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2016年7月26日 厚生科学審議会疾病対策部会 第43回難病対策委員会 議事録

○日時

平成28年7月26日(火) 15:00〜17:00


○場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター


○議事

 

徳本難病対策課長補佐 ただいまから厚生科学審議会疾病対策部会第43回難病対策委員会を開会いたします。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただき、誠にありがとうございます。前回の難病対策委員会以降、委員の変更がありましたので御紹介申し上げます。山本委員に代わり、北海道大学の渥美達也様です。本日は30分ほど遅れて来られるということです。続いて、葛原委員に代わり、新潟大学脳研究所の西澤正豊様です。道永委員に代わり、日本医師会の羽鳥裕様ですが、本日は欠席です。金澤委員に代わり、国立精神神経医療研究センターの村田美保様です。伊藤委員に代わり、日本難病・疾病団体協議会の森幸子様です。

 事務局の職員に異動がありましたので、御紹介いたします。昨年101日付けで健康局長に着任した福島です。今年621日付けで健康局難病対策課長に着任した平岩です。また、本日は都合により欠席しておりますが、621日付けで大臣官房審議官に橋本が、昨年101日付けで健康局総務課長に大西が着任しております。

 本日の委員の出欠状況です。小幡委員、駒村委員、鶴田委員、本田彰子委員、本田真由美委員、羽鳥委員から欠席の連絡を頂いております。また、先ほど申し上げましたが、渥美委員は到着が30分ほど遅れると伺っております。

 まず、委員会開催に際し、健康局長の福島より御挨拶を申し上げます。

福島健康局長 健康局長の福島です。委員の先生方には、大変お忙しいところお集まりいただき、大変ありがとうございます。また、日頃から難病対策のみならず、健康政策全般につきまして、御支援、御指導を賜り、改めて厚く御礼申し上げたいと思います。

 難病対策については、昨年1月に施行された難病の患者に対する医療等に関する法律に基づき、現在306疾病の指定難病を対象とした医療費助成、難病の克服を目指した難病に関する調査研究、療養環境の質の維持向上に取り組んでいるわけです。また、指定難病については、今年の3月から222疾病を対象として検討を始めており、難病対策は着実に進んでいると考えております。

 また、昨年9月ですが、この審議会の御意見を頂戴して定めました難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針に基づき、現在の様々な取組状況について、本日は報告をさせていただきたいと考えております。

 また、本日以降ですが、この基本方針の中で示されている、難病患者に対する医療を提供する体制の確保に関する事項の内容に沿い、難病の医療提供体制の在り方について、御検討をお願いしたいと考えております。

 是非先生方には、これまで同様、精力的な御議論をお願い申し上げまして、簡単でございますが冒頭の挨拶にさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

徳本難病対策課長補佐 カメラの撮影はここまでとさせていただきます。傍聴される皆様方におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をお願いいたします。

 以降の議事進行については、千葉委員長にお願いいたします。

○千葉委員長 まず資料の確認をお願いいたします。

徳本難病対策課長補佐 本日の配布資料については、表紙の議事次第、資料1-1「難病対策の現状」、資料1-2「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針に対する取組状況」、資料2-1「難病の医療提供体制の在り方について(これまでの検討の経過及び今後の進め方)」、資料2-2「難病の医療提供体制の在り方について(基本的な考え方と方向性)」、資料2-3「難病の医療提供体制:患者に見える風景からの出発」ということで、国立病院機構箱根病院神経筋・難病医療センターの小森先生から登録いただいている資料、参考資料1「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」、参考資料2は平成25125日に取りまとめた「難病対策の改革について(提言)」、参考資料3はゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォースで取りまとめ中のゲノム医療等の実現・発展のための具体的方策についての意見取りまとめ()、参考資料4「今後の難病対策委員会の進め方()」です。資料の欠落等がありましたら、お声掛けをお願いいたします。

○千葉委員長 議事に入ります。指定難病制度が始まり、もう1年以上たちました。当初からではありますが、幾つかの問題が残っておりますし、そういったことを今後改善していく必要があるわけです。そこで、難病対策の現状について、事務局から御説明をお願いいたします。

徳本難病対策課長補佐 本難病対策委員会はおおよそ1年振りですので、資料1-1、資料1-2を用い、難病対策の現状と基本方針の取組状況について御説明いたします。

 資料1-1です。御案内のとおり、昭和47年に難病対策要綱が取りまとめられ、国として難病施策を進めてきたところです。それ以降、様々な課題が指摘されてきており、平成23年頃から、難病対策の見直しについての議論が開始されたところです。本日の参考資料として付けておりますが、平成251月に「難病対策の改革について(提言)」を取りまとめいただき、これを受ける形で難病法の成立に向けて、取組が進められたところです。

 平成2512月に、「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」の中で、都道府県の超過負担の解消、新たな公平かつ安定的な医療費助成制度の確立が定められ、平成265月に、「難病患者に対する医療等に関する法律」が成立いたしました。この法律に基づき、平成271月に同法が施行され、従前の56疾病から110疾病に医療費助成の対象を拡充し、7月から更に196疾病を追加し、現在は306疾病に対して医療費助成を行っているところです。

 続いて2ページです。平成2512月にまとめた「難病対策の改革に向けた取組について(概要)」で御説明します。今般の難病法における取組については、3本の柱で構成されております。第1の柱として、治療方法の開発と医療の質の向上ということで、研究の推進、データベースの構築、医療提供体制の確保が整理されております。第2の柱として、公平かつ安定的な医療費助成の仕組みの構築、第3の柱として、社会参加のための施策という形で、社会参加のための施策としては、普及啓発、社会参加のための支援、福祉サービスの充実、就労支援、難病対策地域協議会について、述べられているところです。

3ページです。これが平成265月に成立した法律の概要です。法案提出の趣旨にもあるように、これまでの取組を法律に基づく措置として、公平かつ安定的な制度として取り組むということが、本法律の趣旨です。法案の概要の(2)(3)(4)のように、公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立、調査研究の推進、療養生活環境整備事業の実施となっています。

4ページです。この法律の施行を受け、基本方針を定めました。その議論は、平成272月の第36回難病対策委員会から、8月の第42回難病対策委員会まで行い、915日に告示しております。

5ページは、その内容です。「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針(概要)」です。項目としては9つに分かれております。1.基本的な方向、2.医療費助成制度に関する事項、3.医療を提供する体制の確保に関する事項。3つ目の医療を提供する体制の確保に関する事項については、本日の資料2-1、資料2-2、資料2-3に基づき、御議論いただく内容です。4.人材の養成に関する事項、5.調査及び研究に関する事項、6.医薬品等の研究開発の推進に関する事項、7.療養生活の環境整備に関する事項、8.福祉サービスに関する施策、就労の支援に関する施策その他の関連する施策との連携に関する事項、9.その他です。

6ページは医療費助成の仕組みについての概要です。御案内のとおりですので、簡単に御説明申し上げます。自己負担割合については、従前の原則3割を2割に引き下げ、自己負担上限額については所得の階層区分によって上限額を設定し、外来と入院の区別を設定しないことが今回の改変のところです。また、右側にいきまして、高額な医療が長期に継続する患者の取扱い及び高額な医療を継続することが必要な軽症者の取扱いということで、きめ細かな制度として取組をしているところです。一番下ですが、経過措置として、平成261231日まで、旧事業による医療費の支給の対象となっている患者で、平成2711日以降も療養の継続を必要とされる者については、経過措置が設けられているところです。

7ページです。先ほど申し上げた内容を、具体的にそれぞれの所得区分ごとに上限額が記されています。繰り返しになりますが、患者負担割合は2割、原則として低所得者Iに分類される方が月額2,500円、上位所得者が3万円という形です。また、高額かつ長期の方に関しては、上限負担額が軽減されている部分があるのと、人工呼吸器の装着者については1,000円となっております。

 訂正が1つあります。7ページの「難病療養継続者」の所で「平成29331日まで」となっていますが、これは「平成291231日まで」の間違いですので、修正をお願いいたします。

8ページは「指定難病の拡充について」です。御案内のとおり、56から110306と対象となる疾病を拡充してきました。

 続いて10ページです。研究開発については、難治性疾患政策研究事業と難治性疾患実用化研究事業があり、合わせて予算額は101億円です。この政策研究事業、実用化研究事業間の連携を図っていただき、それぞれ診断基準の作成、QOLの調査、病態解明、遺伝子解析、新規治療薬、医療機器等の開発につなげる研究等を行っていただいております。また、これらによって得られた知見を新たな治療法開発等を通じ皆様に還元される、若しくは難病情報センター等を通じて疾病に関する最新情報を提供するということで、還元されているところです。

1112ページは、我々が行っている事業ですので、御参考にしていただければと思います。

 資料1-2は基本方針の取組状況です。第2の所が左と右に分かれており、左側が基本方針の概要です。今回の御報告内容は取組状況です。第2「医療費助成制度に関する事項」の(2)今後の取組の方向性についてです。ア.指定難病に係る適合性の判断や診断基準の見直し等については、3月から指定難病検討委員会を開催しており、追加の作業を行っているところです。イ.指定難病患者データベースの構築については、平成29年度中の運用を目指して準備中です。

2ページ、第3「医療を提供する体制の確保に関する事項」です。(2)今後の取組の方向性についてです。これに関しては、資料2-1、資料2-2で丁寧に御説明しますが、モデルケースの提示、医療提供体制の構築、連携強化などが方向性として書かれています。これらについては、アからエ、カに書いていますが、平成28年度の難病対策委員会で具体的に検討し、モデルケースを提示することとしています。また、小児慢性特定疾病に関する医療従事者間の連携については、モデル事業を実施しているところで、それらを参考に今後、体制整備を促進することを考えています。

 第4「人材の育成に関する事項」です。ア.医療従事者の養成、イ.学習機会の提供、ウ.介護職員等の育成については、研究班による指定医の研修テキストの充実化を図る、保健師等について引き続き研修を行っていく、また喀痰吸引等の実習についても、都道府県が行うものを推進していく形を考えています。

