ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(職業安定分科会労働力需給制度部会)> 第249回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録(2016年12月7日)




2016年12月7日 第249回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成28年12月7日(水)10:00~12:00


○場所

東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館
専用第12会議室(12階)


○出席者

委員

(公益代表)鎌田委員、橋本委員、松浦委員
(労働者代表)石黒委員、清水委員、村上委員
(使用者代表)秋山委員、小林委員、高橋委員

事務局

生田職業安定局長、鈴木派遣・有期労働対策部長、松本需給調整事業課長
手倉森派遣・請負労働企画官、戸ヶ崎主任需給調整事業指導官、小川需給調整事業課長補佐

○議題

雇用仲介事業等の在り方について(公開)

○議事

 

○鎌田部会長 それでは定刻となりましたので、ただいまから、第 249 回労働力需給制度部会を開催いたします。本日は、お手元の次第にある議題、雇用仲介事業等の在り方について公開で審議いたします。それでは議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。御協力よろしくお願いします。

 それでは本日の議事に移ります。前回の需給制度部会までに、皆様から頂いた御意見を踏まえ、私と事務局で相談しまして報告書案を作成しました。報告書案について事務局から御説明をいただき、その後、皆さんから御意見を頂戴したいと思います。それでは事務局から説明をお願いします。

○小川補佐 事務局です。資料1「職業紹介等に関する制度の改正について(報告書案)」を御覧ください。読み上げさせていただきます。

第1 基本的考え方

1 社会経済の変化に伴い、職業紹介事業や募集情報等提供事業等、求職者や求人者が利用する事業の多様化が進む中、求職者等が不利益を被るなどの不適切な事案に対して的確に対応していくことはもとより、求職と求人のより適切かつ円滑なマッチングを進めていくことも求められている。

 

2 労働市場において労働力の需給調整に関わる事業については、その役割に応じて、適格性が確保され、責任が果たされる必要がある。このため、まずは、求職者保護を基本としつつ、求職者が各々の能力に適合した職業に就くことができるよう、これらの事業の適正な運営を確保するための取組を強化していくことが喫緊の課題である。また、求職者及び求人者の利便性を向上させる必要もある。

 

3 こうした考え方に基づき、職業紹介事業等の機能強化や求人・募集情報の適正化等に向けて、職業紹介等に関する制度の改正を行い、次のような具体的措置を講ずることが必要である。

なお、その他の論点についても、今後、必要に応じて検討を進めていくことが適当である。

 

 

第2 具体的措置

1 職業紹介事業

 (1)欠格事由

    労働者派遣事業の許可に係る欠格事由と同様に、職業紹介事業の許可に係る欠格事由について、労働・社会保険関係法令違反で罰金刑に処された者、職業紹介事業の許可を取り消された者の役員であった者、職業紹介事業の許可取消しに係る処分逃れをした者及び暴力団員等を追加することが適当である。

 

 (2)職業紹介責任者

ア 職業紹介事業者が選任する職業紹介責任者について、他の従業員に対する職業紹介の適正な遂行に必要な教育(労働関係法令等)も行わせることが適当である。

   イ 職業紹介責任者講習について、次の措置を講ずることが適当である。

・ 新規受講者のみ必修となっている課目を、受講者全員に必修とすること。

・ 講習内容に、労働関係法令等の改正の動向、他の従業員に対する教育方法等を追加すること。

・ 理解度の確認のための試験を実施するとともに、当該試験に合格することを講習修了の要件とすること。

ウ 職業紹介責任者について、定期的に労働関係法令等の改正に関する情報を把握できるよう、「厚労省人事労務マガジン」(メールマガジン)に登録しなければならないこととすることが適当である。

エ 職業紹介責任者の要件及び職業紹介責任者講習の基準について、法令等に規定することが適当である。

 

(3)求人及び求職の申込みの受理

ア 公共職業安定所、職業紹介事業者等が求人の申込みを受理しないことができる場合として、次の場合を追加することが適当である。

➀ 求人者が労働関係法令違反で処分・公表等の措置が講じられた場合(参考:若者雇用促進法関係法令)

➁ 求人者が、暴力団員、役員に暴力団員がいる法人、暴力団員がその事業活動を支配する者等に該当する場合

➂ 求人者が、正当な理由なくイの求めに応じない場合

イ 公共職業安定所、職業紹介事業者等は、求人の申込みがア➀又は➁に該当するかどうか確認するため、求人者に報告又は資料の提出を求めることができるものとするとともに、求人者は、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならないものとすることが適当である。

ウ 取扱職種の範囲等の届出等により取扱職種の範囲等を限定することを認める事項の例示として、賃金を追加することが適当である。

 

(4)職業紹介事業者に関する情報提供

ア 求職者、求人者等による適切な職業紹介事業者の選択に資するよう、職業紹介事業者は、業務に係る実績(職業紹介により就職した者の数及び就職した者(期間の定めのない労働契約を締結した者に限る。)のうち6か月以内に離職した者(解雇により離職した者を除く。)の数又はこれと同等と認められる数)及び手数料に関する事項について、インターネットにより情報提供しなければならないものとすることが適当である。あわせて、6か月以内に離職した者に該当する場合は、その旨を求人求職管理簿に記載しなければならないものとすることが適当である。

