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2017年3月1日 第3回全国在宅医療会議ワーキンググループ

医政局

○日時

平成29年3月1日(水)10:00~12:00


○場所

全国都市会館 第2会議室


○議事

 

○桑木室長補佐 定刻より少し早いですが、皆様お揃いのようですので、ただいまより第3回「全国在宅医療会議ワーキンググループ」を開催いたします。

 皆様、お忙しい中、御参集いただきまして、ありがとうございます。

 初めに、構成員の出欠状況について。本日は全ての構成員の方に出席いただいております。

 また、本日は、日本慢性期医療協会副会長であり、福井県医師会副会長でもある池端幸彦氏を参考人としてお呼びしております。

 私どもの医政局神田につきましては遅れて、また、椎葉につきましては別の公務のために欠席となります。

 議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1~2、参考資料1~6までお配りしております。なお、座席表につきましては、一部記載に誤りがございますが、今、御着席のままでよろしくお願いいたします。失礼いたしました。

 資料等に不足がございましたらお知らせください。

 もし報道の方でカメラ撮り等をされている方がおられましたら、ここまででよろしくお願いいたします。

 それでは、以降の議事の進行は新田座長のほうにお願いいたします。

○新田座長 皆様、おはようございます。

 それでは、議事に入りたいと思います。本日は取りまとめの議論ということで、時間が不足しないように区切りを設けて議論を行っていきたいと思っております。

 まず最初に、資料1「重点分野」の1ポツと2ポツについて、前回からの修正部分の議論を行いたいと思います。

 事務局から資料1の2ポツまでの説明をよろしくお願いいたします。

○伯野在宅医療推進室長 それでは、資料1をごらんいただければと思います。前回の御意見を踏まえまして修正いたしましたので、主な修正部分について説明をさせていただきます。

 まず、1ページ目の2の関係者の役割についてですが、前回は「学会」から始まって、「国民」で終わっておりましたが、逆にしたほうがいいという御意見と、学会と研究機関というのはまとめて「学術団体」としたほうがいいという御意見がございましたので、そういった御意見を踏まえまして、今回「(1)国民の役割」「(2)行政の役割」「(3)関係団体の役割」「(4)学術団体の役割」というふうに順番等を整理しております。それに伴いまして、1の重点分野につきましても、2つの重点分野(1)と(2)の順番も逆にしております。

 次に、2の「(1)の国民の役割」についてですが、これは山口構成員から「国民は、居住する地域における在宅医療の現状を知る必要がある」ということを記載したほうがいいという御指摘を踏まえて修正しております。

 次に、2ページ目「(3)関係団体の役割」でございますが、「教育、研修の充実を図る」という文言あるいは「データ集積に協力する」といったフレーズが、一方的にやらされている感があるということでございましたので、「症例等のデータ集積が容易となるような環境整備に努めていくことが求められる」と修正したのと、あとは教育、研修の充実については「行政と共に」という文言を追記しております。

 次に、「(4)学術団体の役割」の2パラ目でございますが、在宅医療の手法の標準化について、関係団体とともに行っていくということを追記しております。

 また、学術団体の最後のパラグラフでございますが、「プラットフォームの構築」という文言がございましたが、それがわかりづらいということでしたので、「研究成果を集約するデータベースや、幅広い関係者に対し情報を発信できるようなホームページなど、エビデンスの蓄積に資する具体的な土台を構築していく」と、具体例を提示した形で修正をしております。

 主な修正事項は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○新田座長 ありがとうございました。

 前回のこの会議の議論を経て修正案が出てきておりますが、いかがでしょうか。皆様の多くの議論が反映されていると思いますので、御意見をお願いいたします。どうぞ。

○辻構成員 重点分野の3行目です。この文章自身は、私は了解しておりますので。

 「在宅医療の長所や短所」の「短所」というのは、私の理解では、例えば在宅について、介護体制がなければ在宅医療をやろうとしてもできませんし、在宅医療といっても、手放しにそういう体制なくしてできるものではないというような意味と理解してよろしいのでしょうか。そこのところだけ。

○新田座長 そのとおりではございますが、事務局、よろしくお願いします。

○伯野在宅医療推進室長 そういう趣旨で「短所」という記載をしております。

○辻構成員 「在宅医療の短所」と言ったら、在宅医療自身に短所があるというような理解だと、それは短絡的かなと思ったので。そういう趣旨ですね。

○伯野在宅医療推進室長 はい。

○辻構成員 それだけちょっと確認。

○新田座長 どうぞ。

○鈴木構成員 今のような意味もありますし、在宅医療が例えば入院医療に比べてすぐれているとは必ずしも言えない場合もあります。その意味で、もう少し全体的な中での在宅医療を位置づける必要があるという議論をいたしました。

○新田座長 どうぞ。

○辻構成員 ですから、それぞれにふさわしい機能があるという理解であるのですが、そしたら入院医療にも短所があるのかということになりますね。ですから、そこは少ししてもいいかもしれない。

○鈴木構成員 いや、私はこのままでいいと思います。

○辻構成員 文章はいいですけれども、いずれにしろ、私自身はそれぞれにふさわしい医療があって、お互いに相排斥し合うものでないということはもう明らかでございますが、「短所」という言葉がちょっと気になったなという程度でございます。その点、確認いただければ。

○新田座長 ありがとうございます。

 「在宅医療の短所」というよりは、在宅医療は、鈴木委員の言われるような例えば家族の負担ということを含めているというふうに理解しておりますが。

○辻構成員 そんな深い意味ではありません。

○新田座長 ありがとうございます。

 そのほか御意見ありますでしょうか。

 もしなければ、今日の意見とを踏まえながら、可能な限り事務局で修正したいと思いますが、最後の表現等の基本等に関しては、皆様に相談もいたしますが、それを踏まえて座長の私に任せていただいてよろしいでしょうか。

(首肯する委員あり)

○新田座長 もしなければ、よろしくお願い申しいたします。

 今のところの「長所、短所」等の問題も含めて、微妙な言葉でございますので、皆様の御意見を踏まえながら考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、続いて議論を行います。3ポツについて、各団体の取り組みを登録していただいておりますので、資料に掲載されている順に説明いただきたいと思っております。なお、関連で参考資料を提出されている構成員はまとめて説明をお願いいたします。ただし、時間に限りがありますので、簡潔にお願いしたいと思います。

 それでは、資料1の3ポツについて。1枚目の日本医師会、鈴木先生、よろしくお願いいたします。

○鈴木構成員 それでは、日本医師会の取り組みについてお話をさせていただきます。

 まず、(1)在宅医療に関する医療連携、普及啓発モデルの蓄積でございますが、現に実施している取り組みとして、日医かかりつけ医機能研修制度を通じたかかりつけ医による在宅医療の充実を行っております。これは具体的には、診療科を問わず地域住民のかかりつけ医となる全ての医師を対象とした「日医かかりつけ医機能研修制度」を昨年4月1日から開始いたしておりまして、これによって、在宅医療に関する座学講義の実施及び実践を促すことにより、かかりつけ医による在宅医療の普及を図っております。この研修は、平成28年度8,000名以上の医師が研修を開始しております。

 次に、日本医師会在宅医療連絡協議会を通じたオールジャパンでの在宅医療の推進体制の構築です。これは日本医師会が中心となって我が国の在宅医療の方向性を示すべく、平成23年度に在宅医療に関する先進的な取り組みを行う全国の医療関係団体及び医師を構成員とした本協議会を設置いたしまして、在宅医療提供体制のあり方の検討を行うとともに、診療報酬上の要件となっている「地域包括診療加算・地域包括診療料に係るかかりつけ医研修会」を初めとする在宅医療に関する研修を企画段階から検討し、実施しております。

 次に、郡市区医師会と市区町村行政を車の両輪とした在宅医療推進体制の構築の支援でございます。これは都道府県医師会及び郡市区医師会に対する在宅医療推進に向けた協力依頼や、都道府県医師会担当理事連絡協議会、実は今日の午後も開催いたしますが、医師会役員・医療職・市民等を対象とした全国での講演会等において、郡市区医師会と市区町村行政との協働によって在宅医療の普及が進むように先進事例の周知等を行うことにより、郡市区医師会と市区町村行政を車の両輪とした在宅医療の推進体制の構築や在宅医療・介護連携に関する取り組みを支援しております。

 次に、今後実施する予定の取り組みでございますが、まず、三師会及び日本看護協会を中心とした多職種連携の推進があります。これは日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会を中心とした協議を通じて、各職能の調整を行い、在宅医療に関する多職種連携の推進を図ります。

 次に、かかりつけ医の在宅医療と郡市区医師会による地域包括ケアシステムの構築を推進するための研修でございます。かかりつけ医がリーダーとなって、郡市区医師会が地域包括ケアを構築するために必要な在宅医療及び医療介護連携、多職種連携、さらには地域支援事業などを推進するための研修を、日本医師会が中心となり、日本在宅ケアアライアンス、日本プライマリ・ケア連合学会、日本臨床内科医会などをパートナーとして実施いたします。

 裏でございます。(2)在宅医療に関するエビデンスの蓄積でございますが、現に実施している取り組みとしては、日本医師会のシンクタンクである日医総研を活用した在宅医療に関するエビデンスの蓄積でございます。日医総研が主体となって実施する会員医師及び医療機関に対する在宅医療やかかりつけ医機能に関する調査を通じ、現場の実態調査や課題調査を行います。これは現在もたくさんの論文、報告書が出ております。

 次に、今後実施する予定の取り組みでございますが、日医総研を活用した、文章では「在宅医療」となっているかもしれませんが、地域包括ケアシステムでございます。地域包括ケアシステムに関するエビデンスの蓄積です。在宅医療は地域包括ケアシステムの一部でございますので、在宅医療だけを切り出すのではなくて、全体のエビデンスの蓄積も必要だと考えております。これも日医総研が主体となって実施する会員医師及び医療機関に対する地域包括ケアシステムの構築に関する調査を通じ、現場の実態把握や課題抽出を行うということでございますが、これらの在宅に関するエビデンスの蓄積に関しては、日本医師会を中心として、日本在宅ケアアライアンス、日本プライマリ・ケア連合学会、日本臨床内科医会などをパートナーとして行っていく予定としております。

 以上です。

○新田座長 ありがとうございました。短い時間で簡潔に要領よく御説明いただき、ありがとうございました。

 それでは、西澤構成員からお願いいたしたいと思います。なお、西澤構成員には全日本病院協会プラス今日取り組みも含めてでございますから、あわせて説明をよろしくお願いいたします。

○西澤構成員 それでは、非常に短い時間ですので、簡潔に説明させていただきます。

 まず、資料1の全日本病院協会のところをお開きください。私たちの協会として行っていることでございますが、在宅に関する医療連携、普及啓発モデルの蓄積ということに関しまして、現在やっている研修会は、高齢者医療研修会あるいは病院医療ソーシャルワーカー研修会、病院職員のための認知症研修会等々やっております。内容につきましては、時間がございませんので、後でお読みください。

 特に重要なのは看護師特定行為研修の推進ということで、現在厚労省から委託を受けまして、看護師特定行為研修指導者講習会あるいはeラーニング研修等々をやっております。看護師の特定行為というのは、これから地域に密着した病院あるいは訪問看護等々で特に重要な新たな役割だと思っていますので、これに積極的に私どもは取り組んでいるということを申し上げたいと思います。今後は今やっている研修会をさらに充実していきたいと考えております。

 次のページ、(2)在宅医療に関するエビデンス。今までやってきた在宅に関係したいろんな研究をここに書かせていただきました。○がついているのがそれぞれですが、上から言いますと、「胃瘻造設高齢者の実態把握及び介護施設・在宅における管理等のあり方の調査」又、「医療機関と連携した在宅療養支援における情報提供・情報共有の実態調査」「BPSDの増悪による精神科病院への入院を要する認知症患者の状態像の分類モデル及び退院後の在宅療養支援に関する調査」「諸外国における認知症治療の場としての病院と在宅認知症施策に関する国際比較」「サービス付き高齢者向け住宅における介護・医療ニーズへの対応能力に対する評価手法に関する調査研究」。このような在宅に関係する研究を当協会でやっております。

