ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(厚生科学審議会)> 第15回厚生科学審議会 議事録(2017年2月6日)




2017年2月6日 第15回厚生科学審議会 議事録

厚生労働省大臣官房厚生科学課

○日時

平成29年2月6日(月) 13:30~15:30


○場所

厚生労働省 省議室(中央合同庁舎第5号館9階)


○出席者

【委員】

味澤委員、井伊委員、伊藤委員、大垣委員、大澤委員、大野委員、
加藤委員、倉根委員、木幡委員、佐藤委員、鈴木委員、那須委員、
西村委員、野々山委員、原田委員、福井委員、福永委員、藤井委員、
本田委員、松原委員、山中委員

○議題

1.会長選出及び会長代理の指名について
2.医薬品医療機器制度部会の設置について
3.分科会及び部会の活動状況について

○配布資料

資料 1-1 医薬品医療機器制度部会の設置について
資料1-2 厚生科学審議会の構成
資料1-3 厚生科学審議会組織の構成
資料2 分科会及び部会の活動状況について
参考資料1 厚生科学審議会委員名簿
参考資料2 厚生科学審議会関係規程等

○議事

○佐原厚生科学課長

 ただいまから、第15回厚生科学審議会を開催します。委員の皆様方には御多忙の折お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。私は大臣官房厚生科学課長の佐原です。よろしくお願いいたします。

 議事に入ります前に、本日の会議資料を確認させていただきます。資料はお手元の資料1-11-21-3、資料2、参考資料12となっております。資料の欠落等がありましたら、お申出ください。よろしいですか。

 初めに委員の御紹介をさせていただきます。お名前を参考資料1の名簿に沿って五十音順に読み上げさせていただきますので、それぞれの皆様方は、一言御挨拶を頂ければ幸いです。よろしくお願いします。

 なお、本日は相澤委員、大森委員、川西委員、武見委員、手代木委員、辻委員、桃井委員、森田委員から御欠席の連絡を頂いております。

 参考資料1に沿いお名前を読み上げさせていただきます。味澤委員です。

○味澤委員

 味澤です。よろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 井伊委員です。

○井伊委員

 日本看護協会専務理事を行っています。どうぞよろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 伊藤委員です。

○伊藤委員

 伊藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 大垣委員です。

○大垣委員

 大垣です。どうぞよろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 大澤委員です。

○大澤委員

 大澤でございます。よろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 大野委員です。

○大野委員

 大野でございます。

○佐原厚生科学課長

 加藤委員です。

○加藤委員

 加藤です。よろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 倉根委員です。

○倉根委員

 倉根です。よろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 木幡委員です。

○木幡委員

 フジテレビの木幡です。どうぞよろしくお願いします。

○佐原厚生科学課長

 佐藤委員です。

○佐藤委員

 佐藤です。どうぞよろしくお願いします。

○佐原厚生科学課長

 鈴木委員です。

○鈴木委員

 鈴木でございます。よろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 那須委員です。

○那須委員

 那須です。どうぞよろしくお願いします。

○佐原厚生科学課長

 西村委員です。

○西村委員

 明治学院大学の西村です。よろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 野々山委員です。

○野々山委員

 野々山です。よろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 原田委員です。

○原田委員

 原田です。よろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 福井委員です。

○福井委員

 福井です。よろしくお願いします。

○佐原厚生科学課長

 福永委員です。

○福永委員

 福永です。よろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 藤井委員です。

○藤井委員

 藤井です。よろしくいたします。

○佐原厚生科学課長

 本田委員です。

○本田委員

 本田です。よろしくお願いします。

○佐原厚生科学課長

 山中委員です。

○山中委員

 山中と申します。どうぞよろしくお願いいたします。全国保健所長会の副会長をさせていただいております。

○佐原厚生科学課長

 ありがとうございました。以上の方々に委員をお願いしています。次に事務局を御紹介します。福田技術・国際保健総括審議官です。

○福田技術・国際保健総括審議官

 福田と申します。よろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 宮嵜大臣官房審議官です。

○宮嵜大臣官房審議官

 よろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 岡田医療イノベーション推進官です。

○岡田イノベーション推進官

 岡田です。よろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 ここで福田技術・国際保健総括審議官から、一言御挨拶を申し上げます。

○福田技術・国際保健総括審議官

 委員の皆様には大変お忙しい中、審議会に御出席を頂きまして誠にありがとうございます。厚生労働省におきます行政は国民の命や生活に直結した問題を取り扱っております。そのような中で、この審議会は疾病に関する研究や公衆衛生に関わる重要事項などを御審議いただくという、大変重要な審議会の1つでございます。

 厚生労働行政におきまして、政策決定を行うに当たりましては、科学的根拠に基づく政策決定を心掛けております。そういう意味で、この審議会におきます科学的な議論は、非常に重要な影響と意味を持つものと考えておりますので、先生方の御議論が慎重かつ速やかに進んでいくことを大いに期待を致したいと思っております。大変簡単ではございますが、冒頭に当たりまして御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○佐原厚生科学課長

 ありがとうございました。それでは、会長が選出されるまでの間、私が進行を進めさせていただきます。具体的に議事に入る前に、今回新たに委員をお願いした先生方もおられますので、この審議会の規程について、若干御説明をさせていただきます。

