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2016年11月14日 第3回生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理のための検討会議事録

厚生労働省社会・援護局地域福祉課生活困窮者自立支援室

○日時

平成28年11月14日(月)14:00〜16:30


○場所

全国社会福祉協議会 灘尾ホール


○出席者

宮本 太郎 (座長) 相澤 照代 (構成員) 朝比奈 ミカ (構成員)
大津 和夫 (構成員) 奥田 知志 (構成員) 菊池 馨実 (構成員)
櫛部 武俊 (構成員) 駒村 康平 (構成員) 生水 裕美 (構成員)
田中 弘訓 (構成員) 長岡 芳美 (構成員) 西岡 正次 (構成員)
野溝  守 (構成員) 前神 有里 (構成員) 森脇 俊二 (構成員)
山本 英紀 (構成員) 渡辺 由美子 (構成員) 渡辺 ゆりか (構成員)
和田 敏明 (構成員)

○議題

(1)前回の指摘事項に関して
(2)家計相談支援事業のあり方について
(3)貧困の連鎖防止(子どもの学習支援事業等)のあり方について
(4)住居確保給付金のあり方について
(5)一時生活支援事業のあり方について

○議事

 

○金井課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第3回「生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理のための検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、御多忙の折、お集まりいただき、まことにありがとうございます。

 本日の構成員の皆様の出欠状況について御報告いたします。新保構成員から欠席との御連絡をいただいております。また、西岡構成員は、電車の都合で30分程度遅れると伺っております。

 それでは、議事に移りたいと思います。以降の進行につきましては宮本座長にお願いいたします。

○宮本座長 それでは、第3回の検討会を始めさせていただきます。今日も皆様、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。

 前回の検討会からアメリカの大統領選挙がございまして、社会に走る亀裂や断絶というのがどんなハレーションを起こしてしまうのかということで、懸念を深めていらっしゃる方も多くいらっしゃるようであります。この制度というのは、まさにそのような亀裂や断絶を走らせない、あるいは塞いでいくということを主な目的としてございまして、一層この制度を定着、発展させるということが大事な課題であるということが浮き彫りになりつつあるのではないかなと思ってございます。今回もこれまでと同様に密度の濃い議論をよろしくお願いしたいと思います。

 さて、前回私のほうから御提案として、この制度を発展させていくためにも、今の法律や制度の枠組みにとらわれない、それを相対化する議論も必要だろうということで、特に地域共生社会というアジェンダも浮上してございまして、例えば高齢者についての問題を1つ独立に立てて論じる等、狭い意味での困窮者自立支援の制度を超えて、地域社会の多様な仕組みとつながっていくためにも、例えば高齢者という枠組みを立ててみるという提案をして、事務局からの提案、それから皆様からのいろいろな論点の提起もございまして、それを受けてこれからの筋立てについて工夫をいただいたというふうにも承っております。

 では、その点について事務局のほうから御説明いただけるでしょうか。

○本後室長 今、座長からお話しいただきましたとおり、前回皆様から多く御指摘をいただきました高齢者という、いわば横串を刺した支援のあり方につきましては、次回第4回で議事として設定をさせていただきたいと思っております。高齢者というふうに串を刺しましても、さらにその中でいろんな課題、論点が出てくると思いますので、ぜひ幅広に御検討いただければと思います。

 それから、前回のときに次回都道府県の役割についてというふうにお話をいたしましたが、実は山本構成員が次回御欠席ということでございますので、県の方がいらっしゃらない中で県のあり方というわけにもまいりませんので、都道府県の役割というのは第5回に議事として回したいと思っております。町村に関するあり方というものもあわせて第5回の中で議事として行いたいと考えております。

 以上でございます。

○宮本座長 ありがとうございました。

 今も事務局に柔軟に対応いただいたことはおわかりだと思いますけれども、この検討会自身、あらかじめ決められたシナリオに沿って進んでいるということでは決してございませんで、まさに皆様からの問題提起を受けて柔軟に議事を進めていく。もちろん、これからの制度改正の方向性についても、そうした議論の積み重ねによって切り開いていくということです。ぜひ皆様からのなお一層の問題提起をお願いしたいと思います。

 また、前回事務局からの報告等に関して、あるいは事務局に対する資料の要請について幾つか議論が出ておりました。それについて、まず事務局のほうから宿題に対する対応ということでお話をお願いできればと思います。

○渡邊室長補佐 

 それでは、お手元の資料1について御説明をさせていただきます。前回自立相談支援事業のあり方、就労支援のあり方ということで、さまざま議論をいただきました。今後さらに議論を深めていただく材料といたしまして、1枚ずつさまざまな内容のものがついているという形になっております。

 前回、自治体が保有する個人情報について、困窮者支援に活用できないかというような御議論をいただいておりました。改めて制度の現状を整理してございますけれども、個人情報を困窮者支援に活用する場合においては、基本的には個人情報保護条例がかかっているということと、地方税関係のものについては法律に定める守秘義務ということで、本人の同意が前提となっている。そういうものをしっかり本人同意を得て、支援につなげる取り組みをどう考えていくかということで記載をさせていただきました。

 一番下に個人情報保護条例の規定例を載せてございます。基本的には、本人同意がある場合あるいは法令に定めがある場合には利用目的以外に利用が認められるということで、限定的な定めになっておりますが、そのほかには自治体によってかなり幅のある定め方になっているということを御紹介申し上げます。

 次のページでございます。スクールソーシャルワーカーについての御議論もございました。これは自立相談支援機関あるいは学習支援事業の連携先として考えられるものですけれども、28年度の予算ベースでの配置数というのは3,000人余りという状況でございまして、配置機関としては、学校現場というよりは教育委員会の方が多くなっているという現状でございます。こういう実態を踏まえて自立相談支援機関と連携を深める方法をどのように考えていくかということかと思ってございます。

 4ページは、社会的養護の現状でございます。保護者のない児童、被虐待児など養護を必要とする児童に対する施策ということで、里親からさまざまな施設に至るまで、全体としては4万6,000人ぐらいということでございます。高校卒業後は進学というより就職という方が多いわけですけれども、施設を出た後、身寄りがなかったり、住居と就労をセットで確保している、そういう不安定な状況もありますので、丁寧な伴走型の支援が必要ではないかということでまとめさせていただきました。

 5ページでございます。第1回、第2回で出た御意見の中で高校生に対する支援の充実ということがございました。高校生は居住自治体に限らず広域的に通学をしているということもありますので、まず居住地でこの法律に基づく対応をしていくということと、通学先である高校において、文部科学省の高等教育行政の中での対応も含めてやっていくという2方向かと思ってございます。

 高校における取り組みとしましては、都立青井高校の土曜日の補習授業、自習形式の学習支援ということで、NPO法人キッズドアでしていただいている事業でありますとか、あるいは右側は神奈川県立田奈高校の取り組みということで、さまざまな外部人材が学校に入って就労、学習、さまざまな相談事業というものに取り組んでいただいているようなものを御紹介してございます。

 6ページからが就労支援関係でございます。6ページは障害福祉サービスとの連携事例でございます。企業だけではなくて、障害の事業所と連携することによって就労支援の広がりということも出てくるわけですが、就労訓練事業の認定を受けていただいたり、あるいは就労準備支援事業を受けていただいたりという形で広がっているところでありまして、こうした取り組みをバックアップしていく予算というものも、私どもは来年度の概算要求に盛り込んでいるところでございます。

 7ページは、就労準備支援事業の構成をまとめたものでございます。前回就労支援は本人に合わせるやり方でいくべきだという御議論があった中で、就労準備支援事業については、下のイメージ図のところですけれども、横軸にとっておりますような座学・講座型から就労体験型までさまざまなやり方があり、また、縦軸にとっておりますとおり、完全に本人に合わせてつくっていくオーダーメード型から、ある程度事前設定カリキュラムがあるという形まで、大体この2軸で整理をできるかなと思います。

 ですが、実態をこれに合わせて4象限で分類していくことについては、なかなか難しゅうございまして、一般的に多くありますのは、上ほどに大きな枠で書いてありますが、ある程度事前設定カリキュラムがありつつも、御本人に合わせてその場でメニューをつくっていくということもやっている。その場合に、中身としては座学・講座型から就労体験まで、また、体験の内容も非常にさまざまということで、ここの部分は創意工夫によって広がっている部分でありまして、なかなか4象限できれいに整理をするというのは難しい状況でございました。こういうことが実態だということで御理解をいただければと思います。

 8ページは、前回かなり御議論いただいた就労準備支援事業の資産収入要件についてでございます。1のところですけれども、設けた理由としましては、より必要性、緊急性が高い人に限定をしたということですが、そうは言っても、就労支援という事業でありますので、必要がある人に幅広く使える。特にニート、ひきこもりといった将来的なリスクもある方については、いわゆる「準ずる者」、二号というところで認めていただいて構わないということは、自治体に対して繰り返し周知をしているところでございます。

 その運用事例ですとか、あるいは運用しない理由というところについては、下の2、3のところで整理をしてございますので、ご覧いただければと思います。

 9ページは認定就労訓練事業の方ですけれども、これは認定を受けるために申請をしていただくわけですが、前回、その申請手続面がややハードルになっているというようなデータあるいは御意見がございました。より申請しやすい手続のあり方をどう考えるかということですけれども、現状としては、さまざまな添付書類も含めて出していただいているということになってございます。

 10ページは、認定就労訓練事業と就労準備支援事業の関係を見たものでありまして、就労準備支援事業と非雇用型の訓練事業というのは、やや重なり、類似性があるのではないかという御趣旨だったと受けとめておりますが、実際のところは就労準備支援事業をやっている自治体の方が非雇用型の利用が多いということでありまして、より状態の厳しい方が相談につながっているということかと理解をしますが、解釈としては若干難しいところかと思います。

 さまざまなものがありましたので、やや雑ぱくな説明になりましたけれども、以上でございます。

○宮本座長 いかがでしょうか。複数の構成員から出された論点もございますので、どなたに対する御返事という形ではありませんでしたが、構成員の皆さんにおかれては、提案されたあるいは御質問されたことに沿ったお答えになっているかどうか、もし今、何か確認しておきたいことなどがあればお出しください。では、生水構成員。

○生水構成員 ありがとうございます。

 自治体が保有する個人情報の取り扱いの点について、地方税法、生活困窮者対策等における税務情報の活用についての通知文を掲載いただいていますが、生活困窮者の支援の情報について、総務省と厚労省で何か具体的な議論というか、前向きに打ち合わせが行われているのかというのが1点。

 実は地方税法22条については、空き家対策の特別措置法において、固定資産税情報を活用してもいい規定があり、国土交通省と総務省の間で内部利用について通知がされています。こういった形でぜひとも厚労省と総務省が前向きな検討をされているのかどうか、するおつもりがあるのかどうか、お聞かせ願えるとありがたいです。

○宮本座長 以上の2点、いかがでしょうか。では、本後室長、お願いします。

○本後室長 今の御指摘ですけれども、現状まだ論点をお出しいただいている段階ですので、総務省と具体的な議論をしている段階ではございません。

 今いただきました空き家の関係も含めまして、ここの場での論点整理、整理していただいた論点を踏まえまして適時適切に協議をしていきたいと思っております。

○宮本座長 生水構成員、よろしいですか。

○生水構成員 はい。

○宮本座長 この宿題を出された方の側からいかがでしょうか。

 例えば私のお願いした論点としては、就労準備支援事業の構成は4象限で整理いただいたのですけれども、なかなか難しいとは思いますが、さらにこれを就労実現の効果と、それぞれのタイプを因果関係、相関関係を見てみるということはできるだろうかというお願いだったのですが、これも引き続き追求していただければと思います。

 ほかに。では、駒村構成員。

○駒村構成員 すみません。前回休んでしまったので、この議論がどういう議論の展開なのか、文脈を必ずしも把握していないのですけれども、これは宿題返しみたいな形のものですね。

 引き続きぜひとも調べていただきたいのは4ページ目の社会的養護。これは自治体のほうでも大きな問題になっていると思います。いろいろ調査した資料も拝見すると、卒業後あるいは施設を出た後の状況はかなり深刻な状況だと思いますので、情報をもっと集めていただいて、伴走型の支援は当然必要だと思います。自治体の中でももうやっているところもあると聞いていますので、よい事例をなるべく多く集めていただいて御紹介いただければと思います。

 もう一つ、この文脈がちょっとわからなかったのですけれども、資産収入要件は、今、具体的に資産収入要件について幾らとかどういう条件だとか、そういったものがあるわけではなくて、自治体に判断を任せているわけですか。何か資産があれば、それは優先度が低いよと。原則就労準備支援事業が利用できることにしつつ、収入や資産がよっぽど多ければだめよというのか、それとも資産があればだめよというのか、どういう理解になっているのか。多分前回説明があったと思うのですが、一応教えてもらえますか。

○宮本座長 資産収入要件、ニュアンスといいますか、自治体に対する働きかけの筋立てということでしょうか。いかがでしょうか。

○渡邊室長補佐 前回お示しした資料としましては、就労準備支援事業は、資産要件、収入要件、それぞれ国が定めたものがございまして、ただ、それに縛られると十分に利用ができない世帯収入、資産の状況の方もおられるので、そこについては自治体の方で弾力運用をしていただいても構わないと。これが省令上の枠組みになってございます。

 その「準ずる者」の運用実態がどうなっているかということで、今回の資料でお示しをしたような状況でございます。前回、運用しない自治体も半分ぐらいはあるというデータをお示ししておりまして、それがなぜなのかということを今回ヒアリングさせていただいたという状況でございます。

