性の観点から、服薬情報や副作用(特にアレルギー歴)等の情報について、処方を行った医師へのフィードバックを行うこと等も求められる。ここまでが、医療機関、かかりつけ医のお医者様を含めた各プレーヤーの役割の説明になります。

3.都道府県拠点病院の選定。1)都道府県拠点病院の選定主体についてです。選定主体は都道府県とし、人口分布、交通の利便性等地域の実情を総合的に考慮し、都道府県の中でアレルギー疾患の診療ネットワークの中心的な役割を果たしている、又は将来、果たすことが期待される医療機関を都道府県拠点病院として選定する。

2)都道府県拠点病院の選定要件についてです。都道府県拠点病院は、各都道府県につき、原則12箇所程度選定されるものとする。都道府県拠点病院には、主要なアレルギーに関連する科としての内科、小児科、耳鼻科、眼科、皮膚科領域の学会の専門医(内科は認定内科医)資格を有する医師が常勤していることが求められる。選定を検討する医療機関に、このような医師が常勤しない診療科がある場合、その診療科の専門医(内科は認定内科医)が常勤している他医療機関の診療科を合わせて選定することで、都道府県拠点病院としての選定基準を満たすものとする。なお、専門領域の広い内科、小児科の医師については、日本アレルギー学会のアレルギー専門医資格の認定を受けた医師が常勤していることが望ましい。また加えて、都道府県拠点病院には、アレルギー疾患に関する専門的な知識を有する看護師、管理栄養士、薬剤師等が配置されていることが望ましい。また、都道府県拠点病院は、基本的に小児から成人までの診療を担える医療機関であることが必要であるが、それに加え、都道府県で中心的な役割を担っている小児専門医療機関も拠点病院として想定できるものとするとしております。

 最後に、4.都道府県地域連絡協議会の設置です。1)都道府県地域連絡協議会の構成ですが、都道府県は、アレルギー疾患対策を推進するため、都道府県地域連絡協議会(以下地域連絡協議会という。)を設置する。地域連絡協議会は、都道府県や都道府県拠点病院、アレルギー疾患に携わる専門医、医師会、関係市区町村、学校関係者その他のアレルギー疾患対策に携わる関係者等によって構成されるものとし、更に患者視点での課題も考慮するよう、アレルギー疾患を有する者その他の関係者の意見を参考にするよう努める。既に都道府県において同様の組織がある場合には、これを活用して差し支えない。

2)都道府県地域連絡協議会の役割として、地域連絡協議会は、都道府県拠点病院で実施する調査、分析を参考に、地域におけるアレルギー疾患の実情を継続的に把握し、都道府県拠点病院を中心とした診療連携体制、情報提供、人材育成等の施策の企画、立案や実施等、地域の実情に応じたアレルギー疾患対策の推進を図るとしております。

 続いて、別紙の説明を貝沼からいたします。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 よろしくお願いします。別紙1を御参照ください。別紙1には、アレルギー疾患医療における連携のイメージ図を示しております。これまでの検討会においては、国レベルのイメージ図と、都道府県等の地域レベルのイメージ図を別々に記載しておりましたが、それを、国全体のアレルギー疾患医療における連携のイメージということで1枚の図にまとめたものです。

 地域レベルには、診療所など一般病院があり、薬局との連携の中で、まずは地域の連携で患者さんをしっかり診ていただきます。その上で、対処しきれない重症及び難治性のアレルギー疾患の患者さんは都道府県レベルの都道府県拠点病院に紹介されるシステムを作っていきたいと考えております。その上で、都道府県地域連絡協議会としまして、先ほど魚谷が説明しましたが、都道府県拠点病院を中心とした診療連携体制、情報提供、人材育成等の施策の企画、立案、実施等、地域の実情に応じたアレルギー疾患対策の推進を目的に、都道府県や都道府県拠点病院、アレルギー疾患に携わる専門医、医師会、関係市区町村、学校関係者その他のアレルギー疾患対策に関わる関係者等によって構成されるものとしております。

 そしてまた、都道府県レベルから国レベル等の連携に関しては、人材育成、そしてまた患者さんの紹介、逆紹介という構図を作り上げて、中心拠点病院である「国立成育医療センター」並びに「国立病院機構相模原病院」との連携システムを作っていきたいと考えております。

 別紙2です。こちらには、都道府県拠点病院の役割の具体的内容についての例示を示しました。先ほど、中心拠点病院、及び都道府県拠点病院の役割を、診療、情報提供、人材育成、研究という4つの側面から書きましたが、診療の中身をより詳しく書いております。➀診療の部分は、Aとして、現在拠点病院として実施すべき事項、そしてBとして将来的に実施することが望ましいと思われる事項と2つに分けました。そして、診療の中でも、診断・治療・管理というそれぞれの観点から、各臓器の領域別に疾患群を示し、それに対してどういったことをしていくべきなのかを示しております。

 アレルギー全般においては、アレルゲン同定の検査実施、例えば、血液検査や、プリックテスト、又はパッチテスト等です。また、アナフィラキシーの原因同定もアレルギー全般に関わることと思われましたので、こちらに記載しております。また、肺及び下気道領域においては、肺機能検査、NO測定、呼吸抵抗測定、気道過敏性試験等の呼吸機能の評価をすることが必要であり、気管支喘息及び鑑別疾患の正確な診断も必要です。皮膚領域においては、アトピー性皮膚炎の正確な診断、重症及び難治性アレルギー性皮膚疾患の正確な診断が必要。上気道領域においては、アレルギー性鼻炎の正確な診断、そして、下気道、眼、皮膚疾患に影響する上気道疾患の正確な診断。眼領域としては、アレルギーが関与する眼疾患の正確な診断。食物アレルギー領域としては、運動誘発試験を含む食物経口負荷試験の実施及び評価、また、重症及び難治性食物アレルギーの診断とさせていただきました。

 治療においては、アレルギー全般としましては、アレルゲン免疫療法の実施とし、舌下療法と皮下療法の2つを記載しました。また、肺及び下気道領域では、重症及び難治性気管支喘息の治療。皮膚領域では、重症及び難治性のアトピー性皮膚炎・アトピー性皮膚疾患の治療。上気道領域では、重症及び難治性の下気道、眼、皮膚疾患に影響する上気道疾患の治療。眼領域においては、重症及び難治性眼領域アレルギー疾患の治療。食物アレルギー領域では、重症及び難治性食物アレルギーの治療としました。

 管理としては、アレルギー全般を通じて、重症及び難治性アレルギー疾患の長期管理としております。

 次に、情報提供、人材育成については、拠点病院として実施すべき事項という位置付けにしております。➁情報提供としては、患者さんやその家族に対する講習会等の定期的な実施、さらに、地域住民に対する啓発活動の実施としました。➂人材育成については、都道府県でアレルギー疾患医療に携わる医療従事者の知識や技能の向上に資する研修の実施、また、保健師や学校、児童福祉施設等の教職員等に対する研修の実施と記載しました。➃研究においては、都道府県におけるアレルギー疾患の実情を継続的に把握するための調査・分析の実施、国が推進する大規模な疫学調査や臨床研究等に可能な限り協力すると記載しました。以上です。

○斎藤座長 ただいまの事務局からの説明を踏まえまして、目次の項目の14、別紙12の順で御議論をお願いいたします。まず最初が、2ページの1.アレルギー疾患医療提供体制の基本的な考え方です。これは前文というか、各医療機関の連携協力が非常に重要であるということを説明しているということだろうとは思います。いかがでしょうか。ここに関しては余り議論はないかもしれないですね。

