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2017年3月9日 先進医療会議・先進医療合同会議(第51回先進医療会議、第54回先進医療技術審査部会 議事録

○日時

平成29年3月9日(木)16:00〜16:34


○場所

中央合同庁舎第5号館講堂(低層棟2階)


○出席者

【構成員等】
宮坂座長 五十嵐座長代理 石川構成員 梅村構成員 柴田構成員 
福井構成員 山口構成員 山本構成員 上村構成員
【事務局】
医療課長 医療課企画官 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐
医政局先進医療専門官 他

○議題

1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
  (先−1)
  (別紙1)

○議事

○第54回先進医療技術審査部会

16:00開会






 

 

○宮坂座長

 ただいまより、国家戦略特別区域内で実施する先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について「先進医療合同会議」を開催いたします。

 それでは、先生方の出欠状況ですが、本日は福田構成員、藤原構成員、横井構成員より御欠席との連絡をいただいております。

 次に、先進医療技術審査部会からは上村構成員に出席していただいており、田代構成員からは御欠席との連絡をいただいております。よろしくお願いいたします。

 欠席されます福田構成員、藤原構成員、横井構成員、田代構成員からは委任状の提出があり、議事決定につきましては私、座長に一任するとされています。

 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 頭撮りについてはここまでとさせていただきます。

 まず資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、座席表、構成員名簿をおめくりいただきまして、先−1「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について」としている横紙の資料がございます。こちらには、別紙1がついてございます。

 資料の確認は以上でございます。資料について不足、誤り等がございましたら事務局まで御連絡ください。

 また、本日もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料のページまたはタブレットのページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上、助かりますのでよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○宮坂座長

 資料等についてはよろしいでしょうか。

 それでは、今回対象となる技術等の利益相反についてですけれども、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について、事務局から御報告をお願いいたします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。

 宮坂座長、石川構成員、梅村構成員より、先進医療Bとして評価を行う整理番号110の技術について報告がございました。いずれの構成員も評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でございましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価は可能となっております。

 以上でございます。よろしくお願いいたします。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 そのほかの出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 それでは、先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等についてということで、御説明をお願いいたします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 では、資料先−1に従って御説明申し上げます。

 今回御審議いただきます技術は、整理番号110の腹膜播種を伴う胃がんに対するS-1/シスプラチン+パクリタキセル腹腔内投与併用療法の1件でございます。

 適応症につきましては、腹膜播種を伴う胃がんとなっておりまして、かかる費用については資料にお示ししたとおりでございます。

 先進医療技術審査部会における事前評価は、主担当を上村構成員、副担当を田代構成員、柴田構成員にお願いしてございまして、総評としては「適」の評価をいただいております。

 また、先進医療会議における事前評価は、山口構成員にお願いしてございまして、こちらも総評として「適」をいただいております。

 御説明は以上でございます。

 続いて、医政局研究開発振興課より追加の御説明がございます。

○先進医療専門官

 研究開発振興課でございます。

 先進医療の実施責任医師の要件でございますが、消化器内科もしくはそれに相当の内科、腫瘍内科もしくはそれに相当する診療科または消化器外科もしくはそれに相当の外科であること。

 資格につきましては、日本外科学会専門医制度による外科専門医、日本内科学会認定総合内科専門医または日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医であること。

 当該診療科の経験年数、当該技術の経験年数、当該技術の経験症例数に要件はございません。その他、レジメンを問わない抗がん剤腹腔内投与の経験が1例以上であること。

 医療機関の要件といたしまして、診療科は消化器内科もしくはそれに相当の内科、腫瘍内科もしくはそれに相当する診療科または消化器外科もしくはそれに相当の外科であること。

 実施診療科の医師数につきましては、経験年数10年以上の医師が3名以上であること。

 他診療科の医師数につきましては、麻酔科の常勤医師が1名以上であること。

 その他医療従事者の配置につきましては、薬剤師を必要といたします。

 病床数は200床以上。

 看護配置は10対1看護以上。

 当直体制は内科または外科の当直を要します。

 緊急手術の実施体制を要件といたします。

 院内検査は24時間実施体制を要件といたします。

 他の医療機関との連携体制に要件はございません。

 医療機器の保守管理体制を要件といたします。

 倫理審査委員会による審査体制につきましては、2カ月に1回以上の開催であること。

 医療安全管理委員会の設置を要件といたします。

 その他要件は特にございません。

 以上です。

○宮坂座長

 それでは、この整理番号110でございますけれども、先進医療技術審査部会における事前評価について、主担当を上村構成員、副担当を田代構成員と柴田構成員にお願いしております。

 上村構成員より、概要の説明と実施体制の評価をお願いいたします。

○上村構成員

 それでは、よろしくお願いいたします。

 お手元に別紙1から始まる資料がございますけれども、概要、スキームにつきましては、紙ベースでいくと17ページです。タブレットには、同じものが137ページにございます。

 内容ですけれども、この試験は腹膜播種陽性の初発胃がん症例を対象といたしまして、S-1/シスプラチン+パクリタキセル腹腔内投与併用療法の有効性と安全性を評価することを目的としております。

35日を1コースとしまして、S-180mg/m2 21日間内服、14日間休薬をして、シスプラチン60mg/m2 を第8日目に点滴静注いたしまして、パクリタキセル20mg/m2 を第1、8、22日目に腹腔内に投与するという技術でございます。

 本療法は、腫瘍進行が確認されるか有害事象による継続が困難となるまで反復をするということでありまして、主要評価項目としては1年全生存割合、副次的評価項目は奏効率、腹腔洗浄細胞診陰性化率及び安全性としております。

 本試験におきましては、先進医療制度下におきまして現在、腹腔内化学療法の複数の臨床試験を実施中の腹腔内化学療法研究会の35施設が参加をすることで、登録症例数を50例と予定しております。

