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2016年11月9日 中央社会保険医療協議会 総会 第338回議事録

○日時

平成28年11月9日(水)10:00〜11:19


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

田辺国昭会長 印南一路委員 野口晴子委員 松原由美委員 荒井耕委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 花井十伍委員 宮近清文委員
松本純一委員 中川俊男委員 松原謙二委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員
安部好弘委員
丹沢秀樹専門委員 横地常広専門委員 菊池令子専門委員
<参考人>
薬価算定組織 清野委員長
<事務局>
鈴木保険局長 谷内審議官 濱谷審議官 迫井医療課長 眞鍋医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○医薬品の薬価収載について
○DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
○高額な医療機器を用いる医療技術の費用対効果評価について
○その他

○議事

○田辺会長

 それでは、定刻でございますので、ただいまより第338回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。

 まず委員の出席状況について御報告いたします。本日は西村委員、平川委員、松浦委員、榊原委員、岩田専門委員が御欠席でございます。

 それでは、早速議事に入らせていただきたいと思います。初めに「医薬品の薬価収載について」「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」を一括して議題といたします。

 まず「医薬品の薬価収載について」ですが、本日は薬価算定組織の清野委員長にお越しいただいております。清野委員長より御説明をよろしくお願いいたします。

○清野委員長

 薬価算定組織委員長の清野です。おはようございます。よろしくお願いいたします。

 私から、今回検討いたしました新医薬品の算定結果について御報告させていただきます。

 資料は中医協 総−1−1をごらんください。今回の報告品目は資料1〜2ページの一覧表にありますとおり、23成分35品目であります。

 それでは、算定内容について御説明いたします。

 1、エビリファイ錠1mgであります。資料の4ページ、5ページをごらんください。本剤は小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性等を効能・効果とする内用薬であります。本剤は規格違いの同一成分エビリファイ錠6mgを最類似薬とした規格間調整により算定しました。また、本剤は小児を対象に国内で臨床試験が実施されていること。小児にかかわる効能及び効果が明示的に含まれていること、比較薬は小児加算を受けていないことから、小児加算A=5%を適用することが妥当と判断しました。その結果、本剤の算定薬価は1錠31.30円となりました。

 2、ミカトリオ配合錠であります。資料の6ページ、7ページをごらんください。本剤は高血圧症を効能・効果とするテルミサルタン、アムロジピン及びヒドロクロロチアジドの配合剤であることから、新医療用配合剤の特例による算定が妥当と判断いたしました。なお、算定値が単剤のミカルディス錠の価格を下回ったため、結果として本剤の算定薬価はミカルディス錠と同額となり、1錠174.80円となりました。

 3、ジャクスタピッドカプセルであります。資料の8ページ、9ページをごらんください。本剤はホモ接合体家族性高コレステロール血症を効能・効果とする内用薬であり、適切な類似薬がないため原価計算方式により算定しました。本剤は新規作用機序医薬品であり、既存の薬剤では効果不十分な患者においてもLDLコレステロールの低下効果が期待できること、希少疾病用医薬品であることなどを踏まえ、営業利益率のプラス20%の評価が適当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は5mg1カプセル7万9,684.80円、10mg1カプセル9万1,128.00円、20mg1カプセル103,739.80円となりました。

 4、ウプトラビ錠であります。資料の12ページ、13ページをごらんください。本剤は肺動脈性肺高血圧症を効能・効果とする内用薬であり、本剤と効能・効果が同一のオプスミット錠を最類似薬とした類似薬効比較方式(I)により算定しました。その結果、本剤の算定薬価は0.2mg1錠1,407.90円、0.4mg1錠2,815.80円となりました。

 5、ゼンターコートカプセルであります。資料の14ページ、15ページをごらんください。本剤は軽症から中等症の活動期クローン病を効能・効果とする内用薬であり、適切な類似薬がないため原価計算方式により算定しました。その結果、本剤の算定薬価は1カプセル256.90円となりました。

 6、リアルダ錠であります。資料の16ページ、17ページをごらんください。本剤は潰瘍性大腸炎を効能・効果とする内用薬であり、本剤と効能・効果が同一のアサコールを最類似薬とした類似薬効比較方式(I)により算定しました。その結果、本剤の算定薬価は1錠212.00円となりました。

 7、ブリリンタ錠であります。資料の18ページ、19ページをごらんください。本剤はPCIが適用される急性冠症候群等を効能・効果とする内用薬であり、薬理作用類似薬が既に3以上あること等から、類似薬とした類似薬効比較方式(II)により算定しました。その結果、本剤の算定薬価は60mg1錠100.70円、90mg1錠141.40円となりました。

 8、イニシンク配合錠であります。資料の20ページ、21ページをごらんください。本剤は2型糖尿病を効能・効果とするアログリプチン及びメトホルミンの配合剤であることから、新医療用配合剤の特例による算定が妥当と判断しました。なお、算定値が単剤のネシーナ錠の価格を下回ったため、結果として本剤の算定薬価はネシーナ錠と同額となり、1錠174.20円となりしまた。

 9、カーバグル分散錠であります。資料の22ページ、23ページをごらんください。本剤はアセチルグルタミン酸合成酵素欠損症による高アンモニア血症等を効能・効果とする内用薬であり、適切な類似薬がないため原価計算方式により算定いたしました。本剤は新規作用機序医薬品であり、先天性代謝異常症による致死的な高アンモニア血症に対して治療手段を提供する初めての医薬品であること、希少疾病用医薬品であることなどを踏まえ、営業利益率のプラス30%の評価が適当と判断しました。その結果、本剤の算定薬価は1錠1万6,295.10円となりました。

10、アイクルシグ錠であります。資料の26ページ、27ページをごらんください。本剤は前治療薬に抵抗性または不耐容の慢性骨髄性白血病等を効能・効果とする内用薬であり、薬理作用類似薬が既に3以上あること等から類似薬効比較方式(II)により算定しました。その結果、本剤の算定薬価は15mg1錠6,318.30円となりました。