 第5「調査及び研究に関する事項」です。難病患者の実態調査、症例の収集、他のデータベースとの連携、国民への情報提供もありますが、まず先ほど来より御報告していますように、データベースの稼働に向けて準備を行うことと、難病患者の実態調査については難治性疾患の政策研究事業で検討をお願いしているところです。また、国民への情報提供に関しては、難病情報センターのホームページを活用し、広く提供することを考えているところです。

 第6「医薬品等の研究開発に関する事項」です。こちらも難治性疾患実用化研究事業、政策研究事業との連携で、その推進を図っているところです。また、希少疾病用医薬品の研究開発については、希少疾病医薬品等指定制度、また医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会の会議等を通じ、必要な取組を進めていくということです。

 第7「療養生活の環境整備に関する事項」です。取組状況で御説明いたしますが、難病相談支援センターの運営支援、研修等を通じた技術的支援を引き続き行うこととします。また、難病相談支援センター職員向けの研修や情報交換の場の提供を考えていきたいと思います。また、難病対策地域協議会が好事例の把握等を行い、更にそれらの横展開を考えていくことになります。また、レスパイト入院先の確保等に関しては、在宅難病患者一時入院事業を実施していくことの取組を引き続き進めていきます。

 第8「福祉サービスに関する施策、就労の支援について」です。障害者総合支援法の対象疾病の見直し、マニュアル整備、先駆的なサービスの普及、治療と就労の両立、安定的な就職と職場定着のための支援、成人後の自立に向けた支援、保健師等への正しい知識の普及については、指定難病の検討状況を踏まえ、障害福祉サービス等の対象疾病の見直しを引き続き検討していくこととしております。また、疾病対象の見直しに合わせたマニュアルの見直しを行い、関係機関への周知徹底を行うこととしております。また、先駆的なサービスの普及については、医療の必要性が高い難病患者が福祉サービスを活用しながら在宅で暮らす事例を収集し、普及する方策を検討していくところです。また、就労に関しては、ニッポン一憶総活躍プラン、骨太の方針、日本再興戦略2016等で、就労支援や治療と職業生活の両立支援を推進することが盛り込まれておりますので、それに沿って取り組んでいくところです。また、治療と職業生活の両立支援ガイドラインを作成し、周知をしたところです。また、難病患者の雇用管理に資するマニュアルの改定を進めており、普及に努めているところです。さらに、就職と職場安定のための支援として、ハローワークを中心とした支援、職場定着支援を実施していくこととしています。

 第9「その他」です。啓発活動の実施、共生社会の実現への寄与、各種手続の周知、簡素化の検討というところで、難病情報支援センター、難病相談支援センター等を通じ、国民及び事業者等に対する難病に関する情報発信を進めることとしております。また、手続の周知と簡素化については、難病相談支援センター等を通じた福祉、就労支援等のサービスの周知を行っていくこととしております。また、マイナンバー制度の施行に伴い、申請時の添付書類の一部省略化をすることとしております。また、手続の簡素化について、今後検討を進めていくこととしております。

 以上、非常に駆け足でしたが、難病対策の現状及び基本方針に対する取組状況について御報告させていただきました。

○千葉委員長 資料1-1、資料1-2で、難病対策の現状ということで御説明いただきました。かなりのボリュームについて、短い時間で御説明いただきました。この御説明について御質問、御意見はございますか。

○五十嵐委員 成育医療センターの五十嵐です。質問ですが、新しい指定難病を拡充された結果として、患者の数はどのぐらいに増えたのでしょうか。

徳本難病対策課長補佐 数に関しては正確なところを把握できるところではありません。我々がデータを把握できるのは、衛生行政報告例と言い、各都道府県が受給者証を発行した数について報告を受けるもので、10月末若しくは11月上旬に取りまとめられるものだと認識しています。

○千葉委員長 実際に難病の数を増やして、重症度分類で従来の方々に対して、軽症の部分については少し我慢していただくという大きな流れになっていると思います。その流れの中で、どのぐらいの人数になってきているかというのは非常に重要ですので、是非よろしくお願いいたします。これは、従来厚労省に数として上がってくるのに都道府県に差があったようなことがありましたが、そういうことはどうなのでしょうか。そのままの人数が上がってくるという理解でよろしいのですか。

徳本難病対策課長補佐 千葉委員長がおっしゃった、「都道府県によって上がってくる数が違う」というのは、恐らくは受給者証を持っている方の数については、きちんとした数が上がってくるのだと思うのですが、臨床を通した個人票の入力という形では、それぞれ入力率ということで違った部分が従前はあったのではないかと思います。

○千葉委員長 そういう意味では、人数の把握はできるということですね。

徳本難病対策課長補佐 そのように認識しております。

○千葉委員長 ほかにいかがでしょうか。

○森委員 私は日本難病・疾病団体協議会の伊藤から代わりました森と申します。一般に膠原病と言われている自己免疫性の疾病に属するSLEの患者です。本日も、大変多くの患者会の皆さんが傍聴に来られまして、約1年振りに委員会が再開されたということで、非常に大きな期待と不安をお持ちで、ここに御参加されているかと思います。

 基本方針の取組状況についても、何点かお聞きしたいところではありますが、本日は議題も決まっておりますので、そちらを進めていただいてということだと思うのですが、今までの議論を長年丁寧にしていただいている中で、患者中心の難病対策を考えていっていただいてきました。今後も大事にしていただきたいですし、議論がまだ進んでいなかった重症度分類ですとか、軽症者のデータの登録や登録証の発行がどうなるのかについても、まだ途中で止まっていたと思いますので、是非また今後の検討の中には加えていただきたいということもお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○千葉委員長 この点については、何かありますか。

徳本難病対策課長補佐 我々としましては、先ほどデータベースの話もありましたが、データベースも含めて軽症患者のデータの把握は必要であると思っております。そういった意味では、軽症の患者のデータをどのように把握していくかということも含めて、また団体の皆様の御意見なども聞きながら、実務的に可能な対応を考えていきたいと思います。

○本間委員 先ほどの五十嵐先生の質問に関連してですが、医療費助成が一番最初の大きなテーマになっていて、それについていろいろ議論して新体制を作ったわけですから、施行後1年たった結果、きちんとしたデータは10月頃に数字が上がってくるという話ですが、年内にも例えばこういう席で、きちんとした資料を公表するというような予定などはあるのですか。

徳本難病対策課長補佐 先ほど申し上げた衛生行政報告例に関しては、一般に公開されるデータです。そういった意味では、我々がここで御説明しなくても皆様の目に付くものではありますが、こういった御意見がありまして、御質問にもお答えするという観点から、その報告があった次の回には、皆様方に御説明できるようにしたいと思います。

○千葉委員長 患者の流れがどのようになっているかは我々としても興味がありますし、今後の施策に大きく影響すると思いますので、是非よろしくお願いいたします。

 先ほどお話のあったデータベース化とか、軽症患者の取扱い、さらにそういう方々の登録といったことは、前の対策委員会からずっと懸案になっていますので、これは継続して審議していくべきものだと思っています。ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。

 いろいろとあると思うのですが、ざっと今までの流れを説明していただいたということで、これはこのぐらいにしておきます。ただ、今まで積み重ねてきた議論の継続性というのは極めて重要だと思いますので、先ほどの御説明については、我々は全員がリマインドして、フォローしていくことが重要かと思います。よろしくお願いします。

 それでは、次の議題の「難病医療提供体制の在り方について」です。事務局から御説明をお願いいたします。

遠藤難病対策課長補佐 資料2-1を御覧ください。難病の医療提供体制の在り方については、これまでの議論の経緯をまとめさせていただきました。1ページ、平成243月から6月まで、難病研究・医療ワーキンググループ及び難病在宅看護・介護等ワーキンググループにて検討が行われ、このときおおむね全ての難病に対し、総合的な高度専門医療を提供することができる機関としての新・難病医療拠点病院の設置、地域の難病医療の提供、関連施設との連携や人材養成等を担う機関として、難病医療地域基幹病院の設置、また、地域における治療連携を推進することが取りまとめられました。

 次に、その取りまとめを基に、難病対策委員会においても同様に議論が行われ、最終的に平成251月に難病対策の改革についての提言がまとめられました。こちらに関しては、9ページの参考2にイラストが掲載されていますので、御参考いただければと思います。

 高い専門性と経験を有する病院を新・難病医療拠点病院(総合型)として都道府県が3次医療圏ごとに原則1か所以上を指定、特定分野の疾病に対して、より専門的な医療機関を新・難病医療拠点病院(領域型)として都道府県が適切な数を指定、地域医療の推進や入院・療養施設の確保のため、都道府県がおおむね2次医療圏に1か所程度、難病医療地域基幹病院を指定、と取りまとめられました。

2ページです。しかしながら、平成271月の難病法施行後、その後915日に基本方針が取りまとめられるのですが、この取りまとめの議論の段階におきましては、下の括弧の中にありますが、当時、指定難病の疾病数が56から306へと増えていたこと等もありまして、拠点病院が全ての難病に対応することは不可能ではないかという意見がありまして、医療提供体制については引き続き検討していくこととし、基本方針の医療提供体制に関しては基本的な考え方と取組の方向性のみを示して取りまとめております。

3ページ、今後の進め方としては、四角で囲みました2つまでは、先ほどの基本方針における今後の取組の方向性より抜粋しております。国は、医療提供体制に関してモデルケースを示すこととなっております。また都道府県は、医療提供体制の確保に向けて、必要な事項を医療計画に盛り込むなどの措置を講じる等に努めるとされています。

 この医療計画については、平成30年度から新たに開始する第7次医療計画を、都道府県が来年度、平成29年度中に検討することとなっておりますので、矢印の下になりますが、この検討の参考とできますよう、本委員会で難病の医療提供体制の整備等について御議論を頂き、秋頃までに取りまとめ、今年度中に都道府県宛てに通知をしたいと思っております。

4ページ、そのために今後のスケジュールとして、本日の御議論を基に、次回、骨子案を提示させていただき、その後、秋ぐらいまでに取りまとめができればと存じております。

 資料2-2を御覧ください。医療提供体制の在り方についての基本的な考え方と方向性についてまとめたものです。先ほど述べた平成279月に告示した基本方針に今までの議論を踏まえて、既にこれらの基本的な考え方と方向性が示されておりますので、これに沿って御議論していただければと思います。

