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2017年1月23日 第1回視覚障害の認定基準に関する検討会

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成29年1月23日(月)16:00〜18:00


○場所

中央労働委員会会館 講堂(7階)
(東京都港区芝公園1−5−32)


○出席者

久保田伸枝構成員、白井正一郎構成員、竹下義樹構成員、田中雅之構成員、仲泊聡構成員、中村耕三構成員、松本長太構成員、湯澤美都子構成員

○議題

(1)検討会の開催について

(2)現行の視覚障害の認定基準等について

(3)「視覚障害認定基準の改定に関する取りまとめ報告書」(平成28 年8 月26 日、公益財団法人日本眼科学会 視覚障害者との共生委員会、公益社団法人日本眼科医会 身体障害認定基準に関する委員会との合同委員会)について

(4)視覚障害の認定基準等の検討について

(5)その他

○議事

○和田企画課人材養成・障害認定係長 

定刻より少し前ですが、構成員の皆様、お集まりいただいておりますので、ただいまから、第 1 回視覚障害の認定基準に関する検討会を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、お忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうございます。私は社会・援護局障害保健福祉部企画課の和田と申します。議事に先立ち、障害保健福祉部長の堀江よりご挨拶を申し上げます。

 

○堀江障害保健福祉部長 

皆様、こんにちは。厚生労働省の障害保健福祉部長の堀江です。構成員の皆様におかれましては、この度、大変お忙しい中、視覚障害の認定基準に関する検討について、ご参加いただくことをご快諾いただき誠にありがとうございます。本検討のテーマとなるのは、身体障害者福祉法の視覚障害です。法に定める視覚障害者として、平成 28 3 月末現在、身体障害者手帳の交付を受けている方は約 34 万人です。

 身体障害者手帳の対象となるかどうかを判断するための認定基準などについては、身体障害者福祉法や関係法令などに規定しております。その内容は、診断が行われる医療現場の実態に見合うよう、さらに障害の程度に応じた適切な等級に認定されるよう、適時、見直しをしていくべきものだと考えております。この点、本検討会では本日の資料にもあります日本眼科学会、日本眼科医会の合同による報告書、また、当時者の方々からのご意見を踏まえて、皆様に現行の視覚障害の認定基準などについてご議論いただきたいと考えております。

最後に、構成員の先生方におかれましては、是非、忌憚のないご意見、ご議論をお願い申し上げ、検討会の開催に当たる冒頭の挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○和田企画課人材養成・障害認定係長 

それでは、恐れ入りますがカメラ等の撮影は、これまでとさせていただきますので、ご協力のほどお願いいたします。

続いて、構成員の皆様の紹介をいたします。資料 1 の裏側の 2 ページに名簿を添付しておりますので、お名前のみ紹介いたします。石橋達朗構成員は、本日、ご欠席です。久保田伸枝構成員、白井正一郎構成員、竹下義樹構成員、田中雅之構成員、仲泊聡構成員、中村耕三構成員、松本長太構成員、湯澤美都子構成員です。続いて、事務局の紹介です。障害保健福祉部長の堀江、企画課長の朝川、企画課の和田です。

それでは、検討会の立ち上げに際して座長の選出をお願いいたします。どなたか推薦はございますか。

 

○白井構成員 

中村耕三先生を推薦したいと思います。

 

○和田企画課人材養成・障害認定係長 

ただいま、中村耕三先生ということでご推薦がありました。皆様、いかがでしょうか。

 

                                   ( 異議なし )

 

○和田企画課人材養成・障害認定係長 

それでは、中村座長、よろしくお願いいたします。

 

○中村座長 

ご指名いただきました中村でございます。円滑な議事進行に務めたいと思いますので、ご協力のほどお願い申し上げます。

 まず、座長代理の件です。開催要綱に基づきますと、座長代理は座長が指名することとなっておりますので、疾病・障害認定審査会身体障害認定分科会の委員もお務めいただいております湯澤構成員にお願いしたいと思いますが、皆様、よろしいでしょうか。

 

                                   ( 異議なし )

 

○湯澤座長代理 

よろしくお願いします。

 

○中村座長 

ありがとうございます。それでは、湯澤構成員、よろしくお願いいたします。続いて、事務局から資料の確認をお願いいたします。

 

○和田企画課人材養成・障害認定係長 

表紙の議事次第に続き、資料 1 「視覚障害の認定基準に関する検討会開催要綱」、資料 2 「身体障害者手帳制度の視覚障害について」、資料 3 「視覚障害認定基準の改定に関する取りまとめ報告書」、資料 4 「視覚障害の認定基準等に関する論点」、参考資料として現行の「身体障害者福祉法関係法令等 ( 抜粋 ) 」です。以上、お手元にございますか。不足がございましたら、事務局までお申出ください。

 なお、本検討会は公開のため、資料、議事録は厚生労働省のホームページに掲載されますので、あらかじめご了解ください。また、検討会の運営に当たり構成員の皆様にお願いがございます。視覚障害、聴覚障害をお持ちの方などへの情報保障の観点から、ご発言される場合には挙手をお願いいたします。そして、挙手された発言者に対して座長からご指名いただき、指名を受けた発言者は、お名前の後に発言いただくという流れで進行したいと考えておりますので、ご協力をお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○中村座長 

それでは、早速、議事に入ります。まず、議事 (1) 「検討会の開催について」に関して、事務局より説明をお願いします。

 

○朝川企画課長 

資料 1 です。表面に開催要綱です。 1. 趣旨です。身体障害者認定における視覚障害の認定基準について、有識者、関係者の参集を得て検討を行うというものです。 2. 構成等です。 (1) 本検討会は障害保健福祉部長による検討会として、部長が開催する。 (2) 構成員は、別紙のとおりとする。先ほど見ていただいた裏面が構成員です。 (3) 本検討会に、座長及び座長代理を置くということで、 (4) の手続きで先ほど座長と座長代理を選出させていただきました。

3. 招集等です。 (1) で必要に応じて座長が招集する。 (2) で本検討会は必要に応じ、意見を聴取するため、参考人をお招きすることができます。 4. 事務局です。本検討会の庶務は、社会・援護局障害保健福祉部企画課が行います。 5. その他です。この要綱に定めるもののほかは、座長と相談の上、障害保健福祉部長が別に定めるというものです。説明は以上です。

 

○中村座長 

今、説明の議事 (1) 、資料 1 について、何かご質問等はございますか。特にないようですので、議事 (2) 「現行の視覚障害の認定基準等について」事務局より資料の説明をお願いします。

 

○朝川企画課長 

資料 2 「身体障害者手帳制度の視覚障害について」です。 1 回目ですので、基本的な制度を紹介するという趣旨です。まず、 1 、概要です。身体障害者福祉法に定める身体上の障害がある者に対して、都道府県知事、指定都市市長、中核市市長が手帳を交付するという仕組みです。

 身体障害者手帳の交付の対象者は、 2 番にありますが、法律の別表に掲げる身体上の障害がある者と規定されており、その別表については、 1 9 が定まっております。いずれも一定以上で永続することが要件とされております。今回の検討会は、その中の 1. 視覚障害に関する部分についてご議論いただくものです。

3 、障害の程度は法別表に該当するものについて、身体障害者福祉法施行規則の別表の身体障害者障害程度等級表に定められており、重度の順に 1 6 級まで等級が定められております。現在、交付者数について、身体障害者全体で 519 万人余りという状況で、うち視覚障害者の方は、冒頭の部長のご挨拶にもありましたが 34 4,000 人です。

2 ページです。身体障害者福祉法における視覚障害の範囲についてです。上の半分が、法律制定時の身体障害者の範囲です。第 4 条で、この法律によって「身体障害者」とは、別表に掲げる身体上の障害のため、この当時は職業能力が損傷されていると書いてありますが、 18 歳以上の者であって手帳の交付を受けたものということです。その別表は、施行当時は視力に着目した基準のみが定まっており、 1 、両側の視力が 0.1 以下で症状が固定したもの、 2 、一眼が失明し、他眼の視力が 0.6 以下で症状が固定したものということです。

