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2023年9月20日 第15回重篤副作用総合対策検討会 議事録

医薬局医薬安全対策課

○日時

令和5年9月20日(水)
18:00~

 

○場所

厚生労働省 仮設第2会議室

○議事

○医薬安全対策課長 それでは、定刻になりましたので、第15回「重篤副作用総合対策検討会」を開催いたします。
本日御出席の構成員、参考人の先生方におかれましては、お忙しい中、また夜分にもかかわらず御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の検討会の公開については、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。議事録につきましては、後日、厚生労働省のホームページに掲載いたします。
また、審議の方法につきましては、対面でなくウェブ開催としており、構成員及び参考人の先生方は外部より審議に御参加いただいております。そのため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、議事に先立ち、審議の進行方法について担当より御説明させていただきます。
○事務局 事務局より御説明申し上げます。
まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問いただくときは、ミュートを解除し、初めに御自身のお名前をお知らせいただいた上で御発言ください。
発言のタイミングが重なったり、音声のみでの判別が難しいほど混雑したりした際は、一度発言を控えていただき、座長から順に発言者を御指名いただきます。
会議中、マイクの調子が悪くなるなど、他の出席者にとって聞き取りづらい状態が続く先生におかれましては、音声の代わりにメッセージに御意見等記入していただくよう事務局または座長からお願いする場合がございます。
その他、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。また、もし事務局のサーバーがダウンする等のトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認いただけますと幸いです。
御不便等おかけするかもしれませんが、何とぞ御理解、御協力のほどお願い申し上げます。
続いて、事務局から、本日の検討会から御参画いただく先生を御紹介させていただきます。
木村構成員の後任といたしまして、筑波大学医学医療系腎臓内科学教授の山縣構成員が着任されております。
○山縣構成員 山縣でございます。何とぞよろしくお願いいたします。
○事務局 また、本日の構成員の出欠ですが、飯島構成員、多賀谷構成員より御欠席との連絡を頂いております。また、川名構成員、森田構成員より遅れての御出席となる旨の御連絡を頂いております。
また、議題(2)「令和4年度作成のマニュアル案について」の参考人といたしまして、日本循環器学会より苅尾七臣先生、日本糖尿病学会より西村理明先生、同じく日本糖尿病学会より松久宗英先生に御出席いただいております。
以後の議事進行は五十嵐座長にお願いいたします。よろしくお願いします。
○五十嵐座長 皆さん、こんばんは。早速、議事に入ります。
初めに、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○事務局 あらかじめ資料をお送りさせていただいておりますが、議題(1)に関して資料1、議題(2)に関して資料2-1から2-3、議題(3)に関して資料3がございます。このほか、議事次第、配付資料一覧、参考資料として開催要綱、構成員・参考人名簿をあらかじめお送りしています。
本日の資料は以上です。
ユーチューブで傍聴されている方におかれましては、厚労省のホームページに資料を掲載しております。
不足等ございましたらお申しつけください。
○五十嵐座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
では、議題1「重篤副作用疾患別対応マニュアルの新規作成・改定について」に入りたいと思います。資料の説明を事務局からお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
事務局より御説明申し上げます。
資料1を御覧ください。
まず、第14回検討会以降のマニュアル改定または作成の進捗状況を御説明いたします。
第14回検討会では、別紙1にお示ししております5つのマニュアルが審議されまして、審議結果を反映の上、本年4月にマニュアルを公表しております。
次に、第14回検討会で作成・改定作業を実施中である旨を御報告しておりました別紙2に示す3つのマニュアルについて、今般、作業が終了いたしましたため、本日の議題2で御審議いただきます。
また、本年度は、学会等に御意見を伺った上で、資料1の一番最後のページになりますけれども、別紙3にお示ししております3つのマニュアルの作成・改定作業の実施を予定しております。こちらは次回以降の検討会で御審議をお願いする予定となっております。
続いて「2.第14回検討会以降のマニュアルの利活用に向けた取組みの状況について」です。
第14回検討会では、効果的な普及啓発活動に関するアンケート調査の実施及び当該調査結果に基づく普及啓発のための取組を行う方針について了承されておりまして、その後、調査結果に基づく普及啓発活動として、患者向けのマニュアルの普及啓発ポスターを作成し、作成したポスターを本検討会の先生方に御報告の上、令和5年3月からこのポスターの配布、ホームページ掲載等を行っております。
次に、本年度は、さらなるマニュアルの利活用に向けた取組として、マニュアルの具体的な活用方法に関する情報も含めた周知啓発ポスターを作成することを検討しております。議題3で構成員の日本病院薬剤師会の林先生から御説明いただき、御審議いただきます。
