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2016年12月19日 第26回保険者による健診・保健指導等に関する検討会議事録

保険局医療介護連携政策課データヘルス・医療費適正化対策推進室

○日時

平成28年12月19日(月)14:00~16:00


○場所

全国都市会館 第1会議室
東京都千代田区平河町2-4-2


○議題

1.特定保健指導の運用等の見直しの論点整理
2.効果検証WGにおける質問票の分析結果(報告)
3.後期高齢者支援金の加算・減算制度検討WGの検討状況(報告)

○議事

○多田羅座長 本検討会の座長を仰せつかっております多田羅です。どうぞよろしくお願いします。定刻になりましたので、第26回「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」を開催させていただきます。

まず、前回の開催から委員の交代がありますので、本日の委員の出欠状況とあわせて、事務局から御紹介をお願いします。

○高木室長 事務局でございます。

 委員の交代について御紹介します。

伊奈川委員にかわりまして、全国健康保険協会理事の藤井康弘様に御就任いただいております。

 続きまして、委員の出席状況でございます。

本日は、岡崎委員、久野委員、細江委員、吉田委員より欠席の連絡をいただいております。

また、吉田委員の代理で、三輪参考人に出席いただいております。

 続きまして資料の確認でございます。議事次第、座席表、資料1「第3期における特定保健指導の運用等の見直しの論点整理」、資料2につきましては、質問票の分析の中間報告の概要と詳細のものでございます。資料3は「後期高齢者支援金の加算・減算制度の見直しの検討状況」でございます。

 過不足等がありましたらお申し出ください。

 以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

それでは、早速でございますが、議事に沿いまして審議を始めさせていただきたいと思います。

 まず、議題1でございます。「特定保健指導の運用等の見直しの論点整理」について、事務局から説明をお願いいたします。

○高木室長 それでは、資料1「第3期における特定保健指導の運用等の見直しの論点整理」につきまして、御説明させていただきます。

 1枚目の表のところに、第25回、前回からの追加点を書いております。ここにつきまして御説明させていただきます。

 おめくりいただきまして1ページ目でございます。これは前回の1116日からの追加の論点を反映させていただいておりますので、2ページ目以降でそこのところについて御説明させていただきます。

 まず2ページ目でございますけれども、これは前回も、各保険者の特定健診・保健指導の実施率の公表につきまして、遅くとも30年度と前回御報告させていただきましたが、真ん中の2つ目の○のところでございますけれども、「厚生労働省において、全保険者の特定健診・保健指導の実施率を、29年度実績から公表する」としております。

※3のところでございますけれども、「一部の保険者では報告漏れやシステム上の不備等により正確な実施率の報告ができていないが、こうした保険者も第3期に向けたシステム改修を29年度中に行う中で必要な対応を行うことで、30年度に行う29年度実績の報告から正確な報告が可能である」としております。

 おめくりいただきまして3ページ目でございます。これはまず、保健指導の趣旨につきまして、もう一度きちっとその趣旨を押さえていただく必要があるということで用意しているものでございます。効果的な保健指導により、まず対象者を減らすことで実施率の向上につながるということでございます。

 下のところに「標準的な健診・保健指導プログラム」とございますけれども、20年度から実施しているこの特定保健指導につきましては、健診結果から身体状況を理解し、代謝等の身体のメカニズムとその生活習慣について、本人が自ら理解し、その改善を自ら選択し、その結果、健診データの改善に結びつくように支援することが重要であるとしております。

 こうした効果的な保健指導を実施することによりまして、翌年以降に特定保健指導の対象外になる、ないしは新しく特定保健指導になる人を減らしていくことによりまして実施率の向上が図られるというものでございます。

 続きまして、4ページ目が新たな論点として追加したものでございます。「特定保健指導の実績評価の方法の見直し」でございます。現在は、初回面接において医師、保健師、管理栄養士の面接による指導の下に行動計画を策定し、6カ月経過後にその評価を行うという仕組みになっております。厳しい保険財政の中で、保健指導の質を確保しつつ、保健指導の利用者の負担の軽減も図りながら、対象者の拡充に対応する等の観点から、この行動計画の実績評価を3カ月経過後(積極的支援の場合は、3カ月以上の継続的な支援が終了後)に行うことを可能としてはどうかとしております。

 メリットとしては、対象者の実情に応じた保健指導がより可能になり、利用者の負担の軽減や対象者の増加が図られる。実績報告も年度内に行いやすくなるということでございます。デメリットとしては、生活習慣改善に関する意識づけが十分でなく3カ月以後にリバウンドしてしまった方がいた場合に、フォローするかどうかというのは保険者の判断に委ねられる。ただし、次年度の特定健診ではその結果をフォローすることとしております。

 もう一点でございますけれども、保険者と委託先との間で適切に情報共有され、保険者が特定保健指導全体の総括・管理を行う場合は、初回面接実施者と同一機関以外であっても、実績評価を行うことを可能としてはどうか。そうしたことによってデータの共有が図られまして、保険者のマネジメント強化も図られると考えております。

 これが新しく追加した論点でございます。

 続きまして5ページ目につきましては、こうした3カ月で評価を見直した場合の体重等の変化につきまして、実際に3カ月間によってその体重が減少している例、データ、腹囲につきましても同様にそうした効果があらわれているというものでございます。

 続きまして6ページ目は、前回と同じ資料でございますので省略させていただきます。

 7ページ目、これが前回からのもう一つ追加の論点でございます。健診の受診当日の特定保健指導の実施についてでございます。この受診当日の特定保健指導の初回面接につきましては、特定保健指導の受診当日に腹囲、体重、血圧等の状況から、特定保健指導の対象と見込まれる方々については、その把握できる情報をもとに、医師、保健師、管理栄養士が初回面接を行い、特定保健指導計画を暫定的に作成する。後日、全ての項目の結果から、医師が総合的な判断を行い、専門職が本人に電話等を用いて相談しつつ、その計画を完成するという方法を可能としてはどうかというものでございます。

 これによりまして、保険者と委託先との間で適切に情報共有されていれば、先ほど申し上げた同一機関要件というものもなくして、同一機関以外であっても可能としますし、初回面接を2回に分割することによって、メリットとしては、健康意識が高まっているときに受診者に働きかけることができるとか、受診者によっての利便性がよいとか、定期健診と連携することで、産業医・産業保健師との連携も図られると考えております。

 デメリットとしては、こうした方々について面接を実施した場合に、階層化によって対象にならなかった方々についても最初に面接を行いますので、費用がかかる場合がある。ここにつきましては保険者において判断いただければということで提案させていただいております。

 特定保健指導の関係につきましては、前回の御意見を踏まえまして、こうした論点を新しく追加しております。

 説明につきましては以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

新しく見直しの論点についてかなり重要な点も御報告いただけたと思います。特に6カ月を3カ月にするというところはかなり基本的な点ではないかと思います。ということも含めまして、事務局のほうでは、ここで45分程度議論してくれというお話でございますので、ひとつたくさんの委員の方から、基本的な見直しの観点、特に重要な点かと思いますが、もう既に始まって10年になるわけですので、それを見直すということですから、皆さんの積極的な意見をいただきたいと思います。

それでは、4ページ、3カ月にするというあたり特に、いかがでしょうか。

 では、津下委員からお願いします。

○津下委員 それでは、4ページ、5ページあたりについて補足説明します。第1期から積極的支援においては6カ月後の評価を行うことになっております。それは行動変容が定着するまでに一定の期間がかかるという研究によるものです。ただ、従来、実際の保健事業では3カ月程度の期間で実施されていることが多いことから、「標準的な健診・保健指導プログラム」には、「3カ月以上の継続的な支援を行う」ことという記載になっておりまして、評価は6カ月以上ということになっていました。

 ただ、現在、実施率を高めていくことや、より脱落率を減らすことの必要性が課題となっております。6カ月間の継続支援期間中に保険者が変わって脱落になるケースが少なからずあります。また、翌年度に繰り越しが必要になる割合が高いという課題があります。6カ月間のフォローが実施しにくいということも多く声として聞いていたところです。

 5ページにございますのは、積極的支援の中で3カ月後に実測値で体重、腹囲をはかっているプログラムについて、3カ月、それから3~6カ月でどのような変化があるかということを研究班のデータから改めて検討してみたものです。見ていただきますように、最初の3カ月間のほうで約2キロ、そして後半で約0.5キロの減量がありました。前半のほうが大きな変化があったということです。これは初回の面接で動機付けをされて、具体的に行動変容が始まって、結果が出るまでに3カ月間ぐらいの支援で一定の結果があらわれているのだろうということを示唆します。

 大事なポイントは、この後にリバウンドさせないようにサポートするということです。3~6カ月は急激に減っているわけではなく、むしろリバウンドを防止しているということになろうかと思います。

 ということで、保健指導の生活習慣改善の効果としては3カ月で見ることができますが、その後リバウンドさせないようにしていく工夫というのが必要と思われます。特定保健指導以外の取組みの推進、例えば、保険者によるポピュレーションアプローチ、コラボヘルスなどの枠組み、環境づくりなどで努力していただかないと、リバウンドが予測されるため、今までのような効果は継続しにくいかもしれない。その点について心配しているところでございます。

 平成20年度に制度がスタートしたときには、メタボリックシンドロームについての理解も進んでいませんでした。健康日本21によるポピュレーションアプローチや環境づくりはここ10年間でかなり進んできたことや、ICTの導入によりさまざまな情報提供や健康支援のできる環境が整ってきたことを考えていくと、特定保健指導以外の方法でのサポートがあれば、何とか切り抜けることができるのではないかなあと考えております。特定保健指導としては3カ月を区切りにするというのも1つの方策ではないかと考えた次第です。

 以上です。

○多田羅座長 ありがとうございます。

どうぞ。

○井伊委員 3カ月について、こういうデータがあるのだということは以前にもお示しいただいておりましたので、その3カ月の評価というのはそれなりに妥当性あると思いますが、ただいま津下委員から御説明ありましたように、リバウンドの問題と、それからもう一つは、みんながみんなこのように行動変容した結果が、すぐ1カ月、2カ月で数値にあらわれるとは限らない。特に年齢的にも、40代とかでしたら、割方、やったことがそのまま結果に出てきますけれども、そうはいかない方々も相当数いると思います。

 そういう場合に、3カ月で一律に、評価するのだということになると、懸念するのは、無理なダイエットを強いる結果になるということです。体重の変動にしても、1カ月に1キロずつ減るというのはちょっと多過ぎるのではないかなという印象もあります。

