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2017年2月16日 第2回全国在宅医療会議ワーキンググループ

医政局

○日時

平成29年2月16日(木)16:00〜18:00


○場所

全国都市会館 第2会議室


○議事

○桑木室長補佐 定刻になりましたので、ただいまから第2回「全国在宅医療会議ワーキンググループ」を開催いたします。

 皆様、お忙しい中御参集いただき、ありがとうございます。

 本日は、川越構成員、辻構成員、飯島構成員から欠席の御連絡をいただいております。

 また、本日はいしが在宅ケアクリニックの院長である石賀丈士氏、オレンジホームケアクリニックの院長である紅谷浩之氏を参考人としてお呼びしております。

 また、私どもの佐々木地域医療計画課長は別の公務のために欠席となります。

 議事に入ります前に、お手元の資料を確認させていただきます。

 議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1から5まで、参考資料1から3までをお配りしております。不足がございましたらお知らせください。

 もし、報道の方で冒頭カメラ撮り等されている方がおられましたら、ここまででお願いいたします。

 それでは、以降の議事進行を新田座長にお願いいたします。

新田座長 皆さん、こんにちは。

 それでは、議事に入らせていただく前に、団体を代表して参加していただいています構成員の方が欠席の際には、かわりに出席される方について、事前に事務局を通じて座長の了解を得ること、及び、当日の会合において承認を得ることにより、参考人として参加し、発言していただくことを認めることとしております。

 本日の会議につきましては、欠席の飯島構成員の代理として日本老年医学会の三浦久幸参考人の代理出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○新田座長 よろしくお願いいたします。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 事務局の資料と、それに関連する参考人提出資料に基づいて議論を行います。前回もそうでございましたが、一つ一つの資料というよりは、さまざまな議論があると思いますので、最初に全て知り説明等が終わってから議事に入りたいと思います。

 それでは、伯野室長、よろしくお願いいたします。

伯野在宅医療推進室長 それでは、事務局のほうから、資料1、資料2について御説明させていただきたいと思います。

 まず、資料1をごらんください。「さらにご議論いただきたい論点」というペーパーです。

 前回、重点分野につきまして、さまざまな御意見をいただきましたので、前回の主な御意見と、さらに御議論いただきたい内容を整理しております。

 下のほうの「前回の主な意見」をごらんいただきまして、まず1点目ですが、在宅医療は入院や外来医療との対立構造ではなく、入院から在宅医療へ行ったり、あるいは在宅から時々入院したりという一連の流れであって、対立構造ではないという御指摘をいただきました。

 2点目ですが、エビデンスを出していく上では、国民が主体的に医療を選択できるような情報提供が重要で、療養中に患者がたどって行くプロセスに関するデータ、あるいは家が回復環境として機能する条件などに関するデータを集めていくべきではないかという御意見。

 3点目ですが、研究者は現場が使いやすいような研究をしていくことが重要で、現場から症例データを集めることができるようなプラットホームの検討が必要という御意見。

 4点目ですが、普及啓発の観点で、国民にどういうことを理解してもらわなくてはいけないかということを記載する必要があるという御意見。

 最後ですが、医師の行動を変えていくようなエビデンスも多く必要で、そうしたエビデンスの収集によって在宅医療の標準化のようなものができる。それを集めていくのは学術団体がやっていくべきであるという御指摘をいただいております。

 こうした御意見を踏まえまして、上のにございますとおり、重点分野の達成に対して、それぞれの関係者が果たすべき役割や連携・協力について、どのような内容が考えられるかとしております。

 続いて、資料2をごらんください。

 事務局で整理をしました「重点分野」(たたき台案)です。

 まず構成ですが、1に重点分野を記載しております。前回御提示させていただいたとおり、大きく2つ、(1)としてエビデンスの蓄積と、(2)として医療連携、普及啓発モデルの蓄積というものを掲げております。

 2ポツ目に、関係者ごとの大まかな役割や連携・協力について記載をしておりまして、裏面の一番下でございますが、3ポツ目、まだ白紙でございますが、それぞれの団体が具体的な重点分野に対してどのような取り組みを行っていくのかということを記載していただくということにしたいと思っております。

 1ページに戻っていただきまして、1の重点分野をごらんいただければと思います。先ほど申し上げましたとおり、重点分野はエビデンスの蓄積と医療連携、普及啓発モデルの蓄積としております。

 まず、(1)のエビデンスの蓄積ですが、在宅医療は、入院医療や外来医療と相互に補完しながら生活を支える医療であり、こうした前提のもと、国民が在宅医療の長所や短所を理解し、医療の選択肢の一つとして、みずから主体的に考えて選択できるような環境を整備することが重要であり、このため、国民の主体的な選択に資するような情報を、客観的なデータに基づき示していくために、例えば次のような研究を重点的に推進していくとしております。

 その具体的な例示でございますが、1点目、病気の治療や進行など、患者がどのような経過をたどっていくのかといったプロセスに関する研究。

 2つ目ですが、在宅に戻ると食事が食べられるようになるといったケースがあり、そういったケースになるのは一定の環境条件があるのではないかということも指摘されておりまして、そういった環境条件は何かといったことに関する研究。

 3つ目ですが、どちらかというと提供者側の観点ですが、在宅医療の有効性や標準化に関する研究でございます。

 もう一つの重点分野ですが、(2)医療連携、普及啓発モデルの蓄積です。

 これまでの御意見で、国民に対して在宅医療のメリットなどを普及啓発するといってもなかなか提供体制を整備していなければ、国民が安心して在宅医療を選択できないという御意見もございましたので、そういう意味でも在宅医療の提供体制を着実に整備していくことが重要ですので、自治体や関係団体の体制構築に資するような医療機関間の連携モデルや構築に至るプロセス等を整理、収集するとしております。また、わかりやすい普及啓発を実施するため、地域の取り組み事例についても整理、収集するとさせていただいております。

 次に、2の関係者の役割及び連携・協力についてです。

 まず、(1)の学会の役割ですが、研究成果の現状を常に整理し、課題や取り組むべき研究を明確化することなど、調整役としての機能を発揮していくこと。また、エビデンスに基づいて、在宅医療の手法を標準化して、医療従事者への教育・研修につなげていくことも必要としております。

 次に、(2)の研究機関の役割ですが、当然、研究機関は率先して研究を実施すること。また、研究を実施する際には、計画段階から関係団体と緊密に連携を図って、現場のコンセンサスが得られるような研究となるような研究を進めること。次のページですが、特に、中心的な役割を果たす研究機関、ここでは長寿医療研究センターや東大を想定しておりますが、こうした研究機関においては、研究成果を集約し例えばホームページなどで関係者に情報を発信できるプラットホームを構築していくようなことが求められるとしております。

 (3)の関係団体の役割ですが、日本医師会を初めとする関係団体は、特に積極的な役割が求められておりまして、行政と車の両輪として、在宅医療提供体制の構築に取り組んでいく必要があるとさせていただいております。また、研究に必要なデータの集積に協力すること、教育、研修の充実を図って、エビデンスに基づく医療が実践される環境整備に努めていくことが求められる。さらに、会員や地方組織の理解の醸成に努めることも必要としております。

 (4)の行政の役割です。まず、厚生労働省ですが、自ら国民に対する普及啓発を実践すること。自治体に対してはエビデンスや好事例を整理して、わかりやすく伝えていくこと。都道府県、市町村においては、地域の実情に応じた多様なアプローチによる普及啓発を実践することが求められるとしております。また、都道府県と市町村ですが、医師会等と積極的な連携・協力のもと、医療計画や在宅医療・介護連携推進事業を通じて、在宅医療の提供体制を整備していくこと。その際、厚生労働省は自治体職員への研修の実施やデータの収集等によって支援を充実させていくことを記載しております。

 最後に、(5)の国民の役割です。在宅医療に関して主体的に選択が行われるよう、行政を初めとした関係者が提供する情報に積極的に触れ、理解を深めるよう努めることが必要としております。

 本日は、ただいま御説明させていただいた1、2について主に御協議いただいて、おおむね御了解をいただけましたら、こうした重点分野に関してそれぞれの関係団体がどのような取り組みを行っているのか、また、今後行っていただけるのかということを、3の具体的な取り組みとして、次回可能な範囲で、厚労省で取りまとめていきたいと考えております。

 以上でございます。

○新田座長 ありがとうございました。

 前回の議論を経て、今、事務局でたたき台案としてまとめていただいたのが、ここに今提示されています。

 これは後ほど皆様と議論をして、3の課題等も含めて話していければと思っております。

 それでは、参考人の説明から始めたいと思います。

 まず、石賀参考人より、資料説明をよろしくお願いいたします。

○石賀参考人 石賀です。よろしくお願いいたします。

 地方ではなかなか在宅医療が普及しないため、四日市がそのモデルとなる形をつくっていきたいと思いまして、活動を行っています。

 具体的には、医師会のかかりつけ医と我々在宅医がすみ分けと連動をすることによって、少ない在宅医でも在宅看取り率を押し上げていくことができるのではないかと考えております。

 当初の目的は、まず、施設と自宅で3割の看取りを達成することでした。我々は7年半かかったのですが、今はほぼ達成できている状態です。今後の目標は第2段階としまして、自宅で3割の看取りを行ってくということを目指しています。それが四日市で可能であれば、10万人以上の都市であれば、どこでも同じようなモデルで広げていけるのではないかと考えています。

 「多死時代を迎えて」という図でいきますと、10年ぐらいではなかなか難しいですけれども、3倍ぐらいに在宅看取り数を上げていかなければ、なかなか立ち行きません。しかし現在、100名以上をみとるクリニックが5060しかないと認識しておりますが、ここを100名以上をみとるクリニックだけでカバーしようと思うと3,000カ所以上要ると、とんでもないことになります。ですからやはり医師会の先生方、かかりつけ医の先生方と連動して動いていかないといけないと考えております。

 次のページですが、私もここを強くいつも言っているのですが、やはり一次、二次、三次とうまくすみ分けを行って、「三次在宅」つまり、医者4名単位で動くようなところが100名以上の看取りを担っていかないといけないと考えております。あとは強化型のところは年間看取り20名以上をなるべく目標として頑張っていただく。かかりつけ医もかかりつけ医の責任として5名以上はみとっていただくようなことを、それぞれが自覚を持って動いていかないと、なかなか看取りや高齢者問題は解決しないのではないかと考えております。

 我々のところは、たまに大雪が降りまして、この写真の通りですが、先日私も11時間も雪かきしました。このような大雪の状態で往診車が出られなくなるほどの田舎でやっておりますので、ここでモデルがつくれれば、全国どこでもできるのではないかと考えております。

 そして、四日市市の概要ですが、人口は31万人いまして、我々は北中部20万人プラス周辺市町村10万人をカバーしています。

 訪問診療を行っている診療所もだんだんふえてきまして、細々でもやっているところを入れると62カ所あります。

 訪問看護ステーションは我々が7年半前に当院を開設した当時は、10カ所程度だったのが、現在29カ所まで一気にふえておりまして、在宅医が連携して仕事を出せば、訪問看護ステーションはどんどんふえることは実証されております。