○岡本構成員 千葉大の岡本です。2ページの基本的な考え方で少し気になるのは、「中心拠点病院」のところなのですが、下のほうで、アレルギー疾患に関する科学的な情報の提供とか、医療従事者の育成は全国の拠点となる医療機関である「中心拠点病院」が担うとありますが、これは現実的に可能なのでしょうか、というのが1つです。

 それから、例えばこの中には、医師の専門医制度、いわゆるアレルギー専門医の育成や、多分これから将来注目されてくるようなアレルギー専門看護師の育成なども、中心病院が担うとなると、負担が非常に大きいのですが、物理的に可能なのでしょうか。

 それから、専門医の在り方ですが、それも今議論が進んでいるところなので、その育成をここで病院が担うとなると、今後いろいろな問題が出てくるような気がします。表現が不適切ではと危惧します。いかがでしょうか。

○斎藤座長 中心拠点病院から来ていますのでお答えします。もちろん2つの病院だけで、全ての専門医の教育から看護師さんの教育までを担うのは不可能だと思いますし、日本アレルギー学会が、専門医として主体となって各施設でプログラム制などで3年から5年の研修を義務付けています。現実的には2病院では不可能です。この書き方を現実に即して少しトーンダウンしていただくとか、あるいは、「この連携体制で担っていく」などという文章のほうが適当だと思います。ほかにいかがでしょうか。

○松本構成員 私も岡本先生と同じように、この書きぶりからすると、ちょっと難しいのかなという感じはしました。別紙2のほうには、「人材育成」の所に都道府県拠点病院のことも書いてありますので、都道府県拠点病院自身もそういった人材育成をするわけですから、中心拠点病院が、これを全て担うという書き方だと少し強すぎるのかなと私も思いました。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 御意見ありがとうございます。ここで記載したイメージとしては、都道府県の拠点病院で働いている先生方の育成を中心拠点が担うと言うと、重すぎるというお話がありましたが、研修などをやって底上げを図っていくというようなイメージを文章化したものなのです。その都道府県の拠点病院のスタッフを育成するというところだけでも、やはり重いというような御意見と理解してよろしいでしょうか。

○松本構成員 もちろんそれは1面としてはありますが、この書き方だと、何となく全部の拠点病院の全部の従事者の育成をするという形に取られかねないので、都道府県の拠点病院自身も育成をするし、もちろん中心拠点もその役割を担っているという意味合いだと思います。

○斎藤座長 実際には、3ページに「中心拠点病院の役割」として、このことは記載はされているわけですが、前文でこれを記載してしまうと、確かに誤解を招きやすいかなと思います。事務局のほうで検討していただければと思います。ほかにはいかがでしょうか。

○織田構成員 全日本病院協会の織田です。前もお聞きしたのですが、私は耳鼻科医ですが、耳鼻咽喉科学会でも鼻アレルギーに関しては、かなり専門的にいろいろ研修等を行っています。そういうことに関しては、ここの部分とどういうふうな関係になっていくのでしょうか。というのは、結構それぞれの専門医としてアレルギーの研修教育を受けています。実際に、ここの中心拠点病院で、そういう場合どこを担うのか、その辺りがよく分からないところがあるのです。

○斎藤座長 中心拠点病院の機能のことですね。次のページで中心拠点病院の機能に関しては、また詳しく議論はするので。

○織田構成員 1つ、関係学会等のウェブサイトに掲載うんぬんということなのですが、この関係学会というのはどこを指しているのでしょうか。「情報提供」の所の3行目です。

○斎藤座長 3ページの1)の➁の「情報提供」の所ですね。関係学会等とは、日本アレルギー学会、日本耳鼻咽喉科学会とか、そういうことですよね。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 はい。斎藤先生のおっしゃいますとおり、それぞれの専門医制度を持っている学会のホームページでは専門医の名簿が掲載されていると思いますので、そういった学会のホームページを使うということを想定しております。

○斎藤座長 ほかにはいかがでしょうか。取りあえず目次項目の1番に戻っていただいて、この文言といいますか、ここではその文言に関して御指摘いただいて、どういう修正が望ましいか等まで言っていただけると有り難いのです。よろしいでしょうか。

 先に各論に入ったほうが議論はしやすいような気もしますので、1番に関しては、また時間があれば総合的に議論するとして、2.アレルギー疾患医療に携わる医療機関やかかりつけ医等に求められる役割です。これはかなり広い範囲ですが、2ページの下の部分から5ページの上のほうまでが2番の項目です。ここについて、もう御議論いただいているところではありますが、具体的に記載してありますので、いかがでしょうか。

○渡辺がん・疾病対策課長 その議論に入る前に補足させていただきます。お手元の資料の、前回の検討会の資料4を開きながら御議論いただければと思うのです。下にオレンジ色の囲みで、中心拠点病院、都道府県拠点病院の役割みたいなことが書いてあるものがあります。今、お話を伺っていて気付きましたのは、今まで1234ページの記載は、どちらかというと中心拠点病院と県拠点病院との連携の中での記載みたいな色彩が強いので、全く中心拠点病院が裸でこれをやっていただくとか、県拠点病院はこれをやっていただくというよりも、連携という観点で記載している部分が強いので、この資料4のイメージを文字にしているというようなことで御議論いただければとも思うのです。

○斎藤座長 ありがとうございました。ということを踏まえて御議論いただければと思います。

○藤澤構成員 国立病院機構三重病院の藤澤です。今議論になりましたが、➂人材育成の所です。先ほど、やはり専門医の育成というものは、日本アレルギー学会、耳鼻咽喉科学会等、学会が担っているところが多いわけですから、そことの連携を取りながら、全てこの拠点病院でそれを担うということは現実には不可能で、学会の機能を使いながらしていくということで、そういう文言をどこかに入れると。これは県の拠点病院でも同様であろうと思います。

○斎藤座長 日本アレルギー学会等関係学会との連携ということですね。専門医に関する記述に関しては、それを1文入れる必要があると。

○藤澤構成員 その他の医療従事者、いわゆる医師以外については、今、その仕組みというのは出来上がっていないわけです。医師は専門医等の資格がありますが、その他はないわけですから、今後そういう、この分野の指導に精通した医療従事者を育成するということが必要になってくると思うのですが、そこをどこかで国の施策として入れていただくということはできるでしょうか。この中に、なかなかはまりにくいところですが。

○斎藤座長 例えばどういうふうなことを記載しましょうか。

○藤澤構成員 例えば、日本看護協会がアレルギーの指導をできる看護師を育成するとか、日本栄養士会もそういうプランを考えておられるようですが、そこを後押しできるようなことがあればいいかなと考えています。

○斎藤座長 ➂の「人材育成」の所ですね。専門医に関して誤解がないように記載するということと、医師以外のアレルギー疾患医療に従事する方々の育成に関して、もう少し具体的にプランを書くと。

○藤澤構成員 やはり「関係学会」ではなくて「関係団体」となるのだろうと思いますが、そこと連携を取りながら人材育成を行うということです。

○斎藤座長 ありがとうございます。ほかに御意見があればお願いします。

○馬場構成員 日本医療法人協会の馬場です。まず、大きな2の項目が、アレルギー疾患医療に携わる医療機関やかかりつけ医等に求められる役割ということですので、この3行あとの「かかりつけ医」の後に「等」を入れていただきたいと思うのです。2ページの2番の項目です。

○斎藤座長 「かかりつけ医等」と。

○馬場構成員 病院を意識してのことなのですが、ここは「等」を入れていただきたいと思うのと、こちらはちょっと分からないのですが、もし必要であれば、先ほど言えばよかったのですが、1の部分の最後のパラグラフの「かかりつけ医、都道府県拠点病院、中心拠点病院」となっているところも、「等」なのか、ここは薬局もその中に入っているので、その意味も込めて「等」があったほうがいいのかなと思うのです。