1ページ、基本方針からの抜粋です。基本方針におきましては、左側の基本的な考え方、右側の今後の取組の方向性として2段で記載されていますが、基本的な考え方として、大事な点の1つ目は、できる限り早期に正しい診断ができる体制を構築すること。2つ目として、診断後はより身近な医療機関で適切な医療を受けることができる体制を確保する。また、その際、医療機関や診療科の連携を強化するよう努めるとされております。

 右側に記載されている取組の方向性として、国、都道府県等、それぞれの所で、具体的な取組の方向性が記載されております。国がやるべきこととしては、ア、エ、オ、カに記載されております。これに沿って、2ページ以降に御議論を頂きたい検討課題を5つ並べております。

2ページ、まず1つ目としては、できる限り早期に正しい診断がなされるために、都道府県内においてどのような連携体制が必要か。検討の視点としては、難病患者さんは確定診断までに長時間かかる例があり、患者さんにとってどこの医療機関を受診すればよいか判断するのは難しいこと。また、難病の多様性を鑑みると、地域、診療科の垣根を超えた連携が必要であること等があります。

3ページ、2つ目の検討課題です。2つ目は1つ目と似ておりますが、今度は都道府県の枠を超えた連携はどのようなものが必要かということです。これは基本方針の取組の方向性のエに記載されている国立高度専門医療研究センター、研究班、学会等が構築する難病医療支援ネットワークについて、どのような体制が良いかということにも重なると思いますが、現状として306まで指定難病が増え、疾病によっては都道府県内で専門科の確保が難しいものがあるかと思います。検討の視点としては、連携体制を効率的に運用するためには、相談等に関してある程度のルールが必要ではないかということです。

4ページ、3つ目の検討課題です。今度は基本的な考え方の2つ目に当たります。診断後により身近な医療機関で適切な医療を受けるためには、どのような連携体制が必要かということです。現状として、難病患者さんは長期の療養が必要とすること、増悪と寛解を繰り返すため、専門の医療機関と身近な医療機関を行き来することが多いことから、記載したような検討の視点が必要かと思います。

56ページは、基本方針の取組のオとカに対応することですが、まず5ページです。小児慢性特定疾病児童等が成人後も必要な医療等を受けるために、どのような連携体制が必要か。このような検討課題でも御意見を頂ければと思います。

6ページ、これは基本方針における取組のカに対応することです。遺伝子診断等の実施等について、どのような体制が必要かを御検討いただければと思います。これに関しては、現在、医療戦略推進本部が設置するゲノム医療実現推進協議会、厚労省が設置するゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォース、様々な視点から御議論を頂いているところですので、本委員会でゲノム医療提供体制をどのように難病医療提供体制の中に組み込むかについて御議論を頂ければと思っております。資料2-3については、国立病院機構箱根病院神経筋・難病医療センターの小森様から御説明していただきます。

○小森参考人 ただいま御紹介いただきました小森です。資料2-3について御説明いたします。2ページを御覧ください。上のほうには、基本方針にある難病医療提供体制の基本的考え方を再掲しております。正しい診断に限りなく早く到達する、診断後により身近な医療機関で適切な医療を受けるということで、この2つに沿ってこれから意見を述べさせていただきます。ただ、我々は難病の医療に関係している医療者からの視座としては、やはり患者さんの目線の先にある風景によって必要な体制は異なるということがありますので、それを忘れずに難病医療提供体制を考えることが大変大事であると思っております。

 下の四角の中を御覧いただくと、黒い矢印で流れが書いてあります。一般的と言うと少し語弊があるかもしれませんが、多くの難病患者さんは、最近この黒の流れで療養を行っておられると思います。もちろん、最初に「難病患者」と書いておりますが、診断される前はそういうわけではありませんが、多くの場合、専門科で受診をして診断を受けると。そして、いろいろな説明があった後に治療が始まるということになるかと思います。

 治療が始まって、小康状態になりますと、今回の基本的考え方によりますと、身近な医療機関への治療の継続ということになるかと思います。場合によっては増悪を繰り返すということで、専門機関において治療の方針が変わる、若しくは説明が変わることがあるかと思います。しかし、結果的には小康状態になり、かつ治療を身近な所の医療機関で継続することになりまして、大変多くの患者さんが通常の生活に復帰ができていたり、就労にたどり着いたりということが現状としてはあると認識しております。ただ、全ての難病患者さんがこういうわけではないということは皆さんは御存じかと思います。

 緑の矢印ですが、横にメインストリームから出ているものがあります。診断が付きまして、治療が始まりますが、なかなか良い治療がないという難病の患者さんについては、外来通院や入院を繰り返すことがあります。そのうちに外来通院が困難になって、在宅療養が始まると。その中で、一時入院を必要とし、いろいろな医療処置を受け、また在宅療養を構築し直すというサイクルが待っているという方がいらっしゃいます。これは主に神経難病の患者さん方で、ADLの急速な悪化と既発疾患が多い。ここに入ると思われます。ここは実は医療ではありますが、保健・介護・福祉の密な連携がありませんと、この在宅療養が成り立たないということで、黒の矢印にあるメインストリームで通常生活ができるという時期、若しくはできる患者さんはよろしいのですが、ほかに保健・介護・福祉を必要とする患者さん方がいらっしゃるということは現実にあると、現存しているということは意識をしておかなければいけないと思っております。

3ページ、左側です。全ての難病患者さんにとって必要なことは、素早い診断といいますか、できるだけ早い診断と速やかな治療ということで、この進歩が患者さんたちにとって大変重要であると思います。全ての難病が難病でなくなる日ということを心待ちにしておられるのだと思いますし、私もそうであります。

 このような診断・治療の進歩ということは、最近特に進んでおりまして、精神的な治療が幾つもありまして、就労を含めた一般的な生活が可能になる疾患がたくさんあります。消化器系の難病としての潰瘍性大腸炎もそうですし、膠原系の難病の幾つもがそうだと思います。また、神経系難病のうちでも多発性硬化性・重症筋無力症、パーキンソン病の軽い方々はこちらに入りますし、こういう方々については医療へのアクセスがいかに素早く行われるか。専門科にいかに早く到達できるかということが大事です。治療の後、身近な医療機関でいかに治療が継続できるかということが大事だと思います。

 これについては、高度専門医療機関、国立の医療研究センター、都道府県での中心的総合医療センター的病院というもので診断を受けた後、地域の医療機関と、いわゆる病院間の連携ということで、日常生活の中で治療が受けられると。そしてニーズが満たされるということがあろうかと思います。

 左の緑色の小さな図は、第39回難病対策委員会の資料にあった医科歯科大学の潰瘍性大腸炎の治療のネットワークだと思いますが、この図のように、センター的な病院から地域の病院へ、そしてそのまた周りのクリニックを含めた医療機関へという連携。これは通常の医療の中でもう行われていることで、決して特殊なことではないと認識しております。ただ、1つだけ難病で気を付けなければいけないと私が思うのは、医療機関が難病の患者さんたちを診たくなるかどうか。診てよいと思うかどうかという施策をしないと、なかなか受入れが難しいという点があろうかと思いますので、通常広く医療の中で行われている病診連携という中で、いかに難病の患者さんを医療機関が診てもよいと思えるか、そういう施策が必要になるかと思います。

 左側のものが全ての患者さんに大事ではありますが、なかなかそうはいかない患者さんたちがいらっしゃいます。これは診断から継続的に医療を伴う生活支援が必要な患者さん方で、これは間違いなくこういう方がいらっしゃいます。また、こういう疾患であると診断をされた方に対するケアというものは、発症早期から、若しくは診断早期から関わるべきだと、全ての難病に関わる医療者の考え方であると私は思っております。例えばALSや筋ジストロフィーなど、この2つが人工呼吸器を使っての在宅療養を行う疾患だと思いますが、このようなものについては生活支援を中心に早期から行わないと、患者さんが生活していけないということになるかと思います。

 この分野に入る疾患はほとんどは神経系の難病で、医療・介護・福祉の3つの連携が必要です。ただ、この方々についても入口は医療で、左側の医療への、専門科への素早いアクセスは入口として大変重要になりますので、そこを担保しながら、そして介護・福祉の密な連携を素早く考えていくことが必要になります。

 このような患者さんたちには早期の診断から疾患の経過、合併症、病状悪化への対応ができる、そして在宅支援、最終的な長期療養が支援できる医療機関がやはり求められております。現在では、国立病院機構が政策医療として中心的な役割を果たしていると思っておりますし、今後も果たせるのではないかと私自身は思っております。

4ページ、今申し上げたようなことを考えつつ1つの図を作ってみました。素早く専門科に受診ができるシステムということで、難病診療機関紹介窓口を作るのはどうかと考えております。役割は窓口機能ですので、これを都道府県が整備して設置するということで、この紹介窓口に対して、例えば都道府県内の医療機関のうちで大学病院や専門病院だけではなく、診断・治療が可能な医療機関が得意分野で私どもが対応しますということのリストを作って登録をする。若しくは都道府県がそれを集めて難病診療機関紹介窓口にリストを渡すということで、問合せに対してそのリストを基に都道府県内の医療情報、診療情報について、患者さんや問合せのある医療機関にお答えすることがよいのではないかと思っております。

 ここに対して、難病情報センターが都道府県を超えた情報については提供するし、そのバックグラウンドには学会や研究班等の希少疾患医療の連携でのサポートがあります。これは資料2-23ページにあるような都道府県の枠を超えた支援になるかと思います。それによって、難病診療機関紹介窓口の機能を増強することがよろしいかと思います。

 医療機関は、この窓口からそれぞれの必要な専門機関にアクセスができることになりますが、窓口に関しては、独立で設置することも不可能ではありませんが、やはり、国立大学や都道府県立の病院、若しくは国立病院機構病院などの都道府県内で公的な意味を持っている医療機関等に併設される形を取りまして、医療機関の中での情報と窓口の情報と併せて適切な所を紹介していくということが大事かと思います。

 また、地域の状況がよく分かっている各地の保健所とも連携をするということが1つ必要なことではないかと思います。当然のことながら、難病診療機関紹介窓口は、他の都道府県のものと連携を取ることができると思います。

