ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議> 第30回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(2017年2月15日)




2017年2月15日 第30回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

平成29年2月15日(水) 16:00~18:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)
(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2 中央合同庁舎第5号館)


○出席者

出席構成員

新構成員、伊藤構成員、岩田構成員、岡部構成員、小国構成員
落合構成員、北田構成員、合田構成員、後藤構成員、佐藤構成員
鈴木構成員、友池構成員、西川構成員、藤原構成員、堀田構成員
村島構成員、山本構成員、横谷構成員

出席参考人

安藤参考人、中村参考人、山本参考人

○議題

第II回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
要望品目の医療上の必要性について
開発要請品目の公知申請への該当性について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 ただいまより第30回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議を開催いたします。本日は鈴木構成員より、遅れていらっしゃるとの御連絡を頂いております。また、五十嵐構成員、平安構成員より御欠席との御連絡を頂いております。現在のところ、17名の先生に御出席いただいております。
 また、WGの検討状況を御報告するに当たり、各WGのメンバーから、安藤参考人、中村参考人、山本参考人に御出席いただいております。カメラの撮影はここまででお願いいたします。
 それでは堀田座長、以降の議事進行をお願いいたします。

○堀田座長
 皆様、こんにちは。今日は雪に見舞われることもなく、皆様お集まりいただいて、久々に多くの委員の参加が得られる会になったと思います。よろしくお願いします。
 まず、本日の配布資料の確認を事務局からお願いいたします。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 配布資料の確認をさせていただきます。本日は席上に、座席表、議事次第、その裏に配布資料一覧です。資料1「検討会議における検討の進め方」、資料2-1「第II回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況の概要等について」、資料2-2「第III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況の概要等について」、資料2-3「第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況の概要等について」、資料2-4「第IV回要望の未承認薬・適応外薬の開発要望について」、資料3-1から資料3-3については、医療上の必要性に関する専門作業班(WG)の評価の資料です。資料4-1と資料4-2は、公知申請への該当性に係る報告書の案です。資料5-1「企業から提出された開発工程表について」です。企業から提出された開発工程表の概要等について、資料5-2が第I回要望関連、資料5-3が第II回要望関連、資料5-4が第III回要望関連、資料5-5が第IV回要望関連です。資料6は開発企業の募集を行った医薬品のリストです。以上の資料を配布しております。
 参考資料はひとまとめにしてお配りしていますが、参考資料1「開催要綱」、参考資料2「構成員名簿」、参考資料3-1「専門作業班(WG)の設置について」、参考資料3-2「専門作業班(WG)メンバー」の名簿、参考資料4-1「医療上の必要性の評価の基準について」、参考資料4-2「開発要請先企業の指定の考え方について」、参考資料5「人道的見知から実施される治験の制度該当性基準について」、参考資料6「執行部に所属している学会について」です。
 補足資料として、2015422日に開催した際の会議資料2-1の抜粋、補足資料2は前回会議資料8-2を配布しています。
 参考資料6は、各構成員の先生方が執行部に所属している学会についてお示ししており、前回会議の資料を本日現在に更新した内容となっています。本検討会議の公平性の観点から、当面は構成員のうち、当該学会の執行部、具体的には理事会メンバー以上の場合を想定していますが、そこに在籍する方については、当該要望に係る背景事情等の説明は行うものの、議決には参加しないこととすることになっています。本資料の内容に誤り等がありましたら、この時点でお知らせいただければと思います。
 本日の審議については、こちらの内容に基づいて進めていきたいと思っております。資料の不足等がごさいましたら、事務局までお申し出ください。

○堀田座長
 前回は昨年の1116日に開催しましたが、それ以後の進捗について事務局から説明をお願いします。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 資料1を御覧ください。前回から変更した部分は、資料中程の開発要請の件数です。本年1月末までに新たに開発要請した品目がありますので、件数の更新を行っています。企業に開発要請したもののうち、第III回要望については、前回37件と御報告しておりますが、3件追加して合計40件となっています。それ以外の箇所については前回から変更はありません。裏面についても、同様の箇所について件数の更新を行っております。

○堀田座長
 ただいまの説明に何か御質問や御意見はございますか。よろしいですか。
 続いて、第II回、第III回、第IV回の未承認薬・適応外薬の開発要望について、事務局からお願いします。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 資料2-1を御覧ください。第II回要望については、前回会議までに、1ページ目の上段の表の右上の合計欄になりますが、未承認薬26件、適応外薬78件の合計104件について、医療上の必要性が高いとの評価を頂いております。
 前回会議時点で検討中であった3件のうち、下の段の表ですが、循環器WGにおいて1件が医療上の必要性が高くないと評価されております。具体的な品目の概要は、資料3-1で後ほど御説明いたします。引き続き検討中のものは残り2件で、詳細については3ページ目の別添1に記載したとおりです。現在の状況については、表の検討状況等に示しておりますが、前回会議からの変更はありません。
2ページを御覧ください。こちらは開発要請又は開発企業募集を行った品目の状況をお示ししていますが、こちらは、前回会議から進捗はありませんでした。
  続いて、資料2-2を御覧ください。第III回要望については、前回会議までに、1ページ目の上段の表の右上の合計欄になりますが、未承認薬13件、適応外薬31件の合計44件について医療上の必要性が高いとの評価を頂いております。
 前回会議時点で検討中であった25件のうち、下の段の表の抗がんWGにおいて3件が医療上の必要性が高いと評価されております。具体的な品目の概要は、資料3-2で後ほど御説明いたします。引き続き検討中のものは22件あり、詳細については3ページ目の別添1に記載したとおりです。現在の状況については、表の検討状況等に示していますが、前回の会議から特に変更はありません。
2ページを御覧ください。こちらは、開発要請又は開発企業の募集を行った品目の状況を示しています。資料下段の「4.前回検討会議から本会議までの開発要請と公知申請の妥当性の確認に係る進捗状況について」の1ポツ目を御確認ください。前回会議で医療上の必要性が高いと評価された3品目について、昨年1129日に開発要請を行っております。この3件と、前回会議時点で検討中であった21件を合わせた合計24件の進捗を示したものが、一番下の表です。この24件のうち、2件が公知申請妥当であると評価されています。具体的な品目の概要は資料4-1から資料4-2で後ほど御説明いたします。引き続き検討中のものは22件ございまして、詳細については7ページ目の別添2に記載したとおりです。現在の状況については表の検討状況等に示したとおりであり、灰色で示した部分が前回会議からの変更箇所です。
 続いて、資料2-3を御覧ください。こちらは平成2771日から平成28630日までの第IV回要望についての進捗状況を取りまとめたものになります。第IV回要望については、前回会議までに適応外薬1件について、医療上の必要性が高いとの評価を頂いております。前回時点で検討中であった22件のうち、下の段の表になりますが、循環器WGにおいて1件、抗菌・抗炎症WGにおいて1件の合計2件が医療上の必要性が高いと評価されております。また、循環器WGにおいて1件が検討対象外とされております。具体的な品目の概要は資料3-1、資料3-3で、後ほど御説明いたします。引き続き検討中のものは19件ありまして、詳細については3ページ目の別添1に一覧表としてまとめています。現在の状況については、表の検討状況等に示したとおりであり、灰色で示した部分が前回会議からの変更箇所となります。
 今回検討対象外とされたものについては、6ページを御覧ください。要望番号IV-6の酸素について、日本頭痛学会及び日本神経学会より、群発頭痛発作の頓挫の効能・効果で要望がありましたが、承認内容を考慮した際、提出された要望は既存効能の酸素欠乏による諸症状の改善の範囲内と判断できることから、要望のあった学会の先生方と御相談させていただきまして、検討の対象外とさせていただきました。
 資料の2ページを御覧ください。こちらは開発要請又は開発企業募集を行った品目の状況を示したものですが、第IV回要望の品目で現在検討中のものはありません。
 続いて、資料2-4を御覧ください。こちらは平成2871日から1231日までの第IV回要望を取りまとめたものになります。この期間中は、未承認薬3件、適応外薬5件の合計8件の要望がありました。なお、左側のNo.3、要望番号IV-27のケノデオキシコール酸については、前回会議で御説明したものですが、要望区分が迅速実用化から適応外薬に変更されたことに伴い、再度提出されたものになります。要望件数としては既にカウントしておりましたので、資料の裏面に示した集計件数からは除外させていただいています。今後は、こちらの資料に示した要望の検討を進めさせていただくこととしています。説明は以上です。

