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2017年3月28日 第101回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録

○日時

平成29年3月28日(火)13:00〜15:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室


○議題

(1) 雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2) 職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(3) 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(4) 雇用保険法第60条の2第1項に規定する厚生労働大臣が指定する教育訓練の指定基準の一部を改正する告示案要綱について(諮問)
(5) 労働政策審議会職業能力開発分科会運営規程の一部改正について
(6) 2016年度の年度目標の中間評価について
(7) その他

○議事

○小杉分科会長 定足数に達しましたので、ただいまから、第101回労働政策審議会職業能力開発分科会を開催いたします。本日は、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。本日の出欠状況は、大久保委員、田口委員、大隈委員、河本委員、中村委員が御欠席です。また、諏訪委員は少し遅れられるようです。なお、河本委員の代理として全日本空輸株式会社人材戦略室人事部秋田グループキャリア支援室長に御出席いただいております。

 では、早速、議事に入ります。まず、議題(1)(4)です。これは省令案要綱、告示案要綱の諮問案件です。まとめて事務局から説明した上で議論したいと思います。これらは、本日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛てに諮問がなされたところであり、これを受けて本分科会で審議を行うものです。また、議題(7)の報告事項についても関連がありますので併せて事務局から説明をお願いします。

○藤浪企業内人材育成支援室長 企業内人材育成支援室です。議題1に関して、資料1に基づいて説明いたします。内容はキャリア形成促進助成金等の改正についてです。具体的な内容については、資料1-2の改正省令案の概要に基づいて説明いたします。今回の改正については働き方改革を押し進めるに当たり、働き手一人一人の能力開発を通じた生産性の向上が重要という観点から、キャリア形成促進助成金についても、その観点を踏まえて見直しを行うこととしています。まず、名称について、企業が行う人材育成を支援するという趣旨を明確にするために「人材開発支援助成金」に改め、また、改正のポイントとしては、助成メニューの整理統合、生産性要件の設定、利用者の利便性の向上という観点の見直しを行うものです。

 1ページです。助成メニューの整理統合についてです。具体的には訓練関係の各コースを、生産性向上が期待できる訓練効果の高い訓練を高率助成とする特定訓練コースと、その他の訓練を助成する一般訓練コースの2つのコースに大くくり化いたします。また、制度導入助成については、労働者個人のキャリア形成を支援する制度の導入に対する助成として、キャリア形成支援制度導入コース、そして職業能力検定制度の導入に対する助成として、職業能力検定制度導入コースの2つのコースに大くくり化して助成金全体を4つのコースに整理しました。

 また、訓練助成の特定訓練コースには、生産性の向上に直結する訓練、具体的には能開法に規定する高度職業訓練等を予定しており、こういうものに対する助成を新設するということ。また、制度導入助成については助成対象を中小企業に限定して、類似の助成制度が存在することなどにより、教育訓練、職業能力評価制度の導入助成については廃止することとしております。

 次に、2ページの中ほどの(3)生産性要件の設定です。企業の生産性向上に向けた取組に対するインセンティブを付与するという観点から、生産性を向上させた企業に対する助成率・額を引き上げるという制度を新たに導入するというものです。これは、他の労働関係助成金の取扱いと同様です。これについては、また後ほど説明いたします。

 次に、2ページの(4)利用者の利便性の向上を図る観点から、特定訓練コースの助成対象となる訓練時間の下限を10時間に緩和いたします。また、特定訓練コースを活用する事業所に対する年間の支給限度額を1,000万円に引き上げることを考えております。さらに(5)ですが、事業主団体が傘下の企業の労働者に行う訓練に対する助成の範囲を拡大するという措置を講ずるものです。以上がキャリア形成促進助成金の改正の主な内容で、そのほかに3ページの(6)として、東日本大震災に伴う特例措置の再延長も盛り込んでおります。

 45ページを御覧ください。ここには新しい人材開発支援助成金と現行のキャリア形成促進助成金の助成率と、助成額を含めてお示ししております。先ほどの生産性要件により変動する助成率・助成額について簡単に説明いたします。例えば、右側のページの現行の雇用型訓練コースのOFF-JTの場合、経費が2分の150%、大企業の場合は3分の133%であるものが、人材開発支援助成金では左側のページの特定訓練コースに該当して45%、大企業では30%がベースとなります。

 そして、生産性要件を満たす場合は60%、大企業が45%ということで、それぞれ15%が上乗せされることになります。賃金助成も同様で、中小企業のみで申し上げると、現行の賃金助成が800円のところ新助成金では760円がベースとなり、生産性要件を満たす場合は960円ということになります。これらの引上げの幅等の設定については、他の労働関係助成金と全て同一ということになっております。

 そもそも生産性はどのように計算するのかということについて、資料1-3の裏面に既に先行して適用されている助成金向けのパンフレットから抜粋資料を付けております。資料の下に計算式が出ております。これにより算出した値が3年前に比べて6%以上伸びていることなどの場合に、先ほどの助成率・額が適用されるということになります。なお、算定の対象期間中に事業主都合により離職者が発生している場合、生産性要件の適用については、どれだけ生産性が上がっていたとしても対象にはならないという取扱いになっております。

 次に、資料1-26ページに戻ります。キャリアアップ助成金についてです。人材育成コースも同様に生産性要件を導入して、また、非正規雇用労働者の処遇改善、正社員化を一層加速するという観点から、支給限度額を1,000万円に引き上げるということです。最後に7ページです。これは認定訓練助成事業費補助金についてです。東日本大震災、熊本地震により被災した施設の復旧に係る施設費等の補助率の引上げについて、いまだ復旧されていない被災施設があることから、平成30331日までこの補助率の引上げを延長するというものです。議題1の説明は以上です。

○波積能力開発課長 続いて、資料2です。職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱のうち、職業訓練基準の見直しについては能力開発課から説明いたします。

 要綱そのものは資料2-1のとおりです。具体的な説明は資料2-2を使って説明いたします。職業訓練基準ですが、主要産業分野の標準的な訓練内容について、専門家の御意見も踏まえて現状の技術動向を踏まえた形で、より適切なものに改正するという形で毎年度行っており、基本的には4年に1回、全ての訓練系において改正するというものです。こちらの基準は、能開施設における普通職業訓練の標準的な中身を定めるというものです。

