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2017年4月26日 第104回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成29年4月26日(水)13:59〜16:41


○場所

全国都市会館 大ホール


○議題

1.保険者インセンティブについて(報告)
2.都道府県のガバナンスの強化について
3.働き方改革実行計画について(報告)
4.その他

○議事

○城課長

 ただいまより第104回「社会保障審議会医療保険部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきありがとうございます。

 冒頭、部会長の再任につきまして、事務局から報告をさせていただきます。

 本年1月で、これまで部会長を務めていただきました遠藤久夫委員の任期が終了し、改めて再任をされました。したがいまして、医療保険部会の部会長につきまして、社会保障審議会令第6条第5項の規定によりまして、医療保険部会に属する社会保障審議会の委員の互選により選任をする必要がございます。

 この点につきまして、社会保障審議会の委員でいらっしゃいます新谷委員、福田委員、遠藤委員に御相談を申し上げましたところ、引き続き遠藤委員が医療保険部会の部会長を務められるのが適当であろうということで一致されており、既に部会長に選任されておりますので、ここで御報告いたします。

 また、部会長代理は社会保障審議会令第6条第5項の規定に基づきまして、部会長が指名することとされております。岩村委員が引き続き部会長代理に指名されておりますので、これも御報告をいたします。

 それでは、以降の議事運営は、遠藤部会長にお願いいたしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 それでは、久しぶりの開催でございます。改めてよろしくお願い申し上げます。

 初めに、本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は、岡崎委員、樋口委員、福田委員、望月委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りいたします。岡崎委員の代理として村岡参考人、樋口委員の代理として新井参考人、福田委員の代理として小竹参考人の出席につき、御承認をいただければと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、議事に移らせていただきます。

 本日は「保険者インセンティブについて」「都道府県のガバナンスの強化について」「働き方改革実行計画について」「その他」を議題とさせていただきます。

 初めに「保険者インセンティブについて」を議題といたします。それでは、事務局から資料について説明をお願いします。

○高木室長

 適正化室長でございます。資料1に基づきまして、保険者インセンティブについて御説明を申し上げます。

 おめくりいただきまして、保険者における予防・健康づくり等のインセンティブの見直しとしまして、これは御案内の内容でございますけれども、一昨年の国保法改正で、保険者種別の特性を踏まえた保険者機能をより発揮しやすくする等の観点から、市町村国保について保険者努力支援制度を創設する。糖尿病重症化予防などの取り組みを客観的な指標で評価して、支援金を交付する。また、健保組合・共済の後期高齢者支援金の加算・減算制度につきましては、特定健診・保健指導の実施状況だけではなく、がん検診や事業主との連携などの取り組みを評価するということで、施行は平成30年度からでございますけれども、仕組みを見直すこととしております。

 現行は、特定健診・保健指導の実施率がゼロの保険者は加算率が0.23%、実施率が高い保険者は減算率が0.048%でございます。

 国保につきましては、まず28年度から30年度以降の取り組みを前倒し実施するということで、150億円の財政規模でやる。後期高齢者医療広域連合につきましても、同じように30年度以降の取り組みを前倒し実施するということで、30年度は20億円の予算規模で実施しております。また、全保険者の特定健診等の実施率を平成29年度の実績から各保険者別に公表することとしております。

 平成30年度以降でございますけれども、健保組合・共済組合につきましては、後期高齢者支援金の見直しでということで、加算率については段階的に引き上げまして、32年度に最大10%とする。減算率についても、最大10〜1%とする。協会けんぽについては、都道府県支部ごとの保険料率にその取り組みを反映する仕組みにします。国保につきましては、保険者努力支援制度で700800億円の規模。後期高齢者医療広域連合についても同様に、調整交付金に反映するということでございます。

 保険者種別の共通指標として、特定健診・保健指導の実施率のほか、がん検診、糖尿病等の重症化予防や、個人へのインセンティブ、重複頻回受診の防止対策や後発医薬品の使用促進等の取り組みの評価を行う。

 また、独自指標として、健保組合については事業主との連携の取り組みや、協会けんぽについては要治療者への医療機関受診率。また、国保や後期高齢者医療広域連合については保険料収納率の向上とか、高齢者の特性を踏まえた保健事業の実施等の独自指標を設けることとしております。

 3ページ目、4ページ目は、繰り返しになりますので、省略させていただきます。

 5ページ目が健保組合・共済組合の関係でございますけれども、特定健診・保健指導は保険者の法定義務ということで、実施率の低い保険者の取り組みを促すという観点から、平成32年度までの加算率についてお示ししております。33年度以降の加算率は、第3期の中間時点でさらに対象範囲等を検討することとしております。

 特定健診については、単一健保について実施率が45%未満の保険者について、加算率を1.0%、2.0%、5.0%と引き上げていく。保健指導についても実施率が0.1%未満の保険者の加算率が今は0.23%でございますけれども、これも1.0%、2.0%、5.0%と上げていって、合わせまして2.0%、4.0%、10.0%というものが最大の加算率ということでございます。

 6ページ目が減算の指標で、こちらについてはまだ検討中でございますが、特定健診・保健指導の実施率のほか、重症化予防の取り組み、また、加入者へのわかりやすい情報提供の取り組み等を指標に入れることとしております。

 7ページ目でございますけれども、後発品の使用促進やがん検診・歯科健診等の取り組み。また、加入者への健康づくりの働きかけや事業主との連携の取り組みというものを評価指標に入れることとしております。

 続きまして、協会けんぽでございますけれども、9ページ目になります。協会けんぽにつきましても、日本再興戦略改定2015等を踏まえまして、全協会の全支部の後期高齢者支援金に係る保険料率の中に、インセンティブの制度の財源となる保険料率を設定しまして、支部ごとの加入者及び事業主の行動等を評価して、上位過半数となる支部について、報奨金によるインセンティブを付与するという仕組みにしております。

 下の【制度のイメージ】は、今、御説明した趣旨でございます。

10ページ目が今後のスケジュールです。平成29年度はまだ保険料率に反映しませんが、試行実施ということで実態を把握する。30年度からこの取り組みを進めることとしております。

11ページ目が評価指標案でございまして、特定健診等の受診率や保健指導の実施率、対象者がどれだけ減少したか、医療機関への受診勧奨、これは本部からしておりますけれども、これに対して支部のほうでどの程度取り組みを行ったか。また、後発品の使用割合等を指標にしております。

 続きまして、13ページ目と14ページ目が国保の保険者努力支援制度の前倒し実施の分でございます。こちらにつきましても、保険者共通の指標に加えまして国保固有の指標として、収納率の向上、医療費の分析、データヘルス計画の取り組み状況、地域包括ケアの推進、第三者求償の取り組み等の実施状況を入れまして、インセンティブを付与するということで、150億円の予算で平成28年度は実施しております。

14ページは、それぞれの点数の配点でございますので、省略させていただきます。

15ページ目がそれぞれの市町村の点数で、全部合わせて275点満点ですが、体制構築加算として、一律・一定で配点される70点を除いた部分につきまして、それぞれの県別に平均点を比較したものでございます。

 続きまして、後期高齢者医療制度の保険者インセンティブについて、17ページ目と18ページ目です。後期高齢者医療につきましても同様に、保険者共通の指標のほか、高齢者の特性を踏まえた保健事業の実施や医療費通知等の取り組みや第三者求償の取り組み状況等を指標に加えまして、平成28年度は20億円の予算で実施しております。

19ページ目が同様に、点数は100点満点でございますけれども、各広域連合別にそれぞれ比較して整理したものでございます。

 説明につきましては以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に関連して、御意見・御質問等があればいただきたいと思います。いかがでございましょうか。

 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員

 ありがとうございます。

 まず保険者インセンティブについてですが、保険者に対する加算・減算のインセンティブについては基本的に賛成いたします。しかしながら、健保組合のうち規模の小さい保険者については実施が厳しいというところもあるようでございます。また、高齢者支援金の割合が高く、保健事業を実際に縮小せざるを得ない組合も多いと聞いておりますので、そうした組合の状況も鑑みた上で努力を支援するという考え方で進めていただきたいと思います。

 また、予防・健康づくりのための保険者の取り組みは大変重要だと考えますが、中小企業について言えば、いかに経営者の気づきに訴えるかが鍵である。これは、健康経営という考え方です。それぞれの従業員の意識と行動変容に働きかける効果的な方法について、ぜひ検討を深めていただきたいと考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 ほかにいかがでございましょうか。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 この保険者インセンティブにつきましては、保険者による特定健診・保健指導の検討会がございまして、そちらのほうで大分議論をさせていただいた上で、これで一応、決着を見たという内容で、私もその検討会の委員なものですから、今さら余り発言してはいけないかもしれませんが、考え方自体がいかがなものかという部分を最初から感じておったものですから、申し上げたいと思います。