 今後も引き続き厚労省の科研事業、補助事業等々でこのようにやっていきたいと思います。それによりまして、在宅医療に関するデータの集積、さらにはエビデンスというものを蓄積していければと思っております。

 参考資料に移らせていただきます。参考資料2をごらんください。ここでは実際病院団体としてのことでありますが、会員病院あるいは会員法人が在宅医療にどのように取り組んでいるかということを紹介したいと思います。

 まず始め、日本医師会と四病協でこのような提言をしております。「2.1.かかりつけ医の定義」とあります。「『かかりつけ医』は、以下の定義を理解し、『かかりつけ医機能』の向上に努めている医師であり、病院の医師か、診療所の医師か、あるいはどの診療科かを問うものではない。そして、かかりつけ医は、患者のもっとも身近で頼りになる医師として、自ら積極的にその機能を果たしていく」。これは日本医師会と病院団体が合意したことでございます。

 「かかりつけ医」の定義は、そこに赤字で「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知し」云々と書いてあります。これがかかりつけ医の定義で、診療所の医師、特に中小病院の医師がこれに当たると考えております。

 次のページ「かかりつけ医機能」と書いてあります。時間がないので赤いところだけ説明しますが、「地域の高齢者が少しでも長く地域で生活できるよう在宅医療を推進する」というのがかかりつけ医機能の一つだと考えております。

 「かかりつけ医と在宅医療」をその次に書いてございますが、「在宅医療の中心的役割を担う『かかりつけ医』の重要性はますます高まる。今後は『かかりつけ医』がより主体的に在宅医療に取り組んでいく必要がある」ということです。そういったことを踏まえまして、間のところに「希望する患者」云々とありますが、かかりつけ医の役割が大きいということを書いています。

 「日本医師会と四病協は、在宅医療を推進するため、今後率先して、『かかりつけ医』をはじめとする在宅医療に携わる医師および医療関係職種の養成、研修を支援する」ということで、ともに活動しているところでございます。

 その次は四病協単独提言ですが、これは日本医師会と合同で出そうと思ったのですが、時間がなくて単独になりました。意図としては、3ページ一番下の赤のところ、「かかりつけ医(在宅医療)と病院・有床診療所(入院医療)の連携や在宅医療チームと入院医療チームの協働が極めて重要であり、このことなくしては、『地域包括ケアシステム』は機能しない」。言い方を変えますと、在宅医療にこういうことが非常に大事ではないかということでございます。

 4ページです。「高齢者は、急性増悪も含めた急性期においては可能な限り素早く入院し、できる限り早く生活の場に退院することが高齢者の介護重度化予防と生活機能低下防止にとって重要である」。

 「これを実現するためには、かかりつけ医機能の充実とともに、在宅療養高齢者の受け皿としての入院機能を有する病院・病棟の創設と入院医療・在宅医療・介護の多職種チームが連携して機能を有する円滑な入退院システムの構築」が必要だと考えております。

 5ページの黄色で書いてあるところがそのイメージでございます。時間がないので省略しますが、地域に密着する大体200床以下の病院で急性期、特に高齢者の救急を受け入れる急性期と回復期、両方の機能を持った病院が地域ごとにあればいいということで、書かせていただきました。

 次のページでございます。これを私たちは「地域医療・介護支援病院」といたしました。

 この機能は、在宅医・介護施設と連携して在宅患者・施設入所者の急変を24時間体制で受け入れ、在宅療養を支援する。また、地域における医療・介護連携においてネットワーク構築、情報共有、多職種連携支援など、責任ある役割を果たすということで、在宅医療にも直接タッチするし、支援もしますし、もしかしたら在宅医療の地域の拠点になり得るのではないかなと。こういう病院が必要だと考えました。

 要件は省略させていただきます。

 ということで、1つの病院の例を出そうと思ったのですが、時間がないので、私の法人の例を出させていただきました。「在宅医療連携拠点事業と社会医療法人恵和会の活動」と書いてます。

 8ページです。これは御存じのように、平成23年から厚労省におきまして在宅医療連携拠点事業が行われました。右の四角にありますが、病院とか診療所とか訪問看護ステーション、医師会等々、幾つかのところを拠点といたしまして、こういうことをやりました。23年は10カ所、24年は105カ所です。病院では23年は私の法人と鈴木先生の法人がたまたまこれを受けております。

 9ページがその内容、事業でございます。省略させていただきます。

 これを受けまして、私たちの法人では「とよひら・りんく」というものをつくりました。斜めに入ってございますが、23年6月に発足いたしまして、何をやっているかというと、いろいろな介護施設等々との意見交換、終末期等々の研修会、市民を交えた議論等々をやっております。最近では地域医療構想にこの仕組みを使いながら、地域で多くの病院が集まってセミナー等もやっています。

 一方、11ページにありますとおり、この制度以外に、診療報酬で在宅医療を充実する目的でできた項目、点数がございます。在宅医療支援病院(診療所)です。その強化型というのがあります。私たちの病院が地域の診療所と協力いたしまして強化型をしております。一番下にありますとおり、8つの医療機関で強化型をやっております。赤いところが私の法人です。1病院1クリニックです。

 そして、●が入院機能あり。◎はいわゆる外来をしているクリニック。外来もやっていて、訪問もやっている。○は訪問機能だけ、要するに、在宅医療だけの診療所です。これら全てが連携しながら活動しております。在宅医療は、決められた機能の医療機関だけがやるかでなくて、全ての医療機関が連携するというのが非常に大事だなと思っております。

 次のページです。これを見ると抱え込みに見えるのかもですが、医療法人はいろんなサービスを持ってございます。病院だけではございません。これは私の法人でございますが、左に西岡病院という病院があります。上にクリニックがあります。訪問看護ステーションは2つやっております。それから老健があります。グループホーム、デイサービス、ヘルパー、関係の法人でサ高住とかをやっております。こういうことでほとんどの医療・介護サービスを持っております。

 しかしながら、こういうことで決して抱え込みをしているのでなくて、自分たちの法人でも利用するが、地域に開放しています。

 最後のページですが、札幌市196万人のうち豊平区は22万人で、私たちの病院のエリアというのは、ここに書いてある16万人ぐらいかなと思います。16万人のところにどれだけのサービス提供があるかといいますと、病院が12あります。しかし、残念なことに、在宅療養支援病院は1つしかありません。診療所は75です。これも残念ながら在宅療養支援診療所は5つしかありません。ただ、もちろん在宅療養支援診療所でなくても在宅をやっている診療所はたくさんございます。

 その他、特養7軒、老健3軒、あるいは居宅介護支援事業所30、訪問介護41、訪問看護12、等です。これらのサービス事業所が全てお互いに連携、利用し合っているということです。

 ちなみに、一つの例として、私の法人の訪問看護ステーションは2つあり、患者さんの登録は大体300人ぐらいと思いますが、当法人の病院・クリニックの患者は25%。あとの75%はほかの医療機関とかケアマネジャーからの紹介でございます。

 ということで、何が言いたいかというと、地域でいろんな事業所が協力してやっていくと。中小病院というのは、このように法人でいろいろな機能を持っているので、ある意味で地域の拠点とする等、いろんなことで利用してもらいたいと思います。これからいろいろな在宅医療のデータをつくるときに、診療所だとなかなか無理だと思いますが、病院であれば組織ですので、できますので、利用して頂き、これからデータの蓄積とかをやっていければと思います。

 すみません。多少オーバーしてしまいました。ありがとうございました。

○新田座長 ありがとうございました。タイトに説明していただいて、感謝申し上げます。

 それでは、日本歯科医師会、佐藤構成員、よろしくお願いいたします。

○佐藤構成員 資料8ページ、9ページをお開きください。参考資料のほうは参考資料3でございます。()医療連携、普及啓発の部分と()エビデンスについてですが、現に実施している取り組みにつきましては、参考資料の中から一部抜粋して御説明をさせていただきます。

 参考資料2ページ目に現在実施している歯科診療所割合を示していますが、微増という状況です。

 飛んで5ページ目に参りますと、これは研修関係です。歯の健康力推進歯科医師等の養成講習を平成20年から実施しておりますが、5日間にわたる座学、実施研修、あとはグループワーク等を進めております。これらの研修を平成20年から進めております。

 一方で、8ページ、在宅療養支援歯科診療所届出数ですが、平成28年度およそ全国8,000の歯科診療所がこの届け出を出して在宅歯科医療に臨もうということが示されております。

 資料1の8ページに戻らせていただきます。現に実施している取り組みにつきましては、先ほどの参考資料のほうを御参照いただきたいと思います。

 今後実施する予定の取り組みでございますが、先ほど鈴木構成員から今後予定の三師会、看護協会による多職種連携の推進ということがお示しされておりますが、もちろんそれに我々は同調して一緒に進めたいと思っております。

 その上で、歯科医療側としましては、まず研修会というのはなかなか一律にできないという点がございますので、これから訪問歯科診療を始めようとする歯科医師に対する研修と既に訪問歯科診療を始めている歯科医師に対するスキルアップ研修というものを分けて考えていこうと思います。

 連携体制の構築ですが、基本は三師会及び看護による連携が重要でございますが、一方で、その基盤になっている行政との連携室の整備事業というのがなかなか進んでおりません。これを進めること。歯科医師会本体といたしましては、郡市区歯科医師会、都道府県歯科医師会、日本歯科医師会を一本の縦軸をしっかりつくりまして、それぞれの機能、研修であれば日本歯科医師会側が、実態における意見であれば地区からというものを相互に、インタラクティブに情報交換するための協議会を設置してまいります。あわせて、そのための必要な推進の基盤を整備していきたいと思います。

 エビデンスにつきましては、評価事業につきましては先ほど示したとおりでございますが、今後実施する予定の取り組みということを9ページに記載させていただきました。

 1つは評価研修事業。先ほど8,000の歯科医療機関が届け出を出していると。しかし、この数の適正化、もしくは歯科医療ニーズと乖離がないのかという点は常に課題となります。従いまして、必要な歯科医療機関数、歯科医療ニーズはどうかという点をとあわせて今後調査してまいりたいと思います。

 医療計画は第7次が今、検討されておりますが、その中で新たな指標が幾つか出されております。その指標の活用は今後の問題でございますので、それを今後調査検討していきたいと思います。

 あわせて、今後医療介護総合確保区域における在宅歯科医療のニーズというのは、まさに現場のニーズがそこに出てまいりますので、特に歯科の場合は病院歯科が少ないということがあって、現場の歯科診療所の場合は、バックアップしていただける病院歯科の機能というものも検討してまいりたいと思います。

 最後に、日本歯科医学会、学術団体との連携についてです。在宅の歯科診療も基本的にはさまざまな事例があり、困難なものから容易なものまでございますので、それらを多くの歯科医療機関が取り組める形のガイドラインについては、医療現場のニーズを常にフィードバックする形で学術団体と相互にガイドラインを検討してまいりたいと思います。

 以上です。

○新田座長 ありがとうございました。

 それでは、日本薬剤師会の吉田構成員、よろしくお願いいたします。

○吉田構成員 日本薬剤師会でございます。

 まず、在宅医療に関する医療連携、普及啓発モデルの蓄積でございます。現在日本には5万6,000軒の保険薬局がございます。在宅介護のほうでいけば、取り下げをしない限りどこの薬局でもみなしということで在宅に行くことができます。

 そういう薬局、薬剤師に向けて薬剤師が行うフィジカルアセスメントの理念を「地域医療・在宅医療の現場で、薬剤師が患者の薬物治療の効果と副作用の発現をより客観的に評価するために行うもの」として、その理解と必要な臨床手技の修得を目的としたプログラムを策定しております。そして、都道府県薬剤師会において当該プログラムを用いた研修会が開催できるよう、マニュアルを作成し、都道府県薬剤師会に周知しております。現状では、地域薬剤師会等でそういう研修を実施している例が非常に多くなってきております。