○斎藤座長 1番の7行目の「一方、かかりつけ医や、かかりつけ医等と一般病院との連携」。

○馬場構成員 違います。2の項目のすぐ上です。2行前です。ただ、日本語からすると、一番最初の言葉に「等」が付いて、あとは「等」が付いていない言葉になるので、どうかなと思いますが。

○斎藤座長 下から2行目、「かかりつけ医等」ですね。この7行目は要らないですよね。「一般病院との連携等」ですからね。

○馬場構成員 要らないです。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 馬場先生、ありがとうございます。ここの「かかりつけ医等」としている「等」の中身なのですが、ここで事務局として想定したのは、薬剤師さんのことを記載しておりますので、そちらをイメージして「等」という書き方をさせていただいております。一般病院のお医者様や診療所のお医者様や、日々診療に関わられているお医者様全般を含めて「かかりつけ医」というのでどうかなと思いまして記載をしているのですが。

○馬場構成員 それは、あとの「かかりつけ医の役割」というところにかかってくると思うのですが、病院の中には、もちろんかかりつけ医機能を持っている病院もありますが、例えば私どもの病院は地域医療支援病院であって、あくまでかかりつけ医の先生方からの紹介しか受けないので、かかりつけ医機能を原則は持たないという病院です。ここで「かかりつけ医等」と入れておいていただかないと、自分たちの病院の職員に対して立ち位置を説明できないということになります。結果は一緒なのですが、是非そこは御配慮をお願いしたいと思います。

○斎藤座長 一般病院という意味も含めるということですね。ほかはいかがですか。「かかりつけ医等」と記載する部分は、2番の前文の所と、2ページの2番の4行目ですね。それ以外にありますか。4ページの3)かかりつけ医の役割に関しては、「かかりつけ医は」とありますが、ここも「等」ですか。

○馬場構成員 それは、そのままで結構だと思います。

○斎藤座長 これはこれでいいですか。それ以外にはありませんか。

○馬場構成員 はい。それこそ薬剤師も入るのであれば、1番の一番最後の「連携のイメージ」の所には「等」が要るのではないかと思います。

○斎藤座長 下から2行目ですね。

○馬場構成員 はい。

○斎藤座長 いかがですか。

○松本構成員 5ページの「薬局・薬剤師の役割」の所なのですが、「かかりつけ薬局・薬剤師」というのは、今までの健康局や保険局等の中での議論では、全て「かかりつけ薬剤師・薬局」となっていたと思うのです。訂正していただけたらと思います。

○斎藤座長 ちょっと守備範囲が広いですね。まず、1)中心拠点病院の役割に関しての記載、中身についてはいかがでしょうか。

○斎藤座長 ちょっと守備範囲が広いですね。まず、1)中心拠点病院の役割に関しての記載、中身についてはいかがでしょうか。

○藤澤構成員 ➁情報提供の所で、真ん中辺りの「関係学会等のウェブサイトに掲載しているアレルギー疾患に携わる専門的な知識」、これはウェブサイトだけではなくて、例えばガイドラインが出版されていますので、「関係学会等が提供する」だけでいいのではないでしょうか。ウェブサイトに限定することはないと思います。

○斎藤座長 「関係学会等が提供する」と。

 いかがですか。先ほど議論になりました「人材育成」に関しては、都道府県拠点病院との連携ということですね。これが記載されております。

○永野構成員 福岡市の早良区保健福祉センターの永野です。質問になりますが、この「人材育成」の中で、都道府県や市区町村等で実施する地域住民などへの講習会等で利用する共通教材などを中心拠点病院が作られる機能で、各拠点病院に送って使うのだと思うのですが、これは、中心拠点病院さんだけで作るイメージで捉えてよろしいのでしょうか。普段そういう地域住民に対する保健指導をやる立場ではいらっしゃらないような気がします。地域住民に対する講習会で使う共通教材の作成は、どういう形で中心拠点病院が作られるのかということを教えていただければと思います。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 御質問ありがとうございます。もちろん、それぞれの場所が作ってはいけないということは全く言うつもりはないのですが、その大元になるような分かりやすい資料を、中心拠点病院を中心に提供させていただいて、それらをそれぞれの学校や保健所や地域なりが活用していただくような形にしていただけると、正しい情報が広がっていくのではないかと思って、そのように記載させていただきました。

○永野構成員 ありがとうございます。

○斎藤座長 もちろん、中心拠点病院の先生方も、アレルギー学会の様々な委員会等で中心的な役割を果たしていらっしゃいます。例えばアナフィラキシーのアレルギー学会もありますが、そこで議論した内容でスライドを作るとか、そういうことを現に行っておりますし、そういうイメージだと思います。

○永野構成員 ありがとうございます。

○加藤構成員 加藤です。3ページの➂人材育成の所ですが、中心拠点病院は医療従事者の育成を行うと書いていまして、一方、4ページの都道府県拠点病院の人材育成は研修を実施すると書いています。中心拠点病院というのは、例えば医師などを研修させる機能を持たせるというようなセミナーなどではなくて、1年とか2年とか、いわゆる実地の臨床の研修をするというように読み取れるのです。今後そういう機能を持たせていくというイメージで捉えたらいいでしょうか。現時点で、例えば耳鼻咽喉科や皮膚科などのアレルギーの研修を中心拠点病院が、全国から集まってきたときの受皿になり得るのかどうかというところを私は余り存じませんので。

○斎藤座長 中心拠点病院から来ているのは私しかいないので私がお答えするしかないのですが、現に、1年、2年ではないのですが、短期研修というもので20名程度を毎年行っております。単独の交渉で研修する先生を受け入れているわけですが、今後、体系的に都道府県の拠点病院からの要請に基づいて、そういう受入れを行うというイメージで私は理解しております。

○織田構成員 このアレルギー疾患の取り扱いで一番難しい点は、多科にわたっているということだろうと思うのです。実際に我々と眼科などは、もちろんその科、その科としての勉強会はやりますが、縦になっている。それを横串に刺すのが中心拠点病院ではないかと思います。そして、情報を一元化・共有化しながら、一般の方たちが困らないようにやっていくという形が理想的なものではないかと思って聞いていたのです。しかし、余りにも中心拠点病院が背負うものが多すぎますので、学会をうまく利用して、どう使うかということも1つの大きなテーマになるのだろうなと思います。

○斎藤座長 いずれにしても、おっしゃるとおり、日本アレルギー学会を中心とした関係学会との連携は不可欠であることは間違いないと思いますので、それが読み取れるように文言を修正していただければとは思います。ほかはいかがでしょうか。

○松本構成員 3ページと4ページの一番上の「一般的な診断や治療では」とあるのですが、「一般的な診断」というのはちょっとどうなのかなと。「一般的な治療」とは言うかもしれないけれども、何となく違和感を感じるのです。要するに、診断が難しいとか、治療がなかなか困難だということを指しているのだと思いますが、ここを完全に取ってしまうか、もう少し言葉を考えていただいたほうがいいのかなという気がします。

○藤澤構成員 「標準的」というのはどうですか。ガイドラインが標準ですから、ガイドラインに書いてあるとおりにやってもうまくいかないということで。いかがでしょうか。

○松本構成員 何か適当な言葉を。

○斎藤座長 「標準医療では対応困難な」とか、そんな感じですかね。確かに「一般的な」というのは分かりにくいですね。そのほか、いかがでしょうか。「都道府県の拠点病院の役割」にも入っていると思いますが、3)かかりつけ医の役割に関しても御議論いただければと思います。

4)薬局・薬剤師の役割については、今回これを新たに入れているわけですが、これが均てん化ということに関して非常に重要であるという認識から、事務局と相談しながら入れ込んでいるわけです。いかがでしょうか。