 何回か改正がありましたが、現行の基準は下です。第 4 条は、「身体障害者」とは、別表に掲げる身体上の障害がある 18 歳以上の者で手帳の交付を受けたもの。別表は、若干、見直しがされており、 1 2 は視力の関係で、 1 、両眼の視力がそれぞれ 0.1 以下のもの、 2 、一眼の視力が 0.02 以下、他眼の視力が 0.6 以下のものです。 3 4 は追加です。 3 、両眼の視野がそれぞれ 10 度以内のもの、 4 、両眼による視野の 2 分の 1 以上が欠けているものという定義です。

 この法律上の定義を受けて、 3 ページです。省令、施行規則で 1 6 級の等級が定められております。上の四角に身体障害者手帳の記載事項ということで、施行規則の第 5 条第一項第二号に障害名と障害の級別を手帳に記載することになっており、第 5 条第 3 項に第一項に定める障害の級別というのは別表で定めますということになっております。その別表が下の表です。 1 6 級まであり、左右のとおり、視力に着目した等級と視野に着目した等級、それぞれここに書いてあるように定められております。

 欄外の一番下にありますが、注意書きとして、視力は万国式試視力表によって測ったものをいい、屈折異常のある者については矯正視力について測ったものをいう。もう 1 つ、両眼の視力の和とは、この表の左側の 1 6 級を見ると、両眼の視力の和が 0.01 以下というように記載されておりますが、その視力の和とは両眼視によって累加された視力の意味ではなくて、両眼の視力を別々に測った数値の和のことであるとなっております。

4 ページは、視力を表のようにマトリックスにすると、横軸が良いほうの眼、縦軸が悪いほうの眼という等級分布になっております。資料 2 の説明は以上です。

 

○中村座長 

ただいまの説明のものが、現行の身体障害者福祉法における視覚障害の範囲や認定基準です。これに関して詳しく説明がありましたが、何かご質問等ありましたらお願いいたします。この規則の両眼の視力を別々に測った数値の和とか、恐らく、この辺が後ほど議論になるのであろうと思います。構成員の皆様から、何かコメント等はございますか。特になければ、現行これでやっていただいているということですので、特段、ご質問はないかと思います。問題点については、後にお伺いしたいと思います。

 それでは、議事 (3) 「視覚障害認定基準の改定に関する取りまとめ報告書」に移ります。これは、日本眼科学会と日本眼科医会の合同委員会において、現行の視覚障害の認定基準の全般について検討され、昨年の 8 月に厚生労働省に報告されたものです。本日は、その検討から携わってこられました日本眼科学会の久保田構成員と日本眼科医会の松本構成員より、ご説明いただきたいと思います。

 それでは、視力障害について久保田構成員、視野障害については松本構成員にお願いしたいと思いますので、この順でお願いいたします。

 

○久保田構成員 

視力のことをご説明いたします。視力については、測定、その他についてはあまり問題ないのですが、学術会議の提言にも示しましたように「両眼の視力の和」が基準を定めるに当たって一番の問題です。何回か会議を開いていろいろ検討した結果、今回、もし基準を変えることができるとすると、法令はそのままで、施行規則にある「視力の和」のところが変更できるのではないかということになり、視力の和を良いほうの眼の視力、あるいは両眼で見たときの視力に変更するかについて検討していくことになりました。

 良いほうの眼の視力か両眼で見たときの視力かという問題については、眼科の日常臨床においては、片眼ずつ視力を測るのが普通で、両眼で見たときの視力は子どもやお年寄りで測ることはあります。日常診療では片方ずつ視力を測っておりますので、両眼の視力を測って良いほうの眼の視力にするのが妥当ではないかということになり、「視力の和」ではなく、「良いほうの眼の視力」に基準を変えようということになりました。

 まず、両眼の視力の和を片眼の視力の良いほうに変更した場合に現行の等級とどのように違うのかということを、実態調査をしました。対象は、東京都の心身障害者福祉センターで新規に手帳を取ったケースと、仲泊先生が集められた国立障害者リハビリテーションセンター関係の 1,151 例です。東京都のセンターは 1,149 例で、これは資料の 8 ページと 9 ページに、良いほうの視力にした場合の結果を示しています。

 次に、良いほうの眼の視力に変更した場合の基準を決めなければ実態調査結果の分類ができませんので、いろいろ検討した結果、最終的には 7 ページの認定基準実態調査の基準 ( ) 、以下基本案としますが、それを見てください。

 良いほうの眼の視力を基準にした場合に、 1 級は 0.01 以下で変わりません。 2 級は、現行は 0.02 以上 0.04 以下なのですが、良いほうの眼にした場合には 0.02 以上 0.03 以下としました。これは後に修正案の所に出てきますが、 2 級を 0.03 以下にするのか 0.04 以下にするのかということで、かなり検討しました。統計を取るのには 0.03 以下でやってあります。

3 級は、良いほうが 0.07 以下、 4 級は 0.1 以下、これは資料 2 2 ページの身体障害者の範囲の一の視力障害の両眼の視力が 0.1 以下に入ります。 5 級は、一眼の視力が 0.02 以下で他眼の視力が 0.2 以下のもの。これは、現行は一眼の視力が 0.02 以下、他眼の視力が 0.6 以下なのですが、範囲が一の 2 の一眼が失明し他眼の視力が 0.6 以下で症状の固定したものに入ります。 6 級は、今までと範囲も等級も変わりません。

 視力の和から良いほうの視力にすると、当然、該当する等級の人数が異なります。センターだけの例を示したものが、 9 ページの表 d です。 1 級と 2 級は、 2 級が少し減って 1 級が増えていて、 1 2 級はほとんど変わらないのですが、 4 級は非常に多くなって 5 級が減るという結果です。

 基本案をどのように決めたのかというと、 10 ページから 12 ページの図を基に視力の基準を検討した結果、最終的に決めたのは、 13 ページの表 e を見ていただくと分かりやすいのですが、国際基準に準じて logMAR 視力で、 3 段階ずつに区切りました。その基準で等級を決めて分類した結果が、現行と、それほど大差がなかったことと、 logMAR 視力で明確に分けられるという点で決めたわけです。

 以上、視力については、視力の和から良いほうの眼の視力にということで、比較的容易に施行規則を変えることができるという報告をいたしました。また、現行の小数視力ではなく、 logMAR 視力を用いることも検討したのですが、やはり、現在、臨床で使っている小数視力による判定が一般的ではないかということになりました。視力としては以上です。

 

○中村座長 

ありがとうございました。ご質問等は、後に一括してお受けしたいと思います。続いて、松本構成員から、視野障害についてご説明をお願いいたします。

 

○松本構成員 

それではよろしくお願いします。資料の 14 ページからになります。視野に関しては、現状の基準の問題点を少し整理したいと思います。現状は、今回の改定において、大きなポイントとなる点に、現在視野検査で用いられているゴールドマン視野計があります。これは手動で視野を測る機械で、半世紀以上前に作られた装置です。現在では、臨床的にはコンピュータで視野を測る自動視野計が主流になってきています。そのため、自動視野計を使った認定基準がないということが、臨床上の大きな課題となっております。

 もう 1 つは、ゴールドマン視野計の判定基準の中で散見される幾つか矛盾点があります。例えば、 14 ページの図 1 のようなケースです。これは、求心性視野狭窄で現法 1/4 (いちのよん)という検査条件でどれだけ狭いかを評価するのですが、現法では、 10 度内に入っておれば 2 級、 3 級、 4 級の判定に進めるのですが、 10 度を超えていますと5級までになってしまいます。ところが、臨床的には図 1 の左のような方、あるいは右のような方もございまして、ほとんど面積は同じですが少しだけ横に出ているというケースもあるのです。実際には現行法では右のようなケースは 5 級に判定されてしまうため、実際の視機能との不整合が存在するということです。

