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2023年6月22日 患者申出療養評価会議議事録

○日時
令和5年6月22日(木)16:00~
 
○場所
オンライン開催
 
○出席者
【構成員等】  
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 磯部構成員 井上構成員 上村(夕)構成員
新谷構成員 田島構成員 辻構成員 寺田構成員 手良向構成員 直江構成員 
山口構成員 山崎構成員 渡辺構成員 辻技術専門員
 
【事務局】
医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐 治験推進室長補佐 他

 
○議題
1 患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について
 (患-1)(別紙1)(参考資料1)(参考資料2)

2 患者申出療養の総括報告書に関する評価について
 (患-2)(参考資料)

3 患者申出療養の中間報告について
 (患-3)(別紙1)(参考資料1)(参考資料2)

4 その他


○議事
16:00開会
 
 
 
○福井座長
 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第41回「患者申出療養評価会議」を開催いたします。お忙しいところ、御出席いただきましてありがとうございます。
 まず初めに、大門構成員が退任されました。したがって、今回より上村夕香理先生に新たに構成員に加わっていただくこととなりました。
 上村先生、どうぞよろしくお願いいたします。一言御挨拶いただければありがたいのですけれども。
○上村(夕)構成員
 国立国際医療研究センターの上村と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、先生方の出欠状況ですが、上村尚人先生、成川衛先生、松井健志先生の3名の先生方が御欠席となっております。本日、御欠席の構成員からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては座長に一任するとされておりますので、どうぞよろしくお願いします。
 また、技術専門員の出席状況ですが、本日の審議案件に関しましては、技術専門員の神経内科の辻省次先生に御出席していただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、事務局の異動がございました。事務局より紹介をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 4月1日付で事務局の異動がございましたので、御紹介させていただきます。
 渡邊周介医療課課長補佐でございます。
 中島美穂先進・再生医療迅速評価専門官でございます。
 続いて、迫田実香研究開発政策課治験推進室長補佐でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございました。
 続きまして、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 頭撮りについては、ここまでにさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 資料はまず議事次第がございまして、その後、構成員名簿がございます。続いて、患-1という横置きの資料、続いて患-1の別紙1、また、患-1には縦置きの参考資料1、2をそれぞれつけてございます。患-1参考資料2は横置きでございました。失礼いたしました。続いて患-2の資料、また、患-2の参考資料がございます。さらに、患-3、縦置きの資料。また、患-3の別紙1、患-3の参考資料をそれぞれつけさせていただいております。患-3の参考資料は1、2でございます。
 資料の説明は以上でございます。資料について不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
 よろしいでしょうか。
 今回の患者申出療養評価会議におきましては、対面とオンラインを組み合わせて開催させていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。発言者は、会議資料のページ、またはタブレット資料のページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上、助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○福井座長
 資料等についてよろしいでしょうか。
 次に、今回、検討対象となります技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
 本日の検討対象となる技術等に関して、利益相反の対象者はございません。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 出席されている先生方におかれましては、このほか利益相反はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、議題1に入りたいと思います。「患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 それでは、資料患-1を御覧いただければと思います。
 患者申出療養の新規届出技術に対する事前評価結果等となります。
 今回の技術につきましては整理番号16番となってございまして、技術名は「筋萎縮性側索硬化症に対するEPI-589の再投与の安全性に関する研究」、適応症等は筋萎縮性側索硬化症、使用する医薬品は住友ファーマ株式会社によるEPI-589、申請された臨床研究中核病院は大阪大学医学部附属病院となってございます。
 費用等につきましてはお示しのとおりです。
 審査担当構成員につきましては、主担当を寺田先生、副担当を井上構成員、新谷構成員。また、技術専門員として、国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科教授の、神経内科を専門としている辻先生に御評価をいただきました。
 総評といたしましては、適との御評価をいただいてございます。
 続きまして、患者申出療養を実施可能とする保険医療機関の要件について御説明させていただきます。少し飛んでしまいますけれども、別紙1の52ページを御覧いただければと思います。