○宮本座長 駒村構成員、よろしいですか。

○駒村構成員 どちらに捉えていいのかよくわからなかったですね。たくさん資産があったらプライオリティーが低いのか。そういう理解をすると、要するに、例外的にプライオリティーが低いということなのか、それともこの分野で資産要件となると、どうしても生活保護のイメージが出てくるのですけれども、具体的に資産要件というのは、金額みたいなものとか保有資産みたいな基準は出しているのですか。そういうわけではない。

○宮本座長 では、渡邊さん、お願いします。

○渡邊室長補佐 お手元の緑の紙ファイルにおきまして前回の資料をとじさせていただいています。お二方に1冊の配付になってございます。

 その中の資料2の38ページでございます。右側の枠で参考といたしまして資産収入要件の概要ということを記載させていただきました。

○駒村構成員 事実はわかりました。

○渡邊室長補佐 そういう中で、今、国が定める資産収入要件があり、ある意味例外的にといいますか、二号で「準ずる者」ということで弾力運用という形になってございますが、それが自治体において運用しにくいとすれば、どういうあり方がいいのかということを御議論いただければと考えてございます。

○駒村構成員 1点だけききたいのですが、資料にある、38ページの資産要件の概要の預貯金の金額が基準額の6を乗じ得た額以下ということで、6というのはどこから出てきたのですか。

○渡邊室長補佐 6が省令に記載をしてございます。

○駒村構成員 6の計算根拠というか、客観的な根拠という意味です。

○宮本座長 それはお答えいただけますか。

○渡邊室長補佐 確認をさせていただければと思います。

○宮本座長 どうぞ。

○駒村構成員 ほかの制度上の要件とリンクしているのかどうかという意味です。

○宮本座長 では、ちょっとお調べいただいている間に、生水構成員、今のお話と関連する。

○生水構成員 今のです。

○宮本座長 どうぞ。

○生水構成員 私のほうも資産収入要件について質問させていただいていたので、この中でより必要性や緊急性が高い人に限定したものということになってくると、困窮度が高い人を想定されているということでしょうか。そうなってくると、困窮されている人ほど就労準備に行くための交通費であるとか、お昼御飯を出すお金とか、そういった負担が非常に厳しい状態があります。こういったところで緊急度が高い人を困窮度の高い人ということでお考えならば、そこは非常に矛盾しているのではないかというのが1点。

 緑の「3.『準ずる者』を運用しない理由」の「監査等において指摘される懸念があり」というのは、自治体にとっては非常に重要なところであって、監査を受ける段階で指摘を受けると、そこは非常に注意をしなくてはいけない。なので、「準ずる者」というところは、使いづらいと思います。ここを御理解いただければと思います。

○宮本座長 今の生水構成員のは御意見でもございますので、それはぜひお心にとめおいていただいて、その上で、駒村構成員からの質問について御確認をいただければと思います。今、よろしいですか。では、お願いします。進めてよろしいですね。

○渡邊室長補佐 はい。

○宮本座長 わかりました。

 今の論点はこれ限りということでは決してございませんので、この検討会、議論をどんどん折り重ねながら積み上げていくということになります。したがいまして、これ限りということにはなりませんので、御安心ください。それにつけても、毎回2時間半と大変長い会議時間をとっているのですけれども、非常に密度の濃い熱い議論が続いておりまして、どうしてもこの会議の時間内で十分御意見を伺うことができないでいるところもあって、大変申しわけなく思ってございます。

 前回の論点にかかわってお二人の構成員から資料等御提出をいただいております。私のほうのメモでは資料3にまとめてあるとなっていますが、私のところでとじてある冊子は必ずしも資料3とついておりませんが、菊池委員提出資料に田中構成員からの資料もとじてありますか。

○渡邊室長補佐 申しわけありません。資料ナンバーが資料3が抜けておりますが、「菊池委員提出資料」というワードの縦置きの資料、ホチキスどめのものでございます。

○宮本座長 そうですね。資料3とは必ずしもなっていないと思います。

○渡邊室長補佐 一番後ろに田中構成員のものもついてございます。

○宮本座長 これに田中構成員の資料はとじて。

○渡邊室長補佐 ホチキスどめの資料の一番最後のページについてございます。

○宮本座長 わかりました。

 生水構成員からの資料はその間に挟んである形ですけれども、これはまた後でお話をいただくと承っておりますので、このタイミングで菊池構成員と田中構成員のほうから資料の御説明をお願いできますでしょうか。では、菊池構成員、お願いします。

○菊池構成員 ありがとうございます。

 一周おくれの発言で大変申しわけないのですが、前回検討会で各構成員の皆様の発言に非常に考えさせられるものがあって、特に、難しいケースが滞留してきているとか、1年という期間では短いといった御発言が複数ありまして、私なりにちょっと考えたことをまとめさせていただいています。

 法律的にどう考えるかということで、2つの論点がありますが、最初は措くとして、1ページ目の下のほうです。釈迦に説法でありますけれども、要するに、社会保障というのは、従来、主として経済的な保障と捉えられてきたわけです。従来型の社会保障の網の目から落ちる人々、しかも複合的な困難を抱えた人々に対する個別的なきめ細かな支援ということが、最近いろんな分野で課題となってきているということで、まさに本法もそうした取り組みの一つであるわけです。

 2ページの最初にございますけれども、まさに「従来型の社会保障による定型的支援」から「新しいタイプの個別的福祉的支援」ということで、やや大げさかもしれませんが、私は21世紀型の日本の社会保障の大きな局面転換の象徴と言ってもいいぐらいの取り組みだと思っています。そのことと先ほど申し上げた非常に難しいケースが増えてきているということをどう考えるか。ここが重要だと思っています。

 もちろん、貧困者対策というのは生活保護の制度があるわけですが、生活保護は8つの扶助からなっていますが、これらは金銭もしくは現物の給付なわけです。

 それに対して、いわゆる相談援助というようなソーシャルワークを個別給付化すべきだという議論もあったのですけれども、これはなかなか難しいということになっています。というのは、金銭給付あるいは医療とか介護といったサービス給付というのは、まさに憲法25条1項が定める「健康で文化的な最低限度の生活」という実体的な保障そのものなのですが、相談援助というのは、そうした具体的な物的な保障があるというよりは、自立に向けて援助していくということ。そういう意味で、ここで「手続(プロセス)保障的」と書いてあるのですけれども、そういった性格の異なる保障であると思われるわけです。

 まさに生活困窮者自立支援の主たるサービス、相談援助サービスは、そこを法律上明確に位置づけるという画期的な試みであると思っています。

 ただ、前回の言葉で言えばオーダーメード型の個別支援が、支援を受ける人々の側に何らかの法的な意味での受給利益というか、支援を求めることに対する規範的な根拠を想定しているのか、できるのかというのが非常に重要ではないかと思っています。

 例えば直ちには就労や社会参加に結びつきづらい人々は、法令で設定された期限が到来した、あるいは自治体に裁量があるのでここまでですよということで、支援を求める資格あるいは根拠を失うことになるのか。そうではなくて、法律上の根拠があるかどうかにかかわらず、そういった困難を抱えた人々は相談支援を求める一定の資格を尊重されるべきものとして、法律的に、規範的に観念できるのかというのが非常に分かれ目だと思います。

 それは法律がある限りでの権利なのだよ、資格なのだよということであれば、それは書いてある、定めにある期間が終わったら、はい、ごめんなさいねということで、生活保護の受給にならない限りはそういう資格はないという考え方に傾きますし、いや、そうではなくて、何らかのそういった相談援助を受ける資格があると考えるべきなのだという考え方に立てば、では、期限が来たから資格がないといった人々を本法の中でも尊重しようという議論をしていく必要もあるだろうということで、それは政府としてこの法律改正をどう考えるのかということにもなりますけれども、我々が議論していく中でも、どちらに軸足を据えて議論していくのか、改正に向けた取り組みをしていくのかというのは結構重要ではないかと思っています。

 最低生活保障というと、先ほどもちらっと申しました「健康で文化的な最低限度の生活」、憲法25条に生存権規定がありますが、我々が議論している相談支援というのは、そういった実体的な最低限の結果平等的な保障というよりは、むしろ幸福追求権とか、自己決定権とか、憲法13条に規定がありますが、国は自立できるかどうかまでは保障しないわけで、ただ、そこに向かって支援をしていく。そういう意味で「プロセス的」という言い方をしているのですが、生存権的な保障とちょっと発想を変えて、その保障のあり方を考える必要があると思います。

 その上で、どこまで相談支援、手続的な保障をしていくのかということ。多分していくべきなのだろうというのが私の立場ですけれども、そういった形で生活保護的な最低生活保障とは切り離して考えられる部分もあるのではないかということで書かせていただきました。

 3ページの最後に、そういう難しい方々が残ってしまうのは、相談者のスキルの問題だ、あるいは支援者側の専門性の問題だという捉え方もできるかと思います。そういう面も多分あるのだろうという気はしますが、しかし、そのことと私が先ほど申し上げた支援される側の方々の法的な地位とか資格とか、そういうのは両立して議論できるのではないかということです。

 長くなりましたが、説明させていただきました。ありがとうございます。

○宮本座長 ありがとうございました。

 大変根本的な問題を御提起いただき、感謝したいと思います。菊池構成員の問題意識、私自身は痛いほどよくわかります。要するに、25条から13条に軸足を移しつつも、あくまで権利あるいは資格という方向に引きつけて考えていくのか、あるいはいついつまでに就労が達成できない場合、期限切れになってしまう。そういう意味では、ある種義務のような方向で考えていくのか。恐らく両者はそんな簡単に切り離せないのかもしれない。ある種契約的な重なり合いはするのかもしれませんけれども、制度としてどちらの側に引きつけていくのかを考えることが大切ではないかという御提起ではなかったかと思います。

 確認なのですけれども、今、菊池構成員がおっしゃったことを例えば法律上の条文に何か反映させていくとすると、どんな改正あるいは付加になっていくのか。なかなか難しいところもあると思いますが、御示唆をいただけるとありがたいのですけれども。

○菊池構成員 今、そこまで考えておりませんでしたが、そういった方向で生活保護法を見直すとこういう条文になるのではないかということをかつて書いたことがあるのですが、目的規定とかそういうことに手を入れるという具体的な話は、すみません、宿題にさせていただいて。

○宮本座長 恐らく少し具体的に考えていく必要もこれからあるかなと思いました。引き続き菊池構成員の御協力を得ながら論点を詰めていきたいと思います。

 事務局のほうで今の御意見について、これからの議論の発展のために我々としてわきまえておいたほうがよいことなどありましたら。では、本後室長、お願いします。

○本後室長 ありがとうございます。

 今、御提起いただいたものの中で、1つは、例えばこの制度ですと、任意事業の中には期限のある事業がありますけれども、その事業の終了と支援の終了とは違うのではないか。支援自体は、たとえ任意事業で一定の何らかの変化が見られなくても、さらに行うべきではないかということだと思いますが、基本的な考え方といたしましては、自立相談支援事業がいろいろな事業を組み合わせながら自立相談支援機関がプランをつくって支援をしていくということになるわけですけれども、その上で、事業がこれ以上使えないということになりますと、では、別の何か方法があるのか。事業ではない、ほかの方法がないのかということを考えていくということなのだろうと思います。

 この法律自体のたてつけが任意事業だけでこの方を支えるということではないということでもありますし、他制度の事業ですとか、むしろ制度がないのであれば、地域あるいは関係の方々と一緒につくっていくということも制度の中に織り込んでいるということで言いますと、考え方としては、先生おっしゃられた御指摘で言いますと、期限の到来とともに相談の資格を失うということではなくて、この方に対してどこまで支援をする必要があるのかということを御本人と一緒に考えながら、それに向けて、事業だけではなく、さまざまなものを組み合わせながら支援を進めていくということが基本的な考え方なのだろうと思っています。

 確かに条文上とか、いろいろなところで明確になっていない部分もございますので、そのあたりは御示唆いただきながら検討していきたいなと思います。

○宮本座長 ありがとうございました。

 これは議論していくと果てしない問題でもあるかと思いますので、ここでこの議論は一旦とめさせていただきます。

 続きまして、資料に基づく御発言として田中構成員のほうからお願いいたします。

○田中構成員 田中です。

 10ページですが、簡単に2点挙げております。18歳に選挙権ができたということで、選挙権ができるということは、それなりにいろいろな仕組みを知っておかなければならないと思います。当然学校の教育現場ではさまざまな取り組みがなされていると思うのですが、私は去年まで国保におりましたが、病気になってから国保に加入しに来る市民の方が結構な数おります。そもそも社会保険を離脱したときから国保に入るべきなのですけれども、そういったことが徹底されていないこともありますが、18歳で選挙権ができるということは、例えば社会へこれから出ていく子どもたちが自分の生活に直結する社会保障、こういった制度の仕組みとか財源とか、そういったことを知っておくべきだと思うのです。

 市の職員でさえも、例えば前期高齢者の拠出金という構造上の仕組みなども知らない職員が結構いたりします。そこは高校生の段階から社会保障というところをしっかりと勉強しておくということ、すでにやられておるのだろうけれども、なおそこのところをしっかりとやっていくべきではないかということが1点。

 2点目は、これも国保が30年から都道府県単位化されまして、県下の市町村と県で協議をしながらやっていくという話なのですが、福祉事務所も県の管轄でございますので、例えば広域化していくときには県の福祉事務所も間に介在するとか、そんなことも一つの方法なのではないかなという気がしますし、若い人たちというのは結構行動範囲が広いですから、広域化をしていくという前提で考えると、そこら辺の仕組みというのも何か要るのではないかという気がしましたので、意見として挙げております。

 以上です。

○宮本座長 ありがとうございます。

 制度は本当に周知徹底。特に若い世代によく理解をしてもらわなければ役に立たないわけでございます。実は厚労省のプロジェクトとして社会保障の高校の教材をつくるということで、私も委員として参加させていただきました。ずっとやってこられて、随分マテリアルはできていると思うのですが、これについて事務局のほうから。では、本後室長、お願いします。

