ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)> 第25回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成28年度第11回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録(2017年2月27日)




2017年2月27日 第25回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成28年度第11回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

健康局健康課

○日時

平成29年2月27日(火)15:00~17:00


○場所

田中田村町ビル8F 会議室8E


○議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより第25回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」及び平成28年度第11回「薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の合同会議を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 まず、御報告でございます。安全対策調査会及び副反応検討部会の委員に改選がありました。

 まず、医薬品等安全対策部会安全対策調査会委員の関係でございます。本年1月に改選があり、大野委員が御勇退され、その他の委員は引き続き再任されております。また、新たに2名の委員が御着任いただいております。

 五十音順で御出席いただいております委員の方々を御紹介させていただきたいと思います。

 初めに、国立研究開発法人国立成育医療研究センター理事長で医薬品等安全対策部会の部会長の五十嵐先生です。

 続きまして、武蔵野大学薬学部薬物動態学研究室教授の伊藤先生です。今回新たに就任されております。

 続きまして、一般財団法人日本病院薬剤師会専務理事の遠藤先生です。

 続きまして、群馬大学医学部附属病院病態制御内科学講師の柿崎先生です。

 また、本日御欠席ですけれども、慶應義塾大学薬学部医薬品情報学講座教授の望月先生が再任されております。

 また、同じく本日御欠席ですけれども、国立医薬品食品衛生研究所薬理部第一室長の佐藤薫先生が今回新たに就任されております。

○事務局 続きまして、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の関係ですが、岡部委員、桃井委員の2名が本年1月で任期満了となり、岡部委員は今任期をもって御勇退され、桃井委員は再任となりました。

 なお、岡部委員には、予防接種・ワクチン分科会長をお務めいただいておりましたが、岡部委員が退任されたことに伴い、分科会委員の互選により、新たに国立感染症研究所所長の倉根委員が分科会長に選出されておりますことを御報告します。

 また、分科会長から、桃井委員につきましては、引き続き副反応検討部会の委員に指名されておりますことをあわせて御報告します。

 では、本日御出席の副反応検討部会委員を五十音順で御紹介させていただきます。

 東京都健康長寿医療センター顧問の稲松先生です。

 国立感染症研究所所長の倉根先生です。

 国立感染症研究所感染症疫学センター第三室室長の多屋先生です。

 国立感染症研究所感染病理部長の長谷川先生です。

 公益社団法人日本医師会常任理事の道永先生です。

 国際医療福祉大学副学長・国際医療福祉大学病院病院長の桃井先生です。

 山梨大学大学院総合研究部医学域基礎医学系社会医学講座教授の山縣先生です。

 なお、プール学院大学教育学部教育学科教授の永井先生は本日欠席されています。

○事務局 続きまして、本日は改選後の初めての会議でございますので、調査会長、部会長を決めさせていただきたいと思います。

 まず、安全対策調査会ですが、事務局といたしましては、医薬品等安全対策部会長をされております五十嵐先生にお願いしたいと考えております。いかがでしょうか。

(拍手あり)

○事務局 ありがとうございます。それでは、五十嵐先生に本調査会長をお願いしたいと思います。五十嵐先生におかれましては、お手数ですけれども、調査会長の席に御移動をお願いいたします。

(五十嵐委員、調査会長席へ移動)

○事務局 引き続き、調査会の関係でございますが、調査会長代理でございます。規定により調査会長から御指名いただくこととなっております。五十嵐調査会長、御指名をよろしくお願いいたします。

○五十嵐委員 それでは、遠藤先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○事務局 続きまして、副反応検討部会ですが、事務局といたしましては、部会長は桃井先生に引き続きお願いしたいと考えております。いかがでしょうか。

(拍手あり)

○事務局 よろしいでしょうか。それでは、桃井先生、部会長席への移動をお願いいたします。

(桃井委員、部会長席へ移動)

○事務局 副反応検討部会の部会長代理につきましては、同じように審議会の規程により部会長からの御指名をいただくことになっておりますので、よろしくお願いいたします。

○桃井委員 それでは、引き続き部会長代理は稲松委員にお願いしたいと存じますが、よろしくお願い申し上げます。

○事務局 ありがとうございます。

 ここからは通常の会議の運営に戻りたいと思います。

 初めに、本日の委員の出席状況について御報告いたします。

 副反応検討部会の永井委員、安全対策調査会の佐藤委員、望月委員より御欠席の連絡をいただいております。現在、副反応検討部会委員8名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち4名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会並びに薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。

 続きまして、カメラの頭撮りでございます。申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は退場していただきます。また、今回、座長及事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に御退場いただいた方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。

 本日の座長につきましては、五十嵐安全対策調査会長にお願いしたいと思います。

 それでは、これからの進行をよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 では初めに、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。

○事務局 審議参加について御報告いたします。

 本日御出席された委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただいております。

 本日の議題において調査審議される品目は、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、A型肝炎、23価肺炎球菌、インフルエンザの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、北里第一三共ワクチン株式会社、武田薬品工業株式会社、一般財団法人化学及血清療法研究所、MSD株式会社、デンカ生研株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については机上に配付しておりますので、御確認いただければと思います。

 本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、柿崎委員が武田薬品及びMSDからそれぞれ50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、柿崎委員は、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜ及び23価肺炎球菌ワクチンについて意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。