 健保組合と共済組合だけを対象に一つのグループをつくって、その中で後期高齢者支援金の加算・減算をやろうという仕組みになっているわけですけれども、未来投資会議あるいは経済財政諮問会議の御意見もありまして、法定の加算・減算率、プラスマイナス10%という法律になっておりますので、そこの限度いっぱいぐらいまで拡大したらどうかという御意見でございまして、これに反対するわけではないのですけれども、実態的に申し上げますと、減算をするために国が補助金を出すという話ではございませんから、その原資を加算することによってかき集めて減算に回す。こういう仕組みにならざるを得ない。

 そうしますと、何が起こるかといいますと、国の方針としては広く薄く集めろという御指示になっているわけですけれども、ちょっと冷静に考えてみますと、例えば健保組合の特定健診の平均実施率は70%に達しております。全保険者平均が49%ですから、そういう意味ではかなり高い。健保組合の目標が90%なので、そこまでには達していないということではありますけれども、そんな中で広く薄く集めると結局、ほかの保険者よりもかなり頑張って健診実施率が高いところまで加算をされることになって、非常に私は法的にも問題ではないかと思っております。矛盾が生じるということが懸念でございます。

 そういうことで、事務当局とも大分調整をさせていただいて、この案でまとめさせていただいたのですけれども、申し上げたいのは、インセンティブというからには、私は法定義務である特定健診・保健指導をあまりやっていないところがペナルティーとなるのは、ある意味、やむを得ないと思いますが、平均以上のところまでペナルティーということはやるべきではないですし、インセンティブというからには、そんな大した額でもなくて構わないのですけれども、国のほうでインセンティブの補助金を準備して、それを原資で一部使うとか、そういう工夫をしていただきたいと思っております。

 今、全体的に個人に対するインセンティブとか保険者に対するインセンティブという、インセンティブがはやりになっておりますが、全て保険者でこれを解決しろというのではなくて、国の姿勢を示す意味で、そういう補助金の手当てとか、それを支える仕組みをつくるとか、そういったことにぜひ取り組んでいただくように、この際、あえて申し上げておきたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員

 ありがとうございます。

 保険者機能を強化するために、今回提案のインセンティブを導入するということについては一定の理解をいたしますが、実は今、白川委員が御発言をされたのと同様に、インセンティブの財源について、特に被用者保険の財源のあり方については意見を申し上げたいと思います。

 お示しいただいている資料の1枚目に財源の部分も書かれてあるわけでありますけれども、国保については保険者努力支援制度による700800億円程度、後期高齢者医療広域連合については100億円という財源があるわけでありますが、一方で被用者保険の場合は財政中立のもとでインセンティブを実施するということでありますから、その財源を確保するために、要するにペナルティーの仕組みもセットで今回導入するという構造になっているわけであります。

 特に被用者保険のうちの協会けんぽについて、9ページのところに試行案というものが書かれてありますけれども、この仕組みは保険料の料率の一部をインセンティブの財源にしまして、都道府県の支部ごとに成果を相対的な評価で順位づけをしていくということで、上位過半数に達しない場合は必ずペナルティーを受ける仕組みになっているわけであります。本来、インセンティブということであれば、こういったペナルティーとのセットではなくて、国が財源を別途確保して、インセンティブとしての機能を発揮させるべきではないかと思っております。

 特に協会けんぽの場合、支部という単位でインセンティブを働かせるということですけれども、これはかなり無理があるのではないかと思っております。健保組合の場合は事業主と一体となって健康づくり等々を推進できるわけでありますが、一方で協会けんぽは適用事業所の数が全国で186万カ所もあって、また支部単位で見ても、最も少ない鳥取支部においても、9,280カ所も事業所があるわけであります。これは大きな総合健保と比べても非常に事業主の数が多く、どうやって連携をとるのかということがかなり課題になっております。

 鳥取支部の場合、わずか60人の職員で業務を遂行するという実態で、常勤はたった24人しかいない中、インセンティブへの対応を含めた事業主との連携ということはかなり厳しいのではないかということであります。1つの支部の中で幾つかの事業所が健康づくりに努力したとしても、残りの事業所が不十分であれば支部全体としては評価が低くなってしまいます。こういうことでは、本当に加入者の納得が得られるのかどうか。また、協会けんぽの中の連帯感も損なわれてしまうのではないかと思います。

 このインセンティブ制度については、我々も協会けんぽの運営委員会の中で悩みながら検討してきたわけでありますけれども、何らかのインセンティブを導入せよということであれば、こういうペナルティーのない仕組みとしての国の財源の裏打ちをぜひ検討いただきたいということを要望申し上げたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでございましょうか。

 では、武久委員、どうぞ。

○武久委員

 後期高齢者は75歳以上なのですが、後期高齢者になると病気が多くなって、入院費用もかかる。それで、後期高齢者で4割近い医療費を使っているというのですけれども、平均寿命は日本は上がっていっていますが、皆さん御存じのように、健康寿命と平均寿命との差というものがありますね。これについて、後期高齢者のことについて、その差のことについては触れておりませんが、いきなり後期高齢者になってからその差が出るわけではなしに、当然、中年のときからの経過によってなるのですけれども、そういう意味ではこういうことも大切で、各都道府県に頑張れよというのもいるのですが、一方で、この健康寿命と平均寿命との差というものは一体、何で起こるのか。女性であれば87歳近くになっていて、12年ですから、75歳ぐらいから病気がちの人が多いということだと思うのです。

 この原因を突きとめることも大事ですけれども、これはいろんな要素があると思いますが、一番は各都道府県の平均寿命が男女で幾らか。そして、健康寿命との差がどのぐらいあるかということは一つのインセンティブになると思います。健康寿命と平均寿命との差が少なければ少ないほど、当然、医療費はそんなに多くならないという想定ができますから、健康寿命と平均寿命との差を各都道府県で出していただければ、どのような差があるかということが我々のようにわかりますので、もし機会がありましたら、そういうデータも出していただけたら、それを参考にまた考えていくこともできるかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかに。

 和田委員、どうぞ。

○和田委員

 インセンティブの前提となる実施率に関して、ちょっとわからないことがございますので、御教示いただければと思います。

 特定健診と並んで、人間ドックというものが非常に受診もされているかと思うのですけれども、例えば大きな企業とかですと、人間ドックの受診をもってそれを把握して特定健診の受診に読みかえるということかと思います。

 他方、自己申告という場合には、十分に把握されていないということになり、特定健診の実施率に誤差が出てくるかと思います。人間ドックは受けているけれども、その分はカウントされていない場合があると、実施率の把握という目的から考えると、ずれが出てくるように思います。

 がん検診、歯科検診について、人間ドックで実施されたものに含むというふうにもあるのですけれども、一般的な人間ドック、これは保険外、枠外になりますが、そのあたりの情報の連携とか共有とかということは何らかの取り組みなり実践がなされているのかどうかというのを教えていただければと思います。

○遠藤部会長

 事務局、お願いします。

○高木室長

 特定健診のデータの項目につきましては、制度上、法令で決まっております。こちらは、もし人間ドックにつきましても、事業主が契約している人間ドックでやった場合には、その事業主健診のデータとして、その事業主に報告されていれば、そういう契約があれば、事業主健診のデータは特定健診のデータとして保険者に報告する仕組みになっております。保険者は事業主に対してデータを求めることができる。事業主は保険者から求めがあったら出さなければならないと法律上規定されております。

 ですので、通常は事業主健診のデータは特定健診のデータとして保険者に報告されて、この保険者に報告された特定健診のデータが厚生労働省に報告されるという仕組みになっておりますので、御指摘の点につきましては、人間ドックが事業主との契約で実施されているものなのかどうか。そうでない、個人でやっているものについては、そのデータのカウントには入らないという整理になると考えております。

○遠藤部会長

 和田委員、どうぞ。

○和田委員

 そうしますと、事業主契約をしているところはいいと思うのですが、申告に依存しているところ。そのあたりも何か漏れないような形での対応、取り組みを進めていくということが検討されるといいなと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 御意見として承りました。

 ほかにいかがでしょうか。

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 ありがとうございます。

 後期高齢者の立場で私は来ていますが、実は同時に首長でもありますので、自治体で国民健康保険とかも運営しておりますので、それを踏まえて意見を申し上げたいと思っています。

 多久市では、実は受診率を上げるために、この数年、非常に力を入れてきて、特定健診受診率を6割近くまで上げました。かなり上がりました。しかし、医療費の抑制効果を見ますとまだまだ達し切れていないと見ていますし、減塩に関する啓発をしたおかげで高血圧は減ってきましたけれども、まだ生活習慣病はなかなか完全には改善できていないという状況があります。

 それらをつらつら考えていき、今日の議論、そして保険者としてのモチベーションやインセンティブのことを考えていきますと、厚生労働省のほうで、できれば健診を受けることや、こういったことに関しては日本国国民の努力義務みたいな議論をぜひしていただけないかと思うのです。これらの資料を見ていくと、保険者がこれをしなさい、受診率を高めなさい、収納率を上げなさい、データヘルス計画をつくりなさいということなのです。必ずしも関心が強くなくて受診とかを受けていない人から見れば、保険者はちゃんとやれと文句は言えますけれども、自分自身にとっては他人事にも聞こえないこともないというきらいがあります。