 下のほうに少しまいります。先ほども読みました大学病院、専門医病院ではなく、得意分野で対応するということになりますが、ここで診断がついた場合には広く行われている病病連携、若しくは病診連携におきまして、地域の病院へ、最終的には小康状態になりますと紹介されていく、若しくは状況がなかなか不安定なときには紹介をされて、診断をした医療機関に患者さんが受診をするという形での連携が可能かと思います。

 医療の中で、つまり、通常の生活に戻っていける患者さんたちは地域医療の病院などでの治療継続によって、少し狭い意味では医療の中で完結していくと思いますが、残念ながら、福祉・介護が必要な患者さん方に少し特殊なことが起こるかなと思います。それは左の下のほうに2つ「地域の協力病院など」と書いてありますが、その真ん中に緑と黒いしっぽがはえている所がありますが、その所に関しては、右のほうにあるように、地域との関連を深く持って患者さんをサポートしていく体制が必要になるかと思います。

 ここは実は神経難病を得意とする病院が当たるわけですが、この病院は神経難病等の療養支援や経験を豊富に持つ医療機関であって、医療と療養支援のセンターとなるべき病院ということとニアリーイコールです。というのは、神経難病を得意とする病院でも、大学病院などではこのようなことができないという現実がありますので、全てができるというわけではありませんが、センター的な役割を持つ病院が得意な分野として窓口のほうへ登録するということは可能であるかと思います。

 そのセンター的な病院は、地域での難病相談支援センターもそうですが、保健所やケアマネジャー、訪問看護等との連携を図りながら、ここを教育するということも含めて働くことが良いのではないかと考えております。図の真ん中から下のほうに関しては、先ほどの資料2-24ページに関わる所かと思います。

5ページ、先ほどの4ページの図を参考にしながら、全国均てん化ということについて考えてみたいと思います。私が今日お話をさせていただいているのは、西澤班という研究班の立場で話をしておりますが、常々西澤先生からも全国均てん化ということを伺っておりますし、少し均てん化について考えてみます。

 先ほどの難病診療機関紹介窓口ですが、医療機関と連携をするということになるかと思います。公的な性格を持つ医療機関です。日本地図を御覧いただくと、これは私が個人的に作った図ですが、39の県においては国立若しくは県立の大学が1つあります。少し濃い緑の道府については、国立と県立の大学が複数あります。ピンク色の所は、実は国立と県立の大学がない所です。白い所は東京ですが、国立大学が複数ありますし、また、複数の医療機関があるということで少し複雑な状況かと思っております。

 しかし、多くの所では中心となる国立や県立の大学は1つですので、これらの所に窓口を連携させることは非常に現実的な意味ではあり得る選択ではないかと思います。それを含めて、それぞれの都道府県の状況に沿って、難病診療機関の紹介窓口を医療機関に併設することが、その機能を高める方法ではないかと思っております。

 もう1つは、神経難病と福祉・介護が必要というものがありますが、この分野の難病に関しては、療養支援が必要になりますので、やはり患者さんから見ると地域の中で頼りにできる中心的医療機関の存在が非常に大きな意味がありますので、できればそういう性格を持つ医療機関をはっきりさせて、患者さん方に情報を提供することは必要ではないか。そうすると、難病の医療提供体制も円滑に運営できるのではないかと考えます。

 もう1つは、災害時に神経難病は一番手の掛かる災害弱者の最たる者になりますので、そういう意味でもセンター的な病院といいますか、それに対応できる医療機関をつくっておくことは良い発想ではないかと思っている次第です。

 最後は提言が8つ書いてあります。その前に1分ほど頂いて、平成28年度の西澤班の中で、実は難病拠点病院実態調査が行われております。これはまだまとまっておりませんが、今、一部まとまってきている所の結果が昨日の夜届きましたので、少しだけ御紹介させていただきます。

 名前は難病拠点病院となっておりますが、これは4月の段階での研究計画書の中ではこういう名前になっておりましたので、そういう名前を今使っておりますが、これがどうこうというわけではありません。114病院が全国にある中で、39病院から回答が来ているだけですので、今後少し結果が変わりますが、70%程度に神経難病専門外来があります。他分野の専門外来は40%強しかないというのが実情で、8割以上の病院では神経難病を受け入れて医療処置をしてまた在宅に戻すという、在宅療養の調整の入院を行っております。在宅難病患者一時入院病床確保事業を70%弱の病院が行っておりますが、一方、神経難病以外の指定難病に対しても70%程度の病院は対応しているという答えが来ております。

 多くの現在の拠点病院が保健所や訪問看護業者、ケアマネジャー等々多彩なネットワークを持っております。また38%では災害時のネットワーク機能を持っているという答えが来ております。これをもちまして少し考えますと、特に神経難病に関しては、既に難病拠点病院が中心的な役割を果たしている現実があるということ。地域の保健福祉と関わるという、医療をつなぐという点で、周りから頼りにされているということが現状としてあります。それから、災害時にも存在感が増すことが考えられますので、そういう存在が既にあることを付け加えさせていただきます。

 提言についてはこれをお読みいただきたいと思います。今、私が話してきたことが提言に書いてあります。一番最後の8番目ですが、先ほど医療連携の中で難病患者さんを受け入れやすい体制を作るということは、助成金とかそういうこともありますが、やはり最終的には診療報酬での加算が必要ではないかと思います。例えば難病患者等入院診療加算を大幅に増点するとか、退院に関する地域連携としてのカンファレンスが行われると、難病退院時共同指導料ができるとか、これはがんのものになぞったわけですが、在宅難病患者の診療に対する在宅難病医療総合管理料があるとか、そういう診療報酬の処遇を含めて医療機関が難病患者を受け入れやすくするという方策を最後に考えていただくと、なお一層うまく医療提供体制が動くのではないかと考えております。以上です。

○千葉委員長 ありがとうございました。それでは、先ほどの厚労省からの御説明、資料2-2、それから、資料2-3、御提言が含まれていたと思いますが、小森先生のほうからお話いただきました。小森先生のお話は、資料2-2の中のア、エ、オ、カです。それで結局、➀➀と➁までになります。それ以降の➂番と➃➃番は若干別のディスカッションになると思いますので、御説明も頂きましたから、特に最初の部分について、小森先生の御提言も交えて、先にディスカッションしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 まずは、できる限り早期に正しい診断がなされるために、都道府県内においてどのような連携体制が必要か。その2は、都道府県の枠を超えて、より専門的な機能を持つ施設等とどのような連携体制が必要か。それから、2のほうは、診断後により身近な医療機関で適切な医療を受けるためにどのような連携体制が必要かについて、御提言も交じえてお話いただいたと思います。この部分について、御意見等はいかがでしょうか。この点は、拠点病院を作ってという話は前の対策委員会の頃からあって、そういう流れで話が進むと考えられていたわけで、恐らくいろいろな状況もあったのだと思いますが、正直、きちっとした形にはなっていないわけですね。これを何とかしたいと、皆さん考えていらっしゃると思いますが、いかがでしょうか。がんについてはがん拠点病院というものが設けられておりますが。だから、大きい意味で拠点病院と、1つにするか、複数にするか、そういったようなことは別にして、置くことについては前々から大体コンセンサスが言われていたと思います。この点についてはいかがですか。

○本間委員 小森先生、今日はありがとうございます。1点だけ伺いたいのですが、紹介窓口ですね。図で見ると、これは必ずしも拠点病院内に置くというわけでもなさそうで、紹介と書いてあるのですが、例えば、県庁の中に置くのか、保健所なのか、拠点病院なのか、それとも、難病情報センターとか、具体的にいろいろな場所があるわけですね。どの辺に置くのが一番適切か、具体的にお考えですか。もし分かれば教えてください。

○小森参考人 これはやはり病院に併設するのが一番よいと思います。ただ、理論的には別のものですので分けて書いたわけですが、組織としては違うとしても、医療者とすぐに相談ができるような形は取っておくべきではないかと思います。それが現実的な対応かと思います。逆に大病院だとか総合病院だとかという必要はないかもしれなくて、専門病院でもかまわないのですが、窓口は窓口としてあって、聞きたいことは医師なり看護師に、これはどう考えますかと、コンサルトできるような体制だけは取っておいたほうがよいかと思います。

○村田委員 確かに窓口があったほうがいいかとは思います。そもそも患者さんが、何らかの症状があって病院なり診療所に行きました。そこで診断が分からないということで、次にいらっしゃるという形なので、逆にその患者さんが、私は何々病だと思うから何とかの専門病院に行くということは余りないと思いますので。むしろ本来ですと、そこの窓口になった医師から、まずは少し大きめの病院に紹介し、そして、必要であればそこがまた次の病院に、という形になりますと。患者さんに情報を出すのはもちろんいいのですが、たぶん現実的には、きちんとその症状を見ていないと決してその所には出せないので、医師に向けて、こういう病態であればこういう病院に御紹介するのがいいですよ、という情報のほうがより重要だと思います。今、IRUDが始まっておりますが、あれも病院から臨床のシートを拠点病院に送って、その中で、これらしいと。IRUDの場合は遺伝性疾患が主体になるので総合解析になりますが、そうではなくて、それを受け入れやすい大きい病院は、複数でいいと思います。1つに全部集まったら、そこの病院もとても大変ですので。という形にするほうがよいのではないかと思います。

 それと、先ほど先生が得意分野とおっしゃっていましたが、私も初めてなので十分理解できていないかもしれませんが、拠点病院に関して、今までは総合型ということが押し出されていたように文章からは思いました。例えば、大学が47都道府県に1つずつあっても、正直申し上げて、地方の大学でもかなり得意分野はまちまちで、例えば、神経内科があるから神経内科の病気を全部診られるかと言われると、やはり専門性があるがゆえに、専門の分野があるがゆえに、逆にそうでもない分野もあることがありますので。あるいは、神経内科は専門だけれども消化器内科はそうでもないことも、場合によってはあり得ると思います。ですので、施設というよりは、それぞれの分野で幾つも作る形で提供する、そして、そこにコンサルテーションが受けやすい形を作っていくほうがいいのではないかと思いました。

