ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)> 第24回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成28年度第10回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録(2017年1月24日)




2017年1月24日 第24回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成28年度第10回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

健康局健康課

○日時

平成29年1月24日(火)17:30~19:00


○場所

厚生労働省省議室


○議事

○事務局 定刻より少し早いですが、委員及び事務局の皆様方がおそろいになりましたので、始めさせていただきたいと思います。ただいまより、第 24 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び平成 28 年度第 10 回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。

 初めに、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。副反応検討部会の岡部委員、長谷川委員、山縣委員、安全対策調査会の望月委員から御欠席の連絡を受けております。現在、副反応検討部会委員 9 名のうち 6 名、安全対策調査会委員 5 名のうち 4 名の委員に御出席いただいております。したがって、厚生科学審議会並びに薬事・食品衛生審議会の規定により本日の会議は成立していることを御報告いたします。

 続いて、カメラ撮りです。申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りについてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。御協力ありがとうございます。

 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や、会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので御留意願います。

 本日の座長につきましては五十嵐安全対策調査会長にお願いしたいと思います。それでは、これからの進行をよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 では、審議の参加に関する遵守事項について事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 審議参加について御報告いたします。本日御出席をされた委員の方々の、過去 3 年度における関連企業からの寄付金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に御申告いただいております。本日の議題において調査審議される品目は、 DPT DT 、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、混合不活化ポリオ、 7 価及び 13 価肺炎球菌、ヒブ、 BCG 、日本脳炎、 B 型肝炎、ロタウイルス、 5 価ロタウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、北里第一三共ワクチン株式会社、武田薬品工業株式会社、一般財団法人化学及血清療法研究所、デンカ生研株式会社、サノフィ株式会社、ファイザー株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、 MSD 株式会社であり、事前に各委員に申告を頂いております。各委員からの申告内容については机上に配布しておりますので、御確認いただければと思います。

 本日の出席委員の寄付金等の受取状況から、柿崎委員が武田薬品及び MSD から、それぞれ 50 万円を超えて 500 万円以下の受取があるため、 DPT DT 、破傷風、 B 型肝炎、 5 価ロタウイルスワクチンについて、意見を述べることはできますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受取について、通帳や源泉徴収票などの資料も御確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。以上でございます。

○五十嵐座長 それでは、本日配布されている資料の御確認を事務局からお願いいたします。

○事務局 配布資料としましては、上から座席表、議事次第、委員・参考人一覧の委員名簿、資料一覧までが 1 枚紙です。その下に、資料 1 から資料 16 まで、各ワクチンの副反応疑いの報告状況等の資料が続いております。そのほか、資料 16 の下に、 1 枚、当日配布資料として A4 横紙で「 2 種類以上のワクチンが同時接種された死亡症例 ( 差替え ) 」、また、このほか委員限りの資料として、お手元に 1 枚紙で「各社の出荷量と副作用の発現頻度」という資料、その下に各社の添付文書資料がズラッと並んでおります。あとは、先ほど申しました寄付金等の受取状況の資料がございます。配布資料は以上です。配布資料一覧を御確認いただき、不足の資料等がありましたら、事務局にお申出ください。以上です。

○五十嵐座長 資料はよろしいでしょうか。それでは、資料 1 6 を使いまして、ワクチンの安全性について検討したいと思います。御説明をお願いいたします。

○事務局 資料 1 6 です。こちらは 4 種混合ワクチンとそれぞれの成分についてのワクチンとなります。まず全体的な話を御説明いたします。こちらの「副反応の疑われる症例に関する検討」ですが、平成 25 9 月の合同会議において、定期的に検討を行うワクチンを選定しまして、これらについては 2 つのグループに分けております。 1 つは、比較的同時接種が行われるワクチン、もう 1 つは、そうでない、単独接種を行われるワクチンです。これを分けて報告することとしております。本日は、比較的同時接種が行われるワクチンについて、その副反応が疑われる症例の報告の状況について御説明いたします。

 比較的同時接種が行われるワクチンについては、前回は、昨年 9 26 日の合同会議において、昨年 3 1 日から 6 月末までの症例について報告しております。本日は、昨年 7 1 日から 10 月末までの 4 か月間に報告された症例について御説明させていただきます。それでは、資料に沿って順に御説明させていただきます。資料 1 を御覧ください。

 資料 1 1 ページは DPT ワクチンです。具体的な製品名については 1 ページの上段の上にあります「商品名」に記載しております。 1 ページの中段に表があります。こちらには、医療機関への納入数量を基に推定した接種可能延べ人数、製造販売業者及び医療機関からの副反応が疑われる症例の報告件数を記載しております。資料 1 DPT ワクチンについては現在出荷されておらず、接種可能延べ人数は 0 人となっていますが、今回の対象期間よりも以前の症例、具体的には括弧の外に出ている「 1 」という数字ですが、こちらが製造販売業者から報告されています。また、 1 ページの下段については、転帰等の情報をまとめております。今回については死亡症例及び後遺症症例の報告はありませんでした。

 なお、本件を含め、各資料の 1 ページの概要の見方について補足させていただきます。重篤症例の報告数については、製造販売業者と医療機関の両方が報告された場合には、重複を排除するため医療機関の報告として計上しております。先ほどもありましたが、接種日が今回の対象期間内であったものについては、報告数の欄の下に括弧書きで記載しております。また、企業ごとの出荷量や発現頻度については、委員限りの資料として 1 枚紙を机上にお配りしているところです。

 資料 1 2 ページ以降については特段大きな内容はありませんので、説明は省略いたします。

 資料 2 DT ワクチンです。資料 2 1 ページですが、接種可能延べ人数は約 65 万人です。製造販売業者からの報告については 0 件、医療機関からの報告については 9 件、うち重篤なものが 3 件となっております。医療機関からの報告頻度については 0.001 %となっています。 1 ページの下の転帰についてですが、集計期間内に後遺症症例・死亡症例の報告はありませんでした。

2 ページは症状別に集計した資料です。 3 ページは予防接種法に基づく報告基準が定められた症状について集計した結果です。順番が入れ替わってしまいましたが、今の 2 3 ページについては、全体として左側のほうがこれまでの件数が出ており、全体から右側については今回の報告期間での件数が記載されております。