 実施の責任医師等、医療機関等に関しましては、ただいま事務局のほうから御説明がございましたけれども、特にそこに関しては問題ないと考えております。

 本試験の有用性ということに関しましては、私のほうからコメントということでつけさせていただいているのですけれども、試験自身を実施することに関しては妥当と考えております。これは先行する第1相試験がございまして、既に胃がん9例の方にパクリタキセルの用量を振る形で先行研究がございまして、その試験の中からパクリタキセルの用量に関しましては20mg/m2 を選択されたということでありまして、この試験が第2相試験として実施されるということであります。

 本試験は、第1相試験とは異なりまして他施設での試験となりますので、研究者の間での十分なコミュニケーションをとりながら、慎重に進めていただきたいということでコメントをしております。

 また、安全性についても情報の共有が非常に重要だということで、御理解いただけたものと思っております。

 有用性に関しましては、主要評価項目の閾値、期待値というところが、プロトコル上もそういった選択に関しての合理的根拠というところが少し説明が不十分であると考えましたものですから、私のほうからそちらに関して研究者に事前に照会をいたしましたところ、この試験に関しましては、現在標準的な治療でありますS-1CDDPの併用、これはパクリタキセルを使わないということですけれども、そこでの生存割合を閾値として54%と設定されたということと、S-1とパクリタキセル頸静脈・腹腔内併用療法とS-1CDDP療法を比較する第3相試験の成績を参考にして期待値を73%に設定されているということで、一定の有用性というのが期待されていると判断いたしております。

 私からは以上です。

○宮坂座長

 今、お話しになったところは何ページに当たりますか。

○上村構成員

 今のところは回答がございまして、ページでいきますと紙ベースで10ページ目になります。

○宮坂座長

 このS-1+CDDP併用療法の第3相試験の1年生存率は54%という数字はわかったのですけれども、これのn数はどのくらいあるのですか。これと比較しようということですね。

○上村構成員

 研究者の意図としては、ここを閾値としていますので、結局、信頼区間の下限で54ということになります。それで切ることになりますから、少なくともそれよりはいいというところを期待していると理解しています。

 期待値として72%と言っていますので、これは第3相試験で行われたS-1+パクリタキセル頸静脈・腹腔内併用療法の平均ということだと思いますけれども、それと同等か、もしくは、よければ閾値というところで、下側の信頼区間が恐らく54%を超えるであろうと考えていらっしゃると理解しています。

○宮坂座長

 わかりました。ありがとうございました。

 続きまして、本日御欠席の田代構成員から、倫理的観点からの評価につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○先進医療専門官

 事務局でございます。

 別紙1の1ページ目にお戻りいただきまして、一番下の段落になります。倫理的観点からの御評価ですが、全て「適」との御評価を田代先生よりいただいております。

 コメントといたしまして、事前指摘事項に対する回答・修正により、予想される利益及び補償に関する説明文書の記載は適切に修正されたと判断した。患者相談窓口についても実際のフローが確認できたため、「適」と判断する。

 以上、コメントいただいております。

 以上です。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 ここまでで、何か御質問とかコメントとかございますか。

 今、ロードマップのことを余り説明されなかったのですけれども、18ページにロードマップがございますね。

○上村構成員

 ロードマップにつきましては恐らく柴田先生のほうから、かなりそこに関しては、照会事項等もございましたので、御説明があると思います。

○宮坂座長

 わかりました。

 柴田先生、それも含めて試験実施計画書等の評価をお願いいたします。

○柴田構成員

 お手元の資料2ページをごらんください。

 6番から16番まで拝見しましたところ、いずれも「適」としてよいだろうと判断いたしました。

 閾値、期待値の設定については、今、先生から御指摘いただいたとおりでして、それについては省略いたします。

 今回は細かいところしか指摘がございませんので、その細かいところを事前の照会事項で確認させていただきまして、いずれも「適」であろうと判断したところです。

 1点、ロードマップにつきましては、少し誤解があるといけないので指摘をさせていただいたという趣旨で、この先進医療を実施することが不適切であるというような重いレベルの指摘ではございません。

 お手元の資料の18ページをごらんください。今回の先進医療の後に、未承認薬迅速実用化スキームを経て公知申請を検討するか、あるいは治験または先進医療としてランダム化比較試験を実施するというロードマップになっております。

 今回の申請の臨床試験の計画でサンプルサイズの設定根拠とされている閾値、期待値の設定は、先行して行われている類似の腹腔内投与の先進医療と同じデザインであるのです。つまり、同じデザインのフェーズ2をやっているということなのです。

 そちらの先行事例の場合には、次に検証的な第3相試験をやるといった上で申請がなされているものです。こちらは、そこのところがちょっと曖昧にされているので、基本的にはこのように、それなりの対象患者数がいて、なおかつ世界的にもまだ薬事承認を取得していないような薬の使い方に関して、フェーズ2レベルのデータに基づいて公知申請を目指すことはちょっと厳しいのではないかということを指摘させていただきました。

 お手元の資料の10ページですが、上村先生からの御指摘の回答のプロトコルの改定案変更後のほうには、この成績が得られた後に未承認薬迅速実用化スキームを利用した公知申請検討や、この後の標準化学療法とのランダム化比較検証試験に進む上で妥当であると考え、というように、一応こちらにもランダム化比較試験の可能性はきちんと書いてはおられるので、そのようなことで認識されているのであれば、結果としては問題ないのではないかと判断いたしました。

 このようなボタンのかけ違いが生じる理由としては、お手元の11ページをごらんいただきたいのですが、PMDAと事前相談を行った別の先進医療の例、mFOLFOX6を使ったこれも腹腔内投与の例ですが、いずれも研究者の先生方がダブっておられますので、お互いに情報共有しながら進められているものです。そちらで少しエビデンスをはしょった形で薬事承認がとれるのか否かという議論がされていて、その情報を参考に今回もショートカットできるのではないかと認識されているということなのです。

 こちらに挙げられているmFOLFOX6のほうは、対象が経口摂取不能ということで、かなり絞られて、人数の少ない対象になります。今回は比較的人数の多い型になりますので、薬事承認を要求されるエビデンスは当然違ってくるでしょうから、非常に少ない人数の薬事承認の議論と、人数の多い集団での薬事承認の議論が同様に行われると認識されているのであれば、ちょっとそれは現状では楽観的過ぎるのではないかと判断して、指摘をさせていただきました。

