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2018年1月24日 第45回社会保障審議会児童部会議事録

子ども家庭局

○日時

平成30年1月24日(水)10時00分~12時00分

 

○場所

厚生労働省省議室(9F)

○出席者

委員

秋田部会長 小國委員 大塚委員 小川委員
草間委員 久保野委員 新保委員 松田委員
松田委員  
 

事務局

吉田子ども家庭局長 山本内閣官房内閣審議官 八神大臣官房審議官
長田総務課長 唐沢保育課企画官 川鍋子育て支援課長
川鍋子育て支援課長 鈴木子育て支援課健全育成推進室長 成松家庭福祉課長
度会家庭福祉課母子家庭等自立支援室長 北澤母子保健課長 原口総務課少子化総合対策室長
宮腰家庭福祉課虐待防止対策室長 川野健康局難病対策課長  

○議 題

(1)  平成30年度に新たに追加する小児慢性特定疾病について(審議)
(2)  最近の子ども家庭行政の動向について(報告)
(3)  社会保障審議会児童部会専門委員会の議論の状況について(報告)

○配布資料

資料1 小児慢性特定疾病(平成30年度実施分)に係る検討結果について
資料2 「新しい経済政策パッケージ」の「人づくり革命」部分のポイント
資料3 平成30年度予算案(子ども家庭局)の概要等について
資料4 子ども・子育て支援法の改正法案及び児童扶養手当法の改正案の概要について
資料5 社会保障審議会児童部会専門委員会の議論の状況について
参考資料1 新しい経済政策パッケージ(平成29年12月8日閣議決定)
参考資料2 遊びのプログラム等に関する専門委員会における議論の状況等について
参考資料3 社会保障審議会関係法令
参考資料4 社会保障審議会児童部会委員名簿
   
   
 

○議 事

 