資料1については以上です。
○五十嵐座長 御説明どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御意見、御質問がございますか。よろしいですか。
それでは、御承認というか、御理解いただけたと思います。どうもありがとうございました。
続きまして、議題2に移りたいと思います。「令和4年度作成のマニュアル案について」、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より御説明申し上げます。
まず、個別のマニュアル案の御審議に入る前に、事務局から全般的な事項について御説明させていただきます。
本日は、マニュアル案を作成いただいた各学会の参考人の先生方にリモートで御参加いただいておりますので、この後、各マニュアル案について参考人の先生方から作成または改定のポイントについて御説明いただきます。
今回のマニュアル案は、資料2-1の重症高血圧が新規作成となっておりまして、資料2-2高血糖と資料2-3低血糖は改定でございます。
また、全てのマニュアルに共通の参考資料について、資料2-1を用いて事務局から簡単に御説明させていただきます。
各マニュアルには、巻末に参考1から4がございます。
資料2-1の20ページを御覧ください。参考1として、医薬品医療機器等法に基づく副作用報告件数を記載しております。
次に、22ページを御覧ください。参考2として、ICH国際医薬用語集における関連副作用用語の一覧を記載しております。
続いて、24ページを御覧ください。参考3として、医薬品副作用被害救済制度における給付決定件数を記載しておりまして、25ページ以降は、救済制度の解説を記載しております。
本日、資料としている全てのマニュアルについては、これら参考資料における副作用報告件数及び救済制度の給付決定件数の情報も更新しております。
以上です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
ここまでよろしいですね。
では、早速ですけれども、日本循環器学会の苅尾参考人から資料2-1を御説明いただきたいと思います。苅尾先生、よろしくお願いします。
○苅尾参考人 よろしくお願いします。自治医科大学の苅尾でございます。
重症高血圧、これは薬剤によって引き起こされる。これが本当に重要かどうかという最初の議論から相談を受けたのですけれども、薬を飲み始めてから急に血圧が高くなって、循環器の疾患を引き起こして入ってこられる。特に心不全ですね。高齢者であったり腎機能が悪い人であったりとか、そういう患者さんを診ることが非常に多いわけです。それをできるだけ早いところから、医療機関の先生だけではなくて、一番大事なのは他職種、特に薬剤師さんのほうからもチェックしていただく。薬剤師さんのところから、こういう副作用があったときには家庭血圧で自己チェックしてください、そういうふうなことをもう一遍違う視点からアラートすることによって、より早くリスクを検出して重症化の予防になると考えて、これは非常に大事なことだと考えたわけです。
今回、いろいろ書いたのですけれども、できるだけ分かりやすい言葉で書きました。いろんな先生方の意見を聞きながらですけれども、特に薬剤師さんの立場から、林先生からもいろいろ新規のコメントとか、また、今日来ていただいている先生方のいろんなチェックを受けて、よりよいものになったのではないかと考えている次第であります。
今日の趣旨ですが、資料の8ページを御覧ください。「医療関係者の皆様へ」のポツをずっとつけているところがエッセンシャルなところであります。
重篤な、急性に起こってきます高血圧緊急症、また、特に血圧が180/120ぐらいまで上がるような人、その先には循環器のイベント、腎臓のイベント、こういったものがある。これが内分泌の疾患、また、疾患と薬剤の組合せでハイリスク群、ハイリスクの薬によってその組合せで引き起こされるということをもう一度きちっとリマインドして、今回のマニュアルにまとめたということであります。
特にその中で、薬剤師も医師も、こういう疾患を持って、こういう薬が出ている人にプラス、こういう薬剤を使ったらその組合せで上がるだろうというようなことが専門家から見ると推定されるわけです。その組合せを見過ごすことなく、そういう人には、血圧もきっと上がっていく、家庭血圧を活用しながら、より早期から言及していただく、そういうチェック機構をぜひ本会を通じて、また、このマニュアルをどう利活用していくかどうかで、これは林先生にもお願いしまして、パンフレットなどを作っていただいて、薬剤師さんのところに貼ってもらう、そういう利活用のことも考えているわけであります。上がってきてから、イベントを起こしてから気がつくのではなくて、ハイリスク群の人を同定し、ハイリスクの薬を投与したら、そのときを基準にしながら、家庭血圧をずっとつけていってもらって、時々チェックして重症化を予防する、そういう活用がこのマニュアルをもってもう一遍リマインドして普及していったらと思います。
特に改定のポイントなのですけれども、家庭血圧の自己測定、そして、特にハイリスク患者、ハイリスクの薬の投与を受ける患者に対してぜひ自己測定を推奨していただけたらと思います。非常に行き渡っているのですけれども、家庭血圧の自己測定をやっていない方も結構おられるのです。高くなってから、絶対値のレベルだけではなくて、どれぐらいの勢いで上がっていくか、特に最近の分子標的薬、抗がん剤などは急激なスピードで上がっていく場合も散見されます。「こういう薬を飲むのだったら気をつけてね。家庭血圧を測っておいてくださいよ」、そういうお声がけに使っていただけたらと思います。
以上が今回のマニュアルを新たに作ったことの意義、その利活用の方向であります。
以上です。
○五十嵐座長 御説明ありがとうございました。
それでは、資料2-1につきまして、質問あるいは御意見ございましたら、どうぞ、薄井先生。
○薄井構成員 慈恵医大の薄井でございます。