○本後室長 今、座長から御指摘のあった社会保障に関する高校段階での教育ということに関しますと、年金に関しましてはしっかりと資料をつくりました。これは非常にわかりやすいプレゼン資料です。かちかちっとしていなくて、高校生が見ても関心を持てるような内容になっております。こういったものを省でつくりまして、いろいろな場で呼んでいただいて話す機会をいただいています。

 生活にかかわる制度全体となりますと、当然年金だけではなくて、医療とか介護とか住宅ということもあろうと思いますし、さまざまな制度がありますので、関係部局と相談しながら、どういったものがあるのかというのは調べつつ、どのような機会でそういう展開ができるのかということは考えていきたいなと思います。

○宮本座長 田中構成員、よろしいでしょうか。

○田中構成員 高齢者の負担の問題でも先送りの議論がまだされているとかいう話もございますので、一つは、年金の話も大事なお話ですが、せめて医療保険とかこういったところの分野も順次取り上げていただきたいと思います。

 4年間国保に携わっておりましたが、具合が悪くなったから国民健康保険に入れてくれという相談が毎年必ず何人も出てくるのですね。知っていてわざとそう言っているのかわかりませんけれども、医療保険がどういう仕組みなのかということ。民間の保険会社の保険と同じような考え方をしている方がたくさんいらっしゃる。これからの世代はそうでないという世代にしていく必要があると思うので、ぜひよろしくお願いします。

○宮本座長 ありがとうございました。

 前段の議論だけで大分白熱しておりまして、随分時間も経過してございます。

 それでは、次に今日のテーマに関して、お手元の資料に基づいて、事務局のほうから御説明をお願いできればと思います。

○渡邊室長補佐 それでは、資料2をご覧いただきますようお願いいたします。

 おめくりいただきまして2ページ、3ページですけれども、今回は家計相談支援事業。貧困の連鎖防止。これは子どもの学習支援事業を中心にしてございます。それから住居確保給付金、一時生活支援事業という4つにつきまして、各事業に期待される効果、その実態、課題について、それぞれ整理をさせていただきました。

 5ページからが家計相談支援事業でございます。少し事業の概況的なところは飛ばさせていただきまして、7ページをご覧いただきますと、実施自治体数としては27年度205自治体、28年度304自治体ということで、少しずつ広がりを見せているという状況でございます。

 8ページをご覧いただきますと、利用状況としまして昨年度の実績値でございますが、昨年度の利用件数は4,700件弱ということで、これは全体のプラン件数が5万6,000件でございましたので、それと比べて1割弱という状況でございます。

 そういう中で、家計相談支援ニーズとは何かということを整理したものが11ページでございます。生活困窮者でありますので、経済的な観点からだけ考えれば、家計収支がマイナスだというふうに考えられるわけでありまして、そこから脱却するというときに、家計収支の改善、収支状況の把握、そういうことを考えますと、生活困窮者全体にわたるニーズが広くあるのではないかと考えられるところでございます。ただ、家計相談支援事業の利用の実績という点では、今、申し上げたような4,700件余りという状況でありまして、むしろ一定の家計面の支援というのが自立相談支援事業の中で提供されているというのが実態でございます。

 左側のドーナツ型のグラフですけれども、自立相談支援事業の中で支援している事案があるとお答えになる自治体が6割ぐらいあられますし、その理由としては、御本人が事業利用を希望しないとか、あるいは自立相談支援事業でできるということが出てまいります。

 こういう中で、一番下の枠囲みですが、家計相談支援事業と自立相談の中の家計支援というのは何が違うのかということですとか、家計相談支援事業だからこそ発揮できる効果というのは何なのかということを見ていく必要があろうかと思ってございます。

 もう一点、12ページです。自立相談支援事業で一定の家計面の支援をしているという中であっても、家計相談支援事業をやっていない自治体の自立相談支援機関においては、家計相談支援事業の必要性の認識が8割において出てきているということでございます。これは家計相談ニーズが多いということですとか、あるいは複合的な課題の事案が十分に対応できないとか、そういうことが背景にあるのではないかと推察されるところでございます。

 14ページは、家計相談支援事業と自立相談における家計の支援の違いということで、青と赤のグラフでそれぞれ違いが出るところを見たものでございます。横軸に家計相談の支援のメニュー、支援の内容をとってございまして、真ん中に赤い枠で囲んでございます、支出の把握とか家計の把握をして、収入目標を設定して、長期的な見通しをつくっていくという部分については、自立相談支援事業ではなかなか十分にできていないというような実態が見えてまいります。

 そういう中で、具体的な家計相談支援事業の活用事例というものも15ページから整理をさせていただいています。

 4つのパターンで家計相談の典型的な、特徴的な支援効果というものを見ていただくわけですが、15ページはひとり親の家庭で児童扶養手当、児童手当などの支給がない月に生活困窮になりやすい、生活費が不足しがちであるという事例ですけれども、こういう方に対して、家計相談支援員が一緒に世帯の家計の様子を聞き取って、一緒に家計表をつくっていく中で、御本人が毎月の平均収入あるいはここまでなら使っていいのだという額を認識される、御本人が気づくというところが一つのポイントかと思います。

 それから、支援の中では再生に向けたプランを立てていくわけですけれども、お子さんがおられる中で、学校に上がるとか、そのときこういう費用が要るとかいうことが当然出てくるわけですが、そういうものを自分で見越して、では、今どうすればいいかということを考えられるようになっていく。自分でできるようになるということが家計相談の一つの大きな特徴ではないかと考えてございます。

 16ページは、同じように家計表を一緒につくって計画を立てていくわけですが、就労支援と組み合わせるというパターンでございます。このケースで言うと、就労経験がほとんどない方が家計に不安があるということで、フルタイムの就労を希望されるわけですけれども、家計の状況をきちんと見て、本当に必要な就労収入額は幾らなのかというものを見極めていくことによって、現実的な就労支援が可能となるということでございます。

 就労支援自体は自立相談において実施いたしますので、それと連動しながらやっていくということと、就労が決まった後、定着支援ということを就労の側面ではいたしますけれども、それとあわせて、収入が入ってきた中でもきちんと家計を回していくという中の家計管理ということもあわせてできるということが考えられてございます。

 17ページは債務返済のパターンであります。滞納、債務等の分納の計画を立てて、自立で返済をしていける方もおられますけれども、そうではない方もおられます。このケースで言うと、ひとり暮らしでありまして、孤独感から浪費をしてしまうという場合に、家計相談の伴走支援をつけることによって、返済のモチベーションを維持していくということも大切ですし、あるいは債務、滞納だけが解消するということではなくて、将来にわたってそういう状況にならないというふうな家計管理能力がつくことも必要でありまして、そういった部分も家計相談支援事業によってつけることができるという事例でございます。

 最後に18ページは、世帯の家計状況の見える化ということでありまして、相談に見える御本人の口からはなかなか言葉にならない世帯の状況も含めて、家計を見ることによってあるべき支援が見えてくるというパターンであります。このケースですと、弟さんのほうも就労に課題があって支援をしなければならないということが見えてくるわけでありまして、自立相談支援事業自体が世帯支援ということでしておりますけれども、それを家計の面から補完するということが、家計相談支援事業によって可能になるのではないかと思ってございます。

 こういう状況の中で、10ページに戻っていただきまして、利用者の見られた変化という点では、家計の改善、自立意欲の向上あるいは就労収入の増加ということが、家計相談支援事業を使うことによりまして変化として出てきている状況でございます。

 先ほどの続きで19ページでございます。今ご紹介したのが利用した個々人の効果ですけれども、また違う観点から行政側においても大きな可能性がある事業でないかと思っておりますが、自治体ではさまざまな滞納事案というものがあるかと思います。それが家計相談支援事業を使うことによって納付のめどが立って、実際にその納付がされていくということで、数字を幾つか自治体からいただいておりますので、御紹介をさせていただいています。

 続いて、21ページをご覧ください。今ほどまでの御説明は生活困窮者に対するものでありまして、一方、生活保護受給者についてどうなっているかということでございます。これはケースワークあるいは自立支援プログラムにおいて、基本的に保護費を適切に使って基本的な生活需要に充てるための支援がなされている状況でありまして、そういう中では、一番下の枠囲みですけれども、保護からの脱却を目指す世帯に対して、計画的な家計管理を行う力を身につけるというところまではまだ十分には取り組めていないのですが、そういうところができることによって自立への準備につながっていくのではないかということでまとめさせていただきました。

 続きまして、子どもの学習支援の関係に参りたいと思います。23ページ、24ページは、子どもの貧困対策の全体状況などをまとめておりますので、御参照いただければと思います。

 26ページから事業の実施状況でございます。まず、3のグラフですけれども、「子どもの学習支援事業」という名称ではありますが、実際には学習の支援以外にも居場所の提供、訪問支援。これは家庭の支援でございます。それから親に対する支援等々、さまざまな支援が総合的に実施をされているという状況でございます。

 実施自治体としましては、27ページですけれども、4つの任意事業の中では一番多くて、423自治体に今年度取り組んでいただくということになってございます。

 28ページは昨年度の利用実績でありますけれども、全国で2万人余りの利用者がございました子ども。6割方が生活保護世帯でありまして、そのほかの使える属性といたしましては、就学援助世帯であったり、ひとり親世帯であったりという現状でございます。

 29ページで中学3年生の進学状況をまとめておりますけれども、全世帯平均に近い数字で、98.2%という進学率が出てございます。

 この事業の中で親・世帯に対する支援にどのように取り組んでいるかということを29ページの一番下のところにまとめてございます。自立相談支援機関のほうにつなげている例もありますし、学習支援事業者の中で支援をしているという部分も非常に多くなっている状況でございます。

 30ページは、子どもの学習支援についてはこれまでもかなりさまざま御議論を既にいただいておりましたので、少し視点の整理ということで、概念図を作ってみたものです。真ん中ほどに子どもの学習支援事業ということで書いておりますが、その下の括弧囲みを見ていただきますと、狭い意味での事業のあり方、やり方というところで、子どもが利用しやすいあり方をどう考えていくか。それは箇所数ですとか、あるいはスティグマの問題なども含めて、どういうのが使いやすいのかということ。それから、学習だけではなくて、さまざまなコミュニケーション能力なども含めたいろんな能力を向上させていくことが必要ではないかという御議論もあったかと思います。

 左上に行きまして、今ほどもデータでお示ししましたような世帯・親に対する包括支援との連携でありますとか、子どもの学習だけではなくて、年齢が高くなった場合に自立支援ということも考えていかなければならないだろう。

 左下は人材のことを書いておりますが、よくボランティアの数が足りないという御意見も現場からお聞きいたしますが、質、量両面から確保していくということですとか、図の右側にはさまざまな関係者を位置づけておりますが、学校は言わずもがなというところですけれども、地域にある例えば子ども食堂のような裾野の広い取り組みであったり、企業と連携することによってこの事業の幅が広がるのではないかとか、いろんな視点があるかと思いますが、さらにここにまだ書けていないことも含めて御議論を深めていただければと考えてございます。

 32ページをご覧ください。学習支援事業は困窮者の子どもに対してということでやっておりますが、このほかにもひとり親家庭の子どもへの学習支援事業ですとか、文部科学省がやっている地域未来塾という事業ですとか、さまざまなものがありまして、これらを共同実施している、あるいは検討しておられる自治体も少しずつ出てきているという状況でございます。

 33ページ以降にその事例をまとめておりますけれども、例えば共同実施をすることによりまして、親に対する支援がしやすくなるとか、子どもが来やすい事業構成にできるとか、さまざまなメリットが現場からはお聞きできるという状況でございます。

 続きまして、38ページから住居確保給付金についてでございます。住居確保給付金につきましては、雇用情勢がよくなっておりますので、新規の支給決定件数というものは減少傾向ですけれども、常用就職率としては7割程度ということで、これは離職者対策という事業でありますので、その中では非常に効果が確認できるという状況でございます。

 40ページを見ていただきますと、就職をして自立していかれるわけですが、当初期間3カ月の間に就職が決まる方が非常に多いということであります。短期間の即効性のある支援になっているかと思います。

 続きまして、一時生活支援事業が42ページ以降でございます。一時生活支援事業については、困窮者法が施行される前も、予算事業として巡回相談事業ですとかシェルター事業を実施しておりました。そのときは特別措置法に基づくホームレスに対して事業をするということで、これは都市公園、河川、道路、そういったところにおられる方々ということでありましたが、困窮法に位置づく中で一定の住居を持たない生活困窮者ということで、対象としては広がっている。具体的に申し上げますと、24時間営業の店舗を転々としておられるような方も含めて対象になってきているということでございます。

 ホームレス数自体は減少傾向ということで、42ページの下側にお示ししているとおりでございます。

 一時生活支援事業の実施状況というところで、45ページをご覧いただきたいのですけれども、今ほど申し上げたような26年度と27年度以降というところでは事業の対象が少し広がっているわけですが、実施自治体としましては、グラフの赤い部分、ホームレスが確認されなかった自治体において実施が伸びてきているということでございます。これは私どもとしましてもホームレスが確認されない自治体も含めて積極的に取り組んでいただきたいということは自治体に申し上げてきている中で、そういう部分で広がりが出ているという状況でございます。

 これを人口規模で見ましたのが46ページでございます。人口規模の小さい自治体で262728と実施が伸びてきている状況を見ていただけるかと思います。

 実施のやり方としましては、借上型のシェルターというのは、アパートですとかホテルのようなところを借り上げてシェルターにするというやり方ですが、そういう形での伸びが見られるという状況でございます。