○多田羅座長 「可能とする」という表現ですが。

○井伊委員 改善が見えている人に限っては。しかし、そうでない場合でも3カ月でよろしいようなメッセージになるのはいかがなものかなと思います。

○多田羅座長 そうですね。そこは課題ですよね。ありがとうございます。

 白川委員、お願いします。

○白川委員 医学的、あるいは専門的な立場からの御意見、わかるのですけれども、実施する者にとって6カ月というのは大変な話でございまして、ここにもいろいろ例を書いていますけれども、大体4月、5月に健康診断を開始し、その後、階層化をやり、その報告を年度内におさめようとすると、10月までに健診を開始しないと間に合わないという話なのですね。6カ月たつと、また翌年の4月、5月に健康診断が始まる。はっきり言って、その人のためにはいいことかもしれませんが、全体で見ると非常に非効率で、しかも、私どもの調査では、6カ月やると2割ぐらいの方が途中で脱落するというデータがあって、これは実施率には反映されないということに今のところなっています。脱落は、全くやってないと同じということになってしまいますので、やはり6カ月は長いと思います。

津下委員のほうでまとめていただいたデータを見ると、最初の3カ月でかなり効果が高い。この1カ月1キロが多いか少ないかという議論はもちろんあると思いますけれども、その後の保健指導によって、体重が0.5減っているのかどうかよくわかりませんけれども、御本人の生活習慣の改善によって自然に減った分も多分この中に入っているのだと、想像していますけれども、そういうことを考えると、要は、100%の効果を狙って6カ月にするのか、8割か9割ぐらいの効果を狙って3カ月ということで割り切るのか、その選択だと思っておりまして、私としては3カ月ということで、もちろん保健師等が必要と思われればその後もフォローしていただければいいわけで、効果の出た人をさらにまたフォローしなければいけないというのは論理的にもおかしいと思います。利用者側にとってみても、はっきり言えばもううるさいという感じですね。3カ月で効果が出ているのに、まだ何でフォローされなければいかんのかと。

○多田羅座長 念を押すということですかね。

○白川委員 ええ。ですから、翌年の健康診断のときにまた数値をチェックして、またリバウンドしているということであれば再トライ、再チャレンジするというようなのが実際的であろうと思います。

 ただ、私ども、前から問題提起させていただいているのは、1つは、保健指導の実施率をどうやって上げるかということに今回は集中しないと、いつまでたっても全国平均で17%という数字は上がらない。だから、どうやって上げるかという点と、それから、被用者保険にとってみると、就業時間中に保健指導をやるというのは相当制約されますから、それをどうにか工夫して乗り越えなければいけないという問題があります。

 もう一つは、費用が相当かかる。1人当たり3万円から3万5,000円ぐらい、積極的支援の場合はかかると試算されておりますけれども、少しでも値段を下げれば、その分、保険財政は限られていますし、対象者をふやすことが可能になるという観点からも、期間は3カ月というのが適切だろうと思います。

 ただ、ポイントは、180ポイントのままということですね。それはちょっと私はおかしいのではないかと思うのです。3カ月で180ポイントというのは、どこかで資料に出ていましたけれども、これはまた別の議論ですか。

○多田羅座長 180ポイント維持というのはどこかに書いているはずですね、事務局。

○高木室長 180ポイントにつきましては、前回も御説明させていただきましたが、資料13ページ目になります。13ページ目で、積極的支援で2年目に該当した場合に、改善していた場合には、2年目は180ポイントに限らない、しなくてもいいという御提案させていただいております。1つ目の○でございますけれども、現在、多くの保険者で200ポイントを超える保健指導が実施されているということで、積極的支援の投入量の180ポイント以上の要件は引き続き用いることとしてはどうかとしております。

 なお、14ページ目には、その組み合わせの例として、電話等の支援で、10分ではなくて5分でもできるとしておりますけれども、こうした現場での運用において180ポイントを確保するといった形で、こうした計画で支援が行われているということでございます。

○白川委員 引き続きよろしいですか。

○多田羅座長 どうぞ。

○白川委員 申し上げたいのは、現在、積極的支援を実施している方の平均ポイントが180ポイントを超えているというのはわかります。私は、そうではなくて、もう少し対象者、実施者をふやすべきではないかという意見でして、同じように、この3カ月で180ポイントをやろうとすると、多分、費用も3万円から3万5,000円、そのまま据え置きということになるでしょうし、実際に実施していただく保健師や管理栄養士は、下手をすれば月に3回も4回も電話をかけたりメールをしなければいけないということになってしまいますので、そういったことは、被用者保険ではもうほとんど不可能です。

前回も申し上げたと思いますが、現場で旋盤を回している方に、月に3回も4回も保健師が電話かけてというようなことが許されない職場がたくさんありますから、ですから、私は、このポイント数は見直すか、もしくは、初回面接を180ポイントの中に入れていただけるというのなら、180ポイント維持でも構わないと思います。たしか面接が120ポイントだと思いましたけれども、そうすれば、あと20ポイントずつ、月に1回は必ずフォローしていくのだということで私は十分ではないかと思っております。

 少ししつこいようですけれども、最終的には、いろんな計画をつくったり宣言をしていただいたりというのは初回面接のときに大体やるわけですけれども、あとは御本人がどれだけその気になるかということが生活習慣改善では大きな要素であって、専門家の方から月に3回も4回も尻をたたかれなければやらないというような方、もちろんいると思いますが、私は余り多くないのではないかと思っていますので、この180ポイントの見直しというのもあわせてぜひともやるべきだと申し上げたいと思います。

 以上です。

○多田羅座長 ありがとうございます。3回で180ポイント、津下委員は、この180についてはどういう見解でございますか。

○津下委員 今回、保健指導を繰り返して実施される方についての軽減策については別途提案されているようですので、初回の保健指導の方について述べます。積極的支援では初回の面接で行動目標をつくりますが、説明を聞いていきなり目標を立てることから実現可能性が低い目標を立てる方も少なくありません。そこで2週間後にその立てた目標が実現可能かどうか、記録をちゃんとつけられているか、体重の変化はどうかなどについて確認します。本人が生活の中で実行できる目標にだんだん整理していくプロセスを、2週間、1カ月後など、早い段階に手厚くやっていると思います。そういう中で、食生活や運動について本人なりの見直しが始まっていき、その後の生活習慣改善の中で効果が出てきます。研究班では、多くの保健指導のデータを整理してみているのですけれども、その中で明らかになってきたことは、最初に目標を立てて、それが自分が本当にやる目標なのだということの腹落ちをして実施していく、その部分はちょっと手をかけてやる必要があるだろうと。その後、2週間後、1カ月、2カ月で支援、3カ月後に保健指導と評価を重ねて実施するとなると、それだけで180ポイント到達できると思います。無理なポイント数ではなさそうだとは見ています。より少ないポイントで効果が出るかどうかということについては、そういうエビデンスが今のところ十分に収集できてないということもありますので、判断は控えなければならないと思っております。

○多田羅座長 一応180ポイント維持ですか。

○津下委員 そうですね。180ポイント維持。160がいけないかと言われると、160がいけないというそのデータがないのですけれども。わかっていることは、初回を実施して1か月間は最低でも2週間に1回くらいは連絡を取ったほうが定着率は高く、体重減少と関係があると。そして、その後は月に1回ぐらいに目標を伸ばしていく。今回3カ月で評価となれば、3カ月後には次の健診まで自分で頑張らなければいけないので、3カ月後の指導というのは今までよりもしっかりとする必要があるかもしれません。来年の健診まで体重をふやさない、むしろ少し減量していくというような目標をしっかり立てていくことになると思うので、3カ月後を緩めることは難しいのだろうなと思うと、180前後は必要なのではないかと思います。

○多田羅座長 わかりました。

 では、藤井委員。

○藤井委員 私どもも、同じ保険者として白川委員と同じような意見を持っておりますが、利用者の方々の負担を考えましても、正直、6カ月というのは結構負担大きいなというようなこともこれまでも中で議論してきましたし、そういう意味で、今回、3カ月という選択肢を加えていただけるのは大変ありがたいと思っていますが、私ども、180ポイントというのはかなりしんどいなと思っておりまして、実際どんなことをどのようにはめていかなければいけないかということもあって、私どもは直接の面談というのがなかなか難しいという保険者なりの事情もあったりもしますので、そうすると、3カ月で180ポイントというと、2週間に1回ぐらい手紙とかメールとかやっていかないととても達成できないような数字になってまいりますし、また、180ポイントを維持すると、たとえ6カ月が3カ月になっても、恐らく、例えば委託費とかを減らすこともできないというか、なかなか難しいので、そういう意味でも、ちょっと私どもとしては効果が薄れてしまうかなという気もします。

 これは実際3カ月でも結構効果が上がっているというデータがあるのですが、この効果が上がっているケースについて、実際に何ポイントだったかとか、そういうデータというのはとれないのですかね。せめてこの3カ月で効果が上がっているケースのポイント数なんかが、データで出てくればですね。

○多田羅座長 わかりました。ちょっと事務局でその点。

○高木室長 まず、現行制度の仕組みとして、積極的支援は3カ月間、180ポイントやって、その後3カ月間はフォローということで6カ月となっておりますので、その意味で、私どもも6カ月を3カ月にするというところについて、質は落とさないままで、きちっとその報告はとれるようにするという効果があると思いますので、その意味でも、この効果が上がっているというのは、先ほどの津下委員のプログラムもそうだとは思いますけれども、最初に人がきちっと介入して、3カ月間ちゃんとやる。そこの部分はちゃんと180ポイントも確保する。その後は、もともとその180の規制が入らないですから、それを3カ月以上、もうちょっと180ポイントを長くやっても別にいいのですけれども、いずれにしても、そこはフォローしているというだけですので、ここの部分は180ポイントをきちっと確保しているやり方なのではないかと思っています。

○多田羅座長 では、現状でも、前半3カ月で180ポイントこなしているはずだと。制度としてはね。

○高木室長 はい。制度としてはそういうことになっていると。

○多田羅座長 だから、そこに手をつけている気持ちはないということですね。

○高木室長 ないというか、そのような御提案でございます。

○多田羅座長 白川委員、そこはどうですか。3回で180ポイントは、従来もそういう格好だと。

○白川委員 何回も申し上げているとおり、だから進まないのですよと申し上げているわけです。だから、17%しかいかないのですと。

○多田羅座長 3カ月の問題だけでないわけですね。

○白川委員 ええ。申し上げたいのは、前から何回も言うとおり、どうやったら積極的支援と動機付け支援を実施する人をふやせるのかということに集中して議論していただきたいというのが、前回、ペーパーでもお出ししたとおりでございまして、今の室長のように、今、3カ月が180ポイントで同じだからいいじゃないのというのは、私はおかしいだろうと言っているわけです。