苅尾先生、どうもありがとうございます。非常に分かりやすくて、重要なところが網羅されているので、非常にすばらしいマニュアルと思っております。
2つぐらい質問させていただきたいと思います。
まず、9ページの先生がポイントのところでお話しされましたけれども、(4)の「医療関係者の対応のポイント」というところですが、非常に重要なことが書いてあると思います。私、専門が血液腫瘍なので、血液がんや固形がんも拝見することが多くて、最近では様々な抗がん剤の高血圧クリーゼというのは結構問題になっております。
その中で、細かいことをお話しするようで申し訳ないのですけれども、ちょうど真ん中のところにがんの患者さんの分子標的薬のことが書いてありますね。これは非常に重要な点だと思っております。これを踏まえて、先ほど事務局から御説明があった20ページの参考1を見ておりますと、例えば参考1の医薬品のところの令和2年度、令和3年度とありますけれども、分子標的薬も様々なものが高血圧クリーゼになっております。特に重要と思うのは、患者さんが経口抗がん薬を出されて飲んでいるうちに血圧が上がってきて脳梗塞を発症され、がんではなくてそういうトラブルで亡くなるということも多いものですから、ここの書き方は非常に重要だと思うのですが、「担がん患者」ということがちょっと難しいかなと思いました。例えば特に悪性腫瘍の患者さんへの分子標的薬とか、そんな内容にされると医療関係者の方でも読みやすいかなと思ったものですから、この辺の書きぶりをもう少し御検討いただけると宜しいかと思います。
もう一つは、分子標的薬、様々ありますけれども、経口薬も含めてとか、何かそこを注意書きになさるとかいうことがあると、もうちょっと注意されるかなと思ったものですから、そのへんを御検討いただけると宜しいかと思いますが、いかがでございましょう。
○苅尾参考人 分かりました。悪性腫瘍を有しておられる患者さんとか、そういう形の書き方にしまして、特に注射薬だったらいつもチェックしますけれども、自分で飲んでいるうちにしばらく間がたってしまいますので、特に経口薬のときは注意が必要である、そういう文言にしたいと思います。
○薄井構成員 ありがとうございます。
それと症例が出ておりましたね。あれはすごく重要で、特にレンバチニブの甲状腺がんの患者さんでしたか。
○苅尾参考人 そうです。
○薄井構成員 非常に重要なので、これは結構あるのです。日常でよく起きていますので、こういうことで注意喚起をかけていただくのは非常に良いことなので、強調していただいても宜しいかなと思いました。
非常にすばらしいマニュアルだと思いますし、薬剤師さんもそうですけれども、現場の医師たちもこれを基にきちんと高血圧の管理をすることが重要だということが伝わるのではないかと思いました。どうもありがとうございました。
以上でございます。
○苅尾参考人 分かりました。貴重なコメントどうもありがとうございます。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。
それでは、2か所、少し修正があるということですね。これは間違いではなくて、より分かりやすくする、そういう方向に修正していただきたいと思います。
ほかはいかがでしょうか。
大変細かいことなのですけれども、8ページに「急性腎不全」という言葉が2つ使われています。山縣先生、間違いではないのでしょうけれども、最近は「急性腎障害」という言葉のほうをよく使うのでしょうか。
○山縣構成員 おっしゃるとおりでございます。今は「急性腎不全」という言葉はなるべき避けるようにして、腎機能の悪い方が急激に悪化したものも含めた「急性腎障害」というふうに呼称を変えておりますので、修正していただいたほうがよろしいかなと思います。
○苅尾参考人 分かりました。修正しておきます。
○五十嵐座長 8ページに2か所ありますので、よろしくお願いします。
○苅尾参考人 2か所ですね。分かりました。
○五十嵐座長 間違いではないと思うのですけれども、一般の方は「急性腎不全」のほうが分かりやすいし、多くのドクターも多分そういう意識だとは思いますが、用語が最近変わってきているのですね。よろしくお願いします。
○苅尾参考人 なるほど。分かりました。
○五十嵐座長 山縣先生、どうぞ。
○山縣構成員 今の用語の関係でもう一個確認なのですけれども、重症高血圧症という定義なのですが、文書にも書いてあるように、高血圧緊急症をほぼそのまま用いるというようなことで、あえて高血圧緊急症ではなく重症高血圧マニュアルにした何か意図があるのでしょうか。もちろんこのほうが高血圧のちょっと重症なものも含めてという、少し広く取ろうという意図なのかなとも解釈したのですが、そういうことでよろしいですか。
○苅尾参考人 そのとおりです。やはり緊急症の氷山の一角であって、レベルが上がってきた前の段階、また、一般の先生方にも分かりやすい形で、これは定義を書いたのですけれども、そこにより幅広くということで重症という形にしております。
○山縣構成員 了解いたしました。結構です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
それでは、幾つか御指摘がありましたけれども、細かな点だったと思いますが、文言を少し修正していただくということでよろしいでしょうか。
では、基本的には循環器学会が作成いただきましたマニュアル案は了承するということにしたいと思います。どうもありがとうございました。
○苅尾参考人 どうもありがとうございました。
○五十嵐座長 苅尾先生、後、どうぞよろしくお願いいたします。
○苅尾参考人 分かりました。
○五十嵐座長 今後の進め方につきましては、事務局に最後にまとめていただきますので、よろしくお願いいたします。
では、続きまして、日本糖尿病学会の西村参考人から資料2-2のマニュアル案を御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○西村参考人 糖尿病学会を代表して、慈恵医科大の西村がプレゼンテーションいたします。
