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2016年10月5日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第119回議事録

○日時

平成28年10月5日(水)9:59〜11:36


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

西村万里子部会長 野口晴子部会長代理 印南一路委員 田辺国昭委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 宮近清文委員
中川俊男委員 松原謙二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
加茂谷佳明専門委員 上出厚志専門委員 吉村恭彰専門委員
<事務局>
鈴木保険局長 谷内審議官 濱谷審議官 迫井医療課長 眞鍋医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○ 高額な薬剤への対応について

○議事

○西村部会長

 ただいまより、第119回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。

 まず、本日の委員の出欠状況について報告します。本日は、全員が御出席です。

 では、議事に入らせていただきます。

 今回は「高額な薬剤への対応について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、まず薬−1と薬−2について、事務局から説明をお願いいたします。

○山田医薬品審査管理課長

 医薬品審査管理課長でございます。薬−1の資料につきまして、御説明をさせていただきます。

 最適使用推進ガイドラインにつきましては、前回の部会でその概要についてお示しをさせていただいたところでございます。このガイドラインにつきましては、厚生労働省のほうで作成をいたしますが、PMDA及び関係の学会に対して、作成の協力を依頼することとしております。

 まず、1枚目のスライドとして、ガイドライン策定に協力依頼を行う関係学会について、具体的にお示しをしております。オプジーボとその類薬につきましては、適応全般として日本臨床腫瘍学会及び日本臨床内科医会。悪性黒色腫に関しまして、日本皮膚科学会。非小細胞肺がんにつきまして日本呼吸器学会、日本肺がん学会。腎細胞がんにつきまして日本泌尿器科学会ということでございます。

 また、レパーサとその類薬につきましては日本循環器学会、日本動脈硬化学会、日本臨床内科医会といったところに御協力を依頼することとしております。

 2枚目のスライドが、オプジーボの非小細胞肺がんに対するガイドラインの素案でございます。「施設要件のイメージ」と書いてあります。項目として「(1)施設の専門性に関する事項(呼吸器やがん薬物療法の専門性)」ということで、専門施設に関する事項、医師の専門性に関する事項、副作用の診断や対応に関する事項、E-Learningなど研修の受講状況に関する事項、院内の医薬品情報管理の体制に関する事項。

 「(2)副作用の診断や対応に関する事項」ということで、CT画像検査に関する事項、緊急時への対応に関する事項。

 「(3)承認条件(全例調査)への対応に関する事項」ということを、項目として検討しております。

 「患者要件等のイメージ」につきましては、「(1)投与対象患者について」「(2)間質性肺疾患のマネジメントについて」「(3)免疫反応に関連した副作用のマネジメントについて」「(4)病勢進行後の治療継続について」という項目について、検討しております。

 最後のスライドでございますが、レパーサのガイドライン素案でございます。「施設要件のイメージ」といたしまして「(1)施設の専門性に関する事項(脂質異常症及び動脈硬化性心疾患の専門性)」として、医師の専門性に関する事項、副作用の診断や対応に関する事項、E-Learningなど研修の受講状況に関する事項、院内の医薬品情報管理の体制に関する事項についてそれぞれ検討をしております。

 「(2)副作用の診断や対応に関する事項」ということで、緊急時への対応に関する事項ということで検討しております。

 「患者要件等のイメージ」ということで「(1)投与対象患者について」ということで、これは適応にあります家族性高コレステロール血症患者、心血管イベントの発現リスクが高くHMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な高コレステロール血症患者の具体的な条件について検討しております。

 「(2)病勢安定後の治療継続について」ということについても検討しているところでございます。

 以上が、薬−1の資料の説明でございます。

 なお、薬−1の参考1といたしまして、現在、小野薬品工業において実施されている適正使用の推進に係る留意事項が公開されておりますので、御参考にお示しをしております。

 私からは、以上でございます。

○西村部会長

 続けて、中山薬剤管理官お願いします。

○中山薬剤管理官

 引き続きまして、薬剤管理官から中医協薬−2の資料について御説明させていただきたいと思います。

 最適使用推進ガイドラインが策定された後、それを医療保険制度上でどう取り扱うかということについてまとめたペーパーでございます。

 「1 最適使用推進GLの医療保険制度上の取扱い」ということで、最適使用推進ガイドラインが作成される医薬品については、最適使用推進ガイドラインを踏まえた内容を保険適用上の留意事項として医療課長が通知することとする。いわゆる留意事項通知と言っているものに相当いたします。今年度につきましては、最適使用推進ガイドラインがオプジーボとレパーサ、そしてそれぞれの類薬について試行的に作成されることになりますので、これらについての留意事項通知についても、年度内に発出する予定となります。

 次に、留意事項通知におきまして、最適使用推進ガイドラインをそのまま引用するのではなくて、当然のことながら単なる参考情報等を除いた上でということになりますが、「1 最適使用推進GLの実効性確保」という観点での検討を加えたいと考えています。

 これを具体的に申し上げますと、次の中医協薬−2参考「レパーサ皮下注の薬価収載に伴う留意事項」という一枚紙がございます。「1 最適使用推進GLの実効性確保」はどういうことかと申し上げますと、実際に留意事項通知において、レパーサについては家族性高コレステロール血症と高コレステロール血症に効能・効果が定められているわけですけれども、心疾患イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な場合に限るということが規定されているわけです。

 そうしたものについて使用されることを担保するために、参考の2に「ア」と書いてありますが、例えばLDL−コレステロールの検査値及び当該検査の実施年月日を記載するということを書くことによって、ガイドラインの実効性の確保をしたいと考えているところであります。

 もう一つつけ加えて言えば、食事療法とか運動療法、禁煙などについて実際に行った上でという条件もありますので、そうしたものを担保するために、2の「イ」にありますとおり、食事療法を行っている旨といったことを診療報酬明細書の摘要欄に記載していただくことによって、実効性の確保をしていくことを考えているわけで、こうしたことを検討していくことを考えております。

 さらに、2といたしまして、最適使用推進ガイドラインについては、原則として、その医薬品の有効性や安全性という観点での最適使用が内容として盛り込まれることがございますので、そのほかで経済性とか、医薬品の特性を踏まえた保険適用のあり方についても加えていく方向で検討するということは、前々回の薬価専門部会でもこちらから御提案させていただいた資料の中に含まれている内容でございます。そういったことも、必要に応じてということになりますが、留意事項通知に加えることとさせていただきたいと思っているということであります。

 これについても、具体的な例を申し上げると、例えば、薬−2参考の3にありますように、用量として、原則として140mgを2週間に1回投与とすることを留意事項通知に盛り込んでいるわけです。実際、承認の中では、4週に1回で140mgの3倍量という承認も含まれているわけですけれども、今回のレパーサの場合の留意事項通知においては、140mgを2週間に1回としたもののみ保険適用の対象とする形にしておりますので、そういった観点も加える場合があるということかと思います。

 さらに3といたしましては、ガイドライン自体が原則としての記載になりますが、そこでは実臨床における医師の判断によって、柔軟性を持たせなければいけない部分もあり得ることも想定しておりますので、そういったことも必要に応じて盛り込むことを考えております。

 そういった内容を踏まえた上で、ガイドラインに関しての必要な修正等を行って、医療保険制度上、必要な事項を具体的に記載することによって留意事項通知を発出することとしたいと考えているわけであります。

 その手続につきましては、最適使用推進ガイドラインが作成された後に、今、説明申し上げたような内容を踏まえた上で留意事項通知案を作成して、総会の場でも御議論いただいた上で発出する手続を考えているということでありまして、まず、オプジーボについては、年内に最終案を作成予定としております。

 もう一つ、これは留意事項通知の発出から適用までということで、医療機関等による在庫管理の観点から、もし期間が必要であるということであれば、そうした経過措置を設けることとしたいと考えているところであります。

 資料については以上でございます。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 ただいまの説明に関して、御質問等ございましたらお願いいたします。