 小さい自治体で実施していくというときに、1つの自治体だけでやるというのがなかなか難しい場合に、近隣自治体と一緒にという形になるわけですけれども、そのやり方としまして共同実施の事例を47ページに載せてございます。都道府県がリードをする場合と、そうではなく市同士で連携をされる場合という形で2つ載せさせていただきました。

 利用者像としては48ページに性別あるいは年代別の状況を整理してございます。この利用を通じた支援の効果というところが49ページあるいは50ページですが、かなりさまざまな状態像の方が利用していただいていますので、「住まいの確保安定」というところは高く出ますけれども、生活保護適用であったり、医療機関受診という形につながる方もおられれば、就労という形になるという方もおられるという意味で、さまざまな状態に合わせた支援になっているということでございます。

 最後に51ページですけれども、これは関連する施策としまして自立相談支援事業の巡回相談の実施状況でございます。相談機能については、自立相談支援事業の中で対応するというのがこの事業のたてつけになってございますが、これについても26年度から27年度にかけて1.5倍程度の増加という状況になっていると御紹介をさせていただきます。

 以上でございます。

 すみません。もう一点ございました。

○宮本座長 新保構成員からの。

○渡邊室長補佐 本日御欠席であられます新保構成員から資料3ということで、1枚御意見の資料を頂戴してございます。「家計相談支援事業のあり方について」ということで、構成員からいただいておりますのは、家計相談支援事業について、現状、支援者が相談者の家計管理を行う事業と誤解があるのではないかということで、この事業は相談者自身の家計を管理する力を高めて、自身で課題を見える化して歩き出すような支援、みずから家計管理を続けていくことの支援だというような事業の本旨について、改めて御意見をいただいています。

 そのほか、この事業の生活保護世帯における利用でありますとか、教育支援資金を利用する学生も含めた家計相談支援事業の生活福祉資金との連携ということ、あるいは必須事業化の検討の必要性、そういうところの御意見を頂戴しています。

 子どもの学習支援事業につきましても、さまざまな地域の人がかかわっていますけれども、そういう人々に子どもへの対応を任せきりにしないで、子どもの学びのニーズに応えられる事業のあり方が必要ではないかといったこととか、子どもにとってどういう支援が必要なのか、あるいは有効なのかということを子どもの視点から検討、検証していくべきではないかという御意見を頂戴してございますので、御紹介をさせていただきます。

 以上でございます。失礼いたしました。

○宮本座長 ありがとうございました。

 それでは、質疑応答に入っていきたいと思います。必ず全ての皆様に言いたいことを十分おっしゃっていただくということにしたいと思いますので、お一人当たり1発言は3分以内ということでお願いをできればと思います。

 それでは、和田構成員、お願いします。

○和田構成員 家計相談支援の件なのですが、非常に細かく分析していただいて実態をよくわかったのですが、相談を受けた人の中でこの家計支援を利用している人の割合が、先ほど1割にならないというお話があったのですが、一つは、実際には滞納とか債務とか貸付を求めるとか、そういう人たちがかなりいらっしゃるわけで、実際にこの制度を使わないで、相談支援のところで何らかの対応をするというふうにしているのだと思うのですが、先ほどのデータを見ると、将来に向けてとか、それから今どのくらい必要なのかという客観的なものをはっきりさせていくという機能は、相談の中での支援ではなかなか得られていないということだと思いますので、自分で家計が管理できるようにするような支援というのは、考えてみるとかなりの割合で皆さんが必要なのではないかなと思うのです。

 それができていないのは、自治体が必須でないということで、3分の1ぐらいしかやっていらっしゃらないということで、これは今回のことからすると必須化するというのをどうしても考える必要があるのではないかというのが一つです。

 それから、この取り組みの中で、具体的にそこの世帯なり本人があとどのくらいあったらいいのかがわかるということが生活をする上で必要ではないか。プランを立てるときに、何となく仕事をして、このくらいというのがよくわからない中では、具体的な支援のプランをつくるのは非常に難しい。場合によってはそんなに必要でないかもしれないということも含めて考えると、自立プランが非常に目に見える、具体的な目標がこれだったらやれるかもしれないというところにつながる可能性もあります。

 それから、先ほど自治体の方は特にどんな効果があるかということについて、今まで必ずしも認識が少ないのではないかというのが出ていたのですが、ここの具体的な効果、有効性を確認できるようにするということが非常に重要ではないか。それがわかれば、もっとこの事業は広がるし、定着もちゃんとするのではないか。

 最後にもう一つだけです。お金を借りて生活をもう一回組み立てるということがいろいろ出てくると思うのですけれども、家計を自分で少し管理ができるようになるというのは、そう簡単なことではないので、この支援ということについては、もう少し時間をかけられるようにしていくということが必要かなと。

 例えば生活福祉資金などは3カ月ぐらい置いてから返済するようになるのですが、今の利用期間を見ると5カ月ぐらいですから、ちょっとの期間しか支援ができないということになってしまうので、この辺の調整と、家計支援が実際のその後のプランを実行していく上で、間を少し置きながらも、常に様子を見ながら相談に乗るという機能の具体的な柱になっていくのではないかなと思いました。

○宮本座長 ありがとうございました。

 最初の御意見は必須化ということでした。

 2番目、3番目は、事務局への御質問というところもあると思います。

 ちょっと問題を整理しておきますと、今、家計相談支援といったときに、家計の中の複合的なニーズに全体として対応する、そういう窓口がないと。そういう広い意味での家計相談支援と家計管理や債務返済といった、まさにテクニカルな狭い意味での家計相談支援がどうやら話として大分重なっているように思います。そのあたりを少し区分けしながら御返事もいただくとわかりやすくなるのかなと思いますので、ちょっと御留意いただいて、いかがでしょうか。本後室長、お願いします。

○本後室長 いただいた2番目の点、就労との関係ということにつきましては、まさに御指摘いただいたとおりだと思っておりまして、具体的な事例の2つ目の中でもそのような家計相談支援が非常に有効な一例として今、考えているところでございます。

 もう一つは、具体的な政策の有効性がわかるようにということでございましたけれども、いろいろ自治体の方々に伺っている中で、その家庭の中で家計の状況がよくなって、一番効果として目に見える形であらわれるというのは、例えば滞納額がどのぐらい戻ってきたのかとか、そういった点で見ていくのが一番わかりやすいのかなと思っておりまして、この資料の中でもそのようなことを把握しておられる自治体の例ということで、幾つか事例を挙げさせていただいております。

 これは生活困窮の部門だけではなくて、例えば税部局ですとか国民健康保険の部局ですとか、そういったところと連携してこの効果を出していく。まさに家計相談支援事業の効果を全庁的に明確にするということができている自治体の例かなと思っておりますので、こういったことをできればより多くの自治体でやっていただけると、非常に効果が明確になるかなと考えてございます。

 先ほど座長から御指摘いただきました家計相談の中にも2つあるのかなということでございます。これはまさに資料の14ページでお示ししておりますが、これは家計相談支援事業で何をやっているかということと、それから家計相談支援事業をやっていない自治体の自立相談支援事業で何ができているかということを比べたものでございます。これで見ますと、収入、支出の把握、目の前、現在の家計の状況が月単位でどうなっているかということ。それから就労とも関係いたしますけれども、具体的な収入の目標の設定。あるいは将来の生活の見通し。これは数年単位での見通しを立てるということ。このあたりは家計相談という事業ではなくて、自立相談支援事業の中でやろうと思うと非常に難しいといいますか、和田構成員の御指摘、時間をかけてしばらく見ていかなければいけないというところも含めますと、自立相談支援の中でやっていくのは非常に難しい点なのかなと。そこがこの資料では明らかになっているのかなと思ってございます。

○宮本座長 ありがとうございました。

 これは一旦とめさせていただきます。

 ほかにいかがでしょうか。では、奥田構成員。

○奥田構成員 私も家計だけのことを言わせていただきます。家計支援とは何かという話は、まさに先ほど座長がおっしゃったとおりで、2つの面というか、危機脱出という面と生活という面と大きく2つある。それの前提なのが自己認知。その3つなのだろうと思うのです。

 その中で一番気になるのは、自立相談でできるというふうに答えているところで、果たして自立相談でできるとおっしゃっている中身が、何をできているというふうに考えているのかということをもう少し詳しく調べないといけません。

 それと、「必要だ」が8割に近いということにもかかわらず、自立相談でできるとなると、認識としてはこれは必要だと言っているのに、家計相談という形ではやらないで、自立相談でできると。そうなると、制度自体の使い勝手の問題なのではないかとも思うわけです。

 率直に言うと、負担率が50%というところは、結局は必要を感じているけれども、地方自治体では使えないという、そんな判断になっているのではないかということで、必須の話も当然出てくるのではないか。このあたりも、私が一番気になるのは、自立相談でできるとおっしゃっているところの中身をもうちょっと精査しないと、うかうかとすると、自立相談があるからいいではないかという話にも行くのではないか。

 以上です。

○宮本座長 私が伺っている限りは、必ずしも自立相談でやっているからいいということではなくて、家計相談は先ほど申し上げた広い意味と狭い意味があって、狭い意味での事業を残すためにも、広い意味での家計相談は自立相談でも当然取り組むという区分けをするということだと思うのですけれども。では、関連することならば。ただ、生水構成員、資料を御用意いただいているので、できればそこでお願いしたいと思いますが。

○生水構成員 今の点だけを。

○宮本座長 では、一言だけ。

○生水構成員 奥田さんのところだけをまずお話しさせてください。

 今、奥田構成員からお話が出ました部分で、例えば資料の11ページのところ、家計相談支援事業実施自治体にもかかわらず家計相談支援を利用していないというところが62.4%あるということについてなのですが、恐らくこれはその連携体制に課題があるのではないか。ここについては個人情報の共有ができないとか相談が分断されてしまっていること、それが利用につながっていないのではないかという体制上の問題が考えられると思うのです。

 その横で、2番の「『あり』の場合、その理由」というところを見ていただくと、「本人が家計相談支援事業の利用を希望しないため」とありますが、例えば熊本県の阿蘇市の自立支援は直営型でされていますけれども、グリーンコープさんのほうが受託していて、家計相談につながっている件数が78%、とても利用につながっています。メリット感は打ち出せているというところで、これは違うのではないか。

 その次の「自立相談支援事業が構築した信頼関係を生かして継続支援した方がよいため」ということについては、信頼関係ができているからこそつなげることができるのではないかと思います。

 もう一点、「自立相談支援事業で対応可能なため」というところについては、資料の14ページをご覧いただくと、先ほど御説明もありましたように、こちらの家計未実施の自立相談支援事業において、滞納解消の検討と多重債務解消支援についてはほとんど未実施でやっているというデータだと思うのですが、実はこれこそが家計相談の一番大切なところだろうと思うのです。ここについては、いわゆる分納誓約など返済計画を立てていくことが必要であって、将来の見通しが立たないまま滞納解消はできないし、多重債務についても法テラスにつなぐだけ。例えば弁護士を紹介するだけにおいては、本当の意味の多重債務の解消にならない。再度借金に陥らないための生活、その改善をしていこうと思うと、多重債務の支援、相談というのは、もっときちっと家計簿をつけ、しっかりとキャッシュフローも見て、将来の見通しを作成していく。家計相談ならではの本当の大切な部分だろうと思うのです。

 そういった意味で、ここのデータにおいて大差がないものというところについては少し疑問というか、相違点があるのではないかなというのが私の考えです。

 一旦ここまで。

○宮本座長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。長岡構成員、よろしくお願いします。

○長岡構成員 山形市社協の長岡と申します。

 和田構成員がおっしゃったように、家計相談は必須化、プラスして自立相談とセットが望ましいのではないかというのが私の意見でございます。本来生活困窮者支援においては、家計相談支援事業の有無にかかわらず、対象者の生活状況をしっかり把握して、当然収支のバランスも把握して、さらにはどのようなことが原因で困窮に陥っているのか、また、家計管理が困難な理由は何なのかというところをしっかりとアセスメントした上での支援が望ましいと思います。そして、そのように進めているのではないかと思います。

 そのようなことから、任意事業を自立相談支援事業と一緒に実施することによって、仕組みとしてそれを実施すればさらに深く効果的に進められるようになるのではないかと考えます。

 それから、生活福祉資金とか日常生活自立支援事業等の関連性も考えるところはあるのですが、これはまた別の機会にと思っております。

 以上です。

○宮本座長 ありがとうございました。

 自立支援で機能が満たされているということではなくて、あくまで区分けした上で一体的な実施を追求するべきだという御趣旨と伺いました。

○長岡構成員 はい。

○宮本座長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。では、西岡構成員、お願いします。

○西岡構成員 家計相談について、豊中の場合、グリーンコープの生活再生事業から学んで、モデル事業の段階から相談員全員がキャッシュフローの聞き取りや分析なりができるように人材育成をしました。その後、家計相談支援事業も行っていますが、当然自立相談支援事業でも家計の課題に対応しています。

 そういう意味では、この家計相談支援の方法論やスキルは、基本的に必須の内容だろうなと思います。少なくとも主任相談員は、これがわかっていない限り、多分相談支援のコーディネーションはなかなか難しいのではないか。なぜ全員が習得すべきかというと、グリーンコープの生活再生事業は家計相談支援のスキル、システムのおもしろさと、もう一つ社会的なファイナンス、独自の貸付制度をベースにしているところです。貸付ですからその返済計画は就労などを含む生活再生の支援計画と一体だということです。

 豊中には独自の貸付はないのですが、自立支援、生活再生の支援には欠かせない内容だと思いました。社会的なファイナンスでその方がきちっと返済していけるという中での家計の管理であり、見通しをつけていくおっしゃっていたのが印象に残っています。

