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2016年12月21日 第63回がん対策推進協議会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

○日時

平成28年12月21日(水)13:00〜16:00


○場所

厚生労働省 9階 省議室


○議題

(1)がん対策推進基本計画の見直しについて
   ・緩和ケアについて
   ・障害のあるがん患者への対策について
(2)次期計画の全体目標について
(3)その他

○議事

○門田会長 それでは、塩崎大臣が到着されましたので、ただいまより第63回「がん対策推進協議会」を開催したいと思います。

 本日はことしの最後ということになっております。本当にお忙しいときにお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、事務局からお願いいたします。

○がん対策推進官 がん対策推進官の丹藤でございます。

 本日はがん対策基本法改正後、初めて開催されますがん対策推進協議会でございますので、開催に当たりまして塩崎恭久厚生労働大臣から御挨拶がございます。

○塩崎厚生労働大臣 厚生労働大臣の塩崎恭久でございます。

 第63回のがん対策推進協議会ということで、大変年末で押し迫ってお忙しいところ、委員の皆様方にはこうしてお集まりをいただいて、きょうは御議論賜れるということで大変ありがたく感謝を申し上げたいと思います。

 この協議会にはなかなか大臣は出てきていなかったというお話でありますが、今、事務方から話がありましたように、先般、がん対策基本法のちょうど10年の節目ということで、私は大臣になる前にがん登録法の議員立法を手がけさせていただきましたが、そのあとはがん対策基本法だねということを超党派で話をしておりました。それがようやく合意がなされて、先般12月9日にこの基本法の改正案が成立いたしまして、1216日に公布、施行になっております。ちょうどこの法律ができて10年の節目、そしてちょうど皆さん方に今、御議論賜っている第3期のがん対策推進基本計画の計画をつくるということで、ちょうどいいタイミングに新しい法律ができて、ぜひそこで入れられた新しい項目などにつきまして、あるいは新しい考え方については、しっかりとこの計画に生かしていくことが大事だと私も感じておりましたので、きょうちょうど協議会があるということなので、皆様方に私どもの考えの一端をお伝え申し上げて、これからの協議にまた生かしていただければありがたいなと思っているところでございます。

 9月にアメリカのバイデン副大統領から、彼らはキャンサー・ムーンショットというものをやっておりますが、日米韓3カ国の保健大臣会合をやらないかということを言われまして、特にがんの撲滅に向けての会議をやらないかということで、きょうは中釜先生もおいでですけれども、それから、AMEDからも、そして間野先生もご一緒でありましたが、行ってまいりました。これから情報共有しながらデータの共有、また、データの標準化などを含めて3カ国で協力していこうということを合意したわけでございますが、特にプレシジョン・メディシンを去年、一般教書で打ち上げたオバマ大統領のもとで、ことしの一般教書ではキャンサー・ムーンショット計画ということで、バイデン副大統領は御子息を昨年がんで亡くされたということで、大変がんに詳しい方でございますけれども、みずからの声かけで行ってまいりました。

 その中でデータの共有をするのに、例えば希少がんなどはそれぞれの国でもデータの数が少ないので、ぜひ一緒にやらないかという話もございました。ちょうど今回、基本法の中で希少がん、難治性がん、小児がん、これらについて特に触れられているわけでありますので、ぜひ今回の基本計画にもそういったことも入れ込んでいただき、また、就労対策というか、就労支援をしっかりやる。この間、私ども働き方改革を今やっておりますけれども、働き方実現会議の中で私どものほうからも、がんや病気になったときの職場での手だてがまだまだ少ないということで、私どもとしてもこれからさらに努力をして、十分果たせていない責任を果たしていこう。こういうことで提案をさせていただきましたが、そのようなことも入っておりますので、ぜひ皆様方にはこの計画をしっかりまたさらに御議論を賜って、よりよいものにしていただくようにお願いを申し上げたいと思います。

 この基本法はこの10年の間でがん診療連携拠点病院、地域がん診療病院のない二次医療圏も、240カ所から75カ所まで減少させるという着実な前進はしておりますけれども、引き続き死因の第1位、そして3人に1人はがんで亡くなるということでありますから、アメリカも今、言われているがんで死ぬことがないようにということでキャンサー・ムーンショットというものをやっているわけで、それも患者の立場、家族の立場、そしてサバイバーの立場、そういった面をとても大事にしながらやっていることを私も感じ取ってまいりました。

 ぜひそういうところもよく見ながら、本当に日本ならではのいい計画をつくっていただくようにお願いを申し上げて、私からのお願いの御挨拶にさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

○がん対策推進官 ありがとうございました。

 塩崎大臣は、公務のためここで退席をさせていただきたいと思います。

○塩崎厚生労働大臣 では、よろしくお願いいたします。

(塩崎厚生労働大臣退室)

○事務局 本日の委員の出欠状況について御報告いたします。

 本日は大江委員、宮園委員より御欠席の連絡をいただいております。また、北川委員、松村委員より、おくれて御出席の連絡をいただいております。

 なお、委員総数16名の皆様に御出席いただいておりますので、協議会開催の定足数に達していることを御報告申し上げます。

 本日は参考人としまして、「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」座長、聖路加国際大学学長、福井次矢参考人。

 国立がん研究センター中央病院支持療法開発センター長、内富庸介参考人。

 国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報提供研究部医療情報評価研究室長、八巻知香子参考人。

 国立がん研究センターがん対策情報センターがん登録センターがん登録統計室長、片野田耕太参考人。

 株式会社ミナケア代表取締役、山本雄士参考人に御出席いただいております。

 以上をもちまして、傍聴される方におかれましては撮影を終了し、カメラをおさめていただきますよう御協力をお願いいたします。

 また、携帯電話等、音の出る機器につきましては電源を切るかマナーモードに設定いただくなど、会議の妨げにならないよう静粛にしていただきますようお願い申し上げます。

 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 資料1「がん対策推進協議会委員名簿」。

 資料2「各検討会の検討状況について」。

 資料3「改正がん対策基本法の概要」。

 資料4「第62回がん対策推進協議会での主な御意見」。

 資料5「緩和ケアについて〜議論の背景〜」。

 資料6「がん等における緩和ケアの更なる推進に関す検討会 議論の整理 概要」。

 資料7「がん患者の自殺対策-現状と課題および今後の方向性:「診断の早期からの緩和ケア」における残された最大の課題(内富参考人提出資料)」。

 資料8「障害のあるがん患者への対策について〜議論の背景〜」。

 資料9「障害のあるがん患者への対策について(八巻参考人提出資料)」。

 資料10「次期基本計画の全体目標について〜議論の背景〜」。

 資料11「がん対策推進基本計画の全体目標(片野田参考人提出資料)」。

 資料12「がん予防事業への期待(山本参考人提出資料)」。

 また、お手元の委員提出資料を確認させていただきます。

 桜井委員、勢井委員、難波委員、馬上委員、若尾委員提出資料「基本計画の緩和ケアについて」「がん患者の自殺対策について」「障がい者のがん対策について」「基本計画の全体目標について」。

 中川委員提出資料「緩和ケアの更なる推進のために論議しておくべき課題について」。

 檜山委員提出資料「次期計画の全体目標への提案」。

 山口委員提出資料「次期計画の全体目標について」。

 また、お手元には机上資料ファイルと机上参考資料をそれぞれ御用意しております。

 資料に不足、落丁等がございましたら事務局までお申し出ください。

 事務局からは以上でございます。

○門田会長 ありがとうございました。

 資料に何か問題はございませんでしょうか。よろしゅうございますか。ないようでしたら本日の議事に入りたいと思います。

 まず最初に報告事項に入ります。報告事項(1)各検討会の検討状況について、事務局より御報告をお願いいたします。

○がん対策推進官 がん対策推進官の丹藤でございます。

 資料2「各検討会の検討状況について」をごらんください。

 本協議会と並行して議論を行っていただいていますがん診療提供体制、がん等における緩和ケア、がん検診のあり方についての検討会について、その検討状況を御報告いたします。

 がん診療提供体制のあり方に関する検討会につきましては、5月20日より8月4日まで4回にわたって御議論をいただき、前々回、第61回の協議会で議論の整理を御報告いただいたところでございます。

 また、がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会につきましては、5月30日以降、1129日まで5回にわたって御議論いただき、本日、第63回の協議会の中で議論の整理を御報告いただきます。

 がん検診のあり方に関する検討会につきましては、5月12日以降、11月8日まで4回の検討会、また、3回のワーキンググループで御議論をいただきまして、第62回の協議会で議論の整理を御報告いただいたところです。

 以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 この件で何か御発言はございますか。よろしゅうございますか。今までの検討会の経緯でございますので、それでは、次にまいりたいと思います。

 次の報告事項(2)改正がん対策基本法についてということで、事務局からお願いします。

○がん対策推進官 資料3をごらんください。先ほど大臣の御挨拶にもございましたとおり、今月9日、がん対策基本法の改正法が成立いたしました。その概要について御説明をいたします。資料3、2番目の基本理念の追加をごらんいただければと思います。これまで予防ですとか検診の推進といったものに加えまして、がん患者が尊厳を保持しつつ、安心して暮らすことのできる社会の構築、また、それぞれのがん特性に配慮したものとなるように。また、保健、福祉、雇用、教育その他の関連施設との有機的な連携をするということ。国や地方公共団体、医療保険者、医師、事業主、学校、がん対策に係る活動を行う民間の団体、その他の関係者の相互の密接な連携の下に実施されること。こういった理念が追加されております。

 また、医療保険者の責務・国民の責務についても改正が行われました。さらに事業主の責務についても新設され、そのほか基本的な施策の拡充として予防に対する啓発ですとか、早期発見の推進、緩和ケアの充実、がん患者の療養生活の質の維持向上に係る規定の改正、がん登録の取組、研究の推進、がん患者の雇用の継続、がん患者における学習と治療の両立、民間団体の活動に対する支援、がんに関する教育の推進といったものが盛り込まれたところでございます。

 説明は以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 皆さんいろいろとこれまで目にされたかと思いますが、何か御質問がございましたらおっしゃっていただきたいと思います。

 若尾委員、どうぞ。

○若尾委員 若尾でございます。

 この時期に改正がん対策基本法が施行されて、とてもうれしいなと思います。これを私たちが今、一生懸命考えている次の計画に盛り込むわけですけれども、今まで盛り込めなかったことが入ってくると、それをするための予算がどうしても必要になってくると思うのですけれども、もう既に来年の予算はほぼほぼ決まっていると思うのです。もしこういうことが必要だということであれば、このタイミングで施行された改正がん対策基本法に対する計画に対して予算が漏れるということはあるのですか。何かすごい幼稚な質問で申しわけないのですけれども、その辺のことを教えてください。

○門田会長 事務局、お願いします。

○がん対策推進官 御質問ありがとうございます。

 こういった法を踏まえて計画が策定されて、それからよりよい施策にするための事務ですとか予算といったものが行われます。これからの議論になると考えております。

 ですから、そういう意味では御指摘のとおり来年度については既に議論は尽くされているところでございます。その次以降の議論になると思います。

○門田会長 よろしいですか。そのほかいかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 特にないようでしたら、その次にまいります。本日の議題(1)がん対策推進基本計画の見直しについてということで、事務局からお願いしたいと思います。

○がん対策推進官 資料4をごらんください。前回の協議会での主な御意見をこちらにまとめております。項目ごとに整理しております。

 がんに関する相談支援と情報提供につきまして、「情報提供について」と「相談支援について」に分けて整理をさせていただいております。

 それから、前回「がんの教育・普及啓発について」の御議論をいただきました。こちらも資料のとおり整理をさせていただいております。

 さらに「がんの予防・がん検診について」、こちらは検診の検討会でいただいた議論の整理を含めて御議論いただきまして、こちらのとおりまとめているところでございます。

 以上でございます。

○門田会長 ありがとうございました。

 ただいまの御説明、何かございますか。馬上委員、どうぞ。

○馬上委員 前回のとき言葉が足りなかったのですけれども、相談支援について本人にかわって医療に関する決定を行わなくてはならない代諾の方、高齢者の方ですと家族の方が多いと思うのですけれども、小児に関してはやはり親であると思うのですが、そうした代諾者の方に関しての相談支援というものも強化していただきたいと思いました。

 もう一点は予防・検診についてですけれども、小児がん、希少がんについては検診にはひっかからないということで、早期発見の視点もぜひ重点化していただきたいと思いました。よろしくお願いします。

○門田会長 よろしいでしょうか。

 そのほかどなたかございますか。中釜委員、どうぞ。

○中釜委員 前回の意見の中で検診に関する部分です。検診のあり方に関する検討会を踏まえてさまざまな論点が議論され、ここにリストされているのですが、主に職域検診の問題であるとか、がん検診受診率とか費用対効果、そういう議論があったかと思います。検診の国際的な標準の仕組みである組織型検診の徹底が重要です。即ち、科学的根拠にある有効性の実証された検診の実施や制度管理の問題、それから受診率向上、これらは非常に大きな3要件だと思うのです。このあたりの議論がまだ十分に整理されていなかったかなという印象を受けるのですが、この検討会の中で今後さらにそのあたりを詰める、あるいは追加で行う予定はあるのか、具体的な基本計画を骨子をつくる段階で改めてそこは議論されるおつもりなのか、その点だけ確認させてください。

○がん対策推進官 御指摘ありがとうございます。

 検討会の中でこういった検診については、御指摘のような組織的な検査のあり方とか、引き続き議論をさせていただきたいと思っています。

 協議会の中での検診のあり方等の御意見につきましては、引き続きいただきながら議論を進めていきたいと思っています。

○門田会長 よろしゅうございますか。ありがとうございます。

 そのほかどなたか。よろしいですか。それでは、その次に進みたいと思います。緩和ケアについてということで、まず事務局から資料5について御説明をお願いしたいと思います。

○がん対策推進官 資料5をごらんください。緩和ケアについて議論の背景を事務局でまとめたものでございます。

 緩和ケアの歴史として2枚目のスライド、3枚目のスライドでお示しをしております。それから、第2期のがん対策推進基本計画の中でも御存じのとおり重点的に取り組むべき課題、それから、全体目標、分野別施策の中で緩和ケアが位置づけられておりまして、5枚目のスライドですけれども、その中の具体的な書きぶりの文言につきましては、こちらに示したとおりでございます。

 また、拠点病院の指定要件の中にも緩和ケアに係る部分がございます。6ページでございますけれども、こちらに拠点病院の指定要件としての緩和ケアチームの人員配置ですとか、求められる主な取組を取りまとめております。

 次のページをごらんいただきまして、7〜9枚目のスライドが地域がん診療連携拠点病院の指定要件でございます。こちらにお示ししたとおり緩和ケアチームを整備して、組織上、明確に位置づけるとともに、がん患者さんに対して適切な緩和ケアを提供するといったものが指定要件として示されているところでございます。

 また、10枚目、11枚目のスライドですが、こちら都道府県がん診療連携拠点病院の指定要件として、緩和ケアセンターの整備が位置づけられているものでございまして、その書きぶりについてこちらでお示ししております。

12枚目のスライド以降が、基本計画の中間評価の概要でございます。緩和ケア関連を抜粋してお示しをしているところでございます。

13枚目のスライドですけれども、今後さらなる推進が必要な項目として、より一層の緩和ケアの研修の受講推奨ですとか、拠点病院以外の医療機関でもそういった緩和ケアの充実に努めることという御意見をいただいているところです。

14ページ目ががん対策加速化プランにおける緩和ケアの記載でございます。こちらにありますように現状と課題、実施すべき具体策としてお示ししているところでございます。また、加速化プランへの提言ということで15枚目のスライドですけれども、がん対策加速化プランに加えてこうしたものを行ってはどうかということで、緩和ケアについての部分を抜粋してお示ししているところでございます。

 背景の説明については以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 引き続きまして、がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会、座長の福井先生に来ていただきました。福井参考人からお願いしたいと思います。

○福井参考人 がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会座長を務めさせていただきました福井です。

 本日のこの協議会の委員の先生方のうち、5名の先生方が私たちが行ってきた検討会の委員として参加されました。

 先ほどの資料2にございましたように、本年5月以降、5回にわたり緩和ケアの提供体制、緩和ケア研修会、がん以外の疾患に対する緩和ケアのあり方、そして、今後の方向性などについて議論いたしました。詳細につきましては事務局から説明していただきますが、私からは一言。