 ですので、どこかで話題として、一人一人の国民はやはり、ある段階で健診をきちっと受けること。できれば、そのことによって自分のパーソナルヘルスレコード(PHR)をちゃんと作って、個人の健康データですけれども、それを持って、日々か、月々か、年ごとでもいいのですけれども、自ら健康管理をしたり、健康に意識を持ってやっていくことをより強く啓発をしないといけない、なかなか100%を目指すのは難しいとしても、本来はそうあるべきだというところもありますので、ぜひそういった啓発もぜひお願いできないかというのが1点です。

 併せまして、データヘルス計画やいろんなことを実施していきますけれども、先々考えてあると思うのですが、ICTとかAIが活発化している第4次産業革命の渦中にあって、ぜひパーソナルヘルスレコード(PHR)をデジタル端末で見たり、個人のスマートフォン、あるいはパーソナルデバイスで管理できるようにしていくことをぜひしていただくと、より多くの方々が自分の記録としてわかりますし、仮に職が変わって保険者が変わったとしても、自分の個人健康データとしてちゃんと健康管理をしていけますので、そういったこともこれに合わせて厚生労働省で計画準備をぜひしていただきたいということを強く希望したいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに何かございますか。

 武久委員、どうぞ。

○武久委員

 参考資料1−1を見ておりましたら各都道府県の獲得点数が出ておるのですけれども、私は徳島県に住んでおるので、徳島県を見ておりましたら、7ページから17ページの間で、7ページは徳島県が上位5位なのです。ところが、8ページになると極端に悪くなって、項目別に、その次の9ページですとぐっと悪くなって、10ページは非常にいいというように、各項目ごとに各都道府県が結構ばらばらなのです。

 そのばらばらの項目をそれぞれ点数化して、全部平均したのだから、これでいいのだというものの、やはり個別に劣っているところを集中的に何かインセンティブをつけるとかをしないと、平均的にお金を減算する、加算するということだけではどうなのかなと思いますけれども、こういうふうに各表によって、ずっとトップのほうにいたり、ずっと下のほうにいたりするような状態があるのですが、これについては室長、何か御意見はございますでしょうか。

○遠藤部会長

 では、事務局、お願いします。

○榎本課長

 国民健康保険課長でございます。

 今、武久委員から御指摘をいただいたとおり、これはいろいろと分野ごとに分けてみますと、県によってかなりばらつきがかなりの市町村においてあるというのが実態としてございます。

 今回の保険者努力支援の仕組みは各市町村に対して交付するお金ということで、本来、全1,740の市町村をばらけてごらんいただく必要があるところなのですけれども、実際には各市町村が行っていく上では、やはり県のいろいろな支援ということもこれから必要であろうと思いまして、今、先生がごらんいただいたように、各分野によっては県によって力の入れ方が恐らく違う部分も出ているのではないかなと思っております。

 そういう意味で、今回初めて、これをやらせていただきまして、意外にばらつきが結構大きく出ているというのがはっきり見えてまいりましたので、この結果をまた各都道府県のほうにもフィードバックをさせていただいて、県を挙げての支援、市町村に対して、どのように支援をしていくかということを検討していただく際の材料にもぜひ使っていただきたいと思っているところでございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにございますか。

 では、原委員、どうぞ。

○原委員

 先ほどの中小企業なんかに対する実行がなかなか大変だという話にもつながりますし、先ほどの国保について言えば、やはり小規模の市町村なんかではなかなか保険者努力といっても体制が整わないとかという面がありまして、弱いところもあろうかと思いますけれども、国保連合会というものが全都道府県にございまして、ここが国保でいえば、努力指標・評価指標について、保健事業や保険料徴収、あるいはレセプト点検ですとか、そういった面において、一定の支援をしております。

 特に保健事業についてはKDBシステムというものを活用して、先ほど出ていました特定健診の受診率向上とか、あるいはデータヘルス計画の策定といったことに対して専門的な助言を支援しているということもございまして、そういう意味で連合会としてもこういった保険者努力支援制度がしっかりと実効を上げていけるように、もちろん、これは市町村の要請がないとできませんけれども、役割を果たしていきたい。御活用をぜひお願いしたいと考えているところでございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。大体、よろしゅうございますか。

 それでは、藤井委員、どうぞ。

○藤井委員

 先日、新聞の全国紙で医療費控除を活用してはどうかという広告が実施されましたが、読者のアンケート結果を見ますと、大変高い認知率と理解度でした。セルフメディケーション税制が今年から施行されましたが、個人の行動変容を促すには、それだけではやはり足りず、普段、自分がどれだけの医療費を使っているのだろうかということを、自分自身で気づき、考え直す機会が必要です。広告に記載されていた「OTC薬でも医療費控除の対象になる」という点については、アンケートの結果を見ますと、「知らなかった」あるいは「思い出した」という回答が多くあったことから、恐らく相当数の方が行動変容して、医療費を自分で計算して、来年度の申請に向けて動き出すのではないかと思います。

 アンケートの回答の中には、まさにこれは政府広報がやるべき話だというものもございましたので、ぜひ政府におかれましても、何か行動変容を促す働きかけをお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 森委員、どうぞ。

○森委員

 ありがとうございます。

 ちょっと事務局に、参考資料1−1の中の13ページの後発医薬品の取り組み・使用割合関連のところの見方を教えていただきたいのですが、後発医薬品促進の取り組みをしている15点、それから、使用割合が高いところは15点となっていますが、一番右を見ますと沖縄県ですが、沖縄県は後発医薬品使用がかなり進んでいると思います。このオレンジの部分が15点になっていないようですが、これは何か特別な計算方法になっているのでしょうか。

○榎本課長

 国民健康保険課長でございます。

 恐縮ですが、4ページをごらんいただきたいのですけれども、この後発医薬品の関係の評価指標が共通6−i、共通6−iiとございます。今、後発医薬品のお尋ねがありました使用割合については(2)、共通6−iiのほうでございます。こちらで使用割合が全自治体の中での上位1割あるいは3割といったところに達しているかどうかといったことを評価させていただいているところでございます。この結果がこのような結果になったということでございます。

○森委員

 済みません。沖縄県は8割近くいっていたような記憶があるのですが。

○榎本課長

 今回、市町村から出していただいている申請の結果を踏まえて、このような形になったということでございますので、確かに沖縄のほうも数量ベースではそれなりに高いということは聞いておりますが、ふたをあけてみると県内の保険者の取組はこのような結果だったということで御理解いただければと思っております。

○遠藤部会長

 ほかにございますか。

 それでは、ないようでございますので、本議題についてはこれぐらいにしたいと思います。

 次に「都道府県のガバナンスの強化について」を議題といたします。

 事務局から、資料の説明をお願いします。

○高木室長

 続きまして、資料2「都道府県のガバナンスの強化について」でございます。

 おめくりいただきまして、医療費適正化計画の策定と進捗状況、進捗管理についてでございます。

 第3期の医療費適正化計画に対応したデータ活用等の環境整備としまして、まず医療費適正化計画につきましては、第2期までは平均在院日数等が取り組み目標の柱でございましたけれども、第3期からは特定健診等の実施率の向上に加えまして、新たに糖尿病の重症化予防や後発医薬品の使用促進、医薬品の適正使用等が取り組み目標に盛り込まれております。

 また、第3期からは、医療費適正化計画のPDCAサイクルが強化されたということで、中間年度に行う中間評価を廃止しまして、毎年度の進捗管理の公表、計画最終年度の進捗状況の調査・分析を行う仕組みにしております。

 こうした進捗管理を進めながら、新たな目標達成をするためには、保険者、自治体、医療関係者、住民のそれぞれが課題や方向性を共有しながら、取り組みを進めることが必要である。取り組みの進捗状況の客観的な評価や関係者間の合意形成・共有に当たって、必要なデータを都道府県が活用・分析できる環境整備や、人材育成のための研修の拡充等の体制整備を支援していく必要があるということでございます。

 続きまして2ページ目で、保険者協議会の位置づけで、都道府県の医療費適正化については、被用者保険も含めまして、都道府県と保険者が同じ意識を持って共同で取り組みを進める必要があるということで、都道府県ごとに保険者と後期高齢者広域連合が共同で「保険者協議会」を組織する。それで、都道府県や必要に応じて医療関係者等の参画も得て会議を開催しております。

 第3期からは、保険者協議会にこの適正化計画の策定に当たって、事前に協議する。また、その計画に盛り込んだ施策に関しては、必要があると認めるときには、都道府県は保険者、医療関係者等に必要な協力を求めることができる。これはこれまでもこういう仕組みでございましたけれども、さらに保険者協議会を通じて協力を求めるという仕組みに法改正でされております。

