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2017年2月24日 厚生科学審議会疾病対策部会 第47回難病対策委員会 議事録

○日時

平成29年2月24日(金) PM13:00〜16:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室


○議事




○徳本難病対策課長補佐 定刻となりましたので、ただ今より「厚生科学審議会疾病対策部会第 47 回難病対策委員会」を開会いたします。委員の皆様におかれましてはお忙しい中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。

 

  本日の委員の出席状況です。大澤委員、小幡委員、駒村委員から欠席の連絡をいただいております。なお、羽鳥委員からは遅れての参加との連絡をいただいているところです。


 
また、本日は参考人として千葉大学の横手様、国立成育医療研究センターの掛江様、日本医療研究開発機構 (AMED) の古澤様、難病情報センター運営委員長の宮坂様に出席いただくこととしております。


  
カメラの撮影はここまでとさせていただきます、傍聴される皆様方におかれましては傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。なお、事務局側として、健康局長の福島は公務のため欠席させていただきます。以降の議事進行、千葉委員長にお願いいたします。

 

○千葉委員長 まず資料の確認をお願いします。

 

○徳本難病対策課長補佐 配布資料の確認をさせていただきます。本日の資料は資料 1-1 、第 46 回難病対策委員会での主な意見、資料 1-2 、難病医療支援ネットワークの事務局機能における主な論点、資料 1-3 、難病医療支援ネットワークにどのような機能を期待するか ? という横手参考人の資料です。続きまして資料 1-4 、小児慢性特定疾病情報センターによる情報提供の現状と今後の展望、掛江参考人の資料です。


  
資料 2-1 、第 46 回難病対策委員会での主な意見、こちらにつきましては難病の遺伝子関連検査の実施体制の在り方についてのものです。資料 2-2 、難病領域におけるゲノム解析及びその活用のための基盤整備について、古澤参考人の資料です。


  
参考資料 1 は、難病情報センターの HP 及び国立がん研究センターがん対策情報 HP の資料です。最後に参考資料 2 、難病医療提供体制整備事業に定められている難病医療コーディネーターの役割に関しての資料です。資料の欠落等がございましたら事務局までお申し付けください。

 

○千葉委員長 よろしいでしょうか。それでは、本日は前回に引続き難病医療支援ネットワーク、遺伝子関連検査の実施体制など医療提供体制の整備を具体化する検討を進めていくために、委員の皆様方に御議論をいただきたいと思っています。


  
早速、議事に入っていきたいと思います。 1 つ目の議事は、難病医療支援ネットワークの在り方についてです。まずは事務局から前回、第 46 回難病対策委員会での主な意見について説明をいただいて、その後難病研究班、小児慢性特定疾病情報センターの取組等を続けて御発表いただいて、その後質疑をまとめて行いたいと思っています。事務局から説明をお願いします。

 

○遠藤難病対策課長補佐 資料 1-1 を御覧ください。難病医療支援ネットワークの在り方について、前回の難病対策委員会での主な意見を御紹介いたします。1事務局機能について、事務局を置くとともに必要な専門職を配置してはどうか等の意見をいただきました。2診断サポート機能についてもこのような意見をいただいておりました。3難病情報センターについても、難病情報センターは情報を発信するだけでなく、双方向の情報の流れがあるべきではないか等の意見をいただいていたかと思います。最後、国立がんセンターがん対策情報センターの提供する情報と難病情報センターの提供する情報を比較してはどうかという意見もいただいていたかと思います。これに関しては、本日の参考資料 1 に難病情報センターとがん対策情報センターで現在どのような情報が掲載されているかというサイトマップを掲載させていただきましたので、御参考としていただければと思います。


  
続いて参考資料 2 の説明をさせていただきます。前回、難病医療連絡協議会及び難病医療コーディネーターについての御意見をいただいておりました。確認のため、それらの位置付けについて御説明申し上げます。難病医療提供体制整備事業の中で、各都道府県ごとに難病医療連絡協議会を設置するよう定めており、事業の円滑な推進に資するため、難病医療コーディネーターを原則 1 名都道府県で配置するよう定めております。したがって都道府県を超えた、難病医療ネットワークにおけるコーディネート役というわけではなく、各都道府県における難病医療の確保に関する関係機関との連絡調整、患者等からの各種相談を受け、必要に応じ保健所等関係機関への紹介や支援要請、患者等からの要請に応じて入院患者の紹介を行うなどの連絡調整、医療従事者向けの難病研修会の開催等事業の推進役となっております。


  次に資料 1-2 の説明をさせていただきます、まず別添のポンチ絵を御覧ください。 1 ページ、前回の委員会では、難病の医療提供体制の在り方についての報告書のイメージを資料等提示し、全体像の視点から様々な意見をいただいたかと思います。今回は難病医療支援ネットワークの事務局について、更にこの部分に焦点を絞り具体的に御議論いただきたいと思い、 2 ページ目に本日検討対象である難病医療支援ネットワークに焦点を絞ったイメージを整理いたしました。本日の議論は本イメージを参考に進めていただければと存じます。


  資料 1-2 に戻り、難病医療支援ネットワークの事務局機能における主な論点という資料を作成させていただきました。前回、難病医療支援ネットワークに事務局を置いたほうがよいと総論として皆様から御意見があったかと思います。今回はその事務局機能について、 1 、都道府県の難病診療連携の拠点となる病院の診療を支援するため、情報の充実化以外には何が求められているのか。前回は情報の充実化についてたくさん御意見をいただきましたが、それ以外どのようなものが求められているか、御議論をいただければと思います。


  その点について、皆様から御意見をいただいた上で、それらの実現のため、次の 2 から 6 2 、対象とする疾病の範囲をどこまでとするのか、 3 、事務局は 1 か所で担えるのか、 4 、事務局にはどのような職種の配置が求められるか、 5 、事務局にはどの程度の人員体制が必要か等について御議論いただければと思います。

資料 1-1 と資料 1-2 の説明は以上になります。

 

○千葉委員長 繰返しになりますけれども、ポンチ絵を見ていただきたいと思うのですが、今、お話があったように、前回、各都道府県のお話と中央というか、国全体の話とが若干錯綜していたように思います。御説明がありましたように、難病医療連絡協議会というのは各都道府県に設けられている協議会、基本的には各都道府県の連絡を担当するところです。今日の焦点はどちらかというと、むしろ、それをまとめ上げた国全体の支援ネットワークをどうするかを御議論いただきたいと思います。裏の絵に書いてありますように、やはりそういったところを集約するところが必要であるというのが、前回多くの方々の御意見だったと思います。そうしますと、そこのところの議論として一番最初に戻って、やはり最も重要な論点は 1 、結局そこで何が求められるのか、どういった役割を果たすべきなのかというところの御議論を中心にいただきたいと思います。そういった役割等々が決まるといいますか、希望がいろいろ出てまいりますと 2 から 5 あたりはそれに基づいてという話になろうかと思います。そういう流れでやっていきたいと考えています。


  次に、参考人の方からお話をお伺いしたいと思います。まず難病研究班の視点ということで、千葉大学の横手参考人から御説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○横手参考人 どうぞよろしくお願いいたします、千葉大学の横手と申します。難病医療支援ネットワークにどのような機能を求めるかということについて、研究班の 1 つ、早老症という珍しい病気ですが、この病気の研究班の視点から御説明させていただきます。


  一言で早老症と申しましても幾つかの病気がございます。見た目に、あるいは内臓的に老化が早く進んでしまう病気の総称です。その中で一つ、代表的な早老症としてウェルナー症候群というものを例に取ってお示しし、求められる機能について言及したいと思います。この病気は DNA ヘリケースという、 DNA の修復やテロメアの安定化に関わる酵素の変異を原因とする病気です。両親から遺伝子を 1 つずつ受け継いで初めて発症する、常染色体劣性遺伝病です。遺伝子は分かりましたが、なぜその病気が起きてしまうのか、まだ治療法は未開発です。人における老化の促進病態と考えられています。


  写真をお示しすることはできませんが、どのような病気かというと、思春期までは何ら問題なく成長しますが 20 歳を超えて、白髪や脱毛が目立ち、 30 代でほぼ白内障が必発、 30 歳以降に 6 割の患者さんが糖尿病を発症し、 30 歳ぐらいから足の皮膚が硬くなり難治性の皮膚潰瘍が起きます。細胞老化が進んで再生が悪くなるということです。しばしば感染や足の切断に至り、海外の報告では心筋梗塞や悪性の腫瘍で 40 歳代で亡くなるということが言われています。


  この病気をどうして日本でみなければならないかというのが 2 ページです。これまで世界で千数百例の報告があるうち、驚くべきことに 6 割の症例が日本人であるということです。この理由はまだよく分かっていません。そして、常染色体劣性遺伝病ですので 2 つの染色体に異常がないと発症はしません。すなわち 1 個の染色体、 1 個の遺伝子の異常では保因者と言って、病気の症状は出ないのですが、そういう方は恐らく日本の 100 人から 150 人に 1 人いるだろうということが神奈川の調査で分かっており、可能性のある患者さんが今後増える可能性があると思われます。


3 ページ、これまで根本的な治療法はないのですが、せめて動脈硬化性疾患だけでも防いで患者さんの予後を良くできないかということで、コレステロールを治療したり糖尿病を治療したり、血圧を治療したりという一般的な管理を包括的に行ったところ、千葉大学のデータでは患者さんの寿命が 10 年ぐらい伸びてきていることが分かりました。そこで何とか、日本中に点在していて、非常に不安にさいなまれている患者さんにこのことをお知らせしたい。日本中で同じような、均質な治療をして患者さんの予後を良くしたいということを思ってまいりました。


  そして、厚生労働省の班研究の支援を得て全国調査を行い、 4 ページ目にあるウェルナー症候群の診断基準を作成し、簡易な診断法というものを見つけてきたことになります。また、現在では遺伝子変異の検査も我々の研究室で行うことができています。

 

  5 ページ、その助成の継続で診療ガイドラインというものを世界で初めて作成いたしました。このような難病の研究はとかく、研究者だけで終始してしまい患者さんに還元されないことがあったのですが、これを何とか双方向にしたいということで患者家族会を今から 5 年前に設立し、患者さんに我々の研究や診療の最新の情報をお伝えし、また患者さんの悩みを聞くことを始めました。まだまだ 2 30 人の組織ですが、このようなことをお引き受けいただいて難病の指定に至ったのではないかと考えております。

 

6 ページ、現在は厚生労働省の診療ガイドラインの研究班、そして AMED からレジストリーの症例登録の研究を行い、このようなものを活かして新しい薬の治験にも活用し、また国際共同研究にも展開しつつあり、将来的には患者さんの診療の質の向上と予後の改善に資する活動につなげていきたいと思っております。

 

7 ページ、実態です。このような AMED のレジストリーを行いますと、我々がこれまで全国からの情報を得て、患者さんの遺伝子診断を得て確定した症例がこの黒字の 50 症例、北海道 1 例、東北 1 例、関東 17 例、現在計 50 症例の登録になっています。ところが、 100 人から 150 人が保因者であるということから計算しますと、恐らくホモ接合体、症状のある早老症、ウェルナー症候群の患者さんは日本中に 2,000 名前後いらっしゃるはずです。そのほとんどがまだ見い出されていないということになります。

 

 また特定医療費、すなわち指定難病としての受給者証を所持している数を厚生労働省さんから情報をいただき、集計したのがこの赤字で示されている数です。全部で 47 例になります。これは我々が把握している 50 症例と数字上はオーバーラップしますが、地域的には異なっているところもあり、どうも全数が把握できていない。やはり全国でまだまだ埋もれている、診断されていない、自分は何の病気なのだろうと思いながら具合が悪くなり、亡くなってしまう患者さんを何とか見つけ出し、しっかりと診断し、適切な治療を御提供するという責務があると思っています。それには個々の大学、個々の医者が活動するだけでは難しく、難病支援ネットワークのようなコミュニケーションといいますか、双方向性のハブがあると非常に役に立つのではないかというように思っている次第です。

 

 ちなみに 8 ページ、このようなことに関して、我々自身としても Web サイトを作成し、研究成果、患者さんへの情報提供をしております。厚生労働省さん関連の難病医学財団の御支援により来年 2 月にウェルナー症候群のみならず、様々な早老症を集めた医師と患者が交流するシンポジウムも開催することができることになりました。このような場も活用して更に周知に努めていきたいと思います。

 