糖尿病学会は、資料2-2の表紙からいきますと、平成21年、30年、そして5年以上たちましたので、令和5年改定予定の資料についてプレゼンいたします。
ページをめくって8ページに行っていただきまして、「患者側のリスク因子」というところがあるわけですが、まず1か所目、9ページの2の「(1)自覚症状」の下半分の段落でございます。この5年間でSGLT2阻害薬が非常に使われるようになってきて、高血糖がなく、血糖値が正常に近くてもケトアシドーシス、いわゆる正常血糖ケトアシドーシスを起こしている可能性があるという文言、ここのところは、この後の松久先生、低血糖のほうの先生方とも一緒に協議したのですけれども、ここにあえて入れておいたほうがよいだろうということで、、重篤副作用マニュアルの読者、医師側でも患者さん側にも重要であると思いましたので、ここに書かせていただきました。
10ページに行きまして、ステロイド、高カロリー輸液、抗悪性腫瘍薬、いわゆるPD-1による劇症1型糖尿病というのは前回書かせていただきました。その後も、免疫抑制薬、第二世代の抗精神病薬、オランザピン、クエチアピンですね。インターフェロン、サイアザイド、βブロッカー、フェニトイン、ペンタミジン、プロテアーゼ、HIVの薬による副作用が続きます。この5年間で出てきた薬、12ページ、kのところでございますが、グレリン様作用薬、アナモレリンという薬、食欲を増す。悪液質に対してのグレリン様作用薬による高血糖が目立ってきましたので、kの項を書き足したところでございます。
あと、書き加えたところは1か所です。17ページの下のところでございます。アナモレリン投与により発症した高浸透圧高血糖状態の症例を足して、この後にオランザピンによる高血糖があったわけですけれども、そちらはカットして、アナモレリンの症例に切り替えたということでございます。
そして、エクセルで頂いた御質問に対しての答えもここで発表したほうがよろしいですか。ここで一度切ったほうがよろしいですか。御指示をお願いいたします。
○五十嵐座長 ここでお願いします。
○西村参考人 事前に重篤副作用マニュアル御意見フォームというのを頂きまして、2か所コメントを頂戴したのですが、戻っていただいて、8ページの「B.医療関係者の皆様へ」の(1)の「副作用の好発時期」、ここにコメントを頂きました。「医薬品の開始当日から出現する可能性がある」は、良いと思うのですが、「また、医薬品の投与開始後しばらく経過してから出現する場合もある」ということですが、これを具体的にいつ頃と書いたほうがよいのではないかという御意見を頂戴しました。少なくともこのマニュアルにカバーしている発現時期を見ますと、約1か月後から1年を過ぎた後までという幅広い発現時期がございますので、もし直すのであれば、私の意見でございますが、医薬品の投与開始後、薬剤の副作用発現時期は約1か月後から1年後と幅広いと括弧で説明しまして、報告に応じた経過観察をする必要がある、そのような文言で対応させていただきたいと思います。
あと、一番最後の17ページの症例報告のURLがきちっとしたところにいっていないという御指摘を受けまして、そこは全て調べて、きちっと参考文献にたどり着けるように私のほうでも資料を用意しておりますので、それを事務局のほうにお送りしたいということでございます。
私のプレゼンテーションは以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。
それでは、御意見、御質問を頂きたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ、薄井先生。
○薄井構成員 慈恵医大の薄井でございます。西村先生、非常に分かりやすくて、どうもありがとうございます。
一点、10ページの抗悪性腫瘍薬のところなのですけれども、これはPD-L1を中心にお書きいただいて、いわゆるPD-L1阻害薬は投与していると急激に1型糖尿病が出てくるから、ここでお書きいただいたのだと思いますが、それも非常に重要なので、これはいいのですけれども、そのほかに、先ほど高血圧のところでもちょっとお話ししたのですけれども、分子標的薬はここのところ飲み薬がかなり増えてきております。それによる高血糖も結構出てきておりますので、ここに例
えば分子標的薬の文言を入れるとか、経口チロシンキナーゼ阻害薬なども注意が必要であるみたいなものを入れておいたほうがいいのかなと思うのです。といいますのは、後のほうの参考資料に高血糖の薬のリストが出ていますけれども、そこを見ると、抗がん剤で経口薬が結構載っているのですね。ですから、それが入っていたほうが、例えば19ページの抗悪性腫瘍薬のところを見ますと、ニロチニブ、ボリノスタット、セリチニブですとか、これは経口薬で、肺がんや白血病だとかに使われているので、この辺も1行か2行ぐらい足していただいたほうが注意が向くかなと思いましたので、御検討いただければと思います。よろしくお願いします。
以上です。
○西村参考人 ありがとうございます。
では、経口のチロシンキナーゼ阻害薬等々入れさせていただきます。ありがとうございます。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。
○齋藤委員 国衛研の齋藤でございます。
8ページの副作用の好発時期に関しまして、御質問させていただいた者でございます。調べていただきまして、ありがとうございました。医薬品ごとに何かもう少し詳しい情報があればと思って質問させていただきましたけれども、発現時期は幅が広いということでなかなか具体的な記載が難しいことを改めて理解いたしました。引き続き御指導をよろしくお願いします。ありがとうございました。
○西村参考人 ありがとうございました。
○五十嵐座長 そうするとこの文言のままでよろしいですか、西村先生、1年とかとおっしゃっていましたけれども、「医薬品の投与開始後しばらく経過してから出現する場合もある」、こういう少し曖昧な表現でもよろしいということですか、齋藤先生。