 5回の検討会を通じて緩和ケアの質の話がしばしばでてまいりましたが、質を評価する指標が明確でないという点が大きな問題だと思います。資料5のスライド12枚目には基本計画中間評価で、指標が扱われていると思いますが、提供体制といった大雑把な指標ではなくて、できましたら診療面でのプロセスとか、患者さんの主観的な評価、診療内容そのもの、あるいは何らかの形のアウトカムなどを、難しいとは思いますが、明確にされると、今後、緩和ケアを改善する上で本当に効果があったのかどうかの評価がより容易になると思います。その方向で検討を進めていただければと強く思いました。

 それ以外の詳細につきましては、事務局より説明をお願いいたします。

○門田会長 では事務局からお願いします。

○がん対策推進官 事務局でございます。

 先生方のお手元資料の一番下にございます事務局提出参考資料「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会における議論の整理」をあわせてごらんいただければと思います。

 こちらの議論の整理を1枚にまとめたものが資料6となっております。

 それでは、説明は資料6でさせていただきます。

 先ほど福井先生から御報告いただきましたとおり、現状と課題を大きく3つに分けまして、検討会の中で議論を行っていただきました。

 1つ目は緩和ケアの提供体制でございます。こちらは福井先生から御指摘いただきましたとおり、緩和ケアの質に関する指標、基準といったものを確立していくべきではないかという課題。それから、ほかには専門的な緩和ケアの充実ですとか、施設全体の連携といったものが課題として挙げられたところでございます。

 2つ目の課題、緩和ケア研修会、卒前・卒後教育についてです。緩和ケア研修会の受講率は十分上がっていないという課題ですとか、この開催に当たっては拠点病院の負担になっているといった課題がございました。

 卒前・卒後教育においても、緩和ケアを学ぶ機会を確実に確保する必要があるのではないかといった課題もございます。

 さらに3つ目として、医療用麻薬や介護、小児緩和ケア等、また、がん以外の疾患の緩和ケアについても御議論をいただきました。医療用麻薬に関する誤解があるですとか、介護する家族や患者が寄り添える療養環境を整備すべきではないかという御意見でございました。

 そういった課題に対しまして今後の方向性として、緩和ケアの提供体制につきましては指標や基準を確立していくこと。緩和ケアチームなどを育成すること。緩和ケアセンターの機能を強化することといった方向性をお示しいただきました。

 また、緩和ケア研修会や卒前・卒後教育につきましても、積極的な受講勧奨を進めるとともに、e-learning等を導入して、より効率のよい研修会を実施すべきではないかといった方向性をいただいております。

 さらに、その他の項目としては国民に対する医療用麻薬の適切な啓発とか、家族が寄り添えるような療養環境の整備、小児、AYA世代に対する緩和ケアの連携・提供体制の整備といった方向性が示されたところでございます。

 以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 それでは、最初の資料5、6、事務局提出の参考資料の説明がございましたけれども、この点につきまして御質問あるいは御意見がありましたら。

 最初に桜井委員、若尾委員、お願いします。

○桜井委員 私も緩和ケアの検討会の構成員をさせていただいておりました。この中でまず大きなこととして、資料6の書き方についてです。この内容が報告書の非常にいろいろな新しい取り組みが入ってきて、提案がされていて、今後の方向性のところにきちんと明記されておりますので、もう少しそのあたりが伝わるようなまとめ方をされたほうが、国民への理解がされやすいのではないかということを思っております。

 例えば地域との、在宅の検討をする会議の設定ですとか、あるいは2人かかりつけ医体制ですとか、こういう新しい提案もかなり盛り込まれております。主治医との併診ができるような体制づくり、こういう言葉なんかも非常に入っておりますので、ぜひこのあたりがわかるようなまとめ方にしていただきたいなというのがまず大きなところです。

 それから、各論のほうなのですけれども、私もこの構成員として会議の中でお話をさせていただきましたが、事務局提出参考資料の議論の整理の中から少し落ちてしまっているものがあるのです。それを2つほど御指摘させていただきます。

 まず1つ目は、AYA世代の方の在宅療養環境です。これが課題のところには挙がっているのですが、今後の方向性になるとなぜか消えているのです。これはページで言うと21ページです。このあたりになってくるのですけれども、今年ありました堀部班のAYA世代の科学研究費でも、AYA世代の方は最終的には御自宅で亡くなりたいということを希望されている方が非常に多い。アンメットニーズとして浮かび上がってきております。それに対して受け皿となるような在宅療養環境については、全く整備されていないのが現状だと思いますので、これについて方向性にも文言を追記していただきたいと思っております。

 2点目なのですけれども、ページで言うところの5ページです。5ページに啓発の活動について書かれているのですけれども、この普及啓発の内容についても今までのような形ではなく、遺族調査ですとか、あるいは患者さんの満足度調査等々の調査結果に基づいて、これを踏まえた普及啓発を行うことということを私は検討会の中で言ったつもりでおりますので、ぜひこのあたりをもう少し書いていただきたいなと思っています。

 以上です。

○門田会長 事務局のほうはよろしいですか。

 それでは若尾委員、どうぞ。

○若尾委員 先ほど大臣もおっしゃいましたし、福井参考人もおっしゃいましたけれども、患者や当事者の視点に立った評価というものがとても必要になってくるなと思うのですが、今回、基本計画の中間評価は初めてということもあって、少し当事者としては物足りない部分があります。次期の推進基本計画の中ではアウトカム施行で患者家族主体の緩和ケアということを大きく出し、それから、アセスメント/評価をするときにも、患者や当事者やサバイバーの視点でということをぜひ忘れないでしてほしいなということを要望したいと思います。

 以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 そのほか、馬上委員、どうぞ。

○馬上委員 小児の緩和ケアに関して状況を説明させていただきたいと思います。

 患者委員の意見書にも少し書かせていただいたのですけれども、こちらのところでは1行、小児、AYA世代の患者に緩和ケアが十分届いていないということなのですが、やはり家族に大変大きく依存をしているところがありまして、負担が非常に重い状況になっております。

 といいますのは、在宅医療について小児専門の方が非常に少なくて、大体は診療所の成人の先生がそのまま診ていらっしゃる例がございます。小児の緩和ケア病棟はほとんどございませんし、小児のホスピスに至りましては現在、日本に3つしかございません。こちらのほうは先日、秋山先生がマギーズセンターのお話をされていましたけれども、イギリスのほうでヘレン・ダグラス・ハウスという小児のホスピスが発祥しておりまして、そちらにならって民間で日本で展開されるようになっております。しかしながら、こちらは小児難病全体のニーズがございまして、今、生命の危機にある小児難病の子どもが2万人いると言われているところ、3つしかないという全くの供給不足であるという現状でございます。

 そして在宅サービスにつきましても、小児慢性特定疾患助成は医療費助成があるのですけれども、在宅ケアは受けられないという状況で、装具、車いすとかそういったものは借りられるのですが、小児がんは非常に進行が速いために手続が間に合わないという状況がございます。こちらは障害者認定についても間に合わなくなっております。あと相談支援についてはほとんどなくて、家族が相談できるところは病院なのですけれども、なかなか相談していただけないという状況がありますので、ぜひ小児、AYA世代の緩和については、3期の基本計画で強力に進めていただきたいと思っております。

 以上です。

○門田会長 そのほかいかがですか。檜山委員、どうぞ。

○檜山委員 今の件について、小児がんを扱う点から少しだけ検討会の御意見をいただきたいのですが、今もありましたように小児、AYA世代の緩和ケアとなると、がんだけではなくてかなり大きな部分である、がん以外の疾患が占めているという状況です。ですから今まで我々医療サイドも緩和ケアを扱う方々も、がんの患者さんだけではなくて、小児の難病、いわゆる神経疾患や代謝疾患その他の難病の人たちも緩和ケアの中にたくさん入ってこられている状況なので、将来的に緩和ケアに対する方向を例えばがんとこれらの疾患は切り分けたほうがいいのか、それとも小児としては小児全体として緩和ケアについて取り組んでいったほうがいいという御意見なのか、そこのところの議論の整理を検討会でどうであったか教えていただければいいかなと思うのですが、よろしくお願いします。

○門田会長 どなたか意見ございますか。福井参考人、どうぞ。

○福井参考人 検討会では、あまり小児緩和ケアの問題は話題にならなかったように思いますが、循環器疾患の緩和ケアについての話し合いは随分行われました。循環器の中でも心不全が大部分ですけれども、がんの緩和ケアと別個に行うべきかどうかという微妙な話がありましたが、とりあえず現状を把握することが必要だというところに落ち着いています。今、おっしゃったように今までがんを専門としてこられた方が緩和ケアをしてきたといういきさつを踏まえますと、がんでない患者の緩和ケアを誰が担当していくのかはシリアスな問題で、検討をきっちり進めていく必要があると思います。がん以外の分野の方々にも緩和ケアの連携をしてもらうことも当然必要になりますので、協議会で方針を決めていただいたほうがよいと思います。

○門田会長 どなたかこの件について御意見ございますか。

 細川委員、どうぞ。

○細川委員 がん以外の患者さんへの緩和ケアについては、遅きに失したといえます。これは、もう10年前に論議しておくべきことだったと思います。誰がそれを担うかということですが、2030年前から、緩和ケアをやっている医療者は既に呼吸器、小児、循環器、神経難病の緩和ケアに関わってきています。もちろん在宅緩和ケアをやっておられる診療所の医師やメディカルスタッフの方は、“がん”より、むしろがん以外の患者さんのほうを多く、既に診ていられます。緩和ケア、言葉は正しくないかもしれませんけれども、緩和ケアマインドといいますか、亡くなっていかれる患者さんやその御家族へのケアに関しましては、共通点が多々あります。

 今年平成28年に京都で開催されました第21回日本緩和医療学会学術大会でも、厚生労働省健康局がん・疾病対策課の前課長の佐々木氏から「今、考える“がん”等における緩和ケア」、及び課長補佐の濱氏から「“がん”等における緩和ケアの更なる推進」という演題名で、御講演を頂きましたように、緩和ケアを“がん”以外の疾患に対しても教育、啓発、普及、実践していこうという流れが決まっております。今年度に開催されました多くの循環器病学や呼吸器学に関係した大きな学会や研究会のほとんどで、緩和ケアが、教育講演や特別講演、シンポジウムで取り上げられたという状況になっています。

 循環器、呼吸器の幾つかの学会とは、日本緩和医療学会の教育・研修委員会、ガイドライン委員会などと今後、テキスト制作やその基本教育をどのようにしていくかということで、教育委員会レベルで既に協議が始まっております。この「がん対策推進協議会」はがん対策ですので、“がん”の緩和ケアの協議のみとなりますが、緩和ケア全体におきましてはすでに、がん以外の疾患についても緩和ケアをやっていかなければならない時代が来ています。そして命にかかわる疾患を持つ患者さんと御家族への緩和ケアの提供という根本的なところは、同じだと考えております。

○門田会長 馬上委員、どうぞ。

○馬上委員 小児に関してなのですけれども、やはり世界的な動向は難病全体を支える小児ホスピス、レスパイト施設をつくっていくというふうになっておりまして、英国では44施設、あと欧米で多くつくられてきているところなのですが、日本でも難病全体のお子さんの中で慢性的に進んでいかれる方、小児がんのように進行が早い方、それぞれに合わせて滞在をするという形になっておりますので、私自身は小児はまとめて小児の緩和ケアということで、別の疾病も一緒にというような方向がいいのかなと思います。実際あと3つ、北海道、横浜、福岡で民間でさらにまた同じような小児ホスピスが計画されておりますので、国や自治体からの何らかの支援、例えば横浜では土地を貸借するような話も出ておりますので、そういった支援をしていただきたいと思っています。

○門田会長 私、個人的な意見としてお話させていただきたいと思うのは、20年ほど前、緩和医療学会が立ち上がった当時、これは前にもここでお話したかもわかりませんけれども、緩和医療学会が緩和医療学というものを医学教育の中から、あるいは医学の中から外出しすることは損ではないかということを申し上げて、今でも似たような気持ちを持っているのです。

 今、例えば第2期のがん診断時からの緩和ケアという表現がありますけれども、診断の段階で緩和ケアの専門家にということはあり得ない話だと思うのです。それはどういうことかというと、そういう医療をしている人間あるいは医師、医学教育を受けた人間は、大抵その感覚あるいはそういう精神がなくてはならないはずだった。それを余り重視しないで緩和医療が、あるいは緩和ケアというものの外出しを通じて、これはがんの緩和ケアあるいは何々の緩和ケアという感じになって、今このディスカッションになっているような気がするのです。

 私は先ほど福井参考人のところに対して、そういう意味で医学教育の中における緩和ケアがディスカッションの中に入って、今、教育そのもののところをどうこうすることによって、緩和ケアがどう変わるかというディスカッションがありましたかという質問をさせていただきたかったのですが、今たまたまこういう話になったから話をしていますけれども、私はそういう重要性が別の角度であるのではないかと思うのですが、そのようなお話は。

○福井参考人 検討会では、余り踏み込んだ検討はされなかったように思いますが、研修医は全員緩和ケアの研修を受けるべきで、卒前教育にも正式に組み込むべきだとの御意見が、かなり強く出ていました。

 卒後研修の到達目標の中にも緩和ケアはちゃんと組み込まれていますので、2年間で何らかの形で緩和ケアは勉強したことにはなっているはずです。

○門田会長 檜山委員からの質問に対しては少なくとも今、結論として出るものはない。そのあたりの意見をもう少し整理していくべきかと思いますが、細川委員、どうぞ。

○細川委員 今、会長がおっしゃいましたように、緩和ケアの基本知識というのは本来、命に関わる疾患を持つ患者さんに関係する医師をはじめ、医療者全部が持ち合わせているべきであるということです。先ほど小児の緩和ケアの話もございましたけれども、91年にイギリスのオックスフォードにあります小児の緩和ケアセンターにいったことがあります。ここでは、やはりレスパイトを中心にいたしまして、子供さんだけではなくその御家族の緩和ケアも行うとして運用されていました。今後、日本でも当然そういうことは必要になってくると思うのです。

 それと同時に、もともと緩和ケアというのは医療者側でなく、患者さんとその御家族つまり底辺から必要に迫られて、その必要性に気付いた医療者により行われてきたという経緯、側面があります。イギリスなどが先行している国でもまた日本でもそうであったといいます。そのような初めの段階から、このような国家的な方向性を議論する場所で検討していただけるという、つまり国是としてやっていただける状況になったということは本当にすばらしいことでございます。しかし、ここまで国家、行政に関与していただいて、国民全部で“がん”以外の疾患も含めた緩和ケアを普及・啓発・教育・実践していこうしていただけるなら、その緩和ケア教育を担うべき緩和医療学講座を79あります医学部、全てに設置していくというインフラ整備という基本的なことから始まらないと、このままでは大きな進展と継続性の保持は望めないと思います。緩和ケア医師の募集のところを見ていただくとわかるのですけれども、専門的に緩和ケア病棟を運営できる医師がほとんど育っていません。

 緩和ケアチームはあるレベル、レベルで緩和ケアを行うことができるのですが、緩和ケア外来を行い、緩和ケアセンターを運営し、緩和ケア病棟を設置し、さらにそこでレスパイト入院も引き受けるとなると、ある程度以上のレベルが必要となります。そしてその根幹をなす、医学生や卒後教育、看護師、薬剤師の緩和ケアの基本的な教育も含めてとなると、教育、臨床、研究におけるインフラ整備は、当たり前ですが、必須となります。

また、特に医学教育におきまして、卒後、卒前の教育やがん以外の疾患を含めた全ての緩和ケア教育を全医師に対してもいうことになれば、その根幹と成すべき教育パターンを作れて、その人材を継続的に供給できる緩和医療学教室の存在というのは必須となります。

このままの状態を続けていますと5年、10年後でも同じような議論を続けることになると考えます。会長も20年前とおっしゃいましたが、20年前と内容はあれですが、本質的なところは変わっていないと思います。上っ面だけでなく、もっと緩和ケアの基本的なインフラ整備というところにしっかり目を向けて話を進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○門田会長 ありがとうございました。