 吉森委員、どうぞ。

○吉森委員

 ありがとうございます。

 初めに、最適使用推進ガイドラインについて、本日、御説明いただいた資料ではあくまでイメージが示されたということで、その詳細については、今後、示されるということでございますので、詳細化した内容についてのコメントは、その際に十分議論させていただきたいと思います。その際、事務局にお願いでございますけれども、個々のガイドラインの項目について、どのような理由でその項目を設定したか、丁寧に御説明いただければありがたいと思っていますし、それによって当該理由に照らして項目の設定が合理的であるかどうなのか、建設的な議論をしていきたいと思います。

 その上で、本日お示しいただいている内容でございますが、この部会でも申し上げてまいりましたように、医師の裁量に十分配慮しつつも、このガイドラインの実効性をどのように確保するかということが、今、御説明いただいたように最大のポイントだと思っておりますので、そのためには、ガイドラインの内容を留意事項通知に盛り込んでいただくことは最低限必要ということは当然でございます。加えて、現状、レパーサの留意事項通知のように、一定の項目については診療報酬明細書の摘要欄に記入することが必要でございまして、医師の判断によってガイドラインの定量的な事項と異なる処方をする場合には、やはりその理由を摘要欄に記入していただくことを励行いただくことなどについて、御検討いただければと思っております。また、そういうルールの遵守ができていない請求については、保険償還の取り扱いについても留意すべきだとも思っております。

 また、こうした高額薬剤については、その費用対効果を十分見きわめる必要があると思います。そのガイドラインの施設要件の中に、高額薬剤の使用による効果を分析する体制を有しているかどうかということも盛り込んでいただけるとありがたいと思っています。

 ぜひ、御検討いただければと思います。

○西村部会長

 今のは御意見として伺っておきたいと思います。

 ほかに、ございますでしょうか。

 平川委員。

○平川委員

 ありがとうございます。

 今の発言に関連しまして、今回、ガイドラインの素案に施設要件のイメージが記されております。また、参考1の小野薬品工業さんによる「適正使用に係る留意事項」にもいろいろ書かれておりまして、留意事項はかなり細かく記されているかと思います。

 そういった中で、留意事項の実効性をどうやって担保していくかということで、今、御発言がありましたし、具体的には、支払基金や国保連合会の審査の中で、その留意事項に沿ってしっかり審査をしていくことになるかと思います。

 そういう中で質問なのですが、例えば、審査、支払いのところで施設要件がしっかりとチェックできるのかどうかという質問です。施設要件もそうですけれども、中には医師の専門性に関する事項も入っております。小野薬品工業さんの「適正使用に係る留意事項」を見てみましても、医師要件として5点ほど記載がありますけれども、これらも含めて審査、支払機関でしっかり対応できるのか。もし対応できなければ、このガイドラインの実効性がないということになってしまいますので、その辺についても質問させていただきたいと思います。

○西村部会長

 薬剤管理官、回答をお願いします。

○中山薬剤管理官

 お答えします。

 資料でも御説明申し上げましたとおり、最適使用推進ガイドラインの実効性の確保は大事な点でございますので、そこで支払い機関の方々がしっかり実効性を確保していただくためにどういった手法が適切かどうか、国として何かしっかりできることがあるかどうかということについては、しっかり検討させていただいた上でやらせていただきたいと考えているところであります。

○西村部会長

 平川委員、続けてどうぞ。

○平川委員

 ありがとうございます。ぜひとも、絵に描いた餅ではなく、留意事項がしっかりと適用できるようにお願いしたいと思います。

 以上です。

○西村部会長

 今の点については、実効性の確保という観点に留意して、案をつくっていただきたいと思います。

 では、ほかに。

 中川委員。

○中川委員

 先日、薬食審の医薬品第二部会、それから薬事分科会で、オプジーボの効能・効果が追加されましたね。まず、腎がんも薬事承認され、キイトルーダがオプジーボと同じように悪性黒色腫が承認されました。中医協で、薬事承認審査と並行して最適使用推進ガイドラインを検討することになっていましたが、オプジーボの腎がんの効能・効果追加とキイトルーダの悪性黒色腫の承認に、薬事承認の審査に並行して最適使用推進ガイドラインの検討は進んでいるのでしょうか。お答えを。

 これは、医薬局と保険局が連携しながらやっていくという中医協での約束でしたね。それがちゃんと実行されているのでしょうか。

○西村部会長

 では、山田医薬品審査管理課長。

○山田医薬品審査管理課長

 医薬品審査管理課長でございます。ただいま御指摘のオプジーボの効能追加、キイトルーダの承認の際につきましては、最適使用推進ガイドラインにつきましてはまだ検討の端緒についたところでございますので、少なくとも腎がんのオプジーボの効能追加につきまして、それからキイトルーダの承認につきまして、最適使用推進ガイドラインが形になっている段階ではございませんでした。その点は、最適使用推進ガイドラインにつきまして検討を進めておりますけれども、一定の時間がかかっておりますことを御了解いただきたいと思います。

 また、医薬・生活衛生局と保険局の連携につきましては、時点時点で保険局の担当者と協議、相談をして、一緒にやってまいっておりますので、これは約束どおり連携を図らせていただいていると認識をしております。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 中医協で、PMDAに企業が承認申請の相談に行った段階、申請をして薬事承認の審査をしている段階、薬事承認から保険局で薬価基準に収載されるまでの一連の流れを、局縦割りではなくて、連携しながら一貫した流れとして抜本的に見直すべきだと申し上げてきました。

 しかし、スピード感が全く感じられないのです。今回のオプジーボの腎がんの効能・効果の追加に関しても、キイトルーダに関しても、まだまだガイドラインの検討が間に合っていないというお答えです。

 そこでお聞きしますが、臨床試験、治験の推進というか進捗状況、オプジーボとキイトルーダの幾つのがん腫で治験が進行中なのか、フェーズ2なのかフェーズ3なのかを含めて、教えてください。

○西村部会長

 山田課長。

○山田医薬品審査管理課長

 お答えいたします。

 オプジーボにつきましては、既に承認をされたものがメラノーマ、非小細胞肺がん、腎細胞がんの3つでございます。現在承認申請中が、ホジキンリンパ腫、頭頸部がんの2つでございます。開発中につきましてはフェーズ3とされているものが6がん腫、フェーズ2とされておりますのが、ちょっと数え方によりますが5がん腫。

 キイトルーダでございますが、承認されましたのがメラノーマ、現在申請中が非小細胞肺がん、開発中がフェーズ3としては6がん腫、フェーズ2としては5がん腫と把握をしております。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 随分たくさんのがん腫が薬事承認を受けて進行していますね。それぞれのがん腫の効能・効果の追加に際して、最適使用推進ガイドラインの整備は間に合うのですか。

○西村部会長

 山田課長。

○山田医薬品審査管理課長

 現在申請中のもので、間もなく承認というものにつきましては、一部間に合わない可能性のあるところがありますけれども、その後につきましては間に合うように鋭意作業を進めたいと思っております。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 努力しますという意味ですか。

○山田医薬品審査管理課長

 間に合うようにいたします。

○西村部会長

 はい。

○中川委員

 揚げ足を取るつもりは全くないのですが、ヒアリングのときの日薬連の多田会長の発言がどうも気になります。企業戦略として、希少疾病から承認申請をして、その次に対象患者の多いがん腫に拡大していくことが企業戦略だと明快におっしゃいました。

 悪性黒色腫は希少疾病なのですね。希少疾病の場合はフェーズ2で完了という仕組みがあるのですか。

○西村部会長

 山田課長。

○山田医薬品審査管理課長

 オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に指定されたものにつきましては、疾患の種類等によっては非常に治験の症例が集めにくいことがございますので、可能な範囲で臨床試験、治験をやった上で、その成績で評価をするということはございます。

 ただ、抗がん剤について、希少疾病用医薬品に指定されたから、必ず2相段階の資料でもって承認をするという規則はございません。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 規則はないけれども、オプジーボの最初の悪性黒色腫は、フェード2で終了したデータの申請で承認になったのですね。