○千葉委員長 後者のほうのお話につきましては、従来からの流れでは、大学病院のような、あらゆる科があって、たくさんの難病患者の診断等もカバーできる所が拠点病院の役割を果たす、これは当然ですけれども。おっしゃられるように、特に神経難病に代表されるように、かなり専門性が高い、あるいは、必ずしも大病院で診られるとは限らないようなものについては、それぞれ個別に指定してもいいのではないか、私としてはそういう議論で来たように理解しています。ですから、大学とか国立病院にこだわることではないと理解していたと思います。その認識でよろしいかと思いますが、何かこの点について。

○小森参考人 すみません。1つ付け加えさせていただきます。この図では、窓口が書いてあって、そこに紹介と書いてありますが、日本はフリーアクセスですので、開業医から大病院にピッタリ紹介されることもあれば、いろいろな道がありますので、それでうまくいくところはこの図の中に入っていないわけですね。そうではない場合に、やはりこういう窓口があって、切分けができる、若しくは紹介ができる、そういうのを加えていくことが意味あることではないかと。先生がおっしゃることはよく分かります。症状だけでここへ紹介されたらどう答えるかと、そういう意味で、医療機関に併設されているのがいいのではないかというところに辿り着いたわけです。

○千葉委員長 今、御議論が出ましたが、窓口という所についてはいかがでしょうか。

○福永副委員長 私は難病支援センターで医療相談という形で受けているのですが、患者さん自体はいろいろな意味で納得していないのですね。1つは診断の問題、あるいは、診断の後の長期療養に伴う治療の問題、これが一番大きいと思います。前者の診断に関しては、今、先生が言われたような形での窓口というか、例えば、千葉先生が言われたように、最初の議論の中では、大学を中心とした総合型の拠点病院を作ることを考えたわけですが、先ほどの説明もありましたように、指定難病が306となると当然、大学でもそれほどたくさんの疾患に対応できないという問題も生じたわけです。そういう意味では、恐らく先生が言われる窓口という部分。例えば今、病院にはどこも地域医療連携相談室が置いてありますよね。だから、自分がこういう病気で、こういう症状があって、診断はまだついていないというようなときに、そういう所を利用して、そこから適切な病院を紹介してもらう、あるいは難病相談支援センターに紹介してもらう、各地域でそれぞれ違うのではないか、地域によって違うのではないかというのも現実にはあると思います。

 それから、納得していないのは、診断は落ち着いたけれども、長期療養の点でいろいろな問題が生じてきて、特に治療の問題、あるいは、セカンドオピニオンを求めたいときにどこへ行けばいいかとかいう、長期療養に伴う問題があるのですね。私はその点で、1つは、先生が言われるようなシステムを作ることと、2点目は、やはりよく言われるように、システムと人材育成は両輪なのですね。だから、長期療養に伴う場合には、担当している担当医が納得できるような長期療養、あるいは説明をしていただく。あるいは今後、恐らく議論になると思いますが、地域医療対策協議会みたいな問題、それは保健師に頑張ってほしいと思います。それから、長期療養になるとどうしてもケアマネが中心になるのですね。だから、相談窓口としては、ケアマネから担当医とか、あるいは、そういう機関に移行するような、人材育成とともにシステムと両方を考えながらやっていくことが長期療養、難病医療では一番必要ではないかと思います。

○千葉委員長 今の御議論はいかがでしょうか。

○村田委員 診断がつかないという中に、本当に極めてまれで、本当に診断がつかないものと、ある程度ついているけれども、患者として受け入れられないために、御本人としては診断がついていないと、先ほど先生が不満のことをおっしゃっていましたが、そういう部分もかなりあると思います。そのときに主治医がきちんと説明すればよいわけですが、私どもの所にもそういう感じで患者さんがかなり来られて、初診に1時間ぐらいかけられるので、そこで説明すれば納得していただけると。でも、普通の病院で初診に1時間もかけていたら病院が破産しますので。ですので、それをするためには、本来はそれをして、そこで納得していただくのが一番いい医療のはずです。これは、ある程度の専門家でなければできないけれど。でも、その専門家に対して、本来は地域にそういう専門家がいるにもかかわらず、忙しすぎてそこを説明できないことを考えると、先ほどの小森先生の御発言のように、それに対する診察料みたいなものをある程度付けて、そういうふうに、丁寧に説明することによってドクターショッピングを防いで、きちんと診断していただく仕組みを作る必要があると思います。例えば、東京に行けばいい先生がいるのではないかとか、大学病院だったら正しい診断がつくのではないかという、患者さんは期待をお持ちになるわけですね。でも、本当は身近にいる先生が一番よく分かっていて、一番適切な診断をされている場合も結構あるので、それをきちんと説明する時間を作れる医療を作っていく必要があるのではないかと思います。

 それと、次に行ってしまうかもしれませんが、診断がついたら身近でということです。身近で診療するのはいいのですが、普通の病気の病病連携ですと、身近な病院や診療所で治療してもらっていて、悪くなったときに大きい病院へ行くのですが、特に神経難病のような病気の場合には、長期に見ていて経験のある医師なら、今ここで何々をしておくと、次に、この先に何々が出てくるのを早めに抑えられると分かるけれども、そもそもが余り多くない病気ですから、知らない先生のほうが多いわけです。そうすると、悪くなってから病病連携でいくという形になるので、それを防ぐためには、例えば1年に1回なり2回なり、専門の医療施設に検査に行くなり短期で入院するなりができる仕組みを持って、そこで評価をして、この先半年なり1年なり、こういうことが起こるかもしれないから、これに気を付けてください、あるいは、これが起こるかもしれないから、今回、こういう薬を入れておきました、ということをお近くの先生に伝えてあげれば、その先生も安心して診られると思います。そうでないと、診断だけつけられて、難病ですからみたいな感じで、ずっと同じまま診ていくという形になって、悪くなったら慌てて送ってくる形になってしまうので。その仕組みを少し先回りできる、しかもその先回りができるためには、かなり経験のある病院でないと無理、かなり経験のある医師でないとそれはできないので、希少な疾患であればあるほど、ある意味、集める必要もあると思います。うちはナショナルセンターですから、日本中から来るので集めやすいという部分があるのですが、患者さんの数によって、地域の基幹病院にたくさん集まっていただければ、経験が積めるタイプの病気と、もう少しまれな数百人レベルになりますと、ある所に集まっていただいて、そこで経験を増やして、それをまた皆さんに出していくという仕組みを作る必要があると思います。

○千葉委員長 今の話は、➁になりますよね。まずは、やはり窓口というのは個人的にも大事だと思うのです。難病患者の1つの大きな希望は、要するに自分がどこに行ったらいいのか分からないと言われる患者が非常に多いわけです。それに対して、適切にここへ行きなさいという所を、1か所で全部できる所は、私はザラにはないと思います。恐らく、複数の機関が寄って構築しないといけないと思いますし、先ほど言いましたように大学病院が全てカバーできるわけではないと思います。ですから、大学病院と神経専門病院というような組合せの構築が必要だと思います。

 もう1つは、おっしゃったように、いちいち専門医師が対応していたのではなかなか大変な向きもあります。恐らく、そこにはそれをサポートするコメディカルの方がいらっしゃって、更に後ろに専門医が控えていて、そこでの連携ができるようなシステムを構築するのが、個人的には一番いいのではないかと考えますし、以前からそういう議論が継続してなされてきたように思うのです。この点については、何か特に御意見はありますか。

○益子委員 それに関連して、専門学会や国立高度専門医療研究センター等が、難病医療ネットワークというものを作っています。これは、もう立ち上がって機能しているのでしょうか。こういうところにこれが機能して、それが窓口を持てば、非常に有効なのではないでしょうか。

徳本難病対策課長補佐 今御質問を頂いたのは、難病医療支援ネットワークのことで、資料2-23ページ目になるかと思います。これに関しても、今、正にオープンな感じで機能しているわけではなくて、専門家同士で、いわゆる属人的なネットワークで動いているものだと思っています。ですので、それを日本全体の難病医療提供体制の中でどのように機能させるかという、大まかなところ。細かいルールはまたあとで作ればいいと思うのですが、大まかにどのように有効な限られた資源を使えばいいのかについても、➀➀-1では都道府県内においてどのような連携体制が必要かと言っていますので、都道府県内の連携体制のほかに、都道府県の枠を超えてより高度なものが必要なのは、どのようなときにどのように使えばいいのかという大枠について、ここで御議論いただければと思います。

○福永副委員長 この議論は随分前からあった議論で、やはり疾患が増えると今まで見たこともない病気が多いわけですので、是非このネットワークの充実というか、早く作ってほしいと思います。それと同時にもう1つ付け加えるなら、やはり今の患者はネットを利用するのです。まず、自分がどういう症状であるかというときに、ネットを利用して入ることが多いのです。ですから、難病相談・情報センターの充実、あるいはそこに行ったら、例えば次にこの病院とか、ここに紹介したらいいのではないか、相談したらいいのではないかというところまで、きめ細かな相談窓口と一緒ですが、やはりそういうことも今後は必要になってくるのではないでしょうか。

○千葉委員長 いかがでしょうか。

○森委員 患者団体で一番相談が多いのが、私の病気はどこで診てもらったらいいですかとか、専門医はどこにいらっしゃいますかという相談です。やはり、診断がつかない、それから治療を受けていても、そのような状況の相談があります。診断の点で言いますと、いろいろと悩む中でも、今は紹介状がないとなかなか大きな病院等に行くにも費用が余計にかかるというようなところで、なかなか先生に紹介状を書いてほしいと言うことすら遠慮して、とても言えないという状況もありますので、やはりこのようなきちんとした窓口等でシステムができればいいなと思います。外来受診や入院中にも担当する先生が積極的にそのような所に結んでいって、より正確な診断をつけようとしていただかないと、なかなか患者からは疑っていても、不安を持っていても言い出せないです。また、紹介窓口に入れる情報の信憑性というか。以前、都道府県などで拠点病院のリストを作られたときがありました。やはり、手挙げ方式のように、どの病気を診療できますか、診断できますかという形でのリストがあったのですが、実際に患者がその病院に行かれても、専門の先生がいらっしゃらなかったというようなこともありました。その辺りのことを、研究班や学会、それから地域でしたら保健所や難病相談支援センターがありますが、患者会もいろいろ調べて専門医のリストを持っているところもあります。様々なところで、そのような確かな情報を集めたり、チェックする質を高めていただきたいと思います。