 それは、津下委員のおっしゃるとおり、最初は集中的にやったほうがいい。それから、多分、180ポイントをきちっとフォローしたほうが成績は上がるだろうと。それはもう私も否定しません。そうでしょう。でも、何回も言うとおり、100%を狙うよりは、80%ぐらい狙って対象者をふやしたほうが全体としてはいいのではないですかというのを申し上げているわけです。

○多田羅座長 こなす数をふやしていくと。

 どうぞ、今村委員。

○今村委員 白川委員のご発言の趣旨は、特定保健指導の実施率をどうやって向上するかを考えた場合、なるべく対象者を広げる必要があるということで、そこは理解できます。ただ、結局、何のためにこの制度をやっているかというと、やはりメタボの対象者を減らして将来的な医療費を抑制するということがあるので、一定程度の効果がないと、対象者だけを広げても仕方ありません。

 確かに、8割の効果があって面積が倍になればトータルとしてはふえることになるのですけれども、それが本当に8割の効果があるのかどうかという検証がない状況です。そのアウトカムを見ないまま、実施率のこういう話とかポイントの話だけをしているのでおかしなことになっている。次の見直しというのは、例えば途中でデータを検証して、ポイント数を下げても、余りその効果が変わらないのだから、ポイントを見直す、例えば2年後に見直すといったことは考えられるのですか。それとも、5年経過しないと、このポイントを見直すことはできないということなのでしょうか。

○高木室長 今回、積極的支援に2年該当した方々について、その2年目は180ポイントでなくてもいいという見直しを御提案させていただいております。これがこういった形でやった場合には、そういった方々のデータがとれますので、どれぐらいのポイント数ないしは量でやっているかをデータでとるということによって、一定量がどの時点になるかというのは現時点で申し上げられませんが、見直しをやるというやり方はあるかもしれません。

ただし、その場合に、見直しの内容によってはシステム改修にも影響がありますので、そういったことについても保険者の皆様で御了解いただく場合にはそうした仕組みが可能であるということでございます。

 あともう一つは、先ほど、180ポイントのところの前後とおっしゃっていただいた意見もありましたけれども、ある程度の幅を認めるようなことを考えるというのであれば、今のうちにそうしたところについてどこまでを認めるのかといった議論はあるのかなと思っております。

○多田羅座長 その180ポイントについてですか。

○高木室長 180ポイント以上としておりますけれども、そこの部分について、例えば電話については、5分、10分というのは、現場の運用によっては専門職の判断において柔軟に対応しなくてはいけない部分もあろうかと思います。そういった投入量といったものについて、どこまで一律に考えるかという問題だと思います。

 そのときに、180ポイントというのは、制度ですので一律にやらざるを得ない部分がございますけれども、そこのところをどこまで例えば現場での柔軟な運用というのを認めるかというような形で、その運用の範囲でそこを。

○多田羅座長 180の運用ですね。

○高木室長 はい。そこは運用の中の話なのかなと思っております。

○多田羅座長 それと、今村委員から、見直しは2年、5年、その辺の厳密さはどうかと。

○高木室長 基本は6年でやらざるを得ない部分がございますけれども、途中で変える場合には、そうしたシステム改修がどの程度まで可能なのかというのを精査した上で考える必要があると。

○多田羅座長 考えることは可能と。

○高木室長 まず、そのためのデータがとれるようになるのが多少時間がかかります。今も2年程度かかっておりますので、それが検証するに足るだけのデータが集まってきたところで初めてきちっとエビデンスを踏まえた形での議論ができると思いますので、正直申し上げると、本当は次の議論のとき、つまり、6年後のときには、この180のところの中身についてかなり精査できたデータがそろっているとは思いますけれども、それを例えば2年3年でできるかどうかというところにつきましては、今の時点ではちょっと予断を持って申し上げることは難しいということでございます。

○多田羅座長 データの確保そのものがね。わかりました。非常に大事なところになっておると思います。今村委員、白川委員、非常に基本的な点、御指摘いただいていると思いますが、せっかくですので、ほかの委員の方から。

 武藤委員、いかがですか。現場の感覚で。特に効果のあらわれ方ですね。

○武藤委員 そうですね。正直申しまして、先ほどもお話ありましたけれども、リピーターですね。繰り返しやっている方はもう少し効率的にできるのではないかと思っています。時間も短縮していますし、あと保健指導も繰り返し受けていますので、その辺はもう少し要領よくできるかな、ポイントなんかも減らしてもいいのかなという感じは受けています。

○多田羅座長 それは事務局案に賛成ということですね。

○武藤委員 そうですね。それであとは、これも前から言っていますけれども、180ポイントが本当にいいのかどうかがわからないのですね。現行も、180ポイントをやった時点で報告が行くということになっていますので、もし180ポイント以下で効果があるかどうかを調べるのでしたら、研究とか、あるいは180ポイント以下でも報告するとかいう形にしていかないと、次回か、もしくはその前にしてもデータがそろわないので、180ポイント以下でもデータを集めるような形にしていただきたいなと思っています。

○多田羅座長 データをとるためにですね。

○武藤委員 ええ。データとるため。現行ですと180ポイント以上でないと報告にならないということになっていますので。

○多田羅座長 それで、効果、有意差があるということで今回大きな一歩を踏み出したわけですから、そこのところをどう評価するか。そのデータが要るのではないかという考えですね。

○武藤委員 そういうことです。

○多田羅座長 わかりました。

飯山委員、国保のほうはいかがですか。

○飯山委員 国保の被保険者の方も、お仕事されていますから、自営業にしても、農業にしても、なかなか昼間というのは難しいところがあるかもしれません。白川委員のおっしゃることも全くそのとおりだと思うのですけれども、それから、今、武藤委員のおっしゃったことも非常に大切なことだと思うのですね。ですから、公費使って行っている仕事である以上、きちんとした尺度が必要だというのはわかりますけれども、もう少し幅を持って考えて、一定程度エビデンスが集まったところで、例えば180ポイントを、極端なことを言ってしまえば、140ポイントでも改善効果があったらオーケーにしてしまうとか、そういうのをきちんとつかまえられるようにしたほうがいいのではないかと思います。

○多田羅座長 そのデータが今ないわけですよね。

○飯山委員 ええ。先ほど井伊委員から、1カ月に1キロ体重落とすのはちょっといかがかと言われましたけれども、もうちょっと短い範囲で、例えば1日100グラムずつ減らしていくと。自分のことを言って何ですけれども、毎朝はかりに乗っていますと、300グラム増えたの200グラム減ったのというのは毎日あるわけですよ。そうやって比較していくと、平均すれば、1カ月の間に1日100グラムぐらい減るというような行動もできるわけなので、もしそれでうまくいって、仮に1カ月半で一定程度のところにいって、あとの1カ月半できちんとそれがリバウンドないということが確認できれば、皆さんおっしゃっているような、少しポイント減らすとか、少し自由な運用ができるのではないかと思いますけれども、少しそこら辺は考えていただいたほうがいいのではないかと思います。

○多田羅座長 今、井伊委員の名前も出ましたが、いかがですか、その辺。180ポイントに対する厳密さの考え方。

○井伊委員 29ページの前回の第2期の見直しのときに、3カ月後で170ポイントで、最後、10ポイントで支援Bで評価をして終了でどうかという流れになっていますので、少なくとも3カ月後だと170ポイントぐらいまでは減らすことができるという論理なのかなと思いますが、それが妥当かはわかりません。

○多田羅座長 それは、事務局どうですか。170でいいのですか。この29ページ。

○高木室長 最後の10のところですね。

○多田羅座長 10をどう評価するかですね。どこへ所属するのか。3カ月の中にこの10ポイントは入れ込むのですか。それとも3カ月の後に。3カ月に入らないのか。とすると、170ポイントになりますね。

○高木室長 まあそうですね。ただ、実際は評価のところが最後は必要ですので、この分を入れればこういった形になりますので、入れないでやる場合。

○多田羅座長 評価の10ポイントは要りますわね。これはどうしてもね。

○高木室長 ええ。そういう意味では、最初の初回面接のところも、2回に分けた場合は電話、メールでもオーケーとしておりますけれども、例えばそこのところをもっときちっとやった場合にそれを前倒しして入れられるような。もう少しそこは運用で考えられる部分もあろうかと思いますので、そこはまたよく考えたいと思います。

○多田羅座長 白川委員、いかがですか。運用でというのは。それと、170という線が出てきたのですけれども。

○白川委員 180ポイント未満でどういう効果が出たかというデータがないというのはそのとおりでございます。そういう仕組みになってないから。では今からデータとりますかといったって、仕組みがまずかったらまたとれないわけですね。途中離脱の方のデータをとるかというお話もありましたけれども、途中離脱の方のデータは全然役に立たないと私は思っております。

それから、翌年、2回目のリピーターは動機付け支援でオーケーとするということでそのデータとるかという話もありましたけれども、正直申し上げて、1回やってだめな人をまた翌年やるというケース、ないわけではないですけれども、そんなに件数がありません。それ以外の新しい方への指導を優先しますので、1度やった方をまたやるような余裕は、はっきり言って余りないのが現状です。

 さはさりながら、例えばモデル事業をやるとか、何か取組を始めないと、いつまでたってもこのままということではまずいというのは、何度も申し上げているとおりです。ですから、例えばモデルの健保組合なり保険者を決めて、積極的支援についてどういうポイントだったらどれぐらいの効果が出るのだというのを、最初2年か3年かけてきちっとモデル事業でやってみて、それから第3期の途中であっても合理的なレベルでポイントを、必要であれば変更していくということをぜひやっていただきたいと思います。

○多田羅座長 その場合、一応3回で180でスタートしてもいいのですか。

○白川委員 はい。

○多田羅座長 そのかわりモデル事業はやっていく。ないしは、170という案もありますけれどもね。

○白川委員 もちろん、そうしていただければありがたいですけれども、何回も言っているように、それだと本当に費用が下がらないのですね。我々、どうしても費用のことが気になるものですから。

○多田羅座長 ほかに皆さんいかがでしょうか。

○岩崎委員 半年を3カ月にするという点については、現場の感覚といたしましては非常に重要なポイントかと思います。

○多田羅座長 賛成なわけですね。

○岩崎委員 賛成でございます。2つございまして、1つは、毎年の制度でございますので、繰り返しの人、同じ人は優先度低くなるということはあるのですけれども、毎年または何年かのうちには2回目の支援機会があるということも結構現場では経験するところでございます。そうすると、1回目の初回面談の位置づけも、本当の初回と2回目以降の初回とまたちょっと位置づけが違うと思っておりまして、単年度で考えるのではなくて、繰り返しの制度の中の一つであるという観点から、半年を3か月に短期化しても1ついいのではないかということ。