○齋藤委員 はい、具体的なエビデンスがない中で、記載内容としては、あまり予見性を持たせないほうがマニュアルとしていいかなと思いますので、原案のままで結構かと存じます。
○西村参考人 それでは、変えないで原文のままでいかせていただきます。
○齋藤委員 すみません。ありがとうございました。
○西村参考人 ありがとうございます。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
そういたしますと、10ページに分子標的薬などの抗がん薬、経口チロシンキナーゼ阻害薬などという文章を追記するという御意見、御指摘を頂きまして、これを追記することになりましたけれども、それでよろしいですか。ほかに何か追加で御意見ございますか。
では、日本糖尿病学会作成の高血糖のマニュアル案については、基本的には了承する、一部先ほど御指摘いただいた点を追記するということでよろしいでしょうか。
どうもありがとうございます。では、そのようにしたいと思います。
今後の進め方につきましては、後で事務局にまとめていただきたいと思います。
西村先生におかれましては、貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございました。これ以降の議題につきましては、参加されても構いませんけれども、お忙しければ御退席いただいても構いません。どうもありがとうございました。
○西村参考人 ありがとうございました。
○五十嵐座長 続きまして、同じく日本糖尿病学会の松久参考人から、資料2-3につきまして、御説明いただきたいと思います。松久先生、お願いいたします。
○松久参考人 日本糖尿病学会から参加させていただきました徳島大学の松久です。
私のほうは、先ほどの西村先生と対になる低血糖のほうをさせていただきましたが、作成に当たりましては、西村先生の高血糖のチームと低血糖のチームがクロスでチェックしながら、両方の内容を確認して日本糖尿病学会の多くの人の目を通した上でまとめようということでさせていただきました。
私どもの平成30年の改定の後、現在までに行われてきた低血糖に関わる大きな変更点に関しましては、従来、低血糖のときの処置薬として使われてきたグルカゴンが注射製剤から点鼻製剤が出てきたということで、それに関しましては、患者さん向けには7ページの下から4行目のところに記載し、また、医師向けには16ページの真ん中の段に近いところでグルカゴンの処方に関して記載しております。特に家族の方しか処方できないということを改めて強調して意識して書いております。
また、もう一点、大きな変更点としましては、最近、臨床の場では、血糖を従来の血糖自己測定、指先の穿刺によって行ってきた血糖測定から、リアルタイムに血糖を持続的に測定できるリアルタイム持続グルコース測定あるいはスキャン式持続グルコース測定というものが臨床でかなり汎用されるようになってきております。特にリアルタイム持続グルコース測定は、血糖が高いあるいは低いと警告音を発するので、そういうことについて17ページの後半の低血糖の予防の部分で記載しております。
さらに、もう一点の改定点としましては、最近、クロピドグレルとレパグリニドの併用によって低血糖が起こるという症例の報告がございまして、メカニズム的にも少し分かってきておりますので、20ページの症例4としまして、そのような症例を記載して、また、文献も添えさせていただいて、併用によってレパグリニドの代謝が遅くなって、それによって血中濃度が高まり、低血糖を来すということの記載をしております。
それ以外はマイナーな修正になっておりまして、大きな変更点はございません。
後半部分、22ページ以降の薬に関して、薬のカテゴリー等の文言を現在の製品に近いものに修正することもしております。
私からは以上です。
○五十嵐座長 御説明どうもありがとうございました。
それでは、御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。
○笠原構成員 笠原からよろしいですか。
○五十嵐座長 どうぞ、お願いします。
○笠原構成員 内容については問題なく非常に分かりやすいと思うのですけれども、このタイトルからはずれるかもしれないですが、最近、GLP-1受容体作動薬のセマグルチドなどが肥満の治療薬として海外ではよく使われていて、日本でも認可されているものが出てきています。これは基本的には適応外使用ということで、2型糖尿病ではなくて肥満に使うケースがあって、自費診療です。こういうようなケースで、単独では低血糖は出にくいと思いますが、いろいろなバックグラウンドがあって、低血糖を起こすような報告があります。こういう未承認薬の適応外使用というようなことで起きる低血糖の場合は、この本文に書くような内容ではないと思うのですけれども、実際に起きているケースとして学会などでも注意があると思うのですが、重篤な副作用として出てくるケースもあって、この辺りをどう扱うか、私も特に考えがあるわけではないのですけれども、どこかで注意を喚起することが必要かと思いますが、いかがでしょうか。
○医薬安全対策課長 安全対策課の野村でございます。
先生、御指摘ありがとうございます。御指摘のように本来の目的外でお使いになる、ただ、これもいろいろ調べておりますと、美容整形などでお医者様からの処方があるというようなことがございますが、学会、それから製薬企業等から適正使用のお願いということでお知らせをさせていただいております。これをPMDAのホームページに掲載させていただきまして、また、メディナビなどでお知らせするというようなこともございますので、私どももそういった適正使用についてのお知らせというのはしてまいりたいと思います。また、そういうことをお気づきの点があればぜひ御指摘いただきたいと思います。ありがとうございます。