 非常に重要なポイントだと思うのですが、なかなか難しい。教室がそれだけ大学にできるかというのは簡単にはいかないことかもわかりません。でもその精神はわかります。

 どうぞ。

○檜山委員 いろいろ御意見をいただき、ありがとうございました。

 我々日本小児血液・がん学会として厚労省の御支援を受けて小児緩和ケア研修会を5年間やらせていただきました。我々はがんに特化した学会なのですが、実は受講者の3分の1は非がんの方がわざわざ来て受講されている状況でございます。ですから我々としてもどういう方に対してこういう緩和ケアの研修あるいは教育を行っていくべきかというようなところに立ち返って、もう一回きちんとやり直したほうがいいかなということで御質問させていただいたということです。ありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 中釜委員、どうぞ。

○中釜委員 冒頭の福井参考人から御指摘がありましたように、具体的な、客観的な指標を設けて、それによってきちんと対策を練りながら進めていくということで、その中にはアウトカム指標も入れていくということだったと思うのです。これは全国的に緩和ケアの均てん化を図るという観点からは、客観的・具体的な指標の数が多いと現場では非常に負担感もあるのではないかなと思います。そうした場合には、アウトカム指標から実際に要因分析をして改善につなげるような仕組みというのは実際に具体的に可能なのかどうか。それを教えていただければと思います。

○福井参考人 どのようなアウトカムを考えるかということだろうと思います。多くの患者さんは短期間で亡くなりますので、満足度調査的な、患者さんの主観にかかわるアウトカム評価は難しいと思います。ただ、先ほども出ましたけれども、遺族の方を対象とした指標、プロセス指標など、10個や20個ぐらいの質に関する指標をつくっていただかないと、緩和ケアの質がよくなってきているかどうか、また、研修が効果的だったかどうかを知ることができないように思います。かつて緩和ケアが導入されたころは医療用麻薬の使用量が指標とされましたが、最近はそれは指標にならないとのことですから、違う指標をぜひ考えていただければと思います。

○門田会長 山口委員、どうぞ。

○山口委員 今回、緩和ケアに関して議論の整理がなされました。ざっと拝見して幾つかの点で進め方を考えなければいけないと思うのです。推進基本計画の書きぶりも含まれます。

 1つは、苦痛という言葉が入ってくるのですが、一方で基本法にも支持療法が強化あるいは強調されているという観点から言うと、この緩和ケアの苦痛というのはソーンダースのトータルペインという概念が反映されたものと思われます。これは、終末期緩和ケアに関する概念です。一方で、我が国としては、診断時からの緩和ケアの提供という概念を前面に打ち出してきている以上、終末期のがん患者のトータルペインの考え方だけでは、以前から申し上げているとおり、齟齬が出てしまいます。患者さんに対し、診断当初に「苦痛がありますか」と聞いて、症状のない患者さんはまず答えられないと思います。そこで、ここは「苦痛」ではなく、「悩み」や「負担」という言葉を使用することを検討したほうが良いと思います。

 ちなみに診断時における緩和ケアの提供については、そもそも不可能に近く概念的にも問題が多い内容を、どのように実践するかということが医療現場では大問題でした。色々考え、そこで、数年かかりましたけれども、その回答として次のようなシステムを構築しました。まず、初診の患者さん全てに、自己申告で「あなたは現在、悩み、負担を持っていますか」と問います。それは私どもの研究テーマである静岡分類、4つの柱を問診票の中に組み込んで、チェックしていただくという自己申告法です。600人の患者さんにその方式で聞いた場合、71%の方が6項目のいずれかにチェックされました。

 次に、医療スタッフが客観的に評価する目的で看護師さんが患者さんと対話を始めます。静岡がんセンターでは、全ての初診問診は看護師が担当してるので、チェックの内容を確認していきます。その結果、これは患者さんが考え過ぎかなと思うようなものを除くと、支援が必要と思われる悩みを47%初診患者が抱えていることがわかりました。したがって、全ての初診のがん患者さんで悩みや負担を抱えている方の割合は、約半数と考えるのが妥当だと思います。

 さらに、約半数の方々には、静岡がんセンターでは悩みや負担を軽減するためよろず相談など、いくつかの医療サービスがあるとお伝えします。この目的で、よろず相談、患者・家族支援センター、緩和ケアセンター、支援療法センターなど、4つ以上の部門をつくっていますので、こういう場合にはこの部門、こういう場合にはこの部門という説明も初診時にさせていただきます。そうすると初診後、1カ月間にお教えした部門を活用された患者さんの割合は2.8%にとどまりました。最初の一ヶ月は診断、治療に忙しく、悩みや負担への対応は後回しになっているのだろうと推測されます。その後、時が経ち、経過が思わしくないようなときに相談の機会が増していくと思われます。。

 実践してみて、こういうシステムが診断早期の緩和ケアの提供につながる第一歩と考えています。ただし、私どもはがんセンターですので、全ての患者さんががんだという特徴があります。そこで、今回の方法を単純に一般の病院に広げることは難しいと思います。従って、がんセンターでも一般病棟でも利用可能な診断早期における悩み・負担のスクリーニングシステムの検討を開始しています。将来、がん関係の雑誌等にその内容は発表していこうと思っています。

以上ですが、本日、申し上げたいのは、診断時からの緩和ケアの提供の第一歩として、時間、費用はかけずに済むシステムは構築可能であるという点です。全ての初診の患者さんで評価すると、約半数の方々が客観的に見ても何らかの悩みや負担を抱えていることも確認できました。ですので、その対策を次の計画の中で、ある程度書き込まなければいけないのだろうなと考えています。

 1点だけ補足しておきますと、先ほどの議論の中で緩和ケア病棟の指定要件の中に、がんだけではなくてエイズも対象疾患ですので、そのことも考えながら先ほどの議論を進めていく必要があると思います。

 以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 若尾委員、どうぞ。

○若尾委員 今、山口委員もおっしゃいましたけれども、初診時に問診票で聞くと約50%の患者が何らかの悩みや負担感を持っている。だけれども、それはここで解決できるかもしれないよといって紹介をしたとしても、数%しかいかない。それは私、当事者として何かわかるような気がするのです。医療者に聞かれても、あることはあるけれども、どういうふうに言っていいかわからないとか、言っても解決できるとは思わないというふうに思うことがよくあるのです。

 現実問題として自分が解決してもらいたいとか、よし頑張って受けてみようというときに、もしかしたら緩和ケア外来というものが機能するかもしれないのです。今、幾つかの拠点病院、特に都道府県拠点病院には緩和ケア外来があるとがん対策情報センターの情報にも入っていますけれども、これは実際に機能しているとは思えない節があるのです。1つの指標として緩和ケア外来、入院期間が短くなっている今、サバイバーや治療中の外来の患者が緩和ケア外来を受けやすくなっているかどうか。患者目線、サバイバー目線で緩和ケア外来が機能しているかどうかということは、大きな指標になると思いますので、この視点にポイントを置いてほしいなと思います。

○門田会長 ありがとうございました。

 まだそのほかあるかと思うのですが、そろそろ次に進みたいと思いますが、1点だけ、福井参考人、委員の皆さんにも意見を頂きたいのですけれども、グリーフケアの話が余り出ていないのですが、これは全くなかったかどうか定かでありませんが、余り出ていないと思うのです。これをどう考えるか何か御意見はございますか。緩和ケアのところにお願いするのかおかしいのかどうかわかりませんけれども。

○福井参考人 そうですね。議題には上がってこなかったように思います。今いらっしゃる委員の中で、5名の先生方が検討会にも出席されておりましたので、専門の先生方の御意見を伺っていただければと思います。

○門田会長 桜井委員、どうぞ。

○桜井委員 私は検討会の中で言わせていただきました。家族外来、遺族外来、こういったものにも注目をすべきではないかということ。実際に調査をしましても、患者さんと同じだけの苦痛を御家族も持っておりますので、その部分をちゃんとトータルペインの1つとして見ていくべきではないかということは発言させていただいておりますので、この報告書の中のある本意は、そういったことも反映されていくと思います。

○門田会長 今度のときに1回も単語が出ていないということがもしそうだとすれば、少しそのあたりの検討が必要かなと思いましたので、発言しました。

○細川委員 よろしいですか。医学においても言葉の定義が重要だといつも申し上げています。“グリーフケア”という言葉につきましても多くの誤解がありまして、患者さんが亡くなられた後の家族のケアのことを“グリーフケア”と思っておられる方がいまだに多いのです。そうではなく、がん患者さんと御家族のケアというのは第1期がん対策推進基本計画でも、すでに盛り込まれています。つまり、がん患者さんの御家族のケアがグリーフケアなので、ご遺族となられた場合は、それもグリーフケアに包含されます。もしかして亡くなった後の遺族ケアだけを“グリーフケア”と考えておられるのであれば、それは間違いで、本来のグリーフケアの意味は上記であるというところだけは押さえておいていただければなと思います。でないと、議論がかみ合わなくなってくると思います。大きな会議では特に用語の定義は重要ですので、よろしくお願いいたします。

○門田会長 わかりました。私、間違えていました。

 それでは、この次も緩和ケアと関係してまいりますので次に移りたいと思います。

 がん患者さんの自殺対策についてということで、内富参考人からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○内富参考人 内富です。よろしくお願いいたします。

 がん患者の自殺対策ということで、きょうは副タイトルに「診断後早期からの緩和ケアにおける残された最大の課題」とつけさせていただきました。

 がんに関しても、自殺に関しても法律ができて10年たちましたけれども、ようやく2つの法律の溝を埋めるような課題を取り上げていただきました。感謝申し上げます。

 2枚目は、我が国における自殺、2015年のデータですが、現在、昨年2万4,025人の方がお亡くなりになりました。ピークは3万3,000人ですが、徐々に減ってきたとはいえ、先進国では今なお極めて多いという状況です。年齢、40代、50代、60代、70代の順で、職業に関しては無職の方が約6割を占めて最も多くこのように続いております。

 そして、遺書など原因が特定できた方は1万7,981人おられまして、健康問題がある者が1万2,145人と最も多く、続いて経済、生活、家庭問題、勤務問題と続きます。推測されるものとしては、健康問題の中ではがんが最多ではないか。

 3枚目ですが、これはがん診断後のストレスと自殺について3つの研究を示しております。一番左は早期乳がん患者さん222名の方に診断面接を行いまして、うつ、不安障害に相当する方の1カ月有病率調査をがん診断から60カ月を追いかけたものです。最初の6カ月、12カ月で有病率は三十数%から10%ぐらいまで下がるのですが、ここは第1の衝撃のストレスの急激な流れになります。そして12カ月以降ゆっくりと下がっていきますが、10%を切るには4年、5年とかかります。

 このストレスの状況、ちょうど真ん中の厚労省多目的コホートのデータと突き合わせますと、がん診断後、1年以内の自殺が23.9倍。内訳を見ますと102,843人を追いかけていって、1万1,187名ががんを発症したわけですが、そのうち34人が自殺されております。それを1年以内とそれ以降で分けますと、それぞれ13人と21名。これを現在、毎年がん患者の罹患が100万人という数字に当てはめますと、がん罹患後1年以内の自殺者は1,162名となって、分母を2万4,000人としますと、全自殺者の約5%ががん診断後1年以内である。そして罹患後2年目以降も含めますと、かなりの大きい数字になるのではないかと思います。

 比較としまして同じコホートで脳卒中後の自殺リスクを見ておりますが、これは10倍ですが、卒中後5年を合わせておりますので、5年で割っていきますと大体2倍ですから、脳卒中とがんとはかなり様相が違う。

 一番右の研究は、600万人の一般住民、スウェーデンでがんと診断された方は534,154人の中で、786名が自殺をされたことになります。数が大きいので1年以内を細かく分けますと、がん登録、がん診断後1週間以内が12.6倍という数字になります。最初の12週、3カ月にしますと4.8倍、最初の52週間としますと260名で3.1倍となります。53週以降の自殺は1.8倍となります。そういう内訳をもう少し詳しく見ますと、食道、肝、膵が16倍、肺がん12倍、脳7.8倍、大腸4.7倍、そして乳がん、前立腺がんは比較的予後がよいと言われていますが、それでも3.43.2倍であります。

 4枚目のスライドが少し1994年と古いのですが、身体疾患と自殺に関したものです。今やAIDSは1番になることはないと思いますが、当時は治らない病気の代表ということでAIDSSLE、腎疾患、脊損、ハンチントン、多発性硬化症、胃潰瘍、がんとなります。がんで全体をひっくるめますと1.8倍ということで、高くはないのですが、分母が圧倒的に多いものですから実数としてはトップになります。

 5枚目になりますと、これは最近のカナダのマニトバ州で自殺者と対照群を比較したものです。がんやCOPD、虚血性心疾患、高血圧、糖尿病、多発性硬化症、炎症性腸疾患を見ましたが、これはうつ病など精神疾患を調整しますと、がんのみが単独で1.4倍という数字が出ております。

 この研究ではさらに診断後、3カ月以内も特別に取り出して見ておりまして、それでも調整後のオッズ比が4.1倍となっております。がんのみが単独で疾患として自殺に影響を与えている。

 ここまでをまとめますと、自殺率はおおむね一般人口と比較して2倍弱である。そして時期としては診断後1年以内。特に診断直後が最も高い。危険因子はうつ状態。体の痛みというよりは、心の激痛であるうつ状態。そして男性、進行がん、高齢者、そして頭頸部・肺がんなど診断時に非常に苦痛を伴うもの、もしくは死に向かう肺がん、膵がんといったものが大きい危険因子であります。

 そして、自殺で先進国でありますフィンランドでは、亡くなられたがん患者さんの御遺族に協力していただいて、心理学的剖検という特殊な調査をしておりまして、それを追っていきますとうつ病、うつ病性障害、そして適応障害、そのほかアルコール、不安障害などが関与しています。

 ここまでの自殺の調査を受けて、今後どうしていくかということを見ていきますと、自殺への対応はプリベンション、インターベンション、ポストベンションというものがあるのですが、大体日本は2番目の今まさに自殺を企てようとする人、もしくは未遂者に介入する自殺を防ぐというところに現在とどまっておりまして、このようにがんの場合は自殺のリスクが高い時期がはっきりとわかっていますので、緩和ケアのA〜Bというモデルがよく出てきますけれども、ここにありますようなCのような診断後3カ月、特に診断後早期に手厚く膵がんや肺がんや頭頸部がんなどにプリべンション、個別のケースマネジメントをするなどが1つ考えられるのではないかと思われました。

 もう一つはがん患者さんの希死念慮ということで見ていきますと、ここにあります進行がんとがん専門医の信頼関係の影響が非常に関係していると言われています。心配事をどれぐらい聞いてくれるか、担当医のことをどれぐらい信頼しているか、家族の様子をどれぐらい尋ねてくれるか、どれぐらいQOLを気にかけているか、そういったことが主治医と良好な信頼関係が形成され、希死念慮を和らげると言われております。

 そういった背景から、次の9枚目のスライドになりますが、がん専門医に対するコミュニケーション・スキル・トレーニングの有効性に関してこれまで研究を行ってきました。これはがん専門医15名と対照群の15名の受け持ち患者さんそれぞれ1名の医師に対して20名の患者さんに御協力いただいて、トレーニングを受けた医師の患者さん292名と、受けていない医師の患者さん309名に御協力をいただきました。その結果、トレーニングを受けた医師に対する患者さんからの信頼感が増して、患者さんのうつの重症度が減少しているという結果が患者さんのアウトカムとして得られました。このようなことから、患者さんの意向調査を踏まえた共感行動の促進を特徴とするトレーニングで、コミュニケーションスキルは改善可能である。こういったことをアメリカのNCIは、「よく話をして、必要な治療とケア」をすれば生活の質のみならず、生存期間にも関連するかもしれませんということで、6つのコミュニケーションの要素を提案しています。

 1番目が医師を信頼できる関係構築。2.過不足ない情報提供。3.気持ちに共感される。4.自ら不確実感を対処できる。5.自ら決定できる。6.自ら対処できるというものであります。こういったものが組織的に国策としてうたわれているのがイギリスのNHSNICEのマニュアルとして支持緩和ケアマニュアルの中に出ておりまして、第1段階から全ての人たちからニードを聞き出す。そういった段階から介入が提案されています。

