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2017年4月26日 第137回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成29年4月26日(水)15:30〜17:56


○場所

ベルサール飯田橋ファースト(ホール)


○出席者

安部、井口、石田、伊藤、稲葉、井上、及川、大西、亀井、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、鈴木、鷲見、瀬戸、高野、武久、田中、田部井、東、福田(小川参考人)、本多、松田(敬称略)

○議題

(1)平成30年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について
(2)その他

○議事

○鈴木老人保健課長 それでは、定刻となりましたので、第137回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席賜りまして、まことにありがとうございます。

 本日の委員の出席状況ですが、河村委員、堀田委員より御欠席の連絡をいただいております。

 また、福田委員にかわり小川参考人に御出席いただいております。

 また、本日は、大西委員、小林委員、武久委員よりおくれて御出席との連絡を受けております。

 以上により、現時点で19名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会給付費分科会として成立することを御報告いたします。

 それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。撤収のほう、よろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

○鈴木老人保健課長 では、以降の進行につきましては、田中分科会長にお願いいたします。

○田中分科会長 皆さん、こんにちは。

 本日の介護給付費分科会より、いよいよ平成30年度介護報酬改定に向けた議論を行ってまいります。真摯な議論を期待いたします。

 本日は、今後の検討の進め方などについて御議論を頂戴する予定です。

 事務局より資料の確認をお願いします。

○鈴木老人保健課長 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 まず、議事次第と委員名簿がございます。

 その後ろに、

 資料1 介護分野の最近の動向

 資料2 各介護サービスについて

 資料3 これまでの指摘事項

 資料4 医療と介護の連携に関する意見交換関係資料

 資料5 平成30年度介護報酬改定に向けた検討の進め方について(案)

 参考資料1 介護保険制度の見直しに関する意見(平成2812月9日社会保障審議会

       介護保険部会)

 参考資料2 療養病床の在り方等に関する議論の整理(平成281228日療養病床の

       在り方等に関する特別部会)

 それと今回、医師会のほうから、冊子が1冊、机上のほうに配付されているところでございます。

 資料の不足等がございましたら、事務局のほうまでお申しつけください。

 以上でございます。

○田中分科会長 ありがとうございました。

 では、早速、議事次第に沿って進めてまいります。

 議題1の「平成30年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について」議論を行います。

 事務局から説明をお願いします。

○鈴木老人保健課長 それでは、資料1〜5につきまして説明させていただきます。

 まず、資料1「介護分野の最近の動向」をごらんいただきたいと思います。

 1ページ「1.介護保険をとりまく状況」でございます。

 2ページ「介護保険制度の現状と今後」ということで、これまでの16年間の対象者と利用者の増加ですが、制度創設以来、16年が経過いたしまして、65歳以上の被保険者数は約1.6倍に増加しております。サービス利用者数につきましては約3.3倍、高齢者の介護になくてはならないものとして、今現在、定着しているところでございます。

 3ページ「要介護度別認定者数の推移」でございます。

 平成12年の介護保険発足当初は218万人だったものが、平成28年4月現在で622万人、この16年間で2.85倍に伸びているところでございます。

 右側にございますが、特に要介護1以下の、いわゆる軽度の認定者の方々につきましては3.53倍と、ここのところについての増が非常に大きいということになっております。

 4ページ「介護給付と保険料の推移」でございます。

 事業開始、2000年につきましては給付費が3.6兆円、第1期の保険料は2,911円が全国平均でございましたが、今現在、第6期におかれましては、保険料は全国平均5,514円、2017年の給付費は10.8兆円まで増加しているところでございます。

 5ページ「(参考)介護保険の財源構成と規模」ということで、いわゆる保険料50%、公費50%で介護保険の財政構成が行われているところでございます。

 6ページは、主なサービスごとの介護費用の推移をグラフに示しているものでございまして、どのサービスにつきましても右肩上がりに伸びているという現状でございます。

 7ページ「今後の介護保険をとりまく状況」ということで、これまでの整理を含めて書いておりますが、マル2番、65歳以上の高齢者のうち、認知症講習が増加していくというようなこと、それから、マル3番、世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯が今後も増加していくというようなこと、それから、マル4番、75歳以上の高齢者人口につきましては、都市部が急速に増加していくというような状況が、今後続くということになっております。

 8ページにつきましては、それぞれ、左側が75歳以上の方々の人口構成、右側が74歳以下の方々の人口構成でございます。

75歳以上の方々につきましては、2030年まで右肩上がりに伸びていきますが、それ以降はフラットになるような状況になっております。

 右側のほうになりますが、保険料の関係になると思いますが、4064歳プラス65歳以上の第1号被保険者につきましては、右肩上がりに伸びていくのは大体2025年まででございますが、それ以降、総数としては減少していくというような状況になっております。

 9ページにつきましては、これまでの介護保険制度の改正の経緯でございまして、平成12年4月から介護保険制度が施行された後、ここにあります4回の制度改正が行われておりまして、今現在、29年度改正ということで法案を提出しているところでございます。

10ページ「過去の介護報酬改定の経緯」でございますが、15年から改定が行われておりまして、15年、17年とずっと続いております。直近では平成29年度に、本年度でございますが、介護人材の処遇改善ということで改定が行われているという状況になっております。

11ページ「医療と介護の一体改革に係る今後のスケジュール」ということで、右側のほうにありますけれども、今回の30年度につきましては、医療計画、それから、介護保険支援事業計画が策定され、なおかつ医療と介護の同時改定が行われるタイミングになっているということになります。

12ページは一億総活躍国民会議のほうにも提出された資料を一部修正しているものでございますが、いわゆる3本の矢.『「安心につながる社会保障」(介護離職ゼロ)(基本的な考え方)』ということを示した表になっております。

 基本的コンセプトに書いてありますとおり、65歳以上の高齢者数は今後も増加し、特に介護を受ける可能性の高い75歳以上の高齢者が急速に上昇していく。特に都市部の伸びが大きいということがございますので、地域包括ケアシステム構築に向けて、必要となる介護サービスの確保、それから、働く環境、家族支援、その他働きかける社会の実現といったものを目指すというのが基本的コンセプトで、一番下にありますが、それぞれ【重点的取組】を、今現在、実施しているところでございます。

13ページ「2.平成27年度介護報酬改定について」ということで、前回改定がどのように行われたかということについて、御存じの方が多数ではございますが、参考までにつけさせていただいております。

14ページが、いわゆる平成27年度介護報酬改定に係る審議報告ということで、特に27年度につきましては大きく3つの柱を立てて改定が行われたということになります。1つは「中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化」という点、2番目が「介護人材確保対策の推進」ということ、3番目が「サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築」と、この3つを柱として前回改定が行われたところでございます。

 続きまして、15ページをあけていただければと思います。

 前回改定の改定率につきましては、御存じのとおりでございますが、▲2.27%ということで、処遇改善につきましては+1.65%、介護サービスの充実分で+0.56%、その他で▲4.48%ということになっているところでございます。

16ページ以降につきましては、前回改定を行いました詳細なものとなっておりますので説明は割愛をさせていただきます。

 続きまして、32ページをごらんいただければと思います。

32ページからが「3.平成29年度の介護報酬改定について」ということで、まさに直近行われました、いわゆる介護人材の処遇改善に推進する改定の内容でございます。

 これももう皆様方は御存じだと思いますので簡単に御説明させていただきます。

34ページにございますが、改定率につきましては、今回1.14%ということで、在宅分0.72%、施設分0.42%の改定が行われたということになります。

 その上にありますが、今回の改定につきましては、介護人材の処遇改善について、平成29年度よりキャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の処遇改善を実施したということになります。

 詳細につきましては、35ページ以降に記載されておりますので説明は割愛をさせていただきます。

38ページ「4.平成29年介護保険制度改正案について」ということで、今現在、国会のほうに提出させていただいております改正案について御説明させていただきます。

39ページでございますが、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案ということで、主なポイントにつきまして説明をさせていただきます。

 今回の改正のポイントといたしましては、大きく2つのカテゴリーに分かれまして、1つは「地域包括ケアシステムの深化・推進」というカテゴリーと、2番目にあります「介護保険制度の持続可能性の確保」の2点を大きな柱として、今回の法律案を提出させていただいております。

 その中で、内容につきまして少し御説明させていただきますと、40ページにありますが、地域包括ケアシステムを深化・推進する観点からの1つ目の項目といたしましては「保険者機能の強化等による自立支援・重度化防止に向けた取組の推進」ということで、この下にあります図を見ていただくとわかるのですが、今現在、市町村におきまして、さまざまな介護保険事業計画ですとか、事業を実施していただいておりますが、今後は、一番左にありますとおり、データに基づく市町村、自治体の地域の課題を分析していただき、それをもとに取り組み内容・目標の計画への記載をしていただき、それを踏まえまして、保険者機能を発揮できるような取り組みをしていただく。その結果を、適切な指標による実績評価をしていただきまして、その結果を見て、結果の公表ですとか財政的インセンティブを付与していこうということを、今、法律のほうで規定をしようと考えているところでございます。

 それだけではなくて、自治体、市町村に対しましては、左下にありますように、国による分析支援ですとか、真ん中の下にありますように、都道府県が行う市町村への支援といったものにつきましても法律の中で位置づけるということを、今、考えているところでございます。

41ページ「2.新たな介護保険施設の創設」ということで、一番上の「見直しの内容」にございますが、増加が見込まれる慢性期の医療・介護ニーズへの対応のため、日常的な医学管理が必要な重介護者の受け入れや看取り・ターミナル等の機能と、一部、生活施設としての機能を兼ね備えた新たな介護保険施設を創設するということで、これを法律の中で位置づけるということを考えております。

 この名称につきましては介護医療院という形にさせていただいて、下段に「☆」がありますが、現在の介護療養病床の経過措置期間につきましては6年間延長するということと、具体的な介護報酬、基準、転換支援策につきましては、当分科会において検討するということを考えているところでございます。

42ページ「3.地域共生社会の実現に向けた取組の推進」ということになります。現在、我々は地域の高齢者の方々の支援をしておりますが、少なくとも支援を必要としている住民の方々は高齢者だけではなく、また、そういった高齢者の方々を支援する方々も、さまざまな地域の問題を持っておられるということがございますので、そういった課題につきまして「我が事・丸ごと」という概念から、地域福祉を総合的に推進しようということで、第1点といたしまして、今後はそういったことを包括した地域福祉をやっていくという理念をまず法律の中で、これは社会福祉法になりますが、理念を規定するということと、この理念を実現するために市町村が、例えばここの下にありますような環境整備ですとか、いわゆる連絡相談体制についてのワンストップサービスを行うような支援体制づくりに努める旨を法律の中で規定する。それから、地域福祉計画をそういった観点からもつくっていただくというようなことを、今回、法律の中できちんと位置づけるということを考えております。

 それに伴いまして、新たな共生型サービスということで下の絵に描いておりますが、例えば障害者の方々が65歳以上になりますと、いわゆる介護優先になりますので、介護保険施設のほうに移っていただかなければいけないわけですが、ただ、これまでサービスを受けていたなじみのある事業所で継続して受けたいということが、今現在できなくなってしまっているところがございますので、今後はそういった障害者サービス事業所が、介護保険事業所も一緒に指定を受けていただいて、これまでの施設の中で、障害と介護のサービスを受けやすくするというようなことを新たに位置づけるということを考えているところでございます。

 これは障害のほうが、介護の事業所の指定をとる場合もありますし、逆に介護のほうが障害の指定を受けるということもございますが、この指定基準につきましては、今後、介護報酬改定及び障害福祉サービス等の報酬改定時に検討するということになります。

43ページでございますが、それ以外の観点でお話をさせていただきますと、左上にありますが「地域包括支援センターの機能強化」ということで、地域包括支援センターにつきましては、まずは自己評価を行っていただく。それから、第三者評価として市町村にも評価をしていただき、これらの評価を通じて、きちんとセンターにおける必要な人員体制の確保を促すというようなことで、こういった機能強化を図っていくということ。

 その右側にありますが、認知症の関係については、今現在、介護保険制度の中では調査研究の推進等が位置づけられているのみでありますので、これを新オレンジプランの基本的な考え方を踏まえた介護保険制度に位置づけるということで法改正を行う予定にしております。