○堀田座長
 ただいまの説明に御意見はありますか。先ほどの酸素については、今の適応の中に含まれているという解釈でいいということになったのですね。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 そのとおりです。

○堀田座長
 この要望が出てくる前提として、酸素が群発頭痛発作の頓挫に対する処方で査定されるとか何かあったのでしょうか。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 話によれば、技術とともに要望していたようですが、具体的に査定されたという話は伺っておりません。保険医療の中で安定的に使うようにするために、承認あるいはきちんとした保険上の取扱いが必要ということで要望されたと聞いております。

○堀田座長
 こういうのは支払基金に疑義照会すればいいのではないかという気もしないでもないのですが、改めて本検討会でその現行の適応範囲に含まれるという判断をしていただいたので実診療の中でも反映されると思います。ありがとうございました。その他に意見はよろしいですか。
 続いて、要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況について、WGからの御説明をお願いするわけですが、まずは循環器WGから山本先生にお願いいたします。

○山本参考人
 循環器WGの山本です。資料3-1を御覧ください。1ページです。Carbidopa/levodopa,1:4について、日本神経学会からパーキンソン病の治療の適応に関する要望が提出されております。パーキンソン病は中脳の黒質ドパミン神経の不可逆的な変性・脱落を特徴とする進行性の疾患であり、振戦、固縮、無動等の運動症状により、日常生活に多大な支障が生じることから、適応疾病の重篤性は「イ」病気の進行が不可逆的で日常生活に著しい影響を及ぼす疾患に該当すると判断いたしました。
 医療上の有用性は、本邦では本剤と同様の成分を含有するレボドパ・カルビドパ配合剤の速放性製剤は承認されていますが、多くの症例でレボドパ製剤の長期投与により、レボドパの効果持続時間が短縮して、血中薬物濃度の変動とともに症状が変動するWearing-off現象というものが生じます。速放性製剤投与時のレボドパの半減期は短く、血中レボドパ濃度を至適治療濃度域に保つことのできる時間が短いことが、Wearing-off現象の一因と考えられております。
 米国及び英国で承認されている本剤は、製造上の工夫によりレボドパの血中濃度を長時間至適治療濃度域に維持できるようにした徐放性製剤であり、海外臨床試験において速放性製剤と比較して薬効が発揮されない時間を有意に短縮させることが示されていますので、医療上の有用性は「イ」欧米等の臨床試験において有効性及び安全性等が既存の療法と比べて明らかに優れているに該当すると判断いたしました。以上より、本品目の医療上の必要性は高いとWGでは判断しております。

○堀田座長
 ただいまの報告に、何か御質問や御意見がありましたらお願いいたします。
 これは未承認薬に当たるわけですが、即効性のものは、今は認められているということですね。

○山本参考人
 はい。

○堀田座長
 これは現状の徐放性製剤ではWearing-offが起こるということが、臨床では問題になっているということですか。

○山本参考人
 Wearing-offはパーキンソンの方、特に長期化されている方については非常に問題になっております。

○堀田座長
 よろしいでしょうか。それでは、ただいまのWGの報告を承認とさせていただきます。ありがとうございました。

○山本参考人
 続いて、資料3-12ページを御覧ください。こちらはエノキサパリンナトリウムです。日本産科婦人科学会より、静脈血栓塞栓症の発症リスクの高い妊娠女性における静脈血栓塞栓症の発症抑制の適用に関する要望書が提出されております。
 静脈血栓塞栓症のうち、特に急性肺血栓塞栓症は発症すると致死的な疾患になりますので、適応疾病の重篤性は「ア」生命に重大な影響がある疾患に該当すると判断いたしました。
 医療上の有用性は、本要望について欧米等6か国での承認はございません。本邦においては、ヘパリンカルシウムが血栓塞栓症の予防の適応症で承認されておりまして、自己投与も含めて保険下で使用可能となっており、ヘパリンカルシウムが効能・効果に対して広く使用されているという現状があります。現時点では、ヘパリンとの比較を含めて、本要望に関する有効性及び安全性を検証した試験が国内外ともに存在せず、本剤の臨床的位置付けが標準薬であるヘパリンカルシウムと比較して高いとは言えないことから、今回医療上の有用性は「ア」から「ウ」のいずれにも該当しないとWGでは判断しまして、本品目は医療上の必要性の基準に該当しないという判断をさせていただきました。

○堀田座長
 ただいまの報告に対して、何か御発言はありますか。落合構成員、実際に治療の現場では、エノキサパリンナトリウムがなくても何とかやれているのですか。

○落合構成員
 確かに要望は随分前からあります。私は失念してしまっているのですが、日本産科婦人科学会から、(2)医療上の有用性に関しては、学会としてはどのような表現の仕方をしているのでしょうか。有用性というか、やはり必要性を要望しているのですが、私は細かいところは分かりませんが、ヘパリンカルシウムはかなり昔から使われている薬ですから、それとこれを比較して、今回はこのエノキサパリンを何回にもわたって要望している根拠があるだろうと思うのです。

○山本参考人
 要望の内容は、ヘパリンカルシウムは未分画ヘパリンで、エノキサパリンは低分子ヘパリンです。低分子ヘパリンの方が、より出血の可能性が低いとか、HITというヘパリンの副作用で起こる疾患が少ないとか、幾つか、使う上でこちらの方が使いやすいということが臨床の現場では広く言われておりまして、欧米でも未分画よりも低分子ヘパリンを使うという動向にあります。
 日本産科婦人科学会からも、未分画ヘパリンではなくて低分子ヘパリンを使っていきたいということで、御要望いただいております。
 ただ、特殊な病態というか、妊娠中の方というのもございまして、欧米でもほとんど比較試験もないですし、いわゆる臨床試験の形でやられたというものがほとんどありません。
 それと、国内の実態というのも、恐らくデータが取られていないようで、学会に検討というか、いろいろ追加で出せるかどうかということもお聞きしまして、その結果、WGでの検討の期間が長くなったのですが、現時点では、「ア」から「ウ」のどれかに当てはまるという形での、国内外のエビデンスを今回は確認できませんでした。
 ただ、一定の要望がずっと臨床現場にあるということはよくWGでも理解しておりまして、今度は学会に前向きないしはある程度後ろ向きに掘り起こすというような、データの調査などをもう少し行っていただいて、エビデンスを追加していただければ、もう一度検討できる状況になるのではないかとWGでは考えて、今回は検討できないという形で、親会議に上げたという次第です。

