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2022年3月2日 第3回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ

医政局

○日時

令和4年3月2日(水) 14:00~16:00

 

○場所

一般財団法人主婦会館 プラザエフ 7階 カトレア
東京都千代田区六番町15

○議事

 ○井上課長補佐 皆様、おそろいのようですので、少し定刻よりも前でございますけれども、始めさせていただければと思います。ただいまから第3回「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」を開会させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催とし、傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。
初めに、発言の仕方などを説明させていただきます。
本ワーキンググループの構成員におかれましては、発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックして、座長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除し、発言をするようお願いいたします。なお、「手を挙げる」ボタンがない場合には、画面に向かって挙手をお願いいたします。発言終了後は「手を挙げる」ボタンをオフにするとともに、再度マイクをミュートにするようにお願いいたします。
また、座長から、議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがあった際、賛成の場合には「反応」ボタンをクリックした上で「賛成」ボタンをクリックするか、または、カメラに向かってうなずいていただくことで、異議なしの旨を確認させていただきます。
本日は、野原構成員は御欠席との御連絡をいただいております。
また、オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の犬丸室長、文部科学省高等教育局医学教育課の小松﨑課長補佐に御出席いただいております。
次に、資料の確認をさせていただきます。
事前に、議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿のほか、資料1、資料2、参考資料1、参考資料2、参考資料3を配付させていただいておりますので、お手元に準備いただきますようお願いいたします。
なお、冒頭のカメラ撮りについては、ここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行は尾形座長にお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。3回目のワーキンググループということですが、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速、議事に入らせていただきます。
議題1「第8次医療計画、地域医療構想等について」ということですが、まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○井上課長補佐 事務局でございます。
では、先ほど資料の確認をさせていただきましたけれども、資料1に基づいて説明をさせていただきます。「第8次医療計画、地域医療構想等について」という資料でございます。
おめくりいただきまして、まず、この議題につきまして、これから第8次医療計画の策定に向けた本格的な御議論をお願いすることになりますけれども、後ほど御説明をいたします医療提供体制に関する課題につきまして皆様方の御意見を賜れればと、まずは総論的な内容について御意見を賜れればと考えております。ちなみに、この資料につきまして、この議題につきましては、3月4日、明後日の第8次医療計画検討会においても同様の資料で御議論いただくこととしておりますけれども、当ワーキングにおきましても地域医療構想、医師確保計画が中心になろうかと思いますが、御議論いただきたいという趣旨でございます。
では、早速資料の中身について御説明してまいります。4ページを御覧いただけますでしょうか。「第8次医療計画、地域医療構想等の検討・取組に当たって」ということでございます。まず1つ目の○でございますけれども、医療のアクセスや質を確保しつつ、持続可能な医療提供体制を確保していくため、これまで、医療機能の分化・強化、連携や、地域包括ケアシステムの推進、かかりつけ医機能の充実等の取組を進めてまいりました。以降については2つ視点を書かせていただいております。
まず1つ目の視点でございます。「新型コロナウイルス感染症への対応」でございます。今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、我が国の医療提供体制に多大な影響が生じ、地域医療の様々な課題が浮き彫りとなり、地域における入院・外来・在宅にわたる医療機能の分化・強化、連携等の重要性、地域医療全体を視野に入れて適切な役割分担の下で必要な医療を面として提供することの重要性などが改めて認識されたとしております。当面、まずは足元の新型コロナウイルス感染症対応に引き続き全力を注ぐとともに、今般の新型コロナウイルス感染症対応により浮き彫りになった課題にも対応できるよう、質の高い効率的・効果的な医療提供体制の構築に向けた取組を引き続き着実に進めることが必要であるとさせていただいております。
4つ目の○については、もう一つの視点でございます。人口減少・高齢化、人口構造の変化への対応でございます。一方で、この間も人口減少・高齢化は着実に進みつつあり、医療ニーズの質・量が徐々に変化するとともに、今後は、特に生産年齢人口の減少に対応するマンパワーの確保や医師の働き方改革に伴う対応が必要になることを踏まえ、地域医療構想を引き続き着実に推進し、人口構造の変化への対応を図ることが必要であるということでございます。
5ページ、6ページは、今、申し上げた2つの視点に基づきまして、「これまでの対応状況」と「今後の検討・取組の進め方」を整理させていただいております。
5ページ、「新型コロナウイルス感染症への対応」でございます。「これまでの対応状況」でございます。新型コロナウイルス感染症への対応として、医療提供体制については、政府で取りまとめております取組の「全体像」や各都道府県の「保健・医療提供体制確保計画」等に基づきまして、以下の対応に取り組んでいるとさせていただいています。病床の確保、臨時の医療施設の整備、医療機関の役割分担・連携の促進、自宅・宿泊療養者への対応、医療人材の確保、ITを活用した稼働状況の見える化等でございます。
「今後の検討・取組の進め方」でございますけれども、御案内のとおり、今後の新興感染症等の感染拡大時にも機動的に対策を講じられるよう、医療法の改正により、第8次医療計画より、医療計画の記載事項に「新興感染症等の感染拡大時における医療」を追加させていただくこととしております。また、先般もヒアリング等でオブザーバーとして参加いただきましたけれども、「厚生科学審議会感染症部会」における感染症法に基づく基本指針・予防計画等の議論と整合性を図りながら、第8次医療計画の記載事項について検討していくとしております。具体的には、感染拡大時に迅速かつ柔軟に病床や人材の確保ができるよう、平時からの取組、感染拡大時の取組などに関し、先ほど申し上げた「全体像」や「保健・医療提供体制確保計画」等に基づきまして、これまでの取組を踏まえ、必要な対策を検討していくとしております。
※のところでございます。これは今、行われております国会等でも述べているものでございますけれども、政府としては、これまでの対応を客観的に評価し、次の感染症危機に備えて、本年6月をめどに、危機に迅速・的確に対応するための司令塔機能の強化、感染症法の在り方、保健医療体制の確保など、中長期的観点から必要な対応を取りまとめることとしておりまして、こうした動きも見据えながらということになろうかと考えております。4つ目の○でございますけれども、5疾病・5事業や在宅医療などの他の医療計画の記載事項についても、第7次医療計画の中間見直し以降の状況の変化として、今般の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえて検討とさせていただいております。
6ページでございます。2つ目の視点の「人口構造の変化への対応」でございます。こちらは地域医療構想等と関連の深い内容でもございますけれども、「これまでの対応状況」でございます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、地域医療構想に関する取組の進め方については、都道府県に可能な限りの対応をお願いする一方で、厚生労働省において改めて整理の上、お示しをするとしておりました。また、外来機能につきましては、明確化・連携を進め、患者の流れの円滑化を図るため、外来機能報告・紹介受診重点医療機関を導入するということになっております。
「今後の検討・取組の進め方」でございますけれども、地域医療構想については、高齢化・人口減少が加速化することに加えまして、2024年度からいわゆる医師の働き方改革、医師の時間外労働の上限規制が適用されて、2035年度末に暫定特例水準を解消するとされておりますけれども、そうしたことを踏まえれば、着実に推進する必要があると考えております。また、昨年12月10日の地域医療確保に関する国と地方の協議の場におきまして、地方団体と協議を行いまして、各都道府県で第8次医療計画の策定作業と併せて、2022年度及び2023年度において、地域医療構想に係る民間医療機関も含めた各医療機関の対応方針の策定、検証・見直しを行うとともに、検討状況について定期的に公表を行うことについて確認をしております。また、当省、厚生労働省におきましては、各地域における検討状況を適時・適切に把握しつつ、自主的に検討・取組を進めていただいている医療機関や地域について、その検討・取組を「重点支援区域」や「病床機能再編支援制度」等により支援していくこととしております。今後、全ての都道府県に対して重点支援区域の申請の意向を聞くこととしております。また、外来機能につきましては、明確化・連携に向けて、今後、かかりつけ医機能の明確化、患者・医療者双方にとってかかりつけ医機能が有効に発揮されるための具体的方策について検討を進めるとさせていただいております。
今、申し上げたようなことを、7ページ、少しスケジュールとして整理をさせていただいております。上から青い矢印でございます。「医療計画」につきましては、来年度にかけて基本方針・作成指針の改正をしていきたいと考えておりまして、本ワーキングや医療計画検討会の議論を進めていきたいと考えております。
「新型コロナ対応」でございますけれども、先ほど申し上げたように、来年6月に政府において対応の取りまとめというものが予定をされておりまして、今後その結果を踏まえた対応ということが想定されると考えております。
「地域医療構想」については、現時点においては2025年までの仕組みということになっておりまして、2022年度、2023年度にかけて、対応方針の策定等を進めていく。先ほど申し上げたとおりでございます。
「外来医療・かかりつけ医機能」につきましては、まず上の段でございますけれども、外来機能報告の実施準備、報告の実施・集計、地域の協議の場での協議・紹介受診重点医療機関の公表等を来年度進めていくこととしております。あわせまして、その下の段でございますけれども、かかりつけ医機能の明確化等につきまして、2022年度、2023年度にかけて検討を進めていくということとしております。
また、その下、緑色の矢印でございます「医師の働き方改革」でございますけれども、2024年度より施行となっておりますが、後ほども出てきますけれども、医療機関の準備状況、地域医療の影響について実態調査を複数回実施し、また、その結果を踏まえて都道府県における協議・調整を経て、2024年度より施行というスケジュールで考えてございます。
