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2016年12月12日 第8回 児童虐待対応における司法関与及び特別養子縁組の在り方に関する検討会

雇用均等・児童家庭局

○日時

平成28年12月12日(月)17:00〜19:00


○場所

中央合同庁舎5号館厚生労働省専用第14会議室


○出席者

吉田(恒)座長 岩崎構成員 金子構成員 上鹿渡構成員 久保構成員
杉山構成員 床谷構成員 藤林構成員 峯本構成員 森口構成員
山田構成員 横田構成員 吉田(彩)構成員

○議題

○木村補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第8回「児童虐待対応における司法関与及び特別養子縁組の利用促進の在り方に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、久保野構成員、林構成員、山本構成員から御欠席の御連絡をいただいております。
 また、金子構成員からは、遅れての参加となる旨の御連絡をいただいております。
 まず、資料の確認をさせていただきます。
 配付資料は、右上に番号を付しておりますが、資料1−1、1−2、1−3、1−4、資料2、資料3−1、3−2、参考資料、そして、追加資料といたしまして、上鹿渡構成員から御提出いただいた資料を配付しておりますので御確認いただければと思います。
 資料の欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。なお、本検討会は公開で開催し、資料及び議事録も公開することを原則とさせていただきます。
 それでは、これより先の議事は吉田座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○吉田(恒)座長 皆さん、こんばんは。それでは、早速、議事に入ってまいりたいと思います。
 恐れ入りますが、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。よろしくお願いします。
 本日の議事でありますが、配付いたしました議事次第にありますように、まず特別養子縁組に関する調査結果について、前回に続き、その後の状況について事務局から報告をいただきたいと思います。その後、司法関与について前回検討会での議論を踏まえ、事務局から取りまとめに向けた資料の修正版が提出されておりますので、それをもとに議論を行いたいと思います。
 それでは、まず特別養子縁組に関する意見交換を行いたいと思います。
 最初に、その調査結果等について事務局から御説明をお願いいたします。
○林補佐 家庭福祉課の林でございます。
 資料1−1について御説明いたします。
 特別養子縁組制度に関する調査結果といたしまして、前回、有効回収率約65%の調査結果をお示しいたしましたが、今回、12月9日時点のもので有効回収率約98%の調査結果をお示ししてございます。
 資料1−1では全ての児童相談所のデータを反映することができました。民間あっせん団体については18団体分計上しています。なお、今回の調査に御協力いただきました全国の児童相談所の皆様、民間あっせん団体の皆様に改めてこの場をおかりして深く感謝を申し上げます。
 児童相談所と民間団体があっせんして成立した特別養子縁組の数は、平成26年度459件、27年度462件でした。このうち児童相談所の事案のうち、1歳以下の割合は5割弱、5歳以上が18%。民間団体の事案のうち、1歳以下は約86%、5歳以上が6.5%とその多くが1歳以下で成立しておりました。
 前回、林構成員から御指摘を受けまして、家庭養護促進協会の分を除いた民間団体の事案の成立件数を集計いたしました。家庭養護促進協会を除きますと、1歳以下が96.5%を占めております。264件中255件が1歳以下の成立事案となっております。
 養親候補者の監護開始時の児童年齢については、生後6カ月以内の開始が児童相談所の事案で約46%、民間団体の事案で約80%を占めておりました。これについても家庭養護促進協会の分を除いてみますと、6カ月以内に養親候補者の監護を開始した民間団体の事案は約80%から94%になります。
 養親候補者が監護する前の措置の期間については、児童相談所の事案で平均12カ月、民間団体の事案で平均6カ月、養親候補者による監護期間は児童相談所の事案で平均19カ月、民間団体の事案で平均11カ月でした。
 養親の年齢については、40歳代後半以上が児童相談所の事案で約41%、民間団体の事案で約17%。30歳代以下が児童相談所で約24%、民間団体で約43%でした。
 特別養子縁組の成立までに生じた困難として最も多いのが、「実親の同意を得る際」で約24%、その他の段階でも10〜15%生じておりました。実親の同意がない事案は約8%あり、そのうち約半数は「父母がその意思を表示することができない場合」でした。
 児童相談所と民間団体との連携についてですが、主に民間団体があっせんして成立した事案57件のうち家庭養護促進協会の分は46件となっておりました。つまり、他の団体があっせんした事案で児童相談所と連携したケースは11件となっております。
 10ページ目でございます。「2 普通養子縁組が成立した事案について」です。
 平成26年度、27年度の2年間で児童相談所と民間団体があっせんした事案は36件で、そのうち民間団体の事案は2件、成立時の児童の年齢は平均で14歳2カ月となっておりました。
 14ページ目でございます。「特別養子縁組を検討したものの、特別養子縁組の成立に至らなかった事案について」ですが、2年間で児童相談所の事案で94件、成立件数と比較すると約15%の割合となっております。
 民間団体の事案は123件で、成立件数と比較すると約40%でした。成立を困難にした内容として児童相談所や民間団体も「養親候補者が不存在だった」が約4分の1を占めており、そのうちの約半数近くが「児童の障害等の要因のため、希望する養親候補者がいなかった」という理由となっております。
 また、児童相談所の事案で一番多い理由が、「養親候補者が見つかったものの、試験養育に至らなかった事案」で33%でした。民間団体では「その他」が最も多い理由で、具体的には「実親と音信不通、出産等を契機とした実親の心変わり等」でした。
 20ページ目でございます。「選択肢として特別養子縁組を検討すべきと考えられる事案について」です。
 「長年にわたって親との面会交流がない児童、将来的にも家庭復帰が認めない児童等」である「選択肢として特別養子縁組を検討すべきと考えられる事案」についてですが、平成26年度と27年度に社会養護措置をとった児童について、児童相談所において290件、民間団体で10件ございました。措置等の年齢は平均3歳8カ月、5歳以下は約76%でした。制度上障壁となっているものは「実親の同意要件」で約69%、「年齢要件」で約16%でした。
 23ページでございます。「特別養子縁組又は普通養子縁組の成立後に、養親による養育困難の訴えや虐待等の問題が生じた事案について」ですが、平成26年度、27年度に問題が生じた事案のうち、特別養子縁組が成立した時点の児童の年齢が3〜7歳までで、いずれの年齢で10%以上発生しております。問題が生じた時点の児童の年齢は平均で10歳5カ月でした。問題の内容としまして、児童の問題行動が児童相談所の事案で約43%、民間団体では100%という結果でした。
 27ページ目でございます。「子どもの出自に関する情報提供等について」ですが、ほぼ全ての児童相談所と民間団体において、情報を紙と電子媒体で保存しておりました。保存に関するルールについては、「文書保存に関する総則的な規定以外で運用上の保管規定の有無」については約半々の割合となっておりました。保存期間については、永年としている児童相談所が約64%、民間団体は89%でした。
 子どもから出自を求められた特別養子縁組の事案は24件ございました。このうち、何らかの情報提供をした割合が児童相談所で約64%、民間団体で89%でした。実親から養子に関する情報を求められた特別養子縁組の事案は46件ございました。うち、42件が民間団体で、全てで何らかの情報提供をしておりました。なお、児童相談所において4件のうち、何からの情報を提供している事案が2件でした。
 31ページ目でございます。「特別養子縁組又は普通養子縁組成立後の養親・養子・実親に対する継続的な支援について」ですが、「真実告示に関する助言や相談体制の整備、記録の管理」「縁組家庭の孤立防止支援」「思春期等の子どもの成長段階に応じた養育に関する助言等」といった意見がありました。
 養親に対する支援は、児童相談所においては、「里親研修や里親会活動」、「養育に関する相談対応」、「定期的な家庭訪問」、「真実告知に関する助言」が多く、民間団体においては「交流会」、「子育て、真実告知等の相談対応」、「実親と養子の手紙等の仲介」が多く見られました。
 養子に対する支援は、児童相談所においては、「家庭訪問による養育状況の確認」、「発達面での検査」が多く、民間団体では「養子同士の交流」、「ルーツ探しへの対応」が多く見られました。
 実親に対する支援では、児童相談所においては「行っている支援無し」が最も多く、民間団体では「自立支援」、「実親と養子の手紙等の仲介」、「メンタルケア」が最も多い結果となっておりました。
 35ページ目でございます。「特別養子縁組の利用促進のための養親の確保等について」ですが、児童相談所における専従組織は約84%で「無し」との回答でした。
 養親候補者の確保の主な方法は、児童相談所においては、里親関係の研修やPRの中で周知等を行っておりました。民間団体においては、広告やホームページ、説明会等を通じて周知等を行っておりました。
 養親候補者の確保で必要なものとして、年長児を念頭に置いた養親の相談体制、養親への説明の指摘がありました。
 養親候補者をよりよく知るための工夫として、児童相談所では、里親登録時の研修以外で独自の工夫をしているのが57%、民間団体で約86%が行っていました。
 現行の特別養子縁組制度の問題点として、社会的理解の度合い、養親の個人情報、年齢制限などについて指摘がありました。
 続きまして、今月9日に国会で成立いたしました議員立法の民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律について説明いたします。
 資料1−2が法律の概要、資料1−3が法律が施行された際にあっせん事業を行われること等をイメージしたものでございます。資料1−2に沿って御説明いたします。
 まずは法律の第1章、総則でございます。
 法律の目的ですが、許可制度を導入し、業務の適正な運営を確保するための措置を講ずることにより、児童の保護と適正なあっせんの促進を図り、児童の福祉の増進に資することを目的とするものです。
 法律の対象は18歳未満の養子縁組を民間があっせんする事業としています。
 民間のあっせんについては、民間のあっせん機関と児童相談所は情報共有など連携に努めなければならないとしております。個人情報については、必要な範囲で収集、使用等をしなければならないとしております。
 次に、第2章の民間あっせん機関の許可等についてです。
 許可等に当たっては、申請者の氏名、住所等が記載された書類、業務の実施方法、事業計画書、経理関係書類等を都道府県知事に提出し、営利目的で事業を行うとするものではないことなど、許可基準をクリアした場合に許可を得て事業を行うようにするものでございます。その他、徴収できる手数料、帳簿の備えつけ、事業廃止時の引き継ぎ等を義務づけてございます。また、国と地方自治体は民間あっせん機関に必要な財政上の支援や研修等を行うことができるとされています。