 実際に都道府県が定める際には条例において現場の状況を見ながら定めますが、その際の参考になるという位置付けです。今回は2点改正を行っております。まず、1点目は建築設計科です。「建築構造」という科目がありますが、名称を変更して「建築構造及び材料」という形で材料について付け加えるという改正を行うということです。要は、従前、建築構造の中でももちろん材料について話はしてきたわけですが、技術が進み、もう少し高機能化された材料についてもしっかりと学んでいただく必要性が生じたものですから、それに伴い科目名も中身にふさわしく材料も付け加えた形で改正を行うというものです。
2点目は、ビル管理科です。新しい科目として消防設備を追加いたします。従前は給排水・衛生設備及び電気設備という2つの中で行ってまいりました。近年、消防設備に関する法令等も改正になり、ビル管理における消防設備の範囲が格段に増えたということがありました。このようなこともありますので、従来の履修内容では不十分ということで、新たに科目を設置するという形の改正を今回行わせていただきたいということです。以上です。

○搆主任職業能力検定官 続いて、資料2-1の第2の部分、技能検定に関する見直しについて能力評価課から説明いたします。技能検定の職種及び内容について、近年の技術動向等を踏まえて見直しをするものです。こちらは省令案要綱にあるとおり、改正は2点です。職種の1つである木型製作を廃止したいということ、その廃止に伴い関連する技能士コースの普通職業訓練の基準を廃止するということです。

 この木型職種というのは、127あるうちの1つの職種です。木を削って型として精緻なものを作るという技能を求めるものです。近年、受検申請者が減っており、木の型を作る技能は、別の技能にとって代わられているものとみられます。平成22年度まで毎年実施しましたが、受検者数の減少を踏まえ、3年ごとの実施とされたので、平成22年度の後は平成25年度に実施しました。その時点で、受検申請者数が100名という1つの基準に対して、3カ年分で66名にしかならないということがありましたので、平成25年度に技能検定職種の統廃合等に関する検討会を開催しました。

 関係業界団体からは、今後の増加に結び付くような要素が見られないこと、類似の他の職種や別の形の展開をすることによって解消できる展望もなく、この職種が今後発展するめどが立たないということでしたので、検討会としては廃止すべきとされました。ただし、既に技能を勉強してきた人たちに対して最後に受ける機会をということでしたので、平成25年度の3年後の平成28年度に最終の試験を終えたものです。こちらについて御検討をお願いしたいと思います。

 併せて、資料8は技能検定についての報告事項です。3つの職種について、作業を廃止したり、試験科目等の見直しを行ったというものです。1つは写真職種に関するもので、肖像写真銀塩作業の廃止です。世の中は、既にデジタル写真に移っておりますが、肖像写真銀塩作業は、現像して定着させて写真を作る伝統的なもので、求められる技能の主流が既にほかの技能に移ってしまっているので廃止しました。

2番目の建築板金職種については、外国人向けの基礎級について学科試験の科目を追加したということです。この建築板金職種については、現場の実態を踏まえると建築構造が分からないといけないということで、学科試験の科目に「建築構造」を追加したというものです。3番目の鉄筋施工は学科と実技に係る変更です。実技については、鉄筋の加工について3級レベルにも関わらず難しいものが入っているということで、鉄筋組立て作業のうちの「鉄筋の加工」は3級の実技試験から削除いたしました。学科試験については、鉄筋の建築構造について理解していないと鉄筋施工を行うことができないということで、3級の学科試験の科目に建築構造に相当する科目を追加して、材料の所に建築工事で使用する材料等についても追加したものです。こちらについては、平成28930日に公布して、一部を除いて平成2941日の施行ということにいたしました。以上です。

○波積能力開発課長 続いて、資料3「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」について説明します。要綱は資料3-1で御確認ください。具体的な説明は資料3-2で説明いたします。こちらは例年行っていることですが、東日本大震災特例措置の延長ということで、特例措置ですので11年判断して延長していただいているものです。

 中身としては2点あります。1点目は、災害復旧に必要な人材育成のためということで、震災対策特別訓練コースの設定に関する特例措置というものです。これも御案内のとおりかと思いますが、復旧・復興事業・支援に必要な人材、必要な資格を有する方を育成するために短期で12万円の訓練奨励金で行っているもので、平成28年度までは青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県で行ってきたものです。

 もう一点は資料の下にあるとおり、被災3県において実施した求職者支援訓練の就職率に関する特例措置です。これも通常は2コース以上が該当した場合には求職者支援訓練を1年間不認定ということになっておりますが、この1コースを0.5コースとカウントするという特例措置を行ってきたものです。

 毎年、特例措置を延長するに当たり、各県の労働局に実際に特例措置の延長が必要かどうかということを協議しており、今回、それぞれの関係局にお話を伺ったところ、岩手県及び福島県において適用期限の1年間の延長をお願いしたいという話がありました。それを踏まえて、今回も省令改正の中でそのような内容での改正を行うということです。以上です。

○伊藤キャリア形成支援課長 続いて、議題4に関して資料4-1及び4-2、また、これは報告事項に係る資料ですが内容的に関連性があるということで、資料7について一括して説明いたします。

 資料4-1です。雇用保険法第60条の21項に規定する、大臣が指定する教育訓練の指定基準を定める告示案改正要綱、専門実践教育訓練の指定基準に関わる改正を内容とするものです。4-1が告示案要綱案で、具体的な内容については資料4-2に基づいて説明いたします。1ページを御覧ください。前回、1月の分科会において働き方改革の一環としての人材育成強化の観点から、また、雇用保険法改正法案による専門実践教育訓練給付の拡充との相乗効果を期した、講座指定基準改正などによる専門実践教育訓練拡充の考え方について報告申し上げました。

 本日は、このうち告示改正を要する事項に関して具体の告示案としてお諮りするものです。具体的にはマル1です。特に高度なIT資格の取得を目指す講座の拡充を目指した要件の見直しです。より具体的な内容が、その次の部分です。ITに関する資格であって中長期的なキャリア形成に資するもののうち、特に高度な専門知識、技術に関するものとして職業能力開発局長が定める基準に該当するものの取得を訓練の目標とする課程について、当該教育訓練の期間、時間が局長の定める要件を満たすものであれば、専門実践教育訓練の指定対象とするという内容です。

 この局長が定める基準、要件に関してですが、その下の注書き及び資料の2ページも併せて御参照いただければと思います。現在、IT資格取得を目指す講座に関しては、ITSSのレベル3、具体的には要求された作業を全て独力で遂行する応用的知識・技能を有する、このレベル3相当以上の資格取得を目指す講座で、一定の要件を満たすものを既に専門実践の対象にしております。