 こうしたものにつきまして、きちっと取り組みを進めるためには、保険者、自治体、医療関係者、企業など、さまざまな主体との連携が必要でございますし、今後、都道府県が平成30年度から保険者となる。これを契機にしまして、都道府県が主体となって、都道府県民の健康増進と医療費適正化について、自治体を初め、医療関係者や企業など、幅広い関係者と連携しながら、さまざまな地域課題について取り組む必要があるということでございます。

 平成30年度から、都道府県が国保の財政運営を担うということで、保険者協議会も活用した、都道府県民の健康増進と医療費適正化を的確に実施できる体制を確保する必要があるということで、3ページ目に論点を整理しております。

 住民の健康増進、医療費適正化について、都道府県が中核となって取り組みを的確に進めることができる体制として、以下の点について、検討する必要がある。

 1つは、平成30年度から、都道府県が保険者となり、国保の財政運営を担うということで、保険者協議会における都道府県の位置づけや役割を明確にする必要があるのではないか。

 2点目は、医療費適正化計画の的確な進捗管理を行うため、国から提供するデータなども活用して、県内の保険者横断的な医療費等の分析を行う機能を強化する必要があるのではないか。

 3点目は、都道府県が中核となってこうした取り組みを進めるためには、保険者、自治体、医療関係者、企業などの幅広い関係者と連携等することが重要であり、このために必要な体制はどのようなものか、先進事例を踏まえつつ、検討する必要があるということでございます。

 4ページ目、5ページ目は、今、申し上げた内容につきまして、経済財政諮問会議で厚生労働大臣から説明している資料でございます。

 6ページ目は、国保の保険者努力支援制度の評価指標についてでございます。

 平成30年度以降の評価指標の考え方につきまして、都道府県のインセンティブ改革として、医療費適正化等に関する施策について取組状況に関する評価中心の現在の指標に加え、都道府県の医療費水準等のアウトカム指標も導入する。この具体的な評価のあり方については、引き続き、国保基盤強化協議会において地方団体との議論を進めることとしてはどうかとしております。

 資料の説明につきましては以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、御意見・御質問等を承りたいと思います。いかがでございましょうか。

 小竹参考人、お願いいたします。

○小竹参考人

 栃木県の小竹と申します。

 ただいま、都道府県のガバナンス強化について御説明をいただきました。もとより、地域におけます予防・健康・医療・介護につきまして、国、都道府県、市町村がそれぞれの役割を果たしていくことは重要であると認識しているところでございます。ただ、全国知事会といたしましては、都道府県のガバナンス強化に向けた議論が、今も説明がありました経済財政諮問会議等の都道府県が不在の場で行われていることにつきまして非常に遺憾であると考えています。

 また、説明は省略されましたけれども、4ページ等に記載がある地域別診療報酬の特例につきましては制度創設時にも申し上げたところですが、前々からその実効性に疑問を持っているところでございます。

財政健全化の観点から、都道府県に医療費適正化の権限と責任を一方的に押しつけるという形ではなくて、地域別診療報酬の特例などを含めまして、都道府県のガバナンスの強化の検討につきましては、当事者であります都道府県の意見を出発点に議論を進めていただけるよう要望したいと考えているところでございます。

 資料にはありませんが、先日の財政制度等審議会におきましては、国保の普通調整交付金につきまして、実際の医療費ではなくて、年齢構成のみを勘案して地域差を考慮しない、いわゆる標準医療費を前提として交付額を決定するような仕組みに改めるべきとの提案があったと聞いています。また、先日の経済財政諮問会議におきましては、普通調整交付金が医療費適正化の努力に対しましてモラルハザードを引き起こしているといった発言や、高齢化以外の要因で医療費が増えているところをきちんと抑制するために、インセンティブシステムとして機能するよう普通調整交付金を見直して欲しいという発言がございました。

 国の調整交付金のうち普通調整交付金につきましては、平成30年度に都道府県単位化へ移行した後には都道府県に交付され、都道府県間の所得水準を調整する役割を担うことになります。都道府県としては、自治体間の所得調整機能を担う普通調整交付金は重要なものと認識しており、平成30年度以降におきましても、この機能を引き続き維持すべきであると考えております。医療費適正化のインセンティブといたしましては、新たに設定されました保険者努力支援制度を有効に活用すべきであり、制度設計に当たりましては国としっかり協議してまいりたいと考えております。

 なお、住民に保険料負担をお願いする立場の地方自治体が、普通調整交付金の交付額を増やすために医療費水準を高く維持しようとするようなことは考えられず、先の経済財政諮問会議におきまして、普通調整交付金の存在が自治体の医療費適正化の努力に対するモラルハザードを引き起こしているとの御指摘は当たらないということを申し添えたいと思います。

 平成30年度の国保改革の円滑な移行に向けまして、これまで国と地方が協力して制度設計を行ってきております。新制度移行準備の大詰めを迎えるこの時期であればこそ、国と都道府県、市町村が信頼関係を持って協議を行っていく必要があると考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、渡邊委員、どうぞ。

○渡邊委員

 都道府県のガバナンス強化策について、その中で今ほど意見がありました普通調整交付金の件であります。先日の経済財政諮問会議で、現在の普通調整交付金の制度では、医療費が高ければ高いほど翌年度に多く配分されることとなっており、自治体のモラルハザードを引き起こしているという指摘もあったようであります。

 しかし、医療費が高くなれば当然、保険給付も伸びるために、保険者としては医療費が高くてもいいという意識を持っている自治体はないわけであります。医療費適正化のインセンティブとして普通調整交付金を活用するような話も出ているようですが、普通調整交付金はそもそも市町村間の医療提供体制の有無や所得格差などの不均衡をならすためのものであると理解しております。

 また、先日、財政制度分科会においても、普通調整交付金を、年齢構成では説明できない地域格差には充てない仕組みに見直す案が提示されていたようであります。年齢構成では説明できない地域格差とはまさに国保の抱える構造的な問題であり、これによって普通調整交付金が減額されるようなこととなれば、被保険者に負担を強いるか、または一般会計から繰り入れするしかなくなってしまうということになります。

 普通調整交付金をインセンティブとして用いることが、本来の趣旨と照らし合わせたときに適切なものなのか。また、仮にインセンティブとして活用したときに、年齢構成による医療費の高い低いだけを見て配分を増減させることが本当に医療費の適正化に向けた努力を後押しするものとなるのか。この辺りが疑問を感じます。普通調整交付金が国保に対するペナルティーとして機能するようなことのないように、慎重な議論を今後に向けて行っていただきたいと切望するものであります。

 もう一点は、先ほど来、説明がありましたけれども、保険者努力支援制度の配分についても申し上げたいと思いますが、保険者努力支援制度の配分については、現場の町村の声を十分に尊重して検討していただければありがたいと思います。

 以上であります。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 原委員、どうぞ。

○原委員

 ありがとうございます。

 資料の2ページをごらんいただきますと出ておりますけれども、ちょうど真ん中あたりですが、※2ですけれども、保険者協議会は、事務局を都道府県国保連合会が担っているという実態にございまして、そういう立場で発言をさせていただきたいと思っております。

 保険者協議会としては、これまで特定健診等実施に係る保険者間の調整でありますとか、医療費等に係る調査・分析事業、あるいは地域医療構想策定に係る意見提出といった活動を行ってきております。

 また最近では、今、厚生労働省と与党との間で調整されています受動喫煙防止対策に伴う法案の作成作業についてもいろいろ停滞をしているようでしたので、保険者協議会として関係の国会の先生方に陳情なり、あるいは要望書の提出ということの活動をやっておりまして、4月25日時点で42都道府県の保険者協議会がそういった実績を上げているといったこともございます。

 ただ、全体的に言いますと、保険者協議会の活動としては十分かと言われると、やはり私個人的に見てもまだまだ努力の余地があるだろう。そういう中で今回、都道府県が国保の保険者になることを契機に、これの取り組みの強化に一役買っていただく。こういう御趣旨での御提案だろうと思います。そのこと自体は大変結構だと思いますけれども、まだ具体的に、この都道府県のガバナンス強化の具体策が、これから検討するということでございますので、今後の議論だとは思いますが、先ほど来、懸念が出ているような、普通調整交付金の関係でいろいろディスインセンティブを働かせるとか、そういったことも含めて、今後、そのことについてはよく慎重に検討していただきたいと思います。

 もともと保険者協議会というものは、本来の趣旨は国保などの保険者が保険者機能をみずから発揮する、あるいは保険者同士が連携して、より保険者機能の発揮を強化していく。こういう趣旨でできたものであると理解しておりますから、そこを基本にしながら、都道府県のガバナンス強化ということについても考えていくことが大事ではないかと私は思っています。

 また、保険者協議会の活動については、当然、国の政策的な、あるいは財政的な支援というものはやはり不可欠であると思いますので、これについても一層の御努力を国にはお願いしたいと思いますし、また、事務局としての国保連合会もしっかりと活動していきたいと思っているところでございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、村岡参考人、お願いいたします。