 次に、第3章、養子縁組のあっせんに係る業務についてです。
 相談支援については、民間あっせん機関は実親、養親希望者に面会の方法で相談に応じ、援助することとされています。あっせんの申し込みがあった際に確認すべきこと、一定の要件を備えていれば申し込みに係る契約を締結しなければならないこと、あっせんを受けられない養親希望者の範囲を定めています。
 あっせんの過程で養親希望者の選定・養親希望者との面会・縁組成立前養育の各段階で実親の同意を得ることを義務づけています。民間あっせん機関は養親希望者が養育を開始するまで児童を適切に養育する義務、養親希望者に対する縁組成立前養育の義務、縁組成立の成否の確認の義務、縁組成立前養育の中止の際には、児童相談所に通告すること等の児童の保護の措置を講ずる義務、あっせんの契約締結・縁組成立前養育の開始や中止・縁組の成否の確定などの段階で都道府県知事への報告義務が課されています。また、成立後の養親・養子・実親への求めに応じた支援、養親希望者等への情報提供、守秘義務等について定めています。
 次に、第4章、雑則でございます。
 厚生労働大臣は民間あっせん機関が適切に業務を行うために必要な指針を策定し、公表するものとし、都道府県知事は必要があるときは必要な指導、助言をすることができるとしています。また、知事は必要な限度で施設への立入検査ができることになっております。国・地方公共団体は、養子縁組あっせんに係る制度について周知することを定めています。
 第5章、第6章で、その他、罰則や検討規定を設けてございます。
 施行期日については、2年を超えない範囲で政令で定めることとされていますが、今後、政省令事項を検討していくことになりますが、その際は超党派でこの議員立法の成立に御尽力をいただいた先生方の御意見も踏まえる必要があろうかと思っておりますが、今の時点で決まっているわけではございません。
 資料1−4でございます。
 12月7日の衆議院の厚生労働委員会で決議された附帯決議でございます。1〜7までございます。
1、民間あっせん機関による養子縁組のあっせんを利用する養親希望者は、児童相談所による場合と異なり、手数料を負担する可能性が高いことから、養子縁組のさらなる促進に資するよう、養親希望者の負担の軽減を含む必要な支援の在り方について検討を行うこと。
2、予期せぬ妊娠等、産前産後において特に支援を要する妊産婦や不妊に悩んでいる者が、養子縁組のあっせんに係る制度及び特別養子縁組制度に対する理解を深め、必要に応じて利用することができるよう、産科を始めとする医療機関等において両制度の適切な周知に努めること。
3、民間あっせん機関が継続的かつ安定的に養子縁組あっせん事業を運営することが可能となるよう、財政上の措置その他必要な措置を講ずるよう努めること。
4、養子縁組のあっせんは家庭における養育を児童に確保する上で重要な役割を果たすことに鑑み、当該あっせん業務の質にばらつきが生じないよう、厚生労働大臣が定める指針や運営基準等の周知徹底に努めること。また、営利目的が疑われるような悪質なあっせん事業を防止するよう、民間あっせん機関の指導監督に万全を期すこと。
5、民間あっせん機関において養子縁組あっせんの業務に従事する者には、実父母と養親希望者の事情を考慮し、児童の最善の利益を見通す専門性が求められることから、各種の研修等の充実を図るとともに必要な人材育成の在り方について検討を行うこと。
6、養子縁組のあっせんに関する施策については、特定妊婦への支援、養子となった者の実父母が自立した生活を営むことができるようにするための施策その他の関連施策との有機的な連携を図ること。
7、本来の家庭における養育が困難な児童に対し、家庭における養育環境と同様の養育環境の継続的な提供に資する観点から、児童相談所及び民間あっせん機関は、可能な限り連携を図りながら相互に協力すること。
 以上の事項について適切な措置を講ずることが政府に求められています。
 説明は以上になります。
○吉田(恒)座長 ありがとうございます。
 それでは、ただいま御報告のありました調査結果を踏まえまして、御質問や御意見がございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。特にございませんか。
 では、山田先生、お願いします。
○山田構成員 すみません、何を求められているのか今よくわからなかったのですけれども、この特別養子縁組制度についての意見を言ってよろしいということですか。
○吉田(恒)座長 今回の調査についてございませんか。
 では、横田先生、お願いします。
○横田構成員 優先順位が後かなと思ったので控えていましたけれども、調査そのものでないのですが、調査の28ページです。これは調査そのものではなくて今後の検討のためにお願いしたいことなのですが、子どもから出自に関する情報の提供を求められた件数という紹介がありまして、それで具体的な対応とまとめられているのですが、これを読んでいて自分がわからなかったので資料の提供をお願いしたいということなのです。
 具体的に言うと、これは個人情報保護法制との関係はどうなっているのか。児童福祉法は行政機関個人情報保護法の適用除外はないのですけれども、戸籍法は適用除外とされており、ではどうなっているのかなと思って見たのですが、戸籍法を見ても施行規則まで見ても書いていなくて、これはどうなのか。あと、先ほどあっせん法の説明もありましたけれども、あっせん法だと今度は一般法としての個人情報保護法だと思うのですが、そこについて個人情報、これは不開示のほうの説明はあったのですが、本人から請求があったときとかどうなのだろうというところの法律の仕組みがわからないので、子どもが情報提供を求める相手として考えられる主なところが対応するときに、どういう法的根拠に基づいて対応がなされているのか、その一覧みたいなものがあると今後の議論に資するかなと思ったので、そのお願いです。
○吉田(恒)座長 ありがとうございました。
 では、森口先生、お願いします。
○森口構成員 2ページの特別養子縁組の成立件数が平成26年度と27年度で出ているのですけれども、これが司法統計で報告されている件数とどれくらい近いかというところを確認していただければと思います。
○吉田(恒)座長 司法統計との関係はいかがでしょうか。
○林補佐 現在、集計できていない民間団体さんにおいておそらく数十件成立している事案があるとは思うのですが、それを前提に置いた上で成立件数について申し上げますと、司法統計において、26年度が513件、27年度が544件報告されていると承知してございます。
○吉田(恒)座長 少しずれがありますね。この点に関しては、また次回にでも議論できればと思います。
 ほかに。
 では、岩崎先生、お願いします。
○岩崎構成員 5ページの特別養子縁組成立時の児童の年齢に応じた措置期間及び監護期間。この措置期間と監護期間の違いは何か御説明いただけませんでしょうか。措置期間というのはどの期間で、監護期間というのはどの期間を指してらっしゃるのか。
○林補佐 まず、養親候補者さんのほうが監護を開始する時点がございますが、その開始した時点から始まる期間が養親候補者による監護期間となります。
このデータの中では、養親候補者が監護を開始した時点から成立するまでを養親候補者による監護期間で、養親候補者が監護を開始するまでの期間が措置期間となります。
○岩崎構成員 施設で生活していた子どもの場合だったら施設の措置期間ということですね。
○林補佐 はい。
○岩崎構成員 わかりました。
○吉田(恒)座長 よろしいでしょうか。
 ほかにございますか。
 前回、御報告いただいたものから回収率が上がったということで、全体の傾向としては前回と大きな違いはないですか?
○林補佐 傾向については大きな違いはございません。
○吉田(恒)座長 わかりました。
 前回の資料の中で、養子縁組成立後、養親家庭とのコンタクトの部分があったのですけれども、今回は入っていないですか。縁組成立後、例えば里親会から抜けたので児相がコンタクトをとれなくなったとかという内容があったかと思います。
○林補佐 記述の部分でしょうか。
○吉田(恒)座長 はい。
○林補佐 確認させていただきます。
○吉田(恒)座長 では、私の勘違いかもしれませんので、お願いいたします。
 ほかによろしいでしょうか。
 では、藤林先生、お願いします。
○藤林構成員 非常に興味深いデータと思うのですけれども、5ページの監護開始時における児童の年齢が児童相談所と民間団体で非常に大きな差がありまして、児童相談所の場合には1歳、2歳、3歳といった、割に年齢の高い子どもさんの率が高いというのが明らかと思います。なぜ児童相談所の場合に監護開始がおくれるのか、というところがどのようにしたらわかるのかなというように思ったのです。6ページのところに「養親の同意を得る際の困難」ということで、実は実親の同意確認ができなかったとか、または不安定な状況にあったという答えが書いてあるわけなのですが、こういった実親の同意が不安定、またはとれなかった、または行方不明という状況が実務の感覚としては、実際に養子縁組里親さんに委託するのがおくれる大きな要因ではないかなと思っているのですが、ここの部分はクロス集計でそこはわかるものなのでしょうか。
○林補佐 集計させていただいてお示しします。
○藤林構成員 よろしくお願いいたします。
○吉田(恒)座長 ありがとうございます。
 ほかにもまだあろうかと思いますけれども、今日は司法関与のほうに時間を割きたいと思いますので、もし今回の調査報告につきまして、御疑問、御意見ございましたら、メールで事務局までお知らせください。よろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、司法関与のあり方について、意見交換を行いたいと思います。
 まずは事務局から資料の説明をお願いします。
○木村補佐 虐待防止対策推進室の木村でございます。
 司法関与の関係の資料といたしまして、お手元の資料2、資料3−1、3−2をもとに御説明させていただきます。
 まず資料2でございますけれども、こちらは毎回提出させていただいている資料ですが、前回、第7回の検討会での御議論を踏まえて、主な御意見を追記したものです。
 続いて、資料3−1と3−2につきましては、前回事務局から提出させていただいた「これまでの議論の整理」につきまして、前回の検討会での御議論を踏まえて修正等を行ったものです。
 資料3−1は、前回の検討会にお出しした資料からの修正点を赤字で示したものです。資料3−2のほうは、この修正を反映させたものとして配付させていただいております。本日もこの資料をもとに御議論いただきまして、前回も申し上げましたとおり、可能であれば本日の検討会の場で取りまとめをお願いできればというように考えております。
 資料3−1をお手元に置いていただきまして、こちらの修正について御説明させていただきたいと思います。
 まず1ページ目になりますが、「はじめに」という部分でございます。前回は詳細を記載しておりませんでしたけれども、本検討会の開催の背景といたしまして、3月の専門委員会の報告、今年の児童福祉法等の一部を改正する法律における附則の検討規定、「ニッポン一億総活躍プラン」における記載等について記載しております。そうした背景のもとで本検討会を開催いたしまして、個別の論点等を含めて検討したということ。
 2ページ、またこの検討会では実態調査を行った旨を記載しております。これらの部分が「1.はじめに」というところでございます。