ITSSでは更にその上にレベル4という1つ上の階層があります。独力で業務上の課題発見、解決をリードするハイレベルのプレーヤ、試験で評価可能な最高レベルのITSS階層です。既にこのレベル4に相当する資格としては、国家資格、民間資格含め、右側にあるような各資格があり、さらに、本年4月から情報処理安全確保支援士試験、これは情報セキュリティ分野の初めての名称独占国家資格ですが、こうした資格も創設されるということで、これらの資格の受験取得促進を図ることが人材育成、また、これを受験する方々のキャリアアップに資するものということで、こういう資格取得を目指す講座を基本的には対象としていくという考え方です。

1ページの注書きの部分にお戻りください。レベル4相当以上の資格取得を目標とする訓練について、現状でも存在するわけですが、プロバイダーからヒアリングを行う中で、基本的に既にレベル3相当以上の能力を習得している者が受講者となっている、また、そういうレベルの方でなければレベル4資格合格は難しいという実態である。また、こういうことを反映して、レベル4資格取得を目標とした講座に関しては短時間・高密度の講座である。具体的な時間数で言うと、前回も申し上げたように30数時間から40時間強の時間に集中している。こういう実態があるということを確認しているところです。

 また、この度の専門実践教育訓練給付制度の改正の中でも、いわゆるインターバル要件を、現行10年から3年に圧縮するという改正を予定しているわけですが、支給要件の緩和措置との相乗効果を期するという観点から、高密度のレベル4以上の資格取得を目標とする講座を専門実践制度を活用して受講を促すという観点から、当該教育訓練について、現行の基準では訓練時間が120時間以上ということになっているものを、例外的に訓練時間を30時間以上ということで要件緩和させていただく。もちろん、就職・在職率、資格受験率・合格率等の要件が適用されることは言うまでもないところです。これが今回お諮りする中心的な内容です。

 運用上の課題ですが、告示の附則の改正を要する事項として、2番について併せて説明いたします。講座の再指定に関わる要件の見直しについてです。現行の指定基準では、再指定時に当該教育訓練の前回指定期間に給付金の支給実績があることを要件の1つとしております。指定期間は3年ですので、3年の間に当該講座に受給者がいるということです。本制度は平成2610月スタートですが、実質的には大多数の講座が平成274月から開講されているところです。

 平成2910月の次期指定期に初めて再指定期を迎える講座が800強生まれるということになります。この800強の講座に関して、現時点で、すなわち平成27年度及び平成28年度の中途までの段階で、それぞれ受給者が存するかどうかということを実務的に確認したところ、今申し上げた800強の講座のうち4割強の講座に関して、一つ一つの講座について見た場合に受給者がいない、受講者はいるが専門実践の受給者はいないということが確認できているところです。

 これに係る取扱いです。1つには、制度開始が実質平成274月からで、現時点でまだ2年弱、制度に関して我々の広報不足という部分もありますが、まだまだ浸透の途上にあるということ、また、前回も説明申し上げたように働き方改革の一環として給付の拡充も図り、これとの相乗効果を期し制度活用、拡大を目指していく中では、それぞれ受給者の方々にとって受講の選択肢を広く確保する必要性が一定認められる等の考え方から、ここにあるように、当分の間の措置として、一定の基準を満たすものであれば、前回指定期間内に受給者、実績がない場合であっても再指定の対象として排除しないという取扱いとさせていただきたいというものです。

 具体の要点は3点です。1点目は、前回指定期間内に教育訓練の修了者がいる。教育訓練としてアクティブであるということです。2点目は、その下の注書きです。最初の指定段階で就職在職率80%以上、資格合格率が当該資格の全国平均以上という要件を満たすことを確認した上で指定を行っているわけですが、最新の実績に基づき、これらの要件を当てはめ、その条件を満たすことを確認するということです。3点目は、受給者がいないことの要因分析、また、これを踏まえた今後の講座運営の改善方針の提出を求め、これら3点の確認を行った上で再指定を可とするという取扱いとしたいというものです。

 以上、2点が告示改正に係る内容です。これ以外に局長定めにより措置したいと考えている事項として、前回も報告を申し上げた、一定の要件を満たす通学を伴わないe-ラーニング講座も指定対象とするという取扱いの変更です。この件については、前回、報告を申し上げる中で意義と留意点、両面から御意見を頂いたものと我々は認識しております。

 前回、御審議の際の御指摘も踏まえた具体の要件として、1つは、適切なIT技術を用いた適切な方法によって受講者の本人確認を行い、不正を防止するということです。もう一点として、e-ラーニング講座に関しては教育訓練、学習の進捗状況のマネジメント、また、そのフォローアップが1つのポイントになるものと我々は考えております。後段にあるように、これも適切な方法により学習到達度の把握を行い、必要なフォローアップを行うということについても、併せて通学を伴わないe-ラーニング講座の要件として明確に規定し、適切に運用していきたいと考えております。

 指定に係るスケジュールとして、専門実践の指定は半年に1回ということでこれまでも行っており、引き続きそのスケジュールでということで、本日お諮りした上で、4月中旬以降、新規の指定希望の受付を行い、7月中を目途に平成2910月指定講座の決定をしたく考えております。

 また、本件に関連する資料として、資料7130日付けの専門実践教育訓練の指定講座公表資料を添付しております。年に2回の専門実践の講座指定の状況、その直近のものです。こちらにあるように、平成2941日付け指定では、新たに190講座、累計では2,400余りの講座を現在、専門実践教育訓練の対象として指定しているところです。5つの類型ごとに、多少のばらつきはあるところですが、それぞれ一定数の新規講座の指定をしております。

 また、この分科会でもしばしば御指摘いただいている地域分布という観点も私どもは大変重要な観点と思っており、9ページに都道府県別の指定状況をお示ししております。その前の状況では、7県で指定講座数が1桁にとどまっていたところですが、そのうち2県に関して教育訓練プロバイダー団体の協力、また、各労働局からの働き掛け等を通じて2桁に到達、ただ、なお5県が1桁、少数にとどまっているという状況もあります。分野の多様性、地域偏在という観点も十分に念頭に置きながら、また、専門実践教育訓練の指定基準の見直しという内容も含めて、教育訓練プロバイダーを始めとする関係者に正確、迅速な広報を一層努めながら、より多くの有用な専門実践教育訓練の開拓・指定等に努めていきたいと考えております。議題4に関わる説明は以上です。よろしくお願いいたします。

○小杉分科会長 若干盛りだくさんではありますが、皆様から、以上4点について御質問、御意見をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。