 保険医療機関の要件として考えるものを記載いただいてございます。
 まず、実施責任医師の考え方といたしましては、診療科としては神経内科、資格としては神経内科専門医、当該診療科の経験年数は5年以上、当該医療技術の経験年数、また、経験症例数は不要となってございます。
 続きまして、医療機関の考え方でございますが、診療科としては神経内科、実施診療科の医師数は神経内科専門医が1名以上常勤していること。また、診療科の医師数、その他医療従事者の配置、規模につきましては不要となってございます。そのほか、臨床研究中核病院であることが要件としてなってございます。
 頻回の実績報告は不要となってございます。
 続いて、資料が戻ってしまいまして恐縮でございますが、別紙1の通し番号6ページにお戻りいただければと思います。
 本技術が治験・拡大治験や先進医療といったほかの制度で実施できない理由について、事前に事務局より申請医療機関に照会し、回答を得ているものでございます。
 まず、回答でございますが、治験・拡大治験または先進医療制度での実施を検討しましたが、現時点では下記理由により治験・拡大治験あるいは先進医療を早期に実施することは難しいと判断している。
 1ポツ目として、製販企業より、治験または先進医療に対する薬剤提供は、数量や提供期間により提供可否の判断には時間がかかるとの回答であったこと。
 2ポツ目、拡大治験の対象となる主たる治験の実施中(登録終了)または実施後の状況でないこと。
 統計学的根拠をもって有効性を評価可能な症例数で品質確保した医師主導治験や先進医療の実施に必要となる研究費を現時点では獲得できていないこと。
 本試験は、先行する医師主導治験に参加された現在当院で治療中の患者からの申出が起点となって立案されている。先行する医師主導治験実施時、当該薬剤によって病状の進行が抑えられていた。治験や先進医療の実施までにかかる期間を考慮すると、現在その患者が必要としている薬剤を迅速に届けることが難しいため、治験や先進医療といった制度ではなく、患者申出療養制度に基づいて試験を行う必要があると考えた。
 本技術の申出状況や他薬剤開発状況の評価、研究費の獲得等に取り組み、必要に応じて将来的な企業治験や医師主導治験の実施につなげたいと考えているとの回答を得てございます。
 また、続いての質問となりまして、ページ数7~11にかけまして、EPI-589を再投与することの安全性・有効性について事務局から照会し、大阪大学医学部附属病院から回答を得ているところでございますけれども、時間の関係から説明については割愛させていただきます。
 事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいま説明がございましたように、事前評価については、主担当を寺田構成員、副担当を井上構成員と新谷構成員にお願いしております。また、技術専門員として辻先生に事前評価をお願いしております。
 それでは、寺田構成員より概要の説明と実施体制等の評価をお願いいたします。
○寺田構成員
 寺田です。よろしくお願いします。
 では、患-1の別紙1、P1をお願いします。
 先ほど事務局のほうからも説明がありましたけれども、本試験はALSを対象にした治験になります。ALSに対しては、現在2種類のお薬、リルゾールとエダラボンのみが承認されており、新薬の開発が待ち望まれている疾患でもあります。
 本研究では、先行する医師主導治験において使用されたEPI-589、これは一定の効果が感じられたと患者さん自身が申されていますけれども、そのお薬をさらに投与して安全性と忍容性を確認する試験であります。
 EPI-589は、ALSの発症と密接な関係があります酸化ストレス及びミトコンドリアの機能障害に対する作用を有しており、新たなALSの治療薬として期待されているものであります。
 P37の研究の概要にいっていただけますか。
 こちらが研究の概要になります。
 目的、対象は記載のとおりです。
 投与方法と評価スケジュールですけれども、用法・用量は以前に行われました医師主導治験と同じですが、投与期間が医師主導治験では24週であったのが本試験では22週となっております。その後、事後の観察期間が設定されております。
 主要評価項目、副次評価項目、目標症例数などは記載のとおりになります。
 次のページをお願いします。
 ここには薬事承認までのロードマップがまとめられております。日本及び米国・欧州ではいずれでも未承認という形になっております。
 先ほども説明しました医師主導治験は、青色のカラムの真ん中に書かれている形で国内の第II相の医師主導治験になります。10例終わりまして、この治験に参加された患者さん自身から申出があったということで今回の患者申出療養になっております。海外では現在第II相治験が実施されて終わっております。また、国内では、一番右のカラムになりますけれども、第II相と第III相の臨床試験が予定されているというところで、先ほどありましたように、まだこの実施にまでは時間がかかるという状況です。
 今回の患者申出療養については、もし承認申請が可能であれば、そこに参考データとして活用するというような建付になっております。
 それで、2ページに戻っていただいて、私の評価になりますけれども、適応症は妥当であると判断しました。
 有効性は一部の患者さん、今回の患者申出を申請された患者さんですけれども、少なくとも自覚症状が改善しているということで、有効であることが期待されるとしました。
 安全性に関しては、この22週間の投与について少し疑問がありましたので質問させていただきましたけれども、適切な回答がありましたので問題なしとしております。
 技術的成熟度は、当該分野を専門とし経験を積んだ医師または医師の指導下であれば行えるとしております。
 社会的妥当性については、このいわゆる患者申出療養制度が終わった後の患者対応であるとか事前の患者さんの説明等に少し懸念がありましたので、これも質問させていただきました。こちらも、適切な回答がありましたので、倫理的問題はないとしております。
 現時点での普及性は普及していない、Cにしております。
 また、将来の保険収載の必要性については、先ほどの薬事承認のロードマップにのっとれば保険収載を行うことが妥当であろうと考えております。
 続きまして、患者申出療養を実施可能とする保険医療機関の考え方ですけれども、こちらも先ほど事務局から説明がありましたけれども、いずれも適と判断しております。