11、デザレックス錠であります。資料の28ページ、29ページをごらんください。本剤はアレルギー性鼻炎等を効能・効果とする内用薬であり、有効成分であるデスロラタジンはロラタジンの活性代謝物であることから、クラリチン錠を本剤の比較薬としたラセミ体または先行品が存在する新薬の特例による算定が妥当と判断しました。その結果、本剤の算定薬価は1錠69.40円となりました。

12、ビラノア錠であります。資料の30ページ、31ページをごらんください。本剤はアレルギー性鼻炎等を効能・効果とする内用薬であり、薬理作用類似薬が既に3以上あること等から類似薬効比較方式(II)により算定しました。その結果、本剤の算定薬価は1錠79.70円となりました。

13、リフキシマ錠であります。資料の32ページ、33ページをごらんください。本剤は肝性脳症における高アンモニア血症の改善を効能・効果とする内用薬であり、適切な類似薬がないため原価計算方式により算定しました。その結果、本剤の算定薬価は1錠201.90円となりました。

14、グラジナ錠と15、エレルサ錠であります。14のグラジナ錠及び15のエレルサ錠ですが、資料の3435ページと、それに続いて3637ページをそれぞれごらんください。これらの薬剤はジェノタイプ1のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善を効能・効果とする内用薬であり、効能・効果及び薬理作用が類似するヴィキラックス配合錠を最類似薬とした類似薬効比較方式(I)により算定しました。なお、グラジナ錠とエレルサ錠は両剤の併用療法を前提とするため、比較薬の1日薬価に対してこれらの2剤の1日薬価を合わせる形でそれぞれの薬価を算出しております。その結果、算定薬価はグラジナ錠1錠9,607.30円、エレルサ錠1錠2万6,900.50円となりました。

16、シグニフォーであります。資料の38ページ、39ページをごらんください。本剤は先端巨大症等における成長ホルモン、IGF-I分泌過剰状態及び諸症状の改善を効能・効果とする注射薬であり、効能・効果及び薬理作用が類似するサンドスタチンLAR筋注用を最類似薬とした類似薬効比較方式(I)により算定しました。本剤は、薬物治療歴のない先端巨大症患者への投与時の奏効率において、オクトレオチド酢酸塩に対する有意差が認められていること等を踏まえ、有用性加算(II)の5%加算の評価が適当と判断しました。その結果、本剤の算定薬価は20mg1キット184,876円、40mg1キット331,728円、60mg1キット466,987円となりました。

17、プリズバインド静注液であります。資料の40ページ、41ページをごらんください。本剤は生命を脅かす出血または止血困難な出血の発現時におけるダビガトランの抗凝固作用の中和等を効能・効果とする注射薬であり、適切な類似薬がないため原価計算方式により算定しました。その結果、本剤の算定薬価は1瓶199,924円となりました。

18、トルツ皮下注であります。資料の42ページ、43ページをごらんください。本剤は既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を効能・効果とする注射薬であり、効能・効果及び薬理作用が類似するコセンティクス皮下注を最類似薬とした類似薬効比較方式(I)により算定しました。その結果、本剤の算定薬価は1筒及び1キット146,244円となりました。前回の中医協で審議もありましたが、後ほど管理官から補充説明がございます。

19、リクラスト点滴静注液であります。資料の4446ページをごらんください。本剤は骨粗鬆症を効能・効果とする注射薬であり、効能・効果が異なる同一有効成分の既収載品があることから、組成及び投与形態が同一で効能及び効果が異なる既収載品がある新薬の薬価算定の特例に算定しました。既収載品はゾメタ点滴静注であります。なお、原価計算方式と類似薬効比較方式で算定した算定額のうち、いずれか低いほうとされていることから、原価計算方式で算定した額としました。その結果、本剤の算定薬価は1瓶3万9,485円となりました。

20、エムプリシティ点滴静注液であります。資料の48ページ、49ページをごらんください。本剤は再発または難治性の多発性骨髄腫を効能・効果とする注射薬であり、本剤と効能・効果が同一のカイプロリスを最類似薬とした類似薬効比較方式(I)により算定いたしました。その結果、本剤の算定薬価は300mg1瓶16696円、400mg1瓶209,587円となりました。

21、イデルビオン静注液であります。資料の50ページ、51ページをごらんください。本剤は血液凝固第IX因子欠乏患者における出血傾向の抑制を効能・効果とする注射薬であり、薬理作用類似薬が既に3以上あること等から類似薬効比較方式(II)により算定しました。その結果、本剤の算定薬価は250国際単位1瓶8万7,532円、500国際単位1瓶173,231円、1,000国際単位1瓶342,833円、2,000国際単位1瓶678,486円となりました。

22、ミケルナ配合点眼液であります。資料の52ページ、53ページをごらんください。本剤は緑内障、高眼圧症を効能・効果とする外用配合薬であり、単剤のミケランLA点眼液及びラタノプロストPF点眼液を比較薬とした新医療用配合剤の特例により算定しました。その結果、本剤の算定薬価は1mL729.20円となりました。

23、リグロス歯科用液であります。資料の54ページ、55ページをごらんください。本剤は歯周炎による歯槽骨の欠損等を効能・効果とする外用薬であり、適切な類似薬がないため原価計算方式により算定しました。その結果、本剤の算定薬価は600μg1キット2万670.90円、1,200μg1キット2万7,802.90円となりました。

 以上でございます。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 引き続き事務局から補足と、DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応についての御説明をお願いします。では薬剤管理官、お願いいたします。

○中山薬剤管理官

 薬剤管理官から補足をさせていただきます。

 まずトルツでございます。資料で言いますと4243ページになりますけれども、トルツにつきましては8月24日の中医協総会におきまして、外国平均価格調整後の算定薬価が約245,000円、調整がかかる前は146,000円ほどだったということで、高額になることを踏まえて原則として同種同効薬を使用して、それらを使用しても効果が不十分な場合に本剤を使用するという留意事項通知を出すという条件で了承をいただいたということでございます。その後、新薬収載希望者から薬価収載希望の取り下げの申し出がありまして、為替レートの変動により、外国平均価格調整がかからなくなったタイミングで改めて薬価収載希望書が提出されたということで、今回の算定の御報告をさせていただいている状況でございます。