○笠原構成員 一点、質問ですけれども、こういう適応外の使用の場合にはJADERなどに副作用として報告されるケースはほとんどないとは思いますが、それから、実際に医薬品の副作用の救済には当たらないと思いますので、なかなか表に出にくいと思うのですが、その辺は何か報告されるようなツールというのはありますでしょうか。
○医薬安全対策課長 まず、副作用の報告でございますけれども、適応外だから報告してはいけないということではないので、時々そういったものも混じってまいります。低血糖で運ばれた医療機関のほうから御報告を頂いて、後で使用目的を確認したところ、そのようなものであったというようなことがございます。基本的に安全対策の評価の観点から申し上げますと、本来の使い方をしてどうかというところはございますが、今回のケースのようにそのようなことで問題が起こるようであれば、今、申し上げたような注意喚起につながることもございますので、報告はこちらのほうで広く受け付けております。
一方で、救済のほうなのですが、先生御指摘のとおり、これは適切な使用とは申せないところがあります。もちろん適応外であれば一律に切るということはいたしておりませんで、例えば効能効果に入っていなくても実際には学会などに広くオーソライズされて使っているような使い方もありますので、これは一つ一つケースを確認してということになりますが、やはり目的外使用ということであれば不適切な使用ということで支給の対象外になるケースが多いと理解しております。
○笠原構成員 分かりました。マニュアルにコメントを書くようなことは特にないということでよろしいでしょうか。
○医薬安全対策課長 あくまでこのマニュアルについては、一般的に普通に使った重篤な副作用の対応ということになりますので、今、申し上げたように、適応外の取扱いについてはまた別の方法を使いまして注意喚起させていただいております。
○笠原構成員 分かりました。
○松久参考人 松久ですけれども、その点に関して一言だけよろしいでしょうか。
セマグルタイドは抗肥満薬として認められておりますので、恐らくまもなく発売になると思いますので、そこで具体的にどれぐらいの重症低血糖が起こり得るのかということが今後の市販後にはっきりしてくると思います。そこで数が上がってくることによって、そういう薬について、セマグルタイド等を入れて、その中でしっかりと保険外使用はよくないということを書くべきだと思うのですが、今の時点でそこまで踏み込んで書くエビデンスには乏しいと思いますので、今回のこのマニュアルの中には、時期尚早という言葉は間違っているかもしれませんけれども、入れない方針でおります。ありがとうございます。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
薄井先生、どうぞ。
○薄井構成員 小さなことで申し訳ないのですけれども、10ページの「その他の薬物による低血糖」のところの、糖尿病薬でなくても低血糖が起きるということは非常に重要だと思いますが、「一部の抗不整脈薬やキノロン系の抗菌薬」は、もちろんそうなのですが、先ほどケーススタディーのところでも提示されていたプラビックスは出てくることが結構多いので、例えば一部の抗不整脈薬や抗血小板製剤とか加えたほうがいいのかなと思うのですけれども、いかがでございましょう。
○松久参考人 ありがとうございます。
悩んだのですが、プラビックスの場合は、どちらかというと単剤で起こるのではなくて、やはりグリニド薬との併用で起こる場合が多いということで、単剤で起こるようなイメージになってしまうのかなと思って、あえて症例のほうに追加させていただきました。ただ、ここのところでそこまでしっかりとグリニド薬との併用によりということを記載すれば、そういうことを記載することは可能だと思いますので、そういう方向で検討したいと思いますが、いかがでしょうか。
○薄井構成員 ありがとうございます。
ただ、添付文書を見ますと、インスリン自己免疫症候群というのですか、それも本当に1%ぐらいで非常に僅かなのですが、単独でも高齢の方などでは起こすこともあり得るということだったので、どうかなと思いました。この薬、プラビックスを使っていれば保険診療でも3か月に一度ぐらいHbA1cを検査して良いことにもなっていますから、そんなことを踏まえると、注意喚起をしておいたほうが宜しいかと存じます。先生方にお任せいたしますので、御検討をよろしくお願いいたします。
○松久参考人 ありがとうございます。
○五十嵐座長 松久先生、どうされますか。追記いたしますか。
○松久参考人 追記させていただくことで問題ないですし、より正確になると思いますので、追記の方向で進めたいと思います。
○五十嵐座長 分かりました。ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。
そういたしますと、ただいまの薄井先生の御指摘で10ページの(3)に追記するということ以外に特に御指摘はないですけれども、よろしいでしょうか。
それでは、日本糖尿病学会作成のマニュアル案につきましては、基本的には了承するということでよろしいでしょうか。
では、松久先生、10ページの(3)の追記をどうぞよろしくお願いいたします。
○松久参考人 了解いたしました。
○五十嵐座長 それから、今後の進め方につきましては、後ほど事務局にまとめていただきたいと思います。
松久先生におかれましては、貴重な御意見を頂きまして、御説明もしていただきまして、ありがとうございました。これ以降の議題につきましては、特に御意見を求める予定はありませんので、御退席されても差し支えございません。どうもありがとうございました。
それでは、令和4年度作成のマニュアル案について議論が終了しましたので、事務局から今後の進め方につきまして、御説明をお願いいたします。
○事務局 本日は、お忙しいところ、マニュアル案について御審議、御検討、誠にありがとうございました。
今回御審議いただいたマニュアル案につきましては、まず作成学会と事務局でマニュアルの修正を行って、五十嵐座長への御確認を行わせていただきます。その上で、本日のマニュアルについては構成員の皆様に御報告の上、厚労省のホームページに掲載するなど、マニュアルの周知を行っていきたいと思っております。