 以上をまとめますと、現状と課題は、1.我が国のがん患者の自殺は診断後1年後以内が多い。しかし、その実態は明らかではなく、文化差も考慮した詳細な定点観測が必要である。

 2.がん診断時の患者の多くが拠点病院を受診することから、早期からの基本的及び専門的緩和ケアを自殺対策に結びつける必要があるが、現時点での取り組みでは十分ではないことが推測される。

 今後の方向性としましては、調査研究で実効性のある対策のために、拠点病院における自殺の実態調査、特に診断後1年以内及び2年以降、長期もありますので、家族、医療スタッフへの影響を含めやっておく必要があるのではないか。

 2番目としまして、研修に関してですが、最初に接する医療者、医師、相談員、看護師、ソーシャルワーカー、心理士などに対する実効性のあるコミュニケーション・スキル・トレーニング、がん告知、その後のフォロー、精神症状の早期発見など、早期の基本的緩和ケアとチームによる相談支援体制の充実が必要である。

 さらに3番目としましては、可能でしたらモデル事業や研究で診断時の高危険群、難治性がんである食道・肝胆・膵・頭頸部・脳・肺など、早期から治らないがんということがわかっている場合には、絶望感やそういったものに個別に対応するケースマネジメントが有望であるので、そういった開発・検証、モデル事業が必要ではないか。

 最後に4番目としまして、乳がんサバイバーのように慢性的ストレス。診断直後はそれほど多くないのですが、診断後25年たっても自殺のリスクは高いので、そういった方々には中長期的な初回治療終了時もしくは退院時に、サバイバーシップケアプランのような導入を試みる必要があるのではないか。具体的にはここに書いてあるものです。

 以上になります。

○門田会長 ありがとうございました。

 御質問をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。田中委員、どうぞ。

○田中委員 どうもありがとうございました。

 かつてがんが告知されなかった時代は、本当のことを言うと患者が衝撃を受けて自殺してしまうから告知しないのだという言い方もされましたけれども、告知が一般的になって、そんなことは起きていないと思っていましたので、非常に衝撃的なお話でした。

 2点伺いたいのですけれども、まず、がんの進行度や種類によって自殺リスクには違いがあるのでしょうか。

○内富参考人 お示ししたものの中で特に書いておりませんが、最後のまとめのところに必ず出てきますのが頭頸部がんですとか肝胆、膵がん、脳腫瘍など出ておりまして、それと3枚のスライドの右下になりますが、これはスウェーデンのデータになりますが、食道、肝、膵が16倍、肺、脳、大腸、乳腺、前立腺とありますが、ほとんど治る前立腺で3.2倍というのはかなり過剰な検診とか、いろいろな問題があるのではないかと思いますが、よろしいでしょうか。

○田中委員 進行度については何か調査はありますか。

○内富参考人 基本的には進行がんであります。

○田中委員 もう一点は、告知の際はこうした自殺リスクの問題を考慮する必要だあるように思いますが、そもそもがんを診断、告知する医師は一般的に、こういった実態、つまり自殺のリスクが高まることを認識しているのでしょうか。

○内富参考人 難しい御質問です。病院に来られなくなるという結果だけですので、そこまで病院の外にまで想像を働かせて、そういったことになっているという、警察から不審者で連絡がない限り、なかなかわからない状況ではないかと思います。

○門田会長 中川委員、どうぞ。

○中川委員 私が医者になった三十何年前は、告知は基本的になかったのです。肺がんは肺真菌症で、それはルールをつくらないと破綻してしまいますから、病院としてそういうルール、説明のルールです。それが私も告知すべきという随分活動をしたことがありまして、ただ、それは患者さんが医療者と治療法の選択等に共同してかかわれることが目的であって、そうでないとできないのです。

 ただ、今の若い医師の告知の姿などを見ると、それが本当に場合によっては医療者側を保護というか、全てつらいものは全部患者さんが負ってしまうような形になっているのは事実だと思います。ですから私はなるべくマイルドに、あるいは時間をかけて、つまりあなたは例えば膵がんで、肝臓に幾つ転移があるということを全て一度に言うべきではない。がんの疑いがあって、それが残念ながら確定して、転移についても少しずつ。それは私自身も例えば若いときに告知後、病棟で自殺されたケースを経験しています。ですからこれは非常に大きな問題で、医学教育の中でも配慮した告知というのは非常に重要だと思っています。

 もう一つ、確かに医療者としてこのがん患者さんの自殺を防ぐということは重要なのですが、一方、社会として端的に言うならば、がんという病気のイメージも非常に重要だと思うのです。これはがんセンターの高橋都先生なんかが調べられた調査があって、現実に比べて一般の方ががんの5年生存率などかなり低く見ておられます。

 この病気のイメージ、例えば私は福島支援もしていますが、放射線に関するイメージも同様でして、いまだに9万人が避難していて、こういうイメージをきちんと持つためにはがん教育が重要なのではないかという気がするのです。改正がん対策基本法の中でも23条の中に学校でのがん教育と社会教育というものがあって、子供たちはこれからがんのことを習って大人になってくるわけですが、今、がんに直面し、場合によったら自殺に直面しようとしている大人たちに関する適切な情報共有。例えば子供たちと話すと、がんの患者さんというのはよく文科省が推進していますが、我々医療者と経験者がともに学校現場に行くことが推奨されています。そこで経験者の方がきょうおられる桜井さんとか、あるいは難波さんとかが元気な姿で子供たちの前に立つとびっくりするのです。要するにがんの患者さんというのは毛が抜けていて、化学療法を受けていてというようなステレオタイプなイメージが多くの場合、テレビによってできているのではないか。そのことがきょう教えていただいたような数字にあらわれている可能性が大きくあると思うのです。そういう意味で、私はがん教育が1つの重要な役割を果たすと思いますし、また、大人たちにどのように情報提供をするかということも大事かなと。法律の中には社会教育という言葉であらわされていますが、それは一体どういう形でやるのか。個人的には企業の中でやるしかないと思います。強制力を持って大人たちに聞いてもらえるというのは職域だと思っておりますので、いろいろ大変勉強になりました。ありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 それでは、馬上委員、桜井委員、どうぞ。

○馬上委員 内富先生、ありがとうございました。

 ちょっとお伺いしたいのですけれども、小児がんは子どもの病死原因第1位ということで、私は毎年人口動態統計を見ているのですが、そのときにいつも心を痛めるのは、10歳以上若年成人の方の死因の一位全部自殺だということなのです。こういった状況、こういった環境がある中、がんというストレスがさらに加わると、推察するに非常なストレスが本人や御家族にかかると思うのですけれども、こちらの今の御発表では青少年、また、若年成人についてのご説明が少なかったようなのですが、御経験としてAYA世代、若年成人に関しては、そういった素地があるということは言えることなのでしょうか。

○内富参考人 現在でも20代の方の死因の第2位は自殺でありますので、病苦と並んで就労の問題もあるかと思います。この10年間で減ってきた自殺の大半は、40代以上の方の経済的なものに対する支援で随分減ってきたのですが、20代、そういったものは世界的にもなかなか減らない、そのまま残っている、手つかずのところではないかと思うのです。

○門田会長 桜井委員、どうぞ。

○桜井委員 このテーマは、がん対策基本法、自殺対策基本法と一緒に成立したかと思っていますので、非常に心に響くものがあります。

 その上で参考人に質問なのですけれども、私もバッドニュースの伝え方はもっともっとトレーニングが必要なのではないかと思っております。そうした中で先生が御提出されているパワーポイントの9ページの部分、これはSHAREのプログラムだと思っています。緩和ケア研修会ではPEACEというのが行われているかと思うのですが、こういうエビデンスを出していくことは物すごく重要だと思っています。つまり、研修をすることがゴールになるのではなくて、研修した結果としてどれだけ患者さんに還元されるのかというのがすごく重要だと思っています。

 そういう上で、このSHAREというプログラム自体は現在どのような状況になっていて、どのぐらいの方がこれを受講されているかということをお聞きしたい。そのほかに今後ACPの話なんかも緩和ケアのほうで出ておりますけれども、ACPをどのようにやっていくのか。タイミングですとかやり方等々を含めても、これも研究が必要になってくるかと思うのですが、それについても先生の御意見をいただきたいなと思います。

 あと、実際に患者サロンを利用されて、その後、自殺された方なんかもいらっしゃると聞いております。心の問題というのは最初の拾い上げというものが物すごく重要だと思っているのですが、例えば臨床心理士さんですとか、心の専門家の方の配置の状況ですとか、それが専従なのか、どこにいらっしゃるのか、このあたりの状況をもう少し教えていただければなと思っております。

○内富参考人 最初にSHAREの研修会は、厚労省の委託事業でことしまで10年間サポートいただきまして、がん専門医1,300名以上の方が研修を修了予定であります。PEACEが8万人ぐらいでしょうか。そこからすると2%弱の方がステップアップして来ていただいたということになります。今後、がん治療認定医機構などから単位を認定していただきましたので、学会として自立してやっていこうということになっております。

 2つ目がACPです。コミュニケーションスキルというのは我々精神療法とか心理療法の分野で基本とします一番ベーシックな部分を扱っていまして、基本の医師と患者のコミュニケーションスキルがないと、とってつけたように上にACPですとか、精神療法の領域では認知療法とかマインドフルネスとかディグニティーセラピーとかいろいろありますけれども、基本は医師と患者がきちんと痛みを言って、それに共感を示して、そして患者さんは自分のことをわかってくれているんだという基本があってラポール形成して、そこから治療が進んでいくのですが、それ抜きにただACPととってつけてやると空回りしますので、基本のコミュニケーションスキルがあった上にそういったDNARの実施に関するものを扱うですとか、早期の緩和ケアですとそういった信頼関係の上に症状緩和をするですとか、そういった位置関係になっております。

 最後に、臨床心理士は昨年公認心理師法ができまして、この1、2年でカリキュラムが決まってくると思いますが、現在がん拠点病院で配置されていますのが314の拠点病院で心理士さんがおられます。平均すると非常勤も入れて1.7人という数字ですので、必ずしも多くはないのですが、こういった方々が相談支援センター含め、病院の中を少し自由に動けるような体制になりますと、そういった方々が一般医療従事者にコミュニケーションスキルを研修したり、そういったことができて、底上げができますので、随分期待できる職種ではないかと思っています。

○門田会長 よろしいですか。では最後に若尾委員、山口委員で終わりたいと思います。

○若尾委員 今、桜井委員が言ったことの具体例になるかもしれないのですが、内富参考人が出してくれた8ページ、10ページに具体的なポイントが書いてあるのですけれども、私自身が末梢性T細胞リンパ腫と告知をされたときに、やはりへこみました。そして、そこから立ち上がることができたのは、本当にここに書いてある16の項目、そして、10ページに書いてある医師を信頼できる関係を築いているかどうかというところ、全くそのとおりでした。

 それで12ページのまとめ-1の2番なのですけれども、ここに主語を入れてほしいなと思いました。その主語というのは、がんの告知を行う医師もしくは医療者というような主語です。インフォームドコンセントも含めるのですけれども、主治医とのコミュニケーションはすごく重要な部分になってくるのです。全てのがんにかかわる医師がここに書いてある8ページのことを実践してくれたら、がんによる自殺者は大きく減ると思います。自身がそれを体験していますので。ここのまとめ-1でお示しいただいた2番に、ぜひ主語を入れてほしいなと思いました。これはお願いです。

 以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 山口委員、どうぞ。

○山口委員 今の議論を聞いていて少し私の経験を話しておきたいと思うのですが、がん患者さんの自殺は防げるということをみんなが認識すべきだと思います。国立がんセンターでの経験で、かなり自殺者が出ると思いながら静岡がんセンターを立ち上げたときに、いろいろ工夫をいたしました。その結果、国立がんセンターと並ぶハイボリュームセンターで、15年間でみても片手に満たない程度まで減らすことができております。

 ポイントは2つあると思います。1つは、この議論の中で医師が中心に語られており、田中委員の御質問も、医師は知っているのかということだったのですが、この問題は、医師だけの問題だけではなくて全ての医療スタッフの問題であって、多職種チーム医療としてこの問題に取り組むことが大切だと思います。新しい職種も大切なのですが、そういう医療文化を根づかせることは大変時間がかかります。すでにある職種が協働して、落ち込んでいる患者さんに全職種がしっかり声をかけていくというような文化がつくれれば、この問題はかなり解決するだろうなと思います。

 2番目のポイントは、これはがん対策と同じで予防、早期発見、早期ケアに尽きると思います。ありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 そのほか御意見があろうかと思いますが、いつものように何かございましたら事務局まで寄せていただきたいと思います。

 それでは、きょうは3時間でございますので、10分間、42分ぐらいまで休憩をとって後半をやりたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

(休  憩)

 

○門田会長 それでは、時間ですので着席をお願いしたいと思います。

 次の議題、障害のあるがん患者への対策についてということに入りたいと思います。

 まず事務局より資料8の説明をお願いいたします。

○がん対策推進官 事務局でございます。資料8をごらんください。「障害のあるがん患者への対策について〜議論の背景〜」を御説明します。

 2枚目のスライドでございます。今後のがん対策の方向性について、昨年6月に示されたこの中でも2番に赤い四角で囲ってございますが、障害のある者に対する情報提供、意思決定支援、医療提供体制の整備といったことが課題として挙げられております。

 次のページをごらんください。その書きぶりとして3枚目のスライドにお示ししました。全てのがん患者が尊厳を持った生き方を選択できる社会の構築。この中で障害のある者では、がんに関する正確な情報が伝わらず、治療がおくれるケースがあることが指摘されており、適切な方法によりがん医療に関する情報提供をすることにより、障害のある者の意思決定を支援していくとともに、がん検診等の検査をより円滑に受けることができる体制を整備することが必要であるとされてございます。

 ちなみに4枚目のスライドでございますが、障害者基本法というものがございまして、この中で「第二章 障害者の自立及び社会参加の支援等のための基本的施策」の中で、その第14条の中に医療、介護等に示されている。下線をつけさせていただいていますけれども、2、3、5の中で国及び地方公共団体は、その障害者のための医療の提供ですとか、研究開発を行わなければならないとされているところでございます。

 こうした状況を踏まえまして、我々として5枚目のスライドにございますが、まとめをいたしました。現状の課題として、障害のあるがん患者の実態や必要な支援等が十分に明らかになっていない。また、障害のあるがん患者が適切な情報提供を受け、意思決定をするためにどのような支援が必要なのかということが把握できていない。

 こうしたことを受けて今後の方向性として、まずは障害のあるがん患者の実態やニーズを把握する必要があるのではないか。また、実態やニーズを把握した上で適切な情報提供の仕方や、意思決定支援のための整備を進めていく必要があるのではないかということでまとめさせていただきました。

 事務局からの説明は以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 引き続きまして、八巻参考人より資料9に従って御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○八巻参考人 よろしくお願いいたします。

 障害のあるがん患者への対策について、国立がん研究センターの八巻より御報告させていただきます。

 日本では障害のある人の健康や医療に関する統計情報がなく、実態がほとんどわかっておりませんので、まず海外における障害者のがん対策について少し触れさせていただきます。

 障害者差別禁止法が早く制定された国々では、障害者の検診受診率が低いとか、適時の医療サービスの利用が阻害されているといったデータや研究が一定程度蓄積されております。例えばこのスライドの一番下にありますように、アメリカでは障害者のヘルスプロモーションに関するパイロット事業であるとか、障害に特化したものではありませんけれども、NCIが社会的に不利な状況にある人に対して、デジタルデバイドの情報格差の解消ということについてのパイロット事業をするといったことがなされているようでございます。

 めくっていただきますと、質的な調査の結果から見える日本国内の課題について触れさせていただいております。共用品推進機構というのは障害者、高齢者など生活に不便さがある方からの支援を行っている団体ですけれども、左側、2001年には不便さの観点から、2015年にはよかったことという観点から調査をされています。ここに挙げている事例は医療機関について触れられた部分から抜粋しておりますけれども、挙げられている不便さ、よかったこと、いずれもちょっとしたことが大半で、病院のスタッフがニーズを知っている機会があれば、大幅に不便が解消されている可能性が高いということが見えてまいります。