 続いて「2.基本的な考え方」というところでございますけれども、前回の検討会での議論も踏まえまして、下から2つ目の○のところ、「司法関与の強化を図る」という部分につきまして、「司法関与のあり方を見直す」というように修正しております。また、そのすぐ下の○のところでございますが、これも前回の検討会での議論を踏まえまして、そもそも司法関与の強化に対する慎重な御意見があるという点についても記載させていただいたところでございます。
 3ページ目からが「議論の整理」ということで、前回の検討会の資料では、「議論の方向性」と「留意すべき事項」と整理させていただいておりましたけれども、これも前回の検討会での議論を踏まえまして、いずれも「2 主な議論」というところの下に【考えられる対応案】と【指摘された事項】という形で整理させていただいております。
 3ページ目でございますけれども、文言の整理の観点からの修正のほか、前回の検討会で実態調査の結果をもう少し記載してはどうかといった御意見もございましたので、実態調査の結果の一部をこちらのほうに追記させていただいております。
 4ページ目、4つ目の○の部分ですけれども、これも前回の検討会での御議論の中で、事前審査だけではなく事後審査もという御意見もございましたので、それを受けて必要な修正をしております。また、その2つ下の○の部分ですけれども、これも制度の変更後の実態や効果の検証と必要な見直しについて御意見がございましたので、追記させていただいてございます。
 続きまして【指摘された事項】の部分でございますけれども、1つ目、2つ目の○のところも、これまでの議論を踏まえて修正等をしているところでございます。下から2つ目の○のところにつきましても、御意見を踏まえまして「具体的な同意の確認方法等について検討する必要がある」と追記しております。
 4ページ目から5ページ目の体制整備のところでございますけれども、具体的な中身について例示の御意見がございましたので、ここも追記させていただいております。
 6ページ目からが裁判所命令の関係でございます。
 6ページ目の一番下の箇所につきましては、これも前回の検討会での御意見を踏まえて修正しているところでございます。
 7ページ目をご覧いただきまして、【指摘された事項】ということにつきまして1つ目の○、3つ目の○のとおり、これもこれまでの検討会で出された指摘事項といったことで追記させていただいております。
 また、その下のところでございますけれども、親権停止を有効に活用するための方策を検討すべきだという御意見を踏まえて、こちらも追記させていただいております。
 7ページ目の一番下のところでございますけれども、これも前回の議論やこれまでの指摘を踏まえて修正をしているところでございます。
 8ページ目以降、面会通信制限、接近禁止命令ということで、こちらは用語の適正化の観点からの修正をしているほか、課題の3つ目の○でございますけれども、具体的に拡大等が必要な場面ということで指摘を入れさせていただいているところでございます。
 また、【考えられる対応案】のところでございますが、前回の検討会の御議論も踏まえまして、「一時保護等の司法関与のあり方と関連して検討する必要がある」と記載させていただいております。
 8ページ目の一番下のところについても、議論を踏まえまして記載の整理、修正をしているところでございます。
 9ページでございます。【指摘された事項】の一番下のところでございますが、これも前回の検討会の議論を踏まえまして「柔軟な運用ができなくなるおそれがある」という御指摘を追記させていただいております。
 10ページ目でございます。下から2つ目の○のところでございますけれども、これは最高裁から御指摘を受けまして、家庭裁判所への周知というところについては、各裁判官の中立性ということもございますので、ここでは児童相談所等とさせていただいて、周知のあり方については関係省庁でよく検討させていただきたいということで修正しているところでございます。
 また、その下でございますけれども、これも検討会で御指摘があった、あわせて周知すべき点についても記載しております。
 最後に11ページでございます。「4.今後の対応」というところでございます。
 この検討会での議論の整理を踏まえまして、「厚生労働省においては児童虐待対応における司法関与のあり方について、関係省庁等と協議を行い、必要な制度的検討を進めるべきである」という形で結ばせていただいております。
 修正点の御説明については以上です。
○吉田(恒)座長 ありがとうございました。
 ただいま事務局から説明がありましたように、前回の検討会の資料をもとに、今回は議論の整理という形で資料をつくっていただき修正したもの、これが提出されております。これをもとに、項目ごとに意見交換を行っていきたいと思います。
 まずは、今回の資料全般、「はじめに」の部分、基本的な考え方、そして、飛びますけれども、今後の対応という全体的なところを最初、皆様方との意見交換をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、上鹿渡先生、お願いします。
○上鹿渡構成員 ありがとうございます。上鹿渡です。
 追加資料として準備していただきました一番最後にある資料を出していただければと思います。最後に御説明がありました今後の対応につきまして、以下四角の枠で囲ってある提案について述べたいと思います。
 これまでの議論を通して、司法関与の強化の必要性がある程度理解されましても、司法、行政双方における体制整備や連携を前提としなければ、その先の現在一番困っている子どもを救い得るような司法関与を可能にする検討にはなかなか進展しないということがわかりました。また、全国の児童相談所への実態調査でも、司法の関与を強化するためには体制整備が「必要である」と回答した児童相談所が9割近くに上っています。これらのことから、本検討会としましては、1つ目として、今後まずは司法、行政双方における体制整備と連携を実現しつつ司法関与の強化のあり方についてさらに議論する検討会をこの後、開催していただく、または2つ目の案としましては、今回の検討会を踏まえて実施される取り組みについての評価、見直しの時期を2年または3年などのように明示していただくことができたらと思っております。今後のより本質的な制度変更につながるような具体的見直しについて明示していただきたいと思っています。
 この資料は、この後の1、2、3、4で、本日が最後となるかもしれない議論において参考にしていただきたい重要事項を挙げてあります。ここに挙げましたのは、4ページ目にあるルーモスという団体に関連する取り組みからの示唆です。イギリスにあるNGOでチャリティーなのですけれども、ちょうど今の日本のように社会的養護において家庭養育への移行を実現していこうとする国々に出向いて、そのための支援をしてきた団体です。その経験から学び得ることは非常に多いと思っておりまして、そのことを幾つかつけ加えます。全部は読みませんので、少しだけお時間をください。
 まず1に戻りますが、ロジャー・シングルトン卿。この方は元バーナードス、かつてイギリスで大きな施設をたくさん運営していた団体の代表の方でありまして、今はルーモスの常務理事の方ですが、先日、11月30日の「新たな社会的養育の在り方に関する検討会」でもヒアリングをさせていただきました。70年代の英国で進められた家庭養育への移行に当たって、施設ケアを提供していた組織・団体が家庭養育に関連するケアを主に提供する組織に変化、転換することで、期待された新しいシステムの中で大きな役割を担い続けてきた経験から、いろいろな示唆を与えていただきました。
 シングルトン卿は、英国の経験をもとに、世界23カ国で施設ケアから家庭を中心とするケアへの移行に取り組むルーモスの理事ですが、各国で助言・支援を続けております。新たなシステムが子どもにとって最善のケアを提供できるよう、子どもやその家族に合わせた福祉、教育、医療、司法等を含めた包括的な変化が必要とされるということをおっしゃっています。また、英国におきましても、子どもの権利よりも親の権利が重視された時代があったそうですけれども、今はそうではなくて、ここでも言われているように子どもの権利を第一に考える方法が司法と行政の協働のもとでとられているということです。
 2つ目のジョルジェット・ムルヘア氏。この方はルーモスのCEOの方でありますが、2015年6月に来日され、福岡市で社会的養護現場の取り組みを視察されています。そのこともあり、12月9日の朝日新聞の記事にも載っていましたが、「日本には家庭的な養育を進めるアジアのリーダーになってほしい」というような期待の言葉も寄せてくださっています。
 ルーモスのこれまでの経験、各国での家庭養育への移行に向けた経験から言われていることですが、家庭を基盤とする社会的養育システムへの転換における障害が幾つか提示されています。その一番に挙げられているのが、適切な法的枠組みの欠如で、親の権利が子どもの権利よりも優先される。中欧や東欧の多くの国において、親は彼らが自分の子どものために希望する委託先を選択できる。ほとんどの場合、里親養育は選択されず、長期の施設入所によって子どもに不利益が生じる結果となるということが起こっているそうです。これはまさに日本の今の状況を指していて、これから改善していくべきところだと思います。
 新たな仕組みで動かしていく上での新たな体制づくりが必要とされています。これはこの検討会でも認識されていることだと思いますが、そのことの正しさが同様のシステム移行を各国で多く手掛けてきたルーモスの経験からも確認できると思います。
 3つ目としまして、チェコ共和国における家庭養護への移行例からの示唆があります。ルーモスの支援によって、チェコでは2013年にもともとは日本と同様、社会的養護として施設養護が主として用いられる国でしたが、家庭養護との比率が逆転いたしました。また、同年、子どもの居場所を決める権限を自治体から裁判所に移す法案が成立したとのことです。家庭での養育を基盤とする社会的養育システムの展開には、家庭を基盤とするケアを可能にする福祉や教育、医療関係の協働とともに司法関与の強化もある段階では必要とされ、それが実現した例だと思います。我が国におきましても、本検討会で提案される予定の対応案が1つ、今回記載されていますけれども、一時保護が一定期間を超える場合の司法審査は、今後の司法関与強化に向けての第一歩とも言えるもので、まずはこれを確実に実施しつつ、それに必要な体制整備を進める中で、さらに子どもと家族にとって有効な司法関与のあり方を検討するための評価と再検討の場を確実に設けていくことが今後も必要だと思います。
 4つ目、これが最後の項目になりますが、ニック・クライトン氏。イギリスで家庭裁判所の元判事の方で、今はルーモスの理事として各国の司法分野の助言をなさっている方です。
 この方から今年2月に日本の派遣団が英国で研修を受けました。視察をして研修を受けたわけですが、その際に、このニック・クライトンさんが説明してくださったことが非常に印象的でした。この方がまず最初に説明されたのは、実証研究の成果についてです。子どもの発達における乳幼児期の環境の影響、悪い影響のほうの説明が多かったわけですけれども、そのことを説明してくださいました。判事の方からそのような説明を最初にしかもたくさん聞くというのは私も驚きでした。その内容に関連して、この資料の最後の参考2に2015年の「Lancet」に掲載されたレビューの要約部分を示しました。
