ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(労働条件分科会労災保険部会)> 第65回労災保険部会議事録(2016年12月2日)
2016年12月2日 第65回労災保険部会議事録
労働基準局労災管理課
○日時
平成28年12月2日(金)15:28~16:40
○場所
厚生労働省共用第6会議室(3階)
○出席者
委員:五十音順、敬称略
明石 祐二(一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部統括主幹) |
秋田 進(日本通運株式会社取締役執行役員) |
荒木 尚志(東京大学大学院法学政治学研究科教授) |
岩村 正彦(東京大学大学院法学政治学研究科教授) |
小畑 史子(京都大学大学院人間・環境学研究科教授) |
桐明 公男(一般社団法人日本造船工業会常務理事兼事務局長) |
酒向 清(日本化学エネルギー産業労働組合連合会副会長) |
下茶 健一(日本基幹産業労働組合連合会中央執行委員) |
諏訪 嘉彦(東急建設株式会社執行役員住宅事業部長) |
田久 悟(全国建設労働組合総連合労働対策部長) |
立川 博行(全日本海員組合中央執行委員政策局長) |
中窪 裕也(一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授) |
長尾 健男(新日鐵住金株式会社人事労政部部長) |
永峰 好美(読売新聞東京本社編集委員) |
浜田 紀子(UAゼンセン日本介護クラフトユニオン特任中央執行委員) |
村上 陽子(日本労働組合総連合会総合労働局長) |
○議題
(1)労働者災害保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2)社会復帰促進等事業に係る平成27年度成果目標の実績評価及び平成28年度成果目標等について(報告)
○議事
○岩村部会長 ただいまから第 65 回労災保険部会を開催いたします。はじめに、前回の部会以降、委員の交代がありましたので、事務局から御紹介いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 委員名簿を席上に配布しておりますので御参照ください。労働者代表として、平川純二委員に代わり、日本化学エネルギー産業労働組合連合会副会長、酒向清委員に御就任いただいております。また労働者代表として、吉村健吾委員に代わり、日本基幹産業労働組合連合会中央執行委員、下茶健一委員に御就任いただいております。
続いて、本日欠席の委員ですが、大前委員、田中委員が本日欠席となっております。これにより出席者は 16 名ですが、公益代表、労働者代表、使用者代表、それぞれ 3 分の 1 以上の出席がありますので定足数を満たしていることを御報告いたします。
○岩村部会長 それでは、早速、本日の議事に入ります。お手元の議事次第を御覧ください。議題の 1 番目は「労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱」です。事務局から説明を頂きます。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 議題 1 「労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱」について御説明いたします。資料 1 の裏の別紙を御覧ください。今回の改正のポイントは 2 つあります。 1 点目は通勤災害保護制度の改正について、 2 点目は職場意識改善助成金の勤務間インターバル導入コースの新設についてです。
まず 1 点目の通勤災害保護制度の改正について説明いたします。参考 1-1 を御覧ください。労災保険制度では、通勤中の災害についても保険給付の対象としておりますが、労働者が通勤の経路を逸脱又は中断した場合、その逸脱・中断の間及び通勤経路への復帰後の移動中に起こった災害は、原則として通勤災害に含まれないことになっております。ただし、その逸脱・中断が「日常生活上必要な行為」に該当する場合は、例外的に通勤経路への復帰後の移動は通勤として認められております。
どのような行為が「日常生活上必要な行為」に該当するかについては、労働者災害補償保険法施行規則に定められており、その中に一定の範囲内の親族の介護が含まれております。その親族の範囲は、育児介護休業法の対象家族と同じ範囲で定められており、孫、祖父母及び兄弟姉妹については同居し、かつ、扶養している場合にのみ、現在は認められております。今般、育児介護休業法の対象家族が拡大され、孫、祖父母及び兄弟姉妹の介護について、同居し、かつ、扶養しているという条件が廃止されたことを踏まえ、それと同様の措置を講じるものです。したがって、改正後は同居も扶養もしていない孫、祖父母又は兄弟姉妹の介護を行うために、通勤経路を逸脱・中断した場合についても、日常生活上必要な行為として、通勤経路に復帰した後の災害も保護されることとなります。なお、その場合であっても逸脱・中断の間に起こった災害は保護の対象になりません。
次に、 2 点目の職場意識改善助成金 ( 勤務間インターバル導入コース ) の新設について説明いたします。その日の終業時刻から次の始業時刻までの間隔を、一定時間確保する勤務間インターバル制度については、働く方の生活時間や睡眠時間を確保し、健康な生活を送るために重要であると考えております。
また、本年 6 月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」において、勤務間インターバルの自発的導入を促進するため、専門的な知識やノウハウを活用した助言・指導、こうした制度を積極的に導入しようとする企業に対する新たな支援策を展開することとされたことを踏まえ、勤務間インターバルの導入に係る経費の一部を支給する助成金制度を創設するものです。本助成金の内容については、参考 1-2 のとおりを予定しておりますが、詳細については年度内受付に向けて、現在検討中です。議題 1 の説明は以上です。
○岩村部会長 ただいま事務局から説明いただきました議題 1 について、御意見あるいは御質問がありましたらお願いいたします。