○山田医薬品審査管理課長

 それは、そのとおりでございます。

○中川委員

 では、今回のキイトルーダはどうなのですか。

○西村部会長

 山田課長、お願いします。

○山田医薬品審査管理課長

 キイトルーダの場合には、国内は2相試験の段階ですが、海外では3相試験までの成績を評価しております。

○西村部会長

 中川委員、続けてどうぞ。

○中川委員

 ということは、第3相試験のデータは、いわゆる公知申請という形ですか。

○山田医薬品審査管理課長

 公知とはちょっと違いまして、私どもの基本的な立場としては、世界中で実施されている臨床試験が評価可能であれば、それをあわせて評価するという立場でございます。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 先ほどお答えいただいた、オプジーボのフェーズ2の5つのがん腫のうち、フェーズ2で終了して薬事承認が申請される可能性のものは幾つありますか。

○西村部会長

 山田課長。

○山田医薬品審査管理課長

 この場で、将来的に2相段階の試験成績で評価が可能かどうかは、ちょっと明言はなかなかできませんが、非常に希少ながん腫も一つ、二つ含まれております。

○西村部会長

 中川委員、お願いします。

○中川委員

 きょうのところの課長のお答えは、ここが精いっぱいかと率直に思います。

 先週、薬事分科会がありました。薬事分科会というのは、医薬品第一部会、第二部会から承認されたものを報告するところですが、その薬食審でも経済性も含めてしっかりと薬事承認に関する新しい新薬に対する議論をするべきだと、私は中医協で言いましたね。しかし、以前の議論の仕組みと全く変わっていないのです。今、オプジーボが幾つ治験が進行中であるのか、キイトルーダが幾つ進行中なのかも含めて、全く資料も提出されていない。薬事承認の審査から薬価基準の収載まで一連の流れとして把握するべきだということも、全くされていないのです。これは、大反省すべきだと思います。

 これだけ公的医療保険財政を翻弄している高額医薬品について危機感を持つべきだと私は申し上げてきましたが、全然危機感が共有されていないのです。本当に大改革をするつもりでやっていただきたい。スピード感がない進捗状況であるから、ほかの所管でない省庁の審議会等から、いろいろなことをどんどん口を出されるのです。やはり我々厚生労働省の中医協を中心に、薬食審も、国民の命と健康を守る所管だというプライドを持って、もっとスピード感を出して頑張るべきだと思います。

 お答えをいただければ助かります。

○西村部会長

 事務局のほう。

○山田医薬品審査管理課長

 中川委員の御意見を肝に銘じまして、進めていきたいと思います。

○西村部会長

 中川委員。

○中川委員

 保険局もお願いします。

○西村部会長

 医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 中川委員が御指摘の点、本日もそうですが、以前の薬価専門部会、中医協においても御指摘をいただいているということは、私どもは承知をしております。制度の運用をしっかりやっていくという側面と、今、御指摘のような視点を持って、制度運用をいかに変えていくのかということは大事な視点だと思っております。

 今は、オプジーボ初め高額薬剤に当面どう対応するかという議題を御審議いただいておりますけれども、今、御指摘のあったような制度の運用において、改善する点がないかあるいは改善できないかという点は、医薬局としっかり連携をして対応していきたいと考えております。

○西村部会長

 では、そのように進めてまいりたいと思います。

 松原委員、お願いします。

○松原謙二委員

 内科の専門医として、臨床を扱っている立場から一言申し上げたいと思います。

 オプジーボについては、画期的な薬です。御存じのように、免疫細胞を調べていて不明なたんぱくがあって、何をする役目なのかを調べていくうちに、このたんぱくが大変重要な役目が果たされていると。そこで、それについての薬をつくれば、免疫が復活されてがん細胞をやっつけられるという画期的な薬であります。したがって、恐らく黒色腫、ほくろのがんだけでなく、全てのがんにこの考え方は共通して効果のあることでありますので、広がっていきます。その中で、非常に高い薬剤なので、適正な使用法がなければ国家財政に対しては大変御負担になることから、先ほどの考え方が出ているわけであります。

 そこで、私が一つ心配しているのは、こういったガイドラインをつくるということは、非常に適切ではあると思うのですが、今回の件はあくまでも、レパーサも含めて非常にコストが高くて特殊な例であると受けとめています。ほかの薬全てにいろいろな制約をつけると、実際にそれを使っている臨床医の立場からすると、個々の方々は体質がばらばらですので、一つの規則で決めて投薬するわけにはいきません。そこから考えますと、あくまでこれは特例的な考え方であるということだと、私は思っています。

 こういったガイドラインをおつくりいただいて、医師要件と施設要件から制限をつけることが一つの考え方であり、また、この薬の性質から考えると、免疫を高めるということは、逆に言えば膠原病、要するに免疫が暴走する病気を起こす可能性があるということは、当然、予想されるところであります。

 実際に見てみますと、膠原病を発症している例はかなりあるようです。また、今は間質性肺炎と言いますけれども、かつての肺線維症、肺が固くなる病気を引き起こすと。これは、恐らく免疫が作動して、免疫が自分で自分の肺を攻撃してなっているので、こういった薬の場合には、十分にあり得ることであります。

 例えば、使うとき、どういう人に使うかということと、使った後で、その方をどのように見ていくかということは、少し違います。各学会にいろいろな意見を求めて適応を決めることは非常に大事なことでありますが、例えば、かなり遠くに住んでおられて、基幹病院に行けないような患者さんも、当然こういった薬が効くのであれば投薬していきたいと、臨床の現場は思うわけであります。

 特に施設要件をお決めになって、どのようなところがそれを投与するか決めるということは非常に賛成でありますが、しかし、落ちついてきたら、例えば在宅でほとんど外来に行けないような方もいらっしゃいますし、その投薬を決めれば、あとは紹介状なり何らかの担保する方法で、これを現場の医師に任せていただきたい。逆に言えば、副作用のチェックは、現場で細かく見ている医師のほうが早く発見できます。例えば、酸素飽和度を見たり、適切に胸の写真を撮ったりすれば、間質性肺炎は初期にわかります。それは肺がんの治療をする先生よりも、むしろ身近に見ている先生方のほうがよくわかるでしょう。そういったことも含めて、必要であれば、施設要件を全ての条件の中でトップに持ってくるのではなくて、ある程度、適切に運用していただきたい。どこどこが投薬を決めて、どこどこが管理している。管理するところと投薬を決めたところは、当然レベルが違うと思います。

 ただ、保険者さんが先ほどおっしゃっていましたように、このルールが守られていることを担保することは大事なことであります。いつの間にかなし崩しにならないように、私たちも協力したいと思います。

 もう一つ、恐らく時間がたてば、どのような病気をおこすか、どのような白血球のタイプを持っている人が肺線維症になりやすいかわかると思います。非常に画期的な薬ですので、そのようなことがわかってきたら、なるべく普通に使えるようにするためには、このガイドラインをつくってそれで終わりではなくて、やはり見直しをきちっとしていただきたい。こういった規則をつくりますと、これが全てであるような形で運用されるのは、やはり国民の皆さんにとってよくないことですので、定期的な見直し、あるいはこういったものをつくったら1回は2年後には、もう一度きちっと考え直すといったルールがなければなりません。 もう一点は、現在、確かに効果があって副作用が出ていない方が、このいろいろなルールをつくったために治療ができなくなったり、あるいはわざわざ都会まで行ってその投薬を受けたりといったことのないように、そういったところを十分に配慮しながら、現在の投薬されている患者さんに対して不利な状況にならないように御配慮いただきたいと思います。

 簡単に言いますと、1回つくったらそのままではないということと、やはりフレキシビリティがないとだめだということと、さらに、保険者さんの立場を考えればこれがきちっと守られているということを担保していく。その3つをよろしくお願いしたいと思います。