その太字にした部分にありますように、家族のもとで暮らせるよう早い段階で介入することにより、十分な回復をもたらすことができる。世界中の児童保護セクターにおいて脱施設化に取り組み、剥奪状況に置かれている子どものための早期介入が喫緊に必要とされていることが科学的根拠をもとに明確に示されているという結果がこのレビューで示されています。このような話を元判事の方が自らしっかりと語ってくださいました。
 こういった情報をクライトンさんは大事にしているということがわかります。そして、児童法(1989年)についてです。イギリスではこの児童法によって関係者は大々的な変化が必要な状況となり、判事、弁護士、ソーシャルワーカー等への周知、準備、訓練等に2年間の準備期間を要したとのことでした。英国におきましても、必要な新しい制度を実施していくにあたっては、このようなしっかりとした準備が必要であったということであり、我が国におきましても、改正児童福祉法の内容を見ますと、その具現化にあたりましては大規模な準備が必要になることは当然とも言えるかと思います。
 さらに、このクライトンさんの業績について。家庭裁判所でみずからの役割を遂行するにあたっては、ソーシャルワーカーとの協働が欠かせないということもおっしゃっておりまして、クライトンさんは、子どもが実の家族のもとに居続けられるようにするために、アルコールや薬物依存の親に対してのフォローも含めた裁判所としての対応を創出したそうです。判事としてある子どもを親から離さなければならないと判断すると、他の兄弟、姉妹も順次、親元から離さなければならないことが多かったといいます。子どもを取り上げられた親は、その空虚感を埋めるためにさらにアルコールや薬物の依存を強め、次の子どもをもうけるという悪循環の中で、結果的に1人の母親から何人もの子どもを取り上げることも経験されたといいます。それが子どもの最善の利益を保障することになっているのかという御自身の疑問から、さらなる最善を求める中で、パイロットプログラムとして取り組みを始めて、実の家に戻れる子どもの数を倍増させたとのことでした。
 実際にアルコールや薬物への依存の問題が主であったとしても、そのような親が抱えている問題は住居や生活費、仕事、身体・精神の健康など多岐にわたり、多くの専門職との連携なしには解決が難しい状況にあります。また、そのような親のもとから子どもを引き離すという方法だけでは、子どもの最善の利益を保障する上でも、また、親の状況改善に当たっても、そして、国や自治体がそういったことにお金をかける必要が出てきますので、社会的養護に要する費用の面でも不利益が多く、それを改善する方法を判事であったクライトン氏が中心となって構築されたとのことでした。
 これはイギリスでの取り組みですので、そのまま日本で同じことが実施できるとは思えませんけれども、ただ、権利主体としての子どもにとっての最善の利益を保障する取り組みであり、これまでのシステムやルールで可能な範囲で問題の解決を図ることで終わるのではなく、さらなる解決の可能性も含めて、新しいシステムやルールづくりをすることが我々に求められているのではないかと思います。
 これは司法に限った要請ではなくて、家族のもとで生活することが困難な子どもに関わる福祉、医療、教育等の各領域においても、新たなシステムへの移行に関連する転換が、今後の児童福祉法改正後に我々に求められていると思っています。
 最後に、これまで変わらずに来た我が国の社会的養護システムに関連するしわ寄せがこれまでどこに行っていたかをしっかりと再認識する必要があると思います。これまで変わらずに来た状況を変えるチャンスをどうか潰さずに、子どもや子どもに関わる実践者が今後の取り組みに希望を持てる提案をこの検討会の最終案に盛り込んでいただきたいと思います。
 その提案は最初に述べました四角の中にあるもので、可能であれば1のほうを入れていただければと思っております。
 以上です。
○吉田(恒)座長 ありがとうございました。大変詳細な御意見をいただきました。今後の検討ということでの御意見と受けとめておきます。
 それでは、ほかに、この全体のところで。
 では、山田先生、お願いします。
○山田構成員 山田です。
 上鹿渡先生の御意見に賛同いたします。特に、チェコの例とかも出ていましたけれども、日本の場合、この検討会でも議論されてきたとおり、親権制限を進める建付けというのはあるのですけれども、子どもにとってもう一つ大事な実親自身との生活を維持したり、再構築していくというときに、その親子関係の改善とか親子分離後の再統合とかを進める制度というのが行政任せになっていて、この部分にぜひとも司法の関与をお願いしたいということで、今、上鹿渡構成員から御提案があったとおり、とりまとめの最後の部分「4.今後の対応」のところに、ぜひとも、「新たな検討会や専門委員会を設置」することを入れていただきたいと思うのですが、その場合に、今回経験して思ったのですが、制度運用論の細かい話をする前に、まず子どもが虐待、ネグレクトを受けて、その子たちをどうやって守るのかという保護の物の考え方について、理念の部分からちゃんと議論をして、そこで家庭裁判所等の司法がどういうように機能を果たしていくのかという根本から話し合うような場をつくっていただかないと、時間はかかるけれども、何も変わらないということが予想されるので、ぜひとも新たな検討会、専門委員会を設置するに当たっては、理念の部分からきちんと家庭裁判所のあり方についても検討いただきたいと思います。
○吉田(恒)座長 ありがとうございます。
 今後の対応のところに盛り込むべき内容ということでよろしいですね。
○山田構成員 はい。そうです。
○吉田(恒)座長 では、横田先生、お願いします。
○横田構成員 これは個別のときにしようかなと思ったのですけれども、やはり議論の整理の初めに、1ページ目に関わることなのでここで。仕分けをきちんとして、この1ページに関わるところだけで話をしたいと思っています。
 ここの「はじめに」の第1段落目に保護者指導の話がありますね。ですから、話をしようと思っているのは保護者指導の話ですけれども、前回、久保野構成員が、今、提案されている裁判所命令というのは、3月10日の専門委員会報告をも超えているのではないかということを言われていまして、それでちょうどここに「はじめに」と書かれてあるので言うわけです。つまり、厚生労働省のほうからの説明として、3月10日の専門委員会報告をもとにして、それから、何回かの検討会での議論を踏まえてこういうようにまとめたという御説明をいただいたのですけれども、その説明いただいているとおりの取りまとめになっているのかというところで疑問があるので最初に申し上げる次第です。
 具体的に申し上げますと、このちょうど1ページ目に書いていますが、3行目「児童相談所による保護者指導の緊急性、必要性が特に高い場合(児童が現に虐待を受けている場合等)において、その実効性を確保するため」とありますね。これに対応する個別論点の資料2の39ページを見ていただくと、そこに「専門委員会報告(提言)(抄)」とあります。読み上げますが、裁判所命令についてこう書いています。
 第1段落目ですけれども、「裁判所や都道府県による勧告制度に代わって、児童福祉法第28条審判や親権制限審判に際して、裁判所が直接保護者に対して行政機関の指導に従うことを義務付ける裁判所命令を設けることを検討すべきである」。これはメーンの提言で、その次の次に、「また、分離後だけでなく、分離されていない在宅の保護者に対し支援を受けることを義務付ける裁判所命令、スーパービジョン命令についても検討すべきであるとの意見もあった」という提言なのです。
 つまり、ここでこれまでの議論で提案されてきた主張で言うと、裁判所命令、指導に関して2つありますけれども、この資料3−1、取りまとめの6ページで言うと、一番最後に掲げられている、私が提案したものですけれども、こちらのほうこそが議論の整理の1ページに掲げてある3月10日の報告書に沿っていて、むしろ今、提案されている裁判所命令のほうがそれから外れているわけですね。その外れたものについて多くの委員から疑問が呈されていて、私も前回、憲法違反という強い主張もしましたけれども、それに対してきちんとした反論がなされていないと思うのですが、それにもかかわらず、そのことが反映されていない。
 要するに、こういう専門委員会の提言があって、そして、今回の議論を踏まえてと説明されるのですが、もともと最初の専門委員会提言で一番優先されるものと、その次の次くらいに来るものとがあって、その次の次に来るものがさんざん批判されているのにどうしてそれがひっくり返るのかということです。これが取りまとめの仕方がどうなのかということです。
 最初に私が提案しているほうについては、特に異論が出ていない。出ているのは、前回、久保構成員が批判された点くらいで、これは要するに目的が違うという主張です。それはまさにそのとおりで、つまり、この専門委員会報告書がメーンに提案しているものと今、提案されている裁判所命令の目的が違うということです。今、裁判所命令を提案されている本人が専門委員会報告書のメーンに掲げているものと目的が違うと強調しているにもかかわらず、なぜ厚生労働省がそれをそのとおりにここの取りまとめに反映しないのか。
 常識的に考えると、普通、これについて提案しましょう、これについて考えてみましょうと言って、それに対応している提案について異論がない、他方で、そのメーンのテーマからずれたものについて、いろいろ批判がある。こういうときは、では、メーンのところについては異論がないからこれでまとめましょう。それから外れたものについては異論も多いので今後の課題というような整理になるはずですね。
 厚生労働省としては、こういう3月10日の専門委員会を踏まえて、そして、この検討会での議論を踏まえてというように御説明されたのだから、御説明のとおりに取りまとめをしていただきたいということです。
○吉田(恒)座長 ありがとうございます。
 取りまとめの方法に関して御意見いただいて、横田先生のおっしゃる6ページの一番下、28条における前段階ですか。これが本来の報告書の取りまとめに近いという提案ではないかということですか。
○横田構成員 今日の資料3−1の「はじめに」の一番上のところにもそう書いてあるし、資料2の39ページにもそういうように専門委員会のまとめが書いてありますので、それ以外に読めないです。
○吉田(恒)座長 わかりました。そういう御意見を踏まえまして、また事務局のほうで御検討いただきます。
 吉田先生、お願いします。
○吉田(彩)構成員 全体の取りまとめの仕方について意見を申し上げたいと思います。
 前回、私のほうからは、取りまとめをする場合には、各論点について積極、消極、それぞれの立場からの意見を対等に扱っていただきたいとお願いしました。この点、今回いただいた資料3−1と3−2では、構成員から出された積極の意見を【考えられる対応案】として振り分け、消極の意見を【指摘された事項】に振り分けておりますが、このような整理では、双方の意見を対等なものとして扱っていただけていないのではないかと思います。
 特に問題を感じるのは、【考えられる対応案】という表題です。この言葉は、あたかもそこに記載されている意見が近い将来の法改正の方向性を具体的に指し示すものであるかのような印象を与える言葉だと思います。しかし、実際にそこで挙げられている意見は、一部の構成員から出された意見にすぎない上、内容的にも、具体的に手続はどうなるのか、要件はどうなるのかといった詰めるべき点についてほとんど詰められていないものを多々含んでいるように思います。
 今、横田先生のほうからご指摘がありましたけれども、裁判所命令については、前回、憲法違反であるとの意見も出されているところであり、そのような意見からは、裁判所命令は「考えられない案」と評価されているにもかかわらず、そのような案を【考えられる対応案】と整理することについては、問題があると思います。