○藤澤構成員 4)ですが、5行目の「情報提供及び指導」と書いてありますが、ここに「服薬」という言葉を1つ入れていただきたい。実際には、吸入の薬をどういうふうに使うかなどということについて細かく指導していただけるのは薬局ですので、「服薬指導」でよろしいのでは。

○斎藤座長 服薬に限っていいですかね。

○藤澤構成員 限るというよりは、そのほうが分かりやすいというか、大まかな指導というよりは、ここが一番の肝になるところですので、明確に書いていただいたほうがいいのかなと思いました。

○西間構成員 西間です。ここの「薬局・薬剤師の役割」で、これだけの大きなページを割いているという理由が、いまひとつ分かりにくいところがあると思うのです。御存じのように、医薬分業が出て、薬剤師の仕事がはっきりしてきたにもかかわらず、それは当然だったと思っていたら、意外と、例えばアレルギー疾患に関して言うと、吸入指導がちゃんと薬剤師のところでできているか、今言われた服薬指導ができているか、皮膚だったらスキンケアができているかというと、必ずしも十分ではないわけです。現実は薬歴管理もできていません。特に今、ジェネリック全盛になりつつあると、ますます薬の管理は重要なのですが、それができていないという現状があるので、恐らくこれだけのページを割いたと思うのです。これを実効があるようにするためには、薬剤師会としてここのところをきちんとアレルギーに関わる薬剤師全部に教育というものが必要なわけですが、それはない。薬剤師個人の能力をそれぞれに上げなさいということで、薬剤師をどういうふうに教育するかというところがここにないというのが、ちょっと弱いのかなと思います。今日は薬剤師会の方は来られていないので言いにくかったのですが、非常に大事なところではないかと思います。

○斎藤座長 事務局からお聞きした話ですが、村松構成員も是非、御意見を述べていただきたいということですので、よろしくお願いしたいと思います。

○松本構成員 悪くはないのかもしれませんが、「薬物療法を提供する」とか「薬物療法に関して」とあるのですが、これも先ほど藤澤構成員がおっしゃったとおり、この辺りの文言を逆に「服薬指導」とか「薬歴管理」などという言葉にしたほうが適切なような感じが私はしますが、少し考えていただければと思います。

○斎藤座長 ほかはいかがですか。薬局・薬剤師の役割は非常に重要であるということは間違いないのですが。

○藤澤構成員 また元に戻りますが、「拠点病院の人材育成」の所で、先ほど文言のところのお話が出ましたが、「研修の実施」と書いてありますが。

○斎藤座長 2)のほうですね。

○藤澤構成員 2)の➂人材育成で、「技能の向上に資する研修の実施」と書いてありますが、これは中央と同等で「育成」と書いても。実際に48都道府県の方が全部拠点病院に集中しても、草の根の育成というのはとても難しいと思うのです。それの更にリーダーを育成するのは拠点病院にお願いしたいと思いますが、草の根のところは地方でも十分できるのではないかと思います。

○永野構成員 今の2)の➂人材育成の所ですが、2行目に保健師や学校、児童福祉施設等の教職員等に対する研修を行うというところは保健師が、保健師だけでなく、例えば管理栄養士などの保健指導を行う職種、パラメディカルというか、そういう職種の人の代表として書かれているという位置付けだと思われますので、何かそこが分かるような形にしていただくと有り難いと思います。保健センターや保健所などでは、実際に保健指導を行っているのは、保健師だけでなくアレルギー関係では管理栄養士も重要な役割を果たしておりますので、そこを入れていただくか、そこが分かるような形にしていただくと大変有り難いと思います。よろしくお願いします。

○斎藤座長 管理栄養士を入れるべきであると。

○永野構成員 とかです。

○斎藤座長 入れたほうがよいのではないかという御意見です。

○永野構成員 有り難いと。

○斎藤座長 そうですね。

○松本構成員 2ページの1番の一番最後ですが、馬場構成員がおっしゃったとおりで、ここに「等」を付けてしまうと建付けが悪いので、その上に、かかりつけ医と一般病院の連携も書いてありますから、「かかりつけ医、一般病院、都道府県中心拠点」ということでいいのではないかと思いますが、馬場先生、どうですか。

○馬場構成員 そのかかりつけ医等というのは、薬局が。

○松本構成員 いや、これは各医療機関の連携体制について書き込んであるので、薬局など、全部ここで書き込む必要はないと思いますので、「かかりつけ医、一般病院」としたほうが。「等」が最初に付いてしまうと変なので、「かかりつけ医、一般病院」とされたらどうかと思いましたが、いかがでしょうか。

○斎藤座長 では、そのようにしていただきたいと思います。ほかはいかがでしょうか。

○山口構成員 4ページ➃の研究の2行目に「調査・分析し」とあるのですが、唐突な感じがしますので、「把握するための調査・分析を実施し」というように一言入れておいたほうがいいと思いました。

○斎藤座長 そうですね。

○藤澤構成員 今の2)の➃に、「アレルギー疾患の実情」と書いてありますが、「この「実情」というのはどのようなものなのでしょうか。これは疫学とも違うのですね。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 先生がおっしゃられたとおり、疫学も含みますが、その地域ごと、例えば北海道の花粉症はスギではなくシラカバであるといったように、いろいろ地域ごとの特性をもったアレルギー疾患がありますし、またアナフィラキシー等の発生も、例えば蜂の多い地域といったことも表現できるかもしれませんし、また学校などでの対応等も地域によって違っているのが実情ですから、それをくるめて「実情」という言葉になってしまったのですが、どこまでそれを書き込むかというとかなり具体的なことになってきてしまうので、その点は是非先生方に御協議いただけると大変助かります。

○斎藤座長 ほかはいかがですか。

 それでは、5ページの中程から6ページの前半にかけての、3.都道府県拠点病院の選定について文言、内容について御議論いただきたいと思います。

○田野構成員 大阪狭山食物アレルギーアトピーサークルSmileSmileの田野です。6ページの4行目で、「アレルギー専門医資格の認定を受けた医師が常勤していることが望ましい」となっていますが、各地域で専門医に出会わず苦しんで、適切な医療に出会わない患者がすごく多いので、地域として目標をもって専門医を育成していただけるときちんと医療にたどり着きすごく有り難いと思います。すぐにはできない事も分かっているのですが、そのような目標を持っていただけることがすごく重要になってくるのではないかと思います。よろしくお願いいたします。

○斎藤座長 そうですね。

○西間構成員 確かに、私も後から気付いて「そうだな」と思いました。今、言われるように、ここは地域の拠点病院ですから、本当を言えば、医師が常勤していることが必須の絶対条件であると私は思います。でも現実に、全国を見ると、それができないで拠点病院を作れないという所もあるでしょうけれども。耳鼻咽喉科医、皮膚科医というのは、それぞれの学会の専門医であれば、内科や小児科の医師と組めば全般的なアレルギーというのはやれると思うのです。でも、内科と小児科のように、これだけ専門分化した領域で、ただ内科医と小児科医だけでは、その任は果たせないというのは間違いないと思うのです。ですから、ここはもう少し強く書くべきではないかと思います。

 同じように、それから言えば「小児病院は拠点病院として想定できる」と書いていますが、アレルギーは縦の流れがずっとありますから、これはあくまでも成人の領域を担う病院との連携の下で、拠点病院として想定できると。だから、ここで横と縦をきっちりと書き込んでおいたほうがいいと思います。

 すぐにはできないとしても、とにかく内科と小児科に関しては、常勤というのは必須条件だと思います。

○斎藤座長 専門医の現状を話しますと、教育研修施設で、数年間しっかりと研修を受けるということが条件になっているわけですが、教育研修施設が都市部に非常に偏っており、地方にはほとんど存在しない県もあるという現状がありますので、義務的に書くのは難しいという情けない現状なのですが、日本アレルギー学会の責任かもしれません。