9 ページ、このような症例、老化徴候というのは非常に主観的な部分があります。ただ単に白髪が増える、脱毛と言っても健常の範囲でそういうことが起きる場合もあるわけで診断が難しい。例えば 20 歳代の男性で、インスリンの効きにくい妙な糖尿病だとお医者さんが思っておられる患者さんがいました。顔貌にさしたる特徴はなく、ただし白髪が目立つだけだと。両親に近親婚もありません。ところが、そのお医者さんがたまたま勉強されている途中で、糖尿病をきたしやすい病気の 1 つとしてこのウェルナー症候群を知り、ホームページを通じて我々に相談し、遺伝子診断が確定して治療に至ったという症例があります。

 

 もう一方、 40 歳代の女性ですけれども、非常に治りにくい、つらい皮膚の潰瘍が足にできている。皮膚科に何年もかかっていました。ところが診断が付きません。ウェルナー症候群を、何となくそうかなとその方は疑っていたのですが、専門医療機関も情報がなかった。たまたま同じ医師会の中で、私の講演を聞いていただいた内科の先生が「こんな病気ではないか」ということを、その患者さんがたまたま風邪でかかった時に相談され、以後、千葉大に半年に一遍かかって治療を受けている場合もあります。そのようなところを是非、密に結んでいただく意義があるわけです。

 

10 ページ目、最後です。ネットワークに期待することとしてまず診断率向上への支援、医療従事者に対して疾患の周知、診断に資する情報を是非あまねく御提供いただきたい。それと同時に患者さん、医療従事者のみならず、市民に対してもこういう珍しいけれども特徴的な病気があるということを、これはマスメディアなどの協力も要るのかもしれませんが周知できるといいのではないか。

 

 もちろん、結果として治療の質向上、治療に関する最新情報を御提供いただく。また、こういう病気にはこういう専門病院を紹介していただく。そして、何よりも患者さんと治療医、研究者を結ぶ機能、このような一方的な情報だけでなく双方向、マルチプルな方向の機能というものを行い、患者さんの情報の共有ということができるのではないか。遺伝子診断がしたい、どこでできるのか。治療法の情報、あるいは新しい治験の情報がないのかというものを提供していただく。

 

 また、更には先ほど申し上げた早老症以外にもそれらの診断に当たらない、未知の早老症というものも複数あるだろうと推察します。様々な情報をこのネットワークで集めることにより、まだ診断に至らない、新しい病気のアイデンティティーの確立、そして患者さんの救済ということにつながるのではないかということを御提案申し上げたいと思います。以上です。

 

○千葉委員長 ありがとうございました。ただ今のお話は、先ほどの資料 1-2 の一番裏のページの赤で囲った部分、難病研究班のお立場からお話をいただいたわけです。ここで仮に事務局と書いてありますが、そこの役割というお話の中で難病研究班の立場でお話をいただきました。

 

 続いて、小児慢性特定疾病情報センターの取組等について、国立成育医療研究センターの掛江参考人からお話をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 

○掛江参考人 掛江でございます。本日はこのような機会を頂きまして、ありがとうございます。本日は小児慢性特定疾病情報センターという立場で、難病医療支援ネットワークにどのような機能を期待するのかという問いを念頭に置きながら、情報提供の現状と今後の展望について御報告をさせていただきます。

 

 まず、現状と当センターの御説明をさせていただきたいと思います。 2 ページを御覧ください。小児慢性特定疾病情報センターポータルサイトは、当時の所管課でした母子保健課により、こちらにお示しいたしました小児慢性特定疾患に関する普及啓発の充実を実現するために設置されました。形態としては 3 ページ、小児慢性特定疾病登録管理データ運用事業という委託事業として国立成育医療研究センターが受託し、小児慢性特定疾病の疾病データベースの構築・運用に加え、ポータルサイトの構築、運用を行っております。

 

4 ページ、当センターのミッションとしては、青く囲みましたが小児慢性特定疾病対策等に係る情報収集及び提供、並びに事業の公平・公正な運用のための周知・啓発活動を掲げて活動しております。小慢対策の様々な情報を配信しつつ、医療意見書、これは医療費助成を受ける際の申請書で、現在 760 種類ありますけれども、そちらの公表・配信の場としても御活用いただいております。対象は患者、御家族のみならず、医療意見書を書いてくださる医療関係者、行政、更に教育福祉関係者の方々を対象とさせていただき作成しております。

 

5 ページですが、当ホームページ、ポータルサイトトップのイメージです。ここからイメージが続きます。次の 6 ページ、疾病のリストや対象疾患がどのような疾患であるか。 760 疾病もありますので、検索をしていただくための様々な検索方法、たとえば疾患群からの検索、 50 音順の検索、それからテキスト検索も用意しております。

 

7 ページが疾患群です。現在 14 疾患群ありますが、疾患群ごとに病名リストから探していただくようなサイトになったページです。

 

8 ページです。こちらは疾患の一覧と疾患名の横に、ちょっとはっきり見えないかもしれないのですが、水色のボタンが「疾患の概要」が表示されるボタン、その隣が「診断基準、診断の手引き」が表示されるボタン、その隣が申請書である「医療意見書」がダウンロードできるボタンとなっております。

 

9 ページが各疾患の疾患対応のイメージです。 760 疾患、このような形で情報提供をさせていただいております。

 

10 ページは患者様が転居される時などに利用していただきたいと思い作成しております実施主体の担当窓口の情報提供のページになります。全国の実施主体の情報を掲載させていただいております。

 

11 ページ、このような形で担当窓口、都道府県、政令指定都市など、現在実施主体は 100 を超えます。そちらの担当窓口の連絡先、ホームページをお持ちのところはそちらへのリンクを張らせていただいております。

 

12 ページ、当ホームページのアクセス動向です。まず、新制度になりました 2015 1 月以降のアクセス数をお示ししています。平成 27 年度が年間 106 6,793 件、平成 28 年度は 1 月までの 10 か月で 136 5,737 件のアクセスがありました。大体、月平均で 11 万件程度のアクセスをいただいている状況です。

 

13 ページ、直近 2 年間での問合せ内訳です。 2 年間で 615 件あります。こちらは厚生労働省様を介しての問合せの分は含まず、直接センターにお問合せいただいたもののみになっております。左側の相談者に関しては、新制度への移行がありました関係もあると思うのですけれども 6 割が行政関係の方、 2 割が医療関係の方、 1 割が患者様・御家族というようになっています。内容別でみますと、 4 分の 1 が対象基準の御相談、対象の可否の御判断の相談等になっており、 18 %が申請についての御相談、 17 %が制度についての御相談となっておりました。

 

14 ページ、お問合せ内容の具体例を提示させていただいております。様々なお問合せをいただいているのですが、代表的なものを挙げております。このうち、特に一番最初に挙げました「『○○病』は小児慢性特定疾病の医療費助成の対象ですか」というような、対象疾患かどうかの御質問ですとか、下から 4 ポツ目「○○病の診断治療を行っている医療機関、専門医師を知りたい」という御相談、それから「○○病」を疑っている医療者からの御相談で、「患者さんがおられるのだけれども遺伝子診断をしてくれる施設を教えてほしい」という御相談、下の 2 つのポツに関しては対象基準を満たしているか判断の御相談であったり、承認していいかどうかの御相談というものもいただいております。

 

 今、挙げさせていただいたような御相談につきましては、かなり医学的に専門的な判断を要する場合もあります。そういった場合につきましては 15 ページ、日本小児科学会の御協力で 2015 年から構築して稼働しております中央コンサルテーション・システムを運用させていただくことにより、専門的な御相談について対応しています。手順としては、我々からこちらのコンサルテーション・システムに質問を投げさせていただき、専門的な事項に各専門家から適切な御回答をいただいて、そちらを相談者に返答するというような形で対応しております。

 

 次の 16 ページはアクセス方法の変移、モバイルが増えているというだけなので飛ばしてください。

 

 後半ですが、難病医療支援ネットワークに期待すること、さらに我々が難病医療支援ネットワークにどのような貢献ができるかというところを少し検討させていただきました。

 

18 ページ、まず難病医療支援ネットワークにおいて我々小児慢性特定疾病情報センターが貢献できる可能性を検討する際、難病対策と小児慢性特定疾病対策の関係が重要になるかと認識しております。すなわち、平成 27 1 月から改正施行されました新制度では、小児慢性特定疾病の多くが指定難病の対象疾病としていただきました。こちらは図のちょうど左上のところ、小慢&指定難病と書かせていただきました。ちょうど指定難病の未成年者の時期、子どもの時期に当たるところがそれに該当しております。

 

 かつ、小児慢性特定疾病の医療費助成制度では難病対策の制度と比べ、自己負担額が半額というように整理をしていただきましたことから、難病の患者様のうち小児の患者様の多くは小児慢性特定疾病のほうを御利用いただくケースが、新制度後は増えていると予想されております。すなわち、小児慢性特定疾病情報センターではこの小児期の指定難病の患者様についても、既に支援をさせていただいているというように認識しておりますし、今後も引続きこの取組みはさせていただくつもりです。

 

 また指定難病のうち、小児期発症の疾病も非常に多くございます。これらにつきましては、小児期に迅速に確定診断を行い、適切な治療を提供していくことが重要であると考えております。そちらにつきましては、先ほど横手先生が御報告されたとおりかと存じます。

 

19 ページ、そのような小児期の迅速かつ有効な診断については、先ほど申し上げました中央コンサルテーション・システムを引続き利用していただければある程度支援が実施できるのではないかと考えております。

 

20 ページ、現在、小児慢性特定疾病対策においては、こちらにお示させていただいたようなネットワークが既に構築されており、当センターも役割の一端を担わせていただいております。難病の医療支援ネットワークを御検討いただく際、是非、難病の中の小児期の患者様の医療提供体制について既存のというか、こういった小児慢性特定疾病対策のほうで取り組んでまいりましたこちらのネットワーク等の活用も合わせて御検討いただけましたら、効率良く御支援させていただけるのではないかと考えております。

 

21 ページ、まとめに入らせていただきます。当センター、小児慢性特定疾病情報センターの今後の展望と課題としては、たくさん書かせていただいたのですが時間もないので、メインなこととしては、適切な情報へのコーディネーションの業務をより一層充実させていきたいと考えております。下に書かせていただきましたが研究班・難病情報センターと更に密な連携を取らせていただいて、難病医療支援ネットワークへも是非貢献させていただければと考えております。

 

 小慢としては情報の問合せ窓口の一元化、情報発信の一元化をすることにより、資源の有効な活用へのサポートをさせていただく。小児難病を抱えて生きていかれる患者様の「包括的 ( 全人的 ) な支援」に寄与することを目指して今後も活動してまいりたいと考えております。

 

22 ページ、当センターで小児の難病患者様の支援をさせていただいている経験を踏まえ、少しだけお願いをさせていただきたいと思っておりますのが、小児の難病患者様への支援の際の配慮です。希少難病の多くが先天性の疾患、すなわち小児の疾患であると言えるかと思います。小児期に診断治療を開始する難病も多いため、小児期に診断支援等の需要が集中するという実態もあります。難病の中には、小児期発症例と成人期発症例で発現する症状が異なるものもあるため、発達に即し医学的特性を踏まえた専門的支援が必要であると認識しております。子どもは小さな大人 (small adult) ではないと今まで研究や治験の中でも言われていました。そういった点を是非御配慮いただければと思っております。

 

 更に、今回の医療支援ネットワークの話からは少しずれてしまいますが、子どもは日々成長していく存在であるというところは、我々はいつも認識しております。身体のみならず、心理・社会的成長を適切に支援することも重要であり、かつ、ヘルスリテラシーを高めて生涯に渡って自らの健康を管理していく能力を身に付けるというような移行支援、自立支援的な観点も重要と考えております。

 

 また、子どもは「子どもの権利条約」に示されておりますように、適切な保護を受ける権利があるというところもあります。包括的な支援体制を是非御検討いただければと考えております。

 