 レパーサにつきましても、家族性の高脂血症は大変難しい病気であります。コレステロールを処理する機構が、肝臓において遺伝的にトラブルがある。それを修正するものでありますので、非常にコレステロールの高くなる家族性高脂血症の方は、現在においては、つまり血漿を交換するような方法でなければ長生きできないという大変難しい病気でありますので、そういった方に使うのは当然であります。

 そういったことも考えますと、これも施設要件を余り厳しくすると、実際に困っておられる方が十分な治療が受けられなくなりますので、御配慮いただきたいと同時に、コレステロールが高いだけでこういった特殊な薬を使うということは、財政上いろいろと問題があることも、理解する事も重要です。どのような方に一番効いて、どのような方が投与に適切なのかがわかったら、そのときは現場の医師に任せていただきたいと思っているところであります。

 何年かたてば、非常に高額な薬剤もかなり安くなります。前も申し上げましたけれども、ストレプトマイシンやペニシリンなど、家を売らないと肺炎を治療できない、結核を治療できないという戦後の時代がありましたが、それも科学の進歩によって国民の健康が守られるところまでやってきているわけでありますので、十分な治療が受けられるように御配慮を賜りながら、そして、なるべく規則というのはアップ・ツー・デートして変えていき、できればないほうが望ましいと私どもは思っているところでありますので、よろしくお願い申し上げて意見としたいと思います。

○西村部会長

 松原委員、御意見として承っておきます。

○松原謙二委員

 保健医療課の医療課長に、今の意見についてのコメントをいただきたいと思います。

○西村部会長

 医療課長、今の件についてお考えをお願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 松原委員の御指摘は、現場の実態をよく踏まえて、やはり被保険者といいますか患者さんを第一に考えて運用できるように、いろいろな御指摘をしっかりバランスよく、制度の運用については検討すべきという大事な御指摘だろうと思いますので、今後の通知も含めて作成する段階において、しっかり対応させていただきたいと思っております。

 ありがとうございました。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 キイトルーダもそうでしょうが、オプジーボは、医薬品産業の業界ではブロックバスターの可能性もあると言われているのです。そういう状況の中ですけれども、現時点ではわからないことが多過ぎますね。一体どのぐらい効くのか、いつやめるのだとか、いろいろな問題があって、まだまだ不明な部分が多い。

 特に、私は一番心配しているのは副作用なのです。現時点でわかっているだけでいいですから、副作用がどのようなものがあって、どのぐらいの頻度で起きているのか、ほかの抗がん剤に比べて多いのか少ないのかを、改めて教えていただけますか。

○西村部会長

 専門委員の方で、今の点については。

○加茂谷専門委員

 専門委員は、そのような知識を持ち合わせておりません。

○西村部会長

 そうですか。わかりました。

 では、事務局の方。山田課長お願いします。

○山田医薬品審査管理課長

 手元に詳しい資料等がありませんので、大ざっぱな感じになることを御容赦いただきたいです。

 現在、重大な副作用といたしまして、間質性肺疾患、重症筋無力症、筋炎、大腸炎、重度の下痢、1型糖尿病、肝機能障害、肝炎、甲状腺機能障害、神経障害、腎障害、副腎障害、脳炎、重度の皮膚障害、静脈血栓塞栓症、インフュージョンリアクションといった項目が挙げられております。

 それぞれかなり重篤ではございますけれども、頻度が載っておりますのは、例えば間質性肺疾患ですと5.3%、甲状腺機能低下症が10.6%、亢進症が1.8%などでございます。

 これは、類薬と申しましても、他の抗がん剤とは副作用の出方が結構異なりますので、直接的な比較で多い、少ないということは、なかなか申し上げにくいところでございます。

○西村部会長

 今のような状況で、中川委員、どうぞ。

○中川委員

 小野薬品工業が、販売に関しては非常に厳しくといいますか、この薬−1参考1にあるような適正使用の推進として、みずからこのように留意事項を出していますね。そういう理解でいいですか。

○山田医薬品審査管理課長

 そのとおりでございます。

○中川委員

 こういうきちんとしたものをお出しになっているわけですが、先日の報道で、わざわざ個人輸入をして自由診療で使って死亡したという報告がありますが、そういう事実は把握されていますか。

○西村部会長

 山田課長、続けてお願いします。

○山田医薬品審査管理課長

 そういったことがあったという報告は把握しているやに聞いております。

○西村部会長

 中川委員。

○中川委員

 これは日本経済新聞の8月27日付の電子版にそういう報道がありますが、こういう報道をきちんと把握してください。そして、個人輸入だったらいいのかといういろいろな問題がありますね。そして報道によるとですが、専門性も高くはないような医療機関でむやみに使って死んだという論調なのです。そして、本当に個人輸入した薬が本物なのかという極端な懸念まで持たれているわけです。

 今後、こういう問題もたくさん各種出てくる可能性があるので、本当に慎重にかつスピード感を持って最適使用推進ガイドラインを整備し、留意事項に仕上げなければいけないと思います。次々に新しいがん腫が適用になるわけですから、ぜひその辺のところを危機感を持ってやっていただきたいと思います。

○西村部会長

 山田課長。

○山田医薬品審査管理課長

 承知いたしました。

○西村部会長

 上出専門委員、お願いします。

○上出専門委員

 最適使用推進ガイドラインの保険上の取り扱いにつきまして、専門委員の立場から意見を申し上げさせていただきます。

 この最適使用推進ガイドラインは、治験結果をもとに承認されました効能・効果、用法・用量といった事項を臨床現場でより明確に示すために作成されるものであり、また、その内容を担保するために留意事項通知を発出するものと理解しております。

 先ほど、患者さんのベネフィットという観点で、松原委員からもコメントがございましたけれども、この留意事項通知の内容によりまして、本来その薬剤を必要としている患者さんが、その薬剤にアクセスできないということにならないように、ぜひ慎重な御議論をしていただきたいと考えております。

 以上でございます。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 御意見として伺っておきたいと思います。

 それでは、ほかに御質問、御意見等ございませんでしょうか。

 ありがとうございました。ほかに御質問等ないようでございますので、ただいま御審議いただいた案につきまして、当部会で同意を得られたものとして、私のほうから総会に報告することとしたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

 続きまして、薬−3について事務局より説明をお願いいたします。中山薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 御説明します。

 薬−3の資料をごらんください。高額な薬剤の対応についてということの後半になりますけれども、緊急的な薬価に関する対応の必要性について御議論いただきたいと思います。

 これまでも、8月末からの薬価専門部会から先月9月14日の薬価専門部会において、関係業界からのヒアリングも行わせていただいたという状況でありまして、こうしたこれまでの議論、御意見などを踏まえて、この後、今後の方向性ということで案を示させていただきたいと思います。

 最初に、関係業界からの意見聴取ということで、主な指摘についてどのようなものがあったかということについて、御紹介させていただきたいと思います。

 最適使用推進ガイドラインにつきましては、日本製薬団体連合会さんからは、革新的な新薬の最適使用推進という視点でのガイドラインが作成されることについては、製薬業界としては異論がないという御意見だったかと思います。また、米国研究製薬工業協会(PhRMA)からも同様の御意見だったと思いますが、ガイドラインによって患者のアクセスを阻害することのないような留意が必要であろうということも加えられていたかと思います。欧州製薬団体連合会(EFPIA)さんからは、ステークホルダーが共同して予見性の高い方法で財政的なインパクトのある薬剤への対応ができるのであればということでありますけれども、その前提に立てば、現在提案されている期中改定とか最適使用推進ガイドラインの導入は不要ではないかという御意見が出ていたかと思います。

 期中改定につきまして、日本製薬団体連合会さんからは、各企業は2年に1回の薬価改定頻度を前提に経営を行っている。期中改定の議論に与することはできないという御意見が出たかと思います。PhRMAさんからは、薬価を期中に引き下げるルールを導入した場合に、たとえ特例的な取り扱いであっても、いたずらに薬価の予見性を低下させる。日本における新薬開発や効能追加への意欲を削ぐことにつながるおそれがあるという御指摘をいただいております。欧州製薬団体連合会さんからは、薬価改定は診療報酬とセットで議論すべきだ。期中改定はひずみを生じさせる。安定性と予見性にさらなるダメージを与える期中改定には反対するという御意見をいただいたところでございます。