 下側は都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会の情報提供・相談支援部会による調査の一部ですけれども、これは全国のがん相談支援センターに対して行った調査の中で自由記述746件ありましたが、精神障害のある患者さんを受け入れ、治療ができる施設が極めて限られるといった指摘がございましたが、746分の3件にとどまっておりました。これはがん診療所、障害のある人の受診に問題がないというよりは、まだがん診療にアクセスできていなかったり、がん相談支援センターでニーズが把握できていないという可能性がございます。この部会のワーキンググループでも、適切な治療が受けられていない患者さんも多数存在するのではないか。国レベルでの対応が必要ではないかといった議論がなされました。

 次のスライドにまいります。次の3枚では視覚障害に焦点を当てた調査結果、若干の御紹介でございます。1つ目ががん診療連携拠点病院における視覚障害者への対応状況の実態ということで、がん相談支援センターに調査をいたしました。1年半ほど前のものでございますけれども、円グラフにありますように大多数の病院では視覚障害のある患者さんに対応する仕組みがない、また、実際にどう対応しているのか相談部門でも把握できていないという結果です。

 右側のキャプチャ、がん情報サービスですけれども、がん情報サービスの中で音声資料を公開したり、必要に応じて音声や点字資料の作成を支援しますということをアナウンスしておりますけれども、帯グラフにあるとおり、これらのことについて十分に周知されておらず、活用されていない状況にございました。

 下にまいります。視覚障害者へのがん情報提供やがん診療場面での支援についてどうなっているのか、拠点病院や行政、点字図書館のスタッフ、数少ない事例ですけれども、お話を伺いました。そこで見えてくるのは分野や管轄に違いによってなかなか連携しづらい。ただ、1回連携できるという体制ができれば、お互いに協力し合って安心して支援ができるというようなお話を伺いました。

 次のスライドで、視覚障害を持つ人ががんになったときの情報入手はどうすると思いますか。想定の質問ですけれども、この棒グラフと見出しがずれてしまっているのですが、特に目立っているのが右側の囲みのあたりで家族、友人・知人、医師・保健師などの専門家の指導、人づての情報を頼りにされる方が非常に多いという特徴があります。つまり直接接する人がニーズを知って、適切な対応ができることというのがとても重要かと思われます。

 これらのことから得られる示唆を4点に整理させていただきますと、まず障害のある患者さんの罹患、治療、受診などの実態を明らかにすることが大事かと思われます。統計情報が必要ですが、その場合、既存調査に障害にかかわる情報を付加することで、かなりの部分が明らかになるのではないかと考えられます。

 2点目、がん医療や行政の現場で障害のあるがん患者さんのニーズに気がついていない可能性も高いことから、まず障害のあるがん患者さんのニーズや対応事例が共有されること。

 3点目ですが、障害とがん医療という分野をまたぐ課題でありますために、これらの分野の連携がしやすくなるよう、障害者福祉の専門機関と拠点病院の連携が促進できるような制度的な枠組みも有効かと思います。

 最後に、がん検診の担当者の方が障害のある人の受診を意識されていない場合がたくさんあるかと思われます。障害のある人にも適切なサポートのもとで検診ができる体制、その整備と周知が求められているかと考えられます。

 以上です。御清聴ありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 事務局、八巻参考人からの御発表の御質問を受けたいと思います。いかがでしょうか。

 桜井委員、どうぞ。

○桜井委員 最初に確認をしたいのですけれども、ここで言うところの障害者の定義というのは何になるのでしょうか。いわゆる障害者基本法の第2条で定めているようなものになるのか、それとも幅広く考えて、例えば外国人の方ですとか、バリアフリーとかユニバーサルデザインという視点から考えるのか、そこでかなり違ってくるのかなと思うのですけれども、どのようにお考えでしょうか。

○八巻参考人 調査の結果として、手帳を保持された方の調査結果という部分の御紹介もございますが、取り組んでいく必要があるものとしては部会の意見にもあるとおり、さまざまな要因によって情報が得られなかったり、困難がある人に対して対策が必要ということが現場から上がっているということと考えています。

○桜井委員 私も臨床現場から、英語を話すことができない外国人の方が相談支援センターに非常にふえているですとか、あるいは実際の診察の場面にも出てくるということをかなり聞いているのです。なのでこういう情報へのアクセス困難者として、日本語が話せない方への対策も含めて少し考えていかれたほうがいいのかなと思っています。私自身の個人的な意見です。

 また、先生の病院でどうなのかわからないのですけれども、私が聞いている範囲では、例えばガイドヘルパーさん等々が介護制度を使えたとしても、入院するとそれが一切使えなくなるので、入院してからの不適用者が非常に多いのではないかということも聞いているのです。そのあたりの対応というのはどのようにされているのですか。

○八巻参考人 恐らく制度が市町村単位であるとか、病院個別の対応によって変わってきているという実情があるかと思います。病院の中に手話通訳者を置いていらっしゃる病院さんもありますし、そういった場合には直接病院の診療場面に病院の職員としての方が立ち会っていただくことができますし、そうでない場合、待ち時間でガイドヘルパーさんの時間がとられてしまって、非常に困難だといった例もあったと伺ったりします。それぞれの制度が市町村単位であったりという限界は常にあるところだと思いますけれども、そういったニーズがあるということと、病院で対応できること、地域で対応できること、それぞれができることをしていくしかないという状況かと思います。

○桜井委員 そうすると、そのあたりを含めての提言が必要だということになりますね。わかりました。ありがとうございます。

○門田会長 山口先生、今のに関係してですか。

○山口委員 はい。ここの障害者という言葉の定義は、桜井委員のおっしゃるとおり、重要なポイントだと思うのです。今回の想定は、もともと障害を持っておられた方ががんにかかったときにどうするかという論調でした。が、この協議会では、ある課題について、多くの場合、研究が大切だとか、検討が必要だという方向に進みがちなのですが、私は、今すぐ我々にとって何ができるのかということを考えることが大切だと思います。すると、この障害者という言葉の中で、がん治療に伴って障害が残念ながら出てしまった方を対象に現在あるインフラを活用し、あるいは整備を進め、治療前から障害を持っている方も同じインフラを活用していただくと言った考え方をしたほうが、医療機関は容易に、また責任を持って対応できると思います。

  その上で、例えば私たちの経験でいえば、ストーマをつくらざるを得なかった方にとって、ストーマ対応のトイレが一体どこにあって、どれぐらいあるのか。こういうことが実質的には必要になってくるのですけれども、全国の拠点病院でストーマ対応のトイレがどうなっているかといった調査は成されているのでしょうか。

○八巻参考人 ストーマに特化した調査はしたことがないので先生の質問に直接お答えできないのですけれども、前者で御意見をいただいたがん治療によって障害を持たれた方についての対応が必要というのは私も強く感じますし、特にその後、ストーマというニーズで、ほかの病気によってそういうストーマを持たれた方とのつながりなど、なかなかきっかけがないとつくりにくいということもあるかと思うので、そういったところを拠点病院でつないでいただけるようになれば、その後の長く続く生活の不自由さを乗り越えていく最初の一歩がスムーズに出ていくのではないかと感じます。

○門田会長 それでは、若尾委員、どうぞ。

○若尾委員 これは事務局の資料8なのですけれども、このタイトルが「障害のあるがん患者」への対策となっていて、「障害のあるがん患者」への対策として資料ができているのかなと思うと、2ページ目は今後のがん対策の方向性として「障害のあるもの」とあります。そして、八巻参考人も「障害のあるがん患者」への対策になっていて、もちろん障害のあるがん患者への対策としては、八巻参考人がおっしゃったことを充実させることはとても大切ですけれども、資料9の2ページでは海外における障害者へのがん対策となっています。これは統一して、もちろん障害のあるがん患者への対策というのは当然重要だと思いますが、可能であるならば今後のがん対策の方向性についてということで、ユニバーサル的な視点でコミュニケーションに障害のある方へのがん対策というような視点も1つの大きなくくりでくくり、そして現在、障害のあるがん患者への対策というような部分を個別に持っていく視点が必要ではないかと思うので、これは事務局のほうにお願いなのですけれども、コミュニケーション等に障害のある方へのがん対策と、障害のあるがん患者への対策というものは別にというか、二本立てで今後のがん対策としては進めていってほしいなと思います。

 以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 そのほかどなたかございますか。難波委員、どうぞ。

○難波委員 今、桜井委員や若尾委員が御指摘のとおり、ユニバーサル支援を視野に入れた障害のあるがん患者へのサポートということなのです、コミュニケーションに障害のあるという定義の中でお話をすると、発展途上国などではよくICTを利活用したコミュニケーションで解決するのではないですか。そういったことが実際に今、現場では行われているのかを教えていただけますか。

○八巻参考人 視覚障害者などは顕著な例かと思いますけれども、いろいろな録音図書を使うというのを点字図書館から借りるような形でサービスを使っていらっしゃる方はいらっしゃいます。

 ただ、そういった場合にも医療情報の翻訳、音声資料、点字資料への翻訳にタイムラグが発生して、版が古いものになってしまうといった限界ですとか、いわゆる障害者手帳を保持していらっしゃる方の2割程度しか点字図書館を利用されていないというのが全国的な傾向です。そういった点で、全ての人にICTの時代になったから物が解決といった状況には望みにくくて、いろいろな方向で届けていくことが必要というのは、いろいろな障害の方に共通している課題かと思います。

○門田会長 ありがとうございました。

 そのほかいかがでしょう。よろしいですか。もし何かありましたらまた事務局にメールでお届けしていただくことにして、次にまいりたいと思います。

 次期計画の全体目標について、まず最初に事務局から資料10に基づいて御説明、それから片野田参考人、山本参考人からお話を聞かせていただきたいと思います。

 では事務局、最初にお願いします。

○がん対策推進官 資料10「次期基本計画の全体目標について〜議論の背景〜」でございます。

 2〜5枚目のスライドが前々回に同じ御議論をいただきまして、全体目標について提示させていただいた資料でございます。

 2枚目のスライドが、第2期のがん対策推進基本計画における全体目標の抜粋でございまして、こちらございますとおり1つ目はがんによる死亡者の減少ということで、75歳未満のがんの年齢調整死亡率を20%減少させるという目標がございました。

 2つ目として、全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上ということで、こちらは具体的な指標とか目標値はございませんけれども、これも大きな目標、全体の目標として挙げております。

 同じく3つ目として、がんになっても安心して暮らせる社会の構築。こちらは第2期から加わりました新規項目でございますが、こちらについても社会を構築していくということで、具体的な指標、目標値といったものはございませんが、この3つが現在の基本計画の全体目標としてございます。

 次のページをごらんください。3〜5枚目のスライドが全体目標に関する中間評価における記載の抜粋でございます。

 1つ目、がんの年齢調整死亡率は75歳未満ですけれども、ごらんのとおりさまざまながんで、92.4%から80.1%に下がっているところでございますが、当初10年間の目標の20%といったものについては、現在のところこういう状況です。そういったものでございます。

 具体的な指標というものは大目標の中には示されておりませんが、2つ目の全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上、それから、3つ目のがんになっても安心して暮らせる社会の構築といったものは、それぞれ中間評価の中でこうした指標を示した上で中間的な評価をしているところでございます。

 6枚目のスライドが前々回の協議会で議論いただいた具体的な御意見を抜粋したもの。主に前々回にいただいた御意見を抜粋したものでございます。こちらをごらんいただきますと、例えばアウトカムを意識した分野別施策と個別目標といったものが大事であるとか、全体目標というものはむしろスローガンであって、個別目標による評価が重要ではないかといったこと。また、予防するという視点からの目標設定が必要ではないかといった御意見でございました。

 次の7枚目のスライドをごらんください。こちらは先日、成立しました改正がん対策基本法の概要でございます。こちらは基本理念(第2条)でマル1〜マル3とこれまであったものにマル4〜マル8が追加されました。こちらはがん患者が尊厳を保持しつつ、安心して暮らすことのできる社会の構築ですとか、それぞれのがんの特性に配慮したものとなるようにすることとか、第1期の計画の中でもある程度対応してきた内容についても、この基本理念の中に位置づけられるとともに、8枚目のスライドでございますが、基本的施策の中でマル1がんの予防、マル2検診の質の向上、マル3専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成といったことですとか、マル5がん患者の療養生活の質の維持向上、マル6情報の提供体制の整備といったものが改正をされましたし、マル8がん患者の雇用の継続、マル9がん患者の学習と治療の両立、マル10民間団体の活動に対する支援、マル11がん教育の推進、こうしたものが新たに追加をされたというものでございます。

 9枚目のスライドでございますが、こうした改正がん対策基本法の基本理念を踏まえまして、次期基本計画の全体目標を設定すべきではないかと考えます。

 そのほか、全体目標の方向性として第2期の基本計画の3つの全体目標の考え方を踏襲しつつ、次期基本計画において以下のとおり整理してはどうかと考えます。

 1つ目の全体目標。「がんによる死亡者の減少」に関して、第1期計画の策定から10年が経過したことを踏まえまして、以下を検討してはどうかと考えます。

 まずは指標「75歳未満年齢調整死亡率の減少」のままでいいのか。また、その目標値はどう設定するか。

 2つ目の「全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上」に関しては、現行の内容を踏襲してはどうか。

 3つ目、「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」に関して、以下の検討をしてはどうか。がん対策基本法を受けまして、より一層こうした考えを発展させるため、がん患者や体験者がその体験等をがん対策に生かせるようなコンセプト、それから、がん対策自体を国民運動としていくようなコンセプト、こうしたものを3つ目の目標に加味してはどうかといったところでございます。

 さらに、新たに全体目標の中に「がんになる国民を減らす」といった項目を追加し、がんの罹患を予防するという一次予防の概念を加えてはどうかといった方向性を事務局としてお示ししたいと思っています。

 事務局からは以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 引き続きまして、片野田参考人からお願いいたします。

○片野田参考人 国立がん研究センターの片野田と申します。

 資料11をごらんいただきたいと思います。私からはがん対策推進基本計画の全体目標について、数値目標の点を中心に諸外国の例も紹介しつつ、情報提供をさせていただきます。

 本日の発表の中には、1枚目に記載しています研究班の成果が含まれております。用意したスライドがたくさん過ぎて駆け足になってしまうことは御了承いただければと思います。

 内容は3つ用意してございまして、1つ目は現行の全体目標の最初の1つでありますがん死亡率の20%減というのが実際にどうなったかということ。2番目は、次期計画に向けて先ほど事務局からお話がありましたけれども、目標値の設定をどうしていくべきかということ。3つ目は、死亡率以外の2つ目、3つ目の全体目標について、諸外国の例の紹介をさせていただきます。

 2枚目は先ほど事務局の御説明にあったとおりです。

 5枚目のスライドを見ていただければと思います。これが現行の20%減を目標にしていた75歳未満年齢調整死亡率の全体目標の結果をまとめたスライドです。同じ内容は本日の午前中に国立がん研究センターのほうで公表をしております。

 少しビジーなスライドになってしまっているのですが、真ん中に横軸が暦の年になっていまして、真ん中の2005年というのが第1期の計画の策定時に入手可能だった最新の値であるベースラインになります。2005年をベースラインとして10年間、2015年までに20%減らすというのが目標になっていました。2005年の値は真ん中あたりの四角の横に書いてあります92.4、人口10万の単位で92.4という値でした。これを20%減らすということは、引き算ではなくて0.8を掛けることになるのですけれども、目標値としては73.9を目指していました。

 実際の実測値は×印で示したものです。2015年の値が今月の初めに公表されまして、値としては78.0になりました。それで計算しますと15.6%減にとどまったという結果です。

 昨年の第51回の協議会の場で、がん対策情報センターから予測値というものを出させていただきましたけれども、そのときの予測値が76.7という値でしたので、若干下方修正のような形になっています。

 その後に続くスライドは、部位別に2005年ベースラインの前と後でどのくらい減少率が変わったかというのを示したものです。

 まとめますと、胃がんは減少がほぼ同じ減少率で継続していて、めくっていただいて大腸がんが若干減少が鈍化している。肝がんは逆に減少が加速しているという傾向です。

 9枚目のスライドが男女計の肺がんですけれども、肺がんについては男女別もその後に続けてスライドがありますが、肺がんについては大腸がんと同じく減少が鈍化しているという傾向です。