○酒向委員 私からは、省令案要綱の第 1 「通勤災害保護制度の対象となる介護の範囲の見直し」に関して、発言させていただきます。今回御提案を頂きました内容については、育児・介護休業法施行規則の改正を踏まえて、通勤災害保護制度における日常生活上、必要な行為の規定について見直しを行うもので、内容そのものに対して全く異論はありません。ただ、今回の施行日が 2017 年 1 月 1 日となっており、施行までの日数が非常に短くなっております。その中では、労働局や労働基準監督署への周知のほか、労働者、事業主に周知・徹底がしっかりされるように対応をお願いしたいと思っております。よろしくお願いします。
○岩村部会長 ほかにはいかがでしょうか。
○明石委員 今の件ですが、どれぐらい増えると予測されていらっしゃるのでしょうか。
○労災管理課課長補佐 ( 企画 ) 本年 9 月から 10 月にかけての 2 か月間で、現在、対象となっている同居かつ扶養をしている祖父母若しくは兄弟姉妹、孫についてのケースがあるかどうかを調べました。そうしたところ、そのようなケースで給付した実績がないというデータが出てまいりました。もちろん、今回はその対象を広げるわけなのですが、今のデータから考えて、すごく大きく広がるということは考えられないかなと思っています。
○岩村部会長 明石委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ほかはいかがでしょうか。
○秋田委員 インターバル制度の助成の関係ですが、「新規導入の企業のみ対象」となっています。ここの助成対象を見ると、例えば研修費用や労務管理用機器等の導入・更新費用等もありますので、既に導入している企業でもこういった研修、あるいは機器の更新というのはあり得ると思うのですが、「新規だけ」というのは若干、不公平なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○事務局 この助成金については、新たに導入するのみを対象としているもので、これはインターバルの導入を促進する観点、それから今までの助成金についても、「新規に」ということが条件になっておりますので、既に導入している企業に対しては、追ってというのは少し難しいと考えております。
○岩村部会長 秋田委員、よろしいでしょうか。
○下茶委員 同じく、「勤務間インターバルを導入する企業」への支援について、質問いたします。 1 点目は、中小企業主に対して助成することとされておりますが、なぜ中小企業に対象を限定しているのかという点についてお伺いいたします。 2 点目は、参考 1-2 にもありますが、今回、平成 29 年度の概算要求額が約 4 億円となっておりますが、この算出根拠についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○事務局 主に中小企業の場合については、やはり制度を導入する際の資力の問題などがありますので、大手のほうは大体そういったものについては整えるだろうということで、今までの助成金も含め、「中小企業のみ」とさせていただいているところです。
それから要求額の 4 億円については、大体のインターバルについて、別途積算していますが、対象がこれぐらいあるということで、対象の予想をして、この金額ということで想定をしているところです。
○岩村部会長 下茶委員、いかがでしょうか。
○下茶委員 この「勤務間インターバル制度」については、ワーク・ライフ・バランスの観点も含めて有効な手段だと思いますが、結果として長時間労働が削減できなければ、本末転倒とまでは言いませんが、有効な手段ともならないということも懸念されますので、本来の趣旨に照らし合わせ、適切な対応が図られるように、その辺りの指導も含めて、制度をしっかりと運用していただきたいと思います。
○岩村部会長 ほかにはいかがでしょうか。
○酒向委員 先ほどの「通勤災害」の所に戻ってしまうのですが、改めて私からも労働者、事業主の周知・徹底を重ねてお願いしたいと思います。それとともに、省令案要綱に、「必要な経過措置を定める」という文言が書いてありますが、これについて具体的に何か御説明いただけることがありましたらお願いしたいと思います。
○労災管理課長補佐 ( 企画 ) 例えば施行日より前に起った災害については、従前どおり扶養と同居を要件とした祖父母、兄弟姉妹、それから孫になります。つまり、施行日前に同居していない所の介護に行ってから通勤災害に遭われたとしても、それは施行日前なので、認められないという意味です。
○岩村部会長 要は法の施行に当たって、どの災害が適用の対象になるかという意味での経過措置を規定するという趣旨ですね。
○労災管理課長補佐 ( 企画 ) そのとおりです。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 それでは、この諮問 ( 案 ) については、妥当と認めるということで御了承いただけますか。
( 異議なし )
○岩村部会長 ありがとうございます。続いて、議題 2 に移ります。「社会復帰促進等事業に係る平成 27 年度成果目標の実績評価及び平成 28 年度成果目標等」についてです。事務局から資料を提出いただいておりますので、説明を頂きます。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長補佐 ( 企画 ) 資料 2-1 を御覧ください。前回の部会において、平成 27 年に行った 88 事業のうち、 70 事業については御報告いたしました。そのときに、今後評価を行うとして、評価がまだ間に合っていなかった事業が 18 ありましたので、まずそちらの説明をいたします。
