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2017年3月23日 国民健康・栄養調査企画解析検討会 議事録

健康局

○日時

平成29年3月23日(木) 16:00~18:00


○場所

厚生労働省専用第15会議室(12階)


○出席者

構成員<五十音順・敬称略>

阿部 絹子 (群馬県健康福祉部保健予防課健康増進・食育推進係健康増進専門官)
宇田 英典 (鹿児島県伊集院保健所長)
岡村 智教 (慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室教授)
尾島 俊之 (浜松医科大学健康社会医学講座教授)
古野 純典 (国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所長)
迫 和子 (公益社団法人日本栄養士会専務理事)
佐藤 泰憲 (千葉大学大学院医学研究院グローバル臨床試験学准教授)
高野 直久 (公益社団法人日本歯科医師会常務理事)
瀧本 秀美 (国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所栄養疫学研究部長)
田嶼 尚子 (東京慈恵会医科大学名誉教授)
谷川 武 (順天堂大学大学院医学研究科公衆衛生学講座教授)
中村 正和 (公益社団法人 地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター センター長)
羽鳥 裕 (公益社団法人日本医師会常任理事)
松澤 佑次 (一般財団法人住友病院院長)
宮地 元彦 (国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所健康増進研究部長)
村山 伸子 (新潟県立大学人間生活学部健康栄養学科教授)
横山 徹爾 (国立保健医療科学院生涯健康研究部長)

事務局

福島 靖正 (健康局長)
河野 美穂 (栄養指導室長)
芳賀 めぐみ (栄養指導室長補佐)
吉見 逸郎 (たばこ対策専門官)
高田 淳子 (地域保健室長補佐)

○議題

(1)平成29年国民健康・栄養調査の企画について
(2)その他

○議事

〇 事務局

 それでは開会に先立ちまして配布資料の確認をさせていただきます。まず、議事次第がございまして、そのあとに構成員の名簿がございます。その下から資料1、次に資料2、それから資料3、資料4となっておりまして、資料4の後に参考資料の1、オンライン調査の検討状況について、その後に参考資料の2、重点テーマについて、そのあとに参考資料の3にモニタリング周期となってございます。何か不足等ございますでしょうか。

 

〇 河野栄養指導室長

 それでは、ただいまより国民健康・栄養調査企画解析検討会を開催いたします。委員の皆様方にはお忙しいところご出席いただきましてありがとうございます。初めに福島健康局長よりご挨拶申し上げます。

 

〇 福島健康局長

 健康局長の福島でございます。本日は大変お忙しいところ、また年度末のところご出席賜りまして誠にありがとうございます。また日頃から健康栄養行政のみならず厚生労働行政全般につきましてご指導賜りまして改めて御礼を申し上げたいと思います。

ご承知の通り、私共厚生労働省では、健康寿命の延伸、それから健康格差の縮小を目標に健康日本21(第2次)に取り組んでいるわけでございますけれども、この進捗を評価していくうえで、国民健康・栄養調査は非常に重要な役割を果たしておるわけでございます。特に最近では、所得格差、あるいはその地域格差、こういうものを新しいテーマとして重点的な調査を行うということで非常に貴重なデータが得られておるとそういうふうに考えておるわけでございます。この健康寿命の延伸につきましては健康日本21第1次のときは生活習慣病を中心に議論したわけでございますけれども、特にその第2次になって高齢者の高齢化に伴う機能低下というものをいかに動かしていくかということもまた大きな課題であるという事で、第2次にはその高齢者の健康に関する目標も入れ込んでおるわけでございます。平成29年度国民健康・栄養調査におきましては、高齢者の健康生活習慣に関する実態の把握、これを重点テーマとして実証するという事を私共は計画しておりまして、本日はその調査の企画についてご議論を賜るという事になっております。平成29年の健康・栄養調査が有意義な調査になりますようにぜひ先生方にはそれぞれのお立場から忌憚のないご意見を頂戴できますようにお願い申し上げまして簡単ではございますけれども冒頭のご挨拶にさせていただきます。

本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

〇 河野栄養指導室長

 本日の出席状況ですが、磯構成員、島本構成員、寺本構成員、樋口構成員はご都合によりご欠席となっております。本日の主な議事は平成29年の調査の企画についてとなります。

それでは以後の進行は、古野座長にお願いします。

〇 古野座長

 それでは議事に入ります。議事の1、平成29年国民健康・栄養調査の企画についでですが、資料1、平成29年度国民健康・栄養調査の調査テーマについてと、資料2、平成29年国民健康・栄養調査 身体状況調査票。資料3、平成29年国民健康・栄養調査 栄養摂取状況調査票。資料4、平成29年国民健康・栄養調査 生活習慣調査票について事務局から説明をお願いします。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 室長補佐の芳賀でございます。私の方から資料1から資料4まで説明いたします。まず資料1をご覧ください。平成29年国民健康・栄養調査の調査テーマについての資料でございます。29年の調査における重点テーマは、高齢者の健康、生活習慣に関する実態把握となっています。健康日本21(第2次)における高齢者の健康の目標設定の考え方の図を資料1の左にお示ししております。健康寿命の延伸・健康格差の縮小に向けて、今回は特に図の左側にあります生活の質の向上につながる高齢者の要介護状態の予防または先送りに資する基本事項に関する実態把握ということで、高齢期の適切な栄養は生活の質のみならず、身体機能を維持し生活機能の自立を確保する上でも極めて重要なこと。また歩行速度が速い高齢者ほど生活機能を維持しやすく余命も長いことが知られていることなどから、高齢者における運動器の健康維持が極めて重要という考えのもと、この資料1の図の下の青字で囲んだところになりますが、重点テーマの調査においては、高齢者の健康・生活習慣に関する実態把握、特に低栄養の実態把握をより高い精度で行うとともに生活機能の維持に関する実態を把握し、その結果を健康寿命のさらなる延伸に向けて、高齢者の虚弱化の予防又は先送りに効果的な施策の展開に活用することを目的に実態把握としての調査テーマの企画案になっております。

また、このほか健康日本21(第2次)の推進のための基本的な項目についてもモニタリングを行う予定です。おめくりいただきまして、2ページ目、健康日本21(第2次)における目標で、低栄養傾向の高齢者の割合の増加の抑制に関して現在設定されている指標に関する資料になります。低栄養傾向の高齢者の割合の増加の抑制を、健康日本21(第2次)の目標として設定しておりまして、こちらは健康づくりの指標として低栄養傾向を BMI20 以下の方という事で目標設定している状況です。こちらのデータソースは国民健康・栄養調査を用いております。

次に資料の3ページに移りまして、今回の調査の重点テーマにおける実態把握の構成になります。高齢者の健康・生活習慣に関する実態把握で、まず身体状況に関しては毎年把握している身長、体重と BMI 、それに今回は低栄養評価の項目として筋肉量の測定を新たに加える案になっております。この内容に関しては、資料2別紙という事で、 A 4版、1枚紙を付けておりますので後ほど説明いたします。

次に身体活動と運動に関しては、日常生活活動の内容について新たに調査項目を加えております。こちらについては、多目的コホート研究において用いられている簡易自記式の身体活動調査票というのがございます。こちらは、普段1日に仕事を含めて体を動かす時間について「筋肉労働や激しいスポーツ」、「座っている時間」、「歩いたり立っている時間」の3問についてそれぞれ該当する時間を選択するものになっておりますが、これを参考にして身体活動状況を把握し、日本人の食事摂取基準( 20 15年版)において、成人の身体活動レベル1を「低い」、2を「普通」、3を「高い」の3つに分類しておりますが、これのどれに該当するかを集計し結果分類することを企画しております。

また、毎年把握している運動習慣と歩数についても把握、次に高齢者の健康生活習慣に関する実態把握で、栄養・食生活に関してはエネルギー及び栄養素摂取量について、また食品群別の摂取量について、さらに食事の多様性として主要な食品の習慣的摂取頻度についてを把握する企画になっております。