12枚目、女性の乳がんは計画前は増加傾向にあったのですけれども、計画の途中で増加がとまって横ばい傾向に推移した。対策としては奏功しているがん種の例だと思います。

 一方、13枚目の子宮頸がんですけれども、子宮頸がんは逆に増加が加速しているというような状況になっております。

14枚目のスライドは、これまでの御説明まとめです。20%減の数値目標は16%減にとどまった。がん種別の傾向は先ほど申し上げたとおりです。国立がん研究センターの総括としても、現在進められているがん対策加速化プランを初め、死亡率減少につながるような科学的根拠に基づく対策を、もう一度しっかり考え直す必要があるのではないかという総括をしております。

 続いて15枚目のスライドからです。次期の計画の数値目標をどうするかについて、先ほど御紹介させていただいた研究班で検討を進めております。きょう御紹介するのはたばこ対策とがん検診の部分で、仮に75歳未満の年齢調整死亡率を継続するとして、どのくらい減少の目標として下げられるかという試算を御紹介させていただきます。

16枚目のスライドが、今の20%減の根拠となった図です。これまでの協議会でも何度か出されたものですけれども、1990年をスタートとして、暦の年だけを説明変数として真っ直ぐ伸ばした場合に、10年間で10%減るだろう。それを自然減として定義をして、たばこ対策とがん検診と均てん化の3つで、上乗せでもう10%減らすというような考え方になっています。

 ただ、この考え方はスタートラインが1990年でいいのかという点とか、あるいは自然減というのは対策も乗っかったものですので、それを暦の年だけのモデルでいいのかという点とか、対策、上乗せの10%についても、きちんとしたシミュレーションに基づくものというのはたばこ対策しかやっていなくて、がん検診と均てん化については余り精緻なモデルで出していなかったという反省がありました。

17枚目のスライドです。今回、推計をするに当たってその反省も踏まえて、現行の考え方を踏襲しつつも発展的に変えたというのが今回の内容です。

 マル1とマル2で分けさせていだきますけれども、まずはシナリオを想定しない、現状のままいくとどうなるかというのを現状維持として定義をして、そのモデルを少し精緻なもの、今まで暦の年しか説明変数に入れていなかったのですが、年齢と交互作用、出生年に当たるものですが、年齢と暦の年と交互作用を用いたモデルで将来推計をして、そこからいわゆる今まで自然減と言われていたものがどのくらい減るかというものを、10年間で何%減るかというものを出しました。それにマル2のシナリオを想定した予測で、たばこ対策とがん検診と治療でそれぞれ何%上乗せできるかというのを出している。そういう考え方にしています。

18枚目のスライドを見ていただくと、これはシナリオを想定しない、つまり今までの傾向がそのまま続くと仮定した場合に、75歳未満の年齢調整死亡率が10年間でどのくらい減るかというのを示したものです。これは先ほど全体目標の結果でお示ししたスライドに10年足したものですけれども、○で印をつけているところが予測値になります。これで計算しますと、現状維持のシナリオでは15.6、たまたま現行計画の実績と同じ値になっているのですけれども、15.6%減になるだろう。これはいわゆる今まで自然減と言われていた現状維持シナリオとしてカウントしている。

19ページから対策の効果の部分です。たばこ対策は現行の計画で使われているモデルと同じものを使っています。これはおおむね妥当性が確認されているモデルなので、そのまま踏襲した形になっています。ただ、シナリオとしては前回、現行の計画では喫煙率半減というのをシナリオにしていましたけれども、現状のがん対策推進基本計画と健康日本21(第二次)で2022年度に男女計で12%という目標が設定されていますので、それをシナリオとして使っています。

 比較対象としては、喫煙率が現状その下のスライドにありますとおり、2010年の値上げ以降、横ばいが続いていますので、喫煙率の横ばいのシナリオを対象シナリオとしています。男性の肺がんでまず出して、それを喫煙の人口寄与危険割合によってほかのがん種あるいは女性に外挿していくという手法を使っています。

21枚目がその結果を示した図になります。赤で示したライン、上のほうのラインが喫煙率の横ばいシナリオにおける4079歳の年齢調整死亡率。下の青のラインが2022年に喫煙率が男女計で12%になる場合です。男性の喫煙率も同じ変化率で使っています。これで見ますと2025年、10年間で7.4%男性の肺がんが減少するという結果になりました。

22枚目の下のスライドですけれども、その7.4%は男性の肺がんでの数値なので、それを男女計の全がんに広げるとどうなるかというものを示したもので、結果としては1.7%減らすことができるという結果になっています。

23枚目のスライドで、これはがん検診の効果を推定する部分で、大腸がんで大腸腺腫から臨床的に発見される大腸がん、さらに進行して大腸がんで死亡するまでを大腸がんの自然死モデルとしてつくって、そこに検診の介入が入ったときにどう変わっていくかというのをシミュレーションで組み立てるような形になっています。

 シナリオとしては検診の受診率は現状維持シナリオとしては2013年の国民生活基礎調査の値に近い。男性40%、女性35%の受診率をベースラインとして、今、目標として掲げられている50%を政策的なシナリオにしています。大腸がんに限らず、検診というのは受ければいいというだけではなくて、きちんとした制度管理のもとで実施されなければ意味がありませんので、代表として生検受診率を現状の値として65%、これは研究班で決めたものですけれども、目標として90%になった場合にどうなるか。この2つの組み合わせで推計をしています。

 下の24枚目のスライドがその結果です。ほかのシナリオもあわせて表示していますけれども、左側に受診率のみ向上。真ん中が生検受診率のみ向上、右側は両方が向上した場合。今回、代表的なシナリオとして使った受診率が50%、生検受診率90%が実現したとすると、男性の大腸がんで9.4%、75歳未満の死亡率が減少するという推計結果です。

25枚目はそれの女性バージョンで、6.2%減少になる。本来であればがん種によってモデルというのは変えるべきなのですけれども、時間的制約で大腸がんのほうが先に完成に近づいたということもありまして、ほかのがん種への外挿は検診のガイドラインに記載されている検診による死亡率減少効果を使って、それをがん全体に占める死亡数の割合も使ってがん全体に外挿するような、先ほどたばこでお示ししたようなやり方と同じような考え方で、全がんでどのくらい減るかというのを出したのが26枚目のスライドです。その結果で言いますと、先ほど男性9.4%、女性6.2%の減少効果がもしほかの対策型のがん検診にも適用された場合には、がん全体で3.9%減るのではないかという推計結果になっています。

28枚目がそのまとめの総括です。こういった推計をした場合、過大評価、過小評価の点は考慮しなければいけないのですが、たばこ対策に関しては比較対象として喫煙率は横ばいのシナリオを使っているのですが、最新の2015年の喫煙率が若干下がっているというところもあり、1.7%というのは若干の過大評価を含んでいると評価をしています。

 検診についても、受診率が50%、生検受診率90%というのが実現した仮想的な世界を想定して、そこで対象者が加齢していくという前提で推計していますので、考える最大効果が3.9%という解釈ができます。治療の部分がどうかというのは、今、27枚目のスライドにあるようなシナリオで考えているところなのですが、欧米の先行研究を見ますと検診とほぼ同じか、それとやや少ないぐらいというのが先行研究で出ていますので、研究班の中では先ほどの現状維持で15.6%、たばこで1.7、がん検診3.9、それぞれ過大評価があるので、トータルとしては20%減程度を継続するのがそれほど無理のない話ではないかという印象を持っています。

 長くなって申しわけないですが、最後に3番目の諸外国のがん対策計画の全体目標の概観をさせていただきます。QOLとか死亡率以外の目標がどうなっているかというのを御紹介したものです。ここで挙げていますのが、アメリカのカリフォルニア州と、真ん中に○が幾つか並んでいるのが英国のイングランドです。右上、男女が抱き合っているような写真があるのがカナダのオンタリオ州。右下がカナダの連邦政府、カナダ全体の計画です。

 その全体目標に当たるものの記述を抜き出してきたものが、31枚目以降のスライドです。アメリカのカリフォルニア州では、先ほど事務局からがんの罹患の減少を加えてはどうかというのがありましたけれども、諸外国でもがんの罹患を減らすというのは大抵入っています。カリフォルニア州では新たながん患者とがんによる死亡の数を減らすこと、特に女性乳がん、子宮頸がん、大腸がん、悪性黒色腫、卵巣がん、前立腺がんというタイトルになっています。

 英国のイングランドは、これは全体目標というより計画そのものの表紙に掲げられているものですけれども、世界標準のがんのアウトカムを達成すること。ここでアウトカムというのは、メインはがんの生存率です。イギリスはもともとEU諸国と比べて生存率が低いということが問題になっていましたので、生存率を代表としたアウトカムを世界標準で達成すること。

 さらに2枚目のスライドはカナダのオンタリオ州です。3つの大きな分野が掲げられていまして、1つ目がQOLと患者のエクスペリエンス、体験です。患者の意思を尊重したケアを患者の希望に応じて提供し、がんの治療全体にわたって個人の生活の質をオプティマイズ、最適化すること。

 2つ目が安全。全ての患者ケアの場面で、患者とそのケアをする人の安全を確保すること。

 3つ目が公平。全てのがんの制度において、全ての州民に保健医療の公平性を確保すること。この3つが掲げられています。3つは社会格差などを想定した目標だと思われます。

33ページ目はカナダ全体です。連邦政府がつくった計画の全体目標です。これも3つになっていまして、全体を串刺しするものとして野心的かつ実行可能にというのが掲げられていまして、3つはがんになる国民を減らすこと。これは罹患を減らすという意味です。がんで亡くなる国民を減らすこと。死亡を減らすということ。がんにかかわる国民がよりよい生活の質を享受すること。この3つです。

 この諸外国の例を概観しますと、日本で今、掲げられている3つの目標というのは、国際的な流れにかなり沿っているものだというのがわかると思います。ただ、大きく違うところが34枚目のスライドですけれども、数値目標が全体目標としては昔は結構あったのですが、今は諸外国ではむしろ減っている傾向で、全体目標には数値目標は入らないのですが、その全体目標を達成するためのたくさんの数値目標が下にきちんと掲げられていて、それを計画で載せるだけではなくて、継続的にモニタリングをして、分析をして、必要であればそこに介入をするという、リアルタイムでこの計画を実行可能なものに変えていくための指標としての継続的な測定と分析の仕組みがセットで掲げられているというのが諸外国の特徴です。

34枚目のスライドにお示ししたのはカナダの例です。8つの分野で合計の数は数えていないのですけれども、非常にたくさんの指標が掲げられています。ウエブページでクリックすると、州別の現状とトレンドのようなものがわかるような形になっています。

 最後、35枚目がまとめです。重複になりますけれども、諸外国では全体目標は数値的なものよりもコンセプト的なものが中心になっている。罹患と死亡の減少に加えて、生活の質の向上や公平性の確保や格差の是正を掲げる例が多くあります。それらの目標を実現するために包括的な数値目標群を設定して、継続的に測定、公表、分析する仕組みが整備されているというのが特徴であります。

 以上です。ありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 続きまして、事務局から紹介がありましたけれども、株式会社ミナケア代表取締役の山本雄士参考人となっていますが、少しだけ紹介しますと、山本先生は1999年の東大医学部の卒業で、東大病院、都立病院等で循環器内科をやり、そして救急医療などをやった。そこで今度はアメリカに行って、ハーバードビジネススクールを修了したという医師と経済学者の両面でもって今の日本を見ておられるということでございます。

 厚生労働省保健医療2035推進参与という形で、若手を集めていろいろな検討を塩崎大臣がしていたと思いますが、それにも参画しておられたということです。

 いろいろなメディカルケアについての本を書いておられますが、私は『僕らが元気で長く生きるのに本当はそんなにお金はかからない』という本を書いていらっしゃるのを読んで、一度みんなで話を聞いたらどうかということできょうはお願いしました。

 では、山本さん、よろしくお願いします。

○山本参考人 よろしくお願いいたします。御紹介ありがとうございます。

 きょうは「がんの予防事業への期待」というタイトルで少しお時間をいただきまして、お話をさせていただきたいと思います。資料12でございます。

 ミナケアという会社が何をやっているかということと、きょうお話したいことがかなり重なるところがございますので、スライド番号の2に「ミナケアは」と書いてあるのですが、我々が今やっておりますのは、まず病気にさせないですとか、病気になった場合の負担を減らしたいということです。医療業界の中でも支払い側である保険者の方々、つまり健康保険組合さんですとか、国民健康保険さん、そうしたところに彼らの持っているレセプトデータや検診データを使って、ここでは健康の監査という言葉を使っておりますが、どこにリスクが潜んでいるのか、どこにコストがかかっているのか、そうしたことを分析した上で、健康づくりが企業であれば企業の財政になりますし、自治体であればその自治体の財政、ひいてはコミュニティー全体の財政の健全化、そして個々人の健康を増進したいということをやってまいっております。現状で数十の保険者様と一緒に、200万人から300万人ぐらいの方々のデータを見ながら、ある意味で大きなコホートになっているわけでございますけれども、健康状況であるとか診療内容をトラックしながら都度アラートを出すといったようなことをしております。

 スライド3に先ほど座長の門田先生からもお話がございましたけれども、今、私が考えている、あるいは見ている医療の姿というものを御紹介したいと思います。幾つか書いてございますのは無視していただいて、上段のほうにケア・サイクルと書いてある並びをごらんいただきたいのですが、左から順に予防や健康増進、そして右側に終末期のサポートと書いてある流れ。これをケア・サイクルと我々は呼んでおりますけれども、このプロセスに従ってヘルスケア、保健医療というものが価値を生み出していることを基本に考えております。

 現状、インシュアランスという意味での保険は診断から実際の治療、インターベンション、回復期、慢性期、終末期の一部をカバーしていると理解しておりますけれども、下流に行くほどそのカバーが薄くなっているのではないかというのはきょうの御議論でもあったとおりでございますし、上流側にあります検診に関しては健康保険の対象外で、予防・健康増進というものは理念としては言われるものの、なかなか実施主体であるとか、その責任の評価といったものがされていないという理解がございます。

 そうした意味で、このケア・サイクルの各々のパーツをどう効率化するかも大事なのですけれども、このプロセス自体の前後の連携、例えばきょうもお話に出てきたかと思いますが、検診と診断がどのぐらい連携があるのか。例えば一例で申しますと、我々数十万、数百万単位の検診結果を見るわけでございますけれども、糖尿病という、今の日本であれば誰でも知っているはずの病気。この糖尿病で健康診断を受けている方のうち、糖尿病学会がかつて言っていた管理不良、これは治療が十分されているとはとても言いがたいという数値が出ている方の3分の1は、病院に一度も行ったことがない。また、病院に行っている方は全体の3分の2でございますけれども、半分のみ管理が良好であるという数字が出ております。

 これは健康保険組合さんの数字を使ってのものでございますから、恐らくは収入等が背景になった受診抑制があるとは考えにくいですし、糖尿病等に関する理解が乏しい集団をとっているというよりは、平均よりはむしろ行きやすい環境にある方ですらそうなっている状況です。では健診を受ければその後の診断、治療にスムーズに流れるかというと、それほど簡単ではないだろうということを、メタボ1つとっても考えながらやっているというのが1つございます。また、きょうのお話も伺いまして、がんという疾患分野はこのケア・サイクルがかなりカバーされつつあると実は感じておるところでございます。きょうも議論のほとんどがいかに先手をとって対処するか、あるいはそれをコミュニティーで支えるかという話ではございますが、それでもなお、このケア・サイクル全体を俯瞰した場合に一貫性を持ったケアがされているのか、あるいは分断のないようにしているのかという観点で見ますと、これはがんに限らず医療全体の問題ですけれども、まだまだ改善の余地があるだろうということを考えております。