4 5 ページは個別症例の一つ一つの内容です。説明は省略いたします。

6 ページは後遺症症例です。こちらについては、以前、 9 26 日の合同会議では未評価であった後遺症症例について専門家の評価を行ったという案件です。本件の概要について御説明いたします。本症例については、基礎疾患として、けいれん発作、精神運動機能障害、顔面麻痺がある 11 歳の男児が DT ワクチン接種後に急性散在性脳脊髄炎 (ADEM) を発症し、後遺症として嚥下障害があったと報告された事例です。なお、「経過」欄の一番下に記載がありますが、問診票の特記事項として、「頚定 7 か月、有意語 2 5 か月、 2 語文 4 歳」とされています。なお、本事例については、 DT ワクチンによる国内で初めてと思われる報告ですので、経過についてもう少し詳細に御説明いたします。

 「経過」にありますが、本症例では接種 3 日後に発熱がありました。その後、接種 7 日後に病院を受診しています。その後、接種 11 日後に嘔吐・呼吸困難感があるとして再度病院を受診し、その際に行われた検査では、髄液細胞数増加、 MRI で異常病変が認められたということ等から ADEM と診断されています。転帰ですが、その後、呼吸障害が認められたため、集中治療室で入院し措置を受けており、呼吸関係は落ち着いたものの、報告日時点では嚥下障害が後遺症として残ったという事例です。

 一番右の「専門家の意見」です。専門家の意見としては 3 名の意見を伺っております。一つ一つ御紹介します。「ワクチン接種後約 10 日目の事象で、時期的にもワクチンの可能性が高い。臨床症状、画像所見とも ADEM に合致する」「診断はワクチン接種後の ADEM でよい」「時間的関係からは因果関係は否定できない。問診票の特記事項から発達の遅れがあったと考えられ、神経系の基礎疾患があった可能性も高く、それが素因となり、ワクチン接種が誘因となって今回の発症に至ったとも考えられる」といった評価を頂いています。以上が専門家の評価です。

 本件は DT ワクチンについては、現時点では添付文書のほうには ADEM の記載はありません。本症例を受けての今後の対応ですが、事務局としましては、 DT ワクチンで ADEM として報告されたのは今回が初めてであると考えられること、また、欧米において、ジフテリア、破傷風を含むワクチンの添付文書では ADEM は特段注意喚起をされていないことを踏まえ、現時点で添付文書の改訂を行わず、引き続き国内の症例集積や海外の状況等に注目していき、その状況を踏まえて対応について検討していきたいと考えております。後遺症症例については以上です。

7 ページはアナフィラキシーのまとめです。こちらについては一番下の所が今回の対象期間ですが、アナフィラキシーとして報告された症例はありませんでした。資料 2 は以上です。

 資料 3 はジフテリアトキソイドです。こちらについては、対象期間中に企業及び医療機関から報告はいずれもありませんでしたので、説明は省略させていただきます。

 資料 4 は破傷風トキソイドです。 1 ページです。接種可能延べ人数は約 13 万人で、製造販売業者からの報告が 3 件、医療機関からの報告が 2 件、うち重篤なものが 1 件ありました。報告頻度については、企業、医療機関でそれぞれ 0.002 %と 0.001 %となっています。 1 ページの下のほうの転帰ですが、今回の対象期間に死亡例及び後遺症症例の報告はありませんでした。

2 ページは症状別の集計です。今回、表の下の右側のほうに「 2 」とありますが、ギラン・バレー症候群が 2 件、製造販売業者から報告されています。

3 ページは予防接種法に基づく報告基準に定められた症状の集計です。

4 ページからは個別症例の一覧です。なお、先ほど触れましたギラン・バレーについては、 4 ページの No.2 No.3 の症例です。

7 8 ページはアナフィラキシーに関するものです。 7 ページの表の一番下に「 1 」という数字がありますが、今回、アナフィラキシーとして 1 件報告されています。ただ、ブライトン分類の 3 以上とは判定されていませんので、その右側の数字は「 0 」とさせていただいております。 8 ページはアナフィラキシーに関するブライトン分類の詳細な評価となっています。説明は省略いたします。資料 4 は以上です。

 資料 5 は不活化ポリオワクチンです。こちらについては、企業及び医療機関から報告はいずれもありませんでしたので、説明は省略させていただきます。

 資料 6 4 種混合ワクチンです。接種可能延べ人数は約 130 万人で、製造販売業者から 13 件、医療機関からは 36 件の報告がありました。医療機関からの報告については、 36 件のうち 13 件が重篤なものとして報告されています。報告頻度については、企業が 0.001 %、医療機関が 0.003 %となっています。 1 ページの下の転帰ですが、今回の集計対象期間内では死亡例が計 2 件、企業から 1 件、医療機関から 1 件ありました。

2 ページ以降です。 2 ページから 4 ページについては症状別の集計です。 5 ページは予防接種法に基づく報告基準に定められた症状の集計結果です。

6 ページから 10 ページは個別の症例の一覧です。説明は省略させていただきます。

11 12 ページは後遺症症例です。まず 11 ページの症例です。こちらについては、以前、通常の副反応が疑われる症例として報告されていましたが、今回、後遺症症例として初めて報告されましたので評価を行ったという事例です。症例としましては、 4 種混合ワクチンとヒブワクチンを同時接種した基礎疾患のない 4 か月の女児が、接種翌日に口の動きが悪くなり、接種 2 日後、 3 日後に右目のまばたきが不可等の症例が発現し、右の顔面麻痺と診断され、これに関する後遺症が残ったという事例です。

 一番右側の「専門家の意見」です。専門家の意見としましては、「脳炎、脳症は否定的。単純な片側顔面麻痺で、ワクチン以外の可能性が高い」「脳炎が疑われ、検査の範囲で水痘、単純ヘルペス感染は否定的であり、ワクチン接種との因果関係を否定することはできない」「ワクチン接種との因果関係は否定できない。脳症を思わせる意識障害、てんかんは合併していない」といった御意見を頂いております。以上が 11 ページの後遺症症例です。

12 ページは、過去に後遺症症例として専門家の意見も含めて御報告した事例ですが、新たに下線部分の経過の情報が得られたため、改めて専門家に評価を頂いた事例です。事例としましては、ワクチン接種後に自己免疫性脳炎を発症し、アテトーゼが後遺症として残ったという事例です。専門家の意見には特段変更はありませんでしたが、簡単に御紹介いたしますと、「自己免疫性脳炎として発症が早すぎるが、他の要因がなく、完全には否定できない」「得られた情報からは因果関係の否定はできない」「複数のワクチンが打たれており、どれが原因であるかは不明であるが、病態は明らかに自己免疫性脳炎である」といった御意見を頂いております。 12 ページは以上です。