 もう一つございまして、中医協の総−1−2をごらんいただきます。「平成2811月薬価収載予定の新薬のうち14日ルールの例外的な取扱いをすることについて(案)」でございます。今回お諮りしている品目の中で配合剤、配合錠については3品目ございます。そのうちのミカトリオ配合錠、ミケルナ配合点眼液につきましては、既に中医協で御了承いただいていることでございますけれども、実質的な既収載品によってそれぞれの成分が1年以上の臨床使用経験があると認められるという医薬品に該当するものと考えますので、新医療配合剤について14日の処方日数制限を設けないという例外を適用してよろしいのではないかということでお諮りするものであります。

 1品目の配合剤につきましてはイニシンクでございますけれども、これにつきましてはもともとそれぞれの単剤ではアログリプチンが1日1回、メトホルミンが1日2回というものが、結局、配合剤にしてそれぞれ1日1回というものにしたということで、これについてはしっかりとしたデータをもって配合剤としてよろしいということになったわけですけれども、ただ、この14日ルールの例外的な取り扱いをするものとしては該当しないという判断をいたしまして、ここには挙げていないということでございます。

 以上です。

○田辺会長

 では医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 引き続きまして、総−2でございますけれども、DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応でございます。これは参考でその後の1枚紙でつけさせていただいております。高額薬剤に関しましてDPCにおきましては、包括評価の中でどのように取り扱うのかということにつきまして整理がなされておりまして、その考え方は総−2(参考)にございます。今回、総−2に一覧表を掲げておりますけれども、これは従来からルーチン的にやっておりますが、本日、先ほど御説明がありました薬価収載予定のもの、それから、それまでの間に新たな効能追加あるいは公知申請等で同様の対応がなされるべきものと判断したものにつきまして、一覧表で追加をさせていただいております。詳細の御説明は省かせていただきます。

 以上でございます。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 では、ただいまの説明に関しまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。

 安部委員、お願いいたします。

○安部委員

 御説明ありがとうございました。

 まず14日ルールの制限から外れるものとして、ミカトリオ配合錠があって、今回初めて3剤の併用ということでありますけれども、薬価及びこの14日制限ルールから外すことについては賛同いたしますが、ミカトリオ配合錠に関しては使用上の制限というものがあったと思うのですが、それについて教えていただきたいということが1点。

 それから、イニシンク配合錠については御説明でメトホルミン、メトグルコの成分が1日2回投与のものが1回になったので、そこは14日制限の例外に入れないという御説明がありました。メトホルミンが臨床上もし1日1回で同等の効果があるとすれば、アドヒアランスの確保という観点から有用であると私は思っているのですが、仮の話でありますが、イニシンク配合錠が1年間安全に、有効に使われて14日制限が外れた場合、例えばメトホルミン錠の用法変更で新たな臨床試験が行われて、それが製品となった場合、これは14日制限の例外規定に当たるかどうかを教えていただきたい。

○田辺会長

 では薬剤管理官、お願いいたします。

○中山薬剤管理官

まず第1点目、ミカトリオでございます。ミカトリオにつきましては薬事・食品衛生審議会の医薬品第一部会におきまして、いろいろ議論が行われた結果、本剤の投与対象患者を明確に規定ということで、同一用法・用量で一定期間継続して併用され、安定した血圧コントロールが得られている場合ということで承認することになったということで、この内容については添付文書においてもしっかり記載されることとなっております。

 さらに、配合剤の話ですけれども、今回メトホルミンが配合剤として1日1回ということで使用されるようになったということで、仮にこれが1年以上使用された場合で、御質問はさらにメトホルミンがほかの配合剤で使われた場合ということになろうかと思います。今のところのルールとしては、新医療用配合剤について有効成分に係る効能・効果や用法・用量について、実質的に既収載品によって1年以上の臨床試験使用経験があると認められる場合というのは除外することになっておりますので、そこに該当するかどうかということを検討させていただいて、判断することになろうと思います。

 以上です。

○田辺会長

 よろしゅうございますか。では、中川委員、お願いいたします。

○中川委員

42ページのトルツについてお聞きしたいと思います。これはトルツが薬事承認したのはいつですか。

○中山薬剤管理官

 製造販売承認日は、42ページの左下にございますが、平成28年7月4日となります。

○中川委員

 承認から遅くても90日以内に薬価基準収載されるというルールがありますね。90日たっていないかな。

○中山薬剤管理官

 基本的に60日、90日ルールというのは、薬価基準収載希望書が出されてからとなります。

○中川委員

 最初に出してから何日たっていますか。

○中山薬剤管理官

 最初に出されてからというと、出されたのは。

○中川委員

 薬事承認から90日以内ですね。

○中山薬剤管理官

 済みません、薬事承認から60日、90日でございます。失礼しました。

○中川委員

 それで今、何日目ですか。

○中山薬剤管理官

90日はオーバーしていることになろうかと思います。

○中川委員

 オーバーしていますよね。これは薬価基準収載希望書を提出して、取り下げて、次にいつ出すかはメーカーの勝手ですか。

○中山薬剤管理官

 薬価基準収載希望書を取り下げた場合には、当方が指定する期日までに提出するルールとなっています。

○中川委員

 指定した期日はいつですか。

○中山薬剤管理官

 今回は10月3日ということであります。

○中川委員

 出来レースみたいな感じがします。一度下げたものを、その何日までに出し直しなさいと。出さなかったらどうなるのですか。

○中山薬剤管理官

 今回の場合は薬価算定組織の議論に間に合うかどうかということで、その期日を設定しました。今回もし提出がされなければ、次回の薬価算定組織の期日に間に合うようにということになりますので、おおむね3カ月後となろうかと思います。

○中川委員

 きょうの説明だと、為替レートの推移を見ながら外国平均価格調整にかからないように上手に企業戦略として振る舞ったという理解でいいですか。

○中山薬剤管理官

 基本的には60日、90日ルールに基づいて薬価収載希望をされたわけですが、基本的に外国平均価格調整の結果、同種の薬と薬価差が大きくついたということで、薬価収載に当たっては条件つきになったということでの取り下げだったということでありますので、そういった流れであったということだと思います。