○黒川構成員 日本病院会の黒川です。この2)は、私はよく考えられた文章だと拝読しましたが、1つ細かいことを申します。

2つ目の段落に、「内科、小児科、耳鼻科、眼科、皮膚科領域の学会の専門医(内科は認定内科医)」と書かれています。これは、最初は「専門医(認定医)」と書いていたと思うのですが、日本内科学会の細かいことを言いますと、「認定内科医」と「認定内科専門医」があって、現行の制度では認定内科専門医は認定内科医を兼ねるのですが、専門医制度が新しくなると認定内科医というのは新規認定はありませんので、減る一方です。それで、認定内科専門医に一本化されますから、「認定内科医」というのを掲げてしまうと、学会の事情によっては、いずれなくなるものを掲げるというのは余りふさわしくないような気がします。恐らく、そういった事情が各学会にあるかもしれないので、これは「内科、小児科、耳鼻科、眼科、皮膚科領域の学会」と書いていますが、内科イコール日本内科学会とは明記されていないので、多少そういう事情があろうかと思うので、「内科は認定内科医」というのは、少しお考えいただいたほうがよろしいかなと思います。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 ありがとうございます。私の認識違いだったかもしれないのですが、アレルギー専門医の資格を取るための基盤の学会の「認定専門医」という意味で、現在認定内科医を持っていればアレルギー専門医の受験資格があるということで、「認定内科医」と記載させていただいたのですが、こちらは「認定内科専門医」のほうが、これから先に向かっては妥当ということでしょうか。

○黒川構成員 認定内科医というのは、いずれなくなります。それにつれて受験要件も変わると思うのです。そこまで見据えると、少し細かいことになってしまうので、「専門医(認定医)」という表現でも齟齬はないのではないかと思った次第です。

 これは各学会の正式名は書いていませんよね。ここは「領域の学会」という表現ですから、そうすると、それで矛盾しないのではないかと思うのです。厳密に言うなら、日本内科学会、日本小児科学会というように学会正式名を書いた、その認定医制度に基づいて、アレルギー学会専門医の受験要件を満たすというようなことになりますので、そうすると極めて長い文章になります。

 だから、そのことを「(内科は認定内科医)」とだけ書いてしまうと、ほかとの整合性が付かないかなと。細かいことで恐縮です。

○斎藤座長 「切りがないと思うので、一般用語としての「専門医」だけでは駄目ですか。

○黒川構成員 それでもいいと思います。ただ、「じゃあ、内科の認定医は駄目なのですね」というような人がいるかもしれませんが、一言「専門医」ということでいいのではないでしょうか。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 ありがとうございます。

○斎藤座長 ほかはいかがでしょうか。「望ましい」というのが続いておりますが。

 時間が残ると思うので、また戻っていただくとして、4番の所で問題となる表現が先ほど見付かりましたので、4.都道府県地域連絡協議会の設置に進みます。6ページ後半から7ページに掛けての記載になりますが、御議論いただきたいと思います。

○田野構成員 前回の313日のワーキングチームの検討会の際にお願いさせていただいたのですが、地域連絡協議会は、都道府県や都道府県拠点病院、アレルギー疾患に携わる専門医、医師会、関係市区町村、学校関係者などの所に、患者や患者団体など、患者を入れていただきたいとお願いしており、了解していただいたと思います。

 アレルギー疾患対策基本法などにも、アレルギー疾患を有する人たちを囲む全ての関係者、団体が関わって、総合的にアレルギー疾患対策の推進に関わっていくようにデザインされているものであると認識しています。

患者・患者団体を入れていただくことが重要だと思うのですが。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 この点に関しては非常に協議をしたところではあるのですが、患者の声を聞く場がとにかく大事だということは非常に重要だと理解しておりますので、その下の文章に「患者視点での課題も考慮するよう」と、あえて特出しするような形で記載させていただいたのは事実です。

 そしてまた今後、協議会の構成員を都道府県が選定していくということになると思うのですが、その際においては、各都道府県においての事情が非常に様々だと思うので、その表記した職種以外に関しては、アレルギー疾患の対策に携わる関係者等の中に内包させていただきたいと思い、このように書いた次第です。

○田野構成員 その事に関してもすごく考えた上での発言です。やはり「等」ではなく、きちんと「患者」ということを書いていただかないと意味がありません。本当に、今この場でこのような話をさせていただいて、その「患者」ということが反映されないということは、今後、都道府県の地域連絡協議会や、そのほかのこれからの体制など、患者の声が反映されないのではないかという不安がすごくあります。ですから、そういう意味も含めた上で「患者」という言葉をきちんと入れていただきたいと強く思います。

○荒木田構成員 その折衷案になるかと思うのです。私もそのようなことをお願いしていて、ここにいても、構成として患者代表者というのを入れられないというのには、きっと何か訳があるのだろうというか、それだけ47都道府県にいるかどうかということもあるのかなと思ったのです。

 そうすると、「患者代表者も構成員に加えるなど」というように、例として出していただいたら推進されるのかなと思った次第です。折衷案としての提案です。

○田野構成員 協議会に参加ができる患者がいないと思われている地域や、たくさんあり選べない地域、患者会がない地域、頼っていく所がない地域があると思います。患者・患者家族が医療提供体制を理解し社会性を持った上で声を上げる必要性があります。きちんとした医療を受けて、協議会に参画し、知り得た情報を理解した上で発信していくこと、学ぶこと、現状の把握、患者側の課題や協議会の話などを患者、患者家族に啓発、発信していくことも必要であり重要になってきます。この内容に関して、今後の患者側の課題目標を入れていただくことによって、少しずつ変わっていくと思いますので、御理解をよろしくお願いいたします。

○斎藤座長 「入れるべきである」という御意見が強いようですが、いかがでしょうか。

○西間構成員 最後のページの2)に、連絡協議会の役割は、アレルギー疾患の実情と地域の実情を把握して、情報提供等の実施が必要で、それを強く望んでいるのは、つまり一本化して、そこに頼めばいいと強く望んでいるのは、教育委員会、行政、患者会だと思うのです。そうであれば、すっきりと協議会のメンバーに入れておいたほうがいいのではないかと思うのです。

 確かに、地域によって患者会が構成されていないというのもありますし、患者会なら何でもいいのかといったら、患者会の要件というのが当然あるわけで、その要件をきちんと作っておけば、そんなに大変なことではないし、実際に必要だろうと思います。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 実際に、このガイドラインの在り方の報告書を通じて、それぞれの都道府県において提供体制を整備していただく主体が都道府県になります。その都道府県が、患者会を選定するというのは非常に難しいことではないかというのは感じております。

 その辺も含めて、もちろん患者の声を聴くというのは大事なことだと思うし、絶対にあるべきことなのですが、例えばそれはドクターを通じて実情が伝えられる場があればいいのかとも個人的には思います。しかし、その選定をするという過程が非常に難しいのではないかと思い、具体的には書いていないというのはございます。

○中澤構成員 神奈川県の中澤です。今事務局から話があったように、私たちも所管課で、患者の声や患者の親御さんの声をたくさん拾い上げる方法を既に検討しているのですが、難しいところがあります。

 様々な御意見や様々な状況の患者がいますので、神奈川県は患者会の方がたくさんいらっしゃって、そちらの人数が増えてしまったらどうしようという状態で、どこの方を選んだらいいのかという基準も分からないこともありますので、そういう意味では、患者会の方々、いろいろな方々の声を聴くような場をそれなりに作ることを検討したり、協議会だけではなく、パブコメということではなくヒアリングする場を作るとか、どうしたらいいのかということを検討して、「困ったな」というところはあります。