13 15 ページはアナフィラキシーのまとめです。 13 ページは、今回の対象期間内では 2 例がアナフィラキシーと報告されていますが、ブライトン分類評価が 3 以上と評価された症例はありませんでした。 15 ページは同じくアナフィラキシーの関係なのですが、過去にアナフィラキシーか否かを評価いただいていた事例について新たな情報が得られたため、追加で評価を行った事例です。こちらは、下のほうの No.2 については、今回、全身性のじん麻疹との情報が追加されたことにより、評価が変更されておりまして、全体としてはブライトン分類 3 以上のアナフィラキシー症例と評価が見直されています。なお、「ワクチン接種との因果関係は否定できない」とされております。アナフィラキシー関係は以上です。

17 ページからは死亡症例についてです。 17 ページの No.1 ですが、こちらについては、プレベナー、ヒブワクチン、 4 種混合ワクチン、ロタワクチンを同時接種した 4 か月男児が、接種当日に呼吸停止した状態で発見され、接種 4 日後に死亡した事例です。調査の結果がその右側にありますが、結果としましては、「得られた情報から死因は不明。情報不足のためワクチン接種との因果関係は判断できない」との調査結果を頂いております。なお、 18 19 ページに、委員限りの資料として専門家の意見の詳細等を添付しております。委員限りの資料について、その内容を御発言いただく際には、患者個人の特定につながらないよう御配慮いただきますようお願いいたします。

17 ページにお戻りください。 No.2 については差し替えがありましたので、本日お配りした A4 1 枚紙の当日配布資料を御覧ください。 No.2 は、今回の集計期間以降に、 12 月に報告された事例です。本症例については、 4 種混合ワクチン、 B 型肝炎ワクチン、ヒブワクチン、プレベナーを同時接種した 3 か月男児が、接種 7 日後に心肺停止し死亡した事例です。死因は不明となっています。また、報告医のほうからの評価としては、「因果関係は評価不能」と報告を頂いております。詳細な調査結果については現在実施中ですので、結果が得られ次第改めて御報告いたします。

 また、口頭での御説明になり恐縮ですが、資料 6 17 ページで、ここには記載されていない死亡症例について 1 点、口頭で補足させていただきます。本年 1 月に死亡症例が 1 件追加で報告されております。症例としましては、早産児かつ超低出生体重児で出生した 3 か月男児が、 4 種混合ワクチンと B 型肝炎ワクチンの接種 3 日後、呼吸停止の状態で発見され、救急搬送された後、死亡が確認されたという症例です。こちらについても、現在調査を進めておりますが、現時点での報告医から頂いている情報では、剖検や Ai (死亡時画像診断)が実施されており、その結果からは明らかな所見は認められなかったということで、乳幼児突然死症候群ではないかというふうに診断したと報告いただいております。いずれにしても、詳細な結果が分かり次第、こちらについても御報告させていただきます。

 続いて資料 6 20 ページは、昨年 9 26 日の合同会議で既に評価を頂いた死亡報告について追加情報が得られたということで、今回、再度評価を行った事例です。下線部分が追加の情報です。ロット番号や報告医による死因に関する意見等が追加されております。調査の結果としては、「剖検の結果、死因は不詳。死因は呼吸器感染症や乳幼児突然死症候群による可能性が考えられ、ワクチン接種との因果関係は不明である」と評価いただいております。 21 ページから 23 ページについては本件の詳細な資料で、こちらも同じく下線部が今回追加された情報です。資料 6 は以上です。

 資料 1 6 の説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 それでは、ただいまの事務局からの御説明に対しまして、御意見、御質問をお願いいたします。

○桃井委員 専門家の御意見の所ですが、その専門家の方によっては非常に厳密な書き方をなさっている所もありますが、余り厳密性のない記述の仕方をされている所もあります。ご担当専門家の方に御要望していただきたいのですが、時間的前後関係と因果関係に関する考察は分けて記載をしていただきたいと思います。

 例えば資料 2 6 ページでは、時間的前後関係があるから因果関係があるかのような記載をされていて、不正確です。非常に大事なことですので、時間的前後関係、期間も含みますが、それに対する御意見と、因果関係に関する御意見を分けて御記載いただきたいと御要望いただければ大変有り難いと思います。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

○事務局 桃井先生、貴重な御意見ありがとうございます。頂いたコメントにつきましては、先生方に伝えるようにしていきたいと思います。

○五十嵐座長 ほかに御意見はいかがでしょうか。よろしいですか。

 まとめさせていただきます。まず、 DT ワクチン後に ADEM かと思われる報告が 1 例ありましたが、今回初めてだということだと思います。副反応の報告の頻度は、これまでに検討しましたワクチンに比べて特段高いということはないようです。死亡症例は、今回の集計対象期間に混合不活化ポリオワクチンを含む同時接種の症例で 2 例報告されましたが、ワクチン接種との因果関係は情報不足で判断はできない、あるいは、不明であると評価を頂いております。そういうことで、まとめはよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 そうすると、この内容を踏まえまして、現状での取扱いを変更するかどうか、御意見を頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。特にありませんか。

 それでは、ただいま御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応の報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。ありがとうございます。

○倉根委員 すみません、 1 つだけ。

○五十嵐座長 どうぞ。

○倉根委員 本質的なところではないと思うのですが、資料 4 8 ページで、確認だけなのですが、この方は 15 歳なのですよね。 15 歳は、もう中学校は卒業していていいのでしたか。「勤務先で」と書いてあるのですが、 15 歳は中 3 か、もう中学校を卒業してもよろしいのでしたか。記載間違いではなく、 15 歳でいいのですよね。そこの確認だけしていただければ。

○事務局 こちらにつきましては、企業からの報告をそのまま転記しておりまして、もしかしたら間違いもあるかなと思いますので、会議が終わりましたらまた確認を取りたいと思います。

○倉根委員 そこの確認だけしていただければと思います。

○事務局 御指摘ありがとうございます。

○五十嵐座長 ありがとうございます。ほかはよろしいですか。

○永井委員  DT ADEM の扱いなのですが、考えながら聞いていたので聞き漏らしたかもしれないのですが、経過を見ると、非常に早期に熱が出て、それからどんどん ADEM らしい症状が出てきているわけですよね。 ADEM は本質的に、通常はウイルス感染症の後で免疫反応が関与して起こってくるわけで、非常に早いですよね。だから、このワクチンでこれだけ急激に免疫が動いて、この症状が出たというのは、やや厳しいという感じがするのです。積極的に疑わしいと考えるには少し厳しいケースではないかと思って読ませていただきました。