○高倉委員 資料1、雇用保険法の助成金の関係でお伺いします。今回、生産性要件の設定ということで、生産性を上げた企業に対するインセンティブとして助成率を引き上げること自体は、政府全体の方針でもありますし、このことについては問題がないと思うのですが、お伺いしたいのは、何をもって生産性が向上したと判断するかの指標についてです。

 生産性に関しては幾つかの指標があると思っておりますし、資料1-3の裏面に「生産性要件について」ということでその計算式も書いていただいていますが、今申しましたとおり、いろいろな見方がある中で、引き続きこの基準を使用されるのか。場合によっては変えていこうというようなこともあるのか。その辺りについて、生産性を測る尺度が幾つかある中で、この手法を使っている理由も含めてお伺いします。

 それから、例えば補助金についても、東日本大震災のようなイレギュラーなことが起こった場合に、その基準を多少緩和をしたりということもあったと思いますが、そういったことも今回のことに当てはまっていくのか。それも併せてお伺いしたいと思います。

○藤浪企業内人材育成支援室長 生産性要件の計算の仕方ですが、確かに御指摘のとおり、いろいろな算出の仕方はございます。この生産性要件については、助成金全体共通ということで、その制度設計については職業安定局のほうで取りまとめて行われているのですが、職業安定局における検討の過程においては、いろいろな指標がある中で、この指標は法人企業統計調査で使われている計算式をベースに、それには減価償却費が入っていないのですが、プラス減価償却費を加えて作成したというものです。これについては、既に先行している助成金が幾つかあるのですが、来年度から本格的に実施されるということになりますので、実際、この運用を行ってみて、手続を含めてどういった課題、問題、多分いろいろ出てくると思いますので、能開局も含め、職業安定局と、この運用等についてはしっかりと見ていきたいと思っているところです。

 先ほどの、震災などの場合での対応ですが、今のこの生産性要件の計算については、そういった天変地異といった場合の対応についての規定は現時点ではありませんので、そういった場合も、どういった取扱いにするのかということについても、職業安定局のほうに、この点についてはしっかりと伝えておきたいと思います。

○小杉分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○臼田委員 御説明いただきましたキャリア形成助成金の見直しということですが、事務局から、我々に丁寧に御説明を頂きますと、制度そのもの自体が4つのコースに整理されるということは理解できます。しかし、助成金を受けたいと思う中小企業にとっては、キャリア助成金という名前でずっと通っておりましたので、この名前の変更も含めて、助成金の制度そのもの自体がもしかしたら終わってしまったのではないかという誤解が生じるのではないかと思います。

 つきましては、今後、労働局や我々のような経済団体、又は労働組合等で周知が図られると思います。さらには厚労省においても、雇用関係の助成金の冊子等を作成されると思いますが、その部数に限りがあることも考えられます。例えば、ハローワークなどの窓口等で手続に来られた方々に簡単なパンフレットを配ったり、若しくは、さらに助成金のもう少し詳しい詳細を知りたい方には冊子を配布したりということで、きめ細やかな対応、告知、広報活動をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○藤浪企業内人材育成支援室長 ありがとうございます。キャリア形成促進助成金が平成13年に出来まして、10数年運用してまいりましたので、確かにかなり浸透してきているとは思います。そういった中で名称をあえて変えるということですが、もとより企業が企業主導で従業員に対して行う訓練と、それに対する助成ということですので、人材開発支援助成金で、より名称としては的確なものになったのかなとは思うのですが、そうは言いながらも、やはり新たなものと捉えられる可能性がありますので、その点はしっかりと、今御指摘があったような形できめ細やかに周知等はしっかりやっていきたいと思います。

○小杉分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○上野委員 東日本大震災に伴う求職者支援訓練の特例措置の延長についてです。延長しない3県について、我々としては地元の意向を尊重したいと思いますが、延長される岩手、福島の2県において、今後どのような職業訓練が求められ、有効であるのかということについては、現地ともしっかりと連携を取って、そのニーズの把握に努めていただきたいと思っております。このあたりのお考えについて、少しお聞かせください。

○波積能力開発課長 もちろん、現地で必要な職業訓練については、引き続き現場のニーズもしっかり踏まえて設定していきたいと思います。現場の声を聞くのは行政の基本ですので、必要な対応を引き続き行ってまいりたいと思います。御意見ありがとうございます。

○小杉分科会長 ほかの議題でも結構です。いかがでしょうか。

○永井委員 議題4ですが、ITスキル標準のレベル4相当以上の資格のところで、現行の訓練時間等が見直されることについては、高度IT人材育成の必要などの観点から理解しております。

 そこで2つほど意見を申し述べたいと思います。1つは講座の内容と、講座受講によってどの程度まで受講者の水準を向上させられるかということです。実際の講座指定に当たっては、先ほどの御説明があったとおりだと思いますが、その講座がITSSレベル4相当以上の資格取得を訓練目的とする課程であることはもとより、職業能力開発局長の定める基準である就職・在職率、資格試験合格率などに照らして厳正な審査を求めると御説明もありましたので、正にそこを求めさせていただきたいと思っております。

 もう1つ、専門実践教育訓練は、平成26年の制度開始から3年後の平成29年、すなわち本年に見直すということになっていると思いますが、この制度導入時の議論に立ち返って、対象分野を広げることや、高度IT人材育成などのほか、いわゆる非正規雇用の労働者の皆さん方にとって使い勝手のいいような、仕事をしながらキャリアアップが図れるようなプログラム開発なども今後は検討をお願いしたいと思います。

○伊藤キャリア形成支援課長 ありがとうございます。まず1点目です。本日お諮りをしています、特に高度なIT資格取得を目標とする講座の実態に関わるお尋ね、御意見でした。資料4-22ページを改めて御覧いただければと思います。先ほども御説明しましたように、このレベル4相当の資格としては、右にありますプロジェクトマネージャを始めとする情報処理技術者試験の最高レベルの各部分、これに加えて、本年4月に情報処理安全確保支援士試験が加えられます。更に、その右側にある、いわゆるベンダー資格の中でもレベル4に相当するものがあります。既にありますこの欄の左側のレベル4情報処理技術者試験の各区分に関して申し上げますと、それぞれ若干ばらつきはありますが、大体年間1万人前後ぐらいの方が、それぞれの資格を受験されているという実態があります。

