ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会))> 平成28年度第5回DPC評価分科会・議事録(2017年3月31日)




2017年3月31日 平成28年度第5回DPC評価分科会・議事録

○日時

平成29年3月31日
14:00~15:15


○場所

中央合同庁舎第5号館専用第22会議室


○出席者

【委員】

小山分科会長、石川委員、猪口委員、井原委員、緒方委員
金田委員、川瀬委員、小林委員、舌間委員、瀬戸委員
福岡委員、伏見委員、美原委員、山本委員、渡辺委員

【事務局】

医療課長、企画官 他

○議題

1.DPC制度に係る医療機関別係数の今後の対応方針(案)

○議事

○小山分科会長

 それでは、定刻となりましたので、ただいまより平成28年度第5回「診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」を開催いたしたいと思います。

 まず、委員の出欠状況でありますけれども、池田委員、川上委員、藤森委員、箕浦委員が御欠席であります。

 現時点で定足数以上の委員に御出席いただいておりますので、会議が成立しますことを御報告させていただきます。

 続きまして、事務局より本日の資料の確認をお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 本日の資料ですが、お手元、議事次第、委員一覧。資料番号が右肩にあります。D-1、D-1別紙、D-1参考が資料でございます。以上でございます。不足等ございましたらお申しつけください。

○小山分科会長

 各委員、よろしいでしょうか。過不足があったら事務局まで御連絡ください。よろしいですね。

 それでは、議事に入らせていただきます。最初に「DPC制度に係る医療機関別係数の今後の対応方針(案)」を議題といたしたいと思います。

 まず、事務局より御説明をお願いいたします。

○事務局

 それでは、お手元の資料、D-1に沿って御説明させていただきます。なお、D-1の資料、本文中に「別紙」と出てきますのは、お手元の資料D-1の別紙の別紙番号と連動しておりますので、あわせてそちらもごらんいただければと思います。

 まず、D-1の1ページ目。前回までDPC評価分科会でこの医療機関別係数を検討させていただいておりました。そのときの議論及び御指摘及び事務局におけます分析結果などを踏まえて、医療機関別係数に関する今後の具体的な対応方針(案)について、このD-1で整理させていただいていますので、本日、こちらについて御議論いただきたいと思います。

 1ページ目、「1.基礎係数」についてです。

 「(1)基本的な考え方」につきましては、前回分科会の検討課題の中でもお示ししておりますので、説明は割愛いたしますが、この別紙1にありますような分布の状況で係数と病院数がなっているということでございます。

 「(2)各論」としまして、1ページ目の下の部分です。

 まず、マル1「医療機関群の設定」ということで、これまでの議論としましては、現行の医療機関群について、1日当たり包括範囲出来高点数の平均の比をそれぞれの群でみると、ばらつきは比較的少なく、現行の選定要件については、一定の合理性があるとの意見があった。

 これは、関係資料が別紙2から別紙5となっております。前回の分科会でもお出しした資料ですが、別紙3、4、5につきましては、縦軸、横軸の幅をそろえさせていただいておりますので、それ以外は前回もお示しした資料になっております。

 続きまして、D-1の文章編の1ページ目の一番下の5行のところですが、このほか、III群について、対象となる医療機関数が多いこと等から、個々の医療機関単位でみると異なる機能の医療機関が含まれているのではないかという指摘があり、機能評価係数IIによる機能の評価の検討も踏まえつつ、医療機関群の設定に関し、一定の機能や役割を有し、かつ、合理性のある視点があるか、分析してはどうかとの意見があったということです。

 2ページ目、以上の議論を踏まえましての対応方針(案)ということで、一番上の部分です。

 まず、現行の医療機関群の設定については、一定の合理性があると考えられるため、原則として3つの医療機関群を維持することとしてはどうか。

 2つ目、III群については、医療機関群の設定とは別に、個々の医療機関単位で評価されるべき機能について、機能評価係数IIの検討の中で、適切な評価が可能かを検討することとしてはどうか。「後述」というのは、2番目の機能評価係数IIのことでございます。これが1つ目です。

 2ページ目のマル2「医療機関群の名称」についてです。

 これまでの議論では、現行の医療機関群I、IIIIIと数字で表記されておりますが、II群は「高機能な病院」との説明、これは別紙6にあります。III群は、逆に高機能ではない病院と受けとめられているとの意見がありました。また、それぞれの群の役割や機能がわかりにくいという意見もあり、それぞれの群について適切な理解に資するよう、例えば、名称変更を検討すべきとの意見がありました。

 これについて、対応方針(案)としては、医療機関群の名称については、それぞれの群の役割や機能を明確にするとの視点から、現行の群の設定の定義や実績要件を加味して見直しを検討してはどうかということで、例示しております。例えば、I群を「大学病院本院群」、また平均的な病院が多く所属するIII群については、DPC/PDPSの基本となることを明確に表現した「標準群」などといった名称が考えられるのではないかと思いますが、どうかというのが対応方針(案)です。

 マル3「医療機関群の選択」についてです。

 これまでの議論としては、一定の条件下で医療機関群の参加要件を満たす場合に病院が自ら選択できるような方式を検討することについて議論してきましたが、そうするとしても、医療機関はどのような視点で選択すればよいのか、適切な評価となり得るのかといった観点や、どの医療機関群に所属するかを短期間で選択することが可能なのかなどといった技術的な観点から、様々な課題が考えられるため、具体的に実現可能な対応案についての検討が現実的ではないかとの意見がありました。

 また、現実の医療機関別係数設定のプロセスを踏まえれば、一度係数を設定して、この群に入るということをお示しした後に、医療機関群を選択して、また改めて係数の設定をし直すということになります。そうすると、基礎係数や機能評価係数IIの設計上、すべての医療機関の係数を再度設定し直す必要がありますので、スケジュール等を考慮すると困難であり、医療機関の意向を踏まえた医療機関群とした上で係数を設定するためには、医療機関別係数設定作業よりも前の段階でその意向を示す必要があると考えられたということです。

 3ページ目、対応方針(案)ですけれども、病院が自ら医療機関群を選択できるとすれば、現行の医療機関群の設定で言えば、II群の要件を満たす病院がIII群を選択するというケースが想定される。このため、診療報酬改定前年のうちに、例えば、毎年10月に定例報告をいただいておりますけれども、それとあわせて「仮にII群に該当したとしてもIII群を選択する」かどうかということの意向を示すことを検討してはどうかというのが案でございます。