○五十嵐座長 御指摘ありがとうございます。よろしいでしょうか。

 それでは、以上のような対応をしたいと思います。資料 1 6 の検討はこれで終了いたします。ありがとうございました。

 資料 7 9 に移ります。説明をお願いいたします。

○事務局 資料 7 から 9 について御説明いたします。まず、資料 7 を御覧ください。資料 7 につきましては、 7 価のプレベナーです。こちらにつきましては、既にワクチンとしては出荷されておりませんが、過去の症例が製造販売業者より 1 件報告されておりますので、資料としては載せております。具体的な症例は発熱と硬結でございます。次ページ以降の説明は省略させていただきます。資料 7 は以上です。

 続きまして、資料 8 です。資料 8 13 価のプレベナーでございます。こちらにつきましては、接種可能延べ人数は、 134 万人で、製造販売業者から 101 件、医療機関から 56 件、うち 32 件が重篤症例として報告されております。報告頻度につきましては、企業、医療機関それぞれ 0.007 %、 0.004 %ということで報告されております。なお、お気付きかと思いますけれども、表中に、「うち、薬効欠除等を除く」ということで、うち数を記載させていただいております。こちらにつきましては、これまで、 2 ページの下のほうに★を付けておりまして、薬効欠除、肺炎球菌性肺炎等については、先生方より、「本ワクチンの副反応とは関連がないのではないか」ということで御指摘いただいておりまして、これらは別でカウントしたほうがよいのではないかというような御意見も頂いておりました。これらの意見を踏まえまして、今回、 1 ページのうち数として、 2 ページ目以降に★が付いております、薬効欠除等を除いた数値を記載させていただいております。

 また、合わせてこれら★が付いている報告について、その必要性があるのかという御意見も頂いておりまして、現在、関連企業とは話をしているところでございます。また動きがありましたら、この会議で追って御報告させていただきます。

1 ページ目に戻りまして、 1 ページの下の転帰です。転帰については、後遺症症例 1 件、死亡症例として 5 件の報告が今回の対象期間としてありました。また、死亡例の報告頻度ですが、転帰の表の下の所に少し小さい字で書いてありますが、 10 万接種当たりの頻度として 0.2 から 0.35 であり、急ぎの検討が必要とされる 10 万接種当たり 0.5 を下回っているということを確認しております。以上が 1 ページです。

 続きまして、 2 ページ目以降です。 2 ページから 4 ページは、症状別の集計となっております。先ほど御説明したとおり、一部の症状については★を付けております。今回の報告ですが、 2 ページ目の下のほうですが、薬効欠除、肺炎球菌性肺炎等の報告が全体として数字が多くなっております。こちらについての要因ですが、 AMED の研究班で収集された情報を企業が入手して、それをまとめて報告したということで、今回、多数の報告がされているということです。

 続きまして、 5 ページ目を御覧ください。 5 ページ目は予防接種法に基づく報告基準です。今回、けいれんが 12 件報告されております。

 続きまして 6 ページ以降です。 6 ページから 16 ページが個別症例の一覧となっています。なお、 8 ページから 11 ページ辺りですが、右側の転帰日だったり、転帰内容、左側の接種日というのが、多くが「不明」ということになっております。こちらにつきましては、先ほど申し上げました研究班から得た情報ということで、企業による詳細な調査が行えなかったということで、「不明」という記載となっています。個別症例の一欄は以上です。 続きまして、 17 ページを御覧ください。 17 ページは後遺症症例です。こちらにつきましては、基礎疾患のない 1 歳男児が、プレベナー等、おたふく風邪ワクチンの同時接種後に、小脳性運動失調、眼振を認め、後遺症として発達遅滞が残ったという事例です。こちらにつきましては、昨年の合同会議で、おたふく風邪ワクチンの評価として、既に報告させていただいている事例です。評価につきましては、変更はございませんが、「因果関係は否定できない」といった意見、「副反応の可能性あり」といった意見を頂いております。 17 ページは以上です。

 続きまして 18 ページです。こちらは、先ほど御説明した内容になります。追加情報に基づき、新たに評価を行ったというものですが、 4 種混合ワクチンを含む同時接種で、アテトーゼが後遺症症例として残ったという事例です。

 続きまして、 19 ページを御覧ください。 19 ページ以降、アナフィラキシーの関係が 23 ページまで続きます。 19 ページの一覧表を見ていただきますと、一番下に「 4 」とありまして、今回の対象期間に 4 例がアナフィラキシーとして報告されております。ただ、そのうちアナフィラキシーのブライトン分類 3 以上と評価された症例はありませんでした。「 0 」と記載しております。

20 ページから 23 ページは、個別の症例に関するアナフィラキシーの評価です。説明は省略いたします。

 続きまして 24 ページです。 24 ページ以降は、死亡報告の一覧となっております。なお、 24 ページ、 25 ページは No.2No.3 とありますが、こちらはいずれも 4 種混合ワクチンを含む接種ということで、先ほど御説明した内容です。 24 ページの No.1 が、御説明する内容です。 No.1 につきましては、ヒブワクチン、プレベナー、ロタワクチンを同時接種した 4 カ月女児が接種 7 日後に、うつぶせ状態で発見され、搬送先にて死亡が確認されたという事例です。調査の結果としましては、得られた情報から、「死因は不明、情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は判断できない」という評価を頂いております。こちらの症例につきましては、 26 ページ、 27 ページに専門家の意見の詳細を付けております。こちらにつきましては、委員限りではなくて、傍聴者にも配付されております。

24 25 ページに戻りまして、先ほど御説明したとおり、 No.2 No.3 は、重複となりますので、省略させていただきます。

 続いて 28 ページを御覧ください。こちらは死亡症例ですが、過去の合同会議で未評価であったものです。 28 ページの No.1 につきましては、アクトヒブ、プレベナー、ロタワクチンを同時接種した、 4 か月男児が、接種 4 日後に、仰向けで息をしていない状態で発見され、搬送先で死亡が確認されたというものです。こちらにつきましては、剖検が実施されております。剖検の結果からは明らかな死因は特定されませんでした。調査の結果、剖検の結果では、「明らかな死因は特定されず、乳幼児突然死症候群の可能性が考えられた。ワクチン接種の因果関係は不明である」と評価を頂いております。 No.1 の症例についての詳細は、 29 30 ページに、こちらは委員限りとして記載をしております。