 これを改正するに当たって、関係団体の協力も記載しておりまして、実際の開催に際しては地域医師会等の御協力をいただいて、講師等で参加していただくということで実施しております。

 また、今後も都道府県薬剤師会や地域薬剤師会等での研修プログラム実施について支援を行っていく予定でございます。

 2番目の在宅医療に関するエビデンスの蓄積でございますが、2ポツの「在宅医療推進アクションプラン」の策定ということを行っております。地域支部における訪問薬剤管理指導業務の応需体制の整備ということで、薬局向けの調査票のひな形作成を提供したり、ひな形作成と薬局リスト、その地域でどういう薬局が今、在宅にすぐ取り組めるのかというリストの作成の提供等を行っております。

 2番目の地域連携の促進ということで、薬局の機能、業務の理解促進ということを行っております。

 3番目の薬局・薬剤師のスキルアップ。これは1ポツ目の「在宅服薬支援マニュアル」の作成、「体調チェック・フローチャート」の作成。これも年数がたってきておりますので、第2版を作成しておりますし、「在宅服薬支援マニュアル」のほうは今、改訂版を作成中でございます。在宅業務に取り組む薬剤師・薬局向けに知識及び各種書類のひな形を作成して、本会のホームページにて会員向けに提供しております。

 その他、在宅業務を行っている薬局のリストやマップの作成等により、地域住民、関係団体、行政への情報提供等を行っているところでございます。

 引き続き、さらなる普及に向け、行政や医師会を中心とする他団体との連携、薬剤師の包括ケア参画の体制整備と支援を行う予定でございます。

 また、一昨年「患者のための薬局ビジョン」が出されまして、その中でも当然在宅というのがうたわれております。そのビジョンをもとに、健康サポート薬局という制度が昨年から届け出が始まっております。それを基幹薬局として地域の連携を図っていくということで、行政とともに進めているところでございます。

 以上でございます。

○新田座長 ありがとうございました。

 それでは、日本看護協会、齋藤構成員、よろしくお願いいたします。

○齋藤構成員 11ページをごらんください。今、連携と普及啓発モデルのところにつきましては、27年度から都道府県看護協会の地区支部単位あるいは市町の単位で看護職同士が職場を超えてネットワークをつくろうという事業を行っております。定例的な会議のほかに、多職種協働の研修事業、住民参加型のイベントを必ず事業の中に組み入れて、1年間やってみるということを行っております。職場の中の今年か知らなかったナースたちが、地域にこんなふうに働いている方々がいるのだということや、住民の方もうちの町にはこんなナースたちがこんなにたくさんいるのだということを知っていただいて、ちゃんとつなげていくということを意識した事業をやっております。

28年度からは子供子育て世代を対象としたネットワークづくりということもやっておりまして、子育て世代になりますと、ネットワークのメンバーの中に入ってくる人たちがちょっと変わってくることもありますので、そういった事業を行っております。

 2点目が、これから訪問看護師の需要を見据えて、病院で働くナースたちが一定期間在籍出向で訪問看護ステーションで働いてみるという事業を27年から行っております。

 別途参考資料4をごらんいただきます。これは今年の分でございます。在籍出向というのはどういうことをやるかといいますと、4ページ目、病院とも労働契約を結ぶのですが、ステーションとも労働契約を結んでいただいて、1カ月の教育の後、この方がお一人で訪問看護に出かけていく。これが研修ということになりますと、たとえお一人で訪問看護に行かれたとしても、研修でございますので診療報酬等々は請求することができませんので、実際に訪問看護というものを体感して、そしてまた病院に戻るという事業でございます。

 一番最後のページにどういう効果があったかということを記載しておりますが、病院で働いているナースたちがどんな状態でも家で療養することができるのだということを実感できたということは非常に大きかったかなと思っております。

 また11ページに戻っていただきまして、今、NICUGCUを退院してくるベビーの在宅医療の需要が非常に大きくなっておりますので、その子供と家族の支援にかかわる必要な教育内容の検討やプログラムの開発を行っているところです。

 4点目は、看護小規模多機能型のサービスのモデルを提案いたしまして、介護報酬の中に持っていったということがございます。

 平成23年度から介護施設や福祉施設あるいは訪問看護等で働く看護職の現状や課題について検討するために、本会と47都道府県看護協会にこのことを検討する常設委員会を設置して活動しております。

 今後は、1、2、3、5について継続して行っていく予定でございます。

 エビデンスにつきましては12ページに記載しております。定例的に、特に在宅医療の中で働く訪問看護や特養あるいは老健等々で働く看護職の実態調査あるいはケアの実態というものを調査いたしまして、対応策についてのエビデンスを蓄積していくというような状況を行っております。

 今後も厚生労働省あるいは日本訪問看護財団、全国訪問看護事業協会、こういった他団体と連動しながらエビデンスの蓄積については一緒にやっていきたいと考えております。

 以上です。

○新田座長 ありがとうございます。

 それでは、日本介護支援専門員協会、鷲見構成員、よろしくお願いします。

○鷲見構成員 ありがとうございます。

 まず、(1)の在宅医療に関する医療連携、普及啓発モデルの蓄積といたしましては、老健事業の中で介護支援専門員による医療・介護の連携促進調査研究と、その気づきからツールとしてハンドブックを作成いたしまして、各都道府県においてこれを活用して研修会をするという取り組みをしております。

 また、在宅医療と介護関係、患者との在宅ケアでは、この医療と連携をテーマにした研修会を開催しております。特に全国大会等ではここで助成金等もいただきながら、させていただいております。

 また、「看取り期における医療・介護の連携を中心とした事例研究」では、ケアプランの中から医療と介護の連携を行い、最期まで自宅で過ごした事例を分析したり、またはどのような介入がその方にとって自立に向かっていくのかを検討する好事例の分析等も行っております。

 全国規模の大会では、先ほど申したとおりでございます。

 今後実施する予定の取り組みといたしましては、団体同士として研修会、勉強会を通じて普及啓発を図っていくことと、利用者・介護者への認識が一番大きなこと、我々が役に立てるところだと思いますので、小さな地域での取り組み、普及活動をしてまいりたいと思います。実際に都道府県におきましては見える関係で個人的な連携が非常にたくさんございます。その上にシステムであるとか制度とかが乗っかっていかないと、なかなか現場が動かない実態がありますので、このあたりを大切にしていきたいと思っているところです。

 (2)の在宅医療に関するエビデンスの蓄積というところでは、介護支援専門員の研修のカリキュラムが今年度から非常に変わっております。特に地域包括ケアシステムの中で、医療職を初めとした多職種との連携・協働、利用者の尊厳を旨とした自立支援に資するケアマネジメントの実践に大きくカリキュラムが変更になっております。

 その中身といたしましては、実務研修、初め介護支援専門員なった方に対しては44時間から86時間。この中ではケアマネジメントに必要な医療及び連携、多職種協働の意義、介護支援専門員に求められるマネジメント。

 専門課程は実務者向けです。ここも53時間から76時間に変更になっております。ここの中では、特に実践をしていく上で必要な知識・技術を修得するための認知症リハビリテーションの事例を活用したケアマネジメントの演習、ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種との実験の科目が新設されています。

 また、リーダー的な、指導的な役割となる主任介護支援専門員の研修も64時間から70時間に変更。さらに、この主任が形骸化しないように更新研修というものも新たに創設されました。その中で、地域づくりに必要な、ケアマネジメントに必要な医療との連携、多職種との構築という科目も新設しているところです。

 こういったカリキュラムの変更に伴い、特に講義と演習の一体型の研修を中心としておりますので、当協会といたしましては、実践者用のテキスト及び副読本を作成し、全国の研修機関向けにテキストの活用の伝達研修を実施したところでございます。

 次に当協会、今年度今年は医療連携の強化する目的で会員に対するレベルアップ研修を行っております。これは5日間のかなり大きなものでございますが、日本におけるケアマネジメントをしっかりできるように、長期的な展望のもとに核となる実践者を育成することを基本としております。ここの研修は介護支援専門員の課題に対する対応と医療連携に活躍できる者を育成しております。

 最後になりますが、公益社団法人日本糖尿病協会と当協会との合同事業です。既に4冊のテキストを作成いたしまして、26年、27年には12回、今年度は18回全国に展開し、50人程度の研修会ではございますが、医師と介護支援専門員の相互理解を促進し、特に地域で糖尿病にかかわる医療と介護の情報交換と、療養しやすくなる環境づくりを目的とした勉強会を展開しているところでございます。

 今後、介護支援専門員のテキストの活用の促進と、これを今年度初めて出したものですので、丁寧に修正をかけていくことと、それから自立支援に資するケアマネジメントが実践できる人材の育成を継続していくこと。それから多職種との連携を促進とした目的の計画をしているところでございます。

 以上です。

○新田座長 ありがとうございました。

 それでは、引き続いて、日本老年医学会、飯島構成員、よろしくお願いします。

○飯島構成員 では、日本老年医学会から発表させていただきます。

 御存じのように、この学会は大学人、アカデミア人材、医育機関や教育機関などの関係者が多く含まれる学術団体でありますので、その強みを生かしてということを意識しての活動に取り組んでまいりました。

 まず初めに、()エビデンスの蓄積から発表させていただきます。今までの取り組みは、約2年近く前に在宅医療に関するエビデンスとして「系統的レビュー」というものを発表させていただきました。それを踏まえまして、さらにブラッシュアップしたものを作る目的で、現在まさに進行中のものですが、「在宅医療診療ガイドライン」というものを作成するというところで動いております。これは我々の学会、日本在宅医学会、国立長寿医療研究センターとの共同作成ということになっております。

 このワーキングの第1回目で名古屋大学の葛谷先生が発表されましたように、QOL指標の開発などの研究もありますが、このQOL指標などの分野はもっともっと中長期ビジョンにのっとった、また医療政策全体を見渡した評価指標を構築していくことが求められており、その意味でも我々のような学術団体も貢献できればと考えています。

 今後実施する予定の取り組みですが、先ほどお示ししました「在宅医療診療ガイドライン」をまずはしっかり完成するということがございます。

 あとは、冒頭に言いましたように、大学人や医育機関メンバーも多いということで、「研究・教育・臨床」の3つの柱を医育機関が実践できるように、また、モデル地域との協働でアクションリサーチ(いわゆる課題解決型の実証研究)の実践も見据えながら、在宅医療の臨床研究を加速すべく研究体制整備というところにしっかり支援できればと思っております。

 (2)医療連携、普及啓発のモデルの蓄積ということですが、今までの取り組みは、我々日本老年医学会の各種委員会の中に「在宅医療小委員会」というものを既に設置してあります。研究面から臨床面までの幅広い視野で活動しようとしております。特にアカデミア人材が多く含まれるという強みを生かしまして、医学部の卒前教育における在宅医療をどのように学ばせるかというのが重点課題であると認識して推し進めております。

 具体的に卒前教育としまして、取り組める医学部において在宅医療に関する講義、臨床実習、いわゆるクリニカルクラークシップを導入しております。

 実習では、関連医療機関、例えば在宅医療実践のクリニックや地域の他職種のところを実習先にした現場実習に重きを置いています。実際に私自身が所属している大学でも今まさに一学年全員が2週間の地域医療学実習で実践しており、在宅の先生だけではなく、訪問看護やケアマネージャー、地域の病院のソーシャルワーカーなどの他の職種の活動も実際体験してくるというメニューになっております。

 3つ目のポイントに移ります。夏に全国の大学の医学部の学生、初期研修医を約20名程度募りまして、一泊の合宿形式で老年医学セミナーというものを長年継続しております。その中に在宅医療推進を中心とする地域包括ケアシステムというコンテンツも設置しまして、しっかり学んでいただいております。

 今後の予定の取り組みですが、学会内の在宅医療小委員会を中心に、各教育機関との連携を底上げしながら、実習に重きを置いた卒前教育の重要性というものをさらに啓発していきたいと思っています。