 こうした御意見、これまでの議論などで、当面の対応を講じるに当たっての基本的な考え方として、こちらでまとめさせていただいた案が次のとおりでございます。

 まず、オプジーボについては、革新的な作用機序であるがゆえに、従来の薬剤とは異なり、さまざまながん腫への適応追加が見込まれる中で、早期に患者に医薬品を届けるため、希少疾患の効能から承認を取得し、小規模市場を前提とする高額な薬価に設定された。その後、適用や用法用量が収載当初から短期間の間に劇的に変わり、従来では想定されないような大幅な市場規模の拡大に至ったものである。

 オプジーボの使用実態が変わった時点での対応は、現行のルールには想定されておらず、初期に設定した薬価が継続しているが、本来、このようなイノベーションにも対応し得る新しい薬価制度の導入が必要である。

 一方で、薬価改定は薬価調査に基づく2年に1度の実施を基本的ルールとしており、このルールを突然大きく変更することは、製薬企業における経営の予見性を大きく損なうことから、平成30年度薬価改定に向けて、このような事態にも対応し得る制度を構築することが基本となる。

 ただし、効能・効果の追加や用法・用量の拡大により当初の想定を超え、大幅に市場が拡大するような薬剤について、平成30年度薬価改定までにこの状態を放置することはできず、緊急的な対応を講ずることも必要であるということが、これまでの議論を踏まえた基本的な考え方ではないかということで、案をお示しさせていただいております。

 この案の前提に立った上でということになりますけれども、「論点1 緊急的な対応を講ずる薬剤の対象範囲について」ということでございます。

 これは、8月末の薬価専門部会でも、この基本的な考え方の部分は御説明させていただいたところですけれども、再度簡単に触れさせていただきます。

 効能追加等により大幅に市場が拡大された薬剤については、通常ですと、改定時において市場拡大再算定等の対応を講じております。ただ、今回のように従来の仕組みでは対処できない事態が生じた場合に、緊急的に対応することも必要だということかと思います。さらに、こうした緊急的な対応につきましては、薬価改定のルール外の対応を講ずるものだということで、従来の仕組みの考え方を踏まえた一定の範囲についての対応が適切であろうと考えます。このようなことから、今回の緊急的対応は、市場が拡大してから次期改定までの期間が長期にわたるものということが一つ。さらに、市場拡大の程度が極めて突出した薬剤を対象とするといったような限定的な取り扱いを講ずることが必要ではないかと考えます。

 ということで、1と2に整理させていただいておりますが、対象とする薬剤の1つ目としましては、効能追加等がなされてから市場拡大再算定の対象となるまでの期間が2年を超えることになる薬剤ということです。具体的に申しますと、今回の場合は平成2710月から本年の3月までということで、薬価調査の実施月の翌月から薬価改定が行われるまでというものに効能追加等がされた薬剤を対象としてはどうか。もう一つの対象とすべき薬剤としては、平成28年度販売額について、市場拡大再算定(特例)の適用要件である1,000億円超とし、かつ、市場予測からの拡大率について、市場拡大再算定における最も厳格な適用要件である当初予測の10倍以上となる薬剤を、市場拡大の程度が極めて突出な薬剤として位置づけてはどうかということでございます。この1かつ2というところに位置するものを、今回の緊急的な対応を講ずる薬剤の対象範囲としてはどうかと考えるということでございます。

 なお、今回の場合、ここの対象範囲を洗い出すに当たって薬価調査は実施しておらず、各企業による予想販売額に基づかざるを得ないということもあります。また、個別に平成28年度改定に間に合わなかった全ての効能追加の薬剤についての今年度の売り上げ部分を出していただくということは、なかなか企業としては難しいという御意見もあったと思いますので、今回のような対象範囲になる部分について、基準への該当性、該当するのか非該当なのかという部分を各企業に回答いただくこととしてはどうかと考えているところでございます。

 「論点2 緊急な対応講ずる場合の算定方法について」ということでございます。緊急的な対応を講ずる場合、その対応自体が現行ルールにないものであって、本年度に薬価調査を実施しないことを踏まえまして、できる限り既存の考え方を活用していくことを基本としてはどうかということでございます。

 従来の再算定における考え方は、ここに挙げますとおり3つの再算定ルールがあるということは、前々回も御紹介させていただいたところでございます。この3つの中で、今回対象とし得る論点1の1に該当する薬剤について見ましたところ、用法用量変化再算定ですとか、効能変化再算定の考え方が適用されるような薬剤は存在しない。実際、市場拡大再算定という視点での考え方が適用することが適切ではないかと考えるということであります。ただし、薬価調査を実施していないということで、算定式における販売額につきましては、企業の自主公表額を最大限活用することで対応してはどうかと考えるところであります。

 平成30年度改定に向けまして、薬価制度を抜本的に見直すということで既に御説明させていただいておりますけれども、そういったことはありますが、今回の緊急的な対応における適用の仕方、市場拡大再算定というルールをそのまま適用するのかどうかについて、どう考えるかということでございます。

 その後に、市場拡大再算定のやり方についての参考の資料が添付されています。

 もう一つ、これはあくまで御参考まででございますけれども、中医協薬−3の参考として、1週間前の総会でも中川先生から御指摘いただいたということで、資料を添付させていただいております。オプジーボの市場規模予測ということです。左の欄が、國頭医師が4月4日の財政制度等審議会で試算された値でございまして、オプジーボについては1年間継続して投与を行った場合を想定し、かつ、日本の肺がんは2015年推定13万人、非小細胞肺がんは10万人強ということで、少なく見積もっても5万人の方が対象になると仮定した見積りでございます。それでいくと薬価ベースで1兆7,500億円という試算が公表されたところでございますが、実際の小野薬品工業における市場規模予測が右の欄に書いてありまして、1,260億円ということでございます。これは、仕切り価格ベースになりますけれども、ここの試算では大きな違いがあるということは申し上げなければいけないと思います。

 その前提に立つのは、投与期間については、臨床試験における平均投与期間であるところの6カ月ということでありますし、患者数については、小野薬品工業さんとして、オプジーボを適切に使っていただける方としては最大1.5万人いるという試算をされておりますが、最大1.5万人であって、実際使用されている方はその何割かというところでとどまっていることもあって、実際の年間市場規模予測については1,260億円という試算がされている状況があることは、御参考までにお示しさせていただきたいと思います。

 資料につきましては、以上でございます。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 ただいまの説明に関して、御質問等ありましたらお願いいたします。

 松原委員、どうぞ。

○松原謙二委員

 今回、先ほども申しましたようにオプジーボは画期的な薬です。これを開発していただいたことについては、小野さんに対して敬意を表したい。そして国民にとって大変有益なことだと思います。

 ただ、申請したときに、希少がんの黒色腫だから数が少なかった。速やかに審査を受けて認可された。これも、困っている人にとってみたら大変大事なことで、自分の病気がもしかして治るのだったら、そういった薬が早く出たほうがその方にとってはよろしいので、ありがたいことだと思います。

 ただ、問題は、1号側の委員の皆さんも御理解されているように、対象が四、五百人ぐらいだろうということで計算して、全体の費用を500で割って出した金額で、年間30億ぐらいだろうということでこれを認可したわけです。もしもこれが肺がんのほうを先に申請されていたならば、1万5,000人ほど使われるとしたら、10年間で収益が取れるように計算しているわけですから、簡単に言うと500で割っていたものを1万5,000で割るわけです。簡単に言えば、要するに30倍の値段がついてしまったということであります。