 現在、在宅と施設での看取りが約3割まで押し上がっております。これは我々も目標としていた、病院、急性期病院の負担を軽減して医療費を下げていくということを目標に置いておりますので、病院看取りが67%まで下がっているということを考えれば、医療費削減につながっているのではないかと考えております。

 そして、次の図で、先ほど説明しましたように、四日市モデルというのは、とにかくかかりつけ医の先生方にあまり負担をかけずに、長く見ている慢性期の患者さんや施設の患者さんに専念していただきます。その代わり、我々ががん患者さんや、難病や、独居とかごみ屋敷のような介護難民の方々、管だらけの医療依存度が高い方々を全て引き受けて、開業医の負担を減らしていくというモデルを提唱しております。

 その次は、四日市で例えばがん患者さんを支える医療資源はそんなにないのですけれども、この5カ所が連携することによって、特に訪問看護ステーションが土台となって活躍してくれることで、このような看取り率のアップにつながっております。

 また、次のページですけれども、軽症患者の四日市の在宅患者総数も、かかりつけ医が積極的に診ていただけるようになりまして、年々に在宅患者数も伸びている現状です。

 次の2枚はその資料ですけれども、在宅患者をどのぐらい抱えているかと、看取りをどういう医療機関が何人しているかという資料になります。

 その次が看取り数の推移になりますが、カラフルな棒グラフの図ですけれども、看取り数も全体として進んでいますが、最近は少しかかりつけ医や強化型のほうが頭打ちになっておりまして、ここをもう少しスキルアップして、どう自宅で3割みとるというモデルをつくるかというところが課題になっています。

 次の資料は訪問看護ステーションの数の推移ですけれども、ステーション数は充実してきています。

 その次、四日市の在宅医療研究会は、医師会の先生方のレベルアップを目的に、勉強会を2カ月に1回行っていまして、座談会形式と講義形式を交互に行っております。これもかなりかかりつけ医の先生方のレベルアップにはつながっていますし、我々在宅医のノウハウを伝える場にもなっています。また、顔の見える関係づくりにもすごく役立っています。

 次は、四日市は行政もかなり協力していただいていまして、例えば「はじめての在宅医療」というパンフレットを患者さん向けにつくっていただいて、市民への啓蒙活動をしていただいています。また、我々が本来つくらないといけないような「旅立ちに向けて」という看取りに関するパンフレットも行政のほうに作成していただいて、無料配布していただいております。

 また、以前、東海北陸在宅医療推進フォーラムを開きまして、市民への啓発活動も行っております。

 一番見ていただきたい部分が次からになりますが、四日市市における死亡場所の変化で、私どもがクリニックを開設したときの目標は、とにかく病院死をふやさないこと。現状維持で何とかしのぎたいというところだったのですけれども、病院死は、総死亡がかなりふえていますので、病院死も若干ふえています。理想は下げるか現状維持でいきたかったのですけれども、まだそこは達成できていません。ただ、自宅のほうは1.51.6倍まで看取りがふえておりまして、特に施設に関しては看取り数が3倍になっております。ここの施設の伸びは我々在宅専門クリニックではなくて、医師会が施設のほうに力を注げるようになっているので、すみ分けを徹底して、ウイン・ウインの関係ができております。

 次の円グラフだと、総数はわかりにくいのですけれども、圧倒的に病院での看取りの割合が減っておりまして、自宅での看取り、施設での看取りが急激にふえているということがわかっていただけるかと思います。

 次は、そもそも私が四日市で始めた理由ですが、7年半前の風潮としては、仙台、神戸、東京、横浜、大阪という大都市でしか在宅医療はできないのではないかという、空気感的なものがありました。そうではないと、10万人以上の町であればどこでもできるというモデルを提唱したくて四日市で始めております。実際、四日市も平成24年時点で主要都市と肩を並べるまでに在宅看取りが進んでおりまして、在宅医療の普及という面ではかなり先進都市になっています。

 次の四日市モデルの成果という部分ですけれども、これも先ほどと重複になりますが、自宅での看取りが進み、施設では3倍看取りが進み、病院での勤務医の負担、救急病院の負担がかなり減ってきているのが現状です。我々もなかなか医療費的なものは把握し切れていないのですが、その辺のデータももし持ち合わせていれば、今後調べていただければと思います。

 ただ、これで見ると、残念ながら、全国の在宅医療の普及というのは、四日市の平成19年とほとんど変わらない状態で、まだまだ普及と呼べる状況にはないと考えております。地方での普及に関しての何かヒントになればと思っております。

 次のページをお願いします。当院の場合は地方ですので、なかなか医師を何十人と確保できるような環境にはありませんので、基本的なモデルは4〜5人でチームを組んでできるようなモデルを考えております。そして、当院のことを在宅ホスピス型と名乗っているのですけれども、どういうことかといいますと、1ヶ月の訪問患者さんよりも1年間の看取り数が多いようなところはがんを圧倒的に診ているので、在宅ホスピス型クリニックという定義にしております。

 最近は施設でも、点数が下がってから撤退される先生が多くなっております。それで我々は、重度、例えば人工呼吸器をつけている方は参入させていただいて、徐々に施設もふえているのが現状です。ただ、これも医師会の先生方と衝突しないために、軽症は極力医師会の先生にお願いして、我々は重度、医師会の先生が断った例、医師会の先生から依頼が来た例だけお受けするようにしています。

 活動している仲間は現在34名が構成メンバーですけれども、常勤医師7名、非常勤医師1名が主に活動を行っております。

 地方ですので、次の地図でも、大体半径10キロ〜12キロぐらいの範囲を回っておりまして、車で40分以内で行けるところを訪問していますが、先ほどの大雪の日とか、課題はいろいろとあります。

 次は、我々も最初、私一人でやっているときは年間100件ぐらいの新規依頼だったのですけれども、やはり人数はものすごく隠れていまして、医者がふえればふえるほど新規の依頼は来るという状況で、現在、年間500件の新規を受けさせていただいております。恐らく潜在的なニーズはまだまだ地方でも隠れているのではないかと考えております。

 次の看取り数も7年半で、当院の場合は大体医者1人で50人みとるようなモデルをつくっておりますが、1人の医者が50人みとればかなり地域は助かるということで、病院の先生方からも感謝されたりしています。また、スキルを維持するのにも、我々が緩和ケアを専門としてやって行くのであれば、やはり年間50人ぐらいの看取りをしていかないといけないかなと思っております。

 次が円グラフ、一日の流れですけれども、我々は毎日1人ぐらい看取りを行っているようなクリニックなので、医者を含めて職員が疲弊してはなかなか長続きはしないので、17時終業で土日祝日は休み、有給休暇は全部消化してくださいという仕組みでやっています。また、訪問件数も詰め込むと質が落ちてしまうので、大体10件までということで、訪問診療を行っております。夜間休日は全て医者がファーストコールで対応しているという体制です。

 時間外の往診ですけれども、大体今、500人弱をカバーしておりまして、ただ、圧倒的に重度が多いので、資料を送った際も、往診が多くないかという指摘を受けましたけれども、500人弱で、大体夜間平日だと2件、休日だと昼間結構呼ばれますので24時間で6件ぐらいの往診になっております。

 最後2枚ですけれども、私どもの考え方としては、とにかく地域のつながりを壊さないために、訪問看護ステーションなどは、地域に全て頼る、絶対に自前ではつくらない。入院施設もつくらない。施設もつくらないということで、全て外部との連携で地域を育てるということをコンセプトにしております。

 先ほどありましたように、スタッフが疲弊しない仕組みづくりをして、スタッフが入れかわらなければ医療の質もどんどん上がっていきます。ですから、スタッフが入れかわらないような仕組みづくりを行っております。

 また、人材育成としまして、今後、看取りを50名行えるような医師を育てていくということをコンセプトにしております。開業をどんどん促して、あちこちで我々のような活動をしていただければということで、1年〜1年半の研修で開業させるように誘導はしております。

 在宅医療を全体として普及させるために、講演活動や、中学校を回っての「いのちの授業」、ホームページや、書籍などに力を入れております。

 以上です。ありがとうございました。

新田座長 ありがとうございました。

 引き続きまして、紅谷参考人、よろしくお願いいたします。

紅谷参考人 福井県のオレンジホームケアクリニックからまいりました、紅谷といいます。きょうはよろしくお願いいたします。

 私のほうからは、石賀先生のところの規模のおよそ半分のサイズでやっていますので、システム化されたというよりは、現場の実践の経験のところを語らせていただきたいと思います。

 私たちオレンジホームケアクリニックですけれども、人口27万人の福井市で、複数医師体制で在宅医療を専門的に行っているクリニックです。複数医師体制で在宅クリニックというのが福井ではまだ当院だけという状況です。

 3ページ目に「病院と在宅の連携(これまで)」と書かせてもらったのですけれども、これまで、病院からの退院支援という形で在宅医療につながるということがメーンだと思います。病気を前提として、病状とADLでどのように自宅につなげるかという発想でやってこられたと思っています。

 その次の「病院と在宅の連携(これから)」と書かせていただいたほうですけれども、地域包括ケアシステムと考えていく場合に、病気を持って病院に入院したところから、在宅医療をどうするとつながっていくのではなくて、そもそもずっと過ごしてきた地域から、一時的に病気医療のために病院を利用してという考え方に変わっていくのが、地域包括ケアでの入退院の考え方なのかなと考えておりまして、それを図にしてみたものです。

 このように、連携していくために、入院から退院にするときにも、例えばひとり暮らしとか、ADLが低下している、介護力が不足しているというマイナス面のことのカンファレンスだけではなかなか、では、施設がいいのではないかとなりやすいと感じていて、この図でいうと右下の赤い吹き出しで書いてあるような、もともとのその人の生活スタイルや生活力というものをちゃんと見出したり、町内会も含めたその地域ならではの支援がどのようにあるのかというところも見出して、家に帰ることを前提として、家にどのように帰るかというカンファレンスが必要かなと考えています。

 下の真ん中に書いてある吹き出しは、もう少しこういうところに地域側が力を入れていくことで、病院から帰るときにADL低下や介護力不足などというのが問題になるのではなくて、解決できる課題と変わっていくといいなと思っています。

 このように在宅地域側でこういうことが準備できていくことがいいなと思っているのと、左上に「入院するときも生活の情報を」と書いてあるのですが、生活の中でどのように今までを過ごして、どのように今後の人生を考えているかというところが、大きな病気を患って入院するというタイミングでうまく共有できていると、場合によっては治療方針ですとか、入院時カンファレンスと書いてあるのですけれども、入院時にこの人はどういう生き方をしてきて、どういう治療やどういう今後を望んでいるということがある程度わかることで、病院での治療に関しても方針が見出しやすくなるのではないかと考えています。

