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2016年12月7日 第34回レセプト情報等の提供に関する有識者会議 議事録

○日時

平成28年12月7日(水)10:00~11:30


○場所

中央合同庁舎5号館3階 共用第6会議室
(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2)


○議題

1.NDBオープンデータについて
2.オンサイトリサーチセンターについて
3.その他

○議事

 

 

○山本座長 少し定時より前ですけれども、構成員の方が全員おそろいですので、ただいまから第34回「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」を開催いたします。

 構成員の皆様には、年末の御多忙の折、お集まりいただき厚く御礼を申し上げます。

 会議に先立ちまして、本日の構成員の出欠状況について事務局からお願いいたします。

 また、構成員の交代がありましたので、あわせて事務局から御紹介をお願いいたします。

○赤羽根室長 事務局でございます。

 まず本日の構成員の出欠状況から御報告させていただきます。

 本日の欠席は、飯山構成員、後藤構成員、松田構成員、松山構成員、三浦構成員、武藤構成員の6名でございます。

 飯山構成員の代理として審査分科会の構成員でもある国民健康保険中央会の加藤参考人に本日は御出席いただいております。

 本会議の規程に基づいた開催要件は満たしておりますことを御報告させていただきます。

 次に、構成員の交代がありましたので御紹介させていただきます。

 伊奈川秀和構成員にかわりまして、全国健康保険協会の藤井康弘理事に御就任いただいております。

 印南一路構成員にかわりまして、慶応義塾大学大学院経営管理研究科の後藤励准教授に御就任いただいておりますが、本日は御欠席でございます。

 府川哲夫構成員にかわりまして、東京大学大学院医学系研究科生物統計学の松山裕教授に御就任いただいておりますが、本日は御欠席でございます。

 続きまして、事務局に人事異動がございましたので、この場を借りて御挨拶させていただきます。

 今月1日に着任しました保険システム高度化推進室、原田高度化推進官でございます。

○原田推進官 原田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○赤羽根室長 本年11月1日に着任した、保険システム高度化推進室、森室長補佐でございます。

○森室長補佐 お願いします。

○赤羽根室長 事務局からは以上でございます。

○山本座長 ありがとうございます。

 本会は公開ですけれども、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。

 会議要件を満たしているとのことですので、早速ですが、本日の議事に入りたいと思います。議事次第に従って進めてまいりたいと思います。

 1つ目の議題「NDBオープンデータについて」ということで事務局から説明をお願いいたします。

○赤羽根室長 事務局でございます。

 資料1-1とその下につけている資料1-2で説明させていただきます。

 まず資料の1-1「第2回NDBオープンデータの作成について」という資料の1ページ目でございます。

10月に第1回のNDBオープンデータを公開させていただいたところですが、それに続きまして、第2回のNDBオープンデータの作成に向けて要望の募集を厚労省のホームページで実施させていただきました。平成281122日時点で一旦第2回NDBオープンデータに向けた要望は締めをさせていただいておりますが、22日時点で14名の方から御要望をいただいている状況でございます。

 2回目のNDBオープンデータの作成の方向性としましては、基本的には1回目のオープンデータで行った項目については今後も継続、いただいた要望のうちで今回対応可能なものについては集計を検討していくという方向で考えております。

 次の2ページ目に「第2回オープンデータの作成の考え方とスケジュール」を入れさせていただいております。

 基本的には、「2回目のオープンデータは1回目のオープンデータよりもそれぞれレセプトも特定健診も1年新しいもの、平成27年度のレセプトと平成26年度の特定健診情報を集計対象にしていく。」

 集計表の考え方については先ほど申し上げたような状況です。

 スケジュールとしましては、今、定型部分の集計についてはもう進めているところでございます。要望については22日で締めさせていただいて、この後、少し状況を報告させていただきますが、要望の把握、まとめを12月にやっていくということでございます。それを踏まえた集計表の作成も今月からスタートしていくということでございます。そうした状況を踏まえて、最終的にある程度集計表ができ上がったところで公表に向けた調整を進めさせていただいて、年度末、年度初めくらいで公表ということにこぎつけていければと思っております。

 資料1-2をご覧下さい。こちらにお寄せいただいた要望を少し概要の形でまとめさせていただいております。14名の方から要望をいただきましたが、いろいろな項目にまたがっていますので少し項目ごとにばらした状態にさせていただいたところ、大体31くらいの要望に分けられるのではないかということでございます。一応、要望ナンバーを振らせていただいて、何を集計対象にしているのか、具体的な要望の内容、それを実現するとした場合の課題が何なのか、そして最後に対応方針の方向性としてどんな話なのかというのを入れさせていただいています。

 少し全体の要望ごとにいきますと、1~3番までが割と全体的な話で、国際比較のできるデータ形式での公表とか英語版作成、各レセプトにおける都道府県別かつ性別・年齢階級別のクロス集計情報といった要望をいただいています。作業負荷が大きいものはなかなか難しいというのが、今回の対応方針になりますが、、内容によって、例えば、英語版作成は少し対応可能かもしれないので、可能な範囲から着手ということにさせていただいていますし、国際比較のできるデータ形式での公表はそもそも比較対象が何かを考えなければいけないので、これは実施可否につき検討を要すかと考えています。

 4番目からが特定健診に関するものですが、例えば既に出ているデータで算出ができるものについてはあえて集計する必要はないのではないかと考えています。要望によっては作業負荷が大きいものがありますので、これについては現時点では第2回オープンデータでの対応は少し難しかと考えています。

 2ページ目をご覧いただきますと、食塩摂取量6g以上の患者数の都道府県別集計という話などはNDBには含まれない情報なので実施は難しいと考えます。

1019番ぐらいまでは医科診療行為関係ですので一気に申し上げますと、全体としてかなり大量の集計情報になったり、レセプトデータのハッシュIDによる名寄せ作業が必要なものが出てきたり、マスターテーブルの作成が必要なものが出てくるので、こういうものについては作業負荷が非常に大きくなるので今回は対応が難しいのではないかということで対応方針案にも書かせていただいています。

20番からが薬剤の話になりますが、例えば抗菌薬の一般名での集計はマスターの作成が必要になってきますので、作業負荷という観点で難しいのではないか。個別の御関心の薬品についての集計を御提案されている方もいらっしゃるのですけれども、そこはそもそも公益性の観点から、例えば具体的に1薬品とかそういう話はどうなのかという点があるかと思っています。薬剤集計に関する要望はかなりレセプトデータのハッシュIDによる名寄せ作業が必要だったり、処方日数についても集計作業量がかなり膨大になってくるため、作業負荷が大きくなるので難しいということにさせていただいているものが多うございます。