 私のほうからは以上となります。
○福井座長
 ありがとうございます。
 続きまして、実施体制の評価の結果につきまして、技術専門員のお立場から、辻先生より説明をお願いいたします。
○辻技術専門員
 辻です。ビデオの開始ができないので声だけになるかもしれませんが、よろしくお願いします。
 私のほうで評価させていただきました。本研究は、治験薬を再投与した際の安全性と忍容性を確認する前向き介入試験と位置づけて申請されております。一方、患者さんの御希望は先行する医師主導治験で用いられた治験薬を継続して使用したいという希望でありまして、有効性を期待しているところがあります。本疾患が四肢の筋力、呼吸筋などが進行性に障害される重篤な疾患でありますので、患者さんの御希望についてはよく理解できるところです。
 再投与の安全性については、先行する医師主導治験でも特に懸念される有害事象は観察されていませんし、また、血中濃度における薬剤の蓄積などについては、詳細に質問しましたけれども、適切な回答をいただいて、問題点はないと判断しております。
 再投与の安全性については以上のように評価可能ですけれども、有効性については、これはダブルブラインドの試験ではありませんし、症例数も極めて限られておりまして、客観的な評価は困難であると考えます。
 また、患者さんがかなりの高額な費用を負担しているという点でも疑問が残りまして、本来は治験・拡大治験、治験終了後に継続投与を可能にするなどの対応をすべきものでありますし、本来は企業、あるいは大学も一定の費用負担をすべきものであると考えます。
 再投与の安全性を主要評価項目としている点についても、患者さんの御希望とは少し次元の異なる位置づけがありまして、適切な設定なのかどうかという点では疑問が残ります。
 以上がコメントですけれども、適応症については妥当である。有効性については判断できない。安全性については問題ない。技術的成熟度については、当該分野を専門として経験を積んだ医師または医師の指導下であれば行える。社会的妥当性は、倫理的問題点はない。普及はまだしていない。それから、将来の保険収載の必要性ということは今回の試験では判断できなくて、治験できちんと判断すべきものであると考えます。それから、実施責任医師についての考え方、医療機関についての考え方、その他の考え方については全て適と判断いたしました。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 続きまして、倫理的観点からの評価につきまして、井上構成員より説明をお願いいたします。
○井上構成員
 倫理的な観点について検討を担当しました井上でございます。
 特に同意の手続、それから、補償内容の検討というところについて見ました。最終的にはいずれも適としましたが、特に共有すべきやり取りを申し上げますと、一つは、今回の患者さんの場合の意思表明の在り方、それから、撤回意思の表明ということについてです。場合によっては、これは代諾ではなくて代筆といった手順に及び得ることがあるわけなのですけれども、参加の登録の時点だけではなくて、撤回意思の表明についてもこうした代筆の手順が採用されるということについて確認をいたしました。
 それから、もう一点が先ほど挙がりました費用負担のところでございます。こちらは別紙1の17ページで詳しくこのやり取りを御紹介いただいていますけれども、もともとこの説明文書においては240万円と書かれておりました。約240万円と書かれておりまして、その額の根拠は一体何なのか。あるいはその「約」というのはいつ確定するのか。また、それは経費を参加予定者の3で割った額で算出しているということでしたが、ほかの患者さんが参加しなくなった場合ですとか、撤回があった場合においてこれは変動し得るのかということについて確認をさせていただきました。
 先方からの回答としては、そもそもこの約240万円というのが間違いであったと。結果的には119万円であったということが回答としてあったところであり、また、ほかの参加者の影響を受ける額ではない、変動はないということで、該当箇所の記載を訂正するということで決着すると。経緯はよく分からないのですが、そういう回答であったということでありました。当然ながら、そういった形で記載の修正をお願いするということになるわけであります。
 その他、この額自体も、先ほど辻先生に御指摘いただいたように中長期的には違う枠も検討されるべき額ではあるのですが、ともかくこの情報について間違いであったということで、しっかり対応いただくということになっております。
 その他、本人や家族にしっかり分かる形で説明していただきたいですとか、そういったやり取りなどをしましたが、計画書のその他の変更までは要さないものと判断しまして、いずれも適とさせていただきました。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 続きまして、試験実施計画書等の評価につきまして、新谷構成員より説明をお願いいたします。
○新谷構成員
 それでは、4ページを見ていただければと思います。
 患-1別紙1の4ページに、私のほうでは試験実施計画書等の評価ということで、この6番から16番までの項目について評価させていただきました。
 この中で、特に10番目の有効性及び安全性の評価方法、11のモニタリング体制及び実施方法、16の個人情報保護の方法の3点についてコメントさせていただきました。そちらに関しては全て十分に御説明をいただき、変更が必要な箇所は変更していただいております。
 詳細は14ページを御覧いただければと思います。
 14ページの6番のところに、評価項目に関して、独立な第三者による評価は行われない。研究責任医師または分担医師が評価を行うとありましたので、独立な評価が必要ではないだろうかということで意見をさせていただきました。少なくとも医師主導治験で取られた同じ方法でやってほしいということを言いましたところ、そもそも治験は大阪大学のほうでやられておりまして、今回の担当医師の治験で関わられている医師ということで、評価方法も治験と同じスキームでやります。第三者による評価は行われないけれども、客観性は担保されているというところで適とさせていただきました。
 15ページの7番、モニタリングと監査に関して、どのような選考基準できちんとした資格を持っている人がやられていますかということを伺いましたところ、詳細は読んでいただければと思いますけれども、基準に沿って適切に選ばれているというところでこちらも御説明をいただきました。