 最後になりますが、難病医療支援ネットワークに求めるものというスライドを、 23 ページにまとめとして用意させていただきました。今、申し上げましたように小児の特性を御理解いただいた上で、小児期に発症される難病の患者様に対応できる体制を是非確立していただきたい。中央コンサルテーション・システムのような早期診断、早期診療支援のコンサルトが受けられるようなシステムを構築していただきたい。情報センターのような最新の研究成果、診断、診療ガイドライン等が常時参照できる Web サイト等による情報提供等を是非充実していただきたい。こういったことに取り組んでいただく中で、早期診断から適切な医療に患者様を結びつけていく、診断困難・未診断の患者様の診断を支援し診療につなげていく、早期診断・適切な医療の提供のために広域的な連携を行って必要とする患者様に最新の研究に基づく診断・治療の提供者、先生方へつなげていくということを是非実現していただきたく、また当センターも引続きこれらの支援に貢献できればと考えております。以上です。ありがとうございました。

 

○千葉委員長 ありがとうございました。小児慢性特定疾病情報センターの取組ということで、指定難病の支援ネットワークに対して非常に参考になるお話だったと思います。

同時に、こういう小児のネットワークと成人の指定難病ネットワークのうまいコラボレーションが今後必要だということも、私自身としても感じた次第です。

 

 まずは、今の参考人の横手様、掛江様の御発表に対して、御質問や御意見はございますか。

 

○西澤委員 小児のお話について、大変参考になる情報を教えていただきました。受託事業でやっておられて、現在のスタッフの体制や、運用のための経費の情報を教えていただけると、有り難いと思います。当事者、医療関係者、一般の方、患者さんに関係する方とか、いろいろなレベルで相談が入ると思うのですが、それをどのように受けておられるのか、そういう点も是非教えていただきたいと思います。

 

○掛江参考人 まず体制ですが、軽く触れさせていただいたので分かりにくかったと思うのですが、こちらの受託事業は疾病のデータベースの構築・運用事業と、こちらのポータルサイトの運用事業の 2 つをセットで受託事業としてお受けしております。ですので、データベースの運用と合わせた形で事務局を持っているために、今回の先生がお知りになりたいかと思う小慢情報センターの活動というところだけのスタッフというのが計算しづらい状況ですが、一応私が常勤で併任の室長をさせていただいておりまして、下に常勤の小児科医が 1 人おります。あと、非常勤で小児科医を 2 名、研究補助員を 2 名、事務補助員を 4 名ほど雇用して、回しております。プラス常時、研究補助員と事務補助員は、もう少しプラスアルファで非常勤の者がいる形で、データベース運用事業とポータルサイトの運用事業の 2 つを動かしております。

 

 様々な患者様からの御相談ですが、新しくポータルサイトに問合せ窓口を構築しましたので、まずはそちらからメールで御相談を頂く方法が 1 つです。それから、直接お電話で御相談いただく方法があります。どちらも当方のスタッフで受けさせていただきまして、その中でスキームを決めさせていただき、適切な対応者に振るような形で対応しておりますが、全ての案件を私のほうで把握させていただき、こちらは中央コンサルテーションに確認したほうがいいと思われる案件については、そちらにコンサルを依頼させていただく形で対応しております。また、制度についての御質問につきましては、難病対策課の小慢係に確認させていただき、回答させていただくこともしております。御質問いただきました内容について、以上で回答になっておりますでしょうか。

 

○西澤委員 中央コンサルテーションにどういう相談を割り振るかについては、先生が全部チェックされておられるのですか。

 

○掛江参考人 私と常勤の小児科医の研究員がおりますので、その 2 名で協議をし、判断しております。

 

○千葉委員長 今の話を伺いますと、基本的に一般医師からの質問というか、そういうことに対する対応だと思いますが、かなり専門的なレスポンスというか、そういうことにもそういう形で対応できているという理解でよろしいですか。

 

○掛江参考人 極めて専門的なもの、それから患者様を紹介するという話になった場合には、コンサルトを受けてくださった医師に直接相談し、相談者から直接相談を受けてくださる専門医を御紹介させていただくような対応もしております。ただ、そういったものはかなり希で、基本的には当方から回答という形でお返しするので済むような形で整理しております。

 

○千葉委員長 成育医療の特性として、専門医というのは、多くは院内の方、でもないのですか。

 

○掛江参考人 図に示したように、こちらの中央コンサルテーションに関しては、成育医療研究センターとして行うというより、日本小児科学会の御協力で全国の小児専門の各学会のほうに正式に御依頼させていただいいており、各疾患について、この疾患についてはこの先生、若しくはこういうコンサルテーションについてはこの学会のこの委員会が担当して受けてくださるというような形の契約をさせていただいて、相談事業を動かしております。

 

○千葉委員長 そうすると、割り振るときにはかなりの専門性が必要だということになりますね。

 

○益子委員 川崎市宮前区役所保健福祉センターの益子と申します。この中央コンサルティング・システムの、ここの部分ですが、これはメーリングリストなどでやっていらっしゃるのですか。メールでしょうか、それとも違うツールでしょうか。

 

○掛江参考人 学会によって少し違うのですが、ある学会では、この病気はこの先生という形で、 1 人ずつ担当の医師を指名してくださったリストをあらかじめ頂いておりますので、こちらから直接その医師にコンサルトを投げます。ある学会では委員会という形で相談をお受けいただくので、その委員会の責任者の先生に私から御連絡申し上げる形となります。委員会の中でメール審議をしてくださっているのか、集まって議論してくださっているのかという辺りは把握しておりません。 1 1 の場合には、基本的にはまずお電話で御連絡を差し上げて、個人情報に配慮した形で、あとはメール等を使って御相談させていただくような形を取っております。

 

○益子委員 このコンサルテーション・システムの中では、双方でディスカッションをするというような形ではないわけですか。要するに、回答を頂くというシステムなわけでしょうか。

 

○掛江参考人 各分科会の専門性に合わせた疾患、小児慢性特定疾病の場合には 14 疾患群という群がありますので、それぞれの疾患群の中で、疾患に対してもともと担当していただいている分科会があり、そういった先生方が疾患の概要、診断基準作成の責任者をしてくださったり、あとは医療意見書の項目の精査をしていただいたりというようなことを、もともとしていただいていますので、一応、その担当の先生を通して、ディスカッションが必要な相談かどうかも、その先生が最終的な御判断をし、御回答くださるというような形になっているかと思います。

 

○千葉委員長 今のディスカッションは、 23 ページに示されているところの「専門医による診断及び診療支援コンサルトが受けられるシステムの構築」という所に該当すると思うのですが、横手先生の最後の「難病医療ネットワークへ期待すること」の所にも、大きく 3 つに分けて診断率向上への支援ということが記載されていまして、やはりこの間からのお話をお伺いすると、より専門的なコンサルトが直接できるか間接的にできるかは別にしても、その結果、どこへ行っていいか分からない、どういう病気か分からない、まずは病名を決めて、診断をしっかりと付けたいというところの希望というのは、患者さん、一般医家の方々にとっては非常に大きな問題だと思うのですが、そこの話になると思うのです。したがって、非常に重要なポイントだと思いますが、横手先生のほうは医療従事者に対して、疾患の周知・診断に資する情報の提供ということで、様々なやり方があると思うのですが、先生としては何か特にアイディアと言いますか、何かございますでしょうか。

 

○横手参考人 これは 300 幾つの難病を全て考えると、なかなか私の考え及ばないところがあるのですが、我々の病気でいうと、早老症という病気があることは、テレビなどで一般の方が漠然と知っていると思うのですが、実はこの病気の特徴というのは、先ほど申し上げた皮膚の潰瘍ですとか、糖尿病を合併しやすいとか、そういうことが診断の糸口になっていくということはほとんど知られていません。医師であっても、専門家でないと知らないことが多々あると思います。そういうことを知らしめる情報の提供ができるといいのではないか。それは、ただ単にホームページに載せるだけなのか、あるいは各医師会へ周知するのか、学会レベルへ周知するのかという手段はあると思いますが、そういうことを行う仕組みがこれまで全くありませんでしたので、そのような中に、この支援ネットワークが新しく一石を投じてくださる可能性があるのかなと考えております。

 

○渥美委員 関連して質問です。北海道大学の渥美です。横手先生にですが、仮に私が北海道のある地域で患者の疾患を疑ったとしたときに、学生時代に丸暗記したウェルナー症候群かなと思っても、そのときに是非先生にお尋ねしたいと思っても、なかなか直接は難しいと。私は北大の教授ですから、先生に直接聞けますが、通常のドクターの場合はかなりの図々しさが必要ですよね。現状では、一般医家の方からは、どういう形で研究班に問合せがいっているのでしょうか。

 

○横手参考人 私どものところにも、年間に数名から 10 名ぐらいの照会がございます。もちろん診断が違う場合もあるのですが、ご相談下さるのは、まずは先生がおっしゃるようにある程度勇気のある先生方かもしれません。ホームページを見たり論文を見て電話をしてくださる、あるいはメールを書いてくださる。そしてそれらの先生方とやり取りをして、まずはこのような診察をしてみたらどうでしょうか、検査をしてみたらどうでしょうか、地元でできる検査をしていただいて、怪しいとなったら血液を送っていただく、そういうプロセスになります。私と渥美先生でしたら、気軽に問い掛けられるかもしれませんが、おっしゃるとおり、その陰には聞いてみたいけれども聞けないという方が多々おられるのではないかと。

 

 各県に少しでも詳しい先生がいらっしゃれば、そこに聞くことは少し敷居が低いかもしれませんが、もっと皆さんが知っている、こういう支援ネットワークのようなものがあって、窓口に医師でない事務の方などがいらして、分かりやすいホームページでスマートフォンからもアクセスできるようなところがあれば、その敷居を下げてくださって、そこから各専門家に送るということは、診断の向上をものすごく後押ししてくれるのではないかと想像はいたします。

 

○千葉委員長 特に希少疾患の場合に、各都道府県に専門の方がいらっしゃるわけではないので、こういう中央の話が極めて重要だというのは私も認識しておりますが。

 

○福永副委員長 似たような質問なのですが、私も中央コンサルテーション・システムというのは非常に分かりやすいシステムだと思うのですが、例えばこの小児慢性疾患のいろいろな学会がありますが、先生の所からこの学会の担当者というか、この人に聞いたらリストアップできるというような形で担当者は決まっているのですか。

 

○掛江参考人 全ての学会ではないのですが、各担当を置いてくださっている学会様については、リストは全部頂いております。あとは、学会の中に小児慢性疾病委員会のような委員会を設置して頂き、そこへコンサルトを投げるというような契約になっている場合もあります。適宜そちらの委員会のほうで担当の先生を指名して、回答をくださるような。

○福永副委員長 結局、先ほどの横手先生の話もそうなのですが、誰にどういう形でアクセスしていいかというのは、普通の人は分かりにくいのです。だから、そういう意味ではそういう形で、はっきり担当者を決めていただいたら分かりやすいというか、アクセスが非常に容易になるのではないかと思うのです。

 

○五十嵐委員 補足させていただきます。小児慢性特定疾病は難病と違って、各疾病ごとの研究班というのはなかったのです。小児慢性特定疾病だけ全体を研究する班が 1 つだけでした。しかしながら、班員は小児の内科系の主なる部分の専門家の先生方から集まる委員会でした。これでは小児慢性特定疾病のいろいろな情報に対して対応できないということで、私が小児科学会の会長のときに小児科学会の中に、小児慢性特定疾病委員会という常設の委員会を作りました。全ての小児内科の subspecialty の学会と小児の外科系の学会の代表に委員として入っていただきました。そして、この委員会が厚生労働省の小児慢性特定疾患の研究班を支援する形で一緒に活動して戴きました。例えば 704 の小児慢性特定疾患のリストを作る作業、疾患毎の診断基準を作る作業などを行って戴きました。

 

 診断や相談につきましては、常設の委員会で毎年サブスペシャリティの各学会に担当の委員を決めていただいていますので、 1 年に 1 回はリニューアルされ、担当者が明らかになっています。ですから、そこにたどり着いて相談できるという形になっています。この事業を運営するために、厚生労働省から資金面で御支援を頂いています。資金はまず小児科学会にはいり、小児科学会から外科系を含めた各 subspecialty の学会に配分させて戴いております。

 

○千葉委員長 具体的なお話をお伺いしました。

 

○森委員 患者団体の森です。今おっしゃっていたように、どの医療機関でどのような診断が付くのかどのような治療が行えるのかというような情報は、みんながほしいところだと思いますし、その情報だけがあっても、しっかりと問合せができて相談もできてというところは、とても大事だと思いますので、是非、難病医療支援ネットワークの赤で囲んでいただいた所には、事務局を置いていただき、そこがしっかりと丁寧に相手方に紹介できる、つなげるという機能を是非持っていただけると、アクセスもしやすいのかなと思います。