 一方よく話題になるのが生活福祉資金などの貸付制度がありますけれども、身近に見ていても、社会的なファイナンスの機能としては動いていないと思います。

 私たちの相談ケースでもさまざまな形で資金需要はあります。例えば非正規のシングル女性などが、キャリアを上げるための教育訓練のお金が必要になる場合があります。負債にかかわる資金だけではないのです。そういうものにも応えていこうとすると、小口のファイナンスが重要になるし、より積極的な支援プランができていくと思います。家計相談支援の意味合い、スキルがどんどん大きくなるのだと思うのです。

 相談支援の現場では小さな資金需要は当然ありますから、そういうものを加味したような家計相談支援のあり方は自治体としては必須的な事業として理解してもいいのではないかと思います。

 と同時に、任意事業という形で、専門の相談員を置くとかいうのではないような事業も考えられるし、当然どんどん具体化されていくのではないかという気がしております。

○宮本座長 ありがとうございました。

 事業として区分けするにしても、スキルの面では自立相談や就労準備支援などでそのスキルが不可欠、求められてくるというお話であったと思います。

 家計相談と限らないでも結構でございます。少し論点を広げても構いません。いかがでしょうか。では、山本構成員。

○山本構成員 今、スキルの話がありましたので、1点コメントさせていただければと思います。家計相談が増えていかない理由のところで、支援員の方は必要だと思われていても、なかなか本人が希望されないということがあると、これはこの資料のとおりだと思っております。

 ポイントは、恐らく対象者の方に希望を持って前向きに生きられるようにということ、マインドを変えていけるかというのが重要だと思っています。しかし、それは心理学的というか、心を変えていくというのは非常に難しいことだと思っています。そのスキルを支援員の方がどうやって身につけていただけるか。今さまざまな研修をやっていただいている中で、制度開始当初で基本的なことが中心になっていると思うのですが、心理学的というか、心が前を向いていけるようにというスキルを支援員の方がより身につけていただけるように研修、事例の共有等々を充実していけば、家計相談に結びついていく、つながっていくとも考えられるのではないかなと思っております。

 以上でございます。

○宮本座長 ありがとうございました。

○駒村構成員 今の話に関連して。

○宮本座長 では、一言だけお願いします。

○駒村構成員 今の心理学の話を受けての話ですが、一言であれば、後でお話しします。

○宮本座長 わかりました。では、お願いします。

○駒村構成員 今の山本構成員のお話はまさに言おうと思った話で、健康管理や教育、学習、家計相談、ともに同じ問題だと思うのですけれども、人間というのは、異なる時点の問題がどうしても苦手なわけです。これは心理学でも経済学の分野でも多くの研究蓄積がもう出てきていて、ある図を見せて、あなたは将来の自分をイメージできますかというある質問の方法があるのですが、それに「イエス」と言っている人と「イエスでない」と言っている人たちの違いがものすごく顕著でして、将来の自分のイメージができない人は、どうしてもそのときの刺激を求めてしまう傾向がある。だから、事例1と3、要するに、緊急にお金が必要だとか圧倒的な収入不足ではなくて、計画的にお金が使えないというところの背景にある心理的な問題をちゃんと把握して、アドバイスしていかなければいけない。

 そういう意味では、20ページのような調査が行われているようですから、こういう調査をしただけでなくて、どのスコアとその後のパフォーマンスの間に関係があるのかをちゃんと分析して、有効な介入方法を根拠のある形で開発、定着していかないと、家計アドバイザーの知識だけの変更ではなくて、背景にはそういうものもあるのだということをやって、評価が上がってこない。どういう効果測定をするのか。これも大変難しくて、誤ったインセンティブになるので効果測定は難しいですけれども、ちゃんと把握していけば、他の部局もその意味がわかっていただいて、広がっていくと思いますので、きちんとした事例に基づく、統計的とか学問的根拠のある方法で説明できるようになれば、他の部局にも説明できて、政策的な持続可能性や拡大にもつながると思います。今の山本さんの意見をそのまま言おうと思っていました。

○宮本座長 ありがとうございました。

 西岡構成員から出たスキルの問題に関連して、実は家計の現実に直面してもらうスキルというのが非常に大きい。このことが駒村構成員から経済心理学的にも裏づけられた。

 今、事務局にコメントは求めませんが、今の御指摘に関連して非常に重要な御指摘だと思いますので、その面をきちっとこれからサポートできるような材料になる資料をぜひともお願いをしたいと思います。

 ほかにいかがでしょうか。では、まだ御発言いただいていないところを優先させていただきます。朝比奈構成員。

○朝比奈構成員 朝比奈です。

 事例を御紹介いただきましたけれども、私どもで出会っている方々でも、これまでの人生の中で危機的な状況に直面化して初めてスキルが身についていないと部分が露呈したという点はリアリティーがあると思うのですが、現実に御本人たちの親御さんの世代も家計管理の理解や知識、スキルを持ち合わせていないということがあって、モデルがいない中でこのような事態に発展しているということも多々見受けられています。そういう意味では、予防という話で言うと、先ほど田中構成員からの御意見にもありましたけれども、もう少し若い世代の中で教育のプログラムの中に取り入れていくようなこと、問題化したときに自立相談支援がポイントでアプローチするのではなくて、ライフステージの然るべき時期に基礎的な生活力を身につけられるよう、面的なアプローチをするような取り組みが連鎖の防止という観点から重要なのではないかと思っていますし、そういうスキームやプログラムがもっと開発されるべきだと思います。

○宮本座長 ありがとうございました。

 田中構成員、もし今の流れに関連することであるならば、一言でお願いします。

○田中構成員 11ページ、今、御説明があった家計相談を本人が希望しないためということで、現場の意見を聞くと、人間関係を構築していく中でも、お金に関しては本人が踏み込んで見てくれということをなかなか言いにくい。こと自分のお金のことに関しては慎重になってくるという場面があるので、相談支援をしながら、その中にこれを織り込んでいくという仕組みにしたほうが現場としては使いやすいのだという意見がありました。人間関係をつくった上で、この相談事由で別の人が出てきて家計の話をしていくとなってくると、そこで人間関係を構築するのに時間がかかるということを考えると、一体的な実施とテクニカルなところをまた考える必要があると思いますが、人間関係を構築する中でもそこを拾い上げていくということが必要だと思いますので、これは多少時間がかかるものだと考えます。

○宮本座長 ありがとうございました。

 渡辺構成員。

○渡辺(由)構成員 ありがとうございます。

 家計相談もそうですし、学習支援もそうなのですけれども、今回の生活困窮者自立支援法でいくと、先ほど御意見が出たように、予防ということで、今の損失を防ぐのではなくて、将来の損失を防ぐとか、よりよく稼げるようにと。子どもの貧困だとよく言われるのですが、将来のGDPを稼いで、財源を減らす損失を少なくするのだということなのです。そういうところをどう評価していくのかというところが一つ。子どもの貧困でもよく言われているのですが、成果をどうとるのかというのがすごく重要だと思います。予防的措置がすごく重要で、前回からのつながりであった資産要件に関しても、今、資産があるからではなくて、今、困っている人を支援することで、将来的に落ち込むことを予防するという観点で見ていくと本当にいいことにつながると思うので、そこをもう少し明確に出してもよいと思いました。

 また、家計相談もお話をお伺いしてすごくいい制度で、みんな受けたほうがいいなと思ったのですが、本人が希望しないというのはすごくよくわかって、やはり皆さん、なかなか受けないのだろうなと思っています。

 子どもの貧困についてアメリカのシカゴで研究が進んでいるのですけれども、シカゴのほうでやったもので、お子さんが小さいうちは子どもというよりは親御さんに介入することが重要で、それがすごく成果があったということなのですが、要は、親御さんに例えば2週間に一度ずつ90分の座学とかをしていろんなスキルを身につけてもらうというときに、やはりいらっしゃらないので、シカゴのときは、来ると100ドルインセンティブを与えるとか、宿題を出すとまた100ドルインセンティブを与えるそうです。将来的な予防で非常に利益が出ることがわかれば、現時点でインセンティブを与えてでも受けてもらうということがあるのかなと。相談者のスキルを心理的なアプローチまで含めて上げていくということはものすごくハードルも高いし、コストもかかると思うので、そういう意味では、受けることによるインセンティブみたいなことで将来に投資をするという見方があってもよいのかなと思いました。

 住居確保給付金に関しても非常に効率がいいというか、非常によいものなのでいいと思うのですけれども、なかなか知っていただけないということで、例えばこれも面的に知らせるということでは、不動産屋さんで借りるときに、リーフレット1枚でもいいですし、不動産屋さんから、仕事がなくなって家賃が厳しくなったら、自治体で相談を受けてくれるみたいですよとか、とりあえず一報下さいねと言えば、困り切って滞納する前に御連絡が来るということがあると思うので、そういうところで民間の力も活用していきながら、より制度を活用していく方法があるのかなと思いました。

 以上です。

○宮本座長 ありがとうございました。

 将来のロスを減じる。「社会的投資収益率」などという言葉もありますが、なかなか合意できる物差しができないでいる。そういう不安定な物差しでもあるので、当然かもしれませんけれども、事務局の資料にはそのあたりが入ってはいなかったわけですが、もし説得力のある指標として将来のロスをこの制度が減じているのだということにかかわるデータがあれば、これも今、渡辺構成員からの問題提起を受けて、何か御示唆いただければと思います。来週で構いませんので。

 ほかにいかがですか。では、櫛部構成員、お願いします。

○櫛部構成員 意見みたいになるのですけれども、先ほどの皆さんの話とか、前回の就労準備の話と今回の家計相談を聞いて、自立相談支援センターの相談の役割と独自性というところが見えてきたといいますか、これはPS(パーソナルサポート)ではなくて、パーソナルソーシャルサービスなのだなということを、話も伺って改めて認識をしています。

 私たちはずっとそういう事業に取り組んできているのですが、給付とサービスに慣れているので、その中でそれをどうしていくかということは、例えば家計で言えばしのいでいるといいますか、あるいは相談で言えばどこかにつなげているといいますか、それでまだ終わっている面があるのだなということをすごく思いました。

 まさに飛行機で言えば、両翼が就労準備、と家計で、宮本先生の翼とは違うかもしれませんが、そう思いますし、胴体というのは相談なのだなと。今日までの実態報告を聞いて、それが評価表の新しい評価の3つのところとつながっているのだなということを思いました。

 ただ、実践はそれからずれていまして、どうしても事業として捉えてしまうと、そこがなかなか出てこないのかなと思いました。

 もう一つは、生活保護の家計の例が出ていまして、ここは私の言うところだろうなと思っているのですが、もともと生活保護法第60条というのは、生活上の義務というのがありまして、倹約とか節約に努めてという項目があって、特に生活保護バッシングの後、改正生活保護法でそこがより義務化されたみたいな流れなのですけれども、昔から伝統的に家計簿つけとか、要は、ケースワークの一つの根拠としてこれが結構あったと思うのです。ところが、逆にそういう密閉された中で果たしてうまくいくのかなと。むしろ自立相談の中のこういう取り組みにつながったほうが当初の目的に行くのではないかということを改めて見せたような気が私はします。そういう意味での包括性というのはあるなと。子どもの場合もそうだと思っています。

 僕らは今、みはら・かがやき食堂というのをその地域のやりたいというお母さん方と社協や私たちや企業の方と一緒になって今やっているのですが、つらい子たちにといってヒアリングしたら、飯も食えないのかと言われたくないということがあって、どうしても普遍的で包括的な打ち出し方をしなくてはいけなくて、そうすると、この間、近くの校長先生がびっくりしたと。新聞に写真が載っていて、大学生におんぶされた甘えた子が、うちの学校の中でいろいろ家庭に問題を抱えていた子どもなのだと。それがこういうことができるのだということを聞かされたとき、ああ、そういうことの見える化というのがあるのだなと。だから、むしろ普遍的に出したほうがそういうことのつながりが生まれるのだなということをすごく思いました。

 最後、一時生活は僕らのところもすごく増えているのですが、、福祉事務所には法外援護というのがそもそもありましたね。それの整理がされていて増えているのかと疑問を感じます。例えば行路病人とかありますね。「フーテンの寅さん」みたいな人が釧路に来ましたら、大体帯広に行くかと言って汽車賃を渡して行かせるというやつなのです。それから、家がなくてという場合は、そこにとりあえず一泊するとか、そういうことをかつてやってきたのですが、自立支援の一時生活との兼ね合いで自治体が整理をし始めているのか、それとは別立てであるのか、そこがちょっと気になったところであります。

 つけかえがあるのかないのかわかりませんが、現実問題、うちもそういうことで押し問答がいろいろあった経緯もありますので、例えば警察から保釈されて出てきたり、死体が見つかった場合とか、身元不明とかも含めて、一時生活でやってみたいな話になったり、いろいろとあるので、そんな疑問もありました。

 以上です。

○宮本座長 ありがとうございました。

 最初のお話は御感想というふうに承りましたが、2番、3番目は、いずれも生活保護制度との関係、かなり大きな問題ともかかわっておりまして、櫛部構成員としては、これはこれからの議論の仕方として、例えば家計相談も自立支援プログラムの中でやっていることと、少しオープンスペースでこの制度に関連してやっていくことと効果が違うのではないかというお話でもありましたけれども、生活保護との関連で論じるべきということでよろしいでしょうか。

○櫛部構成員 はい。

○宮本座長 これも大きな問題なので、これから生保との関係をどういうふうに組み立てていくのかということは、この問題もきっかけに皆さんから御意見を集約していきたいと思います。