 最後、16ページの8番のところを御覧ください。個人情報の保護についてですけれども、当初は当該医療機関外にデータを出すときには匿名化するということがあったのですが、今回はAROも同じ施設内、機関内のAROを用いられるということで、やはりARO等で個人情報を取り扱うときも匿名化が必要と思われましたので、個人情報の取扱いについてもう少し詳細に記載していただきたいということをお願いして、きちんと修正をしていただきました。詳細についてはこの修正後のところを見ていただければと思います。
 ということで、私のほうも総合は全て適と変えさせていただいております。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、本件の総評について、主担当の寺田構成員よりお願いいたします。
○寺田構成員
 寺田です。
 先ほどの審査員からのコメントあるいは申請者への質問やその回答を見て、総合的には適とさせていただきました。
 この会議でいつも問題になっております患者さんの想いに答えるということと、臨床研究での枠組みでやるといった建付の中では、どうしてもいろいろなゆがみが出てくるんだろうなとは思いました。
 先ほど辻先生からもありましたけれども、費用の問題であるとか、患者さん自身は有効性を感じている、有効性を期待しているということで、一刻も早く薬事承認されることが必要であろうと思い、コメント欄に薬事承認までのロードマップで予定されている企業治験に関して速やかに実施されることが期待されますとコメントさせていただきました。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 担当の先生方には、非常に細かい疑義につきましてもやり取りに大変時間を取っていただいたことと思います。本当にありがとうございます。
 ただいまの御説明について、構成員の先生方から何か御質問等はございますでしょうか。
 天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
 御説明ありがとうございました。
 私から2点ございます。
 1点目ですが、これは先ほどからあるように、患者さんとしては重篤かつ難治な疾患ですので、非常に期待が大きいという反面、この治療自体は国内外で未承認という状態があるかと思います。別紙1の11ページにあります事前の照会事項では、症例報告書から抽出した有害事象リストの確認の中では、重篤な有害事象、重度の有害事象の発現は認められないという記載をしていただいているわけですが、やはり安全性ということに関して、国内外で未承認ということを考え、改めて確認ですが、既存の臨床試験等では重篤な有害事象あるいは重度の有害事象の発現は現状では見られないということでよろしいかということを改めて確認させていただきたいというのが1点目です。
 2点目は、先ほど技術専門員からも指摘がありましたが、非常に患者さんは厳しい状態の中で高額の経済的な負担を強いられる状態になっているわけですが、今回の患者申出療養制度は一日も早く使用されたいという患者さんの気持ちにお応えするということで、私としてはぜひ進めていただきたいと思いますが、ただ、こういった状態がずっと固定されるのは、やはり患者さんの経済的負担の観点から望ましくないと考えますので、先ほどの御指摘があるように、付帯事項というかコメントとして、企業に対して治験の速やかな実施あるいは拡大治験等の検討を促すようにコメントをしていただけないかという提案でございます。
 私からは以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 どうぞ。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 天野先生、ありがとうございます。
 1点目の副作用のところでございますけれども、天野先生から御紹介いただいた指摘事項の11ページ目にあるような内容が、まさに今走っている国内第II相の共同医師主導治験の結果となってございます。安全性につきましては、先ほど辻先生等から御紹介いただいたとおり、評価して許容範囲でというところはぜひこの会議の中で御審議いただきたいと思っているところでございます。
 2点目にコメントをいただいたところでございますけれども、会議でそのような方針とお諮りいただけましたら、事務局からは企業または申請医療機関について、しっかり企業治験について対応いただきたいことをお伝えさせていただければと思っております。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。安全性の再確認をお願いしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。一応資料の中にも副作用といいますか安全性についての記載はございまして、あまり重篤な症状、疾病は挙がっていなかったと思いますけれども、いかがでしょうか。担当された先生の中でよろしくお願いします。
○寺田構成員
 寺田です。
 かなり詳細なPK(薬物動態)の解析がされておりまして、蓄積性がないということと、一日3回でもCmaxがそこまで上がらないというところから、重篤な副作用、いわゆる薬効の延長になるような毒性というのはないだろうということです。ただ、いろいろな物質のリスクから考えて、最大の投与が24週と22週を合わせたところまでの設定になっているということで、現在考え得る安全性の範囲内での投与というのが投与期間と設定されているのではないかなと思いました。
 以上です。
○福井座長
 天野構成員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○天野構成員
 承知いたしました。ありがとうございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それから、できるだけ患者さんの負担を少なくするためにも、企業治験は第III相までできるだけ短期間でお願いしたいということもコメントとしてつけていただくと。何らかの形でお願いしたいと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。
 辻構成員、お願いします。
○辻構成員
 ありがとうございます。
 一般社団法人日本難病・疾病団体協議会の辻と申します。
 まず1点質問なのですけれども、今回、EPI-589につきましては適用拡大ではないということで聞いているのですが、ミトコンドリア病などでも使われていないのかどうかを確認したいと思っております。