それから、180ポイントのところがございましたけれども、これは確かに現時点では全くデータがないものですから多くのことが語れないものの、一方で、ちょっと重みづけが違うのですけれども、動機付け支援のところでも、一定の効果があったという報告もあろうかと思います。ですので、そういうことを外挿して考慮すれば、公衆衛生の政策として考えた場合、8年もたって、もう制度としては十分周知期間を過ぎたものであろうはずなのに、実施率17%ということに危機を覚えるべき時期ではないかと考えます。そのためには実施率が上がり、対象者を広げられる政策のほうへ舵を切るべきではないかという意見でございます。

○多田羅座長 そうすると、具体的にはどういう。

○岩崎委員 具体的には、ポイントをやはり柔軟にしないといけないかと思いますので、結局、費用となります。どこまで投資できるかということになろうかと思いますので、一人当たりの費用を下げないと対象者が広がらない面もありますので、わかりやすいところとしてはポイントの考え方のところを、動機付け等のことも参考にしながら、もちろん重症度レベルが違うわけでございますけれども、踏み込んでいかないといけないのではないかと思います。

○多田羅座長 180にこだわらなくてもいいと。

○岩崎委員 こだわらなくてもいいと思います。

○多田羅座長 今村委員、その辺含めていかがですか。

○今村委員 もともと私はポイントというのは科学ではありませんので余り好きではありません。エビデンスといっても、結果的には、その180という割り振りをしてやってみたら効果がありました、ありませんでしたということを言っているだけです。先ほど1カ月に1キロというお話もありましたけれども、私個人の経験では2カ月で7~8キロ落としても別に全然どうってことありませんでしたが、要するに個人の差があり、例えば体重減少なりを合理的に、健康的にできるかどうかということを個々人がどう判断できるかというと、なかなか普通の方はできませんので、専門職のアドバイスが重要であると思います。

例えば体重2キロ、あるいは腹囲を1センチ減らすのに、ある人は100ポイントで済んでしまっている人もいるだろうし、ある人は二百何十ポイントやってもならないということもあり、実は人間一人一人ばらばらなわけです。そのときにどれだけの方たちが効果的な結果を得たかというのは、何ポイントを済ませて決済ができるかできないかとかいう話と本来は多分違う話だと思うのです。これは保健指導にかかわる人たちの技量と、その保健指導を受ける対象者の問題で決まっているわけですので、できるだけそういう機会をふやして、本来的には自分で判断できないような方たちを応援してあげる対象者をふやすということが恐らく一番大事だと思います。ただし、保険者のお立場からすると、お金の決済等が関係する話になるとどうしても難しい話になっていくというのは理解できますし、悩ましいなと思って聞いています。個人的には、余りポイントのことをこだわらないほうがいいと非常に思います。

○多田羅座長 だけど、制度としては、数字として出てしまいますのでね。

○今村委員 おっしゃるとおり、そこの問題だけなのです。動機付け支援の場合でも効果的にできる人は幾らでもいると思っていますので、私ども医療機関としては、健診終わった後に、すぐ動機付け支援をすることが一番いいのではないかなと個人的には思っているところです。

 すみません。答えにならないのですけれども、感想です。

○多田羅座長 金子委員、いかがですか。

○金子委員 私たちも保険者なのですが、今言われたように、今村委員の意見がすごく的を射ているなという感じがいたします。本当に効果なんて個人によってかなり違ってくるのかなあという感じを持っていますので。ですから、私自身、これまで保健指導を受けたことがないからわからないのですが、最初に計画のときに目標を立てられるのだと思いますけれども、その目標は個人個人によって違うわけであって、必ずしもその目標はメタボに該当しなくなるまでの目標を立てるわけではないと思うのですね。その人に合った目標。そうすると、その目標までをクリアーすればいいのであって、そうしたら、ポイントも別に180にこだわらなくも、それが達成できると思います。

○多田羅座長 だから、制度としてどこに線を引くかですね。

○金子委員 そうなのですね。だから、その目標を100%クリアーしないと効果が出たと言わないのか、先ほど白川委員が言われたように、80ぐらいだったら、あとはもう自分の努力で少し頑張ってくれよというふうにやるのか。そのあたりがやはり悩ましいかなと思っていまして、当然、保険者とすれば、加入者には時間もなるべく短くしてやりたいし、広く指導を受けていただきたいなと思います。受けなければいけないのに、時間がないから受けないというよりは、短時間でも受けられるのであれば、それに越したことはないと思います。

○多田羅座長 そうですね。

北原委員、いかがですか。

○北原委員 私も、金子委員と同感なところがございます。先ほど白川委員もおっしゃっていたように、実施率が相変わらず上がらないという中においても、かれこれ10年近い歴史があるわけで、被保険者もみんなよく知ってはいながら、どうして上がらないのか。実施率の話もございますが、1つ欲しいのは、エビデンスがとれていないという中において、我々保険者としては、やはり安価にやりたいということがあり、B/Cみたいな観点から、組合員に言っていけるようなものがないのか、そういう材料がつくれないものかと思っているところがございます。それは、先ほどのポイントみたいな話、トータルの話はございますが、個々人のモチベーションを上げるためのB/Cみたいな説明ができないのかということ。

○多田羅座長 それは技術の問題ですね。

○北原委員 そういうことです。そういう中で、今回挙がっている3カ月とか、あるいはポイントの議論ももちろんそうですが、幅広くいろんなものができるというのはむしろウェルカムという印象でございます。

○多田羅座長 河合委員はいかがですか。

○河合委員 私の場合には指導を受ける側の立場でこの話を見聞きしているわけですけれども、先ほどから何人かの方から出ているように、自分の体重が目に見えて落ちていくというのは、専門家の指導のもとに自分の体重をきちんと把握できている状態にあるということだと思うのですね。脱落せずに、自分の体重管理ができている人をどんどん増やしていくことを目的とするのであれば、制度上の問題というのはいろいろとあるとは思いますが、3カ月ぐらいできちんと見ていくほうがいいのだろうなということで、私も、この3カ月で1度チェックしていくというほうが、6カ月よりは脱落せずに済むかなと思っております。

○多田羅座長 ありがとうございます。

伊藤委員、いかがですか。

○伊藤委員 利用者の立場からは、脱落率の低下につながるという点については効果を非常に期待したいと思っています。一方で、例えばジムに通って頑張って短期で効果を出すと宣伝している企業がありますけれども、やはりリバウンドの話を聞くのですね。そういうのを考えますと、やはり3カ月後の取組支援というのが重要だと思っていますので、ポイントの評価対象外とされるので、濃厚な個人個人への対応というのが難しくなってしまうのかもしれませんが、そこはやはり重要だと思います。そうでないと、3回ぐらいリバウンドしているうちにやる気がなくなりモチベーションが下がってしまうと思うので、それで実施率を確保したからといって全体の政策効果が確保できるのかという心配もあります。

 また、ポイント制の180ポイントについては、エビデンスを何とか確保してから検討してはどうかと。

○多田羅座長 180ポイント確保の方向で努力する。

○伊藤委員 そうですね。とりあえずエビデンスがない以上は何とも言えないので、それはエビデンスを確保するための取組や必要ではないかと思います。

○多田羅座長 わかりました。

 三輪参考人、いかがですか。

○三輪参考人 白川委員の御意見に賛成です。何しろ、180ポイントとかにこだわらないでいいと思います。6カ月を3カ月にするというのも賛成ですけれども、井伊委員がおっしゃったように、ある程度体重減ってから安定するまで時間がかかるのです。それで6カ月ということが出てきたのだと思います。それを3カ月にすると、3カ月だけ一生懸命やって、あとはまたリバウンド。また次の年ひっかかったら、3カ月だけという人が若干出てきてしまうのですが、たくさんの人にやっていただくということでそのメリットが出てくる。ですけれども、積極的支援の料金が3万から3万5,000という話が出ましたが、半分ぐらいにできるようにして、手間暇かからないようにして、倍の人たちにやっていただくということができればかなり効果上がってくると思いますね。

○多田羅座長 8割ぐらいでも、nがふえるほうがいいということですね。

○三輪参考人 そうです。ですから、例えば6カ月やっていたことを3カ月に凝縮するだけだと余りコストが下げられないと思うのです。津下委員が以前に分析していただいたように、動機付けでもある程度効果出るということは出ているわけですから、それをエビデンスとして、余りポイントとかにこだわらず、3カ月である程度のことをやる。料金をなるべく、半分は難しいかもしれませんけれども、そのぐらいまで絞るようなやり方にしないと、広くやっていただけないのではないか。

○多田羅座長 わかりました。

では、高野委員、いかがですか。

○高野委員 3カ月で十分でない人々というのは、行う意味を十分理解してない人々だと思うのですね。そういう意味では、かなり指導においても行い方に工夫が必要なので、それにすごく費用と時間をとられているよりも、ある程度全体の対象者をどんどん減らしていくというためには、改善するために動機付けぐらいでできる人たちを幅広くこなして、全体的にも減らすという方向があっていいのかなと思います。そういう意味では、3カ月というのは意味があるのではないかと思います。

○多田羅座長 180はどうですか。その辺の厳密さは。

○高野委員 電話とかそういうところの重みでポイントにしていますけれども、これが、時間さえあればいいというものでないので、それぞれの個性によって時間が違うと思うのですね。とりづらい人もいるし。ですから、ポイントにこだわらないほうがいいような気がします。

○多田羅座長 鈴木委員、いかがですか。

○鈴木委員 大分長い間この問題やってきていますので、ある程度成果が上がっているというものが数字で見られるような形になるのが一番いいのではないかと思うのですね。そのためには何がいいかというのは、保険者の立場として言うには、お金の問題もありますので難しいですが、基本は、実施率は確かに、長い間このことをやってきて、ずっと上がってきているんだよというものが、世間からというか、一般から評価できる、わかりやすいようなものが私はいいのではないかなと思います。

○多田羅座長 実施率がなかなか上がりませんからね。それで、白川委員から厳しい意見をいただいているわけですから。

○鈴木委員 長い間やっていて全然変わってないねと言われるのが一番つらいような気がするのですね。

○多田羅座長 では、申しわけございません。下浦委員、いかがでしょうか。

○下浦委員 私のほうは、どちらかというと指導者の立場ということになります。3カ月で確かに評価が出るということは非常に歓迎でございますので、いい方向だと思っております。

それとあとポイントについては、白川委員がおっしゃるように、モデル的にどこかで実施する。確かに旋盤されている方に我々の指導者のほうから電話をして、なかなか時間をとっていただけないというのは指導者としても心苦しいところでもあろうかと思います。そういった意味では、モデル事業的に行いエビデンスをつくっていくというのも一つの方法かなと思っているところでございます。