○落合構成員
 確かに、この病態そのものが臨床試験にそぐわない病態なので、やはり後ろ向きの試験も含めて、是非そういったところをこちらから学会のほうに返していただきたいと思います。

○村島構成員
 妊婦に特殊な血栓症をもたらす抗リン質抗体症候群合併妊娠のガイドラインをまとめた立場から言いますと、そこでは産科系の先生方が多数参加されていましたが、低分子ヘパリンを希望する言葉は出ていなかったと思います。
 確かに、欧米の10数年前の論文は低分子ヘパリンが使われていたのですが、むしろ未分化ヘパリンのほうが不育症などにはいいという論文も出たりして、最近ではあまりこだわらなくなったと思います。
 ただ、血栓症治療、産後の血栓症予防のために短期間使うに当たって、こちらのほうがいいかどうかという質問はしていないのでその点については何とも言えません。いずれにしても、私はこのWGの結論でいいと思います。

○堀田座長
 その他の御意見はよろしいでしょうか。大体のコンセンサスは今のようなお話と考えます。もし再度要望をいただくのであれば、学会として後ろ向きでもいいから実態調査なり、何らかの調査研究をやってほしいということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 続いて、抗がんWGからになります。報告の前に事務局から補足説明をお願いいたします。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 後ほどWGの報告は安藤参考人からしていただきますが、事務的な話として資料3-2の表紙を御覧ください。これの左下ですが、ラパチニブについて後ほど御報告していただきます。当該品目については、実は第I回の要望で開発の要望が挙がったもので、それの再検討をしていただくというものです。
 補足資料1「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の運用改善について」を御覧ください。これは2015422日に御検討いただいた資料です。この第23回の検討会議では、資料の表紙、四角で括っている(2)の部分に記載しておりますとおり、新たな治療薬が上市されるなどにより、当該診療分野での標準治療の方法が変化し、要望品目の医療上の必要性が低下することが考えられた場合には、その変化が生じたことを示す根拠を持って、医療上の必要性の再評価を行ってはどうかという御議論がございました。
 この議論を踏まえて、2ページから示している通知を平成2771日に発出しております。当該事項についての具体的な記載は、8ページ目の四角の部分です。「5.要請後の要望の医療上の必要性の再検討」という形で、具体的にお示しさせていただいております。
 今回、御報告させていただくラパチニブについては、平成22106日に開催された第5回の検討会において、医療上の必要性が高いと評価され、同年12月に開発要請がなされました。今般、これらの通知の四角囲みをした部分の規定に基づき、開発を行う企業から再検討の申入れを受けたことにより、医療上の必要性を再検討するものです。通知発出から時間が経過していることと、また当該規定に基づき再検討される初めての品目であるため、事務局より改めてこの内容について説明させていただきました。

○堀田座長
 ただいまの事務局からの補足説明について、何か御質問はございませんか。
 前にも検討会で議論になったことがありますが、WGでの検討中に医療状況として新しい薬の承認などで検討品目の位置付けが変わってくることがあるので、その場合は再検討できるという規定の適用ということになるわけです。よろしいでしょうか。
 では、それを前提として、安藤参考人から、WGの報告をお願いします。

○安藤参考人
 医療上の必要性に関わる基準の該当性に関する報告で、抗がんWGです。資料3-21ページ目を御覧ください。日本小児血液学会とがん学会から要望が出されていますテモゾロミド、アルキル化抗がん剤です。再発・難治性のユーイング肉腫という効能・効果で要望が出されております。これに関しては特記事項を御覧ください。平成243月に開催された第11回の本会議において、テモゾロミドの難治性小児固形腫瘍に関わる要望に関しては、欧米では標準的治療と位置付けられていることが判断することは困難であったために、医療上の有用性は「エ」と判断されました。今回は、当該学会から、再発・難治性のユーイング肉腫ということに絞って要望の提出がありました。
 医療上の必要性に係る判断に関してですが、適応疾患の重篤性に関して、ユーイング肉腫は致死的な疾患であるために、重篤性は「ア」と判断いたしました。
 医療上の有用性に関する該当性に関しては「ウ」です。「ウ」は欧米等において標準的治療に位置付けられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても、国内における有用性が期待できると考えられると判断いたしました。その根拠について特記事項の2段目を御覧ください。今般、小児悪性腫瘍のうち欧米等のガイドラインに記載のある小児・若年成人に発生する再発・難治性のユーイング肉腫に限定した要望が出されました。要望内容については、欧米等6か国では承認されていないものの、欧米等の診療ガイドラインにおいては治療選択肢の1つとして記載されております。また、ユーイング肉腫のうち、再発・難治性の患者に対する治療選択肢において、国内ではテモゾロミドが非常に昔から広く使われていまして、一般的に標準的な化学療法の治療が完遂して、その後に再発あるいはそれら難治性になったユーイング肉腫の患者に対して、一般的に国内では使用されていると考えられており、国内における有用性が期待できると考えられました。そのために、医療上の判断を「ウ」としました。
 これに関してはWGで相談し、標準的治療をどう考えるかというところで、例えば今回出された小児の難治性のユーイング肉腫というのは非常に希少がんであり、なおかつ有効な薬剤が非常に少ないです。有効な薬剤が非常に少ない中での、いわゆる二次化学療法として国内で一般的に用いられているという現状を踏まえて、あと欧米のガイドライン等の記載も考慮して「ウ」と判断しました。

○堀田座長
 ただいまの抗がんWGからの報告に、御意見はいかがでしょうか。特に小児領域の先生から何かありませんか。今の御説明ですと、実際の日常診療では再発・難治には使われているという話ですね。

○安藤参考人
 はい。

○堀田座長
 これがもし開発要請後のステップが治験となると、今使われているものはどうなってしまうのですか。

○安藤参考人
 国内の小児の臨床試験グループで、ユーイング肉腫に対して試験を行う準備をしていると聞いておりますので、そこはそれで開発が進められていくだろうと考えております。