 経産省とIPAが公表している資料を分析しますと、先ほども触れましたように、これら資格の受験者に関しては既に相当程度の就業経験を積んでいらっしゃる方が受験者の大層を占め、こうした方々が特定の教育訓練プログラム受験している。既に相当の知識・技術を職務を通じて得られている方については、自学自習で直接受験というケースも多々あると聞いておりますが、こうした試験区分ごとに、現状でも、いわゆる民間教育訓練プロバイダーが、その受験合格を目指して運営をしている講座が存在するところです。これに関しては、具体的な指定の対象とするという取扱いをして初めて各講座ごとの就職・在職率、あるいは受験率、合格率等のデータが把握可能ということで、現時点で今日申し上げている要件を満たす教育訓練課程が幾つあるかということについて正確に申し上げることは困難ですが、満たし得る、今日申し上げたようなスペックに該当し得る講座については既に一定数ある。こういった各教育訓練プロバイダーに対し、本日以降、適切な方法で見直しについて説明をし、この専門実践を活用し、より幅広く社会人に対して教育訓練機会を提供しようというプロバイダーに関して、先ほど申し上げた個々の要件を確認した上で指定していく。そうした一連の手続を通じ、教育訓練プログラム内容等についても個別のヒアリング等、適切な方法によって、より分析を深めていきたいと考えております。

 また、いわゆる3年後の見直しについても御指摘、御意見を頂戴したところです。正に今お話がありましたように、本年10月に平成2610月創設の専門実践教育訓練について丸3年を迎える。制度創設時に、いわゆる3年後の見直しが必要ということで、本分科会でも考え方をおまとめいただいたところです。既にこの間の審議の中でも、今もお話がありました非正規雇用の働き方のキャリアアップ、あるいは子育て女性のキャリアアップ等、重要な課題について御指摘いただき、そうした論点も含めて3年後の見直しが行われるべきものと我々は考え、ただ、その際には十分御審議を頂くだけの材料、実態について本分科会にお示しする必要があるだろうと思っております。

 前回も申し上げたかと思いますが、ほぼ初めて、本年3月末をもってこの指定講座の修了者が生まれる。修了後の実績は、ようやく来年度になって一定の把握可能な条件が整うということです。したがって、最新の受給実績、その属性分析等はもとより、修了後の状況などについても、工夫をしながら把握・分析をし、そうした御審議を頂く判断材料も一定整えながら、また、分科会長とも十分御相談申し上げながら、もともと3年後ということで御指示いただいている時から余り離れることなく、この3年目の見直しに係る御議論を頂けるように、私ども事務局としても努力したいと考えております。

○荘司委員 私も議題4の関連で御説明を頂いた資料7についてです。専門実践教育訓練の指定講座については、これまでの間も、労働側としまして地域偏在が起こらないようにすることを指定講座について求めてきた次第です。先ほど御説明いただいた9ページを見ますと、都道府県別では講座数が1桁から2桁になったところもあったというお話でしたが、その逆で、秋田県などは1講座減って、残りが1講座だけになってしまっております。残っている1講座は業務独占・名称独占資格の養成課程ということで、すぐにはなくならないのだろう、需要も高いものだと思っておりますが、こういった状況を踏まえると、1講座だけというのはいかがなものかと考えております。

 先ほど御説明の中では、こういった課題への対応というようなことや、e-ラーニングを活用してというお話もあったのですが、やはり実践というのも非常に重要になろうかと思います。そういった働く側にとって、本当にユニバーサルサービスということをうたっていくという上でいけば、現状は非常に瀬戸際にあるという危機感を持って、一層、講座の開拓に取り組んでいただきたいということを改めて述べたいと思います。お願いします。

○小杉分科会長 秋田県は1つになってしまったのですね。どうぞ、お願いします。

○伊藤キャリア形成支援課長 ただいま、専門実践教育訓練指定講座の地域偏在の問題について改めて御指摘いただいたところです。先ほどの説明の中でも若干触れましたように、私どももこの点に関してはユニバーサルサービスとしての真価が問われる非常に重要な観点という問題意識の下で、取り分け指定講座数1桁にとどまっているような都道府県、言わば重点地域に特定をした上で、各労働局、また、都道府県単位での教育訓練プロバイダー団体等の御協力も頂きながら、先ほども触れましたように、最終的な就職・在職率等の水準までは申請プロセスに入って初めて分かるものですが、対象となり得る講座に関しては私どもは当然把握し得るものですので、そういった、言わば母集団データなども提示しながら個別の働き掛けをこの1年、かなり集中的に行ってきたところです。

 ただ、その上で、今も御指摘いただきましたように、なお少数にとどまる講座、選択の余地が非常に狭い地域が残っているということも事実です。私どもといたしましても、今申し上げたような労働局ルート、専門実践教育訓練の対象となり得る学校・団体のルート、関係省庁、いろいろなルートを使いながら、また、地域プラスこの課程類型、分野という視点も併せ持ち、先ほども触れましたように、この専門実践教育訓練の意義やプロバイダーの立場での具体的なメリット等についても、より丁寧正確に説明を申し上げながら、それぞれの地域ごとのリアルな講座開拓プラス、今日御説明しておりますe-ラーニングの活用等も、言わば併せ技として活用していくといった考え方で、地方居住者の方々の専門実践教育訓練講座の受講機会の確保に一層尽力をしていきたいと考えております。

○村上委員 私も、議題4の資料4-2について意見と要望と質問です。資料4-21ページの下段に、先ほど御説明があったように、e-ラーニングの講座も指定対象とするということが記載されています。これについては何度か本分科会の中でも私としては懸念を表明してきたところです。教育訓練制度というのは、本来は受講や受講を通じた資格取得などによって、雇用保険の適用対象となるような安定した雇用に結び付いていくということが目的であると考えておりまして、そうしたものにつながらないようなものであれば、本来は適用対象にすべきではないと思っております。

 また、通学を伴わないe-ラーニングの講座について、単に学び直しであるとか、給付金を目的としたようなものは論外としまして、就職についても、在宅就業的な、雇用ではないような働き方であれば、それは本来の目的とは違うのではないかということで、安易に拡大すべきではないと思っています。財源も労使の拠出による雇用保険から出ているということを十分に踏まえた上での運用であるべきだと考えております。

 そうしたことを前提としてお伺いしたいのですが、1ページの「職業能力開発局長定めにより、以下の改正を実施」について、読んでみても、何が要件なのかよく分からないところがあります。何が指定の際の条件であって、どういう条件を満たしていればいいのかということが、これだけではよく分からないということがありますので、そこを説明いただきたいと思います。

 なお、専門実践教育訓練の場合には、3ページの指定基準全体を満たした上でのe-ラーニングということだと思いますが、(1)から(5)までの基準を全て満たし得るのかというと、全て満たすことができる講座というのはかなり限定されてくるのではないかと思いますので、それについても御説明いただければと思います。また、一般教育訓練の場合にはどのようなことになるのかということについても、教えていただければと思います。