右に移っていただきまして、60歳以上の高齢者のみを対象に把握する項目ということで、生活の様子、今回新たに加える項目になります。日常生活関連動作、運動器の機能、体重減少、外出の回数、嚥下の状況、食への欲求に関して、こちらの内容は後ほどご説明いたします。資料4の生活習慣調査票のところに新たに加える項目になりますが、介護予防関係で用いられている基本チェックリストのうち、要介護認定発生に対する予測妥当性の研究結果などから複数項目選択しております。また、食への欲求については欧米を中心に使用されている簡易栄養評価質問票がございまして、それらを参考に案を作定しております。また、歯・口腔等に関しましては歯の本数と咀嚼の状況、それから嚥下に関しては、先ほどご説明しました生活の様子のところで把握予定となっております。

また睡眠に関しては睡眠時間と睡眠による休養という事でこれらを中心に高齢者の健康生活習慣に関する実態把握を行うという全体の企画案になっております。

身体状況における筋肉量の把握に関して別紙にございますが、身体状況における高齢者の筋肉量の把握方法についての条件として、1点目が高齢者の低栄養評価に係る筋肉量の把握が可能であり、一定の精度が得られること。次に、測定が簡便で非侵襲性であり、各自治体の保健所での実施が可能なこと。が必要であり以下の3つの方法について各方法の長所短所を踏まえて検討を行った結果、資料1の3ページにお示ししている通り、生体インピーダンス法による測定の案となっております。筋肉量の把握方法、別紙の下に3つの方法代表的なものをお示ししておりますが、握力測定に関しては、握力を測ることで得られた値は全身の筋力を示す指標にもなり得るという特徴があり、長所としてはお示ししている通り、簡易で場所を選ばないなどそういった点もあります。ただ短所に関しては、被験者自身が測定することになりますので短時間で正しい方法での測定ができない恐れがある点と、一生懸命がんばりすぎることでのリスクが懸念される点が挙げられます。

次に生体インピーダンス法、すなわち BIA 法についてですが、こちらは生体組織の電気抵抗値の測定により、体組成を推定する方法です。長所としては測定が簡便で非侵襲性であること、またゴールドスタンダードとされている CT スキャン等に対する妥当性についても一定の評価がございます。また、短所としましては水分の影響を受ける点などが挙げられます。

最後に身体の形態計測の方法についてですが、こちらは四肢の周径囲をメジャーで計測、また皮下脂肪厚をキャリパーで計測する結果、両者から筋断面積を推定する方法になりますが、長所としてはメジャーのみの場合は測定が簡便で非侵襲性、一方短所としましては、大腿や上腕について脱衣が必要な点と測定者間での誤差が大きいとの報告があり、こういったことが短所の代表例として挙げられる状況です。これらを踏まえまして検討を行った結果、筋肉量の測定に関しては生体インピーダンス法による測定でいかがかという案になっております。

次に資料2、資料3、資料4が実際の調査票の案になりますので、順にこれらの企画に基づき調査票の案を説明させていただきます。

まず、資料2の身体状況調査票に関してですが、今回新たに加える部分を赤字で記載しております。左側の欄の身体計測の(4)で筋肉量の測定実施に関してです。こちらは高齢者の実態把握という今回の重点テーマに鑑みまして、60歳以上を対象に測定するという案になっております。測定項目に関しては裏面の通り、筋肉量の測定項目として、四肢の筋肉量を測定結果から推定する、これを測定項目とする案になっております。

次に資料3の栄養摂取状況調査票をご覧ください。こちらについては赤字で書かれている部分が今回追加している箇所になります。こちらは身体活動運動に関する項目の日常生活活動の内容に関する把握をこちらの欄で行うこととしてはどうかという案になっております。普段1日の仕事・家事・移動・通勤などで体を動かしたり座っている時間はどれくらいですかというので、荷物運搬などの肉体労働している時間に関して、1なし、21時間未満、31時間以上。次に、座っている時間に関して13時間未満、23時間以上8時間未満、38時間以上。歩いたり立っている時間に関して11時間未満、21時間以上3時間未満、33時間以上ということで、それぞれの動きに関して3群でいずれか該当するものに回答していただく形になっております。これらの回答結果と運動習慣を聞いている項目の結果を加味しまして、身体活動レベル1・2・3に該当するかの分類を集計で行うという案になっております。併せて歩数計の装着に関する事項は、把握する事項としては一緒ですが、欄の構成を少し変えておりますので右側の1日の歩数の歩数計の装着不足に関してあった場合はチェックするという形の記述のレイアウトになっております。栄養摂取状況調査票に関してはこれ以外の修正項目変更項目はございません。

最後に資料4になります。生活習慣調査票(案)についてです。こちらにつきましては、食事の多様性に関して1ページ目の問1で聞いており、これは平成 25 年の調査時と同様の設問になっております。次に睡眠に関して、平均睡眠時間と睡眠で休養が充分にとれているか、継続してとっているかの内容になります。問4が喫煙に関して、問5が受動喫煙に関してこれも例年通りのものです。問6でアルコールに関する問いでこちらも変更はしておりません。問7が歯の本数に関して。問8が噛んで食べるときの状態について、これもこれまで通りの設問となっております。4ページの下に注意書きを入れています。60歳未満の方は質問終了です。60歳以上の方は次のページの質問にも続けてお答えくださいということで、おめくりいただきまして、5ページ、こちらが今回高齢者の実態把握の生活の様子に関して加える問いになります。問9が生活の様子全般ということで、ア日用品の買い物にでかけていますかというところが、日常生活関連動作を聞いている部分になります。また昨年と比べて外出の回数が減っていますかという活動のところですね。それからウが椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか。エがこの1年間で転んだことがありますか。ここは運動器の機能に関することですね。オが6か月間で2~3 kg 以上の体重減少がありましたか。これは栄養の部分になります。カで嚥下に関してお茶や汁物等でむせることがありますかというので、アからカに関して生活の様子として把握する。これらの基になっているのは基本チェックリストになりますが、特にアに関しては日用品の買い物をしていますかというのが、もともとの基本チェックリストの記載ですが、その解説を読むと、外出して買い物しているかという所を問うているようですが、昨今通販など、外出を伴わない買い物もだいぶ増えていますので外出して買うという問いの狙いに即しまして「出かけていますか」という形にしております。

10 に関しましては食への要求という事で、欧米を中心に使用されている簡易栄養素評価質問票を参考に作成しております。あなたのここ1ヶ月間の食生活についてお尋ねします。次のアからエの質問について、それぞれ最もよくあてはまる番号を1つ選んで丸印を付けてくださいという設問とし、ア食欲、イ食事をとるときの満腹感に関して、ウが食べ物の味に関して、エが普段食事をどのくらい 取って いるかという事でこの4項目に関して報告されている質問票を参考に日本語訳があるものを中心に設問を整理しております。

以上資料1の調査テーマの企画に基づきまして、調査票案として資料2から資料4までの案となっております。説明は以上になります。

 

〇 古野座長

 はい、ありがとうございました。前回の検討会で議論し尽くしきれなかった筋肉量測定と身体活動の調査に関するところの修正が主な議題です。ただいまの調査票案についてご質問やご意見をお願いします。どうぞ、松澤先生。

 

〇 松澤構成員

 高齢者の健康生活習慣に関する実態把握という項目になっているんですが、対象は今まで通り高齢者も含めてやるわけですね?

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 通常年と同様の対象者に関して、特に高齢者に関する部分を上乗せして限定して問う形になります。基本的項目については、例年の調査対象者と同様の把握と考えております。

 