 

 そして、早老症の研究班の横手先生からのお話がありましたが、研究班のところからも患者団体の設立支援も行っていただき、研究者と患者さんとの交流もあって、生の声がきちんと研究に生かされ、それが患者さんにもきっちりと届いているというところは、大変ありがたいことだと思います。患者団体では、医療費助成のことが話題になりがちですが、まず基本となるのは研究、そしてそれが治療につながることですので、医療費助成を受けるための手続をするには臨床調査個人票などの費用等も払いながら、研究というものに理解をしながら、私たちも参加協力を積極的にしていきたいので、このように患者さんたちに研究が見える形で情報が還元されるのは、特に研究協力をもっとしたいということでも申請も増えていくのではないかと思いました。

 

 都道府県での医師であったり、支援センターで相談を受けておられる方々についても、どのような疾患なのかという当たりを付けていかないと、なかなか相談も難しいですので、例えばそれぞれの研究班の先生方になるのか学会になるのかは分かりませんが、診断が付くような特色的な症状などの DVD か何かを作成していただきながら、それも参考にできるような形というものを、この医療支援ネットワークが中心となって投げ掛けていただきながら、そろえていただけると、早期診断につながるのではないかと思います。

 

○千葉委員長 今お話があったように、支援ネットワークのハブとなる事務局的なものを置くということについては、皆さん御異論がなさそうに私自身としても認識しましたが、もう 1 つは、今の小児慢性のお話もお伺いしていますと、そこにある程度専門性を持たせるというか、専門的なところへのネットワークが可能になるというものを作らないといけないのではないかという認識も、私自身としても感じた次第ですが。

 

○鶴田委員 掛江先生にお聞きしたいのですが、 13 ページの「相談者別」では行政とか医療関係者がすごく多くてびっくりしました。この数字とその前の数字、年間 100 万件の中の分類をすると、全く違う数字が出るのではないかと思うのですが、そこは分からないですね。

 

 もう 1 つは、前回、宮坂先生から御紹介があったときに、子供の相談と大人の相談は別で、大体同じぐらいの数字でしたか、それとも 10 倍ぐらい大人が多かったのですか。

 

○宮坂参考人 我々の所は月に 200 万から 250 万件のアクセスがあるのです。相談者別に見ると、先ほどの掛江先生の御発表と全然違っていて、我々の所は 64 %が患者なのです。患者からの問合せが圧倒的に多いのです。それ以外に、医療従事者が 14 %、企業が 14 %ぐらいなのです。

 

 基本的に子供のことに関しては、全部掛江先生のほうにお願いしていて、我々はいわゆる指定難病プラスその類縁疾患に限って対応しているということです。

 

○鶴田委員 そうした場合に、事務局は 1 つではなくて、例えば掛江先生の示された 18 ページの 20 歳前後の人たちと後ろのほうを分けてやるのか、今の小児慢性のほうは非常に専門性が高い資料を作られていると思うので、それはそれで生かしていくほうがいいのかなと思います。

 

 対象者が何かによって、どういう情報を提供するかが変わると思うし、先生の所の 12 ページと 13 ページの相談者数は、きっと違うのではないかと思います。分かれば教えてほしいのですが、 12 ページの場合は、やはり患者さんが多いのかと思うのですが如何ですか?

 

○千葉委員長 今のポイントは 2 つに分かれていて、小児の慢性の相談と成人の相談をどう対応するのかという問題と、もう 1 つは患者さんの質問と医師側からの質問と 2 つの種類があるという、その 2 ワームが御質問としてあったと思うのです。そういう観点でお答えいただけたらと思います。

 

○掛江参考人 まず、患者様の御質問と医師の質問に関しては、 12 ページでお示ししているのはホームページへのアクセス動向ですので、アクセスされた方が医療者なのか患者様なのかということは判断できません。申し訳ございません、回答が難しいかと思います。

 

 ただ、 13 ページの行政機関の従事者が 63 %と書いておりますが、この中の質問の中身は、小児慢性特定疾病の対象として認定していいかどうかというもので、各自治体は対象基準を満たしているのかどうかの審査を医師に集まっていただいて審査をする審査会をお持ちなのですが、その中で出てきた医学的な疑義照会について行政の担当者から質問されるということがあります。行政関係という 6 割の中のかなりの部分が、実際にはその後ろにいる医療者の先生方からの御質問となっておりますので、この相談者別の表も、集計の仕方で事実と違う見え方をしてしまうかもしれないかと思っております。

 

○西澤委員 診断率の向上ということを目指すとして、実際には何々病を疑というところまで届けば、それは宮坂先生の御尽力で、情報センターできちんとした情報を提示していただいて、どの医療機関であるとか、どこで医療診断が可能であるということまで情報を提示することはできると思います。そこは、そういう仕組みを充実させていけば、恐らく多くのニーズには応えられると思います。

 

 ただ、もう 1 つの相談は何だか分からない、どのようにアプローチしたらいいのかという、前回もアルゴリズムの議論があったと思うのですが、その点でどういうサポートをされるかです。小児慢性の場合には、今それをどのようにしておられるのかということなのです。 IRUD は遺伝性の疾患について、これは網羅的に調べるという仕組みなので、そういう情報はいらなくて、いきなり遺伝子から答えを出そうというやり方だと思います。そうでない場合の、例えば、どういうものを疑ってどうしたらいいのかという形の相談にはどのようにお答えになっているのでしょうか。

 

○掛江参考人 具体的な疑い病名すら付いていないような方の御相談は、まだそれほど多くはないのですが、一応どういう症状が出ておられるのかということを確認して、それを先ほど五十嵐先生から追加の説明がありましたが、我々は今まで御協力くださっている様々な専門医の先生方と常につながっておりますので、何名かの先生方、その症状に関連する診療をしておられる先生方に私から打診をして、疑い病名も付いていない段階だけれども、こういう患者様が、もし先生の所に御相談したいとおっしゃったら診ていただけますかという形で、診ていただける先生をまず探して回答いたします。

 

 そういう先生方については、特に小児科の場合には希少疾患に詳しい先生方がグループの中で何名かおられますので、そういう先生方に御相談させていただくと最終的には大体どこかに落ち着くかという認識をしております。

 

○千葉委員長 今のお話をお伺いしていると、やはり入口のところでしっかりした診断を付けるという中に、どういう疾患か分からないとか、どういう所にコンサルトするのが一番いいのかということで困られるケースが結構ある。西澤先生の御指摘はそういうところだと思いますが、私もそのように考えております。私の個人的な意見としても、新しい支援ネットワークは、できればそういうところまで踏み込んで、何らかの形で対応できるものを作るべきだと思います。

 

 既存の、よく分かっている難病の相談の場合とどのように切り分けるのかというのは、今、難病情報センター等との役割分担ということにもなろうかと思います。ある意味、後でディスカッションをしたらいいことであって、非常に重要な機能として、そういうことを設けることには何となく御異存ないかという印象を受けました。宮坂先生は何か御意見ありますか。

 

○宮坂参考人 大きな異論はありません。小児のシステムは非常に良くできていると思います。我々は指定難病を中心にやっておりますが、大人の場合を考えたときに、掛江先生の 15 ページのスライドの表を使って少しお話をします。事務局が国立成育医療研究センターという、きちんとした公的な機関にあります。これを難病情報センターに置き換えると、難病情報センターは公益法人で国の機関ではなくて、そこからそれぞれの先生にお願いしても、なかなか答えてくださらない。皆お忙しい先生なので、なかなかすぐに情報が戻って来ないという問題が 1 つあります。

 

 もう 1 つは、先ほどの五十嵐先生のお話でも、これは小児科学会の中にある学会ですが、大人の場合、指定難病は内科学会、腎臓学会、消化器系学会、循環器学会と様々な疾患があります。今の時点では、誰かが同意して契約を結び、それぞれの学会とコンサルテーションをしようという仕組みは今のところなかなかないわけです。

 

 今のところ我々が持っているのは、研究班はありますので、特に 56 疾患のときには情報企画委員を班長から作っていただいて、その人とやればよかったのですが、今、このように疾患が増えてくると、なかなか全ての疾患を網羅的にできない。本当は研究班と学会が対応してくださればいいのですが、そのときにちょうど小児科学会の下に入っているような関係は、大人の場合ではないのです。それと契約がないという点が少し違います。

 

 ただ、だからできないというのではなくて、だからこそ、そういう点に配慮しながら、こういうコンサルテーション・システムを作っていくことは必要だと思います。

 

○千葉委員長 ありがとうございます。かえって小児よりは難しいという印象は私自身も持っております。それと関連して、そうするとどこでやるのかという話が今後は持ち上がって来ると思います。それは後でディスカッションするとして、どういう機能に重点を置くのかという話になります。やはり、できるだけ御支援いただくとしても無尽蔵に御支援いただけるわけではないし、人数にある程度、関与する人たちにも限りが出てくると思います。

 

 例えば、今のお話で言うと、割と専門的なコミュニケーション、それに地方のお医者さんからこういう患者さんがいるけれども、これはどういう病気で、どこに相談したらいいのかという類の話、これも小児にもありましたが、患者さん側から私は小児慢性に該当しますかとか、助成を受けられますかという患者さん側からの質問、それから行政側から、こういう症例は行政的にどのようにしたらいいのでしょうかという話、質問されてくる側から大きく 3 種類ぐらいに分かれると思うのです。

 

 そういう機能について、想定されているネットワークの中心部門としては全てを扱うのか、どこに中心を置くべきなのかという辺りについて御議論はいかがでしょうか。これは多分お立場によって違うと思うのですが、それを理解した上で。

 

○徳本難病対策課長補佐 事務局から改めて補足します。本日の資料 1-2 及び資料 1-2 の別添の 2 枚目を出した趣旨として、まず、資料 1-2 1 番目に書いてあるように、拠点となる医療機関、病院の診療を支援するために情報の充実化以外に何が求められているのかということに注力して御議論いただけたらと思います。先ほどからお話に出ている患者さん等からのお問合せ、診断に資するビデオもそうですし、ほかの症状を示したものも、前回の議論の繰り返しになるかもしれませんが、難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センターの情報の充実化で対応可能であると考えております。

 

 改めて資料 1-2 の別添の 2 ページを御覧ください。拠点となる病院が都道府県内で難病が疑われる患者さんを診療したときに、県内の専門家では対応が難しい状況において全国のネットワークとしてどのように支援をしていただくのか、いわゆる情報の充実化だけで済む部分は、もう既に前回、御議論し尽されていると思っておりますので、情報の充実化以外にどのような支援が求められているのかということに注力して、御議論いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

 

○千葉委員長 そういうお話を頂きました。確かにそこのところは非常に重要です。いかがでしょうか。今、出てきたような役割以外というか以上に、どういう役割を担ってほしいのかということで。

 

○羽鳥委員 日本医師会の羽鳥です。もちろん、悉皆性のある正確な患者さん情報が一番大事だと思います。ただ、小慢から指定難病に移行して来る患者さんもおられるでしょうし、同じ患者さんを小児で診る場合から指定難病として、大人で診る場合があるので疾患概念の統一化と患者さんデータベースの情報の一元化も必要、情報のデータベース化、個人情報に十分配慮しながらデータを移行していくシステムを、このネットワークで作るのも大事なことだと思います。

 

 マイナンバーによる識別となると問題が出てくるかもしれませんので、医療等 ID など個人情報に配慮した番号で管理することも必要です。国の動きともよく相談しながら個人の情報の悉皆性というのでしょうか、二重登録もなく漏れもなくきちんとできる仕組みを作っていく、そのようにしてデータベースを膨らませていくことが、早く診断につながり、早く良い治療につながることだと思いますので、その辺も、このネットワークでは生かしていただきたいと思います。

 

○千葉委員長 これは、小児から成人期への移行について、このネットワークが重要な役割を果たすべきだという御意見で、これは、もう 1 つの大きなポイントであろうと思います。小児慢性ではネットワークを作っておられて、そことうまく連携させる。それこそ、また連携の話になるかもしれませんが、 1 つの大きな課題としてはそれがある。それについて、何かもう少し具体的にこういうアイディアがあるとか、このようにしてはどうかという辺りについて何か御意見ございますか。

 