 いろいろ申し上げましたが、結論としましては現状の計画で実施していただくことについては問題ないだろうと判断いたしました。

 以上です。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 ただいまの御説明に、何か御質問、コメントございますか。

 どうぞ。

○山本構成員

 専門外なのでよくわからないのですけれども、この時点でワンアームでやって比較をしないという rationale はどういうことなのでしょうか。

○柴田構成員

 この第2相試験の組み方はがんの領域では一般的でして、まず第2相の段階では奏効割合などを見て、シングルアームで閾値を棄却できるかどうかを調べた上でフェーズ3に進むかどうかを判断する。抗がん剤を使った治療開発では非常に標準的なやり方です。そこについては問題ないのではないかと考えております。

○山本構成員

 もう一つ、これは全然違うモニタリングの方法なのですけれども、標準業務手順書のほうに中央モニタリングの業務手順書があって、基本的には施設訪問は何か特別なことがない限りはしない、中央モニタリングでやることになっていて、間隔がおおむね6カ月ごとになっているのです。50例で、エントリーが遅いのであればこれでいいのかなと思うのですけれども、3年間で50例で、おそらく最初の1年半ぐらいで50例入ってしまうのであれば、6カ月ごとというのは間があき過ぎているような気もします。

 期間で決めるより、例えば症例が何例入ったごとに決めるとか、もうちょっとファンクショナルに、モニタリングが機能的に行くような手順にしていただくほうがいいのかなと思った次第です。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 その点は、また申請者と話していただく。多分、きめを細かくやるためにはそれは必要なことでしょうから。

 ほかには、いかがでしょうか。

 どなたにお聞きしたらいいのかわからないのですけれども、ロードマップのことにちょっと触れていただきましたけれども、先ほど柴田構成員からのコメントにもございましたように、未承認薬・適応外薬検討会議でやるには多分、症例数もそんなに多くないですし、それほどドラマチックな経過が出るかどうかわからない。そうなると、むしろランダム化試験となります。ただ、ランダム化試験はある程度のラージスケールでやろうと思えば、企業が同意しなければできないですね。そこは全然わからないわけですね。そうすると、これは場合によっては、先に行きようがなくなってしまう可能性も出てくるかなという気がしたのですが、そこは何か。

○柴田構成員

 恐らく、一般論としてはそれはあり得る話だと思うのです。そこは企業さんとしても、現状でまだフェーズ2のデータもない段階で、将来のことを約束しにくいということも一般論としてはあると思うので、そこは少しずつすり合わせながら前進していくということをとらざるを得ないのかなという判断はしております。

○宮坂座長

 ほかには、よろしいでしょうか。

 それでは、上村構成員、現時点での先進医療技術審査部会としてのまとめをお願いいたします。

○上村構成員

 総評といたしましては、実施体制、倫理的な観点からの評価、実施計画書等の評価ともに、事前の照会事項等ございましたけれども、研究者からは適切なレベルで対応があったと確認しております。

 そういうことでありまして、総合評価としては「適」ということで、実施の条件についても特に設定をする必要はないと判断いたしました。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 続きまして、先進医療会議における事前評価については、山口構成員にお願いをしております。

 先進医療会議における事前評価を担当した山口構成員より、評価結果等についての御説明をお願いいたします。

○山口構成員

 御報告申し上げます。14ページを見ていただけますか。

 まず、社会的妥当性、倫理的な問題はありません。

 現時点での普及性ですが、普及しているとはいえない。

 効率性は、やや効率的。

 将来的には保険収載が妥当だろうと思います。ただ、そのプロセスに関しましては、このまま公知申請だとかができる状態ではないように思います。

 というのは、前に行われました東京大学の試験が、第2相で物すごく有望な結果が出たので、物すごく期待を持ってやったわけです。実際にやってみると、患者さんが既に第2相の結果を知っていて、後から見たら、自分がそちらのコントロールに当たった人は、そうでないほうの治療を受けた人の中にかなり奏効例が入ってしまった。

 公知試験をするときにこれはやむを得ないのですけれども、やはり参加される方にそのあたりの試験の意義を、前回の轍を踏まないようにしっかり御理解いただいた上で御協力いただける体制をとって比較試験をやらないと、いつまでも何が正しいかわからないということになるのでもったいないという感じがします。

 この試験の意義は、前回はパクリタキセルの全身投与とIPのコンビネーションなのです。今のスタンダードは、S-1とシスプラチン系の薬の併用が一番いいということになっていますので、そういう意味では東大とはちょっと色合いが違います。

 ですから、期待されることがあるので、差し当たってこの試験で東大のパクリタキセルのIVIPと同等あるいはそれよりもすぐれた成績が出れば、さらにそういうRCTと言われるパワーもつきますので、いいのではないかと思います。ただ、試験の試行に当たっては、前と同じやり方でやったら同じようにまた患者さんが入りこんでくるのではないかというおそれがあると思います。

 例えば、術前からも腹膜播種が明らかな症例は、本当に5年生存率が10%未満なのです。ですから、1年で70%生きるということは、我々としても非常にびっくりするようなデータなのです。それはまして患者さんにとってみたら、だったらもうすぐにやってくれというのも無理はないのですけれども、実際にRCTをやったら差が出なかったわけです。そこは我々としても反省して、回りくどいようですけれどもやはりRCTはやらないと、保険収載へなかなか持っていけないのではないかと私は思います。

 ただ、今この時点でこれを先進医療Bでやることについては意義はあるのではないかと思いました。

 以上です。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 ただいまの御説明に何かコメント、質問はございますか。

 どうぞ。

○山本構成員

 私も先ほど、この段階で比較試験をしないのはなぜかなということがありまして、今の段階であれば、それほど腹腔内投与に対したことですごくいいかどうかはわからない。まだ実験的な要素の強い段階なのですけれども、これでいい結果がもし出てしまったら、次、3相で比較するのが逆に難しくなる。