28 ページの No.2 です。こちらは、プレベナーとアクトヒブを同時接種した 4 か月の女児が、接種 3 日後、うつぶせで鼻血を出し、顔面蒼白となった状態で発見され、搬送先にて死亡が確認されたという症例です。報告医は、死因として原因不明の鼻血による窒息の可能性が考えられる、関連性なしと報告を頂いております。調査の結果、「発見時の状況から、死因は鼻出血による窒息の可能性が考えられたが、鼻出血の原因は不明、ワクチン接種との因果関係は不明である」と評価を頂いております。 No.2 の詳細な専門家の評価については、 31 ページ、 32 ページに記載しております。こちらは委員限りの資料となっております。

 続いて、 33 ページを御覧ください。こちらは先ほど説明した症例です。過去に評価済みであるが、新たに情報が得られたため、再度評価を行ったという症例で、 4 種混合ワクチンを含む同時接種の事例です。資料 8 は以上です。

 続きまして資料 9 を御覧ください。資料 9 はヒブワクチンです。接種可能伸べ人数は、約 132 万人で、製造販売業者から、 39 件、医療機関から 50 件、うち重篤症状として、 28 件が報告されています。報告頻度につきましては、それぞれ企業、医療機関 0.003 %、 0.004 %となっております。

 転帰につきましては、下の表にありますが、 5 件報告されております。また、転帰の表の下の死亡の報告頻度ですが、今回は 10 万接種当たり、 0.15 から 0.3 という数値で、急ぎの検討が必要とされる、 10 万接種当たり 0.5 を下回っているということを確認しております。 1 ページは以上です。

2 ページから 4 ページ目は、症状別の集計となっております。 5 ページが予防接種法に基づく報告基準に定められた症状の集計結果です。

6 ページから 13 ページ目までが報告された個別症例の一覧となっております。説明は省略いたします。

14 ページを御覧ください。 14 ページは後遺症症例です。こちらは 4 種混合ワクチンを含む事例ですので、先ほど御説明した内容です。顔面麻痺の関連の症例が後遺症症例として起こったという事例です。

15 ページです。こちらも 4 種混合ワクチンを含む同時接種ということで、先ほど御説明した内容です。下線部分の情報が新たに得らたれので、再度評価を行ったという事例で、自己免疫性脳炎の関係で、後遺症としてアテトーゼが残ったという事例です。

 続きまして、 16 ページ以降です。 16 ページから 20 ページがアナフィラキシーの関係となっております。 16 ページの表の一番下を御覧いただきますと、今回の対象期間の中で 3 件アナフィラキシーとして報告されております。こちらにつきましては、プライトン分類評価が 3 以上と評価された症例はないということで、ここの右側に「 0 」と記載しております。アナフィラキシー関係は以上です。

 続きまして、 21 ページを御覧ください。 21 ページからは、死亡報告の一覧です。こちらにつきましては、 21 ページ、 22 ページに計 3 件死亡症例の記載がありますが、これらについては、いずれも 4 種混合ワクチンが同時接種された症例ということで、既に説明済みのものとなっております。

 続いて、 23 ページを御覧ください。 23 ページ目以降につきましては、過去に未評価で、今回評価を行った死亡報告ですとか、新たに情報が得られたために再度評価を行ったということで、 3 件あります。これらにつきましても、いずれも他のワクチンを同時接種された事例ということで、既に設明済みのものです。資料 9 は以上です。資料 7 から 9 までについて、御審議のほどをよろしくお願します。

○五十嵐座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に対して御質問、御意見いかがでしょうか。

○倉根委員  7 でも 9 でも例えばですけれども、資料 9 19 ページを見ていただきますと、書き方なのかもしれませんが、「人種不明」というのがあって、 20 ページには、「人種不明の 3 か月」、この記述がない報告もあるのですが。この人種不明というのは、おそらく日本人ではない、あるいは日本国籍かもしれないけれども、ひょっとしたら違う国からのお母さんか、お父さんを持っているかもしれないということでしょうか。あえてここで人種不明と書いてあるのは、何かそういう、日本人ではないのかもしれないということを示そうとしているのですか。それとも、これを書いた方の書き方の問題、あるいは報告先の報告の仕方の問題なのですか。これだけではなくて、資料 8 にも「人種不明の」という強調している部分が、資料 8 17 とかにあるのですが。あるいは、そういう記述が全くないものもあるのだけれども、ここはどのように解釈すればよろしいのですか。

○事務局 ちょっとお時間いただいて確認させていただいてもよろしいでしょうか。

 これがどうだったというのは、お答えが難しいのですが、一般論として回答申し上げます。ここの記載は、企業が報告してきたものをそのまま記載しておりまして、おそらくですが、その企業によって書くスタイルだったり、どういう基準でここの記載を書くのかというのは、企業によってまちまちなのではないかなと思います。また、この記載ですけれども、おそらく積極的に日本人ではないということが確認されたから書くわけではなくて、そこの点について確認が取れなかったので、一応企業としては、念のため不明であるといった形で書いてある場合もあるかと思います。詳細のところは、分からないという状況です。

○倉根委員 おそらくは報告先の書き方の特徴というか、そういうことだということなのですか。

○事務局 はい、そうでございます。

○五十嵐座長 推測ですが、国際企業というか、海外で展開している企業の場合には、こういう副反応を出すときに、人種をもしかすると記載しているというのが基本なのかもしれませんね。これはあくまでも推測ですけれども、インターナショナルな企業なので、それにフォームがあって、それにのっとって記載しているということも、推測はできるのではないかなと思います。

○事務局 ありがとうございました。このワクチンにつきまして、ファイザーだったり、サノフィということで外資系企業ですので、また何かの機会がありましたら、その辺についても話を企業ともしてみたいと思います。

○五十嵐座長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。特にございませんか。それでは、御報告の内容をまとめたいと思いますが、よろしいでしょうか。まず、副反応の報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて特段高いことはないようです。後遺症の報告は、プレベナー 13 を含む同時接種症例で 1 例ございました。それから、死亡症例は、今回の集計対象期間中に、プレベナー 13 、アクトヒブを含む同時接種の症例で 5 例報告されています。しかしながら、ワクチン接種との因果関係は、情報不足で判断できない、あるいは不明と評価をされています。なお、プレベナー 13 、アクトヒブの 6 か月間における死亡例の報告頻度は、いずれも急ぎ検討が必要とされる、 10 万接種あたり、 0.5 を下回っていました。こういうまとめ方でよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、こうした内容を踏まえまして、現状での取扱いを変更するかどうか、御意見を頂きたいと思います。