 それが一点と、それから、天野構成員からもありましたように、患者の思いに応えるという意味では非常に大きなところかなと思っておりますし、ALSという病気につきまして、特に就労の期間が限られていて、重症化を遅らせるという意味合いでも、非常に意味のある薬剤が待たれているというところで言えば、患者の思いにぜひ応えたいというところでございます。
 コメントにつきましても、追加コメントの御要請があったことについても非常に私ももっともかなと思っておりますし、難病全体に言えることなのですけれども、やはり投与が終わりますと、完治するわけではないので、また進んでしまったり、症状がぶり返したりということがございます。そういう意味では、投与期間が終わって限られてしまうのは仕方ないことではありますけれども、ぜひ薬事承認に向けて早急な手だてのほうも、他の病気とは違って、またぶり返してしまったり、再燃してしまうというところも御考慮いただければということであります。コメントのほうにも、ぜひ先ほどおっしゃっていただいたようなものを付け加えていただければ大変助かると思っております。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 どうぞ。
○医療課長補佐
 事務局医療課でございます。
 こちらのEPI-589につきましては、現在国内外で未承認、今回のALS以外については未承認でございますので、今回の患者申出は未承認薬の使用ということでございますので、適応外使用ではないと承知しているところでございます。
 また、コメントにつきまして、本当に貴重な御意見をありがとうございます。事務局としても本当にそのとおりだと思ってございますので、しっかり企業側、また、申請医療機関については、先生方の御意見をしっかりお伝えさせていただければと思っております。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 もしほかにございませんようでしたら、事前評価していただいた結果のとおりということで決定したいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
 よろしいですか。ありがとうございます。
 それでは、そのようにさせていただきます。
 辻省次技術専門員におかれましては、これにて御退出ということになります。御出席誠にありがとうございました。
○辻技術専門員
 ありがとうございました。失礼いたします。
(辻技術専門員退室)
○福井座長
 ありがとうございました。
 それでは、議題の2に移りたいと思います。「患者申出療養の総括報告書に関する評価について」でございます。資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 それでは、患-2を御覧いただければと思います。
 患者申出療養 総括報告書に関する評価表でございます。
 今回、患者申出療養旧告示番号2番、難治性天疱瘡患者に対するリツキシマブ治療の安全性治験につきまして、総括報告書が申請医療機関より提出されましたので、その評価を主担当を上村尚人構成員、副担当を山崎構成員にお願いしてございます。
 それでは、まず事務局から技術の概要につきまして御説明をさせていただきます。
 別紙1の10ページ目を御覧いただけますでしょうか。
 概要図となりますけれども、対象症例はステロイド治療抵抗性の天疱瘡症例、かつ複数の免疫抑制剤を使用中またはリツキシマブ投与歴がある方等となってございます。
 治療のプロトコルとしましては、リツキシマブ1,000mg/bodyの2回投与で、投与から半年間の安全性評価、また、副次的に有効性を評価するものとなってございます。
 試験期間は承認から2023年3月31日まで、実施症例数は16例、参加施設は1施設、主要評価項目は有害事象発現状況、副次的評価項目は寛解率、有効性、抗体価の推移となってございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、本技術の評価結果について御説明をお願いしたいと思います。本日、上村尚人構成員は御欠席のため、上村構成員の評価につきましては事務局より代読をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 上村構成員の御評価につきまして代読をさせていただきます。
 別紙1の3ページを御覧いただければと思います。
 有効性につきましては、従来の医療技術を用いるよりも大幅に有効であるという評価となってございます。
 コメントでございます。本試験が開始された時点での従来の医療技術は、ステロイドの継続やその他の免疫抑制剤の使用などがあっただろうが、それらと比較するとより大幅な有効性が示唆されたと考える。先行した医師主導治験においても、また、海外で実施された2つの臨床試験(そのうち1つはRCT)の成績と比較しても、同程度の有効性が示唆されている。本試験はオープンレベルでの試験であり、コントロール群がないことが大きなリミテーションではあるものの、天疱瘡に対する有効性データには一貫性があり、リツキシマブのクリニカルベネフィットは確認されたと考えてよいと考えるとなってございます。
 続いて、安全性についてですけれども、C.問題ありとなってございます。
 コメントです。Infusion reactionなど重い副作用(薬物有害反応)が発生することは既に知られている。また、本試験でも報告されているように、免疫抑制作用による細菌やウイルスによる感染症も既知の副作用である。安全性には問題があるものの、それを上回る利益が見込まれるという前提に立てば、しっかりとしたリスク管理をすることで許容できる範囲と考えるとあります。
 続いて、技術成熟度になります。こちらにつきましてはD.その他となってございまして、コメントでは、当該分野を専門とし、十分な知識・経験を持つ医師の下で実施可能であるが、緊急時に十分に対応できる医療施設(体制)が必要であるとなってございます。
 総合的なコメントとしましては、国内の天疱瘡患者を対象とした医師主導治験や今回の患者申出を実施することで、リツキシマブの有効性と安全性についてエビデンスを創出した意義は大きいとしていただいております。