そのうち、評価目標が A として目標を達成できたものが 17 事業あります。 B 評価はありませんでした。それから評価が C であったもの、アウトカム指標の未達成要件を分析の上、事業の見直し又は廃止が必要な事業が 1 つありました。ただ、この事業においては、平成 28 年度も継続させていただきたいと考えております。その 18 事業を足して、平成 27 年度に行いました 88 の事業を総括的に見てみますと、評価が A であったものが 71 事業、 80.7 %でした。そのうち、平成 28 年度に廃止するのは 1 事業です。評価が B の事業が 14 事業、 15.9 %で、廃止するものが 1 事業です。評価が C の事業が 3 事業、 3.4 %でした。廃止後の経過措置として行う事業は 1 つです。これは財形の関係で、既に入られている方がいましたので、この方々に対するフォローアップ等の事業です。
平成 28 年度はどのような目標を設定したかといいますと、 88 の事業を行い、それら全てについて、当然のことながら目標を設定させていただきました。それから平成 28 年度においては新規の事業が 4 つあります。平成 28 年度の重点の目標に関するものが 30 事業あります。事業廃止後の経過措置として 1 事業です。これは、先ほど申し上げました財形の事業です。これが、一応総括的なアウトラインです。
次に、資料 2-2 です。本部会へ報告させていただくのは、事業の評価が A 、目標を達成できなかった B 及び C の事業について、その評価が平成 28 年度若しくは平成 29 年度においてどのように反映されるかというような観点から報告させていただきたいと思っております。
論点の 1 つ目として、先ほど今後評価するとされた 18 事業のうち、 C 事業が 1 つあると申し上げた事業です。 C 評価の事業は評価番号 54 で、技能実習生に対する事故・疾病防止対策等の実施のための経費という事業です。
資料 2-3 が今申し上げた事業の平成 27 年度成果目標の実績評価及び平成 28 年度成果目標になっております。見ていただきますと、平成 27 年度の目標が何であったかというと、労働災害の防止に関して、「技能実習生 1 号の死傷者数年千人率が 6.48 以下」という目標を設定させていただいたのですが、実績を見てみますと、 7.37 ということで、災害が千人率にして多く発生して目標が達成できませんでした。その理由を分析しております。大まかに申し上げますと、特に、「技能実習生の 1 号」と呼ばれる 1 年目の未熟な方が非常に多く入ってこられるので、今から就業される、就労される方、若しくは 1 年目なので、まだまだ今からという未熟な方について、非常に入ってこられた方が多くて、我々が考えていた安全衛生教育やいろいろなものが若干手薄になっていたのかなというのが、災害の増えた理由と分析しております。
改善理由として、災害の多い業種などを絞った効果的な講習を行ったり、実態に即した事業を行わせていただきたいという改善をすること。もう 1 つ、まだまだ安全衛生マニュアルの翻訳が母国語になっていませんので、言葉の壁を取り除くためにも、まだまだ翻訳されていないものについては母国語の安全衛生マニュアルを翻訳し、配布したいと考えております。平成 28 年度の目標は、死亡の千人率、アウトカム指標としては、同じように 6.48 以下を目指したいと。それからアウトプット指標においても、年で同等のものと考えて設定をしております。
論点の 2 つ目として、平成 27 年度の事業の評価を平成 29 年度の要求にどのように反映したかです。これも、 B 、 C 評価で説明いたします。 1 つ目として、 C 評価で平成 29 年度において増額要求を行っているものはありません。 C 評価で減額して要求をしているものが 3 事業あります。資料 2-4 の 1 ページが、今申し上げました平成 27 年度 C 評価で平成 29 年度に減額をして要求を行っているものです。平成 27 年度の PDCA 、評価番号で言いますと、一番上に 16 番とあります。 16 番は長期家族介護者に対する援護経費です。こちらは重度被災労働者で障害が 1 級、傷病が 1 級の方で、 10 年以上家族の方から介護していただいている方が、業務外の理由で亡くなった場合に援護金としてお金をお支払いさせていただいている事業です。実績見合いというか、この事業は非常に重要だと思っております。積算に当たって、実績に見合う積算をさせていただいたための減です。
2 つ目は労働災害減少のための安全装置等の開発に関する調査研究です。これは平成 27 年度限りの事業で、平成 28 年度には計上はありません。次に、 54 として、技能実習生に対する事故・疾病防止対策等の実施のための経費は、一番最初に申し上げました 18 事業のうちの 1 つの経費と全く同じ事業で、これの平成 29 年度です。
1 つ報告をいたします。先月の 18 日に、技能実習生に関する法律が成立し、新法人がこのような安全衛生に対する事業も行うことになっております。ところが、平成 29 年 7 月から新法人を稼働と見込んでおり、第 1 四半期についてはこの事業を継続して行いたいと考えており、ここに記載させていただいているのは、第 1 四半期分のみです。表の右を見ていただきますと、平成 29 年度要求で 2,300 万円の経費を積んでいます。これは第 1 四半期分です。
B 評価の事業で増額要求を行っているものが 8 事業あります。こちらは同じく資料 2-4 の 2 ページ目から記載しております。一番上、 18 として、「労災特別介護援護経費」というもので、重度被災労働者のための入所施設に要する経費です。こちらは当然のことながら、入居率を上げなければいけない、そのような周知と、今は良質な介護が求められており、福祉車両や人件費などの単価アップを見込ませていただき積算をしたための増です。
24-1 として、「安全衛生啓発指導等経費」です。安全衛生の活動は非常に重要だと考えております。今年度においては、備品の整備等を積算し若干の増ということです。次の 28 は、職場における受動喫煙対策事業です。今は非常に受動喫煙が問題になっておりますし、防止しなければいけない、対策を立てなければいけないということで、引き続き助成金への申込みが増加であるだろうという見込みを立てており、助成金の見込み件数の積算による増です。
36 は「過労死等防止対策推進経費」です。厚生労働省、取り分け労働基準局においては、やはり過重労働の防止をやらなければいけないと考えております。現在行っておりますシンポジウムなどを委託で行っておりますが、その委託契約を前倒しすることによって、 1 年間フルに活動していただきたいということと、そのシンポジウムの開催箇所を増やす、若しくは調査・研究の対象業種を増やし充実をさせるということで、これも積算の増となっております。