 最後ですが、新専門医制度における老年病専門医のカリキュラムの中におきまして、地域包括ケア・在宅医療の実践/マネジメント」というものをコンピテンシーの一つに挙げまして、在宅療養患者さまの生活介護状況を評価、そして多職種との連携というものを診療の中で実践できるようにということを研修要件としていきたいと考えております。

 以上です。

○新田座長 ありがとうございました。老年医学会等々を含めて、さらに他の関係団体とは何も入っていないのですが、こんな感じですか。

○飯島構成員 関連団体との。

○新田座長 はい。ここに3つしかないのだけれども。日本在宅医学会、国立長寿等々以外。

○飯島構成員 ちょっと言葉が足りなかったですが、これからのエビデンス蓄積というところの研究をしっかりやっていく上に当たっては、関連団体とともにということは間違いございません。冒頭にお話がありましたように、研究成果の集約についてのデータベースや様々な研究の推進にあたっては、しっかり関連団体とともに蜜な連携を取りながら進めていきたいと思います。

○新田座長 ありがとうございます。

 それでは、国立長寿医療研究センターの原口構成員、よろしくお願いいたします。

○原口構成員 16ページでございます。国立長寿医療研究センターで28年度の取り組みと過去の大きな研究2本を記載させていただいております。

 (1)在宅医療に関するエビデンスの蓄積でございます。平成26年度まで2カ年間で「被災地の再生を考慮した在宅医療の構築に関する研究」というタイトルで、在宅医療のエビデンスを初め、幅広い研究を実施しております。これに基づきまして、昨年「これからの在宅医療」という分厚い冊子、一般の方から専門家の方までこの研究成果を理解いただけるような本を刊行したところでございます。

 「在宅医療支援病棟を中心とした地域在宅医療の活性化」というタイトルでの調査研究を28年度まで実施してきております。在宅医療支援病棟を当センターも運営しておりまして、これを活用して地域在宅医療にどのように影響を与えることができたかということを研究しているものでございます。また、在宅医療に関するエビデンスの系統的レビュー、これは先ほど飯島委員のほうから御説明のありました取りまとめでございまして、当センターも加わっているということでございます。

 今後の取り組みといたしまして、こういった研究をこれからも実施するのはもちろんでございますが、学会と連携・協力しまして、在宅医療に関するエビデンスの研究成果を集約して、国民や医療従事者など幅広い関係者に情報を発信するホームページを活用した仕組みを構築したいと考えております。

 (2)在宅医療に関する医療連携、普及啓発モデルという点でございます。「高齢者在宅医療に関する多職種協働の阻害要因を克服する教育システムの構築に関する研究」というタイトルで、これも平成26年度まで数年間実施した研究で、教育カリキュラムの研究を実施し、それに基づく研修を実施しています。

 2点目、病院スタッフが在宅医療現場を学ぶ研修会をいろいろな形で実施しています。例えば病院・在宅医療連携研修会は、全国の関係者が参加いただける形で開催しています。また、臨床研修のための在宅医療研修、地域包括ケアシステム構築に向けた研修、全国在宅医療・介護連携研修フォーラム。最後のものにつきましては、基本的に都道府県の職員を対象にしまして、実行委員会を組織して開催している事業でございます。こういった各種の研修を実施しております。

 看護の関係で高齢者医療・在宅医療総合看護研修というものを実施しておりまして、これは病院の看護師に対する研修が含まれておりますが、中には下に例示しております「高齢者の在宅医療」あるいは「高齢者のEOLケア」「認知症高齢者の看護」といった講座は、3日間の講座でございますが、在宅医療に係る内容を含んだ研修です。

 認知症サポート医養成研修あるいは認知症初期集中支援チーム員研修というものを実施してございます。認知症対策として国のほうで位置づけがなされている研修でございますが、当センターで全国6カ所程度で実施しております。

 こういった私どもが実施している研修に関しましては、研修カリキュラム、テキストあるいは研修会の動画、いずれかをホームページで公表して、どのような研修が実施されているか、どういう中身かということをなるべく理解いただけるよう努力しています。

 在宅医療推進フォーラムを主催者の一人として開催しています。勇美財団が中心的な主催者でいらっしゃいますけれども、毎年1123日に全国の関係者の方々に御案内して開催しているものでございます。

 こういった研修につきましては、カリキュラムを見直すような機会を来年度持てるのではないかと思っておりまして、カリキュラムの充実を図りながら、引き続き実施してまいりたいと考えております。

○新田座長 ありがとうございました。

 病院スタッフ等の在宅現場の研修は、病院協会、西澤委員のところと協働でやっていることと考えてよろしいのでしょうか。まだそこまでは行っていないですか。

○原口構成員 いろんな関係の講師としていろんなところから参加いただく形ではやっておりますが、ただ、団体としましては基本的に私どものセンターでの事業として実施させていただいております。

○新田座長 わかりました。ありがとうございます。

 今、各団体から取り組みについて説明がありました。幸い予定どおり進んだ。厚労省、やりますか。よろしくお願いします。

○伯野在宅医療推進室長 

17ページ、厚労省でございますが、(1)医療連携、普及啓発モデルの蓄積です。現に実施している取り組みについては、人材育成研修と、基金を設けて自治体の取り組みを支援しております。

 今後ですが、今回重点分野で医療連携モデルの蓄積ということがございましたので、1ポツ目で在宅医療の医療連携体制に関して事例収集を行ってまいりたいと思っております。

 もう一点、普及啓発という観点ですが、人生の最終段階における医療に関する自治体の取り組み、普及啓発の取り組み状況も把握していきたいと思っております。

 (2)のエビデンスの蓄積ですが、現時点でも市町村別の在宅医療資源等に関するデータをデータ集として公開しておりますが、今後御意見をいただきながら掲載項目の拡充を図ってまいりたいと思っております。

 以上でございます。

○新田座長 ありがとうございます。

 それでは、参考資料6で横浜の城構成員から資料が出ておりますので、説明をよろしくお願いいたします。

○城構成員 横浜市は、パワーポイント資料の参考資料6をごらんいただきたいと思います。

 医療連携の取り組みについては、18区の横浜市在宅医療連携拠点を整備しております。これは、まさに「車の両輪」という言葉が本文にもありましたけれども、行政と医師会が車の両輪となって共同で18区に展開をしている。行政区単位で拠点が整備されたのは全国でも割と早いほうだなと思っております。

 1枚おめくりいただいて、その中で医師の支え合いのネットワークを構築していただくほか、3ページ、横浜市内の134病院の中で84病院が在宅医療連携のバックアップ、後方支援を行うという協力体制もあわせて整備をしているということになります。

 4ページ目、28年度から在宅医療を担う医師養成事業を医師会と横浜市と共同で行っておりまして、座学と同行訪問研修ということで、既に在宅医療に取り組んでいらっしゃる医師と一緒に行く。最終的には市長と市医師会長連名の修了証を授与するということで、モチベーションを上げてやっております。

 5ページ目は在宅療養移行支援事業ということで、これは医療と介護で情報が伝わりづらい、ケアマネが病院に何を伝えたらいいのかという部分がなかなか共通の言語を持ちづらいということで、情報共有シートというのを開発しました。今度1回目の説明会をやるのですが、既に400人近いケアマネから聞きたいという申し込みをいただいていますので、こういうところが悩みなのだなというのがよくわかりました。

 6ページ目が在宅医療に関する啓発事業。これは市レベル、区レベル、包括レベルということで取り組んでいるのは前、御紹介いたしました。

29年度から取り組もうとしているものが7ページ目です。先進的な在宅医療相互補完システムモデル事業ということで、在宅医療に取り組む医師の方で24時間365日はちょっと無理だよと言われる方が非常に多いわけで、それであれば、休日・夜間帯は共同でバックアップするようなモデルをつくろうではないかということで、区医師会にて夜間・休日に在宅医療の当番制を立ち上げようという取り組みをしております。さらに、在宅専門医療機関において外来応需の義務がなくなるということを受けて、これを医療機関として開設してはどうかということを考えております。

29年度の地域医療介護総合確保基金、県のほうに申請したのですが、県からは横浜市域内の取り組みであるということで、入れてもらえなかった。ここら辺が前回お話しした市としてちょっと使いづらいところかなと。これは市域で実施する方向で調整しております。

 8ページ目が在宅医療を担う有床診療所。有床診療所は病院とかかりつけ医の間にあって、今まで余り評価しにくかったところかと思うのですが、在宅医療にとっては緊急一時入院とかレスパイトとか、非常に使い勝手がいいものですから、この方々をどう支援していくかということを今、考えています。

 9ページ目は、在宅医療は高齢者だけでなく小児の問題もあるということで、小児に今、検討会を立ち上げた。

 さらには、人生の最終段階の医療に関する体制整備の問題ですとか、そういうものにも取り組んでいます。

12ページ、エビデンスの関係です。在宅医療・看取りに関する調査事業を社人研さんと一緒にやらせていただいておりまして、これは在宅医療の需要がどれぐらいあるか、在宅でみとらなければいけない量がどれぐらいあるかということをきちんと把握して、なおかつ医師会さんとも危機意識を共有したいということで、この区の中ではこれぐらいみとりが出るのだということをはっきりさせていきたいという事業です。

13ページ、NDBの活用等で在宅医療についても分析をしていく。こういった取り組みをしているところでございます。

 以上です。

○新田座長 ありがとうございました。

 各団体、横浜市、厚労省も含めて話していただきましたが、これから皆さんに御意見を伺いたいと思います。

 まず、取り組みについて等でございますが、皆様さまざまなことをやられておりますが、かなり重複している感じ、あるいはさらに連携が必要なこと、また、これは新たな取り組みが必要だというような具体的な御意見をいただければと思っていますが、いかがでしょうか。どうぞ。

○山口構成員 いろいろと御発表ありがとうございました。

 今回重点分野のところに国民への理解を入れていただいたり、国民を先に記載したりしていただいたのですけれども、まず厚労省の取り組みということで、前回私が発表させていただいた国民に理解してもらう必要がある内容を認めた冊子をつくることも国民への普及ということで入れていただきたいと思います。

 例えばホームページでそういったものをお出しいただいたとしても、一般の方が行政の、ましてや国のホームページを見るということはほとんどないのが現状だと思いますので、確実に手に届くような方法で、今、在宅医療ということでどういったことを一般の人たちに知ってもらわないといけないのか、具体的な取り組みとして考えていただきたいなと思います。

 一つ私からの提案としては、国勢調査が4年に一度行われていますので、国勢調査に行くということは、各家庭に必ず1回行くということですので、国勢調査のときなどを利用してそういう冊子を配るということをすれば、4年ぐらいたつと大体更新する時期に入るのではないかと思いますので、具体的に直接、何かあったときにはこれを見てくださいねと言えるようなものとして周知していくことが大事ではないかと思います。今後の取り組みの中にぜひ加えていただきたいというのが一つ要望というか、お願いでございます。

 特に先ほどの御発表の中で、職能団体はそれぞれさまざまな取り組みをされているということがよくわかりました。その中で実際に行われている取り組み、予定、そういったことは、国民が身近に実践されていることを実感して初めて選べるのではないかと思います。それぞれの団体が特に力を入れていらっしゃることや、積極的にとりくんでいらっしゃることを今日は御発表いただいたのだと思いますけれども、特に今回、国民が居住する地域の現状を知る必要があるということを文章の中に入れていただいていますので、今後どういう地域でどんなことが実現可能なのか。例えばこの地域ではこれはできない、それはどんな理由なのかということもあわせて見える形で、住民が自分の住んでいる地域の実態はどうなのか、今後はどうなのかということがわかるような、そういう見せ方を各団体がしていただければ、より国民が知るということにつながるのではないかなと思いました。