1つの会を選ぶというのは非常におこがましいことですので、その基準を作るということもおこがましいことなので、どうしたらいいのかというのはあります。実際の声を反映させたいのですが、その点をどういう形で反映させるかというのは非常に悩ましいところだと考えています。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 そういった事情も察したというか、もう1つ患者の声も反映したところがあるとすれば、4ページの「都道府県拠点病院の役割」の➁情報提供の中で、最初のほうは一般住民に対しての啓発、教育という形にしていたのですが、ここに「患者やその家族に対し、定期的な講習会等」と加えました。

 病院が実際にこういった講習会をしようと考えたときには、講習会に加えて個別相談の時間を設けるということがあるのではないかということを想定しています。そういった中で、そういった患者の声を聴く場になればと思って、このように記載させていただいた次第です。補足的な説明で恐縮です。

○田野構成員 講習会に参加させていただくというのは、疾患の患者教育の勉強の場であって、協議会に参加させていただくというのは参画ということです。話合いに参加させていただいて、意見や話合いの状況を把握するなど、全然違うものになっているのではないかと思っています。そのように、患者会の選定などは困るのも分かっております。反対に拠点病院の選定など、体制に関わる全ての選定なども全て困るところだと思います。

 日本アレルギー学会としてなど、そういうことを先生方、患者会、いろいろな関係者の方々と話合いをして、どのように選んでいくかということも決めていただけたら、有り難いです。ただ、そこに患者会でなくても患者を入れていただき、きちんとした当事者の意見を聴いていただく、偏りのない協議会になっていくことが、私たち患者や患者会の望みです、どうぞよろしくお願いいたします。

○斎藤座長 これは再検討するしかないかな。中澤委員がおっしゃるように、神奈川県などになるとたくさんの患者団体があり、どれを選べばいいのか分からないという御意見もございますし、この文言ですと患者団体というのが、関係市町村、学校関係者よりもずっと軽い感じになってしまうので、もっと関係者と話し合って、事務局と要検討だと思います。

○永野構成員 早良区保健福祉センターの永野です。患者会のこととは離れますが、私は市区町村の立場と保健所の立場で参加しております。市区町村というのは対人保健を行う現場ですので、情報提供のパートナーになりたいと考えますし、そういう位置付けで協議会に入るのだと思います。また、人材育成の1つの対象者だと思います。

 次に保健所としてですが、今回保健所はここに例示されてはいないのですが、情報提供や人材育成に関与する関係者の1つとして、保健所も考えていただいている、この「都道府県や関係市区」の中に保健所が入っているという理解でよろしいでしょうか。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 おっしゃるとおりです。

○永野構成員 そういう中で、文言としては入っていないのだけれども、都道府県に在り方を示される際には、そういうところを説明していただけると有り難いと思います。

 もう1つです。これは私の立場で言うことではないのですが、先ほど「薬剤師の役割がとても大事だ」ということで、薬剤師の役割は「薬局・薬剤師の役割」として特出しをされているのですが、薬剤師会というのは、入らなかったのでしょうか。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 それも「関係者等」に含ませていただいております。

○永野構成員 「等」ですね、了解です。

○織田構成員 不思議なのですが、病院団体が何で入っていないのでしょうか。というのは、拠点病院1つでは何もできるわけがなくて、病院のネットワークが地方で強力に結び付いて動きます。それと、病院では多職種が仕事をしていますから、そういう意味で多職種のネットワークも使えます。このように病院団体には医療職種のいろいろなネットワークがありますから、ここは少なくとも文言として「病院団体」という言葉を明記していただく必要があると思います。

○早川構成員 選定要件と連絡協議会の関係になるかもしれませんが、こちらで都道府県拠点病院に選定されたら、恒久的にずっとなるものなのかどうかの検討がされていません。病院の場合は、23年でどんどん医師が変わっていくので、どうしても維持できなくなってしまった場合も考えられます。連絡協議会で恒久的に推進を図るということで何とかやってくださいと言われるのでしょうけれども、どうしてもできないとなった場合に、取り下げる要件などは、あえてこういう場では書かないものなのか。例えば、がん拠点病院などで、とても維持できなくて取下げという事例はあるのでしょうか。そういったもので、そういう検討は必要ないのかどうかを聞きたいのですが、いかがでしょうか。

○斎藤座長 これは、やるとしたら全国拠点でしょうかね。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 もちろん恒久的な認定は考えておりません。都道府県拠点病院の中、この役割の中で、これから検討していきたいと思うことは、前回に岡本先生もおっしゃられておりましたが、何をやって、それがどうなってということを繰り返し判断していくということが必要で、チェック機能を働かせないと、ただ作っただけで終わってしまっては意味がありませんので、先生がおっしゃられますように、きちんと見直しをして、更によくする、若しくはその主体を変えていくことは必要ではないかと考えています。

○斎藤座長 そうすると、7ページの2)に、それを記載する必要がないかということですが。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 基本的に都道府県の拠点病院を決めるのは都道府県にやっていただきますので、それぞれの基準でやっていただくことになると思います。

 ただ、そういうことを考慮すべきというのは確かに抜け落ちていると思いますので、入れ方は検討したいと思います。

○斎藤座長 どこかに記載があったほうがいいということですね。

○早川構成員 まあ、そうですね。

○田野構成員 大阪狭山食物アレルギーアトピーサークルSmileSmileの田野です。2番でそれが出来て、その状況の確認、検討、決めるだけではなくて、点検を行いきちんと評価をする事などをきちんと明文化していただきたい。そして、それを基に進めていただいたほうが、きちんとどこまで進んでいるか、地域差などの課題をどう改善していくのか、課題、問題点などがきちんと明確になると思いますので、きちんと文字で入れていただけると有難いです。

○藤澤構成員 評価をするということですね。これを協議会がやると、協議会は事業をしていて、自分で自分の評価をすることになってしまいますので、ある程度これとは独立した第三者機関のようなものを県が持っていて、一定の報告様式などを作って、それを第三者が評価するという、そういう仕組みがあってもいいのではないかと思います。

○斎藤座長 確かにそうですね。

○荒木田構成員 7ページの2)から全体に発展してしまうのですが、よろしいでしょうか。

○斎藤座長 では、別紙1と別紙2も含めてお願いします。

○荒木田構成員 例えば7ページの2)の所で、この連絡協議会は部分的に取り出しますと、情報提供、人材育成等の施策の企画の立案という所があって、私が注目したのは、人材育成等の施策の企画という所に注目したのですが、ここは協議会でこういう人材育成の企画をしてくれるということが書いてある。

 この医療提供に関しては人材育成、例えば専門医も足りない、それから薬剤師、看護師、管理栄養士、まだ様々充実させていかなければならないということを考えて、もう一度全体を読ませていただくと、4ページでは2)で、都道府県の拠点病院が人材育成を担うとありまして、3ページでは中心病院の拠点病院が、都道府県の拠点病院での医療従事者の人材育成を担うということが書いてあるのですが、計画を立てるのはどこなのだろうと思ったのです。人材育成のグランドデザインみたいなものは一体、国が立てると言われたらそうかもしれないのですが、関係団体等も関わらないと立てられないだろうと思いました。

 施策の企画だとか立案と書いてあるのは7ページだけで、ほかの所では人材育成計画を立てるということとか、計画の立案というのはないので、そういったものはいらないのかということです。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 先生、ありがとうございます。ここの部分に関しては、やはり地域における人材育成、又は配置、そういったところに関して、国全体のグランドデザインではなくて、地域において看護師さんたちを、例えば地域の病院や診療所に勤められている薬剤師さんや看護師さんたちを対象に薬の使い方の勉強会をしましょうとか、そういった局所的な役割をと考えていますので、そこに関しては国の学会の先生方に関わっていただく部分ではないのかなと感じています。