 それ以外に、その下にありますが「居宅サービス事業者等の指定に関する保険者の関与強化」ということで、これは少し細かくなりますが、今現在、いわゆる都道府県が指定をしますサービスと、市町村が指定します、いわゆる地域密着型サービスというものがございますけれども、それぞれ市町村がきちんと市町村内の把握、それから、供給量を調整できるように、これまでは指定拒否というものもございましたが、今回は条件つきの指定拒否みたいな仕組みも導入しようということを、今、考えているところでございます。

44ページは有料老人ホームの関係になります。

 有料老人ホームにつきましては、現在、悪質な事業を続ける有料老人ホームへの指導監督の仕組みを強化するという観点から、未届け有料老人ホームを含め、そういった事業所に対する事業停止命令措置を新設するということ、それから、これまで行っておりました前払い金の保全措置につきましても、これまでは施設で規定をしておりましたが、その義務対象となる者を拡大するということで考えているところでございます。

 その下にありますが「介護保険適用除外施設の住所地特例の見直し」ということでございますが、これは絵を見ていただくとわかると思いますが、A市にいた方々が、B市にある適用除外の障害者施設に入った場合、ここにかかる費用はA市が負担するというのが原則になっております。その後、B市に入っていた人が、また違う、C市に行った場合につきましては、前に居住していたところということになりますので、現行ですとB市が介護給付費を負担することになりますが、もともとこの方はA市に住んでいたということがありますので、そういった住所地特例の見直しにより、A市が保険者になるように、つまり、介護給付費をA市が負担できるような仕組みを、今回新たに見直すということを考えているところでございます。

45ページからが、先ほどの表の介護保険制度の持続可能の確保というところに該当するものでございます。

 1つ目といたしまして「4.現役世代並みの所得のある者の利用者負担割合の見直し」ということでございますが、前回の改正のときに、年金収入280万以上の方々につきましては自己負担の割合を2割にさせていただきましたが、今回はさらに、いわゆる現役世代並みの所得の方々、想定では340万以上としておりますが、それ以上の方々につきましては自己負担割合を3割にしていただくということを考えているところでございます。

 これにより、対象者数が右側にありますけれども、受給者全体496万人のうち、約12万人、全体の約3%の方々が、これの対象になると推計をしておるところでございます。

46ページ「5.介護納付金における総報酬割の導入」ということでございます。

 総報酬割につきましては、既に医療保険で導入をされているところでございますので、医療保険で導入されている総報酬割につきまして、介護保険のほうにも新たに導入するということを考えております。

 これによりまして、左下にありますが、負担増となる被保険者につきましては約1,300万人です。それから、負担減となる被保険者につきましては約1,700万人というように推計をしておるところでございます。

 この辺のスケジュールにつきましては、右にありますとおり、29年度は8月から、総報酬割分については2分の1から始まりまして、32年に全面ということで、段階的な導入を考えているところでございます。

 続きまして、47ページでございます。これは「法律以外の見直し事項」ということです。

 第1点目といたしまして「高額介護サービス費の見直し」ということで、今、一般につきましては3万7,200円のところを、医療保険と同様に4万4,400円まで引き上げるものでございます。

 ただし、下のほうにありますが、これまでの1割負担者に対します年間の上限額の設定ということで、過度な負担にならないよう、年間の負担総額が現行の負担総額を超えない仕組み、3年の時限措置にしますが、3万7,200円×12が年間上限になるようにあわせて設定するものでございます。

48ページ「福祉用具貸与の見直し」でございます。

 福祉用具につきましては、利用者はレンタル費用の1割を負担し、残りの9割分につきましては、介護報酬としてレンタル業者に支払われることになります。ただし、価格につきましては、左側の升目の一番下にありますが、レンタル業者ごとで、仕入れ価格や搬出入、保守点検等に要する費用に相違があるため、価格についてはかなり差があるということがわかっているところでございます。

 こういったことを含めまして、見直しの内容として、国が商品ごとに全国平均貸与価格を公表し、レンタル業者は当該福祉用具の全国平均貸与価格と他のレンタル業者の貸与価格の両方を利用者に説明する。また、複数の商品も提示するということ、それから、3点目にありますが、適切な貸与価格を確保するために貸与価格の上限を設定するというようなことを、今、検討しているところでございます。

49ページ「住宅改修の見直し」の関係でございます。

 住宅改修につきましても、真ん中の点線で囲まれております2つ目の○のところにありますが、公示価格の設定が、住宅改修業者の裁量によるほか、事業者により、技術、施行水準のばらつきがありますので、金額はかなりばらついているということがございます。

 そういったことを踏まえまして、見直し内容になりますが、見積書類の様式を国が示したり、複数の住宅改修事業者から見積もりをとる。また、3番目にありますが、住宅改修に関する知見を備えた者が適切に関与している事例等につきまして、保険者の取り組みの好事例を広く横展開して普及させるというようなことを、今、考えているところでございます。

50ページ「生活援助等の見直し」になります。

 生活援助につきましては、30年度報酬改定におきまして、いわゆる生活援助を中心に行う訪問介護を行う場合の基準の緩和と、これに応じた報酬の設定ということを考えているところでございます。

 下のほうのグラフにありますが、身体介護を行う方々につきましては、一定程度の研修期間がございますが、生活援助だけを行う方につきましては、研修時間の緩和といったものを踏まえた人員基準の緩和及びそれに応じた報酬の設定を行うということを、今、考えているところでございます。

 資料1については以上でございます。

 それから、資料2につきましては、各種サービスについての基本的な考え方といいますか、基本的な事実関係について、1〜23までまとめさせていただいております。

 フォーマットは一緒ですので「1.訪問介護」で御説明をさせていただきます。

 3ページのところにありますが、まず、それぞれのサービスの概要ということで、訪問介護の場合ですと、ここにあります「定義」とか「訪問介護のサービスの類型」、それから、その次のページにもありますけれども、身体介護はどういうようになっているのかというような種類を記載しております。

 また、5ページは概要ということで、通院等の乗降介助の場合の考え方についてまとめさせていただいています。

 こういった概要を示させていただいて、その後、6ページ「訪問介護の基準」、いわゆる必要となる人員・設備等の基準を添付させていただきまして、7ページが訪問介護の報酬の設定の考え方です。どういう形で報酬設定がされているのかということについてです。

 8ページが「訪問介護の請求事業所数」、次が「訪問介護の受給者数」、それと最後に「訪問介護の費用額」といった構成で並べさせていただいておりまして、「2.訪問入浴介護」以下は同じような構成で並んでおりますので、これにつきましては後でごらんいただければと思います。

 続きまして、資料3「これまでの指摘事項」ということでございますが、他の部会ですとか審議会等々におきまして、30年の介護報酬改定についての意見がたびたび出てきておりますので、それらを一括でまとめさせていただいたのが、この資料になっております。

 まずは「社会保障審議会における指摘事項」ということで、2ページが、前回、27年度改定が終わった後の審議報告の中で、この給付費分科会で報告がなされたときの今後の課題として挙げさせていただいている文章でございます。

 【今後の課題】として、次回の介護報酬改定においては、介護保険制度の持続可能性という観点とともに、質の高い介護サービスの安定的な供給、介護人材の確保、医療と介護の連携・機能分担、報酬体系の見直しですとか、報酬体系の簡素化など、そういったものを踏まえて検討を行うということと、それから、診療報酬との同時改定を見据えた対応が必要であるというようなことが指摘されているところでございます。

 具体的な個別課題につきましては、下のほうに●を4つ挙げておりますが、今回は割愛させていただきます。

 3ページが、社会保障審議会の介護保険部会のほうで報酬に関係します意見について、それぞれの分野において言及がございましたので一覧として載せさせていただいております。

 一番上にありますのは【適切なケアマネジメントの推進】ということでございますが、いわゆる居宅介護支援事業所における管理者の役割の明確化ですとか、特定事業所集中減算の見直しを含めた公正中立なケアマネジメントの確保、それから、医療介護の連携の強化ということから、30年度報酬改定の際にあわせて検討することが適切であるというような指摘を受けております。

 【自立支援・重症化予防を推進する観点からのリハビリテーション機能の強化】ですと、下のポツにありますが、通所リハビリテーションと通所介護の役割分担と機能強化といったもの、それから、リハビリテーション専門職の配置促進、短時間のサービス提供の充実ですとか、通所訪問リハを含めた退院後早期のリハビリテーションの介入の促進等々について言及がございました。

 【中重度者の在宅を支えるサービス機能の強化】ということにつきましては、いわゆる小多機ですとか看多機、それから、定期巡回等々の地域密着型サービスについて、サービスの供給量をふやす観点ですとか、機能強化、効率化を図る観点から、人員配置基準や利用定員の見直しを行うことが適切であるというような指摘も受けておるところでございます。

 4ページは特別養護老人ホームの関係でございますが、特養につきましては、施設内での医療ニーズや看取りを、より一層対応できるような仕組みを検討することが適当であるとの指摘を受けております。

 【医療サービスと介護サービスの連携の推進】という観点につきましては、いわゆる30年度の介護報酬、診療報酬の同時改定の際には、医療と介護の連携のさらなる充実に向けた検討をすることが適切であるという指摘も受けております。

 そのほか、その下にあります【公的な福祉サービスの「丸ごと」への転換】ということになりますが、これは先ほども御説明させていただきましたが、福祉サービス事業所が介護保険事業所の指定を受けやすくするための見直しを行うことが適切だと。その際に、具体的な指定基準のあり方について、30年度介護報酬改定にあわせて検討するということ、それから、事業所の指定手続については可能な限り簡素化を図ることが適切である等々についての指摘が行われているところでございます。

 5ページにつきましては、人材確保の中の、特に生産性向上、業務効率化の観点でございますが、いわゆる介護ロボットですとか、ICT化に関しまして、実証事業の成果を十分に踏まえた上で、今回の報酬の際に検討をする。介護報酬の人員・設備基準の見直し等を検討することが適切であるということも指摘されているところでございます。

 【軽度者への支援のあり方】につきましては、介護サービスを提供する人員不足が喫緊の課題である中、人材の専門性などに応じた人材の有効活用の観点から、訪問介護における生活援助について、介護度にかかわらず生活援助を中心にサービスを提供する場合の緩和された人員基準の設定等についても議論を行った。

 この点については、体力的な都合等で身体介助は難しいが、生活援助ならできるという介護人材も存在し、その人材の活用を図るべきとの意見、それから、生活援助の人員基準の緩和を行い、介護専門職と生活援助を中心に実施する人材の役割を図ることが重要であるとの意見、制度の持続可能性の確保という観点から検討が必要であるとの意見があったということ。

 ただ、その一方で生活援助の人員基準を緩和すればサービスの質の低下が懸念されるとか、介護報酬の引き下げにより介護人材の処遇が悪化するし、人材確保が困難になる。そのため、サービスの安定的な供給ができなくなる可能性がある等々の意見もございました。そうしたことを踏まえて、30年度介護報酬改定の際に改めて検討を行うことが適切であるというようなことが言われたところでございます。

 以上が介護保険部会の指摘を抜粋したものでございます。

 6ページ「3.療養病床の在り方等に関する議論の整理(抜粋)」ということで、先ほどの法令改正のところにもありましたが、新たな施設類型、今回の介護医療院に関係するものでございます。

 1つは【主な利用者像、施設基準(最低基準)】についてきちんとするということと、それから、2番目の○にありますが「具体的な介護報酬については、その利用者像等を勘案しつつ、それぞれ上記の2つの機能を基本として適切に設定すべきである」ということを言われております。

 【床面積等】につきましては、基準に関係するものでございますので、そういったものについてもきちんと配慮をすると、適切な評価を検討すべきだということ。

 次のページになりますが、転換における選択肢の多様化ということですとか、経過措置の設定等についても、きちんと分科会で検討するというようなことが指摘されているところでございます。

