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2016年11月21日 第72回労働政策審議会障害者雇用分科会 議事録

職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課

○日時

平成28年11月21日(月)17:00〜


○場所

厚生労働省省議室


○出席者

【公益代表】菊地委員、松爲委員、山川委員
【労働者代表】内田委員、駒井委員、高松委員、佐藤代理
【使用者代表】石田委員、遠藤委員、栗原委員、三輪委員
【障害者代表】小出委員、本條委員、工藤代理
【事務局】大西職業安定局次長、坂根雇用開発部長、尾崎障害者雇用対策課長、田中地域就労支援室長、川口分析官、三輪主任障害者雇用専門官、高沢障害者雇用対策課長補佐

○議題

(1)障害者雇用制度及び支援策の現状等について
(2)その他

○議事

○山川分科会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第 72 回労働政策審議会障害者雇用分科会を開催いたします。委員の皆様方には、お忙しいところ、御参集いただきまして、大変ありがとうございます。

 本日は、阿部正浩委員、武石委員、中川委員、桑原委員、吉住委員、塩野委員、阿部一彦委員、竹下委員が御欠席です。栗原委員と高松委員は御都合により遅れて参加されます。それから、吉住委員の代理としまして、日本労働組合総連合会の佐藤様、竹下委員の代理としまして、日本盲人会連合の工藤様が御出席されております。生田職業安定局長は、別の公務のため御欠席となります。

 それでは、議事に入ります前に、新しく委員に御就任された方がおられますので、事務局から御報告をお願いいたします。

○高沢障害者雇用対策課長補佐 お手元の参考資料、労働政策審議会障害者雇用分科会委員名簿が一番下に付いているかと思いますが、こちらを御参照ください。新しく委員に御就任いただいた方については、名簿に下線を引いていますので、上から順に御紹介いたします。労働者代表委員として、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会専門部長の内田文子様に御就任いただくことになりました。また、本日は御欠席ですが、日本労働組合総連合会総合労働局雇用対策局長の吉住正男様が、委員に新たに御就任されました。また、高松委員におかれましては、 UA ゼンセンの副書記長として、引き続き委員を務めていただくことになっています。事務局からは以上です。

○山川分科会長 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

 それでは、議事に入ります。いつもどおり、発言をなされるときには、手を挙げてお名前を言っていただいてから、発言をお願いいたします。それから、今日は、御発言の際には、御自身で細いマイクのスイッチを入れていただいて、このように赤いランプが付きましたら、御発言をお願いいたします。発言が終わった際には、マイクのスイッチをオフにするようにお願いいたします。本日の議題は、 (1) 「障害者雇用制度及び支援策の現状等について」、 (2) 「その他」となっております。では、議題 (1) の議事に入ります。本日は、これまでの議論を受けまして、精神障害者の方をはじめとする、障害者の方々に対する雇用支援策の現状や、障害者雇用制度の現状などを、事務局にまとめていただきましたので、まずは、事務局から説明を頂きました後、皆様から御意見を賜りたくお願いいたします。それでは、事務局から説明をお願いします。

○高沢障害者雇用対策課長補佐 それでは、お手元の説明資料を御覧ください。既存の資料もありますので、一部急ぎながら御説明したいと思いますが、まずは、開いていただくと目次があります。 1 番で障害者雇用の状況、 2 番として、障害者雇用率制度及び納付金制度、 3 番で精神障害者等の雇用支援策の現状というところで、 3 項目ほど、簡単に御説明します。

1 ページ、障害者雇用の状況です。いわゆる 6 1 報告につきましては、 28 年度分は、まだ数字が固まっていない状況ですので、昨年出ている数字ですが、改めて復習ということで御説明したいと思います。 2 ページから、障害者雇用の状況につきましては、民間企業の雇用状況ということでは、雇用者数が 45.3 万人ということで、実雇用率が 1.88 となっており、雇用者数は 12 年連続で過去最高を更新しているということです。そういった意味で、事業主の皆様の御理解なども含め、障害者雇用は着実に進展している状況であると言えると思います。

3 ページです。障害者雇用の状況について、企業規模別に表したものです。こちらにつきましては、この十年来の傾向として、いわゆる大企業、 1,000 人以上の事業主のほうが雇用率が高くて、中小企業に関しては雇用率が低いということがあり、この傾向自体は変わっておりませんが、ここ数年の傾向としては、事業規模にかかわらず、全ての事業規模において、実雇用率が上昇してきているという状況です。 27 年度につきましては、 1,000 人以上で 2.09 ということになっております。一方で、下のほうですが、 300 500 人未満程度の所についても、 1.68 ということで、数年前、平成 23 年の 1.4 程度から、 4 5 年で 0.3 程度改善してきています。

4 ページです。障害者雇用状況報告における障害種別の状況を整理いたしました。こちらを御覧いただきますと、事業主全体の中で、身体障害の方を雇用している事業主の割合についても、この 10 年間で大分改善しており、平成 18 年を御覧いただきますと、全体のうちの 58.7 %が身体障害の方を雇用しているというのに対し、割合で申し上げると 59.6 %ということで、平成 27 年度もほとんど変わっておりませんけれども、事業主全体で見ますと、増えてきているという状況です。他方で、特に精神障害の方を雇用している事業主の数を御覧いただきますと、平成 18 年の雇用状況報告が 1,496 社ということで、全体の約 2 %程度にすぎなかったところが、平成 27 年におきましては、全体の 15.9 %ということで、全体の約 6 分の 1 程度、 1 3,950 社が精神障害の方を雇用しているという状況になっており、特に、精神障害の方、あるいはその上の知的障害の方を取り巻く雇用環境という意味では、かなり改善してきているというところが見て取れると思っています。

5 ページです。ハローワークにおける障害者の職業紹介状況、また 6 ページも同じようなグラフになっております。ハローワークの障害者の職業紹介状況についても、この数年間で、全体的にかなり改善してきているというところが見て取れます。特に、平成 17 年度と 27 年度を比べまして、身体障害の方も改善傾向にありますが、特に知的障害の方と精神障害の方に関して、かなり大幅な改善傾向、あるいは増加傾向が見て取れるのではないかと思っています。 10 年前が全数で 3 8,882 件でしたが、平成 27 年度では 9 191 件ということで、約 2.3 倍になっています。

7 ページをお開きください。こちらの題名が、「実雇用率へのカウントから雇用義務化に至るまでの雇用状況の変化」ということで書いています。こちらにつきましては、知的障害の方についても、昭和 63 年に実雇用率にカウントしてから 10 年を経て、平成 10 年度より、法定雇用率の算定基礎に追加したという経緯がありまして、その辺りの制度的な経緯については、知的障害の方と今般の精神障害の方というのが同じような経緯を経ているわけです。実雇用率にカウントを始めた昭和 63 年当時、知的障害の方は、雇用障害者数が 9,400 人であったのが、雇用義務化、いわゆる法定雇用率への算定に伴う雇用率を検討した際には、 2 4,000 人にまで増加していたということです。精神障害の方に関しましても、実雇用率のカウントを始めた当時、平成 18 年においては、 1,917 名程度であったのが、今般、法定雇用率の検討ということになってきた段階、平成 27 年において、 3 4,637 人ということで、いずれも雇用者数的に申し上げれば、相当程度、増加傾向が見て取れるというところです。

 他方で、下の障害者の平均勤続年数の推移という所を御覧いただきますと、こちらは、統計データも後ほど御説明しますが、若干、難しい点があるわけですが、身体障害の方、知的障害の方、精神障害の方ということで並べますと、勤続年数という意味で、身体障害の方が平成 25 年には 10 0 か月であるのに対して、精神障害の方が 4 3 か月ということで、勤続年数においては、大分大きな差が出ているというところが見て取れるわけです。ただ、この統計データにつきましては、 1 点ほど大きな留意点がありまして、下の※の所の括弧の中に書いてありますが、例えばということで、調査の 1 か月前に採用された者の勤続年数は 1 か月ということになるので、結果の解釈には留意が必要です。したがって、近年、精神障害の方で雇用される方自体が大きく増えているということを踏まえますと、もともと勤続年数が短い方もこの統計データに入っているということに留意する必要があるわけですが、いずれにしましても、勤続年数全体で見ると、ほかの障害に比べて短くなっているというものです。

9 ページを御覧いただきますと、精神障害の方の継続雇用の課題となり得る要因ということで、それぞれ離職の理由 ( 個人的理由 ) 、あるいは ( 仕事を続ける上で ) 改善等が必要な事項ということです。平成 25 年度の障害者雇用実態調査を用いて、身体障害の方と精神障害の方を比べている統計データです。念のためですが、知的障害の方は、統計データを取っていないので、 2 障害の比較であることを御理解いただければと思います。全体を比べますと、主に継続雇用の課題となり得るような課題というのは、身体障害の方、精神障害の方、いずれもそれほど大きく変わらなくて、大きな課題としては、上のほうでは、職場の雰囲気・人間関係、労働条件に不満、仕事の内容が合わないということですし、下の改善等が必要な事項に関しては、能力に応じた評価、昇進・昇格であるとか、調子の悪いときに休みを取りやすくするといったところが挙げられます。しかしながら、上の離職の理由に関しましては、主に身体障害の方については賃金、労働条件に不満というのが大きくなっているのに対して、精神障害の方は職場の雰囲気であるとか、人間関係、仕事の内容が合わないというのが大きくなっているのが見て取れます。その下の改善等が必要な事項につきましても、身体障害の方では、作業を容易にする設備・機器の充実であるとか、福利厚生の充実といったような項目が非常に大きくなっているというのに対し、精神障害の方は、能力に応じた評価とか、調子の悪いときに休みを取りやすくするといったところが、特に大きくなっているというのが特徴だと思います。

