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2017年1月25日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第125回議事録

○日時

平成29年1月25日(水)11:36〜12:28


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

西村万里子部会長 野口晴子部会長代理 田辺国昭委員 印南一路委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 宮近清文委員
中川俊男委員 松原謙二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
加茂谷佳明専門委員 吉村恭彰専門委員 上出厚志専門委員
<事務局>
鈴木保険局長 谷内審議官 濱谷審議官 迫井医療課長 眞鍋医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○ 薬価制度の抜本改革について

○議事

○西村部会長

 それでは、おそろいのようですので、始めます。ただいまより第125回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。

 まず本日の委員の出欠状況について、報告いたします。本日は、全員が御出席です。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 今回は「○ 薬価制度の抜本改革について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されております。説明をお願いいたします。中山薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 それでは、資料の説明をさせていただきたいと思います。

 中医協薬−1をごらんください。

 薬価制度の抜本改革については、ことしに入りまして、既に2週間前の1月11日に、その1ということで、1回目をやらせていただきました。その際の御指摘にもありましたが、前回、全体の工程表をお示ししたわけですけれども、もう少し具体的な議論の進め方のイメージを出してほしいという御指摘をいただいていたところでございます。したがいまして、中医協薬−1につきましては、薬価制度抜本改革の前半部分の検討イメージということで、お示しさせていただいてございます。

 ポンチ絵の御説明をさせていただきますと、(1)といたしまして、効能追加等に伴う市場拡大への対応ということでございますが、これについては、全体の各論点についての議論ということで、ことしの1月11日に実施させていただいたということであります。

 この後の進め方といたしましては、(2)の薬価算定方式の正確性・透明性という観点で、論点パートということで、分けさせていただいております。それが外国平均価格調整、類似薬効比較方式、原価計算方式、透明性といったところでございますけれども、それぞれについて、議論をさせていただきたい。1回当たりに1つのテーマという場合、2つのテーマを1回でやる場合と、いろいろあり得ると思いますけれども、そういったことで考えていただければと思います。

 そうしたことで、今回、1月25日ですけれども、2つ目の外国平均価格調整の各論点についての議論をさせていただきたいと考えております。

 大きな3点目としては、中間年の薬価調査・薬価改定ということで、その議論もさせていただきたいと思います。

 それぞれ全体としての各論点についての議論を行った後、矢印の右側になりますが、パートごとに、事務局としての案をお示ししつつ、そこについての御意見をいただく、議論をしていただくことを考えているという流れになります。論点ごとに、2回から3回ほどを予定しておりますけれども、議論をしていきたいと考えているということであります。

 (1)の効能追加等に伴う市場拡大への対応の部分ですけれども、これは既に全体についての議論を行いました。最終的な議論については、四半期ごとのデータ把握の見直し案議論ということと、薬価の引き下げのあり方についての議論ということで、分解して行いたいと考えています。

 そのうちの薬価の引き下げのあり方につきましては、薬価算定方式の正確性の部分を踏まえた上で、議論すべきだと考えておりますので、真ん中あたり、赤の点線で囲った部分、外国平均価格、類似薬効比較方式、原価計算方式、そうした議論をある程度踏まえた上で、市場拡大への対応の部分の薬価引き下げのあり方については、議論したいという流れにしていきたいと考えております。

 なお、左の白抜きの数字が、1、2、5、6、7、3、4と書いてありますけれども、これはこれからの議論の順番でして、今回が2の部分ですが、次回は中間年の薬価調査・薬価改定の議論を行いたいと考えているということで、議論の順番の目安としてお示ししています。これは状況に応じて、変更があり得るかもしれないということは、御承知おきいただきたいと思います。

 中医協薬−1については、以上であります。

 次に中医協薬−2にいかせていただきます。

 薬価制度の抜本改革について(その2)といたしまして、3というのは、前回、全体の工程表を出したときの数字です。外国平均価格調整のあり方についてという部分でございます。

 背景につきましては、新医薬品の価格設定に当たりましては、外国価格と著しい乖離が生じないようにということで、収載時において、使用実態等を考慮し、価格の是正を図るということを行ってきております。