 もう 1 つは輪状暗点です。 15 ページの図 2 のケースがよく指摘されています。輪状暗点というのは、大まかに説明しますと中心部分は見えているのですが、その周りがリング状に見えず、そしてそのまた周辺部は再び見えているという状況です。こういう患者さんの場合には、視野狭窄が完全に 10 度内というわけではないのですが、やはり日常生活が相当不自由ということで、前回の改定のときに、これも求心性視野狭窄の判定基準の中に入れることが決まっております。ですから、この図 2 の左のようなケースでも、 2 級、 3 級、 4 級という判定をすることができます。ところが、臨床的に見ていきますと、残念ながら視野障害が進行してきて、この輪状暗点がどんどん外側へ広がっていき、周辺に少ししか視野が残っていない状態になった患者さんもたくさんおります。ところが、現法ですと輪状暗点と規定していますので、このような患者さんの場合には輪状暗点ではない。さらに、中心 10 度外の周辺にも視野が残っているということで 5 級へ等級が下がってしまうという矛盾が発生しています。また図 3 のようなケースでも、例えば僅かでも中心視野が周辺視野につながっていますと 5 級、そしてつながっていなければ 2 級、 3 級、 4 級となります。このように、実質的に視野の形から考えると機能的に同等か、あるいは逆に悪化しているようなケースであっても等級が逆に下がってしまう矛盾が存在しています。

 次の 16 ページのケースもよく問題にされています。これは、中心部分の視野が残っていると、 2 級、 3 級、 4 級という形で判定が進められていきますが、病気が進行していき、残念ながら中心部分の視野がなくなってしまう、あるいはほんの僅かになってしまうケースの場合に、視力も一緒に下がりますと視力のほうから等級が上がるのですが、視力はぎりぎり残っているけれども視野ではもう測れないというケースが間々あります。そういう場合には求心性視野狭窄ではないという形で、右のようなケースの場合には、視野からは 5 級か、あるいは判定しないというのが現状の運用になり、病気が進行しているのに等級が下がってしまうという矛盾を持っています。また、図 5 のような傍中心暗点のケースでは、求心性視野狭窄として考えた場合、現法ではどうしても範囲という形で規定していますので、同程度の 10 度内狭窄の判定になります。そのため現状では、実際は右のケースのように、傍中心部に見えない所があってもなくても、同等の等級として評価されていることになります。そのため、現在増加傾向にある加齢黄斑変性等に十分対応できていないのが現状です。

 次に、図 6 のグラフについて述べたいと思います。我が国は近年高齢化が進んでいます。特に、視野から判定できる一番低い等級である 5 級なのですが、これを現行法で見ますと、残念ながら一部のケースで、正常者であっても 5 級と判定されるケースが 70 歳以上で散見されるのがわかります。実際に視野そのものを臨床医が見ると、視野のパターンの乱れがなく、これは正常で単に加齢であるというのは比較的すぐ分かるのですが、これからの我が国の高齢化社会を考えた上で、この辺りに対して何らかの明確な記述が必要であると考えています。

 次に視能率の問題点について述べたいと思います。現在、 10 度内狭窄は視能率を算出することで 4 級、 3 級、 2 級が区別されていきます。ただ、この視能率の算定式に関して、多くの眼科の先生方から、科学的に少し計算式そのものに矛盾があるのではないかとの指摘が上がっています。と言いますのは、損失率と言いますと、概念的には正常に対して何パーセント減っているかという意味合だと思うのですが、正常視野の測定条件( 5/4 (ごのよん))と、実際に測定している視野の測定条件( I/2 )が根本的に異なっており、単純に両者の比率で表現してよいのかという問題点が指摘されています。実際の等級の段階を変える必要はないのですが、用語的、あるいは数字的に少し表現を直したほうがいいのではないかという意見が出ています。

 最後に最も問題となっているのが、自動視野計が普及しているにもかかわらずその明確な運用方法が記載されていないということです。自動視野計を用いた場合も、ゴールドマン視野計を用いた場合と同じように記載すればいいのではないかと考えるかもしれませんが、実は自動視野計の場合、残念ながら測定条件が全然違います。ゴールドマン視野計は非常に小さな1という視標サイズを使うのですが、自動視野計は3という少し大きな視標サイズを使っています。また、ゴールドマン視野計の場合には、視標を動かしながら視野の広がりを等感度曲線という、ちょうど地図の等高線のような形で視野を評価するのですが、自動視野計の場合には、静的視野と言いまして、 1 1 点その場所の感度を数字で表します。そのため、両者の整合性が単純にはうまく取れず、静的視野の場合は新たな判定基準を作る必要があり、今回の改定案に組み込まれています。

19 ページです。一番上の所で、今回の視野に関する改定案の基本方針をお示しします。まず今回の改定では、基本的には、過去の等級判定と連続性を維持することに重点を置いています。その上で、現行法での、先ほど示した諸問題について丁寧に 1 1 つ改定案を示し、判定者間や疾患の進行によって不当に等級が変動してしないような形の改定を目指しています。もう 1 つは、先ほど申しました、自動視野計による運用を明確に規定することです。いずれにしても、等級判定によって、新旧の判定において不必要に等級変動が起こりますと、多くの患者さんに問題を発生しますので、等級変動、特に不当な等級低下を生じないように、現在の判定基準と互換性を考慮しながら判定基準の改定を検討しております。

 例えば、ゴールドマン視野計と自動視野計についてですが、これを、現在では臨床的に自動視野計の運用のほうが多いので、自動視野計に一本化したらいいのではないかという考え方もあるのですが、実は、身体障害者として視野等級判定を行う視野はすでに機能面でかなり悪く、コンピュータに依存した自動視野計で検査をしますと、どうしてもある一定の割合で検査そのものがうまく測定できないケースが出てきます。また、現行法との連続性、すなわち互換性を考えて一気に自動視野計に変えますと、かなりの率で等級が下がる患者さんが出る可能性もありますので、やはり現行法のゴールドマン視野計の判定基準は改定して残し、その上で自動視野計を使っても判定できるよう、二本立てを検討しております。

 実際には、先ほど申しました問題点に対して、まず、求心性視野狭窄の偏心です。先ほど、中心部分の視野が少し 10 度よりも外に出ているようなケースに関しては、具体的に等級判定をする際に、単に 10 度内と規定してしまうのではなくて、視野の広がりが 8 方向どれぐらいあるかということから、残余面積が 10 度以内であれば、求心性視野狭窄の判定に含めるという形で明確に基準を書いております。また、輪状暗点に関しては、暗点が穿破すると等級が下がるという問題点を先ほど申しましたが、これに関しては、輪状暗点という言葉そのものが、特に静的視野の場合には定義として不正確な用語になりますので、この用語を廃止し、中心視野と、残余している周辺視野に連続性がない場合はすべて、視能率の算定に進んでもよいという判断基準を明確に記載しております。また、中心暗点に関しても、視野からも等級判定ができるようになっております。また、傍中心暗点に関しては、後で述べます自動視野計を用いた静的視野測定を用いて、対応していただこうと考えております。

 高齢者の 5 級の問題に関しましては、視野図そのものの添付を徹底し、判定者が単に高齢で少し視野が狭いというだけではなく、病的な欠損や狭窄が存在していることを確認できるようにと考えております。視能率の、先ほどの数字に関しては、計算式を少し変更しております。具体的には 20 ページになりますが、より簡便な計算式になっています。従来は、 V/5 の視標で得られた正常値で割って、損失率を 90 %、 95 %まで持っていくような数式を使っていたのですが、今回は、中心の視野の角度の合計が何度あるということをそのまま示しております。そして、等級区分のところでそれに対応する範囲を明記するという形で対応する方針を考えています。

 ゴールドマン視野計の場合には全視野、すなわち周辺 90 度までの測定が行われております。一方、自動視野計の場合は、臨床では主に中心 30 度内を測定します。自動視野計では一般に検査時間が長くなるため疾患の出現しやすい中心 30 度内を重点的に評価しています。しかし、それでは周辺視野の評価ができませんので、今回は、国際的に広く視機能評価に用いられている周辺視野を含めた全 120 点を両眼で測るエスターマンテストを用いることとしました。また、この測定プログラムは、現行のどの自動視野計にも標準登載されています。このプログラムを用い、従来のゴールドマン視野計の判定基準である 2 分の 1 の欠損、 10 度以内の狭窄との相関を求め視認点数のカットオフ値を決めています。