○五十嵐座長 よろしいでしょうか。
ここまでで何か御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。よろしいですか。
ありがとうございました。
続きまして、議題3に移ります。「マニュアルの普及啓発活動について」、日本病院薬剤師会の林先生から資料の御説明をお願いいたします。
○林構成員 それでは、資料3をお手元で御確認いただきながら、お聞きいただければと思います。
説明資料の上段で、令和3年度・4年度における重篤副作用疾患別対応マニュアルの公開・普及啓発の事業の経緯について御説明しております。この中では、患者さんへ向けた普及啓発にも視点を広げまして、令和3年度におきましては、患者自身による重篤副作用初期症状のセルフチェックと医師・薬剤師への相談を解説した動画を作成してまいりました。さらに、令和4年度におきましては、患者さんへのマニュアルの周知・啓発に関して、病院や薬局へのアンケート調査に基づきまして、さらなる有効な手段を調査した結果に基づきまして、患者待合室へ掲示できるポスターなどを作成しまして配布し、QRコードなどもこの検討会の御助言に基づいて埋め込むような形にして、多くの方がアクセスしやすい環境を周知・啓発してまいりました。
ここで、今年度について検討してまいったところでございますが、やはりこのマニュアル作成の原点は、医師、薬剤師、医療者が重篤な副作用の回避に向けて、重篤化する前に患者さんに指導するとか、あるいは患者さんからのお申出に迅速に対処していくということを目的としてスタートしておりますので、そういった予防型安全へのチーム医療の観点から、マニュアルの周知・啓発につきまして、マニュアル自体の周知・啓発というよりは、作成いただいたマニュアルを具体的に実際に活用してチーム医療の中で使うことの普及啓発に着手したいと思って御提案しているところでございます。ですので、次に書きましたように、令和5年度に公開する新規作成・改定マニュアルの中から具体的に活用していただくマニュアルを例示しまして、これらを医療関係者、医師、薬剤師に提案するような周知・啓発のストラテジーを御提案しているところでございます。
具体的には、今日3つのマニュアルについて御議論いただきましたが、重症高血圧のマニュアルを作成した循環器学会の協力を得る形を取りまして、普及啓発のポスターを作成して、重症高血圧の予防や高血圧コントロールに有用な家庭血圧の測定を推奨するような形で、リスクのある方、そして特にリスクのある薬を使っている方を中心に、こういった家庭血圧モニタリングによって重症化を未然にあるいは早期に発見していくという取組について普及啓発してはいかがかということで、具体例を挙げてマニュアル活用の実践を提案して、チーム医療の中で実践してマニュアルを使っていってみるということを御提案させていただきました。
つきましては、日本病院薬剤師会、日本薬剤師会に加えて、日本循環器学会の皆様にも御協力を頂いて、この取組を進めていけるとよいと考えております。以上、御提案になりますので、御確認、御意見を頂ければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 御説明ありがとうございました。
では、資料3につきまして、御意見、御質問等ございましたら、お願いいたします。よろしいですか。
○苅尾参考人 苅尾です。
医師側からだけではリスクをより早期に検出するというのは、社会として今、難しい状況になっていると思います。健診でも年に1回ですし、その中でも、ハイリスクの人に特化して、ハイリスクのものが加わったときに上がるという経過を見られるというのも家庭血圧しかないわけです。血圧というのは循環器及び腎臓などのリスクの一丁目一番地ですし、なおかつ非侵襲的に捉えることができる。しかも時系列で捉えるということを考えると、専門家の先生方の、この人はやばい、この薬はやばいという2つの組合せで啓発していっていただきながら、一人でもぽろっと落ちてしまうような、そういう人を取り残さない、取りこぼさない、そういう姿勢が非常に大事だろうと思う次第です。専門家がみんな集まって、多職種予防の連携のモデルになるのではないかと思います。言っているだけと違って、ちゃんと患者さんをモニターしながら、そのリスクも知ってもらって、これは、リスクのみならず、その後の健康、予防についてのプラスアルファの効果も、患者さんも家族の人も含めて、より健康な状態を維持するのに役立っていくのではないかと思って、新しい視点というふうに思います。
アメリカとかでしたら、その地域で血圧が下がってイベントが下がるには、床屋で血圧を測ったりとか、違う視点で測ったり、そういうのがあるわけです。それよりも、これはよりハイリスクの人を抽出する。専門家が見てハイリスクの薬剤の組合せで起こってくるということですから、これは費用対効果もいい一つの取組になるのではないかと考える次第です。
以上です。
○五十嵐座長 御意見ありがとうございました。
そのほかいかがでしょうか。どうぞ、川名先生。
○川名構成員 日本薬剤師会の川名です。今日遅れての参加で申し訳ございませんでした。
途中、配信のほうで状況は伺っておりまして、先生方から薬剤師の存在が大きいというお言葉を頂きまして、本当にありがとうございます。
日本薬剤師会のほうで普及啓発に努めていく中で、やはり最初に気づいたことを患者さんからお申し出いただくところは非常に重要だと思っています。いろいろ執筆の機会があるときに、患者さん向けの雑誌等でこのマニュアルの紹介をお願いしたいと申し上げたときに「重篤副作用疾患別マニュアル」という名称が一般向けの雑誌になじみにくいというような御意見を頂いて、実現しなかったことが2~3例ございました。