 それを踏まえて、2つだけ質問をさせていただきます。まず、日本医師会の御発表の中で、今後実施する予定の取り組みということで、日本医師会だけが具体的に三師会と看護協会との多職種協働を挙げておられます。でも、ほかの三師会と看護協会は日医とこれをやるのだということを書いていなくて、ちょっと残念だなという気がしたのです。日本医師会の中で具体的に立てていらっしゃる到達目標みたいなものがあるのかどうかということが日本医師会への質問です。

 もう一つが、看護協会が在籍出向というのをされていて、モデル事業だとおっしゃいましたけれども、これが先ほど言った実現可能なところとそうでないところがあるのかなという気もしましたので、モデル事業として行うに当たって、比較するためにこういう地域を選んだのだということと、実際にやってみて、こういう地域であれば実現可能で、広げていけそうだというのはどんな地域と把握されているのかというのを教えていただければと思います。

 以上です。

○新田座長 2つの質問は、到達目標も含めてとても類似しているような感じがするのです。

○山口構成員 厚労省の取り組みについての御予定も。

○新田座長 それは後で聞きますので、よろしいでしょうか。まず、どうぞ。

○鈴木構成員 三師会及び日本看護協会、四師会と言ってもいいのですが、まだ全国的には定着していないという声もあったので、とりあえずこういう書き方にさせていただいたのですが、四師会の在宅医療担当理事の連絡協議会を1回開催しました。そこで一緒にやりましょうという話をして、歯科医師会は口頭でその説明がありましたけれども、薬剤師会と日看協は、とくに齋藤構成員はおいでになっていたのに、その言葉が出なかったのは少し残念ですが、薬剤師会は別な方なので伝わっていなかったかもしれません。四師会だけでなくて、さらにいろいろな団体もあり、職能団体の横のつながりも重要になってくると思いますので、これに取り組んでいって、最終的には多職種連携の研修に落とし込んでいきたいと思っております。

 我々は、今日も後ろにおいでですけれども、長寿医療研究センターの三浦先生の資料に、イギリスのGP、家庭医は多職種連携の司令塔になっているとあり、それはまさに我々かかりつけ医は郡市区医師会にとっても必要な機能だと思っておりましたので、今後も地域の中に広めていきたいと思っています。まずは日本医師会での横の連携をきっかけにして、それを広めていって、地域での研修などの実践を通して定着させていきたいと考えております。

○新田座長 では、齋藤構成員、よろしくお願いします。

○齋藤構成員 ありがとうございます。

 山口構成員の御質問につきまして、在籍出向のモデルを2年やりましたけれども、事業協力者として病院と教育体制のある訪問看護ステーションがペアでこの事業には御参加いただいています。27年度は4カ所で、今年度は8カ所10ペアでやっているのですが、地域という観点で分析すると、離島を抱えている地域がいけるかなという認識はあるのですけれども、まだ事業が完了していないので、そこのあたりはもう少し分析が必要かなと思っています。

 病院のほうは公的病院あるいは地域医療支援病院というところをターゲットにいたしました。というのは、真の意味で地域医療を支える病院であれば、在宅医療のバックアップであるとか、もっと関係性をよくするということも今後更に求められるだろうと思いますので、そこにターゲットを当てて、地域の中で関係性があり、教育体制のあるステーションとペアになっていただいて、お一人、お二人在籍出向という形でやってみました。

 ですので、これが広がっていくと本当に病院と在宅の関連性がすごくよくなる。実際にやったところでは、患者さんを在宅でお願いするといったときに、全く面識のないところにお願いするというのはなかなか勇気の要ることですが、それが非常にスムーズにいく。それから在宅医療を知って病院に戻ると、病院の弱みが見えるのです。もっと早く調整するべきだ、もっと早くこのカンファレンスはやるべきだということに関心が向いていきます。ですので、非常にいいサイクルで回れるのではないかと思っています。

 中には来年度県単の事業でやりますというところが幾つか出てまいりましたので、短期の研修では得られないメリットを病院側にお示しして、事業が広がっていけるように私どもも努力をしたいなと思っておりますし、患者さんにとっては、見知ったナースが次はあの方よということできちっとお送りすると、すごく安心をされます。

 地域住民の視点で言いますと、私どもの資料11ページの1のネットワークのところですが、地域住民参加型のイベントもこのネットワークの事業の中で実はやっておりまして、住民の方に我が町にはこの病院とこの病院とこのステーションといった事業所があって、そして一つのテーマで住民と語り合うというイベントを必ずやってくれということで委託をしているのですけれども、例えば本当に家で亡くなることはできるのだろうかとか、食べられなくなったらどうやって生活ができるのだろうかとか、患者さんあるいは住民にとって身近なテーマでイベントをやっていただいて、住民の方からは、ナースたちからこういったことの企画の提案と、それから生活の具体的な身近な悩みに答えてくれたということで、非常に反響が大きかったという状況があります。

 これは次年度もやるのですが、3年間やった後に事業評価と、それから地域で具体的にどんな活動をしたのか、どんな効果があったのかということを冊子にしてお配りするということと、それからホームページにきちっとお流しして、いろんな方々がアクセスできるように何とかしていきたいと思っています。

 ありがとうございました。

○新田座長 ありがとうございました。

 なお、在宅三師連合会というものがつくられていまして、これは今年第1回の全国大会。国民目線の中で行われる全国大会でございます。それプラス訪問看護協会も含めて協力体制をつくるというものもありますので、よろしくお願いいたします。

 いいですか。

○山口構成員 多職種協働のところはぜひ見える形。今、1回開いたとおっしゃったのですが、できれば定期的に開いていただいて、今、こんなことを始めて、ここまでできたということを常に発表していただければ、私たちにも伝わってくるのではないかなと思います。

○新田座長 わかりました。

 鈴木構成員、どうぞ。

○鈴木構成員 中央レベルでは医師会があって、看護協会があって、病院団体があってと分かれているのですけれども、都道府県レベルに行くと医師会を中心に一体化しています。それについては池端先生のお話を聞かれると、その中でよく御理解いただけると思いますので、もう少しお待ちください。

○新田座長 佐藤構成員、どうぞ。

○佐藤構成員 山口構成員の御心配の件は、今回各職能団体がそれぞれの取り組みという事務局からの要請があったので、もう少し違う問い合わせであれば、たくさんあって、例えばケアマネ協会と日本歯科医師会は、次の勉強レベルをどう考えようかということで、既に具体的にプランニングされていますし、学術団体とはどういうふうなことを進めようかということも具体的に出ています。山口構成員ご指摘の視点は、大変重要な御発言をいただいたと思っています。

○新田座長 ありがとうございました。

 もう一つ質問がありました。厚労省の今後の取り組みということで。

○伯野在宅医療推進室長 国として在宅医療の普及啓発の媒体、ひな形みたいなものをつくるべきだという御指摘かと思います。我々もそういったことが必要かと思っておりますので、検討していきたいと思っています。

 ただ、周知方法については、山口構成員も前回の会議のときにこういうエッセンスでということを出していただきましたが、在宅医療の普及啓発をする際には、医療資源が地域でどうなっているか、あるいは相談窓口というのもセットで普及したほうが効果的かとも思っておりますので、我々は、ひな形のようなものをつくって、それを地域で適宜追記していただいて、周知していくというのが効果的なのかとも思っております。そういったことも含めて検討してまいりたいと思います。

○新田座長 ありがとうございます。

 今、佐藤構成員が言われたように、お互いの取り組みというのは、今、ここではまだ発表できないぐらいのことがやられていると思っておりますが、かなり重複した取り組みがありますね。さらにこれからやらなければいけないということも地域ごと、あるいは都道府県ごと、国のレベルもたくさんあると思いますが、何か御意見がありましたらよろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。

 それでは、取り組み等と、もう一つはエビデンスの問題に関して、これは先ほど鈴木構成員が言われましたし、飯島構成員からもありましたが、パートナーとしてさまざまな団体が協力して蓄積をしていくということで、ここに御参加の団体を含めてオールジャパンでやっていかなければいけない話だと思いますが、何か御意見ありますでしょうか。飯島先生、何かありますか。どうぞ。

○飯島構成員 先ほどの私からの発表とも重複することになりますけれども、リサーチスキルを持っているものも輪の中にどんどん参画していきて、また、症例も含めた現場からのデータを集めてくださる、特に関連団体の方々とは密に連携していくことが重要です。そして、そのことを今まで以上に意識してタッグを組んでいかなければならないと自覚しています。

 ですので、それがより大きなデータベース化を目指していけたり、またそこから何を読み解いて、どのような形で発信していくのかという視点も課題です。それは研究者目線というだけでなくて、国民の方々にわかりやすく見ていただくような発信の仕方をどのようにするのか、またそれが徐々に標準化にもつながるのでしょう。そのような考え方は特に大学や研究者、学術団体側にいる我々としても意識してこれから貢献したいと思います。

○新田座長 どうぞ。

○鈴木構成員 先ほどもお話をさせていただきましたけれども、エビデンスの構築に関しましても、我々日本医師会はシンクタンクとして日本医師会総合政策研究機構、日医総研を持っていますので、ここを活用して、ほかのアカデミアの方々やパートナーとなるさまざまな団体と協力しながら、また、郡市区医師会、都道府県医師会も一緒に活動しておりますので、ともにエビデンスを蓄積していくことに努めていきたいと思います。

○新田座長 ありがとうございます。

 原口構成員からご説明がありましたが、先ほど西澤構成員からもありましたが、病院等が地域の中で連携することになると、病院のスタッフも在宅の研修等が非常に大切だと思っておりますが、その辺に関してぜひ広めていただきたいと思いますが、どうぞ。

○西澤構成員 今、職能団体の方からいろいろ発言がありましたが、それぞれの職能団体でやるのも大事だと思いますし、ほかの職種と中央ではクロスしていると思いますが、実は病院というのは全ての職種がいるチーム医療の場なのです。当然のことながら私たちの法人は全部の事業所で在宅だろうが、入院だろうが関係なく研修をやっています。そういうことで、いちいち先ほどのような制度をつくらなくてもできているということです。

 公立病院、大型のところはなかなかそういうところと接しないと思いますので、やっているようなことは別な意味で大事だと思っております。

 それから、一つよろしいでしょうか。

○新田座長 どうぞ。

○西澤構成員 ここにいろんな職種の方がいると思うのですが、御存じのように、今、チーム医療推進協議会というのがありまして、たしか1314の職種が集まって協議会をつくっております。そういうところも活用したらいいかなと思っております。

 以上です。

○新田座長 どうぞ。

○原口構成員 御指名いただいたと思いましたので。

 在宅医療に関する病院の職員に対する研修というのは、前回のワーキングでもちょっと申し上げましたが、病院に勤める医療職種の者が在宅医療をよりよく理解して、連携を図っていただくということは当然なのですけれども、私どもも実際在宅医療を限定的に実施してみますと、どういう患者さんをどのように在宅のほうに移行していただけるのか、安心してそのまま送り出せるのか、難しいケースの場合でも在宅医療での体制がちゃんと組めているかとか、そういうことを事後的に確認したりしながらやれば、在宅へのより円滑なとか、早期の移行、難しい患者さんであっても、どういう条件があれば移行していただけるかということがわかってくる。そういったことも経験としてありましたので、自分たちの取り組みを評価し、さらには、病院のスタッフの方にそれを理解していっていただく。こういった形で研修を実施していけるといいかなと思っております。

 愛知県の県の委託事業として実施しているものが多いのですが、全国の方に入っていただける形で実施しているものもありますので、なるべくこういった取り組みを幅広く御理解いただけるように進めたい。

 また、県の方しか参加できない形でも、そのカリキュラムとか資料を公開することによって、中身を全国の方に見ていただくこともできますので、そういったことをできるだけ取り組んでいきたいと思っております。

○新田座長 城構成員、先ほど国民の目線だけに自治体が一番近くにいると。その中で横浜の取り組みがさまざま行われましたが、横浜市民も巻き込んだ取り組みとしてこのような政策等も出てきたと理解してよろしいのでしょうか。