なお、これらの業務に係る実績と併せて、求職者、求人者等が職業紹介事業者等を選択する際に参考となる情報(職種ごと、地域ごと等の就職の状況、離職の理由等)も提供することが望ましいものとすることが適当である。

イ 公共職業安定所は、職業紹介事業者等と連携して求職と求人のより適切かつ円滑なマッチングを進めていく観点から、求職者又は求人者が必要とする場合、情報提供を希望する職業紹介事業者等に関する情報を提供するものとすることが適当である。

 

(5)職業紹介事業者間の業務提携等

ア 職業紹介事業者間の業務提携について、現行の取扱い(提携先の職業紹介事業者(以下「提携先」という。)に求職又は求人(以下「求職等」という。)を提供しようとする場合、求職者又は求人者に対して、提携先に関する情報を提示した上で、提携先への求職等の提供について同意を得る必要)を前提に、職業紹介事業者と複数の職業紹介事業者との間の業務提携が可能である旨を明確化することが適当である。あわせて、職業紹介事業者間の業務提携について、次のとおり取り扱うことが適当である。

(ア)労働条件等の明示義務については、原則として、求職の申込みを求職者から直接受理した職業紹介事業者が履行すべきものとすること。また、求人求職管理簿への記載(職業紹介の取扱状況及び1(4)アの離職の状況に関する事項)及び職業紹介事業報告(就職件数及び手数料収入)に関する義務については、業務提携を行う職業紹介事業者の間で取り決めた一者が負うこととすること。

(イ)複数の職業紹介事業者を提携先とする場合、求職者又は求人者が提携先ごとに同意又は不同意の意思を示すことができるような方法とすることを前提に、一度にまとめて求職者又は求人者の同意を求めることを可能とすること。

なお、当面、一度にまとめて求職者の同意を求めることができる提携先の数を 10 としつつ、施行状況を注視することが適当であること。

(ウ)求職者又は求人者の同意を求める際に提示する提携先に関する情報について、次の措置を講ずること。

➀ 提示が必要な事項として、1(4)アの業務に係る実績を追加すること。

➁ 必要に応じて職業紹介事業の実施地域、就職件数の多い職種、年齢、賃金及び雇用形態等を提示することとすること。

(エ)業務提携を行う全ての職業紹介事業者は、個人情報の適正な管理(正確かつ最新のものに保つための措置、紛失、破壊及び改ざんを防止するための措置等)について、より一層、的確に対応しなければならないものとすることが適当である。

イ 職業紹介事業者と職業紹介事業者以外の者との間で業務提携を行うことが可能な業務(職業紹介に当たらない業務)を明らかにする観点から、職業紹介事業者以外の者から職業紹介事業者に対し、求人申込みの意向を持つ求人者がある旨の情報提供を行うことは差し支えない旨を明確化することが適当である。

 

(6)就職した労働者の早期離職等への対応

就職した労働者の早期離職や当該労働者を紹介した職業紹介事業者による再度の職業紹介等への対応として、次の内容を職業安定法に基づく指針に規定することが適当である。

➀ 職業紹介事業者は、その紹介で就職した者(期間の定めのない労働契約を締結した者に限る。)について、2年間、転職の勧奨を行ってはならないこと。

➁ 職業紹介事業者は、その紹介で就職した労働者が早期に自ら退職した場合その他特段の事情がある場合に手数料の一部を求人者に返戻する制度、在職期間に応じて分割して手数料を徴収する制度等(返戻金制度等)を設けることが望ましいこと。

➂ 職業紹介事業者が求人者に明示する手数料に関する事項に返戻金制度等が含まれること及び求職者に明示する手数料に関する事項に求人者から徴収する手数料が含まれることを明確化すること。

➃ 職業紹介後の苦情処理に係る体制の整備(相談窓口の明確化等)等を行うこと。

 

(7)求人者に対する指導

求人者を、職業安定法に基づく指針、指導及び助言、申告、報告徴収及び検査、勧告及び公表の対象とすることが適当である。

 

(8)その他

ア 職業紹介事業の許可基準のうち事業所に関する要件について、現行の面積要件(おおむね 20 平方メートル以上)に代えて、求職者及び求人者のプライバシーを保護するための次に掲げるいずれかの措置を講ずることとすることが適当である。

なお、当分の間、現行の面積要件を満たす場合は、この限りではないこととすることが適当である。

(ア)職業紹介の適正な実施に必要な構造・設備(個室の設置、パーティション等での区分)を有すること。

(イ)他の求職者又は求人者と同室にならずに対面の職業紹介を行うことができるような措置(予約制、貸部屋の確保等)を講ずること。この場合、当該運営と異なる運営を行ってはならない旨の許可条件を付すこと。

イ 事業所外での事業実施について、職業紹介責任者が当該事業所外にいる場合又は当該事業所外に速やかに到着できる場合であり、かつ、プライバシー保護や個人情報保護の措置が実施される場合は、これを可能とすることが適当である。