○中川委員

 それでは場合によっては60日、90日以内ルールというのは守らなくてもいいということになりますね。メーカーの勝手ということになりますか。

○中山薬剤管理官

 基本的に60日、90日ルールというのは原則守るものですけれども、何か合理的な理由がある場合には、それが60日、90日で収載できない場合もあり得るかと思います。

○中川委員

 8月24日の中医協で算定された薬価は245,873円でしたね。その薬価基準収載希望書を一度取り下げて、今回出して146,244円。ということはメーカーとしても146,244円で十分やっていけるということなのです。

○中山薬剤管理官

 企業の御判断ということでありますが、そういうことで希望書が出されているということだと思います。

○中川委員

 企業の御判断、言いかえれば企業戦略ということに我々は翻弄されていませんか。私は前回、前々回、公的医療保険下の国民皆保険のもとのプレイヤーとして、我々非営利の医療機関と営利の製薬メーカーがどのように一緒に立ち振る舞うのかという問いかけをずっとしてきました。日薬連の会長さんからは、企業戦略だと、当然どこのメーカーでもそうやっているのは当たり前だという答えしかいただいていません。ここに至って為替レートを見ながら上手に60日、90日も例外はあるんだということを実質的にこれは示したことになります。

 私は60日、90日ルールは必ずしもいいと思っていないのです。じっくり薬事承認から薬価基準収載まで議論を重ねて中医協で慎重に、特に高額な医薬品は薬価基準収載を決めるべきだと思ってきました。だからそういうことであれば、なかなか国民の理解を得にくいのではないかと思います。

 そこで質問ですが、改めて聞きますが、外国平均価格調整は例えば総−1−1の14ページで外国価格と左下にありますね。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスとありますけれども、アメリカは桁が違うでしょう。そして、その次に16ページも1桁違います。リアルダ錠。こういうことで、例えば3倍を超えているから除外したんだ、ちゃんとやっているんだとおっしゃりたいのかもしれませんが、どうもこれはアリバイになっていませんか。アメリカのリストプライスと日本を含めたヨーロッパのリストプライスは同じですか。

○中山薬剤管理官

 リストプライスの中身の評価というのはなかなか難しいかもしれません。

○中川委員

 ご自分からお答えにくいでしょうから言ってあげますが、アメリカのリストプライスはメーカー希望小売価格です。その後の値引きを想定して1桁多く出しているのです。ヨーロッパも日本も公定価格です。そこで外国平均価格調整でこのように並べるのはフェアではないのではないでしょうか。

 むしろ語弊を恐れず言うと、アメリカの価格はこういうルールから排除すべきではないですか。公定価格ではなくてメーカー希望小売価格ですよ。原価計算方式と類似薬効比較方式の抜本的な見直しを求めてお願いしていますが、まずは外国平均価格調整のやり方もここで抜本的に変えるべきではないでしょうか。

○田辺会長

 では、医療課長お願いします。

○迫井医療課長

 中川委員の御指摘は、今回も具体的にしていただきましたけれども、従来から外国価格との比較の問題、それから、現在制度として運用しております外国平均価格との調整につきましては、さまざまな課題があるということだろうと思います。

 先ほど60日、90日ルールのお話で少し触れられましたが、念のため誤解をされてもいけませんのでお答えをしておきますと、あくまで薬価の収載は実際に医薬品を製造される企業の申請に基づきまして、日本の医療保険に適用するかしないかという判断を中医協でいただいております。60日、90日というのは原則守っていくというのが前提でございます。

 ただ、もう一つの前提は企業の申請に基づくということでございます。先ほど一度取り下げられたということは企業の御判断だということでございますので、その背景につきまして私どもがどうこうということはコメントは差し控えさせていただきますけれども、2回目の収載希望があった時点でどういう日付を設定するのかというのは、我々としてはなるべく早く薬価の収載を行うことからしますと、薬価算定組織にこれをお諮りする必要がありますので、次の薬価算定組織にお諮りするためには、いついつまでに出していただく必要がありますという趣旨で、なるべく早く薬価収載をするために期日を設定している、そういう中で処理をしているということを一応、念のために申し添えさせていただきます。

 その上で外国平均価格調整のあり方につきましては、繰り返しになりますが、従来から御指摘いただいております。きょうは新薬の御審議の場でございますけれども、並行して今後、毎回の改定でこの議論は医薬品に限らず、医療機器につきましても御指摘いただいていると承知をしておりますので、事務局といたしましては次の改定に向けて、きょういただいた御指摘も踏まえてしっかり議論させていただきたいと考えております。

○中川委員

 建前は今、医療課長がおっしゃったとおりだと思います。為替レートの推移を見ながら、例えばイギリスのEU離脱ということがあってポンド安にならなければ、薬価基準収載希望書の提出はなかったのではないですか。そんなことはないですか。薬価算定組織のその次の日付まで待ったのではないですか。それが我々が翻弄されているのではないかとお聞きしているのです。しっかりと中医協は営利企業の製薬メーカーの企業戦略に翻弄されないようにしましょうよと厚生労働省をみんなで励ましているのです。違いますか。

○迫井医療課長

 中川委員の御指摘は大変ありがたい、又はげましのお言葉でもございますが、私どもといたしましては企業の御判断は企業の御判断だろうと思いますので、あくまでルールを設定してルールを運用していくというのが原則でございます。そのルールにさまざまな課題や限界がもしあるとすれば、そのルールを見直すのは当然でございますので、そういった形で我々としてはたゆまざる努力をしてきておりますし、今後もそのような対応をさせていただきたい。その中に今のような御指摘も含めて対応させていただきたいと考えております。

○田辺会長

 ほかいかがでございましょう。幸野委員、お願いいたします。

○幸野委員

 トルツの件について、もう一点問題があると思っておりまして、先ほどおっしゃられたように8月24日に中医協の場で保険収載の議決がされたということですが、その後、企業の判断によって保険収載が取り消されました。私はこの取り下げについては業界誌で知り、イーライリリーのホームページを拝見して確認致しました。