 宇都宮宏子さんなどの退院カンファレンスというか、退院調整から入院回避へという言葉も使われていますが、入院の段階でその人の思いなどを確認すると、入院期間を短くしたり、場合によっては入院せずに在宅で療養するほうを勧めるという選択肢も生まれてくるのかなと感じています。

 ちょっと事例のものになるのですけれども、次の5ページ目ですが、私たちが経験したものです。88歳の女性の方で、認知症と筋力低下によるADL低下で在宅の療養をされていた方が、ある日転倒して、骨折して、緊急入院したのですけれども、結構認知症も重度でしたので、病院側のスタッフからすると、恐らくなかなか病棟生活がうまく回らない、医療側の指示に従いにくい、いわゆる困った患者さんが入院してきて、手術をしなくてはというイメージになってしまうかなと思って、これもサービス外にはなってしまうのですけれども、在宅の看護師が、病棟の看護師や連携しているソーシャルワーカーに今までどんな生活をしてきていたか、認知症が進む中で今後どのように家族で過ごしていきたいかということを、本人を含めて話し合ってきたイメージなどを、病院訪問してじっくり話をしたりしています。こうすることで、退院後にこういう段階で、この方の場合はリハビリの目標なども、おうちでのその後の療養のイメージに基づいて目標設定して、スムーズに退院したり、在宅医療への移行ができていたなと感じております。

 その次の6ページ目、また別の患者さんですけれども、97歳の女性で、回復期連携と書きましたけれども、見に行ったことはないのですけれども、フランスの在宅に、うわさに聞いているそういうものに近いのかなと勝手に思っているのですけれども、去年の12月に転倒しまして、骨折をして、手術しましたリハビリ後、回復期病棟への転院を言われたところですけれども、本人、御家族が自宅退院へということで、帰ってまいりました。

 在宅の体制としては、退院後2週間の特別訪問看護指示が出せますので、その間にみつちり2週間、しっかり看護師とPTが毎日訪問する形で、在宅型のリハビリといいますか、PTがいるときだけリハをするというのではなくて、PTがあくまで仕掛けをつくって帰っていく。そうすると、例えばベッドの位置であるとか、家族への介護のアドバイスとか、そういうものをうまくすることで、日常生活そのものがリハビリになっていくというものをプランニングしてきました。その2週間内でかなりADLが改善しまして、退院時は移乗や移動が全部介助が必要だった要介護4だったのですけれども、恐らく2〜3週間後には要介護1相当になって、もう少し頑張りたいけれども、特別指示はここで切れるという段階で、今後は訪問看護とかPTが週1で入り、あとは訪問介護のほうで、先ほど言った生活に基づくリハビリといいますか、生活の中で工夫をしていくというものをリハビリという形でやっていっています。つい先ほども、きょうの訪問の様子がPTから私のメールに送られてきたのですけれども、外を散歩して、押し車で歩いているような様子が送られてまいりました。

ICFの国際生活機能分類の図などで、機能、活動・参加とありますけれども、参加というか生活の中に戻ることで活動や機能が改善していくということを非常に在宅医療現場では感じますので、まず、病院でしっかりリハビリをしないと、家に帰って生活がままならないという発想、もちろんそれもすごく大事なのですが、同時に、逆に家に帰って生活をすることで活動や機能の改善にも向かっていくという、ICFモデルの左向きの図といいますか、参加から活動に向かっている矢印の重みをすごく感じております。

 福井の医学部では、医学生がICFを全く習わないという状況に今なっていまして、看護学生やリハの学生はみんな知っているのですけれども、医学生はなかなかICFを御存じではないということで、研修のときは言うようにしているのですけれども、非常に大事な概念かなと現場で感じています。

 続いて、59歳女性の事例が7ページ、8ページの2ページにわたって書いてあるのですけれども、在宅医療でがんにかかわるときは、末期がんの看取り期にのみかかわるイメージがとても強いのですけれども、この事例の場合は抗がん剤を使用している時期、または大きな手術の術前、術後、そういう時期にかかわれた事例です。

 かかわり方も、この方の場合はかなりADLが早期に落ちていたので、在宅医療というかかわりができたのですけれども、非常に有意義だなと感じました。

 まず、ある年の2月に胃がんが診断されて、手術を試みましたが、切除不能ということで、抗がん剤が開始されました。抗がん剤も1クール終わった後は外来でということになったのですが、この時点でかなり抗がん剤でADLががくっと下がってしまっていて、在宅医療の相談がありました。

 この間、もちろんまだ末期と言えるような段階ではなく、外来で化学療法をしっかり続けていこうという段階ですけれども、在宅医療でかかわらせてもらい、訪問診療しながらリハ的な体力増進の計画ですとか、それと同時並行して外来化学療法をスムーズに行うためのサポートという形で、非常にこれは患者さんにも御家族にも、病院の先生にもありがたがられたといいますか、点滴前の検査を在宅でしていくことで、スムーズに治療に入れたり、副作用があると病院にすぐ来てくださいというパターンが多いのですけれども、その部分を在宅で対応したりということができました。

 この方は抗がん剤がよく効きまして、7月に手術が可能かもしれないという話がありました。家族はとても迷っていらっしゃったので、私たちも家族会議に入らせてもらって、いわゆる人生の最終段階の相談という形で相談に乗らせてもらいました。この段階からしっかり相談に乗れていると、今後の経過にも非常に信頼関係を持って在宅チームとかかわっていけるなということも実感しています。

 次のページ、8月の終わりにこの方は胃全摘、膵体尾部切除、胆のう摘出というかなり大きな手術をされました。術後経過は良好で、9月21日、3週間で退院になったのですけれども、ここにも病状というものと生活のしづらさという、病気のモデルと生活のモデルに大分乖離がありました。病気モデルでいえば、非常に手術もうまくいったし、術後経過も良好なので、非常によい状態ですということで帰ってこられるのですけれども、生活機能で見せてもらうと、大きな手術をして体力ががくっと落ちて、病気になるまでは家の家事を全てやっていた方がほぼベッドで過ごす。何とかトイレまではつたい歩きで行けるけれども転ばないか心配というぐらいまでADLも落ちてしまっていて、気持ち的にもかなり落ち込んでいるような状態でした。

 病状としては良好だけれども、生活しづらさが非常に著明に出ていると考えると、ここでまた在宅医療の継続の依頼がありましたので、かかわらせてもらいました。栄養療法ですとか、リハのかかわりをしていくことで、3カ月ぐらいかけて自宅生活がおおむねできるようになったので、在宅医療は終了ということで、その年の12月に在宅医療を一旦終了しています。

 その後、2年弱たったときに再発されまして、また骨転移や歩行困難ということになって、在宅医療を再開したのですけれども、このときも以前のつながりがありますので、スムーズにかかわらせてもらって、最後は看取りまでさせていただきました。

 こういうがんの在宅医療というものに関しても、いろいろ前半戦でもかかわる余地が今後もっとあるのかなと、特に今、外来、化学療法ですとか手術後の退院も早くなっている状況を考えると、ここでのかかわりというのもできるといいなと考えています。

 9ページ目は、退院後の情報共有ということで、退院で在宅に移行した患者さんがどのように過ごしているかというのを病院に報告するという取り組みをしていました。病院の医療関係者にも在宅での生活をわかっていただけるという取り組みです。

 ここまで幾つか事例を挙げさせていただいたのですけれども、繰り返しになりますけれども、病院で病気が中心のところから、生活中心の中に医療がどう入っていくかというのが今、在宅医療の肝だなと感じていますので、いろいろその人その人の生活上の困りごとに対して、在宅医療というスキルを持ってサポートできるということが大事だなと考えています。

 ただ、こういうアプローチをしていますと、医療とか介護とかという範疇ではないような、生活という話がいろいろ出てきますので、どうしても取り組みをしていると、当院の私も含めてスタッフも、地域づくり、まちづくりなどというのも一緒にやっていきたいねといって、地域づくりの研修会や、地域づくりの地元の団体で一緒に活動したり、活動の幅が広がっていくという状況です。

10ページ目、話題が変わりまして、ACPについてですけれども、当院は2015年度に厚生労働省の人生の最終段階における医療体制整備事業に参加しまして、職員の研修ですとか、在宅現場でのACPの調査などを行いました。

 ちょっと細かい図で申しわけないのですけれども、ポイントとしては、この期間中、ちょっと数は少ないのですけれども、9人のがん患者さんの在宅意向を受けまして、そのうち実はもともと退院時は調子が悪くなったら入院したいと、病院での看取りを希望していた患者さんが9人中4人いたのですけれども、診療の中で日々相談を継続したことで、徐々に気持ちが変わっていき、在宅がいいなと再選択されて、それをかなえた。実際、9名とも在宅で亡くなられたという形でした。

 もう一つのポイント2としましては、在宅診療中にどんな会話が現場で行われているというものを当院の診察の中で調査したものですけれども、大体57.9%と書いてあると思いますけれども、6割方は何かしら今後、食べられなかったらどうしますかとか、入院が必要だったらどうしますかとか、人生の最終段階における選択に関する相談のような会話が行われている。病院で行うような、今からカンファレンスを開きましょうというカンファレンスではなくて、日々の生活の中での、診療の中でそういう相談がいろいろ行われていることがわかりました。なので、病院を退院する時点では、いざ何かあったら病院に戻りたいという希望、ACPがとられている患者さんであっても、その後の相談によって意見がどんどん変わっていくというのを体験しております。

 そういうことを体験しまして、11ページ目の図をつくってみたのですけれども、ある方が人生を送っていって、人生の最終段階にかかわるような大きな病気を発病されて、死に至るまでに医療ですとか、ACPですとか、連携がどう必要かなと考えたときに、こういう図をつくって見ました。病状の連携だけではなくて、その人思いや覚悟の連携も必要だなと感じています。

 緑色で書いてあるところは、大きな病気を発病するよりも前の地域でのアプローチになるのですけれども、外来ですとか地域、地域というのはクリニックとか、そういうレベルではなくて、当院でやっているところで言うと、みんなの保健室というような、地域の保健室活動、そういうところでも、自分は病気だとどうしたいということを常に考えるような文化が必要だなと感じています。

 そして、大きな病気を発病したときに、病院で医療を受けることになるのですけれども、そのときに、下にある紫の矢印ですけれども、地域から病院へつながる、または、病気によって更新されたACPをもって家に帰ってくるというつながりが必要と考えています。

 赤い矢印が在宅医療の役割ですけれども、下にある在宅緩和ケアという、看取り時期の対応だけではなくて、その上の生活維持のために在宅医療を短期使って、またそういう医療が必要ではない期間を人生の中に取り戻すというのも大事な視点ではないかと考えております。