 参考資料2を御覧ください。1ページを御覧ください。こちらでは「厚生労働省設置法」の中の厚生科学審議会の規程について示しております。第八条にありますように、厚生労働大臣の諮問に応じて第一項のイ及びロに掲げることを調査審議していただきます。また公衆衛生に関する重要事項に関しては、厚生労働大臣又は関係行政機関に意見を述べることができることとなっています。第三項にありますように、厚生労働大臣又は文部科学大臣の諮問に応じて医療関係職種の養成施設の指定又は認定に関する重要事項を調査審議していただきます。第四項では、感染症法、検疫法及び生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律の規定によりその権限に属する事項を処理することが定められております。

3ページを御覧ください。「厚生科学審議会令」です。こちらは厚生科学審議会の組織等について規定がされています。第一条では、委員は三十人以内、審議会には臨時委員・専門委員を置くことができるとなっております。第二条では、委員については厚生労働大臣が任命する。第三条で委員の任期は二年とし、第四条では審議会に会長を置き、委員の互選により選任するとなっております。第四条第3項で、会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理するとなっております。

4ページを御覧ください。第五条第6項には、審議会は、分科会の議決をもって審議会の議決とすることができるとしています。第六条では部会を置くことができることとなっており、部会に属する委員については、会長が指名することになっています。第六条第6項で、部会の議決をもって審議会の議決とすることができるとなっております。

5ページを御覧ください。「厚生科学審議会運営規程」です。第一条で、審議会は会長が招集することとなっております。第二条で、会長は、必要があると認めるときは、審議会に諮って部会を設置することができるとなっております。第三条で、会長は、厚生労働大臣の諮問を受けたときは、当該諮問を分科会又は部会に付議することができるとなっております。第四条で、分科会及び部会の議決は、会長の同意を得て、審議会の議決とすることができるとなっております。第五条では、審議会の会議は公開とするとなっており、ただし書で、例外の規定があります。以上、大まかではありますが、厚生科学審議会に関する規程・概略を御説明させていただきました。

 それでは、具体的な議事に入ります。議事1は会長選出及び会長代理の指名です。現在、会長及び会長代理が不在となっております。審議会令に基づき、委員の互選により会長の選出をお願いします。どなたか、委員の御推薦をお願いいたします。

○大野委員

 ただいま御説明がありましたように、この審議会の役割は、疾病の予防・治療に関する研究と公衆衛生に関すること、それに関する重要事項を審議することが定められています。そういう意味で、ここにおられる聖路加国際大学の福井先生が適当ではないかと思っています。福井先生は医療現場での長い経験がございますし、大学での公衆衛生や疫学の研究を長く務めてこられました。そういう意味で、この審議会での審議の対象となる分野について、深い学術的な知識とまた広い知識を持っていると考えます。

 また平成27年からこの審議会の会長を務めてくださっています。それから科学技術部会とか再生医療等評価部会とか、そういった部会の部会長も務めてこられたし、会議の運営も適切に行える方と認識しております。そういうことで、引き続き、この審議会の会長を務めてくださると有り難いと思っております。そういうことで福井先生を推薦させていただきたいと思います。いかがでしょうか。

○佐原厚生科学課長

 ありがとうございます。

                                  ( 各委員拍手)

○佐原厚生科学課長

 それでは、御異議がないようですので、福井委員に本審議会の会長をお願いします。福井委員には、会長席に移動をお願いします。また、以降の議事運営については、会長にお願いします。

                         ( 福井委員、会長席に移動、着席)

○福井会長

 ただいま会長を仰せつかりました福井です。本審議会の円滑な運営に務めたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事を進めてまいります。「審議会令」第四条第3項の規定に基づき、先ほど御説明がありましたように、会長代理を指名します。厚生科学審議会の関係のいろいろな委員会でも御一緒させていただき、いつも的確な御意見を頂いている倉根委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。こちらに御移動をお願いします。

                       ( 倉根委員、会長代理席に移動、着席)

○倉根会長代理

 ただいま、御指名を受けました倉根でございます。会長をサポートいたしまして、この会が円滑に運営されますように頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○福井会長

 それでは、議題2に移ります。「医薬品医療機器制度部会の設置について」です。この部会を厚生科学審議会の部会として設置することについては、「厚生科学審議会運営規程」の第二条により御審議いただくことになります。事務局から説明をお願いします。

○紀平医薬情報室長

 お手元の資料1-1を御覧ください。医薬品医療機器制度部会の設置について、御審議いただくものです。1.設置の主旨についてですが、議題のとおり厚生科学審議会の下に医薬品医療機器制度部会の設置をお願いするものです。2.部会の検討事項で、検討事項を書いておりますが、医薬品、医療機器等施策に関する重要事項を処理するための部会とするものです。

 現在、医薬品や医療機器に関係する事項については、医薬品医療機器法などの法律で審議会の意見を聞くと規定されているものについては、2の検討事項の後ろの括弧書きにあります薬事・食品衛生審議会で御審議いただいているところです。