 引き続き、委員におかれましては、講演料等の受け取りについて通帳や源泉徴収票などの書類を確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。

 以上でございます。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 では次に、事務局から本日の配付資料の御説明、御確認をお願いいたします。

○事務局 お手元の配付資料をごらんください。

 上から順番に、座席表、議事次第、委員名簿、配付資料一覧でございます。その下、資料1から8までホッチキス左上とじのものが続きます。資料8の下が当日配付資料「20162017シーズンインフルエンザHAワクチン死亡報告一覧」というものでございます。こちらは差しかえ資料でございます。説明時にまた御説明させていただきます。その次が、委員限りの資料として一枚物の「各社の出荷量と副作用の発現頻度」、同じく委員限りということで各ワクチンの添付文書一式、最後に、先ほど申し上げました寄附金等の受け取り状況の冊子となっております。

 配付資料は以上でございます。不足等ございましたら事務局にお申し出ください。

○五十嵐座長 よろしいでしょうか。

 では、議題であります各ワクチンの安全性についてをこれから審議したいと思います。事務局から資料1から資料3までの説明をお願いいたします。

○事務局 資料1から資料3まで御説明させていただきます。

 まず冒頭、一般的な説明事項でございます。副反応が疑われる症例の本合同会議の報告については、平成25年9月の合同会議において、比較的同時接種が行われるワクチンとそうでないワクチンにグループを分けて報告することとしております。本日は、比較的単独接種が行われるワクチンについて、その副反応が疑われる症状の報告状況について御報告いたします。

 比較的単独接種が行われるワクチンにつきましては、昨年1128日の合同部会において、昨年5月1日から8月末までの副反応が疑われる症例の報告状況について御説明しております。本日は、昨年9月1日から11月末までの3カ月間に報告されたものについて御報告いたします。

 なお、本日最後にインフルエンザワクチンの報告も含まれておりますが、こちらにつきましては、昨年10月から11月末までの2カ月分となっております。

 それでは、各ワクチンの報告状況について御説明いたします。

 まず、資料1をごらんください。資料1はMRワクチンでございます。

 具体的な製品名は、1ページの上段に記載しております。

 1ページ目の中段には、医療機関への納入数量をもとに推定した接種可能延べ人数、企業及び医療機関からの報告件数等を記載しております。MRワクチンにつきましては、今回の対象期間では約67万人分が接種可能延べ人数になっておりまして、企業から2件、医療機関から16件、うち重篤なものが7件、報告されております。件数の下に参考ということで、今回の対象期間とこれまでの累計の報告頻度を記載しております。縦に見ていただくとわかりますけれども、今回の報告頻度とこれまでの累計のものを比べていただくと特に大きいというものはございませんでした。

 1ページ目の下段には転帰をまとめております。今回につきましては、後遺症症例及び死亡症例の報告はございませんでした。

 なお、2ページ目に移る前に、概要の見方について補足させていただきます。まず、重篤症例の報告件数でございますけれども、企業と医療機関の両方が報告されることがありますが、重複を排除するために医療機関の報告として報告数は計上しております。また、報告日が対象期間内であったものについては、報告数の欄の下に括弧書きで記載しております。さらに、企業ごとの出荷量と副反応の発生頻度につきましては、委員限りの資料として机上にお配りしております。

 2ページ目、3ページ目は、報告された症状を症状別に集計したものです。縦に見ていただくのですが、表の左側が前回の合同会議までに報告されていた件数、右側が今回報告された件数となっております。説明は省略いたします。

 続いて4ページ目をごらんください。こちらは、予防接種法の報告基準に定められた症状について集計した結果を記載しております。こちらも左側が前回までの報告、右側が今回の集計対象期間に報告されたものとなっております。今回で言いますと、脳炎・脳症が1件、けいれんが2件、血小板減少性紫斑病が1件の報告がございました。

 5ページ目から7ページ目は、報告された個別症例の一覧となっております。5ページ目が製造販売業者からのもの、6ページ目が医療機関からの重篤なもの、7ページ目が医療機関からの非重篤なものの一覧となっております。説明は省略いたします。

 8ページ目は、後遺症症例でございます。こちらにつきましては、表の左側にございますけれども、今回の対象期間より前に報告されていた症例でございます。症例の内容について御説明いたします。本症例は、基礎疾患のない1歳男児がMRワクチンの接種後に網膜症を発症し、後遺症として両眼の視力低下が残ったという事例でございます。

 経過欄にございますけれども、接種11日後に発熱、感冒症状が発現し、接種25日後に漿液性網膜剥離を指摘され、接種42日後に網膜症と診断されております。なお、接種2カ月後に抗網膜抗体として抗リカバリン抗体陽性と判定されております。

 こちらについてPMDAの専門家に評価をいただいております。専門家の意見といたしましては「ワクチン接種が網膜症の原因と強く疑われるが、断定はできない。ワクチン接種後に発熱があり、何らかの感染症があった可能性が指摘され、それが網膜症の契機となった可能性も示唆されているが、発熱は単にワクチンの副作用であった可能性もある」といった意見、「因果関係不明の評価にはなるが、公表文献からは麻しんワクチンとの因果関係が示唆されている」といった意見、「因果関係は不明と言うしかないのが現状ではないか。極めてまれな例と考えられ、ワクチン接種または他のウイルス感染がトリガーとなった可能性があるとしか言えないと思われる」といった意見をいただいております。