○秋田部会長 おはようございます。それでは、定刻になりましたので、ただいまより第45回「社会保障審議会児童部会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、御多用のところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 まずは委員の出欠状況等につきまして御報告をお願いいたします。
○長田総務課長 おはようございます。
 本日は、相澤委員、権丈委員、山縣委員、山野委員が所用により御欠席と伺っております。
 また、本日、委員の皆様方には事前にお伝えしておりますけれども、業務効率化の一環といたしまして、厚生労働省におきまして、現在審議会等におけますペーパーレス化の取り組みを進めさせていただいておりまして、本日は児童部会としては初めてとなりますペーパーレス化の審議会として開催をお願いしたいと思っております。
 そういったことで、本日、お手元のタブレットを操作して資料をごらんいただくことになりますので、審議会の資料はお手元にございませんけれども、お手元にお配りいたしているものといたしまして、議事次第、タブレットの操作説明書、アンケートを用意させていただいております。
 また、本日御欠席でございます山野委員からイベント案内のチラシの配付について御依頼がございましたので、あわせて配付をさせていただいております。
 お手元配付物に不足などございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
 また、お手元のタブレット操作説明書につきまして、事務局の担当者から操作等の説明をさせていただきますので、少々お時間をいただければと思います。
○事務局 それでは、事務局のほうからタブレットの操作説明書を見ながら説明させていただきます。お手元、ペーパーレス審議会等タブレット操作説明書をごらんいただければと思います。おおむね皆様には御説明をさせていただきましたけれども、ページ、資料を切りかえるときにはフォルダのマークをタップしていただければ、資料の一覧が確認できる形になってございます。ページのめくり方は、指ないしはお手元にあるペンをお使いになっていただければと思います。指を使って資料の拡大・縮小等々できますので、やっていただければと思います。
 そのほか、御不明点がございましたら、適宜事務局のほうにお申しつけいただければと思いますので、どうか今日はよろしくお願いいたします。
 あと、審議会のペーパーレス化に関するアンケートも配付させていただいてございますので、委員の皆様、終わり次第、お手数ですけれどもアンケートに御協力のほどよろしくお願いいたします。
 私のほうからは以上になります。
○秋田部会長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入りますので、カメラは退室のほうをお願いいたします。
 最初の議題としまして、「平成30年度に新たに追加する小児慢性特定疾病について」事務局から御説明をお願いいたします。
○川野難病対策課長 健康局難病対策課長の川野と申します。よろしくお願いいたします。
 資料1になります。まず資料1の11ページ、「小児慢性特定疾病の医療費助成の概要」の資料をご覧いただきたいと思います。小児慢性特定疾病にかかっている児童につきましては、健全育成の観点から医療費助成を行っています。平成27年1月に難病法が施行され、そのタイミングと合わせまして児童福祉法に基づく新たな制度になり、医療費助成の対象疾病も、資料の右下にございますが、平成26年までの514疾病から、現在は722疾病まで拡大をしてきているということでございます。
 また、27年10月からは、小児慢性特定疾病児童の対策につきまして、難病対策と一体的に取り組むということになり、それまで母子保健課で所管していましたが、今は健康局の難病対策課で担当しているということでございます。
 本日は、この医療費助成の対象となる小児慢性特定疾病に関し、疾病の追加の案につきまして御意見をお聞きするものでございます。
 それでは、資料1の1ページに戻っていただきたいと思います。資料の説明の前に、まず検討の流れについて御説明させていただきます。この医療費助成の対象となる疾病につきましては、児童福祉法第六条二の規定により、厚生労働大臣が社会保障審議会の意見を聴いて指定することとされています。これに基づき、児童部会のもとに置かれています小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会で、個々の疾病が小児慢性特定疾病の要件を満たすかどうかということにつきまして、医学的見地から検討を行うこととされています。
 平成30年度から新たに追加する小児慢性特定疾病の検討につきましては、「1.はじめに」にございますように、この専門委員会で、昨年10月18日から4回にわたり検討を行っていただき、12月27日に検討結果を取りまとめていただいています。本日の部会では、その検討結果を御報告させていただいた上で、御審議いただきたいと思います。
 この専門委員会の検討結果につきまして、本部会で御了承いただきましたら、社会保障審議会運営規則第四条に基づき、審議会会長の同意を得て、本部会の議決を社会保障審議会の議決とさせていただき、社会保障審議会の御了承を得たものとして、今後告示改正など小児慢性特定疾病の追加に係る所要の手続を進めさせていただきたいと考えています。
 それでは、具体的な説明に移らせていただきます。その前に1点、大変恐縮ですが、資料のクレジットの上の日付が「平成30年」となっています。「29年」の間違いでございます。大変申し訳ありません。
 それでは、説明に移らせていただきます。
 「2.検討の対象・方法」でございます。この度の検討では、昨年7月末時点で小児慢性特定疾病の要件に関する情報収集がなされた疾病を対象としています。具体的には、厚生労働科学研究費での研究班や関係学会で、情報を収集・整理し、小児慢性特定疾病の検討に資する情報が整理されたと判断し、提出されました疾病が36疾病ございます。これらにつきまして検討の対象としたということでございます。
 この36疾病につきまして、個々の疾病ごとに、小児慢性特定疾病の各要件、その下に※で記載している4つの要件になりますが、これを満たすかどうかの検討を行うとともに、要件を満たすと考えられる疾病につきましては、どういう状態の場合に認定するか、その状態の程度につきましてもあわせて検討を行っていただきました。
 「3.検討の結果」でございますが、36疾病のうち35疾病について、小児慢性特定疾病の各要件を満たすと判断したということでございます。
 資料の3ページ、別添1は、要件を満たすと判断することが妥当とされた疾病の一覧になります。一番上に「2.慢性腎疾患」とあり、このように大きなくくりで疾患群ごとにまとまっていますが、個々の疾病につきましては、中央の「疾病名」という欄に記載しているもので、その次のページにわたりまして34疾病あり、こちらになります。
 これらにつきましては、新規の小児慢性特定疾病として追加することが妥当と判断されたということでございまして、その右の欄「疾病の状態の程度」というのが、先ほど少し申し上げましたが、認定する際に判断する状態の程度になります。
 5ページに別添2がございます。右に「先天性大脳白質形成不全症」とあり、今回この疾病も対象にすることとしていますが、これにつきましては、類似の疾病、中央の欄に書いてある病名が既に対象になっていますので、これと統合して、より広い概念である先天性大脳白質形成不全症に名称変更するということでございます。
 先ほどの別添1の34疾病とこの1疾病を合わせた35疾病が、今回要件を満たすと判断されたということになります。残る1疾病、超低出生体重児につきましては、小児慢性特定疾病の各要件を満たすかどうか判断するに足る情報がまだ十分でないということで、現時点では該当しないとすることが妥当と判断されています。
 6ページ、別添3は、新規に追加する疾患群の資料になります。今回の新規疾病の追加に伴い、研究班や学会からの情報提供を踏まえ、現在14の疾患群がございますが、15の骨系統疾患とその下の16脈管系疾患、2つの疾患群を追加し、16疾患群とすることが妥当とされています。
 中央の欄がこの疾患群に属する疾病になり、一番右の欄が、それぞれの疾病が今回新規に追加するものか、現在別の疾患群で整理されているものかを記載しているところでございます。
 続きまして、別添4は告示の改正案ですが、ただいま御説明しました疾病追加以外の修正点になります。最近の学術的知見や学会からの要望を踏まえ、主に診療ガイドラインの変更に伴うものになりますが、修正を行うことが妥当ということでございます。
 それでは、最初の説明資料に戻っていただき、1ページから2ページにかけまして「3.検討の結果」がございますが、これにつきましては、先ほど御説明したとおりでございます。
 この度の疾病の追加につきましては、3月中に告示等の改正を行い、4月から新たに医療費助成の対象としていくことを予定しているところでございます。
 2ページの「4.今後の検討」についてですが、今回検討の対象とならなかった疾病や、検討はなされたが要件を満たしていないと判断された先ほどの超低出生体重児につきましては、今後必要に応じて難治性疾患政策研究事業等で研究を支援することとし、小児慢性特定疾病として検討を行うための要件に関する情報が得られた段階で、改めて専門委員会で議論することが適当ということでございます。
 その際には、既に小児慢性特定疾病に指定されている疾病の支給認定に係る基準等についても、医学の進歩に合わせ、必要に応じて見直しを行うことが適当ということでございます。
 最後の○でございますが、今回の検討の過程で、委員より、今後の疾病追加の検討に当たりましては、医学的な見地からより詳細な検討を行うため、ワーキンググループの設置を検討してはどうかという意見がございました。この点につきましては、今後、事務局で一定の整理を行った上で、専門委員会で検討していくこととしているところでございます。
 事務局の説明は以上でございます。
○秋田部会長 ありがとうございました。
 ただいまの難病対策課長様からの説明について、委員の皆様から御質問や御意見がありましたらお願いいたします。小国委員、お願いします。
○小国委員 鎌倉女子大学の小国と申します。
 私は、小児慢性特定疾病の会議に出席させていただいておりました。そこでは五十嵐委員長のもと、かなり活発なディスカッションがされて、詳細に検討いたしました。1疾病がまだ検討されている途中ということ、超低出生体重児ですけれども、この件につきましても今後検討を重ねていくという前向きなもの流れでの決定です。超出生体重児は、様々な障害を合併しているという観点から、助成制度を利用している場合があります。超低出生体重児の方たちがどの程度困っているのかということを、今後専門家の方たちと一緒に、小児慢性特定疾病にどのような形で加えていくかという観点からも検討を加えていくということでございますので、ぜひ御承認いただければと思います。
○秋田部会長 どうもありがとうございます。
 ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、資料1の小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の御報告について、本部会として了承するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○秋田部会長 ありがとうございます。