 価格是正をより適切に行うということで、具体的な調整式とか、外国平均価格の定義とか、調整の適用要件などについては、これまでも何度かの薬価制度改革にわたって、ルールの改善を行ってきたという状況です。

 その一方で、実際の最近の議論でも、価格を参照している一部の外国においては、医療保険制度の違いによりまして、参照国として不適切ではないかとする意見などもいただいているところであります。こうした状況も踏まえまして、外国平均価格調整のあり方について、検討する必要があるという背景でございます。

 2番目の基本方針及び中医協において示された課題ですが、まず基本方針におきましては、点線の枠囲みの中にありますとおり、特に高額医薬品等について、制度の差異を踏まえつつ、外国価格をより正確に把握するなど、外国価格調整の方法の改善を検討し、結論を得るとされております。

 また、中医協においても、当然のことながら、薬価制度に関する課題として、適切な外国価格との調整のあり方について、どう考えるかといった点が提示されている状況がございます。

 2ページ目にいっていただきますが、現行制度についてということです。

 概要といたしましては、類似薬効比較方式(I)及び原価計算方式のいずれの場合もということで、外国価格との乖離が大きい場合には、調整を行うこととしています。

 外国平均価格の定義といたしましては、米、英、独、仏の価格の平均額となっております。なお、ここについては、条件があります。外国価格が2カ国以上あって、最高価格が最低価格の3倍を超える場合は、最高価格を除いた外国価格の平均額とすることとしております。

 また、外国価格が3カ国以上あって、最高価格がそれ以外の価格の平均額の2倍を超える場合は、最高価格をそれ以外の価格の平均額の2倍とみなして算出した、外国価格の平均額とするといったルールがございます。

 調整対象要件といたしましては、外国平均価格の1.25倍を上回れば、引き下げ調整、外国平均価格の0.75倍を下回れば、算定値の2倍を上限として、引き上げということです。

 調整方法については、引き下げ、引き上げについて、それぞれ算式がございます。

 除外要件につきましては、引き上げ調整を行わない場合といたしまして、類似薬効比較方式(II)の場合は、引き上げ調整を行わない。新規性に乏しい新薬だということで、行わない。さらに複数の規格があって、外国平均価格と比べて、高い規格と低い規格が混在するような場合、引き上げ調整を行わない。複数の規格があって、非汎用規格のみが調整の対象となる場合も、引き上げを行わない。外国平均価格が1カ国のみの価格に基づき算出されることとなるものについても、引き上げを行わないこととしています。

 引き下げ調整を行わないものについては、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において、開発要請、公募に該当して承認され、薬価収載されるものであり、かつ外国での承認後10年を経過している、あと、算定値が外国平均価格の3倍を上回る場合、3つを全て満たす場合は、引き下げを行わないとしています。

 未承認薬・適応外薬検討会議で、開発要請したものは、外国でも非常に古くて、価格も低いものがあるということで、そうしたことに対して考慮するといったことで、こういった条件がついているということだと思います。

 4番の今後の検討課題ですが、参照すべき外国価格について、どう考えるかということです。

 さらに調整すべき医薬品の範囲についてですが、範囲はどうするかということとともに、類似薬効比較方式については、市場での公正な競争を確保する観点から、原則として、新薬の1日薬価を既存類似薬の1日薬価にあわせて設定しているということがある中で、外国平均価格調整のあり方をどう考えるべきかという点は、課題として挙げさせていただいています。

 調整方法の算式について、どう考えるかということ。

 再算定との関係についてという点で、世界に先駆けて日本で上市された医薬品は、当然のことながら、外国価格がないわけですから、調整がされていないものになるわけですけれども、収載後、外国で設定された薬価と著しく異なる場合があり得るということです。このような場合の外国価格との調整について、外国価格との乖離ということと、革新性といった点も評価しなければいけないと思いますが、そういった点を踏まえて、どう考えていくべきかという点を挙げさせていただいております。

 その他としては、その他留意点があるかどうかということであります。

 次に参考の資料にいっていただきます。中医協薬−2参考をごらんください。

 1ページは、表紙です。

 2ページにつきましては、中医協薬−2の中に書いてあることと同じです。

 3ページにつきましても、中医協薬−2の中に書いてあることだと思います。

 4ページです。外国平均価格調整の算定式のイメージということで、数式があるということで、お示ししておりますけれども、それをグラフにすると、どういうことになるかというイメージを示しております。