○城構成員 高齢化の進展というのは地域にとって非常に大きな課題でして、特に介護、在宅医療に関しては、市民意識調査などでも大きな関心事、悩み事として必ず上位に占めてくるような状況ですので、我々はここに応えていかないと、行政としては役割を果たしていないと考えています。

○新田座長 ということで、最初辻構成員から御意見がありましたが、在宅医療の長所とか短所でなくて、必然の中できちっとそこに組み入れていくということをこういった全てのメンバーが理解すれば、病院も含めて、一連の流れでございますから。長所と短所という分け方をすると、バーンと分けてしまうような感じがしますので、そのあたりの言葉もどうでしょうか。

○鈴木構成員 「必然」と言われると、ちょっと言い過ぎだと思います。

○新田座長 言葉を選びましょう。了解しました。

 必然というか、最後まで暮らし続けることをできる限り可能にするということが基本でございますから、そういったことで在宅における医療。在宅医療というのは全てをあらわすわけですから。どうぞ。

○鈴木構成員 ここに書いてあるのは、国民が長所や短所を理解しということですから、全く問題ないと思います。

○新田座長 了解です。国民が理解をすると。国民がそこのところの。わかりました。少し語尾調整を含めて考えたいと思います。よろしくお願いします。

 どうぞ。

○伯野在宅医療推進室長 今の御議論、ちょっと分かれてしまっているので、今、預けられても少し困るなという感じがしますので、変える必要があるのか、ないのかというのを御議論いただければと思います。

○新田座長 このところは最初御意見がありましたが、どうぞ。

○辻構成員 別にそんな深い意味ではないのです。ここに書いているとおりなのですね。話としては「入院医療や外来医療と相互に補完しながら生活を支える医療であり」ということで、これは一連の流れなのですね。ですから、それをカットして、「長所、短所」でなくて、一連のものを理解するという意味が重要かなということで。本当に素朴な見解ですので、決して批判めいた気持ちではありません。国民から見れば、何がよくて、何が悪いのかというのは、具体的に言葉にしたら非常にわかりにくいのではないかという意味なのです。長所というのは何、短所というのは何と言われたら、国民から見たら説明がわかりにくくて、一言で言えば最初の2行にあらゆる意味が含まれていますので、そのことを十分理解してというような趣旨ではないかということで発言しました。

 「国民が」という場合に、私は役人をやっておりましたので、長所は何、短所は何と言われたら、これまた大変な説明だなと。こういう非常に素朴な質問なのです。

○新田座長 どうぞ。

○鈴木構成員 そういう話をもっと議論したいというのであれば、議論したらいいと思いますけれども、そこは触れないで、国民が選択する場合に、在宅医療と入院医療を選択して利用できるようにするという意味では、「長所、短所」というのはそれぞれ理解していく必要があるのではないか。私は当然だと思うのですけれども。

○新田座長 御意見、どうでしょうか。どうぞ。

○辻構成員 私は、そういう素朴な質問ですので、この言葉自身にこだわる気はないので。国民がどういうときに入院がいいのか、どういうときに在宅がいいのかということをよく理解してという趣旨でこれを読むのであれば、全く異存はない。ですから、私は言葉にこだわっているわけではないのです。このことの意味を皆で。まことにここまでたどり着いた文章なので、相互理解を深めていただければありがたいという趣旨です。というふうに理解していただけるのであれば何の問題もない。

○新田座長 どうぞ。

○山口構成員 今のお話を伺っていて、私が理解しているのを文章化すると、「長所や短所を」というのではなくて、「国民が在宅医療の内容や地域での実現状況とか実施状況を理解し」に変えれば、別に「長所、短所」という言い方をしなくても次の言葉につながっていって、皆さんが議論している内容にそぐう内容になるのではないかと思います。「長所、短所」と言ってしまうのでいいか悪いかという理解になってしまうので、そうではなくて、「在宅医療の内容や地域での実施状況」とか。

○新田座長 池端参考人にこれから話していただくのですが、先ほど西澤構成員からありましたのは、どこも選ぶのでなくて、今、言われた話ですね。ということで理解してどうでしょうか。

○西澤構成員 皆さん、理解は同じだと思いますが、「長所、短所」という言葉がひっかかりますが、これから在宅医療をどんどん推進ということになるけれども、在宅医療が一番いいわけでもない。在宅医療ではなかなか難しい例もあるのだということをどう表現するかということだと思いますね。

○新田座長 内容を理解するということですね。

○西澤構成員 それが「長所、短所」という言葉でいいか、あるいはもっといい表現があるかということだと思います。それは皆さん、すぐ出てこないと思いますが、どこかで妥協できればなと思います。

○新田座長 どうでしょうか。どうぞ。

○鈴木構成員 在宅医療の推進ということで、無理に在宅に行かされるようなことが行われると、患者さんや家族にとっても非常に負担を強いることになりかねない場合があるで、そういうことはきちんと理解して、入院医療を使って、また在宅に戻っていただくことも重要であるということです。

○新田座長 どうぞ。

○西澤構成員 鈴木先生のおっしゃるとおりだと思います。それが「長所、短所」という表現がいいか、もっといい表現がないかというような議論だと思いますので。みんな認識は共通していると思いますので、もうちょっと知恵を絞れればなと思います。

○新田座長 今、山口構成員が言われたような言い方は、「長所、短所」というよりはむしろ言葉としてはいい感じがするのでしょうが、いかがでしょうか。ちょっと違いますか。

○鈴木構成員 もう少しじっくり考えてみないと、いい言葉が出てこないですね。後半のほうはいいかもしれないけれども。

○新田座長 もう一回言ってください。

○山口構成員 結局、いい面、悪い面というか、地域によっても違うし、利用する人にとっても、在宅がいい場合もあれば、在宅を選ぶことのほうがつらい場合もあるということをおっしゃっているのだと思いますので、そういったことを踏まえると、後半で同じことを言ったような気がするのですが、「在宅医療の内容や地域の実施状況、実現状況」。

○新田座長 を理解し。

○山口構成員 を理解し。だから、どういったことがこの地域でできるのかということがわかれば、自分にとって在宅医療がいいのか、それとも病院がいいのかということを選べるのではないかと思います。

 ただ、今は在宅と言っても、いい、いいというような声もありますけれども、それを選ぶことによって苦しんでいる方も中にはいらっしゃる。ですから、地域でどういう実情なのかわかった上で、自分にとってどうなのかということを一人一人が考えることができればいいのかなと思います。

○新田座長 どうぞ。

○伯野在宅医療推進室長 在宅医療の内容や、地域だけではなくて世帯とか、介護の提供体制、家庭の介護力も含めて、地域でのあるいは家庭での介護力の違いなのだと思いますので、例えば「在宅医療の内容や地域や世帯状況の違い」とか、そういったニュアンスを入れてはいかがでしょうか。

○新田座長 在宅医療というのは、医療だけではなくて、環境、介護システム等々全てが含まれて、それによって家族・本人がそこで選択するということですね。という話を今、されたと思いますが。どうぞ。

○鈴木構成員 在宅医療には介護も含むのですか。

○新田座長 どうぞ。

○伯野在宅医療推進室長 厳密に「在宅医療」と言った場合には含まれないかもしれませんが、在宅医療を提供する上で、現状のような高齢化社会の中では介護というのは切り離せないものであるという認識です。

 辻先生も先ほどご指摘いただいたのは、在宅医療自体のデメリットではないのではないですかということなのだと思いますが、在宅医療をすることによって介護の負担が生じて、家族が疲れてしまうとか、そういったデメリットということを言っているということなので、その辺をわかりやすく表現したら良いということだと思います。

 いずれにしても、ここではまとまらない可能性もありますので、事務局でまた案を考えさせていただいて、別途座長とも御相談させていただくということでお願いできればと。

○新田座長 大変貴重な話でございますが、皆さん、同じ方向性で同じようなことを言っているのですが、言葉をきちっと選択するということになると思いますが、鈴木構成員、よろしいでしょうか。

○鈴木構成員 座長一任はしませんけどね。

○新田座長 もちろん、相談でもってやりますですけれども、よろしいでしょうか。どうぞ。

○辻構成員 別にそう深い意味でなくて、問題提起してしまって申しわけなかったのですが、理解についてはほぼ共通していると思います。ですから、国民が何を理解してほしいのかということが言えておればいいということに尽きますので、単なる表現の方法として調整いただければありがたいと思います。「国民が理解」という言葉なので、それで気になってしまったというだけですので、何とぞそういう意味で。私は、本当に鈴木先生の理解が正しいと思っていますので、あとは表現の問題だということでお願いしたいと思います。

○新田座長 ありがとうございました。

 それでは、少し時間がタイトになってきましたので、今の話は座長一任ではないということでございますが、おおむねそれぞれ相談しながら座長一任にしていただければと思いますが、よろしいでしょうか。

○鈴木構成員 座長一任はしないと言った。おおむねというのは、曖昧だから。

○新田座長 はい。

 次に移っていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 3の重点分野における当面の具体的な取り組み、掲載すべき団体の取り組みで、本日まで提出が間に合わなかった団体に関しては親会までに追加していただくことを可能として、追加修正していきたいと思います。そのあたりは座長に一任をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 それでは、前回のワーキンググループで医療連携に関する事例紹介をいただきましたが、本日は池端参考人をお呼びして事例紹介をいただきたいと思います。

 池端参考人、よろしくお願いいたします。

○池端参考人 御紹介いただきました池端です。本日はお招きありがとうございます。

 冒頭に私の役職として日本慢性期医療協会とありましたが、そちらの方がイメージが強いかもしれませんが、今日は福井県医師会副会長という立場で、在宅医療に対する県と県医師会の取り組みということを中心にお話しさせていただきたいと思います。時間が15分ぐらいとお聞きしていますので、少し駆け足になりますが、よろしくお願いいたします。

 めくっていただきまして、福井県はこういうところにあるということで、これは省略します。

 3ページ目に、福井県の特徴として在宅に関係することで、福井県は家族性のつながりが深いというところがある。一方で、働く場所が非常に豊富ですが、男女共働き率が日本一高いということで、逆に(共働き率が大変高く)日中独居になるところが非常に多い県でもあります。

 あとは、子育て支援が非常に充実していまして、待機児童は全国一ない県ということで、私自身も保育園を経営していますけれども、待機児童はほとんどありません。「住みやすさ日本一」とよく言われている福井県の現状です。

 4ページ目は、福井県はおじいちゃん、おばあちゃんが子供と一緒に三世代同居が非常に多いということがあって、日本古来のふるさとのよさが残っているということで、今でも玄関口はあけっ放しで、御近所が時々訪ねてきたり、そういうことが田舎のほうでは多い県だと思っています。

 5ページ目、6ページ目は福井県の現状です。人口は、東京都で言えば1つの区よりも少ない、80万弱の人口で、高齢化率は28%。全国よりも少し高めの高齢化率です。

 要支援・介護率はほぼ全国並みということです。

 6ページ目には、今後人口の減少と高齢化が一気に進んでいくということが書いてあります。

 7ページには、福井県の現状として医療・介護の提供体制を担う施設数とか従事者数はどうかというと比較的充実していて、医療に関しても、医師は全国平均よりも若干多め、看護師も多め、薬剤師は若干少なめですけれども、病院の数と診療所の数等々は全国平均より高い。介護に関しては、施設、介護職員についても全国平均よりかなり高い状況で、施設整備数も基準を大幅に上回っている施設も結構多い県であります。

 医療費に関しては、国民医療費では福井県は32万で、ほぼ全国並みですが、高齢者医療は若干少なめ、介護は逆に少し多めというような医療費の状況です。

 福井県としては、8ページにありますように、医療・介護連携に関するこれまでの取り組みということで、後で少し説明しますけれども、スタートは、平成22年に、今日構成員でいらっしゃいます辻哲夫先生が中心になったジェロントロジー共同研究を和光市モデルと田舎モデルということで、福井県の坂井市というところのモデルをさせていただいて、それを上手に使っていって全県に広げていくというのが福井県の取り組みで、それを御紹介していきたいと思います。