 続きまして、「2.機能評価係数II」についてです。

 まず、「(1)基本的な考え方」につきましては、前回もお示ししております。関係資料としては、別紙7から別紙12あたりになりますので、あわせてごらんいただければと思います。

 続きまして、「(2)各論」のところですが、マル1「機能評価係数IIの再整理」ということですが、これまでの議論として、機能評価係数IIの導入後、2つの係数が新設されていますが、診療報酬改定ごとに新たな評価軸の追加等を行うことは、調整係数の置き換えの完了により機能評価係数IIの医療機関別係数に占める割合が大きくなることを踏まえると、医療機関別係数の大きな変動につながる可能性が高くなるため、制度の安定的な運用にはそぐわないという意見があった。

 2つ目として、導入後に追加された2つの係数は、出来高報酬の評価との整合性の観点や導入時の6つの係数とは観点が異なっていることなどから、再整理が必要という意見があった。

 ということで、4ページ目ですが、対応方針(案)として、導入時の6つの係数については、これまでの評価実績を踏まえて、各係数導入時の基本的な考え方を維持し、必要に応じた評価手法の見直しを行うことを前提とし、機能評価係数IIの基本的評価軸として位置づけてはどうか。

 2つ目として、導入後に追加された2つの係数、これは後発医薬品係数と重症度係数ですけれども、これについてはそれぞれ再整理することとしてはどうかということで、マル3の「個別の係数」のところで後述いたします。

 マル2「機能評価係数IIの重み付け」についてです。

 これまでの議論としては、機能評価係数IIについて、過去の検討で項目間相互での評価の軽重を設定することが困難であることから、各項目に割り当てる報酬額(財源)は等分とされている。これは別紙の13ページです。これは、等分とするという現行の考え方の概要になっております。

 また、4ページ目にお戻りいただいて、この点については、各項目への配分について重み付けを変えること。例えば、複雑性係数に配分する財源を他の係数の2倍にするといったことは困難ではないかとの指摘があった。

 また、カバー率指数が引き上がると、複雑性指数は低下することがあるなど、すべての指数について高い評価を目指すことは困難であり、個々の医療機関の機能に応じて高い評価を目指すべき指数は異なるとの指摘があった。

 3つ目、III群の病院について、自院を専門病院と回答した病院、こちらは別紙14をごらんになりながら御説明させていただければと思います。専門病院とその他III群病院の指数(平均)とありまして、これはIII群の病院について、以前調査したときに、専門病院と答えた病院を専門病院、それ以外の病院をその他として、nは右側に書いてありますが、専門病院が199、その他の病院が1,247ということで、これらについてレーダーチャートにしていますが、6つの基本的なもともとある係数の指数の平均値をとってチャートしています。

 青い線がひし形のポイントになっていて、赤が四角のポイントになっておりますけれども、青いもの、専門病院の平均値については、このレーダーチャートでは右側にあります効率性指数や複雑性指数が、その他の平均値よりも大きくなっているという形になっている。逆に、左側の地域医療指数とかカバー率指数や救急医療指数は、その他の病院の平均値よりも低くなっているという形になるという結果でございました。

 次の別紙15をごらんください。III群の病院のうちの専門病院199とその他1,247を、それぞれグループを分けてから係数の設定を仮にということで計算したものと、現在の係数の比較を出しておりまして、左側が専門病院、右側がその他の病院となっていて、赤い線、四角のポイントになっていますけれども、現在の係数の平均値。青いもの、ひし形のポイントになっていますけれども、それがそれぞれ分けてから係数化したデータになっております。

 こちらについて、左側の専門病院については、現在の形は先ほどの指数の平均値に近い形になっているのですが、専門病院のグループの中だけで係数を仮に出してみると、例えば右下の複雑性係数については、今よりも低い係数になったり、逆に地域医療係数については、今よりも高い係数になったりという変化があるということで、専門病院と回答した病院だけ集めると、傾向としてはこういう形に変わりますということがこちらでわかっています。

 右側は、その他病院ということで、数も多いですけれども、大きな変化が見られていないという形になっています。

 以上がこの分析で、D-1、文章編の資料の4ページ目にお戻りください。ということで、4ページ目の中ほどのポツ、III群の病院についての説明ですが、自院を専門病院と回答した病院と、それ以外の病院を2つに分けて、それぞれの指数について検証したところ、専門病院は複雑性や効率性が高く、地域医療指数が低い傾向。

 また、2つのグループを分けて、片方のグループの中だけで相対評価を行って、係数を再設定したものを今と比較したところ、複雑性係数はむしろ低く、地域医療係数はむしろ高くなった。このことから、機能評価係数IIは相対評価であることから、得意とする係数を同じくする病院でグループを分けた上で係数を設定すると、得意とする係数はむしろ低くなったということでございます。

 これらのことから、多様な機能を有する病院が含まれているIII群において、いくつかの特性に着目したグループに分け、それぞれのグループ内で係数を設定したとしても、病院の特性をより反映させた評価につながらない可能性があると考えられた。他方、I群とII群は、一定の機能を有する病院として群分けされていることから、これらの機能を評価している係数への配分について重み付けを変えることで、これらの病院の特性をより反映させた評価につながる可能性があると考えられたということでございます。

 対応方針(案)としては、機能評価係数IIの重み付けについては、医療機関群ごとに、求められる機能や評価の現状を踏まえ、各項目への配分についての重み付けの是非を含めたそのあり方を整理してはどうか。

 5ページ目ですが、その上で、特に現行のIII群については、個々の病院の特性を重点評価するような各項目への配分についての重み付けを決めるいくつかのグループに分けて評価を行っても、病院の特性をより反映させた評価につながらない可能性があることに留意しながら、今後整理してはどうかということでございます。

 続きまして、マル3「個別の係数」ということで、これまでの議論を(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)と5つに分けておりまして、(ア)としては、後発医薬品係数で、こちらは包括報酬が適用されているDPC対象病院においても、後発医薬品の使用促進に有効であったと考えられたが、入院基本料等加算の中に、同様の基準の出来高点数が設定されていることから、機能評価係数Iで評価すべきではないかとの意見がった。

 (イ)として、重症度係数ですが、重症者の診療に応じた評価を目的として試行導入されたが、重症者の診療だけでなく効率化できていないことも評価されているのではないか、実際には係数を設定した趣旨にあった評価になっていないのではないか、との指摘があった。

 (ウ)として、保険診療係数については、導入時のデータ提出に係る評価指標に加えて、導入後に様々な評価指標が追加されており、本来の趣旨や目的がわかりにくくなっているのではないかとの指摘がある。