 それでは、野溝構成員、お願いします。

○野溝構成員 埼玉県の社会福祉法人が行っておりますあんしんセーフティネット事業の相談者の中でも、自分の家計の状態を把握することが難しい方が多かったり、家計のやりくりができないがゆえに生活困窮に陥りまして、私たちも現物支援をしているところでありますが、そういった中で、ごくわずかではありますけれども、最近、多重債務者の方々の相談も増えてきております。我々の彩の国あんしんセーフティネットの相談員ではそこまでは対応しかねる部分がありますので、自立相談支援事業所の相談員のほうにつなぎをさせていただいておりますが、その後の経緯を見ますと、なかなか解決に至っていない事例も多く聞いております。

 こういったことからいたしますと、相談支援員さんが家計相談に当たるにつきましては、相当の専門スキルが必要ではないのかなと感じております。また、特に多重債務者には債務整理、自己破産あるいは個人再生等、必要な方々にはそういったことができるような相談員さんのスキル、あるいはそういった方々は家計的な問題も自立できるようになってくるのではないかなと思います。

 そういったことから、家計再生支援の専門スキルを有する家計相談支援員の必須をすることによってこれらの問題がかなり解決できるのではないかなと感じております。

○宮本座長 ありがとうございました。

 研修の中身などともかかわってくることであると思います。スキルについても改めて見直す必要がある場合は見直していきたいということだと思います。

 ほかにいかがでしょうか。では、奥田構成員。

○奥田構成員 2回目なので申しわけないです。

 まず、1つは子どもなのですが、最初に文科省さんと内閣府さんと厚労省、3つで動いているという図があるのですけれども、実は内閣府の子どもの未来基金の云々でうちも受けていまして、この間、総理官邸でありました1周年記念のパーティーにうちのスタッフも行ったのですが、全然ばらばらで動いています。あれは内閣府から直接地域の団体にお金が出ているのです。すごく使い勝手がいいというか、いろんな工夫ができるのだけれども、こちらの子どものほうとは全然連携していない印象なので、このあたりを国、全体的にも資源が限られてきている中で、うまく調整できないのだろうか。ここでできないスキルは、こちらでやってくれというような、そういうものをどこかで調整できないのか。すみません。いつもどおりの縦割りはだめだみたいな話なのですけれども、でも、子どものことに関しては総がかりでできないのか。

 2つ目が、26ページの訪問、親の支援も含めてなのですが、訪問の中身です。訪問というのは支援そのものなのだろうけれども、何のために訪問しているのかというその中身。親に対する養育支援だけれども、後ろのほうには親の自立支援もやっているということが出てくるので、訪問型にせよ、親の支援にしろ、何をしているのかということがもう少しわからないかということ。

 一番そうかと思ってびっくりしたのは29ページの下の親の支援の状況で、親の支援はやっているけれども、自立相談に持っていったケースの人が52人。独自でやっているというのが926。これはこの部分の強みでもあって、自立相談を介さなくても子どもの支援で独立して動けるというたてつけになっている。これは自立相談でプランを立てないと動けないという枠のよさと、子どもの部分で直接動いていけているということの自由度の話で、どちらで行くのかということです。

 なぜそれが気になるかというと、30ページで言うと、親の抱える課題のところは自立相談に矢印が出ているわけです。だけど、実態的には独自でやっているという人がほとんどなのです。国としてはどちらを進めるのですか。やはり自立相談に持っていきなさいというふうにやるのか、子どもチームは独自で動いていいのだよということで、親の就労支援まで含めてやれるのだったらやれという後ろ押しがあって資源が育つのではないかなという気もするのです。

 自立相談ということのよさと、子どものチームのもう少し幅が出てくるということの可能性、国としてはどちらで行こうとしているのかというのが少し気になりました。

 子どものことでもう一つだけ言うと、「子どもの学習支援」という名前のつけ方はもうやめたほうがいいのではないか。やはり世帯支援ということをはっきり打ち出したほうがいいのではないか。

 住居確保給付金は、前からずっと同じことを言っているので、65歳未満で離職後2年というのは就労支援枠なので、今後の高齢者の居住問題等も含めて考えると、ここは大きく見直さなければならないところだと思います。

 そこで、私はホームレスの支援をしてきたので、一時生活なのですが、まずは42ページの特措法と今回の法律の対象者像ですけれども、私の認識では、特措法も「おそれ者」というのが入っていたと思うのです。だから、この書き方は不正確なのではないかと思いました。

 一番の問題は43ページで、一時生活支援事業には人件費はついていない。人のカバーのところをどこでするかというと、自立センター方式で自立相談事業、要するに、自立相談の加算分で人の手当てをして、自立相談の別チームをつくってセンターでやるということなのでしょうけれども、いわゆるシェルター、借上式のほうは果たして人の手当てができているのかというところが一番の問題で、一時生活支援事業は人とセットにしたほうがいいのではないか。要するに、シェルター、借り上げのところは箱だけですね。そこで人の手当てをするのだったら、自立相談の人がやってくださいというたてつけになっていると思うのですが、今後広域実施とかを考えたときに、果たしてそれができますかということですね。

 例えば実際箱物を持っている周辺自治体が広域実施で引き受けていただくとなったときに、受け入れた自治体の自立相談員が動くのか、はるか向こうから送ったほうの自立相談員がカバーするのか。いや、そうでなくて、そもそもシェルターに人をつけたほうがいいのではないか。ここはたてつけを変えたほうがいいのではないかということです。

 46ページの借上型シェルターが増えてきているというのもそうなのですが、借上型シェルターが増えているのはいいことなのですけれども、ケアの概念をどう捉えるのか。一時生活支援事業におけるケアの概念をどう捉えるのか。

○宮本座長 すみません。もうそろそろおまとめいただけますか。

○奥田構成員 最後に広域実施なのですが、先ほどの櫛部さんの話で生活保護との云々が出ていますが、ホームレス者に関しては、その後の定着の部分で生活保護実施という可能性が非常に高い。そうなると、広域実施したときに保護実施を誰がするのかというところで、これは県とか国がルールをきちっとつくらないと絶対進まないと思います。私は、一時生活広域実施は大賛成。就労準備も実は広域実施をやっていいと思うのですが、特に一時生活の場合は、生活保護実施のところとのルール決めを国なり県なりがちゃんとやってあげないと実際できないと思いますので、そのあたりも意見として言っておきます。

 以上です。

○宮本座長 私がカウントする限りは7点あったと思いますけれども、今、ここで御答弁いただくと、またそこに集中してしまいますので、非常に大事な御指摘がたくさんございましたので、次回、必要な範囲でお答えいただければなと思います。特に最初の子どもの支援についての縦割り問題です。子どもの支援ほど縦割りが顕著なところはないわけでありまして、厚労省の中でも雇用均等・児童家庭局系、ひとり親支援の系列と社会・援護局系と教育委員会系と児童相談所系と家庭児童相談室というか、自治体系と複合している。資料の中には教育委員会系と連携できているところとひとり親世帯支援系と連携できているところ、そんなデータもございましたけれども、連携ができているところはどうしてできたのかみたいなことも含めて資料をまた補充していただけるとありがたいと思います。

 まだ御発言いただいていない方もたくさん。森脇構成員、お願いします。

○森脇構成員 先ほど奥田構成員の話の中で、29ページにありました子どもの学習支援のところ、まさに親支援の状況の中で、うちはプランのところの支援調整会議にはかけさせてもらっています。当然決定する権限は自治体にありませんが、親への支援というのは将来的に必要だということも考えておりますので、子どもを通じて親へのかかわりを持っていくということを考えてこのような体制をとらせていただいています。

 では、そうなったときにどういう効果があるかといったときに、私どもが工夫している点だけお伝えをしたいなと思っています。なので、私が今から言うことが通さないから自由にできるというメリットがあるとは思うのですが、自立相談支援機関を通すことによって親への支援もスムーズにいくということもあるということを御理解いただきたいなと思っています。

 実際に親は子どもの学力を上げてほしいという目的で来られることが多いので、私は支援が必要ないですということを言うのですね。そこで、わかりましたではなくて、今はそうでしょうけれども、実際困っていることがあれば言ってくださいと。私ども社協のほうで毎週1回学校支援をさせていただいているのですが、ピアカウンセリング的な要素も含めて、母子寡婦福祉連合会の方にサポーターという形になっていただいて、送り迎えに来たときに、お母さん、お父さん、おうちの方にちょっと声をかけていただいて、どうと言う。私たちではない方に少しかかわりを持ってもらいながら、少しずつ状況を確認させていただいたときに、最初は出てこないのですけれども、子どもが元気よくそこの場が楽しみで行くようになったら、親御さんたちも心を開いて、お金のことだったり、いろいろなことを話してくれます。

 今、お母さんの学習支援をさせていただいていて、それは外国籍の方です。お子さんが持って帰ってくる案内を、学校のサポーターはあるみたいなのですが、逐一見られないことによって、子どもが学校で残念な思いをすると。そういう意味も込めて、では、お子さんを送ってきたときに、うちの別のスタッフが、これはまた別の全く横出しのような状態ですけれども、日本語、文字を読めるように一緒に勉強しようかというところまで広がったり、あとはもろもろの公的な手続等にもつながったという事案もあります。

 そういった意味では、最初は当然お子さんがというところなのですが、信頼関係が得られてくれば、そうやって親御さんへの支援にもつながっていきますし、親御さんが頑張っている姿をお子さんも見られれば、お子さんにとってもいいところになるかなということ。

 もう一つ、私どもがしっかりかかわっていますので、実は生活困窮者だった方がサポーターとして、生計を維持できるまでのものはいっていないのですが、子どもの学習支援に携わっているという例もあります。塾という形より、そこが生活の場という形で、料理をみんなでつくったり、そういったこともあわせてさせていただいているので、私も昨日、おとといと全国大会に出させていただいたときに、この事業が完全塾化しているところと、創意工夫で、塾プラスいろいろなものをくっつけてやっているところと二極化しているような現状にあるということがとても危険ではなかろうかなと思っているので、こういったことの整理がもう一回必要となったときに、自立相談支援機関をかませるか、かませないか。かっちりとはいかないと思うのですけれども、そういう効果があるということも少しお考えいただけたらいいかなと思っています。

○宮本座長 ありがとうございました。

 奥田構成員からの論点の3番目、学習支援から自立相談支援、親の支援、以前に朝比奈構成員から親の自立相談支援からいかに世帯全体、子どもへつなげるかという御提起もあったと思いますけれども、それにかかわって森脇構成員のほうから具体例を通して御示唆があったと思います。

 森脇構成員、そういう実践を定着させていくような制度改正が何かあり得るとしたら、どんな形が考えられるか、御示唆いただければと思いますが。

○森脇構成員 これがとても難しいところで、片方で本当に自由に子どもを中心にというところはあるとは思うのですが、自立相談支援機関を通さないけれども、そこの間に行っているところも結構あると思うのです。なので、制度設計上で何か明記するというのはなかなか難しいとは思うのですけれども、ここの数字に出ている状態で通さないけれども、どこまでのかかわりをしているのかというその距離感みたいなものもしっかりと注意してみる必要がある。全てがお任せになっていないかどうかというところも必要なのかなと思います。

○宮本座長 ありがとうございました。

 相澤構成員、お願いします。

○相澤構成員 戻ってしまうのですが、家計相談の件です。家計相談をやる中で、川崎市も任意事業としてではなく自立相談支援事業の中で行っているのですが、11ページにありますように、本人が家計相談支援事業の利用を希望しないとか、先ほど対人関係というか、関係性がうまくできなくてそこにつなげられないというお話があったかと思うのですが、川崎市では一番最初の相談から就労支援員と精神保健福祉士と家計相談を担う職員、3人が入ってそもそも相談を受けます。その中で本人の相談のニーズを把握していって、同時進行で全て進めていくという形をとっていますので、早目にその方の持っている相談ニーズが把握できて、支援がスムーズにうまくいっているという例がございます。

 次は学習支援についてです。資料の28ページに「事業対象者の属性」と書かれていて、生活保護対象の方が94.7%、就学援助受給者が42.5%となっているのですが、そもそもの内訳。これは平均というか、複数回答オーケーという形にしていて、この数字のとり方をされているのですが、生活保護受給世帯のみを対象としているのがどのぐらいあって、それから生活保護受給世帯と就学援助世帯を含む者というか、そういう属性で、どのような実施主体がどういう形で行っているのかというのが見えるものを出していただけると、もう少しいろいろなことが分析できるのではないかと思うので、事務局にお願いしたいと思います。

 今日、1枚紙のA3で「子どもの貧困対策に関する大綱」を机上配付していただきましたので、机にあるかと思うのですが、先ほど奥田構成員からもあったように、省庁が縦割りの中で学習支援の事業を進めていくと、やはりいろんなところで漏れてしまったり、重なりができる。私が一番最初のときに重なりがあるのではないかと言ったのはそういう意味で、どこかでできるものであれば、それはどこかにお願いできたり、その事業をもうちょっとタイプ化することによって、生活困窮者の自立支援、学習事業の中ではどういうことを進めていくのだというのがもう少しタイトな話し合いができるのかなと思っていて、実はこれを出させていただいております。

 もちろん、複合的にいろんな支援をすることも大切だということであれば、これは省庁を越えてもっと大きな枠の中でお話をしていただくということも必要かと思うのですが、それをどういう形で進めていくのかというのが少しぶれていないかなというところが従前からの疑問でしたので、こういう形で出させていただきました。

 以上です。

○宮本座長 ありがとうございます。

 2番目の資料の28ページのデータについて少し立ち入った補足資料をお願いしたいということは、次回お願いをしたいと思います。

 3番目の御指摘は、机上配付されている資料に基づいてお話がありましたけれども、相澤構成員、自治体の立場として、大綱として並べると全てそろっているように見えるのだけれども、実際の立場からすると、これがあちこちに降ってきて、どこをどうくくっていいやらということで、大綱は全部の問題を抱えているにもかかわらず、サービスを供給する側は大分苦労すると。どんな手立てがあると。特に自立支援の制度に引きつけて、どんな手立てを打つとこれを束ねやすくなるのか。なかなか難しいとは思いますけれども、何か御示唆いただければ。この法律では非常に簡単な学習支援の事業の提起しかされていないのですね。それも踏まえて何かありますでしょうか。