 事務局からは以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。

 ただいまの事務局からの御説明に関しまして御質問、御意見がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

 いかがでしょうか。英語に直すところは別として、結局、これは対応できるものはないということですか。

 田尻構成員。

○田尻構成員 単純な質問なのですが、対応方針案で第2回オープンデータでは対応困難ということは、3回目だったらやる可能性があるともとれるのですけれども、そのおつもりはないですよね。

○赤羽根室長 というよりも、作業負荷が大きいものについては、例えば今後さらにNDB自体や、抽出する体制が増強されたり、将来的にいろいろな強化が行われた結果、できるようになった場合ということが前提になってくるのではないかと思っています。

○山本座長 どうぞ。

○宮島構成員 今の件についてです。今、いろいろなビッグデータが大事だという中で、レセプトのデータは非常に一つの重要なデータということは国民的にも認識があると思うのですけれども、かねてからレセプトにもうちょっと人員とか予算配置があったほうがいいですね、という会話があったと思うのです。

 もし今回、課題が、作業負荷が非常に大きくなる可能性、もしかしたら本当はやりたいけれどもそこの部分だけがネックなのだという話があった場合、それをフックにして予算要求とか増員要求とかシステムの強化を要求するという手もあると思うのですけれども、そのあたりはどうなっていますでしょうか。

○赤羽根室長 まさに御指摘のとおりで、特にこの数年は大分NDBビッグデータ周りには御関心をいただいていて、ありがたいことにいろいろな御指摘をいただいております。

 そういった中で、例えば我々のNDBオープンデータの予算自体も継続して取らせていただけるのはなかなか珍しい話ではあるので、御関心、御指摘自体も一つの成果であると思っているのですが、当然こういう作業負荷みたいな話が出てきているので、ここはまだまださらに先を見据えて、構成員からご指摘頂いた点もてこにしながらやっていく必要があると思っています。ありがとうございます。

○宮島構成員 来年度予算ではどうですか。

○赤羽根室長 今は12月という非常にセンシティブな時期でもありますので、差し控えさせていただければと思っております。

○山本座長 どうぞ。

○杉山構成員 日本歯科医師会としては、現在1回目のオープンデータが傷病だけということだったので、それをつぶさに検討した結果、正直に言うとなかなかいいデータが出ないところがあるので、できれば網羅的に診療行為を入れたいと考えています。これも現在調整中でございますが、基本的にはそういう考え方で進めてまいりたいと考えております。

 以上です。

○山本座長 事務局から何かコメントはありますか。

○赤羽根室長 御指摘をいただきましたので、対応の方向で検討させていただきたいと思っております。

○山本座長 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○布施構成員 ちょっと素人の見方ですけれども、例えば13番の「二次医療保険毎の受診患者数の集計」、3番の「各レセプトにおける都道府県別かつ性別・年齢階級別のクロス集計情報」なのですけれども、この辺は素人考えではできそうな気がするのですけれども、かなり作業量が膨大になってしまうのでしょうか。具体的に教えていただければと思います。

○吉村室長補佐 御質問ありがとうございます。今、御指摘いただいた二次医療圏の患者数というと2つ作業が発生しす。一つは地域別という点で現在は47都道府県別の粒度での表示ですが、二次医療圏別だと300を超える地域別になりますので、データ量が非常に膨大になります。

 もう一つは、患者数の集計となりますと、レセプトデータのハッシュIDによる名寄せ作業を行い、人数を数える作業が必要になります。1年分であっても非常に膨大な1718億レセプトの中で名寄せ行為を行うというと、作業負荷がかかってしまうのが現状でありまして、その点から今後の検討課題になります。

 あとは、3番のところも同様でして、都道府県と性・年齢階級のクロス集計をすると、その分掛け算でデータ量がふえてしまうのが現状でございまして、悩ましいところかと思います。御質問ありがとうございました。

○棟重構成員 関連してなのですけれども、今後これをいろいろな分析や政策に生かしていくためには、3番の都道府県別だけではなくて、それを性・年齢別でクロスしないと本当の都道府県の中での姿が見えてこないと思います。今、既にいろいろなところで分析した結果があるのですけれども、都道府県だけで各レセプトの分析をすると都道府県の中の人口構成の違いがうまく反映でず正確に分析できないこともあります。作業量は大変かもしれませんけれども、手順としてはそんなに難しくないと思われますので、何か優先的に検討することをお願いしたいと思います。

○山本座長 作業量も実際はデータベースの稼働量が多くなり過ぎて、本題作業といいますか、それに差し障りが出てくるところがあって、データベースの処理能力の向上があれば作業としてそんなに難しくないわけです。

 もう一つは、都道府県別で性・年齢階層別にしてしまうと人数が少なくなって、消すところがすごくふえてしまうのです。それも少し解決しなければいけない問題だと思います。今のシステムでやらなければいけない来年度の話としてはちょっと苦しいということでしょうね。

○赤羽根室長 はい。基本的にこういう形で作業負荷が高く、対応が難しいとさせていただいているものが多いのですけれども、今、棟重構成員からいただいたベーシックな話について、例えば一律に全部やるのは現時点ではとても無理な話なのですけれども、何らか少しピックアップして、できる範囲でやってみる可能性もあるかと思っていますので、そこら辺は検討かと考えております。

○山本座長 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○布施構成員 そうすると、私は千葉県の人間なのですけれども、千葉県に限って先ほどのような二次医療圏は可能なのでしょうか。それもかなりきついのでしょうか。済みません、しつこくて。

○山本座長 どこを選ぶかはまた別の問題で、どうしても必要であればちゃんと申請していただければここで審査して出すという手段はあります。

 あとは、ほかの集計がほとんど二次医療圏ごとに行われているという意味では、二次医療圏ごとというのはここの場合は患者数ですけれども、それ以外の統計も患者数ではなくても二次医療圏が結構大きなテーマだと思うのです。

 二次医療圏になると対象人口が減るので、そういう意味では、全ての診療行為とかは無理だと思います。極めて一般的な数多くやられているものとか、数多く使われているものであれば、結局はそういうものが重要なわけですけれども、そういうものに限定して、第2回でやるわけではなくて、これをオープンにするのではないと思いますけれども、対応方針で検討を続けるとかというニュアンスにされたほうが。これだけを読むと何もやられないのだと見えてしまいますね。