 8ページが、前回の処遇改善を行ったときの給付費分科会の審議報告の抜粋でございます。

 介護人材の処遇改善の関係につきましては、処遇改善加算のあり方について、介護人材の状況、平成29年度介護報酬改定で措置する月額平均1万円相当の処遇改善の実施状況ですとか、介護人材と他職種・他産業との賃金の比較、例外的かつ経過的な取り扱いとの位置づけなどを踏まえつつ、引き続き検討していくことが適切であるというような文章になっているところでございます。

 そのほか【地域区分】につきましても、一番下にありますが、対象地域について関係者の意見を踏まえた上で適切に判断するように求めるということと、それから、新たな設定方法の適用について、意向を十分に確認した上で財政的な増減を生じさせない、いわゆる財政中立の原則のもと、介護報酬改定において実施することが適当であるというようなまとめになっているところでございます。

 「その他の指摘事項」といたしましては、10ページにありますが、これは経済・財政再生計画の改革工程表の中で、ここに記載されております軽度者の関係、生活援助の関係、通所介護の関係、それから、福祉用具の関係については指摘が行われているところでございます。

11ページは未来投資会議の関係でございまして、これは4月14日の未来投資会議に厚生労働大臣が提出した資料でございます。特に、下段のほうの「介護ロボット」のところでございますが、今後、介護ロボットを現場の中で普及させていくということになります。

 右下にありますが「■さらなる導入と活用の促進」ということで、実証結果を踏まえて、平成30年度介護報酬改定等での評価というものも検討していくことになるということで考えております。

12ページ「科学的介護の実現−自立支援・重度化防止に向けて−」ということになりますが、上のポツのところにありますけれども、科学的に自立支援等の効果が裏づけられた介護を実現するために、世界に類のないデータベースをゼロから構築するということを基本としておりますが、一方で、2018(平成30)年度介護報酬改定から、自立支援に向けたインセンティブを検討するということを指摘されているところでございます。

 さらに、最後の13ページになりますが、さきの第7回未来投資会議で安倍総理が発言されたところの抜粋でございますけれども、読ませていただきますと「老化は避けられませんが、日々の努力で介護状態になることを予防できます。いったん介護が必要になっても、本人が望む限りリハビリを行うことで改善できます。そうした先進的な取組も見てきました。大量のデータを分析して、どのような状態に対してどのような支援をすれば自立につながるのかを明らかにします。そして、効果のある自立支援の取組が報酬上評価される仕組みを確立させます。介護現場は深刻な人材不足で苦しんでいます。介護者の負担を軽減するロボットやセンサーの導入を、介護報酬や人員配置基準などの制度で後押ししてまいります」という発言がございましたので、これを踏まえまして、今回の改定についても、一つの検討課題として挙げさせていただくことになると考えているところでございます。

 続きまして、資料4でございます。

 資料4は前にも御説明させていただきましたが、給付費分科会と中医協の委員で、医療と介護の連携に関する意見交換会を行っております。

 第1回目が3月22日、このときには看取りと訪問看護について、第2回が4月19日、リハビリテーションと関係者・関係機関の調整・連絡についてということで、計2回の会議をさせていただいております。そのときに使われた資料をつけさせていただいております

 なお、これにつきましては、個別具体的なサービスのときに、改めまして当時の意見とかをまとめさせていただいて、提出させていただきたいと思っているところでございます。

 最後になりますが、資料5でございます。

 資料5が、全体的な平成30年度介護報酬改定に向けた検討の進め方について(案)ということで、大ざっぱではございますが、今年度の30年度改定につきましては、このようなスケジュールで検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

 まず、4月から夏ごろ、今回が第1回目になりますが、今後以降、各介護サービス等の主な論点について議論をしていただくということ、それと事業者団体等からのヒアリングもあわせて行うということを考えております。

 平成2812月の介護保険部会の意見書ですとか、先ほどつけさせていただきました療養病床等に関する特別部会等、さまざまなところで報酬に関します指摘事項等々がありますので、そういったものも踏まえながら、おおむね月2回ペースが議論を行っていきたいと考えております。

 それが終わりまして、秋から12月に、第2にラウンドといたしまして、各サービス等の具体的な方向性について議論をしていただく。12月中旬には「報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・取りまとめ」ということで、取りまとめをつくっていただくことになります。

 ただし「※」に書いておりますが、地方自治体における条例の制定・改正に要する期間を踏まえまして、施設基準とか人員配置基準等々に関しましては、先行して12月の中旬前に取りまとめを行いたいと考えております。

 その後、平成30年度の政府の予算編成が行われまして、1月から2月ごろに「介護報酬改定案 諮問・答申」ということで、ここで報酬の点数と基準がきちんとかたまるということです。

 最後、4月から新たな介護報酬改定が施行されることになるというようなスケジュールで考えているところでございます。

 非常に駆け足でございましたが、資料1〜5の説明になります。

 ありがとうございます。

○田中分科会長 ありがとうございました。

 ただいまから議論を行いますが、全体が150分と長いので、途中で必要と感じた場合には、5分程度休憩を入れることにいたします。

 ただいま説明のありました事項について、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 それでは、何点か質問と意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず、資料1でございますが、39ページとか42ページを見ますと地域共生社会という言葉が出てまいります。この検討をするに当たっては、我々のような職能団体を一切排除した体制や検討会でつくられた考え方でありますので、我々にとってはあまりなじみがないのですけれども、現在、我々が2025年を目指している社会保障・税一体改革において、全力で取り組んでいる地域包括ケアシステムとはどのような関係にあるのか説明をしていただきたいと思います。

 介護保険は高齢者のみの保険ではないわけですけれども、資料を読みますと、地域包括ケアシステムは高齢者のみを対象としているという書きぶりなので、どういう根拠からそういうことを言っていらっしゃるのかも質問したいと思います。

 地域共生社会とは、福祉分野の考え方と理解しておりましたが、介護や介護保険を含む、その上位概念にしようとしているのかという疑問もありますので、それについてもお答えいただきたいと思いますが、その場合、保険制度でありながら、いわゆる措置のような形に戻そうという考えが根底にあるのかどうかも考えていただきたいと思います。それから、地域包括支援センターの、機能の中には福祉への対応も含まれていると考えていますので、相談機関を新たにつくると機能がダブるのではないかと思うのですが、それについては、どのように考えたらいいのか教えていただきたいと思います。

 それと、地域包括ケアのネットワークを構築していくと、自然に、全世代、全対象型になっていくと考えられますが、地域共生社会はケアが不要な人も含むので、人によっては地域包括ケアとは異なるとおっしゃる方もいるようですけれども、全世代、全対象型の地域包括ケアは、イコール地域共生社会と考えてよいのかどうか、その辺の整理がつかないで非常に混乱しており、議論がスタートする前に根本的な整理をさせていただきたいと思いますので、ぜひ教えていただきたいと思います。それが1点ございます。

 その御説明をいただいたら、もう一回質問させていただきます。

○田中分科会長 では、ただいまの質問についてお答えください。

○日原総務課長 総務課長でございます。

 今、地域包括ケアシステムと地域共生社会ということでお尋ねをいただきました。

 地域包括ケアシステムにつきましては、御案内のとおり、例の医療介護総合確保促進法の中に定義がございますように、高齢者の方が、可能な限り住みなれた地域で生活を継続することができるようにということで、医療、介護、介護予防、住まい、生活支援といったものが包括的に提供される体制を推進するものであるということでございまして、もちろん地域包括ケアシステム、高齢期のケアを念頭に置いているということで引き続き推進していくという点は何ら変わりがないものでございます。

 他方、地域共生社会につきましては、必要な支援を包括的に提供していくという考え方を、障害者の方でありますとか、子供さんへの支援でありますとか、そういったほかの分野にも広げたものというように考えておりまして、地域包括ケアシステムとは、包含するといいますか、別の概念であるというように考えております。

 以上でございます。

○田中分科会長 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 包含すると言ってみたり、別の概念と言ってみたりということですけれども、どういう位置関係にあるのですか。どちらが上、どちらが下とか、もっとわかりやすく教えていただけますか。

○日原総務課長 再度お答えをさせていただきます。

 さっき申し上げましたように、必要な支援を包括的に提供するという地域包括ケアシステムの考え方を、障害者の方あるいはお子さん、そういった方への支援にも広げたものということで、地域包括ケアシステムの上位概念と考えております。

○鈴木委員 そうすると、介護は福祉に含まれるということが前提になるわけですね。

○日原総務課長 福祉という分野だけに限られるかどうかというよりは、繰り返しになりますけれども、必要な支援を包括的に提供していくという考え方を広げたものだというように考えております。

○鈴木委員 地域福祉の考え方として生まれたのですよね。

○日原総務課長 地域福祉の考え方と密接に関係があるという点は御指摘のとおりだと思います。

 それから、先ほどお答えが漏れてしまいましたけれども、今のような御説明をさせていただきましたが、介護保険について、それを措置のような形に戻そうとするものなのかといった御質問がございましたけれども、そういった考え方で進めているものではございません。

○鈴木委員 そうすると、地域包括ケアシステムの上位概念であるということですね。

○日原総務課長 そうでございます。

○鈴木委員 わかりました。とりあえずそういうことで理解をしていきたいと思います。

 もう一つでございますが、資料5の今後の進め方を見ますと、<検討事項の例>として7つ書いてあり、どういう議論をしたのか思い出せるものが多いのですけれども、2番目の小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型云々と、ここのところがどんな議論をしたのか思い出せないのです。例えば小多機の通いの定員をもう少しふやしてほしいとか、あるいはそれに該当するかどうかはわかりませんけれども、特定事業所集中減算は廃止する必要があるとか、そういう議論はしたと思いますが、それ以外にどんな議論をしたのか思いつかないのです。どこの文章を根拠に、この<検討事項の例>としてお出しになったのか、これは三浦課長が御担当でしょうからお伺いしたいと思います。

○田中分科会長 振興課長、お願いします。

○三浦振興課長 振興課長でございます。

 御指摘の点、お手元の資料3の3ページ、昨年の年末にまとめられました介護保険部会の意見書の中の、一番下の【中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化】という部分を引き抜いて記述しておるものと理解しております。

○鈴木委員 そうすると、介護保険部会の取りまとめの中に入っているということですね。

○三浦振興課長 さようでございます。

○鈴木委員 資料3の3ページを見ますと確かに書いてありますね。【中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化】にあることが、介護保険制度の見直しに関する意見の中に入っているということですね。わかりました。

 いずれにしても、これは中重度者、要介護3以上の方の在宅サービスを支えるサービス機能の強化の一環として、これから議論を行うということですけれども、具体的にどういうことをお考えになっているのか、現時点で方向性とか、そういうものを示していただけるのであれば教えていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○三浦振興課長 振興課長でございます。

 きょう、挙げております<検討事項の例>という項目につきましては、テーマごとに、具体的に検討したものをお示しするというような形でお願いできればと思っております。

 いずれにしても、総論的に申し上げれば、資料3の3ページの下にありますとおり、サービス提供量をいかにふやしていくか、あるいは機能強化、効率化をいかに図っていくかといった視点からの御提案、御議論をお願いしたいと考えております。

○鈴木委員 それは書いてあるとおりなのでそういうことなのでしょうけれども、私は民間のセミナーで聞いたのですが、一部の方が、新型多機能サービス、プラス特定圏域生活支援拠点というものを主張されているという事実がございます。そのことを含めていらっしゃるのかどうか、三浦課長、それについてお聞かせいただけますか。

○三浦振興課長 今の時点で予断を持っておるわけではございませんけれども、いずれにしても、この視点の中で合致するものであれば議論として取り上げたいと思いますし、それに合致しない、あるいはケアの点で問題があるということであれば、また議論をしっかりしたいと思っています。

○鈴木委員 議論するともしないともおっしゃらなかったわけですけれども、私はその話を可能な範囲で調べてみたのですが、これは小多機の1類型という整理になっているようですけれども、小多機の理念や、地域密着型の考え方には合わないのではないかと考えます。そして、それを推進しようとされている方は、一部の大規模な社会福祉法人や大手の営利企業であると考えられますので、そうした一部の大規模な社会福祉法人や大手の営利企業による介護の地域独占を目指すものではないかと考えられます。モデルとされているものを見ますと、ハードもソフトも非常に高コストな巨大在宅型施設とでも言うようなものであると考えられます。