 なお、事務局からの補足でございますけれども、MRワクチンに関する網膜症につきましては、今回が初めての報告でございます。また、MRワクチンの添付文書には網膜症については記載されておらず、海外においても、この場合はMRではなくMMRワクチンになりますが、添付文書中に網膜症の記載はないというところでございます。

 9ページ目は、アナフィラキシーのまとめでございます。今回はアナフィラキシーとして報告された症例はございませんでした。

 資料1は以上でございます。

 続いて資料2をごらんください。

 1ページ目の表でございますが、接種可能延べ人数は約2万7,000人で、企業からの報告は1件、医療機関からの報告はありませんでした。報告頻度でございますけれども、今回の報告頻度はこれまでのものと比べて特に大きいということはございませんでした。転帰については、死亡症例、後遺症症例はありませんでした。

 2ページ目は、症状別の集計となっております。

 3ページ目は、予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果です。今回、脳炎・脳症1例が報告されております。

 4ページ目は、個別の症例の一覧となっておりますが、今回1例のみですので、こちらだけになります。

 5ページ目は、アナフィラキシーのまとめです。アナフィラキシーとして報告された症例はありませんでした。

 以上が資料2でございます。

 続いて資料3をごらんください。資料3は風しんワクチンでございます。

 1ページ目、接種可能延べ人数は約3万6,000人で、医療機関から2件、うち重篤なものが1件、報告されております。報告頻度でございますが、今回の報告頻度はこれまでのものと比べて特に大きいということはございませんでした。転帰については、後遺症症例が医療機関から1件報告されております。

 2ページ目は、個別症状の一覧でございます。

 3ページ目は、予防接種法の報告基準のまとめですけれども、今回、報告はございませんでした。

 4ページ目、5ページ目は、個別症例の一覧でございます。

 6ページ目は、後遺症症例でございます。今回の対象期間内に報告されたものです。こちらにつきましては、基礎疾患のない19歳の女性が、風しんワクチン接種後に全身紅斑が発症し、全身に茶色の斑点が残存したという事例でございます。

 経過としては、接種16日後に全身の紅斑が出現し、接種17日後に皮膚症状が増悪、入院されております。接種20日後には退院されております。ただ、日付不明ですけれども、全身に茶色の斑点が残存したというものでございます。

 専門家の評価でございます。専門家の評価としては「ワクチンに対するアレルギー反応による皮疹としては発症が遅い。弱毒ウイルスの増殖に伴う反応を否定できないが、情報不足」といった意見、「情報不足で評価できない」といった意見をいただいております。

 7ページ目は、アナフィラキシーのまとめですけれども、今回、報告はございませんでした。

 資料1から3までの説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの御説明に対しまして、御質問、御意見ありますでしょうか。どうぞ。

○倉根委員 資料1の8ページの小児の網膜症というのは、通常、ベースとしてどのくらいの発生があるかというデータは何かございますか。

○事務局 全ての文献を網羅的に検索したわけではないのですが、我々のほうで検索した限りだと頻度というところの数字は見つけることができませんでした。一部の論文ではまれに起こる症状というような書き方がなされているということを確認しております。

○五十嵐座長 非常に珍しい症例であることは確かですね。

 ほかはいかがでしょうか。特にございませんか。

 それでは、事務局で御説明のポイントにつきましてまとめたいと思います。

 まず、副反応の報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて特段高いということはないようです。

 後遺症の報告は、詳細なことはよくわからないのですが、風しんワクチンを単独接種した症例で全身性紅斑という患者さんの報告が1例ありました。

 そういうまとめの仕方でよろしいでしょうか。

 それでは、この内容を踏まえまして、現状での取り扱いについて変更する必要があるかどうか、御意見をいただきたいと思います。特段ございませんか。

 では、御審議いただきましたワクチンにつきましては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。では、そのようにしたいと思います。

 以上で、MR、麻しん、風しんの3つのワクチンの副反応疑い報告は終了したいと思います。

 続きまして、資料4から7の御説明をお願いいたします。

○事務局 御説明いたします。

 まず、資料4をごらんください。おたふくかぜワクチンでございます。

 1ページ目、接種可能延べ人数は約26万人で、企業から4件、医療機関から7件、うち6件が重篤症例として報告されております。報告頻度につきまして、今回の報告頻度はこれまでのものと比べて特に大きいというものはございませんでした。転帰でございますが、死亡症例、後遺症症例の報告は今回の対象期間中ございませんでした。

 2ページ目は、症状別の集計でございます。無菌性髄膜炎が今回4件、報告されております。単純に計算しますと約6万5,000人に1人ということでございます。添付文書上は1,600人から2,300人に1人ということが記載されておりまして、それに比べれば頻度としてはかなり低いものとなっております。

 3ページ目から5ページ目は、個別症例の一覧となっております。こちらについては説明は省略いたします。

 6ページ目は、後遺症症例でございます。左側に「今回の対象期間前」と記載がございますが、既に御報告した症例でございます。下線部分の経過について新たに報告があったため、再度、専門家に評価をいただいたということで改めて御報告させていただくものでございます。