 中心視野に関しては臨床的によく用いられています 10-2 という、 2 度間隔で 60 点相当を測定するプログラムを採用しております。これは臨床的にも、実際に病期が進行し中心部分にしか視野が残存していない方に広く用いられているプログラムですので、患者様の負担を考えて、これをそのまま導入しました。そして実際に、この 10-2 のプログラムの結果と従来のゴールドマン視野計の結果を多数の症例で比較し相関を取り、最終的に 26dB という明るさの点が何点見えているかを調べることで 2 級、 3 級、 4 級の区分を行っております。

 ただ実際に、自動視野計の場合には、ゴールドマン視野計のように人と対話しながら測定することができませんので、視野の極端に悪い方、理解力の悪い方ではどうしてもうまく測定できないケースが出てきます。こういう場合には、やはり信頼性の問題がありゴールドマン視野計を使って判定していただくという制限を設けたいと思います。

 先ほども申しましたが、用語に関しては、輪状暗点、求心性視野狭窄、視能率、損失率、こういう用語は静的視野の場合にはあまり用いませんので、こういう用語は廃止して、その視野のパターンを明確に説明できる分かりやすい表現で運用したいと思います。従来のゴールドマン視野計と自動視野計の結果の相関性、そして、カットオフ値を決めた理由等については、 21 ページから後に詳細に記載されております。

 最後になりますが、この視覚障害判定基準について、米国では、 AMA(American Medical Associate) という組織による、視力と視野を統合したスコアリングシステムが現在導入されています。これは、ゴールドマン視野計の 3/4 (さんのよん)の視標を用いた、現在の日本とは全く異なった手法での評価方法で、視野と視力を両方合算した指標になります。これに関しても多方面からその有用性、問題点について評価をしてまいりました。この手法は理論的に優れた側面も多々あるのですが、一番懸念されたことは、日本の等級の場合には独自に輪状暗点というパターンにも配慮し障害のある方に等級が付与できるように考えられていますが、この AMA の基準を用いると、どうしても輪状暗点を有する網膜色素変性などの患者さんの場合に、 2 段階以上等級が下がってしまうケースが出てきます。現在の等級からの連続性を考えた場合に、このままの形で採用するには問題があると考えております。また、判定方法がかなり煩雑なため実運用に関しての問題点も指摘されております。特に我が国では、視野の障害判定を計算も含め全て主治医が行う必要があります。現行の AMA のプロセスをそのまま導入すると臨床の場で相当の混乱を招くのではないかと言う点も危惧されます。また、実際に我が国の視覚障害認定に関し、法律上は両眼の視野がそれぞれ 10 度以内のもの、両眼による視野の 2 分の 1 以上が欠けているものという定義が明確に規定されています。今回の我々が検討している手法はこの範囲内で対応可能です。 AMA の基準を導入するためには、根本的な法律改正が必須であり、できるだけ敏速に現法の問題点の解消、自動視野計導入を考慮した結果、今回はこれは見送る形にしています。以上です。

 

○中村座長 

ありがとうございました。久保田構成員、松本構成員、どうもありがとうございました。それでは、ただいまのご報告の内容につきまして、ほかの構成員からご質問等がありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 

○竹下構成員 

ありがとうございます。竹下です。 2 3 教えていただきたいのです。まず 1 点は、今回、両眼の視力の和を判定基準からやめて、良いほうの目の視力を基準にすることになったことは、結論としては歓迎するわけですが、両目の視力の和をやめることになる考え方の問題を少しご説明いただきたいと思います。すなわち、両眼の視力の和を基準にすることは、多分結論としては不合理だからやめるのだろうと思うのですが、それはどういうことから不合理だとなったのか、その議論があれば教えていただきたいというのが 1 点です。

 もう 1 点は、久保田先生のお話をお聞きしていたら、私の聞き方が不十分なのかもしれませんが、例えばで言いますと、 2 級のところで、良いほうの目が 0.03 というのが検討結果の提案内容になっているかと思うのですが、これが該当者数という、言わば人数を基礎に置いた基準として提示されたものと聞こえたのですが、それでよいのでしょうか。すなわち、逆に言うと、 0.03 という視力と、これまでの両眼の視力の和として基準化されていた 0.04 との場合に、生活上の困難とか、あるいは社会生活における差というものが、あるいは場合によっては補助機器の使用等も含めてでしょうけれども、そういうところにおいてどういう差が出るかは検討課題には入っていなかったのかどうかについて教えていただきたいというのが 2 点目です。

3 点目には、今回このように両眼の視力の和が良いほうの目となることは、私としては素人ながらもそれが何となく当たり前のように思っていたのですが、国際基準という言い方があるのかどうか知りませんが、少なくても、 WHO の考え方なり基準というものはどうなっているかについても合わせて教えていただければと思います。視野についての松本先生のご説明を、私はなかなか読解するまでには至らなかったのですが、国際基準も検討されているようにお聞きしましたので、視力についてもその点がどうなっているかについてご説明いただければ有り難いと思います。以上です。

 

○中村座長 

ありがとうございました。ただいまの 3 点、視力についてご質問があったかと思います。ちょっと確認をします。和とすることと良いほうの視力を取ることの合理性と言いますか、そこに関する、感覚的なことはよしとしても、合理性はどこにあるかということと、 2 番目が、和にした場合と良いほうにした場合において、混乱と言いますか、どういうことが起こるかということについて、人数がどう動くかという判定は理解をしたが、社会的にどういう違いがあるのかについて検討されたかどうかというご質問です。 3 番目が、国際基準、取り分け WHO が規定した基準というものは検討されたかどうか、竹下構成員、この 3 点でよろしいでしょうか。

 

○竹下構成員 

はい。

 

○中村座長 

では、これはまず、久保田構成員からお願いできますか。

 

○久保田構成員 

まず 1 点目の、両眼視力の和を用いることの問題点。報告書の 4 ページの一番上に書いてあったのですが、先生、すみません。

 

○竹下構成員 

いえいえ。

 

○久保田構成員 

説明しなかったので申し訳ありません。それでまず、視覚障害認定の現行法規ですが、ほかの法規との不一致があります。身体障害者手帳は和なのですが、学校教育法は両眼の視力です。入試センターの障害者の受験上の配慮では良いほうの目の視力です。障害年金手当は、 1 級及び 2 級は身体障害者と同じようにしているので両眼の視力の和になっていますが、 3 級は両眼で見た視力です。自動車運転適正基準は両眼での視力、労災はいろいろあるのですが、大体両眼の視力、一眼が失明し他眼の視力というようになっています。最後のご質問の WHO は、良い方の眼の視力です。

2 番目のご質問ですが、 0.03 に決めたのは、いろいろシミュレーションをやってみて決めたのですが、決して等級の人数から決めたのではなくて、対数視力、すなわち、 13 頁の表 e に示した米国の AMA による視力障害の区分に準じて段階的に決めて、 0.03 にしたほうが妥当という結論に達したわけです。 0.04 にすると 2 級がもっとたくさん増えます。 0.03 にした場合は、 2 級が減って 1 級が増えるのです。 1 級が増えて 2 級は少し減るのですが、 1 級が増えた分だけ減るので、 1 2 級合計すると人数としてはあまり変わりませんが、現行の人数から決めたわけではありません。それで、良い方の眼の視力を 0.04 にした場合については、視力の和が 0.04 2 級の人は、片眼 0 、反対眼が 0.04 の人以外は、良い方の眼が 0.03 以下です。すなわち、良い方の眼の視力が 0.04 かつ他眼が指数から 0.04 の人は現行では3級なのですが、両眼とも 0.02 、片眼 0.01 、反対眼 0.03 の場合とがあります。このように、視力の和では障害の程度が明確でなく、日常生活では、良いほうの眼しか使わないので、良いほうの眼の視力で決めほうが障害の程度を正確に把握できるのではないかということで決めたわけです。それから何でしたか、 WHO は先にお答えしたと思いますが、良い方の眼の視力を使っています。先生、まだありますか。

 

○竹下構成員 

途中でしゃべったらあれかと思って、最後まで全部お聞きしてからにしようと。

 

○久保田構成員 

これで終わりですが。

 