○荒木田構成員 ここの部分が地域だということはよく分かっていまして、全体的な企画・立案という、全体的な人材育成に関するグランドデザインが見えてこないなと思ったということです。

○斎藤座長 例えば別紙1の中心拠点病院の所に書いてある、一番上の全国拠点病院連絡会議、これがそれに相当すると思うのですが、それを3ページの➄に書き込むとか、そういうことが求められているのではないでしょうか。

○松本構成員 先ほど協議会の役割として、見直しとか、新たな選定という話も出ていましたが、選定の主体は3番の最初に、選定主体は都道府県であるとはっきり書き込みがありますので、協議会で見直しとかいうのはあり得ない。あくまで選定するのは都道府県ということになっているので、もし書くとすれば、3.1)の下の「選定する」の後に「定期的な評価を行う」とか、何かそんな適当な文言を入れておけば、それでいいのではないかなと私は思います。

 と申しますのは、各都道府県拠点病院の地域連絡協議会で選定するとか、実際には評価するのがなかなか難しくなるので、私は都道府県がきちんとやるということを書き込んでおけばいいのではないかなと思います。もちろん県に対して提言をするとか、意見を言うということは、協議会にあっていいとは思いますけれど。

○馬場構成員 日本医療法人協会の馬場です。先ほどの織田構成員の意見に対する回答がなされていないように思うのですが、是非、協議会の構成員に。

○斎藤座長 先ほどの病院団体。

○馬場構成員 病院団体、患者団体もそうなのですが、書かれていないと、まず最初に呼ばれないということになりますので、チーム医療の担い手であり、アレルギーの救急医療の担い手である病院についても、是非、病院団体の明記をお願いしたいと思います。

○斎藤座長 検討しましょう。

○織田構成員 これは繰り返しになるのですが、アレルギーの方は時間外にはほとんど一般病院に来るのです。そういう意味では、それがネットワークの中に入らないというのはちょっとおかしい話で、基本的にこの中に病院団体として是非明記していただきたいと思います。

○斎藤座長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。別紙1、別紙2にも入りつつありますが、全般でも結構です。

○藤澤構成員 別紙2でもよろしいでしょうか。

○斎藤座長 どうぞ。

○藤澤構成員 別紙2の食物アレルギー領域です。診断はABがありますが、治療がBしかないわけです。食物アレルギーの場合は、治療は現状のところはないわけで、管理ということになると思うのですが、何をどのように食べていったらいいかというのは、細かなアレルゲンの知識が必要になりますので、それはやはり拠点病院がそういうことができると。ただ診断だけで終わってというわけにはいきませんので、食物アレルギーの管理というものが、治療とは書けないので、管理はAとして入れていただかないと、後が続かないと思います。

○斎藤座長 そうすると治療の食物アレルギー領域で、これをAにして、ただし重症及び難治性食物アレルギーの管理とする。

○藤澤構成員 いや、重症及び食物アレルギーの治療というのは、これはまだ標準的治療になっていない免疫療法というのがあると思いますが、それはやってもいいと思いますが、これはあくまでもBであって、Aとしては、やはり管理というのがAとして、この先に入ってこないといけないかなと思います。これは一般的な全ての食物アレルギー患者の管理ということです。

○斎藤座長 食物アレルギーの管理を新たに入れて、Aとすると。

○藤澤構成員 はい。それで、Bは残しておいてもいいだろうと思います。

○斎藤座長 そうですね。これがBとしておいたほうがよろしいかと思います。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 大きな枠組みの中の、管理の所でよろしかったですか。治療というよりは管理の所に、食物アレルギー領域として。

○藤澤構成員 いや、これは食物アレルギーだから、単純に栄養指導といっても、それほど簡単ではないというか、この食物にどんなアレルゲンが入っているかという細かな知識がいるわけですから、そこはやはり専門家がやるべきことだろうと。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 もちろんです。書く場所なのですが、治療の中ではなくて管理のほう。

○藤澤構成員 書く場所は、管理全般に入れると薄まってしまうので。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 管理の中に、食物アレルギー領域というのを作って、食物アレルギーの管理という形で。

○藤澤構成員 はい。これは患者団体からの要望で一番多いところで、そこがちゃんとやってもらえないということを、非常に要望が上がっていますので、ここはやはり特出ししたほうがいいと思います。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 分かりました。

○加藤構成員 この叩き台の4ページに「かかりつけ医の役割」というのがありまして、中心拠点があって、都道府県拠点があって、かかりつけ医があって、薬剤師さんの役割があるのですが、一般病院の役割というのが、別紙1では地域レベルで図で分かるのですが、かかりつけ医が恐らく日常的な診療を行う身近な存在で、そこと一般病院が連携して、地域の医療を担っていて、そこでもなかなかというときに都道府県拠点病院という、そういう位置付けに、多分この別紙1を見るとイメージするのですが、文言として先ほど「かかりつけ医等」ということに含まれるという話でしたが、やはり一般病院が地域で連携しているというところを書き込んだほうがいいのではないかなと思いました。

○山口構成員 かかりつけ医の定義というのが、確かにちょっと分かりにくいかなと感じました。2ページの4行目に「診療所や一般病院で発症早期や軽症の患者の多くの診療を担うかかりつけ医」と書いてあるので、診療所でも、一般病院でも、どちらでもかかりつけ医と扱うという考え方が示されています。

○斎藤座長 なるほど。ここでは、かかりつけ医の定義がそういうようにされているわけですね。

○山口構成員 これが共通認識かを確認したいです。

○加藤構成員 そう認識しました。

○斎藤座長 かかりつけ医がそれで定義されていると、一般病院が入るのですが。

○加藤構成員 承知していますけれども、恐らく地域において診療所から、いきなり拠点病院ということではないと思いますので、では、一般病院はかかりつけ医なのかという、ここで定義しているのでそうなのかもしれませんが、その数行後には「かかりつけ医と一般病院との連携」と書いてあったりして、ここはどうなのかな。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 そこは非常に難しいところで、我々も大変難渋したところです。まず山口先生がおっしゃられましたように、今の時点で、かかりつけ医という言葉の定義がまだ明文化されたものが実はなくて、今、我々が口語的に使っている言葉の1つだと思います。ただ、これまでの基本指針にも書かれておりますので、診療所や一般病院で、当然、一般病院がかかりつけである場合も、アレルギー疾患の場合は多くあるという認識はあります。

 その中で、馬場構成員がおっしゃられましたように、一般病院の中には地域医療支援病院でしたか、そういうのも存在しておりますので、それを踏まえて、地域でのかかりつけ制度、地域での連携制度という意味で、この大きな1番の所の「一方、かかりつけ医や、かかりつけ医と一般病院との連携等による」という言葉を入れさせていただいた次第です。

 その中で、加藤先生がおっしゃられますように、それぞれのプレイヤーの役割として、一般病院を記載するかどうかに関しては、これはアレルギー疾患に取り出して書くことなのかなという観点でいくと、ちょっとどうかなと思ったものですから、あえて入れていないというのが、今の我々の見解です。

○松本構成員 確かに一般病院の先生方の中には、かかりつけ医もいらっしゃるし、かかりつけ医というよりは専門医という方もいらっしゃいますので、なかなかこの辺は難しいと思いますが、折衷案として3)の「かかりつけ医の役割」の所を、「かかりつけ医や一般病院の役割」としておけば、割とおさまる感じがしますが、いかがでしょうか。文言も「かかりつけ医や一般病院は」ということで始めていただければ、両方含むということで、どうかなと思いましたが。