ウ 職業紹介事業と労働者派遣事業を兼業する場合の個人情報等の管理について、現行制度(職業紹介に関する情報(求職者に係る個人情報、求人者に係る情報)の労働者派遣での使用禁止又は労働者派遣に関する情報(派遣労働者に係る個人情報、派遣先に係る情報)の職業紹介での使用禁止)は維持しつつ、別個の管理は要しないこととすることが適当である。

エ 特別の法人が無料職業紹介事業を行う際の届出について、役員の住民票の写し及び履歴書の添付を廃止することが適当である。

 

2 募集情報等提供事業

(1)募集情報等提供と職業紹介との区分基準

募集情報等提供事業(※)について、現在、局長通達で示している、民間企業が行うインターネットによる募集情報等提供と職業紹介との区分に関する基準の内容のうち、基本的な考え方を職業安定法に基づく指針に規定することが適当である。

    また、募集情報等提供事業の形態が多様化する中、当該指針に基づく判断の参考となるよう、例示を追加することが適当である。

※ 次の行為(募集情報等提供)を業として行うこと(反復継続の意思をもって行うこと)をいう。

・ 労働者の募集を行う者の依頼を受けて、当該募集に関する情報を、労働者となろうとする者に提供すること

・ 労働者となろうとする者の依頼を受けて、当該者に関する情報を、労働者の募集を行う者に提供すること

 

(2)募集情報等提供事業を行う者に係る規定の整備

ア 募集情報等提供事業を行う者及び労働者の募集を行う者は、業務運営に当たって、労働者の適切な職業選択に資するよう、必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとすることが適当である。

イ 労働者の募集を行う者は、情報が的確に表示されるよう、募集情報等提供事業を行う者の協力を得て、必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとすることが適当である。

ウ ア及びイの具体的な内容を定めるため、職業安定法に基づく指針の根拠規定を整備することが適当である。

エ アからウまでの施行に関して必要があると認めるとき、募集情報等提供事業を行う者に対し、指導及び助言並びに報告徴収を行うことができることとすることが適当である。

 

(3)募集情報等提供事業を行う者に係る指針

募集情報等提供事業を行う者が講ずべき具体的な措置として、次の内容を職業安定法に基づく指針に規定することが適当である。

ア 業務運営に関する事項

➀ 労働者となろうとする者、労働者の募集を行う者等からの苦情処理に係る体制の整備(相談窓口の明確化等)等を行うこと。

➁ 労働者となろうとする者の個人情報の適正な管理等を行うこと。

➂ 業務上知り得た人の秘密を守ること、個人情報や法人である雇用主に関する情報を他人に知らせないこと。

➃ 募集に応じた労働者から報酬を受領しないこと。

➄ 労働争議に介入しないこと。

イ 提供する募集情報の適正化に関する事項

➀ 提供する募集情報が、次に該当する旨を認識した場合は、労働者の募集を行う者に変更を依頼すること。また、労働者の募集を行う者が依頼に応じない場合は、当該募集情報を提供しないなど適切に対応すること。

・ 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的の募集情報

・ 労働条件等が法令に違反している募集情報

・ 実際の労働条件と相違する内容を含む募集情報

➁ ➀に掲げる募集情報に該当するおそれを認識した場合は、労働者の募集を行う者に対し、➀に該当しないかどうか確認すること。

➂ 労働者の募集を行う者の了解を得ることなく募集情報を改変してはならないこと。

 

(4)その他

募集情報について、より幅広い項目が示されるよう、業界団体等の自主的な取組を促進することが適当である。

 

3 委託募集

(1)委託募集の許可制等

労働者の募集を委託する者に係る許可制(報酬の認可制を含む。)及び届出制並びに被用者又は募集受託者への報酬供与の禁止の在り方について、現行制度の運用状況をみつつ、引き続き検討することが適当である。

あわせて、合同募集や採用業務等の委託に関して、委託募集や職業紹介に係る制度に則して適正に対応することが適当である。

 

 (2)募集受託者による労働条件等の明示

ア 募集受託者は、労働条件等の明示に当たっては、その的確な表示に努めなければならないものとすることが適当である。

イ 募集受託者の労働条件等の明示義務に係る明示事項に、募集委託者の氏名又は名称を追加することが適当である。

 

4 労働者供給事業

(1)労働者供給事業者に対する指導

労働者供給事業について、事業運営に関して継続的に確認すべき事項として、次の内容を職業安定法に基づく指針に規定することが適当である。また、当該指針について、指導監督による履行確保を図りつつ、その施行状況を注視することが適当である。

➀ 労働者を供給するに当たって、人種、宗教、性別、門地又は身分を理由とする差別的な取扱いをしてはならないこと。

➁ 労働者供給事業により供給される労働者でなくなる自由が、労働者に保障されていること。

➂ 労働組合法第5条第2項各号に掲げる規定を含む組合規約が定められ、これが遵守されている等、民主的な方法により運営されているものであること。

➃ 労働者供給が無料で行われていること。

➄ 労働者供給事業により供給される労働者から徴収する組合費が過度に高額でないこと。

➅ 労働者供給事業を行う者又は労働者供給を受けようとする者が、労働者を労働・社会保険に適正に加入させているものであること。

 

(2)労働者供給を受けようとする者に対する指導

労働者供給を受けようとする者を、職業安定法に基づく指針、指導及び助言、申告、報告徴収及び検査、勧告及び公表の対象とすることが適当である。

 