次の8ページでございます。本日はこの「医療提供体制をめぐる課題」につきまして、御議論、御意見を賜れればと考えております。今後の検討・取組に当たりましては、申し上げた「新型コロナ対応に関する課題」に対応するとともに、超高齢化・人口急減といった「2040年を見据えた人口構造の変化への対応」が求められるのではないかとさせていただきまして、以下、課題の例を記載させていただいております。こうした視点、また、それ以外にもありましたら、そうしたことも含めまして、今後の医療提供体制の在り方や課題について御意見を賜れればと考えております。
1つ目「新型コロナ対応に関する課題」につきましては、人材面をはじめとした高度急性期対応、地域医療を面として支える医療機関等の役割分担・連携(情報共有)、チーム・グループによる対応など外来・在宅医療の強化、デジタル化・見える化への対応とさせていただいております。
「2040年を見据えた人口構造の変化への対応」につきましては、生産年齢人口の減少に対応するマンパワーの確保、人口減少地域における医療機能の維持・確保、医師の働き方改革に伴う対応、超高齢化・人口急減による入院・外来医療ニーズの変化、医療介護複合ニーズ・看取りニーズの増加(特に都市部)ということで、そのような課題を例として挙げさせていただいております。
10ページ以降に、少し人口構造の変化に関わる部分については追加的に資料をつけさせていただいております。とりわけ2040年といったところを念頭に置いた資料データでございます。御説明させていただきます。
まず、10ページでございます。10ページ以降、幾つかのテーマに基づいて資料をおつけしております。人口動態のマル1ということで、これは御案内のとおりでございますけれども、下にグラフがございます。青いグラフが15歳以上65歳未満、いわゆる生産年齢人口でございますけれども、縦の点線が入ってございます。今、2022年でございますけれども、そうしたところからすると、生産年齢人口については既に減少局面に入っているといったところでございます。その下、ピンク色、65歳以上でございますけれども、65歳以上人口につきましては、2040年頃まで増加が続くことが見込まれているといったところでございます。
11ページ、人口動態のマル2でございます。今、申し上げたようなことを少し整理した内容でございます。2000年から2040年にかけての人口構造の変化でございます。2000年から2025年につきましては、上の黄色で丸囲みをしておりますけれども、高齢者、とりわけ後期高齢者の急増が見込まれるような局面でございましたが、2025年から2040年にかけては、その下でございますけれども、生産年齢人口の急減が見込まれるような局面になってくるというところでございます。
12ページを御覧いただきまして、人口動態のマル3でございます。2025年から2040年にかけての65歳以上人口の動態、75歳以上人口の動態を都道府県ごとに並べたものでございます。上の段が65歳以上、下の段が75歳以上でございますけれども、いずれも人口が増える県もあれば減る県もあるといった状況となってございまして、とりわけ65歳以上人口の動態については、右側、青いグラフがそうした人口が増える都道府県でございますけれども、東京都、神奈川、愛知県等、都市部が目立つような形になってございます。75歳以上になりますと少し状況が異なりますけれども、少し都市部のほうがやはり多いかといった状況となってございます。
13ページを御覧いただきまして、人口動態のマル4の資料でございます。今、申し上げたようなことを、さらに2次医療圏ごと、2次医療圏単位で示したものでございます。左が2015年から2025年の人口の変化率を示したもの、右が2025年から2040年の人口の変化率を示したものでございます。左のグラフを御覧いただきまして、縦と横に黒い線が入ってございます。1.0と1.0、重なる交点がそのグラフの足元、言わば2015年でございます。縦軸が65歳以上の変化率、横軸が15歳以上65歳未満の変化率、いわゆる生産年齢人口の変化率でございます。御覧いただきますと、おおむねのトレンドとして、65歳以上の変化率は1.0から1.2ぐらいの2割増しぐらいの変化率、生産年齢人口、横軸については1.0から0.8、2割減ぐらいの変化率で収まっているといった状況でございますけれども、右のグラフを御覧いただきまして、2025年から2040年については、65歳以上の変化率については増えるところと減るところがあるといったところでございます。増えるところが135の医療圏、減少するところは194の医療圏となってございます。横軸の生産年齢人口の変化率については、先ほどは2割減ぐらいの変化率でございましたけれども、4割ぐらい変化するといったところも出てくるといった内容でございます。
14ページでございます。14ページ以降はマンパワーの関係のデータでございます。マンパワーのマル1ということで、左側に3つほど青いグラフがあります。需要面から推計した就業者の推移でございまして、そのうち、その下のほうにある濃い青いグラフ、これがそのうちの医療福祉分野の就業者を表すものでございます。2018年、2025年、2040年と推定を書かせていただいておりますけれども、2040年には医療福祉就業者は1070万人程度、割合でいいますと2割程度必要となるといった推計となってございます。そうしたボリュームにつきまして、例えばその改革によって生産性を向上させ、また、医療介護需要が一定程度低下した場合には、926万人から963万人ぐらいになるだろうといった推計となってございます。
15ページ、マンパワーのマル2という資料でございます。次は働き方改革に関する資料でございます。2024年度から医師の時間外・休日労働時間の上限規制が開始されるということでございます。時間外労働が1,860時間というところが一つの水準になるところでございますけれども、1,860時間を超えると推定される医師がいる病院の割合を示したものでございます。左側に平成28年の調査、右側が令和元年の調査でございますけれども、その病院の割合、令和元年調査では減ってはいるものの、大学病院、救命救急機能を有する病院、許可病床400床以上の病院については、4割から5割程度存在するという状況になっていまして、施行に向けて労働時間の短縮の取組を進めていく必要があるといった内容でございます。
16ページ、同じく医師の働き方改革の関係の資料でございます。2024年の4月の施行に向けまして、医療機関において時短計画の作成や評価センターの評価の受審、そうした取組を進めていただくわけでございますけれども、あわせまして、上のピンク色の矢印でございます。医療機関の準備状況と地域医療への影響について施行直前まで実態調査を複数回実施すると。その下のオレンジの矢印でございますけれども、実態調査を踏まえて、都道府県が圏域単位で地域医療への影響を検証し、地域の医療関係者間で地域医療の確保について協議・調整を行う。そうしたプロセスを踏んで円滑な施行につなげていきたいと考えてございます。
17ページ、マンパワーのマル4の資料でございます。少し切り口の異なる資料でございますけれども、医師の高齢化に関する資料でございます。医師の年齢構成を病院と診療所に分けてお示しをしたものでございます。緑色の折れ線グラフが平均年齢を示すものでございます。病院につきましては、1998年に平均41.0歳となってございますけれども、2018年では44.8歳まで上昇しておるというところでございます。オレンジ色、薄いピンク色、濃い赤、これが60歳以上のお医者さんの割合を示すものでございますけれども、人数を示すもの、左側には割合を付記してございますが、1998年では60歳以上が9%だったのが、2018年では15%となってございます。右、診療所でございます。診療所においてはよりその傾向が顕著でございまして、平均年齢が58.3歳から60.0歳に上昇、60歳以上の割合については47%から50%となってございます。
18ページ以降は、また違う医療需要の変化に関する資料をおつけしております。
18ページ、医療需要の変化のマル1の資料でございます。こちらは入院患者に関する医療需要を示す資料でございます。左下のグラフを御覧いただきまして、入院患者数の推計でございますけれども、2040年ぐらいに全国では入院患者数がピークを迎える形となってございます。右の日本地図を御覧いただきまして、2次医療圏ごとで入院患者のピークを色分けした図でございますけれども、入院患者、入院医療につきましては、おおむね水色が目立つような形となってございまして、これが2035年に最大となる2次医療圏でございます。2035年までには260の医療圏がピークを迎えると見込まれてございます。
19ページは、医療需要の変化のマル2ということで、次は外来の患者に関する医療需要のピークを示す資料でございます。左下のところでございますけれども、全国の外来患者数については2025年にピークを迎えるということとなってございます。同じく右側の日本地図でございますけれども、おおむね赤色が目立つような形になってございます。2015年以前に最大を迎えているといったところが多い状況となってございます。
20ページは、さらに在宅の医療需要の変化を示す資料でございます。同じく左下で、全国の在宅患者数は2040年以降にピークを迎えることが見込まれておって、日本地図を御覧いただきまして、2次医療圏ごとで見ると大体水色か青色が目立つ。2035年、2040年ということで、そういったところでピークを迎えることが見込まれるといったところでございます。
21ページ、医療需要の変化のマル4ということで、急性期の医療ニーズの変化に関する資料でございます。下に4つの箱がついてございます。それぞれ疾患ごとで箱がありますけれども、消化器悪性腫瘍、いわゆるがん、それから、虚血性心疾患、脳梗塞、大腿骨骨折ということでございます。その中に2つ左と右にグラフがあります。左が2025年から2040年にかけて65歳以上人口が増加する医療圏、右が減少する医療圏でございます。さらに、その中に青いグラフと赤いグラフがございますけれども、青いグラフが入院患者数、赤いグラフが手術件数等、急性期の治療の件数を表す内容でございます。左のグラフを御覧いただきますと、おおむね上段の疾患、がん、心疾患、脳梗塞、こちらについては入院患者数の増加ほど急性期の治療の件数は増加していない。65歳以上人口が増加する医療圏ではそうした傾向が見られる。一方で、大腿骨骨折の左のグラフを御覧いただきますと、入院患者数と手術件数は同じようなトレンドで、増加が見込まれるといった内容でございます。右側のグラフを御覧いただきまして、右が減少する医療圏でございますけれども、がんや心疾患については、そもそも入院患者数が減少するといった状況でございます。脳梗塞については、入院患者数は増加しますけれども、治療の件数はそれほど増加しないということでございます。大腿骨骨折については、同様に入院患者数、手術件数が増加するといった内容でございます。
22ページは、医療需要の変化のマル5、医療と介護の複合ニーズの上昇に関する資料でございます。左のグラフを御覧いただきまして、年齢階級別の要介護認定率を示すデータでございます。年齢によって介護を必要とする人の割合が増えていくといった内容でございまして、紫色のラインを御覧いただきまして、85歳以上の全体の認定率、約57.8%となってございます。右側のグラフを御覧いただきまして、そうした85歳以上の人口につきましては、引き続き2040年に向けて増加が見込まれるということで、医療と介護の複合ニーズを持つ方が一層多くなることが見込まれるといった内容でございます。
23ページ、医療需要の変化のマル6でございます。退院患者の退院先の推移を示す資料でございます。同じく左と右で2025年から2040年にかけて、左が65歳以上の人口が増加する医療圏、右側が減少する医療圏に関するデータでございます。その中で、退院先の内訳でございます。青が家庭、自宅、緑が他の医療施設、オレンジが介護施設、赤がその他となってございます。65歳以上人口が増加する医療圏では、御家庭といったところは増加することが見込まれておりますけれども、そのほかにも緑やオレンジ、他の医療施設、介護施設に退院されるといった方も増加するということで見込まれております。右側の65歳以上の人口が減少する医療圏におきましても、他の医療施設、介護施設に退院する患者、僅かではございますが、増加すると見込まれているところでございます。