○伊藤キャリア形成支援課長 今、e-ラーニングに関しまして何点かのお尋ね、御意見を頂戴したところです。順不同ですが、まず、今回のこの取扱いに関しましては、専門実践だけではなくて一般も適用対象にする要件の見直しという考え方です。これが、まず1点目です。

2点目ですが、資料3の課程類型ごとの要件との関わりについてもお尋ねがありました。今回、通学を伴わないe-ラーニング講座で一定の要件を満たすものについては指定対象となし得る取扱いとしたいということですが、当然のことながら、専門実践であれば(1)から(5)いずれかの課程類型に該当して初めて指定対象になり得るものですので、例えば(1)であるならば、e-ラーニングであろうと、非e-ラーニングの完全通学型であろうと、ここにあります試験受験率・合格率、就職・在職率の実績がイコールフッティングの同じ基準を満たすことで初めて指定対象になり得るということです。したがって、e-ラーニングという形態を用いることによって教育訓練の効果が低くなり、資格取得を目標とするものであって、資格受験率あるいは合格率が全体水準を下回るものは、あるいは下回っているものは当然、対象からは除外するという全体共通の考え方です。

 その上で、資料4-21ページにお戻りいただいて、下の囲みの部分の局長定めの部分がいささか分かりにくいという御指摘を頂きました。資料の記述ぶりが丁寧さを欠いた部分がございました。大変恐縮でございます。

 この局長定めによるe-ラーニング独自の追加的要件としまして大きくは2つです。1つは、本人確認を適切に行うということで、IT技術を用いた適切な方法により受講者の本人確認を行うこと。具体的に私どもが念頭に置いていますのは、典型的にはID・パスワードの活用ということになろうかと思います。私どもは公的職業訓練に関わるe-ラーニングの活用についての技術的な研究などの事業も進めておりまして、そういった事業を通じ、例えば、スマホと連動したワンタームパスワード、スマホでパスワードを提供して、それを入力しないとアクセスできないとか、比較的簡便な、そういう本人確認のための最新技術といったものも導入・普及しつつあるものと把握してます。そうした想定される幾つかの典型的な手法を提示しながら、このIT技術を用いた適切な方法による本人確認を行う。これが要件の1点です。

 もう1つのe-ラーニングに関わる課題としては、通常の教室型の教育訓練であれば、1コマ1時間とか、あるいはトータルで11,000何百時間といった時間数や、コマなどといった概念があらかじめ明確化されているわけです。e-ラーニングの場合には、ある意味それが利点でもありますが、それぞれの学習者の能力等に応じた進度で学習ということになりまして、その時間に非常に大きなばらつき、結果として学習成果にもばらつきが発生するという懸念があり得ると考えているところです。

 したがって、こうした学習進捗のきめ細かな管理、また、フォローアップが大変重要であるということで、後段に書いております標準学習期間の設定、それから、受講者が受講し、通常は単元ごとに確認テストなどもあるわけですが、そういった確認テストの成績の確認、その他の方法による学習到達度把握といったものを、このe-ラーニングではラーニングマネジメントシステムと総称していると承知しております。こうしたラーニングマネジメントシステムを用いた学習状況の把握と、電話その他のソフト方法も必要に応じ併せ持ち、あるいはスカイプ等を用いた方法による適切な質問等に関わるフォローアップを行うということも、今申し上げたような具体例も交えた形で要件として明記し、この2条件を満たし、かつ、先ほど申し上げた共通ルールに属する基準を満たすということを確認した上で、この通学を伴わないe-ラーニング講座について指定対象とするという考え方です。

○村上委員 御説明ありがとうございました。その上でなのですが、今回指定していった上で、本当に教育効果、訓練効果があったのかどうかということと、安定した雇用につながっているのかどうかということについて、是非1年後なり、ある程度の期間を取って検証いただきたいと思います。その結果についても、是非この分科会で御報告を頂ければと思います。

○伊藤キャリア形成支援課長 そのようにさせていただきます。

○小杉分科会長 よろしくお願いします。

○諏訪委員 資料1-1の生産性要件について申し上げます。生産性要件を満たしている場合に助成の割増しを行うことは非常に有り難い話なのですが、例えば製造業では、今後、若年労働者への訓練や技能顕彰を積極的に行っていかなければなりません。一方で、訓練を行えば、リソースを訓練に割くことになりますので、生産効率は必ず落ちます。しかも、この要件の計算式にあてはめると分母が増え、分子は下がる傾向になります。訓練に積極的に取り組みながら、生産性を向上させ、助成金要件を満たすというのは非常に難しいのではないかと私は感じているのですが、その辺りはどのようにお考えでしょうか。

○藤浪企業内人材育成支援室長 若年者の訓練については、助成率が高めのほうの特定訓練コースということで整理をしているところですが、そういった方々への訓練を通して、では生産性が上がっていくのかということについては御指摘のとおりかもしれません。

 それは十分に理解はできるところではありますが、一応、こういった訓練関係の助成金を含め、その他の助成金、職業安定局が所掌している助成金も含めて、取りあえず今回はこの生産性要件を適用していくということでのスタートですので、先ほどもお話しましたように、来年度以降の運用状況をきっちりと注視させていただいて、例えばこの人材開発支援助成金の生産性要件を満たす所が1か所もないなどといったことであれば、その効果は期待できないということになってしまいますので、その点はしっかりとフォローをさせていただいた上で、また今後検討はしていきたいと思っております。

○諏訪委員 是非お願いします。

○高倉委員 生産性要件で、去年の9月に発行されたリーフレット「生産性を向上させた企業は労働関係助成金が割増されます」の記載を見ると、「今後生産性の伸び率が6%に満たない場合」と、今みたいなケースだと思うのですが、「別に定める要件に合致する場合には満たすものとして取り扱う」というものの2つが記載されています。その例外的に認めるというのは、どういうものを今考えられているのですか。今のも1つかもしれませんが。

○藤浪企業内人材育成支援室長 少し説明が不足しておりまして大変恐縮でございました。先ほどの資料1-3の裏面に生産要件の基準ということで、2(1)のマル16%伸びていない場合、マル21%以上伸びていること、かつ、金融機関から一定の事業者評価を得ていることという要件があります。ですので、1%以上6%未満の場合であっても、金融機関のほうから当該企業の成長性等について一定の評価が得られれば、この生産性要件に該当するということで対応していこうというのが一方であります。