 以上です。

○多田羅座長 では、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 この支援の関係ですけれども、今、御提案いただいている3カ月後の評価というのは、ここで評価されるということは、この3カ月間で6カ月分の支援、これを凝縮するという意味ではないと思うのですね。あくまでも、3カ月たてば評価ができるという判断に立っておられるのだとすれば、私は、3カ月後で評価するのはいいのではないのかと思います。

 それとあとポイントについては、これはあくまでもその一つの支援に対してポイントを設定しているだけなので、3カ月後の評価のときに180ポイントを必要とするというのとはちょっと違うのではないのか。あくまでも3カ月後で改善していればいいわけですよね。ですから、余りポイントと連動するのはいかがなものかなという私の意見です。

○多田羅座長 3カ月で180ポイントのインプットをして出ているデータだから。今はそうなのですね。そこに若干こだわりたいと。

○佐藤委員 こだわりあるとは思うのですけれども、ただ、この3カ月の中で180ポイント全部こなさなくてはいけないということになれば、その短い期間でそれだけの支援をしていかなくてはいけないわけですから、やはりそこは3カ月で一応評価するということであれば、余りポイントにこだわる必要はないのではないかということです。

○多田羅座長 わかりました。

審議官、せっかく座っていただいているので、何か、大所高所からいかがですか。

○濱谷審議官 大体出ているので尽きていると思うのですが、アウトカム評価とアウトプット評価と両方入れているわけですけれども、本来はアウトカム評価で全部評価できればいいのでしょうけれども、どの程度インプットすればアウトカムが出るかわからないというエビデンスがない中では、恐縮ですけれども、今、議論出ていますが、ある程度、もう少し短期間であっても、効果があるというようなエビデンスが出た時点で見直すというのが、私個人としてはいいのではないかなと思います。

○多田羅座長 そうしますと、今まで具体的には白川委員からいただいた、一応180で出発してモデル事業をやって、2年ないし3年後にそのエビデンスに基づいて見直すという感じですかね。国の制度としてはね。その辺。

○白川委員 健保事業全体でモデル事業やりますから。

○多田羅座長 全体でやりますか。審議官、ああいうのはどうですか。モデル事業、健保組合全部でやると言っていますけれども。

○濱谷審議官 モデル事業のあり方については、今出た話ですので、今後、事務的によく検討させていただきたいと思います。

○多田羅座長 井伊委員。

○井伊委員 今の、これからモデル事業ということでよろしいのではないかと思いますけれども、この報告の仕方ですが、4ページに、翌年11月1日までの実施報告の期限に間に合わないのが2割ほどと先ほど白川委員がおっしゃっておられたのですけれども、この報告のサイクルを変えるとか工夫をするとか、間に合わないからその分短くする話でもないかなと思いますので、この報告のサイクルについてもあわせて検討したらいいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○多田羅座長 どうですか、そのサイクル。

○高木室長 4ページ目の資料の趣旨についてもう一度御説明させていただきます。

現状でございますけれども、これは例えば健診を11月とか12月にやった場合に、1カ月から3カ月程度階層化をして、4月に初回面接をした後、6カ月たってしまうと、11月1日にその実施報告の期限がありますけれども、それに間に合わないと。かつ、今も、11月1日となっておりますけれども、その後、支払基金のデータをもう一度精査してやるということで、大体ことしも6月ごろに本検討会に御報告させていただきましたけれども、報告の期限から半年ぐらい遅れて最終的に全体のデータが出ているという状態です。

私どもとしては、できるだけこうしたデータについて早く、もしくは11月1日につきましても多少なりとも速報値のような形でさらに前にとって、11月1日には確定値というぐらいに間に合わないと次の年度の取組がむしろ保険者においてできないのではないかと。できるだけそうした政策も評価してやるということが必要だと思いますので、そうした意味でも、3カ月に短縮することによって、そうした報告のデータもきちんととれて、エビデンスを踏まえた形での取組も可能になるのではないかと考えております。

○多田羅座長 3カ月という点では、委員の皆さん、大体意見一致、オーケーと一致していたと思うのですね。ただ、そこにインプットの180ポイントについて、180を減らしてもいいというエビデンスが今のところ数字としてないから、まず、当面モデル事業をやって、当面は180だけれども、見直すという線で今回の見直しにしたらどうかということですけれども、その点は事務局はいかがですか。モデル事業をやるということですね。

○高木室長 そこにつきましては、できる限り、そうしたものができるようなというか、そうしたデータがとれるような方法というのが、可能なのかどうなのか、もともとデータも標準化されておりますし、やったものというのは計画があるわけですので、そうしたものの活用もできないかどうかとか、もうちょっととりやすい方法も含めて考えたいと思います。

○多田羅座長 ではきょうの議論としては、特に白川委員の御提案の形で事務局に検討いただくのでよろしいでしょうかね。

 ありがとうございます。それともう一つ、資料のほうでは6ページですか。対応の方向ということで、マル1、マル2と挙げていただいている方向については、皆さん、よろしいでしょうか。柔軟に見ていくということですので。白川委員、これはこれでよろしいですか。

○白川委員 結構です。

○多田羅座長 今村委員、よろしいですか。

○今村委員 はい。

○多田羅座長 どうぞ。

○藤井委員 180ポイントにつきましては、先ほど意見申し上げたとおりですけれども、7ページのこれって、初回面接分けていただけると。これも大変私もありがたいところですけれども、この初回面接のマル2のほうをポイントに換算してもらうというか、加えてもらうということがお願いできれば、多少実態に合ったようなことにもなるのかなと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

○多田羅座長 事務局、どうですか。

○高木室長 7ページ目のマル1とマル2という初回面接、分けてございますけれども、マル1で暫定的につくった上で、マル2で、メールでも電話でもいいという形にしております。ここについて、もうちょっと手厚い形で、もう一度中身について、例えば、今、グループ面接とかでやっているようなものとか、保健指導的なものを入れた場合に、それをどういった形で今の180ポイントの中でやるのかというのは運用の中で対応可能な部分もあろうかと思いますので、そこについては、今回はあくまで初回面接を例えばメール、電話でもオーケーですよといったものですので、それをもうちょっと手厚くやった場合には、今の180ポイントにそのままくっつけて運用するようなイメージになるかと思いますけれども、運用の中で対応可能なのではないかなと思っておりますので、いずれにしても、できる限り現場での運用がしやすい形のものを考えたいと思っております。

○多田羅座長 藤井委員、よろしいですか。現場中心ということで。

○藤井委員 はい。

○多田羅座長 どうぞ。

○津下委員 4ページの保健指導の実績評価について、これまでは同じ機関の人が評価するということになっていましたが、今回は同一機関以外でも実績評価をすると。これが新しい話だと思うのですが、同一機関、または第1期は同一者が行うことで保健指導の質を高めようとしてきました。そこで結果がよくなければ改善するという、PDCAを回そうとする仕組みです。これまでは保健指導者や保健指導機関内のPDCAだったのですけれども、今回保険者による評価となりますと、保険者としてはPDCAは回せるのですが、保健指導者に対して、自分たちが指導した方がうまく結果が出ているかどうかということをしっかりと保健指導機関にフィードバックしていただかないと、やりっぱなしになってしまう危険性があります。結果がわからないまま次年度委託が来ないとか、そういう結果になることも心配されますので、ここは保健指導の質を保険者と保健指導機関が一緒に高める意味で、保健指導を実際にされた方へのフィードバックというのをぜひお願いしたいなと思いますが。

○多田羅座長 文章で言えば何ページ。

○津下委員 4ページの○の3つ目のところで、「実績評価を行うことを可能としてはどうか(保険者のマネジメント強化が図られる)」とありますが、また、この評価結果を実施機関にフィードバックすることというのを入れていただけると、質の低下にならなくても済むのかなと思いますので、御検討ください。

○多田羅座長 では、その辺は事務局で御検討ください。

○高木室長 まさにそうしたデータの共有ないし、保険者がマネジメントするというのが大事ですし、そのフィードバックもするということも。今までそこがなかったというか、逆にそこがこうした形にすれば進むと思いますので、そこも含めて要件の中で考えていけばいいのかなと思います。

○多田羅座長 よろしくお願いします。よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○飯山委員 特定健診受診日当日の指導なのですけれども、聞いているところでは、市町村でも結構。

○多田羅座長 これは7ページですか。

○飯山委員 はい。行われていますので、しかも、今回かなり柔軟な方法で可能ということになって、これは現場としてはありがたいことだと思うのですけれども、これはもうちょっと詳細な要件を詰めて、現場の保健師さんたちが迷わないように、ワーキングでもうちょっと具体的な。

○多田羅座長 マニュアルのような。

○飯山委員 はい。詰めていただければと思いますので、よろしくお願いします。

○多田羅座長 具体的な形をね。わかりました。それは可能ですかね。

ほか、よろしいでしょうか。この7ページ、特に特定健診受診当日の保健指導というのはかなり課題になってきたところでございますが、今回、かなり柔軟にしていただくということで。具体的なマニュアルは作業部会なりどこかでつくってもらうと。

ではそういうことで。

 どうぞ。

○井伊委員 13ページの2年目以降の、2年連続、あるいは、多分、飛ばして3年目にまた積極的支援になるという人たちへの対応については、柔軟にするという御提案だと思いまして、それはそれでいいのではないかと思うのですけれども、そのときに、動機付け支援同等のと言って、それは動機付け支援ではないわけですね。だけれども、動機付け支援同等で、2年目、3年目以降の場合に、この柔軟にやった実績というのはどのように報告をされたり集積されていくのかというのがちょっとわからないのです。

○多田羅座長 動機付け支援相当というのがわからない部分ですね。相当というのはどういうことですか。

○井伊委員 それで積極的支援になるのか、どういう整理になるのかを。

○高木室長 「相当」としたのは、1年目にきちっと積極的支援で介入してやっているので、何もやってなかったわけではない、全くやらないというのとは違いますよという意味では、通常の動機付け支援とは違うということで、「動機付け支援相当」という言葉を使わせていただきました。

○多田羅座長 「相当」というのはどうなのですか。動機付けとも違うのですか。

○高木室長 はい。違うという趣旨で入れております。ただし、そのときにやった内容をどのように報告でとるのかというお尋ねかと思いますので、そこにつきましては実務運用のワーキングで議論して、また御報告させていただきたいと思います。そこでとれるようにすると、例えばその内容がどういったものだったらいいかとか、180ポイントよりもっと少ない介入量のデータもとれるようにはなると思いますので、それは次の改正のときにまた役に立つと思いますので、また御相談させていただきたいと思います。