 値段を高くしたいがためにやったとは、私は小野薬品さんの今までの薬の立派なところから見たらあり得ないことだと思いますが、結果としては、そのような高い金額で、しかも効能拡大されて大変大きな金額になることがわかった。さらに、患者さんのために早くしていただいたことはありがたいことですが、中医協の議論の中で、たまたま薬価の影響は受けない時期にしたために、ルールも十分ではなかったし議論もできなかったということであります。これも、恐らく議論ができていればもう少し違った結果になったと思うのですが、ルールどおりにやったらこういう形になった。やっていることがルールどおりにされていて、国民に対して立派な仕事をされても、後から考えてみて、どうもこれは適切ではなかったと判断されれば、やはり修正するのは当たり前であります。先ほど言いましたように、肺がんのほうから出していればもっと安い薬価で、これについて類似薬効方式でほかの薬は認可されても安い金額がつくわけでありますから、それから考えたら、正しいやり方で正しいルールでやっていても、世間から見てどうも違うぞというときには、やはり修正いただくのが筋だと思います。

 ずるいとは言いませんが、アメリカでいえば公正でないように見える。外から見えるだけであります。それでしたら見えないように修正するのが本来の筋です。今回は本当に特例中の特例で、やはり正しいところに持っていきたいと、国民の皆さんも思っておられるところですので、立派な薬を開発していただいた小野製薬さんには申しわけありませんけれども、やはりここのところは誰から見ても公正に見えるようなやり方に持っていっていただきたいと思いますので、大変御迷惑をかけますけれども、厚生労働省さんに適切なところにおちつくように御努力いただきたい。

 また、もしこれが安くなれば、先ほど言いましたようにほかにも効くはずですので、多くの国民がこれを享受できることは大変すばらしいことであります。確かに、もし10人に1人しか効かないとなっても、その1人については自分の命がなくなるかどうかということでありますので、十分にそこのところも議論をしなければならない。一人一人のことを大事に考えなければならないと思いますので、よろしくお願いいたします。

 意見でございます。

○西村部会長

 御意見として承りたいと思います。

 吉森委員、どうぞ。

○吉森委員

 ありがとうございます。

 今の松原先生と同じで、今回のオプジーボについては、肺がんが先に開発されて上市されれば値段がどうだったのだというところを踏まえての緊急的な対応だということは同感でございます。では、どうするのかというところの論点2の提案の方向性は、やはり緊急的な対応について新たに色々な算定方式をつくるということは混乱を招くという意味では、現行ルールに対応してその考え方が整理できないかという事務局の考え方にも賛成でございます。

 その中で、今回は薬価調査を実施しないということでありますから、企業さんによる予測販売額に基づかざるを得ないということは、当然、一定理解をいたしますし、その予想販売額の算定について、やはり公平性、透明性をどう担保するかということが必要であるとも考えます。例えば、参考でお出しいただいている小野薬品工業さんの1,260億と、國頭先生の薬価ベースに基づいてマーケットを参照しているものについては、やはり例えば一定の指標を事務局で設定していただく。この1,260億は仕切り価格でございますが、薬価ベースであればどれぐらいになるのかということも、一つ納得性のあるところなのだと思いますので、やはり企業側の算定根拠に対する、ある程度納得感の得られる情報の公開を、ぜひ求めていただきたいという意見でございます。

 また、市場拡大再算定の対象要件を厳しく10倍かつ1,000億。これについても賛成でございますが、今、申し上げたように、マーケットが1,260億ありきということではないので、やはり特例の再算定対応で1,500億未満は25%、1,500億以上は50%というルールを定めたわけでございますから、これをきちっと遵守していくという対応でやっていただければと思います。

 また、これは今回の議論ではないですが、先ほどのテーマのところで中川先生がおっしゃったとおりだと私も思います。平成30年の改定に向けては、今回のような効能追加による緊急対応をまたしなくていいように、適用拡大についての、当然ながらイノベーションでどんどん出てくると予想されるわけでありますから、きちんとした薬価の見直しルールを早急にやっていただきたいと思います。あえて申し上げれば、原価計算方式や外国平均価格調整の薬価制度そのものについての見直しは、従来、先生たちもおっしゃっていたことに同感でございますので、早急に抜本的見直しを検討していただきたいと思います。

○西村部会長

 御意見として承って、進みたいと思います。

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 質問です。

 キイトルーダが薬価基準に収載されるときには、緊急的な措置を対処されたオプジーボの薬価と同じになりますか。

○西村部会長

 薬剤管理官。

○中山薬剤管理官

 今回の緊急的な対応の結論が出た上で、オプジーボの価格が設定された場合には、その後、類似薬効という形でキイトルーダの価格を合わせるということにはなろうかと思います。

○西村部会長

 中川委員。

○中川委員

 私も薬−3の5ページの点線内の考え方に関しては、一定程度評価したいと思います。

 そこで、先ほどお答えいただいたオプジーボは申請中2がん腫、フェーズ3、フェーズ2のものが11。この13のがん腫の薬価基準収載に向けて、猛スピードとは言いませんが、かなりのスピード感を持って向かっていますね。これが薬価基準収載されたときに、薬価はどうするのですかという大問題があります。ある意味、国民が待ち望んでいると思います。効くのではないかと。ほかの治療ではもうだめだと言われた患者さんが、オプジーボは自分のがんにも使えるそうだと待ち望んでいるのですが、今回の参考資料の5番にあるような程度の薬価の見直しでは、13も新しい効能・効果が追加されたときに到底もたないだろう。抜本的、さらに超抜本的な薬価をつけることが、国民に対して、我々中医協の責務ではないでしょうか。

 いかがですか。

○西村部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 中川先生が御指摘のとおりかと思います。

 したがいまして、いろいろと開発中のがん腫が多数あるという情報は、常に我々としては認識しながら、30年度改定に向けて、まずはそうしたことも踏まえた上でどういったことができるかということで検討を加えていきたいと思います。

30年度改定に向けては、こうしたことにも対応し得るようなことをしっかり考えるということは、お約束したいと思います。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 そのスピード感では、間に合わないと思うのです。例えば、今、13やっているオプジーボの申請中と治験中の新しいがん腫の推定される対象患者数はどのぐらいなのか、キイトルーダの12の対象患者数がどのぐらいなのかということも想定して、実績の販売額の想定をして、薬価をどうすべきかということを今から考えていくべきだろうと思うのです。

 金額のことばかり議論するのは嫌なのですけれども、やはりできるだけ多くの国民に、本当に必要な患者さんに使ってもらうためには、そういうことを我々は前もってやらなくてはいけないと思います。

 そうですね。

○西村部会長

 薬剤管理官。

○中山薬剤管理官

 基本的には、今、おっしゃられたとおりで、こうした開発中のものを踏まえた上で、30年度改定に向けた議論の中でそうしたことを全て含んで対応できるように、その後、見直しをする必要がないようなものをしっかりつくっていくということで、検討していきたいと思います。

○西村部会長

 加茂谷専門委員、どうぞ。

○加茂谷専門委員

 加茂谷でございます。

 今、御議論いただきました薬価制度の抜本的な見直し、改革に向けて検討することにつきましては、専門委員の立場でも重要と考え、積極的に参画をさせていただきたいと考えております。

 本日のメーンテーマである緊急的な対応を行う必要性については、先ほどの薬−3の参考資料、小野薬品さんからは1,260億円という数字が提示されているわけでございますし、先ほど御議論いただきました最適使用推進ガイドラインの効果といった点も含めまして議論が行われるべきであり、その上で、どうしても現時点においてルールにないことを行うのであれば、企業経営の安定性、予見性という点も考慮しながら、慎重に議論をお願いしたいと要望しておきます。

○西村部会長

 御意見ありがとうございました。

 幸野委員。

○幸野委員

 意見と確認をさせていただきます。論点1については特に異論はございません。論点2について、多少問題があるので、意見を申し上げます。

 市場拡大再算定を適用し、その算定式における販売額の設定については、メーカーの自主公表額を用いると示されておりますが、これは少々問題があるかと思います。自己申告とするのであれば、販売額をどのような根拠で算出したのかについて一定のロジックを企業側に丁寧な説明をしていただきたいと思います。