 これは薬価算定組織、中医協という重大な議決により保険収載が認められたものについて、企業戦略にそぐわなかったということで取り下げたと考えられますが、中医協での審議で決められたものが何もないまま保険収載が取り下げられ、また数カ月後に新たな価格で申請するということが自動的に行われていいことなのかを疑問に思っております。保険収載を取り下げるのであれば、中医協の場で明確な理由を丁寧に説明し、皆さんが納得した上で取り下げを認めるという手続を経る必要があると思います。

 今回、結果論として薬価が下がりましたが、これは逆もあると思います。今後、外国価格調整の仕組みを利用して、意図的に保険収載を取り下げるといったことが起こらぬよう、保険収載の取り下げの手続についてはルール化すべきだと思います。

○田辺会長

 同じ観点ですか。では中川委員、お願いします。

○中川委員

 幸野委員、いい御指摘だと思いますが、確認をしますが、8月24日の中医協で薬価基準収載を条件つきで承認しましたね。その承認した後でメーカーが取り下げるということは、それは可能なのですか。

○田辺会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 手続としては可能ということになろうかと思います。

○中川委員

 どういう手続ですか。中医協の承認は極めて重いと思いますが、それをメーカーが勝手に取り下げて、やっぱりやめたといってまた出す。そんなことでいいのですか。

○中山薬剤管理官

 中医協での決定は重いということは、おっしゃるとおりでございます。ただ、薬価基準収載というものが希望に基づいて行われるということで、その一方でその希望を取り下げるということも可能というルールとなっているという状況かと思います。

○田辺会長

 松原謙二委員、お願いします。

○松原謙二委員

 一旦決めたことを取り下げるには、それなりの手続が要るのは当たり前ではないでしょうか。向こうが手続したら、それで終わりというのはどうもおかしいように思います。一般常識からしておかしいと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。

 2点目は、世の中から見て3つを平均するときに、1つはカタログで、あと2つが売っている金額といったら、それはやはりおかしいのではないですか。世の中から見ておかしなことをずっと続けていること自体やはり正しくないと思います。これは前にも申し上げましたけれども、もしどうしても調査ができないのであれば、あくまで参考価格として足し算の中に入れない。それが本来の姿だと思います。

○田辺会長

 医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 今、松原委員が御指摘いただいたことが、基本的に課題の全体を御指摘いただいていると思います。私どもの受けとめは、先ほどの幸野委員、中川委員の御指摘も含めまして2点あって、1つは手続として現在のやり方については改善の余地があるということでございます。それから、外国価格の取り扱い、特に今、御指摘がありましたが、これは過去ずっと議論があったと思いますけれども、リストプライスで表示をされているものと、私ども日本のような取り扱い、保険上の取り扱いのものも含めてさまざまな違いがある中で、その価格調整の価格をどう考えるのかという課題があるということでございますので、外国価格調整のあり方の話と手続の話、この2つの課題については今後しっかり御議論をいただいた上で改善をさせていただきたいと考えております。

○田辺会長

 花井委員、お願いいたします。

○花井委員

 ルールと今回の経緯はよくわかったのですが、ルールはどうあれ、今まで見てきたことからすると、例えば保険に収載されて医薬品が収載されるという意味は、ただルールだけではなくて安定供給責任というのがあると思うのです。

 安定供給とコストの問題というのはずっと課題なのですが、メーカーにおかれましては場合によってはコスト割れするから撤退、要するに薬価収載をやめたいという製品について、それをやられたら患者さんが困るからということでお願いして、そのメーカーは本当はそんな商品やめたいのだけれども、供給してくれているメーカーもあるわけで、そういったことでメーカーは公的医療に対して単なる金もうけではなくて、責任を果たしてくれるメーカーもたくさんあるわけです。そういう中で最近、企業戦略という言葉が言われますけれども、患者の立場を無視して保険療養という公的なものにもかかわらず、株主さんのほうに忠誠を尽くすということが余りあるようであれば、今までのメーカーとのいろいろ信頼関係の中でプレイヤーとしてやってきたところについて、ルールの厳格化が必要になる。これは残念なことでもありますが、必要かと思います。

 もう一点は、収載されたものがすぐ使えなくなるというのは、それも非常に不信感を招くことです。今回の件はまさに本当にこのメーカーは患者の視点に立ってくれているのだろうかという不信感を招くのではないかと思いますし、もう一点は中川先生の指摘したことに賛成なのですけれども、アメリカの価格というものは諸事情の中でかなり特殊なものなので、その取り扱いについては今回見直すということであれば、全体の中で十分議論をすべきではないか。この2点について意見として申し上げたいと思います。

 以上でございます。

○田辺会長

 松本委員、お願いします。

○松本委員

 花井委員が言ってくれたことなのですけれども、やはり一度中医協で承認したということを、先ほど幸野委員が業界誌で知ったということがありましたが、私もそうなのですけれども、中医協の場で我々委員に何ら説明がない。こういう理由でということは言わなくても、我々メーカーが勝手に希望を撤回しましたという話も一度もなかった。だから今日決めた23のことに関しても、明日これがなくなるかもしれないわけです。何のために我々はやっているんだということにもなりかねないので、一度決めて、また今日も決めて、10万ぐらいの差があるわけですけれども、薬価算定組織の清野先生にもお聞きしたいのですが、薬価算定組織はそれで皆さん納得されているのかということと、花井委員がこのメーカーはということも言われましたけれども、ちょっと今日これを承認するのは納得しにくいなという感じがいたします。

○田辺会長

 では清野委員長、お願いいたします。

○清野委員長

 前回、中医協でトルツの薬価について外国平均価格調整の問題点についてお話をして、そのルールの中で条件つきで二十何万という薬価をつけて、薬価算定組織としてはそういう判断をしました。その際にもたびたびここ数年ずっと言われている外国平均価格調整、特に米国のプライスというのは余りにもかけ離れている。それで実際、私たちがヨーロッパ、特にイギリスあるいはフランス、これと米国とでは明らかに差がある。日本はどういった本当のところ価格調整するのか。これはルールを考えないといけないと思いますが、現行では3倍以上というルールがありますので、それではじかれたもので見ている。そういうルールを変えていくことは大事だと思います。