 例えば外国平均価格に比べ、算定値が2倍である。横軸の2倍のところをごらんいただくと、それを算定式に当てはめれば、1.5倍という形で、算定される式になっているということです。式のイメージを視覚化すると、こうなるということであります。

 5ページをごらんください。外国平均価格調整の経緯です。

 経緯につきましては、まず平成8年以降、外国平均価格調整が行われるようになったということで、その際、外国平均価格と比べ、2倍または2分の1を超える内外価格差があるものが、対象であったということですけれども、平成12年、下の段ですけれども、2分の3を上回る場合、あるいは4分の3を下回る場合ということで、対象とする範囲が見直されたということです。

 さらにその流れでいきますと、下から2段目の平成26年のところをごらんいただきますと、引き下げの要件を外国平均価格の2分の3から4分の5に変更ということで、現在のルールになっている状況にあります。

 また、別な点でいいますと、平成18年の一番下のポツをごらんいただくと、2カ国以上の価格があった場合ということで、最高価格を除外する場合は、最低価格の5倍を上回る場合というのが、平成18年にできたわけですけれども、これについては、下から2段目の平成26年を見ていただきましたとおり、5倍から3倍に変更したということがあります。累次にわたる改定の際の見直しということで、外国平均価格調整も見直されてきた経緯がありますということです。

 6番目のスライドですけれども、過去3年間の収載品目の外国価格との比率の分布ということで、これまで過去3年間で収載された品目の外国価格があったものについて、我が国での算定値を1とした場合、米国、英国、ドイツ、フランスで、それぞれどのような比率の分布になるかということをお示しした資料であります。

 ページをめくっていただきまして、最後ですが、欧米4カ国の医療保険制度と新薬の償還価格決定の仕組みの概略をお示しさせていただいております。

 スライドの一番下に、小さく書いてありますけれども、平成27年度薬剤使用状況等に関する調査研究報告書ということで、国が委託して実施していただいた報告書の中身から、概略を抜粋させていただいているということです。

 左が医療保険制度、右が新薬の償還価格決定の仕組みということで、それぞれの国を見ていきますと、米国では、民間保険が主であるということで、ただ、一部、公的医療保障もあるという状況です。価格決定の仕組みに関しては、自由価格であるということです。

 英国につきましては、税方式による国営の国民保健サービスということで、価格決定としては、一定の利益率の範囲で、企業が自由に決定できる仕組みになっているということです。

 ドイツは、社会保険方式でありまして、上市後、一定期間を経て、公的価格を決定する仕組みになっています。

 フランスは、社会保険方式でありまして、公定価格になっています。

 この辺につきましては、薬価の議論が進んでいることもありますので、今年度の報告書において、もう少し詳細な部分を調査し、取りまとめることとしておりますので、その内容にいても、お知らせすることができる状況になるのではないかと、考えているところであります。

 以上であります。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に関して、御質問等がありましたら、お願いいたします。

 吉森委員、どうぞ。

○吉森委員

 ありがとうございます。

 外国平均価格調整について、中医協薬−2参考のスライドを今、御説明していただいたところで、これまでの経緯を見てみますと、最高価格を除外する要件が、最低価格の5倍であったものを、平成26年に3倍に変更しているということです。ここはどのような理由で、どういう根拠で3倍にしたのかということを教えていただければと思います。除外要件も見直しの論点の1つになるのではないかと考えているので、そこを教えていただければと思います。

 それと、中医協薬−2の3ページの「4.今後の検討課題について」の意見です。

 (1)の参照すべき外国価格について、中医協薬−2参考の最終ページの各国の資料などを見ますと、米国は薬価が自由価格であり、医療保険も民間保険です。これに対して、日本は公定価格で、公的医療保険が主です。こういう環境を同様に参照するのは違和感があると思っておりますし、現行の米、英、独、仏の4カ国の中で、医療保険の考え方、償還価格の仕組み等々を考えますと、医療経済性や費用対効果などの観点で、薬剤を公定価格に決定しているとか、一定の価格コントロールを制度化しているとか、そういう国の価格を参照することは、一定の妥当性があると思います。