 地域包括ケアはまちづくりと言われますけれども、それは多様な商店街の復活であって、巨大なショッピングモールをつくることではありません。このモデルは、地域に根差した医療介護連携に基づく地域包括ケアのあり方や、現在進みつつある自発的なサービスの複合化や多機能化の動きを妨げるばかりか、介護保険制度の根底にある健全な競争原理に基づく質の向上と効率化の考え方にも反するのではないかと考えますので、今後提案されるかどうかはわかりませんけれども、出てきたとしても我々としては認めるわけにはいかないと考えます。

 以上です。

○田中分科会長 大西委員、お願いいたします。

○大西委員 介護保険の現場を預かっております保険者として、5点ほど、意見なり要望をお話しさせていただきたいと思います。

 まず、今回の報酬改定に当たりまして、地域やサービスの実態に即した、それぞれ、単価、報酬改定を行っていただきたい。それに当たりまして、我々、保険者である自治体の意見というのを十分に踏まえていただきたいと思っております。

 一方で、きめ細やかな報酬体系にしてほしいということがございますけれども、そうすると、過剰に細分化されて、多くの加算減算などを伴った、わかりにくく複雑な報酬体系にもなりかねないというような裏腹でございまして、困難ではございますけれども、この辺は簡素化ときめ細やかさの両立をできるだけ図っていただき、明確な報酬体系を構築していただきたいと思っております。

 それから、事業者等におきまして、人材の確保とか、サービスの質の向上等を図るために、一生懸命取り組んでいる事業者がより適切に評価されるような、めり張りの効いた見直しや設定に配慮していただきたいと思っております。

 2点目といたしまして、30年改定は医療・介護報酬の同時改定ということでございますので、自治体におきましては、予算編成、条例改正、保険料改定の手続等々、医療のほうも若干絡んできますけれども、急務でございます。

 先ほどのスケジュールの中で、基準はできるだけ先行して示していただくというようなお話もいただきましたが、その辺、いろいろな各報酬改定に関係する情報につきまして、できるだけ速やかな情報提供をお願いいたしたいと思っております。

 それと市町村におきましては、介護保険事業計画と医療計画の整合性を図りながら、30年改定はきちんとやっていかなければならないのですが、医療計画のほうは都道府県が主体でございますので、都道府県との連絡調整というのを、我々、それぞれの圏域でできるだけやっていきますけれども、都道府県の助言や支援が適切に行われるように、国のほうからも都道府県に働きかけていただければと思っております。

 それから、ケアマネジメント関係で公正中立の確保という項目がかなり出ておりましたけれども、実際、制度の理念を外れたようなサービスの抱え込み事例がだんだん露呈してきておるというのも現状でございます。現場で苦慮している現状もあるということでございまして、適切なケアマネジメントの確保に向けまして、この分科会で十分検討していただいて、仕組みの見直し、報酬改定等の対応を図っていただきたいと思っております。

 4点目は個別事項ですが、新たな介護保険施設として介護医療院が創設されます。この介護医療院の創設に当たりまして、保険料や市町村の財政負担等が増大しないように、できるだけ現行の延長の範囲内で考えられるような形で、しっかりと制度設計をお願いいたしたいと思っております。

 5点目といたしまして、現在、国会で審議中の改正介護法案の中に、保険者への財政インセンティブのための交付金というのが盛り込まれております。この法案が成立したら交付金が現実のものになるわけですが、その制度設計につきまして、我々の意見も聞いていただきながら、具体的な内容をできるだけ早期に示していただきたいと思っております。

 また、さきの国の財政審などにおきまして、保険者への財政インセンティブについて、調整交付金を活用すると指摘があったと認識をいたしております。このインセンティブの付与につきましては重要だと思っておりますが、調整交付金でインセンティブをやるということになりますと、高齢化が極端に進んだ保険者、特に小さな町村等々におきましては、介護予防とか改善等の取り組みの成果というのはなかなか出にくいものですから、調整交付金自体が一方的に削られるだけだということになりかねないということでございます。

 この調整交付金につきましては、昨年10月の介護保険部会のほうに我々として意見書を出しておりますけれども、基本的には後期高齢者の占める割合でありますとか、あるいは所得状況の格差を調整するという調整交付金本来の機能の充実、強化といったものを、しっかりやった上で活用をお願いいたしたいと思っております。

 以上でございます。

○田中分科会長 御要望です。ありがとうございました。

 安部委員、どうぞ。

○安部委員 資料を読んでいて理解できないところがあったので教えていただきたいのですが、資料3のこれまでの指摘の取りまとめで、4ページの【公的な福祉サービスの「丸ごと」への転換】の2つ目の○で、「また」以下ですが、「介護支援専門員とケアマネジャーが」と書いてあるのですが、これはどういう意味でしょうか。

○田中分科会長 振興課長、お願いします。

○三浦振興課長 振興課長でございます。

 タイプミスだと思います。障害の制度の中でのケアマネと介護保険制度のケアマネが連携を図りたいということで御指摘をいただいておるということと承知しております。相談支援専門員の誤植でございます。

○安部委員 両事業者のケアマネということですね。

○三浦振興課長 そうです。

○安部委員 それなら理解できます。

○三浦振興課長 済みません。おわびして訂正申し上げます。

○田中分科会長 東委員、お願いします。

○東委員 私も先ほど鈴木委員のおっしゃった、資料1「介護分野の最近の動向」の42ページ「3.地域共生社会の実現に向けた取組の推進」にある地域共生社会について教えていただきたいと思います。

地域共生社会というのは、地域包括ケアシステムの上位概念であるという総務課長のお答えがございました。地域共生社会が「社会」ということであれば、そうなのかなというのはわかるのですが、そのページの下の方に新共生型サービス事業所というのが、新たに出てきております。今まで介護保険サービスや障害福祉サービスと分かれていたものをできるだけ使いやすくするため、障害児者や高齢者を包括した事業所の指定等を受けやすくするという考え方としては私も全く賛成です。しかし、新共生型サービス事業所の右に「※対象サービスは、1 ホームヘルプサービス、2 デイサービス、3 ショートステイ等を想定」と書かれております。例えば、その「等」のなかに老健施設や老健施設で行っている通所リハビリなど、そういうところまで新共生型サービス事業所という考え方が広がってくるのか。さらにもう一つ、介護の現場としては、高齢者を対象とした地域包括ケアシステムを今の介護サービスで構築していくときに、地域共生社会という考え方はわかるのですけれども、実際にこの新共生型サービス事業所というものが、どのようにできてきて、既存の介護サービス事業所とどういう関係になるのかというのが、この書き方だけでは、いまひとつわかりません。今後で結構ですので、新共生型サービス事業所というのをお考えになるのであれば、既存のサービス事業所との関係や対象サービスの範囲をどこまでどう広げるのかとか、地域包括ケアシステムとの関係はどうなるのか、地域包括ケアシステム自体を、高齢者だけでなく障害児者等まで広げていくことを目途として、こういう考え方があるのか等を整理して、またお示ししていただければと思います。

○田中分科会長 御要望でよろしいですね。

○東委員 はい。

○田中分科会長 ありがとうございます。

 本多委員、お願いします。

○本多委員 意見です。

 冒頭、課長から説明がありました、介護保険制度をめぐる状況ですが、制度創設以来16年が経過して、65歳以上の被保険者が約1.6倍になっており、サービス利用者は約3.3倍に増加しています。一方で、保険料を支える若年者の人口は、急激に減っているような状況です。

 資料1の5ページの介護費用の分布にも出ていますが、介護保険財源の5割である保険料負担のうち、約28%は若年者である第2号被保険者が支えています。1人当たりの保険料額も、制度創設以来約2.2倍に増加しているという状況です。

 また、介護保険法等の改正案が国会で審議中ですが、成立いたしますと、第2号被保険者の保険料に総報酬割が導入されます。

 先般、我々健保連において健保組合の29年度予算の早期集計を行いました。

 その中で、法改正を前提とした、第2号被保険者の保険料負担は、対前年で約600億円増、1人当たりの保険料の対前年増加率は7.73%増となります。近年、あり得ないぐらい急激な増加になっています。

 健保組合としては、この介護保険制度だけでなく、後期高齢者支援金でも全面総報酬割が既に導入されており、高齢者への負担は、今回の予算の早期集計によると、約2,400億円、対前年増になります。介護保険の約600億円と合わせて、健保組合全体で約3,000億円の負担増となります。

 現状においても、負担の限界だという声も多く寄せられており、このまま行けば解散せざるを得ないという組合も出ております。

 御承知のとおり、健保組合は、現在、特に目立った公費はいただいておりませんが、解散すれば協会けんぽに加入することになりますので、16.4%の国庫負担が増えることになります。

 現状のままですと、2025年には介護費用は約20兆円に達するとの見通しが示されています。

 介護保険制度の持続可能性を確保するためには、効果的・効率的なサービス提供を速やかに進めていかなければならないことは間違いないと思います。

 資料5の「平成30年度介護報酬改定に向けた検討の進め方について(案)」では、

 7項目が、検討事項の例ということになっていますが、適正化について全く触れられておりません。消費税の導入が延期され、社会保障費全体で5,000億の増にとどめなければいけないという中で、保険者は、いつも削減という話しかしないと思われるかもしれませんが、客観的に見ると、今ある枠組の中で、適正化すべきものは適正化するということを念頭に置いた上で、審議を進めていくべきだと思います。

 一例ですが、前回の分科会の資料の中で、「通所リハビリサービス」において、1回当たりの提供時間が6〜8時間の事務所が約75%ということで、本当に効果的なリハビリが行われているのかといった疑問を感じるところです。また、財政審の資料の中でも集合住宅におけるサービス提供について、外部の在宅サービスの利用の供給が過剰というような調査も示されていますので、ぜひ今後の審議では適正化の観点も十分念頭に置いていただければと思います。

○田中分科会長 御意見ですね。ありがとうございました。

 稲葉委員、お願いします。

○稲葉委員 ありがとうございます。

 きょうは冒頭に田中分科会長のほうから、ここからが本当の本格的な議論だというお話がありましたので、今後の検討において留意していただきたい点を2点ほど申し上げたいと思います。2点とも、資料5の<検討事項の例>についてです。

 1点目、<検討事項の例>の上から5つ目に「・ロボット・ICT・センサーを活用している事業所に対する報酬・人員基準等のあり方」とあります。

 もちろん事業所としては、ロボット・ICT・センサーなどの開発や介護現場への導入は推進していかなければいけない重要課題であると認識をしておりますが、介護保険部会でも指摘をされましたように、これらの技術を導入することで、ケアの効率化や質の確保を前提とした生産性の向上が図られて、そして、利用者や介護従事者の安全性の確保、介護労働環境整備が進むことが目的であると思われます。

 このため、機器などの導入そのものが目的化をするということにならないよう、安全性の確保、質の向上や効果などに関するエビデンスの検証も含めて、人員基準の緩和や報酬への反映について検討されることを望みます。これが1点目です。

 2点目ですが、下から2つ目の「・訪問介護における生活援助を中心にサービス提供を行う場合の緩和された人員基準のあり方」についてです。

 こちらも介護保険部会で議論されましたが、生活援助サービスは単なる家事の代替ではありません。最後まで利用者が在宅で日常生活を送る上で、生活を基本としたケアマネジメントに基づく自立支援として提供されている専門的なサービスであるということを踏まえた上で、今後、慎重に検討されることを希望いたします。

 以上、よろしくお願いいたします。

安部委員

○田中分科会長 ありがとうございました。

 武久委員、どうぞ。

○武久委員 資料3の4ページに、特養で「医療ニーズや看取りに、より一層対応できるような仕組み」と書いてあります。

 今、老健局のお仕事をされている方も大変お忙しいというか、非常に目まぐるしくて大変なことはわかりますけれども、病床転換による介護医療院というのが今度できますね。これができると、介護保険施設の地図が一体どうなるのかという、まずスペキュレーションがないとですね。

 というのは、今現在でも、特養で看取りをしている人がいて、実際亡くなっても嘱託医が48時間以上、土日を挟んで出張していたりすると、そのときに診断書が書けない。そうすると不審死になってしまって、大変ややこしいことになるというのが現状としてあるのです。