 続きまして、障害者雇用率制度及び納付金制度についてです。こちらは、もう既に制度を御存じかと思いますので、簡単に制度の概略を御説明しますが、 11 ページの障害者雇用率制度の概要です。障害者雇用率制度につきましては、真ん中に表がありますが、常用労働者の方に失業者の方を足して、それに対する、身体障害の方と知的障害の方の労働者数及び失業者の方ということで、これまで計算をしてきたというのが制度的な経緯です。

12 ページは参照条文ですので飛ばさせていただきます。 13 ページを御覧いただきますと、これまで身体障害の方と知的障害の方が分子に入っていたところですが、今後につきましては精神障害の方についても、法定雇用率の算定式のほうに追加をして、常用労働者数及び失業者数について、精神障害の方も換算に入れるということになっています。

 また、 14 ページについても、参照条文ですので、こちらも飛ばさせていただきます。 15 16 ページは、障害者雇用納付金制度についてです。こちらも皆さん御存じの制度かと思いますので、説明は省略させていただきます。

17 ページを御覧ください。障害者雇用納付金制度の財政状況についてという表です。平成 27 年度決算時において、一番下の積立金の額が 93 億円となっています。こちらについても数字を御覧いただければと思います。

18 ページですが、参考ということで、前回 8 2 日の分科会での指摘事項等に対する回答ということで、まとめさせていただきました。前回、分科会で、ドイツ、フランスについても、障害者納付金制度及び雇用率制度というのが構築されているということで、参考までに説明をしていただきたいというお話がありましたので、簡単にまとめさせていただきました。まず一番左のドイツを御覧いただきますと、法定雇用率は 5 %であるのに対して、実雇用率が 4.1 %となっております。また、フランスは法定雇用率が 6 %で、実雇用率が 3.0 %となっております。対象障害者の方に関しましては、いろいろ細かく書いていますが、日本とは制度の経緯等についても、大分異なっていますので、単純に数字のみを参考にできるものではないということを前提で、説明を確認いただければと思います。例えば真ん中のフランスを御覧いただきますと、1の障害者権利自立委員会によって、障害労働者認定を受けた者以外にも、労災年金だとか障害年金の方、傷痍軍人の方、更には例えば8の戦争犠牲者の遺族といったようなところで、対象者につきましては、いわゆる障害者雇用制度という日本の制度とは大分変わってきているというものです。

 左側のドイツを御覧いただきますと、対象障害者の方につきましては、 10 ごとの単位で、 100 までのランク付けをしているのですが、1は 100 までのランクのうちのいわゆる 50 以上、少なくとも、障害の程度が 50 に達している方で、住居、慣習上の滞在又は職場での雇用を、適法にこの法律の効力の範囲内に有する者ということで、基本的にはドイツにおいては、 100 までの範囲のうちの 50 以上、重度障害の方を雇用率制度の対象にしているというものです。しかし、2にありますように、障害の程度が 30 以上 50 未満の方、すなわち 30 から 40 の方で、適切なポストを得られないということ、あるいは障害者雇用の対象にしなければ、今後仕事を持続できないという判断がされた方に対しては、対象になるというようなもの、あるいは3ですが、障害の程度にかかわらず、青年や、若年成人に関しては対象になるということで、基本は 50 以上の重度障害の方を対象にする制度ですが、そのほか様々な対象があるということです。

 また、納付金制度について確認いただきますと、その下の納付金額ということですが、ドイツの場合には、日本のような納付金、一律の制度ではなくて、年の平均雇用率が下がれば下がるほど、 1 人当たりの月額が増えていくというものです。年平均の雇用率が 3 5 %であれば、不足数× 105 ユーロ / 月ですし、 0 2 %であれば、不足数× 260 ユーロ / 月となっています。

 この下を御覧いただきますと、備考がありますが、障害者の方の作業所に仕事を委託した使用者は、請求される金額の 50 %を納付金から控除できるというようなもの、あるいは、納付金の支払いは障害者の雇用義務を免責するものではないというもので、こちらは日本と同じですが、納付金の支払いと雇用義務が、それぞれ別個なものとして成立しているというものです。なお、ドイツには調整金というようなものはないということで聞いておりますが、納付金として集められた資金に関しましては、ドイツにおいても、様々な助成金であるとか、訓練費用、訓練支援などの形で、障害者雇用に資する支援として活用されているというものです。

 また、真ん中ですが、フランスにつきましては、先ほど御説明したとおり、対象障害者の方が、いわゆる障害認定を受けた方だけではなくて、8のような戦争犠牲者の遺族であるとか、様々な範囲を対象としているというものです。また、日本と同じように、障害者雇用納付金制度がございますが、納付金の額につきましては、従業員の規模に応じて、金額を変えるというものです。そういう意味では、日本のような一律の制度ではございませんが、ドイツとも少し違っているもので、例えばいわゆる中小企業、従業員が 20 199 人程度の会社であれば、不足数×最低賃金× 400 ということですし、従業員の数が 750 人以上ということで、いわゆる中堅、大企業ということになってきますと、不足数×最低賃金× 600 ということが、毎年の 1 人当たりの金額ということになっています。なお、下に書いてありますが、最低賃金は 1 人当たり、 1 時間が大体フランスに関しては 9.67 ユーロということで、日本円に直しますと、大体 1,100 円程度であるということです。また、フランスにつきましては、法定雇用率が 6 %ということを前提に考える必要がありますが、その下の備考欄ですが、雇用義務につきましては、いわゆる直接雇用以外の方法ということで、例えば、保護労働セクターへの仕事の発注であるとか、研修での障害者の受入れ、納付金の支払い、あるいは障害者のための 1 年又は数箇年のプログラムを定める労働協約の締結によってもカバーされるというものになっています。

 参考までに一番右側に日本の制度を付しております。こちらについては、前回の宿題ということで、こちらのほうで分かる範囲で整理したものです。出典のほうも、下に幾つか書いていますが、あくまでもこの範囲での情報ということに御留意いただければと思っています。

19 ページをめくっていただきまして、精神障害者等の雇用支援策の現状です。 20 ページですが、精神障害者に対する主な雇用支援策の推移ということで、雇用率制度から始まりまして、ハローワークにおける支援、助成金等々ということで、様々な支援を行っているという状況です。こちらを整理いたしましたので、お時間がありましたら御覧ください。

21 ページを御覧ください。こちらも同じような形で、精神障害の方に対する雇用促進に係る支援施策の流れということで、就職準備段階から定着段階まで、ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、地域障害者職業センターがそれぞれどういった関わりを持っているかということを整理しているものです。

22 ページからざっと御説明いたしますと、まずは全体、様々な関係機関がある中で、障害者の方の就労に向けて、ハローワークのほうを中心としたチーム支援を行っているという状況です。ハローワークにおいては、左側にも書いてありますが、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなどと、就労支援計画の作成をした上で、就職支援を行い、その後定着支援を進めているという状況です。全体として就職率 50 %程度ということになっています。

 次のページを御覧いただきますと、 23 24 ページですが、福祉、教育、医療から雇用への移行推進事業というものです。こちらについては都道府県労働局のほうにコーディネーターを配置しまして、例えば特別支援学校の取組を、地域の事業主の皆さんに御覧いただいて、いわゆる障害がある高校生の方について、どういった就労能力を持っているのかということを目の当たりに見ていただいて、実際に思っているようなイメージと大分違って、実際には相当な能力を持っているのだということを見ていただく。あるいは特別支援学校のお母さん、お父さんに、実際に障害がある特別支援学校を出た方が、どういった環境で働いているのかということを見ていただいて、高校卒業後の就労のイメージを付けていただくということを、都道府県単位で、労働局あるいは自治体と協力をして進めている事業です。

 その下を御覧いただきますと、 24 ページですが、例えば就労支援セミナーということで、労働局が主催で、合計実施回数は 810 回ですが、例えば就労支援機関の職員の方、あるいは特別支援学校の教職員など、様々な方を対象に実施しているということです。そのほかにも、 2 つ目の◎ですが、事業所の見学会なども実施することによって、雇用者と特別支援学校、あるいはその教職員の方の知識、認識の溝を埋めていくというようなことを進めているところです。

 次ですが、 25 ページを御覧いただきますと、精神障害者雇用トータルサポーターというものです。こちらもこれまでも逐次御説明しておりますけれども、ハローワークに配置されている、精神障害者雇用トータルサポーターにおいては、精神障害者の方の職業準備から定着支援までを一貫して行っています。