 ただ、今のところ職業安定局のほうで、この具体的な、どういった観点について評価をしていくのかということについて調査検討中ということですので、これについては確定次第、またお知らせしたいと思います。

○小杉分科会長 ほかに皆様から、議題14について何かありますか。

○永井委員 また議題4に戻らせていただいて申し訳ありませんが、IT資格取得に関する講座認定の件です。今日の日経新聞に記事が出ていたと思います。その記事では経済産業省のほうにも認定権限を広げるといったようなことが書かれていましたので、御説明いただける範囲で情報を教えていただければと思います。

○伊藤キャリア形成支援課長 ただいまのお尋ねですが、今日の日経朝刊における「IT職業訓練充実、経産省来年4月」、この記事を指してのものと認識しております。この記事の内容ですが、経産省がIT分野の職業訓練を充実させるための新しい制度を設ける、そのための検討会を立ち上げていく等々の内容でした。

 経産省を始めとする、いわゆる業所管省庁において、それぞれ業所管の立場で、例えば経産省であればこうした高度IT分野等での、高度で実践的な教育訓練の開発あるいは認定の仕組みを、働き方改革の一環で、それぞれ検討がなされる予定である。そういったものが具体化をし、仮にそれが中長期キャリア形成に資するものというふうに一定の判断をされる場合には、その状況についてこの分科会でご報告し、またご検討いただくことがあり得る旨の報告は、前回分科会でも差し上げたところです。

 ただ、今回のこの記事の中では、専門実践教育訓練ということは一言も出てきておりませんが、厚生労働省に原則限られた訓練講座の認定(指定)権限を経産省にも広げるといったくだりがありまして、あたかもこの専門実践教育訓練に関わる指定権限を厚労省ではなくて経産省にというふうにも取れる記事内容と我々も認識しているところで、この点については、これは申し上げるまでもないことですが、そういう事実、考えは全くございません。

 現行の専門実践教育訓練でも、ご案内のように、文科大臣が文科行政上の必要性から職業実践力育成プログラム、教育訓練内容や教授方法の実践性、一定の要件を満たすということを確認し、認定した上で、これが全体としては専門実践教育訓練の趣旨にも叶います、ただ、当然のことながら、個々の講座について見た場合には、今日も繰り返し申し上げていますように、就職・在職率その他、このキャリア形成という観点での物差しを満たさなければいけないということで、正に本分科会で御審議いただいた基準に基づいて厚労大臣が主体的に審査を行い、指定をする。こういった仕組みはあるわけですが、これを超えたような仕組みというものは私どもは全くそういう考え方はないわけです。

 もとより今日の報道について、私どもは取材を受けた経過は全くございませんので、内容の個々の意図については承知をするものではありませんが、基本的な考え方としては今申し上げたとおりということです。

○小杉分科会長 基本的には誤報だと考えてよろしいわけですね。ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、この件については、当分科会として諮問された、「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」「職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱」「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」「雇用保険法第60条の21項に規定する厚生労働大臣が指定する教育訓練の指定基準を定める件の一部を改正する告示案要綱」、以上4件について妥当と認める旨を私から労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいのですが、よろしいでしょうか。

                                   (異議なし)

○小杉分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局から報告文()の配布をお願いいたします。

                          (事務局より報告文()を配布)

○小杉分科会長 今、お手元に配布されました報告文()により、労働政策審議会会長宛て報告することとしてよろしいでしょうか。

(異議なし)

○小杉分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように報告させていただきます。

 次の議題に入ります。次は「労働政策審議会能力開発分科会運営規程の一部の改正について」です。内容について事務局から説明をお願いいたします。

○山田海外協力課長 資料5です。タイトルは、「監理団体審査部会の設置について()」です。技能実習制度については、平成5年以降、20年以上にわたり運営されてきたものですが、これまで国際貢献という観点からの一定の評価がなされる一方で、様々な問題点も指摘をされていました。

 これを受けて、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律が平成273月に国会に提出され、昨年1118日に成立、28日に公布されたところです。実際の施行は、この公布の日から1年以内ですので、今年1127日までに施行がされるものです。

 この法律の重要なポイントとして、国境を超えた職業紹介、あるいは傘下の企業を定期的に見回る、監査を行うという重要な役割を果たしている監理団体について、きちんとした体制があるかどうかも含めて確認をした上で、事前の許可を受けた所だけが新制度の下では活動できるという許可制度を法律の中に盛り込んでおります。

 この許可を行うのは法律上の主務大臣である法務大臣及び厚生労働大臣ですが、厚生労働大臣は、この監理団体に対して当該許可をしようとする場合には、あらかじめ労働政策審議会の意見を聞かなければならないとされているところです。この監理団体に関する許可の審査については、人材育成を通じた国際協力を推進するといった目的の下に専門的な知見に基づいて行われる必要があることから、職業能力開発分科会の下に新たに監理団体審査部会を設置して、当部会において御審議いただきたいと考えています。

 参考資料ですが、技能実習法の抜粋です。第23条の1項にあるとおり、監理事業を行おうとする者、すなわち監理団体になりたいということであれば、まず主務大臣の許可を受けなければなりません。そして、この6項ですが、厚生労働大臣は、この許可をする際には、あらかじめ労働政策審議会の意見を聞かなければならないと、こういう規定になっています。

 これを受けて次のページですが、この職業能力開発分科会の運営規程を改正させていただき、新たな部会の設置をお願いしたいというものです。アンダーラインが引いてある所ですが、第6条があります。この分科会に外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律、この231項の許可に関する事項について審議させる監理団体審査部会を置くと。この部会に属する委員については、労働者代表、使用者代表、公益代表の各3人とする。この部会がこの許可に関する事項について議決をしたときは、当該議決をもって分科会の議決とする。こういった規程を盛り込むことにより、この御審議をこの新たな部会の中でお願いしたいということです。何とぞよろしくお願いします。

○小杉分科会長 ただいまの説明について、御意見、御質問をお伺いします。いかがですか。

○村上委員 技能実習法に基づいて、その施行をしていくに当たって監理団体を審査するとのことについてです。技能実習法の施行はまだ先だと思いますが、準備状況について簡単にお伺いします。また、監理団体については、主務省令でいろいろな基準などを作っていくことになると思いますが、この主務省令はどのような準備状況なのかも確認させていただければと思います。さらに、資料の3枚目に運営規程の改正について掲載されています。恐らく労働者派遣事業や職業紹介事業について、許可・諮問の議論を行っている労働力需給制度部会と同様に非公開で開催されるのではないかと思いますが、その辺りの取扱いなどについても教えていただければと思います。最後に、この監理団体審査部会で行う審議事項は、許可の諮問された部分について、専門的な知見からこれでよいのかどうかを議論するだけなのか、あるいは、施行から何年か経過した後に主務省令自体を見直したほうがよいのではないかということについても、その部会で行うのかどうかについても確認をしたいと思います。以上です。