 老健は、一応お医者さんが常勤でいますので、老健は全部、いわゆる短期入所で、どんどん在宅復帰型で、それ以外はないというような感じでいっていますけれども、逆に老健も、三十何万床もあればいろいろな老健があってもいいのではないかと思いますし、ドクターがいるほうが看取りはスムーズにいくだろうと思います。

 一方で、介護医療院は病院の中にできるのですね。そうすると、3階なら3階が介護医療院に変わった場合には、2階や4階や5階にはほかの病棟の患者が入院していたりして、お医者さんがいたり、看護師さんもいるし、検査も全部できる。しかも、特養よりも狭い6.4平方の4人部屋ということになってくると、新しく30年、来年の4月からですよね。

 まず一つ聞きたいのは、一体どのぐらい、どのタイプの、1−1か、1−2か、2の介護医療院に転向してくるというように、30年、31年、32年は思っていらっしゃるのかどうか。これはある程度想定していないと対応できませんよね。それがいきなり10万になったら、それこそ大変なことになるわけですから、ある程度の予測はされているのかどうかということと、それから、世の中景気がいいとか不景気とかそれぞれ違いますけれども、負担金が上がりますので現実に庶民はなかなか厳しい。

 そうすると、いわゆるユニットの特養の負担金は結構高いですね。そうすると、病床転換の中の、1−1か、1−2かは知りませんが、そこに入所したほうが単価が安いと、自己負担率が低いとなると、否応なくそちらを選ぶということもあるだろうし、看取りに関しては病院内に医師がおればすぐできますから、どちらかというと、既存の特養に看取りを促進させるよりは、病院内の病床転換の新しい介護施設である介護医療院を使うほうがいいのではないかということもありますし、ここは1年かかって議論するのでしょうけれども、新しい介護医療院という制度がこれからできるということで、いわゆる介護保険施設の地図が大きく変わるということが考えられます。

 その辺のスペキュレーションについて、老健局としてはどのようにお考えいただいているかによって、これから来年4月に転換しようかと、どうしようかという病院の病床もあると思いますので、今現在でいいですけれども、大体こんな予想をしているのだということがもしありましたらお知らせいただいたら大変ありがたいと思います。

 以上です。

○田中分科会長 質問にお答えください。

 老人保健課長、どうぞ。

○鈴木老人保健課長 今、武久委員のほうから、介護医療院の整備数も含めた、転換数も含めた、今後の動向についてどう考えているのかというお話でございますが、現時点で申しますと、転換数の予測もしておりませんし、今後どうなるかということについても、まだ検討はしておりません。

 今回、介護給付費分科会の中で、基準なり、報酬なりを30年度改定に向けてきちんと議論していただきますので、そういったところを踏まえた段階で、なおかつ、現場の先生方の意見や状況も聞きながら推測していくことが適切ではないかと考えているところでございます。

○田中分科会長 鷲見委員、どうぞ。

○鷲見委員 評価についてですが、専門職によるケアを成果が見える形で評価することは、当然だと思いますし、評価されるべきことですが、高齢者であったにしても、人が疾病や障害を受け入れるまでには時間もかかりますし、さらに自立していこうと生活を立て直すのには、周囲の人々の暮らしに対する影響も踏まえて、多くの専門職のサポートが必要となってまいります。

 ここまでの間がいかに適切な支援がなされるかによって、その方自身の自立への道筋が見えてくると思います。しかしながら、この期間の評価というものは見えにくいところであります。例えば退院が困難なケースの人の退院がスムーズに行われたとか、看取りがうまくいったとかという結果をもたらしたことに対して、共同作業やプロセスをしっかり評価していただきたいと思いますし、評価すべきであると考えております。

 また、今までの介護保険制度をよりよくするための議論を積み上げてきたところではございますが、現在、人材の不足であるとか、この現実を身の回りでひしひしと感じられるようになり、実際には今回の改定は弾力性を持たせるような改定になっていくのは想像がつくところではあるのですが、効果的な運用になるのには、人でなければできないことと、専門職でなければならないことを明確にしながら進めていっていただきたいと思います。

 そうしませんと、多様なサービスに対して利用者がどう選んでいいのか、自分たちが選んでいく根拠がどこにあるのかということがわかりにくくなるばかりだと思います。利用者にとって、使いやすく、頼りになる改定になることを望みます。

 最後に、資料3の3ページの居宅支援事業所の管理者の役割の明確化等についてですが、居宅支援事業所の経営実態は、管理者イコール経営者ではないケースがかなりございます。現在、公正中立が課題として挙げられていますが、管理者の役割を明確にするばかりではケアマネジャーが板挟みになってしまうことも懸念されます。ですから、経営者の責務や、法人、会社の責任まで言及していただく必要があると考えております。

○田中分科会長 御意見です。ありがとうございました。

 たくさん手が挙がりましたので、順番に行きます。皆さん、必ず終わりの時間までには発言の機会が回ってきます。

 井上委員、どうぞ。

○井上委員 ありがとうございます。意見でございます。

 先ほども御指摘がありましたけれども、2025年問題、団塊世代の皆さんが後期高齢者になるとともに、現役世代が急激に減ってくるわけです。ですから、支え手が少なくなってニーズがどんどんふえていく中で、今回の改定においては、制度の持続性を将来にわたってどのように確保していくのかが、引き続き重要な課題になってくると思います。

 保険料負担も、1号も2号もかなり増大をし、これもやはりどこかで限度が来ますのでそこも見なければいけませんし、人材の問題も当然出てくるわけです。ですから、効率性や適正化という観点を、この議論の前提に置かなければならない重要な視点だと思います。

 そういうことで、全体としては、給付費全体の伸びを、可能な限りどのように抑制していくかという議論を深めていかなくてはならないと思います。また、社会保障の基本であります自助があった上で、公助とか共助があるというところですので、自立支援をどのように促進していくのかというところにメリハリをつけて議論を進めていくべきだと思います。

 資料の中にも、既に前回改定のときに柱となっておりましたサービス評価の適正化とか、効率的なサービス提供体制の構築であるとか、また、資料3にはこれまでの指摘事項と、既にいろいろと議論が出ておりますので、ぜひともこういうところを参考にしながら、制度の持続可能性をどのように高めていくかという観点で御議論をいただきたいと思います。

 以上でございます。

○田中分科会長 ありがとうございます。

 田部井委員、どうぞ。

○田部井委員 ありがとうございます。

 これは給付費分科会の議論ではないとは思うのですけれども、3割負担というのが法律で議論されているということなのですが、資料1の45ページを見ますと、3割負担は余り大きな問題はないという形で書かれているのですけれども、そうすると、イメージとしますと、3割でそれほど問題がなければ2割はもっと問題がなかろうということであるのですけれども、私ども利用者としては、むしろ2割負担のほうがずっと罪が深いのではないかというように考えています。

 実際、私どもでは2割負担導入のときに、2割負担と、それから、特に特別養護老人ホームの補足給付等のあれがダブって、影響をこうむった人の調査等を行いましたけれども、かなり厳しい状態に生活が追い込まれているというような実態が明らかになっております。

 これの影響というのは、それによってどれだけ、制度の持続性という観点から給付費を削ることができたかという成果で、それが成果として本当に語れるのかというように考えると、私はむしろ、ある種そういう状況に追い込まれた人たちの所得格差感であるとか、あるいはそういう層を見ている多くの人たちの消費性向等への影響とか、そういうことを考えると、ある程度削ったところで、そのことがむしろ社会全体としたら、その制度なり社会が維持されていくために、本当にプラスになっているのかという観点からも考えないといけないのではないかと思うのです。

 そのことに対する検証は十分なされていないと思いますし、3割負担もそうですけれども、ぜひ丁寧に、その辺の検証をしていただきたいと、本当にこれは、その制度あるいは社会が維持されていくために、絶対にプラスになっているのかということを何らかの形で検証していただきたいと思います。

 制度の持続性ということが言われますけれども、私どもからすれば、介護をしながらも生活ができていけるというような、生活の持続性というのは一体どこで担保されるのかということを考えざるを得ない。要するに、安心して生活ができるというところは最低限保障していただくということを、きちんと確保していただきたいと申し上げざるを得ないと思います。

 そういう意味では、給付費分科会の議論ではないのですけれども、そもそも論にかえって、そういう観点も持ちながら、どういう形で改定がなされていくのがいいのかということを、ぜひ一緒に考えていただけるとありがたいと思います。

 これはマスコミの方にも、ぜひお願いしたいと思っています。国会でもちょっと意見を述べさせていただく機会があったのですけれども、その翌日には強行採決ということになってしまって、十分な議論が尽くされているのかということもちょっと残念な思いもいたしますし、ぜひお考えいただきたいと思います。

 幾つか確認をさせていただきたいと思うのですけれども、2割負担との関係で、多分これは間違いないのだろうと思うのですが住宅改修の問題です。

 住宅改修20万円で、1割負担ですから18万円が支給されていましたけれども、2割負担になった人は、4万円を負担して16万円が支給されているということで多分間違いないと思うのですが、確認をさせていただきたいと思います。

 もう一つ、資料3の3ページでありますとか、あるいは5ページ、10ページで、中重度者、それから、工程表の中では軽度者という言葉が使われています。軽度、中重度という非常に曖昧な言葉の中に何を含んで、どういう方向に持っていかれるのかということを明確にするために、軽、中、重ということではなくて、介護度というのがあるわけですから、どのレベルの人までをどうするのだという形で明確にしていただいたほうがいいのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。

 それともう一つ、資料3の12ページで科学的に自立支援等の効果が裏づけられたサービスの具体化ということで、自立自立ということが言われているのですけれども、正直言いまして、認知症も、私が取り組み始めた35年前から比べますと、本当に自立に近い状態で過ごされている方も明らかにふえてきています。ただ、認知症の方に場合には、認知症が発症した状態になったときに、その状態をいかにして長く維持できるかということが最大の課題だと思うのです。

 そういう意味でいきますと、自立ということだけで成果をくくられてしまいますと、認知症の人にとっては非常にきついという感じがします。ですから、例えば私どもが最近行った調査の結果の報告なのですけれども、認知症の人に対する生活援助というのは、その人が今までどおりの生活を送っていく上で非常にプラスになっている、重要な役目を果たしていますし、それから、そのことによって家族も働くことが継続できているということがはっきりと示されています。

 だから、自立ということだけではなくて、もう少し生活に密着した捉え方といいますか、自立ということで、古いリハビリの概念では悪い状態がもとに戻るということですけれども、それだけではないリハビリの概念が定着してきたというようにも伺っておりますので、答えは難しいかもしれませんが、自立ということをどんな姿で想定して使われているのかということをちょっとコメントしていただけるとありがたいと思います。

○田中分科会長 3つありましたので、お答えください。

 高齢者支援課長、どうぞ。

○佐藤高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。

 1点目の住宅改修の利用者負担でございます。資料2の75ページに住宅改修の制度の概要がございます。

 住宅改修については、支給限度基準額20万円で、原則9割が支給されるということでございまして、その負担については、介護サービス全体の負担と同様の考え方でございますので、まさに今、田部井委員御指摘のとおりであろうというように理解しております。

○田中分科会長 老人保健課長、どうぞ。

○鈴木老人保健課長 2点目の軽度者と中重度者というのを、きちんと仕分けをしたほうがといいますか、定義をはっきりさせたほうがいいのではないかという御指摘でございますが、御存じのとおり、要介護度という制度につきましては、基本的にはすぱっと分けているものではなくて、もともと分けているものではないですし、状態を示しているわけでもないですし、また、ケアの手間ですとか、これについてはさまざまな要素は勘案しているところでございます。ですので、今回の軽度者、中重度者というところも、そういったさまざまな観点から、ある場合についてはこういう観点から、ある場合についてはこういう観点からという感じの仕分けも今後はあり得ると考えておりますので、一律に定義をつくることは非常に難しいのではないかと思っております。