 また、薬事未承認の医薬品等を伴う医療技術の場合、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄でございますけれども、リツキシマブについては、別試験として実施された医師主導治験と海外の臨床試験の結果を踏まえて、天疱瘡(難治性の尋常性天疱瘡及び落葉状天疱瘡)に対する効能・効果追加が承認されている。本試験のデータは、改定された添付文書に反映されてはいないが、効能・効果追加の承認時の審査の過程(審査報告書)においてその一部が論じられている。そのことより、本試験は薬事承認申請の効率化に資するものと認識できる。評価療養の一つである患者申出療養として実施された本試験の結果は、非常に貴重な臨床データである。患者申出療養から得られたデータであっても、臨床医にとって必要な情報については参考データとして添付文書に反映させるなど工夫も必要であろう。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 続きまして、山崎構成員から御説明をお願いいたします。
○山崎構成員
 山崎でございます。
 今の患-2の資料の私の欄のところをお願いします。
 考え方としては、今、代読いただいた上村構成員と実はほとんど同じなのですが、有効性の評価等の記号が違っておりますけれども、それを御説明いたします。
 この薬剤は、御存じのとおり、既に薬事承認で保険適用になっております。上村構成員は、その保険適用になる前の治療との比較という点でコメントされていると理解しております。私は既に保険適用になったということで、現在の既に行われている保険適用になった薬との比較ということでコメントさせていただきました。保険適用されていますけれども、この患者申出療養から初めて承認になった技術と理解しております。
 実際に治験で行われた結果と有効性及び安全性、いずれもほぼ同等であると理解しております。そういった点で、既に保険適用になっている同薬の治療とほぼ同様の効果である。それから、安全性についても同等である。それから、技術的成熟度についても同様でありますし、また、今回のこの患者申出療養が従来の医師主導治験よりも若干幅の広い患者さんを対象に得られたエビデンスであると。そのことは治験の報告の際にもコメントがございますけれども、そういうこともございますので、より一般化した治療として受け入れられるものであろうと理解しておりますので、今回この患者申出療養で行われた治療というのは、今日何度も出ていますけれども、非常に患者の思いに応えるものであったと思っております。
 簡単ですが、以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの御説明について何か御質問等はございますでしょうか。山崎先生と上村構成員の御評価につきまして、いかがでしょうか。
 辻構成員、どうぞ。
○辻構成員
 ありがとうございます。
 御評価もいただき、ありがとうございます。
 今回、保険適用につながったということで、非常に価値のあるところかと思っておりますし、一部がその中で論じられたということが伝えられて、コメントにも記載していただいたということは非常に意義のあることと思っております。
 天疱瘡ですと通常ステロイドかとは思うのですけれども、天疱瘡の患者さんは1万人ぐらいいらっしゃると思うのですが、その中でも難治性ということでは非常に希少になってくると思いますので、そういう意味では、この患者申出療養が一定の役割を果たしたということは非常に評価をしたいと思っております。どうしても希少難病、さらに難治性というところでは、治験等も参加人数が少なかったり、いろいろな困難なところがあると思いますので、そういう意味でも、患者申出療養が貢献できたところは患者の側としても非常にうれしいところではございます。
 コメント的で申し訳ないのですけれども、意見を述べさせていただきました。よろしくお願いします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、構成員の評価どおりということにしたいと思いますが、御異議はございませんでしょうか。よろしいですか。
(首肯する構成員あり)
○福井座長
 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 次に、議題の3に移りたいと思います。「患者申出療養の中間報告について」でございます。資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 資料患-3を御覧いただければと思います。
 「患者申出療養『パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法』に係る中間報告について」でございます。
 本技術につきましては、先行して先進医療Bとして実施されたランダム化比較試験におきまして、標準治療に対する優越性か示されなかったことを受け、本技術についての中間報告を求めるべきとの指摘を受け、第16回、第25回及び第32回の本会議において東京大学医学部附属病院からの中間報告書が提出されたところでございます。
 第32回、第33回会議におきまして中間報告書に対する指摘をいただきまして、事務局より東大病院に紹介を行い、第33、34回会議においてその回答を御確認いただいたところでございます。
 この際、当該技術につきまして、自由診療としても治療を提供している一方で、東京大学病院としては新たな臨床研究を実施していない状況にある。本技術に係る本邦の研究の状況やガイドライン上での位置づけについて、日本胃癌学会に対して見解を照会してはどうかという御意見をいただいたところでございました。
 このたび、事務局より日本胃癌学会に照会を行いまして、回答を得ましたので御確認いただきたいという内容となってございまして、めくっていただきまして別紙1を御覧いただければと思います。
 事務局から日本胃癌会に確認した照会事項の回答となります。
 問1におきましては、当該治療と同様の対象とプロトコルによる臨床研究は行われているかということを質問させていただきまして、回答としましては、先進医療Bによるランダム化比較試験PHOENIX-GC試験と同様に肉眼的に腹膜播種を有する症例を対象とした臨床試験は、現在本邦で実施されていないという回答を得てございます。
 問2としまして、日本胃癌学会のガイドラインにおけるパクリタキセル腹腔内等への位置づけについてお示しくださいという質問に対しては、回答となりますが、日本胃癌学会ガイドライン、詳細はかいつまんで説明さしあげますが、本文の中では、パクリタキセル腹腔内投与プラス全身化学療法の忍容性は良好であったが、標準治療である全身化学療法に対し、全生存期間における統計学的優越性を検証することはできなかった。しかし、腹水量で調整した感度分析の結果からは、胃がんに対するパクリタキセル腹腔内等の臨床的有用性がされたと記載されている。