○村田委員 情報の連携ということではなくて、今日の話は難病医療支援ネットワークに付いている事務局に何をするのかということだと思います。結局、先ほど御説明があったように、難病診療連携の拠点となる病院から何らかの質問がくるということだと思います。そうなると先ほどの患者さんから、これが特定疾患に入るのかとか、市役所や保健所からそういう話が来るということは普通考えられなくて、それは、それぞれの拠点となる病院でカバーできてしまうと思います。難病医療連絡協議会というレベルでいけてしまうと思います。

 

 そうなると、非常に診断が難しい、病気に関して先ほど少し御議論があったような診断をするための中央コンサルティング機能や、診断をされた場合に、ほかの難病もそうだと思いますが、特に神経疾患の場合、診断はしました、でも何も治療はありませんと言って終わってしまうものが実は結構あるのです。それは非常に問題で、そこで対症的であっても何かすることがあるという、極めて専門的な情報を出してもらえるというような仕組みが必要で、それも中央コンサルティングの 1 つかと思います。ですので、診断と治療に関する中央コンサルティングの窓口、取りあえずそこに電話をすればどこかにつないでくれるという窓口が、多分、事務局機能だと思いますが、必要と思われます。

 

 小児の仕組みは非常にうまくできていて、五十嵐先生が小児科学会をおまとめになったということが一番大きいと思うのですが、大人はとてもこうはいかないという感じで、例えば、国立高度専門医療研究センターもこの中に入っておりますので、神経系や循環器病に関しては、それぞれの NC ができると思います。それに入っていない病気をどのようにするのかが難しい。そこをどのように考えるのかということが、現実的に大きな問題ではないかと思います。多分、神経系と循環器系の疾患に関しては、成育医療センターに教わりながらやればできると思います。

 

○徳本難病対策課長補佐 今、村田委員から御質問の成育医療研究センターや精神・神経医療研究センター、循環器病研究センター、国際医療研究センターが受け切れない疾病についてどのようにするのかという話です。皆様にご存じのとおり、難病法の施行以来、指定難病については 306 疾病まで広がっております。従前の 56 疾病から対象となる疾病が 306 まで増えたところで、各政策研究班にお願いして、 306 疾病それぞれにどこかの研究班が担当になるように調整しております。

 

 そういう意味で、少なくとも指定難病及びその類縁疾病に関して、誰かに聞きたいなというときには、もう既にその名簿は出来ている状況です。また、研究班だけではなく、各関連学会についても専門医機構の基本領域の 19 学会には我々からお願いに上がり、各学会として難病施策に御協力いただくための窓口となる理事の先生や、そういう方を登録していただいております。

 

 具体的に難病医療支援ネットワークができて事務局が出来た暁には、その事務局から学会や個別の疾病に対応する研究班に御協力をお願いするというルートは、ある程度、容易にできるかと思います。

 

○千葉委員長 今、厚労省では着々と準備というか、そういう動きはしていただいているというところです。そういうものをバックグラウンドに事務局が活動できるであろうというお話です。その中で、今のところできるだけそういうものを活用できるような専門的な応対を可能にすべきで、なるであろうというお話と、小児と成人への移行について、ここがしっかりとしたスムーズな移行ということについて、重要な役割を担うべきであるという話でした。

 

1 つ言えば、それこそ上手なネットワーク作りになると思います。それ以外に何かこういう役割というところで。

 

○本田 ( ) 委員 議論をきちんと把握していないので、とんちんかんなことを言うかもしれません。この事務局機能というか、こういう役割の中に、こういうところもあるのではないか。ほかの役割があるのならば別にいいのですが、勉強不足なのですが、例えば、がん対策情報センターで仕事を担っていただいているものの中には、人材育成みたいな部分もあって、それは専門医というわけではなくて、それぞれの学会や研究班がきちんとやっていらっしゃるのですが、各地で難病の場合も各拠点の病院とか、いろいろな所で患者さんの相談支援をされるのだと思います。

 

 その相談支援の質の向上や均一化、ある程度、今ある情報をどのようにきちんと患者さんに提供するのか。推測するに、やり方は難病の場合もある程度そういうところが必要なのではないかと思います。

 

 がんの場合も、それぞれの拠点病院の相談員の育成、質の向上のためにいろいろな活動をされている。その事務局的なことをやっているということが、 1 つの役割としてあります。もしもほかの所でそういうことをやっているということならば恐縮なのですが、例えば、そういう役割もどこかでやってもらう、その 1 つとしては、ほかにいろいろな部分もあるのかもしれませんが、人材育成もあるのではないかと感じました。

 

 もう 1 つは、先ほど羽鳥先生がおっしゃっておりましたが、難病はがんと違ってたくさんあるので難しいのですが、今、がんはがん登録とか拠点病院で様々な登録を始めていて、それも、がん対策情報センターの事務局を 1 つ設けて、登録の仕方 1 つについても細々と、すごく難しいことがありますよね。登録の仕方を間違えると全く使えないデータになるということもあるので、そういうシステム作りとか、ハードとしてのシステムはあるのかもしれませんが、各病院でそういうことを登録してもらう人への人材育成とか、そういうこともがんではやってもらっております。難病の部分でもそういうことも今後はとても必要になると思います。ハードだけではなくて人の育成も担ってもらってはどうかと思いました。

 

○千葉委員長 いいアイディアを頂きました。がんでは確かにそういうことがなされていて、全国均一な人材の育成ということです。そういうこともここの役割としてはすべきではないかというお話と、登録は、難病については従来からずっと登録の話が出ておりますが、そういうところに関与すべきではないかというお二つの御意見を頂きました。そこら辺も含めて何かございますか。

 

○福永副委員長 情報ネットワークの大きな仕事としては診断と治療という観点で考えると、情報ということで診断が主になると思います。がんと違うところは、私は鹿児島に住んでおりますが、治療という点については、今は全国どこでもいい病院があったら患者さんが自ら出掛けていく時代です。

 

 ところが、難病となると逆に言うとそういうわけにはいかないことも多いわけです。そういう意味から言うと、連携を含めた難病医療拠点病院、あるいは、そこの中でのコーディネーターの役割、恐らく、そういうことも今後議論されることになると思います。がんと対比して考えたときに、診断と治療という点で、特に治療という点では大きな違いがあるのではないかと思います。

 

○本田 ( ) 委員 治療の相談は基本的に先生にがんもつないでもらうことが一番重要で、その入口で何に悩んでいるのか、生活上の困ったこと、実は福祉サービスにこういうことがあるという、何に悩んでいるのか分かりません。相談支援センターへ行っても相談員の力量で、それを解きほぐしてきちんとつなげてくれる人もいれば、よく分からないということで終わってしまう場合もあります。私が言っているのは、そういう辺りの育成ということなのです。ほかの所でやっているということであれば、全然問題ないと思っております。

 

○春名委員 春名です。私も中央コンサルテーション・システムのことには、すごく関心があります。大人の難病についても、こういうイメージでできるように進めていっているのかと思ったところです。そのときに、やはり一番重要になってくるのが事務局機能で、分からない疾病の相談があって診断ができないときにどのようにそれを考えていくのか、相談に乗っていくのかというところがすごく難しいと思いました。

 

 今、掛江先生が御自身でやっておられるということで、あとはほかの研究員の方もいらっしゃるというお話でした。やはり、これはすごく難しくて専門性が高くて資質の面や、長く経験を積み重ねていくことで、コーディネーションもうまくできていくようになっていくのではないかと思います。

 

 そこら辺の、事務局で相談に乗られる人に必要なことだとか、研究員の方はどれぐらい経験を積まないとこういう相談には乗れないとか、そういう具体的なお話、あとは具体的に便利なツールを使っているとか、具体的なイメージが分かるようなお話をもう少しいただければと思います。

 

○掛江参考人 申し訳ありません。きちんとしたツール等にまとめるほどの経験ではないのですが、ただ、小児慢性特定疾病の 2 回の見直しにここ 10 年ぐらい関わりましたので、その 10 年という時間の中で、小児慢性特定疾病の各疾患の専門性の高い先生方、新しい疾病の診断にお詳しい先生方、いろいろな先生方に直接コンタクトを取らせていただき、私もどちらかというと図々しいほうなので面識がなくても直接お電話させていただいたりということも重ねている中で、先生方にこちらのセンターの業務を認識していただいて、関係性を作って御理解いただいて、今無償で協力していただいている状況です。

 

 確かにネットワーキングに関しては、何をどのようにしたらうまくいくのかと言われると、十二分にポイントを押さえた回答はできないのですが、きちんとした専従のスタッフを置いていただいて、その方に経験を積んでいただく。私の場合、国立成育医療研究センターに所属しているものですから、それこそ五十嵐理事長始めいつでも相談ができる専門性の高い先生方が身近におられましたので、分からないことをどんどん聞くことができ、スーパーバイズもしてもらえた環境でした。

できれば、新しい事務局機能の担当をしていただく方にも専従の方を、是非複数名置いていただいて、ある程度の期間長く経験を積んでいただいて、コーディネーションをしていただくことが望まれるのかと感じております。

 

○西澤委員  2 点あります。 1 つは、難病医療支援ネットワークの事務局が何をするのかを明確にするのであれば、拠点病院サイドから、このセンターに何をしてほしいのかを聞くことも 1 つの方法だと思います。

 

 第 2 点は、がんの拠点病院を作るときに最初に何をしたのかというと、 1 回切りの施設整備費が 200 万円ぐらい出されたと思います。その後、診療報酬上、点数化されてどこもそれを取りに行ったという経緯があります。拠点病院に人を配置するとか、専門家を配置するとコストがかかるのです。必要となれば、財政的支援や人の支援が出るのではないかと思います。

 

○千葉委員長 ありがとうございます。まだ、意見もあると思いますが、何が求められるのかという点については、今出てきたのは、 1 つは、より専門性の高いコミュニケーションができて、専門性の高い事柄についてネットワークを生かせるということです。もう 1 つは、小児から成人への移行というところに重要な役割を担うべきであるということ。先ほど出てきたように、全国レベルでできるだけ均等化したような人材育成ということをここが担うということが 1 つのアイディアという話。

 

 患者さんの登録システムです。これは、私もどのように関与できるのか考えていたところなのですが、正に次年度から移行措置が外れていって、軽症の難病患者さんへの助成がなくなるところで、登録の問題は非常に重要です。私自身としては、遺伝子診断というか遺伝子相談というか、そういうところもここに役割というものを 1 つ担うべきではないか。今日 AMED の方が来ておられるので後でお話がありますが、そこは 1 つ大きな役割かと感じました。

 

 今お話があった中で、拠点病院が何をしてほしいのかという意見を吸い上げる必要があるのではないかということ、例えば、こういうことについて役割をどのようにするのかという委員会、研究班のようなものを作ってもいいかと思いました。時間がないのですが、資料 1 2 を具現化するための話になるのですが、 2 番目に、指定難病全てを対象にするのか、ある程度、中心的な照準を当てるのかという辺りはいかがでしょうか。私は今まで走って来たような大きな、患者さんが比較的に多いような疾患の場合には、広報活動や患者さんの認識も含めてかなりなされているので、ある程度、希少難病に照準を当てる方向でやったほうがいいのではないかと思っておりますが、そこら辺はいかがでしょうか。

 

○西澤委員 希少かどうかということよりも、先ほど村田先生がおっしゃったのですが、今日、御紹介があったような小児のシステムを敷衍すれば恐らく神経系と循環器系は対応可能だろうと思います。大人の場合に、そこで受け切れないような疾患をどうするかということが残っているので、その体制をこういう事務局がちゃんと担保できる仕組みを作っていけばいいのではないかと思います。

 

○千葉委員長 具体的な御意見を頂きましたが、そこら辺、どうでしょうか。確かに神経難病などについては、ある意味、今までの制度というのがそれなりにあるわけです。

 

○森委員 都道府県によりまして、拠点となる病院を中心として構築されるわけですけれども、各都道府県での専門医等の地域格差はとても大きいと思います。都道府県である程度の数の専門医がいらっしゃる疾患についても、すぐに紹介ができるように収まるかというところは難しいかもしれないです。そこで、そういう所は支援ネットワークで、今、厚労省のほうからもおっしゃっていただいたみたいに、各分野の学会の御担当者にお願いしたり、難病の研究班の名簿がある所がありますので、様々な疾患の問合せには応じていただきたいと思います。

 

○千葉委員長 ありがとうございます。ほか、よろしいですか。

 