 それから、自立支援という言葉についてのイメージといいますか、おっしゃるとおり、昔のリハビリテーションは、機能回復が自立だというのが一番端的ではございますが、ただ、それだけではなくて、今、介護保険、リハビリテーションもそうですけれども、いわゆる活動参加ということも踏まえた自立というものもありますので、いろいろな概念を考えながら、また、それに対しますアプローチ、または評価というものについてもさまざまな方法があります。例えば評価につきましては、最終的なアウトプットで見るのか、ストラクチャーとかプロセスをきちんとやっているところで評価するのかとか、いろいろなパターンがありますので、そういったところを踏まえて、今後、この分科会におきまして議論をしていただければというように考えております。

○田中分科会長 ありがとうございます。

 先ほど言いましたように、ちょうど1時間残っていますので5分間休憩しましょう。

(休  憩)

○田中分科会長 短い休憩で申しわけありませんが、御着席ください。

 発言する義務はありませんが、発言したいであろう方の人数と時間を考えるとマックス5分以内でお願いいたします。

 手を挙げ続けるのも大変でしょうから、まずはこちら側から行きます。反対側の方はちょっと待っていてください。毎回手を挙げる必要はありません。

 では、老人クラブの齊藤委員、看護協会の齋藤委員の順番でお願いします。

○齊藤(秀)委員 では、短くさせていただきます。

 今回の資料で、改めてサービス利用が広がり、また、費用も広がっているわけですが、目指してきた介護の社会化というのは、一定程度前進したというように私どもは理解しております。

 何人の委員から御指摘がありましたように、制度の持続可能性をどうしていくのかというのは大変大きな問題でありますし、当然、効率化や適正化ということも避けて通れない問題であると思いますが、介護の社会化ということをどう確保するかという観点では、サービスの質であるとか量というものをあわせて考えていかなければいけない。非常に難しい課題を、これまでも続けてきたわけですが、今後もこれらを、適切、適正にどうやるかということは大変重要なことだと思いますので、また、これ以降の議論を通じて、皆様方といろいろと意見交換をさせていただきたいと思っております。

26年改正で、訪問介護、通所介護の地域支援事業への移行ということが完全実施されたところでありますけれども、今後これを考えていきますときに、多様な担い手をどう広げるのか。そのために、どのような支援策が必要なのかということも、この中では議論を深めていただく重要なポイントではないかと思っております。

 これからいろいろと個別の案件が出てくると思いますけれども、今のような大きな流れの中で、それぞれがどう判断していくのか、いろいろな意見交換をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○田中分科会長 ありがとうございます。

 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤(訓)委員 本多委員はじめ御指摘のように、非常に財源が厳しいということは、給付費分科会のメンバー一同承知していることだと思います。また、今、国会で審議中ですけれども、利用者負担の引き上げなどもございましたので、このたびの報酬改定に当たりましては、サービスの効果、重症化予防であったり、状態の改善に資するサービスなのかどうかも含めて検討していくべきだと思いますし、また、職員の処遇を確保しているのかといった観点でも事業者の評価をしながら、質のいいサービスについては評価をしつつ、安定したサービス提供体制を後押ししていく役割というものが、この改定にあるのではないか思っております。

 それから、同時改定ですので、それぞれのサービスで医療との連携のあり方が検討事項になると思っております。先ほど特養での看取りについても御意見がありましたが、最期の最期になって療養の場を移動するということは、サービスを提供している側にとってもしのびないと思いますので、特別養護老人ホームの中での医療提供というのは大きな課題になるのではないかと思っております。

 要介護4、5で、複数の病気を持って療養をしているというような状況ですし、また、そういった方々の割合が高い特養では、本来では看護職員配置の引き上げが必要かもしれませんが、なかなかそういった対応が難しいところもあろうかと思います。一部の特養では、今の看護配置基準より相当高い加配をしていますけれども、なかなか難しいというところは地域によるバックアップが必要だと思います。地域の資源を活用した形で、安定した看取りの体制、医療ニーズに対応できる体制を整えていくことが必要なのではないかと思います。

 また、看護小規模多機能につきましては、医療ニーズをあわせ持った中重度者の利用割合が高いというのが以前のデータでも出ており、非常に期待されているサービスだと思っておりますけれども、現行制度では、必ずしも事業所内で適時適切な医療提供が可能な状況にはなっておりませんので、在宅療養の限界点をもう少し高めていくためには、看多機への外部からの医療サービス提供については少し現状に即した見直しも必要なのではないかと思っております。

 それから、入退院時の医療機関とケアマネジャー等との連携が検討の例に挙がっておりますけれども、これは入退院時にかかわらず、医療職とケアマネジャーとの連携は、いろいろなサービスで必要になってまいります。複雑なニーズを持っている方々のケアプラン策定に当たっては、ケアマネジャーの求めに応じて、専門職による助言や支援が適切に受けられる仕組みを今回の改定では考えていくべきではないかと思っております。

 いずれにしましても、医療との関係では、これから医療計画や介護保険事業計画等の策定も重なっていきますので、医療側と課題や審議スケジュールなども共有しながら、効果的で効率的な審議をしていくべきではないかと思っております。

 以上です。

○田中分科会長 小林委員、どうぞ。

○小林委員 本日の会議は次期介護報酬改定に向けてのキックオフということなので、やや総論的な意見になりますが、次期改定では、資料3にある各種審議会等での指摘事項について検討していくのはもちろんのこと、今回の改定は、団塊の世代が75歳以上となり、地域包括ケアシステムを本格的に構築する2025年に向けて重要な同時改定となりますので、医療と介護の連携という点が大きな課題となると思っております。

 このため、資料5の<検討事項の例>にありますように、退院された方が在宅で安心して暮らしていくためには、退院から在宅介護にスムーズに移行できるような配慮が必要であり、施設で過ごされる方についても、希望すれば在宅に移行できるよう、その自立を支援するための仕組みが重要になってくると思います。また、これは近年の技術革新を踏まえた論点ですが、ICTを活用した介護サービスや事務の効率化についても、報酬上どのような評価が可能となるか検討していくべきだと思います。

 以上です。

○田中分科会長 ありがとうございます。

 なお、1回目の発言の方を優先して、その後2回目に参ります。

 亀井委員、お願いします。

○亀井委員 二、三要望しておきたいと存じます。

 その前に、最初に鈴木委員の地域包括ケアシステム、それから、共生社会についての質問に対して総務課長が御答弁なされたわけでございますが、私も大きくは違わないのですが、この解釈でいいのかということだけちょっと確認させてもらいます。

 地域包括ケアシステムというのは、介護保険法の中には全然出てこない字句文言なのです。これは2014年の19本の法律を改定して、地域医療介護総合確保推進法の一括法を出したときに、初めて地域包括ケアシステムという言葉が出てきたわけです。これは何かといいますか、要するに、介護保険法の枠を超えたものなのですね。ですから、保険とか医療とか福祉とかを引っくるめて、こういうサービスを提供していく、そういうものをつくっていくということですから、どちらかというと、地域包括ケアシステムというよりかは、地域包括ケアネットワークみたいな、いろいろな機関、いろいろな団体と連携しながら、そういう提供体制を整えていくというのが、地域包括ケアのネットワークかなと思っているのです。

 それから、共生社会なのですが、去年の7月15日に共生社会実現本部というものを立ち上げられたわけでございます。これは2035の構想をつくられたとき以降、丸ごとだ、丸ごとだということでよくおっしゃっていたわけでございますけれども、老いも若きも、男性も女性も、障害とか難病のあるなしにかかわらず、全ての方々の社会参画がかなうような、互助共生社会をつくっていく、つまり、1億総活躍のフレーズです。

 こういう社会を実現していくためには、まさにこの共生社会、互助共生社会をつくっていかなければならないということでございまして、これをつくっていくためには、近接補完の原理原則を貫かなければならないということかと思っております。人口減少がどんどん進んできて、これから加速してくるわけです。

2100年の人口というのは、今は1億2,700万人ですが、40%の5,400万人になってしまうわけです。江戸の社会になるわけですから、その江戸の社会に向けた互助共生社会というものを、今からそういう意識を持ってつくり上げていこうではないかというのが共生社会実現本部の目指すところかなと思っています。

 それを実現するためには、近接補完の原則、お隣同士の助け合い、それがかなわなかったら地域での助け合い、かなわなかったら市、かなわなかったら県、そして、国と、こういうような近接補完の原則を貫いていくということかと思っていますが、こういう解釈でいいのかと思いますので、これはちょっとお考えがあったらと思います。

 それと二、三要望させてもらいますけれども、これから日本国政府にあっても、我々自治体にあっても、人口減少がこれから加速していくという前提で、政策、制度を組み立てていかなければならないということなのですが、まず直面する課題としては、社会保障の関係では2025年問題をいかにクリアしていくかということになります。ですから、2018年の同時改定というのは、2025年というものを視野に入れたような考え方を盛り込んだものでなければならないと思うわけですよ。

 今までもお話しいただいていますが、これまで、介護サービスの量にしても質にしても、ある一定、労働力は潤沢であったという考え方の中で組まれていたわけです。これからはそんなことではないということでございまして、介護サービスの拡充というのは、これから何十年か、もうちょっと続けなければならないわけです。

 それを支える労働力をどうしていくのかということになるわけですが、私もかねてから申し上げていますが、いみじくも本多委員も申されましたが、介護保険の仕組みはどんどん複雑化していってわかりづらくなっているので、まずは加配方式から脱却しないといけないと思います。サービスのパフォーマンスとか、アウトカムをきちんと評価するようなことをすると、ある一定、簡素で効率的な制度化に向けてやっていけるのではないか。今の法律の中でも、そういう考えがちょっとだけ盛り込まれていますけれども、なんせペーパーワークが多過ぎます。これを何とかできないのかということです。

 それから、人材をいかに確保するかということなのですが、介護職、それから、障害の生活支援員であったり、あるいはまた、保育職。保育職でも、特に0〜2歳は、介護とどう違うのだろうかということなのですが、これを共通の資格を取れるようにしたらどうか。介護をやっている人が一定期間の研修で保育職も取れるようにということをしていかないと。と申しますのは、全国で自治体は1,700あるのです。そのうちの70%は人口が5万人以下です。あとの30%の自治体に、80%の国民が生活しているのです。この部分だけを見ていたってだめです。ですから、小規模自治体のほうへも目を向けてほしいと思います。

 だから、施設もしかりで、地域の施設としていかなければならないわけです。これは介護です、これは保育園ですということでなくして、地域の施設としてきっちりしたものをつくっていかなければならない。そんなことで、共生型サービス事業所というのは、一歩前進かなと思わせていただいておりますけれども、使途もそうですが、あるいはまた、施設も有効活用できるようなことをしていかなければならないのではないかと思っています。

 3つ目に、障害を含んだような普遍の介護保険制度、これもかねてから申し上げているとおりでございまして、我々基礎自治体からすれば、年齢で分けるというのはおかしいのです。一つの制度に従って、ここからまた介護になりますというのではなくして、ずっと見ていけるような制度としていかなければならないと、これは我々も頑張らないといけないと思っています。

 そんな中で、難病の方とか、あるいはまた、高次脳機能障害なども、これは谷間になっていますけれども、こういう部分もきちんとサポートしていけるような制度としていかなければならないと思っていますが、これは要望しておきます。

○田中分科会長 総務課長、短くお答えになりますか。

○日原総務課長 今、非常に広範な御指摘をいただきましたので、全てについて申し上げられないところがございますけれども、非常に重要な点を御指摘いただいたと思います。

 今、短くというお話がございましたので2点に絞って申し上げますと、地域共生社会、先ほど鈴木先生の御質問に答えさせていただきましたように、地域包括ケアシステムの考え方、必要な支援を包括的に提供するという考え方を、ほかの分野にも広げていくという考え方が核にあるものでございます。

 今のお話の中で御指摘いただきましたように、その中で、非常にネットワークという考え方が重要であるという点は、今いただいたとおりだと思いますし、それから、全ての方が支え合いながら、自分らしい形で地域づくりに参加されるという視点は、まさに昨年の6月にまとめられました一億総活躍プランの中で、地域共生社会というのが一項目取り上げられておりまして、そのキーになっている考え方でございますので、その点御指摘いただいたとおりだと思います。