 多分、トラディショナルな開発のやり方は、企業だけがやっていた時代にある程度確立したやり方ではあると思うのですが、これだけがんの患者さんが臨床試験に非常に興味を持っておられて、治療の一環としてでも臨床試験に参加する風潮になってきていまして、なおかつこういうところで情報も公開されていくことになってくると、今までのような、2相では確実に効くかどうかを確認して、その上で比較に行くというやり方がだんだん難しくなってくるのではないか。むしろ、早い段階で比較の要素を入れたほうが、そういう承認をとるあるいは公知申請で持っていくにしても、その道が逆に近いような気はしました。

 ただ、今のこれがいけないわけではないので、今回出されたところを根本的に変えるつもりはないのですが、今後されるときに、今までのやり方を踏襲するよりも、もうちょっと新しいやり方というか、より早く承認に持っていく、ゴールを早くするためにはどこを変えていったらいいかということはちょっと考えていただきたいと思いました。

 もう一つは、先ほどモニタリングのことを言ったのは、例数のわりに参加される予定の機関が多いので、余りゆっくり見ているよりは、例えば私の経験でも症例数で切ると、逆にエントリーはされているのだけれどもデータの入力が遅いところなどもはっきりわかってきます。それを急がせることも中央モニタリングではできますから、期間でやるよりも、施設数でやるのであれば、もう少しきめ細かにされたほうがいいのではないかと思って申し上げました。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 質問なのですけれども、先ほど山本構成員も指摘されました、要するに、症例数は35例しかないのに、非常にたくさんの病院が入っているということは、少なくとも組み入れられる症例が少ないということかなと思ったのです。

 でも、実際の患者さんは相当いるはずですね。

○山口構成員

 実際は物すごく多くて、こういう治療を希望してくる患者がいるので、こんなに多いのだと思うのです。

 要するに、これは物すごいスピードで終わるではないかと思う。山本先生の御指摘のとおりだと思います。

○宮坂座長

 ですね。そうだとすれば、なかなか比較は難しいですけれども、n数をもっと多くしてやることは不可能なのでしょうか。非現実的でしょうか。

○山口構成員

 可能だと思います。ふやすことは可能だと思います。

○宮坂座長

 結局、35例やったところで、少なくとも決定的な結論は出ないですね。

○山本構成員

35例ではなくて50例です。

○宮坂座長

 失礼しました。50例ですね。

 その辺、お願いします。

○柴田構成員

 試験のやり方としては、いきなり第3相試験を行うというやり方はあります。フェーズ2/3試験という形でやることは、比較的突飛なやり方ではない、選択肢の一つとして考えられるやり方です。

 なぜ、分けてやるかというと、現状で副作用の出方であるとか、実際、標準治療と腹腔内投与の組み合わせなので悪くなることはないだろうと思われるけれども、どのぐらいよくなるのかを見きわめずに、数百例の試験をいきなり開いてしまうことはちょっとまずいだろうという配慮から、こういう計画にされているのだろう。これにはこれの一定の理由はあると思います。

 山本先生がおっしゃった方針で代替案を考えると、フェーズ2部分の見きわめに相当する早期のディシジョン・メイキングをするポイントを決めておいた第3相試験をやることは、あり得るとは思います。

 ただ、それも先ほど先生からも御指摘があったように、第3相試験を組むことになるとそれなりにコストもかかりますし、体制も必要ですし、それを引き受けていただくために、それなりに交渉するための根拠も必要になります。そうなると、現状でそれなりのデータがない、全くないわけではないですが、数例の経験しかないような状況で大規模な試験を企画することが困難であることもまた事実であって、選択肢としてはあり得ると思いますし、そういう検討をしないのかということは多分、先生方も考えられたのではないかと思うのですが、絶対どちらでないといけないというほどのことでもないかなと考える次第です。

○宮坂座長

 よろしいでしょうか。今の点、ほかに何か御意見ございますでしょうか。

 今のお話ですと、患者さんはいる。ただし、パイロット的な試験でもあるので、最初から大きな試験はもちろんできない。

 あともう一つは、もう皆様お気づきだと思いますけれども、パクリタキセルを使っている臨床試験は、先進医療だけでも胃がんで5つ、膵臓がんで1個あるわけですね。フェーズがそれぞれ違いますからあれなのですけれども、同じような患者さんを取り合っている可能性もなきにしもあらずかなと思うのですけれども、この点は山口先生、何かコメントございますか。

○山口構成員

 胃がんの場合には数が多いですからいいのですけれども、膵臓がんの場合にはそれほど数はないので、問題は難しいかもしれません。胃がんの場合には、結構たくさん出てくる理由はあると思います。ただ、やはりこのまま行くと、ちょっと変わったところだけ変えて、たくさん出てきてしまって、まずいと思います。

 本来は、東大の試験がフェーズ2が終わってフェーズ3になった時点でシリーズが出たらよかったのです。そうしたら、相手にこれで同等性の試験をしてもらうなりしてもらったらよかったのですけれども、そこでいわばこけていますので、そこはきちんとした標準データを出さなければいけないという難しさはあると思うのです。

 ただ、そこにたくさんのいろいろなトライが出てくると、その後の整理の方法をどうするかということがちょっとわからなくなってくる。

 もう一つは、患者申出療養とかいろいろありますので、先進医療でフェーズ2が終わってある程度のデータが出てしまうと、またそういうものを申請したときにどう受けとめるか。それから、患者申出療養が本当に保険収載に役に立つようなデータがとれるのかどうかとか、非常に難しい問題が出てくるので、このあたりは十分ディスカッションして次に備えておかないと、交通整理ができなくなってしまうのではないかという危惧は私も感じています。

○宮坂座長

 その点は事務局でも同じような問題意識を持っておられるわけですね。ですから、事務局としてもこの問題を検討して、今回のこの先進医療はこれでいいと思うのですけれども、これに似たようなものが出てきたときに、どれも症例数はそれほど多くなくて、それほど決定的なデータが出てこなかったときにどうするか。あるいは胃がんだと患者さんは多いからいいのですけれども、膵臓がんのように患者さんが少ないもので幾つもの先進医療が走ることの妥当性もありますね。