○竹下構成員 

今、久保田先生のご説明ですが、例えば私は点字を読んでいますが、各法律あるいは制度によって基準が違うことは、多少は心得ていたつもりですし、しかもその後の (2) で、「視力の和による等級判定の問題点」という所も見た上でお聞きしたつもりだったのですが、私は今は全盲ですが、中学までは 0.01 とか 0.1 で生活していた人間の一人です。短刀直入に言えば、例えば 0.04 の人と 0.03 の人では、極端なほどに生活力あるいは生活における困難さは違うわけです。その点が、この提案をされる上で考慮されたのであろうかということです。

 例えば、ここで 2 級に絞って言いますと、両眼ともに 0.02 0.02 の方が、今までは 2 級だと。今回は、片目が 0.04 で片方が 0 の方は 3 級になります。それはこの表で理解したのですが、ところが現実に 0.04 1 つの例で言うと、今まで 0.04 まで見えた人が 2 級なのに、 0.03 の方だと 0.04 の人が見えるものがまず全く見えなくなります。

 そういうことを考えたときに、先生方の前で釈迦に説法ですが、正に 0.1 を割った段階の視力というのは、本当に生活の中で 0.01 の差というのは月とすっぽんほど大きな差が出てくるわけで、嫌な言い方をしますと、最近鉄道のホームからの転落事故が非常に増えてショックなのですが、日常生活の中で 0.03 0.04 で、勘違いも含めた生活視力というのでしょうか、これは極端に違ってくるというのが、視覚障害者の実感です。

 そうすると、そういうことが旧表から新提案の中で、どれだけ議論されたのかということがお聞きできればと思っての質問が、私の 2 点目の質問です。

1 点目のところは、逆に言うと、視力の和というのは簡単に言えば、私の言い方は、不合理という言い方は間違っているのかもしれませんが、両眼の視力の和を足すことが生活視力なりの中で、それは合理性はないのだろうと思っていて、短刀直入に言えば、私もかつてそうですが、 0.02 の視力の人が、両眼 0.02 だったら合わせて 0.04 見えるかといったら、そんなことはあり得ないわけです。両眼が 0.02 の人が両眼で見て、多少は 0.02 よりは見えやすくなるというのは、そんなことは私も言われなくても分かっているわけですが、 0.04 見えるということは絶対にあり得ないわけです。

 そのようなことは私が言うまでもないことなのだろうと思うのですが、そういう意味では、不合理だったから今回はやめるのだろうと思っているのですが、そうであるならば、新提案のほうが少し理解できなくなって、新提案のほうも、常に等級によっては両眼の視力というものは、常に認定の基準に捉えられているから、両眼の和は基準としてやめたのだと言いながら、実際には 3 級以下を見ていますと、両眼の視力の和という考え方を維持した提案になっているのではないかという疑問からの質問が 1 点目です。以上です。

 

○久保田構成員 

和ですと 0.04 3 級になってしまうからということでしょうか。そういうわけではないのですか。

 

○竹下構成員 

簡単に言うと、片目で 0.04 の人が生活の中で受ける困難と、 0.03 の人が生活の中で受ける困難というのは、月とすっぽんほども違うということが 1 点です。

 だから、今回の新しい提案でいくと、これまで片眼だけの 0.04 の人は 2 級だったのが、今回の提案でいけば 3 級になってしまうので、それは 0.03 0.04 の大きな差というものを前提にした提案なのかどうかというのが 1 点目の質問です。

 もう 1 つは、合理性の問題で言うならば、和ということをやめるのだということを言いながら、実際には両眼の視力を常に要件にしているというのは、すなわち良いほうの眼だけを基準にしていないではないかと。 1 つの例で 5 級で言うなら、片方は 0.02 以下で、片方が 0.2 となると、結局は両眼の視力の和ということは口にしていないけれども、良いほうの眼だけを基準にしていないではないかと。結局は両眼の視力を問題にしているではないかということで、今までの和ということ、足すということと大きく本質は変わっていないのではないかということを疑問に思っての質問です。

 

○久保田構成員 

5 級と 6 級は、もともと両眼の視力の和ではないですね。

 

○竹下構成員 

分かっていますよ。

 

○久保田構成員 

あとは全て良いほうの眼だけの視力で基準を決めています。ですから、良いほうの眼を基準に決めたときに、反対の眼がかなり良い人もあるし、ゼロの人もあるということで、生活においてはいろいろ差はあると思うのですが、とにかく、和よりは良いほうの眼の視力のほうが日常生活の困難の程度を表すのには適当ではないかということで決めたわけなのです。

○中村座長 ほかの眼科の先生からもお聞きしたいのですが、確かに等級の図解表でいくと、今度のもので言うと、竹下構成員がおっしゃるように、 0.04 で片側が 0 の人は 2 級が 3 級になるのですよね。

 

○久保田構成員 

はい。

 

○中村座長 

だから、このマトリックスを私なりに見てみると、多くは現状とあまり変わらないのですが、マス目でいうと 2 か所だけ等級が下がるところがあって、 0.04 の方で片側の眼の視力がない方についてと、 0.08 の視力の方が今は 3 級なのですが、これが 4 級に変わるのですよね。この 2 か所のマス目だけは等級が変わるように、私は思うのです。

 竹下構成員は、そのときに 0.01 の違いは大きいので、等級が下がるというのは問題ではないのか、その点はどういう解釈なり説明があるのかというご質問のように聞こえますが、どなたか関わられた方なり、ご説明いただけたらと思います。

 

○白井構成員 

まず最初に、現行法の視覚障害の範囲の件に戻りますが、資料 2 「身体障害者手帳制度の視覚障害について」の 2 ページの下の別表「第 4 条、第 15 条、第 16 条関係」で、一、次に掲げる障害者で永続する者ということですが、視力に関しては両眼の視力がそれぞれ 0.1 以下の者で、これが第一です。 2 番目は、一眼の視力が 0.02 以下ということです。ここで 0.02 が出てくるのです。ですから、それを担保した上で、良いほうの視力が幾つだったら何級にしましょうかという基準にしてあります。ですから、両眼ということではなくて、障害者に該当する要件で書いてありますので、大前提のほうを 0.02 というのは、そこから出てきています。片方の眼が 0.02 以上あって、良いほうの視力がもっと上ですと障害者でなくなってしまうということで、ご理解いただければと思います。ですから、両眼ということではありません。これは障害者に該当するか否かというところの判定で、その該当する方の中で等級を判定していますので。

 

○竹下構成員 

今おっしゃった法律は理解しているつもりですが、例えば資料 2 の一番末尾に図解が載っています。それでいくと分かりやすいわけです。

 例えば 2 級の所で見たときに、現行では、端的には片眼ゼロで、片眼が 0.04 だと 2 級なのです。しかし、今回の提案は、 2 級の提案でいくと、片眼がゼロで、片眼 0.04 の方は 3 級になってしまうのです。そこはどうしても理解できないし、納得できないと申し上げているわけです。

○久保田構成員 例えば 0.03 の人の場合を考えますと、片眼が 0.03 で、反対側は 0.03 だと、良いほうの眼は 0.03 2 級なのですが、視力の和では 0.06 になり現行では 3 級なのです。

 

○竹下構成員 

そうではないです。

 

○久保田構成員 

いや、前のものですと 3 級になってしまうのです。両方とも 0.03 の人は今度は 2 級になるわけです。良いほうの眼が 0.03 だから 2 級になりますが、以前は 3 級だったわけです。

 ですから、 3 級の人が 2 級にもなるし、 2 級の人が 3 級にもなるというのは、和から良いほうの眼に変えたら、必ず出てくるはずなのです。

 それで、先生が一番目立つのは 0.04 なので、私どもの委員会でも、そこは修正案と最後まで検討したところですが、結局対数視力で段階的に分けていくと、やはり 0.04 よりも 0.03 ということで結論になって、厚労省にはそのように報告しようという結論になったわけです。

 ですから、基準を変えれば必ず等級が変更しますので、それは少しよく分からないのですが、現在お持ちの方は、そのまま変えないで、今後新しく申請する方からだと思うのですが、そのことは分かりませんが。

 ですから、そういうことで 0.04 0.03 はご納得いただけたらと思います。

 

○竹下構成員 

久保田先生のお話を何遍お聞きしていても数字なのです。該当者数、すなわち久保田先生が、いみじくもおっしゃったのは、両眼が 0.03 の方は今までは 3 級だったのが、今度は 2 級になりますよね。