24ページ、医療需要の変化のマル7でございます。死亡者数に関するデータでございます。2040年まで死亡者数は増加傾向にあるということで、ピーク時には年間170万人の方が死亡すると見込まれるといったデータでございます。右側に2つグラフをつけてございますけれども、上段で死因の推移でございます。赤いグラフ、ピンク色のグラフ、悪性新生物、がんと心疾患、増加傾向でございますが、とりわけ顕著な動きとして、オレンジですね。老衰が近年は増加傾向にあるといった内容でございます。下段、死亡の場所の推移でございますけれども、赤いグラフが病院・診療所で増加傾向でありましたが、若干横ばいか直近では少し減っているという内容になってございます。青の自宅は若干増加傾向、さらには介護施設、緑のグラフも近年は増加傾向となってございます。
以上が2040年を念頭に置いた補足的に追加をさせていただいたデータでございます。
25ページ以降は参考資料でございます。申し上げた各種の施策、取組につきまして、例えば新型コロナウイルス感染症への対応、地域医療構想、外来医療・かかりつけ医機能、医師の働き方改革、医師の確保対策、そうした各種取組、施策に関する資料や、当ワーキングや医療計画検討会で事例の発表等をいただいた皆様方の資料を抜粋しておつけをしております。とりわけ当ワーキングと関係の深い地域医療構想については、59ページ以降に資料をおつけしております。
簡単に御紹介しますと、例えば65ページ、先ほども少し述べさせていただきましたけれども、昨年の12月10日の国と地方の協議の場の資料、2022年度、2023年度で各医療機関の対応方針の策定等をお願いするという内容でございます。
67ページは、今、総務省さんで御検討をいただいている新しいガイドラインの中間取りまとめの内容となってございます。
それから、各種の施策、支援の事業の資料が続きますけれども、当ワーキングで先般、事例の発表をいただきました新潟県や広島県の資料を74ページ以降につけてございます。
例えば74ページでは、医師の働き方改革への対応も視野に入れ、持続的な入院医療体制の確保に向けて、地域医療構想について具体的な体制像の検討をする必要があるといった御指摘もいただいております。
75ページも同様に新潟県の提出資料でございますけれども、医療の質を確保・向上していくためには「地域で高度な医療を支える柱となる病院」と「地域包括ケアシステムを支える医療機関」との役割分担による体制づくりが重要との御指摘をいただいております。
76ページ、同じく新潟県の資料でございますけれども、「急性期から回復期への機能転換における課題」ということで、地域包括ケア病棟のような在宅復帰に向けた医療の確立や、看護職のスキルの適応、急性期偏重の意識改革、そうした課題があるとの御指摘をいただいております。
77ページ、広島県の提出資料でございますけれども、地域医療構想の達成に向けた取組を推進するために、大学病院と連携した取組ということで、高度医療の提供と地域医療を確保するための人材供給の拠点、そうした整備に関する資料。
78ページ、同じく広島県の提出資料でございますけれども、「地域医療連携推進法人の活用」といった内容となってございます。
資料1につきましては以上でございますけれども、そのほか、参考資料1では医療計画検討会、当ワーキングでも御参加いただいた構成員の方はいらっしゃるかと思うのですけれども、新型コロナに関する事例発表をいただきました。幾つかの資料は資料1で抜粋もさせていただいていますけれども、「調整・連携の体制」「医療の提供等」「人材育成」、大くくりにいうとそういった観点で様々な御提案や御指摘をいただいておるものでございます。
参考資料2は、2040年までの人口動態・患者動態をまとめたデータでございます。
2ページ以降は「人口について」ということで、都道府県ごとの人口が最大となる年、5ページ以降に都道府県別の人口の推計、10ページ以降に疾患ごとの入院患者数の推計等をおつけしております。
16ページが就業者数推計ということで、医療福祉就業者数の将来推計を都道府県ごとにお示しをしたものをおつけしております。
○佐藤課長補佐 続きまして、参考資料3でございますけれども、こちらは「OECD加盟国との比較」ということで「医療提供体制の国際比較」を御用意させていただいてございます。具体的には病院数・病床数、また平均在院日数や医療従事者数、こういったものを載せさせていただいてございます。主だったものだけ簡単に御紹介させていただきたいと思います。
まず、5ページでございます。こちらは1病院当たりの病床数を比較したものでございます。日本につきましては「Japan」ということで、真ん中あたり、色を変えて載せていますけれども、1病院当たり200床弱ということでございます。また、日本より左側に4つ行ったところで「Germany」、ドイツが200床を超えるような形でございます。日本より右側に9つ行ったところに「United States」ということで、アメリカは150床程度、また、さらにそれよりも右に3つ行っていただくとフランスが150床弱、さらに右にずっと行っていただきますと、100床を切るようなところでイギリスがあるということでございます。これはあくまで平均ではございますけれども、こんな状況があるということでございます。
また、7ページでございます。5ページにあったようなものを公的とそれ以外のもので分けた数字でございます。日本につきましては黄色で枠囲みしてございますけれども、公的のほうが300床弱、それ以外のところは150床程度となってございます。ドイツは、日本より多いということで左側にございますけれども、公のほうが350床程度となってございます。フランス、アメリカにつきましては、日本より右側のほうで、日本より11個程度右側でございます。「Costa Rica」の右側に「France」、その横に「United States」ということでございますけれども、規模としては小さめということでございます。イギリスにつきましては、公的のみですけれども、右端から3つ目ということで100床を切るような形で載っています。
また、10ページでございます。こちらはCurative Careを行う人口当たりの病床数ということでございます。いわゆる急性期のベッドということでございますけれども、OECDデータにおきまして、日本の数字は医療施設調査の一般病床、結核病床、感染症病床を足し上げたものになってございますけれども、各国とも必ずしも一律の制度ではございませんので、資料の一番下に「定義」という形で載ってございます。この「定義」のポツの最後のところを見ていただきますと、リハビリ病床や長期療養病床といったものを各国は含んでございません。ただ、日本の場合、一般病床の中でそういったことをやっているものも当然ございますので、今回、病床機能報告を用いまして、高度急性期・急性期を報告している病棟についての病床数を足し上げたもの、これを「Japan(*)」として「Japan」とは別に併記させていただいてございます。そうしてみますと、一番高いのは日本の真っ赤なものはありますけれども、その横の「Korea」が一番高くなってきまして、次に「Germany」、続きまして日本という形で続いていく状況でございます。
また、13ページに集中治療の関係、成人のICU病床数、これも人口当たりでございますけれども、載せさせていただいてございます。日本の数字は「定義」の下から3ポツのところに書かせていただいてございますけれども、特定集中治療室管理料、救命救急入院料、ハイケアユニット入院医療管理料を足し上げたものになってございます。こうしてみますと、日本は赤く色を変えてございますけれども、OECDの平均値よりやや少なめ程度になっているということでございます。日本より多いものといたしまして、ドイツ、アメリカ、フランスといったものが挙げられます。また、イギリスにつきましては日本より少なめという状況で載ってございます。
17ページでございます。こちらにつきましては、医療・介護ニーズを受け入れるような供給体制という観点から、全病床数、介護のベッド、こういったものを足し上げたものを65歳以上人口当たりで示したものになってございます。日本につきましては赤枠で囲んでございますけれども、真ん中程度になっているというところでございます。高いところから見ますと「Luxemburg」「Korea」といったところが並びまして、ドイツ、フランスが日本よりは多く、アメリカといったものは日本より少なめということで並んでいる状況でございます。主だったものだけ簡単に御紹介させていただきました。
説明は以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。
まず、資料の説明をありがとうございます。今まで私がいろいろと申し上げてきたことを数量化してもらったものがたくさんあったので、非常に参考になりました。
その上で、4つほど質問と意見を言わせてもらいます。まず7ページ目なのですけれども、今後のスケジュールで地域医療構想が2025年まで線が引かれているのですが、そこから先、線が引かれていないので、その後はどのように考えておられるのかというのが一つであります。
次に、11ページ目の資料ですけれども、2040年までの変化を表してもらった非常にいい資料だと思います。今までも何度か申し上げましたけれども、2035年を目標にした数字と2045年だと大きく状況が違うということで、例えば2035年までならば全体に増えるところのほうが多くて、2040年までになると増える地域と減る地域で拮抗して同じぐらいの状態になって、2045年になると減る地域が増えるということでして、今後、次の計画の目標として2040年を目標として考えていくお考えでこういった資料をつくっておられるのか、あくまで一例ということなのかが2つ目です。
3つ目、12ページの資料で、これは非常にいい資料だと思います。今まで65歳で一くくりにしてきたものをちゃんと75歳以上で切って、有病率の高い年齢層に対して切ってもらったということは、非常に役に立つ資料だと思います。その上で、さらに85歳以上もちゃんと見ていくべきだと思います。患者層が75歳以上と85歳以上では全く変わってくるので、75歳以上に踏み込んでやってもらったのであれば、ぜひ85歳以上についても同様のことをやって、今後の需要推計としていくべきではないかと思います。
4つ目、最後ですけれども、資料の18、19、20に日本地図を出してもらって、この地域ごとに外来・入院・在宅に分けて考えていただいていると思います。まず在宅をちゃんと分けてもらったことは非常にいいことだと考えております。その上で、この日本地図で見るときのミスリードしやすい点として、面積で見ると地方のほうが非常に大きく出てしまって、今、外来でも2040年の外来はほとんどないように見えますけれども、東京や大阪など大都市ではまだまだピークを迎えていないのです。ですから、日本全体の面積割で見たら大半が終わってピークを過ぎているように見えても、日本の人口割で見たらまだ超えていないところがたくさんありますし、人口で見て半分を超えていないというところもたくさんありますので、日本全体がもうピークを終えているかのように取ってしまうと、それは大きな誤解だと思うので、あくまで面積ベースのことであって、人口ベースで見たらピークはもうちょっと後ろに見えるように描くことになるのではないかと思います。
4点の指摘で、回答できることがあればぜひお願いしたいと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
4点、御質問と御意見とでありますけれども、事務局、お願いします。
○井上課長補佐 4つ御意見、御質問をいただきました。冒頭の2つが御質問だと理解をいたしました。まず地域医療構想、2025年ということで、それ以降のお話でございます。地域医療構想については、まずは2025年までの取組ということで、この資料ではこのようにさせていただきましたけれども、今後の在り方については、2025年までの取組をしっかり推し進めることを前提に、しかるべきタイミングでまたそれ以降の在り方について御議論をいただくことになろうと考えてございます。