マニュアルはマニュアルとして医療者がしっかり活用し、患者さんへの啓発部分を少し軟らかい表現にして、いろんな雑誌等で取り上げていただいて、それをきっかけに自分で気づいて薬局でも御相談いただけるような、そういったちょっと軟らかい名称の御検討をお願いできれば私たちももっと広げやすいと思って、アイデアを提案させていただきます。どうもありがとうございます。
○五十嵐座長 御指摘ありがとうございます。
これは、ちょっとソフトにしろという御意見ですけれども、検討していただけますか。
○事務局 事務局でございます。
川名先生、御意見ありがとうございます。また、患者さんに向けて幅広な周知に御尽力いただいていることに改めて感謝申し上げます。
重篤副作用マニュアルの軟らかな名称、いわゆるニックネームという形のイメージですか。
○川名構成員 すぐではなくてもいいので、私たち薬局の窓口で患者さんに直接申し上げるときには、念のため、知ってほしい副作用みたいなことでお知らせしています。例えばそのままでもいいと思うのですが、念のため、知っておきたい副作用みたいなところで啓発させていただければ、それでなくてもいいのですけれども、もっと患者さんにとって親しみのある活用法が考えられるのではないかと思いました。これはすぐではなくていいので、これから続けていく中でどこかで御検討いただければと思います。
○事務局 ありがとうございます。承知いたしました。引き続き、そのような観点でも検討させていただければと思います。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。どうぞ、お願いします。
○犬伏構成員 これは、以前にも林さんにお話し申し上げたことではあるのですけれども、このマニュアルは、現場の先生方というところでは大きな副作用に出会うことが少ないから、医療関係者の方々に分かってもらうためのマニュアルというのが主体であることは十分に分かっているのですが、「患者の皆様へ」という呼びかけの部分について、この薬を飲んでいる方、気をつけて読んでくださいというような、恐怖を与えていいですから、初めに何がここで私に注意喚起しようとしているのかというのが分かる呼びかけみたいなものが欲しいと思うのです。
そうでないと、今まで出てきた、今日の高血糖、高血圧、といった言葉は日頃私たちみんな慣れてしまっているのです。何ともないような人たちでも「血糖値が高くてお薬をもらいに行っているのよ」というお話とか「血圧が高くてね」というようなお話というのは、普通の生活の中で聞こえてくる声なのです。その方たちに向かって、例えば重症の高血圧というのは、日頃から本態性血圧が高くて「私、何ともないわよ」というような声も高齢の方がおっしゃったりするような血圧だとか、血糖値というのも、食卓の上にスケールを置いて、これは何グラムとちゃんと測ってやっている御老人なんかもいらっしゃったりする。そういう状況下で、これだけだと、自分自身に重篤な副作用が起きるかもしれないとか、今回もっと血圧が上がったけれども、これが副作用だなんて感じる人というのは多分少ないと思ってしまうのです。
せっかくこのマニュアルを作って、それを普及しようとしているときに、私たちにも関係があるものなのだと解って貰うためにも、「患者の皆様へ」というところの書き具合がもう一つ何か工夫があってよろしいのではないかと思っています。その点、もう一回申し上げておきます。
以上です。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。
これは、川名先生の御指摘と共通するところがあるのではないかと思います。それをクリアするためには、患者さん向けに少し文言を変えないといけないかもしれないですね。これは医師と患者さん、両方向けのマニュアルですので、今後かなり大幅な書き換えなども必要になるのではないかと思いますけれども、重要な御指摘ですので、検討していただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
先ほど頂いた御指摘に関連する話なのですけれども、先ほど林先生からコメントを頂きましたとおり、当初、こちらが主に医療従事者に活用いただくことを主眼に置いて作成されて、さらに「患者の皆様へ」というのは、その内容を医療従事者の皆様が患者さんに説明するために作成されていたということは確かにあったところです。ただ一方で、マニュアルが最初に作られたのが、平成17年からこの事業が始まっておりまして、大分時間がたちまして、患者さんのリテラシーも上がってきているのだろうと思います。その中で、今、頂いた御指摘のような、患者さんが直接読めるようなことも視野に置いた形での検討というのは、かなり長期的な検討にはなるかもしれないのですけれども、引き続き検討させていただければと思います。すぐにというところではなくて恐縮なのですが、こちらとしても課題として持っていこうと思います。ありがとうございます。
○五十嵐座長 ほかはいかがでしょうか。
それでは、当面の普及啓発活動につきまして、今後の進め方の御説明を事務局からお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
普及啓発活動につきましては、長期的な課題については、コメント、御意見を頂きまして、こちらについては検討させていただくといたしまして、近々の活動といたしましては、日本病院薬剤師会、日本薬剤師会、日本循環器学会にてポスター作成を行っていただきまして、周知・啓発活動を行っていただきます。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
以上で本日予定しておりました議題は全て終わりました。
そのほか何か全体を通しまして御意見や御質問等ございましたら、お願いしたいと思います。よろしいですか。
事務局のほうから何か追加はありますか。
○事務局 特にございません。
○五十嵐座長 それでは、本日の検討会はこれで閉会とさせていただきます。皆様、どうもありがとうございました。

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