 それでは、本件については本部会の了承といたしますので、事務局におかれては本議決に基づき小児慢性特定疾病の追加に係る所要の手続をお進めくださいますよう、お願いいたします。
 それでは、次に最近の子ども家庭行政の動向について、事務局から御説明をお願いいたします。
○長田総務課長 それでは、お手元の資料2、3、4を用いまして御説明をさせていただければと思います。
 まず、資料2「『新しい経済政策パッケージ』の『人づくり革命』部分のポイント」という資料をお開きいただいてよろしいでしょうか。なお、この経済政策パッケージにつきましては、参考資料1に全文をお付けしておりますので、必要に応じまして御参照いただければと思います。
 新しい経済政策パッケージは、昨年の12月8日に閣議決定された内容でございますが、その趣旨につきまして簡単に御説明をさせていただければと思います。資料2には書いてございませんけれども、この経済政策パッケージのそもそもの位置づけでございますが、少子高齢化への対応ということで、生産性革命と人づくり革命を車の両輪として、2020年に向けて取り組んでいくという位置づけの中で閣議決定された内容でございます。その中で、私ども子ども家庭行政に関係しますのが人づくり革命という部分になるわけでございますが、人づくり革命におきまして、子育て世代、子どもたちに大胆に政策資源を投入することで、社会保障制度をお年寄りも若者も安心できる全世代型へと改革するというのが大きな狙いとなっております。
 人づくり革命については、その重要な鍵を握るのは、人材への投資だということで、子ども家庭行政に関係する部分といたしまして、この資料にございます1の「幼児教育の無償化」、2の「待機児童の解消」というのが位置づけられております。
 まず、幼児教育の無償化でございますが、1つには、幼児教育の無償化による負担軽減措置を講じることは重要な少子化対策の一つであると位置づけられるということ。そして、人づくりという意味におきましては、幼児教育・保育がその後の人格形成における極めて重要な基礎となるということで、ここにしっかりと投資をしていこうということで、幼児教育無償化の政策が掲げられたと理解をしております。
 中身は、お手元の資料をごらんいただければと思います。まず、無償化の対象範囲といたしまして、3歳から5歳までの全ての子どもたちの幼稚園、保育所、認定こども園の費用の無償化するとされております。
 その上で、幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置、例えば認可外の保育施設の対象範囲などにつきましては、専門家の声も反映する検討の場を設け、現場及び関係者の声に丁寧に耳を傾けつつ、保育の必要性及び公平性の観点から、「来年」と記載がございますが、これは昨年12月に閣議決定された文書でございますので、今年の夏までに結論を出すということでございまして、まさしく有識者の検討の場が昨日、発足をしたところでございます。昨日の第1回目の検討会の場におきましては、現に認可外保育施設を利用されておられる保護者の方々からその実態や御意見を頂戴したところでございまして、今後この有識者検討会におきましては、事業者団体の皆様や自治体の関係者等々、丁寧に関係当事者の御意見をヒアリングしていき、今年の夏までに方針を整理するとされているところでございます。
 この抜粋では省略をさせていただいておりますが、本体資料の中では就学前の障害児の発達支援、いわゆる障害児通園施設につきましても、併せて無償化を進めていくとされているところでございます。
 資料に戻っていただきまして、0歳~2歳児につきましても当面、住民税非課税世帯を対象として無償化をすることとされております。その財源につきましては、来年の秋に予定されている消費税率の引き上げによる増収分を活用することとされておりますけれども、消費税の引き上げ時期との関係で、幼児教育の無償化措置につきましては、2019年4月から一部をスタートし、2020年4月から全面的に実施するとされております。すなわち、消費税の引き上げ時期が2019年10月からということでありますので、消費税収が2019年度時点においては満額入ってこないということでございまして、おおむね全額に近い額が入ってくるのが2020年度からということで、全面実施が2020年4月とされているということでございます。
 待機児童の解消につきましては、前回の児童部会でも御報告をさせていただきましたとおり、昨年の6月に、従来の待機児童解消加速化プランの取り組みに加えまして、さらに女性就業率80%に対応した受け皿として、さらに32万人分を確保するという子育て安心プランを新たに掲げたところでございますが、これは待ったなしの課題であるということから、もともと安心プランは5年間で整備をするということでございましたが、これを前倒しをして3年間で達成するということでございます。その上で、先ほど幼児教育の無償化につきましては、消費税引き上げ時期との関係で2019年度からという御説明をいたしましたけれども、子育て安心プランにつきましては、足元の課題でございますので、2018年度から早急に実施するということとされております。
 また、保育士の処遇改善についても位置づけられているところでございます。
 この抜粋には記載しておりませんけれども、放課後児童対策、放課後子ども総合プランにつきましても、この政策パッケージの中で、もともと2019年度末までに30万人の新たな受け皿を確保するとされていた総合プランの目標につきまして、来年度までに前倒しをするということ。さらに、その状況を踏まえて、その後のあり方について検討するとされているところでございます。
 その下「6.これらの施策を実現するための安定財源」という部分でございます。若干先ほどの説明と重複いたしますけれども、今、御説明しました幼児教育無償化、待機児童の解消等々の必要な財源については、消費税の引き上げによる増収分を活用するということでございます。もともと社会保障と税の一体改革で消費税の使い道が決められていたわけでございますけれども、2%の引き上げ分についての使い道を見直すということでございまして、財政再建に充てる分と社会保障の充実に充てる分の割合を、社会保障の充実に充てる分の取り分を多くするということで、1.7兆円の財源を確保するということでございます。
 また、この経済政策パッケージは、よく2兆円規模のパッケージという言い方をされておりますが、消費税で確保される1.7兆円と2兆円のすき間でございます0.3兆円につきましては、経済界からの協力をお願いするということになりました。従来から経済界には子ども・子育て拠出金というのを0.4兆円ほどいただいておりますが、これにさらに0.3兆円を上積みしていただくということでございまして、消費税による1.7兆円と企業から追加でいただく0.3兆円を合わせた2兆円パッケージで新たな経済政策パッケージを実現していくということでございます。
 子ども・子育て拠出金の関係につきましては、後の資料でもちょっと出てまいりますので、ここでは詳しくは省略をさせていただきます。
 そうなりますと、財政健全化との関係が出てまいるわけでございますけれども、7にございますように、財政健全化の旗はおろさず、歳入・歳出改革の努力を徹底し、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体を堅持し、そのあり方については今後検討されることになっております。
 続きまして、タブレットを操作いただきまして、資料3「平成30年度予算案の概要」という資料をお開きいただければと思います。よろしいでしょうか。
 まず、2ページのところまで画面を移動させていただければと思います。子ども家庭局で計上しております予算額は、平成30年度4,733億円。対前年69億円の増ということになっております。見た目小さいような印象があるかもしれませんが、平成27年度、すなわち子ども・子育て支援新制度がスタートした2015年度から保育給付の関係の予算、児童手当の予算につきましては内閣府に移管されまして、内閣府で計上されているという関係がございまして、そこの数字が除かれた数字になっておりますので、見た目としては小さな数字になっております。
 厚生労働省で計上している予算のうち、大きな額になるものとしては児童扶養手当の関係、児童養護施設等の措置費の関係、保育所の整備費の関係、これらがこの大宗を占めております。
 3ページ「『子育て安心プラン』をはじめとした総合的な子育て支援」ということでございます。今ほど保育の給付、いわゆる運営に必要な予算については内閣府で計上しているという御説明を申し上げましたけれども、厚生労働省におきましては、基盤整備ということで、引き続き保育所を整備するための予算でございますとか、保育を実際担う保育士の人材確保対策といったものについて、厚生労働省予算において対応しているところでございまして、保育の受け皿拡大等といたしまして1,072億円の予算を計上してございます。
 その中心が保育所等の整備の関係でございまして、(1)保育の受け皿拡大ということでございますが、保育所の整備の関係につきましては、平成30年度当初予算に加えまして、平成29年度の補正予算案におきまして643億円の予算を計上しておりまして、この補正予算によりまして約3万人程度、そして当初予算の整備費によりまして約6.5万人程度。合計9.5万人程度の整備に必要な予算を確保しております。
 さらに、企業の拠出金で整備を進めております企業主導型保育につきまして、2万人程度の整備を確保することとしておりますので、合わせまして11.5万人程度のさらなる受け皿拡大の予算を確保しているということでございます。
 (2)の「多様な保育の充実」につきましては、特に3つ目のパラグラフのところでございますが、今年度から医療的ケアを必要とするお子さんの受入体制を整備するためのモデル事業を実施しておりますが、この実施箇所数を倍増する予算を確保したところでございます。
 続きまして、4ページの(3)、引き続き保育人材確保のための総合対策について必要な予算を計上しておりますが、特に御説明を申し上げたいのが、(3)の点線囲いにございます平成29年度の補正予算案に計上した保育園等におけるICT化の促進の関係。また、(4)保育園等における事故防止対策の推進といたしまして、睡眠中等の場面で発生しやすい重大事故を防止するため、事故防止に役立つ備品の購入に必要な経費を補助し、安全対策の強化を図っていきたいということでございます。
 続きまして、2のところでございます。これが厚生労働省計上予算でなくて、内閣府で計上している予算の部分でございますけれども、ここで2兆5,885億円の予算を計上させていただいております。その内訳でございます。(1)の「子どものための教育・保育給付」ということで、保育所や認定こども園等の関係でございますが、これで約9,000億円程度でございます。
 「地域子ども・子育て支援事業」。具体的な中身は、利用者支援事業、放課後児童健全育成事業等々、資料に記載のとおりでございますが、これで1,356億円の予算計上ということでございます。
 (2)は、先ほどの説明と重複いたしますので、省略いたします。
 (3)は、企業主導型保育ということで、先ほど申し上げましたとおり、さらに2万人の整備を実施するということでございます。
 次のページ、(4)児童手当につきましては、お子さんの数の減少に伴いまして、予算額としては若干減少の1兆3,795億円の計上ということになっております。
 続きまして、3の「子どもを産み育てやすい環境づくり」でございます。全体といたしまして215億円の予算計上となっておりますが、額的に大きな部分を占めておりますのが(1)の不妊治療への助成の関係でございます。