○藤原構成員
 この判断は妥当だと思うのですが、今後、医療上の必要性が高いと判断されて開発要請を行って、医師主導治験なり企業治験がやられた後に、承認申請の段階が一番大変なのかなと思います。これをできるのは、single armPhase2ぐらいしかできなくて、そういう中でこの薬を本当に承認できるかというのは、PMDAの科学委員会でこういう希少がんの承認の仕方についての検討をされていたり、AMEDの研究費で群馬大学の林先生が、そういう希少がんの承認の生物統計学的な基準の検討をされたりしています。それが間に合えばいいのですが、間に合うまでの中で、こういったsingle armのトライアルでしか有効性が検証できないような希少疾患について、本当に承認してくれるのかというPMDAに対する懸念があります。
 もう一点は、最近、他の疾患領域で経験したのですが、日本全国で症例数が10例ぐらいの代謝疾患で、使っている薬は再審査期間も過ぎたような安い薬です。そういうのは医師主導治験が終わって、そこで有効性は出たけれども、企業から安いから承認申請しても意味がありませんと言われてしまったというケースを聞きまして、そういうのはこれから山のように出てくると思うのです。今までの公知申請とか、医療上の必要性の高いものというのは、あくまでもある程度のマスがあるものに関してはできました。たくさんの患者数があれば企業が公知申請をしても、その後に投資の回収がある程度はできるかもしれませんが、症例数が年間に数十、数百ぐらいで承認を取らされても、なかなか企業は大変かなというのがあって、事務局にはそういう患者数が非常に少なくて、安くてというような薬に関して、今後どのように指針を、この医療上の必要性の検討会での開発要望などを踏まえて、開発と承認審査がされる際のスキームを早めに考えておいてほしいなと思います。

○堀田座長
 これに対して、規制側からコメントはございますか。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 今の藤原先生の御指摘は重々承知しております。基本的には、この未承認薬等検討会議のスキームはなかなか開発し難いようなものについても、薬価の維持等の仕組みと組み合わせて、開発企業も受け入れられるようなということで考えられたスキームですので、基本的にはこの会議で、医療上の必要性が高いと判断されて開発要請を行ったものについては、開発いただけるものとは考えております。
 ただ、個別のケースについては、ただいま藤原先生から御指摘がありましたようにいろいろなケースがございますが、我々のほうでも御指摘のPMDAの科学委員会での御議論、その他の検討も行っておりますので、個別のケースごとに企業からの相談に応じていきたいということです。

○堀田座長
 必要性が高いかどうかの評価と開発の難易は別の話ではありますが、いずれにしても希少であったり、症例数が確保できない、あるいは企業がなかなか手を出しにくいものに対して、少数例でも承認に向けて科学的に評価できる方法の開発という、いわゆるレギュラトリーサイエンスを発展させていただきたいと思います。

○伊藤構成員
 藤原構成員が言っているのは、開発はしたけれども次の段階で商品とならないというのが、一番問題ではないかと私は捉えたのですが、そこら辺はどうでしょうか。

○堀田座長
 治験自体が症例が少なくPhase2ぐらいでしかできないのに、Phase3を求められるというところがどうしてもあるのが1つでしょう。

○藤原構成員
 両方ありまして、そういうのも問題だし、ここで医療上の必要性が高いとして開発要請をしても、新薬創出等加算という飴を見せられても、それでも儲からない領域というのはあるわけですから、そこはどうするのですかというところです。
 それと、私はAMEDのプログラムオフィサーをやっていて、私の所管領域だと、例えばAIDSや熱帯病の薬の提供のところは、今はAMEDの研究費の事業の枠でやっているのですが、無償提供して、学会や大学の先生方がAIDSの薬を管理したり、熱帯病の薬を管理して患者に提供するというのはずっとやっているわけです。
 そういうのが2つある中で、まだユーイング肉腫だと少し患者数があるかもしれませんが、代謝疾患とか神経難病とか、もっと少ない患者数の場合に、ずっと治験にこだわってやっていくのか、ある程度治験は諦めて、管理された環境下で一定の患者と医療機関でのみに対して、安い薬であれば国が事業などで金を出して購入して、患者に提供して、その患者を医療機関がフォローしていくというような新しいスキームを持っておかないと、あくまでも薬機法の中でこういう少人数の難病に対してコントロールするというのは、もう限界がきているのではないかと思います。

○堀田座長
 そういう御意見は今後の課題としてとても重要な問題ですが、場所を変えてまた議論したいと思います。今回はこのWGの報告が妥当かどうかという判断になりますが、この点はよろしいでしょうか。ありがとうございます。

○安藤参考人
5ページです。ベバシズマブ、VEGFAに対するモノクローナル抗体で、血管新生を阻害する薬剤です。日本婦人科腫瘍学会と日本産科婦人科学会から要望が出されております。今回は、卵巣がんに対して用法・用量の追加ということで、今までは既承認なのは115mg/kg3週間投与で静脈内投与しますが、今度は、それに追加して110mg/kg2週間隔で追加するという用法・用量の追加の要望がなされております。
 適応疾患の重篤性に関しては、卵巣がんが致死的な疾患であるため「ア」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性に関しては「ウ」と判断しました。これに関して特記事項を御覧ください。今回、要望内容の2週間隔の投与法に関して、実は卵巣がんの二次化学療法において、抗悪性腫瘍剤、ノギテカン、リポソーム化ドキソルビシンに今回のベバシズマブを上乗せした際の有効性と安全性が海外の第III相試験で検証されており、欧米でも6か国で承認されてガイドラインにも記載されております。
 海外では標準的な治療と見ているのですが、日本では、ノギテカンやリポソーム化ドキソルビシンとベバシズマブを併用しようとすると、3週の投与間隔の用法・用量だと、薬剤を同時に併用することがずれてきてしまう。例えば、リポソーム化ドキソルビシンは4週間隔投与ですが、3週間隔投与のものと一緒にするとずれてきてしまうので、そういうものを併せられるように、今回、2週間隔の用法・用量の要望が出されました。以上です。

○堀田座長
 ありがとうございました。それでは、御意見を頂きます。3週間隔のものを2週間隔ということで薬の総量は変わらないわけです。いかがでしょうか。先行する研究は何かあるのでしょうか。2週間隔との比較試験はないかもしれないけど。

○安藤参考人
 ベバシズマブは、もともと2週間隔のものと3週間隔のものと両方用いられており、それに関して有効性の相違点は特にありませんので、化学療法と併用されるときの化学療法レジメンのスケジュールに合わせて選択されております。

○堀田座長
 これについては、どうですか。必要性は高いですね、これ以上余り議論しても仕方がないような感じがします。よろしいですか。では、この報告も了とします。

○安藤参考人
 先ほど、事務局の方に御説明いただいた医療上の必要性の基準に該当しないと考えられた品目です。6ページを御覧ください。ラパチニブトシル酸塩水和物で、個人の方が要望されております。効能・効果は乳がんで、用法・用量はトラスツズマブとモノクロナール抗体との併用投与という要望が出されました。
 適応疾患の重篤性に関しては、乳がんは致死的な疾患のために「ア」に該当するといたしました。
 医療上の有用性は、先ほども説明がありましたように「エ」に該当すると判断しました。特記事項です。本要望に係る開発時に企業から実施されていた術後の再発を抑制するための補助化学療法としての、ラパチニブとトラスツズマブの併用の有効性と安全性を検討することを目的とした、国際共同の第III相試験のALTTO試験というもので、HER2陽性の乳がんの手術後にトラスツズマブとラパチニブを併用する群か、トラスツズマブを投与した後にラパチニブを引き続いて使う群か、トラスツズマブ単独の3群で比較され、大体8,300名くらいの患者さんが、この試験に参加されております。主要評価項目として、どれぐらい再発を抑えるのかという無病生存期間の指標を比べたところ、トラスツズマブ単独と比べて優越性がなかった。なおかつ、ラパチニブというのは下痢や湿疹が出るのですが、それがトラスツズマブ単独群と比べて多かったという結果が出たので、今回、医療上の有用性について「エ」と判断しました。
 なお、ラパチニブは、先ほど申し上げませんでしたが、HER2という乳がんが発現している受容体のチロシンキナーゼ阻害剤、分子標的薬です。ラパチニブは進行再発例の乳がんにおいて、ラパチニブとトラスツズマブを併用する療法が用いられております。ですが、それは第II相試験のレベルのエビデンスで、それから、この要望が出されていた当時よりも抗HER2療法というHER2をターゲットとした治療の薬剤が幾つか承認されて、ラパチニブとトラスツズマブの併用の有用性が、要望が出されていた時期よりも現時点では有用性が低くなっているとWGで判断いたしました。以上です。