 9ページは、老健の在宅医療・介護連携推進事業、市内の取り組み状況ということで、着手率で言えば、8個中7.9個で、着手率は全国断トツ1位ということで、よく取り上げられていて、実は私もこういうことで今日の午後も(日本医師会で)発表するように言われているのですが、福井県の長寿福祉課長も知事会等でこの理由は何だということを発表されているということで、その辺でお互いの資料も連携しながらやっています。

11ページは、その種明かしと言えるかどうかわかりませんけれども、県庁のほうの組織改編のときに、平成24年から地域医療課が医療政策をやっていて、長寿福祉課が介護政策をやっていたのですが、24年の段階でもう在宅医療が必要だということで、在宅医療に関しては医療と介護が連携して一体的にやらなければいけないということで、在宅ケア推進室をぜひつくってくれと私がかなり強く言ったのですが、そのときにこの連携事業を医療政策課から長寿福祉課に移行して、在宅ケア推進室に両方のスタッフを派遣して、課内に推進室を1つつくったということで、ここと医師会がこの10年近く連携し合って、いろんな政策について一体的に取り組んだということが、ひょっとしたら推進した一つの理由かなと思います。ここに福井県医療審議会の在宅医療体制検討部会というのがつくられています。

12ページにありますのは、県レベル同士でやっていてもどうしてもらちが明かない。本来必要なのは地域ですので、在宅に関して地域連携協議会というのを各保健所単位で行っています。各保健所単位でそれぞれ在宅医療連携の協議会を行って、ここで多職種が集まってやっていて、そして県全体の体制検討部会とコラボしながらやっている。検討部会には保健所のスタッフが全部参加して、一緒に福井県の流れを聞いて、そして地域に持ち帰って、地域で多職種連携でそれを進めていく、そういうコラボを常に平成25年からやっています。こういうことで少しずつ理解が地域にも浸透していったのではないかと思っています。

13ページは私がつくったスライド「各医師会の役割」ということで、当然ながら医師会と真ん中に置いてありますが、医師会というのは各関係団体と思っていただければ、看護協会でも薬剤師協会でも歯科医師協会でも同じだと思いますが、日本医師会、都道府県医師会、郡市区医師会とあって、そして横に国民と国、都道府県と都道府県民、市町村と市区町村民があります。当然日本医師会というのは、国民を相手に国といろんな政策立案にかかわる。都道府県医師会というのは、ちょうどコーディネーター役だと思うのです。日本医師会から郡市区医師会に伝える、あるいは郡市区医師会でのいろんな要望とか課題を日本医師会に上げるというコーディネーター役。しかも、都道府県民に対して情報伝達あるいは情報収集等をやっている。こういうコーディネーター役を都道府県(医師会)がやる。

 実際の在宅医療に関しての実働部隊というのは、あくまでも郡市区医師会で、郡市区医師会と市町村と市区町村民が一体となってやることが非常に大事ということです。

 先ほど重点課題でありましたように、国民の役割と行政の役割と関係団体の役割。まずここがしっかりタッグを組んで、最終的には国民が選んでいただける、国民が理解していただけることに対して、関係団体と行政が一体となってそこにアプローチできるか、これが在宅医療が進むかどうかにとって新しいテーマではないかと思っています。

 では、具体的に少し取り組みをお話ししていきたいと思います。14ページは、大きくわけて4つ、在宅医療サポートセンター事業とICTの事業と福井県版の退院支援ルール、それから先進事例を3つほど御紹介したいと思います。

 これは都道府県でやっていらっしゃるところが多いと思いますが、県医師会と歯科医師会との連携による。ここはたまたま県医師会と歯科医師会と書いてありますが、当然在宅にはほかの三師会も入っています。たまたま歯科医師会と県医師会は医師会館が隣同士にありますので、ここに対して在宅医療サポートセンターと口腔ケアセンターを同時に開設しました。そして、ここが1つのチームを組んで主な事業というので、在宅医療の情報発信とか、支援体制整備とか、在宅医療の研修とか、啓発・推進というのを一体的に取り組むことを行っています。

 次のページです。この運営委員会には先ほどの三師会のほかに看護協会。訪問看護ステーション協議会と看護協会は中にあるので、最初看護協会に声をかけたのですけれども、これを調べたら、むしろ訪問看護ステーション協議会のほうがいいのではないかということで、協議会の会長ということで役員に入っていただきました。

 そして、各郡市区医師会の在宅医療担当理事連絡協議会と常にコラボしながら、いろんな情報収集あるいはアンケート調査等を行ってやっています。

 もう一つ大事なのは事務局です。これは県からの予算で、委託事業なのですが、よく都道府県というのは、委託すると、あとはよろしくで、やりっ放しのことがあるのですけれども、当県では県のスタッフが常に運営委員会に入っています。だから、常に情報を共有できて、しかも、県医師会が弱いところは予算をどうするのか、この予算でこの事業ができるのかというところが弱いので、その辺をサポートしていただきながら、逆にこの予算はとれるかもしれないという案を事務局からいただいてということで、県と県医師会が毎回運営委員会をコラボしてやっている。研修企画委員会もそれぞれ別々に毎月のように行っている。これも全ての県のスタッフが入っていっています。ここがうまく進む秘訣かなと思っています。

 そして、運営委員会を3つに分けて、研修企画と地域支援と啓発・推進ということで行っていって、それぞれの事業をそれぞれ行っています。

 もう一つ御紹介したいのは、地域支援部会の中で基幹病院地域連携ワーキンググループというものです。福井県には高度急性期をやる4つの病院、日赤、済生会、県立、大学と4つの機関があって、その基幹病院の地域連携室の連携が必要だろうということで、そこを集めて部会の中に入れまして、そこの情報を得ようと思ったところ、非常にいいことがあって、いろんな悩みが非常に共通していて、しかも在宅医のいろんな課題も共通している。では、ここを広げていこうということで、今、ワーキングをさらに立ち上げて、回復期とか慢性期、さらに在宅ということ、連携室の連携を広めていこうということで、これは今、かなり動き出していて、非常にいい効果を上げています。

 啓発に関しては後で説明します。

 研修企画部会の取り組みとしては、27年度、28年度、こういったものがあります。これはどこでもやられているような基礎研修とか同行訪問とかを行っています。

18ページは、地域支援部会の取り組みとして行っているものです。これをやる前にアンケート調査を行ったのですが、アンケート調査でできたのは、在宅をやろうと思っても小ロットの機材が高価になってしまって困るということで、では、1ロット、吸引のチューブ1本から販売できるような形を全県にやろうということで、ここの事業を展開しました。

 実技研修会等を行ったり、研修の備品をそろえたり、あるいは先ほど言った基幹病院の連携ワーキングを行ったり、こういったことを地域支援部会で行っています。

 啓発部会では、「『かかりつけ医』を持っていますか?」というパンフレットとか、県民公開講座等を毎年行っていて、つい先日も行っています。今回行ったのは、300人ぐらい市民が集まっていただいて、劇をやりました。特別シアターということで、専門職がそれぞれ患者役になったりして、在宅、みとりの劇をやって、あと体験談の話をしていただいて、そして討論会をやったということで、非常に好評でした。そういうことがあって、これをやるにもいろいろ仕掛けをしなければいけないので、ラジオにアプローチして放送で流してもらったり、私がインタビューを受けたり、少し仕掛けをして、集まっていただきました。こういった地域センターの取り組みを行っています。

ITに関しては、これはどこでもやっていらっしゃるので簡単に紹介します。「ふくいメディカルネット」というのは、20ページにありますように、病病連携から始まって、病診連携、そしてそれを今、在宅に広げていこうということで、これはまだ半ばですが、病病、病診連携に関しては17施設が情報提供病院になって、受ける施設は今、大体300施設ぐらいで、1万5,000ぐらいの患者さんがそういう連携を使っているということで、かなり動いています。在宅機能をそこに付加して、昨年の秋ごろから実際にスタートしていて、これはまだ十分進んでいません。説明すると長いので、23ページに病院と診療所と訪問看護ステーション、ケアマネさん、薬局等々にタブレットを無料でお貸しして、1患者ごとに連携するということを決めて、コードを付与して、そこで情報ツール、メディカルネットを使ってやっていこうということで、これも全県一区でやっていこうという形で今、スタートしたばかりなので、実態の報告はこれからになると思います。

 福井県退院支援ルールというのがあります。これは福井県独自のルールだと思います。全県で適用するルールをつくりました。主に急性期病院に入院したときには、ケアマネさんは自分の担当が入院したら、1週間以内に情報を上げます。病院も必ず1週間以内に情報をとりますということをお互いに約束しました。ただ上からでなくて、それをやるのに1年かけて、保健所単位で多職種が集まって、どういうツールがいいかということをいろいろ練った上で、昨年4月にスタートしました。

26ページを見ていただけると、福井県の退院支援ルールの目的。当初情報提供が5割以下だったのが今は8割近くにまで上がったということ。それから、これをやるにも県庁と県医師会が連携してスタートしたということ。それから、全ての保健所単位で多職種が集まって複数回の協議をしたという今年かも、福井県の場合は市町の単位でも医療圏が非常に大きいので、全県一区でないといけないということがあって、全県一区で共通のルールにしたということが特徴かと思っています。

 県の役割、県医師会の役割等々は、そこに赤字で書いている県庁、保健所、郡市医師会がそれぞれ連携を図ってやっていたということです。

27ページにはその取り組みが書いてあります。

28ページ、つい最近行ったアンケート調査の結果で5割から8割に上がったということ。

 ちょっと注目していただきたいのは、医療機関のアンケートが、97医療機関で92%回答。ケアマネに関してもカバー率97%。ほぼ全部回答していただいています。これはいかに連携が進んだかということ。この仕掛けを1年かけてじっくり練ったということがよかったことかなと思っています。

 3分の1のケースが入院当日に文書が行き交うようになったということで、先ほど言った連携ワーキンググループの中でそれができるようになったので、退院前カンファレンスの前に退院調整カンファレンスが多職種でできるようになったということが非常に大きい。直前になってカンファレンスをするとなかなかうまくいかないことがあるので、途中でやれたというのはすごく大きくて、ぜひこれをまた進めていきたいということがあります。

29ページは坂井地区の在宅ケアモデル。これは辻先生に大変お世話になったモデル事業ですけれども、平成22年に東京大学と共同で行った、坂井地区というところの26医療機関のうちの在宅を推進するモデルを市の医師会が中心となってやったということです。この事業に26医療機関、地区の6割が在宅をやるということで参加していただいた。しかもそれが主治医・副主治医制に参加したということ。そして、ICTを使って114機関が医療・介護連携を行ったということです。

29ページの下のグラフにあるように、在宅で医療・介護を受ける訪問看護の利用者の数で見ますと、全県は158ですけれども、坂井地区は5年間で1.9倍の伸びをしている。全県に比べて非常に伸びが高い。しかも、行政が喜ぶのは右の図なのですが、他の県と比べて医療費が伸びなかったということで、これをもって、この事業、坂井地区モデルを全県に広げようということで今、取り組みを始めたのがその次の事業になります。

30ページに坂井地区の状況が出ています。

31ページにどういったことをやったかということが載っていますけれども、時間の関係で省略します。

32ページは、市と地区医師会がそれぞれ役割分担を行って、これらが相互に体制整備に反映したということです。

33ページが坂井地区のモデルを全県に広げようということで、これも県と県医師会がかなり練った上で、進めていこうということでスタートしました。

34ページ、坂井地区のモデルを市町で体制整備を支援していこう、在宅医療を全面サポートします、それから県医師会と歯科医師会、口腔ケアセンターが全県、横串でサポートしますということをやって、大事なことは汗をかかなければいけないだろうということで、医師会は郡市区医師会に行きますけれども、県も各市町にそれぞれ足を運んで、そこで説明会をやって、こういう事業をやりますからぜひ参加してくださいということ。汗をかかないとなかなか乗ってこないということがあって、そういうことをやって、少しずつ全県に進んでいます。