○本間委員 横手先生に伺いたいのですが、私、難病団体の本間と申します。 7 ページの分布図の所ですが、これは各県の病院にウェルナー症候群専門のお医者さんがいてそれぞれで診断が付いたのか。それとも、結局、分からなくて横手先生のほうに問合せ等があって判明したのか。全国規模で 50 人近い症例というのは相当なものだと思いますが、その辺、モデルケースになると思います。その辺、どうなのか教えていただきたいのですが。

 

○横手参考人 まず最初は、この 50 例の前に全国調査を行いました。全国の 200 床以上の病院の主な診療科に、こういう患者さんはいませんかという分かりやすい写真付きのアンケートを、 6,000 施設に送って 3,000 施設から回答を得ました。その中で 300 例ぐらいの患者さんが見つかりました。その中には疑い症例があったり、もう既に亡くなっている方がいらしたりしたのですが、それらの方々を絞り込んで遺伝子診断までいける方たちの血液を送っていただいたりして、この 50 例に至ったというものが大部分です。それから後は各地域で勉強されている先生から、これはおかしいのではないかというのを直接、あるいは地域で詳しい先生を経由して我々の所に御連絡いただいたということです。その全国調査は 5 年前に行いましたので、実は今月、改めて再度の全国調査を実施しており、新たな患者さんの発見につなげたいと思っている次第です。

 

○本間委員 そうしますと、同じように他の疾患もそういうふうにすれば、また掘り起こしと言いますか、できる可能性はあるわけですね。

 

○横手参考人 かなり一般の方に分かりやすい。どうしても医者が作るものというのはなかなか難しい紙があったりして、大体、私もそれで送られてきても、そのままゴミ箱にいってしまったりということがあるわけです。それをできるだけ開いていただけるように、そして誰でも取っ付きやすいような形に落として調査をすると、それなりに皆さん、非常に熱心に対応してくださるのではないかと思いますから 1 つのケースだと思います。

 

○本間委員 ありがとうございます。

 

○千葉委員長 あと、これはより具体的な話になりますが、例えば事務局は 1 か所で担えるかとか、どのような職種の配属が求められるかといった人員体制、それから先ほど予算が要りますよというお話もありました。時間もありませんけれども、ここら辺で特に何かおっしゃっておきたいようなことはありますか。今の議論で言いますと、ある程度専門性を持った医師の配備というのは必要だろうと。中心を担う方としてそういう方は是非必要だろうと思いますが、そのほか何か特におっしゃっておきたいようなことはございますか。

 

○横手参考人 参考人の立場で、よろしいですか。

 

○千葉委員長 どうぞ。

 

○横手参考人  3 点だけ発言させて頂きます。難病とひと言で申しましても、神経、循環器、代謝等々極めて多彩な疾患を包含していますので、それらすべてに精通した人材はなかなか得難いだろうと思います。ドクター G でも分からないのではないかと思います。そうしたときに、まずは事務局体制をしっかりさせてインフラを整備することが大切かと思いました。将来的には、例えば AI などを使い難病 Watson ではないですけれども、患者さんに見られるいろいろな症状をインプットすると、こういう疾患名が出てくるというような可能性もあるでしょうか。今回のプロジェクトとは違うかもしれませんが、厚労省に 1 台でもそういうものがあって難病とつながると、すごく実効性があるのかなと、少し離れた話ですが思った次第です。

 

 もう 1 つは、先ほどの人材育成に関してがんの場合と難病はだいぶ違って、難病の場合は、自分がその病気であることを外に言いたくない患者さんが結構おられるのです。折角患者会があっても参加したくないとおっしゃる方が少なくない。特に早老症なんて言うと人に何を言われるか分からない。また遺伝性のものが多いです。そうすると、家族に迷惑がかかるのではないかと隠れてしまっている方がまだまだおられます。そういうところへの配慮も事務局の方が持つべき部分であって、人材育成、教育につながるところなのかなと思っています。

 

 あとは、先ほど村田先生がおっしゃったと思いますが、診断だけでなく治療というときに、幸い厚生労働省さんでも何年にもわたって診療ガイドラインの充実を各疾患で図っていただいていますので、これを支援ネットワークで充実させて皆さんに精通していただき、診断から治療へシームレスにつながるようにしていただきたいということがございます。

 

 最後に 1 点、「移行( transition )」ですけれども、小児から成人の移行というのは、今、本当に大きな問題です。ただ、白血病が子供のときから大人に移行するのではなく、例えば内分泌代謝の領域で非常に問題なのは小児がんのサバイバーです。今、小児がんの治療成績はとても良くなって多くの患者さんが長生きになられました。ところが、白血病で骨髄移植をする、全脳放射線照射をする。きつい化学療法をすると、幸いがん細胞は死滅したものの、実は身体中の健常な組織にもダメージがあり、それが少しずつ機能不全をもたらし、 15 年たち、 20 年たって下垂体機能不全とか甲状腺機能低下症、副腎不全などがんとは別の病気をもたらすことが多々あります。その結果、ものすごく具合が悪くなって我々の病院に来られ、「自分には何が起きたんだ?」と非常に辛い思いをされることがありますから、小児の病気で治療したときに、将来、こういうことが起きるかもしれないというところまで併せて患者さんや家族へフィードバックし、「移行」の際に医師へも伝達していただけると、本当に患者さんのためになるのではないか。小児慢性疾患と難病をつなぐという意味でそう思いまして、参考人の立場ですがひと言発言させていただきました。

 

○千葉委員長 ありがとうございました。最後に重要なお話を幾つか頂いたかと思います。お 1 人でこの専門性を全部カバーするのはとても難しいので、そこら辺をどういう形でやるかというのは今後の課題だと思います。だからこそ、幅広く専門的に扱える部署という意味の役割は非常に大きいかなと感じた次第です。いろいろな御意見をたくさん頂きましたが、最後に。

 

○益子委員 前回も申し上げましたけれども、事務局からメンバーへ質問をして答えを頂くという一方向でなく、ネットワーキングの中で専門家がディスカッションできるようなシステム、仕組みができればいいのではないか。そうすると、オールマイティの人が事務局を通らなくても、みんなに投げて、その中で拾っていけるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 

○千葉委員長 点と線のネットワークでなく、きちっとディスカッションできるようなシステムづくりという御意見ですね。

 

○徳本難病対策課長補佐 益子委員から、今、 ICT などを使った効率的な情報共有というお話を頂いたかと思います。これに関しては、難病医療支援ネットワークについてまず何をするのかというのを、本日、ご議論いただいた上で、何をするのかが決まった上で、どう運用するのが効率的なのかというのは次のステップの話になるかと思います。しかしながら、益子委員から頂いた御意見は非常に重要だと考えており、委員から御紹介いただいたシステムについて我々も勉強している最中です。ありがとうございます。

 

○千葉委員長 確かに形だけでなく、内容を充実するという意味でも極めて重要だというところですね。まだまだ御意見はあろうかと思いますが時間が来ていますので、今日、幾つか出された意見が、この支援センターのところに反映できるような形にしていっていただければと思います。

 

 次に、 2 つ目の議題に移ります。難病の遺伝子関連検査の実施体制等の在り方について、まずは事務局から、前回 ( 46 ) の対策委員会での主な意見について説明を頂いて、その後続いて難病領域のゲノム研究についてを発表いただき、質疑応答をお願いしたいと思います。まず事務局からお願いします。

 

○甲田難病対策課長補佐 それでは、資料 2-1 を御覧ください。難病の遺伝子関連検査の実施体制等の在り方について、前回 ( 46 ) 難病対策委員会での主な意見を紹介いたします。

 

 1一定の質が担保された遺伝子関連検査の実施体制の確立について、品質管理についてはベストプラクティスガイドラインが参考となる、といった意見を頂きました。また、難病においては検査が件数少ないため、衛生検査所では実施が困難な検査があるとか、アカデミアにおいても研究的側面が薄れて社会的使命から行っているものがあるといったこと、また、実際の遺伝子関連検査の実施体制の問題についての御意見も頂きました。それに加えて、検査件数が少ないために衛生検査所が実施していない検査の実施体制については、確保する必要があるとの御提案も頂いております。

 

 2カウンセリングを含めた検査前後の説明の体制や手法の確立について、遺伝子診断をするに当たっては、きちんとしたカウンセリングが必要であり、疾病によっては、遺伝カウンセリングは複数回必要であるとの御意見を頂きました。

 

 3患者が遺伝子関連検査を受けるための仕組みの確立について、希少疾患の遺伝子関連検査についてはネットワークが必要である、複数の遺伝子異常がある疾病の場合、複数の施設での検査が必要なこともある、保険適用となっている各疾病の検査が、どのような解析方法で、どこで行われているかの情報を把握できるようなリストが必要である、という御意見を頂きました。

 

 以上が、前回 ( 46 ) 難病対策委員会での主な意見です。なお、ゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォースで、本検討会において議論することとされており、前回の委員会で論点として挙がっていた、「有効な治療につなげるためのゲノム情報解析に基づいた治療法の選択の推進、及び新規治療の開発についての研究を更に推進」の部分につきましては、この後、日本医療研究開発機構( AMED )の古澤参考人より、 AMED の取組について説明していただく予定です。事務局からは以上です。

 

○千葉委員長 このように大きく123のような意見を頂いた前回のディスカッションであったということです。次に、今、お話があったように当委員会での検討課題の 1 つとして挙がっていた難病領域のゲノム研究に関して、日本医療研究開発機構 (AMED) の古澤参考人から御説明をお願いしたいと思います。

 

○古澤参考人 日本医療研究開発機構難病研究課の古澤と申します。本日、お招きいただきましてありがとうございます。私のほうは厚労省の担当の方から、難病領域におけるゲノム解析及びその活用のための基盤整備というお題を頂きまして、主に ANED がやっている難病領域のゲノム研究の全体的な絵ですね、そういったことについて概要を御説明差し上げたいと思います。

 

1 ページを見ていただいて、私が担当させていただいた難治性疾患の実用化研究事業というのは、難病克服プロジェクトというプロジェクトの中に入っている事業ですが、この事業しかないので、ほぼ、この事業イコールこのプロジェクトです。特に難病領域でゲノム研究でなくゲノム医療というのを考えたときに、がんを含めた他の疾患とは少しフェーズが違うというか別の側面が必要で、先ほどから議論がたくさんありますように診断をまずつける。そのためのゲノムの検査ですね、ゲノム医療という意味でまず診断をしっかりつけることが重要で、例えば病理で診断がついて、その次のステージでゲノムが絡んでくるというよりも、 306 ある指定疾患のうちでかなりの数が遺伝子診断が必要ということなので、そういった意味でもちゃんと診断をつけていくというフェーズが、まず第一にあると思います。

 

 ただ、先ほど村田先生からもありましたが、診断をつけて「はい、それで終わり」という意味ではなく、これをいかに次のステージ、つまり治療後の開発につなげていくかというのは、今、 AMED の中でもかなり議論されているところですので、第 1 弾で診断、その次にそれをどうやって治療法に結び付けていくか。そういうところのフェーズで、今、我々の研究は考えているところです。

 

2 ページを見ていただいて、大きく分けて 5 つのものが、今、 AMED の中で走っているということです。 1 つは黄色の1遺伝子解析拠点→オミックス解析拠点で、これはイコールで後継事業でオミックスの名前に変わったと御理解ください。これは比較的疾患及び疾患領域がある程度読めている疾患に対して、それの遺伝学的解析をしっかり付けていく研究事業です。先ほどから何回か出ましたが、未診断疾患イニシアチブ、 IRUD というのは本当に分からないもので、この疾患は何だろう、領域も分からないし診断名も分からないというところは、この難病の中にかなり入ってきますので、こういった方々を支えるための研究事業が2です。それとは全く別なのですが、臨床ゲノム統合データベース事業という、これは別事業で走っていて、その中の 4 領域の中の 1 つが難病ですので、これについても解説をいたします。そして4、先ほど横手先生から AI の話がありましたが、実はもうプロジェクトとして立ち上がりつつあります。難病プラットフォームという横串の研究班が立ち上がり、そこでは AI の活用が大きな 1 つのミッションになっています。そして最後、5創薬等への実用化、これを全てグランドデザインとして 1 1 つ簡単に解説していきます。

 