 (エ)として、地域医療指数は、医療計画の見直しの検討を踏まえた対応を検討していくとの方向性に対して、特に異論はなかった。

 (オ)としては、複雑性係数、カバー率係数、効率性係数、救急医療係数については、基本的な考え方について、特に異論はなかったということです。

 対応方針(案)としては、(ア)として、後発医薬品係数については、出来高報酬に同様の加算があることから、機能評価係数Iに置き換えることとしてはどうか。

 (イ)重症度係数については、係数設定の目的や趣旨に沿った手法の設定が可能か検討してはどうか。

 (ウ)保険診療係数は、本来の係数設定の趣旨や目的に沿って、評価指標等を再整理してはどうか。

 (エ)として、地域医療係数については、現在の評価項目の状況を踏まえて、今後の医療計画の見直しの方向性に沿って、見直すこととしてはどうか。

 (オ)として、このほか、各係数について、前述以外の事項も含め、必要な見直しを行うこととしてはどうかとしております。

 最後、6ページ目をごらんください。「調整係数」についてです。

 「(1)基本的な考え方」は割愛いたします。

 「(2)各論」、マル1「調整係数の置き換え」ということですが、これまでの議論としては、現行の調整係数を、平成30年度、機能評価係数IIへの置き換えを完了するとの方向性に対して、特に異論はなかった。

 重症度係数については、重症者の診療に応じた評価を目的として試行導入されたが、重症者の診療だけでなく効率化できていないことも評価されているのではないか、実際には係数を設定した趣旨に合った評価になっていないのではないかとの指摘があった。

 調整係数の置き換えにあたって、基礎係数、機能評価係数II及び診断群分類の精緻化で対応することを基本とするが、調整係数がこれまで、改定により大きく影響を受けてしまう場合の医療機関の安定的な運営に効用があった点についても留意する必要がある、との指摘があった。

 対応方針(案)としては、調整係数は、平成30年度に、機能評価係数IIへの置き換えを完了することとし、重症度係数については、その目的や趣旨に沿って見直すとともに、他の手法による対応が可能かを検討してはどうか。

 マル2「激変緩和措置」についてです。

 激変緩和の対象となる病院について、詳細に分析するべきとの意見があった。その上で、7ページ目をごらんください。激変緩和の対象となる理由が、過去の激変緩和措置の残存によるものである場合は、継続して激変緩和措置を行うことは適切ではないのではないかという意見がありました。

 こちらについては、別紙19をごらんいただきたいのですが、前にもお出ししておりますけれども、DPCの参加の前の年と参加した年とで、前の年を分母としまして、3カ年の点数との比を見たもので、グラフの左側がマイナス緩和の対象病院、真ん中がプラス緩和の対象病院、右側がそれ以外となっておりまして、それぞれp値の検定が下の鍵のところに書いてありますが、マイナス緩和とプラス緩和の対象病院で比較すると有為な差がある。プラス緩和と激変緩和措置を受けていない病院、真ん中と右側では、n.s.というのは有為な差がない。左側と一番右側で見ると有為な差があったということでございます。

 次のページ、別紙20を見ていただくと、こちらは平成28年度機能評価係数IIの分布を、マイナス緩和になったところ、プラス緩和になったところ、それ以外の病院ということで見ると、こちらも差がある、ないということがこの表にあるとおりに出ています。

 それから、別紙21は暫定調整係数の分布ということで、左がマイナス緩和、真ん中がプラス緩和、右側がそれ以外というもので見ると、各グループで分布には差が出ているということです。これらの暫定調整係数が、前項のような機能評価係数IIと置き換わることを考えると、これまで激変緩和の対象となった病院は、推計診療報酬変動率は小さくならないことが示唆されるということで、かなり差があるということです。

 もう1ページ、別紙22をごらんいただくと、激変緩和の対象となった病院の推計診療報酬変動率の推移を見ていまして、左側のグラフがマイナス緩和病院の推計診療報酬変動率で、縦軸が変動率、横軸が24年、26年、28年となっていて、連続して緩和措置の対象になっているものは折れ線で3つのデータがあって、26のところは2628だけデータがあるということで、下に行くほど変動率はマイナスなので大きくなるということで、徐々に大きくなるという傾向になっていて、その変動率自体は小さくならないという傾向がある。

 右側がプラス緩和病院で、縦軸が変動率で、これは上に行くほど変動率が大きくなるということですけれども、ものによりますけれども、横か、少し上に行っているので、幾つかの病院の変動率は余り小さくならないのではないかということです。

 別紙23、この激変緩和措置の対象となった病院の診療密度についてですが、縦軸が包括点数に対する包括範囲出来高点数の比ということで、上に行くほど比が大きいということで、診療密度が高いということですが、左、マイナス緩和病院、真ん中がプラス緩和病院、一番右がそれ以外となっていますが、プラス緩和病院は診療密度が低い傾向があるという傾向が見られます。

 以上が現状のデータで、7ページ目、D-1の資料、文章編の最後のページをごらんください。

 対応方針(案)としてですが、診療報酬改定により医療機関別係数が大きく低下を見込まれる病院について、これまでと同じルールで激変緩和措置を続けたとしても、過去の激変緩和措置の残存が継続してしまう可能性が示唆されることから、さらに具体的な要因分析を進めた上で、その要因に応じた対応を検討することとしてはどうか。

 2つ目として、平成30年度及びそれ以降の診療報酬改定での対応も含め、調整係数の置き換え完了後もDPC対象病院のうち、改定の影響による医療機関別係数の著しい変動を緩和するための何らかの仕組みを検討すべきではないかということでございます。

 資料の説明は以上です。

○小山分科会長

 御説明、どうもありがとうございました。議論を重ねてきまして、大分整理されてきたかなと思いますが、これから議論を進めたいと思います。

 長いので、少しずつ区切りながら行きたいと思います。

 まず、1番目の「基礎係数」のところから入りたいと思いますけれども、「基本的な考え方」については、皆さん十分御理解いただいたと思います。

 それから、各論の1番の「医療機関群の設定」ということですね。I、IIIII群をどういうふうに考えるかということですけれども、2ページ目の上にありますように、対応方針としては、3つの医療機関群を維持することが1つ。

 それから、III群の適切な評価が可能かを検討することで対応していこうということがうたわれていますけれども、まず各論の中の医療機関群の設定について、御質問、御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。この方向でよろしいかどうかということですね。それぞれ分類されていますけれども、これについては妥当であるという判断かと思います。III群はいいのですけれども、III群については、適切な評価が可能かどうかを検討するということで、まだ継続するという形で残しておるわけですけれども、よろしいですか。この辺は問題ありませんか。