 だから、ちょっと事務局で引き取って考えていただくということでよろしいでしょうか。

○先進医療専門官

 事務局です。

 今回、承りました問題意識につきまして、また整理して、今後の方針等をお示しさせていただくよう、検討させていただきます。

○宮坂座長

 ほかにはいかがでしょうか。

 それでは、これまで各先生方に御評価をいただいた結果は御発表いただいたとおりですけれども、そのとおりに決定したいと存じますけれどもよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。

 以上をもちまして「先進医療合同会議」を終了したいと思います。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 準備が整い次第、先進医療会議を開催させていただきたいと思います。

 

 

第51回先進医療会議

○日時

平成29年3月9日(木)16:35 17:05

○場所
中央合同庁舎第5号館 講堂(低層棟2階)


○出席者
【構成員等】

宮坂座長 五十嵐座長代理 石川構成員 梅村構成員 柴田構成員

福井構成員 山口構成員 山本構成員 

【事務局】
医療課長 医療課企画官 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐
医政局先進医療専門官 他

○宮坂座長

 ただいまより「先進医療会議」を開催いたします。

 それでは、先生方の出欠状況ですけれども、本日は福田構成員、藤原構成員、横井構成員より御欠席との連絡をいただいております。

 欠席されます3名の構成員から委任状の提出があり、議事決定につきましては私、座長に一任するとされています。

 それでは、資料の確認をお願いいたします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 それでは、資料の確認をさせていただきます。

 まず、議事次第、座席表をおめくりいただきまして、先−1「先進医療の新規届出技術について(届出状況/2月受理分)」としている横紙の資料がございます。こちらに別紙1−1、1−2がついてございます。続きまして、先−2として「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」としている横紙の資料がございます。こちらに別紙2がついてございます。続きまして、先−3「いわゆる非劣性試験の先進医療Bにおける取り扱いについて(案)」としている一枚紙の資料がございます。最後に、先−4「先進医療Bの取下げについて」の横紙の資料がございます。

 資料の確認は以上でございます。

 資料について不足、誤り等ございましたら、事務局まで御連絡いただければと思います。

 また、先ほどと同様、タブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただけます。

 以上でございます。

○宮坂座長

 資料についてはよろしいでしょうか。

 それでは、今回検討となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について、事務局から御報告をお願いいたします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。

 山口構成員より、新規技術(2月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分けの受理番号78について報告がございました。山口構成員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でございましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能となっております。

 次に、宮坂座長より、先進医療Bとして評価を行う整理番号109の技術について報告がございました。宮坂座長におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でございましたので、同規定に基づき、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能となってございます。

 以上でございます。よろしくお願いいたします。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 そのほかの出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 それでは、新規技術(2月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け(案)についての資料が提出されておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 新規技術(2月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分けについて、資料先−1に従って御説明申し上げます。

 2月に受理をした技術は、受理番号78、子宮体がんに対する腹腔鏡下傍大動脈リンパ節郭清術の1件でございます。

 適応症は、子宮体がん(1A期 Grade3または特殊型(漿液性腺癌、明細胞腺癌、癌肉腫など)、1B期を疑う症例、2期を疑う症例)となってございまして、かかる費用は資料のとおりでございます。

 本技術に関しまして、別紙1−2をごらんください。本技術で使用する医療機器、医療材料は全て適応内の使用となってございますので、先進医療Aとして振り分け(案)をつくってございます。

 御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 ただいまへの御質問は何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 ありがとうございました。

 それでは、先進医療Aとして振り分けたいと思います。

 次に、事務局から「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価等について」の御説明をお願いいたします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 今回、御審議いただきます技術は、整理番号109、膵癌腹膜転移に対するS-1+パクリタキセル経静脈腹腔内投与併用療法の1件でございます。

 適応症につきましては、初回治療予定の他臓器に遠隔転移のない腹膜転移を伴う膵癌となっておりまして、かかる費用については資料にお示ししたとおりでございます。

 こちらの事前評価は藤原構成員にお願いしてございまして、総評として「適」の御評価をいただいております。

 御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○宮坂座長

 それでは、整理番号109でございますが、事前評価を藤原構成員にお願いしておりますけれども、本日御欠席ということで、事務局より説明をお願いいたします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 藤原先生のコメント等を代読させていただきます。技術の概要及び藤原構成員の事前評価結果につき、説明させていただきます。

 資料別紙2の2ページをごらんください。技術の概要ですが、本試験は、膵がん患者のうち画像上他臓器に遠隔転移がなく、審査腹腔鏡検査ないしはバイパス手術において腹膜播種例や腹腔内細胞診陽性例に対し、「S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内投与併用療法」群と標準治療である「ゲムシタビン+nabパクリタキセル」群の2群間のランダム化比較を行う試験となってございます。

 主要評価項目は全生存期間となっています。

 次に、資料の34ページをごらんください。こちらにフロー図がございますが、審査腹腔鏡や開腹切除予定の膵がんの患者のうち、局所進行患者や切除可能患者を、試験群であるS-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内投与併用療法群と対照群であるゲムシタビン+nabパクリタキセル併用群に1対1にランダム化割りつけを行うとしております。

 続きまして、36ページをごらんください。薬事承認までのロードマップがございますが、本先進医療の結果をもって、可能であれば学会要望から未承認薬・適応外薬検討会議を介して承認を目指すという方針と伺っております。

 藤原構成員からは指摘事項が1点ございまして、33ページをごらんいただければと思います。後発品メーカーも含め、腹腔内投与の薬事承認取得の意志を示している企業はあるのかどうか御教示くださいということなのですが、申請者からは、今までにパクリタキセルの販売元(ジェネリックを含む)全てに打診をしておりますが、薬事承認取得の意志表明はいただけておりませんという御回答をいただいております。