 1遺伝子解析拠点は、今年が 2 期目の 3 年目になりますので、厚生労働省から ANED に引き継がれて 6 年間やっている研究事業です。これは先ほど言いましたように疾患とか疾患領域がある程度定まっていますけれども、遺伝学的な解析をして診断をきちっとつけていくための第 1 目的があり、臨床現場から検体の解析の依頼を受けて、主に次世代シークエンサーを用いた遺伝学的解析を行って診断を返していく。ただ、それだけでは研究ではありませんので、当然、そこから新しく生まれた新しい原因遺伝子を発見するとか、新しく病気の機序を解明するというところで、研究者の先生方は研究の成果を出していただくという研究事業です。

 

 現在、この 6 拠点の先生方が入っていますが、 4 ページを見ていただいて来年度からはオミックス解析拠点に名前を変えさせていただきました。というのは、オミックスという言葉は聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、ゲノム解析以外にも分子メカニズム解明のために、ゲノム以外のエピゲノムのところはどうしても外せませんので、そういったところも包括的にきちんと解析をして、診断や病態解明に資するような成果を出していくことも研究事業として必要であろうと判断しました。これは来年度以降、まだ結果はオープンにはなっていませんけれども、この前公募を行い、来年度以降、オミックス解析拠点として走っていくところです。ただ、臨床現場からしっかり解析依頼を受けて、診断やそれに付随する情報を返していくスキームは全く一緒ですので、今までどおり研究でしっかり臨床現場からのニーズにも応えていくというフェーズは変わらないと、御理解いただければと思います。

 

 今の遺伝子解析拠点の成果の 1 つとして挙げたのが、次の 5 ページからになります。これは横浜市大の松本先生が希少遺伝性疾患に関する解析をずっとやっておられて、この 6 年間で約 1 万検体のエクソーム解析をを施行されています。かなり多いですが、 33 種類のヒト遺伝性疾患を世界で初めて同定し論文化しているということなので、この中から難病の新しい原因遺伝子とか機序がどんどん成果として出てきている。数多くの疾患の遺伝子診断を施行して臨床現場に戻していることが、これから分かるかと思います。

 

6 ページにその 1 つの成果例が出ています。これは、 AMED から 2016 9 月にプレスリリースされたものですけれども、小児期早期発症神経変性脳症という疾患の中で責任遺伝子を明らかにしたというプレスリリースになっています。原因遺伝子を明らかにして、それが明日には治療法になりますかと言ったら、そんなことは当然ないのですが、ただ、原因遺伝子を明らかにするということは本当に治療法に結び付く第一歩を踏み出したと。ここからこの機序を解明したら、その機序の中でここをいじれば病態が変わるのではないか。つまり、そこをいじるための薬の開発につながっていくということなので、これは極めて重要な第一歩かなと AMED も考えています。

 

8 ページですが、今度は IRUD のについて簡単に説明させていただきたいと思います。ときどき耳にする方もいらしゃるかもしれませんが、これは希少 (Rare) ・未診断 (Undiagnosed) の患者さんに対して、全国的な診断体制をきちんと構築していくというミッションです。解析は先ほど西澤先生もおっしゃいましたけれども、網羅的な次世代シーケンサーを用いた解析という意味では、先ほどの1と似たようなストラテジーでやっています。また、それをきちんとデータベース化して IRUD の中、若しくは IRUD の外とも共有してデータシェアリングができるようなデータベースを構築していくことを、このミッションとして掲げています。先ほども議論が少しありましたが、難病は診断がつくまでに何年もかかる方がたくさんいらしゃって、全てではないけれども、その中の一部の方々は遺伝性の背景を持った疾患の方も含まれている。そういう方を 1 人でもきちんと全国体制を整えて救っていく。診断をつけていくというプロジェクトになっています。

 

9 ページを見ていただくと、これは実態調査を AMED のほうでやらせていただきました。それぞれ大学病院とかクリニックの先生方に、こういう患者さんはいませんか、 IRUD に紹介したいような患者さんはいませんかと実態調査をさせていただきました。これは全国に広げたときの推計値ですが、小児でも、その他の恐らく成人の診療科でもかなりの数の方が診断がついていなくて、なかなか次の一手が出ないと困っていらっしゃる先生方が、それなりに多くいらっしゃることがこれから分かるかと思います。

 

10 ページを見ていただきますと、これは公開されていてよく出てくる IRUD の診断体制です。具体的に、どういうフローで患者さんはこの研究の中に入っていけるかということですが、まずはかかりつけ医の先生の所に行かれる。そこから、 IRUD の拠点病院が配置されていてホームページでも公開されていますので、そこに紹介受診をして、この方は IRUD の適応だろうと判断されるとエントリーをして、血液サンプルから遺伝学的解析を行う。それだけでなく診断委員会というのが拠点病院に設けられていて、いろいろな疾患の専門の先生方が臨床情報、それから出てきた最終的なゲノム解析の結果を踏まえて、この方の診断はこれだろうということでかなり総合的に判断し、最終的にまた患者さんに戻していく。こういう一連の流れが IRUD の中で構築されつつあります。

 

11 ページを見ていただくと、これが IRUD で対象としている患者さんの基準です。一応、これは公開されているもので説明しますけれども、 1.2 つ以上の臓器にまたがって、一元的に説明できない他覚的所見を有すること。 2. なんらかの遺伝子異常が疑われる病状であること。 1 または 2 6 か月以上にわたるということで、一応、これが適応基準とさせていただいています。そういう意味では、遺伝性の疾患をある程度ターゲットにしたプロジェクトだということと、マルチプルにシステムに異常があって診断が難しい方をターゲットにしている。そのように御理解いただければと思います。

 

12 ページは体制です。成育の松原先生と神経センターの水澤先生が、今、代表でやっておられて、来年以降は 1 つの課題になるということです。これは割愛させていただきます。

 

13 ページは、最近の解析依頼数で松原先生からデータを頂きましたが、 2016 3 31 日で 2,000 例の解析依頼数があり、多数の依頼があって解析を進めていて、なかなか解析が間に合わない現状です。診断率はおおむね 30 %程度なので世界的には標準の数字で、むしろ IRUD はかなりいいほうかなと思います。アメリカのデータを見ていると 30 %を切ってきますので、我々としては遺伝学的解析をして 30 %ぐらいは結果が出せる。ただ、逆に言えば 70 %は未診断のままですので、これをどう解決していくのかを次の AMED のミッションの 1 つとして考えています。

 

14 ページ、 IRUD の成果を少し紹介させていただきます。これは慶應の小崎先生が新しく原因遺伝子と疾患そのものを発見して、 Takenouchi-Kosaki 症候群という疾患として、現在、国際的にも認められた疾患として登録されました。こういったものも IRUD から出てきています。

 

15 ページは IRUD の診断委員会で、これは新聞に取り上げられたケースですけれども、これは名古屋のほうですね。こういう形で数多くの先生方が集まって症例検討会をやり、もちろんゲノムの解析結果だけでなく、臨床症状とか経過などを主治医の先生からプレゼンしていただいて、総合的に診断をつけていく体制も整いつつあるということで御紹介させていただきます。

 

16 ページですが、 IRUD Exchange というインフラを IRUD の中で構築しています。これは小崎先生を中心に進めていただいていますが、ここに症例を登録することによって IRUD Exchange を利用できる方々が、自分の症例で似たような方が他にいないか。いわゆるお見合いではないですけれども、そういったことが可能なシステムになっています。それと IRUD Exchange でいいのは、症状を入れていくと鑑別診断が並んでいって、他にこういう症状はありませんかというのを全部聞いてくるのです。先ほど診断支援サービスとおっしゃいましたが、こういう IT のサービスを難病拠点ネットワークの 1 つのツールとして使っていくのも、ひとつの手ではないかなと考えていました。

 

17 ページで、3臨床ゲノム統合データベース事業について簡単に説明を差し上げます。これは他事業でやっている AMED のプロジェクトになります。 4 領域ありまして、その 1 つが 18 ページの左側に丸で囲んである希少難病の研究班です。ここは先ほど説明したとおり次世代シーケンサーを用いたゲノム解析を行って、そこから得られてきた情報が、右側の赤く囲んである臨床ゲノム統合データベースという緑色の箱に入っていく。ここの所にいたら皆さんに何のいいことがありますかというところが、一番重要かと思いますけれども、実は日本において変異データベースですね、この病気で、この遺伝子のここの塩基配列に異常があると、この病気になるという日本人オリジナルなデータベースはまだないのです。海外のものを使っていて、アメリカの NIH がやっているようなクリンバーとか、そういうデータベースを研究者の皆さんも活用して、日頃、診断をつけていっているのですが、日本人は日本人独特の変異の場所がありますので、これは早く作らなければいけないということで AMED のほうでこの事業が立ち上がり、正に今年度、来年度と進んでいくところですから、その変異データベースを作っていただくと直接患者さんに届くわけではないですが、それを使って診断をつける研究者の先生や企業の方にとっては、非常に重要なデータベースになると考えています。

 

20 ページで、4難病プラットフォームはコンセプトが全く違うものになります。厚労省と AMED のほうで協力してこのプラットフォームの企画を立て、今、 1 課題採択されて研究が正に走ろうとしていますが、難病に関わるあらゆる情報ですね、実用化の研究班や政策の研究班が持っている情報、指定難病データベースや患者さん自らが持っている情報、それらを一元管理しましょうということです。これは研究班が終わって、研究者の先生のパソコンに入った情報が次の研究者に引き継がれないと、日本で 30 人とか 40 人しかいない患者さんの情報が、次の方に引き継がれないのは国家として損失ですから、何とかこれを次の世代の研究者につなげるようなプラットフォームを作りましょうと、そういうので始まったものです。ですからプラットフォームで情報を集めて、それを次の研究に使っていただくというところになります。様々な情報が集まってくると、とても人の手では解析できませんから、そこに人工知能、 AI の活躍する場があるのかなというところです。これに関しては始まったばかりで 1 か月もたたないので、まだ成果というのは何も申し上げられませんが、来年ぐらいに何かしら AMED のほうからいい発表ができればと考えています。

 

22 ページで、5創薬等への実用化です。創薬等への成果例ということで、これは昭和大の加藤先生の所が、限局性皮質異形成という病気の原因となりえる遺伝子変異を発見したのです。そこの遺伝子の変異というのは実はもう既にそこを阻害する薬がありますので、 mTOR 阻害剤を用いたら、この病気に有効ではないかということをこの論文では言っています。この原因遺伝子を見つけることがダイレクトに、今、既に使われている薬の適応拡大、 Drug Repositioning につながるような成果も出てくるというところで、ゲノム研究というのは非常に重要だと思っています。

 

23 ページで、創薬等への実用化ですが、これまた IRUD が出てきます。 IRUD Beyond をカタカナにしてしまいましたが、一応、これはゲノムをゲノム解析で終わらせないという次の AMED のミッションとして、ゲノムの成果を次の創薬につなげるようなところで厚労省とも相談し、今、予算の中に入れさせていただいています。来年度は更にこの研究を進めていこうと考えています。

 

24 ページで、まとめです。難治性疾患実用化研究事業および臨床ゲノム情報統合データベースで難病領域の遺伝学的解析を行う体制整備が進んでおり、原因遺伝子の同定などの成果が見いだされています。 IRUD Exchange 等を通じたデータシェアや、本邦における変異データベースを構築する体制整備も進んできていると考えます。今後はゲノム研究を創薬等への実用化へ発展させる研究のさらなる推進が必要だと考えます。以上です。ありがとうございました。

 

○千葉委員長 ありがとうございました。難病領域におけるゲノム解析、病態解明、その活用のための基盤整備についてということで、 AMED の活動、現況についてお話を頂きました。このように、新しい遺伝子を見つけて、疾患の病因・病態解明、更に、治療に向けて行っていく研究という側面と、実際に患者さんの診断という、両面が重要であろうと思います。 10 ページにあるように、 IRUD の診断連携は、例えば、一番右のかかりつけ医院というのは開業医から病院まで含むと思います。ここではそれがコンサル・シートでこういう名前になっておりますが、恐らくここには、難病だけれども、どの病気か分からないといったような、難病からこのルートに入っていくルートも多分あるだろうと感じましたし、先ほど、 IT AI などを導入することでもって、新しい疾患の診断というところに持っていくことは、正にある意味、今後入ってくる疾患も含めて、難病の政策とも非常に重要に関連すると思います。今のお話につきまして、何か御意見、御質問はございますか。特に難病研究あるいは難病の医療に関連づけてのお話に集約したいと思いますが、いかがでしょうか。

 