 次に(3)の調整方法について、これも非常に難しい問題ではあると思うのですが、外国の価格を単純に比較しているということでありますが、対象患者等、国によって状況はそれぞれ異なっておりますので、単純な価格だけの比較でいいのかというところも、論点の1つになると思っています。

 最後に(4)の再算定との関係についてです。世界に先駆けて日本で上市された医薬品については、もちろんそれに対するイノベーションの評価に一定の配慮が必要だというのは申すまでもないと思っておりますが、諸外国との価格差の適正化も同様に重要であるということも間違いないことでありますので、定例の薬価改定の機会のみならず、海外の価格差が大幅に広がるとか違うというタイミングでも見直しができるような、柔軟性を持ったルール設定も必要なのだろうと思っております。

 以上、意見です。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 御意見などを含めて、4つ出していただきまして、最初の点について、薬剤管理官、御説明をお願いします。

○中山薬剤管理官

 最初の点について、御質問いただきましたので、お答えいたします。

 平成26年度の薬価制度改革において、経緯といたしましては、薬価算定組織における意見ということで、実際に薬価算定をしている専門家の中の意見として、最高価格を5倍から3倍に見直してはどうかという意見が、提出されたことが、きっかけになっております。その際にも、実際に5倍を上回る成分数とか、3倍を上回る成分数として、過去にどういった状況があって、変更した場合、どういった影響があるかということのデータも示した上で、御議論いただいた上で、3倍になったという経緯のようでございます。現時点でわかる範囲としては、ここまでになります。

○西村部会長

 吉森委員、どうぞ。

○吉森委員

 そうしますと、3倍を例えば2倍にするとか、そういったデータ、影響度合い等々の資料を出していただいて議論することは、可能だと考えていいわけですね。

○西村部会長

 薬剤管理官、どうぞ。

○中山薬剤管理官

 それも可能であります。いろいろなシミュレーションをしてみて、次回、議論のときには、そういったこともデータとしてはお示しした上で、議論させていただきたいと思います。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 安部委員、お願いします。

○安部委員

 外国平均価格調整については、この4カ国は、新薬が創設できる環境にあって、物価水準も日本と極端な差がないようなところと比較するというのは、合理的だと思いますし、我が国の薬価が、外国に比べて極端に安い、高いということがないように調整することは、必要な措置だと思っております。

 ただ、これまでも中医協でも議論になっていたとおり、米国については、自由価格ということと、リストプライスを価格として見ているという点については、さまざまな影響が出てしまうと思います。そういった意味では、米国でリストプライス以外に、何か参照とすべき価格が見られれば、それを使うという手もあろうかと思うのですが、それがなかなか難しいという、これまでの御説明でございましたので、米国のリストプライスの価格というのは、あくまで参考程度にして、平均の中には入れないという手も、あろうかと思っております。

 ただ、世界で最大の新薬創設国でありますし、ここで見ても、104品目と一番大きなボリュームがございますので、こういったものは、十分に参考にしながら、リストプライスのあり方については、平均の中に用いないという手もあるのではないかと考えております。

 以上です。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 まず最初に確認しますが、アメリカの流通価格の把握は、無理なのですか。メディケア、メディケイドも含めて、実勢価格、流通価格の把握は無理かどうか、専門委員にもお聞きしたいです。

○西村部会長

 まず専門委員にお聞きします。加茂谷専門委員、どうぞ。

○加茂谷専門委員

 アメリカの事情を熟知しているわけではないので、間違いがあれば、事務局から訂正いただきたいと思いますが、流通量はさて置き、FSSと申しましたでしょうか、一応公表されているものもあると認識はしております。

○西村部会長

 薬剤管理官もありますか。

○中山薬剤管理官

 基本的に我々の認識といたしましては、公的なもので、患者数とか、そういったものに対しても、網羅性のあるような形での価格の把握については、できない、公表されていないという認識でいます。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 その上でお聞きしますが、中医協薬−2参考の6ページに、過去3年間の収載品目の外国価格との比率の分布があります。日本で算定した薬価を1として、アメリカで、日本より安い価格があるというのは、ちょっと信じられないのですが、これはどんな品目ですか。