 繰り返しになりますが、一部の構成員の方しか賛成していない意見であるにもかかわらず、また、内容的にも議論が具体的に詰められていないにもかかわらず、そのような意見を【考えられる対応案】として整理して、近い将来の法改正につながり得るかのような形で示すことは、本検討会におけるこれまでの議論の実態を無視したものといわざるを得ません。そのような取りまとめを行えば、今後の国会審議等において、この検討会における取りまとめのあり方が問題視されることになりかねないと懸念する次第です。
○吉田(恒)座長 ありがとうございます。
 意見の取り扱いがバランスを欠いている、従来のここでの議論の状況を踏まえていないというような御意見かと受けとめております。先生のほうでは、例えば【考えられる対応案】のところは、取りまとめに載っている内容もそれぞれありますけれども、表題としては。
○吉田(彩)構成員 個々の意見については、課題に関する記載に引き続いて記載されている【主な議論】の中で書かれていますので、「課題への対応として述べられた意見」というような形で記載していただくことが考えられるのではないかと思います。
○吉田(恒)座長 ありがとうございます。
 【指摘された事項】のほうはよろしいですか。
○吉田(彩)構成員 消極の意見を【指摘された事項】と整理することは厳密に言えばニュートラルな表現ではないのではないかと思いますが、今、申し上げたように、積極の意見を「課題への対応として述べられた意見」というように直していただければ、それでほぼいいのかなと思います。
○吉田(恒)座長 ありがとうございます。
 ほかに全体に関していかがでしょう。
 では、藤林先生、お願いします。
○藤林構成員 先ほどの横田構成員の3月10日にまとめられた専門委員会報告提言とこの取りまとめとの関係性について説明がありまして、うまく私なりに説明できるかわからないのですけれども、確かに資料2の39ページのところに、いわゆる「分離されていない在宅の保護者に対して支援を受けることを義務づける裁判所命令、いわゆるスーパービジョン命令については検討すべきであるという意見もあった」ということで、そういう書き方になっていたのは私もずっと専門委員会に出ておりましたから、よく記憶しております。
 ただ、この取りまとめの2ページのところの「基本的な考え方」の「2)家庭は、子どもの成長・発達にとって最も自然な環境であり、まずは、子どもが家庭において心身ともに健やかに養育されるよう、保護者を支援するといった、家庭養育の原則が明記されたこと。」、この3月10日の報告書以降に改正児童福祉法3条の2で家庭養育の原則が明記されたというのは非常に大きなインパクトがありまして、我々専門委員会に属していた者にとっても、法改正の3条の2が非常に大きな飛躍になったなと思っております。ですから、3月10日の報告書の後に児童福祉法の家庭養育原則が明記された上で、今回の議論がなされたというように考えれば、そう大きな問題はないのではないかなと私は思っています。
○吉田(恒)座長 では、横田先生、お願いします。
○横田構成員 あまりこの点には立ち入りませんけれども、そこを実は言いたいのです。児童福祉法3条の2の家庭養育優先の原則の解釈自体が全く正反対なので、この児童福祉法3条の2はもちろん藤林構成員が言われたようにも解釈できるけれども、全く反対にもなるということを言っております。後ほどこれは具体的に議論したいと思います。
○吉田(恒)座長 全体に関して、ここで細かい話をすると時間が足りませんけれども、では、峯本先生、お願いします。
○峯本構成員 もう今の点だけなのですけれども、専門委員会の報告の提言においてということなので、これは客観的事実としてどう提言されているのか。そのまま引用するべきだと思うのです。ここの書き方が、こういう趣旨が述べられたというのではなくて、提言において提言でこう言われたと書かれていますから、実際、提言が書面化された。だとしたら、これはそのまま引用するのが、この書き方をする以上は正しい。それを解釈して書くというよりも、その書き方を客観的にするのが正しいのかなとは思います。
 私自身の認識としては、これがこのままの表現で書かれているとこういう提言かなと理解していたので、だとしたら、筋として、この引用の仕方で書くのであれば、提言どおり正確に書いておく。
○吉田(恒)座長 表記としてはこれで。
○峯本構成員 表記としてはこう書いておくのが正しいのかな。これはどこかに書いてあるのですか。
○竹内虐待防止対策推進室長 これは提言どおりです。
○峯本構成員 それなら39ページ、両方ある。
○川又総務課長 総務課長の川又です。
 この議論の整理の一番最初の○で引用している3月10日の専門委員会の報告の部分は、この報告の中で総論的に裁判所命令の中の一番最後のまとめのところで、まとめとして書かれている部分をそのまま引用しております。各論のところはそれぞれ一時保護のところとか裁判所命令も各論のところと個別のことは書いてあるのですが、要保護児童の保護措置等の手続における裁判所の関与のあり方についてはさまざまな意見が出されたが云々というところで全体をサマリーするような形での部分がありますので、そこを議論の整理の1つ目の○ではそのまま引用をさせていただいております。
○吉田(恒)座長 表記としてはそういう意味だということで、ただ、先ほどの横田先生の御指摘のように、その理解の仕方、取りまとめの方法というところで若干見解の相違があるのかなと思います。
 ほかに全体の部分はよろしいでしょうか。
 金子先生、お願いします。
○金子構成員 すみません、なかなか個別の論点と切り離しがたいところもあると思うのですけれども、資料3−1の6ページの裁判所命令についてというところについて見ると、私自身は横田構成員と同じように、これはそもそも基本的に考えてはいけないというものであり、他方で一時保護については、私が前回申し上げたように、いろいろ課題はあるけれども、その方向で進むべきだと基本的に考えているわけです。だから、考えてはいけないというのと、考えていいけれども、課題がいっぱいあるというのは全然違う話なので、そこは前回、吉田構成員も言われたかと思いますが、進めることを前提に問題点があるというプレゼンテーションではなくて賛否両論形式で書いてほしいなと思うのです。何で賛否両論方式ではだめなのかなというのを御説明いただければと思ったのです。
○吉田(恒)座長 賛否両論という書き方ではなく、ここでは今日の資料にありますように、ここで出された意見と指摘された意見ということで両方の意見を整理してまとめたというように私は理解しております。ただ、先ほど先生のおっしゃったようなニュアンスが一定の方向性を示すような取りまとめの意図が読み取れてしまうというところで、そこの表記に関しては見直す必要があるのではないかということかと思います。そういう趣旨とも違いますか。
○金子構成員 単なる表記の見直しで果たして済むのかどうか、私にはよくわかりませんけれども、とりあえず、私自身は先ほど申し上げたように裁判所命令についてはそもそも考えてはいけないだろうというように思っていますので、少なくとも、私がその方向で考えるべきだということに賛成しているかのように見える文章にはなってほしくないとは思っています。
○吉田(恒)座長 また後ほど裁判所命令のところで、もし具体的な御提案がございましたらお願いします。
 それでは、次の一時保護について意見交換をお願いしたいと思います。資料の3ページ以下です。一時保護について課題、主な議論と指摘というところですけれども、これらのまとめ方、また内容について御意見いただければと思いますので、よろしくお願いします。いかがでしょうか。特にこの取りまとめでよろしいでしょうか。
 では、山田先生、お願いします。
○山田構成員 これに異論ということではないのですけれども、一時保護について、今日、報道があったのですが、それについて確認をさせていただいてもよろしいですか。
 NHKと時事通信でしたか、どこが発信源だかは今、調べられないのですけれども、NHKは一時保護の審査が却下された場合でも施設入所、里親委託等については家庭裁判所が児童相談所に提案するみたいな書き方だったので、それから推察すると、一時保護が実施されたことについて、つまり、「強制的に子どもを親御さんから一時保護したということについては却下するけれども、でも、社会的養護の適用ではあるよ」というような判断がなされる。そういうケースがあるのかどうかもよくわからないですが、そういう文章が書かれていて、そこから推察すると、一時保護したことに対しての審査という捉え方だけれども、その審査をする時期が2カ月ということで、厚生労働省が発表されているのかなと思われる節があるのですが、また別な報道を見ると、「2カ月より延びることについての審査を導入する」というように報道されている部分もあって、いったい、厚生労働省としては、ここの一時保護の審査に対してどういうようにメディアに公表されたのかを確認したいのです。お願いします。
○吉田(恒)座長 では、川又課長、お願いします。
○川又総務課長 総務課長、川又です。
 メディアで流れたというのは承知しているのですが、私どものほうから何かメディアのほうに発表したり説明したりということはしておりません。ですから、まさにここで本日御議論されているところが全てでありまして、私どものほうからああする、こうするという、いわんや具体的な改革案というようなものについては、まだ我々としてアナウンスする状況にありませんので、まず、この議論の整理を踏まえてからという順序になりますので、そういう意味では、マスコミのほうに私どもから何かといったものではなく、おそらく前回の検討会にもドラフトをここの場に提供していますので、そのようなものを材料にマスコミの判断で報道されたのだと思います。
○吉田(恒)座長 山田先生、どうぞ。
○山田構成員 それであればですが、資料3−1の4のところで、○の4つ目に「事前審査や一定期間内の速やかな」、事後とは書いていないですが、事後審査の導入というのが書かれていて、その次、5つ目に、「児童相談所や家庭裁判所の体制整備とあわせて段階的に司法審査を導入することとし、その第一段階として、まずは、現行の一時保護の期間(2カ月)を考慮し」と書いてあると、やはり2カ月というのが既成事実、既定路線としてひとり歩きするのではないでしょうか。段階的に導入するという部分は、体制整備が整わないと導入が難しいので、それはそうなのだと思いますけれども、「その第一段階として、まずは」という文言は必要なのでしょうか。これを入れてしまうと、次の2カ月にひっかかってきて、「まず2カ月目を第1段階として入れましょう」というように読めてしまうと思うのです。ですので、ここで言うのは、「一時保護は2カ月が原則ですよ」ということに鑑みた上で、どこで審査を入れるのがいいのかということを考えるというように記載するのが適切であって、この書き方だと、「2カ月の時点で入れればいいでしょう」と読めてしまうのではないかという懸念を感じます。
○吉田(恒)座長 ありがとうございます。
 このところはすぐ上の○では、家庭裁判所による事前審査や一定期間内の速やかな審査、これは事後ですね。これの導入を目指すということが求められるとして、事後ということであれば、まず2カ月というのが考えられます。それがその後どうなるのかというのがその下の○で、今後、その実態や効果を検証するというので、まず入れてみようという趣旨かと思います。
○山田構成員 ということだと、「まず入れてみよう」というのはいいのですけれども、「それが2カ月である」ということが、もうこの検討会で既定路線になったということなのでしょうか。