38 は「治療と職業生活の両立等の支援対策事業」です。こちらは既にガイドライン等を策定しておりますが、それらの周知とガイドラインの充実を行い、こちらも積算の増となっております。 57 は「産業医学振興経費」です。こちらは産業医の育成経費になろうかと思いますが、非常に良質な産業医が求められております。医学の教育水準に準拠した臨床トレーニング施設等を新設させていただく、施設の充実と、医師の国家試験の合格率を上げるために、成績の下位と言っていいのか、いわゆる早いうちから個別指導等を導入するようなプログラムなどを考え、一種の合格率をアップする底上げも図るというようなことで、こちらも積算の増です。
次に、 58 は「第三次産業労働災害防止対策支援事業」です。第三次産業も非常に災害の発生が多いです。こちらは目標を達成できないものについては廃止、目標を達成できたものにおいても、講習会をより実践的なものにすることや、経営トップを招いたトップセミナーを開催するなど、スクラップと充実を図り積算の増となっております。 66-1 は「労働時間等の設定改善の促進等を通じた仕事と生活の調和の推進」として、先ほど省令改正で説明いたしましたインターバルの助成の分の増になっております。後ほど別途説明をいたします。
B 評価であって、減額要求を行っているものが 6 事業あります。 4 ページから記載しております。 26-4 は「職業病予防対策の推進」です。こちらは東電福一の原発の関係です。この中の医療スタッフなどの充実に対する支援経費でした。こちらは「平成 28 年度限り」ということで、平成 29 年度は要求はしないとなっております。 40 は「働きやすい職場環境形成事業」で、これはパワハラの予防・解決に関するものです。事業の中でやっておりますポータルサイトのアクセス件数など不調なところがありますので、周知の在り方や見直しを書かせていただき、事業内容を見直すということで、積算による減です。 41 は「建設業等における労働災害防止対策費」です。建設業は一度災害が起こりますと、墜落・転落、場合によっては死亡災害に通じるような大きい災害になります。やはり、充実した災害防止をやらなければいけないと考えております。こちらも、成果目標を達成できないものについては廃止をし、新たに必要なところについては充実させていただこうと考えております。こちらも後ほど詳しくは説明いたしますが、右の金額の所を見ていただきますと、当初予算と補正による増と、平成 29 年度を比べますと、当初予算から比べると増、補正後から比べると減という記載です。こちらも、後ほど詳しく説明いたします。
42 は「荷役作業における労働災害防止対策経費」です。こちらも災害が多く、必要な講習等を行っていきたいと思っており、その積算による減です。 49 は「未熟練労働者に対する安全衛生教育の推進のための経費」です。未熟練である日本人若しくは技能実習生ではなく、一般の外国人の方について、母国語のマニュアルをきちんと周知できるように、翻訳に要する経費を積んでおります。 66-2 は「労働時間等の設定改善」で、テレワークの経費です。こちらは、事業の中身を見直して、実態に合うようにということで、積算による減です。 5 ページ以降には目標が達成できた A の事業がありますが、説明は割愛いたします。
論点を 1 つ進めます。論点 3 は「平成 29 年度の新規事業等」についてです。先ほどの説明の中で、後ほど説明いたしますと言ったものが、この中に含まれております。資料 2-5 です。こちらは「平成 29 年度社会復帰促進等事業における新規事業等」という見出しを付けております。これは平成 28 年度に補正予算を組ませていただき、平成 28 年度の補正から引き続き、平成 29 年度に事業を行っているという意味で捉えていただければと思っております。
1 つ目は「熊本労災特別介護施設の特別修繕」です。これは熊本の地震でケアプラザ宇土の壁などが少し壊れております。それに対する修繕費を平成 28 年の補正で組ませていただき、引き続き修繕については平成 29 年も行わせていただきたいということです。 2 ページに、ポンチ絵で被害状況を記載しており、こちらで壁やスロープの被害を修繕させてくださいというようなことです。
新規事業の 2 つ目は「熊本地震に係る復旧工事安全衛生確保支援事業」です。これは、先ほど建設業の安全対策の所で補正を組ませていただいた話をいたしましたが、そちらです。資料 2-5 の 3 ページから記載しております。事業概要の 1 として、安全衛生専門家による巡回指導。 2 として、安全衛生専門家による新規参入労働者、管理監督者等に対する安全衛生教育の支援です。 3 として、熊本と大分にプラットホームを開設して、現場に即した安全衛生対策ができるようにと考えております。こちらも、 4 ページで説明しております。今申し上げましたプラットホームは2の「施策の概要」の i) から iii) の所です。 i) から iii) の対策を円滑に実施するための拠点の開設ということで、密着した形で安全衛生対策を行っていきたいと考えております。
新規の 3 つ目は「長時間労働の是正に向けた勤務間インターバルを導入する企業への支援」です。これは、先ほどの議題 1 でも省令改正として説明いたしましたインターバルの助成の関係です。資料は 6 ページに横長の表が付いており、先ほどの省令に対して予算措置をしております。表の真ん中の「平成 28 年度第二次補正予算」を御覧いただきますと、助成そのものは平成 29 年度からなのですが、その前の平成 28 年度の予算でそういったような助成金が出ます、ということを含めた周知活動を行うこととしております。一番下の枠が助成金そのものの枠で、平成 29 年度からで、説明は先ほどと同様です。以上が、資料 2-1 から 2-5 までの説明でした。
○岩村部会長 ただいま、資料 2 関係について、事務局のほうから説明を頂いたところですが、これについて御意見あるいは御質問がありましたら、お出しいただきたいと思います。