 一方、医薬関係の制度改正については、これまでも厚生科学審議会の下で御審議いただいてきたところで、それが、1.の下の括弧に書いてあるものです。平成1617年にかけて、一般用医薬品の販売制度などについて、制度改正を行うために厚生科学審議会の下に医薬品販売制度改正検討部会を置き、御議論いただいたところです。また、平成2324年にかけては、医療機器に関する制度を医薬品と分けて整理する、あるいは再生医療等製品のカテゴリーを薬事法の下に作るといった議論を、医薬品等制度改正検討部会で御議論いただいたところです。

 これまで、こういった部会を随時設けて御議論いただいてきたところですが、医薬品、医療機器に関係する施策は、最近もいろいろあるところですので、常設の部会として医薬品医療機器制度部会という形で設置をお願いするものです。

 部会の委員の構成については、下の3.にあるとおり、おおむね20名程度ということで、関係者の委員の方を代表としてお願いすることを考えております。

 ほかに参考として、資料1-2に、「厚生科学審議会の構成」として、(改正前)(改正後)ということで、新たにこの部会を追加するということ、それから資料1-3として、表裏になっていますが、(改正前)(改正後)で、部会での検討事項についてまとめたものをお配りしております。御審議をよろしくお願いします。

○福井会長

 ありがとうございます。ただいまの説明について、御意見、御質問等がありましたらお願いします。

○鈴木委員

 今、資料を拝見して、この部会のミッションの1つに、薬剤師に係る制度に関することがありますが、これは具体的にどのようなイメージをしたらよろしいのでしょうか。

○紀平医薬情報室長

 薬剤師については、例えば薬剤師の処分や国家試験に関することなどについては、医道審議会で医師と同じように審議を行っていただいているところですが、施策に関するものについては、今、これは厚生科学審議会の下で、「医薬品医療機器等」としてまとめておりますが、薬剤師に関する施策もこちらの部会でお願いすることを考えております。

○鈴木委員

 それは、今、こちらに書いてあることを文字どおり御説明いただいただけですが、具体的にはどういう制度を考えていらっしゃるのでしょうか。

○紀平医薬情報室長

 こちらの部会を設置するに当たり、何か法改正を念頭に置いているとか、今、そういったことは当面なくて、その時々に応じて、検討すべき事項の御意見をいただくことを考えております。具体的な事項については、また部会の開催の度に検討することと考えております。

○鈴木委員

 分かりました。ありがとうございます。

○福井会長

 ほかにはいかがでしょうか。

○野々山委員

 新設ということで、医薬品、医療機器の品質・有効性などに関して、これまでこの審議会の中で、この内容はそれぞれの部会で論議されてきたのを一本化するという意味でしょうか、それとも今まで行われていなかったという意味なのか、少し御説明をお願いします。

○紀平医薬情報室長

 資料1-11.の下の括弧に書いてあるように、医薬品、医療機器に関係する事項については、厚生科学審議会の下で随時部会を設置して、報告書をまとめていただいて、そこで部会を閉めるという形を繰り返してきたという経緯になっておりますので、それを常設の部会として、いろいろな議題について御議論いただく場として、今回設置をお願いするものです。

○野々山委員

 ありがとうございました。

○福井会長

 ほかにはいかがですか。ただいまの「医薬品医療機器制度部会の設置について」、御了承いただいたということでよろしいでしょうか。

                                     ( 了承)

○福井会長

 それでは、そのように進めさせていただきます。議事3に移ります。「分科会及び部会の活動状況について」、事務局から説明をお願いします。全部の説明が終わりました後に、委員の先生方からの御意見を伺います。

○佐原厚生科学課長

 各担当部局より3分程度で説明をさせていただきます。よろしくお願いします。

○生活衛生課長補佐

 生活衛生課長が所用のため、課長補佐の城間より報告します。資料21ページの「生活衛生適正化分科会について」、報告します。この分科会は理容業、美容業、クリーニング業、飲食店営業などの国民生活に密着した営業である、生活衛生関係営業に関する重要な事項を調査審議していただくことを所掌事務としております。原田委員に分科会の会長をお願いしております。

 主な活動状況ですが、平成142月以降、これまで27回開催しております。生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律の規定に基づき、生活衛生関係営業を行っている業種として、理容業、美容業、クリーニング業、飲食店営業など、16業種について、各業種ごとに業の振興を図るための指針を定めております。振興指針については、5年ごとに改定を行うこととしており、各年度15業種の振興指針について、御審議いただいております。平成27年度については、食肉販売業と氷雪販売業の振興指針について御審議いただき改正を行いました。また、平成28年度については、飲食店営業及び喫茶店営業の振興指針について御審議いただき、現在、改正手続きを行っております。来年度以降についても、引き続き各業種ごとに振興指針の改正について、御審議いただきたいと考えております。以上です。

○有賀健康課長補佐

 続いて健康課から御説明させていただきます。課長の正林が所用のため、私、課長補佐有賀が御説明させていただきます。2ページの厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会を御覧ください。こちらの分科会については、予防接種及びワクチンに関する事項を調査審議する会として設けられております。この分科会については、平成272月以降5回開催されており、その中で予防接種及びワクチンに関する調査審議、特に「B型肝炎ワクチンの定期接種化について」の了承を頂いております。