○多田羅座長 津下委員、どうなの。

○津下委員 ありがとうございます。180ポイント以下の保健指導の効果というのをしっかり見ていくためにも、どのような投入がされたかという記録は残るということと。

○多田羅座長 相当というのは難しいね。

○津下委員 すこし名称を工夫して、積極的支援とは違うということで分けていただいて、評価が見直しの材料になるようにしていただきたいなと思います。2年連続になる人は、1年目の効果がやはり低目の方が多いので、より難しい方が対象となっている可能性もあります。簡単にただやればいいというものではないわけですから、リピートしている方についての保健指導のあり方については十分検証することができればと思います。そのためにも、新しい保健指導の名前をつけて位置づけていただくほうがいいと思いますが。

○多田羅座長 名前つけるとなると大きい問題ですね。井伊委員は何か積極的な意見があるのですか。

○井伊委員 積極的な意見はないですが、積極的2次的支援とか、こっちが積極的だったら初期支援で、こっちは後期支援とか、それでも、積極的支援レベルでずっと維持するということはそれはそれなりに御本人の努力もあったりするわけですので、改善しない者はほうっておけというわけにはいかないだろうと思うのですね。だからといって、そんなにフルに指導する必要はないわけですので、何か別の名称をつけていただいて、動機付け支援に混ざらないようにお願いしたいと思います。

○多田羅座長 飯山委員、何か。

○飯山委員 個人的には、繰り返す人を何とかするというのが一番大事なところなのではないかと思うのですけれども、具体的にはなかなか、白川委員もそこまではおっしゃっていましたけれども、それはそれとしまして、改善したという状況ですけれども、どういうところを見れば改善したと言えるのかどうかというのを、現場では、どのように見れば改善だというのはなかなか判断が難しいので、これも先ほどと同じように、ワーキングでその条件をきちんと詰めて提示していただくようにお願いしたいと思います。

○多田羅座長 それは、事務局よろしくお願いします。

 それでは、一応きょうのところは大筋同意いただいたということで、事務局、よろしいですか。理解いただきましたか。審議官もちゃんとおられますので。

それでは、次の議題に移らせていただきます。議題の2でございます。「効果検証WGにおける質問票の分析結果」について報告をお願いいたします。

○高木室長 資料2-1でございます。特定健診・保健指導の医療費適正化効果等の検証のためのワーキンググループでの質問票の分析の中間報告でございます。標準的な質問票の回答状況ということで、26年度の実施分の約2,600万人のデータの分析結果でございます。

おめくりいただきまして2ページ目でございますけれども、全体版につきましては、もう一つ、資料2-2のほうにございますので詳細説明は省略させていただきますが、「主な特徴」として2点挙げております。

 1つは、メタボリックシンドロームとの関係でございます。20歳からの体重の変化、10キロ以上ふえているという方々がメタボリックシンドローム該当者の6~8割いるということでございます。また、この体重の変化ほどではないが、メタボと非メタボの方々で運動習慣や食生活の差もあったということでございます。

もう一つ、喫煙の状況でございますけれども、これは平均で23%でございますけれども、特に4044歳の男性の喫煙率が41.1%と高かったということでございます。また、保険者種別でも、共済と協会けんぽでもその違いがあったと。協会けんぽのほうが男性の喫煙率が高かったということでございます。

こうした分析から得られたポイントでございますけれども、3ページ目でございます。まず1つ目の○で、20歳の時の体重から10キロ以上増加している方につきましては、40歳以前に、既に運動、食事、喫煙などで不適切な生活習慣が形成された結果であるということが示唆されるということで、40歳未満の方も含めた適切な体重の維持や生活習慣の改善に関する指導が重要であるということでございます。

 もう一つは喫煙についてでございますけれども、40歳代の男性の喫煙率が最も高かったと。さらに積極的支援の該当者の喫煙率が、男性の場合は4060%台、女性も1040%台ということでございます。また一方で動機付け支援の方々はおおむね5%であったということは、この喫煙というものが1つリスクファクターになっておりますので、その影響によって動機付けから積極的支援に上がっているということでございますので、まず保険者においても、事業者と共同して、喫煙しない職場環境づくりの推進や、40歳以前からの禁煙に関する保健指導の実施などが求められるということでございます。

 こうした取組、今回さまざま分析しておりますけれども、こうしたデータを保健指導においても活用いただければということで紹介させていただきます。

 以上でございます。

○多田羅座長 短い時間の報告でしたけれども、内容としては、男が1,440万ですか、女が1,190万、合わせて約2,600万人。まさにこれだけのデータというのは人類史上でもないような、大きな、貴重なデータと言えると思います。年齢階級別、その他分析していって、非常に大きなデータによる一つの実態というものを示している。公衆衛生的にも非常に大きいデータであるということは検討会としても確認させていただいて、国のほうでもこれをどう使っていくか。そして、全国の公衆衛生の学者ですか、そういうところでこういうデータを国民の健康指導にどう使っていくのか、非常に大きな財産をいただいたような感じがしております。なかなか追いつけない現状のほうがあるのではないかと思いますけれども、その点、座長としても確認させていただいて、こういうデータをまとめていただいたことに感謝したいと思います。どうも御苦労さんでございました。

 どうぞ、お願いします。

○今村委員 座長がおっしゃったように、膨大な問診票を今まで国民の皆さんが書いておられて、そのデータが初めて出てきたということで、大変有意義な、すばらしいデータだと思います。少し残念なのは、問診票の見直しの議論の歳にこれがあれば、もう少し問診票についてもいろいろ考えられたかなという気がします。特に慢性腎不全に係る質問についてはそう思います。

○多田羅座長 データで言うとどこですか。

○今村委員 詳細データの3枚目の6というところです。「医師から、慢性の腎不全にかかっているといわれたり、治療を受けたことがありますか」というところを見ますと、実際の高齢者の軽度も含めた慢性腎臓病の割合よりかなり低いのではないかと思います。恐らくこれは、受診者は、腎不全とかそういう知識がありませんので、自分が慢性腎臓病であるということを理解していないためにこうした結果になっている可能性があります。今度、血清クレアチニン等をはかることになりますので、今後どのようにこの数値が変わってくるかというのは、非常に興味を持っているところです。

○多田羅座長 クレアチニンですか。

○今村委員 血清クレアチニンを測定し、eGFRが出てきますから、当然、医師の側もそれをわかった上で受診者に説明しますので、このあたりが変わってくるのではないかなと思っています。

○多田羅座長 変わってくるというのはふえてくるということですか。

○今村委員 当然、実態に合わせて。

○多田羅座長 実態はもっと高いと。

○今村委員 高いと私は思います。

○多田羅座長 それは今村委員の経験から。

○今村委員 実際に見ていると、高齢者の方のクレアチニン、eGFR、低い方が非常にふえていますので、今、人工透析をどれだけ防ぐかというのは大きな課題になっていますので、ここは非常に興味深いデータだと思って拝見していました。

 もう一点、すみません。長くなりますが、喫煙についてです。

○多田羅座長 何ページですかね。

○今村委員 概要のほうの資料になります。従来の国民健康栄養調査の対象者と比較して特定健診の対象者は年齢が高いということもありますが、巷間言われているよりも、日本の男性の喫煙率は高いという結果が出ています。

○多田羅座長 高い。40%超えていますものね。

○今村委員 はい。私は、これはある意味、本当に大きな問題だと思っています。

○多田羅座長 ものすごい大きい問題ですよね。4割も超えている。びっくりしました。

○今村委員 医療費をどうやって抑制しようかという話の中で、これだけ喫煙者がいて、愛煙家と、吸わない人をきちんと両立できる社会のようなことを言っておられるのですが、もうそろそろそういうことを言うのはやめてほしいと思っています。特に保険者別にみますと、被保険者の方の収入などによって健康格差が明らかにあり、これは世界中の傾向です。これは私は本当に大きな問題だと思っており、このデータがせっかく出ましたので、厚労省も外に向かってもう少し強く発信していただきたいと思います。

○多田羅座長 国際的には格好悪いですね。

○今村委員 でも、それが実態だと私は思います。

○多田羅座長 日本はこの程度の文明国家ということになりますものね。

 確かにこの数字は、今村委員がおっしゃったとおり、非常に刺激が大きいというか、大変な数字が出てきたなという感じはいたします。大体高いということは言われていたのですけれども、これだけ格差もあり、高いというのは、日本の国家の課題としても恥ずかしいという感じもします。

津下委員、何かありますか。

○津下委員 喫煙について言うと、積極的支援の方では、40代では6割がタバコを吸っているという状況です。タバコとメタボと重なると最も心血管イベントを引き起こしやすいという、非常にハイリスクな状況なのです。特定保健指導のときに、減量、メタボ対策とともに禁煙指導を強化するということは第2期から始まってはいますが、保健指導者の調査をすると、禁煙指導が苦手だと言っている方もたくさんあります。禁煙目標をきちんと立てるというふうに構造的になっていないので、特に積極的支援の方で喫煙者に対しては禁煙に対する指導がどのようになされたかということも記録としてとどめ、分析していかないといけないと強く思います。

 それからもう一点、保健指導の対象者では、20歳から10キロ以上の体重がふえている人が8割でありまして、2030代でふえた体重の後始末を40以降で一生懸命頑張って減らしているという状況です。先ほどの資料でも、分母の特定保健指導対象者を減らすことが実施率を上げることにもつながるのだということがありましたけれども、このデータを見ると、特定保健指導の対象者に保健指導するだけでなくて、その前の世代に対して肥満を抑制する対策と合わせてそこを強化していかないといけないと思います。いまのままではイタチごっこです。40代の男性が最も悪いというのが明らかに出ていますので。

○多田羅座長 そこというのはどこですか。

○津下委員 40歳未満です。例えば35歳のときに血液検査を伴う労働安全衛生法の健診があるのですけれども、そういう機会に特定保健指導並みの、それこそポイントは関係ないので、肥満対策や、それから喫煙対策についてしっかりと行う。もうちょっと若い年代にも肥満についての啓発を積極的に行うことが必要と思います。

○多田羅座長 白川委員、どうですか。健保連のほうの、このたばこと。

○白川委員 いやいや、津下委員の御意見に反対するつもりも全然ありません。そのとおりですけれども、でも、現実できるかというと、なかなかできません。

○多田羅座長 たばこに対してはどのように認識されていますか。

○白川委員 いや、たばこはおっしゃるとおりだと思います。津下委員のおっしゃった35歳とか30歳のポイントでやれないかという話は、通常、被用者の場合は定期健康診断の後に医師との面談というのが義務づけられていますから、そこでどういう指導をしていただけるかということが、逆に言うとそれしかチャンスないというのが今の状況でございます。