35ページは、その体制整備、在宅医療・介護連携推進事業全面のサポート事業ということで、コーディネーターを各市町に置いて在宅医療を進めようということで、こういった体制をつくって、ここに少ないですけれども予算を配置して、主治医・副主治医制を全県に広げていこうということです。

 それに乗っかった市町が幾つか出てきました。36ページ、武生医師会がそれを導入して、入院医療と、医師会にコーディネーターの医師を置いて、そして主治医・副主治医をつくってということで、在宅主治医が見つからない場合に、地域包括支援センター等を通して医師会のコーディネーター医師に連絡をとって、医師会が地域ごとに組んでやる連携表を使って、そこに紹介して、主治医を決めるという体制。

37ページは、具体的な名前が出ています。ここには病院でも診療所でも在宅をやりますということが全て手挙げしてあって、それぞれの地域にコーディネーター医師が配置されて、コーディネーター医師が往診可能な医療機関と連携をとって主治医を決めていくという制度です。ただ、実際にこれを使って主治医が決まったのは年間でまだ10例、20例程度なのですが、ほとんど主治医が決まっていくので、決まらないところは全部こぼれなくこれができるようになったということです。

 福井市医師会に関して言えば、いろんな取り組みがあります。福井市医師会も在宅ケアとか多職種連携とかありますが、時間がないので1つだけ。取り組みとして地域包括ケアサポート医というのをつくっています。これは各地域包括支援センターにそのセンターをサポートするサポート医をつくろうということで、39ページにありますように、統括コーディネーターとして市の担当副会長を置いて、地域ごとに具体的な名前を入れて、それをサポートする。そのサポート医をさらに複数置いていくということで、地域包括ケアの中で特に医療関係で困ったことは何でもこの先生に相談してくださいよという体制。主に認知症と在宅医療が多いのですけれども、こういうことをやっているということです。

 最後の40ページ、在宅医療関係。私の思っている「地域包括ケアと地域医療構想は車の両輪」。今、保健所単位でと話しましたけれども、保健所単位というのは、地域医療構想も保健所単位になっている。既に数年前から保健所単位で多職種が集まって話をしているので、地域医療構想に関しても、その話が在宅医療と一体になって同じ顔でやれているということが一つよかった点かと思います。

 連携は、県と県医師会がコーディネーター役。県医師会と郡市区医師会、郡市区医師会と市区町村、ここが実働部隊なので、ここをいかにアプローチするか。県医師会は県医師会で行くということで、最終的には郡市区医師会と市区町村が一体的に市町村民にアプローチする。ここが非常に大事ではないかと思っています。

 あと、情報の一元化、先進的取り組み事例。

 地域の特性、全部同じようにやろうと思っても難しいので、網はかけますけれども、それぞれの特徴も生かして、淡い網をかけながら、在宅医療からこぼれてしまうようなことがないような形をシステムとしてつくっていこうということ。

 最後に、システムをつくっても誰が動かすかということで、人が大事なので、そこにどういう人を配置したかということでうまくいくかいかないかが決まるかなというのが印象です。

 以上、5分延びましたけれども、ありがとうございました。

○新田座長 ありがとうございました。

 それでは、皆様から御質問等があれば受けたいと思います。よろしくお願いいたします。どうぞ。

○吉田構成員 すばらしい取り組みを御紹介いただき、ありがとうございます。

 これは多分薬剤師のほうでも同じようなことが言えるのかなと思うのですけれども、コーディネートをされる医師の養成ということで36ページに載っていらっしゃいますが、それは県医師会さんのほうでやるのではなく郡市区医師会でされるのですか。

○池端参考人 郡市区医師会でコーディネート医を養成して。

○吉田構成員 では、県内で統一してやるということではないのですか。

○池端参考人 あくまでも郡市区医師会の実情があるので、そこに合わせてということで、この事業に取り組むところもあるし、そうでなくて、今は病診連携をほとんどやっているよというところがあるので、この事業をやっていないところもあります。

○吉田構成員 わかりました。ありがとうございます。

 大体何名ぐらい。39ページに載っているとは思うのですけれども、郡市区医師会の規模によってコーディネーターの数というのは考えられているのですか。

○池端参考人 それは郡市区医師会の考え方で、サポートの看護師を置いているところもあります。看護師が全部それをやるところもありますし、地域ごとに医師を配置しているところもありますし、そういうコーディネーターを全然つくっていないところももちろんあります。違う地域だと、診療所と病院しかなくてもそれぞれ連携がとれているよというところがあるので、それはその地域ごとにかなり違ってきます。あくまでもこれはどうぞとお示しして、乗ったところの医師会がそれをやっているということです。医師会の規模にもよりまして、ある程度大きな規模のところでないとできないということがあって、市町の医師会はほとんどやっていますが、郡レベルだと、10名とか15名という医師会もあるので、そこはこういうシステムはできていなくて、でも、実際もうできているよというところがあるので、そこはそこで任せるということで。

○吉田構成員 ありがとうございます。

 先ほど西澤構成員が言われたような同一法人の中ではチーム医療というか、取り組みがやりやすいということで、すばらしいと思うのですが、地域包括ケアの中に入っていくと、そういうコーディネーターの方がいらっしゃらないとなかなかうまく循環しないのかなと思いましたので。どうもありがとうございました。

○新田座長 どうぞ。

○西澤構成員 池端先生、ありがとうございました。

 2つ質問ですが、22ページにシステム構成図というのがありまして、医療機関が全部同じようにデータを見られるということですが、実際閲覧機関が病院の中で見られるところはどういうところ。

○池端参考人 今のところ検査データと画像が中心で、カルテの内容そのものはまだ見られないです。

○西澤構成員 それは自分のところで受けている患者さんだけに限られるか、それとも全ての患者ですか。

○池端参考人 受けて、承諾をいただいた患者さんについてということです。

○西澤構成員 わかりました。

 もう一点ですが、このシステムは、県自体で在宅のシステムを構築しており、すばらしいなと思っているのですが、県にも在宅専門クリニックがあると思うのですが、そこも一緒になってやっているということでしょうか。

○池端参考人 それは前回発表されたオレンジの紅谷先生なども在宅専門で、福井県でやっている。福井県で在宅専門をやっているのは2医療機関しかないので、もちろんここに入っています。紅谷先生などもこういう在宅に関してのいろいろな研修とかには参加していただいて上手にやっているということです。よろしいでしょうか。

○西澤構成員 わかりました。ありがとうございます。

○新田座長 どうぞ。

○飯島構成員 日本老年医学会という立場でなくて、東京大学にいる者ということでの発言なのですけれども、先ほど池端先生からも、辻先生率いる我々東京大学と坂井地区モデルでということでお話しいただきました。私は頻度多く現場には行けていないのですが、うちの後輩の教員から聞いている話では、いろんな取り組み、システムをつくるという内容に加えて、住民への啓発というところにすごい力を入れてくださっていて、在宅みとりというものだけが全ての座標軸ではないのですけれども、そういうところも着実に結果を出していると聞いておりますので、前半の議論で山口構成員からありました国民の方々にどういうふうに届けるのかとか、目、耳に届ける、さら心に届けるというところを結構着実にやっていただけているエリアなのかなと思っていまして、全国の自治体でも住民啓発というのは必ずやっていらっしゃるとは思うのですが、そこのノウハウもまたいろいろ教えていただければなと思っています。

○池端参考人 おっしゃるとおりで、実際体験した方がしゃべっているのが一番インパクトがあるということがわかって、今、そのしゃべる方を養成しています。坂井地区で養成した方を全県あちこちで話していただいている。我々専門家が言うよりも、実際経験して、大変だったけれども、ここで最後はみとって、グリーフケアもやってもらってよかったよということを生で言っていただくとすごく関心が深まるので、そういうことが大事かなと。

 坂井地区のコーディネーターをやった人が県のサポートセンターの中に入ってもらって、その事業をやっているので、いろんな人のつながりを持っているので、そういう啓発活動も非常にスムーズにいっています。

○新田座長 ほかにございますでしょうか。福井県、とても貴重な話でございますが。ありがとうございます。よろしいでしょうか。どうぞ。

○鈴木構成員 医師会の取り組みの進んでいる例の一つということで御紹介いただきました。辻先生もかかわっていただいたところですが、それが今、地域に広がっているということで、すばらしいと思いました。今日の話のでは、入院医療と在宅医療は、外来医療も含めて、地域の中では一連のものだということですが、いざというときの入院体制についてはどのようになっているのでしょうか。

○新田座長 よろしくお願いします。

○池端参考人 坂井地区では「安心連携カード」というのをつくっていて、地区内の医療機関、在宅支援と入院を受け入れますと手を挙げたところがあって、そこにチェックをするようになって、持っていると、もしものときはそこに自動的に運ばれるということになっています。ただ、これは全県に広がっている話ではないということです。

○新田座長 池端構成員のところは坂井地区でしたか。

○池端参考人 私は武生というところです。

○新田座長 どうぞ。

○山口構成員 ありがとうございます。

 4ページのところにかなり同居率が高くて、地域の力があると書いてあるのですが、独居の方とか老老夫婦が少ないということかなと思うのですが、実際に在宅医療を行っておられる家庭というのは、実情としては家族の力というのが結構大きいのでしょうか。

○池端参考人 もちろん、ターミナルに近い方というのは家族の支援がないとなかなか難しいというのは、全国どこでも同じだと思うのですけれども、ただ、数が多いわけではないですが、私がみていた例でも、御近所の方が点滴の抜き差しから全部やって、おひとり暮らしで、家でみとるということもできています。

 あと、老老介護でなくても、障害者の小児麻痺の50代とばりばりの認知症の80代のお母さんのふたり暮らしが数年続いている在宅もあります。これは覚悟しているかどうかなのです。遠くの親戚がいいよ、本人がそれならいいと覚悟していると、それが可能ということになります。

○山口構成員 共同体としての機能がしっかりしているということですね。

○池端参考人 そうですね。裏玄関はいつもあけっ放しで、御近所が勝手に入ったりするという風土もありますので、そういうところがうまく使えるとうまくいくところもあります。もちろん、全てではないですけれども。

○新田座長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、そろそろ時間になりました。先ほどの話でございますが、私は、ある意味では謝らなければいけないのですが、皆さんに承認されたことを蒸し返したような議論を行いました。この場で謝らなければいけないなと思っております。

 基本的には承認されたことでございますから、この文章を基本にいたしますということでいきたいと思っております。さまざまな議論がありましたが、もう承認されたことでございますので、どうしましょうかという話になると、また大変でございますね。西澤構成員からいろいろありましたが、「長所、短所」という言葉尻を余り捉えてもいけないし、辻構成員が言われたように、皆さんよく理解していると。言葉を一旦認められた、承認されたものとして、ここで。最後残されたのはそこだけですが、どうでしょうか。

○辻構成員 私は全く異存ありません。言葉の意味をここで理解していただくために発言しただけですので。それについては皆様のお話で理解が一致したと思います。

○新田座長 ありがとうございます。

 西澤構成員、そこの御意見をもう一度よろしくお願いします。

○西澤構成員 今日辻先生から発言があって、この言葉になっていますが、ここで議論したことによってみんなの認識が一致したということはよかったし、そういうことであれば、このままでもいいのではないかなと思います。

○新田座長 ありがとうございます。

 最後の池端参考人の話も含めて、そこにはいわゆるすき間がないということで、話がよかったというふうに思っております。

 それでは、各団体、重点分野についておまとめいただきまして、ありがとうございました。こういった会議を含めて、オールジャパンで在宅等に対するさまざまな課題等、推進を含めてやっていければと思っております。

 それでは、事務局、あとよろしくお願いいたします。

○桑木室長補佐 座長からお話がありましたように、重点分野を取りまとめて、これを親会のほうに報告いたしたいと思います。

 大変活発な御議論、ありがとうございました。

○新田座長 それでは、「全国在宅医療会議ワーキンググループ」はこれで終了させていただきます。

 ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 


(了)
<医政局>

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TEL:03-5253-1111(内線2662)

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