それから、2040年という区切りが何か決まっているのかどうかといった御指摘、御質問だったかと理解をしております。例えば10ページ、11ページを御覧いただきまして、日本全体の人口としてそうした2040年といったところが一つの区切りとなってくるという意味で、2040年を一つのポイントとして今回の資料はおつけしております。政府として何か2040年が一つの区切りということを意思決定しているわけではございませんけれども、まず検討にデータを提供させていただくに当たって、こうしたところに着目をして今回データを提示させていただいた次第でございます。
○尾形座長 今村構成員、いかがでしょうか。
○今村構成員 地域医療構想、2025年で終わりということを言っていることではなくて、今後の議論によって続く可能性が高いと理解いたしました。
もう一つ、2040年の件ですけれども、2035年で見たら高齢者が増える地域が大半を占める状況で、2045年まで来るとその地域そのものが減ってくる状況ですので、増えて減るというところの一番ピークを今回ターゲットにするように見えるので、増えて減るということをぜひ強調するような資料になるように、これは35年と40年、45年もこの資料の11に載せて、特に資料の11の2040年は増えていく地域と減る地域の結果として横ばいになるということにちゃんと留意して資料を提示していただくようにしていただきたいと思います。これは要望ということでお願いします。
○尾形座長 ごもっともなご要望かと思いますので、受け止めさせていただきます。
伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 伊藤でございます。
詳細な説明をありがとうございました。私から4点ほどお尋ねと要望をお願いしたいのですけれども、まず4ページでございます。第8次医療計画の検討・取組についてというところの○の3番目の中に、今回のコロナウイルス感染症により課題がある、それから、効率的・効果的な医療提供体制の構築に向けた取組を引き続き着実に進めるということなのですが、今回のコロナの状況を振り返ってみますと、特に平成に入ってから急速に病床、病院数を削減するという政策の方向性が明確に示されたことによって、急性期に対応できる一般病床の削減が着実に進んできました。今回の感染症の爆発的な拡大に対応できなかったことの一つの要因の中に、医療の提供体制、病床を含めた施設の中に余裕がなかったというのは非常に大きな要因ではないかと考えています。
当然のことながら、今後の感染症の拡大と今後の新たな感染症の発生も含めて対応するためには、医療に余裕がなければいけないと思っておりまして、こういう視点からも今回の効率的・効果的な医療提供体制の構築というような在り方を検証していただきたい。要するに、急速に病床を減らすことによって感染症への充分な対応が困難になった何らかの要因になったのではないかということを検証することと、他国と比べて非常に死亡が少なかったということも含めて、先ほどデータの国際比較がありましたけれども、これだけの他国と比べて充分な病床がしっかりあることが良い結果につながった要因ではないかということを、ぜひこれは国として検証していただきたいというのが1点目でございます。
2点目、今村先生と同じお話なのですが、7ページの2025年のところで地域医療構想が途切れてしまっているのですが、以前見た第8次の医療計画の中で、これはたしか25年で止まらずに地域医療構想が突き抜けていたと記憶していましたが、前回の会議でも発言をさせていただきました様に、今回の地域医療構想の協議会の中で、一旦25年に向けてこれで完結だという感覚でもって話合いが進んでいることは大変危惧をするところであります。したがって、地域医療構想自体は2025年で終わるのではなくて、今回2040年のデータをお示しいただいて、大変ありがたく思いますが、それに向けての次なる話合いをすべきだということを、これはぜひきちんとした形でお示しをいただきたいと思うのが2点目でございます。
それから、15ページのところでございます。マンパワー、働き方改革への対応というところで、これは平成28年のデータと令和元年のデータが出ておりますけれども、現場の者として、この表で示されているように医師の働き方の改革が進んでいるという実感は全くございません。したがいまして、下の注釈にあるような何らかの調査の方法が変わったことによってこれだけのデータが改善したように見えるというのは、ある意味誤解されるリスクがあるのかと考えます。決して実態が改善しているわけではないので、それをきちんとお示しいただくことが必要であると同時に、これまでと同じような体制で労働時間が短くなる病院の割合が少なくなるとは考え難いので、今後どう対応していくかと十分に考えていただく必要があるということが3点目。
次の21ページです。これは大変今回出していただいたデータの中で最も私は効果的なデータかと思っていますので、ぜひこういうデータを2次医療圏ごとにこのグラフを示して、今後どういうことが現実に起こるのかをそれぞれの病院、医療機関が認識できるような体制をおつくりいただきたいという要望でございます。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
御意見と御要望を4点ほどいただきましたが、何か事務局のほうでありますか。
○井上課長補佐 私から、2点目の2025年に向けての地域医療構想のお話をいただきました。御案内のとおり、このワーキングの構成員の皆様方も重々御承知だと思いますし、私どももそうですけれども、人口構造の変化、当然2025年で終わるものではございませんので、質の高い効率的な医療提供体制の確保に向けた取組、2025年以降もそうした取組を続けていかないといけないという認識でございますし、今後も地方団体等と協議をさせていただく際にはそうした点に十分留意したいと考えております。
○尾形座長 伊藤構成員、いかがでしょうか。
○伊藤構成員 今のお話なのですが、実は先ほどお話ししたように、2025年を目途とした協議がどんどん進んでいる中で、再編統合を含めた建物の新設・新築の問題も含めて話が進んでいます。そうしますと、建物に対する償却は39年ですから、今回新たに作った病院建物は2060年まで残ってその機能をずっと維持し続けるということになりかねず、2040年の改革に向けて非常に大きな阻害因子になってくるのではないかというところを危惧していることだけ御了解ください。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
第1点目ですけれども、5ページに「新型コロナウイルス感染症への対応」ということで、今後の取組が述べられております。最後の○のところ、これは以前に今村構成員も御指摘になったことだと思いますけれども、ほかの5疾病あるいは5事業とこの新型コロナ感染症をはじめとする新興感染症の感染拡大のことについて、記載事項、関連づけてそれぞれ記載をするようにということが述べられております。参考資料1には今回のヒアリングで精神科の医療を担当している先生からのヒアリングの結果も出ておりますけれども、精神をはじめとして人工透析の患者さん、あるいは周産期の患者さん、なかなかこのコロナの対策が難しい部分がありますので、平時のうちからどのように対応するかということを含めて丁寧な記載、これはお願いしたいと思います。
2点目、これは6ページで「人口構造の変化への対応」の最後の取組の○のところですけれども、かかりつけ医機能を明確化していくということが述べられています。これまで紹介を受ける、今回紹介受診重点医療機関と定義されましたけれども、それに関する検討は非常に時間をかけていろいろなデータを使いながら丁寧にやってこられたと思いますが、かかりつけ医機能、これは外来機能でいえば、紹介を受ける医療機関と車の両輪ということですけれども、これについての検討はどういうスケジュール感でやられるのかをお伺いをしたいと思います。といいますのは、その次の7ページのスケジュール感の矢印のものですけれども、外来機能とかかりつけ医機能のところが同じところに書いてあるわけですが、外来機能、外来医療計画に関しては第8次、第9次、第10次と明確に書いてあるのですけれども、かかりつけ医機能のところはそこが一本の線になって、「検討結果を踏まえた対応」としか書いていません。どういうスケジュール感でどういったものを取り入れてやっていくかということについてお伺いをしたいと思います。
9ページから先のところが、高齢化あるいは人口の減少というところです。今まで2025年までの地域医療構想に関していえば、医療サービスの需要のサイドの高齢化がかなり中心に述べられたと思いますけれども、2040年から先はいわゆる供給サイド、医療者あるいは医療従事者の高齢化、これも深刻になってくるということが述べられています。実は私が住んでいるようないわゆる中山間地といった地域に関しては、もう既にこのことが問題になってきています。この上に2024年から働き方改革が進んでくるとすると、そういった地域で例えば2次救急を分担しているようなところでは、常勤の先生の高齢化がどんどん進んでくるということがありますし、そういった機能を一部補完するような形での例えば大学病院の先生方、これが働き方改革でなかなか外へ出て医療を援助するということが難しくなってくるということが起こってきています。ですから、そこの辺りは日本全体の傾向と一部地域とではギャップが起こっているということがあります。それに基づいて、早急に例えば医師の需要あるいは供給の見直しであるとか、あるいはそういった地域で本当に必要とされるのは総合診療医といいますか、いろいろな場面で診療ができる先生、これも残念ながら、以前に指摘をさせていただきましたけれども、どんどん医学教育の方向性が専門化、高度化に進んでいます。そのこととのギャップをどう埋めていくか。それから、へき地診療、これはなかなか好まれない内容かと思いますけれども、例えばローテーションを組んでへき地診療に当たるような仕組みも必要になってくるのではないか。ですから、そういった一部の地域と日本全体を俯瞰した場合に出てくる意識のギャップ、これを埋めていく必要があると考えています。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
御意見と御質問だったと思いますが、御質問としてはかかりつけ医機能の検討ということですが、これについて事務局、お願いします。
○北原保健医療技術調整官 事務局でございます。
かかりつけ医機能の明確化と、患者・医療者双方にとってかかりつけ医機能が有効に発揮されるための具体的方策の検討につきましては、2022年度、そして、2023年度にかけて検討を行っていく方向でございますが、現時点でまだ具体の御予定として示せるところはございませんので、詳細が決まりましたら皆様にもお示しできればと考えております。
以上です。
○尾形座長 櫻木構成員、いかがでしょうか。
○櫻木構成員 このことは紹介を受ける医療機関と車の両輪の関係にありますので、早急にかかりつけ医機能についての検討は必要だと思います。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 ありがとうございます。
それでは、私からも何点か意見を言わせていただきたいと思います。先ほどから出ております7ページの2025年で一応切れているということで、それ以降をどうするかということをもう早めに協議に入ったほうがいいだろうというのが1点です。というのは、2025年のいわゆる見込みと称するデータは、2013年頃のデータではないかと思うのです。そうすると、2025年以降にもしデータをつくるのでも相当これは時間がかかるものですし、どういうデータにすべきかということももう一回考えなくてはいけないと思うのです。そうすると時間がかかる。もう一つは、今の病床機能報告制度はこれでいいのか。つまり、ずっと言われてきたのは回復期って何ぞやというのが、まだちゃんとした答えが出ずにここまで来ているということがあると思います。ですから、ここの病床機能の考え方をもう一回ちゃんと整理して見込みを立てていったほうがいい。見込みを立てようとすると一体いつなのか。一挙に2040年まで行ってしまうのか、真ん中にワンポイントを置くのか、それによってもまたやり方が変わるだろうと思っています。