  この部分では、特に力を入れておりますのが(2)の子育て世代包括支援センターの全国展開ということでございまして、ここに書いてございますように、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供する子育て世代包括支援センターの全国展開に向けて、設置数の拡大に必要な予算を確保いたしますとともに、この支援センターにおける相談事業と一体となって実施をしていく産前・産後サポート事業、産後ケア事業の実施についても、その実施の拡大等を図れる予算を確保したところでございます。
 続きまして、7ページ、児童福祉法等の改正を踏まえた児童虐待防止対策の推進及び社会的養育の充実という部分でございます。虐待対応におきましては、いわゆる発生予防、発生時における迅速・的確な対応、そして被虐待児に対します自立支援までの一貫した対策をこれまでも講じてきているところでございますが、児童虐待の発生予防につきましては、先ほどの説明と重なりますけれども、子育て世代包括支援センターの全国展開等々、妊娠期からの取り組み、充実を図っていくというところが主になっております。
 また、2の児童虐待発生時の迅速・的確な対応の部分におきましては、(1)児童相談所の体制強化といたしまして、引き続き弁護士の配置の促進でございますとか、中核市や特別区で児童相談所を設置いただくための支援につきまして所要の予算を計上したところでございます。
 ページが変わりまして、(2)市町村の体制強化につきましては、平成27年、児童福祉法改正におきまして市町村の役割が強化されまして、市区町村子ども家庭総合支援拠点の設置努力義務というものが位置づけられたところでございます。その運営に必要な費用等について計上しているところでございます。
 3の「被虐待児などへの支援」につきましては、平成28年児童福祉法改正に基づきます家庭養育優先原則に基づきまして、里親の普及促進を進めるため、里親支援事業の拡充と包括的な里親支援体制の充実、また、議員立法によって成立いたしました民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律によりまして、従来の養子縁組の民間あっせん機関については届出制から許可制ということに変わるわけでございますが、それに伴って人材育成を進める観点から、研修事業の創設でございますとか、関係機関との連携を図る民間あっせん機関に対しての助成事業の創設を盛り込んでいるところでございます。
 (2)の施設の小規模化・多機能化につきましては、引き続き小規模化・地域分散化の推進を図りますとともに、施設における里親支援の体制確保のための運用改善などを盛り込んでいるところでございます。
 (3)自立支援の充実につきましては、里親、児童養護施設等の入所者に対して、措置解除後も22歳までの間、引き続き支援を行う社会的養護自立支援事業の実施について、引き続き促進を図ってまいりたいと思っております。
 続きまして、10ページ、ひとり親家庭等の自立支援及びDV対策の推進の部分でございます。これらにつきましては、自立支援の施策のパッケージに取り組んでいるところでございますが、特に「(2)生活を応援する取組」の、児童扶養手当制度について2点の充実を図りたいと考えてございます。ひとり親家庭の状況につきましては、5年に1回の実態調査を行っておりまして、昨年末にその公表を行ったところでございますが、その結果を踏まえまして、児童扶養手当の全額支給できる所得制限のラインが、現状のままだと対象者を限定し過ぎるという調査結果でございましたので、所得制限の限度額の引き上げを行う。これによって全部支給の対象となる方が拡大することになるわけでございますが、具体的には、収入ベースで130万円から160万円に引き上げる改善措置を講じるということが1つでございます。
 それから、点線囲いの部分は、直接予算に計上する話ではございませんけれども、児童扶養手当については、現在は年3回、1回につき4カ月分をまとめて支給するという仕組みになっておりますけれども、これをできる限りきめ細かく支給できるようにできないかという声を従来からいただいておりました。これにつきまして、今回、2カ月1回、すなわち年6回支給に変えるということが年末の予算編成過程で合意をされたところでございます。ただ、自治体におけるシステム改修等の準備の関係がございますので、実施予定につきましては、2019年11月支給分からということで想定しております。また、この内容につきましては、法律に書かれていることでございますので、その実現のためには法律改正が必要になるということでございまして、その点につきまして、また後ほど補足をさせていただければと思います。
 12ページ、配偶者からの暴力防止など婦人保護事業の推進につきまして、特に今回は婦人相談員の手当の引き上げ等の改善措置を盛り込んでいるところでございます。
 予算の説明としては以上でございます。
 長くなって恐縮でございますが、私からの説明の最後といたしまして、資料4「子ども・子育て支援法の改正法案及び児童扶養手当法の改正案の概要について」という画面をお開きいただければと思います。
 画面を繰っていただきまして、2ページ目に「子ども・子育て支援法の改正(案)について」という資料がございますが、もう一枚先に行っていただきまして、3ページ目「新しい経済政策パッケージ」というタイトルがついた資料があるかと思います。先ほどの説明と重なりますけれども、この経済政策パッケージにおきまして、経済界から子ども・子育て拠出金を0.3兆円増額するということが決まっております。
 そもそも子ども・子育て拠出金の仕組みがどうなっているかということでございますが、内閣府所管の法律になりますが、子ども・子育て支援法に事業主拠出金の根拠規定が書かれておりまして、どれぐらいの額をいただくかということに関しまして、拠出金の率というものの上限が定められております。そもそも拠出金率は何かといいますと、医療保険の保険料の算定などの基礎になっています標準報酬に対してこの拠出金率を掛けた額を拠出金として頂戴するという仕組みでございまして、今の拠出金率が、参考にございますように、法律上の上限が0.25%、そして実際の今年度の拠出金率は0.23%ということで、0.23%の拠出金率のもとで3,969億円、約4,000億円を平成29年度予算において企業から御負担いただいているということになっているわけでございます。これにさらに今回の経済政策パッケージに基づきまして3,000億円を追加でいただくということになりますが、この法律の上限0.25%のままだと、7,000億円の拠出をいただけないということなりますので、まずこの上限の額の引き上げをさせていただくということでございます。
 2つ目は、事業主拠出金の使い道でございますが、いただいたお金を自由に使っていいということではなくて、その使い道が法律上明確に定められております。その内容が、同じく参考にございますように、児童手当、子ども・子育て支援法に基づく地域子ども・子育て支援事業のうち、仕事と家庭の両立支援に資すると考えられる放課後児童クラブ、病児保育、延長保育という3つの事業、それから仕事・子育て両立支援事業、法律上はそういう名前になっておりますが、企業がつくる保育所、企業主導型保育事業にのみ充てられるということになっておりますが、今回の経済政策パッケージにおける3,000億円の使い道につきましては、一つは企業主導型保育を拡充するということ。
 それから、市町村等が整備する保育の給付費のうち、0~2歳児の子育て安心プランによって増える費用の一定部分の負担に御協力をいただけるということになりました。0~2歳の保育の給付費にも充てられるというのが従来の使い道よりも拡大されるということになりますので、その使い道を拡大するということを法律上書く必要があるということでございまして、基本的にはこの2つの内容について法律の改正の手当てが必要になるということでございまして、1ページ戻っていただきますと、1にございます拠出金率の上限を0.25%から0.45%に引き上げるということと、2の事業主拠出金の充当対象の拡大ということで、0~2歳の教育・保育給付を加えるという改正でございます。
 3のところが若干毛色が違う話でございますけれども、待機児童解消等の取組支援ということでございまして、保育の実施責任というのは市区町村にあるわけでございますが、もう少し都道府県に役割を担っていただけないかということで、今の法律の体系のもとでも、抽象的には都道府県というのは、広域的な観点からの調整や専門的な助言・支援を行うということは書かれておるのですけれども、より具体的な枠組みといたしまして、待機児童の多い地域において、都道府県に関係市区町村との協議会を組織できるという規定を設けまして、例えば広域入所の調整でありますとか、一市区町村単位では実施が困難な保育士の人材確保対策などについて、都道府県イニシアチブのもとに、関係市区町村と連携した取り組みを促していく。そういったプラットフォームを提供しようということでございまして、そのような内容を盛り込んだ子ども・子育て支援法改正法案を今通常国会に提出をすべく、準備を進めているものでございます。
 5ページ、先ほど言いました児童扶養手当の支払い回数の見直しにつきましても、法律改正事項ということでございまして、法案の提出を予定しておりますが、法案の形式といたしましては、今、生活困窮者の自立支援法の改正の準備を進めておりまして、その法案と一体で法案を提出したいと考えているところでございまして、こちらについても国会提出に向けた準備を進めているところでございます。
 説明が長くなりましたが、以上でございます。
○秋田部会長 どうもありがとうございました。
 資料2から4まで御説明をいただきました。ただいまの事務局からの御説明について、委員の皆様から御質問や御意見がありましたらお願いいたします。では、小国委員、お願いいたします。
○小国委員 鎌倉女子大学の小国と申します。
 予算をつけていただいて、すばらしいとは思うのですけれども、1つ質問があります。最初の幼児教育無償化の中にいろんなものを盛り込んであって、発達障害のことも含むと一言おっしゃったと思うのですが、幼児教育の無償化の中でどういう観点でその話が出てきたのかということを教えていただければと思います。
○秋田部会長 それは総務課長のほうでよろしいですか。どうぞ。
○長田総務課長 もともと幼児教育の無償化の議論というのはいきなり出てきた話ではございませんので、平成25年度ぐらいから、幼児期の教育はその後の人格成型の基礎になる非常に重要なものだということから、「幼児教育の無償化に向けた取組を段階的に進める」ということが、これまでも政府与党の方針として何度も重ねて確認をされてきております。
 ただし、かなりの財源を必要とするものであるということから、一気に実現するのはなかなか難しいということで、段階的に進めましょうということで、低所得の方であるとか、多子世帯の方であるとか、より経済的な支援の必要度の高い方から、この数年間、段階的に無償化の範囲を広げるということをやってきたわけでございますけれども、今回消費税の使途を見直す中で、かなりの規模の財源の確保の見通しが立てられるということで、一気に幼児教育の無償化を図っていくということが、政府の中で方針が決定されたと理解をしております。
○小国委員 私が知りたいのは、発達障害児に関してで、どのような形で無償化ということの中で取り組もう、検討をこれからしていこうという、そのスタートラインに立ったのかというところを教えていただければと思います。
○秋田部会長 お願いいたします。