 あとは、例えば研究事業の中で、それを検討していくことも回答としては多分有効だと思いますので、その辺を考慮いただければと思うのです。

 ほかにいかがでしょうか。

○加藤参考人 今のお話とちょっと関係すると思うのですけれども、一つ、21番、個別の目的への対応が困難ということで、ある程度オープンデータであるから公益性を判断するということをおっしゃったと思うのですが、今回、課題として、大体、作業負荷が大きくて第2回で無理だということがほとんどだと思うのですけれども、第3回以降に向けてであれば、ある程度こういうものをオープンにするとメリットがある、二次医療圏であればよいとか、何かしらのそういうメリットの面をある程度判断した上で優先順位を考えることもできるといいのかなと思います。いかがでしょうか。

○赤羽根室長 第2回については、時間もない中なのである程度こういう形でさせていただいてはいるのですが、その先の第3回に向けては、例えばどういう形で優先順位をつけられるかとか、御指摘いただいたところも踏まえながら適宜御議論いただければと思っております。

○山本座長 もう一つは、個別のテーマは本来このオープンデータを見ていただいて、これが必要だということで、個別のテーマごとに特別抽出なり集計表なりでここに申請をしていただくことが恐らくは一番オーソドックスな道だろうと思うのです。

 オープンデータで個別の要望に応えるとなると大変なことになりますので、あれをよく見ていただいて、この上でこれが欲しいという要望をしていただくと我々も審査がしやすいし、いいと思うのです。

○赤羽根室長 あとは、念のためなのですが、一応、この中で出させていただいた6番については作業負荷を確認の上対応を検討させていただいていて、これは対応できるのではないかと考えています。

○山本座長 わかりました。全部ではなかった。失礼をいたしました。

 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○棟重構成員 少し個別の話なのですけれども、データを見ると、入院基本料は、いきなり療養病床から始まっていて一般病床のデータがありません。この辺はいろいろと理由があるみたいなのですけれども、一般病床の数の入院基本料は結構これからの大事なデータだと思うので、それを克服して、一般病床データを何とか出す検討はできないものか、お伺いしたいのです。

○吉村室長補佐 御質問ありがとうございます。今、御指摘の一般病床への入院、つまりレセプトでいうと、医科入院レセプトとDPCレセプトの両方にまたがる診療行為という形になります。そうなりますと、出来高できちっと算定できる部分と違いまして、DPCですと、いわゆる包括で正確な算定回数という形で切り出すところが難しかったということが背景にございます。ですので、例えば療養病床のようにきちんと算定回数が出せる診療行為とその辺は質的な違いがありました。

 ただ、御指摘のとおり、今の提供されている医療の実態を基礎的な集計表で明らかにする目的の中では何かしらの方法を考えてお示しする必要がある、ないしは注釈をつけて御提示することもあり得るかと思いますので、検討していきたいと思います。

○山本座長 ほかはいかがでしょうか。

 よろしゅうございますか。

 それでは、今いただいた御意見をもとに、また検討を進めていただくようにお願いいたします。

 次の議題、「オンサイトリサーチセンターについて」ということで事務局から御説明をお願いいたします。

○赤羽根室長 事務局でございます。

 資料2「オンサイトリサーチセンターについて」に基づいて、オンサイトリサーチセンターに関して御説明させていただきます。

 1ページ目で、今回はオンサイトリサーチセンターの第三者利用に向けた準備の状況ですとか第三者利用に向けてルールを今後整備していく必要がありますので、そういった議論をいただければと思っております。

 まず、「1.オンサイトリサーチセンター第三者利用に向けた準備について」なのですけれども、3ページに「オンサイトリサーチセンター第三者利用に向けた進め方(案)」ということでスケジュールを載せさせていただいております。

 基本的には、今、東大・京大の各オンサイトで連携して試行利用いただいますが、第三者に利用拡大していくという観点で、そのためにやらなければいけないことがあります。

 例えば、技術的な課題の解決とか情報共有みたいなものはこれまでもさせていただいていて引き続きしていくことになるのですけれども、重要になってくるのが第三者に使っていただく際のルールの整備です。基本的には、第三者利用も準備状況によっては少し動くかもしれないのですけれども、今のところ来年度ぐらいをめどにまずは少し限定的ながら申出審査を始めて利用の開始につなげていきたいと思っております。

 そういう観点から考えると、この年度内でできるだけそのルールを整備していくことが必要になってまいります。

 こういった状況を踏まえまして、本日は少しルール関係のポイントを出させていただきましたので、そこについて御議論いただければと思っております。

 5ページ目に、今回、ルールの関係で御議論いただきたい項目を出させていただいております。

 次のページからそれぞれの項目について具体的な内容を書かせていただいております。そちらでそれぞれ御説明させていただきます。

 まず6ページ目です。

 そもそもオンサイトリサーチセンターの第三者利用を始めていくときにどういった枠組みでやっていくことになるのかを少しイメージとして書かせていただいています。

 基本的にオンサイトを第三者利用していくといった場合に、出てくる主体はこの3者ではないかと。基本的には、申出者とオンサイトを設置している厚生労働省、オンサイトが設置されている東大・京大に加え、厚生労働省直営オンサイトもありますので、こちらも厚生労働省というものもあります。

 厚生労働省と申出者の関係としては、基本的に使っていただくデータの保有者が厚生労働省でもありますので、データの漏えいとかの関係、提供している端末も厚生労働省のものですから、そうした利用に関する部分が基本的には厚生労働省と申出者の関係の中で取り決めをつくっていく必要がある。

 一方で、申出者もオンサイトリサーチセンターのある施設を利用する、例えば東京大学、京都大学に入っていくことになるので、何らかの設備を壊すとかということがあったときにそれにどういう対処をするのかといった話もありますので、ここはオンサイトと申出者の関係についても何らかの取り決めをしていく必要があるのではないかということで書かせていただいております。

 ただ、厚生労働省と申出者、オンサイトと申出者という取り決めがそれぞれ完全に別々に行われるわけではなく、全体としてある程度整合性を持ったものにしていく必要があるということで、例えば運用管理規定とかそういうものを真ん中にいろいろ書かせていただいております。

 一応、枠組みとしては今のところこのようなイメージを持っているところでございます。

 その次に7ページ目でございます。実際にオンサイトリサーチセンターを第三者に開いていくときに、基本的には従来の第三者提供と同じようにまず申出をして審査して承諾してという流れが必要になってくると思うのですけれども、誰が申出できるものとするかでございます。基本的には、従来の第三者提供と同様の方が申出をすることができるとしてはどうかと思っております。