 2つ目の「医療機関群の名称」についてですけれども、名称を変える必要があるだろうということはこれまでの議論でなされておりますけれども、2つ目の丸の対応方針(案)で、I群を「大学病院本院群」、III群は標準病院なのだから「標準群」という考え方。これは、標準的な病院がIII群であって、そこから飛び出している病院がIII群であるという逆転の発想と言ってよろしいかと思いますけれども、普通はIII群だよ。そこで評価できないものは、I群でありII群であるという発想のもとに、こう考えられのではないかと思います。ただ、II群の名称については、この中ではまだ案が出ておりませんけれども、このような形にしていくことについて、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。

 お願いします。

○川瀬委員

 I群とIII群というのは、この名前でもいいなと思ったのですが、一番難しいのがII群の名前かなと思います。例えば、別紙6にII群の要件が書いてあって、いろいろな名前を考えるのですけれども、例えば高機能病院群とか高診療密度病院群とか、あるいはこの真ん中で言うと、臨床研修医をいっぱい受け入れているという意味で、例えば臨床研修病院群とか。あるいは、重症患者受入病院群とか、結局はIII群よりはいい病院だよという名前しか、考えてもどうしても思いつかないのですけれども、皆さん方、いかがかなと思います。

○小山分科会長

 そこが、今回、IIIIIIという名前を変えようとしている一番の原点だと思います。II群の名前を、これから皆さんに少し考えていただかなければならないかなと思いますけれども、その辺のことも含めて、御意見がありましたらお願いいたします。

 はい。

○渡辺委員

 III群ですけれども、標準群でよいと思いますが、もともとDPCは急性期医療ですので、対外的に一般の人が見たときもわかるように、例えば標準急性期病院群などのように、急性期という言葉が入ったほうがいいのではないか、そのほうがよりわかりやすいのではないかと思いました。

○小山分科会長

 標準はいいけれども、急性期病院を対象としているので、急性期という言葉をこの中に入れたほうがいいのではないかという御意見ですね。ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。お願いします。

○井原委員

 II群は確かに難しいのですけれども、今、 IIIの標準、基準、スタンダードという名称が仮に合意されるとすると、I群の大学病院本院というものは、今までの議論からすると、ほぼ皆さん、異論はないところだと思います。そうすると、II群とは何かというと、標準、スタンダードなところから、文字どおり別紙6に書いてありますように、高機能なという言葉をこういうところに挙げてしまうと、どうしてもイメージ先行型になってしまいます。

 その下に、なぜII群を決めたかといったら、実績要件1、2、3、4とあります。つまり、一定の要件に該当したものを一つのグループとして抽出すると、そこにある種の基礎係数を設定すると合理性が見られるということですから、本当にありのままに表現すれば、一定要件該当群ということになるのです。ただ単に、一定の要件に標準型から該当しているものを抽出しただけだと。それが、この本文にもありましたけれども、ある意味一定の機能を評価すれば、一定機能急性期病院群。

 あくまでも、この要件を満たしたということだけがスタンダードとII群との違いですから、IIIIIIという名前のままでも私はいいと思いますが、こういう資料を公開するときに「II群病院(高機能な)」というのが出てくると、機能が高いとか低いということになる。一定の要件、一定の機能を満たしているというか、そこに該当した病院にすぎないのだという意味合いに私は変えたほうがいいと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 石川委員、お願いします。

○石川委員

 私もそれはすごく賛成です。III群については、先ほど急性期を入れると言いましたけれども、そもそもDPCの標準病院群ということで、そこからむしろ跳びはねているI群、II群について、特定DPC病院群IIIとつけてしまえばいいのではないかと思います。また、IIIで本院とか、いろいろな格差をつけるような名前をつけてしまいますと、また面倒くさいので、I群、II群についてはDPCの特定病院群ということでIIIと分けてしまうというのは、僕はいいと思います。あくまでも標準DPC群があるということで、というふうに思います。井原委員に賛成です。

○小山分科会長

 大変すばらしい案が出てきたかなと思いますけれども、なぜこんな苦労をしているかというと、II群に猛進する医療機関が出てきてしまっているということに対する我々の配慮だとぜひ御理解いただきたいと思います。今、石川委員の御発言がありました。

 ほかにどうですか。何か御意見ありますか。賛同でもよろしいですし、新たな意見でもよろしいですけれども、何かありますでしょうか。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 今の一つの案としては、I群が大学病院本院群ですね。II群は「准」をつけたらどうですか。准大学病院本院群という言い方もあると思います。III群は標準群でもいいし、基本群でもいいし、いろいろな言い方があると思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほか、いかがでしょうか。お願いします。

○石川委員

 資料の別紙2を見ますと、きれいに緑と青と赤と分けているのですけれども、これで見ても、標準と特定のI群、II群は明らかに差があることが歴然としています。II群は、決してI群形はなれないので、別に準ずるとか何とかやらなくても、I群、II群で十分だと思います。どうせ大学病院にはなれませんので、それでいいと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。I群は、大学病院本院群というはっきりした規定があるので、変な動機づけにならないという意味ですね。ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。きょう、一歩進んだかなと思いますけれども、医療機関群の名称については、引き続き検討していきたいと思います。

 3番目の「医療機関群の選択」というところですけれども、選択できるようにしたらいいのではないかということが、この会の最初のほうで議論されていたのですけれども、3ページ目の上にあるような形が実際的というのですか、実際にやろうとすると、2ページの下にあるような理由で、どこでも勝手にというわけにはいかないので、もし選ぶのだとしたら、II群に該当したほうが、俺たちはIII群のほうが合っているというのであれば、そこが選択できるという形の選択ということでどうでしょうかということで、今後もこの方向で検討するということですけれども、これに対する御意見、いかがでしょうか。賛成とか反対でもよろしいですし、御意見があったらお願いいたします。

 選択できるということで、一時、ざわついたという言い方はおかしいですけれども、係数を決めてからという話だったのですが、そういう意味合いではないと、誤解のないような形で。これだったら誤解がないかなと思いますけれどもね。