○西村部会長

 薬剤管理官、どうぞ。

○中山薬剤管理官

 今、確認したところ、マラリア薬の場合で、そういうものがあったということです。

○中川委員

 そういう薬がどうでもいいというわけではない、軽んじるわけではないですけれども、実際にこれから日本の中医協で薬価を算定していくことに関しては、日本より安いものは、アメリカではないということで、いいのではないかと思います。

 そして、マラリア薬とか、そういうものに限っていいのですか。再度、確認します。安いのは、特殊な薬だけですか。

○西村部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 そこについては、しっかり確認させていただきたいと思います。確認いたします。

○中川委員

 なぜそう聞くかというと、1という日本の薬価の算定が、品目によっては、高いのではないかと思ったのです。例えば原価計算方式とか、類似薬効比較方式でもそうですけれども、高目に設定されたために、アメリカの価格を上回る品目が少々あったのではないかと考えたのですが、違いますか。

○西村部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 この分布図をごらんいただきますと、わかるとおり、日本の価格を1とした場合、米国は1よりも多いものがたくさんあるということですし、英国、ドイツ、フランスを見れば、両方にまたがっていることがわかると思います。

 一番右側の点線枠にもありますとおり、それぞれ平均値が出ておりまして、英国についていえば、1.19倍とか、ドイツは1.64倍、フランスでいえば、1.14倍となっておりますとおり、日本の価格が高いということは、決してないと思います。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 その上で、中医協薬−2の3ページの4.について意見を言います。

 (1)の参照すべき外国価格については、アメリカのリストプライスは除外すべきだと思います。それが1点です。

 (2)の調整すべき医薬品の範囲で、類似薬効比較方式の参照薬について、製造工程、製造方法の違う薬は、類似薬効の対象薬にするべきではないと思います。おわかりのように、ソバルディ、ハーボニーは、化成品なのに、対象薬のさらにその対象薬として、インターフェロンが含まれていたものを対象にして、類似薬効比較方式で価格が設定されて、高くなったという事実がありますから、化成品、化学合成品の対象薬に生物由来製品がある場合は、それは対象薬にすべきではないと思います。提案をします。

○西村部会長

 2点の御意見ということで、いいですか。

○中川委員

 はい。

○西村部会長

 それに対しては、専門委員の方々とか、何かありますか。上出専門委員、お願いします。

○上出専門委員

 それでは、専門委員として、コメントをさせていただきます。

 本日の資料にもございますように、また、先ほど安部委員の御発言にもありましたように、参照する国につきましては、新薬の創出国ということで、現在の4カ国が選ばれていると理解をしております。

 ただ、一方で、御指摘がございましたように、米国の保険制度の違い、リストプライスの位置づけといったものを考えますと、現在の参照の仕方には問題があるということも、私どもは認識しているところでございますので、これらを勘案して、参照価格をどうしていくかというところを、議論していただければと考えております。

○西村部会長

 2つ目については、何かございますか。

○中川委員

 参照薬です。

○西村部会長

 上出専門委員、続けて、どうぞ。

○上出専門委員

 外国平均価格調整の対象薬ということであれば、そもそもこの制度は、外国との価格の著しい乖離を修正するためのものでございますので、その対象につきましては、ある程度、限定していくべきものではないかと考えております。一方、類似薬効比較方式で対象とする薬剤をどうするかということにつきましては、もちろん関連はしますけれども、分けて議論をしていくべきではないかと考えております。

○西村部会長

 今のことに関連してですか。松原委員、どうぞ。

○松原謙二委員

 2つ質問がございます。

 経済財政諮問会議から指摘されている点、つまり、正確に把握して、合理的に判断してくれということは、製薬会社にとっても非常に大事なことだと思いますが、1点目は、もしアメリカの地方自治体のデータがあるのであれば、なぜ今まで使わなかったのか。

 2つ目の質問は、平成18年に5倍というルールをつくったときの中医協の担当者は、私でありまして、随分議論しました。ある薬は5ミリと10ミリがあって、アメリカでは同じ金額で、汎用薬がアメリカでは10ミリ、日本では5ミリで、計算すると、とんでもない金額になるので、何かおかしいのではないかというところから、随分議論をした結果、5倍を超えると、やはりおかしいのではないかということで、対象から外した経緯がございます。