○斎藤座長 よろしいですね。ほかはいかがでしょうか。別紙1、別紙2、非常に重要な所ですが。

○山口構成員 2点ありまして、1つは別紙2です。薬剤アレルギーを特に大きく扱わないといけないわけではないと思うのですが、その診療というのは重要なポイントだと思いますし、患者さんは結構な割合でおられます。薬のアレルギーを明記しなくても構わないのですが、どこかに含めていると分かるような書き方はないでしょうか。

 食物等アレルギーのように、薬剤も含まれるという言い方がもしあれば、それを使っていただくのがいいかなと感じたのですが。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 ありがとうございます。そちらに関しては、アレルギー対策基本法の中の規定されている疾患が6疾患なのですが、そこの中に薬物アレルギーというのが入っていないということもありまして、今回の例示の表の中には、その示された疾患を入れたというのがあります。

○山口構成員 難しいということですが、表の一番上のアレルゲン同定とか、アナフィラキシーの原因同定の中で薬剤も多様な原因に含まれるという理解といたします。

 もう1つ、文章全体で、児童や小児という言葉がよく使われているのですが、高齢者に関してという記載は特にありません。老健となど明記するのは難しいと思うのですが、全年齢にわたって診療するという立場を、文章の中のどこかに反映できればいいかなと思います。例えば、6ページの8行目、基本的に小児から成人までの診療を担えるという文言がありますが、小児から高齢者までの全年齢とどこかで明記するほうが高齢者も治療の対象になると言えるのではないかと思います。

○斎藤座長 いかがでしょうか。

○岡本構成員 全体を通じてということになると思うのですが、例えば別紙1でアレルギー診療における連携のイメージ図が出来て、連携のシステムを地域で作っているわけですね。地域拠点病院についても別紙2で、業務について記載があるのですが、実際にこれが決まったとして、例えば地域拠点病院以下の部分は全部、各都道府県でやらなくてはならなくなると思います。地域拠点病院においても地域の病院、例えば大学病院が認定されるとして、地域医療機関、患者への情報提供、講習会の開催、人材育成など多くの業務が生じます。しかし、それらをコーディネートする方も必要です。業務内容は多く、現状では例えば病院の医事課の人が片手間にやれるような業務でもないと思います。アレルギーの知識、意欲が必要です。

更に地域拠点病院と周辺の病院の連携の構築、関係とか、かかりつけ医、医師会との緊密な関係も必要です。それを都道府県の県レベルでコーディネートして、いわゆるエンジン役となって進めていく専従の人員が必要と思います。そうでないと実際にこのような体制が出来ても、機能するのだろうか、絵に描いた餅にならないだろうかと不安も覚えるのですが。その辺は厚労省はどうお考えでしょうか。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 そういうところもあって、都道府県の協議会というスキームが必要なのではないかということで、記載している次第です。

○岡本構成員 都道府県協議会を作るというのは、非常にいいことだと思うのですが、本当にイメージどおりこれが動いていくのでしょうか。

 都道府県の役割だ、仕事だとなっても現実的には簡単ではないのではないかなという気がするのですが、その辺はどうなのでしょうか。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 まだスタートしていないので、何とも答えづらいのですが、我々としても簡単に都道府県の方々が、すぐに機能的に進められるかどうかというところは、これから手探りでやっていかないといけないのですが、国としても都道府県に対しては、我々がやっていただきたいことをしっかり伝えていく努力をしていきたいと思っています。

○中澤構成員 神奈川県の中澤です。いろいろやり方はあると思うのです。例えば、がん拠点病院の場合には、神奈川県の場合は県のほうが推薦して、国に指定していただいているのですが、それ以外に神奈川県も同様に拠点病院クラスの病院を連携指定病院という形で、更に指定させていただいています。

 県でもがんに関する協議会などを持って、そういう拠点病院とか関係者の皆さんに委員になっていただいて、がんの施策を進めるという会議を幾つか持っていますが、更に拠点病院のほうで会議を持っていただいていまして、反対に我々はそこに構成員で加わっていると。拠点病院間でいろいろ情報提供したりとか、あと、緩和ケアの分科会だとか、分科会をいろいろ持って、事業をされていたりするので、最初の成り立ちのスキームをよく覚えていないのですが、工夫の仕方もいろいろあるのかなということです。

 それから、恐らく研修会を行ったりとか人材育成ということになりますと、都道府県は事務局機能というのはよくやりますので担いやすいのですが、その内容をどうするかとか、それをどのように充実させていくかということになると、やはり拠点病院の先生方にかなり御協力いただくというか、主体的に動いていただく必要もあるのかなとは思います。

 ですので、この連絡協議会というのをどうやって回していくのかなというところは、いろいろ工夫が必要なのかなと考えています。

○岡本構成員 確かに、がんとアレルギーを比較するのは無理がありますが、がん診療拠点病院については、厚労省から各県を介して地域のがん診療拠点病院、がん診療連携協力病院というシステムが作られています。そしてその中で予算が配分され業務担当者が配置されて患者登録、患者支援、市民啓発などに従事しています。そのような方がいて初めてシステムが動いています。がん診療拠点病院では業務内容は非常に多いのですが、一定の予算処置がなされています。

 今回のアレルギー拠点病院、協議会というのはもちろんがんとは違うわけなので同等には扱えないのでしょうが、やはりコーディネートする方の配置も含めてある程度の予算処置がないときちんと進まないのではないかと危惧します。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 予算の面で、なかなか病院に直接付けるような予算というのは、まだまだ難しいところはあると思うのですが、一応、国としては自治体のほうに、アレルギー対策をやったときにサポートする予算の仕組みは持っておりますので、例えば協議会をしっかり運営していただくというところで、お金がかかりますという話であれば、サポートできるものは持っていると考えています。

○田野構成員 以前も少しお願いはしたのですが、そういった意味でも前回のお話は夢のような体制づくりで、きちんと連携し動くためにも、できたら現場、医療機関、学校、保健センターなどの関連連携機関の所に、連携体制を作っていただく、そして文言を入れていただくためにも、厚生労働省の担当の方に来ていただいて、どのように体制が回っていくかなどを見ていただけると、すごくイメージを持って体制づくりができるのではないかと思っています。是非よろしくお願いします。

○織田構成員 もちろん第7次医療計画には間に合わないのでしょうけれど、将来的には医療計画に入れるという考えは持っておられるのでしょうか。

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 医療計画の法律には、アレルギー対策基本法のことは入っておりますので、それを今回の具体的な部分には間に合わないとは思いますが、将来性にわたってはもちろん検討しています。

○斎藤座長 ほかはいかがでしょうか。大きな話になってしまいましたが、とりあえず文言の修正等、そろそろ時間なのですが、よろしいでしょうか。一応これで予定していた議事は終了したのですが、そのほかの話として、先ほどの岡本先生の御意見とか、ほかに大きなグランドデザインを含めた御意見等はありますか。なかなか最初に予算が付くのが難しそうな雰囲気というのは皆さんも理解していると思うのですが、まず実行して、がん対策並みに予算が付くことを願って、是非頑張っていきたいと思っていますが、よろしいでしょうか。

 では、ほかになければ時間がまいりましたので、本日の検討会を終了したいと思います。次回の検討会では、本日の議論の取りまとめ、この検討会の全ての取りまとめを行いたいと思います。本日の議論を踏まえて、事務局に検討会報告書という形で資料準備をお願いしたいと思います。最後に事務局から連絡事項等はありますか。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 本日御議論いただいた御意見を踏まえて、資料作成を進めたいと思いますので、よろしくお願いします。次回の検討会は628()を予定しています。お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願いします。

○斎藤座長 それでは構成員の先生方、長時間にわたりまして、お疲れさまでした。これをもちまして、本日の検討会を終了させていただきます。ありがとうございました。

 


(了)

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