○長田総務課長 お子さんの個々の状況においては、幼稚園、保育所に通いたくても通えないという状況のお子さんもいらっしゃるという中で、ここで言えば、発達障害で障害児通園施設に通われているお子さんについてもしっかりと保障していく必要があるという指摘が、無償化をどう進めていくかというこの間の政府与党の議論の中でなされたと理解しております。
○秋田部会長 よろしゅうございますか。
○小国委員 発達障害児の場合に、無償化にしていただくことは必要になってくると思うのですが、実際のところ、先ほどもおっしゃっていましたけれども、認可された保育園に入れなくて、私立、営利目的なところに通っている子どもたちもおります。親が経済的余裕があって選択している場合もあり、どこまでそれを平等にできるのかというところがすごく大変な議論になるのではないかと思うのですが、ぜひ検討を重ねていっていただいて、そういう子どもたちが救われる方向に一歩でも進むことを願っておりますので、よろしくお願いします。
○秋田部会長 ありがとうございます。
 参考資料のほうでは、いわゆる障害児通園施設についてもあわせて無償化を行っていくというような文言で記述されているかと思います。
 ほかに。松田委員、お願いいたします。
○松田茂樹委員 中京大の松田です。御説明ありがとうございます。
 資料3と資料4について質問をさせてください。
 まず、資料3で予算の件ですけれども、決して国の財政的な余裕がない中でこれだけ子ども政策が増額されているというのは非常にうれしいことであり、また、厚生労働省様の相当な努力があったのではないかとお察しいたします。
 また、企業拠出金が引き上げられたということ、産業界から応援していただけるというのは非常に大きいと思います。日本の企業の負担というのは少ないと言われますが、実はさまざまなところで負担していますので、その中でこれだけの率というのは非常に大きな意味があると思いました。その上で、資料3について2点伺わせてください。
 1点目は、今回の資料の一番上のほうに内閣府に関する子ども・子育て物の予算は計上されていますというお話をされましたが、厚生労働省様プラス内閣府様のトータルな子ども・子育て支援の予算額は増額されたのでしょうかというのが1点目の質問です。ざっと見ますと、恐らく増額されたのではないかと思いますが、確認です。
 2点目です。ちょっと気になったことは10ページ「ひとり親家庭等の自立支援の推進」というところでございまして、さまざまな事業に等しく予算をつけるのは難しいのかもしれませんが、ここが若干少なくなっているというのはなぜかというのを伺いたいということです。
 もう少し背景を申し上げますと、子どもの貧困というものが非常に大きな喫緊の対策課題の一つでございますが、その多くを占めるのがひとり親家庭の経済的基盤をどう支えるかだと思います。これを見ていくと、10ページの2番の1は拡充されるはずだと思います。恐らく年収ベースが上がりますので。そうしますと、ほかのところがかなり窮屈になるのかなと想像したのですけれども、これが減額されている背景を教えていただければ幸いです。つまり、ニーズがないですとか、あるいはほかのものが衣がえをすべき時期に来ている等々。これが資料3についての質問です。
 資料4については、先ほどの御説明でわからないことがありましたので、単純な質問でございます。資料4の4ページですか。右下に4と書いています。ここで都道府県の役割ということで、質問は2点です。ちょっと聞き漏らしたのですが、法案はこれから出すというような御説明ということでよろしいですか。
 2点目です。都道府県の役割というのが十分理解できない、認識できないものでございまして、私も県の幾つかの会議などに参加させていただいたことがあるのですが、待機児解消になりますと、市区町村ごとに状況が相当違いますので、彼らが第一線で仕事をされていると。都道府県で果たしてどこまで何ができるのか、イメージが十分湧きませんでしたので、もう一度都道府県が何をするのかというのを教えていただければと思います。
 以上です。
○秋田部会長 ありがとうございます。
 では、事務局、お願いします。
○長田総務課長 まず、1点目の全体予算のお尋ねでございますけれども、厚生労働省子ども家庭局計上予算といたしましては、資料の2ページになりますが、4,663億円から4,733億円、プラス69億円という数字になりますけれども、内閣府予算の関係が資料の4ページに記載をさせていただいておりまして、2兆4,550億円から2兆5,885億円ということでございまして、足し算すると3兆円ぐらいなるということで、全体としては増額になっているところでございます。
 ひとり親家庭の予算の関係でございますが、実は児童扶養手当の予算額が、全体として子どもの数が減っているものですから、対象者の数が減っております。先ほど申し上げましたとおり、所得制限の見直しによりまして、全部支給の対象になる方もふえますし、また一部支給の方も額が上がる方が出てきますので、五十数万人の方が児童扶養手当が増額になりますので、その点については当然増額要素になりますので、そこは織り込んでいるのですが、それを織り込んだ上で、子どもの減少による児童扶養手当の所要額の全体としての減が上回っており、全体の数字の見え方としては下がっているということでございます。
 3点目の子ども・子育て支援法改正における都道府県の役割ということでございますが、先ほど御指摘いただきました資料の4ページのところに幾つか例を書かせていただいております。先生の御指摘のとおり、当然市町村に保育の実施責任があって、足元の需要というものをしっかりと見定めていくというのが基本でございますけれども、例えば保育の必要量の見込み方に自治体間でばらつきがあるというケースもありますので、全体を横にらみしながら、同じように保育の必要量を推計していても、ある市は、非常に厳格にやっていて、他方、ある市のほうは少し荒っぽいのではないかとか、そういった差があるとすれば、そこに技術的な助言をしていただくということもあるかと思いますし、それから広域利用ということで、特に市境みたいなところだと、住んでいる市ではなくて、隣のほうが通いやすいみたいなことがあって、現状でも個別の市町村同士で広域入所の受け入れのための協定などをつくって取り組んだりということもあるわけでございますが、それを個別個別にやっていくのは結構大変なところでございますので、都道府県に少し音頭を取っていただいて、例えば協定のひな形みたいなものをつくって、できる限り参加を呼びかけるみたいなことなども想定をされるのかなと思っております。
 何といっても、従来から保育士の確保対策は、基本的に都道府県に担って役割ということで、都道府県単位にも保育士人材確保センターの整備などもやっていただいておりますが、人材確保については、一市区町村単位で取り組むには難しいテーマでございますので、都道府県が主体的にかかわっていただくということ。また、その圏域における保育人材の必要量などを全体として都道府県で推計していただいて、計画的に対応を進めていただくといったことなども考えられるかと思いますが、いずれにしましても、具体的に何をどういうふうに取り組んでいただくかということは、まさに地域地域が各県と関係市区町村の連携、まさにこのプラットフォームの中で御議論をいただくことになろうかと思っております。
○秋田部会長 どうぞ。
○松田茂樹委員 ありがとうございます。
 確認ですけれども、ひとり親家庭支援の減額というのは非常によくわかりました。つまり、確認したいことは、ひとり親の自立支援を軽視しているわけではないという認識でよしいのですね。
○長田総務課長 そのとおりでございます。
○松田茂樹委員 ありがとうございます。
○秋田部会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 ありがとうございました。特にないようであれば、次の議題「社会保障審議会児童部会専門委員会の議論の状況について」、事務局から御説明をお願いいたします。
○成松家庭福祉課長 家庭福祉課長でございます。
 資料5をお開きいただければと思います。資料5の2ページ以降、社会的養育専門委員会の開催状況、議論の状況について私のほうから御説明をさせていただければと思います。
 3ページ目にお進みいただきたいと思います。前回10月16日のこの部会において、名前を旧来は「社会的養護専門委員会」でしたけれども、こちらのほうで御承認をいただいて、「社会的養育専門委員会」という形で進めさせていただいております。
 前回少し御報告をさせていただいた「新しい社会的養育ビジョン」というのが平成29年、昨年の8月2日に有識者の方でお取りまとめいただきまして、それを踏まえて、具体的にどのようにやっていくのかというところ、今後の進め方について議論を進めているというのは、開催経緯に書いているとおりでございます。10月25日、従来からの通算になっていますので、第20回という形になっておりますけれども、11月22日に21回、12月22日に22回という形で、これまで社会的養育ビジョンの実現に向けた今後の進め方ということで、3回御議論をいただいているという形になっています。
 10月16日のこの部会で御説明したときと少しスケジュールが変更になっていますので、御報告をさせていただくと、申し上げた社会的養育専門委員会で都道府県推進計画の見直しに向けた検討というのをさせていただいていまして、昨年末に見直し要領の骨子案を提示させていただいて、その上で都道府県に御準備を進めていただくと。これは都道府県推進計画の見直しにつながっていくものですから、そういう形を想定しておりました。ただ、社会的養育専門委員会の中でさまざまな議論が出ておりまして、さらなる議論が必要と考えておりまして、今、1月末を想定して進めておりますけれども、もう一度議論する場を設けさせていただいた上で、下に書いてございます各種のPTあるいはワーキンググループの成果物も組み入れながら、前回も申し上げましたが、来年度に各都道府県において都道府県推進計画の見直しの本格作業に入っていただくべく、今、それぞれのところでの議論、あるいは社会的養育専門委員会での議論を進めているというのが全体的な流れでございます。
 次のページ、社会的養育専門委員会ということで、これは前回の部会でも少し触れさせていただきましたが、右のような方々に入っていただきまして検討を重ねているという状況でございます。
 議論の状況について御報告いたしますと、5ページ以降という形になります。これは12月22日にお示しさせていただいた資料でございますが、それに沿って議論の状況をお伝えしたいと思います。
 6ページから7ページの頭にかけて今回の計画の位置づけというのが書いてございます。主な論点というか、まだまだ議論が必要だと考えているところを私のほうから御説明申し上げると、7ページの上から4行目、5行目「30年度中を目処とする都道府県計画の見直しについて」という形で、我々としても議論を進めさせていただいておりますが、実際に策定する都道府県さんにおいて、非常に大きな計画を見直すということで、なかなか日程がタイトなのでということで、30年度中にやるべきかどうかというところが一つの議論になっているということでございます。
 もう一つ、7ページから8ページにかけて基本的な考え方を書いてございます。意見としては、「新しい社会的養育ビジョン」に数値目標が示されておりますが、その数値目標をしっかり都道府県にも持っていただくか、あるいは地域の実情に応じてそういった数値目標をどういうふうに取り扱うべきかというところの御議論が基本的な考え方の中の主な論点としてあるという状況でございます。
 9ページ以降が各論という形になりますが、9ページ以降の中で具体的に御議論になっているところを御紹介したいと思います。