○村岡参考人

 ありがとうございます。

 資料にもありますように、予防や健康、医療や介護といった制度につきましては、現在、ばらばらの制度になっておりますので、そういった意味では統一した対応が必要と考えておりますので、都道府県の保険ガバナンスを強化するという方向性については理解ができるところでございます。

 ただ、例えば日本の医療はほとんどが民間に委ねられておりますから、都道府県の権限だけで何とかなるものではございませんので、簡単ではない。権限が強化されたとしても簡単に解決されるものではないということは共通の理解として持っておくべきではないかと考えています。

 また、それぞれの取り組みについては、現場である市町村が担っておりますので、インセンティブの名のもとに、取り組みがおくれているからといって進んでいない自治体にとってはディスインセンティブが働く。そういった制度にはすべきではないということは申し上げておきたいと思います。

 いずれにしましても、都道府県のガバナンスの強化に当たりましては、先ほど栃木県さんからも発言がありましたように、都道府県、また、市町村の意見を十分踏まえて、今後の議論を進めていただきたいということを要望しておきます。

 また、関連いたしまして、知事会や町村会のほうからも発言がございましたが、普通調整交付金等の問題について、全国市長会の立場から意見を申し上げておきます。

 国民健康保険は、国民皆保険を支える最後の支え手として重要な役割を果たしております。そもそも制度の運用に当たりましては、給付費の50%については公費を充てることが国保の大前提となっておりますので、その公費の根幹である普通調整交付金にインセンティブを持たせることは、全国市長会としては絶対に容認できないということを申し上げておきたいと思います。

 特に地域ごとにそれぞれの歴史や文化、風土といった違いもございますので、疾病構造にも大きな違いがあります。年齢構成では説明できない地域差を対象としないという御意見もあるようですが、地域差の中には精神疾患の多寡、あるいはインフルエンザの流行の有無など、保険者の責めによらない特殊要因の影響もありますので、そういったことも考慮すべきだと思いますし、また、脳血管疾患、人工透析など、こういった疾病につきましても、国保の責任だけではなく、被用者保険から状態が悪くなって国保に加入してくる方も多数おいでますので、それぞれの市町村の保険者の責任とは言えない実態もありますので、それらを調整対象から外すことは適切でないことから、到底受け入れることはできないというものでございます。

 また、普通調整交付金の一律配分が市町村のモラルハザードを引き起こしているという御指摘もございますが、自治体においては少子高齢社会の中で増高する医療費の適正化についてはそれぞれ努力をしております。現場におきましては保険料負担も限界に近づきつつありますので、高い保険料負担を被保険者の皆さんにお願いする立場の市町村が普通調整交付金の交付額を増やすために医療費水準を高く維持することは到底考えられるものではありませんので、モラルハザードを生んでいるという指摘は全く当たらないものと考えております。高齢化に伴う医療費の増加に対しましては、健康づくりへの支援を含めて努力している自治体はあっても、医療費適正化に努力していない自治体はないということを申し上げておきたいと思います。

 むしろ医療費の適正化については、終末期の医療をどのように考えていくのかということも大変重要ではないかと思っています。例えば地方の中山間部で高齢者が急変して救命救急センターに運ばれてくると、親の死に目に会わすために延命治療を行って人工呼吸器などをつける。そうなりますと、医療費というものは非常に高くなりますので、延命治療をどうしていくのか、あるいはリビングウィルの問題など、日本人の死生観を含めた国民的な啓発を行っていくことが医療費の高騰を抑えるということでもとても重要ではないかと思っているところでございます。

 インセンティブということを追求する余りに、歴然としてある所得格差を調整する所得調整機能である普通調整交付金等が不十分になってもいけないと考えております。平成26年の国民健康・栄養調査の中でも、所得により生活習慣の状況に差があり、健診未受診者で健康状態に課題があるとの調査結果も出ておりますので、普通調整交付金に手をつけることになれば、こういった低所得者の方が多く加入する保険者にとってはさらに厳しい状況となりますので、所得調整機能はしっかりと維持する必要があると考えております。

 市町村においても、当然、健康づくりや健康寿命を延ばしていくことについては積極的に取り組まなくてはならないと考えておりますので、国保の立場から申し上げますと、保険者努力支援制度の活用ということについては、全国市長会としても前向きに受けとめているところでございます。各市町村においては、保険者の取り組みとあわせて、健康づくり部門においても市民の健康づくりを目指して取り組みを行っているところでございますので、国においてはこうした取り組みに対しても、財政面も含め、積極的な支援をお願いしたいと思います。

 いずれにしましても、インセンティブの強化については、国や都道府県、市町村がそれぞれ信頼関係を持って取り組む必要がございますので、国保については国保基盤協議会の事務レベルワーキング等の場を通じて、厚生労働省の皆さんとも議論をしながら、一緒に前に進むように考えていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、次に横尾委員、お願いいたします。

○横尾委員

 ありがとうございます。

 1つ目はお尋ねなので、後で教えて欲しいのですけれども、この資料の4ページ目に昨年1125日の経済財政諮問会議に提出された厚労大臣説明資料(一部改編)というものがあり、この中に、診療報酬については都道府県別に定めることができるとあるのですが、これは決定事項なのか、法律になってしまったのか、ぜひ教えていただきたいのが1点目です。

 2つ目からは意見になりますけれども、5ページ目でございますが、問題提起にも書かれていますように、これは今年度の4月12日の経済財政諮問会議の資料で、冒頭に、「地域における『予防・健康・医療・介護』は、それぞれ密接に関連はしているけれども、制度がばらばらである」。その上で、都道府県の役割は非常に限定的であるから、今後、ガバナンスの強化という意味での記述と思うのですが、この制度がばらばらなものを仮に都道府県別に統合してしまいますと、ばらばらなまま、地域格差があったまま統合されると、かえって制度は複雑になっていく可能性もあるわけでございますので、この点はぜひ国で統括的に見て、総合的な調整とか、よりよい方向を目指して改革をしていくべきであると私は思うのですけれども、その辺について厚生労働省の御意見があればぜひ伺いたいと思います。

 続いて3点目が、先ほど岡崎委員の代理の村岡参考人からもお話がありましたけれども、やはり後期高齢者医療を初め、終末期に差しかかっていく人の場合の医療を考えていきますと、そのときの医療のあり方、リビングウィルの問題などが、幾つかの新聞や報道等でも最近、注目を集めていますし、日本の専門医の方も北欧等へ行ってみて、改めてその重要性を感じた方々の記事とかも私は拝見したことがあるのです。こういったところはやはりいろんな意味で啓発をしながら、お互い学び、またよりよいあり方を模索すべきだろうと思いますので、そういったことも啓発という分野を、この部会で扱う分野ではないかもしれませんが、お互い意識をしていく必要があると思っています。

 さらに重要だなと思うのは、健康を維持する、健康をより高めていくということを、厚生労働大臣を筆頭に内閣の重要事項として、総理の施政方針演説にもぜひ記述していただいて、国を挙げて、そういう意識を持って、お互いに人生100年時代を生きていこう、そこに進んでいこう。そのために必要な制度を新たにつくったり、改善していったり、財源措置も求めていったりということをお互いに努力しようではないかということをぜひPRされるべきではないかと思うのです。医療費が逼迫したから大変だ、社会保障制度に関する経費は右肩上がりで、景気の右肩上がりにならない中ではより大変なのだという話ばかりが先行していきますけれども、いずれ健康に生活をしていけば100年ぐらいは人生を全うできるわけですので、そのために備えても、そういったこともぜひ検討いただければと思っています。

 最初のところを教えてください。

○遠藤部会長

 それでは、事務局、お答えいただけますか。

○高木室長

 資料の12ページ目に「高齢者の医療の確保に関する法律第14条について」とございます。こちらにつきましては、平成18年の改正で設けられているものでございます。

 厚生労働大臣は、法第12条第3項の評価の結果、各都道府県における目標を達成し、医療費適正化を推進するために必要があると認めるときは、一の都道府県の区域内における診療報酬について、地域の実情を踏まえつつ、適切な医療を各都道府県間において公平に提供する観点から見て合理的であると認められる範囲内において、他の都道府県の区域内における診療報酬と異なる定めをすることができるというふうにされております。こちらにつきましても、既に法律に規定はございます。

12ページ目の2つ目の○のところで、第2期の計画につきましては、法律に基づきまして、平成30年度に実績の評価を行うということになっておりますので、この14条の規定の適用の考え方につきましては、29年度中に関係審議会等において検討を行うとしているところでございます。

14ページ目には制度創設時、平成18年のときの意見等を載せております。

 恐縮でございますけれども、先ほど私が説明を忘れた部分がございまして、望月委員からの提出資料がございましたので、あわせて紹介させていただきます。望月委員からの委員提出資料が後ろについております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 横尾委員、よろしゅうございますか。