 それから、今回取り下げられてもう一度出てきたということですけれども、これは実際に再申請されたものに対して算定組織でルールどおり算定したということで、その差額が余りにも大きいというのは、ここでいろいろ言われている外国平均価格との調整でギャップが大き過ぎる。プライスリストと為替レートと、これは我が国がどう考えていくかというのは医薬品だけではないと思うのです。そういったことが重要な問題点だと思います。

 1回中医協で決められたものは厳守すべきであるというのであるならば、そこはやはりそうすべきということをルールで決めなければいけないし、あるいは取り下げる場合にはもう一度取り下げを承認するとか、そういったことが必要であるという御意見だと思うのですが、そこも当局が再度検討あるいは確認する必要があるのではないかと思います。

○田辺会長

 ほかいかがですか。中川委員、お願いします。

○中川委員

 ちょっと話は変わりますが、例えば42ページのトルツのところをごらんいただきたいのですが、比較薬のコセンティクスは新薬創出適応外薬解消促進加算の対象品目です。この加算が付いた比較薬の薬価を参照して、新しい新薬が決められるというのはどうなのでしょうか。新薬創出加算の加算なしで比較するべきではないでしょうか。素朴な質問です。別にトルツに加算をつける実績も何もないわけですよね。この辺も見直しの対象になりませんか。

○田辺会長

 では薬剤管理官、お願いいたします。

○中山薬剤管理官

 基本的にコセンティクスについての新薬創出加算の部分は、当初の薬価が維持されるというところでの加算となろうかと思いますので、現行では1日薬価として類似薬に合わせるというルールに従ったということになりますので、現行としてはそれで妥当なのではないかと考えております。

○中川委員

 このコセンティクスの薬価は加算を除いた薬価ですか。違いますよね。

○中山薬剤管理官

 除いておりません。

○中川委員

 いませんね。感覚的に変だと思いませんか。清野委員長、どうですか。

○清野委員長

 このトルツについては何ら加算をしていませんので、まさに類似薬効という形で判断していると私は考えています。

○中川委員

 そうではなくて比較薬の薬価が加算つきなのです。加算なしの薬価で比較すべきではないですか。それを想定して。

○中山薬剤管理官

 あくまで競合品といいますか、今回の場合コセンティクスですけれども、その薬価にするというのが基本的なルールとなっていますので、それに合わせているということであります。

○中川委員

 今日は、これ以上お答えになれないと思いますけれども、御検討ください。

○田辺会長

 ほかいかがでございましょう。万代委員、お願いいたします。

○万代委員

 また外国平均価格の話に戻しますけれども、たしか医療課長が企画官の時代に中医協に参加されていたときに、資料としましてリストプライスではなくてマーケットプライスの資料が出たと記憶します。時代が違うかもしれませんけれども、そのとき私が質問をさせていただいて、そういうリストプライスではなくてマーケットプライスが提示できるのであれば、むしろそちらのほうを積極的に提示していただきたいと質問を申し上げた記憶がございます。

 そのときのお答えは、マーケットプライスはどういう企業に頼むかは別といたしまして、一定程度の費用を要する。その金額についても何となく覚えておりますが、具体的には申し上げないことといたしまして、それなりの高額がかかるということになりますので、そういったような前提条件を考えますと、今後も議論をするということでございますので、その参考までに私の考えを申し上げるとすれば、今まで皆様が議論されていたように、あくまでも米国の価格は参考程度したほうが現実的である。マーケットプライスを調査するのに多大な費用をかけてまでということをする価値があるかということも考えますと、方向性としてはあくまでも参考としたほうがいいのかなと、そのように考えます。

 以上です。

○田辺会長

 ほかいかがでございましょう。では中川委員、お願いします。

○中川委員

 我が国の方針として、政府の方針として新薬の開発のイノベーションを成長戦略の一環として推進することに全く異議はありません。しかし、診療報酬上の加算を原資にするという仕組みに無理があるのではないでしょうか。相当限界に近いというか、成長戦略の一環としては、非常に違和感を感じるのです。

 例えば経済産業省の平成29年度概算要求に、次世代治療診断実現のための創薬基盤技術開発事業というもがあるのです。72.3億円が計上されています。こういったものを発展させて、新薬創出のイノベーションに資する支援補助金といったようなものを考えられないかと思います。何度も言いますが、営利企業の製薬メーカーが新薬を開発するイノベーションに、公定価格の診療報酬の加算の原資を使うのは無理筋だという気がするのです。御検討いただけませんか。

○田辺会長

 医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 中川委員の御指摘は、イノベーションを基本的には推進することを前提とし、政府としてもちろん取り組んでいきつつ、そのあり方といいますか、診療報酬上どう評価をするのかということをしっかり議論すべきであるという御指摘だろうと思いますので、繰り返しになりますけれども、今回御指摘をいただいた幾つかの課題も含めまして、今の御指摘の点はしっかり御議論いただいて、さらなるよりよき薬価制度に向けて見直しに取り組んでいきたいと考えております。

○田辺会長

 では幸野委員、お願いいたします。

○幸野委員

 今日の議論ではございませんが、先ほど中川先生もおっしゃいましたが、8月に245,000円で収載された薬価がその後、収載を取り消し、改めて今回10万円下がった価格で申請されたことについて、10万円下がっても企業として成り立っていくのだなと支払い側として感じた次第です。薬価の中には、一体どの程度の営業利益が含まれているのか改めて不透明だと思います。本日の総会で収載された医薬品の中にも原価計算方式で営業利益率がプラス30%加算されているものがあるなど薬価の中にはどれだけの営業利益が隠されているのかは大きな疑問があります。次回の薬価制度改革の中では、営業利益率についても大きな課題になるのではないかと思います。きょうの議論ではございませんが、感想としてつけ加えさせていただきます。