5 労働条件等の明示、指導監督等

(1)労働条件等の明示

ア 求人者、労働者の募集を行う者及び労働者供給を受けようとする者は、労働契約の締結に際して提示しようとする労働条件等(職業安定法第5条の3第3項の書面等による明示が必要な事項に限る。)が、次の場合に該当するときは、その旨を、当該労働契約の相手方となろうとする者が認識できるよう書面等で明示しなければならないものとすることが適当である。

➀ 職業安定法第5条の3第1項の規定による当初の明示(以下「当初の明示」という。)において明示していなかった労働条件等を新たに提示しようとする場合

➁ 当初の明示において一定の範囲をもって明示した労働条件等を特定して提示しようとする場合

➂ 当初の明示において明示した労働条件等と異なる内容の労働条件等を提示しようとする場合

イ 労働条件等の明示義務に係る明示事項について、次の措置を講ずることが適当である。

(ア)次の内容を明確化すること。

➀ 若者雇用促進法に基づく指針と同様に、固定残業代に係る計算方法、固定残業代を除外した基本給の額等を明示しなければならないこと。

➁ 期間の定めのある労働契約を締結しようとする場合は、当該契約が試用期間の性質を有するものであっても、試用期間満了後に締結する労働契約に係る労働条件ではなく、当該期間の定めのある労働契約に係る労働条件を明示しなければならないこと。

(イ)次の内容を追加すること。

➀ 試用期間に関して、次の内容

・ 試用期間の有無、試用期間があるときはその期間

・ 試用期間中と試用期間満了後の労働条件が異なるときはそれぞれの労働条件

➁ 労働契約を締結する求人者又は労働者の募集を行う者の氏名又は名称[一部再掲]

➂ 派遣労働者として雇い入れようとする場合は、その旨

 

 (2)指導監督

ア 職業紹介事業者、労働者供給事業者等について、法令に違反する行為があった場合には、厳正に行政処分等を行うことが適当である。

イ 求人者及び労働者供給を受けようとする者を、職業安定法に基づく指針、指導及び助言、申告、報告徴収及び検査の対象とすることが適当である。[再掲]

ウ 求人者及び労働者供給を受けようとする者について、次に該当する場合、厚生労働大臣は、必要な措置を勧告することができることとするとともに、当該勧告に従わなかった場合はその旨公表することができることとすることが適当である。[再掲]

➀ 労働条件等の明示義務違反

➁ 5(1)アに係る明示義務違反

➂ 1(3)イに係る公共職業安定所、職業紹介事業者等の求めに応ずる義務違反

➃ ➀から➂までの違反に対し指導又は助言を受けたにもかかわらず、なお違反のおそれがあると認める場合

 

(3)罰則

虚偽の条件を呈示して、公共職業安定所、職業紹介事業者等に求人の申込みを行った者について、罰則の対象とすることが適当である。

 

6 関係法制度の必要な整備

このほか、関係法制度について、必要な検討・整備がなされることが適当である。

以上です。

○鎌田部会長 ただいま説明していただいた報告書案について、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。秋山委員どうぞ。

○秋山委員 報告書案の2ページの(4)職業紹介事業者に関する情報提供について、職業紹介事業者は業務に係る実績を情報提供するために、紹介により就職した者のうち、 6 か月以内の離職者について、求人求職管理簿に記載しなければならないとされている点についてですが、各地の商工会議所では、地域活性化の観点から、無料職業紹介を実施しているところが一部あります。今回ヒアリングをしたところ、現在実施している無料職業紹介では、求人と就職のマッチングは行っておりますが、その後の定着状況までは把握していません。この改正案のとおりに施行されると、事務的負担が増すことになります。もちろん良質なマッチングを推進する意味では改正内容に異論はありませんけれども、過度の事務負担にならないように運営していただければと思います。

○鎌田部会長 今のは御意見ということでよろしいでしょうか。

○秋山委員 はい。

○鎌田部会長 これについて、事務局のほうでコメントはありますか。

○松本課長 御意見は受け止めました。いろいろな工夫をしてまいりたいと思います。

○鎌田部会長 その他にありますか。村上委員どうぞ。

○村上委員 今の所で質問です。6か月以内に離職した者の数又はこれと同等と認められる数の「同等と認められる数」というのは何を指しているのでしょうか。

○松本課長 4ページの真ん中辺りの(6)の➁に手数料の返戻金制度等の記述があります。この返戻金制度等に基づいて、この返戻をした数が、同等と認められる数という案にしてあります。

○鎌田部会長 よろしいですか。

○村上委員 はい。

○鎌田部会長 他にはありますか。高橋委員どうぞ。

○高橋委員 7ページの一番下の5の(1)労働条件等の明示の所です。8ページに渡ってきて、この規定というのは、まずこの措置を誰が講ずるのかという単純な質問をします。