〇 松澤構成員

 たまたま昨日、僕が 11 年前からやってるメタボリックシンドローム撲滅委員会があって、 75 歳までのメタボ対策がある程度定着したということで、今後は 75 歳以降についてどうするかというディスカッションをしたんですけども。それは後期高齢者ということになるんですが、そこがメタボ対策しなくていいのかどうかとかいろんな問題があって、やっぱり 75 歳以上では非常に個人差がありまして、若者と同様の対策をするべき人もたくさんおられるわけですよね。そういう意味で共通のところはかなりあると。内臓脂肪をベースとして。ただもう一つは高齢者の筋肉の問題なんでここで今日のテーマになってるそれが非常に適切だと思うんです。筋肉や運動能力について関心を持っていただくというのはいいと思うんですけども、そういう意味で高齢者といってもですね、ここでいう介護の必要な低栄養の人なんかの背景がですね、どうなってるのか我々戦後からずっと低栄養の人がなんとか栄養をつけるように頑張ってきて、ある時期からはそれがオーバーシュートして、あの過栄養の病気が増えてきたということで糖尿病対策とかメタボ対策とかずっとやってきて、それは非常に重要だということになってきているんですが。低栄養を BMI だけで切るというのはなかなか難しいところがあると思うんですね。糖尿病の方は一生懸命ダイエットして 20 くらいでキープしてる人が低栄養の可能性があると言えるのかどうか。そこでもうちょっとよく食べなさいというメッセージを出せないと思うんで、そこはだいたい誤解が起こらないようないわゆる対象としてる低栄養とかフレイルという環境がどういうものか、あの介護がいるとかいうのはほとんどが持病があってですね、なかなかそれに対しての生活環境が非常に悪い人が低栄養なんですね。このメタボの時のように個人がそのこういうことの知識を持って自分らで健康管理をする事をエンカレッジするというものとはちょっと違う所があるという事をよく理解してやらないと、誤解があって皆太らんとあかんてという事になったときにまだ若くてメタボの対策せんとあかん、いくら 75 超えても本当に若者と同じようにやって非常に健康を保ってる人なんかがいっぱいおられるわけで、そういうやつとごっちゃにならないようにしていただく必要があると思うんですね。このフレイルとかあれとまたちょっとバックグラウンドが違う人がいっぱいおるんじゃないかと思う。今の日本が、その貧しい、全部が貧困でインドの低所得者層とか、発展途上国とかのそういう所の低栄養とはまた違って、やっぱり独居とかいろんな生活社会的な要因がかなり大きいというので、ただ一般にどんどん元気なまま80、90になっていく人もいっぱいおられるわけですから。そこらあたりをよく、そういうことの誤解がないようなメッセージを出していただきたいように思います。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 ありがとうございます。従前測定しています例えば身体状況調査ですと、身長、体重、腹囲、血圧等に関して、通常の栄養摂取状況や運動習慣に関しては、従前の通り二十歳以上の全体の実態を把握したうえで、60歳以上に関して上乗せという設計になっておりますので、結果の集計と解釈においては先生のご示唆も踏まえて進めさせていただきたいと存じます。

 

〇 松澤構成員

BMI20 が一人歩きしないようにちょっと知っておく必要があるんじゃないかなくらい。一応やせというのは BMI18.5 未満となっていますので。だからそのあたりの人は確かにやせだけども、 20 で一つの及第点とするのはいいと思うんですけど。全部そうしないとあかんような誤解のないように。

 

〇 古野座長

 はい、ありがとうございました。他にご意見ありますか。宇田先生、次が高野先生。どうぞ。

 

〇 宇田構成員

 前回ご説明をいただいたその生体インピーダンス法の長所とか短所とか、あるいはその他の筋肉量の把握方法について、いろいろと長所短所もリストアップしていただきましてありがとうございます。ここに記載の通り、もちろんその筋肉量の把握が可能で精度が得られることと、簡便で非侵襲性であると。非侵襲性であるという事と同時に同じことなのかもしれませんけども微妙に違うのは、やっぱり安全性が担保されるということが地域では不可欠だと思います。 下のその握力測定に関しては、高齢者の方々を対象とした時の一定のリスクがどうもその実施する側としては払拭できないといったところもありますし、下の身体の形態計測に関していうと、寒い時期にかかって夜間夕方に公民館でするという所が多いというふうに思います。そうなると特に高齢者の方々ってかなりいっぱい着込んで来られたり、診察室と違ってそのセパレートするセッティングの仕方っていうのにかなり労力を要するという所もありますので、果たしてここに書いてある通り労力に比べて精度の高い結果が得られるかどうかということになると少し議論があるのかなというふうにも思いますので。ここに記載していただいているような方法でデータが得られるのであれば、実施する側としてはですね、乗って筋肉量が測られるということで精度も高くて安全性が担保されるというのであれば、非常にありがたいです。

 

〇 古野座長

 ありがとうございます。高野先生、どうぞ。

 

〇 高野構成員

 すみません。資料4のですね、4ページ目の問7ですけれど、従来から行われている検査についてのことですので、問題はないのかもしれませんけれど、「自分の歯は何本ありますか。」の質問の中で自分の歯には、親知らず、入れ歯、ブリッジ、インプラント、は含みませんとしてあります。その中で、ブリッジのところなんですが、基本的に歯の本数として含まないのはブリッジのポンティックの部分だけだと思います。回答される皆さは、これについて多分記載の趣旨をすごくわかって書いているんだろうとは思うんですけど。

 

〇 高田地域保健室長補佐

 ポンティックも皆がわからなかったと思うので。

 

〇 高野構成員

 はい。

 

〇 高田地域保健室長補佐

 もう少し詳しい説明をお願いします。

 

〇 高野構成員

 ブリッジですね、歯が欠損してるところに対してそれぞれ両方にまたがって装着されるもので、ほとんど橋のようになるという事です。両サイドの支台になるところの歯は、それぞれは自分の歯であり、歯根が残っていて、その根をもとにおいて被っている状態です。その挟まれた間の自分の歯が無くなってるところについて、ダミーであるもののポンティックというものを歯の形態に似せた物をくっつけて繋げた状態をブリッジと言います。質問において、これを欠損のブリッジとすると、歯の欠損がブリッジ全部を示してしまうことになり、例えば1本の欠損だけど両隣を繋げていきますので、ブリッジ全体の3本が数に含まれないと理解してしまうのではないかと。ただ従来からやられている質問項目の文言で問題なかったと思うのですが、実施において、それはなにか図か何か示しているのか、何か示されていたから問題なかったのか、そのあたりがどうなのか、ちょっと分からなかったものですから。

 

〇 古野座長

 図示してたんですか。示してないですよね。

 

〇 高田地域保健室長補佐

 すみません。今あの高野先生の方からあったのは歯が抜けてしまって根っこも残っていない状態になった時に、隣の、抜けてしまった隣の歯同士を、上を繋いで、こうここに物が、ここの歯がない部分でも噛めるようにしましょうという治療ですね。こういう感じのブリッジという治療があります。上だけが繋がっていて下はスカスカになっているような状態になるんですけれども、そうなった時に、こっちの歯とこっちの歯はブリッジの支えになっていて、ここがこう本当は歯がない部分というふうな事になります。今の歯の本数という話になるとこの歯とこの歯もカウントしなければいけなくって、ここの部分だけはカウントしてはいけない歯になるんだけれども。ブリッジといった時にはこれを一体としてブリッジと呼んでいるので、そういう誤解があるのではないかというご指摘でした。おそらくですね、これまでもずっと図を示してることはないので、もしも聞かれたときに、例えばそのご訪問で栄養の食事の物とかを聞き取りに行った際にそういうご説明をされている例はあるかもしれませんが、もはやその誤差も含めてこれまでずっとやってきているという実情でございます。言い方も変えてはいないです。はい。

 

〇 古野座長

 はい、どうぞ。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 すみません、そうしましたらご指摘を踏まえて、調査現場で判断に困られた時用に必携に少し記述するような形で対応させていただくという事でよろしいでしょうか。

 

〇 古野座長

 はい、ありがとうございます。はい、どうぞ。

 

〇 羽鳥構成員

 日本医師会羽鳥ですけど、2つ。1つはインピーダンス法について、臨床で使用されている実地医家の先生に伺いましたところ再現性が劣るんじゃないかなという懸念がありました。測定条件を一定に揃えればもっと信頼性があがるのかどうか?お伺いしたい。あともう1点、先ほどの資料4の2ページ。たばこの質問なんですけども。特定健診の問診票で喫煙率の調査では、 40 %くらいと高かったですよね。こちらの国民健康・栄養調査だと 20 %と大きな差がありますが、皆さんはどのように考えてらっしゃるのか、その辺をまたご検討いただきたいなと思います。実感としてはその特定健診の 40 %の方が実状に近いように思いますが、国民栄養調査のこの 20 %というのはたばこを吸わない人が多く含まれる人を対象としているのでしょうか?