 ただ、今回、まだ第三者利用を始めるという段ですので、いきなりこの資格のある方なら誰でもいいというより、少し限定的に始めていくということで、第三者利用の試行期間は、例えば有識者の方もしくはNDBの第三者提供の特別抽出の研究実績のある研究者あたりに限定して始めてはどうかということで考えております。こんな形で申出資格については考えているものです。

 その次が8ページ目でございます。実際にオンサイトを利用していくといったときに申出をいただくわけですけれども、どんなところを審査いただくかがまた課題になってまいります。実際に、従来の第三者提供等がオンサイトになった場合どうなるかということで比較表みたいなものをつくらせていただいています。

 順々に従来の第三者提供のところを少し見ていただくと、例えば「研究目的」「利用の必要性」みたいなものはオンサイトでも変わらないだろうということで特段触れておりません。

 一方、例えばレセプトデータをどこで使うのですかというところ、これはもうオンサイトで使うことになっていますので、ここは審査をしていただく必要はないだろうとしています。

 あとは「保管場所及び管理方法」についても同様で、基本的にはオンサイトで使っていただく前提なので、ここを審査いただく必要はないだろうとさせていただいております。

 レセプトデータの項目をどこまで求めるのかというところがあると思うのですけれども、オンサイトの中で一定のトライアルというか、試行錯誤を許容することも考えますと、例えば詳細な抽出条件までの提出は今回必要ないのではないかということで、抽出要件の提出を求めない予定としてはどうかと書かせていただいております。

 「データ利用期間」は当然必要なのですけれども、「利用者メンバー」をどうするかというところがあります。東大・京大からの報告でも、オンサイトを使うにはいろいろなスキルが必要といった話もあったのですけれども、こういったオンサイトの解析に必要な技術レベルみたいなものを求めるかどうかという論点が一つあるかと思っております。

 次に結果の公表方法です。

 従来、第三者提供の申出では、本当に具体的な集計表の最終成果のイメージみたいなものを出していただいていたところなのですけれども、先ほどオンサイトで一定の試行錯誤を許容するということがありましたので、そこまで詳細なものを求めなくてもいいのではないかと考えています。一方で、例えば論文にするつもりであるとか等については書いていただく必要があるのだろうと考えております。

 もう一つの論点として、外部委託の必要性を書かせていただいております。

 外部委託については、従来の第三者提供ではずっと認めてきているところなのですけれども、オンサイトにおいて例えば委託を受けた業者がオンサイトに行って解析することをこの時点で許容するかどうかがもう一つ論点になってくるかと思います。

 審査の内容については、以上のところで少し考えておりますので、こちらについても少し御議論いただければと思っております。

 9ページ目のところでは、実際にオンサイトリサーチセンターを第三者が利用することになった場合、どういうフローが想定されるのかを書かせていただいています。

 基本的には、申出者と厚生労働省、申出者とオンサイトでやりとりが発生して、申出者と厚労省の間では申出をして審査して承諾する、そして誓約をして頂く。そして、オンサイトを使うための例えばIDみたいな振り出しを行うということが行われるところでございます。

 申出者とオンサイトの関係では、実際に利用申請をして、いついつ使いますという予約をして、利用に入っていく流れが想定されております。

 実際にオンサイトを使って結果が出てきて、公表までどういうフローになっていくかを考えましたのが、「5.解析結果公表までのフロー(案)」と書かせていただいているものでございます。

 解析結果の公表で、まず上に従来のNDB第三者提供の流れを乗せさせていただいていて、下にオンサイトでのNDB利用ということで、実際にオンサイトではどういった流れが想定されるのかを書かせていただいております。

 実際にオンサイトリサーチセンターでデータを解析する。ここまではいい。その先、オンサイトの場合は2通りの流れが考えられるところでございます。一つは、本当にオンサイトの中で公表できるまで集計をやり切った上でそのまま公表に進んでいく流れが赤い矢印で書いてあるものでございます。もう一つが中間生成物、まだ公表できる段までは解析し切れていないので、あとは自分の研究室に持ち帰ってやりますという流れでございます。それが緑に書かせていただいているものです。これは事実上、自分の研究室に持ち帰った時点で従来の第三者提供と同じトラックに乗ることになるのではないかということで考えております。

 現状の事務局の案としましては、持ち出しについて有識者会議で審査させていただくことで考えております。ただ、ここにこういう形で有識者会議の審査をしていただくのか、実際に審査をするときにどのくらい詳細に審査をいただくのかも含めて少し御議論かなと思っております。

11ページ目でございます。こちらに実際オンサイトの何らかの不正利用とか情報漏えいみたいなことがあったときの罰則の考え方をお示しさせていただいております。基本的にはペナルティーは従来の第三者提供の罰則の考え方を踏襲していく。不正利用・漏えいなどがあった場合は、例えば利用を停止するとかお名前を公表するのが従来からの考え方なので、基本はそれを踏襲しつつということになるのですけれども、表の向かって左に、従来の第三者提供でどんな違反が罰則の対象になってきたかを書かせていただいております。これについても、そのままオンサイトに当てはまるものと、そのままというよりはオンサイトでどうするかと考えなければいけないものがございます。

 下の「4‐6については現行継続としてはどうか」というのは、そのままオンサイトに当てはまるもの、例えばレセプトデータの漏洩であるとか利用目的以外の利用とか、その他国民の信頼を損なう行為であるとか、契約違反という話はオンサイトにそのまま当てはまると思いますので、これは現行継続してはどうかということで書かせていただいております。

 上の赤字で書かせていただいている1~3なのですけれども、ここはオンサイトについては少しそのままは当てはまらないという話になるかと思っております。

 1については、そもそもオンサイトはレセプトデータを貸し出す形ではありませんので、返却期限までに返却という話にならないので、これについては削除でもよいのではないかと書かせていただいております。

 2ですけれども、申出書と異なるセキュリティー環境で使ってセキュリティー事故の危険にさらしてしまう話があるのですけれども、オンサイトの場合は施設面のセキュリティーは厚労省と各オンサイトが管理していることになっておりますので、こういう形での罰則規定はなくてもよいのではないかということになります。