 症例といたしましては、基礎疾患のない4歳女児が、おたふくかぜワクチン接種28日後に意識障害を起こし、急性脳症の疑いで入院したというものです。接種31日後に急性脳炎と診断されております。後遺症としては、言語障害、右手運動障害が残ったというものでございます。

 なお、経過の部分でございますけれども、接種59日後のところを見ていただくと、ムンプスIgM、ムンプスIgG抗体陽性と判定されております。また、接種109日後でございますけれども、ウイルス同定検査の結果が入手され、ムンプスウイルス、エンテロウイルスは検出されなかったということが経過で報告されております。

 なお、ここには細かく書いておりませんが、これら検査を行ったものの検体の接種日について追加で確認をしております。まず、接種59日後の抗体検査ですけれども、こちらの検体は接種31日後に髄液検査を行っておりまして、その髄液となっているということでございます。一方で、接種109日後のPCRの検体ですけれども、こちらについては確認いたしましたが、種類、接種日は不明とのことでした。ただ、得られている情報によりますと、検査を依頼した時期が接種60日から70日の間ぐらいとのことで、それよりは以前ということは確認しております。

 専門家の評価でございますけれども、「発症の時期から、またムンプスIgMIgGの所見から完全に因果関係は否定できない」といった意見、「症状と経過、検査所見から脳炎である。ワクチンとの因果関係は不明」といった意見、「発症の時期から完全に因果関係を否定はできない」といった意見をいただいております。

 7ページ目は、アナフィラキシーのまとめですけれども、今回はアナフィラキシーとしての報告はございませんでした。

 資料4は以上でございます。

 続いて、資料5をごらんください。資料5は水痘ワクチンでございます。

 1ページ目、接種可能延べ人数は約53万人で、企業からは4件、医療機関からは11件、うち重篤なものが7件、報告されております。報告頻度でございますが、今回の報告頻度はこれまでのものと比べて特に大きいということはございませんでした。転帰については、死亡症例、後遺症症例の報告はありませんでした。

 2ページ目は、症状別の集計でございます。

 3ページ目は、予防接種法に基づく報告基準による報告でございます。アナフィラキシーが2件、血小板減少性紫斑病が1件、報告されております。

 4ページ目から6ページ目は、個別症例の一覧となっております。説明は省略いたします。

 7ページ目は、アナフィラキシーのまとめでございます。表の一番下に平成28年9月~平成2811月とありまして、症例数として2という記載があります。今回、2件報告がございました。2件について専門家に評価いただきまして、ブライトン分類が3以上と評価されるかどうか判定いただき、ブライトン分類が3以上と評価されたものはありませんでした。その結果、ゼロという数字が記載されております。

 最後の8ページ目については、当該アナフィラキシー症状の概要や評価の詳細でございます。説明は省略いたします。

 以上が資料5でございます。

 続いて、資料6はA型肝炎ワクチンでございます。

 1ページ目、接種可能延べ人数は約3万人で、副反応が疑われる症例の報告はございませんでした。

 残りの資料の説明は省略いたします。

 資料6は以上です。

 続いて、資料7は23価肺炎球菌ワクチン、ニューモバックスNPです。

 1ページ目、接種可能延べ人数は約105万人で、企業から64件、医療機関から72件、うち重篤なものが20件、報告されております。報告頻度ですけれども、今回の報告頻度はこれまでのものと比べて特に大きいということはございませんでした。転帰については、今回の集計期間に後遺症として1例、死亡症例として7例、報告がございました。死亡は全て製造販売業者からの報告でございます。

 2ページ目から6ページ目は、症状別の集計となっております。

 3ページ目をごらんください。左側に星印がついているものがございますが、肺炎球菌性肺炎等、効能効果に関連する事象について星印をつけさせていただいております。今回の対象期間においては4つ星印がありますけれども、その1つ上の肺炎は32件、製造販売業者から報告がございました。

 7ページ目は、予防接種法の報告基準に定められた症状を集計したものでございます。ギラン・バレー症候群が1件、血小板減少性紫斑病が3件、蜂巣炎が14件、報告されております。

 8ページ目から14ページ目までが個別症例の一覧となっております。こちらは説明は省略いたします。

15ページ目は、後遺症症例でございます。症例といたしましては、狭心症、脊柱管狭窄症、注射部位びらん、皮膚炎を基礎疾患として持つ84歳男性が、接種当日に接種部位の痛み、全身倦怠感、発熱を発現し、2日目以降その症状が増悪したというものでございます。後遺症としては注射部位に皮下硬結が残ったというものでございます。

 専門家の評価ですけれども、評価としては「細菌の二次感染による蜂巣炎か、本薬剤に対する過敏反応としての蜂巣炎様反応かは判断できない。因果関係は否定できない」といった意見、「因果関係が否定できないと思われる」という意見、「手技的要因も十分に考えられるが、因果関係は否定できないと考える」といった意見をいただいております。

16ページ目は、アナフィラキシーのまとめでございます。今回の対象期間にアナフィラキシーと報告されたものはございません。したがって、表の一番下はゼロ件となっております。

17ページ目は、今回の対象期間前に第一報が報告されたものでございます。その後、アナフィラキシーとして報告されておりますので、今回、初めて報告させていただきます。こちらについても、同様にPMDAの専門家に評価いただいておりますが、ブライトン分類3以上とは判定されておりません。