○五十嵐委員  13 ページにあるように、小児の IRUD でホールジングシークエンシングをしていただいても、 7 割ぐらいは診断がつかないわけですね。そうすると、その患者さんによっては、残念ながら現時点では、こういったお金のかかる、労力のかかることをしても残念な結果に終わるわけですが、将来、それがまた何らかの、例えば解析の手段を変えるとか、あるいは、情報の処理をもう少し緻密にやることによって、いろいろなことの可能性が出てくるわけですが、検体の保存とか、あるいは、現時点でネガティブデータなのだけれども、将来は役に立つかもしれないという、この辺の両方の管理は、 IRUD としては今後どういう方針があるのでしょうか。

 

○古澤参考人 まずは IRUD の中でしっかり管理をしていこうという議論がなされています。今の時点で、もうここで保管しますと言える状況ではないのですが、先ほど申しましたように、来年、成人と小児は 1 つの課題になります。そうすると、成人のところは今の精神神経センターのミサワ先生の所でバイオバンクがあるので、そこでとかという議論に、恐らくこの 1 2 か月で結論が出てくるのではないかと思いますので、またそれは公表できるかと思います。

 

○千葉委員長 ほか、いかがですか。いわゆる難病班ですね。難病班の中には、現時点で遺伝子が決まっていない難病が多々あるわけです。そことのコミュニケーションは個々でなされているように思いますが、どのようになっているかといった辺りはいかがですか。

 

○古澤参考人 個別の疾患を対象している、政策班とか、そういう所とということでしょうか。

 

○千葉委員長  1 つはそうですね。

 

○古澤参考人 実用化と政策班は、同じ疾患を対象にしている場合は連携することが、今回の公募要項にもはっきりと明記されて、提案書にも記載していただいて、どのように連携するかも全部書いていただくようになりました。そういう意味での、実用化の班と政策班とのつながりは今まで以上にできてきているのではないかと思います。一方、俯瞰的に連携していくとか、全体を見渡していくのは、各研究班ではまだできておりませんので、そういう意味では、先ほど申し上げた難病プラットフォームという所で、基盤として今年、つなげていく事業が立ち上がったら、そういう背景があると御理解いただければと思います。

 

○千葉委員長 確かに今回の研究事業への応募については、しっかりとコミュニケーションを取ってやることを条件としてと、そういう文言が非常に強く書かれていましたので、私自身もそれは極めて重要かと思っていました。ほかはいかがでしょうか。それと、今は難病情報センターとか、そのほか、各都道府県の難病関係のコンサルテーションのほうから IRUD に話を持っていっているというような、そういう具体例はまだというかそんなに多くはないのでしょうか。

 

○古澤参考人 そうですね。難病情報センターと IRUD は密な連携というのは、まだ現時点ではないので、あくまでも拠点病院側でしっかりと、かかりつけの先生に来ていただくか紹介していただく、まずはこのルートでしっかりやっていこうという話です。

 

○千葉委員長 今日の初めにお話したように、事務局といいますか、ネットワークの所が何らかの役割を担当することも、アイデアとしてはあると思います。

 

○宮坂参考人 すみません、参考人ですけど。未診断というのは意味が 2 つあって、ここで言っている IRUD は全く既知の疾患ではなくて、遺伝子を網羅的に調べることで初めて分かる疾患ですね。あと、ここでディスカッションしているもう 1 つのことは、本来なら診断は専門家が診ればつくはずなのだけれども、専門家が十分いないから診断がつけられない。だから、未診断というのは 2 つの意味があって、後者のほうは、それは網羅的に遺伝子を調べる意味が全くなくて、別のメカニズムで診断をつけることを考えなければいけないだろうと思います。だから、 2 つの話をごっちゃにしないようにしないといけないかと。

 

○千葉委員長 ほかは何か、いかがでしょうか。

 

○森委員  20 ページの難病プラットフォームのところですが、この中に患者登録というのがあります。例えば、各疾病団体患者会が行っているような、患者レジストリーを行っている団体などがありますが、その辺の所が関わっていくこともあるのですか。

 

○古澤参考人 はい。正におっしゃるとおりかと思います。今の時点で、どういう形で患者さんも明日から登録できますとは全く言えないのですが、我々が厚労省とも議論を重ねて公募要項に書いたのは、患者さん自らがそこのプラットフォームに貢献していただける。それで、貢献していただいたら必ず何かフィードバックしていく。今、盛んに議論が進んでいますが、例えば、新しく薬を開発するとき、治験というのがありまして、治験をやるときに、こういう疾患で、こういう症状がある患者がいませんかと探すとき、情報を一番持っているのは実は患者さんですね。自分の病気も分かっていらっしゃるし、自分の症状も分かっていらっしゃるので。ただ、患者さん一人一人だと、開発をしたいという企業とかアカデミア、研究者の先生たちはアクセスできないので、そういった方々の情報もきちんとプラットフォームで吸い上げて、逆にそういった方々に、こういう治療法の治験がありますが、どうですかと働きかけるような総合コミュニケーションは、是非ともこのプラットフォームでも実現したいと考えております。

 

○森委員 ありがとうございます。私たちも、日常の生活の中から情報を得ていただいて、 1 日も早く難病を克服していきたいのが希望ですので、是非お願いしたいと思いますし、それぞれの患者団体とか、様々な研究によって行っているレジストリーの、それぞれの疾患によって特色のある入力、情報の必要性がありますので、その辺りも患者会、また、患者さんたちに理解ができる説明の仕方で、是非お願いしたいと思います。

 

○千葉委員長 これは患者会、それから、先ほどの難病班、どちらにも関わることですが、しっかりしたデータベース、レジストリー、それから、患者さんの情報が、遺伝子研究にそのまま使えるようなシステムというか、非常に重要だと思います。ほかはいかがですか。いいですか。

 

AMED との関係につきましては、もともと厚労省で遺伝子研究と疾患研究が行われたのがそれぞれの部署に別れた経緯もありますので、今後、是非とも、既にそういう意識で、公募要項等も含めて、いろいろとしっかり書いていただいてはおりますが、更に強い連携が必要であることは皆さんが認識していることですので、是非よろしくお願いしたいと思います。

 

 それと、遺伝子については前回の議論で、診断基準の要件として入っているものについては保険適用として追加されてきていますが、問題点として、先ほどありましたように、患者数が非常に少ないので、必ずしも保険適用となった全てが日本でチェックできる状況にはなっていない問題とか。それから、今、各研究班が研究として測定している遺伝子というものがあるわけですが、それが卒業問題といいますか、研究という領域から診断という領域に移行していく過程の中で、前回、どこが実際に検査していくのかといったような問題が指摘されて、それについては参考人のほうから、一括して測定できるような場所というか、そういったものを考慮してはどうかというような御意見とか、検体の収集システムも、今あるものをうまく活用してやれるのではないかといったような御意見も頂いたわけです。前回の議論を踏まえ、あるいはそれに加えて、更に何か御意見を頂くことがありますか。

 

○掛江参考人 参考人の立場で申し訳ありません、 1 点だけ。今日、先生方のいろいろな御議論を伺って、また、ほかの参考人の先生方の話を伺いながら、もう 1 度、私どもがやっている活動等も含めて振り返っていたのですが、新しい難病医療支援センターに是非お願いしたいこととして、交通整理というものがあるのではないかと。様々なサポート、様々な支援が求められていて、恐らくここのセンターがそれを全部担うのではなくて、担当の組織や部門なりがそれぞれあると思いますし、既に拠点病院が担当されている業務や自治体が担当されている業務も、役割がきちんと決まっているものも多くあると思いますが、結局、全ての方がどこに聞けばいいかが分かるわけではないので、そういった意味では当方でも、交通整理に近いお仕事はかなり多くやらせていただいていると、今日、お話を伺いながら感じました。ネットワーキングの機能の一つになるかと思いますが、問合わせや情報の交通整理の機能をここのセンターに担っていただけると、最後、どうしても分からないことがあれば、ここに聞けば、適切な所、聞くべき所に紹介してもらえる機能があると非常に便利ではないかと感じました。

 

○千葉委員長 ありがとうございました。そのほか、遺伝子について何か。遺伝子診断、それから、遺伝子研究につきまして、何か追加はありますか。よろしいですか。ありがとうございました。最後に掛江先生に御意見をいただきましたが、これは具体的な話になってまいりますので。先ほど厚労省のほうからも話がありましたように、厚労省としてもいろいろ考えてくださっていると認識しています。先ほども言いましたように、例えば委員会なり、スモールグループでの研究のようなものを通じて、実際の運用方法とか、具体的なところについては検討していくことも必要かと感じた次第です。

 

 いろいろな御意見を頂きました。まとまるのが不十分で申し訳ありませんでしたが、今日は本当にありがとうございます。それでは、事務局のほうから。

 

○羽鳥委員 すみません。「その他」という所でよろしいですか。

 

○千葉委員長 忘れておりました。何かそのほか。

 

○羽鳥委員 今日、すごくためになったと思うのですけども。先ほど、登録のことで、小児から成人へということもあったと思いますけども。西澤先生から御指摘がありましたように、がんのときには診療報酬上の加算をするのがあったのと同じように、病院診療所など登録した医療機関に何かのインセンティブを与えるのがモチベーションの 1 つになるのではないかというのが 1 つ。あと、がんの場合はがん対策協議会が国会の発議で成立して、がん対策事業が大きな力を持っていますね。難病については非常に難しいのだとは思いますが、国会の議論として難病対策協議会のようなものがあると国も予算化など、支援しやすくなるだろうと思うので、そういう動きをこの会でサポートできればいいかと思います。それから、横手先生がおっしゃっていた、小児できちんとした治療をしたために、治療がうまくいったけど、成人になって、ほかの合併症が出たときにどうするかを捉えるために、しつこいですが、登録作業は絶対に必要だと思うので、何とか実現していただきたいと思います。以上です。

 

○千葉委員長 ありがとうございました。参考意見として留めて、記載をお願いします。

 

○森委員 これまでも、この難病対策委員会でも時々意見が出ていたと思いますが、軽症者の登録についてお願いがあります。これまで、軽症者登録制度にて登録証というものが発行されてまいりましたが、この軽症者の登録は研究の推進にはやはり不可欠なものだと思いますし、また、将来重症化したときに、ただちに受給者証に結びつく上でも大事だと思います。そして、また更に、障害者サービスの利用に必要な証明証ともなるものです。登録制度のないままに、軽症者の切捨てを行うことになれば、この患者を再び難病対策のほうに呼び込むのが難しくなってきます。間もなく経過措置が終了する前が最後のチャンスでもありますし、期限が迫っていますので、ただちに検討を始めていただき、是非経過措置の終了までに実現するように、患者団体としては要望したいと思います。

 

 それから、受給者証とか、そして、自己負担上限額管理票などは、様々な形式により各都道府県で作られているわけですが、この制度の利用説明においても、利用しやすさについて差が出ています。例えば、上限額がきたらそれ以上は書かなくてよいと、管理票に書かれている都道府県もありますし、 1 か月分の全体の総額を知って、そして、軽症高額該当とか、それから、高額かつ長期の特例にも結びつくように最後まで記載してくださいという、丁寧な書き方が管理票にされている県もありますので、患者さんにとって利用しやすい受給者証、そして、自己管理票の様式を示して、それらを参考にして作成するように、できれば厚労省のほうから各自治体に指示していただけるように、私たちとしては希望しております。

 

 それから、患者さん、御家族の実態調査も早めに行っていただきたいと思います。これも経過措置が終わって、軽症者の登録が実施されればまだいいのですが、その前に実施されていないとこれらの実態も分かりませんし、貴重な機会を失ってはもったいないので、見直しの根拠も不透明なものにならないように、しっかりとした実態調査を行っていただきたいと思います。これは早急に行っていただきたいので、もしも時間がかかるようなことがあれば、経過措置自体も延期していただくことも御検討いただきたいと私どもは思いますので、議論のほうもよろしくお願いします。

 

○千葉委員長 ありがとうございました。前から議論されていましたが、特に軽症患者さんの登録、それから、対応については懸案となっておりますので、よろしくお願いします。

 

 ほかはよろしいでしょうか。それでは、事務局のほうから何かありますか。

 

○徳本難病対策課長補佐 委員の皆様方、ありがとうございました。次回の難病対策委員会の日程等については改めて連絡したいと考えております。よろしくお願いいたします。

 

○千葉委員長 それでは委員の先生方、皆様方、どうもありがとうございました。

 


(了)

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