○田辺会長

 ほかいかがでございましょう。では松原謙二委員、お願いいたします。

○松原謙二委員

 少しまた違うのですが、今回の資料の20ページの2剤が合剤になった件です。先ほど14日ルールからは、これは朝晩飲む薬なので、朝だけ飲むような形にしたので14日から外すという御意見をお聞きしました。私ども実際に投薬する立場からしますと、新たに追加されたメトホルミンという薬は、もともと別の名前で長い間使っていた薬で、非常に安定性があり、一時、乳酸が上がるのではないかという疑いがあってすたれたのですけれども、ものすごく効果のある薬であります。お歳の人なども含めれば当然1回投薬ということでも使っていますし、若い人が朝晩であっても半減期をきちんと見ますとむしろ1回の場合がいい。つまり医学的には安全性が確立されて、しかもそのような使い方を医者の采配の中で使わせていただいているものが、なぜそこで外れるのかと考えますと、ぎちぎちに2回使わなければいけないものだから、それを新たなものであるということで14日ということの外れができないということをおっしゃったと思うのです。増やすならともかく、安全性が確立されたものをゆっくり使っていることについて、少し規則が余りぎちぎちにならないように御検討いただけないかと思います。

 そこでまた別の話なのですが、2剤を入れるのが最近はやりになっています。私どもよく言っている多剤制限は大体意味がないやり方です。確かに2剤が1剤になると、1剤分外れるというメリットはあります。また、これも古い薬のメトグルコであります。要するに10円だけ安くなることについてメリットはありますけれども、でも何でこれを製薬会社さんはやっているのかということを考えますと、これで例えば新薬に認められてしまうとか、何か常識と外れたメリットがあるのでしょうか。何もないのでしょうか。これは新薬扱いになるのでしょうか。お聞きしたいと思います。

○田辺会長

 では薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 このものについては新医薬品としての扱いになります。

 あと、このメリットは何かというところですけれども、そこについてはこちらからはなかなか明確な答えはできないかとは思います。

○松原謙二委員

 どのようなことが考えられるでしょうか。お答えになられないのだったら。

○中山薬剤管理官

 なかなかそこのメリットの部分というのは、私からはお答えできる部分がありません。

○松原謙二委員

 お答えできないメリットがあるということですので、私が申し上げたいのは、国民の目から見て何か少し工夫しただけで費用が高くなるとか、いろいろなことがもし維持できるとかあるのであれば、先ほどの企業戦略に乗ってという話ではなく、国民にとって一番いい形を選んでいただきたいので、そのあたりのことを言えないのだったら言えないで仕方がございませんが、よくよく考えていただきたいと思います。

○田辺会長

 薬剤管理官、お願いいたします。

○中山薬剤管理官

 1つ申し上げるとすれば、服薬回数の減少という観点でアドヒアランスの向上というのが1つの大きな利点として挙げられると思いますので、そういった観点で新医薬品としての開発をされたということかと思います。

○松原謙二委員

 新薬になると、ほかには何のメリットもないのですか。私はこれをつくったらいけないと言っているのではなくて、世の中の状況から見てきちんとしないと、そこのところはしっかりしていただきたいと思います。

○田辺会長

 では清野委員長、お願いいたします。

○清野委員長

 御説明の中で言葉が足らなかったと思うのですが、配合剤のルールということで0.8掛けになりますので、そういう意味では薬価はむしろ安くなる。計算していくと実は想定している薬価は現存のものよりも安いということで下げ止まっていることがありますので、先ほど服用回数が1回になることによるアドヒアランスの向上と、もう一つは配合剤のルール、0.8掛けが現在のルールなのですが、薬価がある程度抑制されるという点はあるかと思います。

○松原謙二委員

 そうすると製薬会社さんはすごい努力をしてくださって、では何もメリットがないのですか。例えばこれのコピー薬が出るのが遅くなるとか、そのようなことはないのですか。

○田辺会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 後発品という観点では、それが遅くなるとかそういったことはあると思います。あと、いろいろな競合品との競争の中でということで、こういった開発をしたことであろうと思います。

○松原謙二委員

 遅くなるとかそういう話ではなくて、立派な会社ですので、もう少し先ほどの成長戦略に資するようなところにエネルギーを使ってもらいたいと私は思っているところであります。歴史のある立派な会社ですから、日本をリードするような新薬をぜひつくっていただきたい。配合剤のほうへエネルギーを使うよりも、そちらが先ではないかと思っているところであります。

 以上です。

○田辺会長

 ほかいかがでございましょう。では中川委員、お願いします。

○中川委員

 お願いなのですが、市場規模予測というものがありますね。そこでピーク時何年度、患者数何万人で幾らと出ますけれども、年間患者さん1人当たり幾らというのを書いてもらえませんか。そうなるとコスト意識といいますか、こんなに高いんだということがわかりやすいと思うのです。可能ですよね。

○田辺会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 検討は可能だと思います。ただ、現在では1日薬価ということで記載している状況です。

○中川委員

 これは一般国民にもわかるように、1日薬価と言ったって意味がなかなかわからないのです。一般の方は。年間患者さん1人幾ら使うのだと。1日ではなくて、そのような表示も必要だと思います。

○田辺会長

 清野委員長、お願いいたします。

○清野委員長

 薬価算定組織では、全医薬品ではないのですけれども、非常に患者数の多い医薬品あるいは新規で比較的高額な医薬品、そういった薬剤については1年間の治療費、仮定している薬価の場合にはどれぐらいかかるか。それを比較しての検討とか、そういったことはディスカッションの中で入れております。

○田辺会長

 花井委員、お願いいたします。

○花井委員

 中川先生の御意見はごもっともなのですが、最も1年間に1人当たりの医療費がかかる私たちの集団をすると、この病人はこんなに金がかかるという表示にもなるので、別にそれ自体が隠し立てしているとかいうことではないのですが、それがまた変な形で使われて、疾病自体に対する攻撃というか、金を食っている病人だというように使われるのは非常に懸念があって、そういうことを配慮しながら情報を、別に計算すればわかるのですけれども、そういう心配があるので慎重に出し方は検討いただきたいと思います。