○鎌田部会長 事務局どうぞ。

○松本課長 7ページの下から2行目ですけれども、一言で申し上げれば、人を雇おうとする使用者が義務を負うという案です。

○高橋委員 そうすると、これはまさに労働契約の締結の段階ということでよろしいかどうかを確認します。

○松本課長 原則としてそのとおりです。

○高橋委員 そうなると、そもそも労働契約の締結の段階というのは、厚生労働省の方に言うのもおこがましいのですけれども、労働基準法第 15 条で、労働条件の明示というものが定められています。確かに求人段階の情報と、実際に労働契約を締結する段階で、異なる労働条件が締結されることはよくあることなのです。実際に締結段階で使用者は、労働者に明示的に労働条件を明示するので、なぜこのような規定をわざわざ置かなければならないのかということに疑義があります。

 それから、8ページの3行目に、「認識できるよう書面等で明示しなければならない」というように、「認識できるよう」という修飾語がかかっています。なぜ、この「認識できるよう書面等で」となっているのか。この辺も不思議な規定です。相手方となろうとする者が書面等で明示しなければならないとするとなれば、普通の書きぶりですが、わざわざ「認識できるよう」という文字を入れている意味を含めて、どうしてこのような規定をわざわざ基準法の規定がありながら追加しようとするのかをお尋ねします。

○鎌田部会長 2点の質問がありましたのでお願いします。

○松本課長 これまでの議論を踏まえて、この事務局案にしているわけです。「認識できるよう」の所から先に申し上げます。単に基準法第 15 条の明示を履行しただけでは足りなくて、どこが違っているというのが分かるように表示してくださいという意味で、このような表現にしております。法令の書きぶりは別途技術的な変更はあり得ます。これを具体的に申し上げると、➀から➂に該当する部分についてアンダーラインを引くとか着色するとか、ここが該当することが分かるように明示していただきたいという意味です。

 なぜそれをする必要があるのかという点については、これまた基準法第 15 条はこれまでもずっと義務で、多くは履行されていると承知しています。一方で労働者又は求職者にとって、言わば双方に勘違いや思い込みが発生しないように、その当初の広告どおりと思い込んでいる又はそのはずであったといったことが生じないように、当初の広告、説明と違っているということを明示するという意味です。

○高橋委員 やはり労働者も、実際に労働契約締結の段階で示される内容が、自分が働く労働条件であるということはいろはのいですから、どうしてこのようなことを入れなければならないのか。第 15 条では足りないというのは、何をもって足りないというのかが全く私は理解できません。もし、このような規定をどうしても置くという場合でも、事業主にそれを課せばよいという話ではなく、行政としてもしっかりと、労働者に対する周知を行うとともに、できれば労働組合の皆さんが積極的に、何が一番自分の労働条件として大切なところなのか。求人段階ではなくて、正に労働契約を締結する段階の情報が一番大切なのだということを、これは労使双方で、労働者に周知していく。官民挙げて取り組んでいくものではないかと思います。

○鎌田部会長 石黒委員どうぞ。

○石黒委員 労働契約なので、おっしゃるとおり双方の確認のもと契約をするのであって、高橋委員のおっしゃることは、筋論としてはそうなのです。ただ残念ながら、現状としては労働契約を交わす際にきちんと労働条件等の確認をされていない現状があります。募集段階で提示された幅のある労働条件が最終的にこう変わったといったことについて、きちんと確認をされていないケースがあると思います。後でそれが分かっても労働者としてはどうすることもできず、いろいろな問題が起こっているのは事実です。もちろん労働組合としても、労働条件等をきちんと確認して労働契約を結ぶよう労働者に周知していくことが大事です。

 入社した後に初めてこうだった、初めて賃金が払われてこうだったみたいなことが現実にあるのは事実です。それが入社した後に分かったというのではなくて、入社する前に分かればもっと違う対応をしたと考えられます。そうしたことがないような形にしていくことが大事なのではないかと思います。

 現状を踏まえて、労働者が自分の労働条件が早い段階で分かるようなものにするべきではないかと労側としては思っています。

○鎌田部会長 事務局どうぞ。

○松本課長 高橋委員の御意見の中で、労使双方又は行政も挙げて、契約の当事者にとって何を気を付けなければならないか、どういう点に注意すべきかという点についても、認識の向上に取り組むべきという部分について、私どもとしてもできる限りその御意見のとおりに取り組んでまいりたいと思います。

○鎌田部会長 この点について他にありますか。村上委員どうぞ。

○村上委員 若者法の議論をするときにもこの議論をしております。そのときにもハローワークの求人票であるとか、紹介状に労働契約はちゃんと確認しようということを恐らく書き込んでいただいたかと思っています。そういうことも含めて徹底していくことが重要ではないかと思います。基準法にも労働条件明示の規定は確かにあって、しっかりと労働条件明示をしている企業が多くあるという認識はありますけども、必ずしもそれが徹底されていない状況も一部で見られています。そのことによって、先ほど石黒委員もお話をしていましたけれども、トラブルが起きていることもありますので、それをどうやって防いでいくか。求人段階で、できるだけ実際の労働条件に近いものを提示していただくことが大事だと思っており、そのような改善の方向に向けた施策の1つであると考えております。

○鎌田部会長 高橋委員、今までの議論の経緯の中で、今、労働側がおっしゃったようなニーズを踏まえて、基本的には求職者ができるだけ誤解がないように、より丁寧な労働条件明示を心掛けようということで、こういう規定を設けたということです。