私は今、このコロナの経験も踏まえて、病床機能報告を皆で眺めるのではなくて、国民にも分かりやすい制度にするというためには、病床機能ではなくて病院機能にもう変えていったほうがいいと考えております。ちなみに、この資料の中の75ページに前回出された新潟県の考え方が出ております。ここでは新潟県はその高度な医療を支える病院と地域の2次医療圏を指すであろう救急の拠点の病院、それから地域密着型という分け方をしております。これも私がいろいろな学会等でお話しするのとほぼ同じ考え方で、こういう考え方で整理したほうが、例えば診療所から見ても住民から見ても分かりやすい病院の機能だと思いますので、この中で別に例えば地域の基幹型の病院だったら高度急性期の病棟が幾つあって、急性期が幾つかあってということが分かればいいのであって、示すときにはこちらのほうがいいのかなと思っているところであります。
もう一点、参考資料3についてですが、そこの11ページと12ページにも少し出ていますけれども、ピンク色の短い線ですね。これがいわゆる高度急性期と急性期の許可病床数の合計ということで、病床数で表すよりもうんと低い数で出ています。私はこれが日本の急性期を表していると思っておりまして、今まですぐ日本は病床数が多い、その割に例えばコロナの患者を受けないとか、いろいろなことをマスコミにやゆされてきました。ですけれども、実際はこの急性期、高度急性期で受けられる病床はここなのだということをちゃんと示して、その数を示していただくことによって、あのような誤解を生じないで済むと思うのです。ですから、これから国際比較を出すときに、急性期とはこれを出しましたということを、特にこのピンクの線だと思いますけれども、そのような出し方をぜひこれから厚労省で続けていただきたいと思います。今までは総病床数という出し方をすると、もう病床数の割に病床数単位での医療従事者、看護師や医師が少ないとか、そんな話しか出てきませんから、実際には療養とかでいて、急性期にはそれ以上に医者も看護師も配置されているわけですから、それをちゃんと表すようなデータづくりをこれから外に示していただきたいと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
これは特に御質問ということではないようですので、御意見として承っておきたいと思います。
大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 医学部大学病院のほうから私は参加しております。
何点かございます。よろしくお願いします。
まず「新型コロナ対応に関する課題」というところで、例えば8ページで4つポツがあるのですけれども、今後、現在ここら辺は整理して新しい5疾病・5事業に1つ加わるということで検討されているとは思うのですが、私ども最前線でこれに対応して感じたところは、ヒアリングで各医療機関や都道府県の担当者がお話しになったこととある程度共通はしているので、そこからのメッセージを上手に捉えていただけたらと思っております。例えばデルタ株のときは、ともかく従来の肺炎とは違って、感染症とは違って、血栓症をはじめ様々な合併症が起きる非常に特異な病気であったということで、特に高度急性期、ICU等、それからECMOが回せる病院、それに対応できる医師が急に必要になったということで、その地域における整備がどうしても感染症の拡大に遅れてしまった。特に今回、感染症の広がりは非常に強かったので、そこで遅れてしまったということになります。一方、現在は先ほど申したような重症化ではなく、高齢者がもともと持っておられる疾患が悪化するというところからの重症で、なおかつそれらの多くの方が介護が必要だったり、医療よりも介護のほうが非常に問題であったりとかという患者に急に変わったわけです。ですから、私の半分要望ではございますけれども、対策を練るときには過去の事例がどこまで役に立つのか、インフルエンザの延長線上で議論した対策が今回のコロナではどうしても感染症の広がりに対して追いつくことができなかった。現在、デルタのつもりでやっていれば、今度はオミクロンに対応がどうしても遅れる、オミクロンでしっかり対応すると今度はどんなタイプが出てくるかよく分からないということなので、新興感染症に関してはいろいろなパターンを想定した上で対応をつくっていただきたいというのが第1点ということになります。
2点目は、今回特にヒアリングのときにお聞きして強く印象に残ったことなのですけれども、例えば大都市圏と田舎では全然対応が違うということですね。医療機関、また、行政の連携というところが、特に医師不足の地域であれば確かに感染者数の増加はそう大きくはなかったとは思いますけれども、従来から医師が全然いない、医療機関が足らないという中で、もう常に連携を取らないと平常の医療しかできないところは、比較的早く連携ができていたような気がします。そして、どうしてもむしろ医療機関が多いところで役割分担の調整に苦労されていたような印象を私はヒアリングから持ちましたので、地域ごと、そして、医療の集積度によって感染症対策も変わると。なおかつ、誰がリーダーシップを持って対応していくのか。保健所がリーダーシップを取ったところの結果がどうだったのか、医師会が率先してリーダーシップを取ったところがどうだったのかというところも、ぜひ取りまとめていただきたいなと思っております。
もう一つ、コロナ対策についていえば、現在、先ほどと一緒でいいのですけれども、今、高齢者施設でクラスター等が起きて、この方たちは従来の疾患が重くなったということであるのですけれども、高齢者施設の中でとどまって診療している状況と。これは明らかに医療だけでは対応できず、介護施設の中でとどまって診療をしている、そして、そこに地域の医師が往診で入っていっている、でも、それを見ているのはヘルパーさんたちであるという環境ですので、そこは医療と介護の相互の協力と、それを調整するところでないと、そういう機能がないと非常に厳しいかと思っております。一言で言えば、協力すると書けばそれで済むのですけれども、実際、介護をやっているところと医療をやっているところは、行政の単位でも全然ではないですけれども、部屋が違う、階が違うということで、どこまで連携が取れているのか分からないというところで、現場がとても苦労していることは感じていますので、ぜひそこについても触れるようにしていただきたいと思っております。
引き続きたくさんあって大変恐縮ではございますけれども、このように申し上げていても、大変今回取りまとめていただいて分かりやすくしていただいているので、この方向でぜひ今後議論を進めていただきたいと思っております。
15ページ、私は大学関係ですので申し上げさせていただきますが、働き方改革への対応が求められているというところで、確かに減っているということになります。大学病院、急性期病院、実感という点からいくと実感としてはここまでよくなっていないかもしれないのですが、実は数字として私の病院でも長時間働いている人は激減しております。これはどういうことかというと、もともと大学病院は教育も研究も診療もという中でしっかりいろいろなことをやってきて、その中での長時間労働だったのですけれども、今回の働き方改革の中では診療時間を絞っていくということになり、それ以外のところはどちらかというと自己研さんのような形になっていっているので、どこまでこの医師としての労働時間とそれ以外の教員としての労働時間というところの乖離があるのかなとも思っておりますので、先ほどの御意見と同様に、調査の方法なり、拾い上げられている時間外労働がどうなのかというところも少し踏み込んで調べていただくのがいいのかと思っております。
もう一点ですけれども、次のページになります。「地域医療への影響について、施行直前まで実態調査を複数回実施」、これはもうぜひお願いしたいと思っております。初期臨床研修制度が導入されたときに、地域医療が崩壊したということが何年かたって顕在化してきたわけですけれども、現場にいた大学病院なりそこと関連の深い地域医療機関は、導入された直後からこれは危ないということを感じていました。実際、それに直面している現場は自分たちで声を上げません。彼らがやるのは立ち去るだけです。今回、このような形で働き方改革は非常に我々にとっても重要なことで取り組むべきことなのですけれども、現場の医師たちのどれぐらいの割合か分かりませんが、無理やりこういうことに自分たちが巻き込まれていると思っている人たちの数が多ければ、きっと立ち去りがまた起こってきて、医療崩壊につながっていく。それはすぐには起こりません。じわじわと進行してある日突然顕在化しますので、しっかりと実態を調査いただきたい。これは大学病院を辞める医師が出るだけではなく、地域に行って、大学から働きに行って、その地域医療を守っているという派遣自身も壊れることになりますので、取り返しがつかないようなことも想定していただき、基本的にはこの方向性を私はやっていただきたいと思っていますけれども、注意深い実態調査を繰り返し行っていただきたいという要望を申し上げさせていただきます。
多くなっておりますけれども、申し訳ございません。これは半分御質問になります。21ページ、これも非常に重要なデータと考えております。しかし、これは単純に人口の変化、各年齢階級別に発症率や受療率、治療の頻度を掛けただけだと思いますけれども、例えばt-PAにしても、脳卒中患者さんは増えるけれどもt-PA件数が増えない。これは単に拾い上げられていない患者さんですね。急性期病院に24時間以内または8時間以内に運び込まれていない患者さんたちがいれば、ここには出てこないのですね。これから救急体制をしっかり取り上げて、運び込まれていない人たちを拾い上げていこうとしているわけですから、この件数がこのままただ掛け算すればいいとは僕はならないと思いますので、消化器の腫瘍にしてもしっかりと早期発見が進めばこういう形に単純にはならないということは、そこはちゃんと下のほうに掛け算しただけと書いてはあるのですけれども、誤解を招く可能性があるということなのですが、これは私が言ったような算出法ではなくて、将来の医療の改善によって変わるところまで見込んでいるのかどうかは教えていただきたいというのが1点目です。
次が23ページになります。家庭が出てくるのですけれども、介護施設等も出てくるのです。これはたしかどこで死亡するかというところでもこういう分類になって出てくるとは思うのですけれども、この家庭というものの中にサ高住や高齢者の施設ですね。いわゆる介護老人保健施設とか、そうではない家庭、自宅と思われているような高齢者の施設等が含まれているのだろうと思うのですが、それと御自宅というのは全然違うのですが、そこら辺の分類については行っていかないのでしょうか。これは2点目の御質問になります。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
2点御質問かと思いますが、事務局、お願いします。
○佐藤課長補佐 事務局でございます。
2点御質問いただきました。まず21ページ、医療需要の変化のところで、この算出方法に関しまして、大屋先生から御指摘がございましたとおり、現状の実施状況、まさに人口当たりの実施数ですね。そういったものを性・年齢に分け、それを将来の人口に掛け合わせる、要は現状を追認するような形で出しているというものでございます。ただ、若干補足させていただきますと、これは患者調査を使ってございます。ですから、この病名が必ずしも例えば一般病床の特に急性期だけの方を取り上げているわけではなく、中には回復期のリハの方、もしくは療養病床の慢性期の方といった方々を様々含んだ上で構成されてございまして、そういったものを単純に引き伸ばしていくとこういった差が出てくるということでお示しさせていただいているものでございます。
続きまして、2点目、23ページでございます。構成員から御指摘のございましたサ高住等の取扱い、こちらは今、介護施設等につきましては、下のところに出典の※で介護施設等の定義が書いてございます。具体的には介護老人保健施設、介護老人福祉施設、社会福祉施設というところでございます。こちらのサ高住につきましては、細かい話で恐縮でございますけれども、有料老人ホームに含まれるようなものもあり、そういったものであれば社会福祉施設に含まれるものも当然あろうかと思いますけれども、こちらはあくまで患者調査等の中で入っているものでございまして、精緻に分けることはなかなか困難でございます。あくまで調査限界もある中でこういった傾向があるということをお示しさせていただいている状況でございます。