26 ページを御覧いただきますと、配置人数、支援内容等が書いてありますが、配置人数は、平成 23 年度と比べまして、当時 303 人であったのが、現状 356 人となっております。支援内容についても、当時の 2 倍以上になっておりますが、特に右側の、企業への支援を御覧いただきますと、平成 23 年度は、全体の 4,000 件程度だったのに対して、昨年では 1 6,000 件で、支援内容に占める事業所支援についても、相当程度増加してきています。

27 ページを御覧いただきますと、障害者トライアル雇用の概要と、障害者短時間トライアル雇用奨励金の概要です。こちらについては、ハローワーク等の紹介によって、障害者の方を事業主がトライアル的に、試行的に雇い入れるという場合に、助成金を支給するというものです。図にもありますが、事業主の方、障害者の方、それぞれが様々な不安を抱えている中で、試行的に雇用するということで、結果、常用雇用への移行も促しやすくなっているというものです。実績については、 29 ページを御覧いただければと思いますが、トライアル開始者が左側で、常用雇用移行率が右側です。数字を御覧いただきますと、平成 24 年度に、障害者トライアル雇用については、一旦、事業主の対象を障害者雇用のノウハウがない事業所に限定したことから、件数が大幅に減少したのですが、その後、平成 26 年度から、再度ノウハウや経験の有無にかかわらず、全ての事業主に拡充するといった対応をしたことによりまして、件数は増加に転じております。今年度においても、前半、 4 月から 9 月の 6 か月間で、前年同期比で 14.6 %増となっておりますので、順調に回復傾向にあるかと思います。

 右側の常用雇用移行率を御覧いただきますと、全体で 8 割以上の方が、常用雇用に移行しているという状況で、障害種別に御覧いただいても、身体、知的、精神、それほど差がなく、基本的には常用雇用に移行できているということが見て取れるのではないかと思っております。

 その下の特定求職者雇用開発助成金につきましては、障害者の方などを雇い入れた事業主の方に関しまして、継続雇用を要件として支給しているものですが、一番下の支給実績を御覧いただきますと、平成 23 年度は、支給決定件数が 12 万件というところでしたが、平成 27 年度には 16 万件ということで、増加傾向が見て取れます。また、括弧の中ですが、うち精神障害者の方につきましては、平成 23 年度は 6,700 件でしたが、昨年度は 2 7,000 件ということで、約 4 倍増にまでなっているという状況です。

31 ページ、 32 ページを御覧いただきますと、地域障害者職業センターの概要とその実績を記載しています。こちらについては、障害者一人一人のニーズに応じて、職業訓練とか、職業評価を行うというのが職業センターの役割です。実績を御覧いただきますと、 32 ページですが、支援事業所数については、平成 23 年度は 1 6,673 件でしたが、平成 27 年度には 1 8,023 件ということで、 26 年度からは若干減少ですが、堅調に支援事業所数は増加傾向にあると考えております。

 その次の 33 34 ページですが、職場適応援助者、いわゆるジョブコーチによる支援です。そちらにつきましても、下の実績を御覧いただき、 23 年度と 27 年度を比較いただきますと、訪問型ジョブコーチ単独による支援件数は、若干減少傾向ですが、地域センターによる支援件数も合わせますと、全体としてはジョブコーチ支援件数も増加傾向にあるというもので、地域センターと相まって、事業主の皆様のニーズに応じた支援を実施しているということです。

35 36 ページですが、地域障害者職業センターでもう 1 つ行っている、リワーク支援というものがあります。こちらは、うつ病などの事情で休職された方について、円滑な職場復帰を目指して、 3 4 か月程度、職場復帰支援を行うというもので、 36 ページの実績を御覧いただきますと、特に職場復帰支援につきましては、事業主支援、当事者支援、いずれも増加傾向にあるということで、こちらは、うつ病で休職される方に関しても、着実に職場復帰を実施しているということです。その下に参考として実績がありますが、平成 27 年度においては、復職率が 86 %ということで、 86 %の方が復職しているという状況です。

 次は 37 ページ、 38 ページを御覧いただければと思いますが、障害者就業・生活支援センターとその実績です。障害者就業・生活支援センターにつきましては、こちらも御存じのように、身近な地域において、就業面と生活面の一体的な相談支援を、様々な関係機関と一体となって行うというものですが、下の表を御覧いただきますと、事業所に対する相談・支援件数が 23 年度は 21 3,833 件、平成 27 年度は 33 6,139 件ということで、この 5 年間で約 1.5 倍増ということになっています。内訳を御覧いただきますと、相談・支援件数に対する内容別の割合ということですが、全体に傾向が大きく変わっているわけではありませんが、その中でも職場定着に関する相談・支援というものが、 23 年度と 27 年度を比べますと、 5 %増ということになっておりまして、やはり障害者の方が就職された後の定着支援に対するニーズが上がってきているということが、この中からも若干読み取れるのではないかと思っております。

 その次の 39 ページ、 40 ページですが、就労移行支援事業所についてです。こちらは障害福祉サービスのほうで行っているものですが、障害種別の利用者数、左下のグラフを御覧いただきますと、毎年度増加傾向にありまして、水色の折れ線グラフですが、平成 20 年度に 1 5,969 件であったのが、平成 27 年度には 3 1,030 件ということで、大幅に増加しています。その内訳を御覧いただきますと、基本的には増加傾向を支えているのは、ほとんどが精神障害の方の利用者数、それが著しいというもので、 20 年度から 27 年度の 7 年間で約 1 3,000 人程度増加しているということに、引っ張られていると思います。

 右側を御覧いただきますと、一般就労への移行率が 20 %以上の事業所の割合の推移です。御覧いただきますと、平成 20 年当時は、一般就労への移行率が 20 %以上の就労移行支援事業所が、全体の 29.3 %程度ということで、残りの 7 割は一般就労への移行率が 20 %未満という状況だったわけですが、その後、 26 年度にかけて改善傾向にありまして、全体の約半分、 46.9 %の事業所においては、一般就労への移行率が 20 %以上ということを維持できている状況です。一部の事業所ですが、一般就労への移行率が 50 %以上というのを達成している就労移行支援事業所もあり、全体の 15 %程度見られるということです。したがって、大分、福祉サービスにおける就労移行支援事業も質が改善してきているということであろうかと思います。

 その下を御覧いただきますと、 40 ページですが、就労定着に向けた支援を行う新たなサービスということで、平成 30 年より、就労移行支援事業所において、定着支援を行った場合にも、障害福祉サービスが給付されるという形になっています。そうしたものも含めまして、今後、障害者の方の定着支援を更に充実していくことになろうかというように考えています。

 その後ろ、 41 ページですが、ニッポン一億総活躍プランの中で、障害者の方や難病患者の方を含めまして、最大限活躍できる環境を整備することが必要であるということで、全体の方向性及びそのほか、具体的な施策について記載がありますので、参考までに載せさせていただきました。

42 ページから 44 ページにつきましては、精神障害の方に対する支援策として、今年度あるいは来年度より新たに始めたいと考えているものです。

42 ページは、精神科医療機関とハローワークの連携モデル事業の実施ということで、精神障害の方が、安心して就労できるようにするために、更に医療機関などとも、ハローワークが連携をして、医療情報を踏まえながら就労支援をしていくという体制を構築していきたいというものです。こちらは、今年度より始めていますが、平成 28 年度においては、 22 労働局が実施しましたが、来年度、平成 29 年度においては 38 労働局において実施したいということで、財政当局に要望中です。

43 ページですが、障害者雇用安定奨励金です。こちらにつきましては、「新」というのが幾つかあると思いますが、精神障害の方をはじめとしまして、障害者の方が、更に職場に定着しやすい環境を作っていきたいということで、助成金制度を新たに創設するものです。内訳を御覧いただきますと、例えば2、3番のように、いわゆる短時間労働の方が、更に長時間勤務ができるようにする、要は 20 時間未満だった方が 30 時間以上になるとか、 20 時間未満の方がフルタイムになる、あるいは3のように有期の方が無期転換するとか、正規転換するといったような、キャリアアップ的なものに対する支援も行われております。

 それと同時に、1にも書いていますが、柔軟な休暇取得とか、時間管理ということで、特に精神障害の方をはじめとしまして、疲れやすい方や、定期的な通院が必要という方も、様々な障害の方の中には多くございますので、そういったニーズも踏まえながら、通院等に配慮した休暇取得や、障害特性に配慮した勤務時間、休憩時間の設定などをする事業所に対しても、新たな助成措置を講じたいというものです。いわゆるフルタイム化、あるいは正規転換というようなものに加え、障害がある方の、いわゆる働く上でのニーズを踏まえた形での助成金制度を構築したいということで、こちらも本年新たに要望しているものです。

 最後に 44 ページですが、精神・発達障害者しごとサポーターの養成というものです。こちらにつきましては、これまでもジョブコーチですとか、障害者就業・生活支援センターなどによって、精神障害の方、あるいは発達障害の方が就職した場合の定着支援というものを、事業主の皆さんともセットで行ってきたわけです。そういったものに加えまして、やはり精神障害の方、発達障害の方が職場に定着するためには、職場全体の雰囲気づくりというものも必要だろうというもので、趣旨としましては、企業内において温かく精神障害の方であるとか、発達障害の方を見守って、陰ながらというか、支援するような応援者となるような、しごとサポーターを養成していくということを考えています。こちらについては、いわゆる管理職である方だけではなく、一般従業員、精神障害や発達障害の方と同じ職場に働いているような皆さんにも、取っていただくというようなことを想定しているもので、こちらも来年度からの事業で、新たに要望しています。私からの説明は以上となります。