 ただ、例えば利用者がセキュリティー違反とか事故みたいな事象を起こしてしまった場合には、罰則は従来の第三者提供と同様という話になるのではないかと考えております。

 それから、3ですけれども、レセプトデータを紛失した。これもデータを貸し出すわけではないので不要ではないかと考えております。

 もう一つ、四角で書いてある話なのですけれども、オンサイト特有の環境でルール違反というのは恐らくいろいろなものが想定されるのではないかと考えておりまして、例えば、入るときに本当は携帯電話とかは外に置いて入らなければいけないのだけれども、気づかずにそのまま持ち込んでしまった時にどのような対応が適切かを検討する必要があります。

 最後、12ページでございます。第三者利用に向けて従来の第三者提供の考え方も踏襲しつつ引き続き御議論いただきたいという趣旨で書かせていただいております。

 事務局からは以上でございます。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 6ページから1から順番に項番が振られていますけれども、項番ごとに少し御議論いただければと思います。

 1に関しましては余り議論いただく項目がないと思いますので、もし何かございましたら後でまた御議論いただけるかと思います。

 2は、今の第三者提供と同じ基準でオンサイトの利用を認めるということになっています。この点に関して何か御議論はございますでしょうか。どうぞ。

○宮島構成員 確認の質問です。「第三者利用の試行期間においては」とあるのですが、この試行期間はどのぐらいのイメージでいらっしゃるのでしょうか。

○赤羽根室長 現時点では確かに実際第三者に開いてどうなるかが見えていませんので確定的なことは申し上げられないのですけれども、まず半年から1年程度見てみるイメージかと思っております。実際にやってみて、例えばもう少し広げられそうだとか早目のめどがつけば早くなりますし、もう少し必要だということになれば延びていくのではないかと思っております。

○山本座長 よろしいですか。どうぞ。

○宮島構成員 ありがとうございます。

 まさに安全性と情報を有用に使うというバランスの問題だと思うのです。

 正しくない医療情報が物すごく広がっていたという問題がこの数日の私たちの話題なのですけれども、改めて全然正しくない医療情報がみんなにこんなに広がっていること、一般の人たちがこんなにそこに一種頼ろうとしているというか、そこを見ようとしているというのを改めて感じます。だとすると、より正しくて正確な情報に関してはできるだけ早く国民にお届けしたい気持ちもあります。

 まさにどのぐらいが適切なのかはすごく難しいのですけれども、今ビッグデータの世界はすごくスピードが速くて、重要だったものがちょっとたつとすぐ重要ではなくなったりしている中では、もしかしたらこのスピードが外から見たら、厚労省が一生懸命やっていることはわかるのだけれども、やっていることが余りにも遅くてちょっと話にならないみたいな話になったり、例えば、研究者に限定している期間が余りにも長過ぎて、結局、内輪の安心なところだけでやろうとしているのではないかという誤解を与えたり、そういうことがある可能性はあると思います。

 本当に見きわめが難しいとは思うのですが、そんなにすごくのんびり安全なまでというよりは、できるだけ早く見きわめて、皆さんにいい情報を提供するところを心がけたほうがいいかと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 何かコメントはありますか。

○赤羽根室長 御指摘のとおり、本当に見きわめが難しいところではあるのですけれども、スピードも大事ですので、少しその点も踏まえながらよく御議論いただきながら進めたいと思っております。

○山本座長 ここは主には規約の問題ですね。ですから、数件やれば大体見分けられるのではないかと思います。

 この赤の四角の中は試行期間です。これは有識者会議のメンバーか第三者提供の研究実績のある研究者に一応限定して。そういう方が多分やることも早いと思うのです。入ってこれから何をしようかという方々にやってもらうと、それだけで時間がかかってしまいますので、そういう意味ではここを試行期間としてできるだけ早く本格的な運用に移行するということで、あとは特に御意見はございませんでしょうか。

○石川構成員 今、宮島構成員が大事なことを言われたと思うのです。これは最後の公表のところにきちんと、そこも見ることは前から言っているわけなのですけれども、これは実はすごく大事なことで、NDBからつくった統計でこういうことはわかったということが、要するにそれが本当にNDBを使ったということで、いわゆるお題目みたいになって、大変信憑性が高いものだと一般的には見られるけれども、実は真っ赤なうそだとかでたらめなことが書いてあるということがあってはいけないわけです。そういう点からも公表物に対してきちんとした、特にNDBを使ったとかということについてはきちんと管理されなければいけないと思うのです。

 ただ、この問題は、宮島構成員がおっしゃったから言いますけれども、国民が本当にいろいろなこういう医療情報に対しての真贋の目をどうやって養うかはすごく大事なことです。美容整形のところでのウエブでのいろいろな宣伝について我々も会議をやりましたけれども、あれと同じことで、要するに医療情報についての偽物、真贋についての監視を厚労省はやっていく必要があるのではないかと思いますし、国民自身も非常にそういうところはきちんと考えなければいけないと思います。それは、ちょうどこの後に個人情報のこともありますけれども、個人情報なんかも含めてネットの世界でのいろいろな情報のやりとりについても国民がきちんと自分の見きわめをするような文化といいますか、そういう教育だとかをやっていかなければいけないということが意味されるのだと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○石川構成員 済みません。今、個人情報の話が出たのですけれども、改正個人情報でNDBの、例えばどの部分をお使いになると76条の除外規定に当たるのか、あるいはNDBは最初から学問研究で匿名化されているということで除外規定されるのかについてのきちんとした声明を改正個人情報に合わせて出さないとだめだと思います。

 今、最初、第1回のいろいろな定義だとかをもう一回見直しているのですけれども、実は膨大な数になってしまいましたので、もう一回、事務局で、改正個人情報はもう少したったらもっと確定的なものになるので、きちんとしたこれに合わせたNDBの使い方、ここまではよくて、ここまでは学問研究でどうだとか、匿名化されているからいいのだとかいろいろなことについてきちんと提案していただきたいと思います。

○山本座長 よろしいですか。

○赤羽根室長 御指摘を踏まえて、改正後の個人情報保護法が施行された場合にどういう整理になるのかはきちんとやっていく必要があると思っております。向こうの個人情報法等々の整理とあわせながら、一回お示ししたいと思っております。

○山本座長 対象になるのは行政機関個人情報保護法ですよね。

○赤羽根室長 我々が保有して提供するのは基本的には行政機関個人情報保護法の話になりますけれども、整合性という話でいうと個人情報保護法の話も出てきますので、そこら辺もにらみながらになるかと思っています。

○山本座長 どうぞ。

○藤田構成員 個人情報保護法の話が出てきたので、恐らく今の事務局の説明のとおりで、行政機関個人情報保護法に加えて、もとのデータを出している機関との関係で一般の個人情報保護法だったり、条例とかの関係を整理する必要があると思うのです。