○吉田(恒)座長 いや、既定路線ではなくて、そういう主な意見があったということです。ですので、今、山田先生がおっしゃったように、2カ月から出発するのではないのだということであれば、それはまたそういう表記の仕方も、取りまとめの表現としてはあり得ると思うのです。
 では、吉田先生、お願いします。
○吉田(彩)構成員 同じ箇所なのですけれども、一時保護に関して「主な議論」の【考えられる対応案】のところで書かれている意見の中には表現が強すぎるものもあるように思います。特に1つ目の○では「一時保護に家庭裁判所による審査を導入する」と言い切っていますし、4つ目の○のところでも、「事前審査や一定期間内の速やかな審査の導入を目指すことが求められる」と言い切っていますが、これらの点に関する積極の意見を述べられた方の中には、中長期的な体制整備ですとか要件・手続の在り方に関する議論をきちんとすることなどを制度導入の条件であるとして慎重に留保を付けておられた方もそれなりにいらっしゃったわけですから、こうした言い切りは表現としてやや強すぎるのではないかなという印象を持ちました。
○吉田(恒)座長 ありがとうございます。
 この点も主な意見、【考えられる対応案】という言葉を使われておりますけれども、確かに今、御指摘のように、期間に関しては必ずしも2カ月で皆さん合意しているということではない。そういうニュアンスと私も受けとめております。そうした表現の工夫が必要かと思います。
 あと、今、吉田先生がおっしゃった件に関しましては【指摘された事項】のほうで盛り込まれているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。要は主な意見のほうでもバリエーションがあり、そして、それに対する指摘された意見というのがあるのだということ、そういうまとめ方になるのかと思うのです。
○吉田(彩)構成員 私が申し上げたいのは、積極意見として実際に出された意見よりもこの表現は強すぎるということです。
○吉田(恒)座長 わかりました。ありがとうございます。
 では、藤林先生、お願いします。
○藤林構成員 この○の4番目の「一定期間内の速やかな審査」というのは、本来、そうあるべきというところをこの中で議論してきたわけであって、でも、実際には速やかなという1週間とか、または3日とかというのはなかなか難しいので、第一段階として一定期間というように、速やかよりももう少し遅いものを想定した書きぶりになったのではないかなというように私は理解しています。
 ついでにもう一点、よろしいですか。
○吉田(恒)座長 どうぞ。
○藤林構成員 この【指摘された事項】の上から4つ目の○の「司法審査の対象を意に反する場合とする際には、具体的な同意の確認方法・手続について検討する必要がある。」、これは横田構成員、また、金子構成員の同意している方に対しても一定の十分な確認方法がなければまずいのではないかなというような指摘が明文化されたものなのですけれども、ここのイメージしているものが過去の議論で私がしっくりこなかったものですから、もう少しイメージしているものを御説明いただきたいのです。
 例えば精神保健福祉法で言いますと、私は精神保健指定医ですから、それとのアナロジーで考えるのですけれども、今、実際に精神医療審査会で審査に回るのは非同意の医療保護入院、措置入院だけであって、任意入院に至っては、それは精神医療審査会の審査に当たらない。そのかわり、我々精神保健指定医は、任意入院の場合に、非常にしっかりとした書面を示して、これに対して同意を得たという手続を踏むわけです。その同意文書の中に、同意を撤回した場合の文章も含まれている。それぐらいしっかりとした同意文書であるとか手続を整備するべきというようなイメージかなと思ったのですが、そこを確認したいのですが、いかがでしょうか。
○吉田(恒)座長 横田先生、お願いします。
○横田構成員 あまり細かい話に入る時間はないと思うのですけれども、実は精神保健福祉法上の、つまり、本人の同意の話と、ここで児童福祉法で親権者の同意と言うときの同意の性質は同じではないと私は理解しています。というのは、精神保健福祉法のほうは本人の自己決定の問題です。これに対して、児童福祉法上の親権者の同意というのは本人ではないですね。子どもの代わりに判断する親権者の意思ですね。これは私の理解では、民法でいうと事務管理。児童相談所が親権者にかわっておせっかいをしますが、そのおせっかいが嫌だったらだめですよという話なので、おせっかいを拒否している話なのです。
 何を言いたいかというと、精神保健福祉法上の同意と今ここで問題としているもろもろの子ども本人ではない親権者の同意は同一には解せないということをまず言ったのですが、その次に、繰り返し言っていることは、理屈はどうであろうとも実際には同意の有無で手続を区別するとすると、同意の有無が例えば国家賠償の訴訟で争われるでしょう。争われるとすればやはりそのときに備えて何か考えておかないといけませんよねということで、それではどういう手続を想定されているかという質問だと思うのですが、それはおそらく児童相談所のほうで、これだったら国家賠償でも勝てるだろうという程度のものというぐらいしか言えません。それがどのぐらいかというのは、裁判実務に詳しい方のほうがよくわかると思います。
 以上です。
○吉田(恒)座長 よろしいですか。ここでは今日の取りまとめというところに焦点を当てて意見交換をしていますので、ここの表現でよろしいかどうかですね。横田先生のほうもこれでよろしいですか。
○横田構成員 特に異論はありません。
○吉田(恒)座長 藤林先生もこれで御理解いただいたということでよろしいですね。
 ほかに一時保護はございますでしょうか。
 では、峯本先生、お願いします。
○峯本構成員 基本的にはいいかなと思っているのですが、自分の議論のあれで少し気になるところで言いますと、ここでの議論の中で、もちろん導入自体が反対だという御意見もあるという前提の中でも、導入の必要性、事前審査を原則とする考え方をとられている方はいらっしゃらないのではないかなと思うのですけれども、第一段階というよりも目標として速やかな事後審査の導入で、それと事前審査も可能な制度という範囲では多分皆さんの共通認識かなと思うので、この書き方がもちろん、そういう議論が実際の制度設計のときには考えられるのでしょうけれども、この書き方だと事前審査が第一目標的なイメージで受けとめられる可能性が懸念としてはあるかなと思いますので、多分、ここでの議論の一定の司法審査の導入、将来目標としての範囲で合意できるというところでも、「一定期間内の速やかな事後審査と事前審査を可能とする制度の導入が考えられる」とかというほうがより忠実にこの場の意見を反映しているのではないかなということと、この書き方になると、もしこの表現だけがひとり歩きした場合には、事前審査が原則であるように捉えられるところがあるかなと思います。前回の議論のときにそのあたりはあるかなと思うので、正確にするという意味ではそのほうがいいのではないかというのが意見です。
○吉田(恒)座長 ただいまの峯本先生の御意見、事前審査と一定期間内の速やかな審査、事後審査ですね。これの書き方ですね。
○峯本構成員 順番を入れかえるほうがいいのではないかという。おそらくそれはここの共通の、原則事前審査をするというのは一時保護のあれから言うと無理なことなので、そこはそのほうがいいのではないかということです。
○吉田(恒)座長 では、そういう御意見として皆さんよろしいでしょうか。
 では、今の御意見を承りました。ほかにございますか。では、なければ、次の裁判所命令ですね。3の(2)のところです。
 先ほど吉田先生のほうから御指摘がありましたように【考えられる対応案】とありますけれども、このあたりはニュートラルに捉えていただいて御意見をいただきたいと思います。では、裁判所命令について御意見をお願いいたします。
 横田先生、お願いします。
○横田構成員 では、先ほどの中断した続きです。藤林構成員から、改正児童福祉法3条の2の指摘がありましたけれども、私、この規定はコメンタール執筆で担当したのですが、これはむしろ前回、この規定が裁判所命令の根拠とされたことに違和感があって、そうではなくこの規定は従来から妥当としていたことをより明確にしたものだと私は理解していて、これは要するに憲法の比例原則の具体化である。子どもにとって家庭が一番大事で、その次にそれがどうしても無理だったら次に家庭と同様の、そして、それでもだめな場合に施設とかそういう優先順位を改めて確認した規定だと理解しています。
 それは私の主張している立場と完全に一致していて、というのは、できる限り子どもが家庭にいられるようにまずはマイルドな手段から順番にやっていく。それでまだ頑張れるか頑張れないかわからない状況で一足飛びに次の代替案に行くというのが、これがまさに新しく導入された児童福祉法3条の2の基本原則からしてあり得ないのではないかと思っているのですが、今のは反論があるかもしれませんが、とりあえず続けます。
 前回、もう少し私が言ったことをかみ砕いて説明するべきだったかなと思っているので言います。久保構成員から、親権一時停止についても児童福祉の著しい侵害。そういう要件でも親権一時停止は導入されているではないか。それで何で問題なのだということを言われたので、そこについて自分としては反論したつもりだったのですが、具体的に言うと、親権の一時停止は確かにその文言だけを見たら明確でないように見えるのですが、しかし、これは親権喪失と条文上並んでいますね。つまり、従来、親権喪失があって、それよりマイルドな手段ということで一時停止というのが導入されましたけれども、そういう議論の積み重ねもあるし、一時的にせよ親権を全て停止してしまわないといけないのはどのくらいのことかなということについて、おそらく多くの人が共通に、これをコンセンサスと言ったのですが、了解はできる。だから、その文言自体は明確でないとしても、法の全体、健全な社会常識に照らすと、あまりひどいことになりそうにないわけです。それで、それを言い出すと従来の一時保護は必要と認める場合ということなので、もっとこれは曖昧で、それが今、問題になっていると思います。
 それは問題なのですけれども、それでも、従来、一時保護が曲がりなりにも運用されてものすごくひどいという評価をしている人は多分いないと思うのですが、一時的にせよ子どもを親から引き離さないといけないというのはどういう状況だろうということについて、多くの人が考えることがそんなにぶれないわけですね。こういう状況だったら引き離さないといけないだろう。そこまでいかないのは無理だよねと大体みんな健全な社会常識をもとにすればわかるわけです。ところが、提案されている裁判所命令は、そういった従来の介入の限界をさらに一歩踏み込んだところで主張されるわけです。そうすると、そこには限界がなくて、だから、新しく限界を考えないといけないのだけれども、でも、裁判所命令は指導についての命令ですね。ということは、指導は精神的な意思表示なので、極端なことを言うと何でもありなのです。そうすると、一体どこに裁判所に対してブレーキをかける根拠が出てくるのか。つまり、指導命令、ここまで踏み込んだら裁判所はまずいよねと言える手がかりがどこにもないので、それが問題だという趣旨なのです。そのことを言葉は強いですけれども、憲法違反と言ったわけです。