 その中で、英国、ドイツ、フランス、これらも社会保険制度でありますが、ここは外国調整をしているのでしょうか。これをお聞きしてからでないと、この議論は進まないのではないかと思います。

 どうやったら、アメリカの定価つまりリストプライスではなくて、実勢価格が把握できるか。その方法があるのか、ないのか。2番目は、ほかの3カ国は、どのように調整をしているのか。それをお聞きしたいと思います。

○西村部会長

 最初に事務局からお願いします。

○中山薬剤管理官

 事務局です。

 今のところ、米国の価格について把握する手段は、先ほども申し上げたとおり、米国全体として、公的機関が決定するような薬価が、幾らになるかということを調べることは、できないという認識でいます。

 あと、ほかの国で、外国価格調整があるのかどうかということについても、算定方式の具体的な内容というのは、明らかでない部分が多いですし、その部分について、確認しようとしても、できない部分があるというのが、現状ではないかと考えております。

○松原謙二委員

 これは確認していただかないといけないと思います。というのは、12年前に議論したときに、英国だけ非常に安かったのです。そのときに、外国調整は、アメリカの金額を入れずに計算しているということを聞いたことがあります。ほかの国がどうしているかということを、きちっと押さえてからでないと、いけません。もしほかの3カ国が、高いアメリカの金額を入れていないとすれば、合わせるのも合理的でしょう。アメリカのデータがわかって、適切な金額が把握できるのであれば、それも合理的だと思います。推測だけで物事を行うのではなく、データに基づいていかねばなりません。もう少しきちっとした説明が要ると思いますが、いかがでございましょうか。

○西村部会長

 中山薬剤管理官、どうぞ。

○中山薬剤管理官

 御指摘ありがとうございます。

 中医協薬−2参考の最後のスライドにありますとおり、一番下に書いてありますが、平成28年度の報告書で、欧米4カ国の医療保険制度と新薬償還価格決定の仕組みについては、調べられる範囲では、調べるという形で、調査を実施しておりますので、そうした点で、明らかになる部分については、お知らせできるようにしたいと考えます。

○松原謙二委員

 ぜひよろしくお願いします。

○西村部会長

 調査が進みましたら、また御報告してください。

 加茂谷専門委員、お願いします。

○加茂谷専門委員

 先ほどの私の発言の中で、誤解を受けるようなことがあってはならないので、補足をさせていただきます。

 先程、公表されている価格があると申し上げたところですが、それがアメリカにおける代表的な価格なのかどうかという点は、別途、検証が必要と認識しております。

 釈迦に説法だと思いますが、事務局の資料にもございましたとおり、アメリカは、公的医療保険のカバー率は非常に低く、民間保険を中心に形成されております。そういった点から医薬品の価格形成も、民間の保険者によって様々でございますので、何をもってアメリカの実勢価格の代表値とするのかという点について、先ほど事務局からも答弁がありましたように、代表価格を特定することはできないという認識は、私も同じであります。補足させていただきます。

○松原謙二委員

 中川委員が申し上げましたように、もし正確に把握できないのであれば、足し算をして平均をとるわけですから、外すという方法も考えなければならないのではないかということを、再度申し上げておきたいと思います。

○西村部会長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野委員

 アメリカを外国平均価格調整から外すという論点については、自然な考え方だと思います。しかし、アメリカも新薬の創出国でありますので、アメリカを外すことによって、何か影響を及ぼすことがないのかは確認する必要があると思います。例えば、アメリカ発のソバルディやハーボニーなどの新薬が保険収載されている中で、今後、その流通などに影響を及ぼすことがないのかについては確認した上で、結論を出す必要があるかと思い、質問させていただきました。

 もう一点は、特定保険医療材料と医薬品の価格の考え方についてお聞きします。特定保険医療材料の価格は、引き上げ要件がなく、引き下げ要件のみ設定されており、類似機能区分によって価格が決められております。しかし、薬価については、引き上げ要件があります。例えば、原価計算方式で算定する際に、外国平均価格調整が適用された場合には、引き上げられるケースがありますが、特定保険医療材料と医薬品の価格の考え方については、どのような違いがあるのかをお聞きしたいと思います。