 それでは、御審議を頂きましたワクチンにつきましては、これまでの副反応の報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。では、以上で資料 7 から 9 の検討は終了したいと思います。続きまして、資料 10 から 15 までの御説明をお願いいたします。

○事務局 資料 10 を御覧ください。資料 10 BCG ワクチンです。接種可能延べ人数は約 31 万人で、製造販売業者から 3 件、医療機関から 50 件、うち重篤なものが 12 件報告されております。報告頻度については、企業と医療機関でそれぞれ 0.001 %、 0.02 %となっています。転帰については、今回の対象期間内で、後遺症症例と死亡症例の報告はありませんでした。 1 ページは以上です。

2 ページは症状別の集計です。 3 ページは、予防接種法に基づく報告基準が定められた症状を集計しています。 4 ページから 8 ページは個別の症例の一覧です。

9 ページは後遺症症例です。こちらについては、過去に合同会議で通常の症例として報告されていましたが、新たに後遺症症例と報告されましたので、今回初めて評価を行ったという症例です。内容としては、骨結核に関するものです。経過としては、乾燥 BCG ワクチンを生後 4 か月時に接種し、接種 1 5 か月頃から右足の動きが悪いことに気付き、その後、右大腿骨遠位部骨幹端に腫瘍性病変が認められ、骨結核と診断された症例です。経過の真ん中より少し下に記載がありますが、本件については PCR による検査が行われております。その結果、ウシ型結核菌のパターンと一致することが判明しています。右側の専門家の意見ですが、全体的な評価としては、「ワクチンとの因果関係がある可能性が高い」といった、因果関係を肯定的に評価している御意見を頂いています。 9 ページの後遺症症例は以上です。

10 ページを御覧ください。 10 ページはアナフィラキシーのまとめです。アナフィラキシーとして報告された症例はありませんでしたので、それ以降の資料は付いていません。資料 10 は以上です。

 資料 11 です。こちらは日本脳炎ワクチンです。接種可能延べ人数は約 170 万人で、製造販売業者から 2 件、医療機関から 39 件、うち重篤なものが 16 件報告されております。報告頻度については、企業と医療機関で、それぞれ 0.0001 %と 0.002 %となっています。下のほうの転帰については、今回の報告期間では死亡症例、後遺症症例の報告はありませんでした。 1 ページは以上です。

2 ページ、 3 ページは症状別の集計です。 4 ページは予防接種法に基づく報告基準に定められた症状別の集計です。 5 ページから 7 ページは、報告された個別症例の一覧です。

8 ページと 9 ページは ADEM についての評価です。今回は製造販売業者から、 ADEM として 1 件報告されています。その評価は 9 ページですが、事務局の評価の結果としては、情報不足で ADEM とは判断できないと評価しており、 8 ページの表では「 0 」と記載しております。

 アナフィラキシーの関係が 10 ページからあります。一覧表がありまして、今回はアナフィラキシーとして 2 件が報告されておりますが、ブライトン分類の 3 以上と評価された事例はないということで、「 0 」と記載しております。 11 ページが、 2 件あるアナフィラキシーの報告の詳細な評価です。 12 ページ、同じくアナフィラキシーについてですが、こちらについては新たな情報が得られたということで、再度評価を行ったアナフィラキシーです。アナフィラキシーとは判断できないという評価について、変更はありません。資料 11 の日本脳炎ワクチンについては以上です。

 資料 12 B 型肝炎ワクチンです。こちらについて、 B 型ワクチンは昨年の 10 1 日より定期接種化されております。今回の対象期間については、 7 1 日から 10 月末までとなりますので、終わりの部分の一部の期間は定期接種化後のものとなっています。接種可能延べ人数は約 280 万人、製造販売業者から 26 件、医療機関から 17 件、うち重篤なものが 7 件報告されております。報告頻度については、企業と医療機関で、それぞれ 0.0009 %と 0.0006 %です。転帰については、今回の対象期間では死亡報告が 1 件あります。 1 ページは以上です。

2 ページ、 3 ページは症状別の集計です。 4 ページは予防接種法に基づく報告基準でまとめた集計です。 5 ページから 8 ページは、個別の症例の一覧です。この辺りは省略させていただきます。

9 ページから 13 ページはアナフィラキシーの関係です。 9 ページを御覧ください。今回は表の一番下にあるとおり、 4 件がアナフィラキシーと報告されており、そのうち 1 件がブライトン分類評価の 3 以上となっております。 10 ページ以降に個別の症例の評価が載っていますが、ブライトン分類 3 以上と評価された症例については、 11 ページの表の下のほうの No.4 です。また、同じくアナフィラキシーの話ですが、 12 ページ、 13 ページです。 12 ページを御覧ください。こちらについては、過去に評価を行ったけれども、新たに情報が得られたということで再度評価されたものです。いずれもブライトン分類 3 以上と評価されたものはありませんでした。アナフィラキシー関係は以上です。

14 ページを御覧ください。ここからが死亡報告の一覧です。 14 ページは 4 種混合ワクチンを含む同時接種の事例ということで先ほど御説明したものです。差換資料になっているものです。説明は省略いたします。また、同じく 4 種混合ワクチンを打っている事例ですが、先ほど口頭で御説明した 1 月の死亡症例が 1 件報告されています。こちらも先ほど御説明したので、詳細は省略いたします。 15 ページです。こちらは過去に評価済みで、新たな情報が得られたため再度評価を行ったという事例です。こちらについても、 4 種混合ワクチンを含む同時接種の事例ということで、先ほど御説明したものです。下線部分が新しい情報ということです。資料 12 B 型肝炎ワクチンについては以上です。

 資料 13 です。こちらは、ロタウイルスワクチンです。接種可能延べ人数は約 27 万人で、製造販売業者から 22 件、医療機関から 16 件、うち重篤なものが 12 件報告されております。報告頻度については企業と医療機関で、それぞれ 0.008 %と 0.006 %です。転帰については、今回の対象期間では、企業から死亡症例が 1 件報告されております。 1 ページは以上です。

2 ページから 4 ページが、症状別の集計です。なお、後で腸重積の関係の説明もありますので、腸重積の件数だけ御説明します。 2 ページの上のほうに「 7 」という数字が 2 つ出てきていますが、 2 番目の「 7 」が腸重積ということで、今回の対象期間には腸重積は 7 件報告されております。個別症状の一覧は以上です。