○田辺会長

 では中川委員、お願いします。

○中川委員

 花井委員のおっしゃることはよくわかります。その辺の配慮も含めてやっていただきたいと思っております。

○田辺会長

 では薬剤管理官、お願いいたします。

○中山薬剤管理官

 実際のところ、それぞれの薬剤ごとに使用する期間が様々であったりというような状況もございますので、なかなか単純に1年間ということでやるというのも、また誤った形でのものをお示しすることになってしまう場合もあるということで、そのあたりどうできるか、どうするのが適切かということは検討させていただきたいと思います。

○田辺会長

 他いかがでございましょう。いろいろな課題をいただいた気がいたしますけれども、他に御質問等もないようでしたら、本件に関しましては中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○田辺会長

 では説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。

 次に、高額な医療機器を用いる医療技術の費用対効果についてを議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。企画官、お願いいたします。

○眞鍋医療課企画官

 それでは、資料の総−3を用いまして、高額な医療機器を用いる医療技術の費用対効果の評価について、進め方についてお諮りをさせていただきたいと思います。

 1ページ目でございますが、背景といたしましては、四角の中にございますけれども、平成28年度の診療報酬改定の附帯意見の中に記載があるところでございまして、そこを抜粋してまいりました。9ポツのところでございますが、その3行目から「あわせて、著しく高額な医療機器を用いる医療技術の評価に際して費用対効果の観点を導入する場合の考え方について検討すること」とされているところでございます。

 このような附帯意見を受けまして、次の今後の進め方のところでございますけれども、現在、試行的に医療機器、医薬品の費用対効果の導入を進めておりますけれども、これと同様に、まずは具体例を選定し、費用対効果の観点から検討を行い、制度設計に向けた考え方の整理の参考としてはどうかということと、また、この検討につきましては今後、上記について費用対効果評価専門部会におきまして検討を進めてはどうかということで、検討を開始させていただきたいということをお諮りするものでございます。

 御説明は以上でございます。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○田辺会長

 では、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。

 本日の議題は以上でございますけれども、事務局からその他として資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。

○佐藤安全対策課長

 本日の資料の中医協 総−4「オプジーボの使用上の注意の改訂について」を御報告させていただきます。

 オプジーボでございますけれども、平成281018日付で使用上の注意の改訂をしてございます。使用上の注意の改訂の根拠となりましたのは、この表1にお示ししてございます投与後31日を超えて発生する副作用というもの。あとは血小板減少性紫斑病、心筋炎、横紋筋融解症につきまして、この表にお示しさせていただいたような副作用報告が集積をいたしましたので、それを根拠にいたしまして使用上の注意の改訂を行ってございます。改訂しました使用上の注意につきましては、この資料の10ページ目に御紹介をしていますので、御参照いただければと思っております。

 本剤につきましては、資料1ページの2ポツでございますけれども、承認日以降の副作用の集積状況ということで御紹介をさせていただいております。悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞がん、それぞれにつきましてこの表にお示してございますように重篤な副作用、悪性黒色腫で18.5%等々の副作用例数がこれまでに集積をしている状況でございます。

 2ページ目に御参考といたしまして、同一の効能・効果を有する抗悪性腫瘍薬、これは例でございますけれども、同様の使用成績調査の結果をお示しさせていただいておりますので、御参考にごらんいただければと思います。

 報告は以上でございます。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。

 では中川委員、どうぞ。

○中川委員

 今の資料の2ページのところです。3ポツの悪性黒色腫のところでニボルマブとイピリムマブは抗体製剤ですね。それとベムラフェニブは化成品です。こうやって比べると当初の印象よりも、副作用も重篤副作用の発生率も化成品と余り変わらないのではないかという気がするのですが、見解としてはどうですか。

○田辺会長

 事務局、お願いいたします。

○佐藤安全対策課長

 今、御指摘をいただきました悪性黒色腫でのニボルマブとイピリムマブ、ベムラフェニブの比較ということでございますけれども、我々規制当局としまして、本薬剤の副作用が少ないとか、そういった評価をしたことはございませんで、基本的には医薬品は有効性と安全性のバランスの評価の上で承認をされてございます。

 ちなみにニボルマブでございますけれども、悪性黒色腫の治験の段階では重篤な有害事象が48.6%ということでございますので、必ずしも副作用が少ないということを私どものほうでアピールをしているわけではないだろうと思っております。

○田辺会長

 中川委員、お願いします。

○中川委員

 揚げ足を取るわけではないですが、役所が少ないとは言っていないですよ。メーカーサイドからはそういうニュアンスのアピールはなかったですか。いや、責めているわけではなくて、どうですか。

○佐藤安全対策課長

 広告ですとか宣伝として不適切なものがあれば、私ども医薬・生活衛生局でも適正に監視、指導はさせていただきたいと思っております。

○田辺会長

 他いかがでございましょう。松原謙二委員、お願いします。

○松原謙二委員

 少し余計なことを申します。オプジーボは免疫を復活するということで、当然自己免疫疾患が多発して副作用として出るのは致し方のないことかもしれません。以前の別のたんぱく質のときにはほとんど膠原病となり致死的な副作用があったのでアメリカで開発できなかったということも聞いております。少しでも多くの患者さんに使えるようにということで安くするのは大変よいことなのですが、薬剤専門官の方にお聞きしたいのです。一部のリンパ球を刺激増殖させて腫瘍に向かわせる免疫療法というものが保険では採用されていないのですが、一部のリンパ球だけ育てて、それに少量のオプジーボを入れて、腫瘍を攻撃するリンパ球だけ武装すると、非常に安くてよく効いてほかのリンパ球は膠原病を起こさずに副作用がないのではないかと夜中に思いついたのですが、そんなことを研究しているところはございませんか。算定組織に申請はございませんか。

○田辺会長

 他いかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。

 では、他に御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと存じます。

 本日の議題は以上です。なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。どうも御参集ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03−5253−1111(内線)3288

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