 どうでしょうか、御意見ございますか。お願いします。

○美原委員

 名称と選択というのは、表裏一体というか、一緒にくっついているものだろうと思います。先ほどの議論で名称のことが出てきましたけれども、石川先生がおっしゃったのは、僕はすごくいい案だなと思いました。つまり、どういうことかというと、まず標準的なものがあるのですよ。そして、それから外れたものがあるのですよ。それが機能として、皆さんがわかっているわけですから、その機能によって自動的に分けられるものであるから、そこのところで申し出によって変えるというのはそぐわないと思います。すなわち、名前が機能を変えているのだったら、それは自動的に入るもので、選択とか何とかということは抜きにしてよろしいかと思います。

○小山分科会長

 大変貴重な御意見、ありがとうございます。選択というのは、この制度にそぐわないのではないかという御意見かと思います。

 ほかにいかがでしょうか。小林委員、どうぞ。

○小林委員

 前回、これを私が発言したのかもしれませんけれども、ちょっと誤解があるので、補足させていただきます。もし手挙げ方式を採用するならば、仮にII群に該当したとしてもIII群を選択するというぐらいしか現実的には出来ないのではないか。その裏側に言っているのは、手挙げ方式は多分無理だということを言っているので、そこのところをちょっと誤解しないようにしていただければと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。いずれにしろ、出ている内容は、ここで出たものを事務局で取りまとめて載せているということですので、御発言になった先生の気持ちはそういう気持ちだということでよろしいですか。

 ほかにいかがでしょうか。お願いします。

○井原委員

 私も皆さんの意見に賛成で、群というのは、選択するというよりも結果だと思うのですね。意図的にどうしよう、こうしようということではなくて、一定の期間を通じてきちんと診療を行った、そのデータの結果、機能によって要件に該当するかどうかということによって決まってしまうものですから、本来は選択の問題ではないと思います。

 ただ、これは言い方が難しいのですが、仮に標準型、基本形で自分たちはいたい、II群の中の競争にもまれるよりもよいという御意向があるならば、それを聞くことに必ずしも反対ではないのですが、根本的には、これは選択の問題ではない。診療の結果、自動的に決まっていくのが筋だと思います。

○小山分科会長

 大変貴重な御意見、ありがとうございます。

IIIIII群というのは、そういう形で全ての病院に理解していただくと、こんな名称を変えることにならなかったのですけれども、I群の病院がII群を目指すために医療をゆがめているという言い方はおかしいですけれども、妙な努力をしてしまうということはいいことではなさそうだということが、この名称を変えたり、選択制をとったりということの原案だと思いますけれども、大変貴重な御意見、ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。お願いします。

○金田委員

 金田です。

 先ほどの別紙2のグラフでありますけれども、横に見ると横長に見えますが、縦にして見ると富士山に見えます。すなわち、標準急性期医療をIII群の病院が支えて、その上が富士山の上のほうに行って、一番てっぺんが大学病院本院だと考えれば納得できる。

 それと、DPCという言葉自体が理解しにくいという住民の方の意見もありますので、標準医療に急性期標準医療とか、急性期という言葉が入るというのは非常に意義が大きいと思います。

 以上です。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 今の別紙の2ページ目の話ですけれども、こういうものを見ると、III群の専門病院のお話、後から出てくるのですけれども、標準と言うからには、DPCの標準的な病院ということで、いろいろな係数で、例えばこういう厚労省の下にある会議で民主的に係数の評価もしていくということであれば、係数というものが病院のあるべき方向というものを少しずつ定めていくとするならば、14ページのレーダーチャートで専門病院とほかのIII群の病院の指数で見ると、これだけ形が違うわけです。これが将来的には、専門病院とその他の病院というところのコントロールをどういうふうにするのかということで、いろいろなところが恐らく悩むのではないかなと思っております。ですから、今後はIII群の専門病院ということについても、僕は慎重に議論したほうがいいのではないかと思っております。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。では、「基礎係数」の各論の「医療機関群の設定」、「医療機関群の名称」、「医療機関群の選択」という3つで議論させていただきましたけれども、全体を通して何か御意見、御質問ございますか。

 なければ、その次の議論に進みたいと思います。3ページ目、「機能評価係数II」であります。機能評価係数IIの中では、「(1)基本的な考え方」は皆さん、御存じのとおりだと思います。その中で「(2)各論」として、1番の「機能評価係数IIの再整理」ということで、前々回に2つの係数が新設されましたけれども、4ページ目の上、対応方針として、基礎的なところは導入時の6つの係数を踏襲しよう。これは、もういじらないようにしたほうがいいのではないかということ。

 2つ目に、導入後に追加されました2つの係数については、それぞれの係数の目的や趣旨を踏まえて再整理するということ。

 これについての御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。

○石川委員

 基本的な考え方は、今、分科会長がおっしゃったようなことでよろしいと思いますけれども、私、今期の初めに言いましたように、このジェネリックの問題につきましては、政府の目標にもう少し足りないところなのです。ですから、私は達成に近くなったから、これを取り下げるということを言いますと、またいろいろなところで、はしごを外したとか、どうのこうのということになります。

 ですので、ここは政府目標をきちんと達成して、明らかにこのDPCでこの係数をやったことによってジェネリック医薬品は伸びたのですから、これは間違いない。私も、そっちの分析のほうで毎年やっていますので。ですから、これは牽引車として、もう少し僕は残すべきだと思っております。そうでないと、またいろいろなことを言われるということがあるので、一応そういうふうに考えております。

○小山分科会長

 ありがとうございます。先生のお考えは、機能評価係数IIに残すべきであって、Iに移動すべきではないというお考えでよろしいですね。

 ほかに御意見、いかがでしょうか。ほかの皆さんは、Iに動かしても特に問題ないというお考えでよろしいですか。もしほかに何か御意見がありましたら、お願いいたします。山本委員、お願いします。

○山本委員

 実際には、ほとんどの医療機関が達成しているところに入っているという現状を考えると、この後発医薬品係数の役目は終わったのかなというのが私の実感であります。

 1つ確認したいのは、これが外れることによって、今まであった収入が大幅に減るとか、そういうことがないのかということ。それこそはしごを外されたと、みんな怒り出すかもしれないなと思いますが、その辺はいかがなのでしょうか。

○小山分科会長

 事務局、いかがですか。つまり、機能評価係数Iになったら係数がどんと下がってしまうという意味ですね。

 お願いします。

○事務局

 基本的には、個々の医療機関の係数が何をとっているかによりますので、一律に上がる、下がるということはないかと思います。ただ、機能評価係数Iといいますのは、出来高の加算を単純に係数化しているものなので、基本的には基準が大きく変わらなければ、とっているものがそのまま係数になるかと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