18ページ目から20ページ目は、死亡報告の一覧でございます。ページがまたがりますので、最初に全体的なことを御説明いたします。18ページ目の表の一番左側に「今回の対象期間内」とありますが、今回の対象期間内に、18ページ目、19ページ目にございます計7件が報告されております。20ページ目は、今回の対象期間後に報告された症例でございます。死亡症例については、その重大性に鑑み、報告期間の後も可能な範囲で情報収集に努めているということで、こういった形で資料に含めております。

 戻っていただきまして、18ページ目をごらんください。18ページ目、19ページ目が今回の対象期間のものでございます。7件ございますが、このうち5件が肺炎関係となっております。これらは、家族、友人等から企業に情報提供があったものでございます。その関係で情報が不足しているものがかなりございます。具体的な番号で申しますと、No.1とNo.5が肺炎以外です。No.2、3、4、6、7が肺炎関係となっております。なお、No.2は、肺炎も関係しているのですけれども、最終的な死因は転倒というふうに接種日・経過の欄に記載されております。

 これら肺炎に関しましては、先ほど申したとおり、家族、友人等からの情報ということで詳細な情報が得られておりません。そのため、調査結果としてはいずれも「情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は判断できない」といった評価となっております。

 以上が肺炎の関係で、残り2件でございます。まず、18ページ目のNo.1をごらんください。アルツハイマー型認知症、心房細動等の基礎疾患を持つ94歳の女性が、ワクチン接種35分後ごろに全身状態が悪化し死亡した症例でございます。死因は老衰とされております。右側に調査の結果を記載しておりますけれども、「死因は老衰や基礎疾患との関連が考えられた。ワクチン接種後、短時間で死亡に至っているが、情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は判断できない」という評価をいただいております。

 続いて、19ページ目のNo.5でございます。基礎疾患のない85歳女性が、接種1カ月後に膀胱がんと診断され、接種6カ月後に死亡した事例でございます。調査結果に記載しておりますけれども、「死因は膀胱がんとされたが、情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は判断できない」と評価をいただいております。

 以上が本対象期間内に報告された死亡症例の一覧です。

20ページ目は、対象期間後に報告された死亡症例、2件です。まず、No.8は、前立腺がん、間質性肺疾患を基礎疾患として持つ81歳男性が、その後、軽快しているものの、間質性肺炎の急性増悪で入院し、接種5カ月後に老衰のために死亡した事例でございます。調査結果といたしましては「臨床経過から老衰により死亡した可能性が考えられた。経過中に認められた間質性肺炎の急性増悪はワクチン接種との因果関係は不明であるものの軽快している。ワクチン接種と死亡との因果関係は否定的である」と評価をいただいております。

No.9は、家族から企業に寄せられた情報でございます。肺炎により死亡したとの情報が寄せられておりますけれども、調査の結果としては「情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は判断できない」となっております。

21ページ目から28ページ目は、委員限りの情報といたしまして、詳細な経過、評価になっております。こちらは委員限りの資料となるため、本内容について御発言いただく際には個人情報の保護等、御配慮のほどよろしくお願いいたします。

 資料の説明は以上でございます。

○五十嵐座長 どうもありがとうございました。

 それでは、事務局からのただいまの御説明に対しまして、御意見、御質問はいかがでしょうか。どうぞ。

○桃井委員 資料5の最後の8ページ、No.4の症例ですが、3歳の女性で、その下に高校生の病歴が書いてあるので、これは記載の間違いであれば御修正いただければと思います。

○事務局 たしか文献の情報で昔の情報が報告されていたものではなかったかと思いますので、確認させてください。

○桃井委員 この高校生云々は文献情報なのですか。

○事務局 確認しますので、少々お時間をいただければと思います。

 確認いたしました。こちらは学会の報告でして、18歳のところに記載があるのが現時点の話で、3歳というのは、その報告の中で3歳当時に水痘ワクチンを接種したということです。アナフィラキシーが起きたのは18歳なのですけれども、ワクチン接種をしたのは3歳、それを念のために企業のほうで報告してきたという事実関係でございます。

○桃井委員 ありがとうございます。

○五十嵐座長 難しい、理解に苦しむ規則なので、誤解が生じたのだと思いますが、ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○多屋委員 毎回申し上げているようで、いいのかなと思いつつ、肺炎球菌ワクチンの副反応の報告なのですけれども、肺炎というのがかなりたくさん報告されていますが、やはり分子のほうに計算がそのまま入っているのかなという点が一つです。

 それから、先ほどのお亡くなりになられた患者さんのことなのですけれども、御家族から肺炎でお亡くなりになられたということが報告されたとありますが、肺炎球菌ワクチンを接種された方については、皆さん亡くなられたときには報告していただくようにというようなお願いがされているということなのでしょうか。いつか亡くなるという日は来るわけなのですけれども、ワクチンを接種されて2年後、3年後に肺炎で亡くなられた場合に副反応報告を届けなければいけないのかというところに、このままこれでいいのかなという思いがありまして、質問させていただきました。

○事務局 事務局からお答えいたします。なかなか難しい問題だとは思うのですけれども、まず、我々のほうから肺炎について報告するように企業を指導しているということはございません。一義的に副反応が疑われる症状について報告するか否かについては、製造販売業者である企業が判断するものと考えております。その上で、我々から指導しておりますのは、因果関係が不明なもの、因果関係が否定できないものについては幅広く報告してほしいということは、これはワクチンというよりも一般的な医薬品として製造販売業者にお願いをしているところです。