 最後に、藤原構成員の事前評価の結果ですが、資料1ページにお戻りください。

 社会的妥当性については、倫理的問題等はない。

 現時点での普及性については、罹患率、有病率から勘案して普及していない。

 効率性については、現行のデータでは試験治療が既存治療に比べて効率性がすぐれるのかは不明。

 将来の保険収載の必要性については、将来的に保険収載を行うことが妥当とされておりますが、パクリタキセルの静脈内投与と腹腔内投与との比較試験のデータがない中で、通常の薬事承認あるいは公知申請/公知承認を経ての保険導入は困難であるように思われるとのコメントをいただいてございます。

 総評としては「適」の御評価をいただいておりますが、本試験終了後にはほかの併用抗がん剤は同一とした上で、パクリタキセルについての腹腔内と静注を比較するランダム化比較第2相試験を組むことが望ましいのではないかというコメントをいただいております。

 御説明は以上でございます。

○宮坂座長

 ただいまの御説明について、何か御質問、コメントございますでしょうか。

 先進医療としての総合判定は「適」だけれども、問題は今後ですね。ジェネリックも含めて、メーカー側のほうは今後、少なくともランダム化試験をやる予定はないとなると、医師主導で症例数をふやしてやるか。そうなると多分、競争的資金をどこかでとれない限り、これはほとんど不可能に近いですね。だけど、云々するのはここのマターではもちろんないと思うのですけれども、ただ、入り口は先進医療ですから、入ったはいいけれどもあとは知らないですよというわけにはいかないので、何か現時点で御意見ございますか。

 この後、こういう問題は多分出てくると思うのです。先進医療をいろいろな形で申請をしてくる。特に希少疾患であるとか、あるいはがんでも既に承認がとれているようなものの場合には、なかなかメーカーの協力が得られないこともあると思うのです。

 先進医療としては受けても、そこから先の道筋が見えないということになりかねないと思うのです。

○研究開発振興課長

 出口についてのお話として、資金の問題という話であれば。

○宮坂座長

 資金の問題ではない。ですから、これはまだ決はとっていませんけれども、先進医療として個別のものは、それはそれで多分いいと思うのですけれども、藤原構成員も懸念しておられたように、出口がないわけですね。入り口はあるけれども、出口はない。だから、もちろんここは先進医療でいいかどうかということを決める会議ですから、それはそれでいいと思うのですけれども、これはもちろん研発だけの問題でもないと思うし、もう少し大きな問題なのかもしれないです。ただ、先進医療という門戸を入ってきていることは事実なので、そこをその後どうするかということです。答えはないのかもしれません。

○研究開発振興課長

 なかなか非常に答えづらい部分ではあるのです。

 ただ、今までも、いわゆる今後のロードマップというところは求めるものの、一部どうしてもなかなかそれと同じようにはいかないものも過去にはあったことも正直事実です。

 非常に短いというか、なかなかこのロードマップどおりに行きづらいことは確かなのです。そういう状況でも、今まで若干認めてきた部分も正直あります。

 正直、今までもそういうことですので、全くゼロでなければどうしようもないのかな。そこの部分については、若干それなりに何とかしてきたというのが正直なところであります。

○宮坂座長

 どうぞ。

○山本構成員

 ロードマップで迅速化スキームと書かれていて、欧米での承認もないし、国内でも承認はないけれども、先進医療でやって、これで有望な結果が出たら、恐らく学会要望で未承認薬・適応外薬検討会議に出されて、去年かおととしぐらいから未承認薬迅速化スキームというものがこれに乗りましたから、プロマイジングな結果があって、こちらの未承認薬・適応外薬検討会議のほうで、ぜひこれを開発を進めたほうがいいという議決が出ると、恐らくこちらのスキームで少し国内企業をプッシュするとか、あるいは開発先を手挙げで探すとかいうちょっと積極的な措置が、こちら側にはたしかあったと思うので、多分それを含めてこの学会要望を書いていらっしゃるのではないかと思うのです。

 今までみたいに、先進医療をやったからといって、これが幾ら結果がよくてもそれだけでは絶対に承認はとれないと思うのですけれども、それを土台にして、この検討会議のほうでさらに承認に向けて企業に向かってプッシュするほうになるのかなと思うので、そちらに頑張っていただきたい。

 先進医療は入り口に入れてあげるところまでの役割で、出口はこちらで。

○宮坂座長

 確かに、ここで出口まで決める必要はもちろんないのですけれども、ただ問題点として、先進医療で入って、その後のロードマップにみんな公知申請のルートを書くのですけれども、従来だと先進5カ国のデータがあったりすれば、あるいは非常にいいデータがあれば公知申請で通ってしまうのですけれども、どうも必ずしもそうではない。

 そうすると、メーカーの協力が得られるか。要するに、ランダム化試験なりラージスケールのものができるかというと、今回みたいにできないという話になると、入ったはいいけれども出られないことが出てくるので、ここでどこまでその話をするのが適切かどうかはわからないのですけれども、問題点としてはやはり十分指摘をしておく必要はあるのかなと思ったのです。

 何か、コメントはございますか。

 どうぞ。

○山口構成員

 胃がんの場合と違うのは、これはやはりそもそも標準的な治療がほとんどなくて、しかも5年生存でなくても2年生存とか1年生存というレベルで、普通、膵臓がんで腹膜播種をやったら緩和に近いような取り扱いをされるわけですね。ですから、恐らくメーカーも、これがすばらしい成績を上げると思っていないのではないかと思うのです。

 ただ、難治がんの代表選手で、競争的な資金は結構出ますので、どこかで取っかかりをつけるとしたら、やはり先進医療とかで競争的資金を得ながら進めるしかないので、それでここに来ているのではないかと思うのです。

 ちょっと胃がんとはさらに事情が厳しいので、先進医療としてある意味ではふさわしいものかもしれないなと思います。

○宮坂座長

 わかりました。

 柴田先生。

○柴田構成員

 私も、山口先生の御指摘と同じ印象を持っているのです。

 ロードマップを補足いたしますと、未承認薬・適応外薬検討会議には2つ役割があります。医療上の必要性が高いかどうかという判断をすることと、後々このものが既存のエビデンスで公知申請が可能かどうかあるいは治験の追加のデータが必要かどうかという判断をするという2つの役割があります。恐らくどの先進医療も、出すところまでは何とかなっても、その後どうなるかがわからないというところでストップするのだろうと思うのです。