 

〇 古野座長

 はい、どうぞ。

 

〇 吉見たばこ対策専門官

 ありがとうございます。喫煙率のご指摘なんですけれども。あの以前からですね健康・栄養調査での喫煙率というのは例えば、例を挙げるとかしませんが JT なんかの調査に比べると低いという事は言われているんで、どうしてもやはりこういう調査に協力いただく方で少し意識がいい方が混ざる、多いために若干低めに出るという事はあり得る事かとは思っております。あと検診での特定検診での問診票なんかですと、特に職場なんかだと実際その対象者そのものがかなり喫煙される方が実際多い状況を反映してそのような数字も出てくるかと思いますし。実はこれ以外にもですね、国民生活基礎調査なんかでも時々喫煙、3年おきに喫煙率を取っておりますけれども。それらの複数の調査でそれぞれの背景を踏まえて喫煙の実態というのをとらえて参りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 

〇 古野座長

 どうぞ、松澤先生。

 

〇 松澤構成員

 あのこの前休みましたので先ほど、宇田先生が意見言われた後で言いにくいんですけども。インピーダンス法ですよね。これあの基本的にどこの機械とかで指定するんですか?

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 羽鳥先生からご質問いただいているインピーダンス法の再現性に関してなんですけれども、ご指摘踏まえまして測定精度など充分検証した上で実施に至るよう精査させていただきたいと思います。

松澤先生からのご指摘に関しては、本日インピーダンス法での測定の方向性でという事でご了解いただきましたら、関連する研究論文なども見ながら、どういう測定の仕方がより精度管理上適切なのかというのを検討していくプロセスに入る予定です。

 

〇 松澤構成員

まあただね、これはいいんですが、ある程度の目安は健康機器として販売されている T 社の機器も、筋肉量や内臓脂肪量などの数字を出すようにしてますが、インピーダンスというのは、電気抵抗で基本的にもともと皮下脂肪を測定するために出来てるわけですよね。それに BMI とか年齢とか男性か女性かそういうのを組み合わせていろんなものをコンピュータで計算してもっともらしい数字として出しているんです。またもう少し大がかりな機器として販売されている O 社のものも、基本的には、インピーダンスで身長、体重、年齢、性別の情報を入れることによって、 CT で得られた直接測ったものに相関する値を出している間接法なのです。だから本当に筋肉量という実際の絶対量として測るとしたら先ほどの四肢の筋肉を計測するほうがある意味では実態を見ることになったりですね。参考値として出すのはいいと思うんですけども、基本的にこれがオールマイティにならないようにしないと、計算式はコンピュータでやっているだけなんで、なかなか説得力がないと。これで論文書くのはなんぼでも書けるんですけど。いわゆる CT と相関するというデータが出てる。相関というこがイコールちゃんと正確に個々を測定しているという事とは違うという事だけはよくわかった上で参考値として出されるのはいいと思いますが。そこの辺りはよく検討してください。そうでないと、これが目玉みたいになってしまう。非常に重要なポイントだと思うんです。高齢者の筋肉の問題とかそれがこれから先のフレイルやサルコぺニアということと健康の話になっていくので、そこの辺り慎重にそういうマーカーを作っておく必要があると。

 

〇 古野座長

 よろしいですか。追加で説明ありますか。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 ご指摘を踏まえまして、先行研究の状況などをふまえ精査し、ご相談させていただきながら進めたいと思います。

 

〇 古野座長

 松澤先生のご心配はもっともで、国民健康・栄養調査の報告書の中で検査の位置付けがどういう状況であるかという事を分かるように、誤解のないように書いておくことが重要だと思います。そこは重々注意したいと思っております。ありがとうございます。

 

〇 岡村構成員

 一点いいですか。

 

〇 古野座長

 どうぞ、先生。

 

〇 岡村構成員

 これあの一点確認なんですけど。今のインピーダンスのところは個人には返すんですか、結果は。いや何が言いたいかというと、いわば何を使って何をやろうと例えば集団で比べるんだったら個人の誤差を打ち消しちゃうから、集計は出来て方向は見せることが出来ると思うんですね。ただその個人に返してしまうと当然大混乱、それ持ってどこに相談いかれるかあれなんですけど、そこはどうされるんでしょうか。だから集団的に公衆衛生的に集団で見る場合と、その個人に持っていく場合で当然違ってくると思うんですけども、そこ何かどんな感じの扱いでしたっけ。個人にお返しするんでしたっけ。

 

〇 河野栄養指導室長

 基本的に国民健康・栄養調査は、国全体の平均を確認するという事になっています。ただ血液検査のように、保健所や対象者についていろいろな配慮から、結果を個人にお返しするという所も行っていますし、あと身長や体重のように当然ご本人が体重計等を見てその段階で把握しているものもあるので、その点も踏まえて整理していくこととなります。ただ基本的には調査は集団としてのデータを使うという事になります。

 

〇 岡村構成員

 じゃ、個人にはお返ししないんですね。インピーダンスの結果は。

 

〇 河野栄養指導室長

 その点も含めて今日決まった段階で実施のところでどうするか整理していきます。

 

〇 岡村構成員

 個人に返したときにたぶん混乱があると思うので、集団だったら別に集団としてこうです。たまたま高く出る人も低く出る人も各集団でいるから、その傾向としては出るというのは事実としてあるんですけど、そこどうなんでしょうか。

 

〇 河野栄養指導室長

 血液検査の結果もいろいろな議論がある中で実態として結果を返していますが、そのことで調査結果に影響があるかなどを言及してるわけではありませんので、あくまでも実施上の利用者へのサービスとしてどこまでやるかという事はまた別途、今回のご意見を踏まえた上で検討させていただきたいと思います。

 

〇 古野座長

 よろしいですか、岡村先生。尾島先生、どうぞ。

 

〇 尾島構成員

 生活習慣調査票の問9ですが、外出頻度について昨年と比べて回数が減っていますか、という質問になっています。追跡するのでしたら変化を聞くのも意味があると思いますが、この国民健康・栄養調査は断面調査となっています。そこで、今回の調査票作成の参考にされた介護予防のための基本チェックリストにもう一つ外出頻度で、「週に1回以上は外出していますか」という質問がありまして、そちらの方が断面で聞くには意味があるのではないかと思います。その場合には、アの日用品の買い物に出かけていますかというのに質問の趣旨が似てしまいます。この設問は元々の基本チェックリストの質問を少し変えた質問になっています。今このあたりの質問について、各自治体で日常生活圏域ニーズ調査というのをやっていまして、各自治体が比較対照としての全国値としてこの値を使うという事も便利ですので、そちらの質問から別の項目を入れるほうがいいんじゃないかと思います。例えば預貯金の出し入れをしていますか、ですとかあとはバスや電車で一人で外出していますかというので自動車でもいいですという質問もありまして。そのあたりに替えるというのもあり得るんじゃないかなと思います。

 

〇古野座長

 なるほどと思いましたが、この9のイは基本調査の文言そのままだったですか。変えたんですか。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 一部文言を変えているのは買い物のところで元々買い物していますか、というものなのですが、質問項目の主旨のところに自ら外出し何らかの日用品の買い物を適切に行っているかどうかを尋ねているという説明がありましたので、通販等広がっている状況を鑑み、ここだけ替えています。アをセレクトした理由は、要介護認定発生の予測妥当性に関しての論文が数本出ていて、そこで特に感度が高そうな数値が出ていたものをセレクトするというやり方をしていますが、ただ今ご指摘のようにいろいろ適切な抽出があるのであればご検討いただいて構わないのではと思っております。

 

〇 古野座長

 はい、どうぞ。

 

〇 谷川構成員

 今の話と関連させると問9、今までもすでに介護予防で使ってるならしょうがないですけども、例えばこの1年間で転んだことがありますか、というのですね、運動を一生懸命やってる人だったら転ぶこともあるし、だから歩行中にだったらちょっと異常かと思いますけども、それはしょうがないのかなというのが一つと。あとカのお茶や汁物等でむせることがありますかってのこれ多分むせてない人は日本人でいないと思いますんで、カを最近1か月とかなんかその期間を決めないとなんかこういろんな人が入ってくるかなというのがあるんですけどどうなのかなというのがありました。

あと問 10 で私は食欲が普通だ、と普通だっていうのはないかあるかで真ん中に普通だってのが非常に変だなと思って、もし段階的にいくなら、全くない・ない・あまりない・ある・とてもあるとかにすべきかなと思いました。あと食べ物の味も普通だというのはまずいと感じる・美味しいと感じるの間に普通だって言われてもちょっとなってこれ違和感があるんで、とてもまずい・まずい・美味しいともまずいとも感じない・美味しい・とても美味しいとかなんかこう、あの段階的にやるんであればちょっとこの3番というのは難しいかもしれませんけども。もう少しこの普通だっていうのがノーマルっていうのがいまいちピンとこないんですけどどうでしょうか。

