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2017年2月8日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第37回議事録

○日時

平成29年2月8日(水)11:10~11:25


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

荒井耕部会長 印南一路部会長代理 田辺国昭委員 西村万里子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 花井十伍委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本純一委員 松原謙二委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
田村誠専門委員  昌子久仁子専門委員 上出厚志専門委員 加茂谷佳明専門委員
<参考人>
福田敬参考人 池田俊也参考人 田倉智之参考人
<事務局>
鈴木保険局長 谷内審議官 濱谷審議官 迫井医療課長 眞鍋医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○費用対効果評価に係る今後の進め方について(案)

○議事

○荒井部会長

 ただいまより、第37回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開催いたします。

 まず、本日の委員の出欠状況について報告します。

 本日は、榊原委員が御欠席です。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 初めに「費用対効果評価に係る今後の進め方について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 それでは、資料費-1を用いまして御説明させていただきたいと思います。

 まず、1ページ目、「1.背景」でございます。

 (1)、(2)がございまして、(1)は28年度診療報酬改定で行われた取組状況を説明してございます。

 1つ目の○でございますが、28年度改定におきまして、こちらは試行的導入の開始が決定されておりまして、現在13品目、医薬品7、医療機器6を対象にデータ分析が進められているところでございます。これは年度内の提出を予定されております。今後、第三者による再分析、そして、総合的評価(アプレイザル)を踏まえた価格調整が行われる予定ということでございます。

 この費用対効果評価の試行的導入の状況を踏まえて、本格導入について、将来的に検討をすることとされておりました。

 一方で、改定の附帯意見に基づきまして、高額な医療機器を用いる医療技術に対する費用対効果につきましても、現在具体例を用いた検討が進められているところでございます。

 (2)でございますけれども、これも御案内のことでございますが、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」における指摘もございまして、○にありますように、これは下の点線で抜粋をしておりますが、費用対効果に係る幾つかの指摘をいただいているところでございます。

 ページをおめくりいただきまして、「2.今後の対応の考え方」でございますけれども、3つ○がございまして、1つ目の○でございます。試行的導入に係るこれまでの取り組みと先ほどの基本方針を踏まえまして、平成30年度診療報酬改定時に、費用対効果評価の活用を制度化するよう検討を進めることとしてはどうかと書いております。

 具体的には、医薬品、医療機器、医療機器には高額な医療機器を用いる医療技術を含むということでございますけれども、これにつきまして、30年度改定時に試行的導入の検討結果を踏まえ、既収載品に加えて新規に収載する医薬品、医療機器も含めて、費用対効果評価を活用した制度化の検討を進めることとしてはどうかというものでございます。

 検討に当たりましては、こちらは最終的には薬価専門部会、保険医療材料専門部会におきまして、それぞれの値づけのルールは決められるものでございますけれども、そちらにおける費用対効果評価の価格への反映方法に関する検討に向けまして、本年夏を目途に一定の結論を得ることとしてはどうかと考えております。

 「3.検討事項」のリストでございます。

 1つ目の○にございますように、これまでるる検討がなされてきているところでございます試行的導入、また、高額な医療機器に係る当部会における議論、基本方針といったものを踏まえまして、(1)から(4)にありますような課題につきまして検討を進めることとしてはどうかと、検討項目をリスト化しているものでございます。

 (1)が対象品目と医療技術の選定のあり方でございます。試行的導入で一定の考え方をお示ししたところでございます。それに加えまして、新規収載する医薬品や医療機器の数、諸外国での状況、事務局体制等を踏まえ、どの程度が制度化できるかということをよく勘案しながら、対象品目、医療技術を選定のあり方を検討したい。

 (2)は、総合的評価(アプレイザル)等のあり方でございます。これは28年度の改訂から引き続き検討するとなっていたものでございますけれども、こちらは総合的評価を行う際の要素につきまして、諸外国の取り組みも参考としつつ、我が国でのあり方を検討する。

 また、研究班の報告ですとか調査等を参考といたしました費用対効果評価のお示しの仕方のあり方も検討するものでございます。

 (3)が費用対効果評価の反映方法でございますけれども、1つ目の○でございますが、これは前年度からの表現と同じものでございます。通常の価格算定方法を用いた後に費用対効果評価の結果を価格調整に用いるという位置づけにされております。その具体的な反映方法は、30年度改定時に合わせて検討するとされていたところでございます。