以上でございます。
○尾形座長 よろしいですか。
○大屋構成員 どうもありがとうございます。
ぜひそこは分けるところまではいかなくても、ある程度、実際に実態が自宅とサ高住では全然違うと思いますし、一番極端なのはオミクロンで患者が出たときに自宅療養という言葉の中で、サ高住の中で自宅療養していて、そこに4~5人が自宅療養をしていると。それは本当の御自宅でやっているような療養とはえらい違いなので、そこがはっきり見えてこないような分類におのずとなってしまうような気がしておりまして、ぜひ御検討をよろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
私からも関連して伺いますが、23ページの介護施設等という中には介護医療院は入っているのですか。
○佐藤課長補佐 事務局でございます。
こちらの患者調査は29年時点を使ってございまして、この時点において介護医療院は含まれてございません。
○尾形座長 ということは、こちらの推計も入っていないということですか。
○佐藤課長補佐 こちらも御指摘のとおりでございます。現時点において使えるデータ、足元のデータとしまして、こういったデータを使ってございますので、今後の調査がまたどんどん出てくれば介護医療院が含まれるデータも当然あろうかと思いますけれども、現時点、技術的な限界においてこういった形でやらせていただいております。
○尾形座長 分かりました。ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。
幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 ありがとうございます。
保険者といいますか、患者側の立場からも意見を述べさせていただきたいと思います。
前置きになりますが、コロナ禍になって2年を経過しようとしているのですが、コロナ禍で多くの国民は新興感染症の有事においても必要な医療が受けられる大切さを痛感しただけでなくて、重症化した場合はどの医療機関が診てくれるのか、さらには身近な医療機関のうちどこが検査や発熱外来を対応してくれるのかという不安に直面したのではないかと思っています。こうした国民の声に応えられる医療提供体制の構築や、2040年を見据えた人口構造の変化への対応は密接に絡んでいると思いますので、双方に対して一括して意見として述べたいと思います。
まず、コロナ対応については、資料にありますとおり本年6月をめどに政府が取りまとめると。次の感染症を見据えた中長期の必要な対策を踏まえながら、第8次医療計画の策定に向けて平時、有事における医療機関の役割を整理して、それをどう確保していくかということを計画上で担保し、国民が今、抱えている不安を払拭するような計画を立てていただいて、こうした計画と進捗状況についてはぜひ国民に分かりやすい形で示していただきたいというのが意見でございます。
こういった検討を行っていくに当たっては、この地域医療構想なのですが、遅くとも第8次医療計画の策定作業が始まる2023年度、できれば来年度の2022年度が理想だと思うのですが、地域医療構想に関する地域の協議が民間病院を含めて整っているということが大変重要になると考えています。資料の79ページから81ページまでありますが、今までのコロナ患者の受入れ実績データを見てみると、人的資源の多い大規模な病院に多く受けていただいているといったデータがあります。医療資源の集約が次の感染症対応を含めた急性期機能の強化につながるということを示唆しているのではないかと思います。2025年度以降は医療人材も減少していくということにも留意していく必要があると思います。2025年以降、限られた医療人材の資源で必要な入院医療を効率的に提供するためにも、今の中小規模の病院を地域に散在させて医療人材も散在させるということではなくて、地域の中核的な病院に集約して機能を強化していくということが、地域の人口減少への対応、かつコロナ感染症対応にもつながるのではないかと思います。ずっと言われておりますように、地域医療構想の基本は地域の自主的な協議であって、集約化が唯一の選択肢ではないということは重々周知しているのですが、この医療資源の集約化というのは今回のコロナ禍でも分かったように一つの選択肢ではないかと思いますし、これがまた将来の人口構造の変化への対応になると思っております。
もう一方、地域医療構想に大きな影響を与えるのは、先ほど櫻木先生もおっしゃいましたが、外来医療をどう考えるかというところもあろうかと思います。外来医療で重要な要素は、患者の流れをいかに効率的に行うかが鍵になってこようかと思います。そこで、まずは医療のファーストアクセスを担うかかりつけ医機能が平時や感染症の有事においてどのような役割を果たして、入院機能を担う医療機関とどう連携するかということも重要な課題で、第8次計画に向けた議論の中で具体的な検討を行う必要があると思います。患者の流れをいかに効率的に行うかというのは、まずはかかりつけ医を受診するという受療行動を徹底することが必要になってくると思います。来年度からは外来機能報告も開始されて、地域で紹介重点医療機関も特定されることになります。そうなると、患者の流れをどんどんつくっていくことになりますので、まずはかかりつけ医機能については、2040年を見据えた人口構造の変化への対応を考える上で最も重要な要素になると考えています。
11ページにありますとおり、2025年度以降、生産年齢人口は急減するが、高齢者人口のピークは2040年になり、限られた医療人材で効率的な医療提供が求められてくるのは入院・外来・在宅の共通課題だと認識すべきだと思います。効率的な医療提供という観点からかかりつけ医機能を考えてみますと、総合的な診療能力を持つ医師の確保が重要になってくるのですが、総合診療専門医がこれに当たると思うのですが、この養成が始まった2018年度以降、専門医の数は毎年200名をちょっと超えるぐらいの養成数にとどまっておりますので、各地域に定着するには相当の時間を要すると思います。そういうことであれば、2022年度、2023年度に行われるであろうかかりつけ医機能の明確化に向けた議論の中で、総合的な診療機能をどのように位置づけるかを検討し、さらに次期計画においていかにこれを実効性のある仕組みにしていくかということを議論していくべきだと思います。
それから、さらにちょっと違った論点、観点から資料を見てみますと、19ページにありますように、既に外来医療につきましては多くの医療機関でピークを迎えているという実態があります。外来医療の患者数は既に減少局面に入っておりまして、今後ますます加速することに留意していく必要があると思います。そこで、地域における外来機能の不足、偏在への対応として、85ページにありますとおり、平成30年の医療法改正を踏まえて、各都道府県では外来医師多数区域を定めるなど外来医療計画が策定され、さらに外来医療機能に関する協議の場が地域医療構想調整会議を基本として設定されました。この協議の場では、地域ごとにどのような外来医療機能が不足しているかを特定する点と、外来医師多数区域では新規開業者に対して当該地域で不足する医療機能を担うように求めるというミッションが与えられているのですが、事務局で今、実態がどうなっているかつかまれているのであれば御教示いただきたいのですが、実際、医師の偏在対策に対して外来医療の協議の場が有効に機能しているかどうかについてどのような検証がされているのかをお伺いしたいのと、少し推測すると、これはあまり有効に機能していないのではないかということが懸念されますので、勤務医の確保の負担軽減等の観点から、さらなる外来医療の協議の場の活用も必要かと思います。
今回、多くの委員の方から2025年以降の対応についてというところも、私は同じ意見を持っています。確かに2025年で高齢化・人口減少が終わるわけではなくて、それよりさらに加速していくので、2025年以降もこの検討はずっと続いていくことだと思うのですが、この議論のやり方が今のやり方でいいのかどうか、地域医療構想調整会議の中で話し合って自主的に決めていくというやり方を2025年以降も継続していくのかということについては、今後、今までの実態、地域医療構想調整会議の在り方も各地域によってそれぞれ相違があったと思っていますので、全国一律にこういった協議が行われるよう、2025年以降の協議の在り方についてもそろそろ検討を開始していくべきではないかと思います。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
1点御質問があったかと思いますが、事務局、いかがですか。
○井上課長補佐 外来医療計画の外来機能に関する協議、とりわけ不足する医療機能を担うように求めるといったところに関する状況というところでございます。今、手元に資料がございません。また何かしらの形でお示ししていきたいと思っております。
以上でございます。
○尾形座長 幸野構成員、よろしいですか。
○幸野構成員 ぜひお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。
先ほど尾形座長との質疑の中で気になったことがあったので質問させてもらうのですけれども、患者調査ですが、現在29年の患者調査を使っていますけれども、令和2年の患者調査がもうすぐ結果が出てくると思うのです。この結果を使うのかどうかは非常に大きな問題だと思っています。令和2年はコロナの真っ最中で、10月ですから、その頃のデータを使ってやるのかという問題と、これを使わないとなると今のこの数字のままやるという議論になりますので、なかなか難しい選択かと。前の患者調査の問題でいうと、福島とかは調査されていませんので、福島が空白だということもあって、もうすぐ患者調査、令和2年のものが出てくると思うのですが、それを使う使わないというのは、この全体傾向を大きく変える可能性があるものなので、注意が必要だと思うのです。分析してからということかもしれないけれども、今、事務局で何かお考えがあるようでしたら教えていただければと思います。
○尾形座長 事務局、いかがでしょうか。
○佐藤課長補佐 大変鋭い御指摘、ありがとうございます。
御指摘のとおり、患者調査につきましては3年ごとにやってございますので、そろそろ結果が出るという御指摘かと思います。ただ、どんな調査につきましても、まさに実施状況、行ったときにはコロナの状況でということでございますけれども、様々な制約がございますので、実際、結果は我々は全く知りませんので、そういった状況はどうなのかも見つつ、いずれにいたしましてもこのワーキンググループないしは親会でもそうですが、しっかり議論に資するデータを出していくことは心がけたいと思っておりますので、今後患者調査を含めて、様々な調査でそういったデータを出せるようにとは心がけていきたいと思っております。
○尾形座長 今村構成員、よろしいですか。
○今村構成員 ありがとうございます。
もう一つだけ意見をお願いしたいのですけれども、働き方改革は、先ほどの15ページの資料で大学では進んでいるというお話があったのですが、私もうちの大学の働き方改革の調査をしていて、まだ完全に把握できていないと思っています。特に大学の先生でほかの病院の当直に行っている場合のカウントの仕方がきれいにカウントされていない可能性が高くて、このままこの残業時間の制限を大学がかけることになると、多くの病院で外の病院へ当直に行くことが非常に困難になるのではないかと思っています。大学での残業をやめてほかの病院に当直に行ってくださいということにはなかなかならないと思うので、そう考えると、各病院で当直が取れるか取れないかということを早く判断していかないと、この調査の結果のとおりにはならないのではないかと危惧しています。これは心配しているということで、意見として聞いていただければと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
お待たせしました。織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。