○西村部会長

 事務局、お願いいたします。

○眞鍋医療課企画官

 企画官でございます。

 特定保険医療材料の値づけということですので、私からお答えをさせていただきたいと思います。

 まずは材料のほうでございますが、特に材料で、体内に使用するような、介入的なデバイスに関しましては、輸入の製品が占める割合が多うございます。その場合、海外での価格と、日本での価格を比べた場合に、日本での価格が非常に高いのではないかという指摘が、従来なされておりました。これは随分昔からでございます。そういう議論が主体でございましたので、材料価格制度におきましては、内外価格差の是正という文脈で申し上げますと、外国価格との乖離を埋める、つまり海外で安く売られているから、日本のデバイスに関しましても、それになるべく近づけていこうという、そういう改定が、随時、行われてきたということでございます。

 そういうことから、デバイスの特性と申しまして、特定保険医療材料で用いられるものは、海外製品が多い。それが外国では安く、日本で高いという実態があったことから、デバイスに関しましては、引き下げのルールが先行してきているということでございます。その中で、これまで引き上げるという議論は、なされてこなかったところでございます。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 1つ目のアメリカ価格を外すということについては、管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 1点目につきましては、現時点で、我々として、認識しているものはないということだと思います。それについては、外国平均価格調整の制度をどう変えていくかによって、関係する方々に影響が及ぶ可能性があるのかということも、慎重に確認しながら、検討を進めていきたいと思います。

○西村部会長

 幸野委員、よろしいですか。

○幸野委員

 承知しました。アメリカは、トランプ政権となり、アメリカファーストを掲げております。TPPを破棄するなどといった状況もありますので、慎重に検討していく必要があろうかと思います。

 また、眞鍋企画官からお答えいただきました、特定保険医療材料と医薬品の価格の考え方については、やはり、医薬品についても特定保険医療材料と同様に引き上げの場合は、外国平均価格調整を適用しないという考え方も検討の要素になるのではないかという点についても意見として申し上げます。

 

○西村部会長

 ありがとうございました。

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 今、幸野委員がおっしゃいましたが、我々は、相当な覚悟を持って、この議論をしなければならないと思います。御存じのように、トランプ政権になって、TPPの発効が、事実上なしになりました。マルチの協議から2国間協議だと、既に言っています。今、議論していることは、知っている方も多いと思いますが、TPP交渉の前の2011年、日米経済調和対話の米国側関心事項の中に、新薬創出換算を恒久化して、上限を撤廃すること、市場拡大再算定ルールを廃止すること、今、議論している外国平均価格調整については、日本における価格が、外国平均価格より高いか、低いかにかかわらず、製品が平等に扱われるように、外国平均価格調整ルールを改定すべきだといったことが、明確に書いてあるのです。こういう次元に戻る可能性が高いし、もっと強い論調で迫ってくる可能性が高いと思います。そういう意味では、中医協はよほどの覚悟を持って、今の薬価制度の抜本的な見直しに取り組まなければならないと思います。

 答えづらいでしょうけれども、事務局の決意をお願いいたします。

○西村部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 御指摘いただいたとおり、しっかり覚悟を持って、検討していきたいと思います。

 なお、先ほど中川先生から御指摘のあった、類似薬効の対象の薬の話ですけれども、類似薬効比較方式の議論のときに、またその話題は挙げさせていただきたいと思っておりますので、念のため、つけ加えさせていただきます。

○西村部会長

 課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 デバイスの関係も含めて、外国価格との調整がございますので、私どももしっかり議論していただこうと思っておりますが、前提となる認識といたしましては、価格の設定とか、市場の流通状況は、基本的に公平・公正で、いろいろな企業に対して、平等にいろんな条件が適用されるべきだという原則のもとに、各国が適切な制度運用をしております。その範囲の中で、米国との対話、あるいは他の欧州との対話もございますけれども、それぞれの国ごとに、適正な市場の評価と流通とイノベーションの評価を行っていくというのが、基本原則でございます。確かに米国の政権が変わりましたけれども、従来もそうですし、今後もそういった適切な制度運用に努めていくという意味で、覚悟を持ってまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○西村部会長

 よろしいですか。加茂谷専門委員からもお願いします。

○加茂谷専門委員

 外国価格調整ルールの見直しの議論は、米国価格の扱いが争点であることは、認識しているところでございますけれども、先ほどの参考資料にもあるとおり、過去から変遷を繰り返してきているということで、ルールそのものが複雑になってきております。