 あともう一つは、健保組合ですと、人間ドックに例えば40歳以上は対象にしますというところが多いのです。あと35歳と40歳と45歳は、人間ドックに行ったら補助を出しますと言っているところもありますから、そこを少し拡張して、人間ドック側で大体医師の検査結果の説明と、その後、看護師か管理栄養士の指導がありますから、そこでやっていただくぐらいしかないです。健康局でやっている検討会でも、40歳前の保健指導についてもやるべきだという御意見が出たというのは承知しているのですけれども、今、我々、正直なところ、40歳以上だけでも手いっぱいですから、そこまでなかなか手が回せる保険者は少ないのではないかと思います。

○多田羅座長 では、津下委員。

○津下委員 保健指導というほどではなくても、情報提供といいますか、20代に入社して、30歳までにどれだけ体重ふえて、どのように検査データが異常になってきたということを知っていただく。このまま40になったらどうなっているかということを考えていただくチャンスとして、健診の情報提供をしっかり行うということや、会社ぐるみで若い人の健康づくりをする。それは保険者だけがする問題ではなくて、地域や職域と一緒になってやっていく部分であろうかなと思います。その情報提供の仕方については、世代によっていろいろなツールで情報を受け取れる機会もあると思います。いろんな工夫でもって若い世代にはアプローチしていけばいいのかなと思います。

○多田羅座長 藤井委員、いかがですか。協会けんぽはやはり数が多いのですけれども。

○藤井委員 この数字を見るだにもうショックを受けるような数字で、改めて頑張らなければいかんなと思うわけですけれども、私どももやはり地道に保健指導等々続けていくしかないと思うのですけれども、津下委員おっしゃいましたように、私ども、事業主の協力が何よりも必要だと思いますし、どのように事業主をもう少し積極的に巻き込んでいけるかというのもよく考えてやっていきたいと思います。

○多田羅座長 この図を見ても、協会けんぽはかなり高いですからね。格差が。この辺はどういう印象ですか。

○藤井委員 いやいや、もうまさに。

○多田羅座長 せっかくきれいなデータが出ているので、つい聞きたくなりました。

○藤井委員 繰り返し、大変ショックを受けております。

○多田羅座長 まあきれいなデータですので、ひとつ御検討いただきたいと思います。よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○河合委員 私はメディアの立場でこれを見させてもらったとき、すごくいいデータだと思ったのですけれども、わかりづらいというか、専門家の方でないとわからないようなデータでもあると思いました。そこで、これをなるべく一般の国民がわかる形に、まずは厚生労働省のほうでやさしい文章に置きかえていただいて、普及啓発事業としておこなうことのほうが多分現実的なのだと思います。例えば大学において、たばこを吸い始めるような年齢になっている人向けに配布するパンフレットのようなものであったり、病院の廊下とかに張ってあるポスターのようなものであったり、いろんな広報の形があり得ると思います。とにかく、これを専門家の方たちだけが理解しているというものにはしないように、ぜひともお願いしたいと思います。

○多田羅座長 ありがとうございます。これはまさに国民というか、グローバルデータと言ってもいいかもわかりませんよね。日本はこういう国だということは世界の人たちにとっても一つの参考になるようなデータではないかなと思いますので。

○武藤委員 禁煙支援についてなのですけれども、人間ドック学会では禁煙支援に関する委員会がありまして、そこで、中村正和先生が委員長をされているのですけれども、短時間支援と標準的支援というのがあるのです。その短時間支援というのを学会の保健指導する指導者に広めていこうという動きをとっていまして、それですと、健診の場とか、でも、本当に1分以内でできる支援というもので、それが世界的にも効果があると言われていますので、それをどんどん広げていきたいと思っていますので、そういった形が全国に広がれば、少しはよくなっていく可能性が。

○多田羅座長 そういうのは保健指導と関連づけられないのですかね。

○武藤委員 それだけではなくて、健診の場で看護師さんが問診をとるときに、それでも1分以内でできるというものですので、本当に簡単にできるもの。保健指導枠に入るのかもしれませんが、それを外れても簡単にできるものということで広まればいいのかなと思います。

○多田羅座長 ぜひ進めていただきたい。よろしくお願いします。

 それでは、次の議題に移らせていただきます。議題の3でございます。「後期高齢者支援金の加算・減算制度検討WGの検討状況(報告)」についてお願いします。

○高木室長 資料3でございます。まず、表題にございますけれども、これは検討会のもとの後期高齢者支援金の加算・減算制度検討ワーキンググループでの現時点の検討状況の報告でございます。指標等についてはまだ検討中のもので確定したものではございませんが、現時点の検討状況として御報告させていただくものです。

 まず、おめくりいただきまして1ページ目。これは昨年の法律改正によってインセンティブの見直しをしたというものです。

 2ページ目は、本検討会で1月におまとめいただきました共通の指標でございます。

 3ページ目は主な閣議決定ということで、インセンティブの仕組みについて、メリハリのあるものにしていくということが閣議決定されております。

 4ページ目は、健保組合、共済の特定健診の実施率の分布でございまして、おおむね健保組合7割以上、共済8割以上は実施率70%以上ということでございます。1/3以上は80%以上ということでございます。

 おめくりいただきまして5ページ目ですが、他方、保健指導の実施率でございますけれども、健保組合、5%未満が約3割、共済も5%未満が約2割ということで、協会けんぽと比較しても実施率10%未満が3~4割を占めているということで、実施率の底上げが必要であるということでございます。

 6ページ目は、26年度の実績に基づく27年度の後期高齢者支援金の減算対象となった健保組合、共済です。特定健診・保健指導の実施率が高い健保組合でございまして、所在地や規模、業種等もさまざまで、事業主や保険者からの働きかけや実施の工夫により高い実績を上げています。特に単一健保組合につきましては、ここに掲げている組合は全て52.6%以上ということで高い実施率を上げております。共済につきましても、45%の目標が全国目標ですが、これらを全て上回っております。

 これらの組合は、それぞれ業種もさまざまですが、きちっと取組を上げていると。180ポイントの話もございましたけれども、そこもクリアーしているということでございます。

 続きまして、7ページ目は実施率の公表の話で、29年度実績から公表しますと。

8ページ目はその見直しの仕組みでございますけれども、今回、加算・減算について、それぞれ3段階で加算率・減算率を設定してはどうかということでございます。

具体的には9ページ目になります。こちら、加算率は段階的な引き上げということで、まだ検討中でございますが、加算はペナルティを科すだけが目的ではなく、その実施率の向上の取組を促すための措置であるということで、段階的に対象範囲を広げてはどうかということでございます。

まず、この表の左側のところにそれぞれ単一健保、総合健保、共済について第3期の実施率の目標が書いてあります。この実施率の目標に対し、特定健診で言うと、その目標の1/2未満のところ、こちらにつきまして、現在はその加算の対象になっておりませんが、30年度の加算率から、順次、0.250.5、1%と上げてはどうかということでございます。

もう一つ、特定保健指導につきましては、現在は実施率が0.1%未満のところにつきまして0.23%という加算率を設定しております。こちらにつきましては最大1%まで加算率を上げていく。また、実施率が、第3期目標の1/10未満。いわゆる5.5%未満とか4.5%未満といったところにつきましても、加算率を最大で0.25%まで第3段階で引き上げていくということでございます。

これらを合わせますと、最大でございますけれども、健診で1%、保健指導で1%、合わせて、それぞれできてないところにつきましては、最大2%の加算率になります。

続きまして10ページ目は、この1%の計算の根拠について整理しております。特定健診保健指導の実施率がゼロの保険者については、健保組合・共済の全ての保険者が特定健診・保健指導に平均的に投じている費用と同程度の費用をペナルティとして負担すべきという考え方に立って、その全体の支援金と投じている事業費をベースに加算率を設定しますと以下のとおりとなるということでございます。

26年度の特定健診・保健指導の事業費でございますけれども、保険者が負担している部分を試算しますと約200億でございます。これに対して支援金が約2兆円でございますので、割りますと約1%になるということでございます。

ちなみに、10ページ目の下のところに、「第2期の加算率(0.23%)の算出根拠」がございます。このときは、さらに調整率を乗じまして、制度導入時の激変緩和の調整も講じまして0.23%という数字にしております。

こうしたものを設定した場合のおおよその対象となる保険者の数について、11ページ目に試算しております。これは実施率の公表や今回の運用の見直し、さらに段階的な引き上げ等によって、実施率、保険者の底上げによって、29年度時点で0.1%未満の保険者がなくなるであろうと。ないし加算の範囲の拡大による対象の保険者も26年度実績の1/2に減少すると仮定して試算しております。そうしますと、健診・保健指導について、ここに掲げてあるような数字の保険者の数になると見込まれます。

こうした見直しによりまして、12ページ目、(4)でございますが、試算いたしますと、29年度実績分の試算で約4億円程度の加算額になると見込まれます。

なお、(1)のところにございますけれども、支援金の減算との関係で申し上げますと、その目標の1/20以上1/10未満の保険者というのを今回新しく対象にしますけれども、こうした保険者でも、特定健診の実施率が1/2以上で、減算の指標の総合評価で言ってポイント以上の場合には適用しないとか、これまで災害等の事情により加算の適用除外にしている保険者が、26年度実績によると2保険者ございますけれども、こうしたところについては引き続き加算を行わないとか、(3)でございますけれども、今回設定しておりますけれども、3335年度の加算額につきましては、また保険者全体の事業費の規模なども変わってきますので、第3期の中間時点で再度計算してはどうかということを提案しております。

続きまして13ページ目以降は、インセンティブの減算のほうでございます。こちらは、保険者機能の発揮を幅広く評価するという観点から、これまで特定健診・保健指導の実施率だけが減算の評価指標でございますけれども、それに加えて、がん検診・歯科健診、糖尿病の重症化予防等の取組を入れるということでございます。事業主との連携につきましても、就業時間中の配慮だとか受動喫煙防止等の取組なども入れております。

減算につきましては、取組の評価をメリハリあるものとするため、3段階で設定して、その最上位の3段階目を目指して努力する取組につながるよう、最上位の3段目の減算率を相当程度高く、例えば1~10%の間で設定するといった提案をしております。保険者との共通の健康課題の取組として、事業主との連携も入れております。

14ページ目と15ページはこの指標でございまして、特定健診・保健指導の実施率につきましては、実施率だけではなくて、前年度からのポイントの上昇だとか被保険者の対策ないしはわかりやすい情報提供、またそのデータについてきちっとわかりやすく、連携しているとか、後発医薬品の使用促進といった取組を入れております。

15ページ目ですけれども、がん検診・歯科健診・保健指導といったものも指標として入れることとしております。糖尿病の重症化予防や個人のインセンティブの提供ないしその加入者の健康づくりへの働きかけにつきましては、喫煙の対策事業として、40歳未満も含めた喫煙対策事業、受動喫煙防止の共同実施といったものも入れております。