5 ページから 8 ページが、個別の症例の一覧です。説明は省略いたします。 9 ページはアナフィラキシーの関係で、今回の報告はありませんでした。 10 ページは死亡報告です。こちらは 4 種混合ワクチンを含む同時接種の事例で、既に説明したものです。下線部分が追加で得られたため、再度評価を行ったという症例です。資料 13 は以上です。

 資料 14 を御覧ください。こちらは、 5 価ロタウイルスワクチンです。接種可能延べ人数は約 25 万人で、製造販売業者から 21 件、医療機関から 10 件、うち重篤なものが 6 件報告されております。報告頻度については、企業と医療機関で、それぞれ 0.008 %と 0.004 %となっております。転帰については、今回の対象期間では死亡症例が計 3 件報告されております。 1 ページは以上です。

2 ページ、 3 ページは症状別の集計です。なお、腸重積については、 2 ページの上のほうの一番右に「 12 件」とありますが、今回の対象期間で腸重積は 12 件報告されているところです。 4 ページから 7 ページが個別症例の一覧です。説明は省略いたします。

8 ページを御覧ください。こちらはアナフィラキシーのまとめです。表の一番下にあるとおり、今回 2 件の報告がありましたが、評価の結果、アナフィラキシーのブライトン分類 3 以上とされた症例はありませんでした。 8 ページは以上です。

10 ページです。ほかのワクチンの所で説明していますが、アナフィラキシーとして再度評価をしたというものです。こちらについては、ブライトン分類が 3 以上と評価の内容は変わっております。

11 ページを御覧ください。 11 ページからは死亡症例の報告です。今回の対象期間に接種が行われたもので、これら 2 件については、他のワクチンと同時接種が行われた事例です。省略いたします。 12 ページです。こちらもプレベナー等を含む、他のワクチンと同時接種された事例です。説明は省略いたします。資料 14 は以上です。

 資料 15 です。こちらについては、ロタワクチンによる腸重積に関する資料です。こちらについては、これまでの会議でもロタワクチンによる腸重積の発生状況について、企業であるグラクソ・スミスクライン社、 MSD 社より、資料の提供を受けております。本資料については、簡単に御説明させていただきます。

 まず、 1 ページです。こちらはグラクソ・スミスクライン社のロタリックスについて、腸重積報告症例数、ブライトン分類評価が 1 に該当する症例数等が、左側の数字が縦に米国、右側の数字が日本ということで、比較しております。これらの数値に関して、以前の合同会議で五十嵐座長より、日米の腸重積の頻度の違いについて御質問を頂いておりましたので、こちらについて回答させていただきます。

 数値を見ますと、今回の数値ですと、国内の右側の縦の列ですが、出荷数量は国内だと約 346 万で、それに対して 136 件が腸重積として報告されております。一方で、米国の VAERS のデータでは、約 1,090 万の出荷量に対して 112 件の腸重積が報告されているということです。単純に計算すると、数値的には 4 倍ぐらい日本のほうが頻度が大きいということで、この点について、五十嵐座長より御質問を頂いていておりました。

 この要因について企業に確認したところ、まず一般論としては、各国の収集の体制が異なるので、発生率については単純に比較できるものではないという話がありました。その上で、日本の頻度のほうが高い原因は不明という回答でした。ただ、日本では企業が医療機関に積極的に働き掛けて、情報提供と収集を行っているので、もしかするとそれが原因の可能性もあるかもしれないといった趣旨の回答もありました。ただ、いずれにしても、この違いについては、現時点では原因不明であるというのが企業からの回答でした。 1 ページは以上です。

2 ページです。上の表については、ブライトン分類が 1 に該当するもののうち、入院が必要となった症例数、そのうち外科手術、腸切除が必要となった症例数、さらに死亡症例数をまとめております。同じく、左側の縦に米国のデータ、右側に国内のデータをまとめています。数値的には、外科手術が必要となったものが日本だと 15.7 %、海外だと 44.4 %となっています。この辺りの違いは、先ほど申し上げた、積極的に収集しているので軽微なものも集めているという背景もあるかもしれませんが、その辺りは分からないというところです。

 下のグラフを御覧ください。こちらについては、腸重積発現までの日数をまとめたものです。左側の縦が米国、右の縦が国内ということで、 2 つ表がありますが、横に見ていただく上のほうが 1 回目接種時の発現、下の段が 2 回目の接種での発現というように、表でまとめてあります。 3 ページは、腸重積発現の週齢のグラフです。 3 ページ以降については、 MSD 社のロタテックについての報告です。先ほどの米国と日本の頻度の違いも含めて、基本的には同じ傾向を示しておりますので、説明は省略させていただきます。資料 10 から資料 15 までの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 ただいまの事務局の説明に対して、御質問や御意見はいかがでしょうか。

○多屋委員  BCG ワクチンの資料 10 について教えていただきたいのですが、今回後遺症例はないということだったのですが、 4 ページに 1 人播種性 BCG 感染症の報告があること、 5 ページに骨炎の報告があるのですが、この年齢を拝見しますと、播種性 BCG 感染症が 11 か月と比較的遅い時期になっています。また、骨結核も 1 歳となっていまして、そもそも副反応報告は接種時年齢、接種時月齢を御報告いただいていると思うのですが、もしかすると、この年齢が発症時年齢と変わってしまっているという可能性はありませんでしょうか。

 播種性 BCG 感染症だと、恐らく何らかの基礎疾患をお持ちであったのではないかと想像されるのですが、 11 か月に接種するまで何も分からずに接種されてしまったのかなということを考えまして、年齢の記載の方法を確認していただければと思いました。

○事務局 先生の御指摘は、資料 10 4 ページの部分でよろしいでしょうか。

○多屋委員 はい。資料 10 4 ページの 11 か月の方の播種性 BCG 感染症と、 5 ページの 1 歳の骨結核という記載です。

○事務局 今、御指摘いただいた資料 10 4 ページの No.1 から No.3 と、 5 ページの上のほうの「 1 歳」という記載ですが、これについては発現日を記載しております。

○多屋委員 医療機関報告の報告書では、接種時月齢を書いていただくことになっていると思うのですが、ほかのワクチンは接種時年齢が書かれていたように思っていたのですが、 BCG だけが症状発現年齢になっているのでしょうか。

○事務局 少しややこしい話になるのですが、予防接種法に基づく報告と、医薬品医療機器等法に基づく報告がありまして、おっしゃるとおり予防接種法に基づく報告は接種日で報告いただいております。一方で、企業が報告する医薬品医療機器等法の報告は、発現日が記載されております。