 裁判所命令の根拠として主張されている家庭への国家介入ということ、私は指導ですら国家介入として憲法上問題があるという立場はとりませんけれども、裁判所命令を主張される方は、それですら憲法上問題があるという立場をとられるわけですね。そうすると、その裁判所命令を主張される方の立場から見て、憲法上問題がある指導がさらに裁判所命令という権力的な介入によって、さらにひどいにことになってしまうことに対するブレーキがない。むしろ、国家介入だということで裁判所命令を主張される方こそ、何よりもこういった問題点に敏感であるべきだと思うのに、実際にはそういうような提案になっていなくて、2回前の11月14日の検討会で具体的な提案を出されましたけれども、それは確かに今日の「はじめに」の専門委員会報告提言のとおり、指導がうまくいかなかったら虐待死ということで、この提言のとおりに主張しているふりをしながら、でも、実際に、だったらその例を裁判所命令の例として出すべきなのに、そうではなくてそれを踏み越えて、この提言も踏み越えた主張をされて、具体例は不登校とかいろいろ、一体どこまで裁判所は介入すべきなのか限界がないではないか。それを私は問題視しているということなので、3月の専門委員会報告提言は、そんな危険な制度は求めていないと考えています。
○吉田(恒)座長 久保先生、どうぞ。
○久保構成員 長々と説明いただきましたけれども、私の名前が出たので申し上げておきます。
 先ほど座長から、今日の検討会は議論ではなくて表現の問題について話すということだったのですが、結局のところ、横田構成員は削れということなのですか。そこら辺の趣旨がわからないのですが。
○吉田(恒)座長 私も横田先生にお聞きしたかったのは、7ページの5番目の司法が私人に対して行政の指導に従うよう義務づけることができるとすると云々とありますね。ここの文言に関わることかと思うのです。ですので、最後のところ、このような形で家庭に介入することには問題があるという表記でよろしいのかどうか。もっと踏み込んで、今、横田先生がおっしゃるようなことを文章化するとしたらどういう内容になるのかということで、もし御提案があればお伺いしたい。
○横田構成員 それは最初の全体のとりまとめのときの提案で言ったことですけれども、この状況を適切に反映した書きぶりにしてほしい。つまり、全く適切な反論もないもの、そして、専門家委員会の報告も踏み越えている問題のあるものを、さも1つの提案であるかのようにここに載せることに反対ですということです。
○吉田(恒)座長 わかりました。
 では、吉田先生、お願いします。
○吉田(彩)構成員 裁判所命令の関係では、【指摘された事項】の3つ目の○に記載されている点が重要であり、裁判所命令には重大な問題があると思います。この点は横田先生と同じ意見ですし、おそらく金子先生も同じ意見だと思います。そして、問題の重大性を明らかにするため、単なる問題ではなく、「憲法上の問題」であるということを明記していただければと思います。それでも問題の重大性について全部意を尽くすところにはなりませんけれども、そのように記載していただくのであれば、裁判所命令に反対する立場の強い問題意識は出るのかなと思います。
○吉田(恒)座長 単に問題があるではなくて、とても問題があるということですね。
○吉田(彩)構成員 単なる問題ではなく、憲法上の問題があるということです。
○吉田(恒)座長 憲法上の問題があるという御提案をいただきました。
 では、金子先生、お願いします。
○金子構成員 私は、意見は横田構成員、吉田構成員と同じなのですけれども、そうすると【考えられる対応案】に書くべきではないか。つまり、今、資料3−1の6ページの一番下の○がありますね。一応ここまで認めるとしても、それ以上は絶対だめだという意見が【考えられる対応案】の1つとして主張されているということですので、そう書かれるべきではないかと思うわけです。
 あとついでに要望するとしますと、それが○の1個でしかないという印象を与えますが、ほかの○は全部一続きの話だというように私は思いますので、そこは厚生労働省のほうが押している案が長くなってしまうのはしようがないことかもしれませんけれども、そこは対等の1つの○みたいな形で対等感を出していただきたいと思います。
○吉田(恒)座長 ありがとうございます。
 ほかに書きぶりのところでいかがでしょうか。
 では、久保先生、お願いします。
○久保構成員 もう先ほど来、書きぶりについてはニュートラルに出された意見を書くのだという話になっていますので、先ほど横田構成員はさも1つの提案のように言われているのがおかしいと言われましたが、私というかほかにも提案されている方がいらっしゃいますので、これは1つの意見として載せるべきだろうと思います。
 横田構成員は先ほど一時保護、これだったら一時保護すべきだろうという客観的にわかるのだとかということを言われましたけれども、それで児童相談所は悩んでいるのです。どこで保護したらいいのかというところです。それは確かに骨折しているとか脳内出血しているということであれば保護するという方向になるのでしょうけれども、その微妙なところを悩んでいるので、実務を理解されていないのではないかなということについては1点申し上げておきたい。
○吉田(恒)座長 わかりました。
 どうぞ。
○横田構成員 一時保護ですらそういう問題があるということでこの検討会で議論しているわけですね。それなのに、その一方で、どうしてそれより危険なものを導入するのですかということです。もういいですね。
○吉田(恒)座長 わかりました。結構です。
 ほかにございますか。よろしいでしょうか。
 では、藤林先生、お願いします。
○藤林構成員 私はなかなか法律の専門家ではないのでよく理解できないのですけれども、児童福祉法3条の2の家庭養育原則の考え方が私の考え方と横田構成員の考え方の違いというのがいま一歩よくわかっていないのです。前回の専門委員会の流れから、また改正児童福祉法に至る背景には、1つには、子どもの権利条約があり、2009年に国連が採択した「児童の代替的養護に関するガイドライン」があり、その中で家庭維持というか、まずは代替養育を選ぶのではなくて、子どもが実親家庭、家庭の中で養育できるように最大限努力を払うべきであるという考え方がベースにあると思うのです。その考え方の中に、児童福祉法3条の2があります。専門委員会の中では、どちらかというと28条の家裁勧告のあり方が直接的なものになるべきといったトーンなのですが、その後、議論が発展していって、児童福祉法3条の2をベースに、いかに分離せずに、一時保護をするのだというおどしではなくて、分離せずに親権者が子どもの健やかな心身の成長発達が保障できるような支援を我々は提供したい。それに従わない場合に何らかの裁判所の関与を行いたいというのが児童福祉法3条の2を実現するための、1つのオプションと思うのですけれども、3条の2の私の考え方と横田構成員のコンメンタールに出てくる考えの差に、どこか大きな違いがあるのか、これは議事録に残るので。
○吉田(恒)座長 今お話がありましたように、藤林先生が先ほどのお話で、法改正で3条の2が入った部分、「はじめに」のところに入っていますけれども、場合によってはこちらのほうの考えられる対応策のところで繰り返しになってもそれは条文上の根拠として入れてもいいかもしれませんね。わかりました。
 それでは、その次、面会通信制限、接近禁止命令について、御意見をいただきたいと思います。
 金子先生、お願いします。
○金子構成員 私は、これについてそもそも取りまとめできるほど議論しているのだろうかという疑問がありまして、資料3−1の8ページの3つ目の○ですね。これは今日、前回の議事録がないので確認できませんけれども、そもそもどういうときを念頭にやるのだということで発問があって、それで3つ目の○の前半はたしか藤林構成員が言われたことで、その後に続きで書いてあることを別の方が言われたかなというように記憶しているのですが、それが前回初めて出た段階で、何で取りまとめできるのだろうと私は非常に疑問に思っております。
○吉田(恒)座長 ここの書き方として、例えば「また」以下のところ、それとも扱いとしては3つ目の○、全体ですか。
○金子構成員 そうですね。だから、3つ目の○の前半については、たしかにもっと前から議論があって、私は、この場面を想定して、これ単体でやる意味はないと前回申し上げたつもりです。前回初めて出てきたように思う後半のほうは正直全然考えていなかったので、ここは裁判所命令を入れる余地があるかないかちゃんと考える必要はあるとは思いますけれども、いずれにしても、後半の方について、その場面を念頭に置いて、裁判所命令を入れる必要があるかどうかということを具体的に議論した記憶は私にはないということです。
○吉田(恒)座長 この点はいかがでしょうか。議事録をすぐ見ればいいのでしょうけれどもね。
 では、吉田先生、お願いします。
○吉田(彩)構成員 私も金子先生と同様に、面会通信制限・接近禁止については、これまでの検討会で十分な議論はされていないという認識を持っています。特に、【考えられる対応案】の2つ目の○のところで、裁判所の関与が必要と考えられるというような記載がされているのですけれども、これについても、その具体的内容について構成員全員が認識を共有し合うところまでの十分な議論はされておらず、具体的な内容も明らかになっていないのではないかという認識を持っております。
○吉田(恒)座長 今の御意見で、また金子先生の御意見も含めて言うと、ここでいう【指摘された事項】にとどまる。この範囲での意見しかなかったという捉え方でよろしいですか。
○金子構成員 そこは考えてみて、やはり要らないということなら【考えられる対応案】として要らないという意見が書かれるべきではないかなと。先ほどの(2)と同じです。
○吉田(恒)座長 わかりました。
 では、藤林先生、お願いします。
○藤林構成員 接近禁止命令が現在の28条のケースだけではなくて、一時保護であるとか、またはどういうケースに必要かということは、私も議事録を全部覚えているわけではないのですけれども、前回だけではなくて過去何回か言っている記憶があるのです。反対に金子構成員がこのような性虐待を受けた高校生を一時保護していて接近禁止命令が不必要と思われるのはどんな点なのでしょうか。
○金子構成員 不必要というわけではなくて、結局、これ単体を取り出して面会通信制限すべきかということを考える際には、そもそも分離措置をとるべきかどうか。分離措置をとるべきかどうかでオーケーということを前提にして、さらに面会通信制限とかをするかどうかを考えるのだと、物事の順序としてはそうなのだと思うのです。そうすると、その根元の問題、そもそも分離措置をとるべきかどうかを裁判所は一から検討しなければならないということになるのではないでしょうか。そうすると、それは、そもそも一時保護に司法審査を入れるという話と結局分けられないということなのではないでしょうかということでございます。
○吉田(恒)座長 では、横田先生、お願いします。
○横田構成員 こんなひどいケースだったら、やはり面会通信制限とか接近禁止命令とかという前にもう引き離してしまうしかない。ただし、それは証明とか言い出すと大変なので、その前の保全命令ということで言ったわけです。
 あまり意見を言うなということなので、取りまとめということに関して言うと、最後のところ、8番目、一時保護は確かにそうかなということを前回自分で発言しましたけれども、同意入所は賛成していないので、おまえが1人賛成していないだけだと言われたらあれですけれども、ここはまとめ方が不正確ではないかということを言っておきます。
○吉田(恒)座長 先ほどの金子先生の御指摘で分離措置の話が出ましたけれども、反対に【考えられる対応案】の最初のところで、赤い字で、この場合、一時保護や保護者指導への司法関与のあり方と関連してと、まさにここですね。むしろこの意見が指摘された意見のほうに入ってくるべきなのかなというように受けとめたのです。