 次の12ページ目からは、私たちがもう一つ取り組んでいる小児在宅医療のことも少し話させていただきたいと思います。

 当院はドクター4人体制ですけれども、いずれも小児科医ではありません。在宅医として小児在宅医療をどのように受けるかと考えて、取り組んでおります。

 地域にニーズがあって、在宅医療という形のニーズがあれば、それは病気ですとか年齢は問わず受けていくという方針で受けているという状況です。

 今、小児在宅医療も必要性がよく言われていますけれども、なかなか進まないということで、小児科医が在宅医療を始めるというスタイルももちろん望ましいとは思いますが、在宅医が小児も診られるように変わっていくことが必要ではないかと私は思っています。

 次の13ページ目ですけれども、小児では特に病院と在宅の連携というのが、高齢者ですとかがんの方と比べるとかなり濃厚になるパターンが多いです。というのは、私は在宅主治医として小児にかかわっているのですが、私たちが診ているお子さんは今、40人ぐらいいるのですけれども、そのほとんどの方が、病院の主治医もいらっしゃる。数カ月に1回は病院のほうにも行って、大きな治療方針などはそちらで決めつつ、在宅医療のほうは私たちが担当するという関係で、常に主治医が2人いるような体制で連携しているような状態です。なので、退院時のカンファレンスをして一手に引き受けるような大人の在宅医療とは違って、退院時カンファレンスはもちろん重要なのですが、その後、外来でも、成長とともに治療方針が変わっていくのを追いかける必要があって、私の場合は、ボランティア的ではあるのですけれども、その子が外来に通院するときは一緒についていって、先生と一緒にいろいろな話をさせてもらって、方針を統一するということを試みています。かなりそれはいろいろな目が届きやすくなりますし、患者さんの信頼も得やすいと感じています。

 また、小児はしばしば入院するのですけれども、そのときもすぱっと入院と決めるのではなくて、訪問看護師ですとか訪問介護、障害児施設のスタッフが病院の訪問を入院した後も続けて、例えば家にいるときは保育園など、当院がやっている人工呼吸器とか、医療ケアが必要な子供向けの保育園をやっているのですけれども、そちらのスタッフなども、これもボランティアになるのですが、病院に行って連携しておくと、また変えてくるタイミングに連携がしやすいなと感じています。

14ページ目は、障害者施設、その子たちが大きくなった場合もそうなのですが、もともと医療ケアが必要ない障害者も、加齢に伴い医療が必要になってきている方が非常に多くなっていて、障害者施設が非常に困っているということで、相談を受けることが今、ふえています。健常者なら入院加療するような病気でも、障害が理由で入院できないという形で生活の中で治療の続きをしてほしいというパターンが非常に多いなと感じております。

15ページ目は、先ほど言いました、当院では人工呼吸器など医療ケアが必要な重度障害児の日中活動拠点を運営しています。こういう形で、この子たちも生まれたときからずっとACPを繰り返す形になるのですけれども、ここにずっと時間軸を持ってかかわれるということは非常に、その子の成長ですとか、家族全体の成長を考えていけると考えていて、非常に、小児科医、子供の病気として診るのではなくて、家族を含めた生活として診る、在宅医療のスタンスやスキルは非常に重要だなと感じています。医療ケアが必要な子の日常活動拠点というのは、なかなか福祉チームだけでは運営が難しいと感じていて、私たち医療チームが一緒にやることで、お子さんを支えられる要素が大きくなるなと感じています。医療ケアが必要な重症児を育てながら仕事に復帰しているお母さんが7割以上というのも、今、私たちの自慢になっています。

 在宅医療そのもの、16ページ、最後ですけれども、子供たちの生活は在宅だけではないので、なかなか医療が在宅だけで行われているだけだと、日常生活や成長につながらないと感じていて、今はボランティアという形でいろいろな外出などにもうちのスタッフがサポートに行っていますけれども、こういう形で広げていくことも、今、在宅医療の地域の立ち位置を考えると必要かなと考えております。

 4−2の資料は当院の取り組みなどの紹介ですので、またお目通しいただければと思います。

 以上です。ありがとうございます。

○新田座長 ありがとうございました。

 それでは、引き続きまして、山口構成員から資料説明をよろしくお願いいたします。

山口構成員 私からは資料5を今回提出いたしました。前回の会議で、国民が在宅医療について理解できていないと、利用することができない。そこで、どのようなことを理解してもらわないといけないかをしっかりと情報提供していくべきではないかと申し上げた責任上、どんな情報提供をすればいいかをまとめました。

 こういったことは情報が多過ぎてもあふれてしまいますし、少な過ぎても十分な理解につながらないとと思っています。まだ在宅医療を必要としない時期から提供が望ましい情報、あるいは、必要になったときにすぐ役立つ情報提供という視点で項目をつくってみました。まだたたき台ということですので、皆さんから御意見をいただいて膨らませることができればと思っています。

 まず、最低限必要な情報ということで、どんなときに在宅医療や介護を利用できるかということ自体も、国民の理解という点では共有できているとは言えないと思いますので、ここに書いてあるような、外出が難しい状態になった高齢者や難病患者、あるいはできるだけ自宅で療養して看取りを希望するがんの末期の患者、あるいは自宅で療養している患児ということで、先ほど御説明もございましたけれども小児、それから、自宅での看取りを希望していると、こういう具体例が書かれていると、こういうときに在宅医療を希望してもいいんだなということが一般的にわかってもらえるのではないかと思いました。

 医療は子供のときにも受診しますし、あるいは出産を考えると若い段階でも利用しますし、けがをしたときもということで、受診した経験がないという方は少ないと思うのです。しかし一方在宅医療、特に介護保険を使う場合というのは、必要になって直面し、どこに行ってどんな手続をすればいいのかわからず右往左往するというのが大半の方ではないかと思っています。ですので、まず、在宅医療・介護を希望する際の手続としては、介護保険の申請の方法を具体的にまず知らせる必要があって、それから、訪問医、あるいは訪問看護ステーション、ケアマネの方たちの探し方ということも、案内があるといいのではないかと思いました。

 在宅医療・介護に関係する医療機関や施設ということで、訪問看護ステーションという名前すら知らないという方も一般的にはまだまだ多いという現状からしますと、どんな医療機関や施設があるのかという簡単な説明が必要だと思います。

 さらには在宅医療・介護に携わるスタッフの種類と役割ということで、ここでは種類しか書いてございませんので、ここに役割をわかりやすく解説していく必要があるかと思っています。特に福祉用具というのも、必要に応じて買い求めて、後から実は介護保険で借りることができたのだということを知って、こんな大きな買い物をしなくて済んだのにという声も具体的に聞きますので、こういう福祉用具の専門相談員の方もいらっしゃるということがわかると、随分負担も違うのではないかと思います。

の5つ目ですけれども、在宅医療・介護で提供されるサービスということで、これも項目だけ今回並べましたが、具体的にどういうことなのかということの解説も必要かと思っております。

 裏面に行きまして、その後、同じように項目が並んでいます。

 それから、在宅医療・介護を希望するときの相談窓口ということで、まず、入院中に在宅医療を退院してから受けたいなと思ったときには、例えば医療機関には患者相談窓口に医療ソーシャルワーカーがいる、あるいは地域医療連携室を訪ねるといいですよというアプローチ先がわかって、あるいは、介護保険を申請している場合にはケアマネジャーに相談するのですよとか、全くまだアプローチしていないときは、地域包括支援センターがある。あるいは、行政の担当課と、こういうアプローチをどこにすればいいかということが具体的にわかるような情報提供が必要ではないかと思っています。

 今、申し上げたことは最低限必要かなと思うことですけれども、可能なら提供したい情報だと私が考えているのが、在宅医療と一言で言いましても、先ほどがんや小児、高齢者という問題が出てきていますが、病気の違いによってどんな在宅医療・介護が可能なのか具体例があると、私もこういうことができるのだなとイメージできるかと思います。

 さらには、病気の違いだけではなくて、例えば家族の形態、独居の方あるいは老老夫婦、家族はいるけれども皆働いているとか、そういった家族形態の違いによってどういうことを利用すればこういう在宅医療が実現できると、そういうものも具体的に示すことができればいいのではないかと思いました。

 私の提出した資料については以上です。それに加えて、先ほどのこれに関連して、資料2の「重点分野」(たたき台案)の2ページところに「国民の役割」という文言がございます。ここについても一言申し上げて終わろうと思います。国民の役割ということで「国民は」という主語で始まっているのですが、後半部分は行政を初めとした関係者がすることになっていて、「国民は」で始まっているとしたら、国民の述部で終わるほうがいいのではないかと思います。そこで、私からの提案としては「国民は、在宅医療に関し主体的に選択が行えるよう、居住する地域における在宅医療の現状を知る必要がある。そのためには、行政を始めとした」というような2つの文に分けたほうが具体的にわかるのではないかと思いましたので、提案します。私からは以上でございます。

○新田座長 ありがとうございました。

 ただいま、事務局からの報告と、2人の参考人と山口構成員から説明がありました。

 基本的に、きょうの議論としては、事務局から提出されました資料1に沿って議論しますが、なお、参考人の関連で発表いただきました3人の資料についても御質問、御意見等があれば、挙手の上、発言をよろしくお願いいたします。

 どうぞ。

○鈴木構成員 まず、お二人の参考人の御発表に対しての私の意見を申し上げさせていただきたいと思います。お二人とも、在宅医療に熱心に取り組んでいらっしゃるということはよくわかる発表内容だったと思うのですが、前回から言っているように、石賀先生は、在宅医とかかりつけ医とを対比して捉えているようなところがありましたけれども、かかりつけ医は医師会ですから、そうすると、在宅医は医師会ではないのかということになりますが、我々の考え方は在宅医とかかりつけ医を対比するとして考えるような考え方ではありません。在宅を中心にやっていらっしゃる先生方なのでそのようにお話になるのだと思うのですが、そういう先生方というのは全国の中ではごく一部ですので、そういう先生方のやり方をどうするかというお話でしたら、そういう先生方の中だけでお話ししていただければいいわけですけれども、全国在宅医療会議として、かかりつけ医の先生方の在宅を含めてお話しするということであれば、もう少し大きな枠組みでお話をしていくほうがいいのではないかと思います。今のお話は、全体の医療の中の一部である在宅医療の中でもそのごく一部だと思います。

 もう一つ、気がついたのは、病院とよくおっしゃるのですけれども、病院を一くくりにされていることが非常に気になります。大病院と中小病院、有床診療所は役割が違い、今後ますますそういう方向になっていきますので、そうした役割の違いについてもぜひ入れていく必要があり、中小病院、有床診療所はみずから在宅医療に取り組むこともありますし、後方病床としての役割を担っている場合もあります。我々のごく最近の調査でも、かかりつけ医の先生方にとって、24時間の対応が一番の負担であるという結果でありますので、全国的に在宅医療推進していこうというのであれば、在宅を中心にやっていらっしゃる先生方にはどんどんやっていただくとして、ぜひ医師会に入っていただいて、一緒にやっていただければと思いますけれども、かかりつけ医の先生方に少しでも在宅医療に取り組んでいただくためにはどうしたらいいか、今のような先生方と連携することもあるでしょうし、中小病院や有床診療所の入院機能を活用することもあるでしょうし、そういうことを考えていかないと、日本中で在宅医療は進まないのではないか。ということで、きょうのお話はわが国の在宅医療のごく一部の姿の発表と感じられました。それが意見でございます。