○相澤構成員 生活困窮者における学習支援事業というのは、そもそも高校への進学を助長して貧困連鎖の防止をするというところに重点が置かれていたのではないかと思うのです。ですから、そこが一番最初のコアの部分で、構成員からいろんな意見が出されているのは、当然その方たちの貧困連鎖を防止するために必要なことだということで、親の支援も必要ですし、その方の生活、非認知力を育てていくのも必要だというふうな言われ方は、当然包括的な部分では必要だと思うのですが、実際生活困窮者の自立支援の中でどこまでやるのか、何ができるのかというところだと、原点に立ち戻って、高校への進学だけではなく、中退率の予防というか、中退率を下げていくことがすごく重要です。

 資料に出てこないのですが、生活保護受給者の方の中退率が高いのは、定時制に行っている率が非常に高いからだというふうに川崎市では分析しているのですが、そこも数字があれば事務局のほうにお願いできればなと考えているところです。そこがすごく重要だと思っていて、中卒よりも高卒のほうが社会での還元率は高いというか、貧困に陥る率が低くなるというのが数字で示されておりますので、そこが非常に重要だと思っています。川崎市としては高校への進学、それから中退を防いで、高校を卒業させていくというところが重要ではないかなと考えています。

○宮本座長 ありがとうございました。

 高校中退を防ぐ事業、恐らくそれは学習支援ということとも重なると思うのですけれども、実態としては学習支援の事業なのだけれども、それ以外のことをたくさんやっていらっしゃると。今度の制度改正に当たって、そこをどういうふうにきちっと後押しをするか。困窮連鎖防止事業のような形でちゃんと中身を認知してもいいのではないかということにもつながるのかなと伺っておりました。

 ほかにいかがでしょうか。では、前神構成員、お願いします。

○前神構成員 私も昨日までの全国の研究大会に参加させてもらっていて、そのときに何回も聞いたのが「地域」という言葉でした。私は総務省がやっている自治大学校の卒業生で、そこで宮本先生と和田先生から地域づくりの法律ができたことを知っていますかという話を聞いた者でもあるのですけれども、ほかの省庁でもこういうことを考えていて、24ページに文科省と厚労省と内閣府の制度が載っていると思うのです。

 私は地域活性化センターから来ておりますので、地域の立場からということでお話しさせてもらいますと、これは今後どういうふうに法改正していくかということなので、私の言うことは直接的ではないのかもしれないのですが、地域で何が起きているのかということにもう少し目を向けていくことが必要だと思うのです。どうしても専門に取り組む方は専門の目でずっと見てしまうので、意外と地域で起きていることを知らなかったりします。ここには総務省の施策とかが出てきませんけれども、地域自治の取り組みの中で結構いろんな動きができています。

 例えば18歳未満の子どもを対象に、地域で起きていることを地域の人から聞くとか、地域でこれからどんなことができるのかということを具体的に自分たちのわかる場所でわかる人から話を聞いて学んでいく、そういう地域教育と、少しキャリア教育の要素も入っていたり、ふだん学校で習っていることなどをその場で応用するとどういうことがわかるかということを具体的に体験しながら考えていくようなゼミをやっている市があったりするのです。

 兵庫県の朝来市というところで「ASAGOiNG」という名前をつけてやっていますけれども、それなどはそういう取り組みでして、学校のやっていることに意味を感じられなかったりすると、すごく苦しい中で学校に行ったとしても、ここから卒業してどうしていくのだろうという不安が出てくると思うのです。

 ほかの学校の事例、千葉県山武市の松尾高校でやっている取り組みは、学校でランチゼミみたいなことをやったりして、ついていけない子が出てきたとしてもそこがカバーしていくようなこと。学校の中での取り組みなのですごく気軽に参加ができる。これを仕掛けている人にお話を聞くと、子どもの貧困対策でもあるのだと。だけど、子どもの貧困対策だと言われ方をすると、スティグマ感が出てきたりするので、地域みんなでやっていく、学校みんなでやっていくという取り組みにすると、誰もが参加しやすくなるということもあります。学力がもともと高くない高校だったとしても、卒業した後に自分がどういう選択をできるのかなということが見えるということはとても大事なのです。山武市は成田空港から結構近いのですが、調べてみると、成田空港で働いている人の割合がすごく低いのです。

 それで、全日空さんと提携して成田空港で働ける必要な要件は何かということで、英検2級を必須とするとか、車両整備とか空港の関係の仕事をするのにこういうスキルが必要だということであれば、専門学校を自治体が誘致してつくってしまうとか、そういうふうに子どもたちがこの地域でこの後生きていけるためのまちづくりということが今、行われていたりするのです。

 あと、高校は公立高校に行かせたいと思っている方が多いと思うのですが、地域からどんどん高校がなくなっていっているという現状もありまして、都道府県立高校が多いと思うのですが、北海道で道立だったところが市立になったり、県立だったところを町立にしたり、そういう動きも今できてきています。その辺も広く言うと子どもの学習支援でもあり、遠くまで行かなくても地元に高校があるということはすごく大事だし、高校を守るということも地域づくりなのです。

 なので、今まで生活困窮者の切り口で地域づくりの法津だと言われていても、この制度を進める上で、専門的にかかわっている人たちが地域の人たちを説得して、私たちの進むこれに協力してくれる地域をつくってくださいというふうにしか聞こえないので、その地域へのアプローチの仕方をもう少しうまくしていけばいいのだと思います。もう既に地域で動いているものを活用、そこに預けてしまうとか、乗っかっていってしまうというやり方もありなのではないかと思うのです。

 なので、屋上屋を細かいところまで重ねていくよりも、若者がここから先、自分でどう人生のビジョンを持っていくかということをうまくされているのは、秋田県の藤里町さんもすごく有名ですけれども、使っているのは総務省の若者支援のお金だったりする。使う側はどこの省庁かは関係なく、使えるものを使ってきていて、地域の人に理解してもらうためにはどの仕組みがいいかということをきっと戦略的に考えて選んでいかれていると思うので、一つの切り口を深掘りし過ぎて課題解決だけに入ってしまうと、視野が狭くなって掘り続ける状態になるので、こうなったらいいなという姿に対して、あ、うちならこういうことができる、うちはこういうことができるという、巻き込まない、ポットラック型のネットワークづくりがこれからの社会は必要なのではないかと思っています。

 前回お話しした若者が地域でいろんなクリエイティブな仕事をしてきているという話とも連動するのですけれども、地域づくりの観点から申し上げると、課題を掘り下げ過ぎないことも時には必要かなと思います。

○宮本座長 ありがとうございました。

 先ほど田中構成員から問題提起のあった社会保障教育ともかかわって、現実に生きていく。学習支援というのは学校教育へのキャッチアップというところがあったわけですが、それ以前の「よのなか科」的な教育といいますか、学校の先生は、君らは無限の可能性があるとか言うわけですが、子どもたちは下を向いて、そんなもん、あるわけないじゃないかというふうにつぶやいているわけでありまして、そこをどういうふうに支えるか。

 この制度にかかわらせておっしゃると、今おっしゃったことは学習支援の中身ということでしょうか。

○前神構成員 そうですね。学校を続けることも大事ですし、もう一つの学校に行ってちゃんと就職していくということも大事なのかもしれないのですけれども、働き方、雇用されるだけではないというのを前回お話しさせてもらったように、いろんな可能性があるのだよということで、子どもたちが自分で夢を持てるようなこと。夢なんてとんでもないと思っている子が結構多いではないですか。そうではなくて、等しく夢を見ることができる場づくりというのも学習支援の中では必要なのかなと思います。

○宮本座長 ありがとうございました。

 では、大津構成員、お願いします。

○大津構成員 私のほうからは2点だけです。いずれも意見ということでお聞きいただければと思います。

 住居確保給付金についてなのですが、前から社会保障について、住まいの安全度が非常に弱いと感じておりまして、欧州などでは住宅手当という形で低所得者に支給している。これに対して、住居確保給付金というのは、私の記憶が間違っていれば、事実誤認を修正していただければと思うのですけれども、派遣村があって、仕事と一緒に住まいを失う方が出てきて、緊急避難的に麻生政権のときにやったというふうに記憶しているのですが、それは初めて住まいに対して安全網をやったということで、私自身、非常に注目していたのですが、よく見ると対象は基本的に離職者と考えておられる。そうすると、例えば仕事を持っているけれども非正規で働く若者、もしくは年金受給者で、これから年金も減ってくるということを政府が言っていますので、高齢者あるいはワーキングプアの方々に対する住まいというところについて非常に弱いのではないか。

 ですから、ここは財源の問題、もしくは貧困ビジネスが介入する余地があるのではないかということ、さまざまな問題があるのかもしれませんが、低賃金者、低所得者に対する住宅手当というのを考えていくこと。今、非正規が4割に上っていて、今後20年たってくると、ますます生活保護の予備軍がたくさんいると。いわんや、今ですら高齢者の中でも年金が減っていくとかいうことを考えていくと、そのようなこともあわせて検討していくべきではないかと思いました。

 もう一点は、皆さんからさんざん意見が出ていますが、11ページ目の家計相談のところで、家計支援利用を希望しないという方が56.3%と。生水さんが先ほどいろんな疑問点も示されたところではあると思うのですけれども、私自身、取材や、あるいは現場の自治体や福祉事務所の人と話しても、やはりそうかということを実感するところで、逆に言えば家計相談のやりくりができていれば生活困窮になるおそれはなかったのかなということも思っていまして、経済困窮に至る理由の解決策として、もちろん経済的な支援というのも大事だけれども、文化的な支援も大事だと思っておりまして、そこはお金の使い方ということも非常に大事だと。

 先ほどどなたかがおっしゃっていましたが、お子さんのころに親が貯金をして旅行にしていくという習慣がなかった方がそのまま親になってくると、貯金をするという文化がなかなかないと。そのような方々に生活保護のお金、もしくは福祉からの貸付金でも構わないのですが、お金を渡したとしても、うまくやりくりをするという力がもともとない。そこだけを批判しがちではあるのですけれども、生い立ちというところもあって、そう考えると、皆さんから出ているように、予防ということが大事になってくるかなと。

 今、私はいろんな高校を回っているのですが、スマートフォンのお金はよく知っているけれども、生活コストを知っている高校生もしくは大学生はほとんどいない。例えば生活コストに幾らかかるのだというのをゲーム形式でやっているようなNPOもございますので、例えばそのようなNPOを活用して生活コストについて考えていく。衣食住だけでなくて、社会保険料や税金も払っていくのだと。そうすると、実はスマートフォンに使えるお金がこのぐらいしかないのだといったようなことをゲーム形式、あるいは何かでわかりやすい形でやっていくという予防教育にも力を入れていくべきではないかと考えておりました。

 以上です。

○宮本座長 ありがとうございました。

 特に山本構成員からお話のあった家計に直面する勇気、それから前神構成員からお話のあった子どもたちのリアルな生活時間をきちっとサポートする。それを統合するようなお話を大津構成員からいただきました。特に事務局に補足的な資料等をお求めになることはありませんね。

○大津構成員 はい。

○宮本座長 ありがとうございます。

 あと、渡辺構成員、お願いします。

○渡辺(ゆ)構成員 渡辺です。

 今日の論点より少し大きな枠の意見になってしまうのですが、今日も含めた第1回から第3回の議論を重ねて私が今、強く思っているのは、この制度は本人を無理やり今の社会のあり方や働き方に合わせるものではないということなのです。そうではなくて、相談者さんが今、持っている力をプラスの価値に変えていく。そのために一人一人の困り事をオーダーメードで解決する。そのプロセスを通じて地域がつくり出されていくということだと思いました。

 そうしますと、本人を変えない、環境や社会を御本人に合わせていくという観点が必要で、そうなった途端、前神構成員も言っていたように、担い手に交渉力や営業力とも言える高いコミュニケーションスキルとクリエイティビティーが必要になってくる。そうなると、ここにいらっしゃる皆さんのようにオリジナリティーを発揮してできている地域と手も足も出ないという地域に二分化されてしまうなと思います。

 この後、4回、5回の議論では研修や地域づくりという論点に進んでいくとお聞きしています。できていない地域や手も足も出ていない地域にできない理由を追及するのではなく、また、先進事例をエピソードで提供するだけではだめだなと思うのですね。ここにいらっしゃる皆さんのノウハウ、先進性を本当に簡単な言葉で、受け取りやすいノウハウとして全国に伝えられるかということを、制度のあり方と並行して真剣に議論する必要があるのではないかなと今日一日を通して思いました。

○宮本座長 今の御指摘も大変大事でありまして、地域力が発揮できるところはどんどん創造的にこの制度を活用できるのだけれども、その条件がないところは逆に負の連鎖で格差がどんどん広がってしまう。そこをどう手当てするか。

 ただ、制度の趣旨としては、地域の自発性を大事にするというところもありまして、そのジレンマにどう対応していくのかというのが本当に大きな問題だと思います。

 さて、事務局のほうから誰がまだしゃべっていない、誰がまだしゃべっていないと次々に紙が入ってきて、大変なプレッシャーを受けておりまして、もし私の理解が正確ならば、お一人お一人御発言いただいた人に丸をつけているのですけれども、一応全員丸がついたかなというところでございまして。