○高橋委員 私の素朴な疑問は、なぜ労働基準法のほうで措置を講じないのかということなのです。もしそういう必要があるならばです。

○松本課長 今回義務付ける➀➁➂のケースは、募集の時点で明示した、ここで言う当初の明示との違いについて明示するように義務付ける内容です。労働基準法は、労働契約締結に至った後、労働者と使用者との関係に至った後の最低基準を、罰則をもって規律する法令です。求人での、当初の明示と労働契約締結の際というのは、言わばこれは職業安定法の範疇ではなかろうかと思われて、このような御提案になっています。

○鈴木部長 労働基準法との関係だと、この部会でも何度か議論がありました。最初の求人の条件の提示で、実際に契約が締結する、その間に最初の基準の提示がいろいろと幅があるような中身が提示されることがあります。それから、いろいろな職業紹介であるとか、募集の過程でいろいろ交渉が行われて条件が変わっていくことがあって、最後の最後に労働契約が締結されるときに、労働基準法の明示義務が生ずる。

 その段階では、確かにそこまでに求職者もしっかり確認してやればいいというのは、契約の対等の原則からすればそうなのですけれども、実際問題として、企業の採用担当の方とは異なって、就職というのは何回もやるわけでもありませんから、どうしても勘違いとか、双方悪意がなくても、いろいろ認識に差があって、先ほど労側委員がおっしゃったように、これは悪意だけではなくて、入ったときに「あれっ」ということもある。

 そうなると、例えば転職の場合などだと、前の職を辞めてこっちに来たというときに、実際に契約の段階で「えっ」ということがあると、それだったら前の所は辞めなかったのにということもありますので、非常に問題が大きくなる。それであれば、いろいろ交渉した過程で、それではこれでいきましょうということは、最後は契約よりも前の段階で一旦確認し合ってやったほうが、労使双方にとってもいいのではないかということで、契約段階で言うと基準法とは別途こういう形のものを設けるのが意義があるのではないか。これが多分今回の部会、その前の研究会での議論の流れだったと思います。そういう趣旨で、基準法とは別途その前段階でやることに意義があるのかと、事務局としては考えてこの案を作っている次第です。

○高橋委員 実際は労働条件通知書でハイライトしたり、下線を引いたり、そういうことを求めているのですよね。

○松本課長 そのとおりです。

○高橋委員 それは、基準法の世界ではないのですか。

○松本課長 そのとおりですと言ったのは、そのような取扱いでも差し支えないですし、最初の条件はこうだったけれども、最終的に締結しようとする条件はこうだと、別途新旧対照方式で、紙で提示するほうがストレートな義務の履行だと存じます。繰り返しますが、基準法第 15 条の条件明示にアンダーラインを引くようなことであっても構わないということかと存じます。

○鎌田部会長 この規定は、基準法第 15 条と完全にかぶっているわけではないと思うのです。当初の条件イメージと、基準法上の条件イメージの範囲と完全に一致しているわけではないと私は理解しているのです。一致しているか、一致していないかというのは、第 15 条の解釈の仕方によって多少違ってくるかもしれませんけれども、私としてはそのように思っています。ただ問題は、求職者にとって、どれだけ今皆さんがおっしゃったような様々な誤解というか、従来考えていたものとの齟齬ということがないようにするための仕組みをここでどう作っていこうかというのがポイントの議論だろうと思っています。基準法第 15 条との関係で言えば、今言いましたように第 15 条の範囲、その第 15 条の明示もどういう明示が具体的に実務においてなされているかを議論しなければいけませんので、この部会としてはそこまで入って議論することはできないと思います。今言ったような、基本的に立法事実というか、ここでは何をすればいいのか。より求人・求職者にとって、何がよりスムーズな採用になるのかという観点でこの規定の意味を考えていただければと思います。高橋委員、そういうことでよろしいですか。

○高橋委員 私自身は納得していませんけれども。

○鎌田部会長 それ以外のことで何かありませんか。もう1つ行政で労働側とこの問題についての対処というのは、先ほど課長がおっしゃったようなことで、行政としても取り組んでいただきたいということでお願いします。村上委員どうぞ。

○村上委員 質問です。3ページの上から3行目の(イ)の部分です。ハローワークが「求職者又は求人者が必要とする場合、情報提供を希望する職業紹介事業者等に関する情報を提供するものとすることが適当である」とあります。1点目は、情報提供を希望する職業紹介事業者等は全て対象にするのかということです。2点目は、「情報を提供するものとする」とありますけれども、具体的にはどのようなことを想定しているのかをお伺いします。

○松本課長 希望のあった職業紹介事業者全てということは想定しておりません。求人企業又は求職者が、求めているニーズに応えることができる可能性のある事業者を、必要に応じて提供するということだと考えております。提供する情報とは具体的に何かですけれども、それは事業者のリーフレットであったり、又は直前の(4)のアにあるような、その事業者の実績といったデータ、又はそういうデータの在りかを提示するようなことを想定しています。

○村上委員 求職者・求人者が必要とするようなものに合致した事業者の情報ということだったのですが、例えば安定法に違反した事業者や、個人情報保護が徹底されていないというような問題がある事業者についても情報提供していってよいのかということは疑問があります。その辺りは厳格に運用していただきたいということです。あとは現場で混乱しないようにしていただきたいと考えております。