 たたき台についてですが、前回から比べたら一定の改善は認められると思いますけれども、そもそも2ポツの(1)(2)(3)(4)(5)の順番がどうもしっくりこないのです。はっきり言えば逆にしたほうがいいのではないかと思います。

 まず、1ポツの「重点分野」ですけれども、「在宅医療に関するエビデンスの蓄積」「在宅医療に関する医療連携、普及啓発モデルの蓄積」、これは総論としてはいいと思うのですけれども、誰が行うのかというところが問題だと思うのです。中味を読んでいきますと、どうも学会と研究機関がやるので、医師会等の関係団体はその指示に従って症例を集めなさいというように見えてしまうのですが、そうではないと思うので、そこがまだ不十分ではないかと思います。

 2ポツについても、(1)の学会の役割とありますけれども、学会とはそもそもどこを指しているのでしょうか。学会もあまたあるわけですが、それも明らかではないし、学会の役割というのが大き過ぎるのではないかと思います。そういう意味では、医師会も学術団体ですから、学会の一翼を担うのかなという気もしますし、ここに手法の標準化とありますけれども、これを学会が独自にやっていいものなのか、こういうものは医師会などと連携してやるべきではないかと思いますし、途中の文章には行政と医師会とは車の両輪と書いていただきながら、それが十分反映されていないと思います。

 次の(2)研究機関の役割の研究機関とはどこなのか。中心的なのは東大と長寿医療研究センターだそうですけれども、これもそういうところに限定しているのであれば、はっきりお書きになったらいいのではないでしょうか。日医にも日医総研という研究部門がございます。プラットホームを構築するとありますけれども、これは学会と研究機関が連携・協力してつくるということですが、どうしてそういうものを勝手につくるのでしょうか。もしこういうものをおつくりになるのであれば、しっかり医師会もかかわっていく必要があるのではないか。そうでないと機能しないと思います。

 その上で、関係団体ということで、日本医師会を初めとするとは書いていただいておりますけれども、それを見ると「研究に必要な症例等のデータ集積に協力する」と一方的に協力を約束させられている感じがしますが、医師会がそうしたことに無条件に協力することはあり得ないと思いますので、当初からしっかり枠組みの中に入ってそれが必要と感じられるかどうかということが重要ではないかと思います。

 全体として、学会、研究機関が上で、医師会等の関係団体が下のような感じに見えますので、そうではないということで、行政と医師会が車の両輪と言っていただいているのでしたら、学会や研究機関はあくまでもブレーンとして、その枠組みに参加する形が現実的というか望ましいのではないかと思います。

 なぜかといいますと、地域包括ケアシステムを構築するのは、市区町村レベルでは、行政と医師会が車の両輪になる必要があり、医師会が多職種を束ねる役割を果たす必要があると思いますので、それを前提にどのように進めていくか。それは都道府県レベルでもそうであり、都道府県医師会、都道府県行政、医学部があるアカデミア、それら3者の連携が必要になってきますし、中央では日医もなれば日医と厚労省その他との連携ということになるわけですが、そういう意味では従来の取り組みあるいは我々の考える在宅医療に対する取り組みとはまだ距離があるという感じがしますので、もし医師会にかかわりを御希望されるのであれば、もう少し見直していただく必要があると考えます。

 以上です。

○新田座長 ありがとうございました。

 どこから議論いたしますかという話になりますが、まずは、最初の石賀参考人の話がありましたので、そこから少し話をしましょう。

石賀参考人 済みません、1点誤解を招いたかもしれないのですけれども、私も医師会に入っていますので、医師会と在宅医と別に対立をあおるわけでもないのですけれども、かかりつけ医と在宅医はやはり役割は違うと思います。かかりつけ医の先生は学校医をされたり、いろいろな業務をされている中で、複数人そろえれば別ですけれども、結局24時間担保はできないと思うのです。そこを担保する新しい仕組みをつくらなければ、この70年間ずっと在宅看取りが日本は減ってきて、8割家でみとっていたのを今は1割という、先進国とは呼べない恥ずかしい国になっていると私は思いますので、そこを解決するには在宅医という新しいジャンルもある程度活躍していかないと、恐らく今までの仕組みで行けば減る一方で、解決できないと私は思っております。

 だから、四日市ではモデルケースとしてかかりつけ医の先生と在宅医とが協働することによって実績を上げていっているというモデルを出させていただいたので、それをレアケースで終わるのではなくて、広めていければいいかなと思っております。

鈴木構成員 今のお話も、先生も医師会に入っていらっしゃるということなので、そういう意味では医師会の中の役割分担の話だと思うのです。ただ、医師会の中には診療所の先生だけではなくて、中小病院、有床診療所の先生方もいらっしゃいます。そこの中の入院機能も活用していくというのが我々の考えなので、先生にはそういう視点が抜けていらっしゃるので、それは我々の考えとは違うと思います。

石賀参考人 利用しています。病院機能は使っていますが、在宅看取りをふやさなければ。

○新田座長 発言の場合は挙手して。私が指名しますから、よろしくお願いします。

 石賀参考人。

○石賀参考人 我々も病院との入院レスパイトとか、入院機能というのはフルに使わせていただいて、連携もさせていただいていますし、信頼関係も構築しております、中小病院を外してということもなく、有床診療所には入院をお願いしたり、そこの連携はきちっと行っておりますので、そこは誤解を解いていただきたいと思います。

○新田座長 鈴木委員、どうぞ。

鈴木構成員 いわゆる在宅と入院の2つではないのです。中間のやり方もいろいろあるのです。中小病院だって在宅からの後方の入院だけを受ける病院もあれば、みずからが在宅医療をするところもあるし、診療所にもかなり在宅中心にしているところもあれば、かかりつけ医として在宅をしているところもあり、多様なので、それはきれいに2つに分け切れないと思うのです。連続性というか多様性があるというところが重要ではないかと思うので、余り単純にし過ぎるとかえって現場とは乖離してしまうのではないかという気がします。

新田座長 今の話は、まず、基本的に在宅医療を誰が行っているかという話になってしまいますが在宅医、かかりつけ医等の分け方がいいのかどうかという、まずその話でございます。鈴木委員の言われていることは、かかりつけ医も含めてそういった24時間体制を行う先生もいますので、地域によってちがうだろうということもありますので、これはこれで今後地域の実情に応じたあり方について議論していければと思っております。ありがとうございます。

 そのほか、御意見ございますか。

 どうぞ。

○西澤構成員 発表ありがとうございました。

 今、若い先生方がかなり在宅医療をやっているということは、ある程度いいことだと思いますし、そこでいろいろなデータを積み重ねていっていただければと思っています。

 質問ですが、石賀先生の発表の中で、特に今回小児の在宅ではなくて高齢者に限りますが、介護サービスが同時に必要ではないかと思いますが、介護サービスに関して余り発表がなかったので、今、先生が診ていらっしゃる在宅医療をやっている患者の方々の介護サービスの関係、要するに、例えば地域における包括支援センターの絡みとか、ケアマネジャーとの絡み、あるいはどういう介護サービスと連携をやっているか。そのあたりをお聞かせ願えればと思います。

 もう一つは、定義の中で自宅と施設ということが出てきますが、先生の中での自宅と施設の定義を教えていただければと思います。

○新田座長 ありがとうございます。

 石賀参考人。

○石賀参考人 ありがとうございます。

 定義に関しては、自宅は本当におうち、持ち家、マンション等だけでカウントしています。施設というのは、有料老人ホーム、サービスつき高齢者住宅グループホーム等になりますので、そういう分け方になっています。

 きょうは時間も短かったものですから、医療面でのお話をさせていただいたのですけれども、我々も何百人というケアマネジャーさんと連携しておりますし、例えば正直介護がなければ、我々は何もできないと思うのです。医療は司令塔というだけですので。そういう面では、例を出すと、我々は独居の方でも8割近く看取りを行えています。なぜできるかというと、例えば1日4回ヘルパーさんに入っていただいて、訪問看護さんに毎日1回入っていただいてという、地域での連携によって、独居であろうが、我々には関係ないのです。どんな方でも家で看取りはできると思っているので、そのあたりの連携は、2時間ぐらいお時間いただければまたお話させていただきますが、連携は密にしており、勉強会も頻繁に開催して、介護の方との医療の知識の共有等は行っております。

○新田座長 どうぞ。

○西澤構成員 ありがとうございました。

 実は、そういう話も聞きたかったなと思っています。やはり医療者だけではできないのですね。介護がないとできないのだということは非常に大事なので、介護サービスがあるからこそ在宅医療がしっかりとできるのだということ、このあたりもぜひ、少しでもいいけれども、含めてお話ししていただいたほうが我々は理解しやすかったかなと思っています。

 それから、自宅と施設、なかなか難しくて、先生がおっしゃる定義が普通の考え方ですが、ただ、御存じのように、死亡診断書の自宅にはサ高住とかグループホームが入りますね。ということは、データを出すときに、自宅死といったときに死亡診断書で見るとサ高住が入ってしまいます。そのあたりはデータの出し方にもかかわるので、定義づけは先生がどうこうではなくて、我々を含めてきちっと定義づけが必要ではないかと思いますので、これは意見です。

 もう一つ、紅谷先生にですが、先生のところでは逆に訪問看護ステーションと訪問介護事業所、居宅介護支援事業所等、介護サービスを幾つか持っていらっしゃるのですが、先生の診ている在宅医療、その中で先生が持っている介護事業所それぞれがどれぐらいのパーセントか。要するに、先生以外の法人どのような比率かというのを教えていただければと思います。

新田座長 まず、紅谷参考人の前に、今の在宅のという概念でございますが、西澤構成員が言われましたように、自分の家だけではないと、もう少し広げてということ、それはできていますので、この場でまた整理していきたいと思います。

 では、紅谷参考人、どうぞ。

紅谷参考人 御質問ありがとうございます。

 今、訪問看護ステーションと、訪問介護、居宅介護支援事業所を持っているのですけれども、実はもともと開設当時は石賀先生と同じで、そういうものをつくらずに地域と連携だけで100%やっていきたいと思って、実際そうしてきたのですけれども、逆に私たちが持つ困難事例などをお願いしたときに、頼んだステーションが疲弊してしまうような事例が多くなってきてしまいまして、そういう意味で、途中で立ち上げたというところがあります。なので、訪問看護ステーションに関しては、実際、訪問看護の依頼をしている患者さんのうちの2割程度がうちのクリニックの訪問看護が入っていますし、居宅介護に関しては、非常に医療必要度が多い困難事例だけに限っていますので、今、実際は1人しか利用者さんを持っていないという状況で、ほかの99%ぐらいは地域のケアマネさんと連携しているという状況です。なので、ほとんどが外との連携ということになっています。