○山川分科会長 はい、ありがとうございました。以上の説明を受けて御議論いただければと思いますが、お手元に本日御欠席の竹下委員からの意見書がお配りされていると思います。この意見書の趣旨について工藤代理から御説明いただけるでしょうか。

○工藤代理 ありがとうございます。今日、竹下会長が欠席ということで、代理で出席しております。私は日本盲人会連合で総合相談室長をしております工藤と申しますが、竹下会長名の意見書を配布させていただきましたので、概要を簡単に説明したいと思います。まず、前書きを結構長く書いていますが、一口で言うと、視覚障害者の雇用は依然として厳しいということです。その背景には、数が少ないということ、それから、今は、 ICT が開発されて、それを使うと確実に働き続けられるという現実はあるのですが、実際に訓練を受ける場所、人材・社会資源が非常に片寄っているというのが実態です。それを改善することで、特に中途視覚障害者が辞めないで働き続けられるようにしてほしいということ。そのためにはやはり特別対策のようなものが必要ではないかということです。そういう前提で、ここに 8 項目の意見をまとめてあります。

1 番目と 2 番目は、雇用納付金制度に基づく助成金に関して、雇用納付金がひっ迫しているということで、この 4 月に、例えば重度中途障害者職場適応助成金など、 4 つの助成金が、雇用保険二事業のほうに一括されて、障害者職場復帰支援助成金という形で新しく創設されております。これを見た印象では、これは視覚障害者にも使えるなという感じを受けておりますが、私たち視覚障害者にはなかなか正しい情報が入手できないということがありまして、その辺について視覚障害者にも理解できるような形で、一工夫してほしいと思っております。それから、雇用納付金から雇用保険二事業に転換、移行されたことについて、今までは事業主支援ということが中心だったのですが、失業の防止ということからすると、逆転の発想で、本人給付という考え方もあってもいいのではないかと思いますので、そういうことも検討していただけないだろうかという提案です。

3 つ目は、先ほどの説明の中にもありましたけれども、職業センターにおけるリワーク事業、これは非常に成果を上げていると思っております。たまたま視覚障害で困っていた人が、うつもあったため、このリワーク事業を使って、職場復帰できたという事例もあります。このリワーク事業の今まで培った大きな成果を基盤にして、ほかの障害にも拡大していくような枠組みを作っていただくことによって、更に施策が前進していくのではないかと思っております。

4 つ目は、視覚障害者に対する職業リハビリテーションについて、これは先ほど言ったように、限られた場所にしかありません。ということで、視覚障害については、全国を股に掛けて国立職業リハビリテーションセンターから派遣されて、移動して支援できるような仕組みが必要ではないかと提案しました。そういう仕組みがあることによって、数が少なくて点在している視覚障害者にとって、非常に効果的で、大きな隙間を埋めることになるのではないかと思います。同じように、地域職業センターにおける視覚障害に精通した職員も少ないと感じております。本当に視覚障害者に特化して支援できるジョブコーチが必要です。しかし、そういう方は非常に少ないので、国立障害者リハビリテーションセンター学院で、視覚障害者のリハビリテーションの専門職の養成をしておりますが、そこを修了した方を積極的に職業センターにも登用していただくことによって、そういう問題も改善していけるのではないかと思っています。

 それから、やはり障害の種類別、部位別のデータがなくては、本当のきめの細やかな障害者に特化した施策というのはできないだろうと思っております。そういう意味では、 6 1 調査、これは前から言われていることですが、障害の種類別、部位別の状況を公表できるようにしてほしいと思います。また、障害者就業・生活支援センターでも非常に相談支援の件数が増えておりますが、その中で視覚障害者はどうなのかということも、私たちにとっては是非知りたいというところです。

 それから、ニッポン一億総活躍プランが閣議決定されて、この中でモデル事業を労働局が実施するということになっております。それを見ると、やっぱり精神障害中心ということですが、視覚障害の場合、ロービジョンケア医療施設と、それから産業医、産業保健センターであるとか、そういう所とハローワーク等が連携した、職業センターであるとか、そういう所とハローワーク、職業センター等が連携した、視覚障害者のモデル事業を展開していただけないだろうかということです。

 最後のところは、これは公務員に対する支援です。どうしても公務員は民間と違って在職者訓練であるとかジョブコーチであるとか、そういう施策の対象外ということですので、併せて公務員の就労事例、合理的配慮事例を是非調査してほしいのと、公務員についても民間とほぼ同様の施策が受けられるようにしてほしいということです。以上、 8 項目にまとめさせていただきました。よろしく御検討いただければと思います。以上です。

○山川分科会長 ありがとうございました。御意見ということですので、こちらの意見書につきましては、事務局として今後しっかり受け止めていただければと思います。それでは、先ほどの事務局からの説明に関しまして、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。それでは、小出委員、まずお願いします。

○小出委員 育成会の小出です。 23 ページですが、福祉、教育、医療から雇用への移行推進事業で、ここ 5 年ほど教育、学校での状況でちょっと変わった点が出てきました。というのは、従来は特別支援学校の高等部から一般企業への就労ということもありましたけれども、実は特別支援学級、中学生の進路先ということで、ここ 5 年ほど新たな動きというので私どもが注目しているのが、特別支援学級から高校の資格がとれる学校に進学をするというような傾向です。要は通信制とか、そういう所へ特別支援学級の卒業生が行っていると。これは、全国的なことで文科省のほうからデータが公開されておりますけれども、日本全体の約 1 8,000 人ほどの卒業生のうち、 6,000 人が高校のほうへ行っていると、要は 30 %ということです。

 それから、もう 1 つ、ここの中で特徴的なことは、都道府県で一番多いパーセントを持ってる所が長野県で 66 %です。それから、一番少ない所が長崎県ですけども、 10 %ということで、私は静岡なのですけども、 14 %ということで下から 3 番目なのです。都道府県によって特別支援学級からの進路先というものが非常にばらついてると。その中には、私ども、療育手帳を持ってる子たちもおります。それで先ほど 4 5 年と言いましたけども、卒業生が出始めました。その卒業生の進学とか、一般企業へ就労という、これが難しいなという方々は、ハローワークへ相談に行きますけれども、そこで大きな問題が見つかったのですが、普通の高校、通信制もそうなのですけども、特別支援学校と大きく違うのは、実習がカリキュラムの中にないということです。ですから、社会性をつけるための訓練が高校 3 年間の間にされてない子たちが、今度はハローワークの窓口に来ているということです。定着支援のほうも、やはり実習というもの、トライアル雇用というものが非常に効果的だということが言われておりますので、その数値というものもちょっと考えていただいて、これは文科省との関係かも知れませんけれども、そういう問題が今発生しております。以上です。

○山川分科会長 ありがとうございました。今の話は、いわば情報提供と、あと、今後文科省との関係も含めた検討の御提案ということですか。

○小出委員 はい。

○山川分科会長 ありがとうございます。次に内田委員お願いいたします。

○内田委員 労働側の内田です。よろしくお願いいたします。私からは、資料の 5 ページ目に記載されております、ハローワークにおける障害者の職業紹介状況に関連して要望させていただきたいと思います。

 本年 5 月の国会の審議において、ハローワークの就職件数公表について、平成 28 年度のハローワークにおける障害者の職業紹介状況を公表する際には、就労継続支援 A 型事業所への就職件数を、その中に盛り込むとの政府答弁がなされました。この就労継続支援 A 型については近年利用者が増加しており、その中でも精神障害者の方の利用増が著しいと承知しております。 2018 年以降には、精神障害の方が法定雇用率の算定基礎に加わることを踏まえても、一般就労への就職状況を的確に把握、分析することは、極めて重要と考えています。 2016 年度のハローワーク就職件数の公表に当たっては、就労継続支援 A 型利用者数を障害種別ごとに公表していただければと思います。就労継続支援 A 型は障害福祉サービスでありながら、働く方は雇用契約のある労働者であり、労働関係法令が適用されます。職業安定行政としても、適正な運用がなされているか、指導を含め、しっかりと対応を図っていただきたいと思います。以上です。

○山川分科会長 ありがとうございました。今の点は御要望ということですが、尾崎課長、お願いします。

○尾崎障害者雇用対策課長 御質問について、一言御報告をいたします。平成 28 年度につきましては、先ほど委員からお話がありましたとおり、 A 型についてどのような形で公表していくか、今、検討しておりますが、何らかの形で適切に組み込んで公表していくことになるかと思いますので、もう少しお待ちいただければと思います。