 10ページに「里親等委託の推進に向けた取組」という形で書かせていただいています。これは事務局で出させていただいた資料です。これも先ほど申し上げたように、「新しい社会的養育ビジョン」の中では数値目標、乳幼児の里親委託率は75%、学童期以降は50%というのを3年、5年、7年という形で、そういう数値目標を達成すべきだというのが「新しい社会的養育ビジョン」の御提言でございますが、75%などという数値目標を各都道府県でも持っていただけるかどうかというところについて、持っていただくべきという御主張、あるいは各都道府県によって実情が違ったり、現状から考えると、そこまでたどり着けるかどうかという御意見が両方ございます。
 両方の御意見の方々も、いずれにしても家庭的養育なり里親養育を推進していくという意味では一致をしておるのですけれども、スピード感とか達成目標、数値というところの関係でまだ議論が必要なのではないかと考えてございます。
 11ページに移っていただきまして、養子縁組推進のための支援体制ということで、こちらのほうも「新しい社会的養育ビジョン」では、今、全国で500件程度でございます特別養子縁組を年間1,000人を目指すべきだという御提言をいただいているところでございますが、1,000件という数値目標、倍増という数値目標なりを都道府県さんに持っていただくかどうかという御議論をまださせていただいている最中でございます。
 同じ11ページの「施設の小規模化・地域分散化及び多機能化に向けた取組」というところでございますが、特に11ページから12ページにかけて書いてございますが、こちらのほうも、ビジョンでは施設における入所期間ができるだけ短期というか、例えば乳幼児は数カ月とか、特別なニーズがあって長いお子さんでも3年とか、そういう形で数値、入所期限を定めている。入所期限の取り扱いの問題、あるいは施設は小規模化・多機能化を原則とすべきというところです。12ページのあたりですけれども、そういったビジョンの考え方、あるいはそういった原則について、今後どうしていくかというところの取り扱いについて、いろいろ御議論をいただいているという状況でございます。
 12ページ、13ページに移っていただきまして、中核市・特別区の児童相談所の設置、あるいは一時保護の適正化に向けた取り組みについても、ビジョンで示された方向性と、それに対する御意見に対して、まだまだ議論があるという状況になっているという状況でございます。
 14ページ、15ページという形で、市町村の体制とかに関しても御議論していただいておりますが、まだ御議論が必要ということでございますので、先ほど申し上げたように、月内で調整をさせていただいておりますが、検討委員会でまた御議論いただいて、それを踏まえて我々としても対応を考えていくという形にしたいと思っております。
 社会的養育専門委員会の関係は以上でございます。
○度会母子家庭等自立支援室長 続きまして、ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会について、説明させていただきます。母子家庭等自立支援室長の度会と申します。よろしくお願いいたします。
 17ページ、ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会ですが、今月の10日に第11回専門委員会を開催しております。この専門委員会では設置要綱を改正しまして、幅広くひとり親家庭への支援施策のあり方を検討する専門委員会として位置づけるという形にしておりますが、これまでは平成22年の児童扶養手当法の改正の施行の際、施行3年後の検討規定をもとにこの専門委員会を設置しておりましたが、これを見直して幅広く行うという形になっております。
 第11回専門委員会では、5年に一度調査をしております全国ひとり親世帯等調査結果、毎年公表しておりますひとり親家庭の自立支援策の実施状況、30年度予算案と先ほど紹介がありました児童扶養手当制度の見直し案、こういったものを御報告しまして、今後のひとり親家庭支援施策にかかわる意見を伺ったという形になっております。
 このひとり親専門委員会ですが、右下のほうにスケジュールという形で書いておりますけれども、まず母子父子寡婦福祉法、児童扶養手当法が平成26年に、この専門委員会でまとめられた中間まとめの課題と方向性を踏まえまして改正しておりますが、具体的な中身につきましては、母子父子寡婦福祉法では支援体制の強化や就業支援策の充実、父子家庭の支援の対象を追加すること、それから児童扶養手当の改正では公的年金と児童扶養手当の併給調整を行うという形ですが、その施行の5年後の検討が今後あるという形になっております。
 また、母子父子寡婦福祉法で定められております母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針が、2027年度から31年度までの期間において定められておりまして、今後検討を行うことになるという形。
 その下にすくすくサポート・プロジェクトとありますが、これが平成27年12月に子どもの貧困対策会議で決定しておりまして、ひとり親家庭や多子世帯等への支援という形で施策の方向性が決められておりまして、これにつきましても平成31年度までに目標があるという形になっております。
 それから、子どもの貧困対策の推進に関する法律、子どもの貧困対策に関する大綱について、こういった形でひとり親家庭にかかわる部分が今後出てきますので、この専門委員会において必要な事項を検討していくという形で進めさせていただきたいと思っております。
 資料の18ページに専門委員会の概要という形で載っております。右の委員名簿に記載はありませんけれども、この専門委員会の委員長には小杉礼子委員、委員長代理には新保幸夫委員が指名されているという形になっております。
 以上がひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会の説明になります。
○鈴木健全育成推進室長 続きまして、子育て支援課から説明します。健全育成推進室長の鈴木でございます。
 子育て支援課では専門委員会が2つ立ち上がり、現在行っているところでございます。
 1つ目は19ページ目、放課後児童対策に関する専門委員会でございます。当初放課後児童クラブの基準に関する専門委員会を改組して専門委員会を行っております。これにつきましては、21ページを見ていただければと思います。設置の趣旨としまして、放課後児童クラブにつきましては、保育の需要にかなり影響を受けるということで、女性の就業率の上昇に伴いまして利用児童数が増加しておるところでございます。いわゆる量の拡充に加えまして質の確保などのニーズへの対応が課題となっています。このような状況を踏まえまして、当初の基準の専門委員会を改組しまして、放課後児童クラブのあり方を含めまして放課後児童対策全般について検討するために専門委員会を立ち上げております。
 5番目、委員につきましては、有識者、現場の放課後児童クラブの関係者の方で構成されております。この中にまだ参画していないところでございますけれども、地方の意見を聞くことも非常に重要であると考えていますので、自治体からの委員の参加も現在お願いして、調整しているところでございます。
 ページを戻っていただきまして、20ページです。専門委員会の開催経過でございます。日付が28年になっていますが、○3つは全部29年でございます。29年11月8日、第1回目を開催しております。以降、第1回目、第2回目議論をしまして、第3回目につきましては、これまでの議論を踏まえた論点整理と検討の方向性ということで取りまとめを行っております。
 以降のスケジュールでございます。ことしの1月以降に関係者からのヒアリング等々を行いながら、放課後児童クラブの量的拡充、または質の確保、新たなニーズへの対応などについて議論をすることにしております。
 最終的に6月をめどに中間的な取りまとめを行う予定としております。
 2つ目は28ページ、遊びのプログラム等に関する専門委員会でございます。こちらにつきましては、平成27年5月にもう既に専門委員会を設置しております。同年閉館しましたこどもの城が開発しました専門的な遊びのプログラム等の普及啓発、また開発に向けた検討、地域の児童館等の果たすべき機能及び役割の検討を行っております。ページは30ページになります。主な検討としまして、こどもの城が開発しました遊びのプログラム等の分析評価、また、新たなプログラムの開発ということです。
 もう一つが、今後の地域の児童館等のあり方についてということでございますけれども、これにつきましては31ページでございます。昨年の2月に同専門委員会のもとに今後の地域の児童館等のあり方検討ワーキンググループを設置しております。平成23年に策定しております児童館ガイドラインの改定作業が主な内容となっております。平成23年にガイドラインを発出したところでございますけれども、発出以降に施行、また改正されました関係法令等につきまして内容を精査しつつ、このガイドラインに反映させることが目的となっております。
 簡単ですが、以上でございます。
○川野難病対策課長 続きまして、最後になりますが、小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会について、御説明させていただきます。資料は、続きの35ページからになります。最初に御審議いただきました疾病追加の検討とは別に、難病の医療提供体制の構築の一部分にもなりますが、小児慢性特定疾患の児童が成人になる過程での移行期医療の支援体制について、御検討いただきました。この検討につきましては、厚生科学審議会のもとにあります難病対策委員会と初めて合同会議という形で、昨年7月から3回にわたり御議論いただき、都道府県向けのガイドを取りまとめていただいたところでございます。
 36ページに「移行期医療支援体制の構築について」という資料がございます。現状としまして、近年、小児慢性疾患の患者全体の死亡率が減少し、成人期を迎える患者が多くなってきています。こうした中で、小児期から成人への移行期の患者に対し、必ずしも適切な医療が提供できていないのではないかということです。その下に課題とありますが、2点ございます。1点目、医療体制の課題としまして、小児と成人の診療科の連携が不十分ではないかということ。2点目、患者自律(自立)支援の課題ということで、患者御自身が病気への理解を深め、医療の意思決定ができるように患者を支援する体制がまだ不十分ではないかということ。そうした中、小児慢性特定疾病の児童が、成人後も適切な医療を受けられるように、平成27年度からその方策を検討するためのモデル事業を実施し、その成果をもとに専門委員会で御議論いただき、都道府県向けのガイドを取りまとめていただき、昨年10月に都道府県宛て通知をしたところでございます。
 それを受けた具体的な対応としまして、その資料の真ん中辺りに「移行期医療支援体制整備事業」とあります。平成30年度から実施予定ということで、来年度の予算案に新規事業として盛り込んでいますが、個々の疾病の特性や患者の状況等を踏まえた移行期医療を充実させるため、下半分の図のように、移行期医療を総合的に支援する機能ということで、移行期医療支援センターというものを都道府県に設けることとしています。