 大前提としては、こちらのNDBは高齢者の医療の確保に関する法律のもとに動いているということで、この後の論点だと思ったのですけれども、高齢者の医療の確保に関する法律の中に余り第三者提供についての規定がなく、罰則規定とかも存在しないので、本来はそのレベルからちょっと見直すべきなのではないかと思っています。

 多分、個人情報保護法との関係というよりは、むしろ別の法律的な措置も必要になるのではないかと考えております。

○山本座長 大昔から法的根拠が要るというのはずっと言い続けているのですけれども、なかなか進んでいないのが現状です。どうぞ。

○石川構成員 今話し合っているのは高齢者の医療の確保に関する法律の外の話でやっているのではないですか。高齢者の医療の確保に関する法律の中ではないです。

○藤田構成員 多分そこが今山本座長からおっしゃった法的根拠が緩いという点だと理解しています。

○石川構成員 そうなのですか。それははっきりしないと。

○赤羽根室長 現状の時点でいうと、第三者提供のベースには高齢者の医療の確保に基づいた法律のデータの使い方に関する告示がありまして、その告示をベースにして第三者提供が成り立っている現状がございます。

○石川構成員 では、中で話し合うことになるのですね。

○赤羽根室長 基本的に告示は高齢者の医療の確保に関する法律で集めたデータをどのように使うかを規定した告示でございます。

○山本座長 ほかはいかがでしょうか。

 この問題は非常に大事なのですけれども、新しい行政機関個人情報保護法も改正されましたので、それの施行が普通の改正個人情報保護法と多分同じですよね。その時期までに、もっと言うと全体の解釈が見えてこないと、ここだけが先走っても、そうではないと言われてしまうとちょっと困りますので、少し時間をかけてまた議論していきたいと思います。

 ほかはいかがでしょうか。

 それでは、2に関しては試行期間なしというわけにはいきませんので、できる限り時間を短縮する形で評価していくことの御意見をいただいたということで、次に進めたいと思います。

 「3.オンサイト利用申出の審査内容(案)」です。

 我々が今作成しているガイドラインをオンサイトでの利用に対してどう適用するかというときに、ここは適用外とか新たに適用するみたいなことをかなり具体的に決めていかないといけないのです。8ページといいますか、3番のパワーポイントで一応まとまっていると思うのですけれども、いかがでしょうか。御意見はございますでしょうか。

○藤井構成員 初めて参加させていただきますので少しピントがずれたような質問になるかもわかりませんけれども、この議論の大前提として、3番とか5番に絡むのですけれども、オンサイトの現場で何がどこまでできるという想定で考えればいいのかということなのですけれども、例えば技術レベルを考えましても、あるいは普通の5番でいえば、持ち出しのデータとかはどういうものかを考えるにしても、そこの事務局としてのイメージが何かあれば教えていただければありがたいと思います。

 例えば成果物で持ち出すといっても、紙なのか、あるいは何か電子媒体で持って出られるのか。電子媒体だとしても多分分析ソフトみたいなものがオンサイトの端末であれもこれも使えるわけでもないですよね。そうすると外から分析ソフトを持ってきて、何かそこで作業ができたりするのかしないのか。そこら辺で議論の様相も結構変わってくるのかとも思うものですから、何かイメージがあれば、教えていただければありがたいと思います。

○吉村室長補佐 御質問ありがとうございます。その点についてはこれまで東京大学と京都大学で行われているパフォーマンステストの中で実証的に検証されてまいりました。内容については、中間報告等で有識者会議でも提示されております。

 要点を申しますと、オンサイト内の端末に外から電子的な情報を持ち込むことは原則禁止しておりまして、唯一持ち込むことができるのは、データベースからデータを引き出すためのSQLといわれるプログラムの一種をオンサイト外で準備して、ウイルスチェック等を受けた上で、オンサイト内でそれを走らせることについては許容しているのがルールです。今、藤井構成員の御指摘があった、例えば自分で使っている統計解析ソフトを持ち込んで端末の中に入れて使いたいという事については現在認めていない。そのかわり厚生労働省で一般的な統計解析ソフトを用意して、使い心地をユーザーからヒアリングしている状況にあります。

 もう一点、データの持ち出しにつきましては、電子的にオンサイト内から安全に取り出すルートを運用業者とともに構築済みであります。そのときに運用業者並びに厚生労働省がその中身を検証できるような手順は確立していますので、そのルートを使ってどういったデータがどの程度どの量出たかはモニタリングできる状況をつくっています。以上から利用者個人が端末から情報を取り出すことは紙媒体であっても原則禁止しており、そのルートを使って必要な情報を取り出す運用とされております。

 以上です。

○山本座長 よろしいですか。ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○棟重構成員 オンサイトセンターを見学したときに感じたのですけれども、大学の関係者ということで非常に入れる人が限られていますよね。一方で「第三者提供」、でのここでいう外部委託の方々については少し基準を広めにとっているのではないかと思うのです。

 その辺のギャップを考えたときに、オンサイトセンターではいろいろなデータにアクセスできますが、一方で第三者提供の場合は限定されたデータを提供するということであれば、オンサイトセンターを外部委託業者が利用する場合は少し厳し目な外部委託基準を設定する必要があるのではないかとも感じます。

一方で、SQLを使いこなすなどシステム的に難しいところもあるので、なかなか一般の人は操作しづらいところです。その辺の間をとるうまい方法は何か考えていらっしゃるのか、教えていただければと思います。

○山本座長 うまい方法を事務局とも考えているのですけれども、なかなかいい考えが浮かばないのです。

 おっしゃるとおりで、オンサイトセンターで外部委託を完全に広く認めてしまうと、恐らくオンサイトセンターの門前業者みたいなものができて、オンサイトセンターの扱いに物すごく習熟した業者がオンサイトセンターを利用する全ての分析の委託を受けてしまうみたいなことにもなりかねないわけです。これは余り趣旨と違うということがあります。

 オンサイトセンターの中ではレセプトデータベースを全て見ることができるのです。そういう意味では、外部委託事業者さんが何か頭では覚えることができますから、紙で書いて持ち出さなくても、そういう意図があっても困るというのも第三者提供よりもかなり厳しい条件になろうかと思うのです。ではどうするかが今御議論いただきたい点でございます。