○松本課長 御意見を受け止めて、適切に運用するよう注意したいと思います。

○鎌田部会長 それ以外にありますか。村上委員どうぞ。

○村上委員 細かな点で申し訳ないのですが、6ページの(3)の募集情報等提供事業を行う者に係る指針の中で、アの➃では、「募集に応じた労働者から報酬を受領しないこと」とあります。募集に応じた労働者だけではなくて、まだ労働者になっておらず、労働者となろうとする者からも、もちろん報酬は受領しないということかと思っているのですが、そこを確認させていただきます。

○鎌田部会長 事務局いかがですか。

○松本課長 ここの規定は、厳密にはそういう趣旨です。「その募集に応じた」というところで料金を課さないということだと承知しています。募集に応じたけれども、採用されなかったというのが抜けているのではないかという御指摘なのだと思うのですが、その点は一旦精査させていただきますが、基本的には対象なのだと思います。

○村上委員 伺いたかったのは、5ページで募集情報等提供事業について、職業紹介との区分基準として、※で、次の行為を業として行うことが募集情報等提供事業であると記載されていて、2つ目のポツには、労働者となろうとする者の依頼を受けて、個人の情報を労働者を募集する者に提供するとあります。この「労働者となろうとする者の依頼を受けて提供する」というところで報酬を受領してはいけないのではないかと思っているのです。そこを入れておかないと、労働者の情報を企業に提供することで、報酬を受領してもよいというようになるのではないかと思って、確認の意味でお伺いしました。

○鎌田部会長 ワーディングについては、再度御検討いただくということで。

○松本課長 はい、そのようにいたします。一旦引き取らせていただきます。1つ目と2つ目の場面で言えば、先ほどの報酬を受領しないこととして想定しているのは、2つ目ではなくて、1つ目のポツの場合に利いてくるものだと承知しています。労働者となろうとする者に情報提供すること自体は有料であることは妨げられません。ですけれども、募集に実際に応じたことをもって課金することはいけませんというルールです。

○鈴木部長 村上委員のおっしゃるのは、要するに募集情報にアクセスするときにお金を取ってはならないという趣旨かと思うのです。そうすると、有料の広告誌が成り立たなくなります。有料の求人情報誌を売った段階で報酬を得てしまうことになります。例えば、有料紹介の場合に、求職者の登録手数料と、紹介手数料と2つあります。これは、両方とも基本的には求職者から取っては駄目なのですけれども、一部省令で除外されています。私は労働者になろうとする者です、だから情報をくださいと言ったときにお金を取るというのと、実際にその情報を得て就職するときと、多分2つの場面で報酬が発生する余地があると思うのです。ここで言っているのは後者のほうで、その情報を得て就職が成功したのでその成功報酬という形かと思います。

 ただし、全体として私は労働者になろうとする者です。だから情報をくださいと言ったときの報酬と言うかどうかは別として、金銭の受領を禁止すると、有料の情報誌が成り立たなくなってしまうので、そこで「なろうとする者」という表現にはなっていないのです。

○村上委員 分かりました。説明は分かったのですが、5ページの2つ目のポツからすると、転職をしようと思っている者が、自分の情報を企業に提供することで報酬を受領してもいいのですか。そこでは報酬を受領しても構わないということなのですか。そこは構わないとなってしまうとちょっと不適切ではないかと思ったので、確認させていただきたいと思います。

○鈴木部長 そこは細かく分けていかないと駄目だと思います。精査して、法案段階ではまた御相談させていただきます。

○鎌田部会長 その他に御意見、御質問はありますか。松浦委員どうぞ。

○松浦委員 業務提携の所で確認です。3ページの(5)の(ア)の所で、労働条件等の明示部分については、「原則として、求職の申込みを直接求職者から受理した事業者が履行すべき」というのは明確でわかりやすいと思います。その後のいろいろなことについては取り決めて、その中の1つの事業者が負うことになっているかと思います。気になったのは、新しく追加されている、例えば4ページの(6)の➀で、「職業紹介事業者は、その紹介で就職した者について、2年間転職の勧奨を行ってはならないこと」というのがあります。これが、まさに職業紹介を行った事業者に該当するのかどうかという辺りが、業務提携のときにどうなるのかというのが、どういう形で整理すればいいのかということを、ここに書く必要はないのかもしれないのですけれども、どこかの段階で御検討いただければと思います。意見です。

○鎌田部会長 今の点について事務局からコメントはありますか。

○松本課長 これは端的に言えば、紹介をした者ですので、提携の場合でもどちらがあっせんしたのかということで、基本的には一意に決まることなのだと思います。ここに「1社が負う」と書いてありますけれども、2つの情報をもとにどちらがこれを結合させたのかというところが、多分この報告の件数をカウントするということですので、そこは基本的に一致するはずだと思っております。