 少し飛ばさせていただきまして、最後のところでございますけれども、めくった2ページ目のところ、同様の記載を基に「今後の臨床研究によるさらなる検討が必要であると考える」と結ばれているところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
 以上、回答について御確認をいただければと思います。
○福井座長
 ありがとうございます。
 随分長い期間引きずっているテーマではございます。ただいまの事務局からの説明につきまして、何か御質問、またはコメントでも結構ですけれども、いただければありがたいのですが。
 天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
 御説明ありがとうございました。
 御説明を拝聴して、私から3点ございます。
 まず1点目ですが、別紙1で胃癌学会から詳細な回答をいただいているところでございますが、この新しい技術について、例えば先進医療や患者申出療養もそうですし、あるいはほかの臨床試験等でも、実施する場合には患者さんに詳細に説明し、説明文書を渡し、リスクとベネフィットについて説明をして、同意文書を得て実施するという倫理的に配慮した方法を実施しているわけですが、自由診療で行っている限りは、それが担保されているのかどうかが全く不明であるということもあるかと思います。せめて、この別紙1に記載がありますように、ガイドラインの記載ですね。腹水量で調整した感度分析の結果からは胃がんに対するパクリタキセル腹腔内等の臨床的有用性が示唆されたとは記載されていますけれども、推奨度については腹膜転移または卵巣転移以外の遠隔転移のない切除進行再発胃がんに対する治療として推奨しないという記載があるわけですから、願わくは最低限こういった説明は自由診療においてもしていただかないと倫理的に厳しいのではないかということで、この点について、可能なのかどうか不明ですが、もし可能であれば、厚生労働省、また、事務局から東大病院にそういった倫理的な配慮を念押ししていただきたいというのが1点目です。
 2点目ですが、同じく別紙1で、ガイドラインの中で、臨床的有用性が示唆されるので、今後の臨床研究によるさらなる検討が必要であると考えると結ばれている状況であるにも変わらず、現状は全く臨床試験が行われていなくて、今後検討が必要であるとされているにもかかわらず、検討されていくような見通しが全く立っていないというのは極めて遺憾だと思っていまして、例えばこの治療法は有効性があるのであれば、より多くの患者さんがその機会を失っているということになりますし、逆に有効性が示せないのであれば、期待できない治療を今患者さんは自由診療で受け続けているということになりますので、いずれにせよこの状況は放置すべきではないと考えますので、この部分について、どこが責任を負うべきなのかは非常に難しいですし、一義的には東大病院に負っていただきたいと思うのですが、胃癌学会からそういったことについて何らかの働きかけはできないのかというのが質問というか、それが2点目です。
 最後に3点目ですが、2点目に関連してですが、この東大病院は臨床研究中核病院に指定されているわけですが、臨床研究中核病院に指定されている施設でこういった自由診療が漫然と行われているのは許容されるのかということについて、もし厚生労働省で見解があればお伺いしたいということ、以上3点でございます。よろしくお願いします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、事務局からまず回答をお願いします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 天野構成員、まず貴重な御意見をありがとうございます。
 1点目の倫理的な配慮、日本胃癌学会に回答いただいたような別紙1のガイドライン上の位置づけについて、東大病院が少なくとも自由診療で実施する際に、このようなある種国内上の見解というものにつきましてきちんと説明をするべきではないかという御指摘と受け止めさせていただいております。こちらは、会議としてそのような方向でと取りまとまりましたら、事務局からしっかり伝えさせていただきたいと思っております。
 2点目、なかなか難しい課題だと承知しているところでございますし、天野構成員の御指摘のとおり、一義にはアカデミアのほうでの研究というところもありますが、やはり患者様にとっては本当に貴重な御意見だと思っていまして、有効性な治療だったらその治療機械を失っていないかという御指摘は非常に重たく受け止めているところでございます。こちらにつきましても、今後の研究をやはり進めるべきではないか、少なくとも自由診療ではなくてしっかりとした臨床に進めないかというところにつきまして、もしこの会議での取りまとめということであれば、その点につきましても事務局からしっかりお伝えさせていただければと思っております。
 3点目、臨床研究中核病院の在り方というところでございますけれども、御意見として受け止めさせていただき、つきましては、研究開発政策課のほうから回答させていただければと思います。
○研究開発政策課長
 研究開発政策課の荒木でございます。臨床研究中核病院、医療法における制度を所掌しております。
 天野構成員の御指摘のように、臨床研究中核病院でございますので、先進的な医療の提供、あるいはそれにつながるような研究開発を進めるという観点、やはりこれが一番大きな目的になっておりますので、まずはいわゆるARO機能と呼ばれるような機能でしっかりとエビデンスのあるデータを出して、国民の皆様に提供される新しい医療技術を創出していただくというのが主目的でございます。
 直接的な御回答はなかなか難しいところではあるのですけれども、漫然と自由診療でということについては、一方でARO機能をしっかり果たしていただくというのがまず大前提だというところでございますので、そういう回答にさせていただければと思っています。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 何らかの形で厚生労働省のほうから東大病院にこの件についての接触をしていただけるということはよろしいのでしょうか。
○医療課長補佐
 この会議からの取りまとめということであれば、しっかりそのようにお伝えさせていただきたいと思いますけれども、お伝えする内容としましては、先ほどの天野構成員からいただいた2点というところをまず主と思っております。