 医療機関のほうがややこしいのです。医療機関からの報告の場合は、医療機関のみから報告される場合と、医療機関と製造販売業者の両者が報告される場合があります。後者の両方から報告される場合については、発現日のほうを現在は記載しております。なお、全体的に、傾向的に言うと、大体重複で報告されることが多いので、見方として、この中の記載はおおむね発現日が記載されていると御理解いただければと思います。

○多屋委員 接種日なのか発現日なのかの情報はとても大事だと思いますので、どちらか分かれば、これは接種時年齢なのか、これは発現時年齢なのかを区別して表にまとめていただいたほうがよいのではないかという気がします。

 というのは、以前に BCG ワクチンの標準的接種月齢が、 3 か月から 6 か月未満であったのが、少し延びて遅くなったというのがあります。その理由として、骨炎などが多くなったのではないかということで、少し後ろにずれたという経緯もありますので、いつ接種したかという情報は、結構大事ではないかと思います。もし可能であればその情報をまとめていただけると有り難いのですけれども、すぐにということではないのですが、重要な情報かなと思います。年齢だけが書いてあると、どちらか分からなくなって、あるワクチンは接種日、あるワクチンは発現日だとよくないと思いました。

○事務局 ありがとうございます。作業としてどれぐらい大変なのかということがありますので、頂いた御意見を踏まえまして、何ができるのかを検討させていただいて、その結果を御報告させていただければと思います。

○五十嵐座長  BCG の副反応はすぐに出るのもあるのでしょうけれども、骨結核だとか骨髄炎というのは、半年とか 1 年たってから診断が付いたり、症状が出てきたりと、副反応の出方の期間が長いです。だから、ほかのワクチンは比較的 1 か月とか、遅くても 2 か月以内ぐらいに症状が出ることが多いと思うのですが、そういう意味では特殊と言えば特殊なワクチンなのかもしれないので、少し御検討いただきたいと思います。

 ほかにいかがでしょうか。

○倉根委員 資料 15 です。例えば 2 ページ目の下の図で、ロタリックスの 1 回目の接種発現と 2 回目の接種発現が、 X 軸が大分違うのです。こちらは 40 日までやっていて、片方は 100 日です。実際、 40 日以上はないので、 100 に延ばしたところで症例数はないのだと思いますが、パターンを比べるときに、 1 回目と 2 回目を同じスケールで示しておいていただけば、 1 回目と 2 回目を比べるときにもパターンが比べやすいと思うのです。それは同様に、ロタテックのほうが 78 でそろえていただいていて、 VAERS のほうも、大体 X 軸の長さをそろえてもらっているので、数値的には変わることはないわけですが、パターンを見るときには X 軸が合っていたほうが見やすいと思いますので、簡単にできることだと思います。お願いいたします。

○事務局 ありがとうございます。企業と相談してみたいと思います。表が見にくくなるというデメリットもあるかもしれませんが、そこは相談しながら進めていきたいと思います。

○五十嵐座長 ほかはいかがでしょうか。

○事務局 先ほど多屋先生から御指摘いただいた接種日と発現日の件ですが、五十嵐座長の御発言だと、 BCG の骨結核等は特殊な話ということもありましたが、そこは特殊な部分だけに対応すればいいのか、それとも全体的に分かったほうがいいのかというところについて、今の時点で御意見がございましたら頂ければと思います。

○多屋委員 接種日なのか発現日なのかについて、特に BCG は離れているのですが、ここに書いてあるように年齢だけが書いてあるとどちらの年齢かが分からないので、もしこれが接種日なのなら「接種時年齢」というように書いていただけると、後で分かりやすいと思います。可能であればお願いいたします。

○事務局 検討させていただければと思います。

○五十嵐座長  BCG だけでも、両方あると意味があるかもしれません。

 ほかはいかがでしょうか。

○多屋委員 ロタウイルスワクチンのことで質問です。積極的に腸重積を早く見付けて、外科手術等に至らないまでに高圧浣腸で治していただいているのだと思って、この数字を拝見しています。 VAERS のデータに比べると、国内の外科手術になる割合は非常に少ないと感じています。そのように積極的に情報提供していただいているお陰で、外科手術や腸切除になる数が減ってきているというよい点が見えるのかどうか、そういう観点で集計を見ていただけると、やっていただいている活動が成果につながっているということも見えていいのかなと思いました。

 外科手術になっている例については、今回は 17 人と報告されているのですが、月齢とか発症から受診までが少し遅かったのかとか、そういった検討もされますと、今後につながっていくのではないかと思いました。もし可能であれば、よい面も見せていただけると有り難いと思いました。

○事務局 企業とも相談して、検討させていただければと思います。

○五十嵐座長 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。

 まとめさせていただきます。まず、副反応の報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて、特段高いことはないようです。アナフィラキシーとして評価された症例は、 B 型肝炎ワクチンの単独接種症例で 1 例ありました。後遺症の報告は混合不活化ポリオワクチン、 BCG ワクチンの同時接種症例で 1 例ありました。死亡症例は、今回の集計対象期間中に、 B 型肝炎ワクチン及びロタウイルスワクチンを含む同時接種例で 1 例、 5 価のロタウイルスワクチンを含む同時接種症例で 3 例報告されましたが、ワクチン接種との因果関係は情報不足で判断できない、あるいは不明と評価を頂いております。こういうことでよろしいでしょうか。

 それでは、この内容を踏まえて、現状での取扱いを変更する必要があるかどうかを御意見いただきたいと思います。それでは、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、資料 10 から資料 15 までの審議は、これで終了いたします。

 本日の議事は以上で終了ですが、そのほかに事務局から何かございますか。

○事務局 本日は長時間にわたり、活発に御議論いただき、誠にありがとうございました。次回の開催については、日程調整の上、日時について御連絡差し上げます。

 副反応検討部会と安全対策調査会の合同会議については、以上で終了となりますが、この後、入替えをした後、直ちに引き続き安全対策調査会を開催させていただければと思っております。安全対策調査会の委員の先生方におかれましては、そのままお待ちいただきますよう、お願いいたします。

 また、傍聴者の皆様へのお願いです。先に副反応検討部会の委員の先生に退室いただきますので、その退室が終わるまで、そのままお待ちいただければと思います。事務局からは以上です。

○五十嵐座長 本日の会議はこれで終了いたします。ありがとうございました。


(了)

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