○堀田座長
 ありがとうございました。御意見をお願いいたします。これが、先ほど事務局から補足説明があった医療状況の変化への対応に該当します。大規模試験で有用性が示されなかったというような状況です。これも、特に御意見はありませんか。それでは、ラパチニブについては医療上の必要性は高くないということで、WGの報告を承認したいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 続いて、資料3-3です。小児ワーキングから、よろしくお願いいたします。

○中村参考人
 小児WGの中村です。資料3-3を御覧ください。1ページです。第IV回要望のうち、今回、医療上の必要性を検討したものです。抗炎症薬、呼吸気管用薬分野の要望です。ヘリウム酸素混合ガスの気道狭窄に伴う呼吸不全の改善に対する要望が提出されております。
 適応疾患の重篤性について、気道狭窄に伴う呼吸不全の原疾患として気管支狭窄症や軟化症等の先天性の気道狭窄、急性細気管支炎などが知られております。これらの疾患では、気道狭窄状態が著しく悪化した場合に呼吸不全に陥り、ときとして致死的な疾患であることから、要望された適応疾患を「ア」の生命に重篤な影響がある疾患、致死的な疾患に該当すると判断いたしました。
 医療上の有用性についてです。ヘリウムは、米国薬局方、英国薬局方及び欧州薬局方等に収載され、ヘリウム及び酸素を混合した医療用ガスHelioxが、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア等で販売されております。気道狭窄に伴う呼吸不全に対する主な治療は酸素投与や人工呼吸等の呼吸補助療法であり、アメリカ及びイギリスの診療ガイドラインなどでは、喘息増悪や上気道狭窄の悪化に対して補助的にHelioxの使用を考慮する旨が記載されております。
 本剤は低密度で高い動粘性を有するヘリウムの物理的性質を利用して、狭窄した気道でも流れやすく気道抵抗を低減するとされております。有効性及び安全性に人種差はないと考えられ、国内における使用実績は限られておりますが、国内外の医療関係の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられることから、「ウ」の欧米等において標準的療法に位置付けられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても、国内における有用性が期待できると考えられるに該当すると判断いたしました。以上です。

○堀田座長
 ただいまの報告に何か御意見、御質問をよろしくお願いいたします。

○伊藤構成員
 一番最初の所は、未承認薬ですか。適応外薬ですか。

○中村参考人
 未承認薬です。

○伊藤構成員
 もう1つですが、ヘリウム及び酸素という表現なのですが、ヘリウムと酸素の混合でいいのではないですか。また、ヘリウムと酸素の比率は決まっているのですか。

○中村参考人
 今、確認しました。一定の濃度のものを作りますが、あとは現場で調整するというものです。

○伊藤構成員
 別々にあるのですか。

○中村参考人
 いいえ。80%と20%のものがあるという。

○伊藤構成員
 そうしたら、これは及びでいいですね。

○中村参考人
 物としてはある。

○伊藤構成員
 混合比が異なるものがあるという。

○中村参考人
 そうではないのです。このものとしては一定の濃度です。

○伊藤構成員
 ものは一定なのですか。

○中村参考人
 はい。

○伊藤構成員
 そうしたら「と」のほうがいいですかね。要するに、ヘリウム及び酸素のという「及び」という所が少し気になりました。

○中村参考人
 ここに書いてあるとおりのヘリウム酸素混合ガスの表現でよろしいかと思います。

○伊藤構成員
 だから「と」のほうがいいかと。

○堀田座長
 確かに表面上はそのような記載ですが、要するに比率はともかく、両方が一緒に使われるというものですね。

○伊藤構成員
 混ざったものがあるのでしょう。

○中村参考人
 そうです。混ざったものが最初からあるわけです。

○伊藤構成員
1種類あるわけですね。

○中村参考人
 そうです。

○伊藤構成員
 分かりました。少し分からなかったものですから。

○堀田座長
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。少し先走ってしまいました。すみません。それでは、これも了承といたします。次に、公知申請の該当性に移ります。資料4-1から始まると思います。循環器WGから山本先生に御報告をお願いいたします。

○山本参考人
 循環器ワーキングの山本です。資料4-1です。リツキシマブの公知申請への該当に関する報告書です。1ページです。これは日本血液学会からリツキシマブの慢性特発性血小板減少性紫斑病、ITPに対する適応追加の要望が提出されております。
 まず、本剤の医療上の必要性です。慢性ITPは血小板減少を来す自己免疫性疾患で、血小板数が著しく低下した場合には出血事象の発現リスクが高まりますので、致死的な出血症状が出現する場合もあ基本的には適応疾病の重篤性は「イ」に該当すると判断しております。
医療上の有用性については、欧米等6か国において慢性ITPに関する承認はありませんが、米国では慢性ITPに対する本剤の使用が保険償還の対象とされております。また、国内外のガイドラインでは、慢性ITPに対して二次又は三次治療として考慮される治療選択肢の1つとして記載されておりますので、「ウ」に該当すると判断しております。
 次に、本要望の公知該当性について説明いたします。資料4-121ページから23ページに記載があります。有効性について、慢性ITP患者に対して本剤の有効性が統計学的に検証された臨床試験はありませんが、海外で実施された臨床試験において一定の血小板数の増加効果が確認され、国内で実施された臨床試験においても主要評価項目について、事前に設定した閾値を下回ったものの、本剤により一定の血小板数の増加効果は示されたということが報告されております。
 また、国内外のガイドラインにおいて慢性ITPに対する治療選択肢の1つとして記載されていること、また、国内における本剤の使用実態として、主としてステロイド、脾摘等の他の治療が無効の慢性ITP症例における使用の報告が複数あります。安全性については、提出された臨床試験の結果や症例報告から、過剰な血小板数の増加が認められる可能性が否定できないということで、血小板数の推移に留意する必要はありますが、その他の事象については、いずれも本剤の既承認の他の適応でも認められる副作用で、慢性ITPの診療において十分な知識及び経験のある医師の下で使用されるのであれば、許容可能であると判断しております。
 また、これらの安全性に関する留意点については、2425ページです。こちらに記載しているような注意喚起、警告、重要な基本的注意というもので注意喚起を行うことが必要と判断しております。以上より、本要望内容に対する有効性及び安全性は医学薬学上公知であると判断いたしました。
 効能・効果については、2324ページに記載しております。国内外の臨床試験及び使用実態並びに国内外のガイドラインの記載内容を踏まえて、本剤の効能・効果は、慢性特発性血小板減少性紫斑病とすることが妥当と判断いたしました。
 なお、国内外のガイドラインで、本剤は他の治療が無効な場合等に考慮される選択肢の1つと位置付けられていることや、類薬の添付文書の記載状況等を鑑みて、効能・効果に関する使用上の注意において他の治療にて十分な効果が得られない場合、又は忍容性に問題があると考えられる場合にのみ使用を考慮すること及び血小板数、臨床症状から見て出血リスクが高いと考えられる場合に使用することと注意喚起することが妥当と判断しております。
 用法・用量についてです。24ページの国内外のガイドラインの記載及び国内外の報告から、本剤の用法・用量は、通常、成人にはリツキシマブとして1回量を375mg/21週間間隔で4回点滴静注することが妥当と判断しております。循環器WGからの報告は以上です。