 そういう観点から、ルールの見直しに当たりましては、このルールが薬価算定に当たっての補正措置という認識に立ちますと、透明性・公平性の観点から、ルールそのものの簡素化ということも、ぜひ議論の対象にしていただきたいということと、その対象の範囲につきましても、さまざまな例が出てきておりますことから、ある程度限定的になるようなルールといったことも検討の素材に入れていただきたいということを、専門委員の立場で、意見として述べさせていただきます。

○西村部会長

 2点ほど、御意見を出していただきました。

 ほかにございますか。宮近委員、お願いします。

○宮近委員

 先ほどの加茂谷専門委員のお話の中で、外国平均価格調整ルールの適用は、算定に当たっての補正措置という話がありましたので、為替の問題について、少し意見を申しあげます。昨年10月以降、為替は、10%ぐらい変動しています。このため、算定の基礎が大きく変わっているということを踏まえ、外国平均価格調整に際した為替レートの取り扱いのあり方についても、少し検討してもいいのではないかと思います。

 そこで、確認を2つばかりしたいのですけれども、今の為替の算定の原則というのは、どういうふうになっているのですか。確認の意味で、お伺いしたいです。

○西村部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 算定時からさかのぼって、1年間の平均をとるという形でやっています。

○西村部会長

 続けて、どうぞ。

○宮近委員

 もう一つ、英、米、独、仏の価格ですけれども、例えばリストに基づいて、そのリストからピックアップしてやるのでしょうか。それとも、例えばイギリスでは、1カ月前ぐらいの数字をピックアップして、そこからタイムリーに価格を設定しているのでしょうか。

○西村部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 参照する価格のリストを決めて、最新のデータをタイムリーに採用する形をとっています。

○西村部会長

 続けて、どうぞ。

○宮近委員

 変動する価格を変動相場で算定して、価格を参照しているということではなくて、固定の価格を変動相場で算定してやっているということですね。変動する価格を変動相場で算定するのは、経済の実勢をタイムリーに反映しているので、意味があると思います。しかし、1年前のリストから現地通貨建ての価格を参照し、それを変動する為替相場で算定するのは、余り意味がないかと思われます。結論から申しますと、例えば1年間の為替については、方法は難しいかと思うのですが、固定レートを設定してしまうことなどができないかということなのです。

 なぜそういうことを申し上げるかというと、例えばこれまであったように、一旦、中医協で収載された薬価を取り下げて、為替相場の変動状況を見ながら、再度中医協で論議するというケースも出てきておりますので、制度的な矛盾を避けるためには、そうした検討もしていいのではないかというのが、私の意見です。

 以上です。

○西村部会長

 医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 御指摘ありがとうございます。

 為替、外国価格の参照につきましては、いろんな制度運用の中で、参照する局面があります。医薬品とデバイスとで、それぞれ制度運用していますが、必ずしも同じではありません。

 それから、これは歴史的にも何度も議論されている話なのですが、円高が急速に進んだケース、あるいは逆に急に円安が進んだケースで、高いのではないか、採算がとれないのではないかという議論が、必ずそのときそのときで起こりまして、為替レートの取り扱いについては、どれぐらいのスパンで平均値を用いるのか、どの時点でのレートを用いるのか、その数字によりまして、確かに参照価格でございますとか、償還価格の設定は影響を受けますので、1つには、事実関係として、為替の変動を勘案するような制度運用がどうなっているのかというのは、少しお時間をいただきまして、整理をさせていただきたいと思っております。その上で、今後のあり方については、御議論いただく際に、どういう観点で、どれぐらいの期間で、どの時点で、どういうデータを使ってということは、一定程度、全体を見ていただいた上で、御議論いただいたほうがよろしいかと思いますので、そのようにさせていただければと思っております。

○宮近委員

 ありがとうございます。

○西村部会長

 今の件については、次の御説明を待ちながら、検討したいと思います。

 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。

 それでは、本日いただきました御指摘を踏まえて、本件については、引き続き、議論をしていきたいと思います。

 本日の予定された議題は、以上です。

 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の「薬価専門部会」は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
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