 

〇 古野座長

 どうぞ。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 問 10 の今の普通のところですが、英語のものを日本語にしているので先生のご指摘のような見方もあるかもしれません。

 

〇 谷川構成員

 普通食欲が普通だと言ったらあるわけですよね。

 

〇 古野座長

 先生、これ細かいこと言いだしたらきりがないので、1から5までの真ん中くらいというようにできませんか。

 

〇 谷川構成員

 その、段階的。

 

〇 古野座長

 言葉遣いに注意しだしたら、今日は終われなくなりますね。どうぞ。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 おそらくどちらでもないというニュアンスのご指摘かと思いますので、もう一度精査をと考えております。

 

〇 谷川構成員

 ここだけが増えたりとかしない。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 はい。

 

〇 古野座長

 了解しました。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 あと前段の問9のところはいかがいたしましょうか。沢山ご意見いただいておりますので。

 

〇 古野座長

 9のイですか。カもありました。問9のイはいいでしょうか。9のイですか、はいどうぞ。

 

〇 迫構成員

 すみません。9のイですが、昨年と比べて外出の回数が減っていますかという、その比べてということばで外出をほとんどしていない人が、自分はどう答えたらいいのかという質問が出てくるのではないか。減ってはいない、だってもともと外出していないから、というふうな答えもあり得るのでないかというところで純粋に外出してるかしてないかという聞き方のほうがいいのではないかと思いました。

 

〇 谷川構成員

 例えば今の話でですね、寝たきりの人とか転んだことがありませんよね。転んだことがありますかでいいえなわけですよね。

 

〇 迫構成員

 そうですね。外出したことがなければ。でも家の中で転ぶことはあるかもしれないので。はい。あと他のところは後にした方がよろしいですか。

 

〇 古野座長

 どうぞ。

 

〇 迫構成員

 続けてよろしいでしょうか。そうしますと問 10 のエですけれども、食事を取るか取らないかというその食事の定義です。栄養調査の食事状況のところで欠食してるかしてないかというところで聞いてるんですが、欠食の定義と関連付けるかどうか、ご本人の印象だけで良いのか。その辺ちょっと確認させていただければと思います。それからまだあと二つほど。

 

〇 古野座長

 じゃあ、そこまでで。

 

〇 迫構成員

  この調査票についではそれだけです。

 

〇 古野座長

 あとで、ちゃんと時間を取ります。

〇 迫構成員

 恐れ入ります。

 

〇 古野座長

 私自身、混乱してきて対応できなくなりましたので、ここの部分をどうするかを決めてから移っていいですか?

 

〇 田嶼構成員

 9番。

 

〇 古野座長

 どうぞ。

 

〇 田嶼構成員

 私このアからカまでの項目は一体何を知りたいからこの質問を設定したのかというところが大切だと思うんですね。それで私が思いますにはアとイというのは他、その外とのコンタクトがあるのかないのか、つまり引きこもり状態になるということは非常に不健康になるという事ですから、これを知りたいんだろうと思ったんですね。それからウとエは、これは筋肉の事ですから、増えるとか骨折に近いんじゃないかと。それでオがよくわからないんですけど、これは癌が隠されているかどうかなんでしょうか、よくわかりませんでした。いや、あの同時にそういうふうな重大な疾患があると少なくなると思うんですね。私もね、むせる事というのはちょっとどうしてこれがあるのか分からなかった。あのむせやすい人もいますし、ですからどうしてこれが有意な差が出た時に一体どう解釈するのかという事を考えたうえで、その質問をまとめ、またそれが抽出できるような聞き方をなさるのがいいんじゃないかとそういうふうに思いました。

 

〇 古野座長

 収拾がつかなくなってきました。9と 10 はほとんど問題にする予定じゃなかったですけど。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 ちょっと事務局で回答できそうなところが。

 

〇 古野座長

 どうぞ。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 まず迫構成員からご指摘いただいた問 10 の食事の定義に関してですが、こちらはどちらかというと定量的な習慣だったり量というところよりは、食べる意欲というか食欲に関するところを問う設計の狙いになっているようですので、もうご本人の主観で食事ととらえて回答していただいてよろしいのではないかと思っています。実際の量ですとかそういったことに関しては栄養摂取状況調査のほうでみていくという整理でいかがかと思います。

それから、今ご議論いただいてるところの論点がイの外出のところかなと思いますので、どういったセレクトが良いのかをご議論いただきたいと思います。外出のところは生活基本チェックリストですと閉じこもり予防支援という項目のグループになっておりまして、もう一つ週 1 回以上外出してますかとありますので、そちらでよろしければそちらでいかがかと思います。

それぞれの問いの狙いは、田嶼構成員のご指摘の通りで何を問うてるのかはそういった背景になります。6か月間で2~3 kg 以上の体重減少に関しては、低栄養の状態を見るという事を狙いに設定している設問になっているようです。低栄養に関する部分という事で設定されている項目になっています。

 

〇 古野座長

 はい、どうぞ。

 

〇 佐藤構成員

 細かいことで恐縮ですが、資料4問九のオの項目ですが、誤訳ではないかと思われます。6ヶ月間で2~3 kg 以上という記載がありますが、2 kg 以上と意味が同じと思われますので、6ヶ月間で2 kg 以上という記載にしたほうがよいと思います。

 

〇 古野座長

 原文がそうなっているのではないですか。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 これは基本チェックリストの作成プロセスを辿らないともしかしたら単位の換算か何かで間違いなのか調べてみないとわかりません。

 

〇 古野座長

 これは対応可能です。1

 

〇 松澤構成員

 まあでもあんまり体重減少イコール栄養低下とは栄養学的にはちょっとおかしいんですけどね。そうするんだったら昔のその戦後はそういう事だったんですけど、栄養失調やったら体重減ることだったんですけど。今の時代全然栄養障害というのはちょっと違うと思うんで体重だけで言うとそれはまあいいんですけど、事実として聞くのは。それと問 10 のイというのはこれ何を聞こうとしてるんですか。何が知りたいんですかこれは。

 

 

〇 古野座長

 はい、どうぞ。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 満腹感というか食事を摂った時のご本人の主観によるところになります。

 

〇 松澤構成員

 その満腹感と摂食コントロールというのにもいろいろあるんですけど。これちょっとよく何の3分の1かもわからない。データ誰かが用意した量の3分の1と、そういうことね。

 

〇 古野座長

 ここの部分は英語の和訳ですね。米国で使われている調査票を日本語に訳しています。

 

〇 松澤構成員

 アメリカ人だったらハンバーガーとあれと決まってるからだいたい。だいたいそれの3分の1かどうかと分かりやすいけど日本は非常に多岐にわたって取ったりして食べたりしてる。まあやっぱりあまりこだわりませんが。ちょっと何を聞いてるのかちょっとわからないような。

 

〇 古野座長

 1か月前にこれを見ましたけど、それほど違和感なく通り過ごしたところが私の責任ということになります。

 

〇 岡村構成員

 4項目でスコアリングにもともとなってる。1個1個なってるんじゃないでしょ。4つ全部なんかして得点するようなスコアなんですか、本当は。

 

〇 古野座長

 もともとはそうですよね。

 

〇 岡村構成員

 ですよね多分。

 

〇 古野座長

 先生、9番ですか。

 

〇 宇田構成員

 9番ですけど。

 

〇 古野座長

 はい、どうぞ。

 

〇 宇田構成員

 9番のアですけれども。これをみてやっぱり違和感があるのはですね、多分都市部と地域とでこの答え方が若干違ってくるのではないかなと懸念をします。日用品の買い物に出かけるとなると結構一大行事なところもあるので、週に1回自分の家から外にでているかという方がむしろそのリーズナブルな設問になるような気がします。地域によっては近くにお店がないところがあるので、というかそういうところが増えているように思いますので、地域のサーベイをなさる方々が果たしてどういうふうにこれを評価をして回答するのかという精度にも関わるのかなというふうに思いますので。外出しているかどうかだけを聞くのであれば先ほど尾島先生のご指摘のような設問のほうが、答えやすくて精度担保できるのではないかなとは思いました。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 基本チェックリストの資料を見ますと、週に1回以上の外出は閉じこもり予防支援なようなところに入ってるんですけど、先生方の今のご意見伺いますと、その日常生活関連の動作的な所も含めて把握可能な問いではないかというご意見のように理解しましたので、アのところは日常生活関連動作の項目からセレクトしていますが、これを外して、週に1回以上は外出というところで両方見るという形の設計案という形でいかがでしょうか。