 この件につきましても、まず、製薬企業のほうが判断するものだと思いますけれども、因果関係が完全には否定できないということであれば、そこを報告するなということはなかなか難しいのではないかと思っております。そういうところもありまして、これまでも星印で対応してきたり、別の肺炎球菌のほうですけれども、頻度について内数ということで分けさせていただいております。肺炎球菌性肺炎等、明らかに薬効につながるものについてそういった対応をしておりますが、肺炎についてどうするのかというのは、この合同会議の場でもまだ全体的な合意はとられていないのではないかと理解しております。

 以上でございます。

○五十嵐座長 どうぞ。

○多屋委員 この部会、この検討会として、このままずっとお届けいただいたものを累積していくという方向で本当にいいのかどうかについて御議論いただければと、毎回なので、思いました。よろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 そうですね。人生の終末期が近づいている年齢の方にこのワクチンを打つわけですけれども、何年かたって亡くなるとそれも報告しなければいけないというのは何となく、無駄なことというと言い過ぎですけれども、やり過ぎなのではないかというのが常識的な考えではないかと思いますね。逆に、では、平均余命を超えた方に打った場合、亡くなっても報告しなくてもいい、そういうことも一概には言えないわけで、なかなか難しい点はあるとは思うのですけれども、皆さん、御意見はいかがでしょうか。

○柿崎委員 今の肺炎のことなのですけれども、資料7の8ページの3番目の症例などは、平成18年に注射して平成28年に発症しているわけです。こういったものまで入れると、肺炎球菌ワクチンを打って、肺炎で亡くなられた方全てが対象になってしまって、本当の意味での副反応というか、有害事象の把握にならないと思うので、やはりどこかで線を引いたりしなければいけないと思います。

○五十嵐座長 例えば1年以上たったら、亡くなった場合に報告しなくてもいい、そういうようなレギュレーションをかけよう、そういうお考えですか。どうぞ、稲松先生。

○稲松委員 このワクチンが肺炎球菌に対するワクチンであることは専門家はみんなわかっていることなのですけれども、マスコミで流れるときには、高齢者の30%は肺炎で死ぬのでこのワクチンを打ちましょうと言われると、このワクチンを打つと肺炎にかからないと多くの国民が信じて打っている。肺炎になると、これは当てが狂った、副作用に違いない、こういう形で報告されてくるわけですね。でも、それは明らかに副反応でなくて、本来、ワクチンの効かない種類の肺炎であったりというのが大部分なわけです。ですから、副反応として扱うのにはかなり無理があるのです。報告するなというのは変な話になりますので、肺炎に絡むものは別枠にして、副反応とは考えられないけれども、一応これだけの死亡例がありますというくらいにとどめておいたほうがいいのではないか。副反応の母数の中に入れるとなるとやはり相当の問題が生じるような気がいたします。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 報告はしていただくけれども、別枠等にして対応の仕方を考えてみよう、そういう御指摘ですね。そういうことはできますか、事務局。

○佐藤安全対策課長 ありがとうございます。安全対策課長でございます。

 この副作用報告制度というもの自体、企業が知った場合には、因果関係を否定できないものについては報告しなければいけないというのが薬機法上の規定になっております。この場合、特に4番、6番、7番は、これは企業が入手した情報ですね。ということですので、報告するなということはこちらとしてもなかなか言いにくいものであると思います。

 また、企業も、報告したお医者さんから情報を得て、明確に因果関係が否定できるものであれば報告する義務はそもそもないのですけれども、家族からの情報ですと医療機関もよくわからないということで、結果的に企業側が否定する材料を持ち得ない状況の中で報告されているのが現状でございます。

 ただ、この期間について言うと、他のワクチンでも実は接種後1年を超えて報告されるものはございまして、具体名は申しませんけれども、一概に報告期間だけで報告のよしあしを決めるのは事務局としてはなかなか難しいと思っていた部分です。

 今、御提案をいただきましたように、肺炎による死亡とか、従前から多屋先生にも御指摘いただいていますような形で、いわゆるワクチンの効果不足と思われる形で報告されてきている肺炎の死亡例等について全体の評価とは別記させていただいて、それは通常の副反応と考えているものとは違うような形で次回以降集計させていただくということで、先生方の御提案のとおり対応させていただけるのではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。

○五十嵐座長 よろしいですか。

 それでは、きょう、先生方から御指摘いただいたような形で、特別枠、別枠といいますか、そういう形で対応するということを検討していただきたいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 そのほか、いかがですか。

○事務局 細かい点で恐縮ですけれども、そうしましたら、今は星印をつけておりません肺炎についても、基本的には除外ということなので、全体のリストの中で星印をつける対応とさせていただこうと思いますけれども、よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 ほかはいかがですか。よろしいですか。

 それでは、議論されました内容をまとめたいと思います。

 まず、副反応の報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて特段高いことはないというふうに言えると思います。