○鎌田部会長 よろしいですか。

○松浦委員 はい、ありがとうございました。

○鎌田部会長 高橋委員どうぞ。

○高橋委員 4ページから5ページにかけてです。4ページの(8)の「その他」のアの所です。許可要件に関わる規定が書かれています。5ページのイの読み方を教えてください。アが、新しい許可要件となるものですよね。従来我々が審査している「おおむね 20 平方メートル以上」というものに代わる許可要件として、(ア)(イ)といった措置を講じられていることが許可要件の1つとなるということだと思います。8ページのイの所、つまり事業所外での事業実施は、許可を受けた事業者が事業所外で事業を実施する場合のことを書いているのですよね。その際に、事業所外での事業実施については、許可を受けている事業所であれば、プライバシー保護とか、個人情報保護の措置が実施されるように努めてくださいということを求めているのか、あるいは事業所外での実施に当たってはかくかくしかじかのことを必ず履行していただかなければいけませんといったような規定をするつもりなのか、イの読み方がよく分からないのです。

○鎌田部会長 事務局どうぞ。

○松本課長 これまでだと、事業所外についてはやってはいけないという整理でした。今回は、紹介責任者がどこにいるかという話と、それから当該事業所外でプライバシー保護に欠けることがないといった条件が満たされれば、事業所外でやってもいいことにしましょうという提案です。つまり、これは努めるということではなくて、こういった事業所外でこういう環境が満たされるのであればそこでやってもいいという意味です。

○高橋委員 即ち事業者の判断でやっていいということですね。事業者の判断として、これはプライバシーが保護されている、あるいは個人情報の保護の措置を講じていると事業主が判断すれば行えるという規定なのかどうかということを私は知りたいのです。

○松本課長 それが客観的にプライバシー保護の措置が講じられているかということかと存じます。

○高橋委員 それは、いずれ何か明示していくのですか。

○松本課長 これはアと同様で、 20 平方メートル以上あるか、又は事業所外というのは、例えば求人企業に求人を取りに行くということ、求職を予定している人の所に取りに行くということかと思いますけれども、そういう場合にちゃんと個室になっているか、(ア)のようなことになっているか、又は1人ずつお話を聞くという(イ)のようなことになっているかというような、アのどれかを満たしているということが求められています。

○高橋委員 事業所外での事業実施では、上記アが満たされていることが必要だという趣旨なのですね。

○松本課長 当該事業所の場合においてです。

○高橋委員 それだったら、そういう旨をこのペーパーで表記する必要はないとしても、それが明らかになるように事業主に示していく必要があるかと思います。

○鎌田部会長 その他にありますか。よろしいですか。ただいま皆さんからいろいろと御意見又は御質問を頂きました。文言調整の所については、まだ若干の検討は残しますけれども。高橋委員から労働条件明示等の所で、労働基準法第 15 条の関係で御意見を頂きました。本件は職安法第5条に関わる労働条件明示ということで、労働基準法第 15 条は、明示をする義務ということを課して、その義務を果たすかどうかという観点から制定された条項であると思います。それに対してここでは、それがどこまで重なっているのか分かりませんが、いずれにせよ当初の労働条件と、それからその後の変更等についての誤解がないようにするための、そういった一連のこの求人における過程においてミスマッチがないようにするために、求職者目線からこういう規定を設けた趣旨であると考えております。その趣旨は労働基準法第 15 条とは必ずしも一致しないと思っておりますので、私としては、原案のとおりこういう形での規定を設けるという方向で進めたいと思っております。そのことで皆さんいかがでしょうか。

(異議なし)

○鎌田部会長 それではそのようなことで、この内容の趣旨については原案のとおりということで、若干の様々の御意見、御質問については、なお私と事務局のほうで最終的な文言調整等をしたいと思います。これをもって本部会の報告書を作成し、後日開催される職業安定分科会に報告するということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

○鎌田部会長 ありがとうございました。そのようにさせていただきます。ここで、生田職業安定局長より御発言があります。

○生田局長 一言御礼の御挨拶を申し上げます。本日は職業紹介等に関する制度の改正について報告書を取りまとめていただきました。昨年3月、当部会の御了解を頂いた上で、有識者などによる「雇用仲介事業等の在り方に関する検討会」を開催して御議論を頂きました。その報告を踏まえ、本年9月から当部会において、4回にわたって精力的に御議論を頂きました。本日、報告書をまとめていただきまして本当に感謝申し上げます。ありがとうございました。

 本日頂いた御意見については、座長からもお話がありましたけれども、十分座長とも御相談をして、内容を具体化していく段階で適切にいかしていきたいと考えております。この報告書については、後日開催予定の職業安定分科会で御報告を頂き、同分科会の審議を経た上で建議を頂きましたら、厚生労働省として、その建議に基づいて法案要綱を作成し、安定分科会、それからこの部会で再度御議論いただきました上で、国会に法案を提出したいと考えております。

 厚生労働省としては、求職者、それから求人企業の方、職業紹介事業者をはじめとする関係者にとって、職業紹介などがより良いものになりますように取り組んでまいりたいと考えておりますので、今後とも皆様方からの御指導、御支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。本日は本当にありがとうございました。

○鎌田部会長 どうもありがとうございました。本日の審議はここまでとさせていただきます。議事録の署名は、石黒委員と秋山委員にお願いいたします。事務局から連絡事項はありますか。

○小川補佐 事務局です。次回の部会の日程は追って事務局から御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○鎌田部会長 それでは、以上をもちまして第 249 回労働力需給制度部会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。

 


(了)

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