 そのスライド3枚目の下半分に、四角い囲み5つと矢印で結びつけられているもの、これが我々の考えております医療業界のプレイヤーの分布でございまして、上側にあります患者・受益者というのはまさにここでは国民ということになりますし、その下、提供側というのは広く保健医療あるいはヘルスケアのサービス提供側、右側が支払い側、保険でございますし、場合によっては患者さんそのものになりますし、左側は製薬会社も含め研究開発をしている。この4つのプレイヤーと、そのパワーバランスを決める政府の5つのプレイヤーがこの医療業界を動かしている。もちろんメディアがあるではないか、ICTがあるではないかというのはありますけれども、第一義的な医療のサービスを考えたら、こうしたプレイヤーではないかということを考えておるのですが、この中で私が医療の提供者から今のような仕事に変わった理由にもなりますけれども、今の日本において医療提供側が先ほどケア・サイクルで申し上げたように診断以降のプロセスをカバーしていることを考えたときに、病気にさせないことでメリットを受ける者は誰かというのを考えると、実は右側の支払い側がそのインセンティブを本来であれば持つはずであろうということを踏まえまして、今、健康保険組合あるいは国民健康保険さんと仕事をしつつ、病気の予防をやっているという状況でございます。

 実はなぜそんなことをしなければいけないのかという話なのですが、次に下半分、スライドの4枚目をごらんいただきたいのですが、これは医療のお金の流れの中でも国民医療費40兆円というマクロの話よりも、もう少しフローに重きを置いた絵でございます。保険者の新たな役割と書いてありますが、このスライド4枚目の左上に母体、加入者と書いてあるもの。これが保険に加入されている被保険者という方々でございます。皆さんも保険証をお持ちの場合にその発行元が保険者でございまして、皆さんは被保険者あるいはその御家族である被扶養者になるわけでございますが、健康保険組合さんの場合はその持ち得るお金は原則その母体にある企業、それから、そこの社員、この両者のみからお金をもらうわけであります。国民健康保険さんの場合には母体企業というものがございませんので、約4割を国からの負担とされておりますけれども、企業健保の場合にはお金というのは原則半々が社員と会社から出ているわけです。

 そのお金がどう使われるかというのが保険料の配分として書いてあるところなのですが、集めたお金の45%は高齢者医療のためということで国に納付されます。残った55のお金のうち50の分が医療費の支払い。つまり疾患になって以降のお金として使われておりまして、病気にさせないぞという活動に関しては5%しかお金が使われていない。これが健康保険組合全体の平均の数字でございます。

 ケア・サイクルという流れを考えたときに、下流に行くほど後手に回っているということでございますけれども、そこにお金が手厚く使われている。上流である予防や検診には5%しか使われていないという実態がございますのと、この5%のうち6〜7割が検査、つまり健康診断であるとかがん検診のような検査自体に使われておりまして、その前後にあります予防の推進あるいは検査を受診したことへのアクションには2〜3割以下というのが実態でございます。なおかつ今、財政の厳しさを踏まえてこの5%に足らない健康増進事業という予算が減っていることもここで申し上げておきたいのです。つまり我々の課題意識としては、こうしたお金の使い方をしている限り、いつまでたっても病気になってから出動して、ここでも何度もお話に出ておりますように、避けられたかもしれないような、もしかするとこれを不幸と呼ぶのは語弊があるかもしれませんけれども、困難や課題が避けられたにもかかわらず、避けていない部分があるのではないか。そうしたことをわかっていながら後手の対策だけを議論しても、余り生産的ではないのではないかということを考えております。

 その上で次のスライド5枚目になりまけれども、我々保健事業という意味では次のように考えております。

 まず一番トップラインに書いておりますが、質のいい保健医療というのはそもそも低コストであるということを常々訴えております。これは保健医療というものが一般的な消費財とは少し違うぞということとも絡むのですけれども、今はどうしても新しいものはいいもののはずであって、だから高くても構わないものであるという価値観があります。これは車だとかコンピューターであればあり得るのでしょうが、保健医療でそういうことがあり得るかというと、ここにおられる皆様がよく御存じのように使用実績というものが強い意義を持つというのも医療の側面でございまして、新しいものがいいものだとは限らないというのが1つ。

 それから、保健医療の目的は何だということにもかかわりますが、そもそも質のいい医療、つまりミスがないですとか、やったのに効かないということがないですとか、あるいはそもそも疾患からフリーである期間が長くなることを考えれば、当然、医療費のロスや需要そのものが減るという意味で、そもそも低コストになるはずであるということをここでは訴えております。

 その上で、では質のいい保健医療をやるためには何が必要かという考え方で3つ書かせていただいていますのが、先手で取り組む。先ほど来、申し上げているように健康づくりあるいは疾病の管理、サポートという面で後手に回ってしまうと、健康医療に回るお金が常にコストであるという意識から拭われないであろう。むしろ先手を打って投資するんだという考え方にしていきたいというのが1つ目。

 2つ目は、孤立させないと書きましたけれども、我々臨床をやっていますとどうしても旧来のスタイルでは患者さんを診療所に呼び出して、おたくの病気はこうである、ああであるという話をしてしまうのですが、きょう何度もお話を聞いていて伺いましたけれども、1人だけ取り出してあなたはこうである、ああである、これは診断と治療のフェーズでは通用すると思いますし、そういう意味で臨床医学はそれにとらわれてもいいのかもしれませんが、その前後の部分はコミュニティーとして、あるいは家族または同僚といったスモールコミュニティーの軸を生かして事に対処しないと、もはや対応できないだろうと考えております。

 3つ目、ポートフォリオを組むと書きました。これは後で申し上げますが、先ほどデータヘルスという話もしましたけれども、メタボ検診というものに国として取り組んでいただいております。メタボは中高年男性に多い病気でございますけれども、同じ世代の女性は乳がんであるとか子宮筋腫であるとか、そうしたことに悩んでいるわけでございまして、保健医療というのは何かの病気だけを取り上げればいいものでもないですし、この健康法を取り入れればいいというものではないという意味では、リスク実態に即して多岐にわたった取り組みをしてくださいという意味で書いております。こうしたことを本来、我々もやっておりますけれども、この場でも、あるいは国としても取り入れていくべきではないかということを考えております。

 先ほど200万人超のデータがありますというお話をしましたけれども、そのデータをどう使っているかという事例が6枚目のスライドでございます。きょうの本題とは少し離れてまいりますけれども、例えばこの秋に国際臨床アウトカム学会で発表した内容でございますが、1年であっても、あるいは薬を飲んでいても体重を減らす、つまり肥満から脱出すれば血圧は下がるという、それだけの論文なのでございますけれども、こうしたことも実はこれまで多く取り上げられてこなかったわけでございまして、こういうエビデンスを出すことが保健事業をやる意味を保険者に感じてもらう強いエビデンスになるだろうと考えています。

 あるいは今、保険者の皆様から御依頼があるものの、なかなかリソースがない、お金がないという理由で進められないのが、がん検診をやることで本当に医療機関への受診につながっているのか。もっと言いますと、がん検診をやる意味があるんですかということを言われているわけです。

 例えば30万人ぐらいの規模、五百数十億円の医療費を使っているところで、がんの病名がついたレセプト、疑いも含めての発生者はがん種別ごとに見ますと例えば乳がんですと年間約2,000人ほど、胃がんで2,500人ほど出ています。医療費としては7〜8億円かかっているわけでございますけれども、そこはがん検診を実施していないのです。では、それだけの30万人中の数千人の頻度で乳がんになるかというと、当然なりませんので、恐らくそのうちの何割かは心配で検査を受けに行ったということなのだと思いますが、これがまた著名人ががんになったというニュースが出た翌年の受診率の跳ね上がり方が物すごいのです。つまり、かなりがんを心配しているけれども、どうしていいかわからない。あるいは気づいた方は直接医療機関にかかることで自分の身を守るという様子が数字から如実に見てとれまして、保険者にこういう数字を出しながら検診を受ける受け皿をつくりませんかという話をしたりもしております。

 一方で、これもリアルな話でございますけれども、保険者の多くのスタンスは、お金があればがん検診に補助はしたい。だけれども、結果まではフォローしたくない。なぜなら結果を知ってしまったときに何らかのアクションをとらなければいけないと言われると困るからというのが実態でございます。

 メタボとがんと大きな政策の進め方の違いとして我々が感じるのは、メタボ対策は保険者がやりなさいと。誰がやるということは書いておりますが、何をどうやるはまだまだ曖昧だったり、理念も曖昧です。一方で、がんに関しては何をやるべし、あるいはこういう理念でやるべしというのはかなり記載があるのですが、実施主体が誰なんだ、誰が責任を持ってやり、何を評価指標とするのかに関しては薄いなというのを非常に強く感じております。ですから健康保険組合、企業の健保から何度も言われるのは、そもそもがん検診はなぜ企業でやらなければいけないのか。ただでさえたくさんのお金を先ほども示しましたように、半分近いお金をそのまま国に吸い取られているのに、なおがん検診まで我々がやらなければいけない根拠はあるのでしょうかということも言われるような時代でございますので、検診をやることは正しいのですけれども、ほかにもやることがあるのではないかということもここで申し上げておきたいと思います。

 スライドの7枚目になりますけれども、ここでは先ほど座長からも御説明がありました保健医療2035での記載の御紹介でございます。本文から抜粋ということで4つのポイントを書いておりますが、疾病の治癒や生命維持を主目的とする「キュア中心」の時代から、慢性疾患や一定の支障を抱えても生活の質を維持・向上させる。あるいは身体のみならず精神的・社会的な意味も含めた健康を保つという「ケア中心」にしましょうということがうたわれていますし、2番目にございますように、先ほどのケア・サイクルと全く一緒でございますが、健康増進から終末期まで一貫性を持った保健医療を提供する理想像をつくろう。あるいはきょうの私からの本題になりますが、予防に関する科学的エビデンスが圧倒的に少ない。そういったことが書かれているわけでございます。

 そうした目線で今のがん予防というものを少し調べてみますと、スライドの8枚目にございますように、国立がん研究センターからはがん研究からがん予防へというスローガンのもとに、さまざまに情報発信がされておりまして、次の9枚目のスライドをごらんいただきますと、リスクと予防策はある程度示されている。そして、驚くべきことに左側にございますのが今、御紹介したようながんの予防法というところでございますけれども、メタボ予防と何も変わらない。適正な生活をしましょう、運動をしましょう、お酒を控えてたばこはやめて、感染症には気をつけましょう。でもこれがメタボというコンテキストでは皆やりなさいと言われてみたり、がんというコンテキストですと言われていなかったりするというのは、少し施策としての一貫性がないのではないか、もったいないのではないかと思っておりますし、右側、がんになるリスクが減るんですよという数値、こうした数値も出ていながら、なかなかこうしたものがストレートに伝わるほどのインパクトを持った推進がされていないのではないか。

 この下半分にありますスライド10、各がんに対してそれぞれリスクをまた記載しておりますのがこのガイドラインでございますけれども、喫煙1つとってもまだまだ現場の理解は、私も健康保険組合でお話した後に、その会社の役員会議に出席させていただいて御説明したのですが、その受けとめ方。皆さんは驚かれるかもしれませんが、「山本さん、禁煙を余り推奨する余り、それでうつ病がふえたらどうするんだ」といって却下される。そんなレベルだったりするわけです。これは全く笑えない話なのですが、笑うしかない話でもありまして、現場はそのぐらいの認識でいますので、ここにおられる方々はがんと診断された以降、世界が大きく変わったということを体感されていると思うのですが、その前段階の方々がいかにリアリティーを持たずにメタボもがんも見なしているかいうことをまず御理解いただいた上で、疾患になる前のアクションについて御検討いただきたいと思っております。

 ちなみに冒頭で申しおくれましたけれども、メタボとがんは違うではないかとよく言われるのです。糖尿病、高血圧はそれでは死なないではないか。ですけれども、我々が見ておりますのは心筋梗塞であるとか、脳梗塞であるとか、あるいは人工透析と言われるようなものでございます。人工透析は透析導入後の平均余命が5年と言われていますから、決して予後のいい状況ではないのでございますけれども、そうしたものをいかに避けるかというための検診であり、予防ということに取り組んでおりますので、そうした意味ではがんとも近しいものがあると思ってお話させていただいていることを、おくればせながら申し上げておきたいと思います。

 スライド11枚目になりますが、検診の前に取り組めることもあるのではないかとタイトルに書いております。検診は意味がないと言うつもりは全くないのですが、その前にもやることがあるのではないか。あるいは検診後に診断、治療に促すためにやることがあるのではないかということでございます。当然、コール・リコール含めた検診対策をやられているのは承知しておりますけれども、その実施主体が本当に正しいのか、あるいは明確化されているのか。その実施責任あるいは成果に対する評価がきちんと仕組みとして整っているのかという意味では、これをぜひこの協議会からの発信としても入れ込んでいただければと考えております。

 最後になりますが、12枚目には具体的なアクションということで幾つか書かせていただいております。今お話したようなことでございますが、がんの早期発見のみならず、その前段としての予防行動に向けた啓発やインセンティブ設計を個人のみならず、これは企業と置くのか地域と置くのかは議論があるところかと思いますけれども、ぜひ置いていただきたい。そのときに1つ御注意いただきたいのは、いわゆる実施率で評価するインセンティブだけはやめていただきたいなというのが私からの切なる願いでございまして、これだけやりましたという報告は幾らでも出てきますけれども、ではそれの成果は何だったんですか、あるいはそれをやることで何を目標にしていたんですかという質問に対して明確な答えが出なかったり、あるいは評価指標が設定されていない限りは、取り残された人は永遠に取り残されますし、頑張る人だけが実施率向上に貢献することになります。

 それから、このページはあと3つありますけれども、ここに書いてございますのは研究開発として予防法そのものであるとか、バイオマーカーを含めた管理指標、例えば高血圧であれば血圧を見よう、糖尿病であれば血糖値を見ようというのがあるわけでございますけれども、がん予防に必要な管理指標、何があるのだろうかという研究開発も当然必要かと思います。さらには既に一部やられておりますけれども、がん検診あるいはがんの予防を実用化した場合の医療経済的評価。これがないとなかなか経済主体は動いてくれないというのがありますので、こうしたこともぜひ実施することを強力に推進いただければということで、私からは以上でございます。ありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 それでは、この事務局から今まで2人の方、トータルで3人の方に御発表いただきましたが、御質問あるいはコメントをお願いしたいと思います。

 難波委員からどうぞ。

○難波委員 2点あります。

 1点は会長に御提案です。私たちは全体目標に関してはもう少し議論を深めたいと考えておりますが、残り時間あと10分余りなので、次回もぜひ全体目標に関して議論をしていくようにお願いしたいと思います。

 あと1点は、全体目標の位置づけなのですが、現状のままですと抜け落ちてしまう対策が多いと思います。先ほど塩崎大臣からの御指示で、難治性がん、希少がん、小児がんに関する対策なども重点的に取り組むべき課題だとお示しいただきました。そういったことを鑑みると個人的にでもあるのですが、カナダの全体目標の例というのはすごくいいなと思いまして、がんになる国民を減らすこと、がんで亡くなる国民を減らすこと、がんにかかわる国民がよりよい生活の質を享受すること。こういったように全体目標というのはスローガンのような形で、評価に関しては個別目標に基づいて行うことが重要ではないかと考えます。

○門田会長 ありがとうございました。

 中川委員、どうぞ。

○中川委員 全体目標にがんになる国民を減らすということには賛成です。山本参考人がおっしゃったようにがんというのは非常に特殊な病気ではなくて、生活習慣の影響が大きいですから、結果的にはがん死亡が一番多い青森が一番短命とか、長野でその逆ということが出ているわけです。ですのでこれは入れていくべきかなと。特にたばこがもっと議論されるべきだと思うのですけれども、そこが薄いという点もここで少しカバーできればいいなという気がいたします。

 子宮頸がんの死亡率だけが上がっているというデータが出ていましたが、これは改正基本法の中にも感染の予防ということがありますので、ぜひ頸がん予防ワクチンについてもいま一度議論するべきかなと思います。