 例えば、規模は小さいですけれども、台湾でも同じようなこういうレセプトデータデータベースを持っていて、そこのオンサイトといいますか、National Health Researchというところに行って皆がやるのですけれども、その場合は事前に講習を受けて使えるようにしてから入れているのです。何回だったか、講習を受けないと使えないというルールになっていて、そういうところもあるのですけれども、それをとると、また講習を行うためのさまざまな手当てを行わないといけないことになって、これができるかどうかはまた別問題なのです。

 この辺はいかがでしょうか。ここは、外部委託の必要性が一番大きな問題で、全くだめというと本当に全員がSQLを使いこなせてデータベースの構造がわかっていないとオンサイトセンターは使えないことになるわけです。かといって無制限に許すといろいろな危惧が出てくることにもなりかねないところなのです。

 いかがでしょうか。この部分は事務局にもう少し具体的な提案をしていただかないと議論ができないのではないかということがあるのです。あるいは申請者と委託をするにしても完全な雇用関係を結んでもらうとかもありかと思うのです。

○赤羽根室長 御指摘を踏まえてもう少し具体的なお答えができるかどうか少し検討したいと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 ほかのところはいかがでしょうか。従来のNDBの第三者提供で赤字で書かれているところでオンサイトNDBの利用で、場所はこれは決まっているので、当然ながら、なくなりますね。

 「保管場所及び管理方法」もオンサイトセンター独特の、例えばメモして持ち出してはいけないみたいなことに関するルールは多分あるのだと思いますけれども、それ以外に関しては、ここはそんなに厳しくやってもしようがないというか、現実には問題が生じないだろうと思います。

 項目は、今、結構、必要最小限の項目であるということをかなり厳密に確認しているのですけれども、オンサイトセンターで項目を限定しても、性質上、仕組み上、ほとんど意味がないことになりますし、物すごく簡単なBIツールでもほとんどの項目が見られるようになっていますし、SQLを走らせればデータベース上でアクセスできるデータは全てアクセス可能だとなりますと、むしろ研究目的と研究方法をしっかり見せていただいてとなろうかと思うのですけれども、そういうことでよろしいですか。

 どうぞ。お願いします。

○頭金構成員 今、座長から御指摘された提供を受けるレセプト情報等の項目なのですけれども、ここでオンサイトの目的からいって抽出条件の提出は求めないというふうにしていただきたいという点が一点。それから、今、座長が御指摘のように、項目のレベルを余り絞り込んでもオンサイトの趣旨にそぐわないという御指摘も私もそのとおりかと思います。

 ただ、どのレベルなのかは具体的にこれを読んだときに疑問に思いまして、例えば医科レセプト、調剤レセプト、そういうレベルでいいのか、あるいは医薬品レコードとかのレベルを事前に言うのかとか、そこら辺のイメージというのでしょうか、座長がおっしゃったように、余り絞り込んでもこの趣旨に合わないと思うのですけれども、どの辺をお考えになっているのかについて、今、お考えがあれば教えていただきたいと思います。

○山本座長 お願いします。

○吉村室長補佐 御質問ありがとうございます。イメージとして考えているのは、今、頭金構成員がおっしゃった医科入院、医科入院外、調剤、歯科、DPC、特定健診といった大きなデータの種類を指定していくことです。あとは利用するレセプトの対象期間です。例えば、レセプトの何年何月から何年何月を分析の対象とするという枠組みがオンサイトの中ではなじむのかなと一つの原案として考えております。御意見をいただければと思います。

○頭金構成員 そのぐらいにしていただければ、使い勝手がいいだろうと思います。

○山本座長 公表方法も現在の第三者提供は本当に公表のイメージの添付をお願いしているのですけれども、オンサイトセンターの場合はある程度トライアル・アンド・エラーといいますか、試行錯誤でやってみていただかないとわからないところもありますし、本当に最終的な形の表に至るまでの間に相当ステップがあって、多分、研究開始時にはそこまで求めるのもなかなか大変かという気がしますので、少なくとも例えばこれこれの報告書に記載するとか、こういう学術、学士の論文にするという予定を記載していただくことにさせていただければと思うのですけれども、これもよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○山本座長 それでは、オンサイトの解析で必要な技術レベルを規定するというのも、文章で書くと簡単ですけれども、これはどう確認するのかもございますし、ない人に一体どうするのかも、例えば委託でそれを補えばいいのかとか同じようなセットの問題になると思うのです。ここはもうちょっと詰めた状態でもう一回また御議論願いたいと思いますけれども、それでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○山本座長 ありがとうございます。

 それでは、そのようにまた検討を続けていただきます。

 4番のフローですけれども、大体このような運用でいかがでしょうかということなのです。特段、余り議論する点もないかと思います。

 いかがでしょうか。大体、この流れでよろしいでしょうか。

 どうぞ。

○猪口構成員 まだ全然動いていないのでわからないのですけれども、先ほどの外部委託をするかどうかにもありますけれども、例えば、余りなれていない人がやって物すごく時間がかかるとか、非常にデータが大きいので解析がコンピューターのほうが時間がかかるとかとなると、一体、この人は何月何日の何時から何時までという予約が可能なのかどうか。ちょっとイメージからいうととても時間がかかるので、日時とかの予約はできないのかなという気がするのです。そこら辺はどうなのでしょうか。

○山本座長 パフォーマンスの報告を見た限りでは、ごく極めて不幸なタイミングで本題作業ですごくデータベースのパワーが使われているときにかなり難しい抽出をしたときには8時間とかというのがあったのですけれども、それ以外はそんなには長くなかったです。長くても1時間とか2時間とか、短いと多分数十分で処理が終わっているようでしたから、日単位ぐらいで予約をすれば、極めて不幸なタイミングで使った以外は何とかなるのではないかと思っているのです。

 予約はしてもらわないといけなくて、予約の時間内に完結するかどうかはまた別問題だと思うのです。そのときには、一応中間的なものを全部保存できるようになっていますので、再申請していただいて、1週間か1カ月後かはわかりませんけれども、もう一回続きをするという対策を取らざるを得ないのではないかと思います。どうぞ。

○布施構成員 オンサイトリサーチセンターなのですけれども、国はもちろん職員がいらっしゃるのでいいと思うのですけれども、東大・京大については職員どなたかの施設を管理するとか出入りをチェックするとか、そういう人の体制が必要だと思うのですけれども、その辺についてはどうお考えでしょうか。

○山本座長 一応、契約をされているのですよね。事務局から。

○吉村室長補佐 御質問ありがとうございます。おっしゃるとおりでして、来られた方の持ち物の確認や利用権利があるかどうかの照会など、そのあたりの業務は発生いたします。