新田座長 よろしいでしょうか。

 鷲見構成員。

○鷲見構成員 ありがとうございます。

 先ほどからケアマネジャーや介護のお話が出てきたと思いますが、この会が国民向けに在宅医療の理解を推進するという意味では、今、在宅医療とその疾病に伴う生活障害に対してどういう対応が要るかというものも一緒に見えるような発信の仕方をすると両方の面から見えると思います。

 これは先ほど山口構成員からのお話もありましたように、利用者や患者は、在宅医療移行への説明を受けたときに非常に情報の入り方が断片的なのです。だから、全体像が見えない中で行動するので、実際には地域包括支援センターに行ってみたり、介護保険課に行ってみたり、または病院の相談室に行ってみたりします。どこに行ったらどういう情報がもらえるのかなど、使う側が全体像が見えるというような発信の仕方が必要なのではないかと思いました。

 以上です。

○新田座長 ありがとうございます。

 今の話はもちろん在宅における生活と暮らしを支えるための医療が入るという、そこが基本で、現在種々な形で行われている在宅医療を検討する会議でございますので、そのために、先ほど鈴木構成員が言われたさまざまな点もあるわけでございますが、伯野室長、順番等の問題は、これはこれでいろいろ議論するところではありますが、何か御意見がありましたら。

伯野在宅医療推進室長 先ほど鈴木先生がおっしゃっていた御趣旨は、恐らく在宅医療の提供体制を構築していく上では、この順番だと学会とか研究機関が主に見えて、そうではなくて、関係団体や行政、本来であれば国民が一番上に来るのかといった御趣旨なのではないかと思います。

 重点分野をエビデンスの蓄積と医療連携、普及啓発モデルということで分けております。(1)(2)の順番となると、エビデンスが最初に来ており、研究機関が実際に研究しますし、また、学会はそういった研究の全体の調整をするような役割もあるということで、この重点分野の順番に沿って書いてまとめたということがございます。

 もし、何か誤解が生じるようなこと、あるいはそうではないほうがいいのではないかということであれば、順番を変えるなりというところで工夫はさせていただきたいと思います。

 あと、もう一点、先ほど、学会とはどこなのかということですが、イメージとしては在宅に関する学会というと、平原先生のいらっしゃる在宅医学会とか、あるいは、飯島先生はきょう御欠席ですが、老年医学会とか、そういったところになるのかなと思っております。

 研究機関についてですが、これはそれぞれ研究される研究機関を指しております。ただ、2ページにございました特に中心的な役割を果たす研究機関というのは、先ほど私が説明の時にさっと申し上げましたが、どういう研究ができていて、どういう研究が求められている、というところを少し整理していったり、あるいは出ている研究成果を積極的に外に示していくという意味では、長寿医療研究センターがあるかと思っています。一方で、そういうことは東大でもやられていますし、絶対にどこか一つでないといけないというわけではありませんが、ここで書いたイメージとしてはそういったところを想定して記載させていただいております。

新田座長 どうぞ。

○鈴木構成員 在宅医療学会等は入るのでしょうけれども、在宅医療学会とは在宅に関係するごく一部の学会のそのまたごく一部です。もう少し広く考えないと、ごく一部の学会のごく一部の先生方の考えを標準化しようとするのはおかしいと思います。

○新田座長 どうぞ。

○伯野在宅医療推進室長 (1)学会の役割のところに標準化と書かせていただきました。ここは実は非常に我々も悩んだところでございます。

 通常ですと、何かある分野の、例えば糖尿病のガイドラインをつくりましょうとなると、糖尿病学会など学会がつくるというのが普通かと思っておりますが、ただ、在宅医療というと、何をもって標準化とするのかというところもあると思いますし、また、密接にかかりつけ医さんとの関係がありますので、今回、学会のほうに書きましたが、それぞれのところが連携をして取り組む内容かもしれません。ぜひそこはこの場でも御議論いただければと思います。

○新田座長 どうぞ。

○鈴木構成員 書きぶりを直していただきたいと思います。

○伯野在宅医療推進室長 わかりました。具体的にどうすればよろしいかというところを御提案いただければ、我々も作業しやすいのですが。

新田座長 貴重な意見ありがとうございます。

 中身に関して、もちろん私も本当は逆転したほうがいいなという意見を持っておりましたが、今の説明がありましたように、上から見ていくとこのような書き方になってしまった。そうすると、今、鈴木構成員が言われたような疑問も出るわけで、これは当然の疑問でございまして、そこのあたりをもう少し整理して、どこどこ学会がきちんと標準化して、そこで決めてしまうという話ではもちろんないわけでございまして、そういったことも関係団体を含めてつくり上げていかなければいけないと思っております。

 ただ、役割という書き方をしてしまうと、このような、一方では、書かざるを得ないので、そこはもう少し考えさせていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。きょうのこのような文章をもう少し整理するということでございますが、よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○伯野在宅医療推進室長 今、鈴木先生がおっしゃった内容で、例えば「在宅医療の手法を標準化し」というのは、何となく単独で標準化するように見えるという御懸念であれば、例えば「関係団体と密接に連携し」というフレーズを入れるとか、そういったところでいかがでしょうか。

新田座長 どうぞ。

○平原構成員 あくまで一つの提案ですけれども、逆にするということは私もいいと思います。なぜなら、重点分野が2つ書いてありますけれども、実は療養の主体としての国民が自分から考えていくということをかなり大きく打ち出していかなければいけないということを思うので、国民が第一にあっていいかなと思います。それを直接支えている医師会を初めとする諸関係団体の方の役割がその次に来て、それを裏から支えるといいますか、行政や学術団体というのは最後でいいかなと思いますし、さらに1番と2番のところは、学術団体としてまとめてもよろしいのではないかと私は思っております。

 先ほど、きょうの参考人のお二人の話は非常にすばらしい実践だと思いますし、私どもの柏などでかかりつけ医の先生方と在宅医療と連携をしてつくっていくということは王道だと思っているので、石賀先生の活動というのはすばらしいと思いますし、紅谷先生の多様なニーズに本当に一から応えていくという姿勢もすばらしいと思います。

 今回のワーキングで、非常に画期的だったのは入院や外来を相互に補完しながら生活を支える医療としての在宅医療という視点です。つまり、在宅医療の継続性とは何ぞやというところの部分が非常に今回の論議の肝かなと思っているわけです。私も在宅医療を25年やっていますけれども、最近、病棟の有床診療所の後方医療も始めまして、外来ももちろんやっておりますので、外来−入院−在宅というすべての医療形態を提供するようになりました。そういう立場でやりますと、時間軸で長く診ていく、障害を持ってから地域で最期まで長く診ていくというところをどう支えるのかが、非常に重要であることがわかります。特に、紅谷先生のお話の中で、慢性期に意思決定支援をしなくてはいけないというお話がありましたが、そこはすごく大事なところです。そういう医療のあり方というのを急性期も含めて全体的にどう捉えるかという議論をしたほうが、鈴木先生がおっしゃるように、本当に包括的な話になると思いますし、そこの議論を進めていっていただきたい。逆に、入院医療のあり方ということも含めて、しっかり議論していければいいなと思いました

 もう一つ、啓発といったら非常におこがましいのですけれども、地域啓発を誰がどのようにやるのか を具体的に考えることも重要です。 今、一応在宅医療・介護連携推進事業のアからクのキのところに地域啓発とあるのですけれども、実際、どのようにやると非常に効果的なのかということとか、国とか地方自治体 がどう役割分担をするかなども議論する必要があります。 在宅医療を知ってもらうということももちろん大事なのですけれども、 国民が自らの健康や人生の晩年の在り方について主体的に 考えていっていただくようにするにはどういう戦略があるのかとか、もう少しその辺のことも含めて包括的に考えていきたいなと思います。

 その大きな戦略はやはり国がつくるべきだし、普及啓発モデルも国がつくるべきだと思いますし、実際、普及啓発 は、きちんと目標を設定しつつ、 市区町村の役割としてやっていく、そういう議論できればいいのかなと思いました。

新田座長 ありがとうございました。

 佐藤構成員、どうぞ。

佐藤構成員 学会、研究機関の役割との関連で意見を言わせていただきます。今、全国の大学歯学部、歯科大学では全て在宅歯科医療に関する講義と実習を行っています。講義はともかくとして実習の部分ではほとんど地域のいわゆる歯科医師、歯科診療所、歯科医師会を含めた、構成される組織の協力なしにはほぼ実習ができない状況です。したがいまして、今後、教育され、世の中に歯科医師が在宅歯科医療の必要性を学び、実習をして卒業していくという過程の中で、実際の歯科医師会もしくは歯科診療所、その中にはもちろんかかりつけ歯科医もいるのが普通の形ですから、間違いなく現場と学会、この場合は大学ですが、その連携が欠かせなくなってきているというのが歯科における実情です。

 今後、学会の役割といったときに、もしくは大学の役割ということを考えた場合には、そういう実態もあるという中で、どのようにして質を高めていくかというのは、現場とのキャッチボールなくしてはあり得ないと考えます。

新田座長 今の平原構成員と佐藤構成員の話は、学会、研究機関等とは大体似たようなものだと、ある意味でまとめてもいいのかなという話でもありますかね。よろしいでしょうか。

 そこそこで一つ、余り分解してしまうと先が見えなくなるので、学術団体の名前がよいかと思います。平原構成員の話はやはり国民が主体になるから、順番として上に行ってもいいというような御意見であったと思いますが、ほかに御意見ありますでしょうか。

 どうぞ。

吉田構成員 山口構成員の資料の中にスタッフの種類ということで、薬剤師を入れていただきまして、本当にありがとうございます。現状、全国でまだ4割の薬局しか在宅に参加できていないということもあります。

 お二人の参考人の先生にお伺いしたいのですけれども、薬剤師はその中の連携のスタッフに入っていらっしゃるのでしょうか。

新田座長 どうぞ。

○紅谷参考人 もちろんでございます。どんどん今、一緒に勉強会なども重ねてやっておりますので、すごく役割分担であったり、場合によっては独居の方の場合は、サポート一つ一つが見守りにもなっていくという形になるので、非常に薬剤師さんが入っていただくことで、新たな気づきがあったりということで、今後、もっと連携していきたいと思っております。

新田座長 どうぞ。

○原口構成員  私どもの長寿医療研究センターは、医療機関としては病院でございますけれども、在宅を支援するために、在宅から必要なときに容易に入院できるような病院の運営のあり方を過去に提言し、それを実践させていただき、制度にも反映させていただくようなことがあったと思います。そうした意味で、地域の中で病床をどう使っていただくかということに取り組んでいます。

 また、逆に退院の面におきましても、病院ですが、小規模ですが、あえてある程度の期間、在宅のほうに往診させていただくような取り組みもやって、在宅と病床をできるだけ有効に大事に使っていくという医療を実践しているところです。