DPCの場合に段階評価をしますけれども、Iに行ったら、恐らく7080で切りますから、70に行っていない、717273は全部70になるけれども、80を超えないとだめだというところが少し変わってくるかと思いますけれども、係数とすれば、そんなに大きな変動はないというお話かと思います。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、4ページ目のマル2「機能評価係数IIの重み付け」ということです。当初、重み付けについて大分議論したのですけれども、最終的には、一番下にあるとおり、機能評価係数IIの重み付けについては、医療機関群ごとに、求められる機能や評価の現状を踏まえ、各項目への配分についての重み付けの是非を含めたそのあり方を検討してはどうかという書きぶりになっております。

 次の5ページ目の上のところでは、その上で、現行のIII群については、個々の病院の特性を重点評価するような各項目への配分についての重み付けを決めるいくつかのグループに分けて評価を行っても、病院の特性をより反映させた評価につながらない可能性があることに留意しながら、今後整理してはどうか。これが、先ほど石川委員がお話しになった資料の14番目と15番目のスライドですね。14番目では、指数とするとすごく差が出てしまうけれども、係数とすると、その差はほとんどなくなってしまうということがこの最後のことだと思いますけれども、これに対して御意見、御質問がありましたらお願いいたします。重み付けということに対して、何か御意見ありますでしょうか。よろしいですか。

 では、事務局のほうからちょっとお答えいただきたいと思います。対応方針の、医療機関群ごとに、求められる機能や評価の現状を踏まえ、各項目への配分についての重み付けの是非ということですけれども、具体的はどんなことを念頭に置いているのでしょうか。

○事務局

 ここは、主としてIII群についてグループ分けをした場合にということで、どちらかといえば5ページ目の上のほうの対応方針のことを中心に議論していたので、III群以外も含め、全体として、この項目への配分の重み付けということについて、余り深まっていないので、そのことについて、まず是非を含めて、あり方について御意見をいただきたいという趣旨です。

○小山分科会長

 石川委員、お願いします。

○石川委員

 個々の係数の重み付けというふうにやりますと、また自分たちが重み付けで重たいほうに突出するような、何かそういう力学が働くような感じになるわけですよ。ですから、あくまでもこの係数については、今、6つでいいということになっているみたいですけれども、私は時代時代によっていろいろ変わってくると思うのですね。

 例えば、今まで総合病院だったところが、自分たちの経営的なことを考えると、産婦人科とか小児科といったものを全部やめて、循環器の内科とか外科に特化した専門病院になろうと。同じDPC病院ですと。しかし、これは僕はまずいと思うのです。地域での要求とかがあって、あるべき姿は、地域医療指数とか、そういったものをもう少し維持してもらいたいとか、そういうことがあると思います。だから、重み付けをやると、そういうところが自分たちの得意なところを特化させようという形になるので、どうせ難しいですから、余り重み付けということはやらないほうがいいと思います。

○小山分科会長

 貴重な御意見、ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○美原委員

 さまざまな病院があって、それぞれのグループ分けというと、それはグループをさらに分けるということにつながって、ますます複雑化していくように思われます。それは、必ずしも適切ではないように思っています。今、この表を見てみると、例えば石川先生、お話しになりましたけれども、地域医療係数とかカバー率係数、それが上がると片方が下がる。うまくバランスがそれなりにとれているのではないかと思うので、全てに満点をとるものではないですし、よくよく考えてみると非常によくできた係数だなというのを、僕は実感として持っています。

 ただ、そこであえて言うのであるならば、先ほどちょっと議論にありましたジェネリックを使用する割合と、効率性を保つためにはどのぐらいの病院の負担が大きいかというと、それは違うでしょうと思っていたのですが、カバー率と効率性を保つのはどっちが大変ですかというと、両方ともとても大変なことであるし、地域医療指数を保つのもとても大変なことだろうと思います。それぞれの病院がそれぞれの中で努力していることが、うまいぐあいに分かれているのではないか。

 ですから、重み付けというのは本当に難しいと思いますけれども、少なくともIIIをさらに分けるということはちょっとやり過ぎではないか。もしそれをするなら、そこでまたIIIの1、2というので基礎係数を分けていかないと、おかしいなと僕は思います。そうすると、ますます複雑化してしまうと思います。

○小山分科会長

 先生からその言葉を聞くと、とても安心しました。ありがとうございます。

 はい。

○事務局

 済みません、事務局です。

 4ページ目の下の先ほどの座長からいただいた質問の説明が、ちょっとわかりにくかったので、趣旨をもう一度御説明させていただくと、III群については、今あるようになかなか難しいということもありますが、4ページ目の下の趣旨は、I群とII群は、もう既に基準があって、II群は特に要件があって、複雑性ですとかカバー、いろいろな診療科ということもあるので、6つか8つかですけれども、その中で、どちらかといえば複雑性とかカバー率は高いであろう病院のグループですねということを考えるのであれば、むしろその群にいるのであれば、そちらのほうの複雑性とかカバー率を重くするということ。

 逆に言うと、そこが重くない病院が混ざってしまうと、不利になる度合いが高くなるといいますか、そういう考え方もあるのではないかということで、この4ページ目の下を挙げさせていただいています。

III群についてはなかなか難しかろうというのは、5ページ目のほうのポツで、この4ページ目のほうは、むしろI群、II群のような中でどう考えるかということについて、御意見をいただければと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。そういう意味であります。

 どうぞ。

○福岡委員

 今の事務局からの意見と石川先生からの意見を聞いて感じたのですけれども、II群とかI群、大学病院本院ということになると、全ての診療科をそろえなければならないということで、それはいろいろな意味で運営に対して影響力を与えているのかもしれません。実際にここで精神科の病床を持つということで、ある一定程度評価するという仕組みを作ったことで、急性期病院で精神科入院をとるところがふえてきました。実際にそのことで精神科救急への柔軟な対応が可能な病院がふえてきているという現状もあります。

このように、ここで決めたことが大きなメッセージとして現場に届きますので、今、言っていただいた、ある程度診療科がそろっているということを、例えばII群の中ではより重く評価し、逆に、III群に関しては、専門に特化しようが、そこで地域を守るために小じんまりとそろえようが、それはそれでちゃんと評価するという形の仕組みにするといった流れは確かにいいのかなと感じました。

○小山分科会長

 大変貴重な御意見、ありがとうございます。確かにそのとおりだと思いますね。

 ほかにいかがでしょうか。金田委員。

○金田委員

 先ほどの富士山の裾野を支える地域の病院から見ると、急病者を受けて、対応できないところはII群にお願いしているわけですけれども、先ほどの事務局案は賛成で、カバー率、複雑性というのは非常に重要な要素になると思います。評価できると思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほか、いかがでしょうか。