先ほどの幸野構成員の話に相反する意見なのですけれども、今回のコロナに対応するには何でも集約して大病院をつくるべきだという意見に聞こえました。現在の第6波、オミクロン株の感染拡大で、全国で高齢者の施設がクラスターを起こしているのです。こういう高齢者の施設は基本的に生活圏内にある地域に密着した病院が受け入れるのが非常に効率的ですし、実際に大病院に連れていっても、認知症の対応を含めて困難です。そういう意味では、地域に根差した病院が受け入れていくことが重要です。そのような病院は中小病院が多いですから、トータルのベッド数でいくと結構な数になります。実際に多くの民間病院、中小病院はコロナを受け入れています。ですから、そこら辺を全然見ないで集約化すべきだということは、非常に問題だろうと思います。単にデータだけを見て大きい病院をつくればいいということなのですけれども、実際、800床ぐらいあってもコロナを扱うのはせいぜい数十床です。それに比べて100床、150床の病院でもコロナを10床、20床でも扱うと、積み上げていくとかなりの病床になります。そういう意味では、そこら辺の考え方はちょっと違うのではないかと思います。
あと、この24ページのこれからの医療需要の変化ですね。ここで重要なのは、2020年から2030年にかけて亡くなられる方が急激に増えていきます。これは多くが85歳以上の方たちだと思います。そういう方たちが、右の図にありますように、例えば介護施設が若干増えていますが、本来の在宅はなかなか難しい。というのは、在宅はほとんど老老介護だったり、独居だったりで、在宅でみとるのはかなり難しい状況になっています。ですから、基本的に地域に根差した病院が看取り機能を発揮するときではないかと思います。
その中で、7ページの先ほどから出ていました地域医療構想での医療機能のことです。猪口構成員もおっしゃいましたけれども、この機能において、今後85歳以上のみとりをどの機能で見ていくかということは、もうしっかり考えていかないと避けては通れない問題だろうと思います。
また、13ページです。これは2次医療圏ごとの人口変化率を見てありますけれども、左側の2015年から2025年、これはこの散布図の中で左側の下、もう既に人口65歳以上も減り、生産人口も減ってきているところが出てきていますが、2025年から2040年を表す右側のグラフを見ると、そこが急激に増えてきています。そういう意味では、現時点でこの左側図の左下にある医療圏がどういう医療状況になっているのかを見ていくことも、将来の医療提供の在り方を考えるうえで参考になるのではないかと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 ありがとうございます。
今までにいろいろな委員の先生から意見がございまして、もっともだなと思って聞いておりました。コロナに関して1点と、地域医療構想に関して1点だけ簡単に申し上げます。
まず、コロナに関しましては、それぞれの医療機関、介護施設の持つ働きはあると思うのですが、私が感じているのは、最大の問題点は、感染症ですから予想するのは難しいわけですけれども、どれぐらいの重症患者に対応できるようにすればいいのか、あるいは軽症の患者さんをどうすればいいのか、そういうデータが非常に難しい状況の中で、それを国としては、6月にプランを出すそうですけれども、そういったものを見通しを立てないと、重症患者さんを例えば大学病院で扱うにしても、簡単にベッドを増やすわけにいかないし、設備も増やすわけにはいかないわけです。ですから、そういった見通しが必要なのが第1点です。
もう一つは、情報の管理、活用をどうするのか。それがコロナにとっては非常に大事なのだろうと思います。最近、オミクロンで分かったのは、子供にも感染して、看護師さんとかいろいろな医療従事者がそれに取られてしまって、こういう人をどうやって補充するのか。そういう対策を3点考える必要があるのではないかと私は思っております。
地域医療構想につきましては、64ページを御覧いただきたいのですが、ここに開設者別の議論の状況、2019年3月末ぐらいだろうと思いますが、書いてございます。これをさらに進めていくのは、厚労省もおっしゃっていますように、民間の医療機関の活発な御議論が必要なのだろうと思っております。その議論をするには、先ほどどなたかの先生がおっしゃったように、今後の実際の必要な病床ですね。そういうデータを全員に分かるようにきちんとお示ししてやらなければいけないと思います。逆にそのデータが分かれば、医師の専門医の数の問題、それから、総合診療医の問題、そういったものにも働き方にもつながっていくと思いますので、そういった点をぜひ厚労省としては、難しい問題がたくさんあるのは分かっていますけれども、御検討いただきたいと思います。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 先ほど織田先生から御指摘をいただいて、まさに私は現場が分かっていないのでそういった発言をしたのですが、私が聞いた理解では、今回コロナで医療機関が逼迫したというのは、病床があっても人材がいないから受け入れられなかったというところがあったと聞いておりまして、その人材がいないのはなぜかというのは、人材が地域のいろいろな中小の病院に散在していて、それがゆえに人材が集められないと。これはまさに人の問題で受けることができないという捉え方をしているのですが、こういった捉え方についてはいかがお考えかをお聞かせいただきたいと思います。
○尾形座長 これは織田構成員ですか。
○織田構成員 ありがとうございます。
おっしゃるとおりで、人の問題は非常に大きいです。これはもちろん大きい病院だと、一つの病棟を潰してコロナ病棟に配置するという形で大がかりな形はできます。ただ、先ほども言いましたように、認知症の方とか、それこそ要介護の方々がどんどんコロナに感染しているわけです。ですから、そういうことを考えると、地域内、生活圏内の病院でいかに受け入れていくかということなのだろうと思います。そして、中にはDNARを取っている患者さんたちもおられますから、そういうところは地域の医療機関で受け入れていけるような体制づくりが必要なのと、あと一つは後方支援病院としての役割も大切です。退院基準を満たした患者は地域で受け入れていかないと、多分、立派な病院ばかりつくっても後方支援が働かなければすぐオーバーフローします。ですから、そういう意味では後方支援も含めて、基本的に集約化という言葉ではなくて、箱物云々ではなくて、人材をどうしていくのかということであれば、各中小病院も人材を工面しながらそれなりにできる体力でやっていけばいいことで、全てが集約化で解決するという考え方だけは非常に危険だということで申し上げさせていただきました。
○尾形座長 幸野構成員、よろしいですか。
○幸野構成員 ありがとうございました。
○尾形座長 今村構成員。
○今村構成員 今村です。
今の点について、議論を分けたほうがいいと思って御発言させていきます。まず、人材を集めなくてはいけないというのは、重症化された患者さんを診るために、ICUで死亡率を下げるために頑張るためには、人材を集約化させなくてはいけないという面があります。それに対して、今、オミクロンで起こっているのは、一般疾患を持つ患者さんがコロナにかかった場合にどこの病院が診るのですかという話なので、それはたくさんの病院で診てもらわないと受け切れないのです。それを重症化病院だけで受けたら一発で破綻する。ですから、重症化する方を救うためにどう人材を集約するかという議論と、罹患率が上がってきたときに、一般患者さんがコロナにかかった場合などにどう対応するか、その二面を両方考えなければいけないと思いますので、その点、注意喚起させていただきます。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございます。
大屋構成員、関連ですか。
○大屋構成員 そのことに関連して発言させていただきます。私もその意図で申し上げていたのですけれども、山のようにしゃべったので伝わってなかったかもしれないのですが、その地域の持っている医療資源によってパターンはどうしても変わってくるかなと思っています。さらに、今村構成員が言われたように、重症であればICU、そして、ICUが複数ないと、そもそもICUのある病院は高度医療をしていますので、重症の心臓の手術ができなくなるということにもつながってきて、他の医療崩壊にもつながっていくということで、ある程度の規模があってICUも大きくないと、コロナの患者さんも受け入れられない。これは主にデルタのときのことです。ですから、デルタだけを考えて医療体制をつくるというのは適切でありませんし、オミクロンであれば一般の重い病気を持っている高齢者の寝たきりの方がどんどん重症化してきますので、そればかりを見ているとこれはまたデルタにも対応できないということになりますので、可能性のあるパターン、新興感染症ですね。例えば非常に幅広く感染が広がっていくのだけれども重症化が出ないものと、重症化が出やすいものと、そういう形のパターン分けをして、それぞれの対策、それに対しての体制をつくっていっていただきたいというのが私が発言したことだと思います。
さらに、地域ごとに違うと思うのですけれども、地域の病院は本当に私どもの沖縄県では頑張っていただいています。これはそもそも医師会を中心にネットワークがきっちりしているので、皆さん協力をするのですね。慢性期病院協会もとっとと急性期病院からまだ陰性化していなくてもどんどん引き受けていただいたりとか、そういう体制ができるわけです。つまり、ネットワーク構築は通常からできている。それが京都と愛知県と沖縄県と秋田県では全然違うと思いますので、そこはそれらが持っている医療資源に合わせた連携体制を、それも誰がつくるのかを明確にしていっていただかないと、全国共通では僕は進まない案件ではないかと思っています。
もう一点、先ほどの件に戻りますけれども、大学病院で外のバイトに行けなくなって外の病院が危なくなるという案件、私もそれは懸念しています。もう一歩大きな問題点は、当直に行けなくなった若い医師が、そもそも大学病院の本当に異常に低い給与の中で、こんなところでやっていられるかととっとと辞めて、都会の病院に就職するということが起こり始めます。それが私が言った先ほどの立ち去りというパターンですので、そこについて真剣に、立ち去りは気がついたときはもう手遅れですので、どうぞ御検討のほうをよろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 今、大屋構成員がおっしゃったとおりなのです。集約化ではなくて、基本的に有機的な機能連携なのですね。ですから、このオミクロンのときにはオミクロン、デルタのときにはデルタという形でその感染症自体、同じ新型コロナでも特徴が違いますから、それに合わせながら柔軟に対応できる体制をつくっていくということなのだろうと思います。実際、地域医療連携がうまくいっているところは、コロナに対しても非常に連携がスムーズにいっているのです。ちなみに我々の県はほとんど問題は起こっていません。そういうことで、すぐに集約化や箱物を考えるという考え方だけはやめていただきたいということで、先ほどは強く申し上げました。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
そろそろ時間も迫ってきましたので、議題1についてはこの辺にしたいと思います。
本日、事務局にも御努力いただきまして、多くの今後議論を進めていくに当たって参考になるデータをお示しいただいたと思います。一方で、本日はデータの示し方等についていろいろ貴重な御要望、御意見等があったことを踏まえ、事務局としてはさらに検討を深めていただければと思います。
それでは、議題1はこの辺にいたしまして、議題2に進みたいと思います。地域医療構想の進め方に関する通知の改正等についてですが、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○井上課長補佐 事務局でございます。
では、議題2につきまして、資料2「地域医療構想の進め方に関する通知について」という資料に基づいて御説明させていただきます。お時間が迫っておりますので、簡潔にさせていただきます。