 

○久保田構成員 

はい。

 

○竹下構成員 

だから、逆に今までは片眼が 0.04 2 級だった人が、今回は 3 級になっても仕方がないのだと聞こえるのです。

 

○久保田構成員 

はい。

 

○竹下構成員 

それは到底私は納得できないのです。これは不適切な言い方かもしれませんが、両眼の視力が 0.03 の方が 2 級になることは、非常に有り難いと思います。だからといって、片眼が 0.04 で今まで 2 級の判定を受けていた人が 3 級にされるということに妥当性が出てくることにはならないのではないでしょうか。

 算数で、該当者の数の帳尻合わせでは、医学的にも社会学的にも、合理性というのは出てこないのではないでしょうか。そのように思っています。

 

○久保田構成員 

国際基準とも合わせて検討してあります。

 

○中村座長 

竹下構成員がおっしゃられているのは、図解表で見ると、上のほうにある人は大抵は数としては等級が上がるのです。基本的にそういう構成になっているのです。片眼に関係なく等級が決まるので、ほとんどが基本的に上がるのです。

 ところが、幾つかだけは逆に下がるマス目の該当者の人がいて、そこが数ではそうですという論理構成は納得しかねるということなので、それについては私なりに理解するのは、久保田構成員がおっしゃるのは、力価というか、評価をログできちんとやってみると、そこで切れるからというのが論拠のようですが。

 

○久保田構成員 

そうです。国際基準にも合わせて。

 

○中村座長 

それは、そのように明確にお答えいただけばいいのではないかと思いますが、そこについては数の帳尻ではなくて、まず国際基準のログでやってみて、日本は小数でやっているので、小数に転換したもので 3 等分きちんとできる形で、今回はサイエンスとしてしっかりできるようにしたという意味でしょうか。

 

○久保田構成員 

内容の人数ではなくて、国際基準にあったログの段階を同じにしてやりました。

 

○中村座長 

竹下構成員、私は眼科医ではございませんが、元の根底はそこにあって、それの 3 等分を日本式に合わせた表が、先ほどご説明のあった 13 ページですが。

 

○竹下構成員 

国際基準を日本に置き換えた場合と言われたことについて、まだ十分に納得できていないのです。例えば日本の福祉制度の中で、 2 級と 3 級というのは国の基準からいっても、月とすっぽんほど違うわけです。 1 級、 2 級が重度障害で、 3 級以下が中度以下なのです。そのために、障害福祉の適用が極端に違います。

 例えば身体障害者福祉法ないしは障害者総合支援法の関係で言いましても、 1 級、 2 級にしか支給対象とならない補装具あるいは日常生活用具があったりします。それが 3 級になることによって、対象外になったりします。

 更に 5 級のところでいくと、今回の提案でいくと、 5 級は和ではないのだとおっしゃるのだけれども、 5 級の提案を見ていると、一眼の視力が 0.02 以下で、他眼の視力が 0.2 以下という 2 つを要件にしているわけです。その結果として、先ほどの資料 2 の図解の一番最後に出てくる 5 級で、両眼が 0.1 0.1 、したがって合計 0.2 の場合は 5 級だったのですが、今回の提案でいくと、その方は手帳をもらえるのか。

 

○久保田構成員 

0.1 0.1 ですから、良いほうの眼が 0.1 ですから 4 級になります。

 

○竹下構成員 

最後まで言いますと、例えば良いほうの眼が 0.17 で、もう片方が 0.03 の場合にどうするのか。

 

○久保田構成員 

0.17 という視力は視力表にもなく、眼科では用いておりません。良い方の眼の視力は 0.1 になりますから、 4 級となり問題ないと思います。

 

○竹下構成員 

表を見ている限りは、そうはならないと思うのですが。

 

○久保田構成員 

そういう視力はないのです。和では出てきますが、普通の視力では。

 

○竹下構成員 

最後まで言ってしまいますと、今まで手帳をもらっている人がもらえなくなる可能性があります。

 

○久保田構成員 

障害の範囲は同じですから手帳に該当しなくなる人はいないです。

 

○竹下構成員 

そうすると 2 つの問題が出てきまして、例えば先ほどの 2 級が 3 級になる場合で言いますと、雇用の場面でいくと、ご存じのとおり、重度障害者を雇用した場合はダブルカウントと言いまして、 1 人の重度視覚障害者を雇うと、 2 名の法定雇用率がカウントされます。そのために、重度視覚障害者の雇用が促進されるという仕組みになっています。それが 3 級になると重度が外れますから、ダブルカウントされませんので、雇用がなかなか困難になっていきます。

 手帳がもらえない事態になってくると、法定雇用率の対象にもならないですから、視力の障害のために生活の困難や就労の困難があっても、障害者雇用の対象にならないという事態も出てきます。

 こういう事態を防がないといけないというのは、私はこういう改定がある場合にはどうしても留意点として考えていただかなければならないのではないかと思っているわけです。

 

○白井構成員 

今、竹下さんがおっしゃってみえるのは、現在、片眼を失明していて 0.04 の方は 2 級であると。その方が 3 級に下がってしまうではないかということをおっしゃっているのでしょうか。

 

○竹下構成員 

そうです。

 

○白井構成員 

ですから、現在 2 級の手帳をお持ちの方ですよね。

 

○竹下構成員 

そうです。

 

○白井構成員 

その方は現行法で 2 級を頂いていて、それは永続しているもので変更がなければ、今後も変わらないはずなのです。そういう解釈で、厚労省のほうはよろしいですよね。そこを解説いただければと思います。それで、もしこれで認定基準が変わったとすれば、今後認定を受ける方については、この基準でいくという理解でよろしいでしょうか。

 

○朝川企画課長 

企画課長です。今、白井構成員がおっしゃったとおりで、省令で経過措置のようなものを置くという話になりますが、新しい基準になって以降に手帳を取られる方は新しい基準に基づきますが、現在手帳を受けていらっしゃる方で、厳しくなる基準に当てはめるということはなくて、そういう現行保証のような経過措置は打ちますので、今 3 級の方で新しい基準に当てはめると 2 級になる方は、新しく 2 級を取っていただければいいと思いますが、今 2 級の方が新しい基準で 3 級になってしまうような方については、経過措置で 2 級を当てはめることになると思います。

 

○竹下構成員 

今の企画課の説明は納得できないのですが、 2 つ申し上げます。 1 点は、有期認定の場合はどうなるのでしょうか。即ち、現在は 0.04 2 級の手帳をお持ちの有期認定の方は、どうなるのでしょうか。

 もう 1 つは、今の説明だと施行規則ですから、経過措置で現在の人は変更しないのだというのがありなのかなと思うのですが、そうなってくると次に何が起こるかというと、二重基準になるわけです。これまで手帳をもらっている人は、片眼 0.04 の人は 2 級で処遇されて、新しく手帳をもらう人は 0.04 の人は 3 級に処遇されると。そこで、同じ 0.04 の人が認定の時期によって、明らかに区別というか差別というか、それをされるようになります。そこの問題はどう解決するのでしょうか。

 

○朝川企画課長 

経過措置をどのように講じるかというのは、ここでこれから何回か議論いただいたことを踏まえながら決めていけばいいことだと思っておりますので、是非ご議論を頂ければと思いますが、やり方としては、更新のときも経過措置を打つという選択肢もあるとは思います。

 ただ、先生がおっしゃったように、それでは二重の基準になるのではないかという論点ですが、それについて言いますと、基準を変える以上、何と言うか、基準を変えて経過措置を打つ以上は、どこかで新しい人と古い人で基準が違ってしまうというのが出てくるのはやむを得ないことではないかと思うのです。

 ここは委員会、学会の報告書ですが、報告書でも修正案なるものが検討されていて、全ての人が等級が落ちないというような案もあり得るということで検討されているようですが、今回ご提案いただいているのは、何箇所かで基準が厳しくなるところがあるのだけれども、良いほうの視力で判断する以上、こういう基準もあるのではないかというご提案だと理解しています。