 よろしければ、その次、5ページ目のマル3「個別の係数」ということで、これまでの議論は省かせていただいて、対応方針のところで、後発医薬品を機能評価係数Iにする。重症度係数については、評価手法の設定をもう一回検討する。保険診療指数については、原点回帰というわけではないですけれども、本来の保険診療指数の趣旨や目的に沿って、少し整理していく。地域医療係数は、地域医療計画の見直しについて行っていく。その他についても、必要な見直しを行っていくということですけれども、個別の係数について御質問、御意見ございますでしょうか。

 お願いします。

○伏見委員

 保険診療係数についてですけれども、これは本来の趣旨ということで言うと、もともとデータ提出係数だったかと思います。別紙7にある機能評価係数IIのそもそもの目的のところ、この係数は、本来は医療の透明化とか、場合によっては部分的に医療の質的向上というものの透明化ということを、データの質も含めてですけれども、そういうものを評価する係数だったと思います。

 その視点で、現在、含まれている内容が、次のページの別紙8にたくさん入っているのですけれども、例えば別紙8の保険診療係数のマル4にある適切な保険診療の普及というのは、多分、本来の趣旨から多分かなり外れているものであります。逆に、今年度から始まったマル6、病院情報の公表というのは、この目的に非常に合っているものですから、本来の趣旨にとって、さらに言えば、病院情報の公表というのは、病院の診療内容の透明化という観点で言うと、病院がきちんと質の確保をやっているということも含めた形での取り組みも評価できるように、より充実させていくことが望ましいのではないかと考えております。

 以上です。

○小山分科会長

 ありがとうございます。この点については、大分議論をして採用した経過がありましたので、ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。個別の係数、よろしいですか。どうぞ。

○井原委員

 この別紙8からずっと見ていきますと、1の保険医療指数と6の地域医療指数のところが非常にページ数が多いのです。これをどう変えろということではないのですけれども、まず、保険医療指数に関しては、今の伏見委員に私は個人的には賛成です。

 もう一つ、地域医療指数のところでは、内容を見ますと、脳卒中の地域連携とかがんの地域連携とか。がんの地域連携が2番に出てきて、7番にまたがん拠点病院のところで、ここは体制もありますけれども、拠点病院の指定とかがんの連携の評価とか。そうした連携体制のようなものを評価したものと、例えば24時間のtPAの体制だとか心筋梗塞の24時間体制とか、精神科の救急・合併症入院とか。こういうものが順不同で出てくるものですから、見るからにわかりにくいのです。

 いつも議論に出ます、これから先の地域医療計画とか地域連携に関する項目と、そうした体制の評価と、急性期の患者さんに対する受け入れという救急を評価したようなものと順番を整理して、将来何かを加えよう、あるいは何かを統合しようというときに、もう少し誰が見てもわかりやすい形に、ここは整理していただいたほうが、今後見やすいのではないかという印象をいつも持っています。

 以上です。

○小山分科会長

 ありがとうございます。ちょっと整理して見やすくしたほうがいいのではないかという御意見でありました。ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○山本委員

 いつも申し上げておりますが、重症度係数がわかりにくいというのは、また改めて強調したいと思います。自分のところでも、1年間、診療の最適化。効率化と言うと現場の反発をかいますので、最適化を進めたら重症度係数がしっかり下がりましたので、ここはそういう医療機関の努力がちゃんと反映される形の係数がよろしいかと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。これから議論になると思います。よろしくお願いいたします。

 ほか、いかがでしょうか。では、機能評価係数II、全体を通してよろしいですか。特に御意見、御質問ありませんか。

 なければ、6ページ目、最後の3番目「調整係数」。基本的な考え方は書いてあるとおりですけれども、「(2)各論」の「調整係数の置き換え」で、30年度に完了するということは、もう皆さん御承知のところで、特に異論はないと思いますけれども、今、山本委員がおっしゃった重症度係数については、もう少し検討するということで、ここにも書いてありますので、よろしいかと思います。

 マル2「激変緩和措置」のところですけれども、7ページ目に書いてあるとおり、激変緩和措置を繰り返すことについては、余り一定の方向が見えないということでしたので、対応方針としては、その下にありますとおり、1つは、激変緩和になってしまった要因分析をもうちょっとして、要因に応じた対応を検討する必要があるだろう。その上で、何らかの激変緩和措置はしていかなければならないのではないかというのが、この最後の調整係数のところであります。

 これについて、御意見、御質問がありましたら、よろしくお願いいたします。お願いします。

○川瀬委員

 川瀬でございます。

 事務局にちょっと確認したいのですが、別紙19の表のことです。これは、一番左側のマイナス緩和対象病院というのは、ほかのプラスとか激変緩和を受けないところに比べると、DPC参加前と後でこれだけ下がっているという数字でございますね。

○小山分科会長

 はい。

○事務局

 川瀬先生がおっしゃったとおりです。

○川瀬委員

 そうすると、ここで見ると、一番左側の低いところのさらに低いところというのは、DPC参加後に意図的に今までやっていたことをやらなくして稼いでいた病院だということですね。

○小山分科会長

 表現には注意が必要ですね。

○川瀬委員

 そうですね。わかりました。

○小山分科会長

 努力したということですね。

○川瀬委員

 努力してすごく低くなったということだとしますと、下側のマイナス緩和対象病院のすごく下に飛び出ているところというのは、余り考慮しなくてもいいのではないか。むしろ、それよりは、この上のほうというか、DPC参加病院になって、包括のほうがずっとふえてしまったというところで、マイナス緩和対象になったところは個別に分析が必要なのではないかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○小山分科会長

 大変貴重な御意見、ありがとうございます。そのとおりだと思います。

 ほかにいかがでしょうか。お願いします。

○金田委員

 金田です。

 今回の激変緩和措置対象の病院の詳細な分析を見ますと、変動幅が非常に大きいというのにちょっと驚いています。特に、我々のIII群の病院では、地域医療に重い責任を担っている医療機関が多く含まれていますので、そうした医療機関が安定的に地域での医療提供体制というか、役割を果たせるようなことを配慮するために、対応方針(案)にありますように、それに配慮した仕組みを置くことは重要ではないかと思います。

 では、具体的に何があるかということをちょっと考えてみたのですけれども、1つは、医療機関群係数のみを比較して補正して検討するのが1つ。もう一つ、先ほど来、地域医療計画等の話が出ていますけれども、医療計画や地域医療構想における役割の重みを、一定の条件を設けた上で評価する方法もあると考えます。その際のポイントは、地域医療計画、地域医療構想を策定している県の意見を聞くということが重要になってくるかと思います。