 これに附随して、自己申告額と、28年度販売実績額に大きな乖離があった場合の対応についても検討する必要があると思います。仮に販売実績額が1,500億を超えた場合は、市場拡大再算定の特例に該当することから何らかの調整を行った上で、それを30年度の改定に反映させる等、現時点でルールを決めておくことが適切な方法かと思います。

 もう一点は、5ページのスライドの「また」以下の記載について、期中改定を実施することに対してかなり業界側に配慮したご提案だと感じられますが、希少疾病を対象とすることで高額となった薬価の前提が変わったのであれば、その時点で薬価を見直すということは妥当と考えますので、現状の市場拡大再算定により算出された薬価をそのまま新薬価に適用することで、特段の問題はないと思います。

 最後に確認です。平成30年度の薬価改定時の市場拡大再算定における販売額の基準は、保険収載時の予想販売額が基準になるという考え方でよろしいですか。

 以上です。

○西村部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 仮に、市場拡大再算定の既存のルールをそのまま当てはめるのであれば、その時点の販売額をべースとして、その後の再算定を検討することが今までのルールであります。ただ、そこについても30年度改定に向けてどう考えるべきかということについては、検討していくこととさせていただきたいと思います。

○幸野委員

 それは、実績によって精算するということでよろしいですか。

○中山薬剤管理官

 そこも含めてということになると思いますけれども、まず、28年度の販売額を、実績も含めてどう扱うかということも含めて、仮に、再算定を今までのルールでフルに適用した場合に、そこを発射台にすべきかどうかも含めて検討したいと考えます。

○西村部会長

 今のは、よろしいですか。

 松原委員。

○松原謙二委員

 実際、拡大再算定は、一旦金額を決めて、使ってみたら非常に効果があって、これを多くの人たちに使うことによってその方たちがよりよく治るということで、大変金額がふえ収益が予定より多くなるからこそ適用する。最初の読みよりも非常に多くの人たちが適応症だったということで拡大再算定を行って、十分な利益が出たのだから少しお返しくださいという意味で採用したのだと私は思っています。

 ところが、今回の件は500人が対象予定としての計算の仕方で考えますと、それまで投資した金額、費用に利益率を掛けて、10年間でこれだけ収入があるべきだろうというところからそれを人数で割って、今回の金額、一説によるとオプジーボは1年間で3,600万ぐらいかかるようですけれども、そういうことで一旦決めて、そして実は500人ではなくて肺がんのほうで審査を受けていれば1万5,000人ぐらい、恐らくもっといらっしゃると思うのですけれども、簡単に言えば先ほどの式に当てはめたら、金額が30分の1になっていたはずなのです。企業戦略の中でそのように選択されたと思いませんが、それがもし肺がんで申請していればそのようなことは予見できたはずですから、どうもそこがわかっていながらこの段階を踏まえたということは、世間から見て、やはり少し適切ではないのではないかと思われても仕方がないように私は思います。

 きちっとした会社ですから、そのようなことを考えておられるとは思いませんが、そこのところで、拡大再算定の適用をしている考え方と、今回の500が実は1万5,000の可能性があったということについては、単純に言えばもとの計算式に戻れば30分の1の値段にすればいいわけですけれども、そのようなラジカルなことを言っているわけではなくて、やはり市場に一旦出たものは、ある程度市場の中で検討するということを厚生労働省さんが出しています。そのあたりのことは踏まえた上で、簡単に言えば先ほど私が言っていた10年間での考え方が正しいとしたら、戻れば30分の1にすることが、本来、筋であります。

 一つお聞きしたいのですが、私が申し上げたように、10年間での費用を計算して最初の悪性黒色腫の金額を決めたと思うのですが、ざっくりとしてそのような考え方かどうかだけお聞きしたいのですが、いかがでしょうか。

○西村部会長

 中山薬剤管理官、お願いします。

○中山薬剤管理官

 お答えします。

 メラノーマを対象としたときに、ピーク時で470人となることを前提として原価計算がされたということは、先生がおっしゃったとおりであります。

 ただ、仮に肺がんが先だった場合に、ピーク時で1万5,000人とした場合に、単純に30分の1に薬価がなるということではありませんで、そこの部分は薬価の積み上げの中で対象となる患者数で割り戻して計算する部分は、例えば、研究開発費でかかった部分について10年間で回収するとして、それを人数で割ったら幾らという部分で計算して乗せることになりますので、単純に全体の額を30分の1にすることではないということは言えると思います。

○松原謙二委員

 簡単ではないことはわかりますが、今回、研究開発費が非常に多額にかかったと思います。製造原価のところについてどのような対応にされているかは公開されていないので、私どもはわかりませんが、ざっと考えたら今言ったような費用について、何人で割り戻して10年分でという考え方が基本だと思います。そこに戻せ、あるいはそのようにしろという意味ではありません。なぜならば、一つの病気に苦しんでいる人とまた別の病気に苦しんでいる人、なるべく早く薬を手に入れたいのは当然でありますので、もし効くのであれば拡大していただきたいと思うわけです。そういったことを踏まえますと、構造的にそのような計算式に近いところでやっているのであれば、そのことについては皆さんに御理解賜りたいという主張をしているところであります。

 よろしゅうございますか。

○西村部会長

 御意見ありがとうございました。

 幸野委員、お願いします。

○幸野委員

もう一度確認させていただきます。キイトルーダが9日にメラノーマで承認されたということですが、保険収載の時期はいつぐらいになると見込まれておりますか。

○西村部会長

 薬剤管理官、回答をお願いします。

○中山薬剤管理官

 キイトルーダはメラノーマで承認されたのが9月28日ということです。その薬価の収載に関しては、来月11月の中医協の場で御報告し、審議いただくことになりますので、その時点で御説明させていただきたいと思っています。

○西村部会長

 よろしいですか。

 幸野委員、続けてどうぞ。

○幸野委員

 そのときの類似薬効比較方式における類似薬はオプジーボで、現在の価格となりますか。○西村部会長

 中山薬剤管理官。

○中山薬剤管理官

 オプジーボについては緊急的な対応の結論をいつ出せるかという問題と、いろいろ複雑な問題があります。したがって、その時点で適切な対応を検討し、御説明させていただいた上で中医協で御議論いただくことにさせていただければと思います。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 キイトルーダは、まだ薬価基準収載希望は出ていないということですか。

○西村部会長

 薬剤管理官。

○中山薬剤管理官

 済みません、その点については、コメントができません。

○西村部会長

 中川委員。

○中川委員

 一般論として、薬事承認を得て、薬価基準収載申請というか希望を出さないで、次々に新しい効能で薬事承認を申請することは可能ですか。効能・効果の追加。

○西村部会長

 薬剤管理官

○中山薬剤管理官

 可能かと思います。

○中川委員

 ですね。

○中山薬剤管理官

 はい。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 仮に、キイトルーダが薬価基準に収載されて、薬価を決めるときには類似薬効比較方式で外国平均価格調整はするのですか。

○西村部会長

 薬剤管理官。

○中山薬剤管理官

 ルール上はそういうことになるかと思います。

○西村部会長

 中川委員。

○中川委員

 正確かどうかわかりません。確認していませんが、オプジーボの販売価格は、アメリカでは日本の薬価の半分という情報、イギリスはさらにその半分という情報が複数から入るのですが、そういう把握はされておりますか。リストプライスではなくて、流通価格です。

○西村部会長

 事務局のほうで、お答えをお願いできますか。

 薬剤管理官。

○中山薬剤管理官

 オプジーボの外国の価格ということでしょうか。

 一応、リストプライスとしてはどうであるかということは、情報としては企業から確認できる状況かと思います。

○西村部会長

 医療課長もお願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 幾つか論点が交錯しているので、若干、交通整理も必要かと思って逆にお聞きをしたいところもあります。

 まず、企業の申請に基づいて薬価の設定、薬価収載をするかしないかが決まりますので、その点については基本的にはお答えできませんということが前提です。その上で、現時点でどのように薬価を収載していくのか、計算をするのかということは、現にルールがございますので、仮に今後、今、話題となっております薬剤の薬価収載の希望があれば、そういったルールにのっとって処理をいたします。その際に、外国価格との関係がもしあれば、それは当然そういった情報を得て処理をするという大原則を改めて確認させていただくことが1点目です。