 以上です。

○門田会長 中釜委員、どうぞ。

○中釜委員 片野田参考人の資料の中で、これはこれまでの10年の取組からがんの年齢調整死亡率の低減、その分析に基づいた次の10年の目標設定などが提示されました。臓器ごとに細かく分析をすると、臓器ごとの特性があらわれていて、こういうデータを踏まえると対策もより具体的に取り組んでいけるのかなと思います。冒頭の塩崎大臣のご発言にもありましたように、今回の改正基本法では、がんの特性に配慮した対策を立てていくとなっており、大きな計画としてはこういうざっくりとした目標でいいと思うのですが、それをより現実的に実効性を持たせるためには、基本計画の中に希少がんのことも含めて、丁寧に書く必要があると考えます。そういうことが具体的な実効性のある目標達成のためには必要というのが、片野田参考人のデータは物語っていると思いました。

○門田会長 ありがとうございました。

 勢井委員、どうぞ。

○勢井委員 全体目標の件に関しましては、もう少し議論されるということで、先ほどの山本参考人の話は非常に目からうろこが落ちたというか、いい話だったかなと思っております。

 ただ、以前にも話したとは思っているのですけれども、この中に、この会議場におられる方はがんというものは身近だと思うのです。でもここから一歩出ると、がんというのは身近でないと思うのです。ほとんどの方がそんなに身近に感じていない。むしろ遠い存在だと感じている。これをどうやっていくかということさえできれば、このがん対策、今まで10年間、進んでいますけれども、さらに本当に加速するのではないかと思います。

 手法としては中川委員からも前回話がありましたけれども、教育であったり、それから、ここに来られているメディアの皆さんの力であったりではないのではないかと思っています。あとはどうやって連携をしっかりとってやっていくかで物すごく変わるのではないかと思っております。

○門田会長 ありがとうございました。

 桜井委員、どうぞ。

○桜井委員 私は9ページの次期基本計画における全体目標の方向性に関して、小児がんを含めた希少がん、難治性がんの研究推進、対策の推進という、やはりこれは1本箱として出すべきだと思っております。

 というのが先ほどの山本参考人からも話が出たケア・サイクルの話もそうなのですけれども、これらの事柄は、ここから外れているものなのです。それから、4月にがん対策基本法の改正案が出たとき、パブリックコメントがありました。その後、今回、法案が通って上がってきた言葉の中で増えている言葉があるのです。それは何かといったら希少がん、小児がん、難治性がんの対策です。資料の3番のところにそれぞれのがんの特性に応じたと書いてありますけれども、これではなくて、希少がん、難治性がんという言葉がやはり入ってきておりますので、ぜひ法を踏まえた方向性を挙げるべきだと思っています。

 今回も本会議の冒頭に塩崎厚生労働大臣が改正案を踏まえてとお話になられましたし、希少がん、難治性がん対策について充実すべしということを大臣はおっしゃられました。患者の声、大臣の声をきちんと踏まえて、がんにならない人をふやすということもすごく大切だと思いますけれども、現状、診断自体が死の告知になるような、世界と比べても何十周もおくれているような対策がありますので、これを切り捨てるようながん対策というのは私はあり得ないと思っています。ですので、やはりこの部分というものをもう一度入れるべしというようなことを言わせていただきます。

 それから、これは事務局にお願いなのですけれども、全く時間が足りないのです。今回、全体目標を考えるのは物すごく大切です。残り一時間しかないのに説明で51分です。議論10分はあり得ないので、ぜひこれは延長戦をやっていただきたいと思っています。今回、委員の皆さんからもいろいろな資料が出ているのです。私はこれはぜひ聞きたいです。なのでぜひこれをもう一度この議題でやっていただきたいと思っています。

 以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 特にそれに関してということですか。では馬上委員。

○馬上委員 桜井委員、ありがとうございます。小児がん、希少がん、難治性がんというのは、少ないがために、難治であるがために不利な状況にあることで、支援とか対策がおくれてきたという実態があるのですけれども、片野田参考人にお伺いしたいのですが、まとめのところで生活の質の向上と公平性の確保を掲げる例が多いという、この公平性の観点なのですけれども、これは経済的なもの、施策的なもの、両方ということで理解してよろしいでしょうか。

○片野田参考人 この計画をよく見ますと、非常に練られているなという印象を受けるのですが、おっしゃるとおりここで言う公平性というのはいろいろな概念を含んでいまして、いわゆる社会経済格差も入っているし、小児、希少がんのようなこれまで対策が届いていない人たち等を吸い上げるというような、その全てが入っているのだと思います。ですので馬上委員の認識のとおり、今、手が届いていない人全てを救うというようなニュアンスで公平性という言葉を使われているのだと思います。

○馬上委員 ありがとうございます。

 そうしますと、桜井委員の発言にも関連しまして、事務局の御意見の下のところに公平な対策支援を進めていくことを明言する必要があるという御意見があったということを、やはり全体目標にも反映させていくべきではないかと考えています。

○門田会長 山口委員、どうぞ。

○山口委員 資料を準備させていただきましたので、協議会資料をごらんいただきたいと思います。全体目標についてのお話がきょうの大きなテーマですので、私が先ほど申しましたように現場の方々の声をできるだけ聞きながら、その一部をきょう整理してみました。

 まず現在の推進基本計画の全体目標についてですが、最初の項目である「がんによる死亡者の減少」については、75歳未満が数値的に評価しやすい。だから逆に言うとアウトカム評価を重視した余りに、全体像から少し離れた結果を議論することになってしまったように思います。

 医療現場の違和感というものをその下に書いてありますけれども、以前、大江委員も話されていたと思いますが、この全体目標の書きぶりでは、進行・再発がんに対する抗がん治療についての努力が入ってこない。医療現場で再発がんの治療を実践し、共存期間を延ばし、元気でいていただける期間を延長しているのですが、そういう方々は一体どこで評価されるのか、医療スタッフの努力は理解されているのか、という声はよく聞きます。

 2番目に、これは前にも申し上げたのですが、難治性がん、小児がん、希少がんに対する積極的な治療の位置づけが、この死亡率だけを見てしまうと評価が難しくなる。この点に関してはある会で議員連盟の古川事務局長が、今回小児がん、難治性がん、希少がんを入れようとしたけれども、なかなか難しかった。研究でしか入れられなかったという御発言をされておられましたが、私は同じ問題が生じるように思います。がんに罹ったら、何はともあれ治してもらいたいというのが患者家族の最大の願いです。そこで、全体目標にこれらのがんに対する対策を何らかの形で入れるべきだろうと思います。

 3番目に、がんと診断される4割は75歳以上ですので、この方々がこのテーマだと入ってこない。例を挙げればもっとたくさんあるのですが、これらのことを考えると、1番目の目標は少し変更する必要があるのではないかと思います。

 第二のテーマとして禁煙対策について述べたいと思います。この協議会の委員であることを明かすと、多くのがん関係者から「直接喫煙に関する書きぶりは何だ」という非難を受けます。これまでは、私はあのとき委員ではなかったからと言うと大体御納得いただいてきたのですが、今回はそういうわけにはいきませんので一生懸命考えました。

 未成年の喫煙が健康被害という点では圧倒的に高いということは証明されています。未成年での喫煙開始と30歳以上での喫煙開始を比較すると数倍程度の危険度の差があります。そこで、直接喫煙への対策として未成年の喫煙防止を強調したいと思います。それには、周知、遵守、教育が必要です。

 第2期のがん対策推進基本計画の中には、長い文章の1行に、「未成年者の喫煙をなくすことを目標とする」と確かに書き込まれているのですが、とても目立たないものです。根拠となる法律は未成年者喫煙禁止法、明治33年の第2次山縣有朋内閣で定められたもので100年以上たっています。驚いたのですが、読んでみるとこのときは健康被害のことは何も考えていないはずなのですが、今の状況にしっかり当てはまります。法律の文章を参考資料としてつけさせていただきました。

 静岡県のがん対策推進条例では、このことを意識して11条に未成年者の喫煙を防止するために云々と書き込んだのですが、国の施策としてこのことを言っていただくことがどうしても必要だと思うのです。この問題は様々な事情があって、なかなか前に進まないことは皆さん御承知だと思うのですが、「この法律を守ってください」ということは反論は出ないはずです。委まず、未成年者の直接喫煙を防ぐ点に絞った計画を前面に出し、最終的に成人の喫煙率低下へとつなげていくことが、戦略としてはやりやすいと思います。また、学校教育で重視すべき第一のポイントは、この点ですので、喫煙対策に関しては徹底的に学童、学生に指導していただくことをぜひお願いしたいと思います。

 3番目、意見聴取が全体目標設定のためには必要なのではないかと思うテーマをあえて挙げておきました。

 1つは病理です。ここでまだ病理学会の御意見を聞いていないと思うのですが、ときに「病理医はがん対策に要らないのか」という声を聞きます。ぜひ一度説明を受けていただくことを望みたいと思います。

 2番目に、がん検診に関しては、ここで目標値を設定しても、実施者がそれを受け入れて一生懸命やっていただかないと困るわけですが、さまざまな問題が現場にはあります。むしろ現場の問題を、最も日本で実施している日本対がん協会等の御意見等を参考に、基本計画を考える必要があるのではないかと思います。がん検診の部会には地域代表の方が入っておられたと思うのですが、全国の状況をしっかり協議会として把握することが必要なのではないかと思います。

 最後に、がんの医療経済について委員の皆様が知っておくことが必要だと思います。十数年前、国民総医療費が33兆円の時代、がんに使われている医療費はたかだか2.3兆円程度でした。当時でも、国民の半分近くががんに罹り、3分の1ががんで命を落とす状況でしたが、がんに関する医療費が1割にも満たないというレベルでした。この傾向は、今も続いていると思いますが、一方で、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤が高額であることがクローズアップされ、実態の把握が必要だと思われます。予算のことも含めて医療経済学的な情報を委員の皆様と共有できればと思っております。

 最後に山本参考人へのアドバイスですが、近年のがん研究によってメタボとがんは関連が深いと言うことが知られています。従って、メタボ対策は、今後、がん対策の重要な柱になっていくものと思われます。

 以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 若尾委員、どうぞ。

○若尾委員 今回は全体目標ということですので、今までの死亡率の減少、それから、全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の維持向上。3番にがんになっても安心して暮らせる社会の構築とあるのですけれども、ここに先ほど大臣もおっしゃいましたし、桜井委員もおっしゃいましたが、新たに事務局が資料として出してくれている前回と改正後のがん対策基本法の違いの中で、第19条というものがあるのですけれども、それをしっかり入れ込む。治療に伴う合併症や支持療法のこと。それから、難治性がん、希少がん、小児がんに対する研究と対策の推進というものを入れるということと、先ほど山口委員もおっしゃいましたが、予防、特にたばこ対策強化を加えることを提案して、私からの意見とさせていただきたいと思います。

 以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 檜山委員、どうぞ。

○檜山委員 私も資料を出させていただいているので、それを少し御説明させていただければと思います。

 皆さんのおっしゃるとおりだと思いますが、私の全体目標の提案としては2期の目標として3つ今、若尾委員から御説明いただいたところに、本当に死亡率の減少だけが本当に目標でいいのかというところももう少し考えたほうがいいかなというところがあって、特に小児がんに関しては既に80%が生存する時代になっているので、これを75歳以下の年齢調整死亡率の低下に対して小児がんの分野でこれ以上死亡率を下げるということは、ほぼ無理という状況になりつつあるということです。

 そうなると、そこに書きましたが、合併症の少ない治療をきちんと提供することが必要ですし、今、山口委員もおっしゃいましたが、75歳以上の方がこれだけは切り捨てられてくるので、高齢者の人に対しても負担のない治療ということで、ライフステージに応じた医療をきちんと提供すべきだということは掲げるほうがいいかなと思いました。

 今、希少がん、難治性がん、小児がんをあえて挙げていただいて、非常に私も賛成なのですが、ではこれをどうやってブレークスルーするのかということ、また、そうなると、とにかく希少がん、難治性がんの定義からが非常に難しい話になるので、私は以前の59回、60回のときから出てくるように、今はゲノム医療の世界になっていると思います。希少がん、難治性がんをどうやって治すかということになると、ゲノム医療を導入したがん医療の体制構築することでしか、そういう患者さんの治癒率を上げることは無理ではないかと思うので、遺伝性腫瘍も含めて予防にもかかわってきますし、新しい治療法の開発にもかかわってくるので、私はあえてゲノム医療を導入したがん医療体制の構築をもう一つ4つ目の全体目標の項目として掲げることはどうかなと思って、このような形で私の個人的な意見ですが、提案させていただきます。

○門田会長 ありがとうございました。

 全体目標、個別目標、重点的事項というふうに幾つかの段階がある。これについてきょうは皆さんもう少し検討が必要だという御意見だったと思います。

 これは事務局いかがですか。最も重要なことなので、これを取り上げないわけにはいかないので、ぜひ進めていきたいと思います。ただ、ここでしっかり理解していただきたいのは構造です。何が幹で、何が枝で、何が葉っぱか。全体目標はどういうものを全体目標と言うのかということを個別に考えていただきたいと思います。次回のディスカッションのときは、そこのところから入らないと個別項目を挙げながら云々ということで、そうだ、反対だという話をしても前に進みません。余り時間的にゆとりもないので、しっかりとした構造を考えましょう。そして、その中でどういうふうに分けていくかという形で進めることにしたいと思います。

 そういうことで、年が明けてから場合によったら今、予定しているよりも回数がふえるかもわかりませんが、ぜひやりましょう。

 既に時間がオーバーしてしまったのですが、中釜委員、どうぞ。

○中釜委員 1点だけ強調したかったのが、希少がん、小児がん、難治性がんは間違いなく重点項目なのですけれども、先ほどそれぞれのがんの特性にという表現を使われた改正基本法の記載を考慮しても、例えば、恐らく肺がんであってももう少し細かく見るといろいろなタイプがあるということであります。がんの特性を踏まえてという表現を用いることであれば、非常に大きなコンセプトを含んでいるのかなと思います。先ほど檜山先生がおっしゃったようなゲノムに基づいたということも、「特性を踏まえた」に入ってくるので、重点課題として希少がん、小児がんを打ち出していくことはもちろん重要なのですけれども、それぞれの中でも「がんの特性」という点がうまく反映するような形で、大きなコンセプトとして打ち出せるといいのかなと思いますので、次回以降の検討課題としていただければと思います。

○門田会長 ありがとうございました。

 我々のこのメンバーでどういう形で構築していくかということが課題になるのだと思います。そのあたりも、希少がんということについてもほかのところでも出ていましたけれども、1つのがん種というか、臓器のがんの中にずっとゲノムを調べていくとそれぞれが希少がんだと。希少がんを重ねたものがそれぞれの臓器のものであるという考え方がどんどん広がっていっているわけですし、そういう中でこれから5年あるいは10年に向けてどのように今、全体を構築していくかということをディスカッションしたいと思います。

 ということで本日はここで置いて、この件については引き続き検討することにしたいと思います。まだいろいろな御発言をしたかったことというのがそのほかでもあったかと思いますが、前にも言いましたように、この年末ということもございますので、申しわけないのですけれども、来週の月曜日までに事務局に届くようにお願いすることにさせていただきたいと思います。

 それでは、事務局から連絡事項をお願いいたします。

○がん対策推進官 本日は長時間にわたり御議論いただきまして、まことにありがとうございました。

 厚生労働省からお知らせがございます。来週1227日火曜日、厚生労働省、国立がん研究センター及び国会がん患者と家族の会の共催で「がんとの闘いに終止符を打つ『がんゲノム医療フォーラム2016』」を開催いたします。

 タレントの山田邦子さんらをお招きして、「がん治療、ゲノム医療にかける思い」と題したシンポジウムを開催するほか、会の締めくくりには塩崎厚生労働大臣が「がんとの闘いに終止符を打つ」という目標に向かって、がんのゲノム医療の着実な推進に向けた決意を表明いたします。会場の様子は全国15カ所のサテライト会場にも中継され、全国のがん患者さん、御家族、医療関係者を含めた皆様に向けて発信される予定です。

 あすの1222日木曜日正午まで、事前登録の受け付けを行っておりますので、ぜひとも御検討いただければと思います。がんゲノム医療フォーラムの詳細は、厚生労働省のホームページにも提示しております。

 次回の協議会の日程につきましては、追って御連絡を申し上げます。

 また、参考資料のファイルは事務局にて回収いたしますので、お持ちにならないようお願いいたします。

 事務局からは以上です。

○門田会長 ありがとうございました。

 それでは、本日はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。


(了)
代表 03−5253−1111(内線3826)

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