○堀田座長
 ありがとうございます。リツキシマブの新しい適応ということになるわけですが、何か御意見、御質問はございますか。

○小国構成員
 成人となっていますが、これは16歳以上と判断すべきでしょうか。小児でも慢性ITPの場合、有効性はケースレポートがかなりあると思うのです。

○山本参考人
 確か要望は小児の要望もありました。それも併せてWGで検討いたしました。小児は少しエビデンスが弱いということで、今回は成人のみこちらに上げさせていただいております。

○堀田座長
 その他に御意見はございますか。よろしいですか。これは血小板数で区切るわけではなくて、臨床症状を見てということになるのですか。

○山本参考人
 そこは特に書いておりませんが、あくまで、セカンドチョイス、サードチョイスの治療薬であるという注意喚起をしているということです。

○堀田座長
 ありがとうございます。よろしいでしょうか。それでは、リツキシマブについてはWGの報告を了としたいと思います。ありがとうございました。続いて、資料4-2の説明をよろしくお願いいたします。

○山本参考人
 続いて、循環器WGから御報告いたします。資料4-2を御覧ください。日本循環器学会より、アセチルコリン塩化物の冠攣縮薬物誘発試験に関する適応追加の要望が提出されております。
 本剤の医療上の必要性ですが、要望内容は、薬剤により冠攣縮を誘発し、狭心症の病態としての冠攣縮の診断において有用な情報を与えるということです。冠攣縮性狭心症自体は、適切な診断及び内科治療が施されないと突然死を来す可能性があることから、本剤の適応疾病の重篤性は「ア」に該当すると判断しております。
 本剤の医療上の有用性については、国内で承認されている既存の評価法では、冠攣縮性狭心症を十分に評価できないことから、「ア」の既存の療法が国内にないに該当すると判断しております。
 次に本剤の公知該当性ですが、11ページから13ページに記載しております。有効性については、アセチルコリンを用いた冠攣縮薬物誘発試験の感度及び特異度は、それぞれ90%及び100%であったということが報告されております。アセチルコリンは、冠攣縮の診断に必要とされる冠攣縮の誘発効果を十分に有するということが示されております。また、当該報告書等に基づき、国内外の教科書及びガイドラインでは、アセチルコリンを用いた冠攣縮薬物誘発試験が冠攣縮性狭心症の診断法と位置付けられており、本邦においてアセチルコリンを用いた冠攣縮薬物誘発試験は広く使用されているという実態が報告されております。
 安全性については、本邦における使用実態等の公表文献において、アセチルコリンによって誘発された冠攣縮に関する重篤な事象の発現は確認できることから、これらの事象の発現には十分注意する必要があるということはありますが、現在までに得られている情報からは、重大な安全性上の懸念は報告されていないと考えます。冠攣縮薬物誘発試験の対象患者は、本剤の既承認の効能・効果では禁忌とされている重篤な心疾患である患者というものに該当しますけれども、冠攣縮性狭心症に対する診断及び治療に対して十分な経験のある医師及び緊急時に十分な対応が可能な施設の下で、副作用の発現に注意しながら慎重に投与されるのであれば、安全性は担保可能と考えております。これらの安全性に関する留意点については、添付文書において注意喚起を行うことが必要と判断しております。その内容は、15ページから16ページに示しております。以上より、本剤の要望内容に対する有効性及び安全性は、医学薬学上公知であると判断いたしました。
 効能・効果については14ページに記載をしております。臨床試験、本邦における使用実態並びに国内外の教科書及びガイドラインの記載内容から、冠動脈造影検査時のアセチルコリン投与による冠攣縮の誘発は、狭心症の病態としての冠攣縮を診断する負荷試験として確立した検査法であると考えております。したがって、本剤の効能・効果は、冠動脈造影検査時の冠攣縮薬物誘発試験における冠攣縮の誘発とすることが妥当というように判断しております。
 なお、国内ガイドラインの記載内容を踏まえると、左冠動脈主幹部病変例等については、誘発された冠攣縮により致死的となり得る重症の合併症の発現が強く予測されるために、本剤の投与は原則として推奨されないと考えております。そのため、効能・効果に関する使用上の注意のところに、「最新の関連するガイドラインを参考に投与の適否を検討すること」とした上で、これらの患者に対する適応の可否は慎重に行うよう注意喚起することが適切と判断しております。
 用法・用量については14ページから15ページに記載しております。要望された用法・用量は、アセチルコリン負荷試験の感度及び特異度に関する報告及び国内ガイドラインの標準的とされている使用方法と同一であり、国内使用実態においてもおおむね当該用法・用量で用いられていることが確認されましたので、用法・用量としては、左冠動脈への注入から開始し、アセチルコリン塩化物として左冠動脈内には通常20μg50μg100μgを、右冠動脈内には通常20μg50μgを、冠攣縮が誘発されるまで5分間隔で段階的に各20秒間かけて注入する、ということを設定することが妥当と判断しております。循環器WGからの報告は以上です。

○堀田座長
 診断確定のための誘発試験という内容です。これは聞き漏らしたかもしれないのですが、この試験で強烈な冠攣縮が起こってしまった場合、そのときの対応などはもう標準化されているのですか。

○山本参考人
 冠動脈造影検査中に行いますので、当然そういう冠攣縮が誘発されたときの緊急対応はできる状況で、これを使っていただくことになると思います。友池先生に御説明いただいたほうがよろしいかと思います。

○堀田座長
 それでは、追加でお願いいたします。

○友池構成員
 追加させていただきます。先生が御質問の緊急時、強い発作が起こったときに大丈夫かということですが、これはニトログリセリンの冠動脈内注入が特効的に奏効しますので、これは全く問題ないと思います。この試験そのものが、もう30年近く循環器系の診断カテーテルの中で行われてきていて、学会でも10年近く何らかの形で認知していただきたいという強い要望を持っておりましたので、是非御承認いただきたいと思います。