○小杉分科会長 事務局、お願いします。

○山田海外協力課長 新しい技能実習法の準備状況ですが、施行については、法律上は公布の日から1年以内ということですが、事務局としては111日を想定しています。最終的には、閣議決定を経て政令で規定していくことになりますが、現時点ではそのような方向で検討を進めさせていただいています。

 具体的な要件等を定める主務省令については、昨年1216日付けでパブリックコメントに付したところです。1か月間様々な御意見を頂くということで、114日に締切りをして、現在、そのパブリックコメントを踏まえて最終的な取りまとめをしているところです。早ければ4月上旬にもその辺りの取りまとめをして、省令について公布をするということで、具体的な要件について確定したものをお示ししていきたいと考えています。

 新たに設置する部会の運営についてですが、基本的には需給制度部会において、職業紹介の許可に係る審議が行われており、この考え方を技能実習法の中に引っ越しをしてきているという経緯もあります。ですから、具体的な運用法については、また改めて整理をした上でお示しをしたいと思っておりますが、基本的な運営の仕方については、需給制度部会の運営の仕方をひとつ参考にしながら進めさせていただくことになろうかと思います。

 この新たな部会での御審議いただく事項ですが、基本的には案にあるとおり、新たに許可制になる監理団体の許可に当たって、それが適切かどうかについて御審議いただくということです。もっとも、様々な状況の中で、そもそも監理団体の要件自体を見直すべきではないかということも、当然有り得ることであろうと思います。

 もともと技能実習については、従来の制度ですと、法務省が出入国管理法に基づいて制度を運営していたということでしたので、従来、技能実習制度の見直しをする場合には、法務省の出入国管理懇談会で御議論いただいておりました。ただ、今回の見直しにおいては、法務省と厚生労働省の共同の所管という形に明確に位置付けられ、もともとこの法律を議論する際には、出入国管理懇談会だけではなく、法務省・厚生労働省の合同有識者懇談会において御議論いただき、そこで得られた報告書を基に法案を作成し、提出させていただいているということです。ですから、もし今後の様々な状況の中で更なる見直しが仮に必要になれば、そういった件も含めていろいろな御議論を頂くことになろうかと思います。以上です。

○村上委員 ありがとうございます。

○小杉分科会長 ほかにありませんか。では、よろしいですか。それでは、当分科会としては、今回の職業能力開発分科会運営規程の改正については、了承するということでよろしいですか。

(異議なし)

○小杉分科会長 ありがとうございます。それでは、この議題はここまでとして、議題6に入ります。議題6は、2016年度の年度目標の中間評価についてです。内容について、事務局から説明をお願いします。

○木塚総務課長 議題6について、資料6に基づいて御説明させていただきます。年度実績評価と年度目標の設定については、労働政策の推進に当たって、PDCAサイクルの機能の充実強化を図るために実施しているものです。今般は、2016年度の目標の中間評価について御説明をさせていただきます。

 具体的には、資料63ページをお願いします。3ページに全体をまとめた表がありますので、この表に基づいて御説明させていただきます。項目としては、一番左手にあるとおり、ニートなどの就職率、ジュブ・カードの作成者数、公共職業訓練の就職率、求職者支援制度の就職率、技能検定受験合格者数の5つの項目があるわけです。

 目標については、それからちょうど3列目にある「2016年度目標」という列が目標で、中間段階での実績が一番右手の列になるわけです。1項目目ですが、目標60%に対して、10月末時点で57.2%です。一応、直近の数字を集計してあり、12月末時点の実績としては58.4%となっています。目標は若干下回っていますが、ハローワークなどと連携をしっかりやって、就職に向けた取組を強化しているところでして、実績は年度当初から順を追って着実に向上しています。4月は47.9%、7月は53.5%、12月は58.4%ということで、最終的には目標水準に達することができるのではないかと考えています。いずれにしても、今後、一層取組を強化するということでして、キャリアコンサルタント等による専門的な相談や職場体験等の積極的な実施、あるいは、ハローワークや高校等との連携強化を図って、新規登録者の拡大にも努めてまいりたいと考えています。

2つ目のジョブ・カード作成者数ですが、目標については23.2万人、10月末時点の実績は13.9万人です。これも直近の12月末時点の実績では、前年同期比で44%増の18.4万人となっていて、目標をどうにか達成する見込みが立ったところです。これまで同様、公的職業訓練とか、雇用型訓練の積極的な展開と併せた着実な作成の促進と、ハローワークにおける職業相談時のツールとしても活用する、あるいは、ジョブ・カード制度の総合サイトでの機能の拡充であるとか、スマートフォンのジョブ・カード作成支援アプリの普及など一層の取組の促進を図って、目標を達成したいと考えているところです。

3点目です。公共職業訓練については、施設内訓練は目標80%に対して84.9%、委託訓練は目標70%に対して73.5%ということでして、求人・求職者のニーズに合致した訓練の設定などにより、目標は達成できるのではないかと考えています。今後も引き続き、訓練の質確保とか訓練効果の維持向上を図っていきたいと考えております。

4点目の求職者支援訓練は、基礎コースについては目標が55%に対して59.2%、実践コースについては60%に対して61.5%でして、目標は達成できるのではないかと考えております。今後とも、効果的な訓練コースの設定により就職に向けた取組を一層強化していきたいと考えています。技能検定受検合格者数については25万人の目標ですが、これは年度評価のときに集計する予定でして、目標達成に向けて職種・作業の適切な新設とか、あるいは若い方々の受験を促すということで、3級職種の新設など技能検定制度の普及・拡充に取り組んでいきたいと考えています。また、御案内のとおり、来年度からは若者の実技試験受験料の減免措置を講ずる予定としています。説明は以上です。

○小杉分科会長 ありがとうございました。それでは、この点について、皆様から御意見、御質問をお受けします。よろしいですか。ないようでしたら、この議論もここまでとさせていただきます。そのほか、委員の皆様から何か特段にありますか。ないようでしたら、若干早いようですが、本日の議論は以上とさせていただきます。次回の日程については、改めて事務局から連絡させていただきます。また、本日の議事録の署名委員ですが、労働者側は永井委員、使用者側は諏訪委員にお願いします。それでは、本日はこれで終了します。皆様、御協力ありがとうございました。 


(了)

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