 本日の資料2で、中心的な役割を果たす研究機関と、情報を発信すると書いていただいています。長寿医療研究センターはナショナルセンターの一つですので、役割の一つとして情報発信は一つの本質的な役割ということになると思いますので、ここで情報発信とありますのは、前のページのエビデンスを研究した上でということを受けているものと思いますが、これをどのように発信するかというのは、それ自体がちゃんと研究した上でやられなければいけないことだと思っております。それを最も有効な形で情報発信するためにどういう形でやっていくかというのは、情報発信のやり方あるいはその方法を検討する研究を設計しながら、考えていかなければいけない課題だと思っております。

 具体的なところまで本日お答えできるほど考えておりませんけれども、このように記載されるということになれば、機能する形でちゃんと検討したいと考えております。

新田座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○山口構成員 先ほど質問はちょっと差し控えましたので。

 お二人の参考人の方、御発表ありがとうございました。

 石賀参考人に3点お聞きしたいのですけれども、先ほど他の構成員からレアケースというか、どこでも当たり前ではないという話がありましたけれども、どこでも同様のシステムづくりということを目指していらっしゃるというお話の中で、医療・介護の連携のみならず行政とも連携しながらシステムをうまく回していらっしゃるということがよくわかりました。やはりどこかがかなめになるというか、リーダーシップをとらないと、いろいろなところが連携するのは難しいし、どの地域でもということができないのではないかと思いました。

 今までの御経験の中で、まとめ役の存在ということについてどのような考えをお持ちなのかというのがまず1つ目です。

 実際に在宅あるいは施設での看取り数がふえてきているということで、これまで実践を行ってこられて、住民の意識の変化というものを具体的に実感されているところがあれば、どういうところで実感されているかということをお聞きしたいというのが2点目です。

 3点目が、スタッフは17時で終業ということで、夜間、休日は当番医師が全て対応と書いてございました。こういったことで、ドクターの負担が重くならないのだろうかということがちょっと気になったのですけれども、そこを教えていただきたいと思います。

新田座長 お願いします。

石賀参考人 ありがとうございます。

 まず、拠点というのは恐らく、また誤解を招くと嫌なのですけれども、ある程度看取りとか重度を診られる経験のあるところがその地域でそれぞれ担っていくというのは必要かと思うのですけれども、ただ、それは地域のあり方によって病院が中心を担うのでもいいと思います。どこということはないのですけれども、ただ、爆発的に広げようと思うと、勝手な案ですけれども、知識があるとか、経験が多いところで、大勢ある程度研修とかを受けさせるような仕組み、全国に20とか、拠点をつくってそこで集中的に半年、あるいは1年基礎的なところを教えて、輩出していく。そして彼らが地域に戻り活躍する。そのような形が私は必要ではないかと考えております。

 また、住民の意識は、私も月3回、4回講演をずっとしてきましたので、それによってかなり四日市の住民の意識は変わってきたと感じておりまして、患者の紹介も、住民から住民への口コミの紹介がかなり多くなっているということと、後は、NPOの方とか、市民の会のようなものもたくさん立ち上がったりして、そういうところも啓蒙活動を進めていただいておりますので、そういった意味では住民みずからが動いている体制は少しずつできてきていると感じています。

 もう一点は、医師の負担という面では、私もやはり4人以上でやらなければ、重度に対する在宅医療はできないと考えておりまして、具体例でいいますと、例えば開院後の最初の2年、私は24時間ずっと働いていましたけれども、そのシステムは永続しないので、それ以降は医師が入るたびに7日ずつ当番をしていただきました。夜間の7日ずつを1人の医師が担当するという状態で、つまりその7日以外は17時に帰ることができますので、医師としても勤務医のころよりはるかに負担が少ないという意見が圧倒的です。実際、独立以外で退職されるドクターもおりません。17時終業で医師4人以上の単位でやっていくというのが私は基本スタンスかなと思っています。

○新田座長 どうぞ。

○齋藤構成員 私も石賀先生や紅谷先生に1点、2点ほど質問があります。両先生ともみている患者さんが相当重度であったり、あるいは非常に管理の難しいベビーという患者さんを御自宅で丁寧にケアされているのですが、恐らく先生たちとタッグを組む訪問看護ステーションのよしあしが相当影響しているのではないかと感じております。

 三重県は特にここ数年の訪問看護ステーションの伸び率は、政令指定都市や都道府県等から見てもベスト10に入っており、非常に伸びています。そういうことを考えますと、やはりこれから地域でお看取りや、御家族がどうしても御自宅で過ごしたいという御希望をかなえていく、あるいは、重度のがんの人でも御自宅でも大丈夫ということを保障するときに、どういうステーションに依頼がしやすいのか、どういうことを期待するのか、二、三御経験の中でありましたら、教えていただきたいです。

 資料の2についてはいくつか御議論はあったのですけれども、私も気になる文言がございまして、関係団体の役割のところに、研究に協力しなさいということと、教育研修の充実を図ってくださいということを書いてあるのですけれども、何か団体に丸投げしているような印象がどうにもぬぐえません。教育は団体としては非常に重要で襟を正して頑張りますけれども、行政にそこをバックアップしていただかないと、うまく運ばないのではないかと思います。行政の役割の中にそういった団体が行う教育や研修に関しましては、きちんと支援をするということは一言ぜひ入れていただきたいと思っております。

○新田座長 2点でございますが、まずは石賀参考人でよろしいでしょうか。

石賀参考人 ありがとうございます。

 ステーションに関しましては、先ほど申しましたように、我々のところは10カ所ちょっとだったのが今は29カ所ステーションが四日市市内にありますが、どこが好ましいとかは決めずに、そこのステーションのレベルに応じた患者さんを依頼するようなやり方はとっております。だから、がんが強いところは確かに強いのですけれども、そこばかりに依頼していても伸びていかないので、ちょっと自信がついてきたかなというステーションには落ちついたがんの方をお願いしたり、小児、難病でもちょっとやってみようかなというところとか、成長段階に応じた依頼の仕方は工夫しております。

○新田座長 2つ目の質問に関しては、先ほど鈴木構成員からも、関係団体が協力し、教育、研修の充実を図りというのは、一方的に団体が協力するというのも何だかという問題がありました。それぞれ研究機関あるいは学術団体、関係団体一緒につくっていくという作業だろうと思っております。その意味の協力体制をつくり上げるという言葉だと思っていただければと思いますが、それでよろしいでしょうか。

 どうぞ。

○鈴木構成員 そうするのでしたら、そのように書きぶりを直してもらう必要があります。

新田座長 先ほどの話ですね。

○紅谷参考人 訪問看護ステーションとの連携のことですけれども、これから在宅医療をいろいろ高齢者だけでなく小児も含めていく上では、生活をしっかり見ていくという意味で、訪問看護ステーションとの連携は間違いなく欠かせないものになっていくと思いますし、どういうステーションと組みやすいかということに関しては、一言で言うと、最初は24時間対応していただけるところというのが、最初は落ち着いて24時間対応が必要なさそうな方でも、長期診ていけば変化していくので、そういうところに柔軟に対応していただきたいと思っています。

 あとは、連携体制としては、フラットな連携が、私たちももちろんそれを気をつけていますが、ステーション側からも医師、看護師、介護職と、それぞれがフラットに連携していないと、在宅の生活が支えられないなと思いますので、柔軟な、フラットな連携をさせてもらえるといいなと思います。

 また、うちは東京とかと違いまして、田舎のほうなので、例えば小児が得意なステーションというのがあっても、距離的にそのステーションが全てこの地域の小児を診られるかというと、そういうわけではありませんので、やはり患者さんは均等にばらけますので、ステーションが例えばこの地域でやっていると、そこしか頼りようがないという場合がありますので、それは小児ですとか、難病ですとか、新しいことにももちろん連携しながら、必要であれば教育したりということはもちろん私たちもする体制でいますので、柔軟にというか、チャレンジ精神といいますか、新しい小児ですとか、難病ということも、チャレンジしていってくれるステーションがあると非常に頼りになると感じています。

 以上です。

○新田座長 ありがとうございます。

 がんの緩和ケア等々の話と、小児在宅医療の話であったと思います。しかしながら、例えば認知症の在宅ケアのあり方など、ふだん余り医療者だけではなくケアマネとか、介護事業者、もちろん訪問看護などの多職種で支える事も在宅ケアの重要な点です。きょうは集約した議論で話していただいたと思いますので、そこのところは許していただければと、こちらは座長からまたお願いいたします。

 そのほか、御意見ありますか。

 どうぞ。

○西澤構成員 質問を1つ忘れたので、紅谷先生ですけれども、早期連携の59歳の女性の件ですが、8ページ、X年の12月にADL回復のために在宅医療終了と書いています。そして、その後で+2年3月、1年何カ月かたってからまた再開と書いてあります。この間、当然この患者さんは医療を受けているのですけれども、それはどこでどういう形で受けているのでしょうか。

新田座長 どうぞ。

○紅谷参考人 御質問ありがとうございます。手術した病院のほうに定期的というか、一番落ち着いたときには2カ月、3カ月に1回と聞いているのですけれども、そのように通院されていたということです。

○新田座長 どうぞ。

○西澤構成員 わかりました。ということは、当然、在宅医療をやっているときもそちらの病院には定期的に通っていたということで捉えてよろしいでしょうか。

紅谷参考人 そうです。ただ、在宅医療に入っている間は、通院の期間はかなり延びて、私たちが病院と情報を連携することで、通院の期間は長くなっていたと思っています。必要な検査とかのときに病院に行くという、在宅の連携というスタイルでした。

新田座長 どうぞ。

○西澤構成員 わかりました。ありがとうございます。

 ただ、先生、この間も、在宅でできるか、場合によっては外来かわかりませんが、やはり先生が自分でこの間もこの患者さんを診たいなという気持ちにはなりませんでしたか。

○紅谷参考人 この2年間ということですね。もちろんそれはそうですね。正直、実はどうですかというお電話を差し上げたりはさせていただいておりました。

○新田座長 どうぞ。

○西澤構成員 今のは大事だと思いますが、一人の患者の、例えば入院とか、外来、在宅とか分けるのではなくて、医者としては、できれば全部にかかわりたいという気持ちはあると思うのですね。でも、なかなかそうはいかないだろうと。1人の医者が超急性期から在宅まで全部というのはなかなか難しいと。その中で、やはり医者としてどこまでどうかかわっていて、どのように連携していくかというのが非常に大事だろうと思います。この在宅医療というのもそういう全体の中で考える必要があると思いましたので、印象です。

○新田座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○城構成員 資料2の関係で、行政の役割というところがありますので、横浜市で自治体の立場から少し発言させていただきますと、在宅医療は今までのお話もありましたように、かなり個別性、多様性があるものだということを前提に考えなければいけないだろうと思っています。

 それぞれの地域にある医療資源のありようとか、介護資源のありようとか、あるいは患者さんそのものが家族の形態から何から全く個別性があるわけで、そこに最適な在宅医療の環境を整えていくというのが行政の役割だとすれば、行政という一くくりではなくて、身近な基礎的な自治体の役割というのが非常に強いのではないかと思っています。