○堀田座長
 よろしいでしょうか。それでは、ただいまの公知申請の該当性について了としたいと思います。よろしいですか。ありがとうございます。
 次は、企業から提出された開発工程表等について、事務局から説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課治験推進室長
 研究開発振興課から、資料5-1から順に御説明いたします。資料5-1について、前回からの変更点は1行目の丸ポツの所です。第I回要望が前回183件と報告させていただきましたが、今回は182件とさせていただいております。1件取下げがありましたので、1件減っています。2行目にかかって、第III回要望は37件と書いてありますが、前回は35件で報告させていただきました。3件が追加要請し、1件取下げということで、3を足して1を引いて2件増加になっております。この資料の変更点は以上です。
 資料5-2は、第I回要望に関する進捗状況です。一番右の欄を見ると、承認済み件数173件と書いてありますが、前回は171件でしたので、2件承認されたことになります。承認申請済み案件は5件から4件になりました。治験計画届提出済みは6件から5件で、1件減りました。飛んでその他の欄ですが、前回は1件ありましたが、開発要請の取下げがありましたので、下の段の開発要請取り下げのほうにシフトして、前回4件だったところが5件ということになります。合計数は、前回が183件でしたが、今はその他の分が1件取下げになりましたので、182件となります。具体的な案件については順次御紹介していきます。
18ページを御覧ください。要望番号70番、網掛けしている所ですが、ファイザーのエプレレノン、セララ錠です。こちらについては昨年12月に承認されましたので、1件承認に動きました。
26ページの75番、大原薬品工業のクリサンタスパーゼです。こちらも12月に承認されています。承認内容の網掛けになっている所ですが、こちらについては要請内容だったものから承認された効能・効果に変更して記載させていただいております。
28ページの80番、塩野義製薬のオキシコドン塩酸塩について承認申請済みになりました。262番については、予定販売名が変更されております。
36ページの176番、セルジーンのデキサメタゾンです。こちらは昨年1116日の検討会議において、この品目は別の会社にて要望を達成されていることもあり、要望者から開発要望の取下げがあったため、開発要請取下げに至った品目です。資料5-2は以上です。
 資料5-3については全く変更はないため、前回と同じですので説明は割愛させていただきます。
 資料5-4は第III回要望になります。こちらは多数回にわたって要請をさせていただいておりますが、一番右の欄を御覧ください。まだ品目数はそんなに多くはないです。承認済みは、前回4件と御報告しましたが、今回は6件ということで2件増えています。その下の承認申請済みは、出入りはありましたけれども、入って出て3件のままとなります。その下の治験計画届提出済みも5件のままです。その1つ下の14件ですが、前回は16件ということで2件減っています。その下は5件ですけれども、前回は4件でした。その下のその他は3件から1件増えて4件になりました。トータルは35件から37件と2件増加しました。一番下の欄の取下げですけれども、前回の4件から1件増えて5件になりました。具体的な品目を順次御紹介いたします。
5ページのIII-(1)-13III-(1)-14になります。ノバルティスファーマ社のアルテメテル/ルメファントリンです。これを昨年12月に承認しましたので、承認申請済みから移行して2件承認になりました。
7ページに2品目あります。承認申請済みのものですが、III-(1)-21、中外製薬のオセルタミビルリン酸塩と、III-(3)-13CSLベーリングのインアクチベーターです。
16ページは新規案件です。III-(4)-19です。日本メジフィジックス社のFludeoxyglucoseFDGスキャン注になります。
18ページでIII-(1)-72III-(1)-72.2III-(1)-72.3と、3つが1つのカラムに入っていますけれども、帝人ファーマのランレオチド酢酸塩が新規追加になっています。
19ページですが、デンツプライシロナという企業名が、前回は三金ということでしたが、企業名変更ということで載っています。社名変更の情報について追記しております。
20ページでIII-(1)-78です。全薬工業のリツキシマブが新規追加になります。
22ページはIII-(2)3.13.2で、ムンディファーマのCytarabine liposomalということで、こちらは前回御審議いただきました。開発要請を一度したのですけれども、前回私たちのほうで確認させていただいたところ、要請対象企業は承認を持っていなかった。単なる販社であったということが判明いたしましたので、要請基準に該当せずということで、要請から公募に切り換えたということになります。こちらについては、後ほど資料6で御紹介します。
 資料5-5は、第IV回要望の品目です。まだ要望期間が短いものですので、要請分1回分になります。変更があった箇所は、2段目の承認申請済み2件の部分だけです。こちらは1件だったものが2件になりました。前回は一番下から2番目のその他の欄に1件ありましたが、その他の欄にあったものが承認申請に至りましたので2件になっています。
 裏面に具体的な品目を示しています。リバビリン製剤については2社が供給しておりますが、前回まではMSD株式会社のリバビリンだけでした。中外製薬株式会社のリバビリンもこちらに入ってきたということで、承認申請済み2件ということになります。資料5のシリーズは以上です。
 資料6のシリーズについて御説明いたします。こちらは公募品目のリストです。表面に変更はありません。裏面の上から5番目のメチロシンは、前回は治験実施中でしたが、承認申請準備中ということで、今回変更して御報告いたします。
16番と17番は公募で、今まで該当企業なしということだったのですけれども、前回この部会で要請先の変更をお認めいただきましたので、今回私たちのルールを適応すると、要請先が見付かったということで、今回この会議の結果お許しいただければ、その該当企業に要請をするということで、ここは公募品目から要請品目に切り換わるという形の2品目になります。
 一番下の5番は、第III回募集のところで先ほど申し上げましたが、要請は一度したのだけれども、実際には承認を持っていなかったということで、公募に切り換わったものがこちらに掲示してありますので、今回から公募ということになります。資料5から資料6までは以上です。

○堀田座長
 ありがとうございました。たくさんの資料の報告でしたけれども、何か御発言、御意見がありましたらお願いいたします。最後に報告された資料6の一番最後の第III回要望ですけれども、このCytarabine liposomalというのは、前に一度、ある企業が開発を始めたのだけれども、途中でやめたのでしたね。

○医政局研究開発振興課治験推進室長
 こちらは前回お諮りしたのですけれども、海外の企業が承認を持っているという調査段階が認識できたので、開発要請書をお投げしたのですが、実際にその資料を更に精査していくうちに、実際には承認を持っていなかった。単なる販社だったと、ライセンスを持っていないことが判明しました。ライセンスを持っていない企業に開発要請はできないということで、要請基準に非該当だということが判明したので取り消しました。それを前回お諮りして、お認めいただいたので、今回は公募のリストに掲示させていただいた品目です。

○堀田座長
 だから、日本では開発企業はないということですか。

○医政局研究開発振興課治験推進室長
 ここに「あり」と書いてあるのは、非公表の状況ではありますが、今のところやってもいいかなというような状況になっています。ここに書いてあるのは、開発企業の事情があって、ここに載せてもいいよというときまでは、ありの場合には企業名未公表で載せさせていただいています。

○堀田座長
 微妙なところですので、よろしくお願いします。こういうリストは変に出ると、契約額がドンとはね上がるという話も聞いていますので、そこは慎重に対応しなければいけないと思います。本日の予定がまだありましたら、事務局からお願いします。