 この分科会の下には、3つの部会があります。(1)予防接種基本方針部会ですが、こちらは平成272月以降5回開催されております。主に「予防接種に関する基本的な計画」において、PDCAサイクルによる定期的な検証を行っております。(2)として研究開発及び生産・流通部会があります。こちらは、平成272月以降4回開催されております。開発の優先度の高いワクチン等の開発状況やワクチンの安定的な供給体制の確保についてのプログラム整備事業の補助要件等について審議を行いました。(3)の部会として、副反応検討部会があります。こちらについては、平成272月以降11回開催されており、予防接種後の副反応に関する調査審議等を行っております。

8ページ、「地域保健健康増進栄養部会」を御覧ください。こちらの部会では、地域保健の向上、国民の健康の増進等について、調査審議する部会となっております。平成272月以降の部会等の開催状況としては、2回あります。第39回が平成279月に行われておりますが、そこで、「健康審査等専門委員会」の設置、平成2812月に開催した第40回では、「健康日本21(第二次)の中間評価の進め方」等について審議いただいております。

 部会の下には3つの委員会が設置されており、(1)たばこ健康影響評価専門委員会です。これまでに7回、特に平成272月以降については2回開催されております。(2)健康日本21(第二次)推進専門委員会は、これまで過去6回、平成272月以降については4回開催されております。(3)健康審査等専門委員会については、平成2711月に設置され、これまでに3回開催しております。こちらの中では、健康審査の満たすべき要件、健康審査等に伴う情報提供、保健指導、受診勧奨の考え方等について検討を行っているところです。以上です。

○浅沼結核感染症課長

 戻りまして、資料23ページをお開きください。感染症部会の活動状況について御報告します。部会の所掌事務ですが、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する重要事項の調査審議をすること。検疫法及び感染症法の規定により審議会の権限に属された事項を処理することになっており、平成272月以降、これまで11回開催しております。

 主な活動状況としては、新たな感染症の四類感染症への追加、具体的にはジカウイルス感染症のことです。また、感染症に関する情報の収集体制の強化のための感染症法改正に伴う省令の見直し、新型インフルエンザ対策におけるプレパンデミックワクチン及び抗インフルエンザウイルス薬の備蓄方針、被害想定の調査手法についての審議を行いました。抗インフルエンザウイルス薬については、新たな備蓄方針の考え方を取りまとめ、新型インフルエンザ等対策有識者会議、これは内閣官房に設置されている会議ですが、そちらへ報告しました。

 資料に書いてあるとおり、以下の3つの小委員会を設置しております。(1)としては、新型インフルエンザ対策に関する小委員会があります。これは平成274月に新型インフルエンザに関する重要事項について調査審議するために設置し、この小委員会の下に3つの作業班を設置しております。これまで小委員会を6回、作業班を11回開催しており、新型インフルエンザ対策におけるプレパンデミックワクチン及び抗インフルエンザウイルス薬の備蓄、被害想定の調査手法についての審議を行い、感染症部会に報告しました。

(2)として、エイズ・性感染症に関する小委員会です。平成2810月、エイズ・性感染症に関する重要事項について調査審議するために設置し、これまで3回開催しております。後天性免疫不全症候群(エイズ)及び性感染症に関する特定感染症予防指針の改定について審議を行っております。

(3)として、薬剤耐性(AMR)に関する小委員会です。平成286月、AMR対策の専門的・技術的事項を検討するためにこの小委員会を設置しました。平成28125日には、この小委員会の下に微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会を設置しました。これまで小委員会を1回、作業部会を2回開催しており、抗菌薬・抗微生物薬の適正使用の手引きの作成等について審議を行っているところです。

 次の5ページです。結核部会について御報告させていただきます。所掌事務としては、結核の予防及び結核の患者に対する医療に関する重要事項を調査審議することです。主な活動状況としては、平成272月以降、これまで4回開催されております。主に、「結核に関する特定感染症予防指針」の改正について調査審議を行いました。具体的には、結核に係る定期の健康診断の在り方や、患者数に見合った医療提供体制の確保など、低まん延国化の目標、これは具体的には平成32年までに、人口10万人対り患率を10.0以下にすることですが、それに向けての体制を検討すること、患者さんの生活環境に合わせたDOTSの推進をすること、結核菌のサーベイランスの推進をすること等について議論を行いました。以上です。

○佐原厚生科学課長

6ページの「厚生科学審議会科学技術部会」について、厚生科学課より報告させていただきます。科学技術部会は、疾病の予防及び治療に関する研究、その他所掌事務に関する科学技術に関する重要事項を調査審議することが所掌事務となっております。こちらは福井会長に部会長をお願いしております。

 主な活動状況としては、前回の厚生科学審議会で報告した平成272月以降、これまでに約2か月に1回の頻度で、実際には10回開催しております。具体的な中身としては、厚生労働科学研究のあるべき方向性や翌年度の研究開発事業の実施方針など、厚生労働省の科学研究開発の総括的事項、あるいは研究に関する倫理指針をはじめとする各種の研究活動に関連した指針の作成など、科学技術政策の重要事項に関する審議を行っていただいております。

 このほか、厚生労働科学研究費補助金による研究の成果や研究事業の評価の実施、「厚生労働省の科学研究開発評価に関する指針」に基づき、厚生労働省の国立試験研究機関が実施した機関の評価とその評価に対する対応方針について、確認を行っております。