○金子構成員 これは具体的な対応案なのですか。あまりそうは思えないのです。
○吉田(恒)座長 ということもありますので、ここの整理も必要かなと思います。
○金子構成員 むしろどうですかね、【課題】でもないかもしれませんけれども、【対応案】と言うには具体性を欠くように思います。
○吉田(恒)座長 全体として、今までの検討会でなかなか時間を十分に割けなくて、このあたりまでいくと押せ押せになっていてあまり皆さんから御議論いただいていないのですが、十分議論できていなかったということを踏まえた上で今ある意見を述べているということですね。
 では、上鹿渡先生、お願いします。
○上鹿渡構成員 先ほどから議論を聞いていますと、ここに示された【考えられる対応案】がなくなってしまうような印象を受けます。本当にことごとく案が潰されていくような感じです。ただ、ここはあくまで【考えられる対応案】で、対応案とは書いていないわけですね。この中からこれから選ぶこともできるし、それをとらないこともできる案として私は捉えますので、できるだけここにはいろいろな可能性を含めて頂きたいと思います。今我々が考えている対応は何のための対応なのか。困っている子どもを助けるための対応を我々は考えているのであって、その手前にある大人のいろいろな事情に対応する案を考えているわけではなく、それはもちろん2番目、3番目には考えなければならないことですけれども、一番目に考えるべきは、困っている子どもたちをどうやって児童福祉法改正後に新しい制度のもとで救っていくかということだと思います。それをいろいろな理由で潰されていきますと、何も残らず、結局この検討会からは何も提示できないという状況になり得るかなと思いまして、そこを少し考えてまとめていただければと思います。
○吉田(恒)座長 まさに議論の整理ということですので、これまでいただいた議論を事務局のほうで整理して挙げていただいているということですけれども、どうも全体のニュアンスが皆さんそれぞれのものと違う部分も当然ありますので、こうした表現で違和感を覚えられるかと思いますが、また今日、いろいろ御意見をいただいていますので、それをまた踏まえて事務局のほうで調整してもらいます。
 残りの時間も大分減ってきましたが、峯本先生どうぞ。
○峯本構成員 一応この論点に関して言うと論点が2つあって、対象範囲の拡大の問題と司法関与問題が両方あるので、そこがごっちゃに出てくるので、この検討会が司法関与のあり方を検討する場なので、どうしてもそういう傾向になってしまうのですが、多分意見としては、対象範囲を今、横田先生がおっしゃられた同意入所のときにどうするかという議論は反対意見があるということですけれども、対象範囲の拡大については、今の児童相談所の、いわゆる行政命令に関する対象範囲の拡大というのは多分反対意見は基本的にあまりないかなと思うので、だとしたら、そこは確認をして、その上で司法関与をその中でどこに導入していくのかということについては、意見がそもそも、私はそこは実は今ある制度を司法関与に変えるのは反対なのです。それは確実に不便になって、手続的になかなか時間がかかってしまうとか使い勝手が悪くなるというので反対なのですけれども、その辺の意見もあると思うのです。そこは整理して書いたほうが、潰れるときは全部潰れてまいりますとかなってしまったり、そういう話になるのは適切ではないかなと思うので、そこはその論点について整理して書いて、ある程度出ている意見を挙げていただくということのほうが整理としてはいいのではないかなというように今お聞きしております。
○吉田(恒)座長 ありがとうございます。
 確かにおっしゃるとおりで、十分な整理のないまま議論した節もあるかと思います。
 それでは、最後ですね。28条に係る裁判所の承認、親権停止制度の活用というところで、こちらのほうは今日の10ページに書かれておりますような形で皆さんから御了解をいただいている主な議論というところでの児童相談所運営指針等において明確にするということ。28条措置に関しても、措置の種別をどうするかでありますけれども、これまでの裁判所の審判例等もありますので、特に児童相談所等の関係機関に周知するということと、却下の審判と一時保護との関係もここで載せるということで、こちらはよろしいでしょうか。
 金子先生、お願いします。
○金子構成員 (4)は明確にするのはいいと思うのですけれども、どういう方向で明確にするのかという議論が果たしてあったかなというと、そもそも私も授業をやっているときにこの2つの関係をどう説明するのかは結構難しいと思っているのですが、中身は議論しなくてもいいのですかというのは疑問に思います。
○吉田(恒)座長 横田先生、どうぞ。
○横田構成員 ここは自分がいっぱいしゃべっているのであまり触れないようにしようと思ったのですけれども、少しだけいいですか。
 28条措置と親権一時停止は、どちらかがどちらかより重いという関係ではないのではないかと思っているのです。これは何のためにこういう主張をするかというと、28条は子どもと親を引き離す話ですね。親権の一時停止は、抽象的に言うと親権という権利の法的効果を否定する話です。具体的に言うと何が変わるかというと、例えば医療ネグレクトのために一時停止があったと思います。子どもと親を引き離す必要があるけれども親権を一時停止する必要はないという話がありましたが、逆に親権の一時停止の場合で言うと、医療ネグレクトで親が手術に反対しているのでこれは一時停止にするしかない。でも、反対する権限は否定したとしても、その手術に親が立ち会うのはだめですかと考えると、事実として子どもと親を引き離すという話と、法的権限の話は実は厳密に言うと別次元の話なので、こちらが重いからという話になるのか。そんなことを前提にしてこれまで来たのでしょうかということだけ、どうでしょうか。
○吉田(恒)座長 わかりました。
 (4)に関して、結論としては児童相談所運営指針に書き込んでいただくということですけれども、今のお二方のお話を伺っていると、やはりこの2つの制度の目的なり機能なり効果なりということとを十分に勘案した上でということになるかと思うのです。単に書くというよりは、そういう意味での検討をした上でということでしょうか。ここで検討するかどうかということは別として。
 床谷先生、どうぞ。
○床谷構成員 すみません、文言のことではないのですけれども、先ほど横田先生がおっしゃったことの中で、28条と親権停止の関係なのですが、前回、最後のところで、28条の場合、残るものがありますかというような形を私は振ったのですが、やはり効果の違いということと、停止の場合は命に関わるような場合も含めて停止は当然考えられるので、先ほどおっしゃった医療ネグレクトの場合は、いわゆる停止の場合、2年以内の期限があるけれども、2年かからないものについては、どんなに重いものでも停止の要件のほうに該当するという運用の仕方、適用の仕方だと思うのです。そういう意味では、かなり親権の喪失も停止も両方とも相当に重い事例を前提にし得る制度だと思うのです。
 28条の場合はそこまでは、確かに著しい福祉の点はありますけれども、程度的には違うのかなというように、効果の点と要件の点が違うのかなというように、民法しか知らない者から見るとそういうように見えるところがあるという点。ですから、どちらが重いか、軽いかというのは視点の違いも、要件、効果の違いもそれぞれあるので、こちらが絶対にこれより上という場合だけではないと思うのですけれども、全体的な傾向としては親権停止のほうが重大な権利制限になるのかなと思ってはいます。
○横田構成員 もう一言だけ。全体的な傾向の話は否定しません。ただし、理論的には別の話ですよねというだけのことです。
○吉田(恒)座長 ありがとうございます。
 ここでは、実は運営指針等の中でということですので、今後、指針を見直すというときには、ただいまの議論を御参考にしていただければと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、まだまだ議論すべき点はたくさんあるかと思いますけれども、司法関与については今日をもって取りまとめを最後にしたいと思っております。どうもありがとうございました。
 本検討会に関しましては、秋を目途に一定の取りまとめを目指すとされておりましたが、本日の検討会でこれまでの議論を一定程度整理できたのではないかと思っております。さまざま御意見をいただきまして、今日の提出された資料もさらにもう一度見直す必要があろうかと思います。一部修正等の御意見をいただいておりますので、私のほうで事務局と相談して整理させていただきます。そして、構成員の先生方にも逐一御確認をいただいた上で、本検討会の議論の整理という形で取りまとめをさせていただきたいと思いますが、いかかでしょうか。
 上鹿渡先生、どうぞ。
○上鹿渡構成員 上鹿渡です。
 本日、冒頭で触れました意見書の今後の対応(11ページ)についてですけれども、私の資料で提示した2つの提案のうちどちらかを入れていただきたいということを申し上げましたが、それについては、今日は時間がないということで座長と事務局のほうで話し合っていただいてこれを入れていただけると思ってよろしいですか。
○吉田(恒)座長 そこのあたり、今後また特別養子の検討もありますし、そのさらに次の改正ということもあるかと。児童福祉、特に社会的養護も含めての法改正のスケジュールもあろうかと思いますので、それをどういうように組み立てていくのかということが必要になってくると思うのです。というところで、全体を見通したところで今後どういう順序でこれを行っていくのかということを検討させていただきたいと思いますので。
○上鹿渡構成員 これについては、また検討する機会がありますか。
○吉田(恒)座長 そういう意見があったということを書くことは可能かと思いますけれども、まだここでは確約はできません。
○上鹿渡構成員 あと先ほど言い忘れたのですが、私の資料の4ページ目の最後に書いたのですが、本検討会では児童相談所など実践者側の意見聴取は調査という形でできているのですが、当事者である子どもや社会的養護経験者のヒアリングはできていません。新たな社会的養育の検討会ではそれをしました。大変有効な、意義深いお話を聞くことができました。次の機会には、この会はもうこれで終わりということですのでできませんけれども、次回そういった機会をこの四角の中の提案のどちらかが実現して得られましたら、ぜひ最初にそれを実施していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○吉田(恒)座長 私自身も養育の傍聴はさせていただいて、子どもの意見は私にとってはとても参考になりましたので、ぜひそうしたいと思います。
 ありがとうございます。それでは、事務局におかれましては、本検討会の議論の整理を踏まえまして、今後、関係省庁と協議を行いつつ、必要な制度的な検討を進めていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日最後に事務局から次回の日程等、連絡事項をお願いします。
○木村補佐 次回日程につきましては、12月26日月曜日の17〜19時を予定しており、特別養子縁組に関しまして引き続き御議論をお願いしたいと考えております。
○吉田(恒)座長 どうもありがとうございます。
 それぞれの先生方の御協力に感謝します。今日はこれで閉会にします。どうもありがとうございました。

(了)

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