○千葉委員長 恐らく、1つの方向性で全ていくのではなくて、おっしゃったように縦糸と横糸のような関係の情報というか、窓口みたいな感じがあってもいいと思います。例えば、私も指定難病の委員会に関わっていますが、御承知のように新たに入ってきた指定難病、あるいは今後入ってくるであろう指定難病には、小児の慢性疾患以降の部分がかなりあります。そうすると、極めて特殊な病気がたくさん入ってくると、専門家といえども、もちろんなかなか全部は診切れませんし、各都道府県に必ず専門家がおられるとは限らなくなるわけです。そうすると、やはり全国レベルでの窓口のようなものも、恐らく必要になってくるだろうと。ですから、そういう都道府県単位のもの、あるいは大学を中心としたようなものと、全国レベルのものをうまく組み合わせることが、私は必要ではないかと思っています。この点については、五十嵐先生、御意見はありますか。

○五十嵐委員 私も、委員長の御意見に大変賛成です。というのは、今御指摘になりましたように、日本全体でも数十人しかいない病気もあります。ですから、できるだけ相談窓口も多様であるべきですし、先ほどから御指摘があるように、1つの機関、施設で全ての病気を診ることは、これからは恐らく難しくなると思うので、それぞれの専門に応じたフレキシブルな体制をできるだけ多く作っていくと。ですから、条件として決めるのではなくて、やはり専門家が今どこにいて、その方たちが自然に浮び上がってくるような体制を、病院単位でやってもいいでしょうし、学会単位でやってもいいでしょうし、研究班単位でやるという、幾つかの手段でお示しになるのがいいのではないかと考えています。そういう意味で、今日、小森先生からお示しいただいた資料の5ページにある窓口についても、これは国立、府立、県立大学しかなくて、私立大学が入っていないのはどうしてかと思ったのですが、私立大学も入ってもいいと思います。それから、ナショナルセンターや、場合によっては小児病院、あるいはもっと小さな神経の病気だけを診ているような専門の病院もあると思いますので、そういうものをもっと入れていただいたほうが、私は多様な疾患には対応できるのではないかと考えております。

○小森参考人 言い訳をするわけではありませんが、全国均てん化に多様なルールになってしまうとなかなかだと思い、できればある程度絞られたルールの中で指定が成り立っているほうが、すっきりしているのではないかと思い、このように書きました。それから、別に私立大学がどうのこうのと思っているわけではありませんが、やはり公的な性格を持つということを考えますと、公的な機関に置いておいたほうがよろしいのではないかと、私は思っています。

○西澤委員 私も、この3月まで指定難病の審査会の会長をしておりました。306疾患の、恐らく3分の2ぐらいの疾患は自分では診たことがないという状況の審査になっていたわけです。今日、初めて参加して、306疾患は1つの病院では診られないという議論があるのですが、それはそのとおりです。しかし、診られなくても窓口にはなれますし、紹介をすること、連携をすることはできますので、そういう機能をどこに持たせるのが難病の場合には一番いいのかという議論だと思います。その場合に、私は新潟県という地方におりますので、先ほどの小森先生のお話にもありましたが、当然大学病院に情報が集まってきて、窓口になると。大学病院の中にそのような機能を持った窓口ができれば、恐らく機能できるのではないかと思います。それが大学病院である必要はなくて、県立病院でも構わないと思いますし、そういう施設が1つあって、そこにきちんとした窓口ができれば、連携は図れるのではないかと思います。千葉委員長がおっしゃいましたが、がん拠点病院も同じような役割をもっています。そのような位置付けの施設が、各県にそれぞれの事情に応じて1つできて、そこがきちんとした窓口を持って連携を図るようにすれば、仮に306疾患が来ても学会のネットワークができるなり何なり、いろいろな情報の収集の仕方はありますし、相談の仕方はありますので、現状であれば自分が診たことがない疾患であっても、連携をして情報を得て、助言をすることができると思います。ですから、そういうものがきちんとできれば、ある程度のことは、私は地方にいてもカバーできるのではないかと思います。むしろ、東京など、候補施設がたくさんある所のほうが、調整は難しいのではないかと思います。

○千葉委員長 いろいろな意見が出て、ある意味での集約がされているような印象を受けます。おっしゃるように、やはり私もどこか、いろいろな所がやっていいというような言い方をしましたが、しかしそれで終わってしまうと、またいつまでたっても拠点病院が決まらないみたいな話になりますので、そうではなくて、やはりきちんとしたネットワークは構築しなければならないということで、どこが中心になるかは、今後煮詰めていく必要があるかと思います。

 例えば、がん拠点病院の例でいきますと、これは私の個人的な意見ですが、やはり都道府県がしっかりしていないと、がん拠点病院がしっかりしていても、うまいこといっていないですね。例えば京都府の場合には、京都大学と府立医科大学の2つが、がん拠点病院になっていますが、そこをうまく府がコーディネートして、非常にうまいこといっています。1つは、都道府県単位というのは、私は非常に重要であるというような認識はしておりますが、そこも併せてこの部分は非常に重要だと思います。

 集約ができておりませんが、まだほかにも今日はディスカッションするものがあります。今のディスカッションは、➀➀-1と、枠を超えたというところにはいきませんでしたが、➁です。もう1つ重要なことは、➁の診断後に身近な医療機関で適切な医療を受けるために、どのような連携体制が必要か。これは、先ほどお話が出た部分ですが、ここも結構議論があったと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。ですから、大きな流れとして、基幹病院、あるいは拠点病院のような所でしっかり診断をつけて、そして近隣の通いやすいような所の医療施設で診療していただき、例えば1年に1回の間隔で専門のドクター、拠点病院と言ってもいいかもしれませんが、そういう所に行くような制度を作ってはどうかという1つの流れはあったように思いますが、この点については何かありますか。

○春名委員 2ページの図なのですが、誤解があってはいけないと思い、確認したいと思います。治療継続で、その後通常生活、就労となっていて、これが病気が治ってから就労というように考えるとよくないです。これは、治療継続と就労が並行になっていると理解しなければいけませんね。

○小森参考人 はい、おっしゃるとおりです。要するに、差別したわけではありません。一般的な流れみたいな形で書いただけですので、余り重要に取っていただかないほうがいいと思います。

○春名委員 そういうところで、この難病の方の身近な医療機関で適切な医療を受ける体制が大切になると思います。治療が安定してきて、それでも仕事に就いたら体調を崩してやめてしまうとか、やはり職場でいろいろな配慮を受けていれば治療としても安定しますし、就労も継続できるということで、治療と就労の両立支援が課題になってきているのではないかと思います。今までこのようになっていると、医療体制と就労支援が何か別々のものになってしまうといけないと思っています。

○小森参考人 3ページの左の、診断・治療の進歩が重要という所を見ていただきますと、難病相談支援センターだけではないのですが、サポートがあって、就労があって、かつ適切な治療と両立支援ということで書かせていただいています。

○春名委員 ありがとうございます。基本方針などでも、今は、企業やハローワークの就労支援はやるようにはなっているのですが、やはり難病は個別性も大きくて、難しいものも多くて、企業やハローワークだけでは限界があるので、医療、特に専門医の方との連携がすごく重要になってきているのです。今まで、この難病の検討の中ではそういう話もずっとしてきたのですが、話の整理上、医療提供体制と就労支援が別々の所に書かれて、少し関連性が見えなかったのです。先ほどからずっとお話がありますように、がんの拠点病院の支援などでは、医療体制の中に就労支援も組み込んだ形で位置付けが明確になっています。今回は、医療提供体制を中心としたまとめですので、そこで就労支援は別の所にあるというわけにはいきませんので、何かうまくまとまった形で入れる必要があるのではないかと考えます。

○千葉委員長 これは、ちょうど先生の2ページの図が、1つのたたき台になろうかと思うのですが、いかがでしょうか。

○春名委員 追加いたします。例えば、最初の難病患者が受診、診断の所ですが、そのような難病患者は就労している場合も結構多いのですが、この病気は大体数か月で回復できるのだという情報さえあれば辞めなくて済むような方が結構辞めているということがあります。医療機関での就労支援の取組を、余り突飛な話というわけではなく、普通のこととして、うまく取り入れることができればなと思います。

○千葉委員長 これは、全体に関わる問題になりますね。先生がおっしゃったように、ここだけの問題ではないということですね。

○小森参考人 おっしゃるとおりで、別にそのことを意識して書いたわけでもありませんし、意識しないで書いたわけでもありません。全般に説明するために書いたものですので、細かいところはちょっと。

○千葉委員長 最初から並行して考えていくことが必要であると思います。これは、先ほど言いましたようにフィードバックといいますか、小康状態、あるいは憎悪した場合に、やはりまた左に戻るといいますか、そういう流れを私も考えていたのですが、その辺りはいかがですか。

○小森参考人 それは、当然そのことがあると思います。先ほど村田先生がおっしゃった悪くなる前にというのも含めて、専門医療機関と地域の医療機関との間の連携は非常に大切です。特に大切なのは、身近な医療機関において専門的な治療や、専門的な療養支援の質をいかに保つかが、継続治療、若しくは継続療養に一番大事なことです。これは教育ということになろうかと思いますが、その体制を作らない限りは、実際の面では本当はうまくいかないだろうとは思っています。ですから、地域の医療機関から専門医療機関への専門的なことのアドバイスが簡単にできるシステムや、知識を伝達するような研修会や、短期の勉強や、人的交流なども含めて、本来は考えなければいけないと思います。しかし、現実に今、医療の現場にいらっしゃる先生方にそれだけの時間があるかも考えなければいけませんので、なかなか難しい点ではあると思います。

○大澤委員 1つ教えていただきたいのですが、通常生活と就労の所で、実際の企業の産業医の先生、あるいは学校医の職場や教育場面と直結している方々との関係は、どのようにお考えでしょうか。

○小森参考人 それは、もちろん情報を提供することが必要だと思いますし、ある意味産業医の先生や学校医の先生にも、難病についての理解を深めていただくような施策は必要だと思います。この中に直接入れてあるわけではありませんが、重要であるということは私も認識しております。