○山川分科会長 それでは、検討の結果が出ましたら、また適宜お教えいただくということでよろしいでしょうか。では遠藤委員、お願いします。

○遠藤委員 先ほど小出委員から学校教育における実習経験を経ないで、実際に就職活動をしていかなければならないので、その際、トライアル雇用というのは大変有用である、有効であるというお話がありました。今回、資料 29 ページを拝見したのですが、平成 24 年度に、対象企業については障害者雇用のノウハウのない事業所に限定し、大幅に減少したことは見ての通り、数字から理解できます。その後、平成 26 年度からはノウハウや経験などの有無にかかわらず、全ての事業所に拡大したことによって、件数は増加に転じているということでした。企業のお声を聞いてまいりますと、現場の対応が必ずしも統一されていない。現状でも、障害者雇用のノウハウがないという基準で、対応が分かれているという声も、いまだに聞こえてくるところです。確かに上昇に転じているとはいえ、平成 23 年度の 1 1,000 に比べれば、まだまだ利用状況というのは少ないと見ております。

 一部に、トライアル雇用を経ないで、常用雇用に直ちに移行しているという解釈もあり得るのですが、私どもはそのようには聞いておりません。企業にとってみると、一旦、間口を狭められてしまったことに対する対応として、どうしてもためらってしまう、躊躇してしまう。また、弾かれるのではないだろうかということがあって、本来は申請したいのだけれども、申請できない状況にあると聞いております。情報提供です。

 それから、内田委員からお話がありました、福祉的就労から一般就労へ、これも大変重要な視点かと思っております。 39 ページを改めて見てみました。そもそも 20 %以上移行している事業所の割合が、年々上昇してきて大変喜ばしい結果ですが、この利用に関して、これは今後の展開ということでお尋ねしたいのですが、移行期間が標準として 2 年と書かれています。この 2 年というのを、もう少し柔軟にできないものかということです。例えば、利用している状況によっては、周りに就職機会が少ないといった特殊な事情も一方であるかと思っておりますので、統一的なルールは必要かもしれませんが、柔軟に考えていくことも、今後、必要ではないかと考えているところです。

3 点目ですが、今回頂きました資料で申し上げますと 30 ページです。特定求職者雇用開発助成金について、「障害者を雇い入れる場合」ということで、支給額、対象事業主、支給実績と書かれております。支給実績について、括弧書きで精神障害者の場合についての数字が書かれているわけですが、先ほど来御説明を頂いている、雇用者数の増大を踏まえると、この括弧の中にある精神障害者の実績は、少ないように思えます。背景あるいは運用上の解説があるのであれば、お伺いしたいというのが 3 点目です。

4 点目、最後になりますが、現在、就労の実態を見ますと、最大の課題は職場定着です。今回、いろいろと新たな施策も含めて講じられる、あるいは講じられようとしておりますが、就労定着支援、あるいは職場定着に向けてのチーム支援ということが、大変効果があるという形で紹介されております。チーム支援の対象になる方について、具体的に障害特性としての基準があれば、教えていただきたいと思います。

○山川分科会長 ありがとうございました。 1 点目と 2 点目は情報提供ですね。

○石田委員 大変申し訳ありません。途中で退出させていただきますので、発言させていただいてもいいですか。

○山川分科会長 では、遠藤委員へのお答えはまた後で事務局からお願いします。石田委員、お願いします。

○石田委員 石田です。よろしくお願いします。中小企業の代表という形になっていますが、雇用の状況を見ましても 1.48 と最低の基準で、なかなか厳しい状況といいますか、努力不足ということももちろんあるのでしょうけれども、そのように思います。

 その中で、厳しい雇用状況が出てくるという背景をもうちょっと理解して、いかにして取り組むかという支援のほうを充実する、その方策を取るほうが重要ではないかと思います。世田谷区の場合は非常に、過去にも申し上げましたが、支援センターの方々ともうまく連携し、ジョブコーチさん、支援学校、訓練学校が一緒になってやっているのです。だから障害者雇用に取り組みやすい状況なのですが、 23 区で世田谷区だけのように感じます。ですから、中小企業は1社で取り込んでいくというと、非常にハードルが上がる部分がありますので、努力不足と言われれば、そうかもしれないのですが、御支援を頂くような、知恵を頂くようなことをやっていただければ有り難いと思います。

 それから、先ほどの障害者雇用納付金制度の財政状況についてという文章を見ますと、実際はいろいろなことをやっているにもかかわらず、一見、納付金を納めればいいのだという誤解を招きかねないので、こういう言葉遣いがいいのかどうかというと、私は素人で分かりませんが、一般人の多い我々の業界では、なじみにくい表現かなと思いますので、意見という程度でお聞きいただければと思います。

 それから、今、数字を挙げて目標であるというのは非常に大事なのですが、やはり、もっと大事なことは、みんなで社会的に同じ方向にやっていくのだよという、雰囲気をつくる、そういうビジョンを掲げていくというようなことだと思うので、そういうビジョンと合わせて取り組む方法はないかと思います。世田谷の場合には、障害者が普通にいる街、世田谷区をやろうではないかと、そして、オリンピックのときには、 1 人でも 2 人でもアスリートの方たちに世田谷に来て、見ていただこうではないかというようなことを、今、目標に取り組んでいます。その結果生まれたのは、障害者と商店街の交流です。そういうことが生まれて、 2 月に今度はセミナーをやります。商店街の会長にも来てもらいます。そんなことをやっているのですが、そういう下支えが生まれるようなビジョンが、もっと伝わってくると良いのではないかと思います。

 中小企業の経営者にはハートがある人が多いですから、そのハートに訴え掛けるところがあると非常にやりやすいかなと思います。そんなことを、御報告を聞いて感じましたので、意見とお願いとして申し上げさせていただきます。

 本当に申し訳ないですが、外すことができない社用があり、ここで失礼させていただきます。よろしくお願いします。

○山川分科会長 ありがとうございました。御要望、それから好事例の紹介も含めて、御意見ということで承っておきたいと思います。

○石田委員 できれば、会議だけではなくて、皆さん方と交流・情報交換をしていくという形ができれば、非常にいいかなとも思います。失礼しました。

○山川分科会長 ありがとうございます。それでは、先ほどの遠藤委員の御発言で、 2 点は情報提供ないし御要望で、それから 1 点は確か御質問であったかと思いますが、事務局のほうでいかがでしょうか。

○高沢障害者雇用対策課長補佐 事務局です。先ほど御質問いただいた 2 点ですが、まず 1 点目の特定求職者雇用開発助成金、 30 ページの支給実績ですが、こちらは私どもの資料の作りが良くなかった点もあり、支給決定件数の 16 5,000 件というのは、障害者の方以外の数字も入っているものです。 12 万件もそうなのですが、念のため申し上げると、 16 5,000 件のうちの約 8 万件が障害者の方の就職です。身体障害の方がそのうちの 2 8,000 件で、知的障害の方が 2 3,000 件、精神障害の方が 2 8,000 件ということで、大体合計 8 万件というものです。念のため申し上げると、平成 23 年度は、障害の方が全部で 4 万件程度でしたが、当時は身体障害の方が 2 万件、知的障害の方が 1 4,000 件、精神障害の方が 6,700 件ということです。

 したがって、障害をお持ちの方の特開金の利用件数自体も倍増はしているわけですが、その中で精神障害の方は 4 倍増ということになっております。私どもの表の作りが良くなかった点がありましたので、その点は御質問に合わせて修正したいと思います。

 もう 1 点ですが、先ほどのチーム支援についての具体的な基準ということかと思います。基本的にはそれぞれの運用というところですが、考え方としては、ハローワークにお越しいただいた方のうち、関係機関との連携が必要な方というもので判断しております。

 ただ、一方で、例えば、精神障害者雇用トータルサポーターの対応している方の中に、いわゆる職業準備のできていない方がおります。そういう場合には、精神障害の方に関していえば、精神障害者雇用トータルサポーターが、まずは職業準備を行うのですが、そうした準備段階を経て、職業準備ができてきた段階で、関係機関が連携して就職支援を進められる段階になってきたという方に関して、チーム支援を行っていくという、そういったイメージで捉えていただければと思っております。以上です。

○山川分科会長 遠藤委員、何かありますか。

○遠藤委員 ありがとうございました。やはり伺ってまいりますと、マンパワーの確保ということもありますので、みんながみんなチーム支援の対象になり得るということは考えていないですが、企業の自助努力ではなかなか実現しない状況も、また一方で見えます。チーム支援だけにかかわらず、企業側としては、外部の公的機関との連携強化を、引き続きお願いしたく思っているところです。

○山川分科会長 ありがとうございました。それでは栗原委員、お願いします。

○栗原委員 遅参して申し訳ありません。もし御説明を受けていたら、大変申し訳ないと思いますが、この中の 17 ページの雇用納付金のところですが、単年度の収支が非常に良くなってきており、数字も良くなってきていることは喜ばしいことだと思います。

 しかしながら、その中で助成金がだんだん減っているのが気になるところです。助成金が減って、それで単年度の黒字の数字を増やしているのではないかというよう見方をしてしまいまして、大変これは申し訳ないのですが、多分、理由はおありなのではないかと思います。

 最近お聞きしますと、助成金を申請しても通らないというか、出てこない。もう無理だよという話が多いです。要は出るお金がないのだという話をよく聞くのです。ですから、そういう中において、今度、改善をしているのであれば、少しそちらのほうの見直しもしていただけるのかどうかということが 1 つです。