○諏訪委員 社会復帰促進事業の点について、技能実習生に関するところで、質問をさせていただきます。災害はなくさなくてはいけないという中で、このような技能実習生の新規に入られた方の起こされる災害と、例えば私ども日本人が起こす災害との傾向めいたもの、例えば事故の型別であるとか、そういった点で、特に特徴的な傾向があるのかどうか。あれば当然、そういうところの対策を重点的に立てるということになるのですが、何か分析等をされているようであれば、お知らせください。
○岩村部会長 では、御質問ですので、担当の事務局のほうでお願いいたします。
○事務局 海外協力課です。今、諏訪委員の御指摘の外国人技能実習生の労働災害の発生状況ですが、 2015 年度の外国人技能実習生 1 号、「入国して 1 年」という中での労働災害発生状況ですが、 1 年間で把握した通勤災害を除く、急病 4 日未満も含む労働災害ですが、 715 件あります。
今、手元に、日本人の労働災害のデータと分析するような形で持ち合わせてはいないのですが、大きな傾向といたしましては、例えば業種別で見ますと、金属製品、食糧品製造、建設業、この 3 つの業種が労働災害が多い上位 3 つになっているということなど、また事故の型別に見ますと、飛来・落下、挟まれ・巻き込まれ、切れ・擦れ、この 3 つが上位に型別として挙がっているというようなことがありました。日本人、技能実習生にかかわらず、大まかに言うと、労働災害の傾向としては、ある程度似たものがあるのではないかと考えております。労働災害の分析結果を踏まえて、この事業例をしっかりと効率・効果的な巡回指導を専門的なアドバイザーにしっかり行っていただいて、効果を挙げていく必要性があると考えております。
○岩村部会長 諏訪委員、いかがでしょうか。
○諏訪委員 是非、今の 3 業種の名前が挙がっていますので、そういう業種の段階でも情報提供も積極的にやっていただければと思います。よろしくお願いします。
○事務局 しっかりと対応したいと思っております。よろしくお願いいたします。
○立川委員 私からは、職場における受動喫煙対策事業についてお伺いしたいと思っております。参考資料 2-3 で出てきております「社会復帰促進等事業に係る平成 27 年度成果目標の実績評価及び平成 28 年度成果目標」についてという中の 93 ページに、今後のといいますか、「平成 29 年度要求に向けた事業の方向性」という欄がありまして、そこには平成 27 年 6 月に施行された労働安全衛生法の一部を改正する内容や、平成 28 年度に実施された「受動喫煙対策助成金の今後の在り方に関する検討会」での検討内容を踏まえて、事業を実施するということが記載されているところです。
ところが事業につきましては、先ほど御説明がありましたように、資料 2-4 で、「平成 27 年度評価の平成 29 年度概算要求への反映状況」ということで、 2 ページにおきまして、「 B 評価の事業で、増額をするもの」という扱いがされている。その中では、平成 28 年度 9 億 8,100 万円から、平成 29 年度 10 億 3,200 万円、約 5,100 万円の増額となってきているということで、今、資料が出てきているところです。
労働側からは、この「受動喫煙防止対策助成金の今後の在り方に関する検討会」には出席しておりません。確か平成 28 年度には 4 回開催されて取りまとめが行われたとお伺いしているところですがその内容が平成 29 年度の増額要求にどのように反映されたのか。先ほどのお話ですと、件数の増加ということでお話がされたわけですが、実際に 4 回の検討会がなされて、その内容がどのように反映されたのか、運用のほうにはどう反映されたのかというようなことをお伺いしたいと思っているところです。よろしくお願いいたします。
○労災管理課課長補佐 ( 企画 ) すみません、少しお時間頂ければと思います。
○岩村部会長 わかりました。その間、議事のほうは進めたいと思いますけれども、ほかにいかがでしょうか。
○秋田委員 「社会復帰事業」の B 評価で、減額要求を行っているものの中に、 42 番で「荷役作業における労働災害防止対策経費」というのがあって、これは減額要求になっているのですが、荷役作業における労働災害の死傷者数については、昨年度は増えたのですか、減ったのですか。教えていただけませんでしょうか。
○事務局 すみません、手元の資料を精査して、改めてお答えしたいと思います。
○岩村部会長 では、急いでやっていただきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。では、田久委員、その後浜田委員ということでお願いします。
○田久委員 先ほどの技能実習生の関係で 3 つ挙げられた部分で、きっちり行っていくという報告を頂いた部分もあるのですが、特に建設に関しますと、現場ごとに、進行ごとに危険度というものは変わってくるという特殊な所でもあります。そういった所で働く技能実習生に対しての、現場での経費も含めた対策をきっちり考えていただければなと思います。
ここにあるように、翻訳も含めて、マニュアルを作ってということもありますが、現場でもそういった表示を含めてきちっと検討していただきたい。それで少しでも労働災害が減ればいいと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
○岩村部会長 担当課のほう、いかがでしょうか。
○事務局 海外協力課です。委員御指摘のこと、とても建設業のそれぞれの現場における労働災害防止対策として重要なところです。現事業で、「マニュアルの活用だけでなく」という委員の御指摘ではありましたが、私どもは、技能実習生が建設作業を安全に行う第一歩というマニュアルを、インドネシア語、ベトナム語、タイ語、フィリピン語、 4 つの言語に翻訳し、その中でまず、日本人作業員もいる現場ですので、日本語で書かれた、それぞれの「立入禁止」などの標識が、どのような危険の意味を表しているのかということを解説したマニュアルにしております。それを巡回指導などの際にも周知徹底させております。少しでも労働災害防止に役立てていただくような活用を行っているところです。先ほど委員におっしゃっていただいたお知恵も拝借しながら、今後の対策を考えていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○田久委員 是非お願いいたします。