 後遺症の報告につきましては、おたふくかぜワクチンを単独接種した1例、23価肺炎球菌ワクチンを単独接種した1例、それぞれ報告がありました。

23価肺炎球菌ワクチンにおいて、今回の集計対象期間に死亡症例が7例、報告がありましたけれども、ワクチン接種との因果関係は情報不足で判断できないというふうに判断いたしました。

 こういうことでよろしいでしょうか。

 それでは、この内容を踏まえまして、現状の取り扱いを変更する必要があるかどうか、御審議いただきたいと思います。特段、御意見ございませんか。

 ありがとうございます。

 そういたしますと、御審議いただきましたワクチンにつきましては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められない、そういう評価でよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、そのような対応をとりたいと思います。

 以上で、水痘、おたふくかぜ、A型肝炎、肺炎球菌の各ワクチンの副反応疑い報告は終了したいと思います。

 引き続いて、資料8の説明をお願いいたします。

○事務局 資料8について御説明いたします。

 なお、先ほどの肺炎球菌ワクチンに関しましては、本日の議論について製造販売業者にも伝えて、引き続き因果関係についてよく評価してほしいということはお伝えさせていただきたいと思います。

 資料8、こちらはインフルエンザワクチンでございます。こちらについては、今回は中間報告という位置づけでございます。昨年秋からの今シーズンのうち、10月から11月末までのシーズン前半部分をまとめております。

 1ページ目でございます。表のつくりは、ほかのワクチンと違います。表の下の注意点というところに記載がございますが、接種可能延べ人数は約4,800万人となっております。報告頻度は表に記載しておりますが、1カ月ごとに集計をしております。合計としては表の一番下ですが、企業から23件、医療機関から113件、うち重篤なものが34件、報告されております。報告頻度は、企業、医療機関でそれぞれ0.00005%、0.0002%となっております。死亡例については、企業、医療機関からそれぞれ3件、計6件、報告されております。

 2ページ目は、医療機関からの報告のうち、医療機関において関連があると評価したものとそうでないものとに分けたものでございます。説明は省略いたします。

 3ページ目の上段、中段は、患者の性別、年齢の内訳の集計となっております。

 3ページ目の下は、参考として、2015/2016年シーズン、2014/2015年シーズン、昨シーズン、一昨シーズンの報告を記載しております。表が大きく2つに分かれていますけれども、上の表についてはそれぞれのシーズン全体の期間、昨シーズンと一昨シーズンの全体の期間、下の表については昨シーズンの中間報告の報告数となっております。

 1ページ目の先ほど御説明した今回の報告頻度と比べますと特段高いという状況ではございませんでした。ちょっと比較しにくいのですけれども、事務局にて確認しております。

 4ページ目から6ページ目については、症状別の集計でございます。

 7ページ目は、予防接種法の報告基準に定められた症状を集計した結果となっております。アナフィラキシーが9件、けいれんが4件と報告されております。

 続いて、個別の症例の一覧が8ページ目から17ページ目まで続きます。こちらの説明は省略いたします。

18ページ目は、アナフィラキシーの関係で、今シーズンのまとめです。アナフィラキシーとして報告された症例数、ブライトン分類3以上と評価されたものの数、その報告頻度を企業ごと、ロットごとに集計しております。全体的な合計については、18ページの表の一番下ですが、全体として12件、報告されておりまして、うちブライトン分類3以上と評価されたものが5件となっております。

19ページ目は、昨シーズンの結果でございます。今シーズンの報告頻度と比べますとばらつきはありますけれども、全体の数値としては特段大きな違いはありませんでした。同じように、合計が19ページ目の一番下にございます。

 なお、ページが戻りますけれども、18ページ目に、各企業、各ロットごとに件数が報告されております。こちらについても特定の企業、特定のロットで大きいというものはございませんでした。多くてもロットにつき1個というような報告でございます。

20ページ目から22ページ目は、説明は省略いたしますけれども、アナフィラキシーの個別症例についての評価の結果でございます。

23ページ目は、ギラン・バレー症候群、ADEMの関係でございます。今回につきましては、ギラン・バレー症候群の可能性がある症状として1件、報告されております。

 専門家の評価の結果は、24ページ目にありますので、こちらで御説明いたします。基礎疾患のない8歳の男児が、接種8日後にヨーグルトの瓶のふたをあけることができないという症状が出て、接種11日後に歩行不能となっております。接種12日後に、ギラン・バレー症候群と診断されております。こちらにつきましては、経過を見ていただきますとわかりますとおり、詳しい検査自体は行われていないということで、専門家の評価としては全体として「情報不足で判断ができない」といった内容のコメントをいただいているところでございます。したがいまして、先ほど1件報告があると申し上げましたけれども、最終的にはギラン・バレー症候群と判断されるものはゼロ件ということでございます。

 死亡症例が25ページ目からございますけれども、当日配付資料ということで死亡症例はこちらをごらんいただければと思います。タイトルが「20162017シーズンインフルエンザHAワクチン死亡報告一覧」でございます。こちらで御説明いたしますが、25ページ目から27ページ目が死亡報告の一覧となっております。左側に「今回の対象期間内」と記載がありますけれども、26ページ目のNo.6まで続きます。その後、27ページ目のNo.7からNo.9が今回の対象期間後の報告です。まとめますと、今回の対象期間に6件、今回の対象期間後に3件、計9件、この中には記載されております。