 

〇 宇田構成員

 その際に外出の定義をきっちりとして、というか調査の際には外出というのはこういうものを言いますよ、というふうに書いておかないとわざわざ街に出かけるとかですね、なんかちょっと遠いところに出かけるようなイメージで回答される方もいれば近くの寄り合いとかいろんな用事に出かけていくこと自体も外出だというふうに考えられる調査員もおられると思うので、ちょっと定義をしっかりして設問を組み立てていただければなというふうに思います。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 それではそちらに関しましては必携で解説、例えば運動などに関して結構丁寧に調査員が迷わないように書いていますので、同じような形で検討させていただきます。

 

〇 古野座長

 はい、了解しました。宇田先生、考慮して修正します。田嶼先生、どうぞ。

 

〇 田嶼構成員

 9番の続きなんですけれども。カはですね、採択されたままになるのか、もしこれが外れるとすればですね、私あの一つ一番大きな問題になるだろうと思うのは独居かどうかだと思うんですね。特に患者さんを診ても一人ぼっちで暮らしてるお年寄りというのは本当に食事がリーズナブルになってしまう、でも家族と一緒だとうまくいってるわけですね。ですからその一人暮らしで個食かどうかというようなところが何か質問があればそれを入れていただけるとその方の生活が見えるんじゃないかなとそういうふうに思いました。もうこれで。

 

〇 古野座長

 いや、大丈夫です。

 

〇 松澤構成員

 僕も大賛成ですね。基本的にお金がなくて食べられないという人もあるかもしれませんけど。そういうインドの低所得者層とかそんなんとはまた全然違う環境の問題がものすごく大きいですよね。あの栄養障害になるのはやっぱり。だからそこのところがわかるような調査にしたら初めて意味があるように思うんですけどね。基本的にその背景が。ほとんどそんなんではないですか。だんだん衰えてくるの。

 

〇 古野座長

 どうぞ、事務局。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 そうしましたら、田嶼構成員と松澤構成員のご意見踏まえまして、一人暮らしの食事というところについてどういった設問で把握可能かというところを検討させていただきます。

 

〇 古野座長

 わかりました。私には9のエがまだ未解決ですけど。

 

〇 谷川構成員

 一つできそうなのもですね、ウですね、何もつかまらずに立ち上がってますかというのがいいえという人は、立ち上がれないわけですよね。ここにいいえと書いてあってですね、そして転んだことがありますかというときに、はいというのはちょっとあまりないのかなって。

 

〇 古野座長

 なるほど、ウと連携させるといいと言うことですね。

 

〇 谷川構成員

 だめですかね。だからさっき言いましたように、この1年間で転んだというのが走っても転びますから歩行中にとかであれば歩行はできてるわけですから歩行中に転んだことがあるかないかで。もしそれがウでいいえとできればその人多分立ち上がることができないわけですから、というふうな感じで連携できませんかね。

 

〇 古野座長

 どうぞ、阿部先生。

 

〇 阿部構成員

 調査対象者の定義を明確にする必要があると感じています。というのは食事の方の調査の該当になりますので、おそらく寝たきりであったりとか、要介護であったりとか、要医療の方も在宅におりますので、そういう方たちもすべて調査の対象として、この設問票を取るかどうかというところも、ある程度決めておかないと。立てない方が調査対象としてこの設問を取る必要があるのか食事調査の対象が基本になりますので、食事調査の対象基本になる方たちをどのような形に定義づけるかということにより、この設問の内容が変わってくると思います。

 

〇 古野座長

 先生、おっしゃる通りです。施設に入ってない人は全員となってるので。先生の貴重な意見は議事録に残して検討していただきましょう。

 

〇 阿部構成員

 おそらく家族と一緒の食事というか通常の食事形態をとれる方が今まで調査の対象になっていると思いますので、その辺も含めた今後の課題かなと。今回の調査うんぬんという事ではなくて今後の課題になると思います。

 

〇 古野座長

 尾島先生、どうぞ。

 

〇 尾島構成員

 この問9の質問は基本チェックリストですとか、日常生活圏域ニーズ調査ですとか高齢者分野で長年磨き上げられている質問ですので、使われるようでしたら一語一句変えないで使っていただいた方が意味があると思います。分析のときに場合によっては2問組み合わせた分析を必要に応じて追加的にやるというのもありあるかと思いますが、質問自体はシンプルにしていただくといいと思います。

 

〇 古野座長

 はい、その通りですね。はい、高野先生。

 

〇 高野構成員

 あの時間のない中、すみません。問9のカなんですけど。むせるなんですけど、むせるってことは、嚥下に問題があるときのすごく重要なサインございますので、この条件でそのまま聞いて構わないんじゃないかと。それは一つはですね。ある程度高齢者にとっては、自分ができると思いたいと思うので、たまたまとかそういう方」については、多分むせることがありますかというと「いいえ」と答えると思うんです。それでやっぱり習慣的になったり困りごとがある感じがするとなると、必ず「はい」とつけてくると思いますので、それを考えると、この質問でいいのではないかなと思っておりますし、ほかの質問でもこのような形態でちゃんと答えていただいてるので大丈夫じゃないかなと思います。

 

〇 古野座長

 尾島先生、長く使ってる調査項目という事は尊重します。迫先生、まだあると言ってましたね。

 

〇 迫構成員

 ありがとうございます。資料3の栄養摂取状況調査票でございます。日常生活活動の内容というところで、荷物運搬などの肉体労働をしている時間という設問がされているのですが、ここは元の資料の方をみますと激しいスポーツが入ってるんですが、肉体労働の荷物運搬などという例示で肉体労働をしている場合とだけに限定しちゃうと、激しいスポーツが入ってこなくなる可能性がありますので、元通りに入れた方がいいのではないかというのが1点でございます。それから同じところの中身が123というちょっとほかの設問の回答区分と違う書きぶりになっているんですが、例えば1とか3とかいう答えがあった時に1時間程度の1なのか回答項目の1なのか3も3時間未満の3なのか8時間以上の3なのかというこの辺のところが非常にわかりづらくなる可能性というのがあるのではないか。文字列がだいぶ細かいものですから、ここのエリアをもう少し広げて見やすくすることができないだろうかというところでございます。

 

〇 古野座長

 はい、ありがとうございます。最初の質問はお答えできます。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 はい。激しいスポーツを抜いている理由について説明いたします。身体状況調査票に運動習慣を把握する項目がありまして、そこでの把握結果も加味した形での評価という提案になっております。見やすさに関しては、確かに限られたスペースで、工夫して現時点の案ですが、もう少し工夫が必要かもしれません。

 

〇 迫構成員

 これだと調査員が全部読んであげることになりそうですね。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 そうですね。

 

 

〇 迫構成員

 横で回答してもらうという形になると大変ですのでぜひご検討いただければと思います。

 

〇 古野座長

 了解しました。少なくとも123の位置だけは揃えていた方がいいという感じはしました。テクニカルなことですので十分考慮します。中村先生、どうぞ。

 

〇 中村構成員

 問9に戻りますけれども。先ほどの議論聞いていて、問9が全体として何を把握したいか、総合的に把握するというよりは、個別の状態を把握すると理解しました。具体的には筋力であるとか閉じこもりとか低栄養とか、あと一番最後は嚥下の質問と思ったんですけど。そういう理解の中で心理的なこう問題、例えば鬱傾向があるかどうかについて把握するような質問は入れなくていいんでしょうか。

 

〇 古野座長

 これらは意図的に入れてないと理解しています。

 

〇 中村構成員

 心理的な状態は食事や閉じこもり等と関係するので、そういうことは把握しておくと、より詳細な分析もできるかと思ったんですけど。

 