○春名委員 産業医の方に難病の方の就労の話などをしますと、「今までメンタルヘルス疾患についてはやってきたが、言われてみれば職場に結構難病の方がいらっしゃる。その支援をやらなければいけない。」ということで、一部取り組んでくださっている方もおり、次の大きな課題だと認識されているのだと私は思っています。

○千葉委員 この辺りの点については、よろしいですか。先ほども話が出ましたが、やはりそういう窓口も含めて、最初の診断窓口、それから就労支援も考えますと、人的なサポートと財政的な問題は必ず付いて回るわけです。ここについては、一定の何らかの対応がないと、絵に描いた餅になってしまいますので、そこも必要ではないかと思います。

 それから、先ほど受診、診断とありましたが、いわゆる難病申請について、専門医制度のような形である程度申請できるドクターを限ってやるようにしてはどうかというような意見もあったわけです。この辺りについては、一方では難病患者の利便性から考えますとなかなか、常にあそこに行ってやりなさいということになると非常に問題があるという一方の問題もあります。ここは、まだ議論が継続をしていたところだと思います。その問題と、難病拠点病院や窓口とも密接に関連してくると思いますので、そこも含めてまだもう少し議論は必要かと思いますが。

○大澤委員 今の点に関係しますが、先ほど五十嵐委員からもお話がありましたが、私立の大学でも難病の患者の診療を非常に熱心にしている所もたくさんあります。そういう点では、私立の大学を省くのは、やはり均てん化の点からも入れていただいたほうがいいと思います。

○小森参考人 特に除外しているわけではありません。先ほど申しましたように、公的な機関での窓口の置き方を少し考えたということで、別に女子医大に置いていただいても構わないと思います。

○千葉委員長 恐らく、都道府県によって多分状況も違ってくると思います。そこは、多少フレキシビリティーは必要かなと思います。

 では、時間がありませんので、残りの➂番と➃➃番が、まだディスカッションできていません。➂番も特に重要なポイントで、先ほど申し上げましたように、新しく今後追加されるであろう疾患の中には、小児慢性特定疾患から入ってくるものが結構含まれることになろうかと思います。したがって、ここは非常に重要なポイントです。この点について、何か御意見等はありますか。

○本間委員 そもそも、うちの会の患者から、この1年問合せが増えているのですね。その中で非常に多いのが、小慢からのトランジットの問題なのです。私の病気は大丈夫なのか、引き続き医療費助成をしてもらえるのかという問合せが非常に増えています。そもそも、接ぎ木、トランジットがどれぐらい小慢から成人の難病治療に受け継がれているのか。その辺りのデータは何か出ていますか。はっきりしないのですよね。

○千葉委員長 今の306疾患の中ですと、どうですか。私も把握していないのですが。例えば、小慢なら小慢、それから難病なら難病で、疾患の数などが出ていますよね。そのうち、どれぐらいトランジットできているのか、あるいはどれぐらいできていないのかは、データ的に分かりますか。

徳本難病対策課長補佐 今すぐにはデータを持ち合わせていませんが、小慢が704、指定難病が306の名前を突合すれば、当然誤差はあります。なぜかというと、必ずしも名前が一緒ではないので、多少の誤差は生じますが、それを御報告させていただくことは可能です。ただ、1つだけインフォメーションとして報告いたしますと、今回222を検討させていただいていますが、そのうち、おおよそ100が小児慢性特定疾病からのトランジションの観点から御要望いただいているものです。

○千葉委員長 この点については、五十嵐先生にいろいろと御努力していただいているようですが。

○五十嵐委員 これは、非常に難しい問題で、これから大きな努力が必要な点ではないかと思います。1つは、例えば小児に慢性特定疾病は、今は704疾患あるわけですが、従来は小児期に亡くなってしまった患者たちが割と多かったわけですが、医療の進歩、医学の進歩で長期生存できるようになって、恐らく20歳を超えるような患者がこれからどんどん増えてくるのだと思うのです。しかし大変申し訳ないのですが、そういう方たちの長期的な医療的な問題点などが、なかなか分からない点がたくさんあるのです。ですから、今、小児慢性特定疾患の診断基準を作るわけではなく、長期的な問題点について明らかにするという作業を、具体的にしていただいているのではないかと思います。それをやることも、小児学会も中心になり、一緒に協力をしてやろうということで、今、努力しているところです。まず、成人になってから長期的にどういうことが問題になるかを疾患ごとに明らかにしていくことが必要です。

 次に、例えば一部の疾患、成人先天性心疾患が、成人の循環器の中で1つの地位を占めております。子供のときに発症した先天性の心疾患や川崎病の患者たちを、大人になっても診てくれるような内科の先生も出てきていますが、残念ながら疾患によってはなかなか内科の先生方が参入しにくいような疾患もまだまだたくさんあります。これからは、できれば小児側の医療提供者と、成人側の医療提供者が協力して、どちらが主治医かは別として、一緒に患者を診ていくような体制をまず作っていって、できれば内科の先生方にお回しできればもちろんいいわけですが、なかなかそれができない病気もたくさんありますので、基本的には一緒に診ていくような体制を、これは小児側だけが言っても駄目で、内科側の先生方も参入してくれなければいけないので、どうやって一緒に患者を診ていくことができるか、そういう体制を作ることが非常に重要だと思います。ただ、これを具体的にどうやってやるかについては、相当時間をかけてやっていかなければいけないのだと考えている次第です。

徳本難病対策課長補佐 1つだけ補足と、今の五十嵐先生のコメントに対しての当方からのコメントを申し上げます。まず、小児慢性特定疾病と指定難病の対象とするそもそものコンセプトが違います。必ずしも、704が全て指定難病に移行するわけではありません。ただ、今まで小児慢性特定疾病で、いわゆる幼い頃に亡くなっていた患者が長期に生存することが可能になり、成人以後も長期の療養が必要であるということが具体的なエビデンスとして積み重ねていけるということであれば、指定難病のコンセプトに該当する可能性も出てきます。そういった研究の進み具合に応じて、必要なものは対象として入れていく形になると思います。

○渥美委員 私は、北海道大学で膠原病内科をやっております。この問題は、実は大きなピットフォールです。基本的に、小児科医と内科医は接点がありません。というのは、例えば我々内科医が整形外科、あるいは眼科と同じ患者を診ますので普段はディスカッションをするのですが、小児科医とは普段全く関わりがありません。ですので、この問題は小児科から、例えばSLE小児発症の方が大人になったからよろしく、分かりました、これだけなのです。ですから、我々に対して馴染みのない、例えば免疫不全疾患などをお願いしますと言われても、それは大変な抵抗感があります。疾患自体を知らないことと、あとは普段、小児科医とのディスカッションがないものですから、ここが大きな問題かなと非常に強く感じているところです。

 最近、東京医科歯科大学では、この問題を解決するために、小児科と内科が一体化した自己免疫疾患を診る講座ができました。こういった活動も含めて、やはり内科医と小児科医がどういうコミュニケーションを取るかを、難病を中心に展開していく必要があるのではないかと、強く感じております。

○千葉委員長 非常に重要な御指摘、御意見を頂いたと思いますが、いかがでしょうか。

○森委員 やはり、小児の疾患の特色と、大人の疾患の特色の違いもあると思いますので、ただ年齢が成人年齢となったということで、今先生がおっしゃったように、大人の疾患のほうに移るというところは、非常に難しい疾患もあると思います。その辺りもしっかりと吟味していただきながら、かといって小児科に20歳、30歳になっても通い続けて、特に入院も小児科で入院するなどの辛さもあるかと思います。例えば、心臓病の患児を診てきた小児科の先生が大人の循環器の診療科に行って、一緒に診療も行っていただく日を設けるなどのいろいろなことも試みておられる所もあると聞きますので、きめ細かく取り組んでいっていただきたいとも思いますので、お願いいたします。

○村田委員 当院は、大人の筋ジスをやっている者が、女子医大の小児科の筋ジスの患者からのトランジットをやっています。2年ぐらいかけて、女子医大の小児科の外来と、当院の神経内科の筋ジス外来とを両方かかっていただき、更にその間に何回かカンファレンスをやって、女子医の先生にこちらにいらしていただいて一緒に診て、最後は完全に移行する前に1回入院していただいて、その期間をもって両方の医者が一緒にあり、患者と家族が一緒にありというぐらいをしています。やはり、そうでないと、小児科で4歳、5歳からずっと診てきていただいた、ものすごく信頼関係ができているところから、いきなり知らない内科の先生に移っても、しかもその疾患に関してどういう説明を受けているのかというニュアンスが伝わらないと、同じ説明をしているつもりでもそこでボロボロになってしまうのです。ですので、それぐらいかなり手がかかります。

 そういうことをしていかないと多分難しいと思うのと、そのときに例えば同じ病院であったら、うちの小児科から神経内科というのもあるのです。同じ日に別々の科を診察すると、外来診療報酬が入らないですよね。ですので、そういうものも考えていただかないと、これだけ大変な患者がわざわざ病院に来られて、その日に小児科と神経内科を同時に診ていただきたい、どちらも診たい、そのほうがサービスが高いと思うと、病院は損をするという形になっています。そういう部分も是非考えていただかないとできないと思います。

○千葉委員長 ほかに何かありますか。よろしいですか。これは、どちらかというと端緒に就いたばかりの課題で、現実には先ほどからの議論にあるように、医療が進歩して、小さいときにお亡くなりになられるような病気の方々が成人にまで成長してこられるというところで、いわゆる内科医が関与しなければならなくなってきているのが現状だと思います。そういうところで、今後どうするかが、正に課題そのものなのですが、今後は議論を重ねていくことが必要であろうと思います。

 先ほど、厚労省からも話があったように、そういう患者がどんどん成人の患者として増えていく疾患については、できるだけ難病のほうに入れていくことについて、ディスカッションしていくことは、よろしいかと思うのですが、そういうことですね。

徳本難病対策課長補佐 指定難病の要件にありますように、発病の機構が明らかでなく、治療法が確立していなくて、希少な疾病であって、長期の療養を必要として、更に良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして、一定の人数に達していなく、客観的な診断基準、又はそれに準ずるものが確立しているという指定難病の要件を満たせば、当然妨げるものではありません。