○岩村部会長 それでは、浜田委員、お願いします。
○浜田委員 私からは、資料 2-4 の B 評価の事業で減額要求になったもので、 4 ページの 66-2 の事業、テレワークの普及促進等対策についてに質問させていただきたいと思います。この事業は減額になっておりますが、見直し内容について、 2 点ほど質問があるのですが、まず 1 点目に「支給要件の見直し」とありますが、もう少し具体的にはどのような見直しがされるのかをお聞かせいただければと思います。
2 点目に、その続きで、「新たに部分在宅勤務やモバイル勤務等を実施する際にも支給」と書いてありますが、それぞれの具体的な定義について、例えば「部分在宅勤務」とはどういうものだとか、「モバイル勤務」はどういうものだという定義がありましたら、教えていただきたいです。
これに加えてになってしまいますけれども、この新たな類型については、隣の「事業概要」にあります「 2020 年には、テレワーク導入企業を 2012 年度比で 3 倍」と政府が掲げる目標の 3 倍の内数としてカウントされるのかどうかを教えていただければと思っております。
○岩村部会長 では、事務局のほうでお願いします。
○事務局 勤労者生活課です。支給要件の勘案につきましては、今、在宅勤務、サテライト勤務のみ対象としているところですが、委員の言われた「部分在宅勤務」「モバイルワーク」、そういったものについても支給対象にするということで、要件の緩和を考えているところです。また、テレワークの定義の話ですけれども、「部分在宅勤務」というのは、午前中に在宅勤務をしまして、午後は会社で働くという形態を一般的に指しております。
それから「モバイル勤務」というのは、一般的な営業職の方がパソコンを持ち歩いて、新幹線に乗っている最中に作業をしたり、空港の待合室で作業するといったものが「モバイル勤務」と一般的に呼ばれておりますので、そういったことを基として定義していきたいと思っております。
それから KPI 指標の関係で政府目標ですけれども、今はテレワーカー人口は 2.7 %なのですが、その中には「モバイル勤務」とか「サテライト勤務」というのは含まれません。 1 週間のうち終日 1 日以上在宅勤務をしているという人を捉えて、国交省調査を実施しています。以上です。
○岩村部会長 浜田委員、いかがでしょうか。
○浜田委員 今のカウントに関するところでは、今から見直しされる分はカウントしていかないということですか。
○事務局 KPI 指標につきましては、厚生労働省として決めているものではありませんので、カウントするかどうかは政府全体の考え方によります。取りまとめは内閣官房のほうでやっております。ただ、私どもとしては、テレワークを幅広く普及しなければいけないということで、助成金の対象に、サテライトオフィスの勤務も含めています。実際には、助成金の普及率が非常に低いので、助成金を活用してテレワークを導入していただきたいため、支給要件の見直しを行っています。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。
○浜田委員 ありがとうございます。もう 1 つ意見になりますが、「事業概要」に記載がされておりますけれども、適正な労働条件下でのテレワークであることを守らなければならないと思っておりますので、この点については制度導入に対する支援のみならず、是非、制度の適切な運用に対するチェックやフォローも必要と考えます。最後に、お願いというか意見になりますが、よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ほかにはいかがでしょうか。
○桐明委員 先ほど技能実習の話がありまして、今国会で新たに拡充の話は通っているのですが、その中で教えていただきたいのがあります。新たな機関を作るという話になっているのですが、それがいつ頃できるのか、それはどこの省の中に置くのか。例えば内閣府に置くのか、いろいろなものが絡んでおりまして、厚生労働省、それから法制局、法務省、農水省だとか経産省、みんな絡んでいます。それが別々にやっているというのが実態でありまして、私どもも当然ですけれども、かなり人間を入れているのです。ですから、事故だけは起こさないようにと、今、一生懸命やっています。
先ほど言った機関がきちんと真ん中にいて、横断的にコントロールしてくれたらいいのですが、省庁、それぞれバラバラにやると屋上屋を連ねたり、なかなか効果を得られないというのは結構ありますので、その辺を厚生労働省としても、新しい機関を作るときには意見を言ってうまくいくように、十分に御努力いただきたい。それが 1 点です。
それと、私どもは業界団体ですので、会員の方々に対してはかなり徹底できるのですが、アウトサイダーがいるのです。そういうものについては厚生労働省さんの中の地方の部隊でちょっとやっていただかなければいけないという気はしております。それは中小のところでですが、それは下請の所が入れておいて、例えば大手のほうに仕事に出すといったときに、受入れ側がきちんとしていないと、なかなか徹底できない。私どもはある程度、下請のところまで手を入れて安全教育はしているのですが、それを潜った所がまだいるのです。ですから、そういう所にスポットを当てて、大手はいいけれども、そうではない所にきめ細かいサポートが要るのかなというのが 2 つ目です。
それからもう 1 点ですが、今度は受入れ機関もいい加減な者がいまして、連れて来たのはいいけれども、ちゃんと面倒を見ない。これは今度認可制になるので、変なことをやったら取消しとか、そういうのも含めて厳格に運用しないと、これはいろいろな国からまいりますので、いろいろな災害が後を絶たないと思っています。私どもも、建設業もそうですが、本当に心配しているので、よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 それでは、後半の 2 点は多分、御意見ということだと思いますが、最初のほうに御質問がありましたし、もし御意見についてコメントがあればお願いしたいと思います。