○駒村構成員 出ますので、一言だけ言わせてください。すみません。3回目です。

○宮本座長 もちろんです。あと15分あります。

○駒村構成員 資料の30ページの「非認知能力」という言葉をもう少しちゃんと解説を。知っている人は知っていると思いますけれども、認知能力等の、要するに、学力と言われている部分ですが、非認知能力が今回重要ではないかと置いているわけでして、これは先ほどの森脇構成員のお話も、塾化する部分、要するに、認知能力にしか着目しない部分ではなくて、本来は世帯との関係が重要であると。奥田さんの言った学習支援、これはポジティブな言葉でいいのですけれども、一歩間違えると認知能力を上げればいいのだみたいな話になってしまうので、自分の将来展望とかは、非認知能力の部分が根元で大事なわけですから、ただ、それを単体で上げるなどということは大変難しくて、これは当然世帯との関係がないと。はっきり言えば、生活習慣とか価値観の問題ですから、今のあなたの判断は将来のあなたを困らすかもしれないよという判断をしてしまうことがあるわけですから、そこもちゃんと支援するためには、世帯との関係が重要であると思いますし、非認知能力とかこういう言葉は、少し注を入れるとか何かしたほうがいいのではないかと思います。すみません。もう出ます。

○宮本座長 駒村さん、お帰りですか。

○駒村構成員 はい。次の会議がありますので。

○宮本座長 その前に大丈夫ですか。もう行ってしまいますか。

○駒村構成員 では、どうぞ。

○宮本座長 非認知的能力、これは先ほど前神構成員や山本構成員からあったお話にかかわると思うのですけれども、学習支援事業で非認知的能力もカバーする。これは労働経済学でよく出てくる言葉です。最近非常に注目を浴びている言葉ですが、具体的に能力で、どういうふうに手を打てばそこが育成し得るのかということはどうでしょう。お帰りになる前に一言言ってから。

○駒村構成員 一言で定義するのは本当のところは難しいと思うのです。生活環境とか、先ほどの文化的な資産、家庭を取り巻く環境が非認知能力の形成に影響を与えますから、自制心とか他人を信頼するとかをスコア化する。どちらかというと性格に近い部分があると思いますので。ただ、これは割と流動的というか、変わり得る部分だと言われていますので、きちんと周りがそういう条件を整えていけば変わり得ると思います。

 ただ、先ほども議論がありましたように、それをアドバイザーが何か変えられるとか、そう簡単なものではないので、これは世帯との関係も見ながら、いやいや、うちの子は学校に進学しなくてもいいのだよねとかいう親の価値観まで関係しますので、そこも一緒にしつこく連携していく。あるいは子ども食堂みたいなものを使って親の食事習慣とか生活習慣みたいなものにも多少アドバイスをしながら、子どもを囲む環境を変えていくルートを通らないと、表面的なテクニカルな介入だけで何とかなるという問題ではないと思います。これは内外にもいろいろな介入パターン、効果はあるということがわかっていて、ただ、どういうのが一番効果があるのかはまた議論があると思いますので、これはいろいろと研究蓄積を処理していかなければいけない問題だと思います。

 その上に、先ほどあったように、この学校を今、頑張って。中退を選んではいけないと。今の自分は好きにさせてくれと言うかもしれないけれども、これは経済学的に言うと「双曲割引」と言われている問題なのですが、将来の自分を困ったことにさせるよということを認識するためには、自分の将来の姿をイメージできるかどうか。そうなってくると、周りの環境がそういう人生を今まで送らせてきたのかどうかということもかかわってくるということなので、一朝一夕にできるとは思えませんけれども、そういうところに視野を入れて、ほかの施策とも連携していくというのが大事かなと思います。すみません。

○宮本座長 ありがとうございました。

 先ほどの大津構成員のお話も含めて、今日はそこに一つ収れん点がございましたので、あえて御解説をお願いいたしました。

 あと、生水構成員のほうから出ている資料で。

○生水構成員 そうしましたら、櫛部さんが。

○宮本座長 いや、あと10分ございますので、生水構成員が5分でおさめていただければ、櫛部構成員にも回るかと思います。

○生水構成員 わかりました。すみません。お気遣い、ありがとうございます。

 資料を出させていただいておりまして、菊池構成員の後についております。具体的に家計相談支援事業をどのようにしているか等を含めて改正の点で意見を述べさせていただければと思います。

 野洲市では家計相談支援事業については直営をしていて、自立相談支援事業と一体的に実施しています。方法としては、先ほど川崎のほうでもありましたように、自立相談支援員と家計相談支援員が同席して一緒に御相談を受けていく。いわゆる切れ目がないようにしております。

 8ページの表をご覧ください。これは平成27年度に受け付けた相談者のうち、家計相談支援事業においてプランを立てた86人一人一人に活用した支援内容となっています。一体的に実施する際に自立相談と家計相談の事業の区別が必要であって、区別としては国が実施しております家計相談研修において提供されている家計表、こちらの資料の9ページを作成した人については家計相談と位置づけておりまして、この表の左端の「家計チェック」ということをしております。

 家計表から見えてくる課題に対して、住居確保給付金や就労支援、就学援助申請や各種減免申請、納付相談、障害年金申請、債務整理、こうしたその人に必要なサービスを検討して活用するということをしております。

 また、この資料の7ページをご覧いただけますでしょうか。これは平成27年4月からことし10月末までの期間のみずほシステム、帳票データをまとめております。これにおいては、自立相談の総プラン数は498件で、そのうち家計相談支援のプラン数が197件。そして、家計相談プランに限っての評価済み129件のうち、見られた変化を下の箱の中で表示しております。先ほどの国の資料の16ページにもありましたように、見られた変化においては、一般就労開始が63件、就労収入増加が20件、就職活動開始16件と、家計相談においても就職に関する変化が多く見られておりますが、これは家計相談をすることで生活に必要な収入が具体的にわかるため、本人の能力に合った無理のない就労活動ができていたことによる結果と言えると思っております。これは国の資料2の14ページにあります具体的な収入目標設定が家計相談実施と未実施、この差だと言えると思っております。

 自立相談と家計相談の大きな違いというのは、自立相談においては相談者が話す情報から困窮程度を推測していくので、相談者が気づいていない問題についてはわかりづらいというところがあります。しかし、家計相談においては、家計表と一緒に作成することにおいて、相談者が気づいていない問題も見えてくる。例えばレシートを一緒に整理をしていく中で、料理酒を頻繁に買っている、この購入の中からアルコール依存の状況がわかり、その方を保健師につないだり、また、幼い子どもさんがいる世帯で、レシートにある夜中の1時、2時、買い物ばかりしているということから、家庭児童相談室につないだりとか、菓子パンばかりの食生活から糖尿病が悪化している要因がわかった単身男性に対しては、自立相談の中で料理教室を行っていく。こういったことで、本人の話からだけでは見えない課題を発見することで困窮する要因への手立てができます。

 もう一つ、庁内連携を進めるにおいても家計相談は効果的です。資料の6ページをご覧ください。これは野洲市が保険年金課と協力してやっていることで、資格証明書を発行している人に対して、市民生活相談課に相談してもらうことで健康保険証をお渡しするとした仕組みです。この仕組みについてはこの資料に書いてありますので、またご覧いただければと思います。

 その際に生活再建のお手伝いをすると同時に家計相談を行って、幾らの金額ならば分割で支払うことが可能なのかということを納税推進課に提示することで、無理のない分納計画が立てられることができます。

 ほかにも市営住宅の家賃であったり、水道料、保育料など分納計画を立てるのに、家計相談をすることで各課の信頼が担保されるということで、非常に交渉がスムーズになります。庁内連携においては、「家計相談」というキーワードは市役所の各課にとってもとてもメリットがあるので、事業の必要性を理解してもらえて、連携が進むいう利点があります。

 こういったさまざまなことから、家計相談の必須化がどの構成員からも出ておりました。私からは具体的な方法として、家計相談支援員の配置を自立相談支援事業の中に位置づけることを提案させていただきたいと思っています。相談現場において個人情報の共有やスムーズな連携を考えていくと、自立相談と家計相談が分断されずに一体的に行っていくことが必要であると考えていますので、現在自立相談支援事業において主任相談支援員、相談支援員、就労支援員の配置が必須となっているものに合わせて、家計相談支援員の配置を必須とすることが最も現場において適したものであるのではないかと考えています。

 あわせて、質の高い家計相談支援員の人材育成が絶対大事になってきますので、人材育成プログラムをしっかり検討していくことを検討いただきたいと思っております。

 ごめんなさい。もう一点だけ。生活保護受給者の家計相談。実は自立相談において生活再建のメニューの一つとして生活保護を活用することがあります。見えてくる成果の中でも14件つないでおります。そのときに生活保護受給者となれば家計相談ができないという法律のたてつけになっているのです。ここで分断されて切れ目ができてしまう。でも、生活再建を考えれば、生活保護を活用した上で、家計相談の継続性が担保されるように制度をしっかり見直していただきたいと思っています。

 特に私が今、悩むのが、生活保護受給者の中での高校進学における奨学金の活用なのです。奨学金は非常に難しくて、社協さんや日本学生機構であったり、県であったり、さまざまな奨学金のメニューがあって、これをどう生活保護の受給者に活用していくかは本当に難しいところがあります。こういったところも含めて貧困の連鎖の防止も考えれば、家計相談を生活保護の制度と分断されずに継続してできるようにぜひとも改正を求めたいと思います。

 以上。申しわけないです。お時間をいただきました。

○宮本座長 以上3点。第一の家計相談の位置づけ方というのは、今日皆さんの御発言がほぼその方向で歩調をそろえていたのかなというふうにも承っております。

 さて、大変短い時間の中で議論をお願いしてございます。事務局からは1人3分で全ての資料を全部説明させて、誰も不満を抱くことがないようにという采配を求められておりまして、せいぜい延ばせて5分であると思います。皆さんから御発言いただいて、資料も御説明いただいて、あと10分でこれだけは言っておきたいということがあれば、何とか対応したいと思います。櫛部構成員。

 ほかにいらっしゃいますか。では、お三方。そうなると、お一人3分程度でお願いします。

○櫛部構成員

 私は、世帯単位なのか、個人という部分というのがあると思っていまして、就労準備と子どもというのは、ぎりぎりのところ、個人に着目していると思うのです。これがこの法律のすごくいいところだと思っていて、世帯丸ごとはなかなか難しいと思っています。

 平成20年から釧路で学習という名の子どもの居場所を冬月荘で切り開いてきた中身は、学校と家庭のほかに地域に子どもの居場所というか、まさに子どもの世界、精神世界にタッチしていくのが貧困の連鎖という意味で大事なので、個人に着目したぎりぎりの接点のところをむしろ大事にすべきだということであります。

○宮本座長 なるほど。結果的に世帯支援になっていることが大事だということですね。

○櫛部構成員 はい。

○宮本座長 ありがとうございます。

 では、菊池構成員、お願いします。

○菊池構成員 いつも勉強させていただいてばかりなのですが、今日いろいろ皆様の御意見を伺っていて、方向性としては家計支援もそうですが、事業の必須化であるとか、連携であるとか、組み込みであるとか、場合によっては補助率の問題とか、そういったことがこれからの具体的な検討の方向性の一つなのかなと思ったのですが、高齢者を対象にという意見が複数出されていて、生活困窮者自立支援法の枠組みで高齢者への支援に正面から取り組んでいくというのは、今の枠組みで十分対応できるのかどうかというあたりが一つ気になったというか、確認したかったなということ。

 それから、特に高齢者ということになると、生活保護でも自立助長については若年者と異なった扱いをされていますので、そうすると、生活保護との関係がもう一度課題にならないのかなと。生活保護との関係は、一応子ども以外は切り分けるということになっていますけれども、今回は生活保護との関係には基本的に踏み込まないという仕切りでされるのか、場合によってはそこにもかかわるようなものを出していくのかというあたりが気になったところです。

 以上です。

○宮本座長 ありがとうございました。

 2番目の問題、生活保護との関係は大きいですが、課題を提示するということは可能だと思いますので、また菊池構成員からもぜひ御協力をお願いしたいと思います。

 では、奥田構成員。

○奥田構成員 菊池先生がおっしゃったことと同じです。

 ホームレス自立支援法がもともとベースだったのですけれども、ホームレス自立支援法の中には生活保護を活用するということが明記されているのです。だから、ホームレス施策と生活保護とダブルトラックだったのです。これをうまく組み合わせてホームレスが激減したというのが結果なのです。

 今回のは手前の支援だということのたてつけだったけれども、1年半たってみて生活保護併用ということの強みが見えてきているのではないか。だから、今回の法改正で法としての部分でやるという議論の立て方と、実際の現場で何が起こっているかというと、自立支援で来られた方を生活保護が連れていくと、保護課の方が、もう自立支援、帰れと言うわけですよ。多くの自治体は実際それに遭っているわけです。

 だけど、ここの運用のところで言うと、お互いのルールさえちゃんと決めれば、実は運用のところでは既に手を結べるはずだ。実際そういうことをされているところもあるはずだ。運用のところの議論と法津そのものを書きかえるということの併用ありという議論と、今後の議論の中で「高齢」というテーマと並ぶような形で保護との兼用というか、併用ということも取り上げていただきたい。意見です。

○宮本座長 わかりました。その問題はまた改めて議論できるかと思います。

 それでは、ここで議論はとめさせていただいて、事務局から次回開催予定について御連絡をいただきたいと思います。

○金井課長 どうもありがとうございました。

 次回の開催につきましては、12月1日木曜日、10時から12時半まで。場所は厚生労働省の省議室を予定しております。

 以上でございます。

○宮本座長 ありがとうございました。

 まだいろいろ御意見があると思いますけれども、また引き続き御協力をお願いいたしたいと思います。

 今日はどうもありがとうございました。

 


(了)

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