○横尾委員

 今の説明でわかりましたが、ただ、知事会からの御発言等を聞きますと、必ずしもフルで御納得というわけではなくて、ぜひ地方自治体、知事会、市町村会、町村会の意見をしっかり聞いてくれという御意見でございましたので、今後はそういう対応が必要だろうと感じているところです。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、新谷委員、堀委員の順でお願いいたします。

○新谷委員

 ありがとうございます。

 地域住民の健康増進と医療費適正化に向けて、都道府県が中核的な役割を担うということについては賛同したいと思いますし、期待もしているところであります。

 その中で、都道府県が保険者協議会と連携を強めていくという提起がなされております。資料の4ページの下のほうにも書かれておりますけれども、この保険者協議会に期待されている重要な機能として、都道府県の地域医療構想や適正化計画に対しての意見を言う。あるいは都道府県で医療・介護総合確保基金が有効活用されているかどうかの意見を言う。効率的で質の高い医療提供体制の構築に向けて、都道府県による取り組みのチェックをする等々の重要な機能がこの協議会に期待されているわけであります。

 ただ、この見直しの中で、これまで国保連合会が主に担っていた事務局業務を都道府県が主体的に担っていくということも提起されておりますが、従前からこの協議会に期待されております、都道府県に対するチェック機能が損なわれることのないように、むしろ都道府県に対するチェック機能を強化する方向で連携をしていただきたいということを申し上げたいと思います。

 この資料の9ページには現状の協議会の構成が書かれております。この構成を都道府県ごとに見てまいりますと、例えば被用者保険の立場から健康保険組合が参画されているのですけれども、参画状況にばらつきがありますので、保険者間のバランスをとって、被用者保険の視点も加味した上で協議会の取り組みが促進されるようお願いしたいと思います。

 また、資料の5ページにも書かれておりますけれども、今後、保険者横断的に医療費等の分析を行う機能を強化するということでございます。この方向性についても、ぜひ強化をしていただきたいと思いますが、その際、都道府県には、医療提供体制の構築、適正化に向けての計画、国保の財政責任等々、たくさんの機能が期待されるわけであります。

 そのとき重要になりますのは、この5ページの左下に書かれてありますように、都道府県における人材育成の強化が非常に重要だと思いますので、国としてもぜひ、ここのところは都道府県のほうに寄り添う形で支援をしていただきたいと思います。

 また、県をまたがって、いろんな先進事例、好事例、あるいは課題を共有する仕組みをぜひ構築する必要があると思います。そうした枠組みといいますか、体制の構築に向けても、国としてもぜひ必要な支援を行っていただきたいということを意見として申し上げたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 では、堀委員、お待たせしました。

○堀委員

 本日示されました、都道府県が国保の保険財政と医療提供体制における権限と責任を持ち中核的な役割を担うという方向性についてはもともと賛成をしているのですが、細かいところで幾つか確認をさせてください。

 最初の1ページ目のところに「医療費適正化計画のPDCAサイクルが強化された」とありますが、これは国についての記載だと思うのですが、一方で3ページのところには都道府県がPDCAを行うということが書いてあるのです。PDCAは非常に重要だと思うのですが、例えば医療費適正化計画の取り組み目標の第2期に挙げられた目標の指標と第3期に挙げられた目標の指標は必ずしも同じものではありません。恐らくPDCAサイクルの結果、見直されたのかもしれませんが、どのように決まったのでしょうか。今後、保険者の努力支援制度等、インセンティブを強化するということにも伴うのですが、指標がひとり歩きする可能性もありますので、その指標がどういうふうに選択されたのか、指標選択の決定過程の「見える化」といいますか、本当に医療費適正化につながるのかを説明できるようにした方が良いと思います。

 例えば、医療費適正化につながらない場合は別の指標に切りかわるための、厳格なものでなくても良いですが、指標そのものが変わるためのルールがあるのか。あるいは先ほどから終末期医療のあり方であるとか、あるいは高額医薬品とか、いろいろな医療費適正化に関する指標はほかにもあり得ると思うのですが、都道府県単位で取り組めるものとして、どのような指標が計画の取り組み目標になり得るのか、適切なのか、また、それらの目標を達成するためのインセンティブは適切なのかをどう評価するのか。アウトカム指標でアウトカム評価もされるようになりますと非常に指標の持つ意味が大きいと思いますので、指標の決定過程とその後の進捗状況の評価がどのようになっているのかを既に公開されているのだったら教えてください。もし公開されていないのでしたら、ある程度のものでもいいのですが、指標作成そのものの「見える化」という意味で教えていただければと思いますし、難しければ将来的にデータを揃えていただければと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 御意見でありましたけれども、御質問もありましたので、事務局、お願いします。

○高木室長

 医療費適正化計画につきましては、第3期、平成30年度からについては6年間ということで、第1期、第2期は入院医療費について、その指標を設定しております。第3期は、さらに外来医療費についても適正化の項目を定めております。

 こうしたものの外来医療費の適正化に資するものとして、最初の1ページ目のところに書いてあります糖尿病の重症化予防であるとか、後発医薬品の使用促進、医薬品の適正使用等の取り組みを新たに盛り込んでおります。こちらにつきましても告示を改正しまして、本審議会でも9月に1度御報告はさせていただいておりますけれども、こうした形で30年度以降は進めていく形になっております。

○遠藤部会長

 堀委員、どうぞ。

○堀委員

 指標そのものはそうなのですが、それが医療費の適正化にどれくらいつながったのかというのは今後その進捗状況の評価結果を見られるようになってくるという理解でよろしいでしょうか。

○遠藤部会長

 事務局、どうぞ。

○高木室長

 こちらにつきましても、それぞれの指標に応じた、これからでございますが、平成29年度中に各県がこの指標に基づいての適正化計画、35年度での効果を入れたものをつくることになっています。それを積み上げたものが全国の目標値になりますので、今度は30年度以降実施していく過程の中で、それをPDCAの中で評価していくという仕組みになっております。

○遠藤部会長

 よろしいですか。

 では、松原委員、どうぞ。

○松原委員

 保険者協議会は当初、医療費の適正化のためにどのようにやっていくかを各都道府県で検討するということから始まったように記憶しています。しかし現実問題としては、いろんなことをやるのにはやはり現場の意見、そして現場とのタイアップが絶対的に必要であって、計画だけ立てても何もならないことがこの10年で感じているところであります。

 検討というものは、やはり健康には決定要因があって、その社会的な決定要因をいかに改善していくかということによって、国民の皆さんに健康を保持していただき、幸せになれるということであります。そういった社会的・経済的要因の中で保険者さんの役割は非常に大きいのは大きいですが、しかし、例えば予防接種をしたり、あるいは肥満の予防をしたり、そういったことを具体的にするに当たっては、やはり都道府県さんの行政の力が要るのではないかと私は思います。

 そういった面から見ますと、この都道府県さんのところでそういったことを中心的にやっていただいて、そして、みんなで力を合わせて国民の健康を増進していくという考え方。これを実行すべき時期に来ているのではないかと思います。確かに、高齢者のための医療費が高くかかるのは事実であります。しかし、その高齢者の医療費だけを見ているのではなくて、若い人たちがこれからどのように健康であるべきか。そこにも中心を移して、そして、そこの中で議論していかねばならないと思います。

 そういった面から見ますと、10年前に主張したのですが、ぜひ地域の医療を担っている者も構成員の中に入れていただいて、そして都道府県が中心となって、経済的な責任を負っておられる保険者さんと、地域の現状に合わせながら議論していく場として協議会を発展していっていただきたいと思います。9ページ、10ページを見ますと、医師会が全然参加していなくて、実際に医療を担っている者の意見が反映できるような形になっておりません。よく議論しながら、その土地に一番合う医療を地域包括ケアの中でやっていくことが、高齢者社会を乗り切るための知恵であり、これからを担う若い人たちが健康で幸せに暮らすための大変大きな要素だと思います。

 意見でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 森委員、どうぞ。

○森委員

 ありがとうございます。

 今の松原先生と同じなのですけれども、今回、医療費適正化計画の中に後発医薬品の数量シェアが80%以上であったり、医薬品適正使用ということで重複投与・多剤投与の防止による適正化という目標が入りました。また、今、薬剤師は、保健師と同行して重複投与を減らすような取り組みもしています。構成員として保険者協議会の中に入ることによって、その地域の中の特性に合わせた意見や取り組みができると思います。ぜひ、一緒にやらせていただきたいと思っています。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 小林委員、お待たせしました。

○小林委員

 平成30年度から都道府県が国民健康保険の保険者となることから、私ども協会けんぽもメンバーの保険者協議会で、その司令塔としての役割を発揮していただくことは望ましいことだと考えております。その際、都道府県をはじめとする保険者協議会の役割が十分果たされるように、実効性のある権限の付与を検討することが重要であると思っております。

 加えて、今後は予防・健康・医療・介護といった分野横断的に取り組みを実施する必要が高まってくるため、先ほども御意見がありましたように、そのための専門人材を都道府県に配置するのはもちろんのこと、それぞれの制度を所管する部署の統一や連携についても検討していくべきではないかと思います。