○千葉委員長 それはそれとして、医療費助成を外しても、先ほどおっしゃったように、小児科から成人への移行は、医療全体としては極めて重要な問題になってくると思いますし、五十嵐先生もおっしゃったように、小児科と内科の合同の研究をする機会や、一緒に医療を診ていく機会といったようなものを増やしていく。そのために、どのようにしたらいいのかを、これはどちらかというとアカデミアの側から考えていく必要があるのかなと思います。その点についても、我々は認識していく必要があるであろうと思います。よろしいですか。これは、まだ議論が尽きないと思いますが、今後、煮詰めていきたいと思います。

 最後に、できる限り早期に正しい診断がなされるために、遺伝子診断等の実施についてはどのような体制が必要かです。これも結構問題点ですが、この点については何か御意見はありますか。

○森委員 患者にとっては、この遺伝子というものが診断を受けて、どういうものがどこまで分かるのかということすら、なかなか理解ができていなくて、それを受けるということはどういうことなのだろうというところは、とても大事だと思います。私たちは社会の中で生きておりますが、やはり難病だということで、それでも誤解や偏見、また差別を受けているのは通常です。まして、遺伝子であったり、遺伝という話になりますと、御本人だけではなくて、親や兄弟、そして子供、将来に影響していくようなものでもありますので、前向きな議論だけでは困る面があるかと思いますし、慎重には慎重を期して議論していただきたいとお願いしたいと思います。

○本間委員 今の森さんに関連してですが、現在、指定難病で検討されている疾病を見ていると、相当遺伝子診断をやらないと病名が付かないような疾病がものすごく多いです。そうすると、患者側としては、そこまでやらなければ決められないのかという、むしろ不安のほうが先に立つケースもかなりあるのです。そうすると、果たして遺伝子診断を受けてまで疾病名を確立して、医療費助成を受ける、受けなければというところまで進むと、かなり不安が先に立ちます。ですから、その辺りのところを感じさせないような、何かうまいやり方や導入を先生方に考えていただけると、私どもはすごく助かるのですが。

○千葉委員長 この点に関しては、厚労省はいかがでしょうか。

徳本難病対策課長補佐 先日の指定難病検討委員会の中でも、新しく指定が考慮、検討される疾病の中に、遺伝子診断が重要な位置を占めているものがかなり増えているという御意見があったと思います。これに関して、先ほど森委員からお話がありましたように、やはりこれは適切に判断した上で丁寧に進める必要があると思います。このゲノムの関係に関しては、健康医療戦略推進本部や厚生労働省の中でもタスクフォースなども立ち上がっています。その詳細については、様々御検討いただいていると思いますが、余り細かいところに立ち入らず、今回の難病医療提供体制の中で、ではゲノム医療というか、遺伝子診断を組み込むには、どういう懸念や、どういうところに配慮してほしいかを、是非患者側、そして専門の皆様の側から御意見を頂いて、あとの細部にわたる部分に関しては、先ほど申し上げたような検討会などの動きを見つつ、適切に進めていくのかなと思っています。

○千葉委員長 重要なポイントですよね。

○五十嵐委員 希少疾患が非常に増えており、遺伝子診断の役割が重要になってきている状況だと思います。そういう中で、なかなか遺伝子診断をやっても、費用的にそれがペイしないようなものが増えております。ですから、そういう意味で何らかの形で信頼のおける遺伝子診断ができるような1つの大きなコンソーシアムでもいいですし、あるいはセンターのようなもので、信頼性が担保された形で診断がきちんとできるというものを1つ作ることが求められているのではないかと思います。

 今までは、研究者が研究費を取ってきて、そのお金で診断をすることが非常に多かったわけです。それが、臨床的に必要な場合には、そういう研究のレベルではなくなって、もう既に臨床のレベルで診断しなければいけないことになってきますと、むしろ実際に行う検査費用から、医療費から出せるような形で成り立つような制度設計が、まず必要ではないかと思います。その中に、もちろん今申し上げたように、1つとは言いませんが、できるだけ信頼性が高いコンソーシアムでもいいですし、あるいは何か大きな診断する機関を1つ作ることが大事ではないかと考えているところです。

 もう1つは、ある意味、遺伝子診断というのは簡単なのです。技術がしっかりしていれば、自動的に機械がやってくれるのです。もっと大事なのは、それをどのように患者に正しく伝えて、そしてどういう意味があって、これからどういうことに気を付けるか。もっと言うと、遺伝子診断はカウンセリングなのです。むしろ、そちらのほうが本当は何倍も大事なことで、それがきちんとデータを基に患者に伝えることができるスキルというか、体制を作ることが、各医療機関で求められているのではないかと思います。その2つの点が、これからは課題として残されているのではないかと考えています。

○千葉委員長 ほかに何かありますか。

○村田委員 今のカウンセリングは、本当に重要なことで、遺伝子診断は、結果のほうのカウンセリングだけ点数が付いているのです。しかし、先ほど森委員がおっしゃったように、本来はこの検査がどういう意味なのかを説明して、なおその遺伝子診断をしたいかどうかがまず大事で、それができて初めて遺伝子診断をし、その上でまた結果をきちんと説明することになります。その両方を十分に時間をかけてできる体制にしないと、本当は遺伝子診断の濫用になってしまいます。ですので、そこはかなり重要だと思います。

 もともとは、臨床的に診断をしていた病気もあるわけです。例えば、ハンチントン病は臨床的に診断をしていて、かなり確かだと思います。しかし、遺伝子診断のほうが、もっと100%確かなわけです。今は、ハンチントン病は遺伝子診断ができていなくても特定疾患は通ったと思いますが、そういう疾患もあるときに遺伝子診断をしていただくかどうかに関しては、遺伝子診断をして診断が100%確かになると、今度はその方の経過を診るときには非常に重要なわけです。そんなに多い病気ではないので、きちんと診断がついた方がどういう経過を取るかが分かれば、次の方に還元できるわけです。ということから考えると、本当は遺伝子診断に協力はするけれども、結果は知りたくないというようなことも許されるというような形も残した上で、そういうこともあるのだということを理解していただくためには、最初にカウンセリングをきちんとしなければいけないというようなことも含めたシステムの構築が必要だろうと思います。

徳本難病対策課長補佐 遺伝子診断について、かなり白熱した御意見を頂きましたので、資料を紹介いたします。本日付けております参考資料3、ゲノムのタスクフォースの意見取りまとめ()ですが、いわゆるカウンセリングについても検査前のカウンセリングの重要性については、5ページに記載いただいておりますので、政府としてもこれは重要だと考えているところです。また、難病患者に対しての遺伝子検査については、12ページに、「上記現状を踏まえ、タスクフォースでの議論の結果、下記の点において一致した」とあって、2つ目の○で「こうした状況を参考にしつつ」ということで、「難病等に対する具体的なゲノム医療の提供体制については」と書いてあります。この難病対策委員会等において、更なる検討を進めると書いてありますので、今後我々はこの部分についても議論はさせていただくことになると思います。

 診療報酬の話や、検査料の話に関しても、先生方からいろいろ御意見を頂いているところです。ただ、今、実態として、診療報酬は評価はされているのだけれども、コストとして見合わない、若しくはコストのことは置いておいたとしても、いわゆるコマーシャルベースに乗っていないなど、いろいろな話があります。実際、ラボでやろうとして、そのクオリティーをどうするのかという話もあります。それに関しても、先ほど話もありましたが、IRUDなど全国で拠点を決めて、精度管理をしっかりしてやっている部分などもあります。そういったものも含めて、また別途議論する場を持てればと思っているところですので、また引き続きいろいろと教えていただけたらと思います。

 さはさりながら、医療提供体制の中における遺伝子診断の提供に関しては、結構センシティブな部分でもありますので、もし可能であれば次回、若しくは次々回、専門家の方に来ていただくなど、意見を聞くようにはできればと思っているところです。

○千葉委員長 それは結構なことだと思います。御紹介がありましたように、タスクフォースの方々が取りまとめられた参考資料3に、かなり多くの問題点が記載されております。今出されたことも、ほとんど全て網羅されており、倫理の問題や個人の自由の問題なども含まれておりますので、是非これを御覧になっていただき、それに対しても御意見を頂けたらと思います。これは、難病に限ってのものではないわけですが、その中に難病ということで入っています。ほかはよろしいでしょうか。

 それから、もう1つは先ほど本間委員から御意見がありましたが、やはり今は指定難病で皆、診断基準を出してきていますが、1つは遺伝子で決まるものについては遺伝子というような診断基準が入っています。多くの場合、それがなくても診断できるような診断基準が作られてきていると思います。ですから、そういう意味でも、そういう配慮はそれなりにはなされているのかなと、私自身も思っている次第です。しかしながら、今頂いた御意見は非常に重要ですので、今後も特に指定難病の診断基準を考えていく上で、参考にすべきだとは思います。

 時間になりましたが、何か特に御発言はありますか。

○小森参考人 医療提供体制の中で、少し災害時のことに触れました。あとで何もお話がなかったので、是非、平時から災害時にシームレスにつながるような医療提供体制を意識して、御議論いただきたいと思っています。西澤班の中でも、災害対策については重点的にやっている部分があります。そういう意味で、その視点で眺めますと、平時から災害時にシームレスにつながっていることが大事ではないかなと最近思っていますので、よろしくお願い申し上げます。

○千葉委員長 この点については、定期的に起こると大変ですが、いつ起こるか分からないことに対して、しっかり体制を考えておくことは重要なことだと思いますので、ディスカッションができればしていきたいと考えます。ほかはよろしいでしょうか。恐らく、まだまだたくさんあると思いますが、今後もう少し詰めていくということで、今日は終了いたします。事務局から、追加事項がありましたらお願いします。

徳本難病対策課長補佐 委員の皆様方、どうもありがとうございました。今後のスケジュールについては、参考資料4を御覧ください。今後の委員会でも、引き続き医療提供体制について議論を行い、委員会として報告書を最終的に取りまとめいただきたいと考えております。スケジュール的には、次回の第44回で、難病医療の提供体制に係る検討、第45回で報告書案の提示を考えております。なお、次回の難病対策委員会の日程等についは、改めて御連絡させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○千葉委員長 それでは、どうもありがとうございました。

 


(了)

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