 よろしいでしょうか。
○福井座長
 よろしいですか。
 いずれにしましても、科学的には有効性が証明されていない治療法であって、患者さんからの希望もあったりして、取りあえず実施することは構わないのですけれども、その有効性を証明しようとする研究が全く行われないでこのままというのはいかがなものかと考えられる構成員の先生方も多いのではないかと。
 山口先生、どうぞ。
○山口構成員
 これはずっと議論してきたのですけれども、ガイドラインに明確に推奨しないと書いてあります。ガイドラインで推奨しないと明確に書いてあるものを自由診療でやるということ自体もいかがなものかと思います。胃癌学会のガイドラインの委員会にはオンコロジストも入っていますし、最終的な結論は、やはり臨床試験の結果を受けて推奨しないという結論になっているわけです。ただ、少し観点を変えると、有効な可能性はあるのだけれども、それを証明するためにはさらに研究しなくては駄目ですという結論を出しています。だとしたら、やはり胃癌学会のほうでぜひ次のステップを明確に示す努力をしていただきたいという要望はしてもいいのではないでしょうか。
 それと、やはり自由診療だから何でもやっていいというわけではなくて、少なくともガイドラインで推奨されていないものは、よっぽどの説明をしないとこれはやらせてはいけないのではないかと思います。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 事務局、どうぞ。
○医療課長補佐
 山口先生、ありがとうございます。
 少し確認みたいなものになってしまいますけれども、東大病院におきましては、少なくともガイドライン上の位置づけをしっかり説明するようにということを事務局からお伝えをしたいと思っています。
 また、山口構成員、天野構成員からの言葉にありましたとおり、日本胃癌学会に対しては、現状というところの受け止め、さらには研究を開発していただきたいということもお伝えするということを検討したいと思っております。ありがとうございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。そのほか、または今のテーマででも結構ですけれども、御発言があれば。
 渡辺構成員、どうぞ。
○渡辺構成員
 日本医師会の渡辺でございます。
 もし厚労省のほうから問合せを大学にしていただけるのであれば、これは臨床研究ではないから関係していないかもしれませんけれども、倫理審査委員会というのが大学内にあると思うのですが、自由診療に対してどのような関与をしているかということと、さっき山口構成員もおっしゃられたように、ガイドラインが推奨していないもの、治療を当大学病院が自由診療として行っていることに対して、倫理審査委員会としてはどのような見解をお持ちかということを一緒に併せてお問い合わせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 渡辺構成員、お言葉をありがとうございます。
 こちらについても、会議としての言葉ということでよろしければ、そのようにさせていただきます。
○福井座長
 その方向でよろしいでしょうか。
 山崎先生、どうぞ。
○山崎構成員
 山崎でございますけれども、よろしいですか。
 今の御指摘はもっともだと思っておりまして、私も昔おりましたので、それで、恐らくこれは自由診療ということになると、倫理審査委員会ではなくて、名称は覚えていないのですが、医の倫理委員会みたいなものが別途ございまして、そこで審議をしているはずだと私は理解しております。お問合せの際に御参考まで。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、そのことも参考によろしくお願いします。
○医療課長補佐
 承知いたしました。
○福井座長
 そのほか、いかがでしょうか。
 辻構成員、どうぞ。
○辻構成員
 ありがとうございます。
 研究者ではないので詳しく分からないのですけれども、腹膜播種のような状況は胃がんに限ったことではないと思いますので、このような議論があったことが他の学会にも一応何か伝えるほうがよければ伝えたほうがいいのではないかなとは感じましたので、それがいいのかどうかも事務局で判断していただければと思いました。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 また事務局と相談させていただきたいと思います。恐らく最終的な決着がついたところで振り返ってというふうにしたほうがいいような気も個人的には今のところはしておりますけれども、相談していきたいと思います。ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、事務局、これからいろいろやり取りは大変でしょうけれども、東大病院との対応をよろしくお願いいたします。
 本日の議題は、残り「その他」となっておりますけれども、事務局から何かありますでしょうか。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 特にございません。
○福井座長
 構成員の先生方から何かここで議論するべきことなり、御発言がございましたらお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。山口先生、どうぞ。
○山口構成員
 先ほど辻先生からコメントがありましたけれども、腹膜播種はがん種によって随分予後も違いますし、薬剤の感受性が違うので治療方針も異なります。したがって、一律に論じるのは難しいのではないかと思います。
○福井座長
 ありがとうございます。
○辻構成員
 分かりました。ありがとうございます。
○福井座長
 そのほか、何かございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、次回の開催について事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 次回は日程調整の上、後日連絡させていただきます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、第41回「患者申出療養評価会議」を終了いたします。本日は、お忙しいところ、御出席いただき、ありがとうございました。
 以上でございます。
 

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