 また、都道府県を主体としてビッグデータの分析をしていく点も重要な視点ですが、その際には個人情報保護との関係で、保険者から都道府県に適切に情報が提供できるルールづくりも進めるべきですし、データ分析の際には加入者の健康情報を把握する保険者とも共同で実施するとともに、その結果を次の取り組みにうまく展開できるよう、保険者協議会などにフィードバックしていくべきだと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、菅原委員、お願いいたします。

○菅原委員

 手短に一言だけ申し上げたいのですけれども、この都道府県のガバナンス強化の文脈において国保の保険者努力の支援制度、インセンティブ改革を行うことについて異論はございません。

 ただ、資料6ページの中で、都道府県の医療費水準等のアウトカム指標を今後導入するというふうに書かれているのですが、医療経済学者としてこの医療費の決定要因というものを考えますと、先ほど来、色々とお話をされていますけれども、年齢以外にも気候だとか地勢、所得差、何よりも医療提供体制の差異といったものが主たる医療費水準の決定要因となっております。そういった意味では、この保険者努力の評価ポイントの中に、そのアウトカム指標として医療費水準そのものを評価指標に採り入れることには若干、学者の見地からすると違和感がございます。若干遠いのかなという気がしております。

 指標の中では、これまで同様、取り組み率とか取り組みの状況、それから、改善の状況を把握しながらPDCAを回していくことに関しては異論は全くありませんけれども、今後、このアウトカム評価を導入することに際しては、そのアウトカムが生まれてくる過程、プロセスについての丁寧な議論が必要かと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 ほかに。

 武久委員、どうぞ。

○武久委員

15ページを見ていただくとよくわかるのですけれども、1ページにあるように、第2期、第3期というふうに適正化ということになっております。これをまとめたものが15ページですが、医療費は平成20年度から平成29年度までで、これから見ると11兆円ぐらい増えているわけで、最近でも6,500億円を5,000億円にしたとか何かで、毎年だんだん増えるのは抑えられてきていると思うのです。

 今後とも、これについてはどういうふうに減らしていくかということがこの上のほうにあるのですが、特定健診の実施率とか指導の実施とメタボリックシンドロームの減少率とか、これを見ると25年度から35年度まで全く同じ目標で変わっていない。これを都道府県別に載っている一番最後のほうを見ましても、県によって差がありますが、一番問題なのはメタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少。これが実際的には、直截的には医療費に反映するのではないか。幾ら上2つをやっても、実際的に反映しなければ意味がないので、これは25年度より26年度のほうが下がっているわけです。これを29年度に相も変わらず25%で、25年度のときも25%、35年度のときも25%というふうに目標値を設定されているわけです。

 平均在院日数は10年間で約3日短縮されておりますけれども、皆さん御存じのとおり、諸外国に比べると、平均在院日数は日本は5倍から7倍長いわけでして、寝たきりも5倍ぐらい多いということが言えますから、これを減らしていっていることは正しいことだと思いますけれども、このメタボリックシンドロームの3%前後しか現実には減っていない部分を25%としたこと、それから、10年間同じ目標であるのは、できればもう少し考えていただけたらと思うのですけれども、担当者の御意見をお伺いしたいと思います。

○遠藤部会長

 では、事務局、コメントをお願いします。

○高木室長

 御指摘のとおり、これはメタボリックシンドロームの該当者の減少率と設定しております。これはもともと、第1期はメタボリックシンドロームの該当者ではなくて、特定健診・保健指導の該当者の割合の減少率を下げるということにしていました。その後、第2期は専門的な議論の中で、服薬の対象者というものは特定健診・保健指導の対象者にはしていないのですけれども、その服薬の方も含めてメタボリックシンドロームの該当者にしてはどうかということで第2期は設定しました。

 ただ、服薬の方を入れた数字はなかなか余り効果として出にくいということで、やはり第3期の目標としては第1期のやり方に戻して、服薬の方を除く、保険者がまさに自分でちゃんと取り組んで、対象者として減らせるところをやるということで、25%目標は維持したままやることにしています。ちなみに、平成24年度までに平成20年度比で12%下がっているのですが、さらに35年度までに13%下げて、25%下げるということを第3期では目標とすることとしております。

 それで、先ほどの加算・減算の指標の中でも、特定保健指導の対象者がどれだけ減少したかというものも評価指標に入れております。こうしたことと、もう一つは、この特定健診・保健指導につきましても、健診の目標70%、保健指導の目標45%に対しまして、まだ実施率が低いことにつきましては、厚生労働省としても課題であると認識しておりますので、29年度からは全ての保険者につきまして、個別に実施率を公表することとしております。こうしたことによりまして、特定健診・保健指導の実施率の向上を図ってまいりたいと考えております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに、大体よろしゅうございますか。

 それでは、ほかに御意見もないようでございますので、本議題につきましてはこれまでにさせていただきます。

 次に「働き方改革実行計画について」を議題といたします。

 では、事務局、説明をお願いいたします。

○宮本課長

 保険課長でございます。資料3、働き方改革実行計画につきまして、医療保険制度、直接的には被用者保険制度にかかわる点について御報告を申し上げます。

 1枚お開きいただきまして、上段は働き方改革実現会議の概要でございます。働き方改革実現会議は、総理みずからが議長、働き方改革担当大臣、厚生労働大臣を議長代理といたしまして、関係大臣や有識者の方々が参加をしておりまして、平成29年3月に働き方改革実行計画が決定されました。

 働き方改革実行計画の構成につきましては、1ページの下段のとおりでございます。

 次に、2ページをごらんください。働き方改革実行計画のうち、医療保険制度、直接的には被用者保険制度に関係する箇所を抜粋しております。上から順に御報告いたします。

 まず第1点目は、柔軟な働き方がしやすい環境の整備において、複数の事業所で働く方の保護や副業・兼業を普及促進する観点から、労働保険・社会保険を含む副業・兼業に関する制度の検討をするというふうにされております。

 具体的には、現在は一月に30時間以上あるいは20時間以上という形で適用されておりますが、2つの事業所でそういう要件を満たす方について、労働保険あるいは社会保険を適用していくことについて、どのように考えるかが論点になっているということでございます。

 2つ目は、女性や若者が就業調整というものを意識せずに働くことができる仕組みを構築する観点から働きたい人が働きやすい環境を整備するということと、短時間労働者の方の処遇の改善という観点から短時間労働者の被用者保険の適用拡大のさらなる実施、さらなる検討についても盛り込まれているところでございます。

 3つ目は、傷病手当金の支給要件の検討でございます。治療と仕事の両立という観点から、2021年度までに傷病手当金の支給要件等について検討し、必要な措置を講ずることが報告されております。

 傷病手当金の支給要件につきましては、健康保険制度と被用者保険、共済保険、共済組合で仕組みが異なっておりまして、傷病手当金につきましては、健康保険制度につきましては初めて支給される日から1年半の間は支給されるということになっておりまして、実質的に手当が支給されたかどうかにかかわらず、初めて支給された日から1年半経過すると、その間、支給が終わる仕組みになっています。

 一方、共済組合につきましては、実質的に支給された日が1年半あった場合に、1年半までは支給されるということですので、共済組合の仕組みのほうがより使いやすいような形になっております。

 こういった差異の点について、例えばがんの治療をされているような方が抗がん剤治療を受けたときに、形式的に1年半で終了しますと、傷病手当金をやめてしまうということではなかなか就業を継続することが難しいのではないか。やはり実質的な支給期間を1年半にしていくべきなのではないかということが問題になりまして、こういったものが盛り込まれているところでございます。

 実質的には、3ページ以降には働き方改革実行計画の工程表の関係箇所が赤で囲っておりますので、ごらんいただければと思います。

 また、参考資料のほうには働き方改革実行計画の本文をつけております。

 いずれも法改正事項でございますので、また医療保険部会で追って検討することになろうかと思いますので、今日はこういった論点が上がっているという点について御報告をさせていただきたいと思います。

 私のほうの説明は以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 そのようなわけで、また御議論いただくことになると思いますけれども、ただいま何か御意見・御質問があればいただきたいと思います。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 本日は議題の提示のような位置づけだと思いますので、個々の項目について個別に意見は差し控えさせていただきますけれども、ちょっとお願いがございます。

 1つは、2ページの「(2)多様な女性活躍の推進」。これは女性だけではない、若者、その他、働いている方全体の話だと思いますが、適用拡大に関して、昨年10月から施行はされておりますけれども、私どもが聞いている範囲では、今回、週20時間から30時間働く方が適用拡大ということになったわけですが、個々に各企業が面接をする中で、30時間以上のほうにシフトした方、あるいは話し合いの中で20時間未満のほうに契約を変えた方、さまざまなようでございまして、既に半年たっているのですけれども、実態がどれぐらいになったのかというのがなかなか発表されませんので、これはもちろん、年金局との関係もあるかと思いますが、早目に、今、言った3つのパターン。この辺の数字を公表していただくようにお願いいたしますというのが1点目でございます。