 以上です。

○小山分科会長

 貴重な意見、ありがとうございます。

 ほかに。小林委員、どうぞ。

○小林委員

 小林でございます。

 先ほどの19ページですけれども、数字だけ見ると個々の病院が見えにくいので、例えば地域医療に頑張っているのだけれども、余りカバー率とか複雑性係数が出ない病院は助けてあげなきゃいけないと思いますけれども、何も努力しないで、こうなった病院を助ける必要はないですし、その辺の本当のところがよくわかりにくいですね。

 もう一つ、データとして教えていただきたいのですけれども、例えばマイナス緩和対象病院の72病院のうち、I群が何病院あって、II群は何病院ありますか。III群と。

○小山分科会長

 前回の資料に出ていましたね。事務局からお答え願えますか。

○事務局

 後段の部分については、お手元のファイルに前回の資料がついていると思いますけれども。

 2月9日のDPC分科会資料のD-2の別添3の2ページ目に、DPC算定病床数別及び医療機関群別の激変緩和対象となった病院数とありまして、このときが平成28年4月時点ということで、マイナス緩和の合計が74となっていますが、I群が1、II群が4、III群が69となっております。

○小林委員

 小林ですけれども、前回、発言したのは、I群は平成30年で全部激変緩和措置がなくなることをあらかじめ知っているので、わざわざほかの激変緩和でことさら助ける必要はなくて、III群は途中から入ってきた病院もあるので、まだDPCに対応し切れていない可能性もあるので激変緩和は必要かもしれません。一方、II群に激変緩和をするかどうかは、微妙なところだと思いました。しかし、I群の激変緩和対象の病院が、もし地域でものすごく重要な病院で、激変緩和で助けなければいけない病院だったら激変緩和をしないのは難しいとも思いますので、それぞれ具体例を見ないと何とも言えないと思っています。

○小山分科会長

 ありがとうございます。これについては、もう少し検討するということでよろしいですね。内容を精査しなければ対応できないと書いてありますから、そういうことでよろしいですか。

○事務局

 はい。

○小山分科会長

 先生、これからの会議の中でもう少し詳しい情報が出てくると思いますので、見守っていただければと思います。

 お願いします。

○福岡委員

 こういう議論を聞いていて、少し疑問に思う点があって確認したいのですが、厳しい条件でやっている病院をサポートする方法というのはDPCという枠組みの中だけではなく、行政機関としてもいろいろな枠組みがあると思います。そのいろいろな枠組みの中で、DPCの枠組みというものがどの程度責任を負わなければいけないのか。困っている病院に対して、DPCの枠内でかなり集中的なことを本当にしなければならないのかということを、今後どういうふうに決めていったらいいのかというのは、少し気になっています。

○小山分科会長

 事務局、何か御意見ございますか。一応、御意見を伺ったところでとめておきますか。そちらとして対応というのもなかなか難しい。

 お願いします。

○事務局

 この場で、個々の病院のそれぞれのデータや要因をお示しして議論することは考えておらないのですけれども、激変緩和を受ける医療機関の性質なり環境なり理由なりは、よく見るべきだということには御賛同いただいていると思います。その中で、どういう理由かということで対応が変わるということで、理由の一つに、参加の前後でということもあれば、その地域のいろいろな環境による部分もあるでしょうということなので、どういう視点で見るかという御意見をこの場で伺って、基本的にこういう対応というところはお示しをしつつも、個別には事務局のほうで整理させていただきたいと思っています。

 ですので、今、御指摘あったのは、地域で役割を果たしているという視点はもちろん確認しつつも、そこの病院がほかの制度でそのあたりをきちんと支援を受けていれば、DPCとしてそこまでやる必要があるのかという視点もあるので、そこは個別にまた見させていただきたいと思いますので、そういう視点について、この場で御意見いただければと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございました。よろしいですか。はい。

 ほかにいかがでしょうか。どうぞ、金田委員。

○金田委員

 今、お話があったことは非常に重要だと思います。すなわち、個々の医療機関の評価と同時に、地域で果たしている役割の評価、地域医療構想の視点が、補佐がおっしゃるように診療報酬が寄り添っていくような視点も、今後ポイントになってくるのではないかと思います。

 以上です。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。マイナス緩和、調整係数がなくなるということに対して、御意見ございますか。どうぞ。

○井原委員

 このプラス緩和、マイナス緩和のことは、以前の担当者もかなりいろいろなデータを分析してみたけれども、結局、本当の原因というのはわかりにくいのですね。今、出た意見に、私は賛成ですけれども、さらにもし可能であれば、我々は審査という視点から見ていますので、プラス緩和、マイナス緩和病院におけるコーディング内容ですとか、別紙23に、プラス緩和対象病院は診療密度が低い傾向があると書かれていますね。こういうことがありますので、例えば特徴的なコーディングの偏りがあるとか、その中で、他の一般的な病院の診療密度と比べて、誰から見ても明白に診療密度が高過ぎるとか低過ぎるという特徴がありはしないのかとか、そういう観点からのデータも1つ加えていただけると、少し参考になるかなと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○渡辺委員

 別紙22のマイナス緩和病院の中で、2病院だけ回を追うごとに変動率が高くなってきているところがあります。こういう病院は何もしないでこうなっているのか、外的な要因等でこうならざるを得ないのか。このあたりを分析しないと、先ほどの議論が深まらないような印象を受けました。

○小山分科会長

 ありがとうございました。事務局、別紙22にある激変緩和の内容を可能な限り、個別の名前が出てはまずいでしょうけれども、議論を進めていく上で、もうちょっと詳しいデータがもしかすると必要かもしれませんね。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

 では、最後の「調整係数」のところは以上にしたいと思います。

 「基礎係数」、「機能評価係数II」、「調整係数」全体を通して、もし御質問、御意見がありましたらお伺いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、本日の議題は以上になります。次回の日程やその他の連絡事項については、事務局からお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 次回の日程につきましては、改めて調整しまして御連絡をさせていただきます。

 以上です。

○小山分科会長

 それでは、平成28年度第5回「DPC評価分科会」を終了させていただきます。

 年度末の最後の一番いろいろあるときに、大変大勢集まっていただきましてありがとうございます。また年度を改めてよろしくお願いいたします。

 これで終了いたします。どうもありがとうございました。

 

 

 


(了)

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