 先ほど来、福祉的な就労から一般就労へというお話がありました。それも 1 つなのですが、一般就労から福祉的な就労も、やはり 1 つ考えていかなければいけないのではないでしょうか。やはり障害を持たれた方は、体力が 40 代半ばぐらいからだんだん落ちてくる。体力が落ちてきて仕事が難しくなってくる。そのときに一遍に福祉に行くのではなく、ワンクッション置いて、先ほど言われたような A 型とか、そのような所へシフトできるように、うまくサポートができればと考えます。労働時間を 8 時間から 6 時間にするということで、もし企業に求めるのであれば、それに対する何かインセンティブみたいなものをお出しいただけないかと考えるのですが、その辺はいかがでしょうか。

○山川分科会長 ありがとうございます。それでは尾崎課長、お願いします。

○尾崎障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長です。 17 ページの部分について、助成金の額が少しずつ減少しております。これは平成 25 年以降、御案内のとおりだと思いますが、納付金の助成金を二事業の助成金に移しました。そのときに要件等の内容も多くのものを充実させていただいているということで、その効果がこの 17 ページの助成金の部分に表れているのではないかと思います。御意見、御指摘のところについては、今後、どのような方法ができるのか、また、私どものほうでも検討できるものは検討していきたいと思います。

 それから 2 番目の部分ですが、福祉から一般、一般から福祉への移行についての御要望だと思います。障害保健福祉の施策で、一般から福祉への移行について、手元にはないのですけれども、今年度からだと思いますが、新しい取組を進めていると聞いております。そういったことも紹介していきながら、御要望等には応えていければと思っておりますので、そういった点についての御紹介等も引き続きやらせていただければと思います。

○栗原委員 栗原です。今、私どもの全重協という重度障害者を雇用する企業の団体があるのですが、特例子会社の話を聞くと、障害者の方はある程度の年齢にいくと、かなり体力が落ちてきているというのです。といって一遍に福祉に出すわけにもいかないので、かなりお困りの企業さんも最近多く、特に長く雇用している企業ほど多いのです。ですから、その辺をもう少し悩まないで済むような、柔軟な移行ができる体制を取っていただければと思って、私どもの意見とさせていただきたいと思います。

○山川分科会長 ありがとうございました。それでは、先ほどの新しいスキームについて、もし機会がありましたら、御説明を頂ければと思います。ほかはいかがでしょうか。

○本條委員 質問が 2 つあります。第 1 点は 2 ページの障害者雇用の状況なのですが、非常に年々上がってきて嬉しく思っています。ただ、この数字ですが、障害者雇用率は 1.6 から 1.8 0.2 %上がっているにもかかわらず、例えば障害者雇用で言いますと、平成 4 年は平成 27 年度の半分ぐらいしかなっていないわけです。ですから、これは恐らく分母が大きくなった効果ではないかと思います。

 それで私の質問というのは、それにしても、この数字は労働者数といいますと 2,000 万人ぐらいにしかならないわけですから、本当のところ一体、労働者数はどのぐらいなのか、それを教えていただきたいと思います。これからこういう資料を出されるときは、雇用率適用のところだけではなくて、労働者数も明記すべきではないか。やはり、これからは、今まで雇用率の適用になっていないような所を開拓していくということも、非常に重要になってくるのではないかということから、御質問いたします。

 それから、先ほども遠藤委員から御質問がありましたけれども、就労移行支援のところ、 39 ページでしたか、移行率 20 %以上というグラフがありますが、この移行率 20 %というのは、標準期間 2 年以内に就労に移行したものなのか、あるいは 1 年で移行した人が 20 %なのか。もし 2 年であるとすると、 1 割しか移行していないという数になるのではないかと思いまして、ちょっと質問いたしました。

 それから、もう 1 点は提案なのですが、最後の精神・発達障害者しごとサポーター、これは私、非常にいい制度ではないかと評価いたします。それで何かバッジなどのグッズを進呈するそうですが、更に受講意欲、あるいは実際に支援していく意欲を喚起するためには、やはり受講修了証というようなものを発行するのも 1 つの手ではないかと思っております。これも非常に私は大事だと、是非、進めていただきたいという具合に思っております。以上です。

○山川分科会長 ありがとうございました。 1 点目の雇用率に関して、これは障害者労働者数という御趣旨・・・。

○本條委員 いえ、一般の労働者数ですね。

○山川分科会長 いわば分母といいますか。

○本條委員 恐らく分母が大きくなったから、上がってきていると思いますので。

○山川分科会長 今のは御要望でしょうか、それとも御質問ということでしょうか。

○本條委員 質問です。

○山川分科会長 分かりました。失礼しました。

○本條委員 全体的な労働者数ですけれども。

○高沢障害者雇用対策課長補佐 障害者雇用対策課の高沢です。手持ちで今は平成の当初の数字はありませんが、 20 年ほど前を御覧いただくと、障害者実雇用者数が 25 万人程度であったのが現状 45 万人ということで、約 1.8 倍増程度になっています。それに対して、実雇用率はそれほど上がっていないという御指摘なのか、それが分母の影響なのではないかということだと思うのですが、それについては恐らく分母が大きくなっているからというよりは、分母は多少は大きくなっていますが、分母の増え方よりも、むしろ分子の増え方が大きいというのが実状だと思います。

○本條委員 ええ、もちろんそうです。

○高沢障害者雇用対策課長補佐 数字に関しては、また何かあれば、今後お示ししたいと思います。

○本條委員 いや、ものすごく努力していただいているのはよく分かっていて、評価しているのですが、ただ、更に進めるためには、 50 人以下の企業の方などの御協力を頂くということが大事になってくるのではないか。そのためには、まず実態を把握して、雇用保険も入っていないような所にも、実態としてどのぐらいの企業に何人ぐらいを雇用していただいているかと。

○高沢障害者雇用対策課長補佐 分かりました。 6 1 報告自体は雇用義務等と連動している調査でもありますので、その点は、御指摘でおっしゃっている意味は、分かりました。改めて御相談したいと思います。要するに、雇用義務対象以外についてもということですよね。

○本條委員 そうです。

○高沢障害者雇用対策課長補佐 分かりました。

○山川分科会長 よろしいでしょうか。

○尾崎障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長です。 2 点目の御質問の部分、移行率については、ちょっと手元にありませんので、担当に確認して、追ってまた委員の方にお返ししたいと思います。

○山川分科会長  3 点目は御要望ということでしたけれども、サポーターについて受講した場合の修了証書をというようなお話だったと思いますが、現状はどのようになっているのでしょうか。受講の結果など、何か書面などをお渡しすることはされているのでしょうか。

○尾崎障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長です。しごとサポーターの件だと思いますが、この図にありますとおり、 2 時間受講いただき、それでグッズをお送りします。そのグッズをパソコンだとか、あるいは机の上に置いて、外からも自分はサポーターだと分かるようにしていただければと思います。まだ、この事業自体は平成 29 年度からということですので、今後しっかりと、このサポーターが根付くように、頑張っていきたいと思います。

○本條委員 ありがとうございました。

○山川分科会長 それでは、高松委員お願いします。

○高松委員  UA ゼンセンの高松です。遅れまして大変失礼いたしました。また、所属が今回から変わりましたが、よろしくお願いいたします。 2 つほどあります。 1 つ目は先ほど、最初に竹下委員の意見書について代理の方が御披露されましたが、その中の、いわゆる視覚に限らず中途障害者になられた方についてです。職業安定局の管轄ではありませんが、本年 3 月に「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」が労働基準局から公表されたわけですが、今後の課題として、中途障害者の方に対して、どのような対応をしていけるかということが、このガイドラインにも記載されております。そういう意味では、今後の支援策等について助成金等を含めて何らかの対応が可能なのかどうか、御検討いただければ有り難いというのが 1 つです。

 それから、 2 つ目ですが、トライアル雇用を含め、就業について前向きな取組をしていただいております。これについては私も非常に評価しております。また 4 月の障害者差別の禁止、合理的配慮の提供義務化については、私どもの所属する企業の中でも、大変前向きに取り組んでいただいている状況にもあります。

 ただ、障害者雇用促進法の大きなテーマですが、職業生活の自立支援、あるいは待遇、処遇の確保ということになりますと、やはり賃金、処遇というものが、かなり大きく関わってくるのではないかと思っております。そういう意味では、改めて公表することではありませんが、まだまだ、特に精神障害や知的障害の方を中心に、一般就労とは格差がある現状ですので、自立をした生活を営めるということでは、まだまだ我々労働側も含めて努力していく必要があると思っております。

 そういう中で御質問なのですが、トライアル就労の中で、常用雇用に変わっていく中で、どのように賃金、処遇が改善していっているかというような調査が今後できるのか。できるのであれば、今、やっていらっしゃらなければ今後ということで結構なのですが、それが 1 つです。

 あとは、先ほど遠藤委員からも出たと思いますが、 38 ページの支援センターにおける利用者支援の実施状況の中で、職場定着とか、あるいは本人の生活面など、これは処遇というものも多分に絡んでくると思いますので、相談が来た中身として、どのような内容が多かったのか、調査されて御披露いただける機会があれば、我々も今後の対応の参考になると思っております。是非その辺についてお考えがあれば、お聞かせ願いたいと思います。以上です。