○事務局 海外協力課です。まず 1 点目の御指摘です。今週の月曜日、 11 月 28 日に技能実習法が公布されたところです。現行の技能実習の適正化を図っていくという観点から、改正法におきましては、その 1 つとして、新たに「外国人技能実習機構」という民間法人を創設しました。管理団体等に報告を求め、実地に検査する等の業務を実施することとしております。その中でしっかりと技能実習制度の適正化が図られていくように、この実地検査などを通じて確認していく必要があると思います。
2 点目と 3 点目の一部ではあるのですが、こうした実地に検査する中で、これに随行するような形で専門家による安全衛生の確認というものもしっかり行っていこうと考えているところです。この機構の説明については、これからということですので、その方向で、今、検討しているところです。
○岩村部会長 桐明委員、いかがでしょうか。
○桐明委員 それで、機構ができることになります。では、いつ立ち上がるのだという話になると、まあ 6 月頃とか言っているのですけれども、旗振りがいないと、またそれが延びてしまうのです。その間の空白期間をどうするのだという話があるので、できるだけ速やかにやっていただきたいと思っています。よろしくお願いします。
○岩村部会長 ありがとうございました。それでは、先ほど立川委員の御質問に対して、担当課が来られたようです。
○事務局 安全衛生部環境改善室です。お願いいたします。「受動喫煙防止対策」の予算につきまして、本年 5 月から 4 回にかけて、「受動喫煙防止対策の助成金の在り方」について、検討会を実施してきました。その結果、飲食店や宿泊業につきまして、全体に比べて単価が高めに出ているという結果が出ましたので、これを踏まえて単価の見直しをしていくということで、平成 29 年の予算に反映させることにしております。報告書は今、取りまとめ中ですので、年内には公表する予定としております。
○岩村部会長 立川委員、いかがでしょうか。
○立川委員 飲食店の何ですか。はっきり聞き取れなかったのですが。
○事務局 飲食店の喫煙室の設置費用につきまして、面積当たりの単価がほかの産業に比べて若干高めであったということでしたので、こちらを適正化ということで、単価を若干下げて、平成 29 年度には要求していきたいということです。
○岩村部会長 要するに喫煙室を作るに当たっての費用を助成する形にしていて、しかしその助成を計算する際の単価が高めに出ていたのを適正化を図ったと。したがって、それが要求額に反映したということですね。
○事務局 はい、左様です。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。
○立川委員 その部分については分かりました。ただ、点数の増というのは、どのぐらいを見積もっておられるのか。それから関連するのかどうか分かりませんが、今回の資料 2-4 の中で、「平成 27 年度助成金の審査の厳格化等の理由により利用実績が伸び悩んだ」とあるわけですが、これは今、言われたことの部分が関係しているのか。それともほかの部分も関係しているのか。
これは逆の読み方をしますと、本来、決まっている基準について、それを厳格に実施したから、利用実績が下がりましたと。ですから、今後は少し緩くしましょうかという読み方もできるのか。変な読み方をするとそういうことになります。
増やしていただくことは構わないのですが、本来、基準というものをどう考えられているのか、その辺が不明確になってきているのかなと、その辺がこの検討会の中ではどう検討されたのか、運用面での検討もされているとのことなので、そういう意味ではどうなのでしょうか。お伺いしておきたいと思います。
○岩村部会長 それでは、担当課のほう、いかがでしょうか。
○事務局 件数の増加につきましては、審査の厳格化というよりも、オリンピック・パラリンピックに向けて、受動喫煙の防止の体制を強化していくという方針に沿って、今後、助成金の需要が高まってくるであろうということで、増加したものですので、審査の厳格化とはまた別の尺度での増加を見込んでいるものです。
一方、今回の単価の適正化につきましては、昨年行った審査の厳格化の一環として、金額のほうについても一定の目安のようなものを示して、より適正な金額の助成が出せるようにしたいということです。
○岩村部会長 いかがでしょうか、立川委員。
○立川委員 何か本来お伺いしたい意味合いと違うのかなというお答えという気がしておりますが、「審査の厳格化」というのは、私の考えになるかもしれませんが、ある基準があって、それに従って審査したということは、その基準をしっかり守るという厳格化と、我々は理解するのですが、そうすると、厳格に運用したがゆえに利用実績が減少したというか、伸び悩んだというのは、その基準が問題なのか、そういう検討はされたのですかということをお伺いしたい。
○事務局 助成金につきましては、各都道府県労働局で審査しているものですが、それぞれの労働局でノウハウがまだ十分に集積されていないということもあり、凹凸があったところを適正化を図っていったということです。その基準に関しては、これが厳し過ぎるから、助成金がなかなか受けられないのではないかという御指摘は、検討会の中では頂いておりません。
○岩村部会長 ですから、基準そのものについては、検討会を 4 回やったけれども、そこが不適切であるとか、厳し過ぎる、あるいは緩過ぎるといった御指摘はなく、ただ他方で地方によって審査のバラツキがあるので、その適正化を図るべきだということに、最終的になったという理解でよろしいでしょうか。
○事務局 あとは適正な金額の目安というものを今回示すということで、それで適正化を図るということです。
○岩村部会長 ということだそうですが、立川委員、いかがでしょうか。
○立川委員 何か繰り返しになりそうなので、この辺で控えますけれども、報告の文面としては余り適正な文面ではないのかなという感覚を持ちました。これは意見として聞いていただければ結構です。
○岩村部会長 ありがとうございました。後で恐縮ですが、個別に立川委員にきちんと御説明いただくようにお願いいたします。それでは、ほかにいかがでしょうか。