 先生がおっしゃったところでいくと、良いほうの眼が 0.04 の方、今は 2 級と 3 級の方が分かれているわけですが、もし良いほうの眼で判断するのであれば、 2 級で統一するのか 3 級で統一するのか、どちらかしかないというご提案なのだと思うのです。 3 級で統一すると、悪いほうの眼がゼロの方について 1 つ厳しくなってしまう、 2 級で統一するのであれば、全部良いほうにいくということで、経過措置もそういう問題もないということになるのかもしれません。したがって、そこをどう判断するかという問題ではないかと私は理解しています。

 

○中村座長 

今の議論を含めて、視力についてほかの眼科の先生からご意見等をいただけませんでしょうか。

 

○湯澤座長代理 

まず、片眼の視力を判定に用いることについてですが、これは QOL の調査をすると、良いほうの眼の視力と QOL がよく相関します。良いほうの眼を用いて日常生活をしているから、これは当然の結果といえば当然なのですが。そこで良いほうの眼の視力を日常生活に使うから、そちらの眼を今回の身体障害者の判定に使うと。その点はまず問題がないと思います。今度は視力を等比級数で見たときに、その等比級数できちんときれいに分けることができるところで等級を分けるほうが、西洋の考え方にも合いますし、実際にその人たちが見ているものをよく反映しているものと考えることができると思います。ですから今後に関して言うなら、良いほうの視力で、かつ等比級数で割ったところで等級を決めるのはとてもリーズナブルだと思います。

 

○中村座長 

ほかにご意見、ご判断なりはございますでしょうか。リハビリテーションの立場から田中構成員はいかがでしょうか。

 

○田中構成員 

名古屋のリハビリセンターの田中といいます。私も 0.04 というところがとてもこの資料を見たときには気にはなっていました。私も普段は視覚障害の方と接している立場で等級が 2 級か 3 級かというところで、制度の対象とならないという方を大勢見ているので、 2 級のところはやはり慎重に判断をいただきたいなという思いはあります。また今まで該当していた人が該当しなくなるという部分についても、やはり当事者の方にしてみると相当ダメージが大きいのかなという印象を持っています。視力の低下というのは例えば、 0.1 から 0.09 に下がったときと 0.03 から 0.02 に下がったときでは困りごとの程度というのは全然違ってくると思うのです。等級の決め方として統計的に均等にということもあるのですが、低いほうの視力についていうと、やはり困り事の数が圧倒的に増えてくると思いますので、重みづけも含めて検討の必要はあると思います。

 

○中村座長 

ありがとうございました。仲泊構成員、いかがでしょうか。

 

○仲泊構成員 

私は昨年までリハビリ病院で長く勤めておりましたので、ちょうど眼科医とリハの支援員との中間的な存在でいろいろ考えさせていただいておりました。 0.04 の基準というのは 1 つ大事なところで、 1 2 級と 3 級以下というのは落差は非常に制度的にありますので、そこが変化するということについては実際、そこに当たる人は大問題だと思います。実は同じことが 0.08 でもこの表では起きておりまして、 3 級か 4 級かというところで、 0.08 の人が 3 級から 4 級に落ちる人も若干出てきます。でき得ればリハビリの障害者の傍らにいる者としての思いとしては、誰も悪くならないほうがいいと思うに決まっておりますので、 0.04 2 級で 0.08 3 級でというようなことで収まっていただければ、これは現場としては非常に平和でよろしいかと思います。ただそれなりに内部構成が変わります。先ほど竹下様から人数合わせかというご批判が出ておりましたけれども、人数が大きく変わるということもこれはこれで行政上そこにかかるサービスの量が変わるようなこともあって、何も問題がないということではないのかなと今までの委員会の中では受け取ってまいりました。そうするとまず建前と言いますか、科学的に見てどうあるべきなのかというところで考えると、久保田構成員の発案でもありましたログで取ったときに等間隔になっているというのが 1 つ法則としては美しいものであろう。それからログで等間隔がなぜ美しいかといいますと、我々の感覚というものがログで等間隔に感じるものだというのが心理物理の世界では法則として古くから言われているものですので、それは何もここで実証しなくても科学的に過去に証明されているものなので、それで等間隔にするということが等級を決める上では妥当ではないかということで、その科学性ということ。それから人数合わせと批判を受けますけれども、大きく変動がなくて、社会的な混乱を最小限に抑えられるのではないかということを加味して、最終的な案に賛同させていただきました。

 ただですね、やはりそれは総合的に賛同はしたのですが、実際の現場にいる者としては、気持としては 0.04 の人はそのまま 2 級であってほしいなというところは残っております。こういう規則というか、等級というものが果たして科学的でなければいけないのかという問題とも絡むわけで行政上の決まりなわけですから、それはむしろ国民の価値観というものにどれだけ合っているかということもまた大事な見方だと思うのです。ですので竹下先生がおっしゃるのももっともですし、田中先生がおっしゃるのももっともだと思いますので、この場で議論をして深めていかれるのがよろしいかと私は思います。

 

○中村座長 

ありがとうございました。

 

○久保田構成員 

私も現場にとても長くおりますので、 0.04 0.08 は残したかったのです。今頃変だと思われるかもしれませんが。ただ私は考えずに 0.04 0.08 が残るものと思っていたら、厚労省で和でなくなったら半分ですねと言われたのです。白井先生、覚えていませんか。それで慌ててというのはおかしいのですが、それではということでログでやり直したので、私としてはもう少し流動的に議論してもと思っております。ただこの報告書は私一人のものではありませんのですが、 0.04 0.08 というのは現場にいますとかなり重要な数値であるのは確かでございます。

 

○中村座長 

ほかにご意見ございますでしょうか。ここでは視力だけではなく、視野についても検討したいので、以後は次回にしたいと思いますが、私も案を見ますと 0.04 0.08 のこの 2 マスだけですね。その右側は恐らく足し算になるのは現状を変更しないためにされたのではないかという気がいたします。 5 級、 6 級の所はその右側のきれいな三角形に出ている部分ですね。しかもこれは 0.2 の所は等級が上がりますよね。 6 級の人は 5 級に等級が上がることになっているのですが、この 2 箇所だけですね。そのことについては眼科学会、眼科医会からもう 1 回明確なご説明があったほうがいいのではないかと思います。それは明確にサイエンスを重んじるのならサイエンスを重んじるという論拠が議論されたと思われますので、その辺をもう一回振り返っていただいて、次回にでも明快にご説明いただきたいと思います。

 

○久保田構成員 

それは申し訳ないです。

 

○中村座長 

それは説明する義務がありますので、これを出された以上はもう一度しっかりとご説明を頂きたいと思います。それはこの場では決する話でもございませんですし、次回以降の議論もできますので、ただ議論をされたことを振り返ることをしっかりしていただきたいと私から希望したいと思います。

 それでは次に視野の問題についてご質問、ご意見等はございますでしょうか。視野は私がお聞きしておりますとやはり現状の課題が明快で、それから機器の開発と進歩に現状は応えられていないという大きな問題点がありますので、しかもそれを現状と大きく変更しない形で、しかしサイエンスに基づいた形でしっかりやるということで、かなり明快なご説明であったように私なりにはお聞きしましたが、ご意見、ご質問等はございますでしょうか。この視野について仲泊構成員、いかがですか。

 

○仲泊構成員 

仲泊です。視野は 1 点問題があるとすると、使われるエスターマン視野検査と 10-2 という条件でのハンフリー視野検査が、今までの臨床の中であまり使われていないという問題点があります。ですがそれを危惧して、昨年、一昨年とこの話がこの会で話題になってから、国リハに私はおりましたので、そちらで患者さんにその両者の検査を実際にやっていただいて、その方たちがどのように日常生活と視野との関係があるかを検討させていただきましたところ、実は非常に素晴らしいことが分かってきました。そしてしかもほとんどの眼科にある機械でこの 2 つの検査が現状でやろうと思えばできるものですので、変更が非常に速やかに問題なく起きるのではないかと考えまして、総合的に見て素晴らしい変更だと私自身は判断しております。

 

○中村座長 

ありがとうございます。田中構成員、いかがでしょうか。

 