 この支援センターの役割など体制構築のイメージにつきましては、37ページになります。移行期医療支援センターでは、右上の箱に記載していますが、その役割としましては、成人期の小児慢性疾患の患者に対応可能な診療科や医療機関の情報を把握して公表すること、そして、小児期、成人期の診療科・医療機関がしっかり連携して対応するよう、連絡調整、連携支援を行っていくということ。、その下に「具体的な取組内容」とありますが、このような連絡体制を整備すること、また、相談受付体制の整備ということで、関係機関と連携しながら患者や家族からの相談に対応していくということ。そして、実際の医療の提供につきましては、下の方に小児期と成人期の診療科・医療機関の箱がございますが、そうした医療機関が連携して対応していく体制を構築していくこと。こうしたことが必要ということでございます。
 最後のページに「移行期医療の概念図」がございます。こちらは日本小児科学会でまとめられた資料になりますが、移行期医療の支援の形につきましては、一概にこうした形と決まるわけではありません。下の方に3つのパターンが書かれていますが、1としまして完全に成人診療科に移行するような場合、2として小児科と成人診療科の両方にかかるような場合、3としまして小児科に継続して受診しながらも、より患者の自律性を尊重した医療を提供していくという場合、こうした様々な対応が考えられるということでございます。
 このような対応につきましては、診療科によっても異なりますし、都道府県の実情によっても異なってきますので、地域の実情に応じて、様々な関係者が連携していく体制を構築しながら、具体的には個別の事例ごとに個々の患者の状況や置かれた状況に応じて最適な医療が選択されるということが望ましいと考えています。
 先ほど都道府県向けのガイドを通知したという話をさせていただきましたが、その他にも医療従事者向けのガイド、その中には共通のコアガイドと疾患別のガイドとございますが、こうしたものにつきましても現在小児科学会を中心に作成していただいているところで、でき上がり次第順次、移行期医療支援の情報共有サイトに掲載していく予定です。
 説明は以上でございます。
○秋田部会長 どうもありがとうございました。
 ただいまの事務局からの資料を中心にした御説明について、委員の皆様から御質問や御意見がありましたらお願いいたします。草間委員、お願いします。
○草間委員 私のほうからは大きく分けて2つです。1つ目は質問、2つ目が意見です。
 質問については、放課後児童クラブの施設についていろんな取り組みが書かれてあります。モニタリング、施設の質をどういうふうに把握するか、監査、こういったところをどのようにされているか、お聞かせいただければと思います。
 2つ目の意見は、社会的養育ビジョンの進め方についてです。課長のほうから議論が必要ということで、今、いろいろ議論が殺到しているように伺っております。今回の養育ビジョンは大きな改革ですね。黒船といいますか、日本の社会的養育のあり方を大きく変えていくということで、非常に画期的であったと思っています。この中で数値目標、年次目標が書いてありますけれども、かなりハードルが高いということを踏まえると、フォスタリング機関の整備がどのように担保されるか。このようなことを現状考えてみると、数字ありきだとなかなか難しいと思います。このしわ寄せが2人に行く。1人は子どもたち、もう一人は里親さん自身ということです。地域の実情ということがありましたが、この辺を考慮する必要があるのではないかと思っております。特にフォスタリング機関がどのように機能するかがこの数値目標の支えというか、担保になるだろうと思っています。そのためにはどうするのかということで議論を重ねながらやっていくことが肝要です。地域の実情ということを一つ考慮に入れる必要があるのでないかと思います。旗はおろさないけれども、地域の実情に応じて速度がちょっと違ってくるということではないかと思っています。
 意見の2つ目としては、健全育成のほうになりますけれども、参考資料2の3ページに「児童館の機能・役割」とあるのですが、書き加える項目が4点あったのですけれども、もう一つは、児童館としては人間関係の構築、同年代とかかわり合う、あるいは異年齢の子どもたちがかかわり合う、あるいは異世代でかかわっていく中で、人間関係の構築というものが役割としてあるのではないかと感じています。
 2つ目としては、資料の10ページ「館長の職務」ということで、ちょっと気になったのは、「子育て環境の改善に努める」、「運営や活動内容の改善を図る」ということなのですが、ちょっと違和感を覚えました。「充実を図る」とか「向上を図る」という表現のほうが望ましいのではないか。「改善を図る」ということは、前提として余りよろしくないという印象を受けてしまわないかと感じました。むしろ充実を図ると。それぞれの児童館の状況によって当然違うわけですから、充実を図るということで、いろんな地域で読みかえることができると思いました。
 私のほうからは以上です。
○秋田部会長 ありがとうございます。
 事務局のほうからそれぞれありますでしょうか。
○鈴木健全育成推進室長 放課後児童クラブの関係で専門委員会、資料の25ページ「質の確保」ということで、今後の検討の方向性を掲げております。その中で26ページの、委員の先生から第三者評価、自己評価の仕組みをどのようにつくっていくべきかというこということで、現状としましては、基準の中で自己評価に関しては採点基準の中で記載がされていますけれども、第三者評価ということ、まだそこまで進んでいないので、専門委員会の中でこのような方向性も出されていますので、検討してきたいと思っております。
 参考資料2の2ページでございます。参考資料2につきましては、事務局が23年度以降の子どもの貧困とかいじめとか障害者の関係とか、関係法律等々が出ていますので、それに基づいてとりあえずたたき台をつくっているところでございます。このたたき台はこれから議論していくことになるので、御参考にさせていただきたいと思います。
 以上です。
○秋田部会長 ありがとうございました。
 お願いします。
○成松家庭福祉課長 社会的養育の関係で御意見、ありがとうございました。
 まさしくおっしゃるように、平成28年の改正法、家庭養育優先原則というのが理念として規定されましたので、それをできるだけ速やかに達成していく、実現していくという要請がある一方で、ただ、それを支えていくフォスタリング機関とか体制とか人材というところも早急にやっていかなければならない。そういった2つの要請の中で、都道府県でどういったことをお取り組みいただけるか。都道府県の事務ですので、双方の意見のある中で、どういうところでやっていただくかというところを今、社会的養育専門委員会で御議論いただいているところでございます。今、草間委員からいただいた御意見もしっかり受けとめさせていただいて、また専門委員会での議論というのも進めていきたいと考えてございます。
 以上です。
○草間委員 もう一点、施設の多機能化・小規模化といった場合に、保育士のほうでは結構改善が進んでいるのですけれども、保育士の処遇改善という対策がとられているのですが、一方で、社会的養護の施設での処遇改善がなかなか進まないと、運営責任者はそこまで踏み込めない。だから、インセンティブを高めるためにも、あるいは今、求人しても人手確保がなかなか難しいという状況がありますので、処遇改善についても御検討されているいかと思いますが、このあたりの措置というのを伺えればと思います。
○成松家庭福祉課長 ありがとうございます。
 保育所の保育士のほうでは平成27年に消費税財源を活用させていただいて、あるいは平成29年に追加的な処遇改善を保育所の保育士で行わせていただいておりますが、児童養護施設とか乳児院についても同じように27年、29年、まだ十分でないという御意見があるかもしれませんけれども、処遇改善をさせていただいております。
 また、委員から御意見をいただきましたので、さらに追加的なものができるどうかというところは、財源の問題もございますけれども、あるいは社会的養育を支える人材をしっかり確保していくという観点からも大事だと思いますので、引き続き検討させていただければと思っております。
 以上です。
○秋田部会長 ありがとうございます。
 松田委員、どうぞ。
○松田茂樹委員 中京大、松田です。
 今、草間委員から御指摘ありました社会的養育に関して全く同じ意見を持ちましたので、質問と意見を述べさせていただければと思います。質問が2点です。
 目標値のあたりは、私もかなりひっかかったのですけれども、これは既に決められたものなのでしょうかというのが1問目です。具体的な数値としましては、乳幼児の里親委託率75%以上ですとか、学童期以降の里親委託率50%以上、それから特別養子縁組年間1,000組、1,000人。つまり、これは既にどこかで定められたものなのかというのが1点目の質問です。
 2点目は、現状のそれぞれの数値を教えていただけないかということです。まず、そこがわかりましたら教えていただけますでしょうか。
○秋田部会長 お願いします。
○成松家庭福祉課長 ありがとうございます。
 ちょっと説明が足りなくて恐縮でございます。75%、50%あるいは1,000人とおっしゃっていただいたところでございますが、これは資料5の3ページを御参照いただければと思います。説明の中で申し上げた新たな社会的養育の在り方に関する検討会が平成29年8月に「新しい社会的養育ビジョン」というのをお取りまとめいただきました。こちらのほうでは75%、50%あるいは1,000人を目指していくべきということが明示されております。これを踏まえまして、社会保障審議会の中の社会的養育専門委員会で都道府県、あるいは施設の方、有識者の方々に入っていただいて、このビジョンで示された数値目標について、どう進めていくのかというところを今、議論させていただいているという状況でございます。ですので、ビジョンという形で有識者からいただいた報告書には明示されているけれども、具体的にどう進めていくかというのは議論中であると御理解いただければと思います。
 現状の数字でございますが、大体で申し上げると、75%、50%に相当する数値というのは大体2割弱でございます。全体的に里親委託率というのは大体2割弱でございまして、年齢別でも同じような数値でございますので、2割弱というふうな数値になっているということでございます。
 特別養子縁組に関しては、最近伸びてきてはいますけれども、ちょっと変動がございまして、500人前後というのが最近の動向でございます。
○秋田部会長 どうぞ。
○松田茂樹委員 ありがとうございます。
 そうしますと、かなり高い目標でございますので、掲げているものは目指すのかもしれませんが、こちらの検討委員会の皆様のほうで、それが無理のないようにどのように達成するかということについて御議論いただきたいなと思います。
 私は家族社会学が専門なのですけれども、家族の議論の中に、家族に委託すること、それは里親も含めて、ブラックボックスになるということと、やはり望ましくない権力関係などの危険について指摘される意見もありますので、くれぐれも慎重に一人一人の幸せな子どもを育てていくという形で、この目標をどうやって達成するかということに関しまして御議論いただければと思います。
 以上です。
○秋田部会長 ありがとうございます。
 松田委員、どうぞ。
○松田妙子委員 ありがとうございます。
 地域で子育てをしていて、研究者でないので上手に話せるかわからないのですけれども、いろいろな委員会の御報告をいただいて、どうしても縦割り的になってしまうのですが、すごくいつながっているなと感じました。「パーマネンシー保障」という言葉を今回この養育ビジョンで学んだのですけれども、施設の役割が変わっていくのだなというのが一つ。変わっていくというか、もともとそれもされていたと思うのですが、よりくっきりとその地域の中での役割が改まるのではないかということを考えています。多分専門性であるとか、専門職の方の養成とか、すごくたくさんの人を育てるということが必要になるなということと、児童館が運動してすごく大切になっていくと思います。ただ、児童館は一般財源化されていて、市町村次第でつくる、つくらないとか、ある、ないところ差がすごくあるので、児童館はセットで、地域の子どもたちが18歳まで行ける場所、貴重な資源としてもう一度役割の見直しが必要かなと感じています。そういう意味では、ガイドラインだけではなく、児童館そのもののあり方もぜひ検討していただきたいなと思っています。