 次に、先ほど、幸野委員と松原委員の御指摘にもあったことです。今後、事務局としては議論をまとめて次のステップに進みたいと思っていますので、確認といいますか、こういう理解でおりますということをお話しさせていただきます。まず、薬価の設定の考え方とは別に、医薬品の単価に係るコストをどう割り戻すかという話について言いますと、研究開発費は基本的には一定程度の規模で、その後どれだけ売れるか売れないかにかかわらず固定費として必要となる部分があります。一方で、医薬品をその後、実際に使用していって生産をしていくという、言ってみれば変動費、その都度つくっていくときに必要な経費がございますので、単純に患者さんあるいは見込まれる市場の規模で割り返して何分の1ということではありません。従って、薬価が単純に市場規模だとか患者の数にリンクするということではございませんので、その点は今後の議論において念頭に置いていただきたいと思っております。

 その上で、今回私どもがお示ししております薬−3の4コマ目と5コマ目で、論点を2つ提示させていただいております。論点1について、この市場規模の判断について、現時点で薬価調査をしておりませんので、言ってみれば、一義的には企業の自主的な御報告を活用させていただきたい。ただ、それをそのままうのみにするのではないということを幸野委員が御指摘だと思いますので、我々としてはさまざまな情報で可能な限り、表現は悪いかもしれませんが、裏取りはさせていただきたい、どういうロジックかということも確認させていただきたいと思っております。

 ただ、そのときに出てくる市場規模の数とか金額と、この論点2に掲げさせていただいております薬価をどうしていくのかという話は、実は今回の緊急措置では別の扱いだと私どもは考えております。すなわち、それは30年改定に向けて今回こういった議論をした上で、やはりいろいろな適応症を拡大されることについては、言ってみれば改めて薬価を計算し直すようなこともあってもいいのではないかという問題意識を持っておりますので、そのことは30年改定に向けてしっかりルールをつくって、今回のような対応を30年以降、期中に議論することのないように、専門委員の御指摘もありましたし、改めてそこはしっかり議論させていただきたいと思っております。

 その上で、薬価について、緊急に対応することを考えたときには、既存のルールの考え方があるので、これを参考にさせていただきたいという趣旨で6コマ目の資料を使わせていただいております。

 幸野委員が先ほどおっしゃったことの私どもの受けとめは、今回、緊急でこういう対応をします、ただ、30年改定でしっかりつくったルールを、言ってみればもう一回、精算といいますか、30年改定で薬価調査もした上でしっかりそのルールを適用しなさいという趣旨だと私どもは受けとめておりますので、そういった趣旨で、きょうの御議論を踏まえて私どもで考えられる次の対応を考えていきたいと思います。

 事務局の認識は以上でございます。

○西村部会長

 まとめをありがとうございました。

 今のまとめの内容で、中川委員。

○中川委員

 今の論点1のところの、改定の前年の10月から改定の年の3月までの間に効能追加されたものは、今後も1,000億円、10倍ということが合致すれば、緊急的な措置をするという恒久的なルールになるという理解でいいですか。

○西村部会長

 薬剤管理官。

○中山薬剤管理官

 基本的に、30年度改定に向けては、こうしたことを当てはめなくても合理的な薬価が見直せるようなルールをつくっていく方向で検討したいと考えます。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 今、視野に入っている薬に関していえばそうでしょうけれども、どんな薬が出るかわからないのです。そういうことも含めて考えなければいけないのではないでしょうか。

○西村部会長

 薬剤管理官。

○中山薬剤管理官

 そのとおりかと思います。

○西村部会長

 松原委員。

○松原謙二委員

 要望でございます。ぜひ、合理的で、どこから見ても公正なルールをおつくりいただきたいと思います。

○西村部会長

 御意見として。ありがとうございました。

 加茂谷専門委員。

○加茂谷専門委員

 先ほど、松原委員の御指摘で、小野薬品はそのような意図、戦略を持っていなかったとは思うが、というお話を頂戴いたしました。前回も、小さいところ、例えば希少疾病で承認を得て高薬価を取得して、その後、効能追加をすることによって、収益を得るという企業戦略があるのではないかというやりとりもあったところでございます。そのような議論があったことを踏まえて、当該企業に今回のオプジーボの開発の経緯等を確認しております。当該企業の名誉のためにも、一言コメントをさせていただきたいと思います。

先ほど来御議論いただいておりますとおり、オプジーボは新規の作用機序であり、全く新しい薬剤でございます。そういう観点から、開発リスクが非常に大きいということを当該企業は重々認識し、そのような状況の中で、最も効果が期待でき、最も製品化の可能性が高く、かつ患者さんが待ち望んでいるがん腫、こういったところから優先的に開発することを審査当局とも相談し、結果として悪性黒色腫で申請ができ、承認が得られたとのことであります。

 もちろん、その過程で肺がんの臨床試験も並行して行っておりましたが、悪性黒色腫の申請をした段階で、次に肺がんの承認がとれるかどうかは、企業として確信が得られているわけではなかったという状況とのことでございます。このような状況の中で、冒頭お話ししましたように、小さいところでとっておいて、そして暫時拡大をしていく、そのような薬価戦略を有していたということは、小野薬品からすれば余裕がなかったというか、とにかく黒色腫で頑張るという状況であったと思います。意図的にそのような開発戦略を有していたということではないことを申し述べておきたいと思います。

○西村部会長

 松原委員、どうぞ。その後、中川委員。

○松原謙二委員

 今、名前を出していただきましたので、一言。

 小野薬品は非常にいい会社です。フオイパンとかオノンとかも、それがなければ困る人たちが多くいるようなよい薬をつくった会社です。私は小野薬品が計算して薬価を不当に高くしたとは思っていません。ただ、これが例として出れば、当然、次にそれを利用したいと考えるものも出てくると思います。そういう現象があることが明らかになった以上は、それを改善していくことが筋であると申し上げているわけであります。小野薬品さんがそのように考えたとは申し上げておりません。大変立派な会社でございます。

 以上です。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 今、専門委員の御意見で蒸し返されたような気がして、ちょっと意見を言わなければいけないと。

 小野薬品には余裕がなかった。先ほど私は、希少疾病はフェーズ2で終了して申請できると言ったことについて言及したのは、このことなのです。百歩譲って小野薬品工業がそうであるとして、ではMSD、キイトルーダには余裕があるのですか。

○西村部会長

 専門委員、お願いします。

○加茂谷専門委員

 当該企業の立場を代弁しているわけではございませんけれども、キイトルーダにつきましては、先ほど来御議論いただいておりますとおり、おそらくオプジーボを比較薬とする類似薬効比較方式で算定されると思われます。そういった意味では、薬価戦略ということに関していえば、効能・効果について、どちらを先にとるという認識はないのではないかと思います。

○西村部会長

 中川委員。

○中川委員

 ちょっと違うでしょう。日薬連の多田会長の御意見は、明確に企業戦略として対象患者の少ないものから出すとおっしゃっているのですから。それは企業の余裕がある、ないとは関係ありません。

 一般論として、薬事承認をどんどんとっていって、薬価基準収載の申請希望をどれから出すかということは企業戦略なのではないのですか。それを言っているのです。営利企業ですから、少しでも利益を上げるということは私は認めます。ただし、企業戦略が公的医療保険制度を翻弄してはならないということは、この前から言い続けています。そういうことで、冷静に議論したいなと思っているのです。専門委員は企業を代表する立場でしょうから、そのように弁護されるのかもしれませんが、正確に冷静に事実関係を把握したいと思います。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 ほかに、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 いろいろな御意見をありがとうございました。本日多様な御意見をいただきましたので、御指摘を踏まえまして本件について引き続き議論を行いたいと思います。

 本日の予定された議題は以上です。次回の日程につきまして、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 本日の薬価専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

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