2年間の主な成果としては、そこに2つ掲げてあります。(1)としては、「厚生労働行政の推進に資する研究に関する委員会」を平成2610月に設置しました。厚生労働行政の施策の推進に資する研究について、研究の現状を踏まえて、行政施策上の重要事項、今後のあるべき方向性等について検討を行って、報告書を平成276月に取りまとめております。

(2)として、平成279月に個人情報の保護に関する法律の改正が行われ、それに対応した医学研究における個人情報の適切な取扱いの確保が必要ということで、「医学研究における個人情報の取扱いの在り方に関する専門委員会」を平成284月に設置しました。委員会では、2つの指針、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」及び「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の改正案を平成2812月に取りまとめました。科学技術部会についての活動の報告は、以上です。

○平岩難病対策課長

 引き続き7ページですが、疾病対策部会について報告します。難病対策課の平山です。所掌事務については大きく分けて2つあります。難病等の疾病対策、それから移植医療対策です。平成13119日に設置されております。2番目、主な活動状況ですが、親部会のほうは平成272月以降3回開催されております。この中では難病法に基づく基本方針の案、あるいは難病法に基づく医療費助成の対象となる指定難病に、どういうものを追加するかといった検討結果について了承していただきました。

 それから、この下に4つの委員会があります。(1)難病対策委員会です。先ほども出てきましたが、「難病法に基づく基本的な方針()」、その基本方針に基づいて、更に詳しく国が示すべきとされていた「難病の医療提供体制の在り方について」、報告書を取りまとめていただきました。

(2)指定難病検討委員会です。こちらは難病法に基づく医療費助成の対象となる指定難病について、2次実施分は平成277月から実施され196疾病、第3次実施分は、国会審議されている予算が通った暁には、4月から実施予定ということですが、第3次実施分として24疾病を追加すべきとの取りまとめをしていただきました。

(3)臓器移植委員会ですが、心臓、腎臓、肝臓のレシピエント選択基準の変更について、具体的には子供に優先的に移植できるように、内部のルール改正を行うといった変更について議論を行っていただきました。

(4)造血幹細胞移植委員会です。根拠法の全面施行の後の課題について、議論を行っていただいた上で、法律が基本的に想定しているのは移植目的でのものですが、研究目的での臍帯血の利用や提供の在り方といったものについて、手続きや要件、体制などについて議論いただき、ガイドラインの改正を取りまとめていただいた次第です。疾病対策部会については以上です。

○渡辺がん・疾病対策課長

8ページは先ほど説明がありましたので、9ページの「がん登録部会」の説明をいたします。はじめに資料の修正があるのですが、下から6行目、「第6回がん登録部会」の日付が下と重複しておりますが、正しくは平成27710日になります。失礼いたしました。

 がん登録部会ですが、平成2664日に設置されたところです。がん登録等の推進に関する法律に基づく政省令、指針、がん登録等の推進のために必要な事項について調査審議されてきたところです。平成2664日から平成272月に行く前までは、がん登録に係る法律に基づく政省令、がん登録等の推進のために必要な事項について、計4回ほど審議されてきたところです。

 平成272月以降ですが、計3回開催され、もう少し具体的な事項、すなわちマニュアルや院内がん登録の実施に係る指針などについて御議論を頂いたところです。資料にあるとおりです。その後、平成281月にがん登録推進法が施行されたのですが、がん登録部会での審議を踏まえ、制定されたこれらのマニュアル等に基づき、現在がん登録が実施されているところです。9ページの説明は以上です。

○宮崎水道課長

 続いて10ページをお願いします。「生活環境水道部会について」、報告いたします。大垣委員に部会長をお願いしており、建築物衛生その他生活環境に関する重要事項及び水道に関する重要事項を調査審議するということで設けられております。毎年12回程度開催させていただいており、中心的な審議は水道水質基準の見直しに関することです。

 本年度についても、131日に第18回の部会を開催し、農薬の目標値等の改正について審議を行っております。また、最近、水道事業が非常に厳しい状況に直面しており、実際にありますように、人口減少に伴う水の需要の減少や、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の課題に対応するために、昨年2月に、「水道事業の維持・向上に関する専門委員会」を新たに設置し、都合9回開催したところです。

 その中で、広域連携や官民連携、アセットマネジメントや指定給水装置工事事業者制度見直しなど、いろいろな課題について、具体的に検討を行っていただき、昨年11月に報告書を取りまとめていただいたところです。現在、この報告書の内容に基づき、通常国会への水道法改正案の提出を目指し作業しているところです。以上です。

○日野健康危機管理・災害対策室長

11ページ、健康危機管理部会について御説明いたします。まず、所掌事務ですが、1.に書いてあるとおり、原因が明らかでない公衆衛生上重大な危機が生じ、又は生じるおそれがある緊急の事態への対処に関することについて、調査審議していただくということです。平成17年に設置しております。

 主な活動状況です。中身ですが、テロを含めた健康危機の発生時に、緊急対応についての専門的な助言を得るための部会という位置付けになっております。平成267月にテロ対策に関する提言を頂き、報告を取りまとめたところですが、そういった具体的なものがないときでも、定期的に年1回程度、定例部会を開催しております。