 まず、今回の対象期間内に報告された6件を25ページ目のNo.1から順に御説明いたします。

No.1につきましては、パーキンソン病を基礎疾患として持つ88歳男性が、接種2日後に呼吸状態が悪くなり、四肢にチアノーゼを呈した状態で発見されたもので、搬送先で死亡が確認されております。調査の結果といたしましては「臨床経過及び検査結果から、感染症により多臓器不全となり死亡した可能性が考えられた。ワクチン接種との因果関係は不明である」と評価いただいております。

No.2は、心臓弁膜症、末梢動脈閉塞性疾患、脳梗塞を基礎疾患として持つ93歳男性が、接種翌日に心肺停止状態で発見され、搬送先で死亡が確認された事例でございます。調査の結果としては「剖検の結果、死因は虚血性心疾患とされた。ワクチン接種との因果関係は不明である」と評価いただいております。

No.3は、多発性脳梗塞、高血圧等の基礎疾患を持つ92歳女性が、接種直後にいびきが生じ、その後、意識を喪失し、死亡したという事例でございます。調査の結果といたしましては「剖検の結果、死因は虚血性心疾患とされた。ワクチン接種との因果関係は不明である」と評価いただいております。

26ページ目をごらんください。No.4は、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病を基礎疾患として持つ72歳男性が、接種5日後に意識レベルが低下し、死亡したという事例です。死因は敗血症とされております。調査の結果としては「死因は敗血症とされたが、診断根拠となる情報が不足しており、ワクチン接種との因果関係は判断できない」とされております。

No.5は、高血圧、脂質異常症、甲状腺機能低下症を基礎疾患に持つ66歳女性が、接種3日後に意識レベルが低下し、搬送先にて死亡した事例でございます。剖検が行われておりまして、その結果、血栓が認められ、死因は肺塞栓とされております。調査の結果としては「剖検の結果、死因は肺塞栓とされた。肺塞栓の原因として嘔吐による脱水や感染等も考えられたが、ワクチン接種との因果関係は不明である」と評価いただいております。

No.6は、慢性閉塞性肺疾患、喘息、良性前立腺肥大症を基礎疾患として持つ85歳男性が、接種翌日、急性肺炎と診断され、接種5日後に呼吸不全により死亡した事例でございます。調査の結果としては「呼吸不全による死亡とされたが、情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は判断できない」とされております。

27ページ目からが今回の対象期間後に報告されたものでございます。No.7は、脳梗塞、脳血管性認知症、狭心症等を基礎疾患として持つ68歳男性が、接種翌日から意識レベルが低下し、接種2日後に死亡したものでございます。死因は、急性膵炎、播種性血管内凝固症候群とされております。調査の結果といたしましては「死因は急性肺炎及び播種性血管内凝固症候群とされたが、診断根拠となる情報が不足しており、ワクチン接種との因果関係は判断できない」とされております。

No.8とNo.9は、まだ評価が終わっておりません。調査中となっておりますので、一報でございます。まず、No.8は、基礎疾患がない54歳女性が、接種半月後にMRIの結果からADEMが疑われ、その後、意識状態が悪化し、死亡した事例でございます。報告医から死因としてはADEMと報告いただいております。剖検は実施されておりません。現在、調査中でございます。

No.9は、現時点では詳細な経緯を得られておりませんが、高齢男性の死亡事例が報告されております。こちらについては、詳細な状況も含め、調査中でございます。

 また、この資料には掲載しておりませんけれども、これ以外に追加で1例、死亡症例が報告されておりますので、口頭で補足させていただきます。症例といたしましては、32歳の女性が接種の翌朝に自宅で死亡しているところが発見された事例でございます。詳細な内容については確認中ですけれども、報告医からは因果関係が評価不能ということで第一報の報告をいただいております。

28ページ目以降は、詳細な経過あるいは評価になっております。資料の中で、委員限り公表不可となっているものとそうでないものがありますけれども、委員限り公表不可と書いてあるものについては、文字どおり委員限りでございますので、御発言いただくときには個人情報の保護等、配慮いただければと思います。

 資料8については以上でございます。

○五十嵐座長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの御報告につきまして、御意見、御質問はいかがでしょうか。特にございませんでしょうか。

 そうしますと御報告いただいた内容をまとめたいと思いますが、よろしいですか。

 これまで確認できた内容としましては、インフルエンザワクチンにつきまして、副反応疑い報告数、死亡数、アナフィラキシーの発生頻度等につきましては、いずれも昨シーズンとほぼ同じであり、大きな変化がないというふうに判断してよろしいでしょうか。

 では、その内容を踏まえまして、現状での取り扱いを変更する必要があるかどうか、御意見いただきたいと思います。特にありませんか。

 では、御審議いただきましたワクチンにつきましては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価をしてもよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。では、そのようにしたいと思います。

 以上でインフルエンザワクチンの副反応疑い報告を終了したいと思います。

 本日の議事は以上で終了しますけれども、そのほか事務局から何かありますでしょうか。

○事務局 本日は、長時間にわたりまして活発に御議論いただきまして、ありがとうございます。

 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡を差し上げます。

 また、傍聴者の皆様へお願いでございます。審議会委員がこの後、退出いたしますので、退出が終わりますまでその場でお待ちください。

 事務局からは以上でございます。

○五十嵐座長 それでは、きょうの会議はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。



(了)

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