 現在、東大・京大と協議、申し合わせを行って、協力して運用するということになっていますが、人員もございますので、もう少し具体的に支援できるかというのはこれから詰めていくところだと考えております。

○布施構成員 わかりました。これは、できればですけれども、安全面を考えた場合に、委託なのかちょっとわかりませんけれども、専従職員等がいないとチェックが難しいのかなという気がいたしております。

○山本座長 ほかはいかがでしょうか。

 それでは、その次の「5.解析結果公表までのフロー(案)」ということで、これは今まで皆さんが御議論いただいていた内容と特段変わるものではないと思っています。オンサイトリサーチセンターから利用申請だけで持ち出せるデータはない。持ち出す際には、もう一度持ち出す申請をしていただいて、そのまま公表する場合と、さらに使いなれたツール等を使って処理を進める場合との2つがあって、いずれも持ち出すものの安全性あるいは妥当性を有識者会議といいますか、分科会になるのか、非常に問題の少ないものは簡易で審査をするのかという区別はあると思いますけれども、それで進めていくという流れです。

 この点に関しましては、何か御意見がございますでしょうか。

 どうぞ。

○大久保構成員 赤いラインですけれども、そのまま集計結果を公表する場合とありますが、現実的には例えば一定のクロス表を作成し、それを研究室に持ち帰らないでそのまま論文などで発表するということは現実的にない。

○山本座長 研究室に持ち帰らないという意味ではなくて、処理をしないという意味です。

○大久保構成員 処理をしない。わかりました。では、クロス表が出たものを研究室で違ったExcelできれいにするとか、そういうことは赤ラインに含まれているわけですね。わかりました。

○山本座長 そうです。

 どうぞ。

○頭金構成員 グリーンのラインの研究室に持ち帰るという場合ですけれども、先ほど議論がありましたように、オンサイトの場合、利用者の研究室のセキュリティーの条件は関係ないので外すというお話ではなかったかと思うのですけれども、グリーンの場合は改めて研究室の運用管理規定とかはチェックするという理解でよろしいでしょうか。

○山本座長 基本的には集計表の請求とほぼ同じと考えていますので、出せるということはそれなりの安全性が確認された中間生成物、つまり従来の第三者提供でいうと集計表情報の提供があったと思うのですけれども、あのレベルと基本的には考えています。したがって、集計表を提供するときのセキュリティー要件が満たされているということは当然ながら確認しないといけないと思うのですけれども、個票レベルで持ち出していいということは多分あり得ないと思いますので、そういう意味では集計表提供に準ずる形でと考えています。それでよろしいですか。

○赤羽根室長 はい。現時点では、そのような想定を考えております。

○山本座長 ただ、今、第三者提供の場合は負荷が高くなり過ぎるので、集計表を提供する場合は単純集計に限るという規則があるのです。単純集計ではできないような集計表をオンサイトセンターを使ってすくっていただいて、それが従来の集計表提供と基本的には変わらない安全性を持っているということで集計表の提供に準じて出していただくということです。

 もう一つ、オンサイトセンターは極めて非人間的な空間で、余り長時間いると精神衛生上悪いということで、できるだけ早く安全な中間生成物にして快適な研究室に持って帰って研究を進めていただくのも現実的な話だとは思うのです。

 どうぞ。

○石川構成員 赤いところのオンサイトリサーチセンターからそのまま公表する場合で、途中に有識者会議でデータの持ち出しについて審査というのが、一応、点線がここまでかかっていますけれども、このことについては何かかなり作用するという感じなのでしたっけ。

○山本座長 ここは当然審査です。

○石川構成員 審査ですね。その公表のものについての審査でよろしいですね。

○山本座長 そうです。

○石川構成員 わかりました。

○山本座長 もちろん学術的な審査ではなく安全性という意味での審査が行われます。

 いかがでしょうか。大体このような流れで進めてよろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○山本座長 それでは6番目の罰則です。

 基本的には第三者提供の罰則のルールを適用するのですけれども、一つはそもそも成立しない罰則対象を対象外とすることと、オンサイト独特の問題が生じる可能性がありますので、その点に関しては追加といいますか、対応を検討しなければならない。

 オンサイト独特の場合というのは、ルールに反して、例えばデジタルカメラを持ち込んで画面を撮ったとかそういうことを、やらないとは思いますけれども、もしやった場合にどうするのかとかといったことが加わってくると思うのです。

 それ以外は、返却はそもそも生じないわけですし、環境としてのセキュリティー要件は厚労省及び連携大学がやるわけですから利用者の責務にはならない。なくすこともできない意味では、1、2、3に関しては、1は削除で、2に関していうとオンサイト独特のセキュリティー要件といいますか、ユーザー要件だけを対象とすることと、紛失は起こり得ないので削除です。

 原則この方向で、最後の赤四角のその他オンサイト特有の環境に応じた運用管理規定違反が2つ目の赤い四角のところと多分関連してくると思いますけれども、この方向で実際のガイドラインに適用部分を指し示すのかガイドライン自体を変更するのかになると思いますけれども、こういう方向で検討を進めていってよろしいかどうかに関して御意見をいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。大体このような方向で実際のガイドラインの改定に案をつくって検討していくということで進めさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○山本座長 それでは、ここはそういうことにさせていただきます。

 ということで、第三者利用に向けて委託をどう考えるかは少しまた御議論をいただかなければならないといいますか、事務局で案をつくっていただいて、また議論させていただきたいと思います。

 それ以外は、おおよそこの方向でガイドラインの改定を検討していくことにさせていただきたいと思います。

 こちらで御用意した議事はここまでですけれども、何か特別に御発言はございますでしょうか。よろしいですか。それでは、本会といいますか、有識者会議の議事はここまでとなります。

 事務局から何か連絡はありますでしょうか。

○赤羽根室長 事務局でございます。ありがとうございました。

 次回の本会議の日程につきましては、日程が決まり次第、また御連絡させていただきます。

 本日につきましては、この後10分ほど休憩を挟ませていただきます。今15分ほどですので25分ぐらいでよろしいでしょうか。1125分ぐらいから審査分科会を開催させていただきますので、分科会の構成員の皆様は引き続きよろしくお願いいたします。

 事務局からは以上でございます。

○山本座長 それでは第34回「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」はこれにて閉会とさせていただきます。

 本日は、お忙しい中、どうも御参集ありがとうございました。

 審査分科会の構成員は、この後も引き続きよろしくお願いいたします。

 


(了)

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