 こちらについては、確かに海外での薬事承認はないものの、今回出てくる試験はランダム化比較試験の検証的試験ですので、そこのところで少しエビデンスは高いところから始められるという意味で、少しゴールに近いところから始められることがほかの申請との違うところではあると思います。

 難治がんであって、ちょっと既存の標準治療も十分なものがないというところで考えると、未承認薬・適応外薬検討会議での議論は、ほかのものに比べると相対的には細いですけれども道が少し開かれているような条件にあるのではないかという印象を持っています。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 ほかには、ありますか。

 石川構成員、どうぞ。

○石川構成員

 この技術部会のときにも言ったと思うのですけれども、胃がんのものだとかずっと見てきまして、パクリタキセルのIPが結構腹水を減弱させるのではないかということは、私の中で専門ではないのではっきりはわからないのですけれども、どうもそういう感じはあるということです。

 この後、実はこれは私の患者さんなのですけれども、卵巣がんの腹水がある患者さんには、パクリタキセルのIPを関西まで行って自費でやっているのです。そういうものがいろいろなところから伝わって、出てきている。患者さんのところではそのようになっているのです。

 やはりIPということに対して、どのような評価をするのか。腹膜転移の場合、ほかのがんでも出てくると思うのです。そうすると、先進医療Bに至らないまでも、また例の申し出がありますので、それがすごく心配で、IPのほうが何とかうまく、少しでも決着がつけられればと思っているのですけれども、そういうのは、山本先生はいかがお考えでしょうか。

○山本構成員

 私も、抗がん剤は領域外なのでわからないのです。少なくともこれについては、柴田先生がおっしゃったように比較試験をされますので、いい結果が出れば早期承認またはもう一回の先進医療でのさらなる試験とか、ある程度やり方はあるのかなと。

 先ほどの胃がんについては、山口先生もおっしゃっていましたけれども、人数が多いのであれば、ある程度のところで早目に比較試験をされるほうがいいのではないかと思います。卵巣がんについても、まだ規制当局はそれほど認めていませんけれども、比較試験で十分な効き目がよくわからない状況で、アダブティブ・デザインで始めて、ある程度症例数を成形しながら比較をやるとか、試験のデザインはいろいろなものができています。

 規制当局は、検証的な治験のところではまだ余りそれは使いたくないということは言っているみたいですが、少なくとも先進医療であれば、できるだけ早く比較試験をやって、結果がいいのかよくないのか、あるいは大して変わらないのかということだけでもちゃんと結果をこの先進医療で出していただければ、患者さんたちがこちらがいいのかあちらがいいのかといって高いお金をかけて自費診療に走るとか、そういうことについての情報は出していけると思うのです。

 どちらにしても、いい試験をして、できるだけ早く結果を出して、その結果を承認されるされないにかかわらずできるだけ早く公表していくことは重要なことなのではないかと思います。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 山口先生、今の点について何か御意見はございますか。

○山口構成員

 先ほど申し上げたとおりです。

 あとは、胃がんについては今、腹膜播種というのが一つのものに扱われていますけれども、実際にはサイトロジーブラシで極めて有望な結果が期待できるものから、膵臓がんと同じようにマクロスペックにあったら少々の抗がん剤が行っても到底太刀打ちできないというものまでありますので、本来はっきり結果の出るもので、しっかりRCTをやって、明らかな差があるということから進めていくべきではないかと思います。

 それがいろいろなところに出てしまって、スタートしてつまずいているというのが現状だと思います。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○石川構成員

 実は、私は千葉で診療をやっているのですけれども、都内の病院にいっぱい膵臓がんの方を送るわけです。そうすると、こういう方の場合はステントが入って、見るのですけれども、やはり同じ病気の患者さんが、ポートがあるないで目立つわけです。これも恐らく胃がんと同じように、ポートのない方が、ポートを入れて治療をやっている人は随分いいみたいなのだけれどもという感じになると思うのです。

 そういうことを、私たち門外漢からすると、すぐ考えるのは、RCTが出来なくなるのではないかということです。また、この間の東大のものみたいにうまく6例が動いてしまうという形になってしまうのではないかということを大変心配してしまうのです。そうすると、いつまでたっても結論が出ないことになってしまうのではないかと、心配だけですけれども、そういう懸念があります。

○宮坂座長

 どうぞ。

○山口構成員

 柴田先生にお伺いしたいのですけれども、例えば30%と35%の差を出すのではなくて、こういう極めて絶望的な病気で、かなり大きな差が見込まれる場合に、例えば2相試験でも50例ではなくて100例、200例集めるのは簡単だと思うのです。

 それで大きな差が出たら、それだけで認めるというやり方はまずいのでしょうか。必ずRCTへ持っていかなければいけないものかなという疑問も感じるのです。

○柴田構成員

 やはり疾患であるとか、あるいはエンドポイントの不確実性によると思います。

 それは過去の薬事承認の例を見ましても、単に希少疾患だからとか難治性疾患だからという理由だけでなく、そもそもエンドポイントとする指標が余りぶれないので、ヒストリカル・コントロールのデータと比べて、非常に劇的に、セレクション・バイアスであるとか統計的な変動を超えているだろうと判断できるような場合にはシングルアームのデータで薬事承認されているケースもないわけではありませんので、先生が御指摘のようなものは可能性の一つとしてはあると思います。

 ただし、難しいところは、がんの臨床試験などがそうなのですが、セレクション・バイアスの影響はかなり大きくて、適格基準をちょっと絞ると、実際の臨床現場でおられる患者さんの中から比較的状態のよい元気な患者さんだけをよりすぐった形でフェーズ2試験にしてもフェーズ3試験にしても行われているという実態がありまして、それが臨床試験に対する批判として最近、言われていることでもあるのです。そこが臨床の先生方の感覚で、1年後にこのぐらいの方が元気でおられるのはすごいというデータが臨床試験で出たとしても、それは実は濃縮されたデータであって、実際にそれを同じ土俵で比べてみると、既存の治療とそれほど変わらないことが結構あるということが、これまでの経験で残念ながらそういうことが多々あるのです。セレクション・バイアスによって影響を受ける疾患に関しては難しいところがあるかなと思う次第です。