 また、基本方針につきまして指摘されているところも、価格への反映の方法は考えなければならないと考えております。

 これらの事項につきまして、また薬価専門部会、保険医療材料専門部会にどのようにお渡しするかということも検討するということでございます。

 最後のページでございます。その他の検討事項ということでございまして、これは3つ○が並んでございますが、これは費用対効果を実施していく上での必要な体制ですとか組織のようなことにつきましての検討ということでございます。

 「4.今後のスケジュール」ということでございますけれども、今、御説明したようなことを踏まえまして、この2月から検討事項に基づく議論を始めまして、関係団体等からの意見聴取等も行い、夏ごろを目途にこの費用対効果評価のあり方に関する中間的な取りまとめを行いたいということでございます。「以降、必要に応じて検討」となっておりますのは、両部会、薬価専門部会、保険医療材料専門部会におきまして各般の議論があったときに、例えば、費用対効果評価でこのような考え方をお示ししていただけないかと、そういうやりとりもあろうかと思いまして、「必要に応じて検討」という記載にさせていただいているところでございます。

 資料の説明は以上でございますけれども、これに加えまして、参考資料といたしまして、薬価の基本方針、前回改定時の費用対効果評価の試行的導入とまとめた説明文書の紙、また、それをパワーポイントに落としたもの、4月からの試行的導入の対象品目について、こちらを参考資料として添付しているところでございます。

 説明は以上でございます。

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 ただいまの説明に関して、御質問等がありましたらお願いします。

 花井委員、どうぞ。

○花井委員

 2ページ目の(3)の2つ目の○なのですが、「『薬価制度の抜本改革に向けた基本方針』で示された、費用対効果の高い医薬品等の価格の引き上げを含めた、価格への反映方法のあり方」というところなのですけれども、端的に費用対効果の高い医薬品の価格を上げると費用対効果は下がってしまうので、ある種わかりにくい表現になっているので、もちろんイノベーションの関係だとはわかるのですが、一応、具体的にこれはどのようなプロセスを想定しているのか説明していただけますでしょうか。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 こちらの表現につきましては、まず、費用対効果評価というのは、一つの物差し、ICERとアプレイザルの結果というものが出てまいります。一応その科学的な分析と社会的な評価によってニュートラルに出てくるものでございます。その上で、それをどのようにそれぞれの医薬品や医療機器に当てはめるかということに関しては、こちらの費用対効果評価専門部会からのお渡しの仕方と、それぞれの薬価部会、保険医療材料専門部会で、どのようにそれを結果として生かしていくかという両方の議論が必要かと思っております。その中で、今後、具体的な論点をお示しして検討していただきたいと思っております。

○荒井部会長

 花井委員、どうぞ。

○花井委員

 ということは、要するに、この文章が適切とは思わないですけれども、イノベーティブなものを、まさにツールとして費用対効果のようなものも使いつつ、総合的に評価するという理解でよろしいですか。

○荒井部会長

 企画官、どうぞ。

○眞鍋医療課企画官

 基本方針にもそのように書かかれているとおりで、意図はそういうことでございます。

○荒井部会長

 ほかにどうでしょうか。

 どうぞ、松本委員。

○松本委員

 今の花井委員の質問の件なのですけれども、費用対効果を評価して、費用対効果があったとする場合、いわゆる数値で判断するのか、判断をどうするかとここで議論するときに、参考になるのはどういうものになりますか。

○荒井部会長

 企画官、どうぞ。

○眞鍋医療課企画官

 まさにここの資料の2ページ目の(2)総合評価(アプレイザル)等のあり方で、これは引き続き検討することとされておりますけれども、今のところ、ICERと言われるものを用いて、それを標準的にと考えておりますが、それの報告の仕方につきましても、今後、こちらの部会に、研究班の報告ですとか調査等を参考として、どのようにそれを表現すればいいかということも含めてお諮りしようと思っております。