 平成272月以降これまで2回、平成17年に設置されてから計9回開催し、健康危機管理に関して議論していただいているところです。平成26年、27年の議題については、資料の11ページに書いてあるとおりです。以上です。

○森光研究開発振興課長

 再生医療等評価部会に関して森光から御説明します。資料は12ページになります。再生医療等評価部会ですが、これは平成25年に再生医療等の安全性の確保等に関する法律が制定され、平成266月に設置されたものです。部会では、この法律の中にある再生医療等技術の範囲と、リスクに応じた形で評価していくということで、そのリスクの分類、再生医療等の提供基準については、委員会等で検討を行い、報告書をまとめていただき、政令及び省令として出しました。

 また、この部会においては、一番リスクの高い第一種再生医療等の再生医療等提供基準への適合性の確認をお願いしているほか、再生医療等の提供に起因するものと疑われる疾病等の情報の評価分析を、所掌事務として行っていただいております。

 主な活動の状況ですが、第一種再生医療等提供計画について、これまでに17回開催し、適合性の確認を行っております。31件の提供計画について審議を行っております。直近では21日に再生医療等評価部会を開催し、先日、他人由来のiPS細胞の臨床研究について、適合性確認を行いました。

 また併せてこの部会には、遺伝子治療臨床研究に関する審査委員会を置いております。遺伝子治療等臨床研究の申請について遺伝子治療等臨床研究に関する指針への適合性、それからウイルスベクター等を用いる遺伝子組み換え生物に関して、法律に基づいて、生物多様性影響の防止の観点から問題が生じないか評価を行うために設置されたものですが、この申請は、これまでに9件受け付けており、30件の報告を受け、審査・検討を行ったところです。以上です。

○福井会長

 随分早足で説明していただきましたので、非常に広範囲にわたるということはお分かりだと思いますけれども、なかなか内容を全て理解するのは難しいかもしれませんが、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ありましたら、よろしくお願いします。

 基本的には分科会の議決をもって審議会の議決とすることができる。それから部会の議決をもって審議会の議決とすることができると、最初に佐原先生から、参考資料2の関係規定等のところで御説明がありました。一つ一つの部会の結論がここに上がってきて、この審議会で全て御了承いただくような手続きを取っていないものが結構あるという状況だと御理解いただきたいと思います。いかがでしょうか。何か御質問なり御意見なり、ありますでしょうか。

○大野委員

 質問ですけれども、生活衛生適正化分科会の説明の一番下の行、「喫茶店営業の振興指針の改正についての審議」というのが、ちょっとどういうことか理解できなかったのですけれども。これは厚生科学審議会の対象になるのかなと思ったのですが、その中でどういうことが対象だったのか、教えていただきたいと思いました。

○生活衛生課長補佐

 生活衛生適正化分科会での議論の中身ということでよろしいでしょうか。

○大野委員

 厚生科学審議会で審議することとの関係ですね。それについて教えていただければと思いました。

○生活衛生課長補佐

 厚生科学審議会の中に、「生活衛生適正化分科会」が設置されており、その中で、「振興指針に関すること」と「標準営業約款に関すること」が生活衛生適正化分科会の中で審議する指針となっております。参考資料2の一番最後のページに、「厚生科学審議会組織の構成」の中に書いてある部分です。

○大野委員

 ちょっと私が思ったのは、営業の振興となると、何か厚生労働省の所掌範囲ではないのではないかと、これは経済産業省などの本題かなと思ったのですが。

○生活衛生課長補佐

 再度、補足説明いたします。先ほどの参考資料23ページ、「厚生科学審議会令」の下段のほう、第五条の四角の枠の中、「生活衛生適正化分科会」のほうにも記載しておりますが、通常、企業対策である部分については、中小企業庁、経済産業省のほうの所掌ではあるのですが、生活衛生関係営業については、「厚生労働省医薬生活衛生局生活衛生食品安全部」という組織名もありますとおり、生活衛生関係営業の振興については、私ども厚生労働省のほうで所掌しているところです。

○大野委員

 ありがとうございました。よく分かりました。

○福井会長

 ほかにはいかがでしょうか。

○木幡委員

 先ほど、「分科会・部会の議決をもって審議会の議決となす」とおっしゃっていたのですが、何か決まった場合は、こちらのほうも知る機会というか、何か連絡などはあるのでしょうか。

○福井会長

 事務局、いかがですか。

○佐原厚生科学課長 各分科会あるいは部会で決まったことをお知らせする場として、今日のこの場があるという位置付けにさせていただいております。

○木幡委員

 分かりました。

○福井会長

 ほかにはいかがでしょうか。

○野々山委員

 度々すみません、生活者として少し伺っておきたいことがありまして、「水道事業の維持・向上に関する専門委員会」のところにあります「水道の基盤の強化」、これは私たちが本当に日々使っている水道に関することですので、この具体策が幾つかありましたら、教えていただきたいと思います。

○宮崎水道課長

 先ほど申しましたように、現在この報告書に基づき、水道法の一部改正を提案したいという検討をしております。具体的には、例えば国、都道府県、市町村、あるいは水道事業体の役割分担を明確にするとともに、小さな水道事業がたくさんあるものですから、まとまってほしいと思っておりますし、都道府県の役割を明確化したいと思っております。国は基盤強化のための基本方針を定め、県が基盤強化計画のようなものを定め、関係者が参加するような協議会を設けるといったことを考えております。