 また、地域でより近いところで生活していくということにおいて、すごくつながりのように見えるのですけれども、私は地域の子育て支援をやっているので、予防的な地域の子育て支援をより推進していただきたいと思います。専門職の方たちがきちっとかかわるということも大事なのですが、専門家の人が遠くから通ってくるという場所ではなく、地域の中の人たちがかかわれる地域の子育て支援の場であるとか、制度とかサービスがより充実していくと、子どもへの理解とか、より支援が必要なお子さんへの理解が地域の中に広がりますし、里親への取り組みという意味でも人材の発掘になるなと思っています。
 例えば一時預かりとか、そういったところでは本当に地域の方たちが活躍してくださっていて、そういう地域は里親への関心とかも高まっていくと思いますし、そういう人たちをバックアップする意味で専門職の方たちが後ろに控えていてくれるような、そういう形があるといいと思います。子どもは地域で育てられるし、子どもがいる暮らしを支えていくような、そういった制度にしていっていただけたらと思います。
 以上です。
○秋田部会長 ありがとうございます。
 大塚委員、お願いします。
○大塚委員 大塚です。
 今のお話も含めて、全体の話になるかもしれませんけれども、地域で子どもさんを支えていく、支援体制を構築していくと、大きなところでは、地域共生社会の実現ということで、従来の児童であると障害であるとか高齢という壁を取り除いて、地域でいろんな方たち、多様な方たちを支えていくということがイメージされながら、我が事・丸ごととしてやっていく。そういう中において、今回の予算も含めて、あるいは要保護、社会的養護の方たちも含めて、児童分野についてはどんな方向性を持って考えているかということについて、御質問したいと思っています。地域共生社会の実現との関係です。
○秋田部会長 ありがとうございます。
 では、長田総務課長、どうぞ。
○長田総務課長 まだ具体的な施策というところに落とし込めているわけではないのですが、そもそも今、子どもの分野の中でとりわけ求められているのが、最近のキーワードになっていると思いますけれども、妊娠・出産期からの切れ目ない支援体制を構築していくという軸があって、先ほど松田委員からも御指摘がありましたが、そこに関わるさまざまな地域資源というものをどうつなげていくかというところが、まず構築していかないといけない課題かなと思っております。その中で、今、それぞれの地域の中では共生的な、子どもとか障害者ということではなくて、まさに丸ごとケアをしていくというような、いろんな動きが出てきていますので、それらをどういった形でその施策に落とし込んでいけるかということは、いろんな形で研究をしていきたいと思っております。
○秋田部会長 よろしいでしょうか。
 では、久保野委員、お願いします。
○久保野委員 東北大学の久保野でございます。
 大きく分けて2つ、細かく分けますと3つ意見及び質問をさせていただきたいと思います。
 1つは、先ほど来出ております社会的養護については、里親や特別養子について数値目標はありつつも、慎重にという意見に強く共感いたしますし、それとの関係で、資料の中にもありますが、一方で、まずは保護者等の支援によって家庭復帰に最大限努力するということがありまして、そちらの方面、親と子の分離防止や再統合支援とのバランスということが重要だということを改めて意見させていただきたいと思います。
 その関係で、里親や特別養子の施策は今、表面化しているわけですけれども、再統合支援等の方向について、現在の施策で考えられていることや、重点が置かれていることについて、資料にある程度書かれているとは思いますが、改めて確認させていただけたらと思います。以上が1点目です。
 2点目が、同じく社会的養護関連ではあるのですけれども、先ほど資料3の御説明を聞いているときに疑問に思ったことで、ちょっと質問しそびれたので、こちらで失礼しますが、資料3の8ページ目、ちょっと細かいところで恐縮ですが、未成年後見人から適切な支援を受けるためという項目が立っておりまして、先ほど申し上げたようなバランスの中で、バランスが重要な中で未成年後見人というのがどういう観点から着目され、どういうことが期待されているのかということを知りたいと思いましたので、質問としてお願いします。
 3点目ですけれども、ひとり親家庭への支援について、養育費の確保等というのが、ひとり親家庭の自立といった、先ほども指摘されていたような問題との関係、あるいは幼児教育の背景に負担軽減があるといったこととの関係でも重要だと注目しております。私は法律を専門としておりまして、一方で、この問題は離婚時にどのように養育費を定めるかといったことと密接に関連しておりまして、また同時に、離婚時は高葛藤で協議などがしにくいといったような問題も指摘されています。
 質問は、市町村等身近なところで積極的に施策を進めるということも重要だと思うのですけれども、適切な専門家、弁護士さんとか家庭裁判所との連携ということが重要になる分野かと思っておりまして、特に裁判所との関係等についてどうなっているかということをお聞かせいただければと思います。以上、3点目です。
○秋田部会長 お願いいたします。
○成松家庭福祉課長 家庭福祉課長でございます。
 先ほど家庭療育優先原則というのが平成28年の改正児童福祉法の中で位置づけられたということを申し上げましたが、この家庭養育優先原則というのは、まず第一に保護者が養育するのだと。それが無理な場合は里親さんなりファミリーホームをその次の優先順位にして、それでも適当でない場合というのは、小規模化されたような施設のところで養育をしていくということでございますので、法律の観点から言いましても、先ほど久保野先生がおっしゃっていただいたように、まずは家庭での養育を支援する、あるいは一度代替養育をしたお子さんでも家庭復帰をしっかり視野に置いて検討していくというのが、まず法律全体としての理念となってございます。
 具体的な施策として何があるかというところの例を申し上げますと、例えば児童相談所でそういうソーシャルワークをしっかりやっていただいているというのがあると思います。例えば乳児院で申し上げると、27年度中、新規に乳児に入ったお子さんは1,993人でございますが、家庭復帰をされているのは大体900人弱いらっしゃいます。そういった意味でも家庭復帰できるお子さんというのは、そういう方向でしっかりとソーシャルワークなり児童相談所がされているということを考えてございますし、また、施設のほうに家庭支援専門相談員という形で1名、措置費として配置をさせていただいてございますので、その方々と児相と連携をとりながら、家庭復帰も視野に入れながらしっかり取り組んでいただいている。それを我々としても後押しをしていかなければならないですし、家庭復帰をされた後も、地域なりアフターケア、地域での養育を支援していく体制をつくっていかなければならないと考えているところでございます。
 社会的養育の関係は以上でございます。
○秋田部会長 よろしくお願いします。
○度会母子家庭等自立支援室長 続いて、養育費の関係でございます。資料3の11ページ、予算案のほうになりますけれども、養育費の確保等支援という形で載せておりますが、まず国のほうにおきましては、養育費相談支援センターというものを置きまして、養育費相談に対応する人材の養成のための研修とか、それから養育費の取り決めや面会交流の支援に関する困難事例の対応、具体的に申し上げますと、基本的には自治体のほうで相談等が上がってきますので、困難事例に対する支援を行っているという形で養育相談支援センターが位置づけられています。また、養育相談支援センターでも一般的な養育費あるいは面会交流に関する相談も受け付けているという形になっております。
 2点目ですけれども、地方自治体のほうで母子家庭等就業・自立支援センターなどが設置されておりますが、ここで養育費の取り決めに関する相談等、あるいは情報提供も行っております。また、平成28年度から補助金を出すという形で弁護士による法律相談というものを行っているわけですけれども、こういった形で養育費の確保支援を行っているという形になっております。
○宮腰虐待防止対策推進室長 虐待防止対策推進室長でございます。
 未成年後見人の予算について御質問がございましたが、具体的に申し上げますと、今まで未成年後見人の方がついたときに、児童相談所長が申し立てをした場合については報酬の助成を行っておりましたけれども、誰が申し立てたかということにかかわらず、今回相談所長以外の人が申し立てた場合であっても、一定の要件が当てはまれば報酬の助成の対象にするということで、拡充をしたというものでございます。
○久保野委員 よろしいでしょうか。
○秋田部会長 どうぞ。
○久保野委員 ありがとうございました。
 1点目の確認なのですけれども、再統合支援の方向での先ほど御紹介があったようなさまざまな施策について、今回里親や特別養子を特に推進することと同時に、より充実したり、新規にするということは特に予定されていないというお答えだったと理解してよろしいでしょうか。
○秋田部会長 お願いいたします。
○成松家庭福祉課長 来年度予算で特にこれを拡充しているというものではないですが、平成28年の改正法とかも踏まえまして、どういった方策ができるか、やるべきかというところは引き続きしっかり検討していきたいと思っているところです。
○秋田部会長 ありがとうございます。
 それでは、ほかに御意見ございますでしょうか。草間委員、お願いいたします。
○草間委員 草間です。
 先ほど課長のほうから処遇改善については検討していきたいということで、引き続き検討していただけるというお答えをいただきました。経常経費になるのは、予算が膨らんでいくのでなかなか難しい部分があるのですけれども、例えば一時金を出す。これは私どもの東北福祉大学では関連法人で高齢者の施設を幾つか持っています。人材が来ないという中で、他の施設でどうしているかというと、就職した際に一時金を出しているとのことです。これは保育の現場でも特にあるようですけれども、例えば施設に一時金を支給しますとなると、一つの呼び水になるのでないか。今までは人材バンクセンターとかハローワークに行ってもなかなか難しくて、今、民間企業のあっせんサービスをやってもなかなか厳しいと伺っています。一時金みたいなものであれば結構検討もしやすく、事業化についてもしやすいのではないかということで、御提案でございます。
○秋田部会長 お願いします。
○成松家庭福祉課長 ありがとうございます。
 例えば施設の関係者とかいろんな方々の話を聞いていると、今の経済状況もありまして、人材確保はなかなか難しいというお声もございます。今いただいた一時金というのは一つの方法だと思いますし、あるいはまた、どんな方法があるか、金銭面あるいはいろんな方法があると思いますけれども、そういうのも含めまして、よく第一線の方々の意見もいただきながら方法的に進めていければと考えております。
 以上でございます。
○秋田部会長 ありがとうございます。
 ほかに御意見がないようであれば、本日はこれで閉会したいと思います。
 ありがとうございました。

(了)
 
 
 

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