〇 古野座長

 先生、高齢者の方が日常生活をどうやってるかという事が全く分かっていないので、筋肉量を測るのと合わせて高齢者の生活実態を把握したいという事です。基本審査の項目の中から介護に至る恐れが高い、予測能が高いような項目を選択的に選んでいます。鬱は重要ですけども、どうしましょうか。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 基本チェックリストには、全部で5項目、ここ2週間の状況を本人の主観に基づき回答という事で、毎日の生活に充実感がない、これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった、以前は楽にできていたことが今では億劫に感じられる、自分は役に立つ人間だとは思えない、訳もなく疲れたような感じがする、というのが項目としてありまして、要介護認定発生のオッズ比が載っているで論文を拝見しますと、感度としてある程度でているものは以前は楽にできていたことが今では億劫に感じられると、訳もなく疲れたような感じがするというのが若干あれですが。ここから何か選ぶかどうかという事になるかと思います。ご提案の通り加えるとすれば。

 

 

〇 古野座長

 質問項目は、簡潔で、少ない方がいいので、買い物に出かけられるかどうかという事だけで十分だと思っています。

 

〇 松澤構成員

 何歳くらい。

 

〇 古野座長

 80歳以上もいます。

 

〇 松澤構成員

 何%くらい。

 

〇 古野座長

 80歳以上は少ないです。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

70 歳以上で2割くらいだったと。

 

〇 古野座長

70 歳は多いけど80歳以上は少ないです。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 集計上は 70 歳以上になってるんですけど、実際上の方もそれなりにいらっしゃると。

 

〇 古野座長

 中村先生、いいですか。できるだけ項目少なくてということで。

 

〇 中村構成員

 できるだけ少ないというのではあれば週に1回以上外出してるかどうかで把握するという事でいいのではないですか。

 

〇 古野座長

 いや、このアイウエオです。

 

〇 中村構成員

 アとイが一つになったんですね。

 

〇 古野座長

 5、6項目は入る。それぞれの様子を反映する質問は入れる。

 

〇 中村構成員

 1個減ったので、まあそういった質問も入れてもどうかなと思って。

 

〇 古野座長

 どうしますか。はい、先生。

 

〇 岡村構成員

 はい、これテーマが高齢者の健康生活習慣に関するもので抑鬱だと別に高齢者じゃなくても全部調べなきゃな課題な気がするんですけど。ということになるとテーマが高齢者ってなってたら割とまあ高齢者に特異的なものにシンプルに絞ったほうがいいような、私は気がして。もし抑鬱調べるんだったらもっと全年齢対象としてどっか、としてやった方がいいような私は気がしますけれども。

 

〇 古野座長

 助け舟を出してくれてありがとうございます。

 

〇 中村構成員

9 は必ずしも高齢者のフレイルだけを把握してるものではないかもしれませんが、フレイルという事で言えば、身体的なフレイルと社会的なフレイルと心理的フレイルで概念が成り立っているので、その心理的なフレイルの部分が質問に含まれていないので、あえて質問したという事なんです。

 

〇 古野座長

 どうしますか。

 

〇 河野栄養指導室長

 そうしますとあの実際のこの調査、チェックリストの回答であるとかそういった実態も見ながら最終的に選択をさせていただくという事でいかがでしょうか。

 

〇 古野座長

 それでよろしいですか。はい、ありがとうございます。私が予想していたのと別方向の質問を沢山いただいて大変ありがとうございました。29年度の調査はこの部分を先生方も一生懸命みられると思って期待しています。

いろいろ頂いた意見を反映させて質問9あるいは 10 の文言を検討させていただきます。事務局と私に一任という事でよろしくお願い致します。

それでは次に議事の2、その他について参考資料1、国民健康栄養調査におけるオンライン調査の導入の検討状況について事務局から報告をお願いします。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 はい、参考資料の1とその下につけております別紙をご覧ください。国民健康・栄養調査におけるオンライン調査の導入の検討状況についてご報告いたします。公的統計におけるオンライン調査につきましては、平成 26 年3月 25 日に「公的統計の整備に関する基本的な計画」というものが閣議決定されておりまして。こちらにおいて公的機関が実施する統計調査の統計作成の効率化、経費・業務の簡素合理化、利便性の向上、報告書の負担軽減等を目的として、オンライン調査の導入が推進されているところです。これに基づきまして郵送調査については原則すべて調査員調査についてオンライン化がなじまないものを除き、オンライン調査を順次導入することが求められております。国民健康・栄養調査についても、政府の統計になりますので、オンライン調査の実施可能性について検討する必要性が生じておりまして、国民健康・栄養調査の場合は実測を伴う調査以外がこの検討対象に該当しており、生活習慣調査が検討対象となります。そこで実施主体である自治体でのオンライン調査の実行可能性について、昨年の7月 12 日に別紙にお示ししているような内容で自治体に回答を求めております。結果は参考資料1の下にある通りですが、生活習慣調査票におけるオンライン調査の導入についてどのように考えますかという質問に対してで、導入すべきが 18 %、導入するには課題解決が必要が 64 %、導入することは困難が8%、わからないが 10 %という結果でございました。またあわせて生活習慣調査票におけるオンライン調査の導入とメリットとデメリット、それぞれ考えられることについて複数回答可で聞いております。その結果を図にお示ししております。調査票の整理、審査業務の効率化に関しては、デメリットが 38 %、メリットが 49.3 %という形で以下それぞれ調査員の負担、調査対象者の負担、調査の精度、また生活習慣調査票の回収率への影響、また生活習慣調査票以外の身体状況調査票及び栄養摂取状況調査票の回収率への影響ですとかそういった点に関してそれぞれ回答を求めた結果をお示ししています。おめくりいただきまして裏の2ページにその他のところで実際にメリットデメリットに関して具体的に記載があった内容を整理しております。メリットの面では 10 自治体からインターネットに慣れている人や調査票を他人に見られたくない人、日中不在の人の回収率が向上する可能性がある。また、エラー表示等により回収前に回答の誤りを修正できる。また、調査対象者がオンライン調査と紙の調査をどちらかを選択できる形であれば回収率が向上する可能性がある、これは1自治体ですね。デメリットに関しましては、高齢者とオンライン操作が不得意な対象者には負担が増えるため使用できない対象者への対応が必要、これが 38 自治体。また、調査対象者がオンライン調査と紙調査のどちらかを選択できる形であれば課題が一部解決できると考えるが5自治体。同一調査内で調査内容によりオンライン回答と紙回答で異なることで、混乱が生じるが8自治体。身体状況調査や栄養摂取状況調査はオンライン化できないため、生活習慣調査のみをオンライン化することには、メリットよりデメリットの方が大きいが8自治体。回答がオンラインで回答できる者に偏り、調査精度に影響が出る可能性がある。オンラインの入力について操作方法に関する問い合わせが増加、調査員の負担が増えるが 13 自治体。回答者が自己判断で回答するため調査員が回答内容を確認する手間が増えるが5自治体。県民栄養調査を併せて実施する際や、調査内容を自治体の健康計画へ活用する際の事務が煩雑になるが3自治体。システム開発の費用に関して1自治体。自治体に実際にアンケートを行った結果としては今ご説明させていただいた通りとなっております。以上です。

 

〇 古野座長

 ありがとうございました。今の内容についてご意見をいただきたいと思います。どうぞ、阿部先生。

 

〇 阿部構成員

 メリットデメリットにありますように、対象者にはいろんな方がいます。それとあとはやっぱり調査を行う点で1番大事なのは、調査協力率というか実施率になるかと思います。そういう意味では調査対象側のメリットとして調査票の集計など、そういう事務的なメリットは比較的高いですが、実際の本当の調査に必要な回収率の部分につきましてデメリットの方があり、かなりまだメリットを感じてない自治体が多いという事を踏まえますと、しっかりと調査本体のメリットがいかにこのオンラインをやることにつながるのかというところをもう少し議論して明らかになってから導入するほうが、いいと思います。オンラインをやったら本当に実施率をあげるために自治体があらゆる苦労をしなくてはいけないのかという事も想定されますので、もう少し精査が必要と感じます。

 

〇 古野座長

 ありがとうございます。横山先生、どうぞ。

 

〇 横山構成員

 私も阿部先生とほとんど同じ意見なんですけれども、もちろん調査のメリットもデメリットもあると思うのですが、特にデメリットの中で調査精度に関わるものについてですが、これを導入することによって協力率が落ちるとか、あるいは IT が得意な人に偏ってしまうとか、そういう問題はどうしても避けるべきだと思います。調査の手間については、何らかのうまくやる手順を設定することで解決するかもしれないけれど、調査精度が落ちそうな部分、落ちる可能性はできるだけ排除する必要があるかと思います。確認なんですが、これは全てオンライン調査を導入するのか、あとは裏面に書いてありましたがどちらかを選択する形にするのかというあたりはどのようにお考えでしょうか。