 先ほど申しました「資産管理の推進について」も、これから統合に向けていろいろ話をしていくためにも、いろいろな施設を持っている水道ですので、そういったことをきちんと、台帳整理を行っていただいたり、将来の水道の更新に対して、どれぐらいの費用が必要になるのかといった見通しを作成し公表してほしいなど、いろいろなことを取りまとめていただいているところです。

○野々山委員

 ありがとうございました。

○福井会長

 ほかにはいかがでしょうか。

○本田委員

9ページの「がん登録部会」の件で教えていただきたいのですけれども、法律が成立して、推進に関する必要な事項について審議するために7回開かれたということですけれども、これで全国のがん登録をするのに必要なことが全てそろって、これでがん登録は進められているということでいいのでしょうか。

 それと、様々なマニュアルとかができた後、がん登録が行われていく中で、その後の評価などはこの部会ではしないのでしょうか。

○渡辺がん・疾病対策課長

 先ほど申し上げたみたいに、平成281月から施行されて、具体的には平成281月から12月までの間に診断された症例が、今後、国立がん研究センターに提出されていくことになっております。基本的には全てここでそろっているものが示されて、スタートしているということです。

 評価につきましては、今スタートしているところですので、今後、適宜、お示ししていくことになっていくのではないかと思っています。

○福井会長

 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。

○井伊委員

 「健康危機管理部会」について、ちょっと、この記載がよく分からないので、お尋ねしたいのですが、1つは「健康危機管理調整会議」というものがありますけれども、これは他の部会の委員会等とは違う位置付けなのかということと、何をなさっているのかということです。

 それと、ここは「テロを含む国民の生命、安全を脅かす事態」ということで、自然災害はここでは取り扱わないのかどうかということをお尋ねしたいと思います。

○日野健康危機管理・災害対策室長

 まず1点目の御質問の、「健康危機管理調整会議」ですが、こちらは審議会などに所属しているような会議ではなく、省内の健康危機管理に関係する部局、医政局や医薬局、健康局など様々な部局がありますが、関係部局が定期的に月2回ほど集まって、様々な事象、最近でいうと、鳥インフルエンザなど、いろいろな健康危機事案がありますが、それらの進捗状況を省内で共用していくという会議です。それにつきまして、健康危機管理部会のほうに報告をさせていただいているということになります。

 もう1点、自然災害の関係ですが、基本的には自然災害については、所掌上は今は内閣府の防災担当という所が政府の中では一時的には所掌しておりますので、そちらがメインになるかとは思います。例えば熊本で起きたエコノミークラス症候群などの健康危機事案もありますので、そういった必要なものは、こちらでも議論していくことにはなるのかと思っております。

○井伊委員

 ありがとうございます。

○福井会長

 ほかにはいかがでしょうか。

○大野委員

 難病対策の件なのですが、先ほど御説明いただきましたけれども、この難病対策として医療費助成といったことが行われているわけですね。ところが実際に難病にかかっている人にとっては、医療費助成も有り難いですけれども、将来、難病に対するいい薬とか、いい治療が受けられるようになるとか、そういったことが希望されることではないかと思うのです。

 ところが、今の難病対策の法律では、そういった部分は含まれていないと伺いました。ですから、難病登録している人の情報といったものが、なかなか難病対策のための新薬開発といったものに使われていないと。使うことは今のところはできないのだというようなことを伺ったのです。

 これは法律の問題がありますので、そんな簡単にできることではありませんけれども、そういった、いろいろな患者グループの意見も伺って、できればそういった所へも、そういった情報が、個人情報には非常に注意しながら利用できるような体制についてはどうなのだろうかと検討していただけたら有り難いなと思っているところです。

○平岩難病対策課長

 今、頂いた御指摘ですが、2つあると思っております。まずは指定難病の対象になっておられる方々につきましては、その指定難病の医療費助成の申請をしていただく際に、診断書などにかなり状況を詳しく書いていただきます。その頂いた情報を基に研究のほうにも活用させていただき、その治療方法や、医薬品の開発などに回して、そういった形で医療費助成をさせていただきながら、研究のほうも支援させていただいております。

 それから指定難病につきましては、医療費助成の対象になるということで、いわゆる難病の中から更に厳格な要件、客観的な診断基準があるとか、人数の要件、患者数が一定数以下であり、全国でも1,000人に1人以下であるとなっております。

 それ以外の希少な疾病で、原因の分からない、かつ長期療養を要するような、いわゆる難病につきましても、研究の支援を国の義務として定められておりますので、研究班を作っていくとか、研究費の予算を確保して、厚労科研費あるいはAMEDのほうの実用化研究といったものを活用しながら、支援をさせていただいているところです。

○大野委員

 ありがとうございました。

○福井会長

 ほかにはいかがでしょうか。

○森光研究開発振興課長

 創薬の関係から少し補足させていただきます。私も研究開発振興課を含めて、厚生労働省全体の中で、クリニカルイノベーションネットワークというような形で、創薬の基盤を整備していこうという中で、指定難病等の方のデータも使わせていただきたいとお願いしております。