○山川分科会長 ありがとうございます。それでは、御要望と、 2 点目は御質問が含まれていたと思いますが、尾崎課長、よろしいですか。

○尾崎障害者雇用対策課長 御要望については検討します。一般就労に移ったときの処遇の改善、それから、 38 ページの職場定着の部分等について、ちょっと確認して、その内容をまた分科会長と御相談したいと思います。また、御連絡できるものはお伝えしたいと思います。

○山川分科会長 よろしいでしょうか。あとは公益の先生方から、では、菊池委員、お願いします。

○菊池委員 帝京平成大学の菊池です。資料の 39 ページ、 40 ページ、平成 30 年度から就労定着に向けた新たなサービスを創設ということですが、これは特に精神障害の方の就業率を上げて、その就職、就労を支援するというときには、精神障害の障害特性から見ても、定着というのは非常に問題だと思うのです。

 そこを支援するために、就労継続のためのサービスを創設することは大変すばらしいことだと思うのですが、その 40 ページ、まだ平成 30 年度からの案ということだと思いますが、そこを拝見すると、例えば、生活上の支援ニーズのところが、遅刻、欠勤の増加、自身の業務中の居眠り、身だしなみの乱れ、薬の飲み忘れと、もちろんそういうことは具体的なのだと思いますが、それに対して就労定着支援事業所を、これは新たにそういったことを支援する事業所を作るということなのですか。そういう事業所を新たに作るというよりも、例えば、精神障害であれば病院との連携をもっと密にして、その病院に対してそういった役割を、一定程度、付与するみたいなことのほうが、実が上がるのではないかと思うのですが、その辺のところはいかがでしょうか。

○山川分科会長 それでは、就労定着支援事業所の意味について、お願いします。

○尾崎障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長です。 40 ページですが、この趣旨を改めて御説明したいと思います。病院との連携等は正に委員の御指摘のとおりであり、ハローワークと医療機関との連携であるとか、障害者就業・生活支援センターにおける連携などをしっかりと今後とも取っていきたいということです。

40 ページの趣旨については、障害者総合支援法において、特に生活面での支援が必要な方についての新しい選択肢を用意するという趣旨です。これまで福祉なり、あるいは学校なり、そこから一般就労といったときには、これまで就業移行支援事業所だとか、あるいは医療機関に入っていた方などが一般就労に移ったときには、障害者就業・生活支援センターが、生活面と就業面の相談支援の両方をしっかり対応するということになっておりました。

 ところが、障害者の方にとっては、例えば、就労移行支援事業所でお世話になっていた方が、その後一般就労に移ったときにそこに切れてしまう。障害者就業・生活支援センターに相談支援を移っていただくというよりも、もともとお世話になっていた就労移行支援事業所で、引き続き生活面については対応していくことが望ましいのではないかというような御指摘がありました。障害者の方々にとって、今後、一般就労に移ったときには、スッパリと障害者就業・生活支援センターでいくという選択もできますし、今までお世話になっていた就労移行支援事業所にお世話になることもできるなど、選択肢を広げようという趣旨で、平成 30 年度からの事業を進めていくということです。

 ですので、障害者の方にとって何か就労支援に関して制限が加わるとかいうことではなくて、むしろ生活支援の面での選択肢が広がるということです。就業支援については引き続き、今まで同様、就業・生活支援センターでやることになっておりますので、そういう意味で生活支援の面での選択肢が増えるということですので、障害者の方にとっては、より対応しやすくなるのではないかと思います。委員が御指摘の病院との連携、あるいは医療機関との連携は、この事業とはまた別に、しっかりと対応していこうと思っております。

○菊池委員 分かりました。ありがとうございます。

○山川分科会長 それでは松爲委員、お願いします。

○松爲委員 分科会でこういった話をして、適切かどうか分かりませんが、先ほどの各員のお話から問題となることは、労働分野の範囲だけでは課題が収束されないということではないでしょうか。ですから、この委員会では労働分野だけで話をしていくべきか、あるいは、例えば福祉分野の人たちにも要望するような内容を、審議会の論議として含んでいいものなのかを確認しておきたいと思います。

 平成 30 年度から障害者雇用率は上がるなかで、私が聞いているところでは、就労支援センターや障害者訓練校では企業からの求人がすごく多いということでした。ですが、それに応えられるだけの人材が、移行支援事業所や就労継続事業所から流れてこないということでした。総合支援法の制定に際して福祉から雇用への流れが強調されているにもかかわらず、実質的にどこまで流れているかどうかが問題になってきます。実際にも、自立支援法が施行されてから移行支援事業所や就労継続事業所の利用者は何倍にも膨れ上がって来ています。福祉から雇用への流れが強調されてきている中で、こうした状況は変な現象だと言えます。

 つまり、企業を含む労働側は障害者雇用率の達成を含めて一生懸命な準備していますが、肝心の福祉分野において、雇用可能な人材がこれまで以上に労働分野に流れるような体制を十分に構築するべきではないかといった指摘をしておきたいと思うのです。

 福祉分野において、障害があっても雇用の可能性のある人材を、移行支援事業や就労継続事業所の人たちはもっと積極的に送りだしてくださいと、そのためには労働分野からも提案させて頂きます、といったことをこの審議会で議論することも必要ではと思います。

○山川分科会長 ありがとうございました。時間の点ですが、議事次第では 18 15 分までと書いてありますが、非常に有益な御議論を頂いていますので、少し御都合が許す限り延長させていただければと思います。申し訳ありません。

 今の御意見については、先ほどの小出委員の教育との関係もありますし、教育と福祉、それから地方と国の関係といいますか、自治体の役割にも関わる基本的な問題提起だと考えます。この分科会の所管事項は正に障害者雇用ですが、そういった委員の皆様方の問題意識について、どのように対応するかについては、検討の余地はあるかと思いますが、事務局として何かありますか。

○尾崎障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長です。私どもも同じ省の中で、障害福祉あるいは障害保健の担当と常日頃、連絡を取りながら対応しております。その連携をしっかり引き続き行う、更に密にしていくことが必要だろうと思いますし、本日、御指摘いただいた点についても、私どもだけではなくて、担当の部局ともよくよく連携をしながら、また対応していくということで。確かに審議会としての所掌は労働政策ということですが、様々な御指摘の部分について、私どもとしても連携を取りながら適切に対応していくということで行っていきたいと思います。

○山川分科会長 今の点、御検討も含めてよろしくお願いいたします。松爲委員、いかがですか。

○松爲委員 よろしくお願いします。

○小出委員 菊池先生と松爲先生に関連することですが、私は、是非、これを言ってきてほしいと言われているものです。 35 ページのリワーク支援、この中の中段に 2 として「本人と事業主双方への支援」と書いてあります。実はリワークですが、特に発達障害、精神障害の方ですが、良いときと悪いときの、山、谷が非常に大きいということで、悪いときにこのように休職して、クールダウンの時間を取る。これは医療だけではなくて、先ほど申しました福祉の就労移行支援を行っている事業所、そこへそのクールダウンの間、ある一定期間行って、そこでクールダウンして、また同じ職場に戻ると、そういうことを行っているのですが、そこの事業所にクールダウンの間に来ても、お金にならないということです。制度的にないということがあり、そこをちゃんと制度の中につくっていただければ、この機能は非常に福祉のほうとの連携もできるのではないかということで言われてきました。その辺の方針をお願いしたいと思います。

○山川分科会長 今の点は、制度として枠組み化する御要望かと思いますが、今すぐお答えということは難しいかと思いますが、それではこちらも受け止めて御検討いただければと思います。

○駒井委員 労働側の駒井です。私からはジョブコーチについて 2 点ほど教えていただきたいと思います。 33 ページにありますが、ジョブコーチ、こういう方が職場にいると、障害のある方も事業所の方も安心かと思います。ジョブコーチの養成・研修を行っているのが JEED という組織だということで、私もホームページを見させていただいていますが、そこで年間何人受講されて修了しているのか、もし分かれば教えていただきたいと思います。

 もう 1 点が、 34 ページにジョブコーチによる支援の実施状況の表があります。これで平成 23 年から 27 年度は増えているということではありますが、訪問型のジョブコーチ単独による支援件数が減っている。 4 年たって平成 23 年から 27 年度にかけて 75 件の支援件数だということで、これが多いのか少ないのか、私は少ないのかなと思いますので、この辺の見解がありましたらお願いいたしたいと思います。

○山川分科会長 田中地域就労支援室長、お願いします。

○田中地域就労支援室長 ただいま御質問いただきましたジョブコーチの JEED における養成人数ですが、平成 27 年度においては、訪問型ジョブコーチと企業型を合わせまして 241 人になっておりますが、実はジョブコーチの養成については、 JEED に加えて民間の機関、厚生労働大臣が指定した研修の実施機関が 6 機関あり、そちらでも研修を実施しています。そちらの数と JEED の数を合わせますと、全体で平成 27 年度は 812 人を養成しています。この数については、年々増加しているところでして、訪問型ジョブコーチ、企業在籍型ジョブコーチの養成研修を受けたいというニーズに合わせ、しっかり実施してまいりたいと考えております。