 以上でございます。

○田中分科会長 ありがとうございます。

 及川委員、どうぞ。

○及川委員 ありがとうございます。

 まず、何よりもサービスを御利用なさる方々のQOLのことを大事に考えたいと私どもは考えております。もちろん業務の効率化ということは大事なことでありますし、今、介護の現場は人がすぐに入ってこないとか、本当に疲れ切っているところがとても見えるのですが、それだけを考えるのではなくて、私たちの立場としては、やはりサービスを利用なさる方たちのQOLをどうやって守っていくかを、きちんと考えていかなければいけないと思っております。

 資料5に示されておりますロボット・ICT・センサーの活用のことでございますが、ここにも人員基準のあり方についても検討していきたいと書かれておりますけれども、私どもとしては介護負担軽減の視点からだけではなく、利用なされる方達のQOLを第一に考えた議論とさせていただきたいと思っております。

 以上でございます。

○田中分科会長 ありがとうございます。

 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 ありがとうございます。私は2つ意見と1つ質問をさせていただこうと思います。

 意見のほうですけれども、まず、人材確保のお話をさせていただきます。

 資料5の中に<検討事項の例>ということで7つの点があるのですけれども、人材のことがないのです。これはまずいと思います。

 総理も先般の国会での審議で、介護人材について、介護分野に向かう人材が減少しているのは事実だとおっしゃって、人材確保に全力を向けて取り組んでいくとおっしゃっていました。非常に力強いお話でしたし、社会・援護局長も2020年に8万人足りなくなるという具体的な数字までおっしゃって、この数を確保すべく、全力で取り組んでいくという答弁までされていました。

 こういうことを踏まえますと、平成21年改定以来、改定の主な視点には人材確保というところがきちんと認識されて来ています。なのに、こういうものがなくなると、現場に対して、もう終わりなのか、見捨てるのかというメッセージになりかねないと思いますので、この点については、資料3にある、ついこの前分科会で議論をした審議報告でも引き続き検討とありますし、ぜひ議論をしていきたいと思っております。

 関連するのですけれども、今、ロボットのお話もありまして、これも人材確保の文脈で、総理の未来投資会議での考え方ということが示されており、介護報酬での評価とか後押しするというような書き方がされておりますが、一方で、介護保険部会のほうでは人員基準や設備基準の見直しについては慎重を期すべきという意見、その他いろいろついているわけですので、こういった議論は大切に検討していく必要があると思っております。

 もう一つ、今度はサービスの質に関する部分ですが、生活援助を中心に訪問介護を行う場合の人員基準の緩和については非常に心配をしているところでありまして、この点、サービスの質の確保という前提で、ぜひ丁寧な検討をしていきたいと思っております。

 限られた財源ですので、サービスの質ということと両方を合わせて、その点については考えていく必要があると思っていますし、医療との連携という点も重要になってくると思っておりますので、そういうようなことで議論をしていきたいと思っています。

 1つ質問なのですけれども、資料5のスケジュール的なもの、検討の進め方について(案)ということで、これ自体に異論があるわけではないのですけれども、これから月2回ペースで議論をしていくということに当たって、やはりスケジュールを示していただきたいと思うのです。何月に何の議論をやるのかというのがあらあらわかっていないと、なかなかこちらも準備がしにくいなと、皆さんもそうなのではないかと思うのです。

 これから、少なくとも夏までは、どんな順番で、どんな議論をするのかというようなことがありましたら御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○田中分科会長 老人保健課長、お答えください。

○鈴木老人保健課長 今、スケジュールの関係についての御質問をいただきました。

 日程につきましては大体月2回ペースということを考えておりますが、内容につきましては、現在、事務局のほうでも、鋭意、資料等を検討してかためているところでございまして、順番どおりといいますか、予定どおりにいくかどうかというのは非常に不安定なところがございます。

 ただ、一方で、委員おっしゃるとおり、あらかじめ何らかの形で、早目にお示しするような努力はさせていただきたいと思っております。

 以上です。

○伊藤委員 ぜひお願いします。

○田中分科会長 石田委員、どうぞ。

○石田委員 よろしくお願いいたします。私からは2点要望ということでお話をさせていただきます。

 最初に、先ほどから各委員の皆様方から出ております地域共生社会というタームです。これが新たにぱっと出てきましたので、おやというような印象が大変強かったのですけれども、資料1の42ページのところで出されております共生型サービスというのが、新しい形で今後検討されていくのだろうと思っております。

 私の受けとめ方としては、障害者福祉サービスを利用していらっしゃる方たちの高齢化の問題とか、それの対応というのが一つ大きい問題なのだろうと思っていますし、ぜひこういったことは必要になってくるのかなと思います。

 今後、そうしたサービスを利用している利用者の方々に不利な状況にならない形で、それから、そういった事業を展開している方々にとって、やりやすいものが生まれるようにということをぜひ検討していただきたいと思います。今後は、どのような施設を指定していくかということが検討されると思いますけれども、利用者と事業者にとって、プラスの形のものがこれから生まれていくことを希望いたしております。

 もう一つは、資料1の40ページにあります保険者の機能の強化というところで、最終的には財政的なインセンティブも付与されるというようなことがありまして、これまで各委員のほうからも幾つか御指摘がありましたけれども、インセンティブのためのインセンティブというのではなしに、頑張った自治体に対しては、それなりに評価もし、その成果としての形で財政的な支援も受けられるというのが本当にいいことだというように思います。

 ただ、これはどのような指標をもってして頑張ったかというところが一番重要になってきまして、例えば認定率とか保険料というのが40ページの一番上にはありますけれども、この数字のみならず、せっかくこれまで、いろいろな地域支援事業ということの推進を3年間やってきたわけですし、いろいろな形で費用なども適切に削減しているような形のものとか、住民の皆さんが互助という形で、新たな仕組み、システムがつくられてきたというところをぜひ評価の対象に挙げていただいて、そこをインセンティブの評価ということにしていただければいいなと思っておりますので、これは要望として上げさせていただきます。

 以上です。

○田中分科会長 安部委員は、先ほどミスプリントの指摘だけだったので、今回は意見をお願いします。

○安部委員 資料4に医療と介護の連携に関する意見交換の資料をお示しいただいておりますが、地域包括ケアシステムの中で適切な業務を行うには、医療と介護の連携は非常に重要だと感じておりますし、これについては異論がないのではないかと思います。

 今回、同時改定の議論の中でそれが進まないとなると、2025年には間に合わないということになろうかと思います。とはいえ、医療職、介護職、両方とも、お互いに多忙で、先ほどもペーパーワークが多いという御指摘もありましたけれども、マンパワーの問題がありますし、限られた財源の中で業務を実施していくということが求められます。そういった限られた環境の中で、いかに適時適切な、効率的な連携ができるかといったことを真剣に考えていかなければいけないと思いますし、個々の議論の際、この資料4で示された論点をしっかり反映させた資料をつくっていただきたいと思っております。

 以上です。

○田中分科会長 ありがとうございます。

 先ほど来、手を挙げていらっしゃる瀬戸委員、どうぞ。

○瀬戸委員 ありがとうございます。

 資料3の指摘事項に沿いまして、少し意見と要望と、最後に質問をさせていただきたいと思います。

 まず、2ページの1つ目の●で、通所リハビリテーションや通所介護、認知症対応型通所介護などの居宅サービスについて、共通の機能と特徴的な機能の明確化により、一体的・総合的な機能分担や評価体系になるように検討するというようにありますが、こうした見直しの意図もわかりますけれども、維持期リハビリテーションについて、介護保険に移行するという領域がありますので、急性期リハ、維持期リハについて機能として明確な役割分担も含めた検討も必要になってくると思っています。

 次に、4つ目の●で経営実態調査について触れられていますけれども、集計・分析の方法についての検証も必要だと考えています。各サービス収支差率について、拠点における収益のうち、各サービス収益割合によって費用を按分しているとの説明が、以前この分科会でありましたけれども、これでは実態よりも収支差率が高く出てしまうと思われますので見直しが必要だと考えています。また、以前も申し上げましたが、本部費等の扱いについても適切に反映できるような検討を引き続きしていただければと思います。

 それから、3ページの【適切なケアマネジメントの推進】の中で、特定事業所集中減算の見直しについて検討するとあります。これについては、効果についての指摘がいろいろなところからありますので、ぜひ廃止の方向で検討を進めていただければと思います。

 続いて、4ページの特養における医療ニーズに関してですが、医師の地域偏在といった問題を解消する必要があると思いますし、外部からの訪問診療等によって、望まない過剰な医療が生まれないように注意をする必要があると思います。

 また、医療と介護の連携に関する意見交換でも述べさせていただきましたけれども、人生の最終段階における医療の決定のプロセスに関するガイドラインがまだまだ浸透していませんので、国民への看取りに対する意識の位置づけの啓発を行っていく必要があると思います。

 それから、医療と介護の連携についての推進ですが、施設と病院の関係で言えば、医療情報の連携に関する加算について、施設から病院への情報提供に関しても加算等の創設について検討していただけるとよいと思っております。

 また、公的な福祉サービスの、いわゆる「丸ごと」への転換についての課題ですが、急増する福祉ニーズとは裏腹に、人口が減少していく中では、最低限の基準がどこなのかを見きわめつつ、設備、人員体制について、より柔軟な運用が可能になるような検討が必要だと思います。

 なお、ここは給付費分科会ですので、介護保険に関しての審議をする場だと理解しておりますが、同じ福祉サービスと考えれば、養護老人ホームや軽費老人ホームに関しても、可能な限り論点として挙げていただければと思っております。

 5ページの人材確保に関してですが、括弧して「生産性向上・業務効率化等」と一緒に挙げていますが、本来的には別々なものなので、抱き合わせでの議論ではないほうがいいと思います。

 人材確保に関しては、職種を問わず求人に苦労している部分もあり、そのまま人件費としてはね返ってきています。このコスト増も適切に踏まえていく必要があると思います。また、生産性の向上に関しては、まず介護従事者をどのような形で記録業務から解放していくかという観点が必要だと思います。その意味では、システムの効率化を大々的に進めて、最終的に対人援助の一部をロボットなりでフォローしていくという方法がいいと思います。その意味では、カンファレンス等の会議のICT化や主治医意見書の電子化等、比較的容易な部分から進めていくべきだと思います。

 それから、軽度者への支援のあり方についてですが、サービス全体が生活援助を含めて、その人の暮らしの状況も丁寧に見ながら包括的にサービスの提供を行っていますので、その部分だけで切り離してどうこうできる性質のものではありません。財政を意識したやや乱暴な意見かと思いますので、丁寧な議論を求めます。

 6ページ、7ページにかけては療養病床に関して出ていますけれども、療養病床の在り方等に関する特別部会の中でも発言してきましたが、基本的に療養病床から新類型への転換が本論のはずです。この意味で、一般病床からの新施設に転換するケースは除いて、療養病床からの新施設に転換するケースのみを、当面の介護保険事業計画において整備数として掲げるべきだと思っております。

 8ページの介護職員の処遇改善加算ですが、人材不足はあらゆる職種において生じていますので、その対象を広げることも検討してよいのではないかと考えています。また、あわせて事務負担の軽減も検討していただければと思っています。

12ページ、科学的介護の自立支援に対して裏づけされたデータとありますが、先ほどの田部井委員の質問にも関係しますけれども、この図では、つえを用いれば自力歩行が20メートル可能になることが目的と書いてあるように見えてしまいます。本来的には、例えば近所に買い物に行ったり、あるいは外を散歩するといった望む生活への目標があって、それを実現するための訓練の結果、自分で20メートル歩けるようになったというように見るべきだと思いますので、目的の捉え方をしっかりとすることが必要なのではないかと思います。

 それから、質問でございます。

 まず、8ページの地域区分のことに関してですけれども、地域区分における人件費割合の積算方法について何か根拠があれば教えていただきたいのと、地域区分の設定と、それぞれの地域の最低賃金との関係がわかればお教えいただければと思います。