事業主との連携につきましては、産業医・産業保健師との連携や健康づくり等の共同事業の実施、就業時間内の特定保健指導の実施の配慮、退職後の健康管理の働きかけといったものも項目として入れております。

この減算につきましては、この項目につきまして、今後、総合評価に算定する配点や計算方法を検討していくとしております。

参考資料につきましては、今回、27年度の加算・減算の対象の保険者を決定させていただきますので、その内容について、保険者の名前、それと規模等を出しております。

資料につきましては以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

加算・減算のあり方、これは本検討会でも一貫して議論してきたことでございますが、今回、第3期の見直しの中でかなり新たな展開が見られるということかと思います。いかがでしょうか。

 白川委員。

○白川委員 この問題については、事前に事務局とも少し相談をさせていただいたり、健保組合と共済組合と事務局で構成されたワーキンググループが設置されておりまして、そちらでの議論の結果が、今、高木室長が報告された内容と理解しておりまして、おおむねこの方向で私どもとしてはよろしいのではないかとは思っております。ただ、どういう経緯かお忘れの委員の方もいらっしゃるのではないかと思って、少しお時間をいただいて説明させていただきます。

 まず1ページ目をごらんいただきたいのですけれども、平成30年度からは健保組合と共済組合を一つのグループにして加算・減算をやる、協会けんぽは組織が相当でかいものですから、これは、はっきり言うと加算・減算はなしで、内部でやっていただこうということになっている。国保については、保険者努力支援制度で、国からの助成金を査定しましょうという考え方です。申し上げたいのは、健保組合と共済組合だけは自分たちの中で加算と減算をやらなければいけないということが我々としては大きな問題点だと、前から申し上げているとおりです。

 健保組合の中には、現行の高確法に書かれております加算・減算の仕組みそのものに異議を唱えている健保組合も正直言ってたくさんあります。これはご存知の通り、法の考え方としては、現役世代のときに健診とか保健指導をやってないから、75歳以上になったときに疾病リスクが高まっているのだという理屈ですが、エビデンスがないわけですね。エビデンスがない中で、加算ということになると、後期高齢者支援金を何%かプラスして払わなければいけないということに対して、財産権の侵害ではないかと言っている健保組合も数多くあるということは御理解いただきたいと思います。

 こういう制約の中なのですが、一方では、3ページにいろんな閣議決定とか諮問委員会からインセンティブをつけろと御意見が出ております。その考え方自体は特に否定するわけではないのですけれども、インセンティブという場合、健保組合と共済組合はこの原資を国から出していただければ文句言いませんけれども、そうではないというところが問題で、インセンティブのためにペナルティを科さなければいけないという変な形になるものですから、私に言わせれば、インセンティブをつけるべきは、今現在余りやってないところ、そこにインセンティブつけるから頑張れと言っていただくのが筋だと思うのですけれども、これは考え方が違うのですね。

よくやっているところにインセンティブをつけなければいけない形ですよね。どう考えても。健診とか保健指導とか、それ以外のいろんな保健事業を積極的にやっているところにインセンティブをつけるという、私に言わすと何か変な形なのですが、今のところはもうそれしかやりようがない。今、高確法の中では±10%の加算・減算ということになっていますけれども、例えばこのインセンティブ、10%つけようとすると、加算のところがものすごい金額を準備しなければいけないという矛盾点があります。ワーキンググループの中で事務局といろいろお話しさせていただいているのは、最大の問題は、特定保健指導の実施率が相当に低い保険者があること。恥ずかしながら、健保組合でも、全くやってないというところがありますから、それは法定の義務を果たしてないということで、ペナルティが科されるのはしようがないと思っております。

 事務局でも御配慮いただいて、9ページの右上の表でございますけれども、段階的に実施率をクリアーできるバーを上げていくというやり方、一番上は特定健診の実施率が1/2未満のところですが、その下の保健指導のところは段階的にペナルティの金額を上げていくというやり方で、そういう意味では、このペナルティを使いながらインセンティブという機能を果たしているということから、考え方としては、我々はいいのではないかなと。要は、積極的にやらないとペナルティがふえるから、早くそのバーをクリアーしろと、こういうインセンティブが効いている仕組みですので、考え方としてはよろしいのではないかなと思っております。

 最大で、特定健診と保健指導両方が未達の場合は、一番上と2番目、平成32年のところでは2%ということですけれども、これは実は結構な額になりまして、例えば10億円ぐらい後期高齢者支援金を払っている健保組合は2,000万円出せという話ですから、結構大きな額です。乱暴な話、10%なんていう話もあるわけですけれども、10%ということは大変な金額になってしまいますので、私は、これぐらいであればやむを得ないと思っていますし、頑張ってこれをクリアーすればゼロになるわけですから、そういう意味では、工夫された仕組みになっているのかなあと思っております。

 長くなりましたが、以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。丁寧に御説明いただいて。要するに、この加算・減算制度は、1ページですか、国保関係は国の直接の形で支援するということが行われるようになったために、健保組合、協会けんぽが対象の制度になってきたということが大きな特徴ということについて、今最初に御説明いただきました。

 ただ、私は座長として、この9ページの、ペナルティを科すだけ。今、白川委員もペナルティとおっしゃいましたけれども、これは保険者が仲間でこの特定健診・保健事業をやろうとして、やってないところはやっているところに迷惑をかけていると。やっているところはそれで健康な被保険者をつくっているわけですから、そういう意味で、やってないところがやっているところに迷惑をかけている、その迷惑料を払っているという感じで、お互いさんという制度だと思うのですね。決して国がやってないところにペナルティを科しているのではないと思うのです。

だから、そこのところはぜひ、私は、この加算・減算制度の精神について理解いただきたいので、この国の、事務局の資料に、いかにもサボっているところにペナルティを科しているみたいな言葉というのはちょっとつらいと思います。だから、やっているところとやってないところの間で相互協力、相互援助しているというのが、この加算・減算という精神であるということだけはどうしても維持いただきたいと思うのです。決してペナルティではない、ということなのでやっているということでございます。

 どうぞ。

○伊藤委員 時間前に退席をしなくてはいけないのですが、今、白川委員から御説明あったとおり、私どもとしても、加・減算については納得できないまま今日に来ております。やはり保険者の機能として取り組むべき特定健診・特定保健指導であるはずなので、ペナルティやそのインセンティブをつけて促すということ自体に納得はしていないところがありますけれども、この間実施されてきている、しかも、全くやってないところについては迷惑をかけていると今座長のお話がありましたけれども。

○多田羅座長 そう理解をしてですね。

○伊藤委員 ええ。それも一定の理解をできるところでもあるので、この前提で進めるということには現時点で異論はございません。

 これまでの検討会で、私は、とにかく特定保健指導の実施率を上げるために就業上の配慮が極めて重要だということを繰り返し強調させていただいたので、その点が減算の一つの指標の中に入れていただいた。これも本当は指標という形で行うのが必ずしもよいのかという問題もありますが、これも一つの道具にして促していくという意味ではとても意義があると思っておりますので、非常にありがたいと思っています。就業時間の配慮が重要になってくるわけですが、この点、年次有給休暇には、利用目的について使用者の干渉を許さない労働者の自由であると、判例がございますし、そのようなことに抵触しないような形で、しかし、事業所においての幅広い就業上の配慮が促されるような形で記載していただければありがたいと思っております。

 ありがとうございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○岩崎委員 加算・減算の制度は、まさに今お話が出たとおり、制度の根幹であると同時に非常に制度設計がやりにくい部分かと思っておりますけれども、全体の健康課題を考えれば、それぞれの立場で協力しながら進めていかなければならないところというのが1つございます。これまでも議論にあったかと思いますけれども、今回の5%未満というところはいろんな事情があるのではないかと思いますので、加算・減算の仕組みを議論するのに合わせて、先ほど、収入による健康格差の問題が世界的な問題であるということで、健保組合、それぞれの保険者さんでもさまざまな状況がある中で、どういう理由でこれだけ違いが出てしまうという、格差と言っていいかわかりませんけれども、その理由や背景の理解というのは調査なりヒアリングなりが多少必要かと思います。これは並行して進めていければと思うところでございます。

 その中で、現場で産業医をしておりますと、先ほど伊藤委員からもお話がありましたように、事業者の協力というのはやはり非常に重要なポイントだろうと思っております。一方で、先ほどから出ているとおり、そういうことができるところの多くは大きな企業、あるいは大きな企業グループで、中に診療所や健康管理室があって、常勤とは限らないにしても、スタッフを大きく抱えられるところであるのもまた一面かという感も持っておりまして、それも被用者という中で見れば格差につながりかねないという点を懸念しているところでございます。また、労働の現場では就業時間をめぐる労働契約上のノーワーク・ノーペイという原則がございますので、これは平成24年の5月に保険局からの通知の中で原理原則として触れていただいておりますけれども、それの土台の上で個別労使の協力のもと進めていただくという姿勢も一方で必要であると思っている次第でございます。

 もう一つ、最後の事業者との連携のところでは、4つほど挙げていただいている中で、1番の産業医・産業保健師との連携というところがございます。単一の健保組合のデータなど、5ページで拝見いたしましても、実施率が5%未満のところがあるというのは恐らく内部の産業医・産業保健師との連携が必ずしも十分ではないということが推測されるという事態でございますので、法律が違う法律で、産業医や産業保健師と話をしていてもやりにくいところがあるということは聞くのですが、今回の11のマル1、マル2といったようなところでインセンティブとして入れていただくことで、一歩その辺を進めることができないかという意見でございます。

 以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

これは一応報告ということでございますが、白川委員から現状については御説明いただいて、ワーキングで事務局と相当御議論いただいた結果であると御理解いただくということで、白川委員、よろしいですね。

○白川委員 はい。

○多田羅座長 一応御理解いただいたということで、御承認いただきたいと思います。

 事務局、何かございますか。

○高木室長 あくまでも現時点の検討状況の報告でございまして、まだこの指標等につきましても確定したものではございませんので。

○多田羅座長 まだ2というのは確定ではないということですね。

○高木室長 ええ。全て、全体像も含めてですね。今はまず、ワーキングで検討している状況について年内に報告させていただく必要があろうと思いまして、現時点の報告としてさせていただいておるものでございます。

○多田羅座長 報告ということになるかと思いますけれども、一応検討会のほうでも報告はいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 それでは、一応以上で、特に御意見よろしいでしょうか。

 以上で、本日の議事は終了いたしました。事務局、何かございますか。

○高木室長 次回の日程でございますけれども、1月19日の1330分から1530分を予定しております。場所はまだ調整中でございます。追って御報告させていただきます。

○多田羅座長 それでは、本日の検討会、以上にて終了させていただきます。御協力ありがとうございました。


(了)

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