 2つ目は、一番下の「7.病気の治療と仕事の両立」の関係で、被用者保険の中でも健康保険法と共済組合で取り扱いが違うということでございましたので、これは資料を出していただいて議論をしていただければいいと思うのですけれども、もう一つ、これは以前からお願いをしているのですが、被用者保険の中で退職後も、資格喪失後も引き続き給付が続くものがございます。具体的に言えば傷病手当金、あるいは埋葬料、出産育児一時金。このあたりも一度整理をして、資料を出していただいて、ぜひ議論を、議題としていただくようにお願いいたします。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 そのような資料の御要望でありますので、具体的な議論をするときの資料にできるだけしていただきたい。あるいはもっと早く出せるような機会があれば出していただきたいと思います。事務局、どうぞ。

○宮本課長

 議論のときは、そのような資料を用意させていただきたいと考えております。

○遠藤部会長

 よろしくお願いします。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 傷病手当金は大変、日本の国でいい制度であります。ぜひ、これを続けていきたいと思うのですが、御提示がありましたように、例えばがんになられて一生懸命治療をされている。子供さんもまだそう大きくない。そういう方たちを手厚くするような仕組みは絶対に必要だと思います。

 それであれば、やはり濃淡をつけないと、全ての病気に対してではなくて、頑張って、また次世代も育てている方々を適切な形で対応するのは大事なことであります。ぜひ、今、白川委員から御指摘がありましたように、いろんな情報を出していただいて、そこに濃淡をつけて、全てを対象とするのではなくて、頑張っている方々をさらに応援できるような仕組みにしていただきたいと思います。

○遠藤部会長

 御意見として承りました。ありがとうございます。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 ありがとうございます。それでは、本議題についてはこれまでとさせていただきます。

 次に、議題の「その他」でございますけれども、まず私のほうから1点御報告を申し上げます。

 資料4−1、4−2に該当するのでございますが、当部会の下に設置されました「柔道整復療養費検討専門委員会」及び「あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」において、3月27日に報告書が取りまとめられました。資料4−1と4−2がそれでございます。

 中身のポイントで、まず柔道整復療養費につきましては、受領委任に係る取り扱い全般を管理する施術管理者について、新たに施術管理者になる場合は、実務経験と研修の受講を要件とすること。

 また、あん摩マッサージ指圧とはり・きゅう。これはあはきと略称させていただきますが、あはき療養費については、受領委任制度による指導監督の仕組みの導入は、不正対策とあわせて実施すべきとされ、その具体的な制度設計は、不正対策の具体的な制度設計の内容が適切なものであることを見きわめて、確認することを前提として、平成29年度中に行うべきという形で取りまとめられております。

 詳細は、資料4−1、4−2をごらんになっていただければと思いますけれども、これについていかがでございましょうか。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

柔道整復師の方々も一生懸命仕事をされて、適切な仕事をされている方がほとんどですが、最近、報道でいろいろな問題点が指摘されています。そこのところをきちっとしないと、この制度を拡大する上では、補修してから考えていただきたいと思います。そのために、柔道整復師においては何が問題であるのか。実務経験を増やしたり、それから、健康保険に対する理解をしていただくような制度を導入していただきたく思います。

 また、報道されているようなことが起きないように、修正をした上でこの制度を拡張するのは賛成でありますが、何もせずに今のままの状態であん摩マッサージ指圧、はり・きゅうのところまでこの制度を導入しますとやはり社会的な問題が起きる可能性があります。ぜひ丁寧に、どこに問題があって、どう変えなければいけないのかということを十分に議論していただいて、そして、それが担保できるようにしてから考えていただきたいと思います。

 患者さんの中に、確かにあん摩マッサージで効果のある方もいらっしゃいます。現在は医師の指示のもとに行っていただいております。この請求の仕方が今のところ、償還払いという形になっているのですが、代理請求ということで行われているとも聞いております。

 まず1つは、代理請求というものは何%ぐらい、このあん摩マッサージのところであるのでしょうか。どのぐらい、代理請求されているのでしょうか。

○遠藤部会長

 細かいことについては、この検討会でかなり具体的にやりました。資料は当然ありますので、事務局、お答えがあればお願いします。

○矢田貝室長

 数字だけで、実質的に、ただいま95%以上が代理受領での取り扱いがされているというふうに把握してございます。

○松原委員

 請求のうちの95%ですか。それとも、扱っている保険者の95%が了解しているということですか。

○矢田貝室長

 請求のうちの95%以上というふうに認識してございます。

○松原委員

 そうすると、かなり大きな影響が出ます。そこのところを十分に、現在ある制度と合わせたときにどうなるかというのを検討いただいて、その制度自体のデファクトを整理してからよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 検討会ではそういう視点からもかなりいろいろと議論をしてきたということでありますので、適切な御意見だと思います。ありがとうございます。

 ほかに。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 柔道整復師あるいはあはき、ともにそうですけれども、この専門委員会で遠藤座長のもと、まとめられた内容でございますので、これ以上、中身については申し上げないのですが、以前、私はこの席で、診療報酬の審査支払いの体制、全レセプトを、コンピューターチェックを含め、支払基金と国保連で全件チェックしているのに比べて、療養費のほうは各保険者が審査するということで、第三者機関が絡んでいない。請求書もフォーマットがばらばらで、余りに診療報酬と療養費で扱いが違うのではないか。考え方が違うのではないかという御指摘をさせていただいたのです。

 方向としては、今回のこの専門委員会での報告書の中で、やはり不正防止ということに力点を置いてさまざまな改革を行うという方向でまとめられたようでございますが、今回だけではなくて、やはり将来的には診療報酬と同じように、第三者による審査とか、そういったことを含めた抜本改革が必要だと思いますので、今後とも厚生労働省におかれましてはそういう問題意識を持って検討をさらに進めていただきたいと要望いたします。

 もう一つは、特に柔整の不正は、はっきり申し上げて、目に余るものがあると保険者としては考えております。具体的な不正防止対策については、これから専門委員会でも議論が進められるようでございますので、ぜひ厳しめの、不正を許さないという姿勢を示すような具体的な対策を策定していただくようにお願いいたします。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。2つの御意見、承りました。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 私も一言、申し上げたいと思います。

 資料4−2の報告書について、今回の取りまとめでは受領委任制度の導入について無条件で決定したわけではなく、今後検討される不正対策の具体的な内容を見きわめた上で判断されるものであるとされております。このため、不正対策の具体策について、早急に実効性のあるものを検討するとともに、実施できるものについては順次、実行に移すことによって、それらの仕上がりの姿をきちんと見きわめた上で慎重に判断していくべきであると考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。御意見として承りました。

 ほかにございますか。

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 この問題については、後期高齢者医療広域連合全国協議会でもテーマとして取り上げ、幾つかの都道府県の広域連合においては提言・要望書をもって、例えば九州の場合は九州の広域連合がそろって厚生局のほうに提言に行ったことがあります。それは、今も何人かの方の御指摘があったように、目に余るものもありましたし、不正と明らかにわかったものがありまして、実は訴追するまで持ち込みましたら全額返納されて、事務所も全部畳んでしまうという事例もありました。ですから、なかなか難しい問題だなということがありますが、全てに共通しているのは、やはり指導監督などをきちっとすることだと思っています。

 頂いた資料4−2、医療保険部会の専門部会のほうでまとめていただいている「1.現状」の4つ目の○の中の「地方厚生(支)局等による指導監督も行われていない」というのが非常に憂慮すべきことだと思っています。権限を持っていらっしゃる官庁やその出先並びに都道府県等がきちっとやっていただかなければ、後期高齢者医療広域連合においても立ち入り調査などは全くできませんので強く要望をしているわけです。こういったことをぜひ是正してくださいということを引き続き要望する内容と、ここにありますような、あるべき姿を求める要望を、実は後期高齢者医療広域連合の全国協議会としても厚生労働省のほうに提案させていただいております。

 ぜひ、こういった不正を放置せずに行くべきだと思いますし、この資料の3ページの3.の(1)にありますが、指導監督の仕組みをきちっと導入していくこと。そういったことを理念として、ぜひ改善・改革をお願いしたいと改めて申し添えさせていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 どうもありがとうございました。今までのは大変適切な御意見だと思いますので、この専門委員会は今後も続きますので、その中で反映させていくように努力したいと思います。

 最後に、事務局から、経済財政諮問会議、未来投資会議の厚生労働省提出資料が参考として配付されております。これは配付資料ということにかえさせていただきたいと思います。

 それでは、まだ終了時間まで若干時間はございますけれども、こちらで用意した案件は以上でございますが、何かございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、本日はこれまでとさせていただきたいと思います。

 次回の開催日につきましては、追って事務局より連絡をするようにお願いします。

 本日は御多忙の折、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。


(了)

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