先ほど少し触れましたけれども、昨年12月に国と地方の協議の場で、今後の進め方につきまして、地方団体と協議をさせていただきました。そうしたことを踏まえまして、2ページ、四角囲みで書かせていただいています地域医療構想について、今まで平成30年、令和2年の通知等において進め方をお示ししてまいりました。その記載を基本としつつ、引き続き議論を進めていただくこととしますけれども、その際、以下の留意点を追加的にお示ししていきたいと考えております。
まず1つ目、「基本的な考え方」の項目でございます。1つ目の○でございますけれども、先ほど申し上げたように、2022年度、2023年度において地域医療構想に係る民間医療機関も含めた各医療機関の対応方針を策定いただいていないところは策定、検証をお願いしたところには検証、また、必要に応じて見直しを行っていただきたいという内容でございます。ポイントですけれども、3つ目の○でございます。先ほども少しお話ししましたけれども、2024年度より医師の働き方改革の取組がスタートすること等を踏まえまして、こうした動きも見据えて取組を進めていただきたいといったことを記載させていただこうと考えております。
2つ目の「具体的な取組」につきまして、直近の通知、令和3年の通知でございます。今後の工程については改めて整理の上お示しするとしておりました。そうしたことについて、先ほどと同様、2022年度、2023年度において、公立・公的・民間医療機関における対応方針の策定や検証・見直しをお願いしたいということでございます。特に公立病院につきましては、総務省さんのほうで2021年度末までに新しいガイドライン、「公立病院経営強化ガイドライン」を策定される予定であるということで、今、検討会の議論が進められていると承知をしております。それに基づく「公立病院経営強化プラン」を具体的対応方針として策定いただいた上で、協議をしていただきたいということを書かせていただいております。
3ページでございます。「具体的な取組」の続きでございますけれども、民間医療機関を含めて、議論の活性化を図るためということで、過去の地域医療構想のワーキンググループの議論を必要に応じて参照いただきたいということ。それから、先ほども少しございましたけれども、私ども支援の一つとして重点支援区域の選定をさせていただいております。その中でデータ分析などの技術的支援も行わせていただいておりますので、そうしたことも活用して議論を行っていただきたいということをお示ししております。それから、今、申し上げた地域医療構想のワーキンググループの議論、各医療機能を担う病床について、例えばその高度急性期・急性期を担う病床については、私どもの提供させていただいている診療実績に含まれていない手術の一部や内科的な診療実績、地理的要因、そうしたものを踏まえていただくことも考えられるのではないかと。回復機能を担う病床については、回復期リハビリテーションやそれ以外の機能、地域包括ケア病棟などあるかと思いますけれども、そうした算定している入院料、公民の違いを踏まえた役割分担、リハビリの実施状況、予定外の入院患者の状況。慢性期の機能につきましては、療養病床からの介護保険施設への転換の意向等を踏まえていただいて、議論の活性化に取り組んでいただきたいということでございます。
「地域医療構想調整会議の運営」につきましては、今般の新型コロナ感染症の感染拡大を踏まえて、幾つか留意事項をお示ししたいと思っていまして、当然のことですけれども、感染防止対策を徹底いただくとともに、医療従事者等の負担に配慮してくださいということとしております。それから、年間の開催回数について、過去の通知では年4回と言っておりますけれども、一律に求めるものではありませんが、オンラインによる開催も検討し、必要な協議が十分に行われるよう留意するということ。それから、会議の傍聴制限を行った場合に、会議資料、議事録の公表について、とりわけ速やかに、通常でも速やかにと申し上げていますけれども、とりわけ速やかにということでお願いしたいと考えています。
「検討状況の公表等」については、地方団体との協議において定期的に公表を行うということで確認をしております。具体的には、来年度につきましては9月末、3月末における検討状況を、以下に示す様式に記入をして厚労省に報告をいただくとともに、各県においてホームページで公表をいただくということを考えております。また、その検討状況についてはこのワーキングでも御報告をしたいということ、それから、別途調査を行わせていただきますということを書かせていただいております。
「重点支援区域」につきまして、これまで都道府県からの申請を踏まえて、厚生労働省において選定をするという手続としておりましたが、私どもから積極的に申請の意向を全ての都道府県に伺ってまいりたいということと考えております。申請の意向を聞きますので、あらかじめそうした準備をお願いしたいということをマル5で書かせていただいています。
マル6は「その他」ということで、第8次医療計画検討会の議論、それから、本ワーキングを含めた各ワーキングの議論、そうしたことについても情報共有をさせていただくということを最後に記載させていただいております。
先ほど申し上げた検討状況の定期的な報告、公表につきましては、以下、書かせていただいております全体、それから、公立・公的医療機関、それ以外の医療機関という内訳で「病床数ベース」「医療機関数ベース」で「合意・検証済」「協議・検証中」「協議・検証未開始」、その分類ごとに割合を公表いただきたいということでお願いをしたいと考えております。
また、個別の医療機関の具体的な検証内容を昨年の12月のワーキング等でお示しをさせていただいたものについては、県ごとに公表することによって少しそうした地域や医療機関の自主的な取組に影響を与えるおそれがあるのではないかと考えておりまして、こうした点についてはこの様式には盛り込まず、先ほど申し上げた別途調査を行うことにより把握をしてまいりたいということと考えております。
急ぎ足で恐縮ですけれども、説明は以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問を承りたいと思います。
岡留構成員、どうぞ。
○岡留構成員 ありがとうございます。
これは私、前々回のこのワーキンググループのときに発言させていただいたのですが、4ページの様式ですね。全体、公立・公的、民間を含めたトータルの病床ベースというのがありますが、その前の3ページ、「地域医療構想調整会議の運営」と4項目の「検討状況の公表等」というところですね。この辺が非常に曖昧ではないかと思うのです。現に前々回の時点で恐らく二十数%が未公表、未公表といいますか、検証さえもしていない、話合いさえもみんなでしていないというところが結構あったと思うのですが、ただ数字の羅列だけでは各都道府県の調整会議が本当に実質的に運用されていくかどうか、私は非常に疑問だと思うのです。具体的な、例えばどういうことを検討してどういう公表の結果に至ったかとか、もう少し詳細な深掘りをした報告を求めないと、単にこの数字の羅列だけでは、もう2040年までこのままでずっと行く危険性を非常にはらんでいるのではないかと思っているのです。ですから、調整会議の在り方と公表の仕方、運営と公表、この辺をもう少し考えていただけたらいいかと思います。危惧している点を申し述べさせていただきました。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
事務局、お願いします。
○井上課長補佐 先ほど少し御説明させていただきましたけれども、定期的な公表、厚労省への報告については、この資料2の4ページで基本的には行っていただきたいと考えておりますけれども、資料1のほうになりますが、63ページに昨年12月におつけをした、例えば再検証対象医療機関の取組状況、こうした資料についても、岡留構成員も含めもう少し深掘りした内容を把握していくべきではないかという御指摘をいただいております。先ほど通知の中でも御説明しましたけれども、こちらについては別途、把握をしていくとしております。その中で、前回のワーキングでも御発言いただきましたし、今の御意見もいただきました。そうしたところを反映して対応してまいりたいと考えております。
○岡留構成員 心配しているのは、こういうただ文言の羅列だけではなくて、どういうことが討議されたのか、そして、その結果どういう会議の一致点を見いだしたのか、あるいはその結果がどうなったかという詳細な報告をもう少し見てみたいという気がするのです。ただ何%がこうなったから、従前どおりだったから、ただ一言で棒グラフとかこういうもので言うのではなくて、もう少し詳細な報告書を求めたいなと思います。そうすることが、各都道府県の調整会議のもう少し運営の改善につながっていくのではないかと思うのです。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○井上課長補佐 コロナ対応いただいている都道府県の負担にも配慮しながら、御指摘も踏まえて対応してまいりたいと思います。
○岡留構成員 コロナ対応はみんな分かっているわけですよ。コロナで終わっていたら、いつまでたってもコロナ倒れになりますよ。全てが駄目になります。そう僕は心配しているのです。
○尾形座長 ありがとうございました。
幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 私も岡留先生と同じ意見でございます。2022年の9月と2023年の9月に報告を求めるということなのですが、2023年9月といえば、もう都道府県の第8次医療計画は策定されている段階だと思うのですが、この時点においても協議と検証が未開始というところのパーセンテージが多い都道府県に対してどういう対処をしていくのか。それがなければ、ただ報告を求めても、ああそうですかというだけで終わっていいのかというところ、そのまま医療計画に突入していいのかという懸念がありますので、まず2022年の9月において、何もやっていないところについてはこういう指導をして、例えばいつまでにといったことをやってこそ、この報告が意味を持ってくるのではないかと思うのですが、その辺の対応についてお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○井上課長補佐 9月末、まず数字を把握し、それをまたワーキングの構成員の皆様方と共有しながら、その数字を提示しながら、御意見を賜ってまいりたいと考えております。その上で検討してまいりたいと思っております。
○尾形座長 幸野構成員、よろしいですか。
○幸野構成員 低いところには何らかの対応を求めるべきだと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
岡留構成員、もう一回、手を挙げられていますか。
○岡留構成員 すみません。消すのを忘れましたが、コロナをエクスキューズの項目にしてみんな逃げている部分もあるのではないかなと、私はその辺の心配があるのです。ですから、その辺を払拭するためにも、もうちょっと詳しい報告書を求めたいなと思っています。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、資料2につきましては、もう少し中身の分かるような形に工夫をという御意見がございましたので、その辺も含めて検討していただきたいと思います。
ありがとうございました。
本日用意した議題は以上でございます。
最後に事務局から何かございますか。
○井上課長補佐 本日は一般傍聴の制限をさせていただいておりまして、議事録につきまして、可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいりたいと存じます。構成員の皆様方におかれましては、御多忙とは存じますけれども、御協力いただきますよう何とぞお願い申し上げます。
また、次回のワーキンググループについては、詳細が決まり次第御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、本日のワーキングループはこれまでとさせていただきます。大変お忙しいところ、ありがとうございました。
 


(了)
<照会先>

医政局地域医療計画課
直通電話:03-3595-2186

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