 

〇 芳賀栄養指導室長補佐

 それも含めて今後の検討ということになります。

 

 

〇 横山構成員

 特にオンラインのみにしてしまうと、 38 自治体がデメリットとしてあげているように、 IT やオンライン操作が不得手な方が回答できなくなることで、偏り・バイアスが生じる可能性が増えるかと思いますので、少なくともオンラインのみにするのは危険性が高いのでよくないと思います。

 

〇 古野座長

 ありがとうございます。どうぞ、迫先生。

 

〇 迫構成員

 身体状況調査とか栄養摂取状況調査そのものがオンライン化できない、主たる調査がオンライン化できない調査であること。そしてそれに付随して行うアンケート形式のものだけをオンライン化するというそこでのメリットはほとんどないだろう。オンライン化は全てをオンライン化できて初めて成功するものであって部分的にやるべきものではないと思います。ですから、デメリットのところの4つめのポチで書いてある、生活習慣調査のみをオンライン化することはデメリットの方が大きいという事はまさに感じるところです。これは対象者にとってもデメリットが大きい。それから、調査の出方、結果の出方についても紙とオンラインの両方が出てくるという事でそこでの集計もまた大変になってくる。さらに確認をする作業そのものができないという事でオンライン化はするべきではないと思っております。

 

〇 古野座長

 ありがとうございます。3名の先生方からご意見をいただきまして、これには皆さん異論ないと思います。全員一致で当面見合わせて検討するという事です。それでは最後になりますけれども事務局から何かありますか。

 

〇 中村構成員

 1点いいですか。

 

〇 古野座長

 どうぞ。

 

〇 中村構成員

 今後に向けての提案です。喫煙に関する質問なんですけど。今日の資料でいうと資料4の問4ですね。ご存知の通り新型たばこがだいぶ流行し始めてまして、新型たばこには実は2種類ありまして。まず電子たばこというのがあります。これはたばこ会社以外のところで開発されて、アメリカとかイギリスではこの電子たばこというのが流行しています。これはニコチンの液を加熱して蒸気として吸引するという事でニコチン製剤に近いスピードでニコチンを吸収できるものです。製薬メーカーが売るんじゃなくて一般の消費材としてこれまでアメリカとかイギリスで売られてきてるんですけど。日本の場合はいち早くそれを旧薬事法の下で医薬品としての認可を受けないと販売できないと規制がされました。そうした為に個人輸入では使用できるんですけど。爆発的に流行しなかったものです。まだ定まったわけではありませんが、禁煙の効果のあることが RCT で報告されています。

もう一つは、たばこ産業が売り出してるのが、新型たばこの加熱式たばこです。プルームとかアイコスとかそんな名前で企業等で働いてるような方でかなり使われてきていまして、今回受動喫煙の防止法においても業界の方からそれは例外として認めろというようなそういう要望もでています。今後かなり紙巻たばこにとって代わることが予想されています。研究班としてこれまで調査を始めてるんですけど、国の調査としてその実態把握をしていくべきと思います。今の問4だとその内容が把握できないんですね。来年度の調査には間に合わないんですけども、今後これまでの研究班での調査の経験も踏まえて、来年度に研究班としてどういう調査が国民健康・栄養調査として望ましいのか具体的な項目も含めて提案をしたいと思っておりますので、ご検討していただきたいと考えています。

 

〇 古野座長

 ありがとうございます。どうぞ。

 

〇 吉見たばこ対策専門官

 ご提案ありがとうございました。中村先生の研究班でも調査いただいてるという事ですけれども、その他おそらくもう何人かの先生方で実際いろんな形での調査をされているご経験がすでにあろうかと思います。やはりその先生方の実態調査のご経験等に基づいて、こういう調べ方がいいんではないかとかそういうのをご提案いただきながら今後の検討課題とさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 

〇 古野座長

 どうぞ。

 

〇 岡村構成員

 今たばこのところでまた今後の検討の話なんですけれども。最初に多分羽鳥先生が言われたんだと思うんですけど、特定検診のデータと喫煙率の乖離があると。要するにですね、何を見てるかってのがあって 40 50 代の男性で企業で働いてる人が多い集団でやると喫煙率が高く出るんですね。ですから、特定検診の場合はそこが一番受診率が高いので当然それに引っ張られてしまうというのがあるので、栄養調査はまあ家に行って調べてますよね。だからなんかその人数が多ければ偶然誤差は取れるけれどバイアスは全く取れないという基本原則をわかってないので、人数が多い方が正しいと認識されてしまうんですね。だから就業構成とか年齢構成含めた喫煙率がどうなってるかというのを出していかないと、必ずお酒とかたばことかそこでてて、これ要するに喫煙してる有権者がどれだけいるかというなんかその法案作るときのなんかバックグラウンドと関わってくるので、これだけの方が吸ってるというと非常に禁煙進めるのがまずくなるし、少ないと逆にこんな少数派ですという話になるので、ちょっと根幹に非常に関わってくるところなので、何をもって国民の喫煙率を見るかという点があって、特定検診はかなりまずいです、要するに大企業の勤務者の本人は8割くらい受けてて国保の人は3割くらいしか受けてないみたいな状態になってるわけですよね。ですから N がいくらあってもバイアスが全く取れないという力学の基本原則から見ると、どういうふうに見るかという事がなるのでまたそれ今後の検討課題だと思います。

 

〇 古野座長

 はい、最後にありがとうございました。国調では 2010 年の人口をモデルにして年齢調整した数値を経時的に示しております。特定検診に関しても年齢を調整して数値を示してもらえるといいです。

 

〇 岡村構成員

 知らない人が見ると片や数千人のデータで片や数千万人のデータだって話をする人がでてきて、バイアスがあるデータいくら何千万あってもバイアス全く取れないので、それはでも世間一般では非常に分かるの難しいのかなとちょっと思います。

 

〇 古野座長

 どうぞ、専門官。

 

〇 吉見たばこ対策専門官

 ありがとうございます。先ほどの繰り返しにはなるかと思います。先生のご指摘そのものでもあるんですけど。それぞれの調査の対象と背景と特徴は全然違っていますので、おそらく今日の主旨ではないかもしれませんが、これから健康日本21でもやはり地方の指標でこれどっちを見ればいいんだという同様の質問が出るかと思いますので、そういうところへの情報提供としてこういう調査、こういう調査、こういう調査がこういう特徴でありますと比べてみるとこうだけど、こういう理由で違っていますよ、と。まあ目的と必要性に応じてうまく地方の対策の推進に使ってくださいというような形で情報できるように努めて参りたいと思います。ありがとうございます。

 

〇 古野座長

 ありがとうございます。それでは最後にしますけども。

 

〇 羽鳥構成員

 もう一つ。じゃ、すみません。たばこ以外の事でいいですか。

 

〇 古野座長

 どうぞ、先生。

〇 羽鳥構成員

 次の企画で取り上げて欲しいのは、高血圧、脳卒中、心不全の予防で塩分の事を取り上げて下さい。例えばイギリスの NICE というところで加工食品の塩分濃度を下げてきちんと血圧の頻度が下がったという、厚労省の河野先生も一緒にこの前、去年高血圧学会でお話を頂きましたが、是非、予防という観点から取り上げて欲しいです。まだ日本の塩分濃度、塩分摂取量多いし、もうちょっと調査法に何か工夫して加えてほしいなと思います。

 

〇 古野座長

 はい、ありがとうございます。それでは最後に事務局からお願いします。

 

〇 河野栄養指導室長

 本日は今後の調査に向けても含めまして貴重なご意見をいただきありがとうございました。平成29年調査につきましては、本日頂いたご議論踏まえまして、調査票案を作成して参ります。またあの調査の必携、いわゆる調査の実施の時のマニュアルについてもご意見をいただきましたので、調査の実施に向けましては自治体との調整も行いながら進めさせていただきます。本日はありがとうございました。以上でございます。

 

〇 古野座長

 本日はこれで閉会です。ありがとうございました。

 


(了)

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