 ここに都道府県、市町村と一緒くたに書かれていますけれども、私たちも在宅の施策を進めていく中で、非常に困るなと思うのは、在宅医療・介護総合確保基金といったものが、国が3分の2、県が3分の1というたてつけになっている中で、県の理解が得られないと横浜市域だけ、あるいは横浜市の中の一部だけで使おうというお金はなかなか計画には盛り込まれないとか、そういう個別性というものが実際はなかなか難しい部分があるので、行政の役割もこういう一緒くたではなくて、より市民に身近な自治体が主体的に環境を整えていくというか、コーディネートをしていくというか、そういうことができるようにしていくべきだということは、かなり強調していただきたいと思っています。

○新田座長 ありがとうございます。

 今の話も貴重な話で、在宅等々で、それぞれの地域によって医療資源、介護資源が違う中で、それぞれ身近な自治体を含めてという、横浜のような340万と10万と5万とがどう違うのかと、もちろんありますね。

○城構成員 横浜市も18区あって、18区に在宅医療連携拠点を整備したわけですけれども、その18区が全く区の医師会さんの考え方が違うわけですね。ですから、それぞれの区の医師会さんときちんとお話し合いをしながら、その地域に合ったやり方をしていかないと、全然根づかないという状況もありました。

○新田座長 ありがとうございます。

 恐らく平原構成員が最初に言われた疾病の進行、治療等、患者さんがたどるプロセス等々、例で出しておりますね。ポツが3つありますが、こういったものを含めて環境条件あるいは自治体条件等々含めたもので、それぞれに合ったものをここで考えていくという話になるだろうと思っておりますが、よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○鈴木構成員 今までの先生方のお話を聞かせていただいて、日本の在宅医療のあり方をどうするのかというところは整理しておく必要があると思うのです。我々の考え方はかかりつけ医の外来の延長の在宅が基本だと考えていますので、そういう意味では、24時間対応するのは、私は訪問看護ステーションの役割だと思うのです。基本的に海外を見ても、日本の在宅を中心にやっていらっしゃる医師のように、医師がそのように頻繁に在宅に行っているという国はないと思います。そういうある意味特殊なやり方を日本の普遍的なやり方として普及させていくのか、それとも、海外のように、家庭医とかいろいろな呼び方がありますけれども、その在宅を、24時間対応の訪問看護が支えるのか、北欧などでは訪問看護も三交代になっているわけです。

 さらに、日本には中小病院や有床診療所という既存資源がありますので、その入院機能も活用して、できるだけかかりつけ医の先生の負担を減らしながら、身近なところで暮らしていくというのが日本ではいいだろうと思います。例えばフランスの夜の0時から朝の8時までは訪問しないのです。その間はどうしているのですかと聞いたら、何かあれば救急車で病院に行ってもらうということで、そのように割り切っている国もあるのです。在宅を中心にしている先生方が頻繁に在宅に行かれることは、非常に大変だと思うのですが、結局若い先生方の場合、その負担を回避するために4人とか5人以上のグループ化をして、むしろ朝9時から夕方5時までのサラリーマンのような形で、かかりつけ医とは切り離した形で診ていくということになってしまうのだと思います。診療報酬上、在宅専門の診療所も認められたわけですがあくまでもかかりつけ医の在宅を補完する形で認めたのです。かかりつけ医の在宅として、どういうものを標準的なモデルとして考えていくかというところはぜひもう少し議論をしていかないと、ある意味では特殊なモデルが日本のあり方ということになってしまうのではないかと、我々、そういう懸念を非常に強く持ちます。

○新田座長 ありがとうございます。

 ほかにどなたか意見はありますでしょうか。おおむね出たのでございましょうか。

 少しきょうの資料1、2のまとめ等を含めてやらなければいけないのですが、次回の検討会は3月にもう一回やるという話になりますかね。

伯野在宅医療推進室長 最後にお話しする予定でしたが、3月1日を予定しております。

○新田座長 次回にきょうの今のまとめを含めて、3月1日におおむねこの資料1、2においての議論をまとめて、全体会の中に出していきたいと思っております。

 その意味で、今、最後に鈴木構成員が言われた日本の在宅医療のあり方を検討していければと思います。きょう、参考人として出ていただいた紅谷参考人、石賀参考人の一つの方法論、そして、西澤先生が言われた病院中心も含めて、かかりつけ医等々、さまざまなパターンが今、述べられておりますが、そこも含めてこの場でまとめ上げていければと思っていますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○伯野在宅医療推進室長  鈴木先生がおっしゃっていた話なのですが、恐らく地域によって医療資源というのはそれぞれさまざまですし、在宅医療は当然地域包括ケアの一部であると思っていますので、一つの形を国が示して、これでやりなさいというのは、恐らく地域包括ケアと一緒でふさわしくないのではないかと思っておりまして、あえて資料2の1の(2)では、モデルという表現をしております。1個のパターンを出すわけではなくて、幾つかのこういった事例がありますよというパターンを出させていただきたいと思っています。

 先ほど、石賀先生のプレゼンでありましたが、少し誤解があったかと思うのは、資料3の3ページをごらんいただいて、一次、二次、三次というシステムをつくっているのは、四日市と四日市市の医師会とが話し合いをしながらこういう組み立てていて、その上で、きょう、石賀先生がいらしてプレゼンしている部分は一番上の三次のところをやっていますというお話なのだと思うのです。ですから、地域によってこういうやり方もあるし、いろいろなやり方が多分あって、それは医療資源によって少しやり方も工夫していかなければいけないということなのかなと思っていますので、そういった意味で、今回、資料2のほうでモデルという言い方をさせていただきました。 以上です。

○新田座長 ありがとうございます。

 よろしいでしょうか。

 きょうの資料1、2についてのその他御意見等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。

 どうぞ。

平原構成員 先ほどお話しさせていただきました、国民を最初に書いたほうがいいというお話しですけれども、私自身、在宅を90年代からやっています。90年代のときは、多分新田先生も感じたと思うのですけれども、介護者がしっかりして、大体在宅介護されている方は4割ぐらいがしっかりとした介護者がいて介護されていたのですけれども、今、そういう家庭がほとんどない状況になっていて、随分在宅の現場がさま変わりしているのは、皆さんも日々感じていらっしゃると思うのです。これはただ、独居がふえたとか、高齢世帯がふえただけではなくて、若い方がいたとしても、全く判断できない方々がすごくふえています。つまり、セルフケア能力といいますか、自分の健康を自分で守るという力とか、あるいは考え方とか、そういうものがすごく乏しくなっているというのがすごく実感するところなのです。

 やはり1976年、病院死のほうが在宅死を上回ってから40年たつので、30年一世代としたら、今の在宅医療を受けている方は自分の御両親を見たときにはほとんど病院死だったわけですし、今の介護者の方は小さい子供のときに病院で亡くなるおじいちゃん、おばあちゃんを見ていたという世代ですので、病院が標準になっていて、家で見るということについてはむしろ当たり前ではなくなっているわけです。しかも若い方が非常に働き過ぎている状況とかもあったり、健康教育がされていない中で、病院という選択肢が自然に出てくるような感じがしているのです。

 これを本格的に変えていくには相当大きな仕掛けが必要で、子供のころからの健康教育ですとか、あるいは、退職する前の地域デビューのための教育ですとか、セカンドライフをどう生きていくのかとか、そういうことの大きな教育システムや、そういうことをムーブメントとしてつくっていくという土台の上に、最終的に在宅医療をどう選択するかということが提示されないと、在宅医療の仕方だけ、あるいは知識だけだと、多分、選択にはならないなと思っているので、そういう大きな話が実は必要だと思っています。だから、国民の啓発を一番に書くぐらいがちょうどいいのではないかという意味を込めて、そういう提案をさせていただきました。

新田座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○鈴木構成員 おっしゃるように、医療資源とか人口だけではないのです。高齢化率が非常に大きなファクターになっているのです。ですから、自宅自宅とおっしゃるけれども、結局自宅には誰もいなくなり、それでも自宅で看取れるとおっしゃるけれども、それで本人が満足かどうかはまた別の問題だし、我々はそこに余りこだわらず、地域の中の資源を必要に応じて選んで使っていただければいいと柔軟に考えています。我々には在宅を中心にやっている先生のようなこだわりはないので、かかりつけ医の在宅を中心にやるべきだと思っていますが、それは高齢化率によっても違って来ます。すなわち今後は全国的に高齢化率がさらに上がって行き、家族のいない施設的な在宅が実際にはふえていくわけです。その場合に余り在宅医療と入院医療とを切り分けて考えないで、在宅と入院を一連のものとして利用しながら、地域の中でどう過ごしていくかを考えていったほうがいいのではないかと思います。

 きょうのお二人の取り組みは地域の中小病院や有床診療所でもやっているところがたくさんあるし、かかりつけ医の先生にも日中だけではなくちゃんと夜間の対応もしている先生がたくさんいらっしゃり、緊急往診や看取りの3割前後は普通のかかりつけ医の先生がやっているのです。そういうことを考えていくと、在宅医療と言っても2つとか3つとかのパターンに分かれるものではなくて連続的に地域の中で行われている話ですから、その一部を切り出して議論するのではなくて、もっと包括的な議論が必要であり、それこそがまさに地域包括ケアだと思うし、将来に向けて全体としてどういう体制がいいかということもぜひ視点として入れるべきだと思います。

新田座長 もちろんこの会議は、地域包括体制を中心として、その中に在宅医療は重要な視点になるだろうと思います。そのために国民の期待に資するものをいかにつくり上げていくかということだろうと思っています。その中には在宅医療は、取り上げてそこにぽつんとあるわけではなくて、一連の中にあるだろうと思っていて、そこは国民の選択も含めて、先ほど山口構成員の意見もありましたが、そうしたことに的確に応えるのがこの場だろうということで理解しておりますが、よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 それでは、時間になりましたので、本日の議論は個々までにしたいと思います。

 事務局は、本日の構成員の皆様の発言を踏まえて、意見を整理しまして、次回のワーキンググループでは取りまとめていきたいと思います。

 その際、資料の2及び3について、重点病院にかかわる当面の具体的な取り組みですが、それについてまだきょうは意見が皆様の意見にありましたが、その中で特に記載すべき団体等の取り組みについて事務局から各構成員に連絡して、調整するようにしていただきたいと思います。また、各構成員についても協力をよろしくお願いしたいと思います。

 ということで、最後に事務局から連絡事項を含めてよろしくお願いいたします。

○桑木室長補佐 先ほどお話もありましたように、次回は3月1日を予定しておりますが、場所、時間等決まりましたら、また追って連絡いたします。

○新田座長 何かそのほか伝えるべきことはありますでしょうか。

 きょうの意見を踏まえまして、また事務局と中身を調整していきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

医政局地域医療計画課 在宅医療推進室
TEL:03-5253-1111(内線2662)

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