○永峰委員 1 点だけ、資料 2-4 の 2 ページ目の 57 番です。「産業医学振興経費」について、お伺いしたいのです。過労死対策として、産業医を育成し、そして産業医学の水準向上というのは分かりますが、ここにある産業医科大学は薬品保管に問題があって、謝罪会見を行ったりしている大学ですよね。この大学への助成というのは続けていって大丈夫なものなのでしょうか。
○岩村部会長 では、担当課のほうでお願いします。
○事務局 安全衛生部計画課です。よろしくお願いします。今、御指摘がありました件については 10 月 20 日、それから 11 月 20 日に起きた事件だと認識しております。この補助金ですが、これは産業医科大学への運営費への補助ということで、今回、事件が発生したのは大学病院ということです。病院に対する補助金は、現在は交付しておりません。あくまでも大学の運営費ということです。
大学病院につきましては、産業医科大学の場合は、産業医養成の教育と研究の機関という一面も当然ありますので、私どもとしては産業医の育成ということに、支障を来さないようにと、産業医科大学に対しては今後とも求めていきたいと思います。そこに支障がないように、きちんと大学の運営を適正に行うようにということで、求めていきたいと考えております。
○岩村部会長 永峰委員、いかがでしょうか。
○永峰委員 もちろん大学と病院を区別し、病院への助成ではないという点は理解しております。ただ、助成については常に厳しい目で判断していただく必要があります。そうでないえと、あの大学から育った、あの病院は、また問題があるのではないかということにならないように気を付けていただきたいと思います。
○岩村部会長 ありがとうございます。
○田久委員 「熊本地震に関わる復興工事の安全衛生の確保」という点で、安全衛生の専門家は巡回指導を含めてあるということで、これはこれで進めていただければと思います。是非、今後は解体が増えるということでありますと、アスベストの問題がやはり重要になってくるかなということでは、ここには、「危険な作業で行われている場合に助言」とありますので、是非、アスベスト問題も含めて、そういった専門知識の方を導入もしながら、進めていただきたいと思います。働く人だけではなくて、住民の問題にも関わってくると思いますので、是非、要望としてお願いしたいと思います。
○岩村部会長 ありがとうございます。先ほど荷役の質問がありましたが、お願いいたします。
○事務局 安全衛生部安全課です。先ほどは大変失礼いたしました。陸上貨物運送事業における休業4日以上の労働災害の発生状況、につきましては、 1 年間に約 1 万 4,000 人の方が大体被災されております。そのうち荷役作業時における墜落・転落と考えられるものにつきましては約 4,000 人となっております。 1 年間で発生しております。直近の 3 年間の推移を見てみますと、災害全体でおおよそ横這いであり、平成 27 年は 1 万 3,885 人と、 1 万 4,000 人を切りました。そのうち荷役作業時における墜落・転落と考えられるものが 3,979 人となっております。前年が 4,072 人であり、おおよそ 4,000 人のところで増減を繰り返しているという状況です。
これを 10 月末現在の速報値で見てみますと、陸上貨物運送事業全体では、 10 か月間ですので、先ほど御説明した約 1 万 4,000 人よりは若干小さな数字になりますが、平成 27 年は 1 万 457 人であり、それが平成 28 年は 1 万 342 人と、 100 人ほど減っております。そのうち荷役作業時における墜落・転落と考えられる災害につきましては、平成 27 年が 3,043 人であり、平成 28 年が 2,954 人となっております。
このように、荷役作業時における墜落・転落と考えられる災害は、年間約 4,000 人で推移しており、今年の 10 月末現在の速報値では若干減少しましたが、大幅な減少みられない状況であり、この事業につきましては、引き続き進めさせていただければと考えております。以上です。
○岩村部会長 これは秋田委員の御質問だと思いますが。
○秋田委員 そうすると、若干の効果が研修であったのかもしれないという推測も成り立つのですが、効果があったとすれば、減額をするということではなくて、まだまだ相当数の死傷者数がいますので、より充実させるという方向が望ましいのではないかと思います。でも、後ろのほうの詳細な資料を見ますと、減額にはなっているけれども、実際には実効性の上がるような使い方をするということなので、それでもいいのかなと思います。いずれにしてもまだまだ道半ばということなので、引き続き、より拡充するような気持ちで御検討いただければと思います。
○岩村部会長 事務方のほうで、よろしくお願いいたします。
○事務局 御指摘を踏まえ、しっかりとやりたいと思います。
○岩村部会長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、大体御意見は出たようですので、本件についてはここまでとさせていただきたいと思います。
事務局におかれましては、今日の議論を踏まえて、各課題について適切に御対応をいただければと思います。それでは、今日の部会はここまでとさせていただきたいと思います。
○審議官 ( 労災、賃金担当 ) 労災担当審議官の藤澤です。今日の会議につきましては、担当者がいないなど、問題があり、委員の皆様におわび申し上げます。今後こういうことのないように十分気を付けていきたいと思います。
○岩村部会長 どうぞ、運営のほうはよろしくお願いいたします。それでは、最後にいつものことではありますが、本日の議事録の署名委員についてです。労働者代表につきましては立川委員に、使用者代表については長尾委員にそれぞれお願いを申し上げます。
それでは、これで終了とさせていただきます。今日はお忙しい中、皆様、ありがとうございました。
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(労働条件分科会労災保険部会)> 第65回労災保険部会議事録(2016年12月2日)