○荒井部会長

 松本委員。

○松本委員

 決して、数値を1つ決めて、それより効果があったから即引き上げるとか、そういう話ではないということですね。

○荒井部会長

 企画官、どうぞ。

○眞鍋医療課企画官

 そういう理解で結構だと思います。

○荒井部会長

 花井委員、どうぞ。

○花井委員

 関連してなのですけれども、ICERの上限についての議論はいろいろこれまでもされていたと思うのですが、例えば、下限についての議論というのは諸外国であるのでしょうか。専門の先生に教えてほしいです。

○荒井部会長

 それでは、福田参考人。

○福田参考人

 参考人の福田でございます。

 諸外国のやり方と費用対効果の分析方法ですけれども、今、企画官からありましたとおり、増分費用効果、ICRを算出しますが、これは小さければ小さいほど効率的と判断できますので、これには下限というものは設定ができません。さらに効果がプラスになって費用が削減できるという場合もありますので、その場合にはそもそもICRというのは数値そのものを算出しないという形になりますので、特に下限を設定することはないと考えています。

○荒井部会長

 よろしいですか。

○花井委員

 わかりました。

○荒井部会長

 ほかに御意見はないでしょうか。

 猪口委員。

○猪口委員

 本年度は試行調査ということで13品目と書かれているのですが、これは本格的導入になると大体何品目ぐらいが1年で評価することが可能になるかどうか、教えていただけますでしょうか。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 御質問ありがとうございます。

 まさにそこにつきましても、今回、2ページの「3.検討事項」の(1)でお示ししておりますように、先ほどの説明で足りなかったら大変申しわけなかったのですけれども、今、13品目でございますが、これに加えて、今、事務局でやらせていただいている、私どもはどのぐらいできるかという体制、あるいはどのぐらい新規の収載品目があるかということを総合的に判断させていただきたいと思っておりまして、今、どのぐらいですと申し上げることは困難であります。

○荒井部会長

 加茂谷専門委員。

○加茂谷専門委員

 専門委員の立場で、一言意見を述べさせていただきます。

 今回、検討事項に示されているとおり、まだまだ詰めなければならない課題が種々あろうかと認識しております。それぞれの課題に対して専門委員の立場で積極的に参画していく所存でありますけれども、現在、薬価専門部会で薬価制度の抜本改革の議論も並行して行われているところでございますので、その抜本改革の議論との整合性も検証いただきながら、議論を進めていただきたいということを意見として述べさせていただきます。

○荒井部会長

 特にないですか。それでは、意見ということで承りました。

 ほかにはどうでしょうか。

 吉森委員。

○吉森委員

 単純な質問です。2ページの「2.今後の対応の考え方」の中で、30年度には費用対効果を活用した制度化の検討を進めるということなので、本年夏をめどに一定の結論と出ているのですが、試行的ないろいろな検討状況がこれから提示されて、今、加茂谷委員からもありましたように、薬価専門部会でいろいろ抜本的改革を議論するのと相まって、一定の結論が夏に出るのでしょうか。

○荒井部会長

 企画官、よろしくお願いします。

○眞鍋医療課企画官

 ありがとうございます。

 まず、薬価専門部会、そして、この後、保険医療材料専門部会での御議論はありますけれども、それぞれ検討していただくときに、費用対効果評価をどのように踏まえるかということを、一定の時間をとって、それぞれの部会でも御検討いただくことが必要だろうと思っております。そういうことを鑑みまして、本年夏を目途にと考えて一定の基準をお示ししたと。

 最後のスケジュールでもお示ししたとおりで、その後も部会等でこちらの費用対効果評価専門部会のやりとりというのはあるかもしれない、想定されるかもしれないということで「必要に応じて検討」とさせていただいているところでございます。そこは全体のスケジュール感を見ながら柔軟に対応していきたいと思っております。

○荒井部会長

 よろしいですか。

 ほかに御意見はどうでしょうか。

 よろしいですか。

 ほかに御意見等はないようでしたら、本件につきましては、費用対効果評価専門部会として了承し、これに沿って今後具体的な検討を進めるということでよろしいでしょうか。

 ありがとうございました。

 それでは、本件につきましては、費用対効果評価専門部会として了承したいと思います。

 本日の議題は以上です。

 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いします。

 それでは、本日の「費用対効果評価専門部会」は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

○眞鍋医療課企画官

 ありがとうございました。

 次の薬価部会につきましては、準備が整い次第、開催したいと思います。よろしくお願いいたします。


(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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