 例えば、がんの臨床試験の生存曲線を見るときれいに分かれるのですが、あれは平均的なプロファイルだけ書くからきれいに分かれているだけであって、勝っているほうの群の方でも、負けているほうの群の方より早く亡くなられている方もたくさんいます。負けているほうの群の方でも、勝っているほうの群の方より長生きされている方もたくさんいて、実際には重なっているのです。そういう状況をグラフで書いてみると、確実に違うように見えますけれども、実際の患者さんにはどちらがよかったかわからないという方が大半で、平均的に差がつくだけでしかないので、シングルアームのデータであると、逆にそれを過大に評価してしまうリスクが結構あるということが、薬の効果よりも患者さんの状態によって生じる予後の差のほうが大きいような疾患に関しては、悩ましいところです。

○宮坂座長

 それは、セレクション・バイアスをミニマイズすることは、なかなか意図的にはできないわけですね。そうなると、どうするかということですね。

○山口構成員

 がんの患者さんは、やはり自分の生き死にがかかっているので、かなり真剣なのです。難治がんも最大の敵だと思うのですけれども、特に腹膜播種は物すごい予後が悪いので。自分が5年後に10%しか生きないよと言われたときに、ちょっとでもいい薬があれば、チャンスは1回しかないので使いたいという気持ちも本当だと思うのです。ですから、ある程度の症例数をシングルアームでもやって、仮に保険収載して例えば3年間前例を登録して、全体の症例の予後がどうだったのかということを後で検証するとか、そういうことをやってあげないと、結局いろいろな抜け道で申出療養とかあるいは事故だとか怪しげなクリニックでやったりとか、本人たちは待っていられないと思うのです。

 私だって、今、実際に胃がんで、お腹を切って、腹膜播種がサイトロジーだけあると言われたら、やはりパクリタキセルをまいてほしいと思います。患者さんもやはりそうではないかと思うので、これはなるべく早く結論を出してあげないと、化学的にコンプリーズなことは当然必要なのですけれども、病態によっては、鎮痛薬の比較試験とかそういうものとは違うので、もう少し懸命なやり方をぜひ考えていただければと思います。

○宮坂座長

 今後の課題だと思うのです。

 申出療養の是非はともかくとして、一番まずいのは、患者さんはわらをもすがるつもりで自費を払って高いところへ行ってしまう可能性が十分あるので、先進医療がありながら結局本来の患者さんはそういうところに流れてしまっているということも一方ではあるのも事実だと思うので、それを今後どうしていくかということです。

 ここの会議のマターだけではないとは思います。

 これ以上はあれですから、今回の事前評価ですけれども、構成員の評価結果どおり決定したいと存じますけれどもよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○宮坂座長

 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。

 次に、いわゆる非劣性試験の先進医療Bにおける取り扱いについてです。

 よろしくお願いします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 先−3につき御説明申し上げます。

 いわゆる非劣性試験の先進医療Bにおける取り扱いについてでございます。こちらは2月16日の先進医療技術審査部会において御承認をいただき、本会議で御審議をいただくものでございます。

 背景としましては、これまで先進医療Bとしての試験計画は、保険収載されている標準治療が存在する場合に、「先進性」の観点から、少なからず例外はあるものの、原則、有効性において標準治療に対する優越性を証明するための試験計画を求めておりました。

 一方で、高い有効性を有する標準治療がふえるとともに、低浸襲性等を主眼とする新規医療技術の開発も進められており、優越性試験の計画が困難である技術がふえてきております。

 こうした状況から、有効性においていわゆる非劣性試験を選択し、事前相談に至るケースがふえている現状がございます。

 これらの状況を踏まえ、対応方針として、従来どおり原則として「有効性」における優越性試験を求めることとした上で、優越性試験を計画できない場合に、低浸襲化によるQOL改善等を先進性の一つと位置づけ、これらを主眼とする新規医療技術に係るいわゆる非劣性試験についても新たに対象とすることとしてはどうかという御提案です。

 具体的には、2ページ目上段にございますが、いわゆる非劣性試験を対象とする際に、以下の4つの条件を満たすこととしてはどうかとしております。

 1点目として、「有効性」において優越性試験を計画することが困難な技術であること。

 2点目は、保険収載されている標準治療と比較し、あらかじめ設定した副次評価項目において臨床的有用性を示しうる試験計画であること。

 3点目は、先進医療部分に係る費用が保険収載されている標準治療の費用と比較し、おおむね同水準以下であること。

 最後に4点目として、非劣性試験において設定される「非劣性マージン(下側同等限界)」が妥当である臨床的根拠が示されることとしております。

 御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 今の点について、よろしいでしょうか。

 非劣性試験をいいとすると、もしかすると先進医療の申請数はふえるかもしれないですね。

 よろしいでしょうか。特に問題なく。

(「異議なし」と声あり)

 では、お認めいただきたいと思います。ありがとうございました。

 それでは先進医療Bの取り下げについて、事務局から御説明をお願いいたします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 先−4につき、御説明申し上げます。

 現在、大臣告示されている先進医療Bの一つの技術について、取り下げの申請がございました。

 告示番号が15番の重症心不全に対する免疫吸着療法でございます。

 取り下げ理由としましては、実施責任医師の退職に伴い、実施体制の整備が困難になったためということでございます。

 御説明は以上です。よろしくお願いいたします。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 本当は責任医師がいなくなったぐらいでこんなことが終わってしまうぐらいだったら、最初から計画するなと言いたいところですけれども、そういうわけにもいかないので、お認めいただけますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 それでは、本日の議論は以上としたいと思います。

 次回の開催については、事務局から御説明をお願いいたします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 次回の開催につきましては、平成29年4月6日木曜日の16時からを予定してございます。場所につきましては、追って御連絡をさせていただきます。

 以上でございます。

○宮坂座長

 ありがとうございました。

 それでは、第51回「先進医療会議」を終了したいと思います。

 ありがとうございました。


(了)

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