 2つ目の質問ですが、これは最初の鈴木委員の意見にも関連しますが、3ページの【中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化】という論点があり、地域密着型のサービスについては、サービス量をふやす観点、機能強化、効率化を図る観点から、人員要件や利用定員の見直しを検討するとあります。ということは、小規模の利用定員の見直しをするということに読めますので、できれば、現時点で厚労省として、地域密着型サービスあるいは小規模の事業所の利用定員の上限をどのように考えているのかという考え方を教えていただければと思います。

 あわせて2ページ目の1つ目の●で、「地域単位でのサービス提供も含め」とありますが、ここで言っている地域単位を厚労省としてどのように考えているのかをお聞かせいただければと思います。

 よろしくお願いいたします。

○田中分科会長 質問が3つございましたが答えられますか。

○鈴木老人保健課長 第1点目の地域区分の考えの中の人件費割合と最低賃金との関係でございますが、済みませんが手元に資料がないので、ちょっと調べさせていただいて、また御回答させていただければと思います。

 申しわけないのですが、2点目の質問は。

○瀬戸委員 地域密着型サービスの人員要件や利用定員の見直しを検討するとあるので、現時点として地域密着型サービスの利用定員の上限というのをどれくらいで考えているのかという考え方があればということです。小規模の事業所の利用定員を見直すということは、今、29人を上限としているところを増やすという考え方を検討するということですよね。それについての意見を聞きたいということです。

○鈴木老人保健課長 今現在につきましては、定員をどうするかということについての、具体的な案はございません。

○瀬戸委員 あくまでも地域密着型サービスは小規模で進めてきたものでありまさか定員を50名にしたものまで小規模とは言わないと思いますが、その辺も含めて、しっかりと地域密着型サービスをどうするか、小規模のメリットは何かの観点で、今後議論を進めていただければと思います。

 以上です。

○田中分科会長 では、高野委員、どうぞ。

○高野委員 ありがとうございます。本日は、医療・介護の同時改定の議論のスタートということですので発言させていただきます。

 施設などにおいて歯科専門職が関与することで、誤嚥性肺炎や発熱などの発症予防に貢献するといったデータは既に周知されているところであります。

 歯科専門職は、患者本人、家族はもちろんのこと、主治医を含め、多くの職種と連携を図りながら、そしゃく機能の回復や口腔衛生管理及び他職種の実施する口腔ケアなど、これらを含めて私どもは口腔健康管理と呼んでいるわけですが、これらを通じて、御本人が望むものであれば、最期まで自分の口から食べる支援をすることによって、QOLの維持・向上に貢献できると考えております。

 歯科におけるサービスのほとんどは外づけでありますことから、本来、現場ではニーズがあるにもかかわらず提供につながっていない部分も多くあります。また、課題もあると思いますので、医療及び介護の同時改定の中で、資料3の4ページの2枠目にもありますように、医療と介護の連携のさらなる充実に向けて検討することが適当であるとされているように、介護の現場において、歯や口腔の問題が放置されることがないように、制度などのさらなる充実を図っていただきたいと思います。

 以上、要望でございます。

○田中分科会長 ありがとうございます。

 ほかはよろしゅうございますか。

 もしなければ、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 サービス付き高齢者向け住宅への在宅介護の提供の不適切事例の是正についてです。これは私から何回かお話をさせていただいていますが、介護保険部会において、私だけではなくて土居委員も指摘されていました。大阪府の調査の例を出して、平均で区分支給限度額の9割前後が入っていても、要介護3以上になると特養より高くなってしまうという話でした。それ以外にも介護保険サービスをたくさん利用すればその分家賃が安くなるようなビジネスモデルの出現もあります。サ高住はこれからますますふえてきますから、その是正を今回の改定でやらないと、次は3年後ということになりますから、これはやるべきだと思います。

 在宅医療についても、右肩上がりの時代がしばらく続いたのですが、平成26年度の診療報酬改定で適正化をしまして、それから平成28年度の診療報酬改定で、その精緻化をした結果、一定の改善が認められてきております。これを今回の介護報酬改定においてやらないと、サ高住の数だけふえて不適切な事例の温床となり、地域において悪貨が良貨を駆逐することになるのです。これはぜひやるべきだと思います。

 蒲原局長から、前回の分科会が終わった後の個人的な会話ではやりますという話があったのですけれども、平場ではっきりと、決意のほどをお示しいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○田中分科会長 御要望ですか。

○鈴木委員 質問ですから、お答えをお願いします。

○田中分科会長 では、老健局長、お願いします。

○蒲原老健局長 まず、いろいろと今回の制度改正に関係しますけれども、どうしても費用が、一定の範囲でふえる中で、適正化といったことをちゃんとやっていかないと、また負担をされる方の納得も得られないということで、もちろん今回は負担もお願いしていますけれども、その大前提はいろいろなこともちゃんとやっていくということだと思います。

 そういった意味で、今、話が出ました件についてですけれども、これは前の部会で土居先生もおっしゃっていましたが、いろいろな自治体の、特に関西のある府県における実態というのも調査がされているということでありますので、おっしゃっているように、特養の3、4、5の基準の額を上回る限度額のところまで使われているという実態が調査の結果でわかってきて、それに対して、その府においても、いろいろなことをこれからやっていこうということになっております。

 そうした取り組みの中身も、なかなかこれでという決定打までは行っていないところもあって、そこは府の取り組みだとか、あるいは我々がもっといろいろなツールを、きちんと整理して対応していかなければいけないし、また、そうでないといろいろなところで、恐らく今回の報酬の改定でも、一定の、伸ばすというか対応すべきところも一方であって、ただし、一方で、今のようなことも含めて対応すべきことは対応していかないと、両方をうまくバランスできないので、おっしゃるようなこともきちんと頭に入れてやっていきたいと思います。

○田中分科会長 ありがとうございました。

○鈴木委員 お約束いただいたので、今回の改定でやるということで、よろしくお願いしたいと思います。

○田中分科会長 ちょっと私も、分科会長としてではなく、研究者として発言していいですか。

 先ほど来の、地域共生社会と地域包括ケアシステムの関係について、私はこう考えています。

 地域共生社会は、住民も提供者も自治体も意識すべき理念ステートメントです。分析概念というより、上位の理念です。住民が、地域でお互いに助け合って生きていこうと唱える理念です。それに対して地域包括ケアシステムは、例えば地域包括ケア会議とか地域マネジメントなど、具体的な中身を伴っている仕組みの話なのです。

 したがって、両者は対決するわけでもなく、位置づけが違います。片や理念、片や具体的な仕組みと私は捉えて講演などでは話しております。これが正解かどうかは、別に人によって違っていいと思いますが、私はそういう理解をしております。

  ほかに何か。

 では、振興課長、どうぞ。

○三浦振興課長 振興課長でございます。

 先ほどから共生型サービスのお話が何度か出ておりまして、その中で、石田委員から障害の方の入所者のお話を例に引かれながらコメントされたと思いますので、少し補足をしたいと思います。

 参考資料1の22ページ以降に細かく書いてありますので、後ほど御参照いただければと思いますが、介護保険部会で1年かけて議論をした中に含まれていたものが共生型サービスということになります。また、障害の観点で申し上げれば、入所者の方は介護保険優先原則というのがございませんので、障害の施設に入っていらっしゃる方が65歳になっても障害のサービスを受け続けることになります。一方、在宅の障害者の方は65歳を過ぎますと介護保険の被保険者になる。そうなると、通いなれた障害のサービスを使いづらくなりまして介護保険サービスを利用しなければいけなくなるという問題が、2年ほど前に障害の部会から指摘されており、これを受けて介護保険部会で議論を積み重ねて、法案の中に盛り込んでいるという形になっております。

○田中分科会長 お待たせいたしました。松田委員、どうぞ。

○松田委員 幾つかもう御指摘があったことだと思いますが、いろいろとお話を聞いていて少し考えていることがございます。

 私自身、幾つかの自治体の介護保険事業計画の策定の支援とかをしているのですけれども、介護保険が始まった当初は、保険者は住民にかなり丁寧に説明をしていたのです。介護保険というのは、いわゆる連帯の仕組みである。第1号被保険者は高齢者の中での連帯だから、所得区分による保険料の違いがある。それから、第2号被保険者は世代間の連帯である。公費のところは国民全体の連帯である。

 連帯の仕組みとして介護保険が始まったはずなのですけれども、最近、いろいろな自治体のお手伝いをしていて思うのは、住民は介護保険料をただ単に取られていると思っている。それが連帯の仕組みだという意識はなくなってきているのです。これを、もう一回ちゃんと丁寧に説明しないと、何となく介護保険の支えるところの連帯の意識が弱くなっている、この状況に少し危機感を覚えています。

 もう一つ大事なことは、介護保険が始まったときには、介護保険の保険料というのは、保険者に所属している被保険者の方たちが、どのくらいサービスを使ったかによって保険料が決まっているということで、使った額と、保険料の連動性が明らかになっていたと思うのですけれども、ここの説明も非常に弱くなっています。そういう意味で、今回の介護保険事業計画でも、それぞれの自治体の保険者で、保険料がここに上がってきている要素の分解をやっていただいたほうがいいのではないかと思います。

 要するに、施設サービスをこれだけ使うようになったので、このくらい保険料が上がっています、通所介護をこのくらい使っているので保険料はこのくらい上がっていますという、少し保険料に対する寄与部分が見えるような形にしていかないと、何となく議論がかみ合わないように思いますので、介護保険事業計画を策定するに当たって、そこのところの工夫をしていただけるといいのではないかと思いました。

 あと、先ほど来出ているペーパーワークの多さというのは非常に大きな問題だと思いますので、事務の共同処理みたいなものが地域単位でできるような、そういう新しい仕組みがつくれるといいのではないかと思いますので、そういうところもぜひ検討していただけたらと思います。

 以上です。

○田中分科会長 ありがとうございます。

 井口部会長代理、どうぞ。

○井口部会長代理 私は井口というのですが、無口でありまして、会議ではほとんど発言をしたことがないのです。ただ、西暦2000年に介護保険がスタートして、その時点から比べて、16年たって、被保険者が1.6倍で、要介護認定者が2.9倍だというデータをいただいたわけですが、いろいろ進める中で、局長以下、皆さん方が頑張っておられて大変すばらしいなと、日本の国は大丈夫ではないかと思っています。

 特に、サービスを受ける側とサービスを提供する側とか、あるいは財源を負担する側の代弁者の方とか、財源をいただく側の人たち、それぞれ立場は違うわけですが、そしてまた、それぞれの方がしっかりとした主張をされる中で、最終的にはうまく方向づけができるということで、そういう意味で、このメンバーの皆さん方はよく頑張っておられるということで、私などは全然できないので敬意を表したいと思っています。

 それぞれの部会もあるようですけれども、介護保険についても一生懸命やられているということで、先ほどもどなたか発言されておられましたが、16年たってどうかといったら着実に進んでいるわけです。もちろん進んでいることに対してまだまだ不足しているという人もおられるし、いろいろな考え方はあると思いますが、よく進んでいると。そういう意味で、この分科会も非常に役に立っているのかなと思っております。

 私は、最近は認知症ぎみで、こういう委員をやっていてどうなのかなと思うところもありましたが、でも、介護ですから、認知症の当事者代表も必要だということで恥を忍んで出させていただいているわけでございますし、何年後かには亡くなるわけでありますけれども、この制度は、これからもずっと日本において必要になってきますので、引き続いて。

 そして、すごいのは傍聴人の方がたくさんおられて、これだけ多くの人たちが関心を持たれるということです。

 本当に議論をしっかりやっていただいて進めていただくことが、それぞれの団体の代表だけではなくて、日本の国全体に役立っていますので、引き続き健康に留意されて頑張っていただきますように、お願いを申し上げます。

○田中分科会長 まとめの発言をありがとうございました。

 一わたり全員発言して、ぴったり予定のスケジュールにはまるとは見事ですね。皆さん、御協力ありがとうございました。

 平成30年度介護報酬改定に向けては、本日の皆様からいただいた貴重な意見を踏まえつつ、お示しした進め方で議論を進めてまいります。

 本日の審議は、ここまでといたします。

 次回の予定について、事務局から説明をお願いします。

○鈴木老人保健課長 次回につきましては、追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○田中分科会長 本日は、これにて閉会いたします。

 貴重な議論をありがとうございました。


(了)

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