○田中構成員 

田中です。今回、私も資料を何回か読んでやっと理解できたという感じなのですが、今まで求心性視野狭窄で患者が 10 度以内に収まっていなければ不利になってしまう条件だったのが改善されていたり、あるいは緑内障、黄斑変性の方で中心暗点のある方たちに対して視野障害がなかなか認められづらい状況であったのが、大分改善されていて、視野については等級が付いたり、上がる人が増えるのかなというイメージでいます。あとはうちに来られる方が損失率という言葉を聞くと、損失率百パーセントと言われてしまったときに、自分は全然目が見えないのだとか、視野で使える部分がもうなくなってしまったのだとショックを受けてしまう方もいて、そういう誤解もなくなるので、良いかなと思います。今度使われる、中心視野角度、中心視野視認点数という言葉が実際に手帳をもらう方からするとまだ分かりづらいと思うので、その辺りは眼科の先生たちからきちんと患者さんが理解できるように説明していただけるとありがたいなと思っています。

 

○中村座長 

ほかにご意見等コメントはございませんでしょうか。視野について湯澤構成員はいかがでしょうか。

 

○湯澤座長代理 

ゴールドマン視野検査の欠点、今までの問題になっていたところがよく修正されています。今度の新しい視野検査の方法に関しては非常に理論的に明快にきちんと示されていて、分かりやすい方法、判定になっているので、非常に使いやすい視野検査の判定方法だと思います。

 

○中村座長 

ありがとうございます。眼科でないのでお聞きしますが、今の一般の臨床の場でゴールドマンと自動視野計はどのように使用されているのでしょうか。片方しかない所もあるということでしょうか。この辺はいかがですか。松本構成員、お願いできますか。

 

○松本構成員 

歴史的な背景としては、まずゴールドマン視野計が導入され、その後半世紀たってから現在の自動視野計が開発されました。検査員の技量の影響を受けにくく、視野を数値で定量評価できるため、現在の臨床では自動視野計が圧倒的に広く普及しております。ただし、それぞれの視野計の得意とする特性がありまして、特にゴールドマン視野計の場合には周辺視野まで比較的効率よく短時間に測定できるという利点があります。自動視野計の場合には同じ条件で周辺から中心まで全部測ると莫大な時間がかかりますので、病気が一番起こりやすい部位で、しかも日常的に最も大事な部位である中心視野だけを臨床的には測定しており、周辺はほとんど測定していないというのが現状です。また、患者さんによりましては、どうしても理解力が悪かったり、高齢者や小児でゆっくりと検査員が説明しないと検査できない場合、非常に進行した視野障害を有している患者さんなどでは、今でもやはり手動で検査員が対応しながら測るゴールドマン視野計は有用でかつ欠かすことのできない検査法と考えられています。そのため、臨床では両者ともなければ困るというのが実際のところです。ただもちろん、多くの患者さんに関しては、自動視野計で画一的な年齢別正常値のデータベースで進行を定量的に評価するという方向に進んでいっているのは事実でございます。

 

○中村座長 

これは国際的にも世界的に自動視野計になっているのでしょうか。

 

○松本構成員 

そうですね、特に国際的にも自動視野計による静的視野が、基本的には現在では視野検査の標準であり、それに加え周辺視野の把握、あるいは先に述べた理解力の悪いケースなどの場合には、ゴールドマン視野計によってカバーするという体制になっているかと思います。

 

○中村座長 

どうもありがとうございました。ほかに視野についてご質問、ご意見、コメントはございますか。よろしいでしょうか。それでは最初の視力のところ、時間がまだ少し。先に行った方がいいのですか。

 

○朝川企画課長 

次に進んでいただいて、そこで同じ議論はできますので。

 

○中村座長 

はい、分かりました。そうですね。それでは議事 (4) 「視覚障害の認定基準等の検討について」に移ります。事務局から資料の説明をお願いします。

 

○朝川企画課長 

企画課長です。資料 4 です。視覚障害の認定基準等に関する論点ということです。まだ今日は議論の 1 回目ですので、これからたくさん論点が出てくるということで、 2 つにシンプルにしておりますが、 1 つ目は現行の視覚障害の認定基準等についてということで、既に大分ご議論を頂いておりますが、関連する提言として医会と学会にまとめていただいた報告書があり、これは現行のものについて変えたほうがいいという、そういう提言を頂いておりますので、それが 1 つの論点です。

2 つ目は、今後の対応方針ということで、これはこれからこの検討会で何回かご議論をしていっていただく中で、どういう具体的な対応をしていったらいいのか、具体策を深めていくということです。これはこの医会、学会の報告書による提言も今後のことについて詳しく触れていただいておりますし、次回以降、関係する団体からヒアリングもしたいと考えておりますので、そういったことも踏まえながら議論を進めていけたらと考えております。説明は以上です。

 

○中村座長 

今、出ました点が今後の論点ですが、合同委員会の報告書を踏まえて、どのように今後の認定基準の対応をしていくべきかについて、これから議論をしていくことになるわけですが、改めてもう少しご意見がございましたら、お願いしたいと思います。

 

○竹下構成員 

1 つだけですが、今日出てきていないですが、片眼の視力の人で 0.6 を超える方の問題ですが、当事者団体等あるいはときどき交通事故などの被害者、これは弁護士として接触するときに片眼破裂等で視力を失う、眼球も失うこともあるわけです。しかし身体障害者の対象にはならない、残された眼が 0.7 以上ある場合には対象とならないということの場合に、実際にその方が差別の対象となるとしても、ここでは対応すべきものではないにしても、片眼になった方について社会生活を送る上で、あるいは日常生活を送る上でさまざまな不便、困難が生じていると訴えています。しかし残念ながら法律の改正も必要なのかもしれませんが、今回見直すに当たり、そうした人たちからの訴えもあったやに聞いていますが、今回そういう議論はされなかったのでしょうか。もし議論があれば教えていただきたいと思います。

 

○中村座長 

ありがとうございます。企画課長、お願いします。

 

○朝川企画課長 

企画課長です。この医会、学会の報告書でも片眼失明者の基準について触れていただいている所もありますが、この検討会では先ほども申し上げましたが、次回以降ヒアリングを入れていこうと考えておりますので、今ご提議いただいた片眼失明の課題についてもご議論いただくのがよろしいのではないかと考えております。これは答えありきで検討会を始めるというよりも、少し幅広くご議論いただいて、制度が制度なので、とても柔軟にこの検討会で結論を出していただく余地、裁量性がたくさんあるのかというと、必ずしもそうではない部分があるとは思いますが、ご議論はやはりしていただいたほうがよろしいかと思っております。ですからいろいろな視点から、要するに両眼が見えている方々の今の等級と片眼の方の等級、そういったところの公平性のようなことも考えていく必要がありますので、幅広い観点から今後、ご議論いただければと思っております。

 

○中村座長 

そうしますと、これは今後はするということですね。

 

○朝川企画課長 

まず次回、ヒアリングを予定しておりますので、それも踏まえながら。

 

○中村座長 

ヒアリングの観点でそこも加味しながら、ヒアリングを入れるということですね。

 

○朝川企画課長 

はい。

 

○中村座長 

分かりました。よく理解しました。ほかにございますでしょうか。

 

○白井構成員 

構成員の白井ですが、今の問題に関して、私どもは現行法の中での障害者の範囲は変えないということで、その中で認定基準を今現在は検討してきて、報告書は出されているところを是非、ご理解いただきたいと思います。その障害の範囲を変えるということで議論を進めれば、また別のお話が出てきてしまうということだけはご理解いただいて、報告書は現行法の中での認定基準を現状に合わせていこうということでやってまいりましたので、よろしくお願いいたします。

 

○中村座長 

どうもありがとうございました。ほかにご意見等も含めて今後の議論の進め方についてご意見ございますでしょうか。特にないようでしたら、次回以降に進みたいと思います。次回以降の進め方について、事務局からご提案ございますでしょうか。

 

○和田企画課人材養成・障害認定係長 

本日はご議論いただき、誠にありがとうございました。次回以降の開催予定は構成員の皆様の日程調整にもよりますが、 1 2 か月に一度の開催を予定しております。次回は日程調整の上追ってご連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。事務局からは以上でございます。

 

○中村座長 

どうもありがとうございました。それでは本日はこれで閉会としたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課人材養成・障害認定係

TEL:03−5253−1111(内線3029)

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