 訪問型ジョブコーチの実績の関係ですが、総論といたしましては、障害者の定着支援については今日もいろいろと施策を御紹介させていただいておりますが、ジョブコーチももちろんですが、ハローワークにおいて、精神障害者については雇用トータルサポーター、また、障害者就業・生活支援センターが全国に 329 か所あるということで、全体としては定着支援は増加傾向にあるかと思っています。訪問型ジョブコーチの支援ということでは、実は平成 27 年度から障害者就業・生活支援センターにおいて、経験豊富なジョブコーチを全国で配置したことにより、単年度で見ますと、訪問型ジョブコーチの支援を実施する者が減少したような数字になっているのですが、実際には障害者就業・生活支援センターで経験豊富なジョブコーチが支援をしているということになっております。

 平成 27 年度に、納付金制度から雇用保険二事業へ、ジョブコーチに係る助成金制度が変更になったこともあり、法人にも助成金に関しての周知をもう少し十分にする必要があるかというふうにも考えておりますので、その辺りも今後しっかり周知もして、必要なものについては助成金を申請していただくというふうにしていきたいと考えています。

○駒井委員 ありがとうございました。少し古いのですが、 JEED のホームページに、 JEED で出している月間『働く広場』で 2013 3 月に公表した「ジョブコーチ支援制度の現状と課題に関する調査研究」が載っていました。その中で記載されていた、ジョブコーチの環境整備とか、特に訪問型のジョブコーチが少なくなっているという表を見て、そうかと思ったのですが、環境整備が必要なのではないかということが、この調査研究の中に書いてあったのです。ジョブコーチの処遇改善とか、そういった対応についても考慮が必要なのではないかというところを御意見させていただきました。以上です。

○山川分科会長 御意見ということで受け止めていただきたいと思います。

○遠藤委員 本日、使用者委員から障害者雇用の実態について幾つか指摘がありましたように、現状を見てまいりますと、職場定着、高齢化への対応ということで課題が山積いたしております。

 また、御紹介資料の中にもありましたように、精神障害者の方が増大しており、企業現場では個別対応の難しさも指摘されているところです。取り分け精神障害者の方については、障害特性が多様であることと、先ほど御指摘がありましたように、症状がなかなか安定しない傾向もあるようです。そうなりますと、企業現場の中で務めてもらう仕事はどこまでならば可能だろうか、そういう見極めを企業側ですることになり限界があります。

 こういう課題が幾つもまだまだ残っている状況下で、 2013 4 月から法定雇用率が 1.8 %から 2.0 %に引き上げられたわけです。 2.0 %の達成に向けて真摯に前向きに取り組んでいる現状ですが、規模計では 50 %を超えていない実態もあります。 2018 4 月以降に向けての法定雇用率の在り方という議論も、いずれこの審議会ですることになるかと思うのですが、法定雇用率の見直しに際しては、 2013 年の法律改正のときに盛り込まれた附則の趣旨を踏まえる形で、激変緩和措置を講じていただくよう、御理解を賜ればと思っているところです。

 併せて 2 つ目ですが、納付金財政については、栗原委員から御指摘がありましたように、これは健全化に向けて抜本的な見直しが必要になってくると思います。抜本的な見直しの意味合いですが、本来、納付金を基にした助成金は、職場環境の整備に効果を上げてきました。二事業に移ることによって支給要件が変わった、難しくなったといった声も聞こえてくるところですので、改めて財政を立て直し、納付金の枠組みで助成金の拡充についても、御議論をさせていただければと思っているところです。

○山川分科会長 ありがとうございます。今後の議論を進めるに当たっての御意見ということで、承ることにさせていただければと思います。

○高松委員  UA ゼンセンの高松です。今、遠藤委員がお話になった 1 点目については、当然、不足の部分を考えながら取り組むのは、労働側も同じ考えですので、それについては労働側としてはしかと承りました。

2 つ目の件については、御承知のように、先ほど課長からも御披露がありましたが、財政が少しひっ迫したときに、二事業に幾つかの項目を移させていただいて、その後 100 人基準になったりとか、いろいろなことがあり、財政的には今、ゆとりがあって、ゆとりと言っては失礼かもしれませんが、できてきたということです。我々は見識がないものですから、二事業に移ったことによって厳しくなったとか、受給がしづらくなったというお話が先ほどもあったのですが、是非、どういう実態かを教えていただいて、今後、それを判断材料として論議していきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。以上です。

○山川分科会長 ありがとうございました。今の話も今後の議論の進め方に当たっての御意見ということでよろしいですか。

○工藤代理 少し議論を戻してしまう感じになりますが、先ほど松爲委員と小出委員のお話を聞いて思ったことですが、就労移行支援事業についてです。これも視覚障害者には社会資源がないが故の問題ですが、在職者である人、会社に籍がある人が雇用継続のために、要するに失業しないために、福祉の枠組みである就労移行支援で訓練を受けたいが、それが自治体によって認めてくれる所と認めてくれない所があること。結局、それは自治体の裁量であり、そうかといって、本省からそれは行うべきだと、行いなさいということは指示できない。

 でも、先ほどのところで、雇用保険二事業に移ったことで提案した、本人給付とか、そういう形を活用すると、もし、できないのであれば、その分を自己負担なり、会社から負担するなり、そういう形も可能になるわけです。就労移行支援事業について、さまざまな問題もあるし課題もあるので、もう少し制度全体を一緒に議論する中で、両方うまく工夫することで、今まで狭間にあったところが救済されるとか、そういうこともあるのではないかと感じました。そういう実態があることを御理解いただければと思います。以上です。

○山川分科会長 ありがとうございました。今のお話は、先ほどの意見書にも関連する御意見ということで承りたいと思います。

○遠藤委員 発言の回数が多くなって申し訳ありません。ただ今、工藤代理のお話を伺っていて、障害を持っている方が継続雇用をする上で、本人が頑張り過ぎてしまうということがあります。本人が頑張り過ぎてしまうところを、どうやって抑えてあげるか、例えば、お話があったように福祉の場を使うことも 1 つでしょうし、所定労働時間を短くしていくのも、実際の対応としてもあり得ると思います。もちろん所定労働時間がどの区分に入るかによってカウントの問題が出てきますので、簡単ではないことは理解しているのですが、当該障害者の方が休職したりあるいは離職してしまうことを、未然に防ぐという意味合いで、柔軟な対応をしていくことは、今後の視点として十分組み込んでおく必要があると思います。

 過去にあった議論で申し上げさせていただきますと、今回の説明資料の中で障害者のトライアル雇用について 2 種類紹介されており、 28 ページです。短時間トライアル雇用ということで、発射台は比較的入りやすいところであったとしても、一定期間後には 20 時間以上を目指すものです。これは一旦階段を上ってしまいますと、階段を下りることができないのです。長く働ける状況があって一時的に短い状況になったとしても、一定期間後に 20 時間ということであれば、目的を達しているのですが、一旦階段を下りてしまったら駄目だということです。お話を伺っていて、柔軟な対応が 1 つのキーワードになると思って発言させていただきました。

○山川分科会長 ありがとうございました。今のお話は、柔軟な対応と奨励金の支給とを結び付けて考えてはいかがかという御提案という感じでしょうか。

○本條委員 菊池先生から医療とかそういう連携が大事であるというお話がありましたが、私も全くそのとおりだと思うのですが、一言、皆さん方が思っておられるのとは私は違うところがあるのではないかと。今までの障害者施策というのは、階段を上るように段々健常者に近付けていくことが中心であったと思うのですが、精神障害の場合はどんどん変化していく、そこが障害の特徴でありますから、粗っぽい言い方ですが、むしろ、まず就労させてみて、援助付きで働いていただく。 IPS モデルと言われていますが、 I はインディビジュアル、個別的に、 P はプレースメント、まず就職させて、アンド・サポート、支援していくと。それによって定着率、反面を言えば離職率が少なくなる。それ以外に、病状が安定していくという、医療面でも大きな効果を上げているということがありますので、何らかの工夫が要るとは思いますが、そういう面で考えていただくというようにする。ですから、訓練して支援が必要でなくなったという状態で就職させるのではなくて、支援は必要であるけれども、まず就職させてみるという視点が必要ではないかと、こう思います。皆さん方の御意見を否定しているわけではありません。

○山川分科会長 ありがとうございました。御意見ということで承らせていただければと思います。

 ほかはいかがですか。よろしいですか。大変熱心な御議論を頂きました。ほかに御意見、御質問がないようであれば、本日の障害者雇用分科会は終了とさせていただきます。非常に有益な御議論を頂きましたので、今後、議論を進めていくに当たって、これを活かす形で受け止めていただければと思います。

 そこで、今後、議論を進めていく際の助けとするために、本日、皆様方から頂きました御意見について、事務局に整理をしていただいて、次回の分科会で提示していただくという進め方にしてはいかがかと思っておりますが、それでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本日の御意見を整理した上で、次回の分科会で御提示いただければと思います。次回の日程等について、事務局から説明をお願いします。

○高沢障害者雇用対策課長補佐 事務局です。次回の日程については、現在、未定です。よろしくお願いいたします。

○山川分科会長 本日の分科会はこれで終了いたします。議事録の署名ですが、労働者代表は内田委員、使用者代表は遠藤委員、障害者代表は小出委員にお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、本日は散会いたします。お忙しい中大変ありがとうございました。


(了)

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