○医政局研究開発振興課治験推進室長
 事務的な御報告を1点追加させていただきます。参考資料の束のうち4-2を御覧ください。前回御審議いただきました要請先のルールの変更について御議論いただいた点等を盛り込んだものを、本日お配りしている資料から反映させてあります。分厚い束の参考1と書いてある資料をずうっとめくっていただいて、4-2というのが後ろから5枚目ぐらいにあります。「開発要請先企業の指定の考え方について」というものが中に埋まっています。補足資料2ということで、前回御議論いただいた資料もお手元に用意しております。この2つの資料を用いて、最終的に御審議いただいた結果をどのように盛り込んだかを御報告させていただきます。
 資料4-2の表紙の部分です。前回事務局のほうで御説明しましたけれども、一部舌足らずのところがありました。1.の未承認薬の3行目、該当する企業が複数存在する場合、要請先の優先順位12をイコールとするという部分を書き損じていました。適応外薬のほうには全て書いていたのですが、これは御紹介しましたけれども、結局承認を持っている企業と開発権が別の企業にあった場合、片方だけに要請すると非常に不公平感が出るということがあるので、そこは同等に扱うという理念で御報告しました。ここの部分の記載が漏れていたので、御報告の趣旨に鑑みて、ここの部分を追記させていただいている、という補正をしております。
 それから、前回の補足資料2を見ると分かるのですが、未承認薬の部分のヘッダーの所に抜けていましたので、そこは事務局のほうで、趣旨に鑑みて追記させていただいています。実質的な変更ではないと考えておりますが、変更させていただいております。
1ページめくって適応外薬に関する要請先ルールです。こちらについては(1)(2)(3)とあり、(1)が投与経路も剤形も同じもの、新たに製剤を作る必要がないカテゴリー。(2)が投与経路は同じだけれども、新しい製剤が必要なもの。(3)が投与経路から違うもの。そういう意味で開発の難度が違うものについてのルールでした。(1)は製剤設計が要らないので、単なる効能追加と臨床試験から入れます。(2)(3)については、製剤設計をしなければいけなく企業の負担が非常に大きいということで、そこのルールについて(2)2.について委員から御指摘があり、そこは同じように製剤設計をするのだから、まずは製剤の検討を打診した上で、めどが立ってから要請というような御指摘を頂いたかと思います。その部分を(2)2.で反映しています。3行目からです。「まずは要望された製剤の開発に対する検討を依頼し、製剤の開発の目処が立った段階で、開発要請」というこの括弧の部分を審議に基づいて追記させていただきました。
 最後は、未承認薬迅速実用化スキーム対象品目のルールです。こちらについては、国内外ともに承認実績はないものでありながら、一定の要件を満たしたものです。先進医療で一定程度のエビデンスがあるもの、あるいは医師主導治験で第III相の実績があるもの、あるいはオーファン等で主要論文に載る、あるいはエビデンスがあるもの等の話があったかと思いますが、こちらの要請ルールです。
 修正箇所は、(1)2.です。「1.以外の場合であって」とあり、その後を「要望された品目と」という部分を追記させていただきました。最初これを書き損じていました。「同じ投与経路及び同じ剤形」となっていましたが、何と同じなのだと。よく分からんと。当然ながら要望された品目ですということなので、これは当然解釈で追記させていただきます。
 次の行の製剤の承認というのは、どこの承認だということになり、海外で承認を取得しているということで、こちらも修正をさせていただいております。
 最後に右の行です。「企業に対して」ということで、そもそも日本法人でないと分からないということがあって、ここは確認された企業の日本法人と。日本の企業に対して要請することになるので、そういう企業の日本の法人に対してという所を追記させていただきました。
(2)です。1.2行目に、括弧の中の記載を同じようにさせていただきました。「まずは要望された製剤の開発に対する検討を依頼し、製剤の開発の目処が立った段階で、開発要請」と。同じ内容のものは同じ表現にするということで、若干ゆらぎがありましたので、そこを直させていただきました。
(2)2.も同じように、「1.以外の場合であって、要望された品目と剤形違いの」という一文で、何と同じか、何と違うかの部分を追記しています。それから、製剤について海外での承認という部分を入れさせていただきました。下の3行目の、日本法人に対して要請という所を入れさせていただきました。
 ページの境目ですが、(3)の一番下の行も同じ表現を入れております。「まずは要望された製剤の開発に対する検討を依頼し、製剤の開発の目処が立った段階で、開発要請」と、同じ表現に整合させております。しつこいようですが、最後2.も、要望された品目と同一の有効成分、海外での承認と、日本法人企業ということで、読みにくい、あるいは誤解を招くということについて、エディトリアルの修正も含めて御検討いただいた内容を盛り込んで、最終版の要請先の考え方という形で御了承いただければと思います。以上御報告でした。よろしくお願いいたします。

○堀田座長
 報告ですので、ここで議論はしませんが、開発企業、要請企業先の指定の考え方を整理して分かりやすく、定義をはっきりさせていただきました。何か特別御発言はありますか。よろしいでしょうか。本日予定した議題はこれまでですが、全体として何か御発言がありましたらお願いいたします。審議官から何かお話しいただけますか。

○大臣官房審議官(医薬担当)
 本日も広範な御議論を頂きまして大変ありがとうございました。この検討会での議論も随分長くなり、たくさんの案件について御議論いただきました。その上で承認になってきているものもたくさんあります。本日もまた藤原構成員から御指摘がありましたような、もっともっと症例数が少なくて、開発が困難なものがまだまだありますよ、という御意見は非常に重要な点だと思います。折しも昨年12月に、アメリカで21st Century Cures Actという新しい法律が通って、これの中にもかなり開発が困難なケースについて、FDAに何とかせよということを強く求めているような内容も含まれています。この世界の現状が、我が国だけではなく、欧米においてもアンメット・メディカル・ニーズに対する苦心惨憺をしている様子が読み取れます。
 なかなか良い知恵を絞るのは容易ではないと思いますが、欧米の取組もよく見ながら、国際的な整合性も取りながら、なおかつ最近よく言われているのは、RCTだけでエビデンスが作られるわけではなくて、実際に実臨床の中で使われるリアルワールドデータをレジストリーのようなインフラを使って集めるような方法でも、エビデンス形成をやっていくというのも1つの方法ではないかと言われています。それを反映した格好で、ニューイングランド・ジャーナルの昨年6月ぐらいからchanging face of clinical trialsといった新しい特集が組まれ、そういう考え方が世界の医学界にもかなり広まってきつつあるという状況にあると思います。これらをどう私どもが取り入れて、本当に必要とされる患者さんたちに必要とされる医薬品や医療機器を、できるだけ早く届けられるようにするということが何とかできないかということで、考えていきたいということになっています。
 そういう状況でもありますので、先生方には大変お忙しい中、こういう会に御参加いただき、ちょっと毎回の進展が遅々たるところもあるような様子もありますが、いろいろな工夫をこれからもしなければならないということは、私どもも心に刻みながらやってまいりたいと思っておりますので、今後もどうか御協力をお願いいたします。本日は本当にありがとうございました。

○堀田座長
 大変力強いというか、心強いお話を伺いました。近年、日本の審査制度はものすごく進歩してきて、審査期間も短くなって、欧米にも勝るとも劣らないところまで来ています。ここから先は逆に世界をリードする、レギュラトリーサイエンスを発展させていただきたいと思います。それでは、その他事務局より何かお知らせがありますか。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 最後に事務局から、次回の会議の御紹介をさせていただきます。次回は517()16時からを予定しております。次回もよろしくお願いいたします。

○堀田座長
 それでは、これで「第30回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を終了いたします。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

03-5253-1111(内線 4165、4229)

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