 当然、治療薬の開発といったところには、どこにどれぐらいの患者さんがいらっしゃるのかという情報がとても重要になってきます。治療薬の開発の段階が進んでいきますと、どういう形で治験していこうかということにおいても、そのようなデータが非常に重要になってくるので、全体として患者さんのデータをきちんとした形で、もちろん個人情報などには配慮した上で、創薬に結び付けていこうと動いております。以上、報告させていただきます。

○大野委員

 もう既に、かなりそういった考え方を採用していることが分かりました。ありがとうございます。

○福井会長

 ほかにはいかがでしょうか。それでは、私からちょっと。予防接種ワクチン分科会と思いますけれども、最近の子宮頸がん予防ワクチンについては、どの程度まで検討が進んでいるのか、教えていただければ有り難いのですが。センシティブな問題でしょうか。

○健康課

 健康課予防接種室よりお答えします。この指定基準にある予防接種ワクチン分科会の下にある副反応検討部会のほうで、薬事・食品衛生審議会と合同部会を開いており、その副反応検討部会の中で、HPVは御存じのとおり、一時的な接種、積極的な差し替えも判断して、現在もそれが続いている状況ですが、厚生労働科学研究などの結果なども踏まえ、科学的に判断していくこととしております。現在も研究班の成果の報告なども途中でしておりますが、まだ検討中であり、今後、科学的に判断していく方向です。

○福井会長

 ほかにはいかがでしょうか。

○松原委員

 今のところで、副作用があるという話と、副作用がないのではないかという話と、それからどうしてもこのワクチンが必要だという話とがいろいろと混じりまして、非常に難しい状況に至っているように理解しております。副作用があるという話の中には、例えば免疫賦活剤を使っているから、免疫の異常が起こるのではないかという話。それから皆さん方よく御存じだと思いますが、予防接種というのは、日本の場合にはほとんど皮下注射が主体でありまして、アメリカのような筋肉注射ではないということであります。

 インフルエンザは、アメリカは免疫賦活剤を添加しておりますが、日本は単品、つまり免疫賦活剤なしで注射しています。そこで中学生の女の子たちに、筋肉注射をすると、今までの予防接種の何十倍も痛みがあって、私の所でも実際に女の子たちに注射をしていたのですが、とにかく痛いと。最初から、これは痛くても、大人になる上でやらねばならないのだと説明していると、1例も副作用の例はなかったのですが、大変痛いものです。

 そこで、私の個人的な意見なのですけれども、皮下注射でも、実は抗体が付くというエビデンスがあります。間違って皮下注射した例がかなりありまして、それでも抗体は付きます。問題は免疫賦活剤を入れなければならないのかどうか。つまり日本のインフルエンザのワクチンのように、免疫賦活剤を使わなくても、ある程度の効力があるのであれば、2回で駄目、3回で駄目だったら数回すればいい。ウイルス自体の性質によるものなのかどうなのかという話だけに、その2種類を取り除くと問題が終結します。日本の国で皮下注射で、しかも免疫賦活剤をなしですると、抗体ができるのか、できないのかというのを1回やってみれば、副作用で大変な思いをしている人たちも納得されると思います。

 そこで、もし副作用が出れば、何かのほかの要素があったのではないかと考えられる。でなければその2つのうちのどれかが原因だったということが明らかになります。少し視点を変えてやらないと、今のままでいろいろな論争をしていても、世界から見て遅れるばかりなのです。論争を続けながら、今言った2点を省いて治験をしてみるというのが、私は個人的にいいのではないかと思っています。なかなか難しい面があるのはよく存じております。補足の意見でございます。

○福井会長

 このような意見があったということで、また分科会で検討していただければと思います。

○伊藤委員

 ワクチンを担当させていただいております伊藤です。今、松原先生のほうからお話があったアジュバントの効果ですが、トリインフルエンザのワクチンで検討しておりますが、アジュバントについては効果が明らかにあって、アジュバントがないのと比べると、アルミのアジュバントでも、ほぼ2倍ぐらいの効果があります。オイルインウォーターのアジュバントに関しては、もっと高くあるのだろうと思っております。

 それから新型インフルエンザのワクチンで、皮下注と筋注と両方、試験しておりますが、皮下注にすると皮膚の発赤がひどく出るので、筋注でないと副反応が強くて接種が厳しい状況です。

 ワクチンやアジュバントについてのエビデンスは、随分、分かってきていて、そういった結果も踏まえて検討していると思っておりますが、今の御意見について、簡単に回答させていただきました。

○福井会長

 ありがとうございます。

○松原委員

 注射しなければ効果がありません。みんなが納得して注射できる方法を、例えば怖がっている方は別の方法を選べるとかがあれば良いと思います。なるべく早く始めないといけない、というのは間違いなく世界の常識です。是非頑張っていただきたいと思います。

○伊藤委員

 御意見を頂きましたので、きちんとしたエビデンスを情報公開できるようにさせていただきたいと思います。

○福井会長

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。それでは、よろしいでしょうか。各委員の所属する部会につきましては、追って事務局からお知らせすることになると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。その他、事務局から何か連絡事項はありますでしょうか。

○佐原厚生科学課長

 特にありません。どうもありがとうございました。

○福井会長

 これで終わりたいと思います。本日はありがとうございました。閉会といたします。


(了)

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